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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082210
(43)【公開日】2022-06-01
(54)【発明の名称】計量収納容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/06 20060101AFI20220525BHJP
【FI】
B65D83/06 M
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020193638
(22)【出願日】2020-11-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】520458071
【氏名又は名称】塩田電化株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塩田 成仁
(57)【要約】
【課題】計量対象物の擦り切りがスムーズに行えるコンパクトな計量収納容器を提供する。
【解決手段】計量収納容器1は、米17が収納される把持可能な容器本体2と、容器本体2の上面の一端部を切り欠いた切欠部3と、容器本体2内に設けられ、切欠部3に上面開口部4を臨ませた有底筒状の計量部5と、計量部5の上面開口部4を越えた米17を切欠部3を介して容器本体2に押し戻す擦切り遮蔽部6とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計量対象物を定量計量して取り出し可能な計量収納容器であって、
前記計量対象物が収納される把持可能な容器本体と、
前記容器本体の上面の一端部を切り欠いた切欠部と、
前記容器本体内に設けられ、前記切欠部に上面開口部を臨ませた有底筒状の計量部と、
前記計量部の前記上面開口部を越えた前記計量対象物を前記切欠部を介して前記容器本体に押し戻す擦切り遮蔽部とを備えることを特徴とする計量収納容器。
【請求項2】
請求項1記載の計量収納容器において、
前記切欠部は、上下方向の切断面である側面切欠部と横方向の切断面である上面切欠部とを有し、
前記擦切り遮蔽部は、前記切欠部を覆う箱型の形状を有するものであって、底面が解放された底面解放部と、前記側面切欠部に対応する側面を解放させた側面解放部とを有し、前記容器本体に対して横方向にスライド自在に構成され、該側面解放部と対向する内側面により前記計量部の前記上面開口部を越えた前記計量対象物を該側面切欠部を介して前記容器本体に押し戻すことを特徴とする計量収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量対象物の一定量を計量して取り出すことが可能な計量収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、計量対象物の一定量を計量して取り出ことができるようにした装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
引用文献1の装置は、竪型の箱本体と蓋を備え、箱本体の内底部又は蓋の頂壁内側のいずれか一方に、一端が側壁に形成した粉粒放出口部に連通する横向き案内筒を備える。案内筒の中途には、ホッパ付き粉粒流入口が設けられる。案内筒内には、計量小箱が、粉粒流入口部から放出口部間でスライド自在に装填される。小箱には、スライド時に粉粒放流入口を閉じる塞板が設けられる。
【0004】
引用文献2の装置は、米を蓄える漏斗状のホッパと、手動で前後に出し入れする引き出しと、計量升とを備える。計量升は、引き出しに取り出し可能に載置してあり、引き出し後退時にホッパ流出口に連通する。ホッパ流出口の前面には、弾性部材からなる均し板が配置される。引き出しを前方に引き出す際に、均し板により計量升上面の米が擦り切られ、定量の米を計量升ごと取り出すことができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭61-197934号公報
