(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082093
(43)【公開日】2022-06-01
(54)【発明の名称】セパレータ支持用ブラケット、バスケット及び可搬式冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 25/00 20060101AFI20220525BHJP
B65D 25/04 20060101ALI20220525BHJP
【FI】
F25D25/00 E
B65D25/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020193455
(22)【出願日】2020-11-20
(71)【出願人】
【識別番号】000253075
【氏名又は名称】澤藤電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002192
【氏名又は名称】特許業務法人落合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀中 博文
(72)【発明者】
【氏名】岡田 伶
【テーマコード(参考)】
3E062
【Fターム(参考)】
3E062AA01
3E062AB14
3E062BB03
3E062BB09
3E062EA03
3E062EB02
3E062EC01
(57)【要約】
【課題】既存のバスケットにセパレータを簡単に支持することができるセパレータ支持用ブラケットを提供すること
【解決手段】複数の縦ワイヤー21と横ワイヤー22を備えたバスケット20の内部を仕切るセパレータ30をバスケット20に支持するためのセパレータ支持用ブラケット1は、バスケット20の縦ワイヤー21の1つを通すための上下方向の第1の溝2が外面に形成され、セパレータ30の幅方向端縁を差し込むための上下方向の第2の溝3が内面に形成されている。ここで、セパレータ支持用ブラケット1には、バスケット20の横ワイヤー22に挿通保持される(引っ掛けられる)保持部4が設けられている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の縦ワイヤーと横ワイヤーを備えたバスケットの内部を仕切るセパレータを前記バスケットに支持するためのブラケットであって、
前記バスケットの前記縦ワイヤーの1つを通すための上下方向の第1の溝が外面に形成され、
前記セパレータの幅方向端縁を差し込むための上下方向の第2の溝が内面に形成されていることを特徴とするセパレータ支持用ブラケット。
【請求項2】
前記バスケットの前記横ワイヤーに挿通保持される保持部を備えることを特徴とする請求項1に記載のセパレータ支持用ブラケット。
【請求項3】
前記保持部は、前記第1の溝の左右両側にそれぞれ形成され、各保持部には逆L字状に屈曲する一対のフック部がそれぞれ形成され、前記一対のフック部の間には、前記バスケットの横ワイヤーの1つが挿通するための空間が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のセパレータ支持用ブラケット。
【請求項4】
前記フック部の内面の同一高さ位置には、抜け防止用の突起がそれぞれ突設されていることを特徴とする請求項3に記載のセパレータ支持用ブラケット。
【請求項5】
前記第2の溝が形成された内面に、前記セパレータの幅方向両端縁を差し込むための横方向の第3の溝が形成されていることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載のセパレータ支持用ブラケット。
【請求項6】
前記保持部と前記第3の溝は、上下方向において異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項5に記載のセパレータ支持用ブラケット。
【請求項7】
複数の縦ワイヤーと横ワイヤーを備えたバスケットであって、
請求項1~6の何れかに記載のセパレータ支持用ブラケットで支持されたセパレータによって内部が仕切られていることを特徴とするバスケット。
【請求項8】
請求項7に記載のバスケットを内部に収容することを特徴とする可搬式冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バスケット内を仕切るセパレータを支持するためのセパレータ支持用ブラケット、セパレータによって内部が仕切られたバスケット及び該バスケットを内部に収容する可搬式冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
