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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082010
(43)【公開日】2022-06-01
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/266 20110101AFI20220525BHJP
【FI】
H04N21/266
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020193295
(22)【出願日】2020-11-20
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
(71)【出願人】
【識別番号】513040384
【氏名又は名称】株式会社マネーフォワード
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】特許業務法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】北岸 郁雄
(72)【発明者】
【氏名】古橋 智史
(72)【発明者】
【氏名】阿部 慎平
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 洸平
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA15
5C164SA25S
5C164SB41S
5C164SC01P
5C164TA08S
5C164YA12
(57)【要約】
【課題】視聴するコンテンツの視聴態様を容易に切り替えることのできる情報処理装置及びプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、動向特定部と、対象特定部と、条件決定部とを備える。動向特定部は、入力装置から入力された情報に基づいて視聴者の動向を特定可能に構成される。対象特定部は、動向に基づいて視聴者の注視対象であるコンテンツを特定可能に構成される。コンテンツは、動画と音声とを含む。条件決定部は、第1の条件と第2の条件とを決定可能に構成され、第1の条件は、注視対象として特定されたコンテンツの再生条件であり、第2の条件は、注視対象として特定されなかったコンテンツの再生条件である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
動向特定部と、対象特定部と、条件決定部とを備え、
前記動向特定部は、入力装置から入力された情報に基づいて視聴者の動向を特定可能に構成され、
前記対象特定部は、前記動向に基づいて前記視聴者の注視対象であるコンテンツを特定可能に構成され、ここで、前記コンテンツは、動画と音声とを含み、
前記条件決定部は、第1の条件と第2の条件とを決定可能に構成され、前記第1の条件は、前記注視対象として特定されたコンテンツの再生条件であり、前記第2の条件は、前記注視対象として特定されなかったコンテンツの再生条件である
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記入力装置は、カメラであり、
前記動向特定部は、前記カメラの撮影結果に基づいて前記視聴者の視線を特定し、
前記対象特定部は、前記視線の方向に基づいて前記視聴者の注視対象であるコンテンツを特定する
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記入力装置は、ポインティングデバイスであり、
前記動向特定部は、前記ポインティングデバイスの操作に応じて動作するポインタの移動速度と、該ポインタの移動方向とを特定し、
前記対象特定部は、前記移動速度が所定の速度以上である場合に、前記移動方向に表示されているコンテンツを前記視聴者の注視対象であるコンテンツを特定する
情報処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記入力装置は、ポインティングデバイスであり、
前記動向特定部は、前記ポインティングデバイスの操作に応じて動作するポインタの位置を特定し、
前記対象特定部は、前記位置が表示されているコンテンツの表示範囲内である場合に、該コンテンツを前記視聴者の注視対象であるコンテンツを特定する
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記動向特定部は、前記コンテンツが表示されているウィンドウの状態を特定し、
前記対象特定部は、前記ウィンドウがアクティブの場合に、該ウィンドウに表示されているコンテンツを前記視聴者の注視対象であるコンテンツを特定する
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記第1の条件及び前記第2の条件は、前記コンテンツに含まれる動画のフレームレートを含み、前記第2の条件に含まれるフレームレートは、前記第1の条件に含まれるフレームレートよりも小さい
