(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082149
(43)【公開日】2022-06-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び情報処理装置の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G09B 7/12 20060101AFI20220525BHJP
G09B 19/00 20060101ALI20220525BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20220525BHJP
【FI】
G09B7/12
G09B19/00 H
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020193539
(22)【出願日】2020-11-20
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SWIFT
(71)【出願人】
【識別番号】513302020
【氏名又は名称】Co-Growth株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 文平
(72)【発明者】
【氏名】中川西 正成
(72)【発明者】
【氏名】植木 美和
(72)【発明者】
【氏名】高橋 雅也
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
【Fターム(参考)】
2C028BA01
2C028BA02
2C028BB01
2C028BC01
2C028BD02
5L049CC34
(57)【要約】 (修正有)
【課題】学習システムにおいて、設定された問題を活用して繰り返し学習を行わせることができ、設問の手間を削減することと、高い理解度の実現を両立する情報処理装置等を提供すること。
【解決手段】基本問題と、基本問題に関連する確認問題とから構成されるカリキュラムを、学習者端末300A,B,Cに提供する学習システムに係る情報処理装置100は、1以上の基本問題を学習者端末へ提供する問題提供部と、学習者端末から、基本問題に対する解答を受信する受信部と、解答の正誤を判定する判定部とを備え、問題提供部は、解答が不正解である基本問題について、出題の態様を変化させた新たな基本問題を学習者端末へ提供し、解答が正解である基本問題について、基本問題に関連する確認問題を学習者端末へ提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基本問題と、前記基本問題に関連する確認問題とから構成されるカリキュラムを、学習者端末に提供する学習システムに係る情報処理装置であって、
1以上の前記基本問題を前記学習者端末へ提供する問題提供部と、
前記学習者端末から、前記基本問題に対する解答を受信する受信部と、
前記解答の正誤を判定する判定部と、
を備え、
前記問題提供部は、
前記解答が不正解である基本問題について、出題の態様を変化させた新たな基本問題を前記学習者端末へ提供し、
前記解答が正解である基本問題について、当該基本問題に関連する確認問題を前記学習者端末へ提供する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記問題提供部は、複数の基本問題から構成される基本問題群を前記学習者端末へ提供し、
前記判定部は、前記基本問題群を構成する基本問題に対する解答の正誤に基づき、前記基本問題に対する解答について所定の第1条件が成立するか否かを判定し、
前記問題提供部は、
前記所定の第1条件が成立しない基本問題群について、出題の態様を変化させた新たな基本問題群を前記学習者端末へ提供し、
前記所定の第1条件が成立する基本問題群について、当該基本問題群と同一分野に関する複数の確認問題から構成される確認問題群を前記学習者端末へ提供する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記問題提供部は、前記新たな基本問題群として、前記学習者端末に提供した基本問題群に含まれる基本問題の出題順序を変化させた基本問題群を提供する、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記基本問題は、複数の選択肢から解答を選択させる選択問題であって、
前記問題提供部は、前記新たな基本問題群として、前記学習者端末に提供した少なくとも一部の基本問題の選択肢を変化させた基本問題群を生成し、前記学習者端末へ提供する、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記所定の第1条件として、前記基本問題群に対する解答の正解率が第1所定数以上であるか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項2~4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記所定の第1条件として、前記基本問題に対する解答のうち、前記基本問題群において予め重要問題として設定された基本問題が正解であるか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項2~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記基本問題は、複数の選択肢から正答肢及び誤答肢のいずれかを選択させる選択問題であって、前記確認問題は、複数の選択肢から正答肢及び誤答肢のいずれかを選択させる選択問題である、
ことを特徴とする請求項2~6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記基本問題は、複数の選択肢から解答を選択する選択問題であって、前記確認問題は、記述式の問題である、
ことを特徴とする請求項2~6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記確認問題は、前記基本問題と比較して難易度の高い問題である、
ことを特徴とする請求項2~8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記受信部は、前記学習者端末から、前記確認問題群を構成する確認問題に対する解答をさらに受信し、
前記判定部は、前記確認問題に対する解答の正誤に基づき、前記確認問題に対する解答について所定の第2条件が成立するか否かをさらに判定し、
前記問題提供部は、前記確認問題に対する解答について前記所定の第2条件が成立しない場合、前記学習者端末に提供した確認問題群について出題の態様を変化させた新たな確認問題群を生成し、前記学習者端末へ提供する、
ことを特徴とする請求項2~9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記判定部は、前記所定の第2条件として、前記確認問題群に対する解答の正解率が、第2所定数以上であるか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項2~10のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記判定部は、前記所定の第2条件として、前記確認問題に対する解答のうち、前記確認問題群において予め重要問題として設定された確認問題が正解であるか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項2~11のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記問題提供部は、前記基本問題に対する解答について前記所定の第1条件が成立する場合、前記基本問題群のうち不正解であった基本問題を含む前記確認問題群を生成する、
ことを特徴とする請求項2~12のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記受信部は、設問者端末における前記基本問題及び前記確認問題の設問に係る設問情報をさらに受信し、
前記情報処理装置は、
前記設問情報に応じて前記基本問題及び前記確認問題を登録する設問登録部をさらに備え、
前記問題提供部は、前記設問登録部によって登録された前記基本問題及び前記確認問題から、前記基本問題群及び/又は前記確認問題群を生成する、
ことを特徴とする請求項2~13のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記受信部は、前記学習者端末から、前記確認問題に対する解答をさらに受信し、
前記判定部は、前記確認問題に対する解答の正誤を判定し、
前記問題提供部は、
前記解答が不正解である確認問題について、出題の態様を変化させた新たな確認問題を前記学習者端末へ提供する、
ことを特徴とする請求項1~14のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項16】
基本問題と、前記基本問題に関連する確認問題とから構成されるカリキュラムを、学習者端末に提供する学習システムに係る情報処理装置の制御方法であって、
前記基本問題を前記学習者端末へ提供するステップと、
前記学習者端末から、前記基本問題に対する解答を受信するステップと、
前記解答の正誤を判定するステップと、
前記解答が不正解である基本問題について、出題の態様を変化させた新たな基本問題を前記学習者端末へ提供するステップと、
前記解答が正解である基本問題について、当該基本問題に関連する確認問題を前記学習者端末へ提供するステップと、
を含む、情報処理装置の制御方法。
【請求項17】
基本問題と、前記基本問題に関連する確認問題とから構成されるカリキュラムを、学習者端末に提供する学習システムに係る情報処理装置に、