車載用或いは携帯用の可搬式冷蔵庫は、今までに種々提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。この可搬式冷蔵庫は、通常の固定式冷蔵庫と同様に、コンプレッサ、コンデンサ、膨張弁及びエバポレータを閉ループ回路で接続し、この閉ループを状態変化しながら循環する冷媒がエバポレータにおいて蒸発する際に周囲から奪う蒸発潜熱によって庫内を冷却するものである。
【0003】
ところで、斯かる可搬式冷蔵庫には、被冷蔵物を収納するためのバスケットを庫内に着脱(出し入れ)可能に収容したものがあるが、このバスケットを、その内部に収納される被冷蔵物の種類ごとに複数の収納空間に仕切って使用したいというユーザーからの要望がある。このような要望に応えるためには、バスケットを新規に設計し、その一部の形状を変更する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-273846号公報
【特許文献2】特開2015-108496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、バスケットの内部を複数の収納空間に仕切るために該バスケットを新規に設計すると、その製造コストや管理コストが高くなるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、既存のバスケットにセパレータを簡単に支持することができるセパレータ支持用ブラケットと、該セパレータ支持用ブラケットで支持されたセパレータによって内部が複数の収納空間に仕切られたバスケット及び該バスケットを内部に収容する可変式冷蔵庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、複数の縦ワイヤーと横ワイヤーを備えたバスケットの内部を仕切るセパレータを前記バスケットに支持するためのブラケットであって、前記バスケットの前記縦ワイヤーの1つを通すための上下方向の第1の溝が外面に形成され、前記セパレータの幅方向端縁を差し込むための上下方向の第2の溝が内面に形成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記バスケットの前記横ワイヤーに挿通保持される保持部を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記保持部は、前記第1の溝の左右両側にそれぞれ形成され、各保持部には逆L字状に屈曲する一対のフック部がそれぞれ形成され、前記一対のフック部の間には、前記バスケットの横ワイヤーの1つが挿通するための空間が形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記フック部の内面の同一高さ位置には、抜け防止用の突起がそれぞれ突設されていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1~4の何れかに記載の発明において、前記第2の溝が形成された内面に、前記セパレータの幅方向両端縁を差し込むための横方向の第3の溝が形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記保持部と前記第3の溝は、上下方向において異なる位置に配置されていることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、複数の縦ワイヤーと横ワイヤーを備えたバスケットであって、請求項1~6の何れかに記載の前記セパレータ支持用ブラケットで支持されたセパレータによって内部が仕切られていることを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のバスケットを内部に収容することを特徴とする可搬式冷蔵庫であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、一対のセパレータ支持用ブラケットを用いてセパレータを既存のバスケットに簡単に取り付け、該セパレータによってバスケット内を複数の収納空間に仕切ることができる。すなわち、各セパレータ支持用ブラケットの外面に形成された第1の溝にバスケットの縦ワイヤーを通した状態で、該セパレータ支持用ブラケットの内面に形成された第2の溝にセパレータの幅方向端縁を上方から差し込むことによって、該セパレータをセパレータ支持用ブラケットによってバスケットに簡単に支持することができる。