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特開2022-81676鍵管理装置、鍵管理システム及び鍵管理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081676
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】鍵管理装置、鍵管理システム及び鍵管理方法
(51)【国際特許分類】
   E05B 19/00 20060101AFI20220524BHJP
【FI】
E05B19/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022046626
(22)【出願日】2022-03-23
(62)【分割の表示】P 2018033610の分割
【原出願日】2018-02-27
(31)【優先権主張番号】P 2017035855
(32)【優先日】2017-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【弁理士】
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】谷村 康典
(72)【発明者】
【氏名】安積 征孝
(57)【要約】
【課題】鍵の対象機器自体の撤去などに伴って鍵の廃止が発生する場合に、該鍵の廃止等に効率良く対応することを課題とする。
【解決手段】鍵を保持し、あらかじめ登録された鍵使用者に対して、鍵の使用を許可する鍵管理装置であって、鍵管理装置は、鍵を保持するホルダー部と鍵の廃止操作を受け付ける操作部とを備え、操作部から特定のホルダー部を選択すると、ホルダー部から鍵を抜き取り可能とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍵を保持するホルダーを収納する収納部と、
鍵に係る操作を受け付ける操作部と、
鍵を使用する使用者の使用者情報を記憶する使用者情報記憶部と、
前記操作部から特定の鍵の廃止操作を受け付けた場合に、該特定の鍵に対応する使用者情報を前記使用者情報記憶部から抹消する制御部と
を備える鍵管理装置。
【請求項2】
鍵の廃止に係る鍵廃止履歴を記憶する鍵廃止履歴記憶部をさらに備える請求項1に記載の鍵管理装置。
【請求項3】
前記操作部は、鍵廃止目的の入力を受け付ける請求項1又は2に記載の鍵管理装置。
【請求項4】
鍵の廃止に連動して無権限使用者が発生しているか否かを判定する判定部をさらに備える請求項1~3のいずれか一つに記載の鍵管理装置。
【請求項5】
無権限使用者が存在する場合には、操作者又は管理者に報知する報知部をさらに備える請求項4に記載の鍵管理装置。
【請求項6】
前記操作部は、前記操作部から特定の鍵の廃止予約操作を受け付け可能である請求項1~5のいずれか一つに記載の鍵管理装置。
【請求項7】
鍵を保持するホルダーを収納する収納部と、鍵に係る操作を受け付ける操作部とを有する鍵管理装置と、該鍵管理装置を管理する外部管理装置とを備えた鍵管理システムであって、
前記鍵管理装置は、
前記操作部から特定の鍵の廃止操作を受け付けた場合に、廃止対象となる前記特定の鍵に関する情報を前記外部管理装置に通知する通知部を備え、
前記外部管理装置は、
鍵を使用する使用者の使用者情報を記憶する使用者情報記憶部と、
前記鍵管理装置から廃止対象となる前記特定の鍵に関する情報の通知を受け付けた場合に、前記使用者情報記憶部に記憶された前記特定の鍵を使用する使用者に関する使用者情報を抹消するよう制御する制御部と
を備える鍵管理システム。
【請求項8】
鍵を保持するホルダーを収納する収納部と、鍵に係る操作を受け付ける操作部とを有する鍵管理装置における鍵管理方法であって、
前記操作部から特定の鍵の廃止操作を受け付ける受付工程と、
鍵を使用する使用者に関する使用者情報を使用者情報記憶部に格納する格納工程と、
前記受付工程により前記特定の鍵の廃止操作を受け付けた場合に、該特定の鍵に対応する使用者情報を前記使用者情報記憶部から抹消する抹消工程と
を含む鍵管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍵の対象機器自体の撤去などに伴って発生する鍵の廃止等に効率良く対応することができる鍵管理装置、鍵管理システム及び鍵管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金融機関や流通機関などの店舗には、店舗内に設置された機器を作動させるための鍵や管理場所を開閉する鍵などの複数の鍵が存在するため、これらの鍵を鍵管理機によって管理する技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、鍵を保持するホルダーを着脱可能に収納するホルダー収納部(収容庫)と、権限者によるホルダーに保持された鍵の鍵交換操作を受け付ける特殊操作部と、該特殊操作部での鍵交換操作の鍵交換履歴を記憶する記憶部と、記憶部に記憶した鍵交換履歴を印字するプリンタとを有する鍵管理機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許5913667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のものは、ある鍵Xを他の鍵Yに交換する場合に利用される技術であり、鍵又は鍵を保持するホルダーを「廃止」する場合に利用されるものではない。このため、対象機器の撤去に伴って鍵が不要となる場合には、この鍵の利用者として登録されている登録利用者を個別に抹消した後に、鍵の廃止操作をしなければならず、鍵廃止に伴う人的労力が過大になるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであって、鍵の対象機器自体の撤去などに伴って鍵の廃止が発生する場合に、該鍵の廃止等に効率良く対応することができる鍵管理装置、鍵管理システム及び鍵管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は、鍵を保持するホルダーを収納する収納部と、鍵に係る操作を受け付ける操作部と、鍵を使用する使用者の使用者情報を記憶する使用者情報記憶部と、前記操作部から特定の鍵の廃止操作を受け付けた場合に、該特定の鍵に対応する使用者情報を前記使用者情報記憶部から抹消する制御部とを備える。
【0008】
また、本発明は、上記の発明において、鍵の廃止に係る鍵廃止履歴を記憶する鍵廃止履歴記憶部をさらに備える。
また、本発明は、上記の発明において、前記操作部は、鍵廃止目的の入力を受け付ける。
また、本発明は、上記の発明において、鍵の廃止に連動して無権限使用者が発生しているか否かを判定する判定部をさらに備える。
また、本発明は、上記の発明において、無権限使用者が存在する場合には、操作者又は管理者に報知する報知部をさらに備える。
【0009】
また、本発明は、上記の発明において、前記操作部は、前記操作部から特定の鍵の廃止予約操作を受け付け可能である。
【0010】
また、本発明は、鍵を保持するホルダーを収納する収納部と、鍵に係る操作を受け付ける操作部とを有する鍵管理装置と、該鍵管理装置を管理する外部管理装置とを備えた鍵管理システムであって、前記鍵管理装置は、前記操作部から特定の鍵の廃止操作を受け付けた場合に、廃止対象となる前記特定の鍵に関する情報を前記外部管理装置に通知する通知部を備え、前記外部管理装置は、鍵を使用する使用者の使用者情報を記憶する使用者情報記憶部と、前記鍵管理装置から廃止対象となる前記特定の鍵に関する情報の通知を受け付けた場合に、前記使用者情報記憶部に記憶された前記特定の鍵を使用する使用者に関する使用者情報を抹消するよう制御する制御部とを備える。
【0011】
