(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082055
(43)【公開日】2022-06-01
(54)【発明の名称】遊技機管理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220525BHJP
【FI】
A63F7/02 333
A63F7/02 352F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020193387
(22)【出願日】2020-11-20
(71)【出願人】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】牧 悠平
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA13
2C088CA35
(57)【要約】
【課題】遊技客によるレート選択が可能な遊技機を設置した遊技店において、遊技客に対して希望したレートで遊技可能な遊技機が空いたことを通知できるようにする。
【解決手段】機種の遊技機に併設された台間機2Aは、遊技客による低レートへのレート変更操作の入力に応じてレート変更要求通知を生成し、管理装置3へ送信する(ステップS1~S2)。管理装置3はレート変更要求通知を受信し、レート変更が可能か否かを判定し、レート変更不可通知を送信する(ステップS21~S23)。管理装置3は、その後、要求されたレートに空きが発生すると(ステップS27:YES)、遊技客が遊技中の機種Bの遊技機に併設された台間機2Bに空きが発生したことを通知する(ステップS29)。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技客によるレート選択が可能な複数の遊技機を管理する遊技機管理システムであって、
レート毎の前記遊技機の設定数を記憶する設定数記憶手段と、
レート毎の前記遊技機の稼働数を記憶する稼働数記憶手段と、
遊技客による所定操作の入力を受け付ける操作手段と、
前記操作手段からの前記遊技客によるレート選択操作の入力に応じて、前記設定数及び稼働数に基づき、レート選択が可能か否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によりレート選択が不可能と判定されたとき、当該選択が不可能であることを表す第1の情報を表示する第1の表示手段と、
前記第1の表示手段により第1の情報が表示された後に、前記稼働数の減少により、前記判定手段によりレート選択が可能と判定されたとき、前記選択が可能であることを表す第2の情報を表示する第2の表示手段と、
を有する遊技機管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載された遊技機管理システムにおいて、
前記第2の表示手段は、前記第1の情報の表示に対して、前記操作手段から前記第2の情報の表示を希望する操作が入力されたことを条件として、前記第2の情報の表示を行う遊技機管理システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された遊技機管理システムにおいて、
前記第1の表示手段により第1の情報が表示された後に、前記稼働数の減少により、前記判定手段によりレート選択が可能と判定されたとき、当該レート選択が可能なことを表す情報を、前記レート選択操作を入力した遊技客の識別情報に紐付けて保持する手段を有する遊技機管理システム。
【請求項4】
請求項3に記載された遊技機管理システムにおいて、
前記保持の開始から所定時間経過した時に前記保持した情報を解放する手段を有する遊技機管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機管理システムに関し、より詳しくは、遊技客に対して希望したレートで遊技可能な遊技機が空いたことを通知する機能を有する遊技機管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店等の遊技店で使用される遊技機として、内部に封入された複数の弾球を循環させて使用する封入型遊技機が知られている(特許文献1)。封入型遊技機においては、遊技客は、複数のレートの中から選択操作により好みのレートを選択することができる。