そして、セパレータのバスケットへの支持位置を自由に変更することができるため、セパレータによって仕切られるバスケット内の複数の収納空間の容積比率を任意に変更することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、セパレータ支持用ブラケットに形成された保持部にバスケットの横ワイヤーが挿通保持されるため、セパレータ支持用ブラケットの上下方向の位置が保持され、セパレータに対するセパレータ支持用ブラケットの位置ズレが防がれる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、各保持部に形成された一対のフック部の間にバスケットの横ワイヤーの1つが挿通するため、セパレータ支持用ブラケットの高さ位置がバスケットの横ワイヤーの1つによって保持される。そして、セパレータ支持用ブラケットを、その保持部の一対のフック部をバスケットの横ワイヤーの1つに引っ掛けることによってバスケットに簡単に取り付けることができる。また、一対のフック部によってバスケットの横ワイヤーの1つが挟持されるため、セパレータ支持用ブラケットのバスケットからの外れが確実に防がれる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、フック部の内面の同一高さ位置に突設された抜け防止用の突起がバスケットの横ワイヤーの1つに係合するため、セパレータ支持用ブラケットのバスケットからの外れが確実に防がれる。ここで、「同一高さ」とは、フック間の完全に同一高さの位置に突起が設けられている場合に限らず、「ブラケットをバスケットに対してより強固に係合し、第2の溝の上下方向に対する傾きをより低減させ、セパレータをより円滑に挿入する」という突起を設けた趣旨に照らして、一対のフック部に形成される突起が上下方向において1mmより小さい程度の高さの違いがある場合においても、「同一の高さ」に含まれる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、セパレータ支持用ブラケットの第3の溝にセパレータの幅方向端縁を差し込むことによって、該セパレータを水平に支持することができるため、バスケットの内部がセパレータによって上下に仕切られる。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、保持部と第3の溝を上下方向において異なる位置に配置したため、保持部によってバスケットに対する上下位置が保持されたセパレータ支持用ブラケットの第3の溝にセパレータを水平に差し込む際、ブラケットの保持部が形成されていない部位のバスケットに対するガタツキが防がれる。
【0021】
請求項7及び請求項8に記載の発明によれば、セパレータによって内部が複数の収納空間に仕切られたバスケット及びこれを内部に収容して成る可搬式冷蔵庫の使い勝手が良くなり、ユーザーの利便性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明に係る可搬式冷蔵庫の蓋を開けた状態を示す斜視図である。
【
図2】本発明に係る可搬式冷蔵庫に収納されるバスケットの内部が仕切られていない状態を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施の形態1に係るバスケットの斜視図である。
【
図5】本発明の実施の形態1に係るセパレータ支持用ブラケットを内面側から見た斜視図である。
【
図7】本発明の実施の形態1に係るセパレータ支持用ブラケットを外面側から見た斜視図である。
【
図8】本発明の実施の形態1に係るセパレータ支持用ブラケットで支持されたセパレータによって内部が仕切られたバスケットの平面図である。
【
図9】本発明の実施の形態1に係るセパレータ支持用ブラケットで支持されたセパレータによって内部が仕切られたバスケットの正面図である。
【
図10】本発明の実施の形態1に係るセパレータ支持用ブラケットで支持されたセパレータによって内部が仕切られたバスケットの側面図である。
【
図11】セパレータの位置を変更した状態を示すバスケットの平面図である。
【
図12】セパレータの位置を変更した状態を示すバスケットの正面図である。
【
図13】本発明の実施の形態2に係るセパレータ支持用ブラケットを内面側から見た斜視図である。
【
図14】本発明の実施の形態2に係るセパレータ支持用ブラケットで支持されたセパレータによって内部が仕切られたバスケットの斜視図である。
【
図15】
図14に示すバスケットの内部を仕切った状態を模式的に示す正面図である。
【
図16】本発明の実施の形態2に係るセパレータ支持用ブラケットで支持されたセパレータによって内部が仕切られたバスケットの別形態を示す斜視図である。
【
図17】
図16に示すバスケットの内部を仕切った状態を模式的に示す正面図である。
【
図18】本発明の実施の形態2に係るセパレータ支持用ブラケットで支持されたセパレータによって内部が仕切られたバスケットの別形態を示す斜視図である。
【
図19】
図18に示すバスケットの内部を仕切った状態を模式的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0024】