また、本発明は、鍵を保持するホルダーを収納する収納部と、鍵に係る操作を受け付ける操作部とを有する鍵管理装置における鍵管理方法であって、前記操作部から特定の鍵の廃止操作を受け付ける受付工程と、鍵を使用する使用者に関する使用者情報を使用者情報記憶部に格納する格納工程と、前記受付工程により前記特定の鍵の廃止操作を受け付けた場合に、該特定の鍵に対応する使用者情報を前記使用者情報記憶部から抹消する抹消工程とを含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、鍵の対象機器自体の撤去などに伴って鍵の廃止が発生する場合に、該鍵の廃止等に効率良く対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本実施例1に係る鍵管理装置による鍵廃止時の概念を説明するための説明図である。
図2図2は、本実施例1に係る鍵管理システムのシステム構成を示す図である。
図3図3は、本実施例1に係る鍵管理装置の外観を示す斜視図である。
図4図4は、図3に示した鍵管理装置の内部構成を示す機能ブロック図である。
図5図5は、図4に示した鍵管理マスタの一例を示す図である。
図6図6は、図4に示した鍵貸出履歴データの一例を示す図である。
図7図7は、図4に示した鍵交換目的リストの一例を示す図である。
図8図8は、図4に示した鍵交換履歴データの一例を示す図である。
図9図9は、図4に示した鍵廃止リストの一例を示す図である。
図10図10は、図4に示した鍵廃止履歴データの一例を示す図である。
図11図11は、図4に示した鍵交換目的リストの一例を示す図である。
図12図12は、図4に示したセット使用履歴データの一例を示す図である。
図13図13は、図1に示した管理サーバの構成を示す機能ブロック図である。
図14図14は、図3に示した鍵管理装置による鍵廃止時の処理手順を示すフローチャートである。
図15図15は、図14に示した鍵の取り外し処理の処理手順を示すフローチャートである。
図16図16は、鍵廃止を行う場合における表示操作部の表示の一例を示す図(その1)である。
図17図17は、鍵廃止を行う場合における表示操作部の表示の一例を示す図(その2)である。
図18図18は、鍵廃止を行う場合における表示操作部の表示の一例を示す図(その3)である。
図19図19は、鍵交換時のホルダーの状況を示す図である。
図20図20は、鍵廃止操作時のレシート印字の一例を示す図である。
図21図21は、鍵廃止操作後の鍵管理マスタの一例を示す図である。
図22図22は、実施例2に係る鍵交換処理手順を示すフローチャートである。
図23図23は、本実施例3に係る無権限使用者についての処理の概念を説明するための説明図である。
図24図24は、実施例3に係る鍵管理装置110の内部構成を示す機能ブロック図である。
図25図25は、無権限使用者に関する処理手順を示すフローチャートである。
図26図26は、無権限使用者の一覧表示の具体例である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0014】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る鍵管理装置、鍵管理システム及び鍵管理方法の好適な実施例を詳細に説明する。
【0015】
<鍵管理装置による処理の概念>
まず、本実施例1に係る鍵管理装置10による鍵廃止時の概念について説明する。図1は、本実施例1に係る鍵管理装置10による鍵廃止時の概念を説明するための説明図である。
【0016】
図1に示す鍵管理装置10は、銀行等の金融機関の店舗に設けられ、貨幣処理装置や金庫等の鍵を収納する装置であり、後述する表示操作部及びカードリーダを有する。表示操作部は、タッチパネルディスプレイ等であり、操作者による操作入力の受付及び各種情報の表示を行う。カードリーダは、操作者が携行するカードから識別情報等を読み取る場合に用いられる。
【0017】
具体的には、操作者が所持するカードをカードリーダに通すと、該カードリーダはカードからカードIDを読み取り、該カードIDに基づいて操作者の認証を行い、操作者に鍵を取り出す権限が設定されているならば、後述する鍵収納庫の扉が解錠され、扉が開放可能となる。鍵収納庫には、1又は複数の鍵をリングにより繋いで保持するホルダーが複数収納されている。また、各ホルダーは、それぞれ該ホルダーに対応するホルダー収納部に収納される。ここで、このホルダーは、ホルダー収納部に挿入された状態で収納される本体部と、1又は複数の鍵にワイヤ等を通して繋ぐようにした係止部材であるリングと、このリングを本体部に固定するために本体部に設けられたU字状のフックとからなる。通常の使用時には、フックは閉じられロックされているが、鍵を交換又は廃止する場合にはロックを解除してフックを本体部から引き出してフックを開状態とすることで、フックからリングを外すことが可能となる。
【0018】
本実施例における「鍵廃止」とは、1つのホルダーに保持されている1又は複数の鍵の全てを廃止することであり、複数の鍵のうち一部の鍵を廃止する場合は「鍵交換」に含まれるものとして説明を行う。
【0019】
図1の説明に戻ると、カードリーダがカードからカードIDを読み取り(ステップS1)、ホルダーに保持されている鍵の全てが廃止対象となる廃止ホルダーが指定されると(ステップS2)、鍵管理装置10は、登録された使用者情報から廃止ホルダーに係る使用者情報を抹消するとともに(ステップS3)、鍵廃止履歴情報を生成して上位のシステムに送出する(ステップS4)。管理サーバ20は、この鍵廃止履歴情報に基づいて重要鍵管理台帳を更新する(ステップS5)。
【0020】
このように、本実施例1に係る鍵管理装置10は、廃止ホルダーが指定されたならば、該廃止ホルダーに保持された鍵の使用権限を有する複数の使用者情報を一括して抹消するとともに、廃止ホルダー、操作時間、操作者等の項目を含む鍵廃止履歴情報を生成する。
【0021】
また、鍵管理装置10は、廃止ホルダーを指定する場合に、廃止する目的を選択可能に表示して入力させる。これにより、上位装置等に記憶された鍵管理台帳等を更新することができるため、鍵管理台帳等が常に最新のものとなる。
【0022】
なお、本実施例1では、カードIDを磁気記録する磁気カードを用いる場合について説明するが、カードIDを内部メモリに記憶するIC(integrated circuit)カードを用いて認証を行うこともできる。また、あらかじめ設定されるコードを利用者が入力して操作者の認証を行うこともできる。
【0023】
<鍵管理装置システムの構成>
次に、本実施例1に係る鍵管理システムのシステム構成について説明する。図2は、本実施例1に係る鍵管理システムのシステム構成を示す図である。図2に示すように、この鍵管理システムは、鍵管理装置10と、貨幣入出金機40と、重要物管理装置50とがネットワークを介して管理サーバ20に接続される。また、管理サーバ20は、管理者端末30に接続される。
【0024】
鍵管理装置10は、貨幣入出金機40及び重要物管理装置50の鍵を管理する管理装置である。鍵管理装置10は、取出対象となる鍵の指定操作を受け付けたならば、操作員が正当であることを条件として、指定された鍵を取り出すことが可能となる。なお、ここでは説明の便宜上、鍵管理装置10が、貨幣入出金機40及び重要物管理装置50の鍵を管理する場合について説明するが、店舗内に配設された他の装置(ATM(現金自動預払機;Automatic Teller Machine)、両替機、金庫等)の鍵を管理することもできる。
【0025】
貨幣入出金機40は、貨幣の入金処理及び出金処理を行う出納機と呼ばれる装置であり、バラ紙幣、所定枚数単位で結束された束紙幣、バラ硬貨及び所定枚数単位で包装された包装硬貨を取り扱う。この貨幣入出金機40は、貨幣の払出指示操作を受け付けたならば、払出指示操作に応じた貨幣の払出処理を行うとともに、貨幣の収納指示操作を受け付けたならば、収納指示操作に応じた貨幣の収納処理を行う。
【0026】