前記基本問題を前記学習者端末へ提供する機能と、
前記学習者端末から、前記基本問題に対する解答を受信する機能と、
前記解答の正誤を判定する機能と、
前記解答が不正解である基本問題について、出題の態様を変化させた新たな基本問題を前記学習者端末へ提供する機能と、
前記解答が正解である基本問題について、当該基本問題に関連する確認問題を前記学習者端末へ提供する機能と、
を実現させる、情報処理装置の制御プログラム。
【請求項18】
基本問題と、前記基本問題に関連する確認問題とから構成されるカリキュラムを、学習者端末に提供する学習システムに係る情報処理装置であって、
設問者端末から、前記基本問題及び前記確認問題の設問に係る設問情報を受信する受信部と、
前記設問情報に応じて、前記基本問題及び前記確認問題を登録する設問登録部と、
登録された1以上の前記基本問題を前記学習者端末へ提供するとともに、前記学習者端末から受信した、前記基本問題に対する解答の正誤に基づき、前記解答が正解である基本問題について、当該基本問題に関連する確認問題を前記学習者端末へ提供する問題提供部と、
を備え、
前記設問登録部は、
少なくとも、前記設問者端末における前記基本問題又は前記確認問題の入力に応じて、他の基本問題及び他の確認問題の少なくともいずれかの案を生成し、前記設問者端末へ提供する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項19】
基本問題と、前記基本問題に関連する確認問題とから構成されるカリキュラムを、学習者端末に提供する学習システムに係る情報処理装置の制御方法であって、
設問者端末から、前記基本問題及び前記確認問題の設問に係る設問情報を受信するステップと、
前記設問情報に応じて、前記基本問題及び前記確認問題を登録するステップと、
登録された1以上の前記基本問題を前記学習者端末へ提供するとともに、前記学習者端末から受信した、前記基本問題に対する解答の正誤に基づき、前記解答が正解である基本問題について、当該基本問題に関連する確認問題を前記学習者端末へ提供するステップと、
前記設問者端末における前記基本問題の入力に応じて、他の基本問題及び前記確認問題の少なくともいずれかの案を提示するステップと、
を含むことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項20】
基本問題と、前記基本問題に関連する確認問題とから構成されるカリキュラムを、学習者端末に提供する学習システムに係る情報処理装置に、
設問者端末から、前記基本問題及び前記確認問題の設問に係る設問情報を受信する機能と、
前記設問情報に応じて、前記基本問題及び前記確認問題を登録する機能と、
登録された1以上の前記基本問題を前記学習者端末へ提供するとともに、前記学習者端末から受信した、前記基本問題に対する解答の正誤に基づき、前記解答が正解である基本問題について、当該基本問題に関連する確認問題を前記学習者端末へ提供する機能と、
前記設問者端末における前記基本問題の入力に応じて、他の基本問題及び前記確認問題の少なくともいずれかの案を提示する機能と、
を実現させることを特徴とする情報処理装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び情報処理装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、学習を支援する様々なシステムが開発されている。例えば、特許文献1には、試験問題を予め複数のステージに分割し、解答にもとづき動的に次のステージの試験問題を組換えて出題し、受験者の理解度を一回の試験で適切に評価する理解度評価システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシステムでは、一回の理解度評価試験毎の問題に対し、当該問題に不正解となった場合に出題するための分析問題を必要とする。すなわち、1つの問題に対して必ず1つの分析問題を要するため、システムの構築にかかる設問作業が手間であった。さらに、不正解の問題に対して分析問題が出題され、正解した問題に対しては分析問題が出題されないため、例えばまぐれで正解した問題に対し、受験者の理解度を把握可能であるかは疑義があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に係る、基本問題と、前記基本問題に関連する確認問題とから構成されるカリキュラムを、学習者端末に提供する学習システムに係る情報処理装置は、1以上の前記基本問題を前記学習者端末へ提供する問題提供部と、前記学習者端末から、前記基本問題に対する解答を受信する受信部と、前記解答の正誤を判定する判定部とを備え、前記問題提供部は、前記解答が不正解である基本問題について、出題の態様を変化させた新たな基本問題を前記学習者端末へ提供し、前記解答が正解である基本問題について、当該基本問題に関連する確認問題を前記学習者端末へ提供する。
【0006】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置において、問題提供部は、複数の基本問題から構成される基本問題群を学習者端末へ提供し、判定部は、基本問題群を構成する基本問題に対する解答の正誤に基づき、基本問題に対する解答について所定の第1条件が成立するか否かを判定し、問題提供部は、所定の第1条件が成立しない基本問題群について、出題の態様を変化させた新たな基本問題群を学習者端末へ提供し、所定の第1条件が成立する基本問題群について、当該基本問題群と同一分野に関する複数の確認問題から構成される確認問題群を学習者端末へ提供してもよい。
【0007】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置において、問題提供部は、新たな基本問題群として、学習者端末に提供した基本問題群に含まれる基本問題の出題順序を変化させた基本問題群を提供してもよい。
【0008】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置において、基本問題は、複数の選択肢から解答を選択させる選択問題であって、問題提供部は、新たな基本問題群として、学習者端末に提供した少なくとも一部の基本問題の選択肢を変化させた基本問題群を生成し、学習者端末へ提供してもよい。
【0009】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置において、判定部は、所定の第1条件として、基本問題群に対する解答の正解率が第1所定数以上であるか否かを判定してもよい。
【0010】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置において、判定部は、所定の第1条件として、基本問題に対する解答のうち、基本問題群において予め重要問題として設定された基本問題が正解であるか否かを判定してもよい。
【0011】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置において、基本問題は、複数の選択肢から正答肢及び誤答肢のいずれかを選択させる選択問題であって、確認問題は、複数の選択肢から正答肢及び誤答肢のいずれかを選択させる選択問題であってよい。
【0012】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置において、基本問題は、複数の選択肢から解答を選択する選択問題であって、確認問題は、記述式の問題であってよい。
【0013】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置において、確認問題は、基本問題と比較して難易度の高い問題であってよい。
【0014】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置において、受信部は、学習者端末から、確認問題群を構成する確認問題に対する解答をさらに受信し、判定部は、確認問題に対する解答の正誤に基づき、確認問題に対する解答について所定の第2条件が成立するか否かをさらに判定し、問題提供部は、確認問題に対する解答について所定の第2条件が成立しない場合、学習者端末に提供した確認問題群について出題の態様を変化させた新たな確認問題群を生成し、学習者端末へ提供してもよい。
【0015】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置において、判定部は、所定の第2条件として、確認問題群に対する解答の正解率が、第2所定数以上であるか否かを判定してもよい。
【0016】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置において、判定部は、所定の第2条件として、確認問題に対する解答のうち、確認問題群において予め重要問題として設定された確認問題が正解であるか否かを判定してもよい。
【0017】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置において、問題提供部は、基本問題に対する解答について所定の第1条件が成立する場合、基本問題群のうち不正解であった基本問題を含む確認問題群を生成してもよい。
【0018】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置において、受信部は、設問者端末における基本問題及び確認問題の設問に係る設問情報をさらに受信し、情報処理装置は、設問情報に応じて基本問題及び確認問題を登録する設問登録部をさらに備え、問題提供部は、設問登録部によって登録された基本問題及び確認問題から、基本問題群及び/又は確認問題群を生成してもよい。
