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特開2022-81889スマートフォンやタブレット等の広告方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081889
(43)【公開日】2022-06-01
(54)【発明の名称】スマートフォンやタブレット等の広告方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220525BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020193110
(22)【出願日】2020-11-20
(71)【出願人】
【識別番号】520457155
【氏名又は名称】株式会社センターモバイル
(74)【代理人】
【識別番号】100195431
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 史樹
(72)【発明者】
【氏名】中越 達也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】企業等のスポンサーにとって効率の良い広告をすることができる広告方法を提供する。
【解決手段】広告システムにおいて、ストレージサーバ500は、端末200と通信する通信部と、データを記憶する記憶部と、データを解析する解析部と、端末に広告を発信する広告部と、を備える。記憶部は、端末の電話番号及びプライベートIPアドレスを記憶する。方法は、ルータ300が、NATによりプライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスとを変換するIPアドレス変換工程と、DNSサーバ400が、グローバルIPアドレスとドメイン名とを変換するドメイン変換工程と、を含む。解析部は、記憶部に記憶される端末の電話番号に対応するアクセス先のドメイン名を解析し、解析部の解析に基づいて広告部が端末に対して広告を発信する広告方法を提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバとルータを有し、スマートフォン及びタブレットを含む端末に対してサーバが広告を発信する広告方法であって、
前記サーバが、
前記端末と通信する通信部と、
データを記憶する記憶部と、
データを解析する解析部と、
前記端末に広告を発信する広告部と、を備え、
前記記憶部が前記端末の電話番号及びプライベートIPアドレスを記憶し、
前記ルータが、NATによりプライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスとを変換するIPアドレス変換工程と、
前記サーバが、グローバルIPアドレスとドメイン名とを変換するドメイン変換工程と、を含み、
前記解析部が、前記記憶部に記憶される前記端末の電話番号に対応するアクセス先のドメイン名を解析し、
前記解析部の解析に基づいて前記広告部が前記端末に対して広告を発信する広告方法。
【請求項2】
前記解析部が、前記端末の情報と前記サーバに記憶されたDNSの情報とをデータマッピングすることにより、前記端末のアクセス先を含む通信情報を解析する請求項1の広告方法。
【請求項3】
前記端末により検索したキーワードに基づき、前記広告部が前記端末に広告を発信する請求項1又は2記載の広告方法。
【請求項4】
前記端末の位置情報に基づき、前記前記広告部が前記端末に広告を発信する請求項1、2又は3記載の広告方法。
【請求項5】
前記記憶部は前記端末の使用者の年齢、住所又は性別を含む個人情報を記憶し、前記個人情報に基づき、前記広告部が前記端末に対して広告を発信する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の広告方法。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォンやタブレット等の端末の広告システム、広告プログラム及び広告方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、スマートフォン等の携帯電話の料金は、基本料金に実際に使用したデータ通信料及び通話料を加えた金額となる。
【0003】
しかし、この場合、上限がないため携帯電話料金が高額になることがあり、利用者は定額料金にすることが多い。
【0004】
しかし、この場合であっても、上限を超えると通信速度が遅くなり利用しにくいという問題がある。
【0005】
また、上限を高くした定額制にすると、利用者が毎月支払う携帯電話料金が高くなるという問題がある。
【0006】