情報処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記第1の条件及び前記第2の条件は、前記コンテンツに含まれる動画の画面サイズを含み、前記第2の条件に含まれる画面サイズは、前記第1の条件に含まれる画面サイズよりも小さい
情報処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記第1の条件及び前記第2の条件は、前記コンテンツに含まれる動画の解像度を含み、前記第2の条件に含まれる解像度は、前記第1の条件に含まれる解像度よりも低い
情報処理装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記第1の条件及び前記第2の条件は、前記コンテンツに含まれる音声の音量を含み、前記第2の条件に含まれる音量は、前記第1の条件に含まれる音量よりも小さい
情報処理装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記第1の条件及び前記第2の条件は、前記コンテンツに含まれる音声の再生チャンネルを含み、前記第1の条件は、左右のチャンネルでの再生であり、前記第2の条件は、左チャンネル又は右チャンネルのいずれか一方での再生である
情報処理装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10いずれか1項に記載の情報処理装置において、
配信部を備え、
前記配信部は、前記再生条件に応じた配信条件にしたがって、前記コンテンツを配信する
情報処理装置。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理装置において、
前記配信部は、前記コンテンツと前記配信条件とに基づいて視聴動向情報を生成する
情報処理装置。
【請求項13】
請求項1乃至請求項10いずれか1項に記載の情報処理装置において、
通知部を備え、
前記通知部は、前記再生条件を、前記コンテンツを配信するサーバに通知する
情報処理装置。
【請求項14】
請求項1乃至請求項10いずれか1項に記載の情報処理装置において、
変換部を備え、
前記変換部は、サーバから受信した前記コンテンツを、前記再生条件に応じて変換する
情報処理装置。
【請求項15】
コンピュータを情報処理装置として動作させるプログラムであって、
コンピュータを請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の情報処理装置として機能させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、セミナーや学校の授業等をオンラインで開催する機会が増大している。このため、オンラインによるセミナーや授業等のための技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-101143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、オンラインセミナー等では、その特性を利用して視聴者が複数のコンテンツを同時に視聴したり、別の作業を行いながら視聴を行う等といったことが行われる。このような視聴形態では、視聴者は、注視したいコンテンツと、それ以外のコンテンツとを異なる態様で視聴することが多いが、注視したいコンテンツが入れ替わった場合には、その視聴態様も切り替えること多い。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、視聴するコンテンツの視聴態様を容易に切り替えることのできる情報処理装置及びプログラムを提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、動向特定部と、対象特定部と、条件決定部とを備える。動向特定部は、入力装置から入力された情報に基づいて視聴者の動向を特定可能に構成される。対象特定部は、動向に基づいて視聴者の注視対象であるコンテンツを特定可能に構成される。コンテンツは、動画と音声とを含む。条件決定部は、第1の条件と第2の条件とを決定可能に構成され、第1の条件は、注視対象として特定されたコンテンツの再生条件であり、第2の条件は、注視対象として特定されなかったコンテンツの再生条件である。
【0007】
本発明の一態様によれば、視聴者の動向に応じて容易にコンテンツの視聴態様を容易に切り替えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るシステム100の構成例を示した図である。
図2】情報処理装置1の構成を示した図である。
図3】情報処理装置1の機能的な構成を示すブロック図である。
図4】コンテンツの表示例を示した図である。
図5】ウィンドウの状態を説明するための図である。
図6】視聴者動向情報の表示例を示した図である。
図7】情報処理装置1の動作の流れを示すアクティビティ図である。
図8】情報処理装置20の機能的な構成を示すブロック図である。
図9】情報処理装置21の機能的な構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.全体構成