【0019】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置において、受信部は、学習者端末から、確認問題に対する解答をさらに受信し、判定部は、確認問題に対する解答の正誤を判定し、問題提供部は、解答が不正解である確認問題について、出題の態様を変化させた新たな確認問題を学習者端末へ提供してもよい。
【0020】
本発明の一実施形態に係る、基本問題と、基本問題に関連する確認問題とから構成されるカリキュラムを、学習者端末に提供する学習システムに係る情報処理装置の制御方法は、基本問題を学習者端末へ提供するステップと、学習者端末から、基本問題に対する解答を受信するステップと、解答の正誤を判定するステップと、解答が不正解である基本問題について、出題の態様を変化させた新たな基本問題を学習者端末へ提供するステップと、解答が正解である基本問題について、当該基本問題に関連する確認問題を学習者端末へ提供するステップとを含む。
【0021】
本発明の一実施形態に係る制御プログラムは、基本問題と、基本問題に関連する確認問題とから構成されるカリキュラムを、学習者端末に提供する学習システムに係る情報処理装置に、基本問題を学習者端末へ提供する機能と、学習者端末から、基本問題に対する解答を受信する機能と、解答の正誤を判定する機能と、解答が不正解である基本問題について、出題の態様を変化させた新たな基本問題を学習者端末へ提供する機能と、解答が正解である基本問題について、当該基本問題に関連する確認問題を学習者端末へ提供する機能とを実現させる。
【0022】
本発明の一実施形態に係る、基本問題と、前記基本問題に関連する確認問題とから構成されるカリキュラムを、学習者端末に提供する学習システムに係る情報処理装置は、設問者端末から、前記基本問題及び前記確認問題の設問に係る設問情報を受信する受信部と、前記設問情報に応じて、前記基本問題及び前記確認問題を登録する設問登録部と、登録された1以上の前記基本問題を前記学習者端末へ提供するとともに、前記学習者端末から受信した、基本問題に対する解答の正誤に基づき、解答が正解である基本問題について、当該基本問題に関連する確認問題を学習者端末へ提供する問題提供部と、を備え、設問登録部は、少なくとも、設問者端末における基本問題又は確認問題の入力に応じて、他の基本問題及び他の確認問題の少なくともいずれかの案を生成し、設問者端末へ提供する。
【0023】
本発明の一実施形態に係る、基本問題と、基本問題に関連する確認問題とから構成されるカリキュラムを、学習者端末に提供する学習システムに係る情報処理装置の制御方法は、設問者端末から、基本問題及び確認問題の設問に係る設問情報を受信するステップと、設問情報に応じて、基本問題及び確認問題を登録するステップと、登録された1以上の基本問題を学習者端末へ提供するとともに、学習者端末から受信した、基本問題に対する解答の正誤に基づき、解答が正解である基本問題について、当該基本問題に関連する確認問題を学習者端末へ提供するステップと、設問者端末における基本問題の入力に応じて、他の基本問題及び確認問題の少なくともいずれかの案を提示するステップとを含む。
【0024】
本発明の一実施形態に係る制御プログラムは、基本問題と、基本問題に関連する確認問題とから構成されるカリキュラムを、学習者端末に提供する学習システムに係る情報処理装置に、設問者端末から、基本問題及び確認問題の設問に係る設問情報を受信する機能と、設問情報に応じて、基本問題及び確認問題を登録する機能と、登録された1以上の基本問題を学習者端末へ提供するとともに、学習者端末から受信した、基本問題に対する解答の正誤に基づき、解答が正解である基本問題について、当該基本問題に関連する確認問題を学習者端末へ提供する機能と、設問者端末における基本問題の入力に応じて、他の基本問題及び確認問題の少なくともいずれかの案を提示する機能とを実現させる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一実施形態によれば、設定された問題を活用して、一回だけでなく繰り返し学習を行わせることができる。すなわち、設定された問題を繰り返し利用するため、多くの問題を設問する必要がなく、学習システムの構築にかかる設問作業の手間を削減することができる。さらに、正解した問題に対する確認問題が出題されるため、受験者の確実な理解度を担保したり、より高度な理解につながる学習を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る学習システム構成の概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る学習システムにおける、サーバ(情報処理装置)、設問者端末(通信端末)、及び学習者端末(通信端末)の機能ブロック図の一例である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る学習システムにおいて記憶される設問情報テーブルの一例である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係る学習システムにおける、学習者端末の表示画面の一例である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る学習システムの概略を説明するための図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係る学習システムにおける、サーバ及び学習者端末間のシーケンス図の一例である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態に係る学習システムにおける、設問者端末の表示画面の一例である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態に係る学習システムにおける、設問者端末の表示画面の一例である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態に係る学習システムにおいて記憶される設問情報テーブルの一例である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態に係る学習システムにおける、サーバ及び学習者端末間のシーケンス図の一例である。
【
図11】
図11(a)、(b)は、本発明の一実施形態に係る学習システムにおける、設問者端末の表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る学習システムの構成例を示す図である。学習システム600は、サーバ(情報処理装置)100と、設問者端末(通信端末)200と、学習者端末(通信端末)300(300A,300B,300C)と、記憶装置400とを含んでよい。サーバ100は、オンラインでの学習環境を提供するプラットフォームとして機能し、ネットワーク500を介して、設問者端末200及び学習者端末300と接続される。詳細は後述するが、学習システム600は、ユーザ(学習者)に問題を出題し、当該問題に対するユーザの解答に応じて次に出題する問題が変更される、いわゆるアダプティブラーニングを提供するシステムであってよい。なお、これ以降、学習システム600を利用して学習を行う学習者を、「ユーザ」と称する。
【0028】
設問者端末200は、学習システム600においてユーザに出題する問題を、ネットワーク500を介してサーバ100に登録する(設問する)設問者の所有する端末である。ここで、設問者とは、学習システム600を利用してユーザに知識を定着させることを希望する、例えば、企業、店舗、学習塾、学校(小学校、中学校、高等学校、専門学校、大学、ビジネススクール等を含む)、病院等の法人や団体(営利・非営利を含む)であってよい。詳細は後述するが、学習システム600は、設問者の設問作業を支援するシステムであってよい。学習システム600は、設問者の目的に応じた履修カリキュラムを設定することが可能であって、例えば、生徒の教育に用いられてもよいし、教員や従業員の研修に用いられてもよい。従って、ユーザとしては、学習システム600を利用してカリキュラムを履修することが可能な、例えば、学校や塾の生徒、従業員(正社員、契約社員、アルバイト、パート等を含む)、教員、医師等であってよい。
【0029】
詳細は後述するが、本発明の一実施形態による学習システム600によれば、設問者によって「基本問題」と「確認問題」とが設定されてよい。本発明の一実施形態による学習システム600によれば、基本問題と、基本問題に関連する確認問題とから構成されるカリキュラムを、ユーザの所有する学習者端末に提供することができる。ここで、ユーザは、まず基本問題に取り組み、基本問題への解答が所定の条件を満たすと、確認問題に取り組むことが可能となってよい。基本問題と確認問題とは、所定の分野において互いに関連するものであってよい。問題が所定の分野において互いに関連するとは、問題が、あるテーマやカテゴリでまとめた場合に同じテーマやカテゴリに属することを指してよい。例えば、基本問題と確認問題が、「スポーツ」という分野に分類される問題であってよい。また、典型的には、確認問題は、基本問題よりも正解することが難しいレベルの問題であってよい。すなわち、確認問題は、基本問題と比較して難易度の高い問題であってよい。サーバ100は、設問者端末200から基本問題及び確認問題の登録を受け付け、学習システム600において、基本問題及び確認問題を、ユーザに提供することができる。
【0030】
サーバ100は、各実施形態において記載する機能を実現できる情報処理装置であればどのような装置であってもよい。サーバ100は、例えば、サーバ装置、コンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレット等)、又はコミュニケーションプラットホームを含む。また、サーバ100は情報処理装置と表現されてもよい。