特許文献1では、携帯電話機など携帯端末を使用して楽曲、動画、ゲームなどをダウンロード購入する際、ダウンロード中の画面表示に代わりまたはダウンロードの前後に広告を表示するとともに、携帯端末使用者の通信料の一部を広告料から還元しダウンロード購入料の一部を広告料から負担するための技術に関して開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009-211669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に係る発明では、動画やゲームのダウンロードをする際に広告が表示されるだけであり、ダウンロード費用が実質的に安くなるだけで、毎月支払う携帯電話料金は安くならないという問題がある。
【0009】
また、広告自体も利用者にとってまったく関係のない広告が多くあり、広告を掲載する企業等にとってメリットが少ないという問題がある。
【0010】
また、利用者の時間帯に関係なくプッシュ型の広告が掲載される場合、利用者の興味を惹きにくいという問題がある。
【0011】
そして、利用者にとって興味を惹きにくい広告は、利用者にとって逆に印象が悪くなるという問題がある。
【0012】
一方で、企業側にとっては、効率の良い広告をしたいという要望がある。
【0013】
また、現在、インターネットブラウザの検索履歴によって、利用者の興味や関心を判断して広告を表示するということが行われている。
【0014】
しかし、スマートフォンやタブレットの場合、利用者はインターネットブラウザを利用せず、直接アプリを起動させることが多いため、正確なデータが蓄積されず効率の良い広告が行われていない。
【0015】
本発明の目的は、スマートフォン等の携帯電話やタブレットの通信料金を低廉にするための広告方法を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、企業等のスポンサーにとって効率の良い広告をすることができる広告方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の局面に係る広告方法は、サーバとルータを有し、スマートフォン及びタブレットを含む端末に対してサーバが広告を発信する広告方法であって、
前記サーバが、
前記端末と通信する通信部と、
データを記憶する記憶部と、
データを解析する解析部と、
前記端末に広告を発信する広告部と、を備え、
前記記憶部が前記端末の電話番号及びプライベートIPアドレスを記憶し、
前記ルータが、NATによりプライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスとを変換するIPアドレス変換工程と、
前記サーバが、グローバルIPアドレスとドメイン名とを変換するドメイン変換工程と、を含み、
前記解析部が、前記記憶部に記憶される前記端末の電話番号に対応するアクセス先のドメイン名を解析し、
前記解析部の解析に基づいて前記広告部が前記端末に対して広告を発信する広告方法である。
【0018】
このような方法であれば、スマートフォン等の端末の電話番号と、その端末がアクセスしたアクセス先のドメインとを紐付けすることができ、これにより、その端末の利用者のニーズに合わせた精度の高い広告を、その端末に提供することができる。
【0019】
なお、サーバは複数あってもよく、1つのサーバに限定されない。
【0020】
また、電話番号からアクセス先のドメインという通信経路をA地点からB地点という平面グラフ化して認識させるものであってもよい。
【0021】
本発明の第2の局面に係る広告方法は、第1の局面に関する広告方法であって、前記解析部が、前記端末の情報と前記サーバに記憶されたDNSの情報とをデータマッピングすることにより、前記端末のアクセス先を含む通信情報を解析する広告方法である。
【0022】
「データマッピング」とは、データ処理などの分野において、異なるシステムの項目や要素のうち、同じものを指し示しているものを関連付ける作業や処理のことをいう。
【0023】
データマッピングにより、一方のシステムの特定の項目の内容を変更すると、もう一方のシステムに自動的に伝達されて対応付けられた項目に反映されるといった処理を行うことができるようになる。
【0024】
このような広告方法により、端末の電話番号や使用者の情報等の情報とアクセス先のドメインとを紐づけすることができ、端末の使用者のニーズに合わせた精度の高い広告を、その端末に提供することができる。
【0025】
本発明の第3の局面に係る広告方法は、第1の局面又は第2の局面に係る広告方法であって、前記端末により検索したキーワードに基づき、前記広告部が前記端末に広告を発信する広告方法である。
【0026】
端末の情報と検索キーワードが紐づけされることにより、検索キーワードと端末の情報を結びつけることができ(例えば端末の使用者の住まい等)、端末の使用者のニーズに合わせた精度の高い広告をその端末に提供することができる。
【0027】
本発明の第4の局面に係る広告方法は、第1の局面、第2の局面又は第3の局面に係る広告方法であって、前記端末の位置情報に基づき、前記前記広告部が前記端末に広告を発信する広告方法である。
【0028】
端末の位置情報は例えばGPS等でわかり、その位置情報に基づき、周辺の情報を広告として、その端末に提供することができる。