[可搬式冷蔵庫の基本構成]
先ず、本発明に係る可搬式冷蔵庫の基本構成を
図1及び
図2に基づいて以下に説明する。
【0025】
図1は本発明に係る可搬式冷蔵庫の蓋を開けた状態を示す斜視図、
図2は同可搬式冷蔵庫に収容されるバスケットの内部が仕切られていない状態を示す斜視図である。なお、以下の説明においては、
図1及び
図2に示す矢印方向を図示のようにそれぞれ「左右」、「前後」及び「上下」方向とする。
【0026】
図1に示す可搬式冷蔵庫10は、前後に配置された冷蔵ケース部11Aと機械ケース部11Bとを備えており、冷蔵ケース部11Aには、上方が開口した矩形ボックス状の冷蔵室12が形成されており、この冷蔵室12内には、不図示の被冷蔵物を収納するためのバスケット20が着脱(出し入れ)可能に収容されている。
【0027】
上記冷蔵室12は、周囲が発泡スチロールなどの断熱材によって断熱されており、この冷蔵室12の上面開口部は、上下に回動可能な蓋13によって開閉される。
【0028】
また、前記機械ケース部11Bの内部には、冷凍サイクルを構成する機器の一部、つまり、コンプレッサ(圧縮機)とコンデンサ(凝縮器)及び膨張弁(何れも不図示)が内蔵され、他の機器である不図示のエバポレータ(蒸発器)は、冷蔵ケース部11Aの冷蔵室12内に配置されている。なお、機械ケース部11Bの内部は、不図示の連通孔を介して大気に連通している。
【0029】
前記バスケット20は、
図2に示すように、略U字状に折り曲げられた複数の縦ワイヤー21と矩形枠状に成形された複数の横ワイヤー22を格子状に配列して構成されており、その上面開口部から被冷蔵物を出し入れすることができる。
【0030】
ところで、バスケット20を内部に収容される被冷蔵物の種類ごとに複数の収納空間に仕切って使用したいというユーザーからの要望があることは前述の通りである。
【0031】
そこで、本発明においては、
図2に示す既存のバスケット20をそのまま利用し、例えば
図4に示すように(後述の実施の形態1)、左右一対のセパレータ支持用ブラケット(以下、単に「ブラケット」と称する)1を用いてセパレータ30によってバスケット20の内部を複数の収納空間S1,S2に仕切るようにしたが、その実施形態を以下に説明する。
【0032】
<実施の形態1>
図3は本発明の実施の形態1に係るバスケットの斜視図、
図4はセパレータの斜視図、
図5はブラケットを内面側から見た斜視図、
図6は
図5のA部の矢視6方向の図、
図7はブラケットを外面側から見た斜視図、
図8はセパレータによって内部が仕切られたバスケットの平面図、
図9は同バスケットの正面図、
図10は同バスケットの側面図である。
【0033】
本実施の形態においては、
図3に示すように、既存のバスケッ20の内部が左右一対のブラケット1で支持されたセパレータ30によって前後2つの収納空間S1,S2(
図8及び
図9参照)に仕切られている。
【0034】
ここで、セパレータ30は、
図4に示すように、丸パイプによって矩形状に成形された外枠31の内部を、縦方向に配された複数の縦ワイヤー32と横方向に配された複数の横ワイヤー33によって格子状に区画して構成されている。
【0035】
次に、ブラケット1の構成の詳細を
図5~
図7に基づいて以下に説明する。
【0036】
各ブラケット1は、例えば樹脂によって縦長の矩形棒状に一体成形されており、その外面(バスケット20の外部に臨む面)には、
図7に示すように、バスケット20の縦ワイヤー21の1つが挿通する(縦ワイヤー21の1つに嵌め込まれる)矩形溝状の第1の溝2が上下方向に貫設されている。また、各ブラケット1の内面(バスケット20の内部に臨む面)には、
図5に示すように、垂直に配されたセパレータ30の左右両端縁の一方が上方から差し込まれる第2の溝3が上下方向に貫設されている。
【0037】
また、各ブラケット1の上部には、横方向に延びる保持部4が第1の溝2の両側に該第1の溝2と直交するようにそれぞれ一体に形成されている。ここで、各保持部4は、逆L字状に屈曲する2つのプレート状のフック部4A,4Bを備えており、これらのフック部4A,4Bは、正面視において横方向に互いにオーバーラップしておらず、これらを横方向(
図5の6方向)から見た場合、
図6に示すように、これらのフック部4A,4Bの間には、下方が開口する縦断面矩形の空間Sが形成されている。そして、これらのフック部4A,4Bの各内面の同一高さ位置には、横方向に細長い抜け止め用の突起4a,4bが互いに逆向きにそれぞれ一体に突設されている。
【0038】
以上のように構成されたブラケット1は、以下の要領でバスケット20に取り付けられる。
【0039】
すなわち、
