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特開2022-81541カラー撮像のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081541
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】カラー撮像のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/36 20060101AFI20220524BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
G02B21/36
G01N21/64 E
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022029494
(22)【出願日】2022-02-28
(62)【分割の表示】P 2018512327の分割
【原出願日】2016-09-02
(31)【優先権主張番号】62/213,551
(32)【優先日】2015-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518071660
【氏名又は名称】インスコピックス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マーク トラルソン
(72)【発明者】
【氏名】コーエン ヴィッシェル
(72)【発明者】
【氏名】ケビン イー. ニューマン
(57)【要約】
【課題】好適なカラー撮像のためのシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】本明細書に提供されるのは、顕微鏡システムを使用したマルチカラー撮像のためのシステムおよび方法である。顕微鏡システムは、平均的顕微鏡システムと比較して、比較的に小型サイズを有することができる。顕微鏡システムは、マルチカラー撮像の間に生じ得る、迷光からの色収差および/または雑音等の画像アーチファクトを低減もしくは排除するように構成される、種々の構成要素を備えることができる。構成要素は、顕微鏡システムのサイズを実質的に変化させずに、画像アーチファクトおよび/または雑音を低減もしくは排除するように構成されることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照)
本願は、2015年9月2日に出願された米国仮出願第62/213,551号の利益を主張するものであり、該米国仮出願の全体は、参照により本明細書中に援用される。
【背景技術】
【0002】
顕微鏡は、特徴および物体を撮像するために使用されることができる。ある場合には、顕微鏡は、光源をサンプルに提供するように構成されることができる。サンプルは、顕微鏡によって提供される光源に応答して蛍光することができる。ある場合には、サンプルは、規定の波長範囲内の蛍光を放出することができ、波長の範囲は、可視スペクトル内および/または可視スペクトル外の1つもしくはそれを上回る色に対応することができる。異なる波長の範囲を放出するサンプルは、異なるタンパク質および/またはマーカに対応することができる。
【0003】
マルチカラー撮像は、異なる細胞集団および異なる集団または単一集団内のサブセット間の相互作用を研究するために使用されることができる。マルチカラー撮像は、異なる蛍光色素から2つまたはそれを上回る蛍光放出を検出することを含むことができる。マルチカラー撮像は、迷光からの色収差および/または雑音等の種々の画像アーチファクトを誘発し得、これは、ユーザが着目する異なる現象を研究するために使用され得る顕微鏡画像を得るために補正される必要がある。ある場合には、これらの画像アーチファクトおよび雑音は、小型顕微鏡システム内で悪化され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
迷光からの色収差および/または雑音等の画像アーチファクトの発生を最小限にしながら、マルチカラー撮像を行うように構成される、システムの必要性が存在する。さらに、迷光からの色収差および/または雑音等のいくつかの画像アーチファクトは、小型顕微鏡システム内で増加され得、その結果、小型顕微鏡システム内の画像アーチファクトおよび雑音のより大きい影響を補正する付加的必要性が存在する。本明細書に提供されるのは、小型マルチカラー顕微鏡システム内の迷光からの色収差および/または雑音等の画像アーチファクトの影響を低減および/または排除するためのシステムおよび方法である。画像アーチファクトおよび雑音の影響を低減および/または排除するためのシステムおよび方法は、小型顕微鏡システムのサイズを実質的に増加させずに、達成されることができる。ある場合には、迷光からの色収差および/または雑音等の画像アーチファクトは、小型顕微鏡システムの1つまたはそれを上回る他の性能特性に実質的に影響を及ぼさずに、低減および/または排除されることができる。
【0005】
したがって、一側面では、マルチカラー顕微鏡システムが、提供される。本システムは、光をサンプルに指向するように構成される、第1の光指向配列と、光をサンプルに指向するように構成される、第2の光指向配列と、ダイクロイックフィルタであって、該ダイクロイックフィルタ上のサンプルからの光放出の入射の角度にかかわらず、ダイクロイックフィルタを通して通過する光が、(1)第1の光指向配列を介してサンプルに到達する光の波長と重複する波長を有することがないように、かつ(2)第2の光指向配列を介してサンプルに到達する光の波長と重複する波長を有することがないように、少なくとも2つの波長範囲内の光を遮断するように構成される、ダイクロイックフィルタと、光放出がダイクロイックフィルタを通して通過した後、(1)第1の光指向配列を通して指向される光または(2)第2の光指向配列を通して指向される光に応答して発生されるサンプルからの光放出の少なくとも2つの非重複波長範囲を受信するように構成される、検出器とを備える。
【0006】
いくつかの実施形態では、顕微鏡システムは、筐体内に含有される。いくつかの実施形態では、筐体は、1立方インチ未満のサイズである。いくつかの実施形態では、ダイクロイックフィルタ上のサンプルからの光放出の入射の角度は、少なくとも約45度の範囲にわたって変動する。いくつかの実施形態では、第1の光指向配列および第2の光指向配列は、光を同時にサンプルに提供する。いくつかの実施形態では、第1の光指向配列は、光を作り出す第1の光源を含む。いくつかの実施形態では、第2の光指向配列は、第1の光源と異なる波長における光を作り出す第2の光源を有する。いくつかの実施形態では、第1の光指向配列は、顕微鏡システム外の光源と光学連通する。いくつかの実施形態では、第2の光指向配列は、顕微鏡システム外の光源と光学連通する。いくつかの実施形態では、第1の光指向配列および第2の光指向配列は、少なくとも1つの共通光学要素を共有する。いくつかの実施形態では、第1の光指向配列および第2の光指向配列は、光パルスを交互にパルシングしながら、光をサンプルに提供する。いくつかの実施形態では、検出器は、モノクロセンサである。いくつかの実施形態では、検出器は、1つまたはそれを上回るカラーフィルタを備える、マルチカラー検出器である。いくつかの実施形態では、本システムはさらに、1つまたはそれを上回るバッフルを(1)サンプルとダイクロイックフィルタとの間の光学経路内に備え、(2)迷光が検出器上に入射しないように低減させるように構成される。いくつかの実施形態では、第1の光指向配列および第2の光指向配列は、光を2つまたはそれを上回る明確に異なる波長範囲内の光を作り出すように構成される単一光源から受信する。いくつかの実施形態では、単一光源は、複数の空間的に分散された発光ダイオード(LED)を備え、該複数における各LEDは、2つまたはそれを上回る明確に異なる波長範囲のうちの少なくとも1つ内の光を作り出すように構成される。いくつかの実施形態では、検出器は、各々がその収集波長内の光を受信する2つまたはそれを上回るモノクロセンサである。
【0007】
別の側面では、マルチカラー顕微鏡システムが、提供される。本システムは、光をサンプルに指向するように構成される、第1の光指向配列と、光をサンプルに指向するように構成される、第2の光指向配列と、検出器であって、該検出器は、サンプルからの光放出が屈折率分布(GRIN)レンズを通して集束された後、(1)第1の光指向配列を通して指向される光または(2)第2の光指向配列を通して指向される光に応答して発生されるサンプルからの集束光放出を受信するように構成され、光放出は、(1)第1の波長範囲および(2)第1の波長範囲と重複しない第2の波長範囲を備える、検出器と、GRINレンズに取り付けられ、複数の隆起した同心リングを備える、補正要素であって、同心リング間の間隔は、(1)第1の波長範囲または(2)第2の波長範囲のうちの少なくとも1つが、(1)第1の波長範囲および(2)第2の波長範囲を検出器上の同一平面上に集束させる、位相シフトを被るように選定される、補正要素とを備える。
【0008】
いくつかの実施形態では、補正要素は、回折光学要素(DOE)を備える。いくつかの実施形態では、補正要素は、体積ホログラフィック要素を備える。いくつかの実施形態では、システムはさらに、顕微鏡プローブを備える。いくつかの実施形態では、顕微鏡プローブは、補正要素を用いて色収差を補正するように構成される。いくつかの実施形態では、顕微鏡システムは、筐体内に含有される。いくつかの実施形態では、筐体は、1立方インチ未満のサイズである。いくつかの実施形態では、第1の光指向配列は、光を作り出す第1の光源を含む。いくつかの実施形態では、第2の光指向配列は、第1の光源と異なる波長における光を作り出す第2の光源を有する。いくつかの実施形態では、第1の光指向配列は、顕微鏡システム外の光源と光学連通する。いくつかの実施形態では、第2の光指向配列は、顕微鏡システム外の光源と光学連通する。いくつかの実施形態では、第1の光指向配列および第2の光指向配列は、少なくとも1つの共通光学要素を共有する。いくつかの実施形態では、補正要素は、負の分散屈折レンズを備える。いくつかの実施形態では、補正要素は、負の分散GRINレンズを備える。
【0009】
別の側面では、マルチカラー顕微鏡システムが、提供される。本システムは、光をサンプルに指向するように構成される、第1の光指向配列と、光をサンプルに指向するように構成される、第2の光指向配列と、検出器であって、該検出器は、(1)第1の光指向配列を通して指向される光、および/または(2)第2の光指向配列を通して指向される光に応答して発生されるサンプルからの集束光放出を受信するように構成され、光放出は、(1)第1の波長範囲および(2)第1の波長範囲と重複しない第2の波長範囲を備える、検出器と、調節可能レンズを備える、補正要素であって、調節可能レンズは、可変焦点距離を備える、補正要素とを備える。
【0010】
いくつかの実施形態では、本システムはさらに、個々に、または集合的に、システムによって捕捉された画像が、(1)第1の光指向配列を通して指向される光および(2)第2の光指向配列を通して指向される光に応答して発生されるサンプルからの集束光放出を受信するために、合焦するように、調節可能レンズの焦点距離の調節をもたらすように構成される、1つまたはそれを上回るプロセッサを備える。いくつかの実施形態では、調節可能レンズの焦点距離の調節は、電圧を調節可能レンズまたは調節可能レンズと関連付けられた構成要素に印加することによってもたらされる。いくつかの実施形態では、調節可能レンズは、光放出が屈折率分布(GRIN)レンズまたは他のタイプの対物レンズによって集束された後、サンプルからの光放出を受信するように構成される。いくつかの実施形態では、調節可能レンズは、光放出がダイクロイックミラーを越えて通過する前に、サンプルからの光放出を受信するように構成される。いくつかの実施形態では、調節可能レンズは、変形可能レンズである。いくつかの実施形態では、調節可能レンズの焦点距離は、電圧を調節可能レンズまたは調節可能レンズと関連付けられた構成要素に印加することによって調節される。いくつかの実施形態では、調節可能レンズは、傾斜されるように構成される。いくつかの実施形態では、調節可能レンズは、半径方向パターンで傾斜されるように構成される。いくつかの実施形態では、調節可能レンズは、検出器の画像捕捉レートとほぼ等しいレートで異なる傾斜角度に対して傾斜されるように構成される。いくつかの実施形態では、システムはさらに、複数の画像を処理するように構成される、1つまたはそれを上回るプロセッサを備え、複数の画像は、複数の異なる傾斜角度で調節可能レンズを用いて捕捉され、それによって、システムの色収差を補正する。いくつかの実施形態では、調節可能レンズは、ディザリングされるように構成される。いくつかの実施形態では、調節可能レンズは、検出器の画像捕捉レートとほぼ等しいレートでディザリングするように構成される。いくつかの実施形態では、顕微鏡システムは、筐体内に含有される。いくつかの実施形態では、筐体は、1立方インチ未満のサイズである。いくつかの実施形態では、第1の光指向配列は、光を作り出す第1の光源を含む。いくつかの実施形態では、第2の光指向配列は、第1の光源と異なる波長における光を作り出す第2の光源を有する。いくつかの実施形態では、第1の光指向配列は、顕微鏡システム外の光源と光学連通する。いくつかの実施形態では、第2の光指向配列は、顕微鏡システム外の光源と光学連通する。いくつかの実施形態では、第1の光指向配列および第2の光指向配列は、少なくとも1つの共通光学要素を共有する。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
