(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022008182
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】センサユニット、放射線検出器、センサユニットを製造する方法、及びセンサユニットを使用する方法
(51)【国際特許分類】
G01T 1/24 20060101AFI20220105BHJP
A61B 6/00 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
G01T1/24
A61B6/00 300S
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021100593
(22)【出願日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】2050777-8
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(71)【出願人】
【識別番号】521265793
【氏名又は名称】ダイレクト コンバージョン エービー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】クリスター ウルバーグ
【テーマコード(参考)】
2G188
4C093
【Fターム(参考)】
2G188AA02
2G188BB02
2G188CC29
2G188DD05
2G188DD16
2G188DD36
2G188EE27
4C093AA01
4C093CA02
4C093EA07
4C093EB17
4C093EB20
4C093FA32
(57)【要約】 (修正有)
【課題】撮像画素の本来の解像度よりも高い解像度を得ることができる放射線検出器用センサユニットを提供する。
【解決手段】複数の撮像画素26、28を含む変換素子であって、各撮像画素26、28が放射線を電荷に直接的に変換するように構成され、電荷収集電極30を含み、グリッドに配置された各読み出し画素42は、電荷収集電極30の接続位置50で相互接続44によって関連する撮像画素26、28に接続され、第2の撮像画素28は第1の撮像画素26に対してシフト方向36にシフトされ、電荷収集電極30に対する接続位置50は第1の撮像画素26と第2の撮像画素28との間で異なる、センサユニット14。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線検出器用のセンサユニットであって、
複数の撮像画素を備える変換素子であって、各撮像画素が放射線を電荷に直接的に変換するように構成され、各撮像画素が電荷収集電極を備え、前記複数の撮像画素が複数の第1の撮像画素と複数の第2の撮像画素を備え、前記変換素子と、
グリッドに配置された複数の読み出し画素を備える読み出し基板であって、各読み出し画素が、前記電荷収集電極の接続位置で相互接続によって関連する撮像画素に接続される、前記読み出し基板と
を備え、
前記第2の撮像画素が前記第1の撮像画素に対してシフト方向にシフトされ、
前記電荷収集電極に対する前記接続位置が、前記第1の撮像画素と前記第2の撮像画素との間で異なる、
センサユニット。
【請求項2】
前記シフト方向が、前記センサユニットの走査方向に実質的に垂直である、請求項1に記載のセンサユニット。
【請求項3】
前記読み出し画素が、複数の読み出し行と複数の読み出し列を含むマトリクスに配置され、前記読み出し行が前記読み出し列に実質的に垂直であり、前記シフト方向に実質的に平行である、請求項1または2に記載のセンサユニット。
【請求項4】
前記第1の撮像画素が複数の第1の行に配置され、前記第2の撮像画素が複数の第2の行に配置され、前記複数の第1の行と前記複数の第2の行の各々が、前記シフト方向と実質的に平行である、請求項1から3のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項5】
各第1の行と各第2の行が、それぞれの読み出し行に実質的に整列される、請求項3または請求項4に記載のセンサユニット。
【請求項6】
前記複数の第1の行と前記複数の第2の行が交互に配置される、請求項4または請求項5に記載のセンサユニット。
【請求項7】
前記複数の第1の撮像画素の前記接続位置が、前記関連する電荷収集電極に対して中心を外れている、請求項1から6のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項8】
前記複数の第2の撮像画素の前記接続位置が、前記関連する電荷収集電極に対して中心を外れている、請求項1から7のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項9】
前記複数の第2の撮像画素が、前記複数の第2の撮像画素が前記複数の第1の撮像画素と整列する位置から前記複数の撮像画素の幅未満、シフトされる、請求項1から8のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項10】
前記複数の第2の撮像画素が、前記複数の第2の撮像画素が前記複数の第1の撮像画素と整列する位置から前記複数の撮像画素の幅の半分、シフトされる、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項11】
各読み出し画素が、関連する読み出し画素に特有の少なくとも1つの電子部品を有する読み出し画素電子回路を備える、請求項1から10のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項12】
前記少なくとも1つの電子部品が、増幅器、比較器、及び/または光子パルスをカウントするためのカウンタを備える、請求項11に記載のセンサユニット。
【請求項13】
各相互接続がはんだバンプを備える、請求項1から12のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項14】
前記変換素子が、テルル化カドミウム(CdTe)またはテルル化カドミウム亜鉛(CdZnTeまたはCZT)の基板などの半導体基板を備える、請求項1から13のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項15】
各撮像画素が、電離放射線を電荷に直接的に変換するように構成される、請求項1から14のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか1項に記載の少なくとも1つのセンサユニットを備える、放射線検出器。
【請求項17】
放射線検出器用のセンサユニットを製造する方法であって、
複数の撮像画素を備える変換素子を提供することであって、各撮像画素が放射線を電荷に直接的に変換するように構成され、各撮像画素が電荷収集電極を備え、前記複数の撮像画素が複数の第1の撮像画素と複数の第2の撮像画素を備える、前記提供することと、
グリッドに配置された複数の読み出し画素を備える読み出し基板を提供することと、
各読み出し画素を、前記電荷収集電極の接続位置で相互接続によって関連する撮像画素に接続することと
を含み、
前記第2の撮像画素が前記第1の撮像画素に対してシフト方向にシフトされ、
前記電荷収集電極に対する前記接続位置が、前記第1の撮像画素と前記第2の撮像画素との間で異なる、
方法。
【請求項18】
前記電荷収集電極を前記読み出し基板に接続することが、はんだバンプ接合、直接ボンディング、またはフリップチップボンディングを使用する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
放射線検出器用のセンサユニットを使用する方法であって、
センサユニットを提供することであって、
前記センサユニットは、
複数の撮像画素を備える変換素子であって、各撮像画素が放射線を電荷に直接的に変換するように構成され、各撮像画素が電荷収集電極を備え、前記複数の撮像画素が複数の第1の撮像画素と複数の第2の撮像画素を備える、前記変換素子と、
グリッドに配置された複数の読み出し画素を備える読み出し基板であって、各読み出し画素が、前記電荷収集電極の接続位置で相互接続によって関連する撮像画素に接続される、前記読み出し基板と
を備え、
前記第2の撮像画素が前記第1の撮像画素に対してシフトする方向にシフトされ、
前記電荷収集電極に対する前記接続位置が、前記第1の撮像画素と前記第2の撮像画素との間で異なる、
前記提供することと、
前記シフト方向に実質的に垂直な走査方向に前記センサユニットを移動させることと、
前記複数の撮像画素上への放射線に応えて電気信号を生成することと、
前記走査方向の各撮像画素の長さ以下の前記走査方向での前記センサユニットの移動の連続増分で前記電気信号をサンプリングすることと
を含む、方法。
【請求項20】
複数の超解像画素から画像を生成することであって、各超解像画素が、撮像画素幅の75%未満である、超解像画素幅を有する前記走査方向の少なくとも2つの連続する前記複数の撮像画素から引き出される、前記生成すること
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
各超解像画素が、隣接する超解像画素とは異なる放射エネルギー値を生成するように構成され、
前記複数の超解像画素の数が、前記シフト方向の前記複数の撮像画素の数よりも少なくとも50%大きい、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概してセンサユニットに関する。特に、センサユニット、センサユニットを含む放射線検出器、放射線検出器用のセンサユニットを製造する方法、及び放射線検出器用のセンサユニットを使用する方法が提供される。
【背景技術】
【0002】
直接変換放射線検出器は、入射X線光子を取り込み、電荷に直接的に変換するためにテルル化カドミウム(CdTe)変換素子などの光伝導体を利用する。放射線検出器は、複数の撮像画素を有する変換素子、及び複数の読み出し画素を有する読み出し基板を含み得る。各読み出し画素は、通常、関連する撮像画像の電荷収集電極の中心に接続される。各読み出し画素は、増幅器、積分器、比較器、及び/または光子パルスをカウントするためのカウンタなど、関連する読み出し画素に特有の少なくとも1つの電子部品を備えた読み出し画素電子回路を含み得る。各読み出し画素内の空間は、通常、非常に限られている。
【0003】
そのような光子カウント放射線検出器では、解像度は、多くの場合重要なパラメータである。解像度を高めることは、小さい撮像画素という点と、小さい読み出し画素という点の両方で、使用されている放射線検出器に高い要求を課す。一部の放射線検出器の解像度は、読み出し画素内に必要とされる電子回路を適合させるために求められる読み出し画素のサイズによって制限される。
【0004】
撮像画像の複数の行と列を有する走査放射線検出器では、撮像された対象の同じ点が、単一列に沿ってまっすぐに移動する代わりに、複数の列を横切って移動するように、放射線検出器を結像面で傾けることができる。このようにして傾けて走査し、より小さい目盛りでサンプリングする(例えば、100μmの撮像画素の場合、80μmごとにサンプリングする)ことによって、撮像画素の本来の解像度よりも高い解像度を有する画像を再構築することができる。
【0005】
本明細書に参照によりその全体として組み込まれる2011年12月20日に出願され、2016年7月12日に認可され、「Radiation Detector, and Radiation Imaging Apparatus Provided with Detector」と題する米国特許第9,389,320B2号は、複数の配列された検出素子を有する複数のモジュールを含む放射線検出器を開示している。モジュールは、第1のX軸と第1のY軸の少なくとも1つに沿って配置され、放射線検出器は、第1のX軸と第1のY軸の1つに沿って設定された走査方向を与えられる。複数の検出素子は、第2のX軸と第2のY軸に沿って配置される。第2のX軸と第2のY軸は、それぞれ第1のX軸と第1のY軸に対して相対角度を有し、相対角度は6から20.7度の範囲である。このようにして、モジュールは結像面で傾けられている。調べられている対象の一部分を通過する各検出素子の位置は、走査の進行に伴い第2のY軸の方向の位置に対して変化する。これによって、収集のタイミングで検出されたフレームデータの画素は、同じ点での横方向(第1のX軸)だけではなく長手方向(第1のY軸)に対しても画素値の変動成分を含むことが可能になる。したがって、画素のアレイが走査方向に対して斜めに設けられていない従来の技術に基づいた検出器を使用する撮像装置によって生成された再構築画像と比較して、再構築された画像では、再構築された画像の長手方向と横方向の両方で解像度が改善している。