レートとは玉貸しにおいて遊技客に提供される遊技球の単価(4円、2円、1円等)を意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技店を運営する事業者は、売上を考慮して、低レート(1円レートなどの相対的に単価の低いレート)を許容する遊技機の台数や比率を制限することが考えられる。しかし、低レートを許容する遊技機の台数や比率を制限すると、低レートでの遊技を希望した客が希望した遊技をできないことから、遊技をせずに帰ってしまったり、気持ち良く遊技できなかったりすることが想定される。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技客によるレート選択が可能な遊技機を設置した遊技店において、遊技客に対して希望したレートで遊技可能な遊技機が空いたことを通知できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、遊技客によるレート選択が可能な複数の遊技機を管理する遊技機管理システムであって、レート毎の前記遊技機の設定数を記憶する設定数記憶手段と、レート毎の前記遊技機の稼働数を記憶する稼働数記憶手段と、遊技客による所定操作の入力を受け付ける操作手段と、前記操作手段からの前記遊技客によるレート選択操作の入力に応じて、前記設定数及び稼働数に基づき、レート選択が可能か否かを判定する判定手段と、前記判定手段によりレート選択が不可能と判定されたとき、当該選択が不可能であることを表す第1の情報を表示する第1の表示手段と、前記第1の表示手段により第1の情報が表示された後に、前記稼働数の減少により、前記判定手段によりレート選択が可能と判定されたとき、前記選択が可能であることを表す第2の情報を表示する第2の表示手段と、を有する遊技機管理システムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、遊技客によるレート選択が可能な遊技機を設置した遊技店において、遊技客に対して希望したレートで遊技可能な遊技機が空いたことを通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る遊技機管理システムを含む遊技システムのシステム構成及び概略動作を示す図である。
【
図4】管理装置の制御構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る遊技機管理システムの動作の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
〈遊技システムの構成及び概略動作〉
図1は、本発明の実施形態に係る遊技機管理システムを含む遊技システムのシステム構成及び概略動作を示す図である。
【0010】
この遊技システム100は、n台(ここではnは3以上の整数)の遊技機1-1,1-2,・・・,1-n、n台の台間機2-1,2-2,・・・,2-n、管理装置3、及びネットワークNWを備えており、n台の台間機2-1,2-2,・・・,2-n、管理装置3、及びネットワークNWが遊技機管理システムを構成している。
【0011】
遊技機1-1,1-2,・・・,1-nは、遊技客によるレート選択が可能な遊技機であり、例えば封入型のパチンコ台やスロットマシンである。台間機2-1,2-2,・・・,2-nは、それぞれ遊技機1-1,1-2,・・・,1-nに隣接して併設され、遊技客が遊技機1-1,1-2,・・・,1-nにおいて遊技をする際に遊技機1-1,1-2,・・・,1-nを監視する装置である。管理装置3は、遊技店の店内に配置されたサーバである。以下、遊技機1-1,1-2,・・・,1-nを区別しない場合は遊技機1と言い、台間機2-1,2-2,・・・,2-nを区別しない場合は台間機2と言う。
【0012】
遊技機1と台間機2とは、互いの接続部を介して接続されており、それらの接続部を介してデータ通信可能である。また、台間機2と管理装置3とはLAN等のネットワークNWを介してデータ通信可能である。
【0013】
遊技機1は、台間機2に対して、内部に記憶されている遊技機1の機種情報を送信する。また、遊技機1は、遊技客の遊技に伴い生成される遊技機1の動作を表す遊技情報、例えば、役物動作、回転数(入賞口に入った数)、当り(大当り/小当り/なし等)を表す情報を台間機2へ送信する。