【0031】
なお、
図1において、サーバ100は1つのみ示してあるが、これに限定されない。サーバ100は、ネットワークを介して通信を行うことで協調動作する分散型サーバシステムでも良く、いわゆるクラウドサーバでもよい。すなわち、サーバ100は、物理的なサーバに限らず、仮想的なサーバも含まれてよい。また、ネットワーク500に接続される設問者端末200、学習者端末300の数は限定されない。
【0032】
ネットワーク500は、無線ネットワークや有線ネットワークを含んでよく、例えば、ワイヤレスLAN(wireless LAN:WLAN)や広域ネットワーク(wide area network:WAN)、ISDNs(integrated service digital networks)、無線LANs、CDMA(code division multiple access)、LTE(long term evolution)、LTE-Advanced、第4世代通信(4G)、第5世代通信(5G)、及び第6世代通信(6G)以降の移動体通信システム等であってよい。なお、ネットワーク500は、これらの例に限られず、例えば、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)やブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、光回線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber LINE)回線、衛星通信網等であってもよい。また、ネットワーク500は、これらの組み合わせであってもよい。
【0033】
学習者端末300は、学習システム600のユーザが所有する通信端末であって、学習システム600を利用するためのアプリケーションがインストールされていてよい。あるいは、学習者端末300へのアプリケーションのインストールは必須ではなく、学習者端末300から、webブラウザ等を介して、サーバ100において提供される学習システム600を利用するためのwebページにアクセスしてもよい。
【0034】
また、設問者端末200は、設問者が所有する通信端末であって、学習システム600を利用する(問題を登録する)ためのアプリケーションがインストールされていてよい。あるいは、設問者端末200へのアプリケーションのインストールは必須ではなく、設問者端末200から、webブラウザ等を介して、サーバ100において提供される学習システムを利用するためのwebページにアクセスしてもよい。
【0035】
なお、
図1では、設問者端末200としてノートパソコンを、学習者端末300としてスマートフォン、ノートパソコンを示してあるが、設問者端末200及び学習者端末300としては、これ以降に説明する機能を実現できる端末であればどのような端末であってもよい。例えば、設問者端末200及び学習者端末300は、携帯電話(フィーチャーフォン)、コンピュータ(例えば、タブレット、デスクトップパソコン、ノートパソコン)、ウェアラブル端末(メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)であってよい。また、設問者端末200及び学習者端末300の数は、図示したものに限定されない。すなわち、設問者端末200は、設問者の数だけ存在してよく、学習者端末300は、学習システムを利用するユーザの数だけ存在してもよい。さらに、一のユーザ又は設問者に、複数の通信端末(例えば、スマートフォンと、ノートパソコンなど)が関連付けられてもよい。
【0036】
記憶装置400は、学習システム600で利用する各種情報(データ)を記憶(格納)してよい。記憶装置400は、例えば、学習システム600を利用するユーザのユーザ情報を記憶してよい。なお、ユーザ情報とは、学習システム600においてユーザが利用する識別情報又はアカウントに対応付けられたユーザの情報である。ユーザ情報は、例えば、ユーザの名前、ユーザの識別子(IDentifier)、履修するカリキュラムに関する情報、カリキュラムの進行状況に関する情報、成績等のユーザに対応付けられた情報を含み、これらのいずれか一つ又は組み合わせであってよい。
【0037】
また、記憶装置400は、例えば、学習システム600を利用する設問者に関する設問者情報を記憶してよい。設問者情報は、設問者の識別情報又はアカウントに関連付けられた情報であって、設問者の名称、識別子、提供するカリキュラムに関する情報(例えば、カリキュラムの識別情報、内容、問題等)を含んでよい。なお、
図1において、記憶装置400はサーバ100とは別に1つのみ示してあるが、サーバ100に一体化されていてもよいし、複数の記憶装置から構成されていてもよい。また、記憶装置400により、後述するサーバ100の記憶部170が構成されてもよい。
【0038】
<サーバ>
次に、
図2を用いて、本発明の一実施形態に係るサーバ100のハードウェア構成、機能構成について説明する。
【0039】
(1)サーバのハードウェア構成
サーバ100は、制御部110、通信部120、入出力部130、記憶部170を備える。なお、サーバ100は、図示しないディスプレイをさらに備えてもよい。
【0040】
制御部110は、典型的には中央処理装置(CPU)であってよい。制御部110は、記憶部170に記憶されるプログラムを読み出し、読み出したプログラムに含まれるコード又は命令を実行することによって、各実施形態に示す機能、方法を実行してよい。制御部110は、その他、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含んでよい。制御部110は、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各実施形態に開示される各処理を実現してもよい。また、これらの回路は、1又は複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSI等と呼称されることもある。
【0041】
記憶部170は、サーバ100が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する。記憶部170は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等を含んでよい。また、記憶部170は、制御部110に対する作業領域を提供するメモリ(RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等)を含んでよい。
【0042】
通信部120は、ネットワークアダプタ等のハードウェアや通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装されてよい。通信部120は、ネットワーク500を介して、学習者端末300及び/又は設問者端末200、記憶装置400と各種データの送受信を行ってよい。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信部120は、各種データを、制御部110からの指示に従って、学習者端末300や、設問者端末200に送信してよい。また、通信部120は、学習者端末300や設問者端末200から各種データを受信し、制御部110に伝達してよい。なお、通信部120は、受信部、送信部として機能する。例えば、通信部120は、設問者端末200から、上述した基本問題、確認問題の設問に係る設問情報を受信する。また、通信部120は、学習者端末300から、基本問題、確認問題に対する解答を受信する。さらに、通信部120は、設問者端末200から、基本問題、確認問題の設問に関する設問情報を受信する。なお、通信部120が物理的に構造化された回路で構成される場合には、通信回路と表現する場合もある。
【0043】
入出力部130は、サーバ100に対する各種操作を入力する入力装置、及び、サーバ100で処理された処理結果を出力する出力装置を含んでよい。入出力部130は、入力装置と出力装置が一体化していてもよいし、入力装置と出力装置とに分離していてもよい。入力装置は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報を制御部110に伝達できる全ての種類の装置のいずれか、又は、その組み合わせにより実現されてよい。入力装置は、例えば、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ、マイクを含んでよい。出力装置は、制御部110で処理された処理結果を出力してよい。出力装置は、例えば、タッチパネル、スピーカ等を含んでよい。
【0044】
(2)サーバの機能構成
サーバ100は、制御部110によって実現される機能として、設問登録部111、問題提供部112、及び判定部115を備えてよい。また、問題提供部112は、基本問題群提供部113、確認問題群提供部114を備えてよい。なお、
図2に記載の各機能部は必須ではなく、これ以降に説明する各実施形態において、必須でない機能部はなくともよい。また、各機能部の機能又は処理は、実現可能な範囲において、機械学習又はAI(Artificial Intelligence)により実現されてもよい。
【0045】
設問登録部111は、設問者端末200から受信した、基本問題の設問に関する設問情報に応じて、記憶装置400に基本問題を登録する。また、設問登録部111は、設問者端末200から受信した、確認問題の設問に関する設問情報に応じて、記憶装置400に確認問題を登録する。なお、設問者端末200における設問の登録については後述する。
【0046】
<第1実施形態>
まず、第1実施形態として、学習カリキュラムが1以上のカテゴリ(分野)を含んで構成される態様について説明する。
【0047】