【0006】
米国第2002175270A1号は、CMOS撮像システム、結像デバイス、及びCMOS撮像システムに結合された画像制御処理システムを含む、画像を取り込むためのシステムを開示している。CMOS撮像システムは、少なくとも1列の画素を備えた少なくとも1つのCMOSイメージャを有する。結像デバイスは、少なくとも1列の画素の少なくとも一部分に画像を向ける。CMOSイメージャは、少なくとも互いに隣接する、2列以上の画素を有し得、画素の列の各々は、CMOSイメージャ内の画素列の総数の逆数分、画素列の別の列から偏位される。
【発明の概要】
【0007】
本開示の1つの目的は、放射線検出器のために改良されたセンサユニットを提供することである。
【0008】
本開示のさらなる目的は、放射線検出器用のセンサユニットを提供することであり、センサユニットは高解像撮像を可能にする。
【0009】
本開示のなおさらなる目的は、放射線検出器用のセンサユニットを提供することであり、センサユニットは、高解像度撮像のためにより複雑ではない設計を有する。
【0010】
本開示のなおさらなる目的は、放射線検出器用のセンサユニットを提供することであり、センサユニットはコンパクトな設計を有する。
【0011】
本開示のなおさらなる目的は、放射線検出器用のセンサユニットを提供することであり、センサユニットは、センサユニットを結像面で傾ける必要なく高解像度撮像を可能にする。
【0012】
本開示のなおさらなる目的は、放射線検出器用のセンサユニットを提供することであり、センサユニットは、改善されたモジュラー設計を有する。
【0013】
本開示のなおさらなる目的は、放射線検出器用のセンサユニットを提供することであり、センサユニットは、上述の目的のいくつかまたはすべてを組み合わせて解決する。特に1つの目的は、放射線検出器用のセンサユニットを提供することであり、センサユニットは、高解像度撮像を可能にするだけではなく、読み出し画素の規則正しいグリッド設計も有する。
【0014】
本開示のなおさらなる目的は、センサユニットを含む放射線検出器を提供することであり、放射線検出器は、上述の目的の1つ、いくつか、またはすべてを解決する。
【0015】
本開示のなおさらなる目的は、放射線検出器用のセンサユニットを製造する方法を提供することであり、方法は、上述の目的の1つ、いくつか、またはすべてを解決する。
【0016】
本開示のなおさらなる目的は、放射線検出器用のセンサユニットを使用する方法を提供することであり、方法は、上述の目的の1つ、いくつか、またはすべてを解決する。
【0017】
一態様によれば、放射線検出器用のセンサユニットが提供され、センサユニットは、各撮像画素が放射線を電荷に直接的に変換するように構成された複数の撮像画素を含む変換素子であって、各撮像画素は電荷収集電極を含み、各撮像画素は第1の撮像画素と第2の撮像画素を含む変換素子と、グリッドに配置された複数の読み出し画素を含む読み出し基板であって、各読み出し画素は、電荷収集電極の接続位置で相互接続によって関連する撮像画素に接続される読み出し基板とを含み、第2の撮像画素は第1の撮像画素に対してシフト方向にシフトされ、電荷収集電極に対する接続位置は第1の撮像画素と第2の撮像画素との間で異なる。
【0018】
さらなる態様によれば、本開示に係る少なくとも1つのセンサユニットを含む放射線検出器が提供される。
【0019】
さらなる態様によれば、放射線検出器用のセンサユニットを製造する方法が提供され、方法は、各撮像画素が放射線を電荷に直接的に変換するように構成された複数の撮像画素を含む変換素子を提供することであって、各撮像画素は電荷収集電極を含み、撮像画素は第1の撮像画素と第2の撮像画素を含む、提供すること、グリッドに配置された複数の読み出し画素を含む読み出し基板を提供すること、及び電荷収集電極の接続位置で相互接続によって各読み出し画素を関連する撮像画素に接続することを含み、第2の撮像画素は第1の撮像画素に対してシフト方向にシフトされ、電荷収集電極に対する接続位置は第1の撮像画素と第2の撮像画素との間で異なる。
【0020】
さらなる態様によれば、放射線検出器用のセンサユニットを使用する方法が提供され、方法は、各撮像画素が放射線を電荷に直接的に変換するように構成された複数の撮像画素を含む変換素子であって、各撮像画素は電荷収集電極を含み、撮像画素は第1の撮像画素と第2の撮像画素を含む変換素子と、グリッドに配置された複数の読み出し画素を含む読み出し基板であって、各読み出し画素は、電荷収集電極の接続位置で相互接続によって各読み出し画素を関連する撮像画素に接続される読み出し基板とを含むセンサユニットを提供することを含み、第2の撮像画素は第1の撮像画素に対してシフト方向にシフトされ、電荷収集電極に対する接続位置は第1の撮像画素と第2の撮像画素との間で異なる。方法は、シフト方向に実質的に垂直な走査方向にセンサユニットを移動させること、撮像画素の上への放射線に応えて電気信号を生成すること、及び走査方向の各撮像画素の長さ以下の走査方向でのセンサユニットの移動の連続増分で電気信号をサンプリングすることをさらに含む。
【0021】
本開示のさらなる詳細、利点、及び態様は、図面と併せて解釈される以下の実施形態から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】放射線検出器を含む撮像装置の側面図を概略で示す。
【
図6】センサユニットの追加の断面側面図を概略で示す。
【
図9】追加のセンサユニットの上面図を概略で示す。
【
図12】追加のセンサユニットの上面図を概略で示す。
【
図13】センサユニットを製造する方法の一般的なステップを概略するフローチャートである。
【
図14】センサユニットを使用する方法の一般的なステップを概略するフローチャートである。
【
図17】センサユニットに重ね合わされた概念的な超解像画素の上面図を表す。
【
図18】センサユニットに重ね合わされた概念的な超解像画素の上面図を概略で示す。
【
図19】対象の点、及び異なるサンプリング回数を通して変換素子に重ね合わされた概念的な超解像画素の上面図を概略で示す。
【
図20】センサユニットに重ね合わされた概念的な超解像画素の上面図を概略で示す。
【
図23】センサユニットに重ね合わされた概念的な超解像画素の上面図を概略で示す。
【
図24】センサユニットに重ね合わされた概念的な超解像画素の上面図を概略で示す。
【
図25】対象の点、及び異なるサンプリング回数を通して変換素子に重ね合わされた概念的な超解像画素の上面図を概略で示す。
【
図26】センサユニットに重ね合わされた概念的な超解像画素の上面図を概略で示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、センサユニット、センサユニットを含む放射線検出器、放射線検出器用のセンサユニットを製造する方法、及び放射線検出器用のセンサユニットを使用する方法を説明する。同じまたは類似した構造上の特徴を示すために、同じまたは類似した参照番号を使用する。
【0024】
図1は、放射線検出器12を含む撮像装置10の側面図を概略で示す。放射線検出器12は直接変換走査放射線検出器である。本例の放射線検出器12は、本開示に係る複数のセンサユニット14から形成される。放射線検出器12は、例えば、センサユニット14を互いに接続することを可能にする1つ以上の結合機構を含み得る。結合機構は、例えば2つの隣接するセンサユニット14の支持基板を接続し得る。また、センサユニット14は、インタフェース回路を介して接続されてもよい。
【0025】
しかしながら、本開示に係る放射線検出器12は、代わりに、1つのセンサユニット14しか含まない場合もある。撮像装置10は、例えば、コンピュータ断層撮影(CT)デバイスであってよい。
【0026】
撮像装置10は、制御システム16、及び例えば患者の体を通してなど、撮像される対象20を透過するX線を放出するための、X線管などの放射線源18を含む。対象20を透過した後、X線は、放射線検出器12に到達し、そこでX線は検出され、対象20の空間分解された投影画像を表す信号に変換される。制御システム16は、2D投影画像を取得するように構成され得る。取得された2D画像は、コンピュータ断層撮影の既知の原理に従って対象20の例えば3D画像を再構築するために使用され得る。
【0027】
図1はさらに、参照する目的で3次元デカルト座標系X、Y、Zの2つのデカルト座標XとZを示す。本例の放射線検出器12は平面的であり、XY平面で配向され得る。したがって、放射線検出器12の結像面は、XY平面と平行である。しかしながら、撮像装置10及び放射線検出器12は、空間内で任意に配向され得る。
【0028】
図2は、センサユニット14の1つの変換素子22の上面図を概略で示す。センサユニット14の走査方向24は、
図2に示されている。変換素子22は、例えばCdTe結晶を含み得る。
【0029】
変換素子22は、複数の撮像画素26、28を含む。一例では、撮像画素26、28は、アドレス指定可能な最小の光伝導画素である。撮像画素26、28は、変換素子22の少なくとも一部分及び電荷収集電極30を含む場合がある。本例では、撮像画素は、第1の撮像画素26と第2の撮像画素28を含む。各撮像画素26、28は、電荷収集電極30を含む。各撮像画素26、28は、電離放射線を電荷に直接的に変換するように構成される。撮像画像26、28は、センサユニット14全体の上になど、センサユニット14の少なくとも主要な部分の上に均等に分布している。
【0030】
本例では、各撮像画素26、28、及びその関連する電荷収集電極30は、正方形の形状を有する。第1の撮像画素26と第2の撮像画素28は、同じまたは類似したサイズを有する場合がある。また、関連する電荷収集電極30も同じまたは類似したサイズを有する場合がある。
【0031】
第1の撮像画素26と第2の撮像画素28は、行または列に配置することができる。
図2では、第1の撮像画素26は第1の行32に配置され、第2の撮像画素28は第2の行34に配置されている。第1の行32と第2の行34は、交互に配置されている。
図2に示すように、第2の撮像画素28は、シフト方向36で第1の撮像画素26に対してシフトされている。第2の行34の各第2の撮像画素28は、それによって第1の行32の少なくとも1つの隣接する第1の撮像画素26に対して偏位している。
図2では、各第2の撮像画素28は、シフト方向36で右にシフトされている。
【0032】
第2の撮像画素28は、第2の撮像画素28が第1の撮像画素26と整列する位置から、撮像画素26、28の幅の半分、シフトされる。(X方向の)シフト方向36は、(Y方向の)走査方向24に垂直である。したがって、シフト方向36と走査方向24は両方とも、放射線検出器12の結像面に設けられる。第1の行32と第2の行34のそれぞれは、シフト方向36に平行である。
【0033】
各撮像画素26、28は長さ38を有する。各長さ38は、シフト方向36に垂直に、及び走査方向24と平行に延びる。
【0034】
図3は、変換素子22を含む同じセンサユニット14の読み出し基板40の上面図を概略で示す。読み出し基板40は、例えば、読み出しASIC基板であってよい。読み出し基板40は、シリコン基板または他の適切な半導体もしくは絶縁体の基板を含み得る。
【0035】
読み出し基板40は、複数の読み出し画素42を含む。各読み出し画素42は、相互接続44を含む。相互接続44は、読み出し画素42と撮像画素26、28との間に電気接続を提供するように配置される。相互接続44は、代わりに、撮像画素26、28によって含まれると言われる場合がある。
【0036】