図3に示すように、左右一対のブラケット1は、その第1の溝2をバスケット20の縦ワイヤー21の1つに嵌め込むとともに、保持部4の一対のフック部4A,4Bによって形成された空間S(
図6参照)にバスケット20の横ワイヤー22の1つが挿通するようにして該保持部4を横ワイヤー22の1つに引っ掛ける。このとき、各保持部4の一対のフック部4A,4Bの各内面にそれぞれ突設された抜け防止用の突起4a,4bが当該保持部4の横ワイヤー22からの抜けを阻止するため、各ブラケット1がバスケット20にそれぞれ確実に取り付けられる。
【0040】
上述のように左右一対のブラケット1がバスケット20にそれぞれ取り付けられると、これらのブラケット1の第2の溝3に、垂直に起立したセパレータ30の左右両端縁を上方からそれぞれ差し込むと、該セパレータ30が左右一対のブラケット1によってバスケット20に支持され、バスケット20の内部が前後2つの収納空間S1とS2に仕切られる。このとき、
図8及び
図9に示すように、左右一対のブラケット1をバスケット20の前後方向中央位置に取り付けてセパレータ30もバスケット20の前後方向中央位置に支持すれば、バスケット20の内部が前後に均等に仕切られ、前後の収納空間S1,S2の容積が互いに等しくなる。
【0041】
ところで、左右一対のブラケット1のバスケット20への前後方向の取付位置を変更することによって、セパレータ30のバスケット20への支持位置も前後方向に変更することができ、例えば、
図11の平面図及び
図12の正面図に示すように、ブラケット1とセパレータ30をバスケット20の前側(
図11及び
図12の左側)に移動させることによって、前後の収納空間S1,S2の容積比率を変えることができ、図示例では、後方の収納空間S2の容積の方が前方の収納空間S1の容積よりも大きくなっている。当然ながら、ブラケット1とセパレータ30のバスケット20への取付位置を後方(
図11及び
図12の右方)へ移動させれば、前側の収納空間S1の容積の方が後方の収納空間S2の容積よりも大きくなる。このようにブラケット1とセパレータ30のバスケット20への取付位置を変更することによって、バスケット20の前側の収納空間S1と後側の収納空間S2の容積比率を任意に変更することができる。このため、バスケット20及びこれを備えた可搬式冷蔵庫10に対するユーザーの利便性が高められる。
【0042】
以上のように、本実施の形態では、左右一対のブラケット1を用いてセパレータ30を既存のバスケット20に簡単に取り付け、該セパレータ30によってバスケット20内を複数の収納空間S1,S2に仕切ることができる。すなわち、各ブラケット1の外面に形成された第1の溝2をバスケット20の縦ワイヤー21に嵌め込んだ状態で、該ブラケット1の内面に形成された第2の溝3にセパレータ30の幅方向端縁を上方から差し込むことによって、該セパレータ30をブラケット1によってバスケット20に簡単に支持することができる。そして、セパレータ30のバスケット20への支持位置を自由に変更することができるため、該セパレータ30によって仕切られるバスケット20内の複数の収納空間S1,S2の容積比率を任意に変更することができる。
【0043】
また、ブラケット1に形成された保持部4がバスケット20の横ワイヤー22に引っ掛けられて該ブラケット1がバスケット20に取り付けられるため、当該ブラケット1の上下方向の位置が保持され、セパレータ30に対するブラケット1の位置ズレが防がれる。この場合、各保持部4に形成された一対のフック部4A,4Bの間にバスケット20の横ワイヤー22の1つが挿通するため、ブラケット1の高さ位置がバスケット20の横ワイヤー22の1つによって固定される。そして、ブラケット1を、その保持部4の一対のフック部4A,4Bをバスケット20の横ワイヤー22の1つに引っ掛けることによってバスケット20に簡単に取り付けることができる。この場合、一対のフック部4A,4Bによってバスケット20の横ワイヤー22の1つが挟持されるため、ブラケット1のバスケット20からの外れが確実に防がれる。また、フック部4A,4Bの各内面の同一高さ位置にそれぞれ突設された抜け防止用の突起4a,4bがバスケット20の横ワイヤー22の1つに係合するため、各ブラケット1のバスケット20からの外れが確実に防がれる。
【0044】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2を
図13~
図15に基づいて以下に説明する。
【0045】
図13は本発明の実施の形態2に係るブラケットを内面側から見た斜視図、
図14は同ブラケットで支持されたセパレータによって内部が上下の空間に仕切られたバスケットの斜視図、
図15は同バスケットの内部がセパレータによって仕切られた状態を模式的に示す正面図であり、これらの図においては、