マルチカラー顕微鏡システムであって、
光をサンプルに指向するように構成される、第1の光指向配列と、
光を前記サンプルに指向するように構成される、第2の光指向配列と、
ダイクロイックフィルタであって、前記ダイクロイックフィルタは、前記ダイクロイックフィルタ上の前記サンプルからの光放出の入射の角度にかかわらず、前記ダイクロイックフィルタを通して通過する光が、(1)前記第1の光指向配列を介して前記サンプルに到達する光の波長と重複する波長を有することがないように、かつ(2)前記第2の光指向配列を介して前記サンプルに到達する光の波長と重複する波長を有することがないように、少なくとも2つの波長範囲内の光を遮断するように構成される、ダイクロイックフィルタと、
前記光放出が前記ダイクロイックフィルタを通して通過した後、(1)前記第1の光指向配列を通して指向される光、および/または(2)前記第2の光指向配列を通して指向される光に応答して発生される前記サンプルからの光放出の少なくとも2つの非重複波長範囲を受信するように構成される、検出器と、
を備える、システム。
(項目2)
前記顕微鏡システムは、筐体内に含有される、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記筐体は、1立方インチ未満のサイズである、項目2に記載のシステム。
(項目4)
前記ダイクロイックフィルタ上の前記サンプルからの光放出の入射の角度は、少なくとも約45度の範囲にわたって変動する、項目1に記載のシステム。
(項目5)
前記第1の光指向配列および前記第2の光指向配列は、光を同時に前記サンプルに提供する、項目1に記載のシステム。
(項目6)
前記第1の光指向配列は、光を作り出す第1の光源を含む、項目1に記載のシステム。
(項目7)
前記第2の光指向配列は、前記第1の光源と異なる波長における光を作り出す第2の光源を有する、項目6に記載のシステム。
(項目8)
前記第1の光指向配列は、前記顕微鏡システム外の光源と光学連通する、項目1に記載のシステム。
(項目9)
前記第2の光指向配列は、前記顕微鏡システム外の光源と光学連通する、項目1に記載のシステム。
(項目10)
前記第1の光指向配列および前記第2の光指向配列は、少なくとも1つの共通光学要素を共有する、項目1に記載のシステム。
(項目11)
前記第1の光指向配列および前記第2の光指向配列は、光パルスを交互にパルシングしながら、光を前記サンプルに提供する、項目1に記載のシステム。
(項目12)
前記検出器は、モノクロセンサである、項目1に記載のシステム。
(項目13)
前記検出器は、1つまたはそれを上回るカラーフィルタを備える、マルチカラー検出器である、項目1に記載のシステム。
(項目14)
前記システムはさらに、1つまたはそれを上回るバッフルを(1)前記サンプルと前記ダイクロイックフィルタとの間の光学経路内に備え、(2)迷光が前記検出器上に入射しないように低減させるように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目15)
前記第1の光指向配列および前記第2の光指向配列は、光を2つまたはそれを上回る明確に異なる波長範囲内の光を作り出すように構成される単一光源から受信する、項目1に記載のシステム。
(項目16)
前記単一光源は、複数の空間的に分散された発光ダイオード(LED)を備え、前記複数における各LEDは、前記2つまたはそれを上回る明確に異なる波長範囲のうちの少なくとも1つ内の光を作り出すように構成される、項目15に記載のシステム。
(項目17)
前記検出器は、各々がその収集波長内の光を受信する2つまたはそれを上回るモノクロセンサである、項目1に記載のシステム。
(項目18)
マルチカラー顕微鏡システムであって、
光をサンプルに指向するように構成される、第1の光指向配列と、
光を前記サンプルに指向するように構成される、第2の光指向配列と、
検出器であって、前記検出器は、前記サンプルからの光放出が屈折率分布(GRIN)レンズを通して集束された後、(1)前記第1の光指向配列を通して指向される光、および/または(2)前記第2の光指向配列を通して指向される光に応答して発生される前記サンプルからの集束光放出を受信するように構成され、前記光放出は、(1)第1の波長範囲および(2)前記第1の波長範囲と重複しない第2の波長範囲を備える、検出器と、
前記GRINレンズに取り付けられ、複数の隆起した同心リングを備える、補正要素であって、前記同心リング間の間隔は、(1)前記第1の波長範囲または(2)前記第2の波長範囲のうちの少なくとも1つが、(1)前記第1の波長範囲および(2)前記第2の波長範囲を前記検出器上の同一平面上に集束させる、位相シフトを被るように選定される、補正要素と、
を備える、システム。
(項目19)
前記補正要素は、回折光学要素(DOE)を備える、項目18に記載のシステム。
(項目20)
前記補正要素は、体積ホログラフィック要素を備える、項目18に記載のシステム。
(項目21)
前記システムはさらに、顕微鏡プローブを備える、項目20に記載のシステム。
(項目22)
前記顕微鏡プローブは、前記補正要素を用いて色収差を補正するように構成される、項目21に記載のシステム。
(項目23)
前記顕微鏡システムは、筐体内に含有される、項目18に記載のシステム。
(項目24)
前記筐体は、1立方インチ未満のサイズである、項目23に記載のシステム。
(項目25)
前記第1の光指向配列は、光を作り出す第1の光源を含む、項目18に記載のシステム。
(項目26)
前記第2の光指向配列は、前記第1の光源と異なる波長における光を作り出す第2の光源を有する、項目25に記載のシステム。
(項目27)
前記第1の光指向配列は、前記顕微鏡システム外の光源と光学連通する、項目18に記載のシステム。
(項目28)
前記第2の光指向配列は、前記顕微鏡システム外の光源と光学連通する、項目18に記載のシステム。
(項目29)
前記第1の光指向配列および前記第2の光指向配列は、少なくとも1つの共通光学要素を共有する、項目18に記載のシステム。
(項目30)
前記補正要素は、負の分散屈折レンズを備える、項目18に記載のシステム。
(項目31)
前記補正要素は、負の分散GRINレンズを備える、項目18に記載のシステム。
(項目32)
マルチカラー顕微鏡システムであって、
光をサンプルに指向するように構成される、第1の光指向配列と、
光を前記サンプルに指向するように構成される、第2の光指向配列と、
検出器であって、前記検出器は、(1)前記第1の光指向配列を通して指向される光、および/または(2)前記第2の光指向配列を通して指向される光に応答して発生される前記サンプルからの集束光放出を受信するように構成され、前記光放出は、(1)第1の波長範囲および(2)前記第1の波長範囲と重複しない第2の波長範囲を備える、検出器と、
調節可能レンズを備える、補正要素であって、前記調節可能レンズは、可変焦点距離を備える、補正要素と、
を備える、システム。
(項目33)
1つまたはそれを上回るプロセッサをさらに備え、前記1つまたはそれを上回るプロセッサは、個々に、または集合的に、前記システムによって捕捉された画像が、(1)前記第1の光指向配列を通して指向される光および(2)前記第2の光指向配列を通して指向される光に応答して発生される前記サンプルからの集束光放出を受信するために、合焦するように、前記調節可能レンズの焦点距離の調節をもたらすように構成される、項目32に記載のシステム。
(項目34)
前記調節可能レンズの焦点距離の調節は、電圧を前記調節可能レンズまたは前記調節可能レンズと関連付けられた構成要素に印加することによってもたらされる、項目33に記載のシステム。
(項目35)
前記調節可能レンズは、前記光放出が屈折率分布(GRIN)レンズまたは他のタイプの対物レンズによって集束された後、前記サンプルからの光放出を受信するように構成される、項目32に記載のシステム。
(項目36)
前記調節可能レンズは、前記光放出がダイクロイックミラーを越えて通過する前に、前記サンプルからの光放出を受信するように構成される、項目35に記載のシステム。
(項目37)
前記調節可能レンズは、変形可能レンズである、項目32に記載のシステム。
(項目38)
前記調節可能レンズの焦点距離は、電圧を前記調節可能レンズまたは前記調節可能レンズと関連付けられた構成要素に印加することによって調節される、項目32に記載のシステム。
(項目39)
前記調節可能レンズは、傾斜されるように構成される、項目32に記載のシステム。
(項目40)
前記調節可能レンズは、半径方向パターンで傾斜されるように構成される、項目39に記載のシステム。
(項目41)
前記調節可能レンズは、前記検出器の画像捕捉レートとほぼ等しいレートで異なる傾斜角度に対して傾斜されるように構成される、項目39に記載のシステム。
(項目42)
複数の画像を処理するように構成される、1つまたはそれを上回るプロセッサをさらに備え、前記複数の画像は、複数の異なる傾斜角度で前記調節可能レンズを用いて捕捉され、それによって、前記システムの色収差を補正する、項目39に記載のシステム。
(項目43)
前記調節可能レンズは、ディザリングされるように構成される、項目32に記載のシステム。
(項目44)
前記調節可能レンズは、前記検出器の画像捕捉レートとほぼ等しいレートでディザリングするように構成される、項目43に記載のシステム。
(項目45)
前記顕微鏡システムは、筐体内に含有される、項目32に記載のシステム。
(項目46)
前記筐体は、1立方インチ未満のサイズである、項目45に記載のシステム。
(項目47)
前記第1の光指向配列は、光を作り出す第1の光源を含む、項目32に記載のシステム。
(項目48)
前記第2の光指向配列は、前記第1の光源と異なる波長における光を作り出す第2の光源を有する、項目47に記載のシステム。
(項目49)
前記第1の光指向配列は、前記顕微鏡システム外の光源と光学連通する、項目32に記載のシステム。
(項目50)
前記第2の光指向配列は、前記顕微鏡システム外の光源と光学連通する、項目32に記載のシステム。
(項目51)
前記第1の光指向配列および前記第2の光指向配列は、少なくとも1つの共通光学要素を共有する、項目32に記載のシステム。
【0011】
本開示の付加的な側面および利点は、本開示の例証的実施形態のみが示され、説明される、以下の詳細な説明から、当業者に容易に明白となるであろう。認識されるように、本開示は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、全て本開示から逸脱することなく、種々の明白な点で修正が可能である。したがって、図面および説明は、制限的ではなく、本質的に例証的と見なされるものである。
(参照による引用)
【0012】
本明細書で記述される全ての出版物、特許、および特許出願は、各個別出版物、特許、または特許出願が、参照することにより組み込まれるように特異的かつ個別に示された場合と同一の程度に、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の新規の特徴が、添付の請求項で詳細に記載される。本発明の原理が利用される、例証的実施形態を記載する以下の発明を実施するための形態、ならびに添付図面(また、本明細書では「図」(figureおよびFIG.))を参照することにより、本発明の特徴および利点のより深い理解が得られるであろう。
【0014】
図1図1は、マルチカラー顕微鏡システムの概略図を示す。
図2A図2A、B、およびCは、フィルタ表面における入射光の可変角度での2カラー顕微鏡の波長ドメイン描写を示す。
図2B図2A、B、およびCは、フィルタ表面における入射光の可変角度での2カラー顕微鏡の波長ドメイン描写を示す。
図2C図2A、B、およびCは、フィルタ表面における入射光の可変角度での2カラー顕微鏡の波長ドメイン描写を示す。
図3図3は、色収差を伴う2つまたはそれを上回る色の光を集束させるために構成される、光学経路を示す。
図4図4は、色収差を伴う光学経路を通して伝送される光のスポットダイアグラムを示す。
図5図5は、回折光学要素の断面図を示す。
図6図6は、色収差を排除するための補正要素を備える、2つまたはそれを上回る色の光を集束させるために構成される、光学経路を示す。
図7図7は、色収差を排除するために構成される補正要素を伴う、光学経路を通して伝送される光のスポットダイアグラムを示す。
図8図8は、色収差のための補正を伴う、マルチカラー顕微鏡検査を行うように構成される、プローブを示す。
図9図9は、調節可能レンズを含む、光学構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の種々の実施形態が、本明細書に図示および説明されるが、そのような実施形態は、実施例のみとして提供されることが、当業者に明白となるであろう。多数の変形例、変更、および代用が、本発明から逸脱することなく、当業者に想起され得る。本明細書に説明される本発明の実施形態の種々の代替が、採用されてもよいことを理解されたい。
【0016】
