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特開2022-81884スキャナ装置、通信方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081884
(43)【公開日】2022-06-01
(54)【発明の名称】スキャナ装置、通信方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20220525BHJP
   G06F 21/44 20130101ALI20220525BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20220525BHJP
【FI】
H04N1/00 838
H04N1/00 885
H04N1/00 127B
G06F21/44
G06F13/00 510A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020193099
(22)【出願日】2020-11-20
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】特許業務法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥山 浩司
(72)【発明者】
【氏名】関 建二郎
(72)【発明者】
【氏名】加藤 智也
(72)【発明者】
【氏名】坂根 俊司
(72)【発明者】
【氏名】柿本 涼
【テーマコード(参考)】
5B084
5C062
【Fターム(参考)】
5B084AA06
5B084AB06
5B084BA09
5B084BB03
5B084DB01
5B084DC03
5C062AA05
5C062AA09
5C062AA14
5C062AA37
5C062AB02
5C062AB07
5C062AB10
5C062AB11
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB41
5C062AB42
5C062AB49
5C062AB50
5C062AB51
5C062AC02
5C062AC03
5C062AC04
5C062AC16
5C062AC22
5C062AC35
5C062AC42
5C062AC51
5C062AD02
5C062AD06
5C062AE01
5C062AF01
5C062AF02
5C062BA02
5C062BB02
(57)【要約】
【課題】ペアリングの実施時における操作性の向上を図る。
【解決手段】スキャナ装置10は、制御部11と撮影部12を備え、撮影部12はカメラレンズ12aを含む。また、スキャナ装置10は、カメラレンズ12aの近傍位置に設けられて開閉駆動する蓋13を備える。撮影部12は、カメラレンズ12aを介して画像を撮影する。蓋13は、開状態のときはカメラレンズ12aを露出して撮影可とし、閉状態のときはカメラレンズ12aを遮蔽して撮影不可とする。制御部11は、蓋13の開状態を検知した場合は、撮影部12で撮影された画像の撮影画像データを転送する接続先装置に対してペアリングを実施する。また、制御部11は、蓋13の閉状態を検知した場合は、該接続先装置に対してペアリングを解除する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラレンズを介して画像を撮影する撮影部と、
前記カメラレンズの近傍位置に設けられて開閉駆動し、開状態のときは前記カメラレンズを露出して撮影可とし、閉状態のときは前記カメラレンズを遮蔽して撮影不可とする蓋と、
前記蓋の前記開状態を検知した場合は、撮影画像データを転送する接続先装置に対してペアリングを実施し、前記蓋の前記閉状態を検知した場合は、前記ペアリングを解除する制御部と、
を有するスキャナ装置。
【請求項2】
前記接続先装置の候補リストを格納する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記蓋の前記開状態を検知した場合は、前記候補リストに登録されている前記接続先装置に対して前記ペアリングを実施するための通信を確立する請求項1記載のスキャナ装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記通信を確立した後に前記接続先装置から送信される第1の装置識別子を受信し、前記第1の装置識別子と、前記候補リストに予め登録される前記接続先装置の第2の装置識別子とを照合し、照合結果が一致の場合は前記ペアリングの成功を認識して撮影許可状態にし、照合結果が不一致の場合は前記ペアリングの実施を停止する請求項2記載のスキャナ装置。
【請求項4】
前記蓋は、装置電源のオン/オフに連動して開閉駆動し、前記装置電源がオンの場合には前記開状態になり、前記装置電源がオフの場合には前記閉状態になる請求項1記載のスキャナ装置。
【請求項5】
コンピュータが、
画像を撮影するカメラレンズの近傍位置に設けられて開閉駆動し、開状態のときは前記カメラレンズを露出して撮影可とし、閉状態のときは前記カメラレンズを遮蔽して撮影不可とする蓋に対して、
前記蓋の前記開状態を検知した場合は、撮影画像データを転送する接続先装置に対してペアリングを実施し、
前記蓋の前記閉状態を検知した場合は、前記ペアリングを解除する、