図3~
図12に示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0046】
本実施の形態に係るブラケット1’は、
図5~
図7に示す実施の形態1に係るブラケット1の内面の保持部4の下方に、第2の溝3に直交する第3の溝5を横方向に形成したことを特徴としており、他の構成は前記実施の形態1に係るブラケット1の構成と同じである。ここで、第3の溝5は、水平に配置されたセパレータ30の幅方向両端縁を差し込むための溝であって、この第3の溝5と保持部4とは、上下方向(高さ方向)において異なる位置に配置されている。なお、第3の溝と保持部については、上下方向において、同一の高さに配置しても良い。
【0047】
而して、本実施の形態に係るブラケット1’も前記実施の形態1に係るブラケット1と同じ要領でバスケット20に取り付けられるが、このブラケット1’を用いれば、
図14及び
図15に示すように、バスケット20の内部を水平に支持されたセパレータ30によって上下の収納空間S3とS4に仕切ることができる。
【0048】
また、本実施の形態に係るブラケット1’を用いれば、バスケット20の内部を様々な収納空間に仕切ることができる。ここで、その態様を
図16~
図19に示す。
【0049】
図16はバスケットの内部を仕切る態様を示すバスケットの斜視図、
図17は同バスケットの内部が仕切られた状態を模式的に示す正面図であり、本態様においては、バスケット20の内部が水平なセパレータ30によって上下の収納空間S3,S4に仕切られるとともに、上方の空間S3が垂直な高さの低いセパレータ40によって前後の収納空間S31とS32に仕切られている。
【0050】
また、別の態様を
図18及び
図19に示すが、
図18はバスケットの内部を仕切る別の態様を示すバスケットの斜視図、
図19は同バスケットの内部が仕切られた状態を模式的に示す正面図である。
【0051】
本態様においては、長さの短い水平のセパレータ50と高さの低い垂直のセパレータ40によってバスケット20の内部が隅部の小さな収納空間S5とそれ以外の大きな収納空間S6とに仕切られている。
【0052】
なお、本実施の形態に係るブラケット1’を用いれば、以上説明した態様以外の任意の態様でバスケット20の内部を様々な大きさの複数の収納空間に仕切ることができる。
【0053】
而して、本実施の形態においても、前記実施の形態1と同様の効果が得られるが、本実施の形態では、ブラケット1’の保持部4と第3の溝5とを上下方向において異なる位置に配置したため、保持部4によってバスケット20に対する上下位置が固定されたブラケット1’の第3の溝5にセパレータ30,50を水平に差し込む際、ブラケット1’の保持部4が形成されていない部位のバスケット20に対するガタツキが防がれるという効果が得られる。
【0054】
なお、第1の溝と第2の溝及び第3の溝は、それぞれ、溝の断面形状が四角形であるが、これに限らず、縦ワイヤー及び横ワイヤーが挿通すれば良く、長方形や円形でも良いし、その他の形状でも良い。また、第1の溝と第2の溝及び第3の溝のそれぞれの大きさや形状が異なっていても良い。
【0055】
また、縦ワイヤー及び横ワイヤーの断面形状についても、上記実施形態においては、何れも円形であるが、これに限らず、四角形でも良いし、他の形状でも良い。また、縦ワイヤー及び横ワイヤーの双方共に、ワイヤー間の幅についても同一でなくても良く、部分的にワイヤー間の幅が異なっていても良い。
【0056】
また、上記実施形態において、第1の溝と第2の溝は、例えば、
図3における前後方向において、同一位置に形成されており、対向する位置関係にあるが、これに限らず、第1の溝に対して、第2の溝をオフセットした位置に形成しても良い。
【0057】
また、セパレータについては、ワイヤーにより格子状に形成されているが、これに限らず、(ワイヤーを用いない)板状のセパレータでも良い。また、バスケットについても、縦ワイヤーと横ワイヤーのみによって形成されているものに限らず、ワイヤーを用いない密閉空間を形成する容器であり、その容器の一部に縦ワイヤーと横ワイヤーを備えたものでも良い。
【0058】
ところで、本発明は、以上説明した実施の形態に適用が限定されるものではなく、特許請求の範囲及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0059】
1,1’ セパレータ支持用ブラケット
2 第1の溝
3 第2の溝
4 保持部
4A,4B フック部
4a,4b 抜け止め用の突起
5 第3の溝
10 可搬式冷蔵庫
20 バスケット
21 バスケットの縦ワイヤー
22 バスケットの横ワイヤー
30 セパレータ
40,50 セパレータ
S 空間
S1~S6 収納空間