顕微鏡システムを使用した異なる波長におけるサンプルからの光の撮像は、ユーザが、異なる相互作用を研究することを可能にすることができる。顕微鏡は、ユーザが、ユーザの眼によって検出可能なサイズ範囲外の相互作用を研究し得るように、サンプルの1つまたはそれを上回る特徴を拡大するように構成されることができる。異なる波長においてサンプルから撮像された光は、マルチカラー顕微鏡撮像プロセスにおいて撮像され得る、異なる色に対応することができる。顕微鏡システムは、複数の色を同時に測定するように構成されることができる。ある場合には、顕微鏡は、比較的に小型の顕微鏡であることができる。顕微鏡は、約5インチ、4インチ、3インチ、2インチ、1インチ、または0.5インチ未満の最大寸法を有することができる。顕微鏡は、生物または非生物有機体上に搭載されることができる。ある事例では、顕微鏡は、有機体の外部に(例えば、有機体の皮膚にわたって)搭載されてもよい。顕微鏡は、有機体上またはその中のサンプルを撮像するために使用されてもよい。例えば、顕微鏡は、対象の頭部に搭載され、有機体の脳組織を撮像するために使用されてもよい。顕微鏡は、対象に搭載され、対象上またはその中の任意の他の組織を撮像するために使用されてもよい。サンプルの実施例は、器官組織、癌性組織、脈管組織、神経組織(例えば、脳組織)、筋肉組織、結合組織、または内皮組織等、任意の生物学的サンプルまたは組織を含んでもよい。対象は、ヒト対象または動物対象であってもよい。いくつかの実施形態では、動物対象は、齧歯類(例えば、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、アレチネズミ、ハムスター)、サル、イヌ、ネコ、鳥類、昆虫、または任意の他のタイプの動物を含んでもよい。いくつかの事例では、対象は、約50kg、40kg、30kg、20kg、15kg、10kg、5kg、3kg、2kg、1kg、750グラム、500グラム、400グラム、300グラム、200グラム、100グラム、75グラム、50グラム、40グラム、30グラム、25グラム、20グラム、10グラム、5グラム、3グラム、または1グラム未満の体重であってもよい。いくつかの実施形態では、顕微鏡は、生体有機体または非生体有機体の中に挿入されることができる。顕微鏡は、有機体の中に挿入されたプローブに接続されることができる。プローブは、有機体の組織に接触してもよい、またはそうではなくてもよい。顕微鏡は、インビボまたはインビトロで使用されることができる。いくつかの事例では、顕微鏡は、意識のある対象のためにインビボで使用されてもよい。顕微鏡は、麻酔されずに対象のためにインビボで使用されてもよい。顕微鏡は、自由に動き回る、または運動能力があり得る、対象のためにインビボで使用されてもよい。対象は、顕微鏡が対象に接続されている(例えば、その上に搭載される、その中に挿入される)間、環境を自由に動き回ることが可能であってもよい。対象は、顕微鏡が対象のサンプルを撮像している間、環境を自由に動き回ることが可能であってもよい。本明細書のいずれかに説明されるような寸法を有するもの等の小型顕微鏡は、対象の活動に殆ど干渉をもたらさない、または本明細書に説明される特性を有するもの等のより小型の対象でも使用されるという利点を有し得る。
【0017】
複数の色を同時に撮像することは、ユーザが、異なるサンプル、例えば、異なる細胞集団および異なる細胞集団間の相互作用を撮像することを可能にすることができる。異なる細胞集団は、顕微鏡システムによって検出され得る、カラーマーカで染色されることができる。代替として、異なる細胞集団は、自然に、顕微鏡システムによって検出され得る、異なるカラーマーカを放出することができる。ある場合には、集団内のサブ集団が、タンパク質、遺伝子マーカ、または他の識別可能マーカを検出することによって、マルチカラー顕微鏡検査を用いて識別されることができる。サブ集団内の差異が、マルチカラー顕微鏡を用いて研究されることができる。ある場合には、1つの細胞集団からの撮像動態および血液動態が、代謝および/または血液脳関門現象(例えば、薬物送達)を識別するために研究されることができる。
【0018】
異なる細胞は、細胞を1つまたはそれを上回る蛍光タンパク質でタグ付けすることによって、撮像されることができる。蛍光タンパク質は、蛍光色素であり得る。ある場合には、蛍光色素は、カルシウムまたは他の分子種等の小分子蛍光インジケータであり得る。ある場合には、蛍光色素は、細胞膜電圧インジケータであり得る。蛍光タンパク質は、顕微鏡によって提供される光源によって励起されると、検出可能放出を放出することができる。異なる蛍光タンパク質は、異なる波長(例えば、異なる色)の光を放出することができる。異なる波長は、マルチカラー顕微鏡によって、同時に検出されることができる。
【0019】
マルチカラー顕微鏡は、光をサンプルに送達し、光学放出(例えば、反射光、励起光、散乱光、または屈折光放出)をサンプルから収集するように構成される、任意の顕微鏡であることができる。ある場合には、マルチカラー顕微鏡は、落射蛍光撮像用途に適用されることができる。本開示は、必ずしも、そのような用途に限定されず、本開示の種々の側面が、本文脈を使用した種々の実施例の議論を通して理解され得る。
【0020】
ある場合には、顕微鏡は、小型顕微鏡であることができる。顕微鏡は、約5インチ、4インチ、3インチ、2インチ、1インチ、または0.5インチ未満の最大寸法を有することができる。顕微鏡の最大寸法は、顕微鏡の他の寸法を上回る、顕微鏡の寸法(例えば、長さ、幅、高さ、直径)であってもよい。顕微鏡は、約10立方インチ、7立方インチ、5立方インチ、4立方インチ、3立方インチ、2立方インチ、1.5立方インチ、1立方インチ、0.7立方インチ、0.5立方インチ、0.3立方インチ、または0.1立方インチ未満もしくはそれに等しい体積を有してもよい。顕微鏡は、約5平方インチ、4平方インチ、3平方インチ、2平方インチ、1.5平方インチ、1.2平方インチ、1平方インチ、0.9平方インチ、0.8平方インチ、0.7平方インチ、0.6平方インチ、0.5平方インチ、0.3平方インチ、または0.1平方インチ未満もしくはそれに等しい占有面積(例えば、側方断面)を有してもよい。顕微鏡は、約10グラム、7グラム、5グラム、4グラム、3.5グラム、3グラム、2.5グラム、2グラム、1.5グラム、1グラム、0.5グラム、または0.1グラム未満もしくはそれに等しい質量を有してもよい。小寸法は、対象が小型であり得る用途にとって、顕微鏡による対象の活動への低減された干渉をもたらすため、有用であり得る。小占有面積は、対象が小型である、および/または顕微鏡が搭載され得る限定された空間もしくは面積しか存在しないとき、有用であり得る。小型顕微鏡は、本明細書に説明されるように、マルチカラー撮像を可能にし得る。小型顕微鏡は、有利には、本明細書のいずれかに説明されるように、マルチカラー撮像を限定された寸法内で提供するように構成され得る。ある場合には、顕微鏡は、同時にまたは順次、埋込可能プローブまたはカニューレ等の1つもしくはそれを上回る他の診断デバイスおよび/または有機体操作デバイスと併用されることができる。埋込可能プローブまたはカニューレは、薬物送達、組織生検、電気刺激の送達もしくはEEG信号の記録、またはサンプルへの他の刺激を可能にすることができる。サンプルは、顕微鏡によって撮像されているサンプルを含むことができる。顕微鏡の小型サイズは、1つまたはそれを上回る他の診断デバイスおよび/または有機体操作デバイスが、顕微鏡からの空間干渉を伴わずに使用されることを可能にすることができる。
【0021】
顕微鏡は、マルチカラー撮像の間に生じ得る、迷光からの色収差および/または雑音等の画像アーチファクトの影響を低減および/または排除するように構成される、1つまたはそれを上回る構成要素を備えることができる。構成要素は、小型顕微鏡システムのサイズを実質的に増加させずに、顕微鏡内に含まれることができる。ある場合には、迷光からの色収差および/または雑音等の画像アーチファクトは、小型顕微鏡システムの1つまたはそれを上回る他の性能特性に実質的に影響を及ぼさずに、低減および/または排除されることができる。
【0022】
本開示のある例示的実施形態によると、落射蛍光撮像が、顕微鏡デバイスおよびシステムの使用を通して促進されることができる。例えば、デバイスおよび/またはシステムの特定の側面は、蛍光を標的物体または細胞内に発生させるために使用される励起光のために、超低強度および/または電力レベルの使用を可能にする。いくつかの側面は、高分解能を伴う広視野の撮像を可能にする。なおもさらなる側面は、リアルタイムまたはほぼリアルタイムで視認され得る、画像の高速捕捉を対象とする。これらの促進点は、限定ではなく、本開示のいくつかの異なる実施形態にも関連する。
【0023】
特定の側面は、励起光の光源と撮像のための標的物体または細胞との間の近接度に関する。落射蛍光撮像のために、励起光と標的物体との間の相互作用は、撮像蛍光の発生を生じさせる。励起光は、標的物体に向かって指向され、蛍光色素、蛍光マーカ、または蛍光プローブによる吸収のために構成される、具体的波長を有する。蛍光色素は、次いで、異なる(例えば、より長い)波長で光を放出する。異なる蛍光色素は、異なる波長(例えば、色)で光を放出することができる。異なる波長における異なる光放出は、マルチカラー顕微鏡によって同時に検出されることができる。異なる波長における異なる光放出は、別個の励起光源がないことに応答して、単一励起光源に応答して、または複数の励起光源に応答して、生じ得る。吸収された光の量は、標的物体に送達された励起光の量に関連する。このように、発生された蛍光の量は、励起光の量に相関する。種々の光送達機構が、媒体を通して進行するにつれて、光の減衰を低減させることに役立ち得るが、光の減衰は、媒体を通した進行距離が増加するにつれて、増加するであろう。
【0024】
種々の蛍光源が、本明細書に議論される1つまたはそれを上回る実施形態に従って使用されることができる。特定の蛍光源の言及は、必ずしも、他の蛍光源(例えば、GFP、GCaMP、mCherry、およびその異型等の遺伝的コード化蛍光タンパク質)の使用を除外するものではない。蛍光源は、サンプル中で自然に生じることができる、またはサンプルに添加されることができる。いくつかの実施形態では、限定ではないが、光ルミネセンス(例えば、蛍光、燐光)、化学発光、生物発光、または電子発光を含む、任意のタイプのルミネセンスが、検出されてもよい。反射、ルミネセンス、散乱、または他の光相互作用の結果としての複数の光が、検出されてもよい。
【0025】
本明細書に説明される顕微鏡システムは、画像データをマルチカラー落射蛍光の光から捕捉するために、標的物体と画像センサとの間の短距離を用いて、標的物体の撮像を提供することができる。画像分解能および撮像時間は、画像センサによって収集および検出され得る、落射蛍光の光の量に比例することができる。標的物体と画像センサとの間の光学経路の性質に起因した落射蛍光の光の減衰は、望ましくない場合がある。減衰は、標的物体と画像センサとの間の距離を短縮することによって低減されることができる。顕微鏡デバイスおよびシステムの慎重な設計は、標的物体に近接近した画像センサの設置を可能にし、それによって、顕微鏡内の短光学経路の使用を促進する。フィルタ設計および補正要素の使用は、顕微鏡の1つまたはそれを上回る寸法を実質的に増加させずに、迷光からの色収差および/または雑音等の画像アーチファクトの最小限化を伴って、マルチカラー撮像を可能にする。
【0026】
ある場合には、顕微鏡デバイスの対物レンズからの距離は、標的物体の撮像の間、標的物体に対して設定される。対物レンズと標的物体との間の大距離は、標的物体で受信された励起光の量だけではなく、対物レンズで受信され、それによって収集された蛍光の量にも悪影響を及ぼし得る。故に、標的物体(例えば、サンプル)に対して物体レンズの近接度を設定することは、有利であり得る。対物レンズの表面と標的物体との間の線形距離は、最大で、約5cm、2cm、1cm、5mm、1mm、0.1mm、0.01mm、0.001mm、0.0005mm、または0.0001mmであることができる。
【0027】
本開示の実施形態は、比較的に広視野のための画像データ、すなわち、標的物体の高分解能を提供する画像データを捕捉する、顕微鏡デバイスおよびシステムに関する。本開示の1つのそのような実施形態は、視野を撮像するために提供されるセンサ要素またはピクセルのアレイを伴う、画像捕捉回路を含む。センサ要素は、視野の異なる部分のためのマルチカラー落射蛍光を検出する。センサ要素は、標的物体に対して十分な感度および近接度を伴って構成され、画像捕捉および生成を促進することができる。
【0028】
本開示の特定の実施形態は、画質、すなわち、特定の目標のために画像(例えば、画像捕捉レート、分解能、視野サイズ、または撮像深度)を改良するための暴露時間の調節と併せた励起光強度の調節に関する。
【0029】