本例では、各読み出し画素42は正方形の形状を有する。読み出し画素42は、同じまたは類似したサイズを有する場合がある。一例では、読み出し画素42のサイズは、撮像画素26、28のサイズに実質的に一致する、またはそれよりわずかに小さい。読み出し画素42のサイズ(または面積)及び撮像画素26、28のサイズ(または面積)は、結像面と平行な平面内に同じまたは類似したサイズ(または面積)を有する場合がある。各読み出し画素42のサイズが、撮像画素26、28のサイズと、2%未満など5%未満異なる場合、読み出し画素42のサイズは、撮像画素26、28のサイズと実質的に一致すると言われる場合がある。
【0037】
読み出し画素42はグリッドに配置される。本例では、読み出し画素42は、複数の読み出し行46と複数の読み出し列48を含むマトリクスに配置される。読み出し行46は読み出し列48に垂直である。読み出し行46はシフト方向36と平行である。
【0038】
図3の例では、各相互接続44は、関連する読み出し画素42の上で、つまりX方向とY方向の両方で中心に置かれる。したがって、相互接続44もマトリクスに配置される。相互接続44間の距離は、X方向とY方向の両方で均等である。したがって、読み出し画素42のどれもシフトされない。したがって、読み出し基板40は、(行と列の両方に沿った)規則正しいマトリクス設計を有する。読み出し基板40の設計は、規則正しいマトリクスに配置されたシフトされていない撮像画素を有する代替の変換素子とともに使用できる。これにより、センサユニット14のモジュール性が向上する。
【0039】
図4は、
図2の変換素子22及び
図3の読み出し基板40を含む同じセンサユニット14の上面図を概略で示す。
図4に示すように、各読み出し画素42は、電荷収集電極30の接続位置50でそれぞれの相互接続44によって固有の関連する撮像画素26、28に接続される。第1の撮像画素26の各第1の行32と、第2の撮像画素28の各第2の行34は、読み出し画素42の固有の読み出し行46と整列する。
【0040】
図4に示すように、第1の撮像画素26の接続位置50は、関連する電荷収集電極30の(
図4で)右半分にあり、第2の撮像画素28の接続位置50は、関連する電荷収集電極30の左半分にある。したがって、すべての撮像画素26、28の接続位置50は、本例では関連する電荷収集電極30に対して偏位している。しかしながら、偏位は、第1の撮像画素26と第2の撮像画素28との間で異なる。
【0041】
電荷収集電極30に対する接続位置50は、すべての第1の撮像画素26にとって同じであり、電荷収集電極30に対する接続位置50は、すべての第2の撮像画素28にとって同じである。対象20の走査中、放射線検出器12のサンプリング周波数は、撮像画素26、28の行あたり少なくとも1つの点が取得されるように設定され得る。
【0042】
図5は、センサユニット14の断面側面図を概略で示す。
図5の断面は第1の撮像画素26を示す。
図6は、センサユニット14のさらなる断面側面図を概略で示す。
図6の断面は第2の撮像画素28を示す。
図5及び
図6を集合的に参照すると、センサユニット14は、変換素子22及び読み出し基板40に加えて、支持基板52を含む。支持基板52は、例えばセラミックまたはガラスのプリント基板(PCB)を含み得る。
【0043】
図5及び
図6に示すように、変換素子22の電荷収集電極30は、ここでは変換素子22に埋め込まれた導体パッドとして実装される。電荷収集電極30は、撮像画素26、28を画定する。電荷収集電極30は、隣接する撮像画素26、28間の境界が形成されるように、互いから分離される。
【0044】
X線(または他のタイプの電離放射線)が変換素子22に衝突すると、吸収されたエネルギーに応えて変換素子22の内部に電子正孔対が生成される(したがって、用語「直接変換」)。変換素子22にわたって印加された電場の影響を受け、これらの電子(正孔)は、関連する電荷収集電極30に移される。
【0045】
各読み出し画素42は読み出し電極54を含む。読み出し電極54は、ここでは導体パッドとして例示されている。1つの撮像画素26、28と1つの読み出し画素42の各対は、相互接続44によって接続される。
図5及び
図6で、相互接続44は、電荷収集電極30と関連する読み出し電極54との間のはんだバンプとして例示されている。各読み出し電極54は、それによって関連する読み出し画素42への入力として機能する。各読み出し電極54は、相互接続44を通して、X線光子の吸収によって変換素子22内で生成された電気信号を受信する。変換素子22及び読み出し基板40は、フリップチップボンディングによって、または電気接点を形成する任意の他の手段によって接続され得る。
【0046】
各読み出し画素42は、読み出し画素42専用の読み出し画素電子回路56を含む。このようにして、読み出し画素電子回路56は、関連する読み出し画素42に特有の機能を有する少なくとも1つの電子部品を含む。読み出し画素42の読み出し画素電子回路56は、例えば、変換素子22に入射するX線光子によって生成された信号を処理または解釈するために適している場合がある。読み出し画素電子回路56の非限定的な例は、フィルタ、増幅器、積分器、比較器、及び/または光子パルスをカウントするためのカウンタを含む。一例よれば、各読み出し画素42は、パルスサイズを検知するために前置増幅器及び比較器を含む。
【0047】
一例では、読み出し画素電子回路56及び関連する特徴の(XY平面での)結合された領域は、読み出し画素42の領域を画定する。読み出し画素42の反対側の別の読み出し画素電子特徴の別の外縁までの読み出し画素電子特徴の(XY平面内の)外縁は、読み出し画素42の境界を画定できる。第1の方向での読み出し画素の第1の幅は、X方向の2つの読み出し画素境界間の最大距離にわたって延びる。第2の方向での読み出し画素の第2の幅は、Y方向の2つの読み出し画素境界間の最大距離にわたって延びる。
【0048】
読み出し画素42間に偏位を設けることは、マトリクスなどの規則正しいグリッドに比してより困難であり、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)ASIC設計を複雑化する可能性がある。代わりに、撮像画素26、28を偏位させ、それらを規則正しいマトリクス構成で読み出し画素42に結合すると、設計を簡略化することができる。撮像画素26、28が読み出し画素42から偏位されても、電荷収集電極30は良導体であり、電場はまっすぐとなり、電荷収集電極30の接続位置50に関わらず、電荷を正しい読み出し画素42に向ける。これによって、第1の撮像画素26と第2の撮像画素28の接続位置50は、それぞれの電荷収集電極30に対して異なることが可能になる。一方、読み出し画素42は、読み出し基板40内で規則正しいマトリクスに配置される。
【0049】
図5に示すように、左から右へのシフト方向36のそれぞれの電荷収集電極30の幅58のパーセンテージで表される、電荷収集電極30に対する第1の撮像画素26の接続位置50は約85%である。
図6に示すように、左から右へのシフト方向36のそれぞれの電荷収集電極30の幅58のパーセンテージで表される、電荷収集電極30に対する第2の撮像画素28の接続位置50は約15%である。したがって、シフト方向36のそれぞれの電荷収集電極30の幅58のパーセンテージで表される、第1の撮像画素26と第2の撮像画素28の電荷収集電極30に対する接続位置50は、第1の撮像画素26と第2の撮像画素28との間で70%、異なる。
【0050】
電荷収集電極30の端縁と関連する接続位置50との間の距離は、5μm以下ほど小さい場合がある。また、接続位置50は、関連する電荷収集電極30の端縁の右側に設けられてもよい。
【0051】
第2の撮像画素28を第1の撮像画素26に対してシフト方向36にシフトし、第1の撮像画素26と第2の撮像画素28のための電荷収集電極30で異なる接続位置50を使用することによって、センサユニット14を傾ける必要なく、及び読み出し画素42のいずれかに対応するシフトを提供する必要なく、画像解像度を高めることができる。
【0052】
図7は、さらなる変換素子22aの上面図を概略で示す。おもに、
図2から
図6に関して違いを説明する。
図7の変換素子22aは、第1の撮像画素26、第2の撮像画素28、及び第3の撮像画素60から成る複数の撮像画素を含む。
【0053】
第1の撮像画素26は第1の行32に配置される。第2の撮像画素28は第2の行34に配置される。第3の撮像画素60は第3の行62に配置される。第1の行32、第2の行34、及び第3の行62は、交互に配置され、シフト方向36と平行である。
【0054】
第2の撮像画素28は、シフト方向36の第1の撮像画素26に対して右にシフトされる。第3の撮像画素60は、シフト方向36の第1の撮像画素26に対して左にシフトされる。第2の撮像画素28は、第2の撮像画素28が第1の撮像画素26と整列する位置から、撮像画素26、28、60の幅の3分の1、右にシフトされる。第3の撮像画素60は、第3の撮像画素60が第1の撮像画素26と整列する位置から、撮像画素26、28、60の幅の3分の1、左にシフトされる。
【0055】
図8は、読み出し基板40の上面図を概略で示す。(
図8ではもう1つの読み出し行46が示されているが)
図8の読み出し基板40は、
図4のものと同じタイプである。
【0056】
図9は、さらなるセンサユニット14aの上面図を概略で示す。おもに、
図2から
図6に関して違いを説明する。
図9のセンサユニット14aは、
図7の変換素子22a及び
図8の読み出し基板40を含む。
図9に示すように、各読み出し画素42は、電荷収集電極30の接続位置50でそれぞれの相互接続44によって固有の関連する撮像画素26、28、60に接続される。第1の撮像画素26の各第1の行32、第2の撮像画素28の各第2の行34、及び第3の撮像画素60の第3の行62は、読み出し画素42の固有の読み出し行46と整列する。
【0057】
図9に示すように、第1の撮像画素26の接続位置50は、関連する電荷収集電極30の中心に置かれ、第2の撮像画素28の接続位置50は、関連する電荷収集電極30の(
図9では)左3分の1にあり、第3の撮像画素60の接続位置50は、関連する電荷収集電極30の右3分の1にある。このようにして、第2の撮像画素28と第3の撮像画素60の接続位置50だけが、本例では、関連する電荷収集電極30に対して偏位している。第1の撮像画素26は、関連する読み出し画素42に対して中心に置かれている。
【0058】
電荷収集電極30に対する接続位置50は、すべての第1の撮像画素26にとって同じであり、電荷収集電極30に対する接続位置50は、すべての第2の撮像画素28にとって同じであり、電荷収集電極30に対する接続位置50は、すべての第3の撮像画素60にとって同じである。
【0059】
図3及び
図8のタイプの読み出し基板40は、このようにして
図2の変換素子22及び
図7の変換素子22aのそれぞれと使用できる。
【0060】
図2及び
図4は、シフト方向36で互いから偏位している2セットの撮像画素26、28と交互に配置される2つの行32、34を示している。一例では、偏位は、電荷収集電極30の幅58の半分(1/2)と撮像画素26、28の幅の半分(1/2)との間である場合がある。
図7及び
図9は、シフト方向36で互いから偏位している3セットの撮像画素26、28、60と交互に配置される3つの行32、34、62を示している。一例では、各偏位は、電荷収集電極30の幅58の3分の1(1/3)と撮像画素26、28、60の幅の3分の1(1/3)との間である場合がある。別の例(図示せず)で同様に、5つの行は、シフト方向36で互いから偏位している5セットの撮像画素と交互に配置される場合がある。
図7及び