図1は、本発明の実施形態に係るシステム100の構成例を示した図である。同図に示すように、システム100は、情報処理装置1と、情報処理装置2と、情報処理装置3と、情報処理装置4とがネットワーク5を介して通信可能に接続されている。
【0014】
情報処理装置1は、コンテンツを配信するサーバとして動作する。情報処理装置2と情報処理装置3は、いずれも、コンテンツを視聴するクライアントとして動作する。なお、情報処理装置3は、スマートフォンやタブレット等の携帯可能な装置である。情報処理装置4は、コンテンツを生成するもので、カメラ6やマイク7が接続されている。
【0015】
2.情報処理装置の構成
次に、情報処理装置1、情報処理装置2、情報処理装置3、情報処理装置4の構成について説明する。なお、情報処理装置1、情報処理装置2、情報処理装置3、情報処理装置4は、いずれもコンピュータであり、その構成は類似しているため、ここでは、情報処理装置1についてのみ説明する。
【0016】
図2は、情報処理装置1の構成を示した図である。同図に示すように、情報処理装置1は、処理部11と、記憶部12と、一時記憶部13と、外部装置接続部14と、通信部15とを有しており、これらの構成要素が情報処理装置1の内部において通信バス16を介して電気的に接続されている。
【0017】
処理部11は、例えば、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)により実現されるもので、記憶部12に記憶された所定のプログラムに従って動作し、種々の機能を実現する。
【0018】
記憶部12は、様々な情報を記憶する不揮発性の記憶媒体である。これは、例えばハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)やソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスにより実現される。なお、記憶部12は、情報処理装置1と通信可能な別の装置に配するようにすることも可能である。
【0019】
一時記憶部13は、揮発性の記憶媒体である。これは、例えばランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリにより実現され、処理部11が動作する際に一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶する。
【0020】
外部装置接続部14は、例えばユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus:USB)や高精細度マルチメディアインターフェース(High-Definition Multimedia Interface:HDMI)といった規格に準じた接続部であり、キーボード等の入力装置やモニタ等の表示装置を接続可能としている。
【0021】
通信部15は、例えばローカルエリアネットワーク(Local Area Network:LAN)規格に準じた通信手段であり、情報処理装置1とローカルエリアネットワークやこれを介したインターネット等のネットワーク5との間の通信を実現する。
【0022】
なお、情報処理装置1には、汎用のサーバ向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ等を利用することが可能であり、複数のコンピュータを用いて情報処理装置1を構成することも可能である。
【0023】
3.情報処理装置1の機能
次に、情報処理装置1の機能について説明する。情報処理装置1は、プログラムにしたがって動作することで、後述する各機能部を実現する。このプログラムは、コンピュータを情報処理装置1として動作又は機能させるプログラムである。
【0024】
図3は、情報処理装置1の機能的な構成を示すブロック図である。同図に示すように、情報処理装置1は、動向特定部101と、対象特定部102と、条件決定部103と、配信情報取得部104と、配信部105とを備える。
【0025】
動向特定部101は、情報処理装置2に接続された入力装置8から入力された情報に基づいて視聴者の動向を特定可能に構成される。入力装置8は、例えば、カメラやポインティングデバイス、キーボード等である。ポインティングデバイスは、例えば、マウスやタッチパネルである。なお、情報処理装置2は、情報処理装置1が配信するコンテンツの視聴に所定のアプリケーションソフトウェアを用いるが、このアプリケーションソフトウェアは、入力装置8から入力された情報を動向特定部101に通知する機能を有するものでる。
【0026】