本開示の他の側面によると、比較的低い光学拡大率が、小型サイズの標的物体のための視野の高分解能撮像と関連して使用される。光学拡大率は、約100倍、50倍、10倍、8倍、5倍、4倍、3倍、2倍、または1.5倍、1倍、0.5倍、または0.25倍未満もしくはそれと等しくあることができる。特定のレベルの撮像のために要求される光学拡大率に関する制約は、本明細書で議論される種々の側面に従って、顕微鏡デバイスおよびシステムの慎重な設計ならびに用途を通して緩和されることができる。いくつかの実施形態では、センサおよび光学配列は、高光学拡大率を要求せずに、サンプルの画像がデジタル的にズームされることを可能にし得る、高分解能画像を提供することが可能であることができる。顕微鏡内の光学要素のうちの1つまたはそれを上回るものは、撮像のために、サンプルから短距離に設置されることができる。ある場合には、撮像のための光学要素とサンプルとの間の距離は、最大で、約0.0001mm、0.001mm、0.01mm、0.1mm、1mm、5mm、10mm、20mm、30mm、40mm、50mm、60mm、70mm、80mm、90mm、または100mmであることができる。ある場合には、撮像のための光学要素とサンプルとの間の距離は、100mmを上回ることができる。撮像のための光学要素とサンプルとの間の距離は、本明細書に列挙された値のいずれかの間であることができる。サンプルに対する1つまたはそれを上回る光学要素の近接設置は、高拡大率要件を伴わずに高分解能画像が捕捉されることを可能にすることができる。ある場合には、高光学拡大率は、長撮像距離を要求し得る。高光学拡大率は、本明細書のいずれかに説明される顕微鏡の寸法内で達成不可能であり得る。高光学拡大率は、本明細書に説明される顕微鏡の最長寸法より長い撮像距離を要求し得る。高光学拡大率を可能にするより大きいシステムは、有機体の1つまたはそれを上回る組織および/または特徴の撮像の間、有機体が自由に移動することを妨害し得る。
【0030】
本開示の実施形態は、本明細書で議論される側面に従って、顕微鏡デバイスおよび/またはシステムを使用した標的物体のリアルタイム撮像に関する。これらの実施形態のあるものでは、撮像レートは、一定分解能を保持しながら、視野を低減させることによって増加され、画像捕捉時間は、暴露時間を短縮することによって低減され、および/またはそのようなリアルタイム撮像のために達成可能なフレームレートは、全視野のサイズならびに所望の画像分解能に相関する。随意にそれとともに実装される、別の要因は、使用される画像センサのタイプおよび応答性を含む。さらに他の要因は、画像をリアルタイムで視認することが望ましい場合、表示のために画像データを伝送および処理する能力に関する。
【0031】
本開示のさらに他の実施形態は、インビボまたはインビトロ落射蛍光性撮像の促進に関する。例えば、生体対象のインビボ撮像は、特に、外部刺激および他の要因と捕捉された画像を相関させるために有用であり得る。本相関は、例えば、捕捉された画像の性質と外部刺激を関連付けることによって、診断/研究ツールとして使用されることができる。ある場合には、薬物送達または電気刺激等の局所刺激の影響が、本明細書に説明される撮像方法を使用して、可視化されることができる。高フレームレートにおけるリアルタイム撮像はさらに、時間の関数として、局所または外部刺激に対する影響の可視化を提供することができる。
【0032】
本開示の実施形態は、顕微鏡デバイスの種々の構成要素の取外および再取付を促進するモジュール式設計を有する、マルチカラー顕微鏡デバイスおよび/またはシステムを対象とする。取外および再取付は、モジュール式構成要素を新しいおよび/または異なるモジュール式構成要素と交換するために使用されることができる。例えば、光源は、同一または異なる光学および電気性質を有する新しい光源と交換されることができる。ある場合には、異なる波長または波長範囲を伴う光を放出する光源が、選定され、再び取り付けられることができる。多角光源が、顕微鏡内で採用されることができる。多角光源は、2つまたはそれを上回る光源を備えることができる。2つまたはそれを上回る光源は、異なる波長または波長範囲を伴う光を放出することができる。光学指向要素(例えば、ミラー、フィルタ、およびレンズ)もまた、除去および再設置されることができる。ある場合には、第1のセットの光学指向要素は、第2のセットの光学指向要素が、ユーザによる撮像のために、着目波長内の色を検出するようにより良好に構成されるとき、第2のセットの光学指向要素と交換されることができる。例えば、光学指向要素は、具体的光学指向要素のセットを使用するとき、ある波長範囲内の色の検出がより良好な(例えば、より少ない雑音、より高い分解能)画像にもたらし得るような入射光の波長に依存する、性能メトリックを有することができる。
【0033】
本開示に従うある他の実施形態では、撮像デバイスのうちの1つまたはそれを上回るものは、外部光学データ処理(記録および/または構成)システムとインターフェースをとるための同期回路を含む。同期回路は、フレーム基準/アクティブ信号を通信するように構成および配列される、論理回路(例えば、マイクロコントローラまたはASICのようなプログラマブルもしくは半プログラマブルチップ)を含む。典型的用途では、フレームアクティブ信号は、撮像デバイスと外部システムとの間で通信されるデータのために、かつそれとともに、例えば、IEEE通信規格において定義されるような同期情報を提供するであろう。そのような光学データ記録/構成システムは、ソフトウェアをインストールし、実験および手順のための設定パラメータを構成し、そのような実験および手順の間、視覚的フィードバックを提供し、操作およびさらなる研究のために、光学データを記録するために使用されることができる。
【0034】
なおもさらなる実施形態では、本開示は、本明細書に説明される画像デバイスの使用方法を対象とする。ある場合には、顕微鏡は、支持/安定性を提供し、また、顕微鏡(再)整合を可能にする、基本構造として作用するベースプレートを備えることができる。これらの方法は、顕微鏡整合が精密となることを可能にするために、落射蛍光顕微鏡をベースプレートに取付および再取付するステップを含む。そのような精度は、例えば、長期にわたる実験の間、共通撮像場所の反復撮像のために十分であるべきである。
【0035】
ここで図に目を向けると、図1は、本開示の実施形態による、マルチカラー顕微鏡デバイスのブロック図を描写する。いくつかの実施形態では、マルチカラー顕微鏡は、落射蛍光顕微鏡であってもよい。顕微鏡デバイス100は、いくつかの構成要素を寸法120および122内に含んでもよい。示されていないのは、寸法120および122と垂直に延在する、さらなる寸法である。必ずしもそれに限定されないが、これらの寸法はそれぞれ、1インチ未満であることができる。ある場合には、寸法120は、最大で、約0.001インチ、0.01インチ、0.05インチ、0.1インチ、0.2インチ、0.3インチ、0.4インチ、0.5インチ、0.6インチ、0.7インチ、0.8インチ、0.9インチ、1インチ、1.5インチ、2インチ、または5インチであることができる。ある場合には、寸法122は、最大で、約0.001インチ、0.01インチ、0.05インチ、0.1インチ、0.2インチ、0.3インチ、0.4インチ、0.5インチ、0.6インチ、0.7インチ、0.8インチ、0.9インチ、1インチ、1.5インチ、2インチまたは5インチであることができる。ある場合には、寸法120および122と垂直に延在する寸法は、最大で、約0.001インチ、0.01インチ、0.05インチ、0.1インチ、0.2インチ、0.3インチ、0.4インチ、0.5インチ、0.6インチ、0.7インチ、0.8インチ、0.9インチ、1インチ、1.5インチ、2インチ、または5インチであることができる。
【0036】
落射蛍光顕微鏡デバイス100は、第1の光学配列102を含むことができる。第1の光学配列102は、励起光104を発生させることができる。第1の光学配列は、光を作り出す第1の光源を含むことができる。特定の実装では、第1の光源は、発光ダイオード(LED)または有機発光ダイオード(OLED)であることができる。第1の光源は、レーザダイオードまたはスーパールミネセントダイオードであることができる。第1の光学配列は、光を顕微鏡外の第1の光源から第1の光学配列に伝送する、オフボード光伝送要素と通信することができる。光伝送要素は、光ファイバ要素であることができる。第1の光源は、光源のアレイ、例えば、マイクロLEDアレイを備えることができる。ある場合には、光源は、光を異なる波長で放出するように構成される、2つまたはそれを上回る光学源を備えることができる。2つまたはそれを上回る光学源は、マトリクスまたはアレイで配列されることができる。2つまたはそれを上回る光源は、光を2つの異なる波長範囲内で放出することができる。第1の光源から放出される光は、第1の波長範囲を有することができる。第2の光源から放出される光は、第2の波長範囲を有することができる。第1の波長範囲および第2の波長範囲は、重複しなくてもよい。第1の波長範囲および第2の波長範囲は、重複してもよい。2つまたはそれを上回る光学源は、光を同時に放出することができる。代替として、2つまたはそれを上回る光源は、1つのみの光源が一度に光を放出するように、パルス化されることができる。
【0037】
ある場合には、顕微鏡デバイス100は、第2の光学配列103を含むことができる。顕微鏡は、第2の光学配列を含まなくてもよい。第1の光学配列および第2の光学配列は、相互に垂直に配列されることができる。第1の光学配列および第2の光学配列は、少なくとも1つの光学要素を共通に有することができる。第1の光学配列および第2の光学配列は、少なくとも1つの共有光学要素を有することができる。第2の光学配列は、励起光105を発生させ得る、第2の光源を有することができる。第2の光源は、発光ダイオード(LED)または有機発光ダイオード(OLED)であることができる。第2の光源は、レーザダイオードまたはスーパールミネセントダイオードであることができる。第2の光学配列は、光を顕微鏡外の光源から第2の光学配列に伝送する光伝送要素を通して、第2の光源と光学連通することができる。光伝送要素は、光ファイバ要素であることができる。第2の光源は、光源のアレイ、例えば、マイクロLEDアレイを備えることができる。第1の光源から放出される光は、第1の波長範囲を有することができる。第2の光源から放出される光は、第2の波長範囲を有することができる。第1の波長範囲および第2の波長範囲は、重複しなくてもよい。第1の波長範囲および第2の波長範囲は、重複してもよい。
【0038】
ある場合には、第1の光指向配列および第2の光指向配列は、光を2つまたはそれを上回る明確に異なる波長範囲内の光を作り出すように構成される単一光源から受信する。単一光源は、第1および第2の光指向配列のいずれかまたは両方のオンボードであることができる。単一光源は、第1および第2の光指向配列のいずれかまたは両方の筐体内にあることができる。単一光源は、第1および第2の光指向配列のいずれかまたは両方のオフボードであることができる。単一光源は、複数の空間的に分散された光源を備える。単一光源は、複数の空間的に分散された発光ダイオード(LED)を備え、該複数における各LEDは、2つまたはそれを上回る明確に異なる波長範囲のうちの少なくとも1つ内の光を作り出すように構成される。
【0039】
光源組み合わせ要素107が、第1の光源からの光と第2の光源からの光を光学的に組み合わせるために提供されることができる。光源組み合わせ要素は、ダイクロイックフィルタであることができる。ダイクロイックフィルタは、第1の光源からの光および第2の光源からの光を収集し、光を単一光学経路内に組み合わせることができる。
【0040】
第1の光源および第2の光源からの組み合わせられた光は、集光レンズ109を通して通過することができる。集光レンズは、第1の光源および第2の光源からの光を収集ならびに集中させることができる。
【0041】
ある場合には、第1の光源および第2の光源は両方とも、同時にオンにされる(例えば、光を放出する)ことができる。第1の光源および第2の光源からの光は、励起フィルタ108を通して通過することができる。励起フィルタは、ショートパスフィルタであることができる。励起フィルタは、バンドパスフィルタであることができる。ある場合には、励起フィルタは、所定の波長範囲内の光の伝送を可能にすることができる。所定の波長範囲は、第1の光源または第2の光源によって発生される波長のサブセットであることができる。励起フィルタは、効果的に、第1のみまたは第2のみの光源からの光の伝送を可能にすることができる。ある場合には、励起フィルタ108は、第1の光源および第2の光源からの光が、スペクトルフィルタ処理を伴わずに、サンプルに送達され得るように、光学経路から省略されることができる。
【0042】
励起光(例えば、第1の光源および第2の光源からの組み合わせられた光放出)104、105は、その撮像のために、光学配列によって標的物体114に指向されることができる。光学配列は、光源組み合わせ要素107、集光レンズ109、励起フィルタ108、対物レンズ112、(ダイクロイックビームスプリッタ)ミラー110、放出フィルタ115、およびチューブレンズ117のうちの1つまたはそれを上回るものを含むことができる。標的物体114からの落射蛍光の光116は、対物レンズから/によって画像捕捉回路118に指向される。画像捕捉回路は、1つまたはそれを上回るモノクロセンサを備えることができる。ある場合には、所定の波長範囲内のサンプルからの光は、1つまたはそれを上回るモノクロセンサのそれぞれに指向されることができる。所定の波長範囲は、モノクロセンサのそれぞれの収集波長範囲であることができる。各モノクロセンサは、それに指向されたその収集波長内の光を有することができる。画像捕捉回路は、1つまたはそれを上回るカラーセンサを備えることができる。顕微鏡デバイス100は、視野126からの光を指向し、そのための画像データを捕捉するように構成されてもよい。
【0043】
