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特開2022-82034マグネットクリップ及びこれを備えたマスクセット並びにマグネットクリップの使用方法
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  • 特開-マグネットクリップ及びこれを備えたマスクセット並びにマグネットクリップの使用方法 図1
  • 特開-マグネットクリップ及びこれを備えたマスクセット並びにマグネットクリップの使用方法 図2
  • 特開-マグネットクリップ及びこれを備えたマスクセット並びにマグネットクリップの使用方法 図3
  • 特開-マグネットクリップ及びこれを備えたマスクセット並びにマグネットクリップの使用方法 図4
  • 特開-マグネットクリップ及びこれを備えたマスクセット並びにマグネットクリップの使用方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082034
(43)【公開日】2022-06-01
(54)【発明の名称】マグネットクリップ及びこれを備えたマスクセット並びにマグネットクリップの使用方法
(51)【国際特許分類】
   A44B 99/00 20100101AFI20220525BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20220525BHJP
【FI】
A44B99/00 611B
A44B99/00 611L
A44B99/00 601Z
A41D13/11 H
A41D13/11 Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020193335
(22)【出願日】2020-11-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】519423459
【氏名又は名称】春田 杏果
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】春田 杏果
(57)【要約】
【課題】簡便な操作でマスクなどの対象物を所定の固定位置に固定できるマグネットクリップを提供する。
【解決手段】マグネットクリップ1は、長手方向の中央3cを内側に曲げて折り返す折り返し部5を有する可撓性とされたシート状の本体部3と、本体部3の一端3aに設けられた第1磁石7aと、本体部3の他端3bに設けられ、本体部3を折り返し部5で折り曲げた場合に第1磁石7aと対向した状態で互いに吸着する第2磁石7bと、本体部3の外側でかつ第1磁石7aに対応する位置に設けられ、本体部3の外側表面に対して指が挿入可能な空間が形成可能な第1帯部10aと、本体部3の外側でかつ第2磁石7bに対応する位置に設けられ、本体部3の外側表面に対して指が挿入可能な空間が形成可能な第2帯部10bとを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向の中央を内側に曲げて折り返す折り返し部を有する可撓性とされたシート状の本体部と、
前記本体部の一端側に設けられた第1磁石と、
前記本体部の他端側に設けられ、該本体部を前記折り返し部で折り曲げた場合に前記第1磁石と対向した状態で互いに吸着する第2磁石と、
前記本体部の外側でかつ前記第1磁石に対応する位置に設けられ、該本体部の外側表面に対して指が挿入可能な空間が形成可能な第1帯部と、
前記本体部の外側でかつ前記第2磁石に対応する位置に設けられ、該本体部の外側表面に対して指が挿入可能な空間が形成可能な第2帯部と、
を備えているマグネットクリップ。
【請求項2】
前記第1帯部及び/又は前記第2帯部と前記本体部の前記外側表面との間に前記空間が指の挿入前に形成されており、
前記空間は、該本体部の前記中央側から先端側に向かう方向にしたがって狭くなる請求項1に記載のマグネットクリップ。
【請求項3】
前記第1帯部の前記本体部の前記中央側の位置と該本体部の該中央からの距離は、前記第1帯部の前記本体部の前記中央側の位置と該本体部の該中央からの距離よりも小さい請求項1又は2に記載のマグネットクリップ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載されたマグネットクリップと、
前記マグネットクリップによって所定の固定位置に固定されるマスクと、
を備えているマスクセット。
【請求項5】
請求項1から3のいずれかに記載されたマグネットクリップを用いて対象物を所定の固定位置に固定するマグネットクリップの使用方法であって、
前記対象物を前記固定位置に重ねた上で、前記マグネットクリップの前記第1磁石と前記第2磁石で前記対象物及び前記固定位置を挟み込んで固定するマグネットクリップの使用方法。
【請求項6】