重要物管理装置50は、通帳、証書及び有価証券等の重要物を保管するための装置である。この重要物管理装置50は、重要物を保管するための複数の収納部を有し、各収納部は、外部からのアクセスを制限するロック機構を有する。重要物管理装置50は、重要物を取り出す旨の操作を受け付けたならば、重要物の種類に応じて対応する収納部のロックを解除して、指定された重要物の取り出しを可能とする。
【0027】
管理サーバ20は、貨幣入出金機40及び重要物管理装置50の鍵の管理を行うサーバ装置である。具体的には、鍵の属性、ホルダー、使用権限等の鍵の使用に関する各種情報を対応付けた鍵管理マスタを生成して記憶する。なお、必要に応じて鍵管理マスタを鍵管理装置10に配信する。
【0028】
管理者端末30は、鍵管理マスタの生成や変更を行う権限を有する管理者により使用される装置である。鍵管理マスタの生成や変更を行う場合には、図2に示すように、管理者が管理者端末30を操作して、管理サーバ20に対して鍵管理マスタ登録・更新を要求する(ステップS11)。
【0029】
管理サーバ20は、管理者端末30から鍵管理マスタ登録・更新の要求を受け付けると、鍵管理マスタの生成又は更新を行って自装置に記憶するとともに、新たな鍵管理マスタを鍵管理装置10に配信する(ステップS12)。鍵管理装置10は、配信された鍵管理マスタを保持し、管理サーバ20は、鍵管理マスタの配信完了を管理者端末30に通知する(ステップS13)。
【0030】
また、管理サーバ20は、鍵管理装置10により管理及び保管された鍵の廃止や交換に伴って鍵廃止履歴情報又は鍵交換履歴情報が鍵管理装置10から通知された場合には、鍵管理マスタの内容を削除又は変更する(ステップS14)。
【0031】
<鍵管理装置10の外観構成>
次に、本実施例1に係る鍵管理装置10の外観について説明する。図3は、本実施例1に係る鍵管理装置10の外観を示す斜視図である。図3に示すように、この鍵管理装置10は、扉10aにて開閉される鍵収納庫10b、表示操作部11、カードリーダ12、レシート取出口15a、ホルダー収納部13、ホルダーランプ13a、鍵交換時に開閉させるプリンタ扉10d及び鍵交換操作部19を有する。
【0032】
ホルダー収納部13は、鍵がリングによりフックに繋がれたホルダー14を着脱可能に収納する。各ホルダー収納部13は、ホルダー14の取り出しを許可又は禁止できるように図示しないロック機構が設けられている。鍵管理装置10は、各ホルダー収納部13に対するロック機構を制御することによって、各ホルダー14の取り出しの許可又は禁止を制御する。また、各ホルダー収納部13は、ホルダー14に内蔵された無線IDタグを読み込むことによって、ホルダー14が正しく返却されているか又は取出中であるかを検知することができる。また、ホルダー収納部13は、光センサ等を用いてフックがロック状態であるか開閉可能状態であるかを検知することができる。
【0033】
また、各ホルダー収納部13の近傍にはホルダーランプ13aが設けられている。利用者が鍵を取り出す場合及び利用者が鍵を交換する場合に、このホルダーランプ13aを点灯させることによって、ホルダー14の位置を操作者に報知する。このホルダーランプ13aは、例えば複数色による発光、連続点灯又は点滅点灯の複数の発光態様での発光が可能なLEDとすることができる。
【0034】
表示操作部11は、タッチパネルディスプレイ等であり、操作員による操作入力を受け付けるとともに、各種情報を表示する。カードリーダ12は、操作員が携帯するカードから識別情報等を読み取る読取装置である。ここではカードを磁気カードとする場合について説明するが、ICカードであってもよい。レシート取出口15aは、図示しないプリンタ15で印刷した用紙が取り出し可能に排出される口である。
【0035】
プリンタ扉10dは、プリンタ15の前面部分を覆う扉であり、プリンタ用紙の補充時及び鍵交換時に開かれる。
【0036】
鍵交換操作部19には、鍵交換時に操作される操作部であり、ホルダー14が挿入可能な鍵交換操作用挿入口が設けられている。かかる鍵交換操作用挿入口の前面には、開閉可能なカバーが設けられている。この鍵交換操作用挿入口内の装置内部側の端面には、鍵交換操作用挿入口の中心軸と同軸に解除部材が固定されている。この解除部材は、ホルダー14の解除口に挿入可能とする円柱状に形成され、先端にはガイド軸を侵入可能とする凹部が形成されている。
【0037】
鍵交換操作部19には、鍵交換操作が可能な権限者によるホルダー14の鍵交換操作を許可するとともに権限者以外によるホルダー14に対しての鍵交換操作を不許可とする規制部と、ホルダー14が所定の鍵交換操作位置まで挿入されたことを検知する検知部とが設けられている。この規制部は、例えば、ソレノイドでストッパを鍵交換操作用挿入口に進退させる機構を用い、通常はストッパを鍵交換操作用挿入口に侵入させ、ホルダー14を鍵交換操作用挿入口の所定の鍵交換操作位置まで挿入されるのを規制する。そして、権限者が鍵交換操作する場合にのみ、このストッパを鍵交換操作用挿入口から退避させることにより、ホルダー14を鍵交換操作用挿入口の所定の鍵交換操作位置まで挿入可能とする。
【0038】
<鍵管理装置10の内部構成>
次に、図3に示した鍵管理装置10の内部構成について説明する。図4は、図3に示した鍵管理装置10の内部構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、鍵管理装置10は、扉施錠機構10c、表示操作部11、カードリーダ12、ホルダー収納部13、ホルダーランプ13a、プリンタ15、通信部16、記憶部17、制御部18及び鍵交換操作部19を有する。表示操作部11、カードリーダ12、ホルダー収納部13、ホルダーランプ13a及び鍵交換操作部19については、図3の外観構成において説明済みであるため、ここではその説明を省略する。
【0039】
扉施錠機構10cは、鍵収納庫10bの扉10aを施錠する機構である。プリンタ15は、ロール紙に対して印刷する感熱式又はインクジェット式等の印刷部であり、鍵管理装置10で管理される鍵ごとの使用状況等を印刷する。通信部16は、通信線を介して管理サーバ20とデータ通信するためのインタフェース部である。
【0040】
記憶部17は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。この記憶部17には、鍵管理マスタ17a、鍵貸出履歴データ17b、鍵交換目的リスト17c、鍵交換履歴データ17d、鍵廃止目的リスト17e、鍵廃止履歴データ17f、セット使用データ17g及びセット使用履歴データ17hを記憶する。
【0041】
鍵管理マスタ17aは、鍵の属性、ホルダー、使用権限など、鍵の使用に関する各種情報を対応付けたデータである。鍵貸出履歴データ17bは、鍵の貸出の履歴情報を含むデータである。鍵交換目的リスト17cは、鍵交換の目的をあらかじめ規定したデータである。鍵交換履歴データ17dは、鍵交換の履歴情報を含むデータである。鍵廃止目的リスト17eは、鍵廃止の目的をあらかじめ規定したデータである。鍵廃止履歴データ17fは、鍵廃止の履歴情報を含むデータである。セット使用データ17gは、同時に使用する必要がある複数のホルダー14についてあらかじめ規定したデータである。セット使用履歴データ17hは、セット使用データ17gに規定された組み合わせに基づく鍵の使用履歴情報を含むデータである。
【0042】
このように、複数の鍵(ホルダー14)が一連の解錠行為として順次利用されることを想定して、ここでは「セット使用データ17g」を設けている。言い換えると、例えば装置の交換に伴って該装置のある鍵を廃止する場合には、この鍵に関連する関連鍵についても廃止されることとなり、この場合にセット使用データ17gが参照されることになる。
【0043】
制御部18は、鍵管理装置10の全体を制御する制御部であり、鍵管理マスタ処理部18a、貸出処理部18b、ホルダー指定操作受付部18c、鍵属性出力部18d、鍵交換管理部18e、鍵廃止管理部18f及びセット使用管理部18gを有する。実際には、鍵管理マスタ処理部18a、貸出処理部18b、ホルダー指定操作受付部18c及び鍵属性出力部18d、鍵交換管理部18e、鍵廃止管理部18f及びセット使用管理部18gに対応するプログラムを不揮発性メモリや磁気ディスク装置などの記憶装置に記憶しておき、これらのプログラムをメモリにロードして、CPU(Central Processing Unit)で実行することで、対応するプロセスを実行させることになる。