通信方法。
【請求項6】
コンピュータに、
画像を撮影するカメラレンズの近傍位置に設けられて開閉駆動し、開状態のときは前記カメラレンズを露出して撮影可とし、閉状態のときは前記カメラレンズを遮蔽して撮影不可とする蓋に対して、
前記蓋の前記開状態を検知した場合は、撮影画像データを転送する接続先装置に対してペアリングを実施し、
前記蓋の前記閉状態を検知した場合は、前記ペアリングを解除する、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャナ装置、通信方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯性に優れたスキャナ装置が開発されている。スキャナ装置は、原稿をスキャン(撮影)してイメージデータ化し、無線によって接続される情報処理端末(例えば、タブレット端末やスマートフォン)に向けてイメージデータを転送する。
【0003】
情報処理端末側では、スキャナ装置から転送されたイメージデータに対して様々なイメージ処理が行われる。例えば、金融機関においては、OCR(Optical Character Recognition:光学的文字認識)、店舗外での伝票読取、印鑑照合および本人確認記録の保管等の業務を行うことができる。
【0004】
一方、スキャナ装置と情報処理端末との無線(例えば、Bluetooth(登録商標))の接続時においては、ペアリング情報を互いに登録して互いの装置を認識させるためのペアリングが実施される(以下、Bluetoothの登録商標の表記は省略する)。
【0005】
ペアリングが実施されることで無関係の装置と通信をしたりしないようセキュリティが維持される。また、複数の情報処理端末に対して、1台のスキャナ装置を登録するマルチペアリングが実施されることもある。
【0006】
関連技術としては、例えば、カードスロット用の蓋を閉めるという操作イベントに応答して、撮像装置がサーバと通信を確立する技術が提案されている(特許文献1)。
また、ハンディスキャナがスリープモードで動作している場合に充電ユニットが接続されると、読取動作が可能になる技術が提案されている(特許文献2)。
【0007】
さらに、ペアリングした携帯端末との近距離無線通信を終了すると、原稿読取部が原稿を検出し、原稿を検出したことをペアリングした携帯端末に通知する技術が提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006-165991号公報
【特許文献2】特開2017-91334号公報
【特許文献3】特開2020-22199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
企業の運用としては、スキャナ装置と情報処理端末とをそれぞれ複数台ずつ保管しておき、利用時には任意の個体を選んで使用することが通常行われており、この場合にはペアリングをその都度実施することになる。
【0010】
しかし、このような運用形態では、使用前にスキャナ装置と情報処理端末とを手動でペアリングし、使用後(例えば、保管庫への返却時)には電池消耗を押さえるためにペアリングを解除してスキャナ装置の電源をOFFするといった操作が行われており、ユーザにとって手間がかかり操作性が悪いという問題がある。
【0011】
なお、マルチペアリングは接続候補数に上限があり、接続候補数を超える情報処理端末に対しては、ペアリング情報を保持し続けることが困難であるため、マルチペアリングの実施が不可になる。
【0012】
したがって、接続候補数を超える台数の情報処理端末を保管している企業の運用形態では、上記と同様な操作(使用時には手動でペアリングを行い、使用後にはペアリングを解除するといった操作)を行うことになり、操作性の改善が望まれている。
【0013】
1つの側面では、本発明は、ペアリングの実施時における操作性の向上を図ったスキャナ装置、通信方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、スキャナ装置が提供される。スキャナ装置は、カメラレンズを介して画像を撮影する撮影部と、カメラレンズの近傍位置に設けられて開閉駆動し、開状態のときはカメラレンズを露出して撮影可とし、閉状態のときはカメラレンズを遮蔽して撮影不可とする蓋と、蓋の開状態を検知した場合は、撮影画像データを転送する接続先装置に対してペアリングを実施し、蓋の閉状態を検知した場合は、ペアリングを解除する制御部とを有する。
【0015】
また、上記課題を解決するために、コンピュータが上記スキャナ装置と同様の制御を実行する通信方法が提供される。
さらに、上記課題を解決するために、コンピュータに上記スキャナ装置と同様の制御を実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0016】
1側面によれば、ペアリングの実施時における操作性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】スキャナ装置の一例を説明するための図である。
図2】通信システムの構成の一例を示す図である。
図3】スキャナ装置の概観の一例を示す図である。
図4】スキャナ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5】スキャナ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図6】接続先候補リストの一例を示す図である。