【0014】
台間機2は、内部に記憶されている台間機2の識別情報としての台間機番号、遊技機1から受信した機種情報、及び遊技客が所持する会員カードから読み取った遊技客識別情報としてのカードIDをネットワークNW経由で管理装置3へ送信する。これらの情報が管理装置3へ送信されることで、遊技機1はログイン状態となり、遊技客は遊技機1を利用して遊技することが可能になる。
【0015】
また、台間機2は、遊技機1から受信した遊技情報をネットワークNW経由で管理装置3へ送信する。さらに、台間機2は、遊技客によるレート選択操作の入力に応じて、レート選択要求通知を生成し、管理装置3へ送信する。
【0016】
管理装置3は、台間機2から受信した機種情報とレート情報を紐付けて保存する。また、管理装置3は、台間機2から受信した遊技情報に基づき生成した遊技履歴情報をカードIDに紐付けて保存する。遊技履歴情報の詳細については具体例を用いて後述する。
【0017】
また、管理装置3は、台間機2からレート選択要求通知を受信したとき、要求されたレート選択が可能な否かを判定し、可能な場合はレート選択許可通知を送信し、不可能な場合はレート選択不可通知を送信する。また、管理装置3は、レート選択不可通知を送信した後、選択を要求されたレートに空きが発生したとき、レート空き通知を台間機2へ送信する。これら動作の詳細については、
図5を参照して後述する。
【0018】
なお、遊技客は、遊技開始時及び遊技途中でレート選択操作が可能である。ただし、遊技途中のレート選択は、遊技開始時に選択したレートの変更であるため、遊技途中のレート選択については、以下の説明では、レート選択操作、レート選択要求通知、レート選択許可通知、レート選択不可通知を、それぞれ、レート変更操作、レート変更要求通知、レート変更許可通知、レート変更不可通知と言う。
【0019】
〈遊技機の制御構成〉
図2は遊技機の制御構成を示すブロック図である。
遊技機1は、制御部10と、それぞれ制御部10に接続された操作部11、玉/メダル処理部12、演出部13、記憶部14、スピーカ部15、セグメント表示部16、及び台間機接続部17を備えている。
【0020】
制御部10は、記憶部14に記憶されたプログラムを処理することにより、各部の動作を制御し、遊技機1を動作させるプロセッサ(CPU)である。操作部11は、ハンドル、ボタン、レバーなどによって構成されており、遊技客によって操作される。玉/メダル処理部12は遊技球/メダルの入出を処理する。演出部13は、遊技機1の遊技盤、台枠、液晶画面や操作部11に設けられており、音声、振動、役物の動作、液晶画面の表示などの演出を行う。
【0021】
記憶部14は、ROM、RAMなどからなり、演出プログラム、遊技機1の識別情報としての機種情報、制御部10による抽選結果の経過などが記憶される。スピーカ部15は、演出の一環として音声を発生する。セグメント表示部16は、LEDによって構成されており、制御部10によって行われる大当りなどの抽選結果を表示する。台間機接続部17は、台間機2との接続のためのインタフェースである。
【0022】
〈台間機の制御構成〉
図3は台間機の制御構成を示すブロック図である。
図示のように、台間機2は、制御部20、それぞれ制御部20に接続された記憶部21、通信部22、遊技機接続部23、操作部24、表示部25、及びカード挿入部26を有する。
【0023】
制御部20は、記憶部21に記憶されたプログラムを処理することにより、通信制御部201、遊技制御部202、操作制御部203、表示制御部204及びカード制御部205として機能する。これらの各部の詳細については後述する。
【0024】
記憶部21は、ROM、RAMなどからなり、制御部20により処理される各種プログラムやデータが記憶される。通信部22は、管理装置3との間で情報を送受信するための通信インタフェースであり、例えばLANコントローラを含む。遊技機接続部23は、遊技機1と連動するためのインタフェースを含んでいる。
【0025】
操作部24は、遊技客が操作を行うためのデバイスとして、例えば操作ボタンを有し、本発明に係る操作手段として機能する。操作部24は、表示部25に重ねて設けられたタッチパネルを有してもよい。表示部25は、例えば液晶ディスプレイであり、遊技客に通知する各種の情報を表示し、本発明に係る第1の表示手段、第2の表示手段として機能する。カード挿入部26は、挿入された遊技客の会員カードや遊技用カードを処理する。