【0029】
本発明の第5の局面に係る広告方法は、第1の局面乃至第4の局面に係る広告方法であって、前記記憶部は前記端末の使用者の年齢、住所又は性別を含む個人情報を記憶し、前記個人情報に基づき、前記広告部が前記端末に対して広告を発信する広告方法である。
【0030】
例えば、端末の使用者の住所の周辺の情報を端末に広告として提供したり、年齢に合わせた情報を広告として提供したり、性別に合わせた情報を広告として提供したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施形態の広告システムの概念図。
図2】同実施形態の広告システムの概念図。
図3】同実施形態の広告システムの概念図。
図4】同実施形態の広告システムのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態に関して図面を参照しながら説明する。
【0033】
NAT(Network Address Translation)は、IPアドレスを変換する技術である。
【0034】
一般的に、NATは、プライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換する技術とされている。
【0035】
インターネットは、グローバルIPアドレスを使用して構築したネットワークであるが、例えば、企業ネットワークは、プライベートIPアドレスを使用して構築されたネットワークであるため、企業LANネットワークのクライアントPCが、インターネット接続をする場合、プライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換(NAT)をする必要がある。
【0036】
プライベートIPアドレスとは、例えば、自宅や職場のパソコンやプリンタといった機器に固有のIPアドレスを割当て、主に自宅のルーターから宅内側にプライベートIPアドレスが使われる。
【0037】
一方、DNS(Domain Name System)は、インターネット上でドメイン名を管理・運用するために開発されたシステムである。
【0038】
DNSは、インターネット通信時にドメイン名をIPアドレスに変換する作業を担っている。
【0039】
具体的には、例えば、利用者が「karasuma.kyoto」とWEBブラウザに入力すると、「karasuma.kyoto」のサーバを探すためにDNSサーバに問い合わせされる。
【0040】
そして、「karasuma.kyoto」のIPアドレスを知っているDNSサーバがドメイン名をIPアドレスに変換して「aaa.bbb.c.ddd」を返す。
【0041】
利用者は、そのIPアドレスを得て「karasuma.kyoto」を運営しているWEBサーバにアクセスし、ホームページを表示させることができる。
【0042】
図1及び図2に示すように、本発明に係る広告システム100は、SIM(Subscriber Identity Module)データを読み込むことが可能な端末である第1端末200と、
第1端末200と通信可能なルータ300と、
ルータ300と通信可能なサーバであるDNSサーバ400と、
NATデータとDNSデータとを保存するサーバであるストレージサーバ500と、
ストレージサーバ500に保存されたNATデータ及びDNSデータを解析する解析部600と、
解析部600によって解析されたデータに基づき、第1端末200に広告を表示させる広告部700と、
DNSサーバ400、ストレージサーバ500、解析部600及び広告部700を管理するための第2端末800と、を含む。なお、本実施形態では、ルータ300とDNSサーバ400とストレージサーバ500とが別々の構成となっているが、1つの機器(サーバ等)であってもよく、また、複数の機器であってもよい。
【0043】
第1端末200は、SIMカードの挿入又はSIMデータの読み込みをすることができる。
【0044】
SIMとは、加入者識別モジュールのことであり、例えば、SIMカードには、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)と呼ばれる固有の番号が付与されており、これと電話番号を結びつけることにより通信が可能となる。
【0045】
SIMカードを抜き差しすることで、電話番号を他の通信端末に移したり、ひとつの通信端末で複数の電話番号を切替えて使用したりすることができる。なお、SIMデータを読み込むことでも電話番号を切替えることが可能である。
【0046】
(第1端末200)
第1端末200は、ルータ300と通信することができる通信部である第1通信部210と、
SIMデータを記憶することができる記憶部である第1記憶部220と、
SIMカード又はSIMデータを読み込むことができるSIM読込部230と、を含む。
【0047】
第1通信部210は、ルータ300と通信可能であり、SIMデータをルータ300に送信することができる。
【0048】