【0044】
鍵管理マスタ処理部18aは、管理サーバ20から受信した鍵管理マスタを記憶部17に格納することで鍵管理マスタ17aを更新し、管理サーバ20に対して更新完了を通知する処理を行う。また、鍵交換操作及び鍵廃止操作が実施された場合には、鍵管理マスタ17aが更新される。
【0045】
貸出処理部18bは、鍵の貸出と返却を管理する処理部である。具体的には、貸出処理部18bは、カードリーダ12によりカードIDが読み取られた場合に、読み取られたカードIDの認証処理を行う。かかる認証処理の結果、カードIDに対して鍵を取り出す権限が設定されているならば、貸出処理部18bが扉施錠機構10cを解錠制御する。
【0046】
また、貸出処理部18bは、カードIDの認証処理の後、表示操作部11が鍵使用操作を受け付けた場合に、鍵の貸出処理を行う。具体的には、図5の鍵管理マスタ17aに示すように、鍵使用操作により指定されたホルダー収納部13の使用権限が該当カードIDに「有」と設定されていることを条件に、指定されたホルダー収納部13のロックを解除する。貸出処理部18bは、ホルダー収納部13からのホルダー14の取り出しを検知したならば、取り出しを検知した時点の日時を貸出日時とし、貸出日時、カードID及びホルダー収納部13の識別情報を対応付けて鍵貸出履歴データ17bに登録する。
【0047】
また、貸出処理部18bは、カードIDの認証処理の後、ホルダー14がホルダー収納部13に返却されたならば、ホルダー収納部13をロックする。また、貸出処理部18bは、ホルダー収納部13をロックした時点の日時を返却日時とし、返却日時、カードID及びホルダー収納部13の識別情報を対応付けて鍵貸出履歴データ17bに登録する。ただし、ホルダー14をホルダー収納部13に返却する際は、必ずしもカードIDの認証処理をせずに、ホルダー14を単にホルダー収納部13に返却してもよい。
【0048】
なお、ホルダー収納部13には、ホルダー14の有無を検知するセンサと、ホルダー14の押し込みを検知するセンサとが設けられている。ホルダー14が収納されていない状態からホルダー14が収納された状態に変化した場合には、ホルダー14の押し込みの有無に関わらず、ホルダー14が返却されたものと判定する。さらに、ホルダー収納部13には、ホルダー14のフックの位置が開状態であるか閉状態であるかを検出するセンサ(例えば透過型の光センサ)を内蔵している。このセンサの検知及び鍵交換操作部19での鍵交換操作が行われたことによりホルダー14の鍵の取り外し又は交換の完了を検知することができる。
【0049】
また、貸出処理部18bは、ホルダー14の貸出時間の管理を行う。具体的には、ホルダー収納部13には、ホルダー14の貸出時間の上限が設定されており、貸出日時から返却日時までの時間が上限を超過した場合には警報を出力する。
【0050】
ホルダー指定操作受付部18cは、属性の表示対象となるホルダー14を指定する操作を受け付ける処理部である。具体的には、ホルダー収納部13にホルダー14が収納されている状態で、ホルダー14の押し込み操作が行われたならば、該操作を属性の表示対象となるホルダー14の指定操作として受け付ける。
【0051】
また、操作者が表示操作部11に対してホルダー14を特定する識別情報を入力した場合には、該入力操作を属性の表示対象となるホルダー14を指定する操作として受け付ける。
【0052】
この他、あらかじめ他の装置から属性の表示対象となるホルダー14の通知を受け付けてもよい。例えば、貨幣入出金機40にカードIDを読み取らせ、鍵の使用を予約する操作を行うと、貨幣入出金機40から管理サーバ20経由で属性の表示対象となるホルダー14の通知を受けることができる。貨幣入出金機40の鍵がどのホルダー14に保持されているかは、管理サーバ20で判定してもよいし、貨幣入出金機40で判定してもよい。貨幣入出金機40がホルダー14を特定する場合には、あらかじめ管理サーバ20から貨幣入出金機40に鍵管理マスタを配信することになる。
【0053】
鍵属性出力部18dは、ホルダー指定操作受付部18cが受け付けた操作若しくは通知によってホルダー14が指定された場合に、指定されたホルダー14の属性を鍵管理マスタ17aから読み出して表示操作部11に表示制御する。
【0054】
鍵交換管理部18eは、鍵交換を管理する処理部である。具体的には、鍵交換管理部18eは、記憶部17に記憶した鍵交換目的リスト17cを用いて鍵交換を管理する処理部である。この鍵交換目的リスト17cは、表示操作部11に対する操作入力に基づいて、鍵交換管理部18eが生成することもできる。また、管理サーバ20や他の装置が生成した鍵交換目的リスト17cを受信して記憶部17に記憶してもよい。また、ホルダー14内の鍵を入れ替えるために、鍵交換操作部19を用いてホルダー14のフックの開閉行為が行われているか否かを監視する。具体的には、該当するホルダー14がホルダー収納部13から取り出された後、鍵交換操作部19の挿入口に挿入され、検知部が挿入されたことを検知する。
【0055】
鍵廃止管理部18fは、カードリーダ12によりカードIDが読み取られ、所定の権限を有する操作者からの鍵廃止操作を受け付けたならば、鍵廃止目的リスト17eを表示操作部11に表示し、鍵廃止の目的を選択させる。そして、鍵廃止の目的を選択する入力を受け付けたことを条件に、鍵廃止操作により指定されたホルダー14のロックを解除し、選択された鍵廃止の目的とカードIDとを対応付けて鍵廃止履歴データ17fに登録する。また、鍵交換操作部19と連携して、実際に鍵を取り外すためのホルダー14のフックの開閉行為が行われていることも監視する。
【0056】
鍵廃止について、操作者を管理する管理者による承認操作を要求することとしてもよい。鍵廃止管理部18fは、管理者による承認操作についても鍵廃止履歴データ17fに登録し、承認操作の履歴を管理する。
【0057】
また、表示操作部11を用いて入力される鍵の廃止操作に関する入力内容については、鍵管理装置10の管理サーバ20等の上位装置から鍵管理装置10へ送信するよう構成することもできる。
【0058】
なお、管理者による承認操作を鍵廃止の条件とする場合には、承認操作を受け付けた後にホルダー14のフックのロック状態が解除される。また、ホルダー14のフックのロック状態を解除した後に管理者による承認操作を受け付ける設定とすることも可能である。
【0059】
さらに、複数の管理者による承認操作を要求することも可能である。また、管理者による承認操作については、鍵管理装置10に対して管理者に直接入力させるだけではなく、ネットワークを介して管理者に入力させることもできる。
【0060】
また、鍵廃止管理部18fは、プリンタ15を用いて鍵廃止履歴データ17fを印刷することができる。鍵廃止履歴データ17fを印刷する場合には、鍵廃止履歴データ17fに含まれる鍵廃止の目的を印刷対象に含める。さらに、鍵廃止管理部18fは、通信部16により鍵交換履歴データ17dを他の装置に送信する。他の装置は、鍵廃止履歴データ17fを表示又は印刷することができ、重要鍵管理台帳を記憶している場合には、鍵廃止履歴データ17fを用いて重要鍵管理台帳を更新することもできる。
【0061】
セット使用管理部18gは、操作者の目的に応じて、取出対象となる複数のホルダー14の組み合わせを管理する管理部であり、具体的には、鍵の取出目的と、複数のホルダー14の組み合わせと、各ホルダー14の取出順序とを示すセット使用データ17gを用いて、ホルダー14のセット使用を管理する。
【0062】