【特許文献2】特開2019-41996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1、2の装置によれば、ホッパから下方の計量小箱又は計量升に流入した計量対象物を、塞板又は均し板により擦り切るようにしている。このため、計量対象物を、塞板又は均し板により擦り切る際に、ホッパ内の計量対象物からの圧力を受けている計量小箱又は計量升内の計量対象物が、計量小箱又は計量升の縁と塞板又は均し板の端縁との間に挟まって、計量小箱又は計量升の移動による計量対象物の擦り切りがスムーズに行えない恐れがある。また、計量小箱又は計量升を移動させるためのスペースが必要であるため、装置が大型化する。
【0007】
本発明の目的は、かかる従来技術の課題に鑑み、計量対象物の擦り切りがスムーズに行えるコンパクトな計量収納容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の計量収納容器は、
計量対象物を定量計量して取り出し可能な計量収納容器であって、
前記計量対象物が収納される把持可能な容器本体と、
前記容器本体の上面の一端部を切り欠いた切欠部と、
前記容器本体内に設けられ、前記切欠部に上面開口部を臨ませた有底筒状の計量部と、
前記計量部の前記上面開口部を越えた前記計量対象物を前記切欠部を介して前記容器本体に押し戻す擦切り遮蔽部とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、容器本体を立った姿勢から計量部側に傾けることにより、容器本体に収納された計量対象物を、切欠き部を経て計量部に送ることができる。そして、容器本体の姿勢を元の立った姿勢に戻し、擦切り遮蔽部により、計量部の上面開口部を越えた計量対象物を、切欠部を介して容器本体に押し戻しつつ、この押し戻しに供した擦切り遮蔽部の部分により、押し戻しに際して押し戻した計量対象物が通過した切欠部の部分を遮蔽することができる。これにより、計量部にはその容積に対応する所定量の計量対象物が残る。
【0010】
さらに、もう一度、容器本体を計量部側に傾けることにより、計量部内の計量対象物をカップ等に移すことができる。このとき、上記切欠き部の部分が遮蔽されているので、計量部内の所定量の計量対象物のみを、容易にカップ等に移すことができる。
【0011】
本発明において、
前記切欠部は、上下方向の切断面である側面切欠部と横方向の切断面である上面切欠部とを有し、
前記擦切り遮蔽部は、前記切欠部を覆う箱型の形状を有するものであって、底面が解放された底面解放部と、前記側面切欠部に対応する側面を解放させた側面解放部とを有し、前記容器本体に対して横方向にスライド自在に構成され、該側面解放部と対向する内側面により前記計量部の前記上面開口部を越えた前記計量対象物を該側面切欠部を介して前記容器本体に押し戻すものであってもよい。
【0012】
これによれば、擦切り遮蔽部により、計量部の上面開口部を越えた計量対象物を、側面切欠部を介して容器本体に押し戻したとき、擦切り遮蔽部の側面解放部と対向する内側面により、側面切欠部を閉塞することができる。これにより、計量部に移された計量対象物を、容器本体を傾けてカップ等に移すとき、容器本体の計量対象物が側面切欠部を経て外部にこぼれるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る計量収納容器を示す斜視図である。
図2図1の計量収納容器において擦切り遮蔽部を容器本体に押し戻したときの様子を示す斜視図である。
図3図1の計量収納容器を傾けて、収納されている計量対象物の一部を擦切り遮蔽部に移したときの様子を示す模式図である。
図4図3の状態の計量収納容器を元の立てた状態に戻して、擦切り遮蔽部内の計量対象物を計量部に移したときの様子を示す模式図である。
図5図5の状態の計量収納容器において、擦切り遮蔽部を容器本体に押し戻したときの様子を示す模式図である。
図6図5の状態の計量収納容器を傾けて、計量部内の計量対象物をカップに移している様子を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る計量収納容器を示す。図1に示すこの計量収納容器1は、計量対象物を定量計量して取り出すことができるようになっている。
【0015】
図1に示すように、計量収納容器1は、計量対象物が収納される把持可能な筐体である容器本体2と、容器本体2の上面の一端部を切り欠いた切欠部3と、容器本体2内に設けられ、切欠部3に上面開口部4を臨ませた有底筒状の計量部5と、計量部5の上面開口部4を越えた計量対象物を、切欠部3を介して容器本体2に押し戻す擦切り遮蔽部6とを備える。擦切り遮蔽部6は、箱型の形状を有するとともに、計量部5よりもやや大きい容積を有する。