第1記憶部220は、電話番号等のSIMデータを記憶することができる。
【0049】
SIM読込部230は、SIMデータを読み込むところであり、SIMカードの情報やSIMデータを読み込むことができる。
【0050】
SIM読込部230の読込方式は、SIMカードを第1端末200に挿入することによる物理的な読込でもよく、また、カードを第1端末200にかざすことによる読込であってもよい。
【0051】
(ルータ300)
ルータ300は、第1端末200及びDNSサーバ400と通信可能な通信部である第2通信部310と、
SIMにふられている電話番号とプライベートIPアドレス等のデータを記憶する記憶部である第2記憶部320と、
プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスとを変換する処理部である第2処理部330と、を含む。
【0052】
第2通信部310は、第1端末200の第1通信部210と通信し、ルータ300は、第1端末200のSIMデータの電話番号及びその電話番号に紐づけ(関連づけ)されたプライベートIPアドレスを取得する。
【0053】
つまり、ルータ300は、プライベートIPアドレス(ローカルIPアドレス)とSIMの電話番号とを紐づけし、DNSサーバ400と第2通信部310によって通信する。
【0054】
また、第2通信部310は、DNSサーバ400と通信し、DNSサーバ400は、第1端末200のプライベートIPアドレスを取得する。
【0055】
ルータ300は、第2記憶部320によって、第1端末200のSIMにふられているプライベートIPアドレスを記憶する。
【0056】
つまり、第2記憶部320は、第1端末200のSIMデータである電話番号及びその電話番号に紐づけされたプライベートIPアドレスを記憶する。
【0057】
したがって、第2端末800の使用者は、ルータ300の第2記憶部320から第1端末200のSIMの電話番号とプライベートIPアドレスがわかる。
【0058】
ルータ300は、第2処理部330によって、プライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換する、又は、その逆の変換を行うNATを行う。
【0059】
ルータ300は、第2処理部330によって、第1端末200のSIMにふられている電話番号に対応するプライベートIPアドレスを付与してもよい。
【0060】
これらのことから、第2端末800の使用者は、プライベートIPアドレスと登録されている所有者情報から第1端末200の所有者とプライベートIPアドレスを紐づけ(関連づけ)することができる。なお、ルータ300はサーバとして機能するものであってもよい。
【0061】
(DNSサーバ400)
DNSサーバ400は、ルータ300と通信し、インターネット通信を行う第3通信部410と、
ログデータ等のデータを記憶する第3記憶部420と、
名前解決をする第3処理部430と、を含む。
【0062】
DNSサーバ400は、第3通信部410によって、ルータ300と通信し、ルータ300からプライベートIPアドレス及びグローバルIPアドレスを取得することが可能である。
【0063】
図1に示すように、ルータ300とDNSサーバ400との間の通信は、閉域網であるためプライベートIPアドレスが用いられる。
【0064】
閉域網の外と通信する場合はグローバルIPアドレスが用いられる。
【0065】
DNSサーバ400は、第3処理部430によって、名前解決をする。「名前解決」とは、ドメイン名からIPアドレス(またはIPアドレスからドメイン名)へ変換することである。
【0066】
つまり、DNSサーバ400は、グローバルIPアドレスをドメイン名に変換する。
【0067】
そして、DNSサーバ400によりクエリ情報がわかる。「クエリ」とは、データベース管理システムに対する問合せ(処理要求)のことである。
【0068】
例えば、検索サイトでユーザが検索のために検索窓に入力するキーワードは、検索クエリである。クエリ情報は第3記憶部420に記憶される。
【0069】
なお、https://www・・・等のアドレス入力部に入力されるキーワードも検索クリエである。
【0070】
DNSサーバ400により、グローバルIPアドレスをドメイン名に変換すること(名前解決)ができるため、第2端末800の使用者は、グローバルIPアドレスの情報からどのWebサイトにアクセスしたか、何を検索したか等の情報がわかる。
【0071】
また、第2端末800の使用者は、プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスとの紐づけ(関連づけ)がわかるため、第1端末200の発信情報とドメイン名がわかる。
【0072】
つまり、第2端末800の使用者は、第1端末200からどのWebサイトにアクセスしたか等の通信先の情報がわかる。
【0073】
(ストレージサーバ500)
ストレージサーバ500は、ルータ300及びDNSサーバ400と通信する第4通信部510と、