ここで、学習システム600における履修について説明する。本発明の第1実施形態による学習システム600では、設問者が設定したカリキュラム毎の履修が可能であってよい。カリキュラムは、複数のカテゴリが含まれてよく、カテゴリは、複数の問題から構成されてよい。典型的には、カテゴリは、複数の問題で構成され、カリキュラムは、複数のカテゴリで構成されてよい。しかしながら本発明はこれに限定されるものではなく、カリキュラムは、カテゴリを含まずに複数の問題で構成されてもよい。カテゴリを含まない態様については、第2実施形態として後述する。
【0048】
図3は、第1実施形態において記憶装置400に記憶される設問情報の一例である。なお、
図3に示される設問情報テーブルTB10は一例であって、記憶装置400に記憶される情報は、これ以上でも、これ以下であってもよいし、本発明の一実施形態を実施可能であれば、テーブルの態様はどのようなものであってもよい。記憶装置400は、設問情報テーブルTB10として、各カテゴリを識別するカテゴリID(IDentifier)に、問題の種別(基本問題か、確認問題かの区別)、問題を識別する問題IDを記憶してよい。さらに、記憶装置400には、カリキュラム毎に、カリキュラムに含まれるカテゴリIDが関連付けられて記憶されてよい。なお、問題IDに関連付けられた問題の内容がさらに記憶されてもよいし、問題の内容は、別個のテーブルとして記憶されてもよい。また、問題毎に、難易度を示す難易度情報がさらに記憶されてもよい。
【0049】
図2へ戻り、基本問題群提供部113は、複数の基本問題から構成される基本問題群を、学習者端末300へ提供する。
図4は、学習システム600を利用する学習者端末300の表示画面の一例である。なお、
図4及び以降の説明は一例であって、本発明は以下に限定されない。
図4の例では、カリキュラム名11として「管理職向けカリキュラム」、カテゴリ名12として「ハラスメント」の履修画面が示されている。また、
図4では、問題種別13として「基本問題」の例が示されている。
図4の例において、第1問は、「ハラスメントに該当しないものを、以下から1つ選べ。」という誤答肢の単一選択式の問題が示されている。また、第2問は、記述式の問題である。これらの問題は、記憶装置400に記憶された設問情報に基づいて、基本問題群提供部113が生成してよい。また、確認問題も同様に、確認問題群提供部114が、記憶装置400に記憶された設問情報に基づいて生成してよい。なお、基本問題と確認問題との違いについては後述する。
【0050】
図2に戻り、機能の説明を続ける。ユーザは、学習者端末300を操作して問題の解答を入力し、サーバ100へ送信することができる。サーバ100の通信部120は、学習者端末300から、基本問題群に含まれる基本問題に対する解答を受信する。判定部115は、通信部120が学習者端末300から受信した、基本問題群に含まれる基本問題に対する解答の正誤に基づき、基本問題に対する解答について所定の第1条件が成立するか否かを判定する。なお、第1条件とは、基本問題におけるユーザの理解度を特定するための条件であってよい。
【0051】
判定部115は、第1条件として、基本問題群に対する解答の正解率が第1所定数以上であるか否かを判定してよい。第1所定数は、設問者端末200による基本問題の設問時に、設問者によって設定されてよい。第1所定数は、基本問題群ごとに異なって設定されてもよいし、同じであってもよい。なお、限定されるものではないが、第1所定数は、例えば、6~8割等であってよい。
【0052】
また、判定部115は、第1条件として、基本問題に対する解答のうち、基本問題群において予め重要問題として設定された基本問題が正解であるか否かを判定してもよい。重要問題は、設問者端末200による基本問題の設問時に、設問者によって設定され、例えば上述した設問情報テーブルTB10として記憶装置400に記憶されてよい。また、重要問題は、一の基本問題群に複数含まれていてもよいし、1つのみであってもよい。
【0053】
基本問題群提供部113は、基本問題群に対する解答について第1条件が成立しないと判定部115によって判定された場合、学習者端末300に提供した基本問題群について出題の態様を変化させた新たな基本問題群を生成し、学習者端末300へ提供してよい。なお、「出題の態様を変化させる」とは、以前に出題された問題の出し方に、何等かの変化を与えることを意味してよい。
図5に、基本問題群の態様を変化させる一例を示す。基本問題群提供部113は、新たな基本問題群として、学習者端末300に提供した基本問題群に含まれる基本問題の出題順序を変化させた基本問題群を生成し、学習者端末300へ提供してよい。すなわち、
図5に示すように、基本問題群提供部113は、1回目の基本問題群から問題の順番を入れ替えた基本問題群を生成し、2回目の基本問題群として学習者端末300へ提供してよい。なお、新たな基本問題群を生成する際、その前の基本問題群で正解した問題については、新たな基本問題群に含ませなくてもよいし、含ませてもよい。その際、正解した問題についても、選択肢を変更して新たな基本問題群に含ませてもよい。
図5の例では、第1回目は「DDDD」であった問題が、第2回目は「dddd」と変更されている。
【0054】
また、基本問題が、複数の選択肢から解答を選択させる選択問題である場合、基本問題群提供部113は、新たな基本問題群として、学習者端末300に提供した少なくとも一部の基本問題の選択肢を変化させた基本問題群を生成し、学習者端末300へ提供してよい。「選択肢を変化させる」とは、例えば、第1回目と同一内容の問いであっても、第2回目では選択肢の数を増減させるもの、選択肢の内容を変更するもの等であってよい。なお、選択肢は、予め設問者によって複数設定されていてもよい。又は、選択肢は、図示しない変更部によって、例えば選択肢の意味内容を変えずに語尾のみを変化させる、選択肢の意味内容を変えずに、選択肢を対義語や類義語で表現する、といった変更がなされてもよい。
【0055】
確認問題群提供部114は、記憶装置400に記憶された確認問題に基づき、複数の確認問題から構成される確認問題群を生成してよい。確認問題群提供部114は、判定部115による判定の結果、基本問題に対する解答について所定の第1条件が成立した場合、生成した確認問題群を学習者端末300へ提供してよい。
【0056】
なお、上述したように、確認問題は、基本問題よりも、正答を導くことが困難なレベルに設定されることが好ましい。例えば、基本問題は、複数の選択肢から誤答肢を選択させる選択問題であって、確認問題は、複数の選択肢から正答肢を選択させる選択問題であってよい。また、基本問題は、複数の選択肢から解答(誤答/正答)を選択する選択問題であって、確認問題は、記述式の問題であってもよい。なお、解答として選択すべき選択肢(正答肢/誤答肢)の数は問わない。一般的に、誤答を選択させる問題よりも、正答を選択させる問題は、理解がされていないと正解することが難しい場合が多い。さらに、選択問題よりも、記述式の問題である方が、より系統だった理解を必要とする場合が多い。本発明の一実施形態によれば、基本問題に次いで、より理解度を確認可能な確認問題を学習させることにより、ユーザに、知識の定着を図ることが可能となる。
【0057】
サーバ100の通信部120は、学習者端末300から、確認問題群に含まれる確認問題に対する解答を受信してよい。判定部115は、通信部120が学習者端末300から受信した、確認問題群に含まれる確認問題に対する解答の正誤に基づき、確認問題に対する解答について所定の第2条件が成立するか否かを判定する。第2条件は、確認問題に対するユーザの理解度を特定できる条件であってよい。ここで、第2条件は、上述した基本問題に関する第1条件と異なるものであってもよいし、同じであってもよい。
【0058】
例えば、判定部115は、第2条件として、確認問題に対する解答の正解率が第2所定数以上であるか否かを判定してよい。第2所定数は、設問者端末200による確認問題の設問時に、設問者によって設定されてよい。第2所定数は、確認問題群ごとに異なって設定されてもよいし、同じであってもよい。なお、限定されるものではないが、第2所定数は、第1所定数よりも大きく、例えば、9割等であってよい。これにより、確認問題のレベルを、基本問題よりも上げることができる。
【0059】
また、判定部115は、第2条件として、確認問題に対する解答のうち、確認問題群において予め重要問題として設定された確認問題が正解であるか否かを判定してもよい。重要問題は、設問者端末200による確認問題の設問時に、設問者によって設定され、記憶装置400に記憶されてよい。また、重要問題は、一の確認問題群に複数含まれていてもよいし、1つのみであってもよい。なお、重要問題の数を基本問題群より多くすることで、確認問題のレベルを基本問題よりも難しくしてもよい。
【0060】
確認問題群提供部114は、確認問題群に対する解答について所定の第2条件が成立しないと判定部115によって判定された場合、学習者端末300に提供した確認問題群について出題の態様を変化させた新たな確認問題群を生成し、学習者端末300へ提供してよい。態様の変化については、基本問題について上述したものと同様であってもよい。なお、確認問題群提供部114は、確認問題の第1回目では、正答を1つ選択させる単一選択式の問題であったのに対し、同一内容の問いで、正答を2つ選択させる複数選択式に変更して確認問題を生成してよい。ここで、確認問題群提供部114は、確認問題群に対する解答について所定の第2条件が成立すると判定部115によって判定された場合、新たな確認問題群を学習者端末300へ提供しなくてよい。
【0061】