【0016】
容器本体2の上面には、容器本体2内に計量対象物を投入するときに開けられる蓋部7が設けられる。切欠部3は、上下方向の切断面である側面切欠部8と、横方向の切断面である上面切欠部9とを有する。側面切欠部8には、その内側と外側とを、一部を矩形状の下部開口部10として残して仕切る仕切り壁11が設けられる。下部開口部10の下端縁は、計量部5の上面開口部4の1つの端縁にほぼ一致する位置に位置する。
【0017】
仕切り壁11に対向する擦切り遮蔽部6の内側面12には、下部開口部10に篏合する大きさを有する開口篏合部13が設けられる。擦切り遮蔽部6は、切欠部3を覆う箱型の形状を有する。擦切り遮蔽部6は、底面が解放された底面解放部14と、側面切欠部8に対応する側面を解放させた側面解放部15とを有し、容器本体2に対して横方向にスライド自在に構成される。
【0018】
図2は、擦切り遮蔽部6を図1に示される第1位置から容器本体2側に第2位置まで押し込んだときの様子を示す。図2に示すように、上述の横方向のスライドを実現するために、容器本体2の両側面には、擦切り遮蔽部6を第1位置と第2位置との間でスライド自在に案内する案内部16が設けられる。なお、計量収納容器1は、計量対象物が移動する様子等を目視できるように、その一部又は全部が透明の材料で構成されるのが好ましい。
【0019】
この構成において、計量収納容器1を使用する際には、容器本体2内に計量対象物としての米17が収納され、かつ擦切り遮蔽部6が第1位置に位置する計量収納容器1を、図3のように傾けることにより、容器本体2内の米17の一部を、下部開口部10を介して擦切り遮蔽部6内に移す。
【0020】
次に、図4のように、計量収納容器1を立てて、擦切り遮蔽部6内の米17を計量部5内に移す。このとき、擦切り遮蔽部6は計量部5よりも容積がやや大きいので、計量部5内に移された米17は、上面開口部4(上面切欠部9)を超えてやや盛り上がった状態となる。
【0021】
次に、図5のように、擦切り遮蔽部6を第2位置にスライドさせる。この間に、米17の上面開口部4よりもやや盛り上がった部分が、切欠部3の下部開口部10を経て、擦切り遮蔽部6により容器本体2に押し戻され、擦り切られる。
【0022】
擦切り遮蔽部6の第2位置へのスライドが完了すると、図5のように擦切り遮蔽部6の内側面12が側面切欠部8に密接する。これにより、擦切り遮蔽部6の開口篏合部13が切欠部3の下部開口部10に勘合し、下部開口部10が閉塞される。そして、計量部5内には、計量部5の容積に等しい、例えば一合の米17が収容された状態となる。
【0023】
次に、図6に示すように、容器本体2を傾けて、計量部5内の米17をカップ18内に移す。これにより、計量部5の容積に等しい米17をカップ18内に受け取ることができる。
【0024】
以上のように、本実施形態によれば、容器本体2を傾けてから立てて、擦切り遮蔽部6を移動させ、さらに傾けるだけで、一合の米17をカップ18内に移すことができる。その際に、擦切り遮蔽部6の移動時には、擦切り遮蔽部6によって計量部5からやや盛り上がった米17を容器本体2内に押しやるだけなので、擦切り遮蔽部6の移動をスムーズに行うことができる。
【0025】
また、擦切り遮蔽部6により、計量部5の上面開口部4を越えた米17を、側面切欠部8の下部開口部10を介して容器本体2に押し戻したとき、擦切り遮蔽部6の内側面12により、下部開口部10を閉塞することができる。これにより、計量部5に移された米17を、容器本体2を傾けてカップ18に移すとき、容器本体2内の米17が側面切欠部8の下部開口部10を経て外部にこぼれるのを防止することができる。
【0026】
本発明は、上述の実施形態に限定されない。例えば、計量対象物は、米17に限らず、これに類似した粒状物や粉状物等であってもよい。また、切欠部3において仕切り壁11は無くてもよい。すなわち、下部開口部10の部分のみならず、側面切欠部8の全体にわたって開口していてもよい。
【符号の説明】
【0027】
1…計量収納容器、2…容器本体、3…切欠部、4…上面開口部、5…計量部、6…擦切り遮蔽部、7…蓋部、8…側面切欠部、9…上面切欠部、10…下部開口部、11…仕切り壁、12…内側面、13…開口篏合部、14…底面解放部、15…側面解放部、16…案内部、17…米、18…カップ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計量対象物を定量計量して取り出し可能な計量収納容器であって、