例えば、ATMから現金を回収し、回収した現金を貨幣入出金機に収納する場合には、ATM扉鍵、ATM現金鍵、貨幣入出金機鍵が必要となる。ここで、これらの鍵が単一のホルダー14に保持されている場合には、操作者は該当するホルダー14のみを取り出せば、上記の一連の処理を行うことができる。これに対して、ATM扉鍵、ATM現金鍵、貨幣入出金機鍵が別々のホルダー14に保持されている場合には、操作者は全てのホルダー14を一括して取り出さねばならない。
【0063】
この際、どのホルダー14を取り出すべきかを操作者に委ねると、ホルダー14の取り出し忘れが発生する可能性があり、その結果作業効率の低下を招く。また、操作者が不要なホルダー14を取り出してしまうと、そのホルダー14を利用する他の操作者の業務を阻害する原因となる。
【0064】
そこで、セット使用管理部18gは、鍵を取り出す目的に応じて、複数のホルダー14の組み合わせを記憶し、操作者が目的を入力した場合に、適切なホルダー14の組合せを報知する。また、ホルダー14の取出順序を規定しておき、ホルダー収納部13のロックを取出順序に従って解除することで、操作者にホルダー14を1つずつ取り出させる。かかる構成により、ホルダー14の取出忘れや取出間違いを防止することが可能となる。
【0065】
なお、このセット使用データ17gは、表示操作部11に対する操作入力に基づいて、セット使用管理部18gが生成することができ、また、管理サーバ20や他の装置が生成したセット使用データ17gを受信して記憶部17に格納してもよい。
【0066】
また、セット使用管理部18gは、カードリーダ12によりカードIDが読み取られ、セット使用操作を受け付けたならば、鍵の取り出しの目的を選択させる。そして、鍵の取出目的を選択する入力を受け付けたならば、セット使用データ17gに従ってホルダー収納部13のロックを順次解除し、ロックを解除したホルダー14を操作者に報知することで、操作者にホルダー14を取り出させる。また、鍵交換操作及び鍵廃止操作の際にも、鍵を取出制御するために鍵の取出目的を利用することもできる。
【0067】
また、セット使用管理部18gは、セット使用データ17gに基づく鍵の使用履歴をセット使用履歴データ17hとして記憶部17に記憶する。セット使用履歴データ17hは、プリンタ15により印刷することができる。さらに、セット使用管理部18gは、通信部16によりセット使用履歴データ17hを送信し、他の装置がセット使用履歴データ17hを表示又は印刷することができる。
【0068】
次に、図4に示した鍵管理装置10の記憶部17に記憶されるデータの一例について説明する。図5は、図4に示した鍵管理マスタ17aの一例を示す図である。図5に示すように、ここではホルダー収納部番号がホルダー収納部13の識別情報として割り当てられている。
【0069】
そして、このホルダー収納部番号に対して、属性、貸出時間上限及び使用権限が対応付けられている。属性には、鍵の名称と鍵の本数が含まれる。また、使用権限には、操作者の氏名及びカードID毎の権限の有無が設定されている。
【0070】
図5の例では、ホルダー収納部番号「01」に鍵の名称「金庫鍵」、鍵の本数「1」、貸出時間上限「60分」が設定され、ホルダー収納部番号「02」に鍵の名称「貨幣入出金機鍵」、鍵の本数「1」、貸出時間上限「60分」が設定されている。また、ホルダー収納部番号「03」に鍵の名称「ATM扉鍵」、鍵の本数「3」、貸出時間上限「60分」が設定され、ホルダー収納部番号「04」に鍵の名称「ATM現金鍵」、鍵の本数「3」、貸出時間上限「60分」が設定されている。
【0071】
また、氏名「A B」、カードID「1001」に対しては、ホルダー収納部番号「01」の使用権限「有」、ホルダー収納部番号「02」の使用権限「有」、ホルダー収納部番号「03」の使用権限「有」、ホルダー収納部番号「04」の使用権限「有」が設定されている。また、氏名「C D」、カードID「1002」に対しては、ホルダー収納部番号「01」の使用権限「無」、ホルダー収納部番号「02」の使用権限「有」、ホルダー収納部番号「03」の使用権限「有」、ホルダー収納部番号「04」の使用権限「有」が設定されている。
【0072】
図6は、図4に示した鍵貸出履歴データ17bの一例を示す図である。図6に示すように、鍵貸出履歴データ17bは、貸出日時、返却日時、カードID及びホルダー収納部番号を対応付けたデータである。ここでは、貸出日時「2016 07/16 10:40」にカードID「1101」である操作者によってホルダー収納部番号「03」に対応するホルダー14が取り出され、返却日時「2016 07/16 10:53」にカードID「1101」である操作者によってホルダー収納部番号「03」に対応するホルダー14が返却されたことが示されている。また、貸出日時「2016 07/16 12:15」にカードID「1002」である操作者によってホルダー収納部番号「02」に対応するホルダー14が取り出され、このホルダー14は返却されてない状態であることが示されている。
【0073】
図7は、図4に示した鍵交換目的リスト17cの一例を示す図である。図7に示すように、この鍵交換目的リスト17cには、「1.破損」、「2.装置入替」及び「3.構成変更」の項目が含まれており、これらの項目が鍵交換の目的として選択可能とされている。
【0074】
図8は、図4に示した鍵交換履歴データ17dの一例を示す図である。図8に示すように、この鍵交換履歴データ17dは、貸出日時、返却日時、実行者カードID、ホルダー収納部番号、目的、承認者カードID及び承認日時を対応付けたデータである。ここでは、貸出日時「2016 07/13 17:01」にカードID「1101」である操作者によってホルダー収納部番号「03」に対応するホルダー14が鍵交換のために取り出され、返却日時「2016 07/13 17:27」に返却されたことが示されている。また、鍵交換の目的が「1.破損」であり、承認者カードID「1001」である操作者によって、承認日時「2016 07/13 17:06」に承認されたことが示されている。
【0075】
図9は、図4に示した鍵廃止目的リスト17eの一例を示す図である。図9に示すように、鍵廃止目的リスト17eは、「1.装置撤去」、「2.他に併合」及び「3.別管理」の項目が含まれており、これらの項目が鍵の廃止目的として選択可能とされている。
【0076】
図10は、図4に示した鍵廃止履歴データ17fの一例を示す図である。図10に示すように、この鍵廃止履歴データ17fは、廃止日時、実行者カードID、ホルダー収納番号、目的、承認者カードID及び承認日時を対応付けたデータである。ここでは、廃止日時「2016 7/16 10:50」に実行者カードID「1101」である操作者によってホルダー収納部番号「03」に対応するホルダー14が鍵廃止のために取り出された状況が示されている。また、鍵廃止の目的が「1.装置撤去」であり、承認者カードID「1001」である操作者によって、承認日時「2016 07/16 10:42」に承認された状況が示されている。
【0077】
図11は、図4に示したセット使用データ17gの一例を示す図である。図11に示すように、このセット使用データ17gは、セット使用目的と、順序と、ホルダー収納部番号とを対応付けたデータである。ここでは、セット使用目的「ATM現金回収」について、順序「1」にホルダー収納部番号「03」、順序「2」にホルダー収納部番号「04」、順序「3」にホルダー収納部番号「02」を対応付けた状況を示している。また、セット使用目的「貨幣入出金機現金回収」について、順序「1」にホルダー収納部番号「02」、順序「2」にホルダー収納部番号「01」を対応付けた状況を示している。
【0078】
図12は、図4に示したセット使用履歴データ17hの一例を示す図である。図12に示すように、このセット使用履歴データ17hは、貸出日時、返却日時、カードID及びセット使用目的を対応付けたデータである。ここでは、貸出日時「2016 07/16 15:27」にカードID「1102」である操作者によってセット使用目的「ATM現金回収」に基づく鍵の取り出しが行われ、返却日時「2016 07/16 15:44」に返却された状況が示されている