また、確認問題が、複数の選択肢から解答を選択させる選択問題である場合、確認問題群提供部114は、新たな確認問題群として、学習者端末300に提供した確認問題群に含まれる1以上の確認問題の選択肢を変化させた確認問題群を生成し、学習者端末300へ提供してよい。「選択肢を変化させる」とは、例えば、第1回目と同一内容の問いであっても、選択肢の数を増減させるもの、選択肢の内容を変更するものであってよい。なお、選択肢は、予め設問者によって複数設定されていてもよい。又は、選択肢は、図示しない変更部によって、例えば選択肢の意味内容を変えずに語尾のみを変化させる、選択肢の意味内容を変えずに、選択肢を対義語や類義語で表現する、といった変更がなされてよい。
【0062】
さらに、確認問題群提供部114は、基本問題に対する解答の正解率が第1所定数以上である場合、基本問題群のうち不正解であった基本問題を含む確認問題群を生成してもよい。
【0063】
<第1実施形態における学習システムの制御フロー>
次に、本発明の第1実施形態に係る学習システム600における、サーバ100の制御方法を、サーバ100と学習者端末300との間のシーケンス図(
図6)を用いて説明する。
【0064】
まず、サーバ100において、設問処理が行われてよい(ステップS11)。設問処理は、設問者端末200から送信された設問情報を、設問者のカリキュラムに応じて記憶装置400に記憶することで行われてよい。基本問題群提供部113は、記憶装置400に記憶された基本問題に基づいて、基本問題群を生成する(ステップS12)。生成された基本問題群は、通信部120から学習者端末300へ送信されてよい(ステップS13)。ユーザは、学習者端末300を操作して基本問題への解答を入力し、サーバ100へ送信する(ステップS14)。サーバ100の判定部115は、基本問題の解答の正誤に基づき、第1条件が成立するか否かを判定する(ステップS15)。第1条件が成立する場合(ステップS15のYES)、確認問題群提供部114は、記憶装置400に記憶された確認問題に基づいて、確認問題群を生成する(ステップS17)。第1条件が成立しない場合(ステップS15のNO)、基本問題群提供部113は、上述のように新たな基本問題群を生成してよい(ステップS16)。その後、ステップS13へ戻り、新たな基本問題群が学習者端末300へ送信されてよい。
【0065】
ステップS17において生成された確認問題群は、サーバ100の通信部120から学習者端末300へ送信されてよい(ステップS18)。ユーザは、学習者端末300を操作して確認問題への解答を入力し、サーバ100へ送信する(ステップS19)。サーバ100の判定部115は、確認問題の解答の正誤に基づき、第2条件が成立するか否かを判定する(ステップS20)。第2条件が成立しない場合(ステップS20のNO)、確認問題群提供部114は、上述のように新たな確認問題群を生成してよい(ステップS21)。その後、ステップS18へ戻り、新たな確認問題群が学習者端末300へ送信されてよい。第2条件が成立する場合(ステップS20のYES)、当該確認問題群を含むカテゴリについてのカリキュラムを終了するか、別の基本問題群に取り組んでもよい。
【0066】
なお、所定回数繰り返しても上述した第1条件、第2条件が満足されない場合、所定時間が経過するまでは、問題の実施が停止されてもよい。これにより、ユーザに復習の機会を与え、確実に知識を定着させることができる。
【0067】
このように、本発明の第1実施形態によれば、ユーザの理解度を判定する所定の条件が設定され、ユーザの解答が当該所定の条件を満足しない場合に、出題済みの基本問題又は確認問題について、態様を変化させた新たな基本問題又は確認問題が出題される。これにより、ユーザは、当該所定の条件が満足されるまで繰り返し学習が可能となる。すなわち、設定された問題を繰り返し利用するため、多くの問題を設問する必要がなく、学習システムの構築にかかる設問作業の手間を削減することができる。さらに、基本問題が最初に出題され、正解した基本問題に対してさらに確認問題が出題されるため、受験者の確実な理解度を担保したり、より高度な理解につながる学習を提供することができる。
【0068】
<通信端末>
次に、
図2を用いて、本発明の一実施形態に係る通信端末(設問者端末200、学習者端末300)のハードウェア構成、機能構成について説明する。なお、設問者端末200と学習者端末300の構成は通信端末として基本的に同じであるため、ここでは、設問者端末200について説明する。
【0069】
(1)通信端末のハードウェア構成
設問者端末200は、制御部210、通信部220、入出力部230、表示部240、記憶部270を備える。
【0070】
制御部210は、典型的には中央処理装置(CPU)であってよい。制御部210は、記憶部270に記憶されるプログラムを読み出し、読み出したプログラムに含まれるコード又は命令を実行することによって、各実施形態に示す機能、方法を実行してよい。制御部210は、その他、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含んでよい。制御部210は、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各実施形態に開示される各処理を実現してもよい。また、これらの回路は、1又は複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSI等と呼称されることもある。
【0071】
記憶部270は、設問者端末200が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する。例えば、設問者端末200は、学習システムを利用するためのアプリケーションプログラムを記憶してよい。記憶部270は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等を含んでよい。また、記憶部270は、制御部210に対する作業領域を提供するメモリ(RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等)を含んでよい。
【0072】
通信部220は、ネットワークアダプタ等のハードウェアや通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装されてよい。通信部220は、ネットワーク500を介して、サーバ100と各種データの送受信を行ってよい。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信部220は、各種データを制御部210からの指示に従って、サーバ100に送信してよい。また、通信部220は、サーバ100から各種データを受信し、制御部210に伝達してよい。なお、通信部220が物理的に構造化された回路で構成される場合には、通信回路と表現する場合もある。
【0073】
入出力部230は、設問者端末200に対する各種操作を入力する入力装置、及び、設問者端末200で処理された処理結果を出力する出力装置を含んでよい。入出力部230は、入力装置と出力装置が一体化していてもよいし、入力装置と出力装置とに分離していてもよい。入力装置は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報を制御部210に伝達できる全ての種類の装置のいずれか、又は、その組み合わせにより実現されてよい。入力装置は、例えば、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ、マイクを含んでよい。出力装置は、制御部210で処理された処理結果を出力してよい。出力装置は、例えば、タッチパネル、スピーカ等を含んでよい。入出力部230がタッチパネルの場合、入出力部230と表示部240とは、略同一の大きさ及び形状で対向して配置されていてもよい。
【0074】
表示部240は、フレームバッファに書き込まれた表示データに従って、データを表示するモニタであって、例えば、液晶ディスプレイ、OELD(organic electroluminescence display))、ヘッドマウントディスプレイ(HDM:Head Mounted Display)等であってよい。
【0075】
(2)通信端末の機能構成
次に、設問者端末200の機能構成について説明する。設問者端末200は、表示処理部211、入出力制御部212を備えてよい。なお、
図2に記載の各機能部が必須ではなく、これ以降に説明する各実施形態において、必須でない機能部はなくともよい。また、各機能部の機能又は処理は、実現可能な範囲において、機械学習又はAI(Artificial Intelligence)により実現されてもよい。
【0076】
表示処理部211は、サーバ100から受信した表示情報に基づいて、問題を設定するための表示画面を表示部240に表示してよい。
図7に、表示処理部211によって表示部240に表示された、設問編集画面の一例を示す。なお、
図7に示される設問編集画面20は一例であって、これに限られるものではない。設問編集画面20は、カテゴリ入力領域21、基本問題設定領域22、確認問題設定領域23を含んでよい。カテゴリ入力領域21は、カテゴリ名の設定を受け付ける。ここで、カテゴリは、設問者によって入力されるものであってもよいし、予め用意されたマスタ情報から選択されるものであってもよい。基本問題設定領域22は、基本問題群を構成する基本問題の数、基本問題群を構成する基本問題に対して全て回答するまでの目標時間、合格とする(すなわち、確認問題へ進ませる)条件の設定が可能な領域である。また、基本問題群の説明を入力可能な領域が含まれてもよい。確認問題設定領域23も同様に、確認問題群を構成する確認問題の数、目標時間、合格とする(すなわち、このカテゴリの学習を完了させる)条件の設定が可能な領域であってよい。
【0077】
また、設問編集画面20は、基本問題編集領域24、確認問題編集領域25を含んでよい。基本問題編集領域24、確認問題編集領域25は、問題編集領域26をそれぞれ含んでよい。設問者によって問題編集領域26が選択されると、問題を編集可能な画面に遷移することができてよい。