前記計量対象物が収納される把持可能な容器本体と、
前記容器本体の上端部の一方の側において段差部を形成し、該段差部の上下方向の面である側面切欠部と水平方向の面である上面切欠部とを有する切欠部と、
前記容器本体内に設けられ、前記切欠部に上面開口部を臨ませた有底筒状の計量部と、
前記計量部の前記上面開口部を越えた前記計量対象物を、前記切欠部を介して前記容器本体に押し戻す擦切り遮蔽部とを備え、
前記擦切り遮蔽部は、前記切欠部を覆う箱型の形状を有するものであって、底面が解放された底面解放部と、前記側面切欠部に対応する側面を解放させた側面解放部とを有し、
前記側面切欠部における上側の部分は、前記容器本体の内部空間と外部空間とを仕切る仕切り壁となっており、
前記側面切欠部における前記仕切り壁よりも下側の部分は、該仕切り壁よりも面積が小さく、前記容器本体の内部空間と外部空間とを連通する下部開口部となっており、
前記容器本体は、前記擦切り遮蔽部が前記切欠部を覆う第1位置と、該擦切り遮蔽部の前記側面切欠部に対向する内側面が該側面切欠部に密接して前記下部開口部を閉塞する第2位置との間で移動し得るように該擦切り遮蔽部を案内する案内部を備え、
前記擦切り遮蔽部は、前記容器本体から該擦切り遮蔽部を経て前記計量部に移された前記計量対象物のうちの前記上面開口部を越えた部分を、前記第1位置から前記第2位置に移動される際に、前記下部開口部を介して前記容器本体に押し戻すものであり、
前記擦切り遮蔽部の内側面には、該擦切り遮蔽部が前記第2位置に位置するときに、前記下部開口部に嵌合する開口嵌合部が設けられ、
前記容器本体は、矩形状の上端面を有し、
前記擦切り遮蔽部が前記第2位置に位置しているとき、該擦切り遮蔽部の前記側面解放部は、前記上端面を横切る位置に位置することを特徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の計量収納容器は、
計量対象物を定量計量して取り出し可能な計量収納容器であって、
前記計量対象物が収納される把持可能な容器本体と、
前記容器本体の上端部の一方の側において段差部を形成し、該段差部の上下方向の面である側面切欠部と水平方向の面である上面切欠部とを有する切欠部と、
前記容器本体内に設けられ、前記切欠部に上面開口部を臨ませた有底筒状の計量部と、
前記計量部の前記上面開口部を越えた前記計量対象物を、前記切欠部を介して前記容器本体に押し戻す擦切り遮蔽部とを備え、
前記擦切り遮蔽部は、前記切欠部を覆う箱型の形状を有するものであって、底面が解放された底面解放部と、前記側面切欠部に対応する側面を解放させた側面解放部とを有し、
前記側面切欠部における上側の部分は、前記容器本体の内部空間と外部空間とを仕切る仕切り壁となっており、
前記側面切欠部における前記仕切り壁よりも下側の部分は、該仕切り壁よりも面積が小さく、前記容器本体の内部空間と外部空間とを連通する下部開口部となっており、
前記容器本体は、前記擦切り遮蔽部が前記切欠部を覆う第1位置と、該擦切り遮蔽部の前記側面切欠部に対向する内側面が該側面切欠部に密接して前記下部開口部を閉塞する第2位置との間で移動し得るように該擦切り遮蔽部を案内する案内部を備え、
前記擦切り遮蔽部は、前記容器本体から該擦切り遮蔽部を経て前記計量部に移された前記計量対象物のうちの前記上面開口部を越えた部分を、前記第1位置から前記第2位置に移動される際に、前記下部開口部を介して前記容器本体に押し戻すものであり、
前記擦切り遮蔽部の内側面には、該擦切り遮蔽部が前記第2位置に位置するときに、前記下部開口部に嵌合する開口嵌合部が設けられ、
前記容器本体は、矩形状の上端面を有し、
前記擦切り遮蔽部が前記第2位置に位置しているとき、該擦切り遮蔽部の前記側面解放部は、前記上端面を横切る位置に位置することを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
また、擦切り遮蔽部により、計量部の上面開口部を越えた計量対象物を、側面切欠部を介して容器本体に押し戻したとき、擦切り遮蔽部の側面解放部と対向する内側面により、側面切欠部を閉塞することができる。これにより、計量部に移された計量対象物を、容器本体を傾けてカップ等に移すとき、容器本体の計量対象物が側面切欠部を経て外部にこぼれるのを防止することができる。