図9に関して、2つの追加の行のうちの第1の追加の行は、撮像画素26と60の偏位の間に偏位を有する撮像画素を有する場合があり、2つの追加の行のうちの第2の追加の行は、撮像画素28と60の間の偏位の間に偏位を有する撮像画素を有する場合がある。一例では、各偏位は、電荷収集電極30の幅58の5分の1(1/5)と撮像画素の幅の5分の1(1/5)との間である場合がある。五(5)行よりも多い異なる偏位行の数を実際に有することによって、解像度での著しい利点は提供されないが、異なる偏位を有する行の数は、2、3、または5の異なる偏位行に制限される必要はなく、それらの偏位間の距離は、電荷収集電極30の幅58の5分の1(1/5)または撮像画素の幅の5分の1(1/5)より大きくなるように制限される必要はない。読み出し画素42の相互接続44が撮像画素26、28、60の電荷収集電極30の接続位置50と整列している限り、異なる偏位を有する行の数を無制限とすることができ、それらの偏位間の距離も限りなく小さくすることができる。
【0061】
図10は、さらなる変換素子22bの上面図を概略で示す。おもに、
図2から
図6に関して違いを説明する。本例では、各撮像画素26b、28b、及びその関連する電荷収集電極30bは、六角形の形状を有する。撮像画素26b、28bは、六角形のグリッドに配置される。第1の撮像画素26bと第2の撮像画素28bは、同じサイズを有する。また、関連する電荷収集電極30bも同じサイズを有する。
【0062】
第2の撮像画素28bは、第2の撮像画素28bが第1の撮像画素26bと整列する位置から、撮像画素26b、28bの幅の半分、シフトされている。
【0063】
図11は、読み出し基板40の上面図を概略で示す。
図8の読み出し基板40は、
図4と同じタイプである。読み出し基板40は、(行と列の両方に沿った)規則正しいマトリクス設計を有する。しかしながら、
図11の読み出し画素42は、(走査方向24と平行な)長さよりも大きい(シフト方向36と平行な)幅を有する矩形である。
【0064】
図12は、さらなるセンサユニット14bの上面図を概略で示す。おもに、
図2から
図6に関して違いを説明する。
図12のセンサユニット14bは、
図10の変換素子22b及び
図11の読み出し基板40を含む。
図12に示すように、各読み出し画素42は、電荷収集電極30bの接続位置50でそれぞれの相互接続44によって固有の関連する撮像画素26b、28bに接続される。第1の撮像画素26bの各第1の行32と第2の撮像画素28bの各第2の行34は、読み出し画素42の固有の読み出し行46と整列する。
【0065】
図12に示すように、第1の撮像画素26bの接続位置50は、関連する電荷収集電極30bの(
図12で)右半分にあり、第2の撮像画素28bの接続位置50は、関連する電荷収集電極30bの(
図12で)左半分にある。電荷収集電極30bに対する接続位置50は、すべての第1の撮像画素26bにとって同じであり、電荷収集電極30bに対する接続位置50は、すべての第2の撮像画素28bにとって同じである。対象20の走査中、放射線検出器12のサンプリング周波数は、六角形の撮像画素26b、28bの行あたり少なくとも1つの点が取得されるように設定され得る。本例では、撮像画素26b、28bによって生成された電気信号は、走査方向24の各撮像画素26b、28bの長さ38の75%以下の走査方向24のセンサユニット14bの動きの連続増分でサンプリングされ得る。
【0066】
図13は、センサユニット14、14a、14bを製造する方法の一般的なステップを概略するフローチャートである。方法は、各撮像画素26、26b、28、28b、60が放射線を電荷に直接的に変換するように構成された複数の撮像画素26、26b、28、28b、60を含む変換素子22、22a、22bを提供するステップS1であって、各撮像画素26、26b、28、28b、60は電荷収集電極30、30bを含み、撮像画素26、26b、28、28b、60は第1の撮像画素26、26bと第2の撮像画素28、28bを含む、ステップS1を含む。方法は、グリッドに配置された複数の読み出し画素42を含む読み出し基板40を提供するステップS2をさらに含む。方法は、電荷収集電極30、30bの接続位置50で相互接続44によって関連する撮像画素26、26b、28、28b、60に各読み出し画素42を接続するステップS3をさらに含み、第2の撮像画素28、28bは、第1の撮像画素26、26bに対してシフト方向36にシフトされ、電荷収集電極30、30bに対する接続位置50は、第1の撮像画素26、26bと第2の撮像画素28、28bとの間で異なる。
【0067】
図14は、センサユニット14、14a、14bを使用する方法の一般的なステップを概略するフローチャートである。方法は、各撮像画素26、26b、28、28b、60が放射線を電荷に直接的に変換するように構成された複数の撮像画素26、26b、28、28b、60を含む変換素子22、22a、22bであって、各撮像画素26、26b、28、28b、60は、電荷収集電極30、30bを含み、撮像画素26、26b、28、28b、60は、第1の撮像画素26、26bと第2の撮像画素28、28bを含む、変換素子22、22a、22bと、グリッドに配置された複数の読み出し画素42を含む読み出し基板40であって各読み出し画素42は、電荷収集電極30、30bの接続位置50で相互接続44によって関連する撮像画素26、26b、28、28b、60に接続される、読み出し基板40と、を含むセンサユニット14、14a、14bを提供するステップS4を含み、第2の撮像画素28、28bは第1の撮像画素26、26bに対してシフト方向36にシフトされ、電荷収集電極30、30bに対する接続位置50は、第1の撮像画素26、26bと第2の撮像画素28、28bとの間で異なる。
【0068】
方法は、センサユニット14、14a、14bを、シフト方向36に実質的に垂直な走査方向24に移動させるステップS5をさらに含む。方法は、撮像画素26、26b、28、28b、60の上への放射線に応えて電気信号を生成するステップS6をさらに含む。方法は、走査方向24の各撮像画素26、26b、28、28b、60の長さ38以下の走査方向24のセンサユニット14、14a、14bの移動の連続増分で電気信号をサンプリングするステップS7をさらに含む。
【0069】
開示されているセンサユニット14、14a、14bは、超解像画素70、80、90、92、94、96とも呼ばれる効果的な高解像度画素を生成するために使用できる。各超解像画素70、80、90、92、94、96は、撮像画素幅68よりも小さい有効幅76、86、及び/または撮像画素長さ38よりも小さい有効長78、88を有する場合がある。一例では、各超解像画素70、80、90、92、94、96は、超解像画素70、80、90、92、94、96が引き出される撮像画素に対して固有の情報(つまり、信号及び/またはエネルギー情報)を含むように構成される。超解像画素70、80、92、96の有効幅76、86は、撮像画素26、28、60が走査方向24の隣接する撮像画素26、28、60から有する偏位の数、及びそれらの偏位間の距離によって決定することができる。超解像画素90、92、94、96の有効長78、88は、走査方向24の対象20に対するセンサユニット14、14a、14bの速度、及び(読み出し基板40上の読み出し画素42を含む)読み出し回路の処理速度によって決定することができる。例えば、超解像画素90、92、94、96の有効長78、88は、撮像画素行32、34、62あたりのサンプリングレートによって決定することができる。
【0070】
図15から
図20は、1つの偏位を有するセンサユニット14の異なるビュー及び層を概略で示す。
図15は、
図2と同様に、センサユニット14の1つの変換素子22の上面図を概略で示す。各撮像画素26、28は、シフト方向36の電荷収集電極30の幅58に類似したまたはそれより大きい幅68、及び走査方向24の長さ38を有する。図示するように、第2の行34の各第2の撮像画素28は、シフト方向36の撮像画素26、28の幅68の約半分(1/2)、第1の行32の少なくとも1つの隣接する第1の撮像画素26に対して偏位している。例示のために、各撮像画素26、28は、行と列の数字が後に続く(撮像画素の)「I」で、変換素子22の中でのその位置に対してラベルを付けられる。撮像画素26、28は、走査方向24で隣接する撮像画素26、28から偏位しているが、列の数字は、撮像画素26、28に結合された読み出し画素42の列を示す。例えば、左上の撮像画素28は、それが対応する読み出し画素42の第1の行と及び第1の列にあるので、I11とラベルを付けられる。他の撮像画素26、28は、I11からI54(第5の行及び第4の列の撮像画素)まで同様にラベルを付けられる。
【0071】
図16は、
図3と同様に、変換素子22を含む同じセンサユニット14の読み出し基板40の上面図を概略で示す。同様に例示のために、各読み出し画素42は、行と列の数字が後に続く(読み出し画素の)「R」でセンサユニット14の中のその位置に対してラベルを付けられる。例えば、左上の読み出し画素42は、それが第1の行と第1の列にあるのでR11とラベルを付けられる。他の読み出し画素42は、同様にR11からR54(第5行及び第4列の読み出し画素)とラベルを付けられる。
図17は、センサユニット14に重ね合わされた概念的な超解像画素70の上面図を概略で示す。超解像画素70は行72によって表すことができる。各超解像画素70は、シフト方向36での撮像画素幅68の一部である幅76を有する。一例では、超解像画素幅76は、撮像画素幅68の75%または60%未満である。超解像画素70の有効長は、撮像画素行32、34あたりのサンプリングレートによって決定することができる。
図17は、撮像画素行32、34あたり1サンプルのサンプリングレートを示すため、超解像画素70の有効長は、撮像画素長38に類似している。各超解像画素70は、走査方向24の少なくとも2つの撮像画素26、28から取り込まれた情報から引き出される、または計算される。撮像画素長68の約半分(1/2)である少なくとも1つの隣接する第1の撮像画素26に対して1つの偏位を有する第2の撮像画素28の場合、超解像画素幅76は、撮像画素幅68の半分(1/2)である場合がある。
【0072】
例示のために、各超解像画像70は、行と列の数字が後に続く(超解像画像の)「S」でセンサユニット14の中のその位置に対してラベルを付けられる。例えば、左上の超解像画素70は、それが第1行と第1列にあるので、S11とラベルを付けられる。他の超解像画像70は、S11からS57まで(第5行と第7の列の超解像画素)同様にラベルを付けられる。
【0073】
図18は、
図15の変換素子22、
図16の読み出し基板40、及び
図17の概念的な超解像画素70を含む同じセンサユニット14の上面図を概略で示す。各超解像画素70は、少なくとも2つのサンプルの上の2つの異なる行32、34(例えば、隣接する行)の少なくとも2つの撮像画素26、28(例えば、走査方向24の隣接する撮像画素)から取り込まれた情報から引き出される、または計算される。例えば、超解像画素S23は、撮像画素I12とI22から(つまり、前のサンプルと現在のサンプルからの情報を使用し)、または後続のサンプルの撮像画素I22とI32から(つまり、現在のサンプルと後のサンプルからの情報を使用し)引き出すまたは計算することができる。超解像画素70の半分(1/2)は、同じ列内の2つの撮像画素26、28から取り込まれた情報から引き出すまたは計算することができる。例えば、超解像画素S23の情報は、(同じ撮像画素列の)撮像画素I12とI22によって検知することができ、その電気信号は、(同じ読み出し画素列の)読み出し画素R12とR22に取り込まれる。そして、超解像画素70の他の半分(1/2)は、異なる撮像画素列の2つの撮像画素26、28から取り込まれた情報から引き出すまたは計算することができる。例えば、超解像画素S34は、(異なる撮像画素列の)撮像画素I23とI32によって検知することができ、その電気信号は(異なる読み出し画素列の)読み出し画素R23とR32に取り込まれる。
【0074】