前記対象物は、ユーザの口に当たるフィルタ部とユーザの耳に引っ掛ける耳かけ部とを有するマスクとされ、
前記マスクの前記フィルタ部の内側面を内側にして折り畳んだ状態で、前記マグネットクリップで固定する請求項5に記載のマグネットクリップの使用方法。
【請求項7】
前記マスクの前記耳かけ部によって形成された開口に前記マグネットクリップを挿入し、
前記マスクの前記フィルタ部を前記第1磁石と前記第2磁石で挟んで固定する請求項6に記載のマグネットクリップの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばマスクやハンカチなどの対象物を服などの所定の固定位置に仮止めできるマグネットクリップ及びこれを備えたマスクセット並びにマグネットクリップの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウィルス(COVID-19)やインフルエンザなどの感染症対策や花粉症対策などでマスクの利用が日本国内だけでなく世界的に増大している。
【0003】
取り外したマスクを一時的に保管するためにマスクケースを用いることができる。マスクケースはマスクの形状が崩れることを回避できるので有用であるが、マスクの外側に付着したウィルス等をケース内に入れることになるので衛生的に問題がある。
【0004】
一方、マスクを使い捨てで使用する場合であっても、一時的に帰宅し再び外出する際には自宅の所定の場所にマスクを仮置きすることになる。しかし、他の家族のマスクとの見分けが付かなくなってしまうおそれがある。
【0005】
そこで、特許文献1に示すようなマグネットクリップを使って、自分の衣服や鞄などの所定の固定位置に固定することが考えられる。
【0006】
特許文献1に開示されたマグネットクリップは、それぞれに磁石が取り付けられた2つの円板形状のクリップ本体と、クリップ本体間を接続する鎖とを備えている。2つのクリップ本体で衣服を挟み、磁石の吸着力によって固定するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9-326311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示されたマグネットクリップを用いてマスクやハンカチなどの対象物を衣服に固定することは可能である。しかし、両手でそれぞれのクリップ本体を掴んで操作する必要があり、マグネットクリップによる固定操作が面倒であるという問題がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、簡便な操作でマスクやハンカチなどの対象物を所定の固定位置に固定できるマグネットクリップ及びこれを備えたマスクセット並びにマグネットクリップの使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係るマグネットクリップは、長手方向の中央を内側に曲げて折り返す折り返し部を有する可撓性とされたシート状の本体部と、前記本体部の一端側に設けられた第1磁石と、前記本体部の他端側に設けられ、該本体部を前記折り返し部で折り曲げた場合に前記第1磁石と対向した状態で互いに吸着する第2磁石と、前記本体部の外側でかつ前記第1磁石に対応する位置に設けられ、該本体部の外側表面に対して指が挿入可能な空間が形成可能な第1帯部と、前記本体部の外側でかつ前記第2磁石に対応する位置に設けられ、該本体部の外側表面に対して指が挿入可能な空間が形成可能な第2帯部と、を備えている。
【0011】
可撓性を有するシート状の本体部の両端に第1磁石と第2磁石が設けられている。本体部の長手方向における中央の折り返し部を内側に曲げて折り返すことによって、第1磁石と第2磁石とを対向させて互いに吸着させることでてクリップを行う。
第1磁石に対応する位置には、本体部の外側に対して指が挿入可能な空間を形成する第1帯部が設けられ、第2磁石に対応する位置には、本体部の外側に対して指が挿入可能な空間を形成する第2帯部が設けられている。これにより、ユーザは、例えば、第1帯部に親指を挿入し、かつ第2帯部に中指や人差し指を挿入することによって、片手で第1磁石と第2磁石とを接近離間させることができる。したがって、片手による簡便な操作でマスクやハンカチなどの対象物を所定の固定位置に固定できる。マスクとしては、使い捨て可能な不織布マスクや、繰り返し使用可能な布マスクなど、様々な形態のマスクを意味する。
なお、第1帯部及び第2帯部は、本体部の外側表面との間に空間が形成可能とされていれば良い。例えば、帯部をアーチ形状に形成して本体部の外側表面との間に空間を指の挿入前から形成する構成としても良いし、帯部をゴム等で形成し、指の挿入前は本体部の外側表面に対して帯部が接した状態とし、指を挿入することによって帯部を押し広げて空間を形成するようにしても良い。
【0012】