入力装置8がカメラである場合には、動向特定部101は、カメラの撮影結果に基づいて視聴者の視線を特定する。入力装置8がポインティングデバイスである場合には、動向特定部101は、ポインティングデバイスの操作に応じて動作するポインタの移動速度と、該ポインタの移動方向とを特定する。ポインティングデバイスがタッチパネルである場合には指を触れたまま移動するスライド操作が行われた際の指の位置がポインタの位置に相当する。入力装置8がポインティングデバイスである場合には、動向特定部101は、ポインティングデバイスの操作に応じて動作するポインタの位置を特定するようにしてもよい。また、動向特定部101は、ポインティングデバイスやキーボードの操作により、図示しない表示装置に表示されているウィンドウ(表示領域)のうち、コンテンツが表示されているウィンドウの状態を特定する。ウィンドウの状態とは、当該ウィンドウがアクティブか否かである。
【0027】
対象特定部102は、動向特定部101が特定した動向に基づいて視聴者の注視対象であるコンテンツを特定可能に構成される。このコンテンツは、動画と音声とを含むものである。動画は、例えば、セミナーの講師を撮影したものや、講師が提示する資料(コンピュータが画像を生成したもの)、仮想的なホワイトボードの表示等を含むものである。また、これらを録画したものであってもよい。なお、講師が提示する資料にレーザポインタ等の光点が存在する場合、この光点を減光または消滅させて表示するようにしてもよい。
【0028】
入力装置8がカメラであり、動向特定部101が視聴者の視線を特定する場合には、対象特定部102は、視線の方向に基づいて視聴者の注視対象であるコンテンツを特定する。視線とコンテンツとの関係は、予め設定されたものである。ここで、視線とコンテンツの関係の設定について説明する。図4は、コンテンツの表示例を示した図である。情報処理装置1は、視聴者がコンテンツを視聴する前に、ウィンドウW1に、コンテンツC1、コンテンツC2、コンテンツC3、コンテンツC4を表示する。このコンテンツC1、コンテンツC2、コンテンツC3、コンテンツC4は、試験用のカラーコード等であってもよい。そして、情報処理装置1は、視聴者に所定のコンテンツ、例えば、コンテンツC1を注視させた状態でマウスやキーボード等を操作させる。このとき、対象特定部102は、動向特定部101で特定された視線をコンテンツC1と関連付けて保持する。同様に、コンテンツC2、コンテンツC3、コンテンツC4を順次注視させ、これらと視線の関係を保持する。これにより、対象特定部102は、動向特定部101が特定した視線から、視聴者が注視しているコンテンツを特定することができる。
【0029】
入力装置8がポインティングデバイスであり、動向特定部101がポインタの移動速度と移動方向とを特定する場合には、対象特定部102は、ポインタの移動速度が所定の速度以上である場合に、ポインタの移動方向に表示されているコンテンツを視聴者の注視対象であるコンテンツを特定する。例えば、ポインタが図4に示すコンテンツC1上に位置している状態から、コンテンツC2の方向に所定以上の速さで移動した場合に、対象特定部102は、視聴者の注視対象がコンテンツC1からコンテンツC2に変化したものと特定する。これは、視聴者の咄嗟の動作を特定することと同意である。なお、所定の速度については、初期値を定めていてもよいが、視聴者により任意に変更できるものとすることが望ましいため、具体的な速度については、省略する。
【0030】
また、入力装置8がポインティングデバイスであり、動向特定部101がポインタの位置を特定する場合には、対象特定部102は、ポインタの移動が終了した時点で、そのポインタの位置が表示されているコンテンツの表示範囲内である場合に、該コンテンツを視聴者の注視対象であるコンテンツを特定する。例えば、ポインタが図4に示すコンテンツC1上に位置している状態から移動し、コンテンツC2の上で停止した場合に、対象特定部102は、視聴者の注視対象がコンテンツC1からコンテンツC2に変化したものと特定する。
【0031】
入力装置8がポインティングデバイスやキーボードであり、動向特定部101がコンテンツの表示されているウィンドウの状態を特定する場合、対象特定部102は、ウィンドウがアクティブの場合に、該ウィンドウに表示されているコンテンツを視聴者の注視対象であるコンテンツを特定する。例えば、対象特定部102は、図5に示す状態では、ウィンドウW2がアクティブであるため、コンテンツC5が注視対象であり、非アクティブであるウィンドウW3とウィンドウW4のそれぞれに表示されているコンテンツC6とコンテンツC7は、注視対象でないもの特定する。図5は、ウィンドウの状態を説明するための図である。なお、対象特定部102による注視対象の特定は、ウィンドウ毎に行うため、例えば、ウィンドウW3がワードプロセッサのウィンドウで、ウィンドウW4が表計算ソフトのウィンドウである場合、対象特定部102は、ウィンドウW1がアクティブであるか否かについてのみ特定を行い、コンテンツC5が注視対象であるか否かだけを特定する。
【0032】
条件決定部103は、第1の条件と第2の条件とを決定可能に構成される。第1の条件は、注視対象として特定されたコンテンツの再生条件であり、第2の条件は、注視対象として特定されなかったコンテンツの再生条件である。具体的には、第1の条件及び第2の条件は、コンテンツに含まれる動画のフレームレートを含むものであり、第2の条件に含まれるフレームレートは、第1の条件に含まれるフレームレートよりも小さい。例えば、第1の条件に含まれるフレームレートは、コンテンツの配信元である情報処理装置4で設定されたフレームレートで、第2の条件に含まれるフレームレートは、これよりも小さくしたフレームレートである。