従来、解像度は、撮像画素サイズ及び/または画素ピッチに制限されており、画素ピッチは画素間の距離である。センサユニット14は、撮像画素サイズよりも高い解像度を提供できる。対象20の走査中、撮像された対象の点は、点が走査方向24のセンサユニット14の複数の撮像画素26、28を横切って移動すると、複数回サンプリングされる。センサユニット14は、複数のサンプルを用いて撮像画素26、28内の点の場所の決定またはより細かな粒度を提供するために使用できる。例えば、対象20の点が第1の行の撮像画素(例えば、I11)の右半分を横切って移動する場合、その同じ点は、センサユニット14の移動の連続するサンプルまたは増分で(または後続のサンプルの第2の行で)撮像画素(例えば、I22)の半分を横切って移動する。同様に、対象20の点が第1の行の撮像画素(例えば、I11)の左半分を横切って移動する場合、その同じ点は、センサユニット14の移動の連続するサンプルまたは増分で(または後続のサンプルの第2の行で)撮像画素(例えば、I21)の右半分を横切って移動する。センサユニット14の移動の第1のサンプルまたは増分の間、第1の行の撮像画素(例えば、I11)は、対象の点を表す放射線に応えて電気信号を生成し得る。センサユニット14の移動の第2のサンプルまたは増分の間、第2の行の隣接する撮像画素(例えば、I21またはI22)は、対象の点を表す放射線に応えて電気信号を生成し得る。
【0075】
超解像画素70(例えば、S21)は、第1の行または第1のサンプルの撮像画素(例えば、I11)によって生成されたエネルギーの一部分(例えば、1/2)しか含まないため、収集されたエネルギーは、超解像画素70によって表される領域と重複する、撮像画像26、28の相対的な領域を表す部分で乗算され得る。同様に、超解像画素70(例えば、S21)は、第2の行または第2のサンプルの撮像画素(例えば、I21)によって生成されたエネルギーの一部分(例えば、1/2)しか含まないため、収集されたエネルギーは、超解像画素70によって表される領域と重複する撮像画素26、28の相対的な領域を表す部分で乗算され得る。数学的には、超解像画素エネルギー(srpe)は、超解像画素70によって表される領域と重複する第1の行の撮像画素領域の部分(ip1f)で乗算した第1のサンプルに取り込まれた第1の行の撮像画素26、28のエネルギー(ip1e)、及び超解像画素70によって表される領域と重複する第2の行の撮像画素領域の部分(ip2f)で乗算した第2のサンプルに取り込まれた第2の行の撮像画素26、28のエネルギー(ip2e)として表すことができる(例えば、srpe=ipif*ipie+ip2f*ip2eまたはsrpe=1/2*ipie+1/2*ip2e)。超解像画素70によって表される領域と重複する第1の行の撮像画素領域の部分(ip1f)及び超解像画素70によって表される領域と重複する第2の行の撮像画素領域の部分(ip2f)が類似するまたは等しい場合(ip1f=ip2f)、次に各超解像画素の超解像画素エネルギー(srpe)は、第2の行の撮像画素26、28のエネルギー(ip2e)を加えた、第1の行の撮像画素26、28のエネルギー(ip1e)で乗算した利得係数(gf)によって表すことができる(srpe=gf*(ip1e+ip2e))。したがって、超解像度画素の超解像画素エネルギー(srpe)は、利得係数(gf)を用いてセンサユニット14のために調整できる。
【0076】
対象の点を表す放射エネルギーは、超解像画素70(例えば、S23)に完全に表される。シフト方向36の隣接する超解像画素70(例えば、S22とS24)は、対象の点を表す放射エネルギーを登録する(例えば、2つのサンプル内の第1の行32または第2の行34の)1つの撮像画素26、28として、対象の点を表す放射エネルギーの半分(1/2)を含むが、(2つのサンプルの)第2のまたは後続の撮像画素26、28は、対象の点を表す放射エネルギーを登録しない。撮像画素26、28のどれも2つのサンプル(または他のサンプル)の対象の点を表す放射エネルギーを登録しないので、シフト方向36の隣接していない(つまり、少なくとも1つの超解像画素は分離している)超解像画素70(例えば、S21とS25)は対象の点を表す放射エネルギーを含まない。したがって、シフト方向36の隣接する超解像画素70は、隣接する超解像画素70がセンサユニット14で対象の点と重複しなくても、対象の点を表す放射エネルギーの一部分を検知または登録し得る。
【0077】
対象20の走査中、放射線検出器12のサンプリング周波数は、撮像画素26、28の行あたり少なくとも1つの点が取得されるように設定され得る。撮像画素26、28によって生成された電気信号は、走査方向24のセンサユニット14の移動の連続増分でサンプリングされてよい。対象の点を表す走査方向24の複数の超解像画素70(例えば、S11、S21、S31、S41、及びS51)は、ともに平均化され得、これによって対象の点の解像度を改善することもできる。一例では、センサユニット14は、対象の点を表す走査方向の24の超解像画素70(例えば、S11、S21、S31、S41、及びS51)の各々を使用できる。別の例では、センサユニット14は、対象の点を表す走査方向24の超解像画素70(例えば、S11、S21、S31、S41、またはS51)のサブセットを使用することができ、その結果、各撮像画素26、28は、走査方向24の超解像画素70で一度表される、または重みを付けられるにすぎない。
【0078】
図19は、変換素子22に表された対象20の点66、及び撮像画素行32、34あたり2サンプルのサンプリングレートで、走査方向24に一様に移動する対象と重ね合わされた概念的な超解像画素90の上面図を概略で示す。本例では、対象20の点66についての情報(つまり、信号及び/またはエネルギーの情報)は、同じ撮像画素26、28によって2回取り込むことができるため、2つの超解像画素90は、各撮像画素26、28で発生する。例えば、第1のサンプルの間、対象20の点66-1についての情報は、撮像画素11の上半分に取り込まれ得、超解像画素S11として表される。移動の連続増分または第2のサンプルでは、対象20の点66-2についての情報は、撮像画素I11の下半分に取り込まれ得、超解像画素S21として表される。移動の別の連続増分または第3のサンプルでは、対象20の点66-3についての情報は、撮像画素I22の上半分に取り込まれ得、超解像画素S32として表される。移動の別の連続増分または第4のサンプルでは、対象20の点66-4についての情報は、撮像画素I22の下半分に取り込まれ得、超解像画素S42として表される。各撮像画素I11、I22、I31、I42、I51が対象20の点66-1から66-10を2回サンプリングするパターンが続く。前の超解像画素情報及び走査方向24の隣接するサンプル間の差は、撮像画素38よりも小さい有効長78を有する超解像画素90の情報を生成または抽出するために使用できる。例えば、超解像画素90の情報(つまり、信号及び/またはエネルギー情報)は、撮像画素26、28によって取り込まれた現在のサンプルを、以前のまたは後続の撮像画素26、28またはサンプルの(走査方向24での)同じ相対的な位置の超解像画素90の情報を加えた、走査方向24の撮像画素26、28によって取り込まれた前のまたは後続のサンプルと比較することによって計算できる。撮像画素行32、34あたりの2サンプルのサンプリングレートを用いると、
図19に示す有効長78は、撮像画素長38の約半分(1/2)である。読み出し画素行46の読み出し画素42に対する撮像画素行32、34の撮像画素26、28間の偏位のため、(別の手法または補正を使用することなく)結果として生じた画像は、実際の対象20の特徴に対して撮像画素幅68の範囲内で歪められる場合がある。
【0079】
図20は、各超解像画素92が、撮像画素幅68よりも小さい有効幅76、及び撮像画素長38よりも小さい有効長78を有する、センサユニットに重ね合わされた概念的な超解像画素の上面図を概略で示す。
図20は、撮像画素幅68よりも小さい有効幅76を有する超解像画素92を取得するための、
図17から
図18に関して示し、説明した手法を、撮像画素長38よりも小さい有効長78を有する超解像画素92を取得するための、
図19に関して示し、説明した手法と組み合わせる。例えば、1つの撮像画素26、28(例えば、I11)は、4つの超解像画素92(例えば、S11、S12、S21、及びS22)によって表すことができる、または4つの超解像画素92は、単一の撮像画素26、28の上に重ね合わされ、このようにして本来の撮像画素26、28よりも大きい解像度を提供できる。
【0080】
図21から
図26は、2つの偏位を有するセンサユニット14aの異なるビュー及び層を概略で示す。
図21は、
図7に類似しているが、撮像画素26、28、60の4つ行しかないセンサユニット14aの1つの変換素子22aの上面図を概略で示す。各撮像画素26、28、60は、シフト方向36の電荷収集電極30の幅58に類似したまたはそれよりも大きい幅68、及び走査方向24の長さ38を有する。図示するように、第2の行34の各第2の撮像画素28は、シフト方向36の撮像画素26、28、60の幅68の約3分の1(1/3)、第1の行32の少なくとも1つの隣接する第1の撮像画素26に対して偏位している。第3の行62の各第3の撮像画素60は、シフト方向36の撮像画素26、28、60の幅68の約3分の1(1/3)、第1の行32の少なくとも1つの隣接する第1の撮像画素26に対して偏位している。例示のために、各撮像画素26、28、60は、行と列の数字が後に続く(撮像画素の)「I」で、変換素子22aの中でのその位置に対してラベルを付けられている。撮像画素26、28、60は、走査方向24の隣接する撮像画素26、28、60から偏位しているが、列の数字は、撮像画素26、28、60に結合された読み出し画素42の列を示す。例えば、左上の撮像画素28は、それが対応する読み出し画素42の第1の行及び第1の列にあるので、I11とラベルを付けられる。他の撮像画素26、28は、I11からI44(第4の行及び第4の列の撮像画素)まで同様にラベルを付けられる。
【0081】
図22は、
図8に類似しているが、読み出し画素42の4つの行しかない、変換素子22aを含む同じセンサユニット14aの読み出し基板40の上面図を概略で示す。同様に、例示のために、各読み出し画素42は、行と列の番号が後に続く(読み出し画素の)「R」で、センサユニット14aの中のその位置に対してラベルを付けられている。例えば、左上の読み出し画素42は、それが第1の行と第1の列にあるのでR11とラベルを付けられている。他の読み出し画素42も同様に、R11からR44(第4行と第4列の読み出し画素)とラベルを付けられる。
【0082】
図23は、センサユニット14a上に重ね合わされた概念的な超解像画素80の上面図を概略で示す。超解像画素80は、行82によって表すことができる。各超解像画素80は、シフト方向36の撮像画素幅68の一部分である幅86を有する。一例では、超解像画素幅86は、撮像画素幅68の50%または40%未満である。超解像画素80の有効長は、撮像画素行32、34、62あたりのサンプリングレートによって決定することができる。
図23は、撮像画素行32、34、62あたり1サンプルのサンプリングレートを示すため、超解像画素80の有効長は、撮像画素長38に類似している。各超解像画素80は、走査方向24の少なくとも3つの撮像画素26、28、60から取り込まれた情報から引き出される、または計算される。各々が互いと、撮像画素幅68の約3分の1(1/3)である偏位を有する第1の撮像画素26、第2の撮像画素28、及び第3の撮像画素60の場合、超解像画素幅86は、撮像画素幅68の3分の1(1/3)である場合がある。
【0083】
例示のために、各超解像画像80は、行と列の数字が後に続く(超解像画像の)「S」でセンサユニット14aの中のその位置に対してラベルを付けられる。例えば、左上の超解像画素80は、それが第1行と第1列にあるので、S11とラベルを付けられる。他の超解像画像80は、S11からS410まで(第4行と第10の列の超解像画素)同様にラベルを付けられる。
【0084】
図24は、
図21の変換素子22a、
図22の読み出し基板40、及び