【0026】
通信制御部201は、通信部22を介して管理装置3との間でデータ通信を行う。遊技制御部202は、遊技機接続部23を介して、遊技機1との間でデータ通信を行うことで遊技機1を監視する。
【0027】
操作制御部203は、操作部24において行われた操作内容を示す情報を操作部24から取得し、取得した情報に基づいて、操作内容に関連する制御部20の各部に操作内容を通知する。表示制御部204は、表示部25に各種の情報を表示させる。
【0028】
カード制御部205は、カード挿入部26に挿入された記憶媒体であるカードから情報を読み出したり、カードに情報を書き込んだりする。
【0029】
〈管理装置の制御構成〉
図4は管理装置の制御構成を示すブロック図である。
図示のように、管理装置3は、制御部30と、それぞれ制御部30に接続された記憶部31、操作部32、表示部33、及び通信部34を有する。
【0030】
制御部30は、例えばCPUであり、記憶部31に記憶されたプログラムを実行することにより、管理装置3全体を制御する。本実施形態では、制御部30は判定手段としても機能する。判定手段の詳細については、
図5を参照して後述する。
【0031】
記憶部31は、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶媒体である。そして、ROMには管理装置3を動作させるために必要な制御プログラムや固定データなどが記憶されている。また、RAMには制御部30が実行中のプログラムや、それらの実行に必要なデータなどが記憶される。また、ハードディスクには大容量の情報が記憶される。ここでは、記憶される情報として、遊技機1の稼働情報311及び遊技履歴情報312を図示した。稼働情報311及び遊技履歴情報312の内容については後述する。
【0032】
操作部32は、例えばキーボード及びマウスのように、ユーザ(遊技店の店員等)の操作を受け付けるデバイスである。表示部33は、操作部32から入力された情報や台間機2から取得した情報等を表示するディスプレイである。
【0033】
通信部34は、ネットワークNWを介して台間機2との間でデータを送受信するための通信インタフェースであり、例えばLANコントローラにより構成されている。
【0034】
稼働情報311は、レート毎の設定数(最大利用可能数)と稼働数(利用数)とを機種情報に紐付けたものである。つまり、稼働情報は、機種毎のレート毎の設定数及び稼働数を表す情報である。なお、この設定数は遊技店の管理者や店員により設定される。また、稼働数は、例えば、レート選択許可通知を送信した数であり、遊技終了後に会員カードが排出された信号受信に伴い、稼働数から減算した値である。ここでは、機種Aについては、4円レートの設定数が80台、稼働数が70台、1円レートの設定数が20台、稼働数が20台である。つまり、4円レートについてはさらに10台の利用(遊技客による選択)が可能であるが、1円レートについては新たな利用は不可能である。機種B、機種Cについても同様である。なお、以下の説明において、4円レートを高レート、1円レートを低レートと言うことがある。
【0035】
遊技履歴情報312は、カードID毎、換言すれば遊技客毎の遊技の履歴をイベント(遊技開始、遊技終了等)発生の時刻情報に紐付けたものである。ここでは、カードIDが101001の遊技客について、17時10分に機種Aで1円レートの遊技が不可(4円レートから1円レートへのレート変更要求通知に対してレート変更不可通知を送信)となり、17時16分に機種Bで1円レートの遊技を開始したことが記憶され、カードIDが101002の遊技客について、10時00分に機種Aで4円レートの遊技を開始し、14時00分にその遊技を終了したことが記憶された状態を表している。
【0036】
〈遊技機管理システムの動作〉
図5は遊技機管理システムの動作の流れの一例を示す図である。この動作は、遊技客が高レートで稼働中の遊技機1に併設された台間機2の操作部24から低レートへのレート変更操作を入力した際、換言すれば、遊技客が高レートを選択して遊技を開始し、その途中で低レートへの変更操作を入力した際の動作の一例である。なお、この図において、台間機2Aは機種Aの遊技機に併設されている台間機であり、台間機2Bは機種Bの遊技機に併設されている台間機である。以下、