さらに、本発明の一態様に係るマグネットクリップでは、前記第1帯部及び/又は前記第2帯部と前記本体部の前記外側表面との間に前記空間が指の挿入前に形成されており、前記空間は、該本体部の中央側から先端側に向かう方向にしたがって狭くなる。
【0013】
第1帯部及び/又は第2帯部と本体部の外側表面との間に形成された空間が、本体部の中央側から先端側に向かう方向にしたがって狭くなるように形成されている。すなわち、帯部と本体部の外側表面との間の空間に指を挿入する際に、挿入する側ほど空間が大きくなるようになっている。これにより、指が挿入しやすくなるだけでなく、指が奥に行くほど空間が狭くなるので挿入後の指を確実に保持することができる。
【0014】
さらに、本発明の一態様に係るマグネットクリップでは、前記第1帯部の前記本体部の前記中央側の位置と該本体部の該中央からの距離は、前記第1帯部の前記本体部の前記中央側の位置と該本体部の該中央からの距離よりも小さい。
【0015】
第1帯部の本体部の中央側の位置(すなわち第1帯部に指を挿入する位置)は、第2帯部の本体部の中央側の位置(すなわち第2帯部に指を挿入する位置)よりも、本体部の中央寄りに位置させることとした。これにより、親指を第1帯部に挿入し、中指や人差し指を第2帯部に挿入する場合に、親指は中指や人差し指よりも短いので、第1帯部に親指を挿入しやすくなる。
【0016】
本発明の一態様に係るマスクセットは、上記のいずれかに記載されたマグネットクリップと、前記マグネットクリップによって所定の固定位置に固定されるマスクと、を備えている。
【0017】
マグネットクリップでマスクを所定の固定位置に固定することができるので、マスクを紛失することを可及的に防止できる。
【0018】
本発明の一態様に係るマグネットクリップの使用方法は、上記のいずれかに記載されたマグネットクリップを用いて対象物を所定の固定位置に固定するマグネットクリップの使用方法であって、前記対象物を前記固定位置に重ねた上で、前記マグネットクリップの前記第1磁石と前記第2磁石で前記対象物及び前記固定位置を挟み込んで固定する。
【0019】
対象物をマグネットクリップで所定位置に固定することができるので、対象物を紛失することを可及的に防止できる。
所定の固定位置としては、例えば、Tシャツやポロシャツなどの衣服の裾部分や、ポケットなどを挙げることができる。
【0020】
さらに、本発明の一態様に係るマグネットクリップの使用方法では、前記対象物は、ユーザの口に当たるフィルタ部とユーザの耳に引っ掛ける耳かけ部とを有するマスクとされ、前記マスクの前記フィルタ部の内側面を内側にして折り畳んだ状態で、前記マグネットクリップで固定する。
【0021】
マスクのフィルタ部の内側面(ユーザの口に当たる面)を内側にして折り畳んだ状態で固定することができるので、衛生的にマスクを固定することができる。例えば、ユーザがインフルエンザや新型コロナウィルス等に感染していたとしても、マスクを内側に折り込んで保管することで内側にウィルスを閉じ込め外部に感染させるリスクを減らすことができる。さらに、テーブルに付着した目に見えないウィルスの上に、外したマスクを置いてユーザが再度マスクを装着し、ウィルスに感染してしまうリスクを減らすことができる。このように、感染させるリスク対策だけでなく、感染するリスク対策として使用することができる。
【0022】
さらに、本発明の一態様に係るマグネットクリップの使用方法では、前記マスクの前記耳かけ部によって形成された開口に前記マグネットクリップを挿入し、前記マスクの前記フィルタ部を前記第1磁石と前記第2磁石で挟んで固定する。
【0023】
耳かけ部によって形成された開口にマグネットクリップを挿入してマスクのフィルタ部を固定することとしたので、コンパクトにマスクを固定することができる。
【発明の効果】
【0024】
片手による簡便な操作でマスクやハンカチなどの対象物を所定の固定位置に固定できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態に係るマグネットクリップの平面図である。
図2図1のマグネットクリップの底面図である。
図3図1及び図2に示したマグネットクリップを折り返した状態を示した斜視図である。
図4図1及び図2に示したマグネットクリップをユーザの指に装着した状態を示した斜視図である。
図5図1及び図2に示したマグネットクリップを用いてTシャツの裾にマスクを固定した状態を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明の一実施形態に係るマグネットクリップ及びこれを備えたマスクセット並びにマグネットクリップの使用方法について、図面を参照して説明する。
【0027】