【0033】
また、第1の条件及び第2の条件は、コンテンツに含まれる動画の画面サイズを含むようにしてもよく、第2の条件に含まれる画面サイズは、第1の条件に含まれる画面サイズよりも小さいものとなる。例えば、図4に示すコンテンツC1は、第1の条件で指定された画面サイズであり、コンテンツC2は、第2の条件で指定された画面サイズである。
【0034】
また、第1の条件及び第2の条件は、コンテンツに含まれる動画の解像度を含むようにしてもよく、第2の条件に含まれる解像度は、第1の条件に含まれる解像度よりも低いものとなる。
【0035】
また、第1の条件及び第2の条件は、コンテンツに含まれる音声の音量を含むようにしてもよく、第2の条件に含まれる音量は、第1の条件に含まれる音量よりも小さいものとなる。また、第2の条件に含まれる音量は、無音(消音)であってもよい。
【0036】
さらに、第1の条件及び第2の条件は、コンテンツに含まれる音声の再生チャンネルを含むようにしてもよく、第1の条件は、左右のチャンネルでの再生であり、第2の条件は、左チャンネル又は右チャンネルのいずれか一方での再生となる。この条件を音声の音量と組み合わせることで、例えば、注視対象でない2つのコンテンツを視聴している場合に、一方のコンテンツの音声を左チャンネルで低音量で再生し、他方のコンテンツの音声を右チャンネルで低音量で再生し、どちらかのコンテンツが注視対象となった場合に、当該コンテンツの音声の音量を上げる又は、当該コンテンツの音声を左右両チャンネルで再生するようにすることもできる。
【0037】
配信情報取得部104は、情報処理装置4から、配信するコンテンツを配信情報として取得する。なお、情報処理装置4は、複数であってもよく、配信情報取得部104は、それぞれの情報処理装置4から配信情報を取得する。
【0038】
配信部105は、再生条件である第1の条件又は第2の条件に応じた配信条件にしたがって、コンテンツを配信する。配信条件は、視聴者毎に注視しているコンテンツが異なる可能性があるため、情報処理装置2毎に異なるものが指定される可能性がある。
【0039】
また、配信部105は、配信しているコンテンツと配信条件とに基づいて視聴動向情報を生成する。視聴者動向情報は、例えば、複数のコンテンツが配信されている場合に、視聴者がどのコンテンツを注視しているかを示す情報である。この視聴者動向情報は、即時にコンテンツの提供者(講師等)に伝えるようにしてもよく、これを記録しておき、別途通知するようにすることもできる。この通知に際しては、図6に示すように、視聴者数(当該コンテンツを者の数)を時間軸に沿って表し、視聴者数に変化があった場合のコンテンツのサムネイル画像を併せて表示するようにしてもよい。図6は、視聴者動向情報の表示例を示した図である。
【0040】
4.情報処理装置1の動作
次に、情報処理装置1の動作について説明する。図7は、情報処理装置1の動作の流れを示すアクティビティ図である。
【0041】
情報処理装置1は、動作を開始すると、まず、再生条件を初期値に設定し(A101)、再生条件を配信条件として、配信部105が、コンテンツの配信を開始する。そして、視聴者が情報処理装置2によりコンテンツの視聴を継続している間、動向特定部101が視聴者の動向を特定する(A102)。
【0042】
そして、動向特定部101が特定した視聴者の動向が特定のもの、例えば、視聴者の視線の方向の変化、ポインタの移動速度が所定の速度以上である、ポインタの移動、ウィンドウ状態の変化等であれば、対象特定部102が、視聴者の注視対象を特定する(A103)。
【0043】
視聴者の注視対象に変化があると、条件決定部103は、注視対象のコンテンツの再生条件を第1の条件に設定し(A104)、非注視対象となったコンテンツの再生条件を第2の条件に設定する(A105)。
【0044】
情報処理装置1は、これらの処理を繰り返し、視聴者が情報処理装置2によるコンテンツの視聴を終了すると、処理を終了する。なお、情報処理装置1は、ここで説明した処理を、コンテンツを配信している情報処理装置2と情報処理装置3の数に応じて並列に行う。
【0045】
5.変形例1
次に、システム100の変形例について説明する。前述の例では、注視対象の特定や再生条件の決定等をサーバである情報処理装置1で行っていたが、ここでは、クライアント側の情報処理装置で注視対象の特定や再生条件の決定等を行う例を説明する。
【0046】
図8は、情報処理装置20の機能的な構成を示すブロック図である。同図に示すように、情報処理装置20は、動向特定部201と、対象特定部202と、条件決定部203と、通知部204と、再生部205とを備える。
【0047】
動向特定部201は、情報処理装置20に接続された入力装置8から入力された情報に基づいて視聴者の動向を特定可能に構成される。入力装置8は、例えば、カメラやポインティングデバイス、キーボード等である。
【0048】