本開示の種々の実施形態では、顕微鏡デバイス100はまた、画像集束光学要素(例えば、アクロマティックレンズ)および放出フィルタのうちの1つまたはそれを上回るものを含むことができる。これらおよび他の要素は、顕微鏡デバイス100の光学性質の制御に役立つことができる。
【0044】
一実施形態によると、描写される要素はそれぞれ、比較的に小面積の中に、例えば、寸法120、122を有する単一筐体内に統合される。筐体の総体積は、最大で、約5立方インチ、3立方インチ、1立方インチ、0.75立方インチ、0.5立方インチ、0.25立方インチ、または0.1立方インチであることができる。筐体は、単一部分または複数の部品から形成されてもよい。筐体は、部分的または完全に、本明細書に説明される構成要素のうちの1つまたはそれを上回るものを封入してもよい。筐体は、光学的に不透明であってもよく、顕微鏡の外側からの光が顕微鏡に進入することを防止してもよい。いくつかの事例では、光は、対物レンズを通して顕微鏡の内部のみに進入してもよい。
【0045】
種々の構成要素のそのような統合は、特に、1つまたはそれを上回る光源から標的物体114に、そして画像捕捉回路118に戻る光学経路の長さを低減させるために有用であり得る。本光学経路の低減は、顕微鏡デバイス100のいくつかの異なる性質および能力を促進する、構成パラメータの一部であることができる。例えば、ある実施形態では、顕微鏡は、少なくとも約0.01mm、0.05mm、0.1mm、0.5mm、1mm、2mm、3mm、4mm、または5mmの面積を伴う撮像視野のために、1μmの分解能を伴う画像を提供することができる。
【0046】
ある場合には、カラーセンサ等の光検出器が、画像捕捉回路内に提供されることができる。カラーセンサは、2つまたはそれを上回る明確に異なる波長範囲内の放出される光を感知するように構成されることができる。カラーセンサは、カラーセンサの検出表面が所定の波長範囲内の光放出を検出し得るように、カラーフィルタアレイを備えることができる。ある場合には、カラーフィルタアレイは、3つのフィルタタイプのそれぞれが所定の波長範囲内の光の伝送を可能にすることができる、3つのフィルタタイプを備えることができる。代替として、フィルタアレイは、3つを上回るフィルタタイプ、3つ未満のフィルタタイプ、または3つのフィルタタイプを備えることができる。カラーセンサは、カラーフィルタアレイを有することができる。カラーセンサは、Bayerパターンで配列される、カラーフィルタアレイを有することができる。ある場合には、カラーセンサの使用は、カラーセンサ内の各ピクセルが、カラーフィルタアレイの結果として、センサに入射する総光の一部のみを受信するため、低減された感度および/または分解能をもたらし得る。本明細書に説明される顕微鏡は、センサに入射する光の量が最大限にされるように、サンプルとセンサとの間の短光学経路を有する。
【0047】
光検出器は、画像捕捉回路内に提供され得る、1つまたはそれを上回るモノクロセンサを備えることができる。モノクロセンサは、所定の波長範囲内の光を検出するように構成されることができる。モノクロセンサは、カラーセンサフィルタアレイ内のフィルタのうちの1つによってカラーセンサの一部に伝送される波長範囲より大きい、波長範囲内の光を検出することができる。モノクロセンサは、カラーセンサの任意の部分と比較して、より広範囲の波長内の光を検出するため、モノクロセンサは、モノクロセンサによるより高い品質画像およびより優れた検出感度をもたらし得る、比較的により多くの光を検出することができる。モノクロセンサ内の全てのピクセルが、光を収集するために使用されてもよい。モノクロセンサ内の全てのピクセルが、光を収集するために使用され得るため、モノクロセンサは、優れた検出感度を有し得、高分解能画像を得るために使用され得る。モノクロセンサ内の全てのピクセルが、光を収集するために使用され得るため、モノクロセンサは、より優れた検出感度を有し得、より高い分解能画像(例えば、ピクセルのサブセットが光を収集するために使用される、カラーフィルタを使用する画像センサと比較して)を得るために使用され得る。
【0048】
モノクロセンサは、第1の波長範囲および第2の波長範囲の両方がモノクロフィルタによって検出された波長範囲によって包含されるとき、第1の波長範囲(例えば、色)および第2の波長範囲(例えば、色)内の光の間を区別することが不可能であり得る。モノクロフィルタを用いてマルチカラー撮像を達成するために、時間および/またはスペクトル多重化が、行われることができる。時間多重化では、第1の光源および第2の光源は、第1の光源からの励起によって引き起こされるサンプルからの放出および第2の光源からの励起によって引き起こされるサンプルからの放出が、時間的に分離され得るように、交互パターンでパルス化されることができる。第1の光源のパルス持続時間および第2の光源のパルス持続時間は、同一であることができる。ある場合には、第1の光源のパルス持続時間は、第2の光源のパルス持続時間より長くあることができる。代替として、第1の光源のパルス持続時間は、第2の光源のパルス持続時間より短くあることができる。ある場合には、第1の光源および第2の光源は、約5Hz、10Hz、20Hz、30Hz、40Hz、50Hz、60Hz、70Hz、80Hz、90Hz、100Hz、5000Hz、1000Hz、10000Hz、100000Hz、または1000000Hzのレートにおいて、交互パターンでパルス化されることができる。代替として、第1の光源および第2の光源は、第1および第2の光源のいずれかまたは両方が、反対光源からのパルスの前に、連続的に2回またはそれを上回る回数だけパルス化されるように、交互パターンと異なるパターンでパルス化されることができる。ある場合には、第1の光源および/または第2の光源は、5Hzより低速のレートでパルス化されることができる。ある場合には、第1の光源および/または第2の光源は、1000000Hzより高速のレートでパルス化されることができる。第1および/または第2の光源は、本明細書に列挙された値のいずれかの間のレートでパルス化されることができる。
【0049】
特定の例示的実施形態は、光学センサ118のアレイとともに構成される。光学配列は、約1mW未満(種々の実施形態は、より高い励起電力、例えば、100mWを提供する)の励起光104、105を少なくとも0.5mmである視野126内の標的物体114に指向し、励起光104、105によって生じる落射蛍光放出116を光学センサ118のアレイに指向するように構成されることができる。種々の実施形態では、視野126は、少なくとも1mmであることができる。光学センサ118の光学配列およびアレイはそれぞれ、視野126の画像のために、標的物体114に十分に近接して、少なくとも2.5μm分解能を提供するように構成される。他の実施形態では、光学センサ118の光学配列およびアレイは、少なくとも1μm分解能を提供するように構成されることができる。ある実施形態では、試料における励起光電力は、可変であって、特定の構成および撮像制約に応じて、100μW~100mWの範囲内であることができる。
【0050】
本開示の実施形態によると、第1の光源および/または第2の光源は、最大6mWの光を送達することができる。しかしながら、第1の光源および/または第2の光源がそのような強度の光を提供し得ることは、必ずしも要件ではない。さらに、標的物体によって受信される光の量は、第1の光源および/または第2の光源によって提供される光の量未満である(減衰係数に比例して)。例えば、一実施形態の減衰は、光源における6mWが標的物体に送達される1mW励起電力に対応する結果をもたらす。同様に、100mWの励起電力を試料に送達するために、光源は、最大600mWを提供するように構成されることができる。
【0051】
顕微鏡システムは、加えて、色収差を防止または低減させるように構成される、1つまたはそれを上回る光学要素(例えば、フィルタ)113を備えることができる。色収差を最小限におよび/または排除するように構成される、光学要素は、回折光学要素(DOE)を備えることができる。ある場合には、色収差を最小限におよび/または排除するように構成される、光学要素は、負の光学要素を伴う、複レンズを備えることができる。ある場合には、色収差に対して構成される光学要素は、高分散ガラスから形成される負の光学要素と、低分散ガラスから形成される正の要素とを伴う、複レンズを備えることができる。ある場合には、色収差を最小限におよび/または排除するように構成される、光学要素は、負の分散屈折レンズを備えることができる。ある場合には、色収差を最小限におよび/または排除するように構成される、光学要素は、負の分散勾配屈折率(GRIN)レンズを備えることができる。
【0052】
マルチカラー撮像の間、光は、様々な角度からダイクロイックフィルタ110要素に入射することができる。ダイクロイックフィルタは、所定の範囲または波長範囲内の光を伝送するように構成される、多層光学デバイスであることができる。ダイクロイックフィルタは、所定の範囲または波長範囲内の光を反射させるように構成されることができる。ある場合には、光は、好ましい入射の角度に対して約+/-10度の角度範囲内でダイクロイックフィルタ(例えば、ダイクロイックビームスプリッタ)に入射することができる。入射角度の角度範囲は、比較的により大きいマルチカラー撮像システム内で予期される角度範囲に対して大きくなり得る。比較的により大きいマルチカラー撮像システムのための入射角度の予期される角度範囲は、好ましい入射の角度に対して約+/-1度であり得る。ダイクロイックフィルタを通して伝送される光のスペクトル範囲は、光の入射角度に依存し得る。ある場合には、ダイクロイックフィルタに入射する光の比較的に大角度範囲は、望ましくない光(例えば、所望の波長範囲外の光)をダイクロイックフィルタを通して伝送させる。望ましくない光は、グレアおよび/または雑音を顕微鏡によって作り出される画像内に生じさせ得る。ある場合には、雑音は、光および/または空間光アーチファクトの増加された背景レベルによって発生され得る。望ましくない光は、画像の縁にグレアを生じさせ得る。
【0053】
ダイクロイックフィルタは、ダイクロイックフィルタが、第1の光源からの励起光および/または第2の光源からの励起光のパスバンドと重複しない、透過パスバンドと動作するように設計されることができる。ダイクロイックフィルタは、第1の光源からの励起光および/または第2の光源からの励起光が画像捕捉回路に到達することを防止することができる。ダイクロイックフィルタは、励起または放出フィルタのいずれも光を透過しない、1つまたはそれを上回る不感帯とともに設計されることができる。ダイクロイックフィルタは、ダイクロイックフィルタが、ダイクロイックフィルタに入射する光の角度にかかわらず、第1の光源からの励起光および/または第2の光源からの励起光のパスバンドと重複しない、透過パスバンドと動作するように、設計されることができる。ダイクロイックフィルタは、ダイクロイックフィルタが、少なくとも約90°のダイクロイックフィルタに入射する光の角度の範囲にわたって、第1の光源からの励起光および/または第2の光源からの励起光のパスバンドと重複しない、透過パスバンドと動作するように設計されることができる。ダイクロイックフィルタは、ダイクロイックフィルタが、少なくとも約45°のダイクロイックフィルタに入射する光の角度の範囲にわたって、第1の光源からの励起光および/または第2の光源からの励起光のパスバンドと重複しない、透過パスバンドと動作するように設計されることができる。ダイクロイックフィルタは、ダイクロイックフィルタが、少なくとも約30°のダイクロイックフィルタに入射する光の角度の範囲にわたって、第1の光源からの励起光および/または第2の光源からの励起光のパスバンドと重複しない、透過パスバンドと動作するように設計されることができる。ダイクロイックフィルタは、ダイクロイックフィルタを通して伝送され得る第1の光源および/または第2の光源からの光電力の量が、第1の光源および/または第2の光源の電力の少なくとも約0.001、0.005、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、または0.1倍であるように設計されることができる。ダイクロイックフィルタは、ダイクロイックフィルタを通して伝送され得る第1の光源および/または第2の光源からの光電力の量が、最大で、第1の光源および/または第2の光源の電力の約0.001、0.005、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、または0.1倍であるように設計されることができる。ある場合には、ダイクロイックフィルタを通して伝送され得る第1の光源および/または第2の光源からの光電力の量は、第1の光源および/または第2の光源の電力の0.1倍を上回ることができる。ダイクロイックフィルタを通して伝送され得る第1の光源および/または第2の光源からの光電力の量は、本明細書に列挙された値のいずれかの間であることができる。
【0054】
ダイクロイックフィルタの不感帯は、それらが第1の光源からの励起光および/または第2の光源からの励起光の伝送を防止するように設計されることができる。ダイクロイックフィルタの不感帯は、それらが1つまたはそれを上回る蛍光色素放出の波長範囲の少なくとも一部と重複しないように設計されることができる。ダイクロイックフィルタは、望ましくない光を遮断するように設計される、バッフルまたは他の物理的障壁と組み合わせて使用されることができる。
【0055】