図1には、マグネットクリップ1の外側を示した平面図が示されている。マグネットクリップ1は、可撓性とされたシート状の本体部3を備えている。本体部3の材料としては、例えばシリコーンゴムやビニール等の樹脂を用いることができる。なお、本体部3の材料としては、樹脂に限らず紙製や他の材料を用いても良い。本体部3は、長手方向における一端3aと他端3bが中央3cよりも幅広とされたひょうたん型の形状とされている。
【0028】
図3に示すように、本体部3は、中央3cの折り返し部5にて曲げて折り返すことができるようになっている。なお、折り返し部5は仮想上の位置であって、物理的に折れ線等が設けられているわけではない。
【0029】
図1に示すように、本体部3の一端3a側には、第1帯部10aが設けられている。第1帯部10aは、本体部3の外側表面3dに対して固定されている。具体的には、第1帯部10aの幅方向(図1において上下方向)における両端が縫合や接着等によって固定されている。図3に示すように、第1帯部10aは、幅方向における中央部が隆起して、本体部3の外側表面3dに対して空間が形成されるようにアーチ状に設けられている。第1帯部10aと本体部3の外側表面3dとの間に形成された空間は、スリッパのように、本体部3の中央3c側から一端3a側の先端に向かう方向にしたがって狭くなるように(換言すると第1帯部10aの高さが低くなるように)形成されている。第1帯部10aと本体部3の外側表面3dとの間に形成された空間は、例えばユーザの親指が挿入できる大きさとなっている。
【0030】
本体部3の他端3b側には、第2帯部10bが設けられている。第2帯部10bは、第1帯部10aと同形状であり、中央3cに関して対称に設けられている。したがって、第1帯部10aの中央3c側の位置と中央3cとの第1距離L1と、第2帯部10bの中央3c側の位置と中央3cとの第2距離L2とは、同じ寸法とされている。すなわち、L1=L2の関係とされている。第2帯部10bと本体部3の外側表面3dとの間に形成された空間は、第1帯部10aによって形成された空間と同形状とされており、例えばユーザの中指又は人差し指が挿入できる大きさとなっている。
【0031】
図2に示すように、本体部3の裏面である内側には、複数の磁石7a,7bが設けられている。具体的には、一端3a側に第1磁石7aが設けられ、他端3b側に第2磁石7bが設けられている。なお、磁石の個数は2つに限定されるものではなく、両端のそれぞれに2つ以上設けても良い。
【0032】
各磁石7a,7bは、永久磁石とされており、例えばネオジム磁石が用いられる。一対の磁石7a,7bは、図3に示すように、本体部3が折り返し部5で折り曲げられて磁石7a,7b同士が対向するように位置した場合に、磁石7a,7bによる引力が働くように極性が定められている。
【0033】
第1磁石7aは、第1帯部10aに対応する位置に設けられている。具体的には、第1帯部10aの裏側に第1磁石7aが位置している。第1磁石7aの位置は、好ましくは、第1帯部10aにユーザの親指が挿入された場合に、親指の腹が当たる位置とされている。
【0034】
第2磁石7bは、第2帯部10bに対応する位置に設けられている。具体的には、第2帯部10bの裏側に第2磁石7bが位置している。第2磁石7bの位置は、好ましくは、第2帯部10bにユーザの中指又は人差し指が挿入された場合に、中指又は人差し指の腹が当たる位置とされている。
【0035】
次に、上述したマグネットクリップ1の使用方法について説明する。
図4に示すように、第1帯部10aによって形成された空間に親指を挿入し、第2帯部10bによって形成された空間に中指を挿入する。このときに、マグネットクリップ1は折り返し部5を境にして内側に折り曲げられている。このようにして、親指と中指を動かして第1磁石7aと第2磁石7bとを接近離間させることによってマグネットクリップ1を片手で操作する。
【0036】
そして、図5に示すように、マグネットクリップ1を用いてマスク(対象物)12をTシャツ(衣服)14の裾に固定する。マスク12は、ユーザの口に当たるフィルタ部12aと、ユーザの耳に引っ掛ける耳かけ部12bとを備えている。このマスク12のフィルタ部12aの内側面(口に当たる面)を内側にして半分に折り畳み、マグネットクリップ1を耳かけ部12bによって形成された開口に挿入する。そして、折り畳んだフィルタ部12aとTシャツ14の裾を重ね合わせた上で、マグネットクリップ1の第1磁石7aと第2磁石7bとで挟んでマスク12を固定する。
【0037】
以上の通り、本実施形態によれば以下の作用効果を奏する。
可撓性を有するシート状の本体部3の両端に第1磁石7aと第2磁石7bが設けられている。本体部3の長手方向における中央3cの折り返し部5を内側に曲げて折り返すことによって、第1磁石7aと第2磁石7bとを対向させて互いに吸着させることでてクリップを行うことができる。
【0038】