図8は、設問者端末200の表示画面に表示された、各問題を編集するための問題編集画面の一例である。なお、図は一例であって、問題の編集画面や編集方法はこれに限定されない。
【0078】
問題編集画面30は、例えば、問題の方式を選択する領域31、問題文を入力する領域32を含んでよい。問題の方式とは、設定する問題の種類であって、例えば、正答又は誤答の単一選択式、複数選択式(正答/誤答をすべて選択させる無制限方式、あらかじめ正答/誤答の数が記載されている制限方式を含む)、二項目選択式、記述式等であってよい。また、問題の方式に応じて、選択肢の入力領域33が表示されてもよい。さらに、正解を入力する領域が表示されてもよい。なお、基本問題、確認問題ともに、問題の方式はどのようなものであってもよいが、前述したように、確認問題は、基本問題よりも難易度が高くなるように設定されることが好ましい。
【0079】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態として、学習カリキュラムがカテゴリを含まずに構成される態様について説明する。なお、第1実施形態と第2実施形態とは、組み合わせて実施可能であってよい。
【0080】
図9は、第2実施形態において記憶装置400に記憶される設問情報の一例である。なお、
図9に示される設問情報テーブルTB20は一例であって、記憶装置400に記憶される情報は、これ以上でも、これ以下であってもよいし、本発明の一実施形態を実施可能であれば、テーブルの態様はどのようなものであってもよい。記憶装置400は、設問情報テーブルTB20として、各カリキュラムを識別するカリキュラムIDに関連付けて、基本問題の問題IDと確認問題の問題IDとの対を記憶してよい。基本問題と確認問題との対とは、基本問題が正解となった場合に出題される確認問題を関連付けたものを指してよい。なお、基本問題と確認問題とは1対1で関連付けられなくてもよい。例えば、ある基本問題が正解した場合に、同一のカリキュラムIDに関連付けられた確認問題が、ランダムに出題されてもよい。なお、問題IDに関連付けられた問題の内容がさらに記憶されてもよいし、問題の内容は、別個のテーブルとして記憶されてもよい。また、問題毎に、難易度を示す難易度情報がさらに記憶されてもよい。
【0081】
第1実施形態では、一のカテゴリに関連付けられた複数の基本問題(基本問題群)が学習者端末300へ提供され、基本問題群に対する解答に応じて、同一のカテゴリに関連付けられた複数の確認問題(確認問題群)が学習者端末300へ提供された。これに対し、第2実施形態では、カテゴリで分類された基本問題群や確認問題群を含まず、カリキュラムにおける一の基本問題が正解した場合、同一のカリキュラムにおける一の確認問題が提供されてよい。また、一の基本問題が不正解であった場合、当該一の基本問題の出題態様を変化させて、再度学習者端末300へ提供されてよい。
【0082】
例えば、問題提供部112は、カリキュラムIDに関連付けられた1以上の基本問題を、当該カリキュラムIDを履修するユーザの学習者端末300へ提供してよい。通信部120は、学習者端末300から、基本問題に対する解答を受信してよい。判定部115は、解答の正誤を判定してよい。問題提供部112は、解答が不正解である基本問題について、出題の態様を変化させた新たな基本問題を生成し、学習者端末300へ提供してよい。ここで、「出題の態様を変化させる」とは、第1実施形態と同様に、設問の選択肢を変更したり、設問の文章を、その意味内容を変更させずに、対義語や類義語で書き換えたものであってよい。
【0083】
また、問題提供部112は、解答が正解である基本問題について、当該基本問題に関連する確認問題を、学習者端末300へ提供してよい。基本問題に関連する確認問題とは、設問情報テーブルTB20において、基本問題と対として記憶された確認問題であてもよいし、基本問題と同一のカリキュラムIDに関連付けられたいずれかの確認問題であってもよく、設問の作成に応じて設定されてよい。なお、設問の作成については後述する。また、基本問題と確認問題の詳細については、上述した第1実施形態と同様であってよいため、説明を省略する。
【0084】
さらに、通信部120は、確認問題に対する解答を学習者端末300から受信してよい。判定部115は、確認問題に対する解答の正誤を判定してよい。問題提供部112は、解答が不正解である確認問題について、出題の態様を変化させた新たな確認問題を学習者端末300へ提供してよい。
【0085】
<第2実施形態における学習システムの制御フロー>
次に、本発明の第2実施形態に係る学習システム600における、サーバ100の制御方法を、サーバ100と学習者端末300との間のシーケンス図(
図10)を用いて説明する。
【0086】
まず、サーバ100において、設問処理が行われてよい(ステップS11)。設問処理は、設問者端末200から送信された設問情報を、設問者のカリキュラムに応じて記憶装置400に記憶することで行われてよい。問題提供部112は、記憶装置400に記憶された基本問題を、通信部120から学習者端末300へ送信する(ステップS31)。ユーザは、学習者端末300を操作して基本問題への解答を入力し、サーバ100へ送信する(ステップS32)。サーバ100の判定部115は、基本問題の解答が正解であるか否かを判定する(ステップS33)。正解である場合(ステップS33のYES)、問題提供部112は、記憶装置400に記憶された確認問題を学習者端末300へ生成する(ステップS35)。解答が不正解である場合(ステップS33のNO)、問題提供部112は、上述のように新たな基本問題を生成してよい(ステップS34)。その後、ステップS31へ戻り、新たな基本問題が学習者端末300へ送信されてよい。
【0087】
確認問題を出題されたユーザは、学習者端末300を操作して確認問題への解答を入力し、サーバ100へ送信する(ステップS36)。サーバ100の判定部115は、確認問題の解答の正誤に基づき、解答が正解であるか否かを判定する(ステップS37)。解答が不正解である場合(ステップS37のNO)、問題提供部112は、上述のように新たな確認問題を生成してよい(ステップS38)。その後、ステップS35へ戻り、新たな確認問題群が学習者端末300へ送信されてよい。解答が正解である場合(ステップS37のYES)、カリキュラムを終了してよい。
【0088】
なお、
図10のシーケンス図では、基本問題や確認問題が1つずつ学習者端末300へ提供される態様を示してあるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、一のカリキュラムを構成する複数の基本問題がまとめて学習者端末300へ提供され、学習者端末300から、複数の基本問題に対する解答がまとめてサーバ100へ送信されてもよい。この場合、判定部115は、各解答の正誤を判定し、正解である基本問題については確認問題を提供し、不正解である基本問題については、出題の態様を変化させた新たな基本問題を提供してよい。
【0089】
このように、本発明の第2実施形態によれば、ユーザの解答が不正解である場合に、出題済みの基本問題又は確認問題について、態様を変化させた新たな基本問題又は確認問題が出題される。これにより、ユーザは、正解するまで繰り返しの学習が可能となる。すなわち、設定された問題を繰り返し利用するため、多くの問題を設問する必要がなく、学習システムの構築にかかる設問作業の手間を削減することができる。さらに、基本問題が最初に出題され、正解した基本問題に対してさらに確認問題が出題されるため、受験者の確実な理解度を担保したり、より高度な理解につながる学習を提供することができる。
【0090】
<第3実施形態>
<設問の作成支援方法>
次に、本発明の第3実施形態による、設問の作成支援方法について説明する。上述のように、本発明の一実施形態による学習システム600は、設問者による設問が可能なシステムであってよい。しかしながら、適切な問題の作成には技術を要する。本発明の第3実施形態によれば、設問者による設問作業を支援し、設問者の手間を削減しユーザビリティの高い情報処理装置を提供することができる。
【0091】
以下、説明する。上述のように、通信部120は、設問者端末200から、基本問題及び確認問題の設問に係る設問情報を受信する。第3実施形態において、設問登録部111は、第1及び第2実施形態と同様に、設問情報に応じて、基本問題及び確認問題を登録する。また、問題提供部112は、登録された1以上の基本問題を学習者端末へ提供してよい。問題提供部112は、学習者端末300から受信した基本問題に対する解答の正誤についての、判定部115による判定結果に基づき、解答が正解である基本問題について、基本問題に関連する確認問題を、学習者端末300へ提供してよい。なお、第1実施形態及び第2実施形態とは異なり、第3実施形態においては、解答が不正解である場合に、基本問題の態様を変化させることは必須ではなく、同じ基本問題を繰り返し出題してもよい。しかしながら、解答が不正解である場合に基本問題の態様を変化させることを排除するものではない。確認問題についても同様に、第3実施形態において、確認問題についての解答が不正解である場合に、確認問題の態様を変化させることは必須ではなく、同じ確認問題を繰り返し出題してもよい。しかしながら、解答が不正解である場合に確認問題の態様を変化させることを排除するものではない。なお、第1実施形態及び第2実施形態と第3実施形態とは、組み合わせて実施可能であってよい。
【0092】