図23の概念的な超解像画素80を含む同じセンサユニット14aの上面図を概略で示す。各超解像画素80は、少なくとも3つのサンプルの上の3つの異なる行32、34、62(例えば、隣接する行)の少なくとも3つの撮像画素26、28、60(例えば、走査方向24の隣接する撮像画素)から取り込まれた情報から引き出される、または計算される。例えば、超解像画素S35は、撮像画素I12、I22、及びI33から(つまり、前のサンプル及び現在のサンプルからの情報を使用し)、または撮像画素I22、I33、及びI42から(つまり、前のサンプル、現在のサンプル、及び後のサンプルからの情報を使用し)、または後続のサンプルの撮像画素I33、I42、及びI52(図示せず)から(つまり、現在のサンプル及び後のサンプルからの情報を使用し)検知された情報から引き出すまたは計算することができる。超解像画素80の3分の1(1/3)は、同じ列の3つの撮像画素26、28、60から取り込まれた情報から引き出すまたは計算することができる。例えば、超解像画素S31の情報は、(同じ撮像画素列の)撮像画素I11、I21、I31によって検知することができ、その電気信号は、(同じ読み出し画素列の)読み出し画素R11、R21、及びR31に取り込まれる。そして、超解像画素80の他の3分の2(2/3)は、2つの異なる撮像画素列の撮像画素26、28、60から取り込まれた情報から引き出すまたは計算することができる。例えば、超解像画素S33は、(第1の列の)撮像画素I11及び(第2の列の)撮像画素I22とI32によって検知される場合があり、その電気信号は、(第1の列の)読み出し画素R11及び(第2の列の)読み出し画素R22とR32に取り込まれる。
【0085】
対象20の走査中、撮像された対象の点は、点が走査方向24でセンサユニット14aの複数の撮像画素26、28、60を横切って移動すると、複数回サンプリングされる。センサユニット14aは、複数のサンプルを用いて撮像画素26、28、60内の点の場所の決定またはより細かな粒度を提供するために使用できる。例えば、対象20の点が第1の行の撮像画素(例えば、I11)の右3分の1を横切って移動する場合、その同じ点は、センサユニット14aの移動の連続するサンプルまたは増分で(または後続のサンプルの第2の行で)撮像画素(例えば、I22)の左3分の1を横切って移動し、その同じ点は、センサユニット14aの移動の連続するサンプルまたは増分で(または後続のサンプルの第3の行で)撮像画素(例えば、I32)の中心の3分の1を横切って移動する。対象20の点は、センサユニット14aの移動の連続するサンプルまたは増分で、超解像画素80ごとに撮像画素の左3分の1、撮像画素の中央3分の1、及び撮像画素の右3分の1を横切って移動する。センサユニット14aの移動の第1のサンプルまたは増分の間、第1の行の撮像画素(例えば、I11)は、対象の点を表す放射線に応えて電気信号を生成し得る。センサユニット14aの移動の第2のサンプルまたは増分の間、第2の行の隣接する撮像画素(例えば、I21またはI22)は、対象の点を表す放射線に応えて電気信号を生成し得る。センサユニット14aの移動の第3のサンプルまたは増分の間、第3の行の隣接する撮像画素(例えば、I31またはI32)は、対象の点を表す放射線に応えて電気信号を生成し得る。
【0086】
超解像画素80(例えば、S31)は、第1の行または第1のサンプルの撮像画素(例えば、I11)によって生成されたエネルギーの一部分(例えば、1/3)しか含まないため、収集されたエネルギーは、超解像画素80によって表される領域と重複する、撮像画像26、28、60の相対的な領域を表す部分で乗算され得る。同様に、超解像画素80(例えば、S31)は、第2の行または第2のサンプルの撮像画素(例えば、I22)によって生成されたエネルギーの一部分(例えば、1/3)しか含まないため、収集されたエネルギーは、超解像画素80によって表される領域と重複する撮像画素26、28、60の相対的な領域を表す部分で乗算され得る。同様に、超解像画素80(例えば、S31)は、第3の行または第3のサンプルの撮像画素(例えば、I32)によって生成されたエネルギーの一部分(例えば、1/3)しか含まないため、収集されたエネルギーは、超解像画素80によって表される領域と重複する撮像画素26、28、60の相対的な領域を表す部分で乗算され得る。数学的には、超解像画素エネルギー(srpe)は、超解像画素80によって表される領域と重複する第1の行の撮像画素領域の一部分(ip1f)で乗算された第1のサンプルに取り込まれた第1の行の撮像画素26、28、60のエネルギー(ip1e)、超解像画素80によって表される領域と重複する第2の行の撮像画素領域の部分(ip2f)で乗算された第2のサンプルに取り込まれた第2の行の撮像画素26、28、60のエネルギー(ip2e)、及び超解像画素80によって表される領域と重複する第3の行の撮像画素領域の部分(ip3f)で乗算された第3のサンプルに取り込まれた第3の行の撮像画素26、28、60のエネルギー(ip3e)として表すことができる(例えば、srpe=ip1f*ip1e+ip2f*ip2e+ip3f*ip3eまたはsrpe=1/3*ip1e+1/3*ip2e+1/3*ip2e)。超解像画素80によって表される領域と重複数第1の行の撮像画素領域の部分(ip1f)、超解像画素80によって表される領域と重複する第2の行の撮像画素領域の部分(ip2f)、及び超解像画素80によって表される領域と重複する第3の行の撮像画素領域の部分(ip3f)が類似するまたは等しい場合(ip1f=ip2f=ip3f)、次に、各超解像画素の超解像画素エネルギー(srpe)は、第3の行の撮像画素26、28、60のエネルギー(ip3e)を加えた、第2の行の撮像画素26、28、60のエネルギー(ip2e)を加えた、第1の行の撮像画素26、28、60のエネルギー(ip1e)で乗算された利得係数(gf)によって表すことができる(srpe=gf*(ip1e+ip2e+ip3e))。したがって、超解像度画素の超解像画素エネルギー(srpe)は、利得係数(gf)を用いてセンサユニット14のために調整できる。したがって、超解像画素の超解像画素エネルギー(srpe)は、利得係数(gf)でセンサユニット14aのために調整できる。
【0087】
対象の点を表す放射エネルギーは、超解像画素80(例えば、S33)の中に完全に表される。シフト方向36の隣接する超解像画素80(例えば、S32とS34)は、対象の点を表す放射エネルギーを登録する(例えば、3つのサンプルの3つの撮像画素行32、34、62の2つの)2つの撮像画素26、28、60として、対象の点を表す放射エネルギーの3分の2(2/3)を含む。しかし、(3つのサンプルの)3つの撮像画素行32、34、62の1つの撮像画素26、28、60は、対象の点を表す放射エネルギーを登録しない。シフト方向36の隣接する超解像画素80(例えば、S31及びS35)に隣接するいったん削除された超解像画素80は、対象の点を表す放射エネルギーを登録する(例えば、3つのサンプルの3つの撮像画素行32、34、62の1つの)1つの撮像画素26、28、60として、対象の点を表す放射エネルギーの3分の1(1/3)を含む。しかし、(3つのサンプルの)3つの撮像画素行32、34、62の2つの撮像画素26、28、60は、対象の点を表す放射エネルギーを登録しない。撮像画素26、28、60のどれも3つのサンプル(または他のサンプル)の対象の点を表す放射エネルギーを登録しないので、シフト方向36の隣接していない(つまり、少なくとも2つの超解像画素は分離している)超解像画素80(例えば、S26とS27)は対象の点を表す放射エネルギーを含まない。したがって、隣接する超解像画素80及びいったん削除された超解像画素80がセンサユニット14aの対象の点と重複しないときも、シフト方向36の隣接する超解像画素80及びいったん削除された超解像画素80は、対象の点を表す放射エネルギーの一部分を検知または登録し得る。
【0088】
対象20の走査中、放射線検出器12のサンプリング周波数は、撮像画素26、28、60の行あたり少なくとも1つの点が取得されるように設定され得る。撮像画素26、28、60によって生成された電気信号は、走査方向24のセンサユニット14aの移動の連続増分でサンプリングされてよい。対象の点を表す走査方向24の複数の超解像画素80(例えば、S13、S23、S33、及びS43)は、ともに平均化され得、これによって対象の点の解像度も改善できる。一例では、センサユニット14aは、対象の点を表す走査方向の24の超解像画素80(例えば、S13、S23、S33、及びS43)の各々を使用できる。別の例では、センサユニット14aは、対象の点を表す走査方向24の超解像画素70(例えば、S13、S23、S33、及びS43)のサブセットを使用することができ、その結果、各撮像画素26、28、60は、走査方向24の超解像画素80で一度表される、または重みを付けられるにすぎない。
【0089】
図25は、変換素子22aに表された対象20の点66、及び撮像画素行32、34、62あたり3サンプルのサンプリングレートで、走査方向24に一様に移動する対象と重ね合わされた概念的な超解像画素94の上面図を概略で示す。本例では、対象20の点66についての情報(つまり、信号及び/またはエネルギーの情報)は、同じ撮像画素26、28、60によって3回取り込むことができるため、3つの超解像画素90は、各撮像画素26、28、60で発生する。例えば、第1のサンプルの間、対象20の点66-1についての情報は、撮像画素 I11の上部3分の1で取り込まれ得、超解像画素S11として表される。移動の連続増分または第2のサンプルでは、対象20の点66-2についての情報は、撮像画素I11の中央3分の1で取り込まれ得、超解像画素S21として表される。移動の連続増分または第3のサンプルでは、対象20の点66-3についての情報は、撮像画素I11の下3分の1で取り込まれ、超解像画素S31として表される。各撮像画素I11、I21、I32、I41が対象20の点66-1から66-12を3回サンプリングするパターンが続く。前の超解像画素情報及び走査方向24の隣接するサンプル間の差は、撮像画素38よりも小さい有効長88を有する超解像画素94について情報を生成または抽出するために使用できる。例えば、超解像画素94の情報(つまり、信号及び/またはエネルギー情報)は、撮像画素26、28、60によって取り込まれた現在のサンプルを、以前のまたは後続の撮像画素26、28、60またはサンプルの(走査方向24での)同じ相対的な位置の超解像画素94の情報を加えた、走査方向24の撮像画素26、28、60によって取り込まれた前のまたは後続のサンプルと比較することによって計算できる。撮像画素行32、34、60あたりの3サンプルのサンプリングレートを用いると、
図25に示す有効長88は、撮像画素長38の約3分の1(1/3)である。読み出し画素行46の読み出し画素42に対する撮像画素行32、34、62の撮像画素26、28、60間の偏位のため、(別の手法または補正を使用することなく)結果として生じた画像は、実際の対象20の特徴に対して撮像画素幅68の範囲内で歪められる場合がある。
【0090】
図26は、各超解像画素96が、撮像画素幅68よりも小さい有効幅86、及び撮像画素長38よりも小さい有効長88を有する、センサユニットに重ね合わされた概念的な超解像画素の上面図を概略で示す。
図26は、撮像画素幅68よりも小さい有効幅86を有する超解像画素96を得るための、
図23から
図24に関して示し、説明した手法を、撮像画素長38よりも小さい有効長88を有する超解像画素96を得るための、
図25に関して示し、説明した手法と組み合わせる。例えば、1つの撮像画素26、28、60(例えば、I11)は、9つの超解像画素96(例えば、S11、S12、S13、S21、S22、S23、S31、S32、及びS33)によって表すことができる、または9つの超解像画素96は、単一の撮像画素26、28、60の上に重ね合わされ、このようにして本来の撮像画素26、28、60よりも大きい解像度を提供できる。
【0091】
図17から
図18、及び
図20は、走査方向24の隣接する撮像画素26、28からの撮像画素26、28の1つの偏位を有するセンサユニット14を使用し、撮像画素幅68の約半分(1/2)である有効長76を有する超解像画素70、92を示す。
図23から
図24及び
図26は、走査方向24の隣接する撮像画素26、28からの撮像画素26、28の2つの偏位を有するセンサユニット14aを使用し、撮像画素幅68の約3分の1(1/3)である有効長86を有する超解像画素80、96を示す。他の例では、異なる数の偏位を使用することによって、撮像画素幅68に対する有効超解像画素幅を変更することができる。
【0092】