第1磁石7aに対応する位置には、本体部3の外側表面3dに対して指が挿入可能な空間を形成する第1帯部10aが設けられ、第2磁石7bに対応する位置には、本体部3の外側表面3dに対して指が挿入可能な空間を形成する第2帯部10bが設けられている。これにより、ユーザは、第1帯部10aに親指を挿入し、かつ第2帯部10bに中指や人差し指を挿入することによって、片手で第1磁石7aと第2磁石7bとを接近離間させることができる。したがって、片手による簡便な操作でマスク12などの対象物をTシャツ14の裾などの所定の固定位置に固定できる。
【0039】
第1帯部10a及び第2帯部10bと本体部3の外側表面3dとの間に形成された空間が、本体部3の中央3c側から先端側に向かう方向にしたがって狭くなるように形成されている。すなわち、帯部10a,10bと本体部3の外側表面3dとの間の空間に指を挿入する際に、挿入する側ほど空間が大きくなるようになっている。これにより、指が挿入しやすくなるだけでなく、指が奥に行くほど空間が狭くなるので挿入後の指を確実に保持することができる。
【0040】
マグネットクリップ1とマスク12とを組み合わせてマスクセットとして用いることで、マグネットクリップ1を用いてマスク12を所定の固定位置に適宜固定することができる。これにより、マスク12を紛失することを可及的に防止できる。
【0041】
マスク12のフィルタ部12aの内側面(ユーザの口に当たる面)を内側にして折り畳んだ状態で固定することができるので、衛生的にマスク12を固定することができる。
【0042】
マスク12の耳かけ部12bによって形成された開口にマグネットクリップ1を挿入してマスク12のフィルタ部12aを固定することとしたので、コンパクトにマスク12を固定することができる。
【0043】
なお、上述した実施形態では、帯部10a,10bをアーチ形状に形成して本体部3の外側表面3dとの間に指の挿入前から空間を形成する構成として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、第1帯部10a及び第2帯部10bは、本体部3の外側表面3dとの間に空間が形成可能とされていれば良い。例えば、帯部10a,10bをゴム等で形成し、指の挿入前は本体部3の外側表面に対して帯部が接するか或いはやや離れた状態とし、指を挿入することによって帯部10a,10bを押し広げて指が挿入する空間を形成するようにしても良い。
【0044】
上述した実施形態では、図1に示したように、第1帯部10aと中央3cとの第1距離L1と、第2帯部10bと中央3cとの第2距離L2とを同じ寸法とした(L1=L2)が、以下のように変形することができる。
例えば、親指が挿入される第1帯部10aと中央3cとの第1距離L1を、中指又は人差し指が挿入される第2帯部10bと中央3cとの第2距離L2よりも小さくしても良い(L1<L2)。これにより、親指を第1帯部10aに挿入し、中指や人差し指を第2帯部10bに挿入する場合に、親指は中指や人差し指よりも短いので、第1帯部10aに親指を挿入しやすくすることができる。
【0045】
また、中指や人差し指よりも親指の方が太いので、親指が挿入される第1帯部10によって形成される空間を、中指又は人差し指が挿入される第2帯部10bによって形成される空間よりも大きくしても良い。
【0046】
また、マグネットクリップ1によって固定されるマスク12等の対象物の固定位置は、Tシャツの裾に限定されるものではなく、ポケットや他の部分であっても良いし、衣服に限らず壁などの他の固定位置であってもクリップ止めできる位置であれば良い。
【0047】
マグネットクリップ1によって固定される対象物としてマスク12を一例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ハンカチ等であっても良い。
【符号の説明】
【0048】
1 マグネットクリップ
3 本体部
3a 一端
3b 他端
3c 中央
3d 外側表面
5 折り返し部
7a 第1磁石
7b 第2磁石
10a 第1帯部
10b 第2帯部
12 マスク(対象物)
12a フィルタ部
12b 耳かけ部
14 Tシャツ(衣服)
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021-03-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項3】
前記第1帯部の前記本体部の前記中央側の位置と該本体部の該中央の距離は、前記第帯部の前記本体部の前記中央側の位置と該本体部の該中央の距離よりも小さい請求項1又は2に記載のマグネットクリップ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
さらに、本発明の一態様に係るマグネットクリップでは、前記第1帯部の前記本体部の前記中央側の位置と該本体部の該中央の距離は、前記第帯部の前記本体部の前記中央側の位置と該本体部の該中央の距離よりも小さい。