図2Aは、1つまたはそれを上回る光源からの放出と、1つまたはそれを上回る蛍光色素に関する励起および放出スペクトルと、光が画像捕捉回路に入射する前に光をフィルタ処理するように構成されるダイクロイックフィルタに関する透過パスバンドとを含む、2カラー顕微鏡のための波長ドメイン描写を示す。本明細書に説明されるように、ダイクロイックフィルタのパスバンドは、迷光(例えば、第1の光源および第2の光源からの放出)が画像捕捉回路に到達することを防止されるように選定されることができる。2カラー顕微鏡は、約0.1立方インチ、0.5立方インチ、1立方インチ、2立方インチ、3立方インチ、4立方インチ、5立方インチ、6立方インチ、7立方インチ、8立方インチ、9立方インチ、または10立方インチ未満の総体積を伴う、比較的に小型の顕微鏡であることができる。他の実施形態では、類似波長ドメインは、3つまたはそれを上回る色(例えば、離散波長範囲)の放出を検出するように構成される、マルチカラー顕微鏡を説明することができる。2カラー顕微鏡の本明細書における任意の説明は、2つまたはそれを上回る色、3つまたはそれを上回る色、4つまたはそれを上回る色、5つまたはそれを上回る色、もしくは6つまたはそれを上回る色等、複数の色を検出可能な任意の他のマルチカラー顕微鏡に適用されてもよい。
【0056】
図2に示される波長ドメインに対応する2カラー顕微鏡は、2つまたはそれを上回る蛍光色素の放出を検出するように構成される、顕微鏡であることができ、例えば、蛍光色素は、GFPおよびmCherry蛍光色素であることができる。図2に示される波長ドメインは、GCaMP蛍光色素に関する励起スペクトル201およびmCherry蛍光色素に関する励起スペクトル202を含む。波長ドメインはまた、GCaMP蛍光色素に関する放出スペクトル203およびmCherry蛍光色素に関する放出スペクトル204も示す。
【0057】
加えて、図2Aにおける波長ドメインは、バンドパスフィルタ処理された第1の光源(例えば、青色発光ダイオード(LED))の放出スペクトル205および第2のバンドパスフィルタ処理された光源(例えば、琥珀LED)の放出スペクトルを示す。
【0058】
図2Aに示される波長ドメイン描写はまた、ダイクロイックビームスプリッタの第1の透過パスバンド207およびダイクロイックビームスプリッタの第2の透過パスバンド208を示す。ある場合には、ダイクロイックビームスプリッタは、1つのみの透過パスバンドを有することができる。ある場合には、ダイクロイックビームスプリッタは、2つを上回る透過パスバンドを有することができる。ダイクロイックビームスプリッタの透過パスバンドの数は、光源または光チャネルの数に相当することができる。波長ドメイン描写に示されるように、ダイクロイックビームスプリッタの第1および第2の透過パスバンドは、第1の光源および第2の光源の放出スペクトルからスペクトル的に分離されることができる。第1および第2の光源からの放出は、ダイクロイックビームスプリッタによって伝送されなくてもよい。第1および第2の光源からの放出は、ダイクロイックビームスプリッタの不感帯209および210のスペクトル範囲内にあり得る。ある場合には、第1の透過パスバンドは、所定の波長範囲内の光の伝送を可能にすることができる。波長範囲は、少なくとも約10nm、25nm、50nm、75nm、100nm、150nm、200nm、250nm、300nm、350nm、400nm、450nm、500nm、550nm、600nm、700nm、800nm、900nm、または1000nmであることができる。ある実施例では、ダイクロイックビームスプリッタは、約45度の設計入射角度において約500nm~約560nmに及ぶ第1の透過パスバンド207を有することができる。ダイクロイックビームスプリッタは、約625nmおよびそれより高い波長を伴う光の伝送を可能にする、第2の透過パスバンド208を有することができる。ダイクロイックフィルタの不感帯とダイクロイックフィルタのパスバンドとの間の透過の遷移は、波長の関数として、段階的変化挙動を有し得る。
【0059】
ダイクロイックビームスプリッタのパスバンドの波長範囲は、ダイクロイックビームスプリッタへの光の入射角度に依存し得る。図2Bおよび図2Cは、それぞれ、約35度および55度の入射角度におけるダイクロイックビームスプリッタのパスバンドのシフトを示す。55度の入射角度では、不感帯波長範囲は、ゼロに接近する。同様に、35度の入射角度では、対応する不感帯波長範囲は、ゼロに接近する。
【0060】
ダイクロイックビームスプリッタ207および208の透過パスバンドは、それらが、入射角度の極限値(例えば、30度もしくはそれに接近する角度および/または60度もしくはそれに接近する角度)において、バンドパスフィルタ処理された光源205および206の放出スペクトルと重複しないように選定されることができる。ダイクロイックビームスプリッタ207および208の波長透過パスバンドとバンドパスフィルタ処理された光源205および206の放出スペクトルとの間の分離の提供は、(例えば、望ましくない)迷光がセンサおよび/または検出器に到達することを防止することができ、したがって、顕微鏡によって生成される画像内の望ましくない光を制限することができる。ダイクロイックビームスプリッタ207および208の透過パスバンドは、それらが広範囲の入射角度にわたってバンドパスフィルタ処理された光源205および206の放出スペクトルと重複しないように選定されることができる。広範囲の入射角度は、広視野角を構成することができる。広範囲の入射角度は、円錐角度を構成することができる。広範囲の入射角度は、約0度~約90度の角度を含むことができる。
【0061】
ダイクロイックビームスプリッタパスバンドは、光の入射角度の関数であることができる。ダイクロイックビームスプリッタパスバンドの波長範囲は、その範囲が、入射光の角度の関数として、増加、減少、および/またはシフトするように変化することができる。ある場合には、フィルタシステムは、ダイクロイックビームスプリッタ207および208の透過パスバンドが入射角度の選定された範囲全体にわたってバンドパスフィルタ処理された光源205および206の放出スペクトルのパスバンドと重複しないことを確実にするために、不感帯を備えなければならない。フィルタは、不感帯のために選択された波長または波長範囲の光が通過することを防止し得る。不感帯は、1つまたはそれを上回る光源が光を放出し、フィルタが、光が通過することを可能にする光の波長の間に提供されてもよい。図2に示される実施例では、システムは、約475nm~約500nmの波長からの第1の不感帯209、約560nm~約585nmからの第2の不感帯210、および約595nm~約625nmからの第3の不感帯211を備えることができる。代替として、または加えて、不感帯は、他の波長範囲を備えることができる。波長範囲は、波長の範囲内の任意の場所であるように選定されることができ、例えば、100nm~1000nmの波長範囲内の波長の任意のサブセットが、不感帯として選定されることができる。ある場合には、不感帯は、少なくとも約10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、150nm、200nm、250nm、300nm、350nm、400nm、450nm、または500nmの範囲内の波長範囲に及ぶことができる。具体的波長および波長範囲のサイズは、望ましくない光がダイクロイック110に入射しないように、1つまたはそれを上回る不感帯のために選定されることができる。不感帯は、十分な光がセンサ118によって検出されるべきフィルタシステムを通して通過し、画像の中への望ましくない迷光を可能にせずに、画像を生成するように、最適化されることができる。ある場合には、不感帯のスペクトル幅は、ダイクロイックビームスプリッタを直角入射により近い角度において動作させることによって低減されることができる。
【0062】
ある実施例では、2カラー顕微鏡は、2つまたはそれを上回る蛍光色素の放出を検出するように構成される、顕微鏡であることができ、例えば、蛍光色素は、GFPおよびmCherry蛍光色素であることができる。顕微鏡と関連付けられた波長ドメインは、GFP蛍光色素およびmCherry蛍光色素に関する励起スペクトルを含むことができる。加えて、波長ドメインは、青色LEDのためのバンドパスフィルタおよび琥珀LEDのためのバンドパスフィルタとともに、青色発光ダイオード(LED)および琥珀LEDの放出スペクトルを含むことができる。波長ドメインの説明はまた、2バンドダイクロイックビームスプリッタの透過率を含むことができる。2カラー顕微鏡のダイクロイックビームスプリッタは、約500nm~約560nmの波長における第1の透過パスバンドと、約625nmおよびそれを上回る第2の透過パスバンドとを有することができる。パスバンドおよびダイクロイックビームスプリッタの波長範囲は、ダイクロイックビームスプリッタへの光の入射角度に依存し得る。
【0063】
代替として、または加えて、フィルタシステムは、望ましくない光を遮断するように構成される、1つまたはそれを上回るバッフル等の空間フィルタ処理要素を備えることができる。バッフルは、サンプルとダイクロイックとの間の光学経路内に設置されることができる。バッフルは、センサおよび/または検出器に入射する望ましくない迷光を減少させることができる。バッフルは、スペクトル不感帯の使用と組み合わせて使用されることができる。別の代替として、付加的光学および/またはフィルタが、スペクトル不感帯の使用と組み合わせて使用され、検出器またはセンサに入射する望ましくない迷光を最小限にすることができる。
【0064】
マルチカラー撮像は、光の異なる色間の波長の差異と、伝送、反射、および/または吸収された入射光の波長への顕微鏡システム内の1つまたはそれを上回る構成要素の依存性とに起因して、色収差を被り得る。異なる色(例えば、波長範囲)の光は、1つまたはそれを上回る光学要素を通して異なって伝送され得る。ある場合には、光の異なる色(例えば、波長)は、レンズ等の光学要素を通して集束されると、異なる焦点距離を有し得る。顕微鏡システム100は、対物レンズ112を備えることができる。随意に、対物レンズは、屈折率分布(GRIN)対物レンズ等の他のレンズ要素を備えてもよい、および/またはそれに動作可能に結合されてもよい。他のレンズ要素は、随意に、伸長および/または挿入可能レンズ要素を備えてもよい。例えば、他のレンズ要素は、サンプルの中に挿入されるように構成されてもよい。随意に、他のレンズ要素は、サンプルに接触するように構成されてもよい。GRINは、レンズの屈折率が光学軸と垂直な寸法に沿って変動する、レンズであることができる。GRINレンズは、1つまたはそれを上回る平坦表面を備えることができる。ある場合には、GRIN対物レンズは、レンズを通して集束される光の波長に依存する、焦点距離を有することができる。
【0065】
図3は、GRIN対物レンズ301を通して集束される光の2つの異なる色を示す。光の2つまたはそれを上回る異なる色は、図3に示される光学経路を通して伝送されることができる。光学経路300は、複数の光学要素を備えることができる。GRINレンズ301を通して通過後、光は、ダイクロイックフィルタ304を通して通過することができる。ダイクロイックフィルタ304は、1つまたはそれを上回る光線を規定された方向に指向することができる。ダイクロイックフィルタは、1つまたはそれを上回る光線を光学経路内の別の光学要素に指向することができる。光は、次いで、入射光をセンサ307上に集束するように構成される、アクロマティックレンズ306を通して通過することができる。
【0066】
第1の光色302は、第2の光色303より比較的に長い波長を有することができる。ある実施例では、光の2つの異なる色は、緑色光および赤色光を含むことができる。第1の光色の光は、光学経路を通して進行し、センサ上に集束することができる。第2の光色の光は、光学経路を通して進行し、センサ前に集束することができる。第1の光色の焦点および第2の光色の焦点は、光学軸に沿って、少なくとも約50ミクロン、100ミクロン、150ミクロン、200ミクロン、250ミクロン、300ミクロン、350ミクロン、400ミクロン、450ミクロン、または500ミクロンの距離だけ分離されることができる。
【0067】
同様に、第1の光色のスポット径および第2の光色のスポット径は、光学軸に沿って選定された場所において、相互に対して変動することができる。図4は、比較的により短い波長を伴う光が集束される光学軸に沿った場所(例えば、緑色光焦点)における、比較的により短い波長を伴う光(例えば、緑色光)401のスポット径および比較的により長い波長を伴う光(例えば、赤色光)402のスポット径を示す。比較的により長い波長を伴う光のスポット径は、少なくとも約2倍、5倍、10倍、12倍、14倍、16倍、18倍、20倍、25倍、または50倍、比較的により短い波長を伴う光のスポット径より大きくあり得る。
【0068】