図19から
図20は、撮像画素行32、34あたり2サンプルのサンプリングレートを有するセンサユニット14を使用し、撮像画素長38の約半分(1/2)である有効長78を有する超解像画素90、92を示す。
図25から
図26は、撮像画素行32、34、62あたり3サンプルのサンプリングレートを有するセンサユニット14aを使用し、撮像画素長38の約3分の1(1/3)である有効長88を有する超解像画素94、96を示す。他の例では、異なる撮像画素行あたりのサンプリングレートを使用することによって、撮像画素長38に対する有効超解像画素長を変更することができる。したがって、撮像画素あたりの超解像画素の数は、走査方向24での隣接する撮像画素からの撮像画素の偏位の数、及び撮像画素行あたりのサンプリングレートによって決定することができる。
【0093】
一例では、各超解像画素70、80は、隣接する超解像画素70、80とは異なる放射エネルギーを検知するように構成される。超解像画素70,80の数は、シフト方向36の撮像画素26、26b、28、28b、60の数よりも少なくとも50%または75%大きい。
【0094】
このようにして、撮像された対象20の第1の点と第2の点は、同じ第1の撮像画素26、26bであるが、異なる第2の撮像画素28、28bでサンプリングされ得る。これによって、センサユニット14、14a、14bを傾ける必要なく、再構築された画像の解像度が高まる。したがって、サンプリングは、撮像された対象20の単一の点が撮像画素26、26b、28、28b、60の行ごとに少なくとも1回サンプリングされるように実行され得る。例えば、変換素子22が、
図2に係る第1の行32と第2の行34を含む場合、撮像された対象20の同じ点は各第1の行32と各第2の行34でサンプリングされる。
【0095】
いくつかの実施形態は、放射線検出器12用のセンサユニット14、14a、14bを含み、センサユニット14、14a、14bは、各撮像画素26、26b、28、28b、60が放射線を電荷に直接的に変換するように構成された複数の撮像画素26、26b、28、28b、60を含む変換素子22、22a、22bであって、各撮像画素26、26b、28、28b、60が電荷収集電極30、30bを含み、撮像画素26、26b、28、28b、60が第1の撮像画素26、26bと第2の撮像画素28、28bを含む、変換素子22、22a、22bと、グリッドに配置された複数の読み出し画素42を含む読み出し基板40であって、各読み出し画素42が、電荷収集電極30、30bの接続位置50で相互接続44によって関連する撮像画素26、26b、28、28b、60に接続される、読み出し基板40と、を含み、第2の撮像画素28、28bは第1の撮像画素26、26bに対してシフト方向36にシフトされ、電荷収集電極30、30bに対する接続位置50は、第1の撮像画素26、26bと第2の撮像画素28、28bとの間で異なる。
【0096】
このようにして第2の撮像画素28、28bをシフトすることによって、センサユニット14、14a、14bの解像度は高められる。例えば、センサユニット14、14a、14bによって対象20を走査するとき、撮像された対象20の2つの点は、同じ撮像画素26、26bを通ってであるが、異なる第2の撮像画素28、28bを通って移動し得る。センサユニット14、14a、14bは、それによって、センサユニット14、14a、14bを傾ける必要なく、より高い解像度または超解像を取得できるようにする。センサユニット14、14a、14bの機能は、それによって傾けられた従来のセンサユニットよりも複雑ではない。
【0097】
多くの読み出し基板40では、読み出し画素42の行間に偏位を設けることは困難かつ複雑である。本開示に係るセンサユニット14、14a、14bは、直接変換放射線検出器12の場合、相互接続44用の接続位置50が電荷収集電極30、30b上のどこに配置されているのかが問題とはならない状況を利用している。接続位置50は、電荷収集電極30、30bの異なる部分に配置することができ、それによっていずれの読み出し画素42もシフトする必要なく、第2の撮像画素28、28bをシフトすることを可能にする。読み出し画素42は、第1の撮像画素26、26bと第2の撮像画素28、28bとの間で異なる、関連する電荷収集電極30、30bに対して接続位置50に接続するので、センサユニット14、14a、14bは、読み出し画素42を、読み出し行46と読み出し列48を含むマトリクスなどの規則正しいグリッドに配置できるようにする。したがって、読み出し基板40は、より複雑ではない設計とすることができる。
【0098】
センサユニット14、14a、14bは、さらに、同じ読み出し基板40(または同じ設計の別の読み出し基板)を、本開示に係る高解像度撮像用のセンサユニット14、14a、14bと、シフトされた撮像画素26、26b、28、28b、60のない別の標準的な解像度のセンサユニット14、14a、14bの両方で使用できるようにする。したがって、センサユニット14、14a、14bは、改善されたモジュラー設計を有する。
【0099】
高解像度撮像は、通常、高い幾何学的な拡大を必要とする。センサユニット14、14a、14bは、改善された解像度を提供するので、放射線源18に対する要件を削減することができ、走査速度を上げることができる。放射線源18に対する要件の一例は、0.1秒での最大許容キロワット(kW)である。
【0100】
第2の撮像画素28、28bが第1の撮像画素26、26bに対してシフト方向36にシフトされるとは、第2の撮像画素28、28bが、第1の撮像画素26、26bに対してシフト方向36に偏位することを意味する。接続位置50は、例えば、第1の撮像画素26、26bと関連する電荷収集電極30、30bの右半分上に、及び第2の撮像画素28、28bと関連する電荷収集電極30、30bの左半分上にあってよく、またはその逆であってもよい。この場合、右方向と左方向は、シフト方向36と平行である。シフト方向36は、方向変換のきかない方向であってよい。
【0101】
電荷取集電極30、30bに対する接続位置50は、すべての第1の撮像画素26、26bにとって同じまたは実質的に同じであってよく、電荷収集電極30、30bに対する接続位置50は、すべての第2の撮像画素28、28bにとって同じまたは実質的に同じであってよい。「実質的に同じ」は、製造公差内を意味する場合がある。例えば、電荷収集電極30、30bに対する接続位置50は、第1の撮像画素26、26bの幅の2%未満など、5%未満異なる場合があり、電荷収集電極30、30bに対する接続位置50は、第2の撮像画素28、28bの幅の2%未満など、5%未満異なる場合がある。シフト方向36のそれぞれの電荷収集電極30、30bの幅58に沿ったパーセンテージで表される、電荷収集電極30、30bに対する接続位置50は、第1の撮像画素26、26bと第2の撮像画素28、28bとの間で、少なくとも10%など、少なくとも5%異なる場合がある。
【0102】
各読み出し画素42は、複数の撮像画素26、26b、28、28b、60の関連する撮像画素26、26b、28、28b、60の面積より小さい面積または同じ面積を有する場合がある。読み出し画素42及び撮像画素26、26b、28、28b、60のこれらの面積は、放射線検出器12の結像面と平行である場合がある。
【0103】
撮像画素26、26b、28、28b、60は、代わりにセンサ画素または結晶画素と呼ばれる場合もある。撮像画素26、26b、28、28b、60は、結像面で、正方形または矩形など四角形である場合がある。別の例として、撮像画素26、26b、28、28b、60は結像面で六角形である場合がある。撮像画素26、26b、28、28b、60は、同じサイズであってよい。
【0104】
撮像画素26、26b、28、28b、60は、第1の撮像画素26、26bと第2の撮像画素28、28bしか含まない場合がある。代わりに、撮像画素26、26b、28、28b、60は、第1の撮像画素26、26bと第2の撮像画素28、28bに加えてさらなる撮像画素60を含んでもよい。
【0105】
電荷収集電極30、30bは代わりに検出器パッドと呼ばれる場合もある。電荷収集電極30、30bは、例えば四角形または六角形など、撮像画素26、26b、28、28b、60の形状に一致する形状を有し得る。電荷収集電極30、30bは同じサイズであってよい。
【0106】
各撮像画素26、26b、28、28b、60は、読み出し画素42の中で固有の読み出し画素42と関連付けられている。読み出し画素42は、代わりに読み出しセルと呼ばれる場合もある。読み出し画素42は同じサイズであってよい。読み出し基板40は、特定用途向け集積回路(ASIC)などの読み出し回路を含む場合もあれば、それから成る場合もある。
【0107】
センサユニット14、14a、14bは、代わりにセンサモジュールまたはタイルと呼ばれる場合もある。放射線検出器12は、1つのセンサユニット14、14a、14bしか含まない場合がある。代わりに、2つ以上のセンサユニット14、14a、14bは、放射線検出器12を提供するために結合され得る。
【0108】
変換素子22、22a、22bは、1つの連続した変換基板またはいくつかの別々の変換部分を含み得る。いずれの場合も、本開示に係る変換素子22、22a、22bは、入射放射線に応えて1つ以上の電荷担体を生成するように構成された、基板などの素子を含み得る。
【0109】
いくつかの実施形態では、シフト方向36は、センサユニット14、14a、14bの走査方向24に実質的に垂直または垂直である。センサユニット14、14a、14bは、このようにして走査放射線検出器12で使用され得る。シフト方向36と走査方向24は、結像面に設けられてよい。走査方向24に実質的に垂直なシフト方向36は、走査方向24に対して、85°から95°など、80°から100°で曲げられてよい。
【0110】
いくつかの実施形態では、読み出し画素42は、複数の読み出し行46と複数の読み出し列48を含むマトリクスに配置され、読み出し行46は、読み出し列48に実質的に垂直または垂直であり、シフト方向36と実質的に平行または平行である。この場合、相互接続44も対応するマトリクスに配置される。隣接する相互接続44間の距離は、各読み出し行46のいくつかのまたはすべての相互接続44にとって同じであってよい。隣接する相互接続44間の距離は、各読み出し列48のいくつかのまたはすべての相互接続44にとって同じであってよい。複数の読み出し行46と複数の読み出し48を含むマトリクスに対する代替策または追加として、読み出し画素42は、六角形グリッドに配置されてよい。読み出し列48に実質的に垂直な読み出し行46は、読み出し列48に対して、85°から95°など、80°から100°、曲げられてよい。シフト方向36と実質的に平行な読み出し行46は、シフト方向36に対して、±5°未満など±10°未満、曲げられてよい。
【0111】
いくつかの実施形態では、第1の撮像画素26、26bは、第1の行32に配置され得、第2の撮像画素28、28bは、第2の行34に配置され得る。いくつかの実施形態では、第1の行32と第2の行34の各々は、シフト方向36と実質的に平行または平行である。シフト方向36と実質的に平行な第1の32は、シフト方向36に対して±5°未満など、±10°未満、曲げられ得る。各第1の行32と各第2の行34は、それぞれの読み出し行46と実質的に整列または整列し得る。各第1の行32と各第2の行34との間の実質的な整列は、2つの隣接する読み出し画素42間の走査方向24での中心から中心までの距離の5%未満など、10%未満の各第1の行32と各第2の行34の偏位を含み得る。「と実質的に整列する」は、相互接続44のための十分な空間と重複することを意味する場合がある。
【0112】