図5及び
図4を参照して説明する。
【0037】
機種Aの遊技機は高レートで稼働しており、遊技客は低レートで遊技をするため、レート変更操作を操作部24から入力する。遊技客によるレート変更操作が台間機2Aに入力されると(ステップS1)、台間機2Aは管理装置3へレート変更要求通知を送信する(ステップS2)。このレート変更要求通知には、台間機2Aに併設されている遊技機から取得したその遊技機1の機種情報(ここでは機種A)、自身の識別情報としての台間機番号、及び遊技客の会員カードから読み取ったカードID(ここでは101001とする。)が付加されている。
【0038】
管理装置3は、レート変更要求通知を受信し(ステップS21)、レート変更要求が可能か否かを判定する(ステップS22)。この判定は以下の手順で行う。制御部30は、稼働情報311を参照し、レート変更要求に付加されている遊技機の機種である機種Aの1円レートの利用数に空きがあればレート変更可能、空きがなければレート変更不可能と判定する。
【0039】
ここでは、機種Aの稼働情報311は
図4に示されているものとする。つまり、1円レートについては利用可能数が20台、稼働数が20台である。したがって、4円レートに設定されている遊技機の遊技客が1円レートへの変更操作を行った場合、管理装置3はレート変更不可と判定し、判定結果としてレート変更不可通知を台間機2Aへ送信する(ステップS23)。そして、遊技客が機種Aの遊技機で低レートの利用ができなかったことを遊技履歴情報312として保存する(ステップS24)。下記の表1に保存された遊技履歴情報312を示す。
【0040】
【0041】
台間機2Aは、レート変更不可通知を受信し(ステップS3)、表示し(ステップS4)、この図に示されている処理を終了させる。
【0042】
遊技客は、レート変更不可通知の表示により機種Aの遊技機で低レートの遊技ができないことを知ると、機種Bの遊技機へ移動し、低レートで遊技を開始する(ステップS11)。すなわち、図示を省略したが、台間機2Bと管理装置3との間で、ステップS1、S2、S21、S22、S23、S3と同様の手順により、遊技客による低レートのレート選択操作の入力、台間機2Bによるレート選択要求通知の送信、管理装置3によるレート選択要求通知の受信、管理装置3によるレート選択可/不可の判定、管理装置3によるレート選択許可通知の送信、台間機2Bによるレート選択許可通知の受信の後、遊技客が低レートで遊技を開始する。
【0043】
台間機2Bは遊技開始通知を管理装置3へ送信する(ステップS12)。この遊技開始通知は、併設されている機種Bの遊技機で遊技客が遊技を開始したことに伴い、例えば遊技機から台間機2に最初に送信される遊技情報により生成される。管理装置3は、遊技開始通知を受信し(ステップS25)、遊技客が機種Bの遊技機で低レートでの遊技を開始したことを遊技履歴情報312として保存する(ステップS26)。ステップS26の実行により遊技履歴情報312は下記の表2に示されているものとなる。なお、遊技開始通知に代えて遊技中通知を用いてもよい。
【0044】
【0045】
その後、管理装置3は、稼働情報311を定期的に参照し、機種Aの遊技機の低レートに空きが判定したか否かを判定する処理を空きが発生したと判定するまで繰り返す(ステップS27:NO→ステップS27)。そして、空きが発生したと判定したら(ステップS27:YES)、機種Aの遊技機1の低レートに空きが発生したことを保持する(ステップS28)。より詳しくは、例えば、機種Aの遊技機1の低レートに空きが発生したことを表す情報をステップS21で受信した遊技客のカードIDに紐付けて記憶部31に記憶する。機種Aの遊技機1の低レートに空きが発生したことを表す情報をステップS26で保存した遊技履歴情報312に付加してもよい。
【0046】
ここで、機種Aの遊技機の低レートに空きが発生したことは、機種Aの遊技機の低レートの稼働数が減少したことにより判定する。すなわち、例えば、機種Aの遊技機の稼働情報が、
図4に示されている稼働情報311における1円レートの稼働数である「20」から下記の表3に示されている「19」に減少したことにより判定する。
【0047】
【0048】