【0079】
<管理サーバ20の構成>
次に、図1に示した管理サーバ20の構成について説明する。図13は、図1に示した管理サーバ20の構成を示す機能ブロック図である。図13に示すように、この管理サーバ20は、表示部21、入力部22、通信部23、記憶部24及び制御部25を有する。
【0080】
表示部21は、液晶ディスプレイ装置等の表示デバイスである。入力部22は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。通信部23は、鍵管理装置10などとの通信を行う通信インタフェースである。記憶部24は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、鍵管理マスタ24a及び重要鍵管理台帳24b等を記憶する。
【0081】
制御部25は、管理サーバ20を全体制御する制御部であり、鍵管理マスタ生成部25a、鍵管理マスタ更新部25b、更新完了処理部25c及び重要鍵管理台帳更新部25dを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、鍵管理マスタ生成部25a、鍵管理マスタ更新部25b、更新完了処理部25c及び重要鍵管理台帳更新部25dにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0082】
鍵管理マスタ生成部25aは、図示しない管理者端末30からの鍵管理マスタ登録要求に基づき、鍵管理マスタ24aを生成する処理を行う。なお、生成された鍵管理マスタ24aは記憶部24に格納されるとともに、この鍵管理マスタ24aが鍵管理装置10などに配信される。
【0083】
鍵管理マスタ更新部25bは、管理者端末30からの鍵管理マスタ更新要求に基づき、記憶部24の鍵管理マスタ24aを更新する処理を行う。なお、更新された鍵管理マスタ24aが鍵管理装置10などに配信される。また、鍵管理マスタ更新部25bは、鍵管理装置10から鍵廃止履歴データ17f又は鍵交換履歴データ17dを受信した場合には、変更内容に従って鍵管理マスタ24aを更新する。
【0084】
更新完了処理部25cは、鍵管理マスタ24aの配信先の鍵管理装置10などから更新完了通知を受信した場合に、鍵管理マスタ24aの配信完了を管理者端末30に通知する処理を行う。
【0085】
重要鍵管理台帳更新部25dは、鍵管理装置10から鍵廃止履歴データ17f又は鍵交換履歴データ17dを受信した場合に、変更内容に従って重要鍵管理台帳24bを更新する処理を行う。
【0086】
<鍵管理装置10の処理手順>
次に、図3に示した鍵管理装置10による鍵廃止時の処理手順について説明する。図14は、図3に示した鍵管理装置10による鍵廃止時の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、実際に運用がなされている鍵を廃止する場合を示すこととする。
【0087】
図14に示すように、まず、待機画面から管理メニューを選択し(ステップS101)、操作者が所持するカードに記録されたカードIDをカードリーダ12により読み取る(ステップS102)。カードIDの読み取りを終了したならば、操作者によるメニューの選択を受け付ける(ステップS103)。
【0088】
ここで、鍵交換が選択されたならば(ステップS104:Yes)、鍵交換の処理に移行し、鍵廃止以外が選択されたならば(ステップS104:No、ステップS105:No)、該当する他の処理に移行する。
【0089】
これに対して、鍵廃止が選択されたならば(ステップS105:Yes)、扉10aを開錠し(ステップS106)、後述する鍵の取り外し処理を実行する(ステップS107)。その後、扉10aの閉鎖を検知したならば(ステップS108:Yes)、扉10aを施錠して処理を終了する(ステップS109)。なお、扉10aは、常に開けた状態で運用しても良い。この場合、鍵廃止が選択されたならば、直接後述する鍵の取り外し処理を実行し、鍵の取り外し処理を終えた時点で、本処理は終了する。
【0090】
次に、図14に示した鍵の取り外し処理について説明する。図15は、図14のステップS107に示した鍵の取り外し処理の手順を示すフローチャートである。図15に示すように、まず、ホルダー指定操作を受け付けた後に(ステップS201)、鍵廃止目的の入力を受け付ける(ステップS202)。その後、1つのホルダー14のみを廃止する単独廃止又はセットで登録された複数のホルダー14を廃止するセット廃止のいずれを行うかの選択受付を行う(ステップS203)。
【0091】
その後、カードリーダ12により承認者カードの読み込みを行い(ステップS204)、権限を有する者のカードIDであれば、指定されたホルダー14のロックを解除する(ステップS205)。そして、ロック解除されたホルダー14の抜き取りを検知する(ステップS206)。その後、鍵交換操作部19に鍵が挿入されたホルダー14のフックが開けられたかどうかにより、鍵の取外し又は交換を検知する(ステップS207)。
【0092】
そして、鍵が外され、フックが閉じられた状態のホルダー14がホルダー収納部13に戻されたことを検知し(ステップS208)、セット廃止の場合にはセット使用データ17gのセット使用目的に対応して登録してある複数のホルダー収納部番号の全てについて処理されたか否かを確認し(ステップS209)、未処理のホルダー14が存在するならば(ステップS209;No)、ステップS206に移行して、同様の処理を繰り返す。
【0093】
一方、全てのホルダー14が処理されたならば(ステップS209:Yes)、鍵廃止履歴データ17fを更新し(ステップS210)、鍵廃止履歴情報を管理サーバ20へ送信し(ステップS211)、鍵管理マスタ17aの該当ホルダー収納部番号の使用権限データを「無」に更新する(ステップS212)。
【0094】
<表示画面の一例>
次に、表示操作部11の表示画面の一例を用いて、鍵廃止操作について説明する。図16図18は、鍵交換を行う場合の表示操作部11の表示例を示す図である。図16(a)は、操作者が待機画面からモードを選択し、管理操作メニューに移行した状況を示しており、図16(b)は、操作者がカードをカードリーダ12に通した後に表示される画面例を示している。ここで、操作者が「6.鍵廃止」を選択すると、図16(c)に示す鍵廃止目的の入力画面が表示される。
【0095】
図16(c)において「1.装置撤去」が選択されると、図17(d)に示す表示画面に移行し、廃止対象となるホルダー14が、個別使用つまり1つのホルダー14であるか、セット使用すなわち複数のホルダー14であるかの選択画面が表示される。ここで、利用者が「1.個別使用」を選択した場合には、図17(e)に示すホルダー選択画面が表示される。この場合は、廃止対象となる1つのホルダー収納部13の番号を押下操作により選択される。
【0096】
これに対して、図17(d)に示す表示画面において、「2.セット使用」が選択された場合には、図17(g)に示すセット使用目的が表示される。ここで、「ATM現金回収」が選ばれると、ATMに関する鍵を保持しているホルダー収納部13の番号が図17(h)に示すように複数個表示される。なお、ATMが複数台設置されている店舗では、ATM1、ATM2などのように複数表示され選択入力が促される。
【0097】
また、図17(h)の表示画面において、「変更」ボタンが押下されると、番号の押下に伴って選択、非選択がトグル状に表示されるようにすることもできる。ホルダー収納部番号の「02」が貨幣入出金機鍵である場合には、廃止するATMの鍵ではないので除外される。また、承認者の承認を必要とする場合には、承認者のカードIDを要求する画面を表示することもできる。
【0098】