図7】通信システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図8】通信システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図9】情報処理端末の画面遷移の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。
図1はスキャナ装置の一例を説明するための図である。スキャナ装置10は、制御部11と撮影部12を備え、撮影部12はカメラレンズ12aを含む。また、スキャナ装置10は、カメラレンズ12aの近傍位置に設けられて開閉駆動する蓋13を備える。
【0019】
撮影部12は、カメラレンズ12aを介して画像を撮影する。蓋13は、開状態のときはカメラレンズ12aを露出して撮影可とし、閉状態のときはカメラレンズ12aを遮蔽して撮影不可とする。
【0020】
制御部11は、蓋13の開状態を検知した場合は、撮影部12で撮影された画像の撮影画像データを転送する接続先装置に対してペアリングを実施する。また、制御部11は、蓋13の閉状態を検知した場合は、該接続先装置に対してペアリングを解除する。なお、制御部11の機能は、例えば、スキャナ装置10が備える図示しないプロセッサが、所定のプログラムを実行することによって実現することができる。
【0021】
動作の流れについて説明する。
〔ステップS1〕蓋13が開状態になる(例えば、ユーザのマニュアル操作によって蓋13が開けられる)。蓋13が開状態のときは、カメラレンズ12aが露出して撮影可の状態になる。
【0022】
〔ステップS2〕制御部11は、蓋13の開状態を検知した場合は、撮影部12で撮影された画像の撮影画像データを転送する接続先装置に対して、ペアリングを実施する。
〔ステップS3〕撮影部12は、カメラレンズ12aを介して画像を撮影する。
【0023】
〔ステップS4〕制御部11は、撮影画像データを接続先装置に転送する。
〔ステップS5〕蓋13が閉状態になる(例えば、ユーザのマニュアル操作によって蓋13が閉じられる)。蓋13が閉状態のときは、カメラレンズ12aが遮蔽して撮影不可の状態になる。
【0024】
〔ステップS6〕制御部11は、蓋13の閉状態を検知した場合は、接続先装置に対するペアリングを解除する(ペアリングが解除するとスキャナ装置10は例えば、運用開始前の初期状態に移行する)。
【0025】
このように、スキャナ装置10は、カメラレンズの近傍位置に蓋を設け、蓋の開状態を検知した場合は、接続先装置に対してペアリングを実施し、蓋の閉状態を検知した場合は、ペアリングを解除する。
【0026】
これにより、蓋の開閉状態にもとづいて、スキャナ装置10の使用時(蓋の開状態)ではペアリングを行い、使用後(蓋の閉状態)ではペアリングを解除するといった動作が自動的に行われる。したがって、ペアリング実施時におけるユーザの手間を省くことができ、操作性の向上を図ることが可能になる。
【0027】
<システム構成>
次にスキャナ装置10およびスキャナ装置10を含む通信システムの構成、動作について以降詳しく説明する。
【0028】
図2は通信システムの構成の一例を示す図である。通信システム1は、スキャナ装置10と情報処理端末20を備える。情報処理端末20は、接続先装置に対応し、例えば、タブレット型PC(Personal Computer)やスマートフォンである。
【0029】
スキャナ装置10は、原稿を撮影し、撮影したイメージをイメージデータ化して情報処理端末20に転送する。情報処理端末20は、受信したイメージデータを、UI(User Interface)を通じて表示出力する。
【0030】
スキャナ装置10および情報処理端末20は、近距離無線(例えば、Bluetooth)による双方向のデータ通信を行って情報交換を行うことができる(アンテナの図示は省略している)。
【0031】
<スキャナ装置の概観>
図3はスキャナ装置の概観の一例を示す図である。スキャナ装置10は、小型、軽量および台座レスの特徴を持つハンディタイプのモバイルスキャナである。スキャナ装置10には、撮影に用いられるカメラレンズ12aを覆うことが可能な蓋13(カバー)が設けられている。
【0032】
蓋13は、例えば、上下に動かすことができる。蓋13を上に動かして開けた開状態の場合では、カメラレンズ12aが外部に露出して撮影可能状態となり、蓋13を下に動かして閉めた閉状態の場合では、カメラレンズ12aは蓋13によって隠れて撮影不可状態になる。なお、スキャナ装置10の操作ボタン等は図示してないが、例えば、持ち手部分の背面部等に設けられる。
【0033】
<機能ブロック>
図4はスキャナ装置の機能ブロックの一例を示す図である。スキャナ装置10は、制御部11、撮影部12、蓋13、記憶部14、開閉検知部15、通信部16および電源部17を備える。
【0034】
制御部11、撮影部12、記憶部14、開閉検知部15、通信部16および電源部17は、バスを介して互いに接続される。また、蓋13は、カメラレンズ12aの露出/遮蔽を行うためにカメラレンズ12aの近傍に設けられている。
【0035】