データを記憶する第4記憶部520と、を含む。
【0074】
ストレージサーバ500は、NATデータ及びDNSデータを記憶する。
【0075】
本実施形態では、図4に示すように、ストレージサーバ500は、NATデータとDNSデータとが結合されたデータを記憶する。
【0076】
つまり、ストレージサーバ500は、ルータ300でのNATのログ及びDNSサーバ400での名前解決のログ(DNSログ)を記憶する。
【0077】
「ログ」とは、コンピュータの利用状況やデータ通信など履歴や情報の記録のことである。
【0078】
つまり、ストレージサーバ500は、操作やデータの送受信が行われた日時と、行われた操作の内容や送受信されたデータの中身などを記憶する。
【0079】
また、ストレージサーバ500は、第1端末200の所有者データ(顧客データ)を記憶する。なお、ストレージサーバ500は、DNSサーバ400と同一のサーバであってもよい。
【0080】
(解析部600)
解析部600は、ストレージサーバ500に保存されたNATデータ及びDNSデータを解析する。
【0081】
また、解析部600は、第1端末200の所有者データと、解析部600によって解析されたNATデータ及びDNSデータから得た分析データとをデータマッピングする。
【0082】
つまり、解析部600は、第1端末200の所有者データと分析データとを紐づけ(関連づけ)する。
【0083】
したがって、第2端末800の使用者は、NATデータにより、第1端末200の電話番号、プライベートIPアドレス及びグローバルIPアドレスがわかり、DNSデータによりグローバルIPアドレス及びドメイン名がわかる。
【0084】
つまり、解析部600は、NATデータ及びDNSデータと顧客データをデータマッピングすることにより、第1端末200とアクセス先のドメイン名とを紐づけ(関連づけ)することができる。
【0085】
そして、解析部600は、第1端末200がアクセスしたWebサイト、Google(登録商標)等の検索サイトにより検索した検索キーワード(検索クエリ)の情報を解析する。
【0086】
(広告部700)
広告部700は、解析部600によって解析された情報に基づき、第1端末200に広告を通知又は表示させる。
【0087】
広告部700は、第1端末200の所有者情報、位置情報、アクセス情報から第1端末200の使用者のニーズに合わせた広告を第1端末200に発信することができる。
【0088】
広告部700は、グローバルIPアドレス及びドメイン名にのみ基づく情報だけでなく、紐づけされた第1端末200の情報や所有者情報と合わせた情報に基づいて広告を発信するため、第1端末200の使用者のニーズに合わせた広告を発信することができる。
【0089】
つまり、一般的に、スマートフォン等の携帯電話のグローバルIPアドレスは公開されており、グローバルIPアドレスからWebサイトにアクセスした時間、アクセスした場所等の情報はわかるが、それ以上の個人情報は不明である。
【0090】
しかし、本実施形態の場合、NATデータにより、第2端末800の使用者は、プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを紐づけ(関連づけ)することができ、また、契約時に取得した第1端末200の使用者の個人情報を有しているため、解析部600がこれらの情報をデータマッピングすることにより、第2端末800の使用者は、第1端末200がどの場所からどのWebサイトにアクセスしたか、第1端末200の使用者の年齢や性別等の情報を把握することができ、広告部700は、第1端末200のニーズに合わせた精度の高い広告を、第1端末200に発信することができる。
【0091】
(時間帯別広告)
例えば、第1端末200がインターネットを利用した時間帯がわかるため、第1端末200の生活リズムがわかり、その生活リズムに合わせた広告を広告部700が第1端末200に発信することができる。
【0092】
具体的には、第1端末200の使用者が7時くらいの早い時間帯に携帯を操作し始めた場合、例えばコーヒーの広告情報が第1端末200に表示される。
【0093】
つまり、第1端末200の使用者が7時から9時の時間帯に、第1端末200によってインターネットを利用したとき、広告部700は、コーヒーの広告を発信する。
【0094】
また、例えば、第1端末200の使用者が18時くらいに携帯を操作し始めた場合(インターネットを利用し始めた場合)、仕事が終わったくらいの時間と想定できるため、広告部700は、例えばビールの広告情報を第1端末200に発信する。
【0095】
つまり、第1端末200の使用者が18時から21時の時間帯に、第1端末200によってインターネットを利用したとき、広告部700は、ビールの広告を第1端末200の表示部に表示させる。
【0096】
例えば、第1端末200の操作時間帯が、通常は、23時~24時くらいで終了するにも関わらず、24時~26時くらいに第1端末200が操作されていた場合(インターネットを利用した場合)、第1端末200の使用者は眠れないと推測できる。