図17(f)又は図17(h)では、抜き取り可能なホルダー14が示されており、表示された抜き取り予定のホルダー14のロックが解錠される。また、抜き取り可能なホルダー収納部13のホルダーランプ13aが点滅し、操作者による抜き取りを促すことができる。ここでは、図17(f)に示すホルダー収納部13のNo.3のホルダー14が抜き取られるものとする。
【0099】
そして、ホルダー14が抜き取られると表示画面が変わり、次に図18(i)の表示に従って、操作者は、鍵交換操作部19のカバーをずらして、ホルダー14を挿入して、「鍵外し開始」ボタンを押下する。フックのロック状態が解除されるので、図18(j)の表示に従って、フックを手前へ引くことにより、図19に示すようにホルダー14のフックが開となり、鍵のついたリングをフックから外せるようになる。
【0100】
その後、図18(k)の指示に従って操作者がホルダー14を鍵交換操作部19から抜き取り、次いで、鍵を開いているフックから抜き取り、フックを閉じる。そして、ホルダー14を元のホルダー収納部13のNo.3へ返却する。ここで、廃止するホルダー14が複数個あるときは、表示操作部11は図17(h)の表示画面に移行し、次のホルダー14の抜き取り待ちの状態となる。同様にして、必要な本数分のホルダー14から鍵を取り出す処理が繰り返される。
【0101】
次に、鍵廃止操作時のレシート印字の一例について説明する。図20は、鍵廃止操作時のレシート印字の一例を示す図である。ここでは、2016年07月16日10:43に、操作者である「No.1101(ヤマダタロウ)」が鍵廃止操作を行った場合のレシートを示している。承認者が必要な場合は、承認者情報が印字される。ここでは、承認者がNo.1001(ハヤシケンタ)である。また、鍵を廃止した廃止ホルダーNoは「03」であり、フックのロック解除を行った旨が印字されている。
【0102】
図21は、鍵廃止操作後の鍵管理マスタ17aの一例を示す図である。ここでは、ホルダー収納番号「03」の鍵が廃止された状況を示しており、鍵廃止操作が実施されたあとの鍵管理マスタ17aの登録内容を図示している。ホルダー収納番号「03」に関して、鍵の名称は「無」、鍵の本数は0本、貸出時間上限0分、使用権限は全ての操作者に対して「無」とされている。
【0103】
上述してきたように、本実施例1では、カードリーダがカードからカードIDを読み取り、ホルダー14に保持されている鍵の全てが廃止対象となる廃止ホルダー14が指定されると、鍵管理装置10は、図5に示す鍵管理マスタ17aに登録された使用権限データから廃止ホルダー14に係る全ての使用権限を「無」にするとともに、鍵廃止履歴データ17fを生成して管理サーバ20に送信し。管理サーバ20は、この鍵廃止履歴データ17fに基づいて重要鍵管理台帳24bを更新するよう構成したため、鍵の対象機器自体の撤去などに伴って鍵の廃止が発生する場合に、該鍵の廃止等に効率良く対応することが可能となる。
【0104】
なお、本実施例1では、鍵を廃止する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、別の鍵を入れ替えることにより鍵を交換するために一旦鍵を廃止状態にする場合にも同様に適用することができる。
【実施例0105】
ところで、上記実施例1では、鍵を廃止する場合について説明したが、本発明に係る鍵管理システムは、鍵の管理に係る他の機能をさらに実現することができる。このため、本実施例2では、鍵の管理に係る他の機能について説明する。
【0106】
<重要鍵管理台帳の自動登録、更新>
実施例1で説明をしたように、管理サーバ20には重要鍵管理台帳24bが設けられている。また、ホルダー14は、1又は複数の鍵をリングにより繋いで保持している。例えば、複数台のATMの扉の鍵を1つのホルダー14が保持し、複数台のATMの現金取出用の内部鍵を1つのホルダー14が保持することができる。また、同一のATMの扉の鍵と現金取出用の内部鍵とを1つのホルダー14が保持することも可能である。
【0107】
ここで、鍵の破損が生じた場合や、設備の入替え、各ホルダー14に保持させる鍵の構成の変更などを行う場合には、ホルダー14から鍵を取り外して交換する必要がある。ここで、鍵交換操作時に入れられた新しい鍵名称、鍵番号を入力させることにより、管理サーバ20にデータ保存している重要鍵管理台帳24bなどを自動で登録更新させることも可能である。
【0108】
図22は、本実施例2に係る鍵交換処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、待機状態から管理操作モードに移行した後、カードIDの読み取りを行い(ステップS301)、鍵交換操作の指定を受け付ける(ステップS302)。そして、鍵交換をするホルダー収納部13の番号の入力を受け付ける(ステップS303)。例えば、「03」などの番号を入力又は選択する。
【0109】
その後、鍵の名称の受付を行う(ステップS304)。例えば、「両替機」、「ATM」などである。このとき、鍵管理装置10から名称のデータを管理サーバ20に送り、管理サーバ20に鍵管理マスタ24aの登録があれば、そのホルダー14に装着する鍵本数及び鍵に振られている鍵番号を鍵管理装置10に送る(ステップS305)。管理サーバ20からデータを取得できない場合には、鍵管理装置10の表示操作部11のガイダンス表示に基づいて操作者による入力を受け付ける(ステップS306)。
【0110】
その後、鍵管理装置10は、該当するホルダー収納部13のロックを開錠する(ステップS307)。操作者はホルダー14を抜き取り、実施例1で説明をしたホルダー14のフックを開けて鍵を入れ替え、フックを閉じて元のホルダー収納部13に再セットする(ステップS308)。これを受けて、鍵管理装置10は、管理サーバ20に鍵交換があったホルダー名称、本数、鍵No.等の情報を送り、管理サーバ20は、権限登録台帳及び重要鍵台帳を更新する。そして、その情報を基に重要鍵台帳の更新日を更新する(ステップS309)。
【0111】
その後、鍵交換履歴を生成する(ステップS310)。プリンタ15による印字出力又はネットワーク経由で送信することにより、店内の別のシステムにある重要鍵台帳を更新する(ステップS311)。
【0112】
これにより、手作業で行っていた鍵管理台帳作成及びメンテナンスの自動化が図れる。また、資産台帳に関しても同様の効果が得られる。また、鍵交換のみならず、鍵廃止の場合も同様に行うことにより、同様の効果が得られる。
【0113】
また、上記実施例1及び実施例2では、鍵管理装置10が鍵廃止履歴データ17f及び鍵交換履歴データ17dを生成し、管理サーバ20に送信する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、任意の構成を採ることができる。例えば、鍵管理装置10に管理サーバ20の機能を持たせてもよい。この構成では、管理者端末30が鍵管理装置10に接続されることになる。
【0114】
また、上記実施例1及び実施例2では、鍵の廃止操作を行って鍵を無効化する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、鍵の廃止予約操作を行うことができるよう構成することもできる。鍵の廃止対象となる装置の撤去日があらかじめ決まっているような場合に、必ず装置の撤去日に鍵の廃止操作を行わねばならないこととすると、操作員の操作負担が過大となるためである。事前に廃止予約操作を行うことが可能となれば、操作員の負担軽減を図ることができる。なお、かかる廃止予約操作では、廃止予定のホルダー収納部番号と廃止予定日時を登録しておき、予定の日時になったときに、鍵管理マスタ17aにある廃止を予約したホルダー収納部番号の使用者権限を全て「無」とすることになる。これにより、予定日時までは鍵ホルダー14の貸し出しを可能とするとともに、予定日時以降の廃止を予約した鍵ホルダー14の貸し出しを禁止することができる。
【実施例0115】