ある場合には、撮像プロセスは、光の2つまたはそれを上回る色が、実質的に同一場所に、実質的に同等スポット径を光学軸内に伴って、集束するように、色収差を最小限におよび/または排除することによって改良されることができる。本明細書に提供されるのは、顕微鏡のサイズを実質的に増加させずに、色収差を最小限にまたは排除するためのシステムおよび方法である。単一要素が、光学システム内に含まれ、色収差を補正することができる。色収差は、光学システムへの2つまたはそれを上回るレンズの追加を要求せずに、補正されることができる。図5は、DOE要素113の横断面図を示す。顕微鏡は、光の2つまたはそれを上回る色を実質的に同一場所に集束させるように構成される、回折光学要素(DOE)113をフィットすることができる。DOEは、表面起伏要素を備えることができる。DOEは、体積ホログラフィック要素を備えることができる。DOEは、GRINレンズの表面に取り付けられることができる。DOEは、GRINレンズの厚さに対して薄くあることができる。DOEは、ダイクロイックビームスプリッタに最も近いGRINレンズの端部に取り付けられることができる。代替として、DOEは、顕微鏡の光学経路内の別の要素に取り付けられることができる。光学経路は、1つまたはそれを上回るDOEを備えることができる。
【0069】
DOEは、一連の同心リングを伴う、エンボス加工された表面を備えることができる。同心リングは、DOEを通して伝送される光の位相を改変するように構成されることができる。同心リングは、位相シフトをDOEを通して伝送される光内に生じさせるように構成されることができる。位相シフトは、後方位相シフトであることができる。DOEは、少なくとも約2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、200、300、400、500、または1000個の同心リングを備えることができる。ある場合には、同心リング間の半径方向間隔は、均一であることができる。代替として、同心リング間の半径方向間隔は、リングの第1のサブセットがリングの第2のサブセットより比較的にともに近接して離間されるように、可変であることができる。
【0070】
DOEは、平面要素を備えることができる。代替として、DOEは、球面または非球面要素を備えることができる。DOEは、平面、球面、または非球面表面に取り付けられることができる。DOEは、複数の同心リング501を備えることができる。リングは、DOEの表面から突出することができる。リングは、DOEの表面から隆起することができる。ある場合には、同心リングの高さは、以下の方程式に従って設計されることができる。
【化1】

式中、hは、同心リングの高さであって、lは、動作波長であって、nは、レンズ基板の屈折率である。動作波長は、顕微鏡によって検出された異なる色の光信号に対応する、離散波長または波長範囲であることができる。ある場合には、同心リングの厚さtは、DOEの中心線から縁まで減少することができる。ある場合には、同心リングの厚さは、DOEの中心線から縁まで徐々に減少することができる。DOEの中心線から広がるにつれて、各連続リングは、最大で、前のリング(例えば、DOEの中心により近いリング)の厚さの約99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、または5%の厚さを有することができる。
【0071】
DOEを通して伝送される光によって被られる位相シフトの大きさは、光の波長の関数であり得る。例えば、赤色光は、緑色光に対してより大きい位相シフトを被り得る。DOEは、第1の光の波長によって被られる位相シフトおよび第2の光の波長によって被られる位相シフトが、顕微鏡によって集束されると、第1の光の波長および第2の光の波長が光学軸内に実質的に同一焦点およびスポット径を有する結果となるように構成されることができる。ある場合には、DOEは、1つまたはそれを上回る光放出の焦点の改変に加え、もしくはその代わりに、モノクロビーム収差を補正するように構成されることができる。
【0072】
図6は、DOE113を組み込む、光学経路を示す。光学経路は、DOE113の追加を除き、図3に示される光学経路に類似することができる。DOE113は、GRIN対物レンズ301の表面に取り付けられることができる。DOE113は、ダイクロイックビームスプリッタ304に最も近いGRIN対物レンズ301の表面に取り付けられることができる。代替として、DOE113は、GRIN対物レンズの別の表面または別の光学要素の別の表面に取り付けられることができる。光303、302の2つまたはそれを上回る異なる色は、図6に示される光学経路を通して伝送されることができる。光の第1の色は、光の第2の色と比較して、比較的により長い波長を有することができる。ある実施例では、光の2つの異なる色は、赤色光および緑色光であることができる。図6に示される光学経路では、光の2つの異なる色は、実質的に同一場所に焦点を有することができる。第1の光の波長の焦点距離と第2の光の波長の焦点距離との間の光学軸に沿った距離は、最大で、約25%、20%、15%、10%、5%、1%、0.1%、0.01%、0.001%、または0.0001%異なり得る。
【0073】
図7は、光の2つの異なる色が、図6に示されるシステムによって説明されるようなDOEまたは類似光学システムによって色補正された光の2つの異なる色(例えば、赤色および緑色光)に関する、画像センサ平面におけるスポット図を示す。光の2つの異なる色に関するスポット半径701は、実質的に同一であることができる。光の第1の色に関するスポット半径および光の第2の色に関するスポット半径は、最大で、約25%、20%、15%、10%、5%、1%、0.1%、0.01%、0.001%、または0.0001%異なり得る。
【0074】
ある場合には、マルチカラー撮像は、顕微鏡プローブを使用して行われることができる。ある場合には、顕微鏡プローブは、内視鏡検査プローブであることができる。顕微鏡プローブは、生体もしくはかつて生体であった有機体の器官および/または孔の中への挿入のために構成されることができる。プローブは、生体または非生体有機体の組織の中に挿入されることができる。プローブは、有機体が覚醒している間、有機体の中に挿入されることができる。プローブは、有機体が自由に移動しながら、有機体の中に挿入されることができる。プローブは、外科手術手技の間、形成された切開を通して有機体の中に挿入されることができる。プローブは、直線プローブまたは屈曲プローブであることができる。プローブは、剛性または可撓性であることができる。プローブは、最大で、約100mm、50mm、40mm、30mm、20mm、10mm、5mm、4mm、3mm、2mm、1mm、0.5mm、0.25mm、0.1mm、0.05mm、0.01mm、0.005mm、または0.001mmの直径を有することができる。プローブは、少なくとも約1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、20mm、30mm、40mm、50mm、60mm、70mm、80mm、90mm、または100mmの長さを有することができる。プローブの長さの少なくとも一部は、プローブが使用中、有機体の中に挿入されることができる。
【0075】
ある場合には、小型マルチカラー顕微鏡は、顕微鏡プローブと接続されることができる。プローブは、顕微鏡を含有する、筐体に接続されることができる。ある場合には、プローブおよび顕微鏡は、光伝送要素(例えば、光ファイバ要素)を通して接続されることができる。マルチカラー顕微鏡プローブを用いたマルチカラー撮像は、上記の顕微鏡システムに関して説明されたような色収差に関する類似問題を被り得る。補正要素が、色収差を実質的に補正するためにプローブ内に提供されることができる。ある場合には、2つまたはそれを上回るDOEが、単一DOEが収差を補正するために不十分である場合、直列に使用されることができる。補正要素は、前述のような回折光学要素(DOE)またはホログラフィック要素を備えることができる。DOEは、プローブの長さを実質的に増加させずに、色収差を補正することができる。DOEは、プローブの幅を実質的に増加させずに、色収差を補正することができる。ある場合には、プローブへのDOEの追加は、DOE要素を伴わない類似プローブと比較して、最大で、約100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、1%、0.1%、0.01%、または0.001%、プローブの長さを増加させ得る。ある場合には、プローブへのDOEの追加は、DOE要素を伴わない類似プローブと比較して、最大で、約100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、1%、0.1%、0.01%、または0.001%、プローブの直径を増加させ得る。マルチカラー顕微鏡プローブが、前述のように、対物レンズに加え、またはその代わりに、使用されてもよい。マルチカラー顕微鏡プローブは、対象の中に挿入されてもよい。プローブは、撮像されるべき組織等のサンプルに接触してもよい、またはそうではなくてもよい。
【0076】
ある場合には、補正要素は、補正要素が、入射光の焦点面、すなわち、瞳面と共役する平面またはその近傍に位置するとき、色収差を補正する際に最も効果的であり得る。いくつかの光学配列、例えば、GRIN対物レンズを備える光学配列では、瞳面は、GRINレンズの内側に位置することができる。補正要素をGRINレンズの内側に設置する1つの方法は、GRINレンズを劈開し、補正要素をレンズの内側に設置することを含み得る。代替として、GRINレンズは、入射光のための瞳面場所においてGRINの内側に埋設された補正要素とともに製造されることができる。
【0077】
ある場合には、GRINレンズの内側への補正要素の含有は、空気空間を要求し得る。空気空間は、補正要素に隣接することができる。空気空間の含有は、GRINレンズおよび/またはプローブの構造強度を減少させ得る。構造強度の減少は、圧縮、ねじり、および/または張力応力へのその応答において、GRINレンズおよび/またはプローブの機械的強度を減少させ得る。ある場合には、外部補強が、レンズおよび/またはプローブの構造強度を復元するために提供されることができる。外部補強は、少なくとも1つの寸法(例えば、長さまたは周囲寸法)において、プローブのサイズを増加させ得る。増加されたプローブサイズは、より大きいプローブの有機体の中への挿入を可能にするために、より大きい切開を有機体内に要求し得る。ある場合には、増加されたプローブサイズは、プローブが器官および/または孔の中に容易に挿入されないように妨害し得る。
【0078】
ある場合には、補正要素は、体積ホログラフィック要素であることができる。体積ホログラフィック要素は、空気空間を伴わずに、レンズの中に挿入されることができる。体積ホログラフィック要素は、レンズの内側の入射光の瞳面に設置されるとき、空気空間を要求しなくてもよい。体積ホログラフィック要素は、2つの隣接するGRINレンズの表面に接合されることができる。体積ホログラフィック要素を備えるプローブは、外部補強が必要ないように、十分な構造強度を有することができる。体積ホログラフィック要素を備えるプローブは、プローブの外部補強を要求せずに、色収差を補正するように構成されることができる。体積ホログラフィック要素を備えるプローブは、体積ホログラフィック要素を伴わないプローブと比較して、プローブのサイズを増加させずに、色収差を補正するように構成されることができる。
【0079】
図8は、色収差を補正するように構成される体積ホログラフィック要素801を備える、プローブ800の略図を示す。ホログラフィック要素801は、ホログラフィック要素801の片側において、第1のGRINレンズ802の面に接合され、ホログラフィック要素801の別の側において、第2のGRINレンズ803の面に接合される。第1のGRINレンズ802および第2のGRINレンズ803は、分裂GRINレンズの一部である。分裂GRINレンズおよびホログラフィック要素は、撮像面804および顕微鏡対物レンズ805とともに、光学軸内にある。
【0080】
図9は、調節可能レンズ901を含む、光学構成900を示す。図9は、実質的に図1に関して説明されるようなマルチカラー顕微鏡システムを図示し得る。例えば、システムは、光学配列902、904と、ダイクロイックミラー等の光源組み合わせ要素907と、レンズ909と、励起フィルタおよび/または放出フィルタ等の光学フィルタ908、917と、ダイクロイックミラー等のミラー910と、レンズ919と、画像捕捉回路等のセンサ918とを備えてもよい。随意に、光学構成は、1つまたはそれを上回るレンズ要素を備えてもよい。例えば、光学構成は、上記に説明されるように、GRINレンズ921に動作可能に結合され得る、またはそれを備え得る、対物レンズを備えてもよい。GRINレンズは、補正要素923を備えてもよい、またはそうではなくてもよい。
【0081】
随意に、他の光学要素が、色収差を補正するために提供されてもよい。いくつかの事例では、他の光学要素は、調節可能レンズ901であってもよい。他の光学要素は、図9に示されるシステムの光学経路内の任意の場所に提供されてもよい。例えば、他の光学要素は、励起フィルタ908および/またはダイクロイックミラー910後、光学配列(または光源)によって発生される光を受信するように構成されてもよい。随意に、他の光学要素が、GRINレンズ921後、放出光(例えば、落射蛍光の光)を標的から受信するように構成されてもよい。いくつかの事例では、他の光学要素が、ダイクロイックミラー910および/または放出フィルタ917前に、標的からの放出光を受信するように構成されてもよい。調節可能レンズは、図9では、光学経路内の規定された場所に示されるが、調節可能レンズ(または他の光学要素)は、任意の他の場所に設置されてもよいことを理解されたい。例えば、調節可能レンズは、光学フィルタ917とレンズ919との間に設置され、実質的に全体を通して説明されるように行われ得る。