いくつかの実施形態では、第1の行32と第2の行34は交互に配置される。撮像画素26、26b、28、28bは、第1の行32と第2の行34しか含まない場合がある。代わりに、撮像画素26、26b、28、28b、60は、第1の行32と第2の行34に加えてさらなる撮像画素60のさらなる行を含んでもよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、第1の撮像画素26、26bの接続位置50は、少なくとも1つの軸または方向に沿って、関連する電荷収集電極30、30bに対して中心を外れている。この場合、第2の撮像画素28、28bの接続位置50は、関連する電荷収集電極30、30bに対して中心に置かれる場合もあれば、異なるように中心を外れる場合もある。第2の撮像画素28、28bの接続位置50が、関連する電荷収集電極30、30bに対して中心に置かれる場合、第2の撮像画素28、28bは、関連する読み出し画素42に対して中心に置かれ得る。
【0114】
いくつかの実施形態では、第2の撮像画素28、28bの接続位置50は、少なくとも1つの軸または方向に沿って、関連する電荷収集電極30、30bに対して中心を外れている。この場合、第1の撮像画素26、26bの接続位置50は、関連する電荷収集電極30、30bに対して中心に置かれる場合もあれば、異なるように中心を外れる場合もある。第1の撮像画素26、26bの接続位置50が、関連する電荷収集電極30、30bに対して中心に置かれる場合、第1の撮像画素26、26bは、関連する読み出し画素42に対して中心に置かれ得る。
【0115】
いくつかの実施形態では、第2の撮像画素28、28bは、第2の撮像画素28、28bが、第1の撮像画素26、26bと整列する位置から撮像画素26、26b、28、28b、60の幅未満、シフトされ得る。いくつかの実施形態では、第2の撮像画素28、28bは、第2の撮像画素28、28bが第1の撮像画素26、26bと整列する位置から、撮像画素26、26b、28、28b、60の幅の半分、シフトされ得る。幅は、シフト方向36と平行な撮像画素26、26b、28、28b、60の方向であってよい。第2の撮像画素28、28bが第1の撮像画素26、26bと整列する位置で、第1の撮像画素26、26bと第2の撮像画素28、28bは、例えば走査方向24と平行など、シフト方向36に垂直に整列する。
【0116】
撮像画素26、26b、28、28b、60は、第3の撮像画素60をさらに含み得る。この場合、第3の撮像画素60は、第2の撮像画素28、28bとは異なるように、第1の撮像画素26、26bに対してシフト方向36にシフトされ得る。この場合、接続位置50は、例えば、第3の撮像画素60と関連する電荷収集電極30、30bの右3分の1に、第1の撮像画素26、26bと関連する電荷収集電極30、30bの中心3分の1に、及び第2の撮像画素28、28bと関連する電荷収集電極30、30bの左3分の1にある場合がある。
【0117】
電荷収集電極30、30bに対する接続位置50は、すべての第3の撮像画素60にとって同じまたは実質的に同じであってよい。シフト方向36のそれぞれの電荷収集電極30、30bの幅58に沿ったパーセンテージで表される、電荷収集電極30、30bに対する接続位置50は、第1の撮像画素26、26bと第2の撮像画素28、28bと第3の撮像画素60との間で、少なくとも10%など、少なくとも5%異なる場合がある。
【0118】
撮像画素26、26b、28、28b、60は、第1の撮像画素26、26b、第2の撮像画素28、28b、及び第3の撮像画素60しか含まない場合がある。代わりに、撮像画素26、26b、28、28b、60は、第1の撮像画素26、26b、第2の撮像画素28、28b、及び第3の撮像画素60に加えてさらなる撮像画素を含んでもよい。そのようなさらなる撮像画素は、第1の行32、第2の行34、及び第3の行62に加えて1つまたはいくつかのさらなる行を形成してよい。
【0119】
第1の撮像画素26、26bは第1の行32に配置され得、第2の撮像画素28、28bは第2の行34に配置され得、第3の撮像画素60は第3の行62に配置され得る。この場合、第1の行32、第2の行34、及び第3の行62の各々は、シフト方向36と実質的に平行または平行であってよい。各第1の行32、各第2の行34、及び各第3の行62は、それぞれの読み出し行46と実質的に整列または整列し得る。
【0120】
第1の行32、第2の行34、及び第3の行62は、交互に配置されてよい。撮像画素26、26b、28、28b、60は、第1の行32、第2の行34、及び第3の行62しか含まない場合がある。代わりに、撮像画素26、26b、28、28b、60は、第1の行32、第2の行34、及び第3の行62に加えて追加の撮像画素26、26b、28、28b、60の1つまたはいくつかのさらなる行を含んでもよい。この場合、撮像画素26、26bの第1の行32を除き、撮像画素26、26b、28、28b、60の各行は、撮像画素26、26bの第1の行32に対してシフト方向36での固有の偏位を有する場合がある。
【0121】
第3の撮像画素60の接続位置50は、関連する電荷収集電極30、30bに対して中心を外れる場合がある。この場合、第1の撮像画素26、26bの接続位置50は、関連する電荷収集電極30、30bに対して中心に置かれる場合もあれば、異なるように中心を外れる場合もあり、第2の撮像画素28、28bの接続位置50は、関連する電荷収集電極30、30bに対して中心に置かれる場合もあれば、異なるように中心を外れる場合もある。
【0122】
第3の撮像画素60は、第3の撮像画素60が第1の撮像画素26、26bと整列する位置から、撮像画素26、26b、28、28b、60の幅未満、シフトされ得る。例えば、第2の撮像画素28、28bは、第2の撮像画素28、28bが第1の撮像画素26、26bと整列する位置から右に撮像画素26、26b、28、28b、60の幅の3分の1、シフトされ得、第3の撮像画素60は、第3の撮像画素60が第1の撮像画素26、26bと整列する位置から左に撮像画素26、26b、28、28b、60の幅の3分の1、シフトされ得る。
【0123】
いくつかの実施形態では、各読み出し画素42は、関連する読み出し画素42に特有の少なくとも1つの電子部品を有する読み出し画素電子回路56を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの電子部品は、増幅器、比較器、及び光子パルスをカウントするためのカウンタを含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、各相互接続44は、例えば直接ボンディングによるはんだバンプを含む。各読み出し画素42は、はんだバンプを付着できる読み出し導体パッドを含み得る。しかしながら、本開示に係る相互接続44は、代わりに、例えば撮像画素26、26b、28、28b、60と読み出し画素42との間などに、電気接点を作成するための任意のタイプの接続部材を含んでもよい。
【0125】
いくつかの実施形態では、変換素子22、22a、22bは、テルル化カドミウム(CdTe)またはテルル化カドミウム亜鉛(CdZnTeまたはCZT)の基板などの半導体基板を含む。
【0126】
いくつかの実施形態では、核撮像画素26、26b、28、28b、60は、電離放射線を電荷に直接的に変換するように構成される。
【0127】
いくつかの実施形態は、本開示に係る少なくとも1つのセンサユニット14、14a、14bを含む放射線検出器12を含む。本開示全体で、放射線検出器12は、直接変換放射線検出器12から成る場合がある。放射線検出器12は、代わりに放射線撮像デバイスと呼ばれる場合もある。放射線検出器12は、走査放射線検出器12であってよい。
【0128】
いくつかの実施形態は、本開示に係る少なくとも1つのセンサユニット14、14a、14bまたは本開示に係る少なくとも1つの放射線検出器12を含む撮像装置10を含む。撮像装置10は、制御システム16及び放射線源18をさらに含み得る。
【0129】
いくつかの実施形態は放射線検出器12用のセンサユニット14、14a、14bを製造する方法を含み、方法は、各撮像画素26、26b、28、28b、60が放射線を電荷に直接的に変換するように構成された複数の撮像画素26、26b、28、28b、60を有する変換素子22、22a、22bを提供することであって、各撮像画素26、26b、28、28b、60は電荷収集電極30、30bを含み、撮像画素26、26b、28、28b、60は第1の撮像画素26、26bと第2の撮像画素28、28bを含む、変換素子22、22a、22bを提供すること、グリッドに配置された複数の読み出し画素42を含む読み出し基板40を提供すること、及び各読み出し画素42を、電荷収集電極30、30bの接続位置50で相互接続44によって関連する撮像画素26、26b、28、28b、60に接続することを含み、第2の撮像画素28、28bは第1の撮像画素26、26bに対してシフト方向36にシフトされ、電荷収集電極30、30bに対する接続位置50は、第1の撮像画素26、26bと第2の撮像画素28、28bとの間で異なる。方法によって製造されたセンサユニット14、14a、14bは、本開示に係る任意のタイプであってよい。
【0130】
いくつかの実施形態では、電荷収集電極30、30bの読み出し基板40への接続は、はんだバンプ接合、直接ボンディング、またはフリップチップボンディングを使用し得る。
【0131】
いくつかの実施形態は、本開示に係る任意の方法によって製造されたセンサユニット14、14a、14b、または本開示に係る任意の方法から生じるセンサユニット14、14a、14bを含む。
【0132】
いくつかの実施形態は放射線検出器12用のセンサユニット14、14a、14bを使用する方法を含み、方法は、各撮像画素26、26b、28、28b、60が放射線を電荷に直接的に変換するように構成された複数の撮像画素26、26b、28、28b、60を有する変換素子22、22a、22bであって、各撮像画素26、26b、28、28b、60は電荷収集電極30、30bを含み、撮像画素26、26b、28、28b、60は第1の撮像画素26、26bと第2の撮像画素28、28bを含む、変換素子22、22a、22bと、グリッドに配置された複数の読み出し画素42を含む読み出し基板40であって、各読み出し画素42が、電荷収集電極30、30bの接続位置50で相互接続44によって関連する撮像画素26、26b、28、28b、60に接続される、読み出し基板40と、を含むセンサユニット14、14a、14bを提供することS4を含み、第2の撮像画素28、28bは第1の撮像画素26、26bに対してシフト方向36にシフトされ、電荷収集電極30、30bに対する接続位置50は、第1の撮像画素26、26bと第2の撮像画素28、28bとの間で異なる。方法は、シフト方向36に実質的に垂直な走査方向24にセンサユニット14、14a、14bを移動させることS5、撮像画素26、26b、28、28b、60の上への放射線に応えて電気信号を生成することS6、及び走査方向24の各撮像画素26、26b、28、28b、60の長さ38以下の走査方向24でのセンサユニット14、14a、14bの移動の連続増分で、電気信号をサンプリングすることS7をさらに含む。
【0133】
方法は、撮像画素26、26b、28、28b、60の行あたり少なくとも1つの点が、撮像された対象20の単一の点に対して取得されるように、走査方向24でのセンサユニット14、14a、14bの移動の連続増分で電気信号をサンプリングすることをさらに含み得る。撮像画素26、26b、28、28bの行が走査方向24に垂直であるとき、電気信号は、結像面で傾けられたセンサユニットと比較してより処理しやすい。
【0134】
いくつかの実施形態では、方法は、超解像画素70、80から画像を生成することをさらに含み、各超解像画素70、80は、撮像画素幅68の75%未満である超解像画素幅76、86を有する走査方向24の少なくとも2つの連続する撮像画素26、26b、28、28b、60から引き出される。
【0135】
いくつかの実施形態では、各超解像画素70、80は、隣接する超解像画素70、80とは異なる放射エネルギー値を生成するように構成され、超解像画素70、80の数は、シフト方向36の撮像画素26、26b、28、28b、60の数よりも少なくとも50%大きい。
【0136】
本開示は、例示的な実施形態を参照して説明されてきたが、本発明が上述されたことに限定されないことを理解されたい。例えば、パーツの寸法を必要に応じて変え得ることを理解されたい。したがって、本発明は、本明細書に添付される特許請求の範囲の範囲によってのみ制限され得ることが意図される。
【外国語明細書】