【0097】
したがって、この場合、広告部700は、第1端末200によってインターネットを利用された場合、安眠枕の広告を第1端末200に表示させる。
【0098】
つまり、第1端末200の使用者が24時から26時の時間帯に、第1端末200によってインターネットを利用したとき、安眠枕の広告が発信される。
【0099】
したがって、広告部700は、第1端末200の使用者のライフスタイルに合わせた広告を第1端末200に表示させることができる。
【0100】
(ジャンル別による広告)
広告部700は、第1端末200に対して、ジャンルごとに分類された広告を送信する。
【0101】
具体的には、第1端末200の使用者が、第1端末200によってインターネットを利用した場合、そのアプリに関連するジャンルの広告が送信される。
【0102】
例えば、第1端末200に表示されている体重計のアプリを開いた場合、第1端末200の使用者はダイエットに興味があると推測できる。
【0103】
したがって、この場合、広告部700は、第1端末200のアプリが起動された場合、ダイエットの広告を第1端末200の表示部に表示させる。
【0104】
なお、この場合、広告部700は、体重計のアプリを開いた場合にのみダイエットの広告を送信するとしてもよく、また、体重計のアプリ以外のアプリを開いた場合に、ダイエットの広告を送信するとしても良い。
【0105】
また、例えば、第1端末200に表示されているネット販売のアプリを開いて、商品を検索したり購入した場合、広告部700は、同一ジャンルの広告を送信する。
【0106】
例えば、第1端末200の使用者が、第1端末200に表示されているアマゾン(登録商標)のアプリを開き、ゲーミングチェアを検索した場合、第1端末200の使用者は、ゲーミングチェアが気になっていると想定できるため、広告部700は、ゲーミングチェアに関する広告を第1端末200に送信する。そして、第1端末200の使用者の個人情報がわかることから、第1端末200の使用者のニーズに合わせた広告を提供することができる。
【0107】
(地域別による広告)
解析部600は、第1端末200がインターネットに接続した位置情報から、第1端末200の位置情報や利用頻度の高い場所のデータを解析することができる。
【0108】
また、第1端末200の位置情報は、第1端末200のGPSやログ等によっても判断される。
【0109】
広告部700は、第1端末200の周辺情報の広告を、第1端末200に送信する。
【0110】
例えば、第1端末200の使用者が食べログ(登録商標)等のグルメ情報アプリを開いた場合、また、近隣の飲食店を検索した場合、広告部700は、第1端末200の位置の周辺のグルメ情報の広告を表示する。
【0111】
なお、広告部700は、定期的に広告を送信するものであってもよい。
【0112】
また、広告部700は、広告を送信するのが好ましいが、広告は動画でなくても画像等であってもよい。
【0113】
地域別の広告は、第1端末200の位置に基づく広告だけでなく、第1端末200によって旅行先を検索した場合、その情報に基づいて、その地域の情報を広告してもよい。
【0114】
例えば、第1端末200によって沖縄について検索した場合、広告部700は、第1端末200に沖縄の情報に関して広告を表示部に表示させる。
【0115】
また、第1端末200によって「雪まつり」を検索した場合、広告部700は、第1端末200に「雪まつり」の情報に関して広告を表示部に表示させる。
【0116】
したがって、本実施形態によれば、広告システム100を利用して地域貢献、地域活性化、町おこしに役立てることができる。
【0117】
第2端末800は、ルータ300、DNSサーバ400、ストレージサーバ500、解析部600及び広告部700と通信することができ、それらを管理することができる。
【0118】
第2端末800では、電話番号からアクセス先のドメインという通信経路をA地点からB地点という平面グラフ化して認識できるものであってもよい。
【0119】
(アクセス制限)
第2端末800の使用者は、第1端末200の使用者の個人情報を有しており、第1端末200のプライベートIPアドレス、第1端末200に紐づけされたグローバルIPアドレスがわかるため、例えば、第1端末200の使用者が18歳未満の場合、有害サイトへのアクセスをしないように、アクセス先を制限することができる。
【0120】
具体的には、携帯電話キャリアの多くは、ゲートウェイサーバのグローバルIPアドレスをWeb上に公開しており、グローバルIPアドレスを確認することで、Webページのアクセスがゲートウェイサーバ経由のものか(より具体的に言えば、携帯電話からのものか)を判別することができる。
【0121】
例えば、携帯電話向けのWebサイトに対し、PCからのアクセスを制限する場合、HTTP_USER_AGENTの値をもとに携帯電話からのアクセスだけにアクセスを許可するという設定をするのが一般的である。