制御部11は、スキャナ装置10の主機能を担い、プログラムにもとづいてスキャナ装置10の運用制御を行う。また、制御部11は、蓋13の開閉状態に応じてペアリングの実施または解除を行う。
【0036】
撮影部12は、カメラレンズ12aおよびイメージ処理部12bを含む。イメージ処理部12bは、イメージセンサ機能を有し、カメラレンズ12aを通じて入射された画像を受光面に結像させ、その像の光による明暗を電荷の量に光電変換して読み出して、イメージデータを生成する。
【0037】
記憶部14は、生成されたイメージデータや、撮影部12で撮影された画像の撮影画像データを転送する情報処理端末20の候補リストを格納する(候補リストについては図6で後述する)。また、記憶部14は、スキャナ装置10の運用制御にかかわる制御情報等を格納する。
【0038】
開閉検知部15は、蓋13の開閉状態を検知して、検知結果を制御部11に通知する。通信部16は、情報処理端末20との無線通信インタフェースを行う。なお、生成されたイメージデータ(スキャンデータ)は、通信部16を介して情報処理端末20に転送される。電源部17は、スキャナ装置10の各構成部に対して電力を供給する。
【0039】
<ハードウェア構成>
図5はスキャナ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。スキャナ装置10は、プロセッサ(コンピュータ)100によって全体制御されている。プロセッサ100は、制御部11の機能を実現する。
【0040】
プロセッサ100には、バス103を介して、メモリ101、入出力インタフェース102、ネットワークインタフェース104、イメージセンサ/カメラレンズ105、開閉センサ106およびバッテリ107が接続されている。
【0041】
プロセッサ100は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはPLD(Programmable Logic Device)である。またプロセッサ100は、CPU、FPGA、MPU、DSP、ASIC、PLDのうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。
【0042】
メモリ101は、記憶部14の機能を実現し、スキャナ装置10の主記憶装置として使用される。メモリ101には、プロセッサ100に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ101には、プロセッサ100による処理に要する各種データが格納される。
【0043】
また、メモリ101は、スキャナ装置10の補助記憶装置としても使用され、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。メモリ101は、補助記憶装置として、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)等の半導体記憶装置やHDD(Hard Disk Drive)等の磁気記録媒体を含んでもよい。
【0044】
バス103に接続されている周辺機器としては、入出力インタフェース102、ネットワークインタフェース104、イメージセンサ/カメラレンズ105、開閉センサ106およびバッテリ107がある。
【0045】
イメージセンサ/カメラレンズ105は、撮影部12の機能を有する。開閉センサ106は、開閉検知部15の機能を有し、蓋13に接続される。バッテリ107は、電源部17の機能を有する。
【0046】
入出力インタフェース102は、キーボード等の情報入力装置(操作パネル)が接続され、情報入力装置から送られてくる信号をプロセッサ100に送信する。さらに、入出力インタフェース102は、周辺機器を接続するための通信インタフェースとしても機能する。
【0047】
例えば、入出力インタフェース102は、レーザ光等を利用して、光ディスクに記録されたデータの読み取りを行う光学ドライブ装置を接続することができる。光ディスクには、Blu-rayDisc(登録商標)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(Rewritable)等がある。
【0048】
また、入出力インタフェース102は、メモリ装置およびメモリリーダライタの機能を有してもよい。メモリ装置は、入出力インタフェース102との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタは、メモリカードへのデータの書き込み、またはメモリカードからのデータの読み出しを行う装置である。メモリカードは、カード型の記録媒体である。
【0049】
ネットワークインタフェース104は、通信部16の機能を有し、情報処理端末20に無線接続して通信インタフェース制御を行う。なお、ネットワークインタフェース104は、インターネット等のネットワークに接続することも可能であり、この場合、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線LAN(Local Area Network)カード等を使用することもできる。ネットワークインタフェース104で受信されたデータは、メモリ101やプロセッサ100に出力される。
【0050】
以上のようなハードウェア構成によって、スキャナ装置10の処理機能を実現することができる。例えば、スキャナ装置10は、プロセッサ100がそれぞれ所定のプログラムを実行することで本発明の処理を行うことができる。