次に管理装置3は、台間機2B、すなわちカードIDが101001の会員カードを有する遊技客が低レートで遊技中の遊技機1に併設されている台間機2に対して、機種Aの遊技機の低レートに空きが発生したことの通知(以下、「機種A低レート空き通知」)を送信する(ステップS29)。
【0049】
台間機2Bは、「機種A低レート空き通知」を受信し(ステップS13)、表示し(ステップS14)、この図に示されている処理を終了させる。遊技客は、上記の表示を見ることで、機種Aの遊技機の低レートに空きが発生したこと、換言すれば、機種Aの遊技機を低レートで遊技可能になったことを知ることができる。
【0050】
次に管理装置3は、機種Aの遊技機の低レートに空きが発生したことを保持してから所定時間内にカード番号101001の遊技客が機種Aの遊技機にて低レートで遊技を開始したか否かを判定する(ステップS30)。
【0051】
そして、開始しなかったと判定した場合は(ステップS30:NO)、保持していた機種Aの低レートの空きを解放してから(ステップS31)、この図に示されている処理を終了させ、開始したと判定した場合は(ステップS30:YES)、そのままこの図に示されている処理を終了させる。
【0052】
つまり、空きが発生したことを保持してから所定時間内はカード番号101001の遊技客が、機種Aの遊技機の低レートでの利用を予約したことになっており、所定時間内に遊技を開始しなかった場合は、その予約が取り消されることになる。
【0053】
なお、以上の
図4及び
図5等を参照して説明したレート変更要求に関する手順は高レートから低レートへ変更要求が不可能な場合の例であるが、例えば1円レートから2円レートへの変更要求、2円レートから4円レートへの変更要求等、相対的に低いレートから高いレートへ変更要求が不可能な場合も同様の手順となる。
【0054】
以上詳細に説明したように、本発明の実施形態に係る遊技機管理システムには下記(1)~(2)の効果がある。
(1)遊技客が希望した機種とレート(以下、希望した条件)で遊技可能な遊技機に空きがない状態から空きがある状態に変化したことを遊技客に通知することができる。
(2)希望した条件を満たす遊技機に空きがなかったことで、希望した条件で遊技できなかった遊技客は、希望した条件を満たす遊技機に空きが発生した時刻から所定時間はその遊技機の利用が予約されているので、希望した条件を満たす遊技機を優先的に利用することができる。
【0055】
なお、本発明には上記実施形態に加えて下記(1)~(4)の変形例がある。
(1)希望した条件で遊技できなかった遊技客が複数の場合、遊技履歴が古い(遊技開始時刻が早い)順ではなく、希望したレートに応じて、通知する順番(予約優先度)を設定する。下記の表4にその一例を示す。
【0056】
【0057】
この表の場合、遊技履歴の古いカードID:101001の遊技客ではなく、希望したレートの高いカードID:101002の遊技客に優先して通知(予約)する。希望したレートの高い遊技客に優先的に案内できるので遊技店の利益率を高めることができる。
【0058】
(2)「機種A低レート空き通知」を希望した遊技客に対してのみ通知を行う。すなわち、例えば、ステップS4の後に、遊技客が低レートで遊技可能な機種Aの遊技機に空きが発生したことの通知(表示)の要求を台間機2Aで入力し、管理装置3がその要求の通知を受信したこと、又はステップS11の前に上記の要求を遊技客が台間機2Bで入力し、管理装置3がその要求の通知を受信したことを条件として、管理装置3がステップS28以降を実行する。「機種A低レート空き通知」を希望した遊技客に対してのみ通知を行うことで、通知の希望の有無にかかわらず通知する場合と比べて通知の送信数を低減することができる。
(3)高レートの稼働率が所定値(例えば90%)以上の場合は「機種A低レート空き通知」を送信しない。このように処理することで、高レートで稼働している遊技機の稼働率の低下を抑えることができるので、遊技店の利益率を高めることができる。
(4)複数の遊技店の遊技機管理システムを公衆通信ネットワークで接続し、管理装置3は全遊技店の稼働情報を参照して、希望した条件で遊技可能な遊技店を遊技客の携帯端末や台間機2に通知する。このように処理することで、遊技客の数の分散による過密の回避が期待できる。
【符号の説明】
【0059】
1…遊技機、2…台間機、3…管理装置、24…操作部、30…制御部、31…記憶部、100…遊技システム、311…稼働情報、312…遊技履歴情報。