【0122】
しかし、HTTP_USER_AGENTの値は簡単に偽装ができてしまうため、この方法のアクセス制限は完全とはいえない。
【0123】
一方、アクセスユーザのグローバルIPアドレスが携帯電話キャリアのゲートウェイサーバのIPアドレスと一致した場合のみ許可する場合、グローバルIPアドレスの偽装はHTTP_USER_AGENTの偽装と比べてはるかに難しいため、グローバルIPアドレス情報を活用することで、アクセス制限をよりしっかりとすることができる。
【0124】
また、本実施形態の場合、第2端末800の使用者は、さらに第1端末200のプライベートIPアドレスもわかるため、アクセス制限をさらにしっかり行うことができる。
【0125】
これにより、第1端末200の使用者が、犯罪等に巻き込まれないように、未然に犯罪行為の防止を図ることができる。
【0126】
(カウント部750)
カウント部750は、第1端末200に配信された広告動画が再生された時間、広告が発信された回数又はそれに応じたポイントをカウントする。
【0127】
例えば、カウント部750は、広告動画が再生された場合、第1端末200の使用者が広告動画を視聴したとして、再生された時間又はそれに応じたポイントをカウントする。
【0128】
また、カウント部750は、広告部700から第1端末200に広告が発信された回数、又はそれに応じたポイントをカウントする。
【0129】
カウント部750がカウントした時間、カウントした回数又はポイントに応じて、第1端末200の通信料を値下げすることが可能である。
【0130】
なお、カウント部750は、広告動画の再生が終了していなくても、配信された時間に合わせて時間又はそれに合わせたポイントをカウントしてもよい。
【0131】
また、カウント部750は、広告動画の再生が終了した場合にカウントするというものでもよい。
【0132】
(広告方法)
図4は広告方法のフローチャートである。第2端末800の使用者は、第1端末200の使用者と契約をし、第1端末200の使用者にSIMカード又はSIMデータを提供する。
【0133】
具体的には、第2端末800の使用者は、第1端末200の使用者の名前、住所、年齢、性別等の個人情報を取得する(個人情報取得工程、ステップS11)。
【0134】
第1端末200の使用者は、第1端末200にSIMカードを挿入する、又はSIMデータを読み取らせる(読込工程)。
【0135】
具体的には、第1端末200は、第1端末200のSIM読込部230によってSIMカード又はSIMデータを読み込む(読込工程、ステップS12)。
【0136】
ルータ300は、第1端末200の電話番号及びプライベートIPアドレスを取得する(プライベートIP取得工程、ステップS13)。
【0137】
ルータ300がプライベートIPアドレスを決定してもよい。
【0138】
ルータ300は、NATによりプライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスとを変換する(IPアドレス変換工程、ステップS14)。
【0139】
閉鎖域外のインターネットは、グローバルIPアドレスが使用される。
【0140】
ストレージサーバ500が、第1端末200がアクセスしたWebサイト、検索したキーワードのログを記録する(記録工程、ステップS15)。
【0141】
DNSサーバ400が、アクセス先のグローバルIPアドレスとドメイン名とを変換する(ドメイン変換工程、ステップS16)。
【0142】
第1端末200の電話番号とアクセス先のドメイン名とが紐づけされ、第2端末800の使用者は、第1端末200がどのWebサイトにアクセスしたか、どのような検索をしたか等の情報がわかる。
【0143】
具体的には、解析部600が、ストレージサーバ500に記録されたデータログを解析し、第1端末200がどのWebサイトにアクセスしたか、どのような検索をしたか等の情報がわかる(解析工程、ステップS17)。
【0144】
広告部700が、解析部600で解析した情報に基づき、第1端末200に広告を発信する(広告工程、ステップS18)。
【0145】
カウンタ部750が、第1端末200に広告を配信した回数、又は
それに応じたポイント数をカウントする(カウント工程、ステップS19)。
【0146】
また、広告部700が第1端末200に広告動画を配信した場合、カウンタ部750は、再生された時間又はそれに応じたポイントをカウントする(カウント工程、ステップS19)。
【0147】
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。
【符号の説明】
【0148】
100…広告システム
200…第1端末
300…ルータ
310…第2通信部
320…第2記憶部
330…第2処理部
400…DNSサーバ
410…第3通信部
420…第3記憶部
430…第3処理部
500…ストレージサーバ
600…解析部
700…広告部
750…カウンタ部
800…第2端末
図1
図2
図3
図4