第3実施形態において、設問登録部111は、少なくとも、設問者端末200における、基本問題又は確認問題の入力に応じて、他の基本問題及び他の確認問題のいずれかの案を生成し、設問者端末200へ送信してもよい。なお、他の基本問題とは、第1実施形態のようにカリキュラムがカテゴリを含んで構成される場合、基本問題群のうち少なくとも1の基本問題が設問者端末200で入力された際に、基本問題群のうちその他の基本問題を指してよい。同様に、他の確認問題とは、第1実施形態のようにカリキュラムがカテゴリを含んで構成される場合、確認問題群のうち少なくとも1の確認問題が設問者端末200で入力された際に、確認問題群のうちその他の確認問題を指してよい。しかしながら、基本問題と確認問題との区別はなくてもよい。すなわち、基本問題の入力に応じて、確認問題が提案されてもよく、確認問題の入力に応じて、基本問題が提案されてもよい。また、提案された問題を基本問題とするか確認問題とするかは、設問者によって設定されるものであってよい。
【0093】
すなわち、本発明の第3実施形態によれば、設問者が基本問題又は確認問題を入力すると、他の基本問題や確認問題の案(設問案)が提案されてよい。設問者は、提案された設問案を利用して、提案された設問をそのまま、又は、適当な修正を加えて、基本問題又は確認問題を設定してもよい。
【0094】
例えば、設問登録部111は、基本問題又は確認問題についての設問情報に基づき、所定の類義語辞典等を参照して、問題の別の表現を提案してもよい。別の表現とは、例えば、問題を類義語で置換した表現、対義語による別表現であってよい。なお、設問登録部111によって生成される案は、問題本文のみならず、選択肢に関するものであってもよい。例えば、設問登録部111は、対義語のライブラリを参照して、選択肢の対義表現を提示してもよい。例えば、選択肢として、「前日の夜飲酒をした翌朝の運転は、飲酒運転とならない」という文章が設問者によって入力された場合に、設問登録部111は、「前日の夜飲酒をした翌朝の運転でも、飲酒運転となることがある」といった対義表現の文章を提示してもよい。本発明の第3実施形態によれば、基本問題は誤答を選択させ、確認問題として正答を選択させる場合、例えば基本問題で誤答肢を入力し、設問登録部111によって対義表現の選択肢を作成させ、確認問題で用いることができるため、設問者の手間を削減することができる。
【0095】
また、例えば、設問登録部111は、受信した設問情報から、所定のキーワードを抽出してよい。例えば、
図8の例では、設問登録部111は、問題文における「ハラスメント」とのキーワードを抽出してよい。設問登録部111は、抽出した所定のキーワードを検索クエリとして、ウェブ上(ネットワーク500上)のコンテンツを検索してよい。なお、検索は、設問情報の受信に応じて自動的に行われてもよい。あるいは、検索は、例えば、設問者端末200から検索指示が送信された場合(例えば、
図8の問題編集画面30において、検索ボタン34が送信された場合)に行われてもよい。ウェブ上には、多数のQ&Aや、あるキーワードに対する説明や事例等を含むコンテンツが存在する。設問登録部111は、それらのコンテンツを検索し、所定のキーワードを含むコンテンツを検索結果として提供してよい。設問登録部111は、検索結果に応じて、基本問題及び確認問題の少なくともいずれかの案を、設問者端末200へ送信してよい。なお、設問登録部111による案の提示は、コンテンツのURLを示すものであってもよいし、問題文を作成して提示するものであってもよい。
【0096】
また、設問登録部111は、ウェブ上のQ&A等のコンテンツを学習し、設問者端末200で複数の問題や選択肢が設定されると、自動的にその他の問題や選択肢の案を設定することができてもよい。
【0097】
なお、設問登録部111による設問の提案には、設問情報だけでなく、他の情報が用いられてもよい。他の情報とは、例えば、上述したカテゴリやカリキュラムについての情報であってよい。
【0098】
上述のように、本発明の第3実施形態によれば、設問者の設問作業に応じて、設問の案が提示される。従って、設問者による設問作業を支援し、学習システムにかかる設問作業の手間を削減可能な情報処理装置を提供することができる。
【0099】
<その他の実施形態>
さらに、本発明の一実施形態によれば、サーバ100によって、設問者が設定した問題の校正や修正の提案がなされてもよい。例えば、設問者端末200の設問編集画面で設問の編集中、または、設問の編集が完了後に、図示しないサーバ100の校正部によって、問題の校正が行われてもよい。例えば、
図11(a)に示すように、「文章の調子が統一されていません」や、「明らかに誤りとわかる言葉です」といったメッセージが表示されてもよい。なお、問題に用いることを避けるべき単語や文体等を予めライブラリとして記憶装置400又は記憶部170等に格納しておき、当該ライブラリを参照して、文章の校正や修正の提案がなされてもよい。問題に用いることを避けるべき単語とは、その単語を含むことにより明らかに正解でない/正解であるとわかる単語や、その単語を含むことにより問題が曖昧となる単語等である。また、類義語辞典等を参照して、選択肢や問題の別の表現が提案されてもよい。
【0100】
また、ユーザの履修履歴に応じて、問題の修正の提案がなされてもよい。サーバ100は、設問毎に、複数のユーザの履修履歴を記憶してよい。履修履歴とは、ある設問を正解するまでに要した回数、時間、選択した選択肢等を含んでよい。サーバ100は、履修履歴に基づいて、修正すべき問題に関する情報を、設問者端末200へ送信してよい。修正すべき問題とは、例えば、正解率が低い問題、正解率が高い問題、解答までに時間がかかっている問題であったり、選択される回数が少ない選択肢を含む問題等であってよい。サーバ100は、設問者端末200から要求された場合、又は、定期的に、設問者の設定した問題について、例えば
図11(b)のようなレポートを送信してもよい。なお、図は一例であって、レポートの態様はこれに限定されない。
【0101】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したり、必要に応じて適宜省略又は変更することが可能である。また、上記実施の形態に示す構成を適宜組み合わせることとしてもよい。例えば、サーバ100が備えるとして説明した各機能部は、複数のサーバによって分散されて実現されてもよいし、設問者端末200や学習者端末300が備えてもよい。逆に、設問者端末200や学習者端末300が備えるとして説明した各機能部は、サーバ100が備えてもよい。
【0102】
また、上述した学習システム600は、カリキュラムとして動画の視聴を含んでもよい。そして、動画の視聴後に、上述した基本問題・確認問題が出題されてもよい。これにより、知識のインプットとアウトプットを適切なタイミングで行うことができ、知識の定着に寄与することが可能となる。
【0103】
また、ある問題について正解であっても、解答するまでの時間が所定の時間よりも長い場合は、当該問題を再度基本問題又は確認問題に含ませてユーザに解答させてもよい。これにより、ユーザによるまぐれでの正解をなくし、正確に理解度を確認することができる。
【0104】
なお、上述では、1つのカテゴリ内で、基本問題と確認問題とが実施される態様について説明した。しかしながら、カリキュラムが複数のカテゴリを含む場合、それぞれのカテゴリ内の基本問題を実施し、全ての基本問題について確認問題に進むための条件が満たされてから、それぞれのカテゴリ内の確認問題が実施できてもよい。
【0105】
本開示の各実施形態のプログラムは、情報処理装置に読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムを記憶可能であってよい。プログラムは、例えば、ソフトウェアプログラムや情報処理装置プログラムを含んでよい。
【0106】
記憶媒体は適切な場合、1つ又は複数の半導体ベースの、又は他の集積回路(IC)(例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向けIC(ASIC)等)、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハード・ドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィ・ディスケット、フロッピィ・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュア・デジタル・カードもしくはドライブ、任意の他の適切な記憶媒体、又はこれらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、又は揮発性と不揮発性の組合せであってよい。
【0107】
また、本開示のプログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、サーバ100に提供されてもよい。
【0108】
また、本開示の各実施形態は、プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0109】
なお、本開示のプログラムは、例えば、JavaScript(登録商標)、Python等のスクリプト言語、C言語、Go言語、Swift,Koltin、Java(登録商標)等の任意のプログラミング言語を用いて実装されてよい。
【符号の説明】
【0110】
100 サーバ(情報処理装置)
110 制御部
111 設問登録部
112 問題提供部
113 基本問題群提供部
114 確認問題群提供部
115 判定部
120 通信部
130 入出力部
170 記憶部
200 設問者端末(通信端末)
210 制御部
211 表示処理部
212 入出力制御部
220 通信部
230 入出力部
240 表示部
270 記憶部
300 学習者端末(通信端末)
310 制御部
311 表示処理部
312 入出力制御部
320 通信部
330 入出力部
340 表示部
370 記憶部
400 記憶装置
500 ネットワーク
600 学習システム