【0082】
描写される要素はそれぞれ、いずれか、例えば、図1に関して実質的に説明されるように、単一筐体内に含有されてもよい。代替として、描写される要素のうちのいくつかは、単一筐体内に含有されてもよい一方、他の要素は、単一筐体の外側に位置する。例えば、光学要素921は、筐体の外側に位置してもよい一方、他の要素は、筐体内に位置する。光学要素921は、調節可能レンズ等の他の光学要素と接触してもよい、またはそうではなくてもよい。
【0083】
調節可能レンズは、全体を通して説明される小型顕微鏡システムとの統合のために扱いやすいサイズを備えてもよい。いくつかの事例では、調節可能レンズは、約1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、12mm、14mm、16mm、18mm、または20mmと等しいもしくはそれ未満の半径を備えてもよい。随意に、調節可能レンズは、可変半径を備えてもよい。いくつかの事例では、調節可能レンズは、約1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、12mm、14mm、16mm、18mm、または20mmと等しいもしくはそれ未満の厚さまたは高さを備えてもよい。随意に、調節可能レンズは、可変高さを備えてもよい。
【0084】
調節可能レンズは、調節可能パラメータを備えてもよい。例えば、調節可能レンズは、可変焦点距離を備えてもよい。別の実施例として、調節可能レンズは、可変光学軸を備えてもよい。いくつかの事例では、調節可能レンズは、傾斜および/またはディザリングされてもよい。調節可能レンズは、その光学軸を中心として傾斜されてもよい、またはそうではなくてもよい。いくつかの事例では、調節可能レンズの光学軸は、傾斜または調節されてもよい。加えて、調節可能レンズは、前述のように、可変半径および/または高さを備えてもよい。
【0085】
調節可能レンズは、変形可能レンズを備えてもよい。代替として、または加えて、調節可能レンズは、移動可能な構成要素、例えば、移動可能な光学要素を備えてもよい。調節可能レンズは、電気光学手段、機械的手段、電気機械的手段、熱光学手段、および/または音響機械的手段によって調節されてもよい。例えば、電圧をレンズおよび/または調節可能レンズと関連付けられた構成要素に印加することによって、レンズの焦点距離は、調節されてもよい。例えば、電圧をレンズおよび/または調節可能レンズと関連付けられた構成要素に印加することによって、レンズは、傾斜されてもよい。任意の電気関連手段によって調節可能な調節可能レンズは、本明細書では、電子レンズとも称され得る。
【0086】
いくつかの事例では、調節可能レンズは、圧電構成要素または機械的構成要素に動作可能に結合されてもよい。例えば、レンズ流体が、レンズ膜を拡張または収縮させ、焦点および/またはズームの変動を達成する、レンズエンクロージャの内外に圧送されてもよい。例えば、アクチュエータは、変形可能壁を押動または解放し、チャンバ内の液体の体積を変化させ、レンズ、例えば、液体レンズの曲率を調節してもよい。いくつかの事例では、圧電構成要素は、電気電圧に応答して、機械的応力を発生させ、調節可能レンズのパラメータを調節してもよい。非限定的実施例として、調節可能レンズは、液体レンズ、エレクトロウェッティングレンズ、液晶レンズ、および/または圧電駆動レンズを備えてもよい。
【0087】
調節可能レンズは、画像を合焦させる、および/または色収差を補正するために利用されてもよい。色収差は、いくつかの事例では、調節可能レンズを介して、能動的に補正されてもよい。いくつかの事例では、調節可能レンズは、色収差を軸方向に補正するために利用されてもよい。例えば、色収差は、必要に応じて、レンズの焦点距離を変化させることによって、補正または軽減されてもよい。例えば、本明細書に前述されたように、マルチカラー撮像は、異なる色(例えば、異なる波長)の光がレンズ等の光学要素によって異なって集束され得るにつれて、色収差を被り得る。故に、異なる波長(例えば、波長範囲)の光に関して、画像を合焦させるために、調節可能レンズの焦点距離を調節する必要があり得る。調節可能レンズは、約10mm、15mm、20mm、25mm、30mm、40mm、50mm、60mm、70mm、80mm、90mm、100mm、120mm、140mm、160mm、180mm、200mm、220mm、240mm、260mm、260mm、または300mmと等しいもしくはそれを上回る焦点距離を備えてもよい。いくつかの事例では、調節可能レンズは、所与の時点において以前に参照した焦点距離のいずれかを有するように調節されてもよい。いくつかの事例では、調節可能レンズの焦点距離への調節は、センサ(例えば、画像を捕捉するセンサ)と同期され、合焦画像が捕捉されることを確実にしてもよい。
【0088】
代替として、または加えて、調節可能レンズは、側方平面における色収差を補正するために利用されてもよい。例えば、側方平面における色収差は、調節可能レンズを適切な傾斜角度で傾斜させることによって補正または軽減され得る。調節可能レンズの傾斜は、本明細書で参照されるように、調節可能レンズ自体を傾斜させることを指し得る。代替として、または加えて、調節可能レンズの傾斜は、調節可能レンズの光学軸が傾斜または変動され得るように、調節可能レンズを調節する(例えば、レンズを変形させる、液体レンズの曲率を調節する)ことを指し得る。傾斜角度は、調節可能レンズの光学軸を中心としてもよい、またはそうではなくてもよい。随意に、調節可能レンズは、約0.1°、0.2°、0.3°、0.4°、0.6°、0.8°、1°、1.2°、1.5°、2°、2.5°、3°、4°、5°、6°、7°、8°、9°、10°、12°、または15°と等しいもしくはそれを上回る傾斜角度で傾斜されるように構成されてもよい。
【0089】
いくつかの事例では、調節可能レンズは、画像がセンサ(例えば、画像捕捉回路)によって捕捉されている間、半径方向または円形パターンで傾斜してもよい。いくつかの事例では、調節可能レンズは、ディザリングされ(例えば、傾斜角度および方向におけるランダム変動を誘発することによって)、例えば、ディザリングが十分なレートで行われる場合の半径方向効果をシミュレートまたは生成してもよい。続いて、レンズのディザリングまたは傾斜と併せて捕捉された複数の画像が、処理されてもよい。複数の捕捉された画像は、異なる傾斜角度を備えてもよい。異なる傾斜角度は、大きさが異なる、または光学軸を中心とした傾斜方向が異なる、傾斜角度を指し得る。いくつかの事例では、複数の画像は、同一または類似大きさ(例えば、オリジナルの非傾斜光学軸を中心として)を有する、傾斜角度で捕捉されてもよい。代替として、複数の画像は、異なる大きさ(例えば、オリジナルの非傾斜光学軸を中心として)を有する、傾斜角度で捕捉されてもよい。
【0090】
いくつかの事例では、調節可能レンズは、所定の大きさで傾斜され、オリジナル光学軸を中心として円形パターンで調節または傾斜され、非傾斜光学軸を中心として360度回転してもよい。続いて、調節可能レンズは、第2、第3、第4、第5、またはそれを上回る所定の大きさで傾斜されてもよく、プロセスは、複数の画像が捕捉される間、繰り返されてもよい。複数の捕捉された画像は、色収差を補正するために利用または処理されてもよい。
【0091】
1つまたはそれを上回るプロセッサが、色収差の補正を補助するために提供されてもよい。例えば、1つまたはそれを上回るプロセッサは、個々に、または集合的に、複数の捕捉された画像を利用して、色収差を補正してもよい。複数の画像は、上記に説明されるように、傾斜された調節可能レンズを用いて捕捉された画像であってもよい(例えば、円形または半径方向パターンで)。1つまたはそれを上回るプロセッサは、個々に、または集合的に、複数の画像を処理し、低減された色収差を伴う画像を得てもよい。いくつかの事例では、捕捉された複数の画像は、例えば、画像の後処理において組み合わせられてもよい。調節可能レンズの異なる傾斜角度を用いた複数の捕捉された画像の組み合わせまたは処理は、例えば、側方平面における色収差を低減または排除し得る。異なる傾斜角度は、大きさまたは光学軸を中心とした方向が異なる、傾斜角度を指し得る。いくつかの事例では、複数の捕捉された画像は、約5画像、10画像、15画像、20画像、25画像、30画像、40画像、50画像、60画像、80画像、100画像、150画像、200画像、250画像、300画像、400画像、または500画像と等しいもしくはそれを上回ってもよい。
【0092】
いくつかの事例では、傾斜および/またはディザリングは、センサ、例えば、画像捕捉センサと同期されてもよい。例えば、調節可能レンズは、センサの画像捕捉レートに従って、ディザリングまたは傾斜してもよい。代替として、調節可能レンズは、センサの画像捕捉レートを上回るレートでディザリングまたは傾斜してもよい。代替として、調節可能レンズは、センサの画像捕捉レートより少ないレートでディザリングまたは傾斜してもよい。画像捕捉回路は、約10fps、15fps、20fps、25fps、30fps、40fps、50fps、60fps、80fps、100fps、120fps、140fps、160fps、180fps、200fps、220fps、240fps、280fps、320fps、360fps、400fps、またはそれを上回るレートと等しいもしくはそれを上回るレートで画像を捕捉してもよい。調節可能レンズは、約10調節/秒、15調節/秒、20調節/秒、25調節/秒、30調節/秒、40調節/秒、50調節/秒、60調節/秒、80調節/秒、100調節/秒、120調節/秒、140調節/秒、160調節/秒、180調節/秒、200調節/秒、220調節/秒、240調節/秒、280調節/秒、320調節/秒、360調節/秒、400調節/秒、またはそれを上回るレートと等しいもしくはそれを上回るレートで調節(例えば、傾斜、ディザリング等)されてもよい。
【0093】
いくつかの事例では、調節可能レンズは、特に、マルチカラー撮像用途に有用であり得る。本明細書に前述されたように、マルチカラー撮像は、色収差を被り得る、またはレンズ等の光学要素を通して集束されると、異なる色(例えば、波長)の光が異なる焦点距離を有し得るため、焦点から外れた画像を捕捉し得る。故に、異なる波長(例えば、異なる波長範囲)に関して、異なる焦点距離の利用は、画像を合焦させるために適切または必要であり得る。いくつかの事例では、調節可能レンズは、焦点距離が画像を異なる光の波長に対して合焦させるために適切であるように調節されてもよい。随意に、1つまたはそれを上回るプロセッサが、捕捉された画像が、常時、異なる光の波長に対して合焦し得るように、撮像システム(例えば、調節可能レンズ)の焦点距離を変動させるために提供されてもよい。
【0094】
いくつかの事例では、異なる波長範囲の光を放出する異なる光学配列または光源は、時間的に多重化されてもよい。光学配列または光源の時間多重化と併せて、調節可能レンズも、撮像システムが異なる光の波長に対して合焦画像を捕捉可能であるように調節されてもよい。いくつかの事例では、調節可能レンズの焦点距離は、捕捉された画像を合焦させるために、光学配列または光源の時間多重化と実質的に同時に調節されてもよい。代替として、調節可能レンズの焦点距離は、捕捉された画像を合焦させるために、光学配列または光源の時間多重化と実質的に連続して調節されてもよい。いくつかの事例では、1つまたはそれを上回るプロセッサが、捕捉された画像を合焦させるために、撮像システムまたは調節可能レンズの焦点距離が光学配列または光源によって作り出される光(例えば、励起光)に従って適切に調節されることを確実にするために提供されてもよい。代替としてまたは加えて、1つまたはそれを上回るプロセッサが、撮像システムまたは調節可能レンズの焦点距離が、捕捉された画像を合焦させるために、サンプルによって作り出される光(例えば、放出光)に従って適切に調節されることを確実にするために提供されてもよい。加えて、調節可能レンズは、上記のように色収差を軽減または補正するために傾斜および/またはディザリングされてもよい。
【0095】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書で示され、説明されているが、そのような実施形態は、一例のみとして提供されることが当業者に明白となるであろう。本発明が本明細書内で提供される具体的実施例によって限定されることは、意図されない。本発明は、前述の明細書を参照して説明されているが、本明細書の実施形態の説明および例証は、限定的な意味で解釈されるように意図されていない。多数の変形例、変更、および置換が、本発明から逸脱することなく、当業者に想起されるであろう。さらに、本発明の全ての側面は、種々の条件および変数に依存する、本明細書に記載される具体的描写、構成、または相対的割合に限定されないことを理解されたい。本明細書で説明される本発明の実施形態の種々の代替案が、本発明を実践する際に採用されてもよいことを理解されたい。したがって、本発明はまた、任意のそのような代替案、修正、変形例、または均等物も網羅するものとすると考慮される。以下の請求項は、本発明の範囲を定義し、それにより、これらの請求項およびそれらの均等物の範囲内の方法ならびに構造が対象となることが意図される。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】