対象特定部202は、動向特定部201が特定した動向に基づいて視聴者の注視対象であるコンテンツを特定可能に構成される。このコンテンツは、動画と音声とを含むものである。
【0049】
対象特定部202は、対象特定部102と同様に、視線の方向に基づいて視聴者の注視対象であるコンテンツを特定し、また、ポインタの移動速度が所定の速度以上である場合に、ポインタの移動方向に表示されているコンテンツを視聴者の注視対象であるコンテンツを特定し、ポインタ位置が表示されているコンテンツの表示範囲内である場合に、該コンテンツを視聴者の注視対象であるコンテンツを特定する。さらに、対象特定部202は、ウィンドウがアクティブの場合に、該ウィンドウに表示されているコンテンツを視聴者の注視対象であるコンテンツを特定する。
【0050】
条件決定部203は、第1の条件と第2の条件とを決定可能に構成される。第1の条件は、注視対象として特定されたコンテンツの再生条件であり、第2の条件は、注視対象として特定されなかったコンテンツの再生条件である。具体的には、第1の条件及び第2の条件は、コンテンツに含まれる動画のフレームレートを含むものであり、第2の条件に含まれるフレームレートは、第1の条件に含まれるフレームレートよりも小さい。
【0051】
また、第1の条件及び第2の条件は、コンテンツに含まれる動画の画面サイズを含むようにしてもよく、第2の条件に含まれる画面サイズは、第1の条件に含まれる画面サイズよりも小さいものとなる。
【0052】
さらに、第1の条件及び第2の条件は、コンテンツに含まれる音声の音量を含むようにしてもよく、第2の条件に含まれる音量は、第1の条件に含まれる音量よりも小さいものとなる。また、第2の条件に含まれる音量は、無音(消音)であってもよい。
【0053】
通知部204は、条件決定部203が決定した再生条件を、コンテンツを配信するサーバである情報処理装置10に通知する。情報処理装置10は、情報処理装置1から動向特定部101と、対象特定部102と、条件決定部103とを除いたものと同様の構成を有し、情報処理装置4から配信するコンテンツを配信情報として取得し、これを通知部204が通知した再生条件に応じた配信条件で配信するものである。
【0054】
再生部205は、情報処理装置10から配信されたコンテンツを再生する。
【0055】
6.変形例2
次に、システム100の別の変形例について説明する。ここで説明する変形例は、クライアント側の情報処理装置で注視対象の特定や再生条件の決定等を行い、コンテンツの変換を行うものである。
【0056】
図9は、情報処理装置21の機能的な構成を示すブロック図である。同図に示すように、情報処理装置21は、動向特定部201と、対象特定部202と、条件決定部203と、変換部206と、再生部205とを備える。
【0057】
動向特定部201は、情報処理装置20に接続された入力装置8から入力された情報に基づいて視聴者の動向を特定可能に構成される。入力装置8は、例えば、カメラやポインティングデバイス、キーボード等である。
【0058】
対象特定部202は、動向特定部201が特定した動向に基づいて視聴者の注視対象であるコンテンツを特定可能に構成される。このコンテンツは、動画と音声とを含むものである。
【0059】
対象特定部202は、対象特定部102と同様に、視線の方向に基づいて視聴者の注視対象であるコンテンツを特定し、また、ポインタの移動速度が所定の速度以上である場合に、ポインタの移動方向に表示されているコンテンツを視聴者の注視対象であるコンテンツを特定し、ポインタ位置が表示されているコンテンツの表示範囲内である場合に、該コンテンツを視聴者の注視対象であるコンテンツを特定する。さらに、対象特定部202は、ウィンドウがアクティブの場合に、該ウィンドウに表示されているコンテンツを視聴者の注視対象であるコンテンツを特定する。
【0060】
条件決定部203は、第1の条件と第2の条件とを決定可能に構成される。第1の条件は、注視対象として特定されたコンテンツの再生条件であり、第2の条件は、注視対象として特定されなかったコンテンツの再生条件である。具体的には、第1の条件及び第2の条件は、コンテンツに含まれる動画のフレームレートを含むものであり、第2の条件に含まれるフレームレートは、第1の条件に含まれるフレームレートよりも小さい。
【0061】
また、第1の条件及び第2の条件は、コンテンツに含まれる動画の画面サイズを含むようにしてもよく、第2の条件に含まれる画面サイズは、第1の条件に含まれる画面サイズよりも小さいものとなる。
【0062】
さらに、第1の条件及び第2の条件は、コンテンツに含まれる音声の音量を含むようにしてもよく、第2の条件に含まれる音量は、第1の条件に含まれる音量よりも小さいものとなる。また、第2の条件に含まれる音量は、無音(消音)であってもよい。
【0063】
変換部206は、サーバである情報処理装置10から受信したコンテンツを、条件決定部203が決定した再生条件に応じて変換する。
【0064】
再生部205は、変換部206が変換したコンテンツを再生する。
【0065】
7.その他