【0051】
スキャナ装置10は、例えば、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、本発明の処理機能を実現する。スキャナ装置10に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。
【0052】
例えば、スキャナ装置10に実行させるプログラムを補助記憶装置に格納しておくことができる。プロセッサ100は、補助記憶装置内のプログラムの少なくとも一部を主記憶装置にロードし、プログラムを実行する。
【0053】
また、光ディスク、メモリ装置、メモリカード等の可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えば、プロセッサ100からの制御により、補助記憶装置にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ100が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
【0054】
<接続先候補リスト>
図6は接続先候補リストの一例を示す図である。接続先候補リストL1は、スキャナ装置10の記憶部14に格納されており、接続先名およびユニークID(Unique ID)の項目を有する。
【0055】
接続先名は、スキャナ装置10のペアリング対象となる情報処理端末(接続先装置)の名称である。ユニークIDは、該情報処理端末が一意に決まる固有の装置識別子であり、例えば、SSID(Service Set Identifier)である。
【0056】
図6の例では、スキャナ装置10のペアリング候補には、(接続先名、ユニークID)=(Tablet#1、XXX-XXXX1)、(Tablet#2、XXX-XXXX2)、(NotePC#1、XXX-XXXX3)、(NotePC#2、XXX-XXXX4)の4台の情報処理端末が登録されていることが示されている。
【0057】
<動作フローチャート>
図7図8は通信システムの動作の一例を示すフローチャートである。
〔ステップS11〕スキャナ装置10の記憶部14に対して、専用ツール等を用いて接続先候補リストL1が登録される。
【0058】
〔ステップS12〕情報処理端末20は、スキャナ装置10で原稿を撮影するためのアプリケーションを起動する。
〔ステップS13〕情報処理端末20は、ペアリング開始待ちの状態になる。
【0059】
〔ステップS14〕スキャナ装置10に設けられている蓋13がユーザによって開けられる。蓋13が開けられることでカメラレンズ12aが露出し、原稿の撮影が可能な状態になる。
【0060】
〔ステップS15〕開閉検知部15は、蓋13が開いたことを検知し、検知結果を制御部11に通知する。制御部11は、開閉検知部15からの通知によって蓋13が開いたことを認識する。
【0061】
〔ステップS16〕制御部11は、スリープ状態を解除する。
〔ステップS17〕制御部11は、記憶部14から接続先候補リストL1を読み出す。
〔ステップS18〕制御部11は、接続先候補リストL1に登録されている情報処理端末20に対して接続を確立してペアリングを開始する。
【0062】
〔ステップS19〕情報処理端末20は、自身のユニークIDをスキャナ装置10に送信する。
〔ステップS20〕制御部11は、通知されたユニークIDと接続先候補リストL1に登録されているユニークIDとの照合を行う。
【0063】
〔ステップS21〕制御部11は、照合の結果が一致するか否かを判定する。照合の結果が不一致の場合(通知されたユニークIDが接続先候補リストL1に存在しない場合)は、ステップS22に処理が進む。照合の結果が一致する場合(通知されたユニークIDが接続先候補リストL1に存在する場合)は、ステップS23に処理が進む。
【0064】
〔ステップS22〕制御部11は、ペアリングの失敗を認識し、ペアリングの実施を停止する。
〔ステップS23〕制御部11は、ペアリングの成功を認識して撮影を許可状態にする。
【0065】
〔ステップS24〕情報処理端末20は、スキャナ装置10の撮影開始待ちの状態になる。
〔ステップS25〕情報処理端末20は、撮影開始操作を行って撮影開始指示を送信する。
【0066】
〔ステップS26〕制御部11は、情報処理端末20から送信された撮影開始指示にもとづいて、原稿の撮影を行う。
〔ステップS27〕制御部11は、撮影画像(イメージデータ)を情報処理端末20に転送する。
【0067】
〔ステップS28〕情報処理端末20は、転送された撮影画像をディスプレイに表示する。
〔ステップS29〕スキャナ装置10に設けられている蓋13がユーザによって閉められる。蓋13が閉められることでカメラレンズ12aが遮蔽され、原稿の撮影が不可状態になる。
【0068】
〔ステップS30〕開閉検知部15は、蓋13が閉じたことを検知し、検知結果を制御部11に通知する。制御部11は、開閉検知部15からの通知によって蓋13が閉じたことを認識する。
【0069】
〔ステップS31〕制御部11は、ペアリングを解除し初期化する。
〔ステップS32〕制御部11は、スキャナ装置10の動作モードをスリープ状態に移行する。
【0070】
〔ステップS33〕情報処理端末20は、ペアリング開始待ちの状態になる。