上述の実施例で説明したように鍵を廃止し、鍵管理装置10が鍵管理マスタ17aの使用権限を更新すると、全てのホルダー14に対して使用権限が「無」である使用者が発生する場合がある。この使用者は、いずれのホルダー14も使用することができない、いわば無権限使用者であるが、このような無権限使用者を不要に登録している状態は管理を厳正に行う上で不適切である。本実施例3では、鍵の廃止に連動して無権限使用者を検知し、無権限使用者に対する対応を支援する構成について説明する。
【0116】
<無権限使用者について処理の概念>
まず、本実施例3に係る無権限使用者についての処理の概念について説明する。図23は、本実施例3に係る無権限使用者についての処理の概念を説明するための説明図である。
【0117】
図23に示したように、ホルダー収納番号「03」の鍵を廃止すると(ステップS21)、対応する鍵の名称は削除されて空白となり、鍵の本数は0本、貸出時間上限0分、使用権限は全ての操作者に対して「無」に更新される。
【0118】
ここで、本実施例3に係る鍵管理装置110は、登録された使用者ごとに使用権限を参照し、全てホルダー収納番号について使用権限が「無」である使用者を無権限使用者として検知する(ステップS22)。図23では、氏名「G H」、カードID「1204」の使用者が無権限使用者として検知された状態である。
【0119】
鍵管理装置110は、検知した無権限使用者に関する情報を操作者や管理者に提供し、無権限使用者の削除を実行する(ステップS23)。無権限使用者は、鍵管理装置110が自動的に削除してもよいが、所定の権限を有する操作者や管理者からの指示に基づいて個別に削除することとしてもよい。鍵の廃止を行った時点で無権限使用者となったとしても、その後にいずれかのホルダー14を使用する権限が付与されることが考えられるためである。
【0120】
図24は、実施例3に係る鍵管理装置110の内部構成を示す機能ブロック図である。図24に示した鍵管理装置110は、制御部18に無権限使用者管理部118aをさらに備える点が実施例1に示した鍵管理装置10と異なる。その他の構成及び動作については、実施例1に示した鍵管理装置10と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0121】
無権限使用者管理部118aは、鍵管理マスタ処理部18aにより鍵管理マスタ17aが更新された場合に、更新後の鍵管理マスタ17aを参照し、全てホルダー収納番号について使用権限が「無」である無権限使用者が存在するか否かを判定する。そして、無権限使用者が存在するならば、操作者や管理者に情報提供を行う。
【0122】
この情報提供の具体例としては、まず、無権限使用者管理部118aは、無権限使用者が存在することを示すアラート表示を行う。アラート表示としては、注意を促すアイコンや文言の表示、ポップアップウィンドウなどを用いればよい。
【0123】
アラート表示を確認した操作者が詳細の表示を求める操作を行ったならば、無権限使用者管理部118aは、無権限使用者の一覧表示を行う。そして、無権限使用者ごとに削除や許可の操作を受け付ける。削除の操作が行われたならば、無権限使用者管理部118aは、対象となる無権限使用者を鍵管理マスタ17aから削除する。一方、許可の操作が行われたならば、無権限使用者管理部118aは、対象となる無権限使用者を鍵管理マスタ17aに残す。
【0124】
図25は、無権限使用者に関する処理手順を示すフローチャートである。無権限使用者管理部118aは、鍵管理マスタ処理部18aによる鍵管理マスタ17aの更新を検知すると(ステップS401)、鍵管理マスタ17aに登録された全ての使用者について使用権限を確認し(ステップS402)、無権限使用者が存在するか否かを判定する(ステップS403)。
【0125】
判定の結果、無権限使用者が存在しなければ(ステップS403;No)、無権限使用者管理部118aは、そのまま処理を終了する。一方、無権限使用者が存在するならば(ステップS403;Yes)、無権限使用者管理部118aは、アラート表示を実行し(ステップS404)、操作者からの操作に応じて無権限使用者の一覧表示を行う(ステップS405)。そして、無権限使用者ごとに削除や許可の操作を受け付けて対応する処理を実行し(ステップS406)、処理を終了する。
【0126】
図26は、無権限使用者の一覧表示の具体例である。図26では、日時「2016年07月16日 10:50」、画面名称「無権限使用者一覧」、メッセージ「使用権限のない使用者の一覧です。削除・許可が可能です。」、全削除バタン、全許可ボタン、無権限使用者の氏名とカードID、削除ボタンと許可ボタン、「戻る」ボタンが表示されている。
【0127】
無権限使用者の氏名とカードIDは、一覧として表示され、削除ボタンと許可ボタンは氏名とカードIDごとに設けられている。図26では、氏名「G H」、カードID「1204」、対応する削除ボタンと許可ボタンが一覧の第1行に表示され、氏名「I J」、カードID「1008」、対応する削除ボタンと許可ボタンが一覧の第2行に表示されている。したがって、例えばいずれかの削除ボタンを操作すれば、対応する氏名及びカードIDの利用者が鍵管理マスタ17aから削除されることになる。なお、全削除ボタンを操作し、さらに確認ボタン(図示せず)を操作することで、一覧に表示されている全ての無権限使用者を一度に削除することが出来る。また、全許可ボタンを操作し、さらに確認ボタン(図示せず)を操作することで、一覧に表示されている全ての無権限使用者に対して一度に権限を与えることが出来る。
【0128】
このように、本実施例3では、鍵管理マスタ17aの更新が行われた場合に無権限使用者を検知し、その削除や許可を行わせることで、無権限使用者に対する対応を支援し、使用者の厳正な管理に寄与することができる。
【0129】
なお、無権限使用者に関する情報提供はあくまで一例で有り、適宜変形して実施することができる。例えば、管理サーバ20や管理者端末30にアラート表示を行ってもよいし、所定の管理者にメールなどで通知を行ってもよい。
【0130】
また、鍵管理装置110に管理サーバ20の機能を持たせ、管理者端末30を鍵管理装置110に接続する構成として実施することも可能である。さらに、鍵の廃止予約操作が可能な構成では、予約された鍵の廃止の実行時に無権限使用者の判定を行ってもよいが、予約操作時点で無権限使用者が発生するか否かを事前に判定することも可能である。
【0131】
また、上記の実施例1~3で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成であることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明の鍵管理装置、鍵管理システム及び鍵管理方法は、鍵の対象機器自体の撤去などに伴って鍵の廃止が発生する場合に有用である。
【符号の説明】
【0133】
10、110 鍵管理装置
10a 扉
10b 鍵収納庫
10c 扉施錠機構
10d プリンタ扉
11 表示操作部
12 カードリーダ
13 ホルダー収納部
13a ホルダーランプ
14 ホルダー
15 プリンタ
15a レシート取出口
16、23 通信部
17、24 記憶部
17a 鍵管理マスタ
17b 鍵貸出履歴データ
17c 鍵交換目的リスト
17d 鍵交換履歴データ
17e 鍵廃止目的リスト
17f 鍵廃止履歴データ
17g セット使用データ
17h セット使用履歴データ
18、25 制御部
18a 鍵管理マスタ処理部
18b 貸出処理部
18c ホルダー指定操作受付部
18d 鍵属性出力部
18e 鍵交換管理部
18f 鍵廃止管理部
18g セット使用管理部
19 鍵交換操作部
20 管理サーバ
21 表示部
22 入力部
24a 鍵管理マスタ
24b 重要鍵管理台帳
25a 鍵管理マスタ生成部
25b 鍵管理マスタ更新部
25c 更新完了処理部
25d 重要鍵管理台帳更新部
30 管理者端末
40 貨幣入出金機
50 重要物管理装置
118a 無権限使用者管理部
図1
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