本発明は、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理装置において、前記入力装置は、カメラであり、前記動向特定部は、前記カメラの撮影結果に基づいて前記視聴者の視線を特定し、前記対象特定部は、前記視線の方向に基づいて前記視聴者の注視対象であるコンテンツを特定する情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記入力装置は、ポインティングデバイスであり、前記動向特定部は、前記ポインティングデバイスの操作に応じて動作するポインタの移動速度と、該ポインタの移動方向とを特定し、前記対象特定部は、前記移動速度が所定の速度以上である場合に、前記移動方向に表示されているコンテンツを前記視聴者の注視対象であるコンテンツを特定する情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記入力装置は、ポインティングデバイスであり、前記動向特定部は、前記ポインティングデバイスの操作に応じて動作するポインタの位置を特定し、前記対象特定部は、前記位置が表示されているコンテンツの表示範囲内である場合に、該コンテンツを前記視聴者の注視対象であるコンテンツを特定する情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記動向特定部は、前記コンテンツが表示されているウィンドウの状態を特定し、前記対象特定部は、前記ウィンドウがアクティブの場合に、該ウィンドウに表示されているコンテンツを前記視聴者の注視対象であるコンテンツを特定する情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記第1の条件及び前記第2の条件は、前記コンテンツに含まれる動画のフレームレートを含み、前記第2の条件に含まれるフレームレートは、前記第1の条件に含まれるフレームレートよりも小さい情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記第1の条件及び前記第2の条件は、前記コンテンツに含まれる動画の画面サイズを含み、前記第2の条件に含まれる画面サイズは、前記第1の条件に含まれる画面サイズよりも小さい情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記第1の条件及び前記第2の条件は、前記コンテンツに含まれる動画の解像度を含み、前記第2の条件に含まれる解像度は、前記第1の条件に含まれる解像度よりも低い情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記第1の条件及び前記第2の条件は、前記コンテンツに含まれる音声の音量を含み、前記第2の条件に含まれる音量は、前記第1の条件に含まれる音量よりも小さい情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記第1の条件及び前記第2の条件は、前記コンテンツに含まれる音声の再生チャンネルを含み、前記第1の条件は、左右のチャンネルでの再生であり、前記第2の条件は、左チャンネル又は右チャンネルのいずれか一方での再生である情報処理装置。
前記情報処理装置において、配信部を備え、前記配信部は、前記再生条件に応じた配信条件にしたがって、前記コンテンツを配信する情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記配信部は、前記コンテンツと前記配信条件とに基づいて視聴動向情報を生成する情報処理装置。
前記情報処理装置において、通知部を備え、前記通知部は、前記再生条件を、前記コンテンツを配信するサーバに通知する情報処理装置。
前記情報処理装置において、変換部を備え、前記変換部は、サーバから受信した前記コンテンツを、前記再生条件に応じて変換する情報処理装置。
コンピュータを情報処理装置として動作させるプログラムであって、コンピュータを前記情報処理装置として機能させるプログラム。
もちろん、この限りではない。
【符号の説明】
【0066】
1 :情報処理装置
2 :情報処理装置
3 :情報処理装置
4 :情報処理装置
5 :ネットワーク
6 :カメラ
7 :マイク
8 :入力装置
10 :情報処理装置
11 :処理部
12 :記憶部
13 :一時記憶部
14 :外部装置接続部
15 :通信部
16 :通信バス
20 :情報処理装置
21 :情報処理装置
100 :システム
101 :動向特定部
102 :対象特定部
103 :条件決定部
104 :配信情報取得部
105 :配信部
201 :動向特定部
202 :対象特定部
203 :条件決定部
204 :通知部
205 :再生部
206 :変換部
C1 :コンテンツ
C2 :コンテンツ
C3 :コンテンツ
C4 :コンテンツ
C5 :コンテンツ
C6 :コンテンツ
C7 :コンテンツ
W1 :ウィンドウ
W2 :ウィンドウ
W3 :ウィンドウ
W4 :ウィンドウ
図1
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図9