上記のように、制御部11は、情報処理端末20から通知されたユニークID(第1の装置識別子)と接続先候補リストL1に登録されているユニークID(第2の装置識別子)との照合を行い、照合結果が一致する場合にペアリングの成功を認識して撮影を許可状態にする。これにより、正当に認証された情報処理端末20に対してスキャナ装置10が無線接続されてイメージデータを転送することができるので、セキュリティの向上を図ることが可能になる。
【0071】
なお、上記では、蓋13の開閉駆動は、ユーザのマニュアル操作によって行われるとしたが、スキャナ装置10の電源のON/OFFに連動させることもできる。すなわち、スキャナ装置10の電源がONになった場合には、電源ONに伴って蓋13が自動的に開状態に駆動して、開状態にもとづきペアリングが実施される。
【0072】
また、電源がOFFになった場合には、電源OFFに伴って自動的に蓋13が閉状態に駆動して、閉状態にもとづきペアリングが解除される。このような構成にすることで、ユーザによる蓋13の開閉操作を省くことができ、さらに操作性の向上を図ることが可能になる。
【0073】
<情報処理端末の画面遷移>
図9は情報処理端末の画面遷移の一例を示す図である。
〔画面g1〕スキャナ装置10の使用開始前状態である。情報処理端末20のディスプレイには、スキャナ撮影メニューm1が表示される。スキャナ撮影メニューm1には、「ペアリング未完了」および「スキャナの蓋を開けてください」のメッセージが表示される。
【0074】
〔画面g2〕蓋13を開けてペアリングが完了した状態である。スキャナ装置10の蓋13が開けられてペアリングが完了すると、情報処理端末20のディスプレイには、スキャナ撮影メニューm2が表示される。スキャナ撮影メニューm2には、「ペアリング完了しました」のメッセージおよび撮影ボタンb1が表示される。ユーザが撮影ボタンb1にタッチすると、撮影開始指示が情報処理端末20からスキャナ装置10に送信され、スキャナ装置10が撮影を開始する。
【0075】
〔画面g3〕撮影ボタンb1の押下後に取得したイメージを表示している状態である。情報処理端末20のディスプレイには、スキャナ装置10によって撮影され転送された原稿のイメージmdが表示される。
【0076】
〔画面g4〕蓋13を閉めた使用後の状態である。スキャナ装置10の蓋13が閉められると、情報処理端末20のディスプレイには、スキャナ撮影メニューm1が再び表示される。スキャナ撮影メニューm1には、「ペアリング未完了」および「スキャナの蓋を開けてください」のメッセージが表示される。
【0077】
以上説明したように、本発明によれば、スキャナ装置において、カメラレンズの近傍位置に蓋を設け、蓋の開状態を検知した場合は接続先装置に対してペアリングを実施し、蓋の閉状態を検知した場合はペアリングを解除する構成とした。
【0078】
これにより、複数台で多数のスキャナ装置および情報処理端末との間のペアリングを容易に実施することができ、ペアリング実施時の操作性を向上させることが可能になる。また、スキャナ装置を使用する期間に限り無線機能を動作させることができるため、電池消耗を抑制することが可能になる。
【0079】
一方、従前のスキャナの構造では、原稿を読み取るカメラレンズが常時露出しているため、例えば、顧客訪問先にスキャナ装置を持ち込んで利用するような場合、訪問先においてセキュリティリスクを彷彿させてしまうという懸念があった。
【0080】
これに対し、本発明のスキャナ装置では、スキャナ装置の使用後に蓋を閉めることで撮影不可状態になることが直感的にわかりやすくなる。このため、顧客訪問先に本発明のスキャナ装置を持ち込んだとしても、顧客に対してセキュリティリスクの不安を与えるようなことをなくすことができる。
【0081】
上記で説明した本発明のスキャナ装置10および通信システム1の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。この場合、スキャナ装置10および通信システム1が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0082】
処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、CD-ROM/RW等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto Optical disk)等がある。
【0083】
プログラムを流通させる場合、例えば、そのプログラムが記録されたCD-ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0084】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0085】
また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP、ASIC、PLD等の電子回路で実現することもできる。
【0086】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0087】
10 スキャナ装置
11 制御部
12 撮影部
12a カメラレンズ
13 蓋
図1
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