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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082216
(43)【公開日】2022-06-01
(54)【発明の名称】エアロゲル複合成形体
(51)【国際特許分類】
   C01B 33/16 20060101AFI20220525BHJP
   C01B 33/18 20060101ALI20220525BHJP
   F16L 59/02 20060101ALI20220525BHJP
【FI】
C01B33/16
C01B33/18 E
F16L59/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020193647
(22)【出願日】2020-11-20
(71)【出願人】
【識別番号】000170716
【氏名又は名称】黒崎播磨株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】301023238
【氏名又は名称】国立研究開発法人物質・材料研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】110001601
【氏名又は名称】特許業務法人英和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松▲崎▼ 和宏
(72)【発明者】
【氏名】佐々山 博亘
(72)【発明者】
【氏名】松尾 幸久
(72)【発明者】
【氏名】山下 翔悟
(72)【発明者】
【氏名】ウー ラダー
(72)【発明者】
【氏名】李 官益
【テーマコード(参考)】
3H036
4G072
【Fターム(参考)】
3H036AB23
3H036AB24
3H036AB32
3H036AE01
3H036AE08
4G072AA25
4G072AA28
4G072BB04
4G072BB05
4G072BB15
4G072BB16
4G072CC08
4G072CC18
4G072DD03
4G072GG02
4G072MM02
4G072MM26
4G072MM40
4G072QQ02
4G072QQ03
4G072TT01
4G072UU30
(57)【要約】
【課題】エアロゲル複合成形体において、低い熱伝導率を有すると共に、成形体の欠陥の発生を低減すること。
【解決手段】エアロゲル粉末と、当該エアロゲル粉末を除くシリカ超微粉とを含む原料配合を加圧成形してなるエアロゲル複合成形体、及びこのエアロゲル複合成形体を備える断熱材である。前記エアロゲル粉末は、メジアン径が1μm以上45μm以下であり、前記原料配合は、前記エアロゲル粉末を1質量%以上55質量%以下含有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゲル粉末と、当該エアロゲル粉末を除くシリカ超微粉とを含む原料配合を加圧成形してなるエアロゲル複合成形体であって、
前記エアロゲル粉末は、メジアン径が1μm以上45μm以下であり、
前記原料配合は、前記エアロゲル粉末を1質量%以上55質量%以下含有する、エアロゲル複合成形体。
【請求項2】
前記原料配合は、前記シリカ超微粉を40質量%以上95質量%以下含有する、請求項1に記載のエアロゲル複合成形体。
【請求項3】
前記原料配合は、繊維を0.5質量%以上10質量%以下含有する、請求項1又は2に記載のエアロゲル複合成形体。
【請求項4】
前記エアロゲル粉末は中空粒子を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のエアロゲル複合成形体。
【請求項5】
前記エアロゲル粉末のメジアン径が15μm以上25μm以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載のエアロゲル複合成形体。
【請求項6】
前記原料配合中の前記エアロゲル粉末の含有量が2質量%以上30質量%以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載のエアロゲル複合成形体。
【請求項7】
前記原料配合中の前記エアロゲル粉末の含有量が4質量%以上15質量%以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載のエアロゲル複合成形体。
【請求項8】
前記シリカ超微粉がフュームドシリカを含み、前記フュームドシリカは比表面積が100m/g以上400m/g以下である、請求項1から7のいずれか一項に記載のエアロゲル複合成形体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゲル複合成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、断熱材として、シリカ超微粉(フュームドシリカ)を主原料として含む原料配合を加圧成形して得られる、微細多孔性断熱材が知られている(例えば特許文献1)。
このような微細多孔性断熱材は、熱伝導率が低いことから高い断熱性を有するものの、より高い断熱性を実現するために、より低い熱伝導率を実現できる材料が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6431252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、非常に低い熱伝導率を有する材料として知られているエアロゲルに着目し、エアロゲル粉末を原料配合に配合した断熱材等の成形体を得るという発想を得た。ところが、単にエアロゲル粉末を原料配合に配合するだけでは、成形体において欠陥(亀裂)の発生が顕著となることがわかった。
【0005】
本発明の課題は、エアロゲル複合成形体において、低い熱伝導率を有すると共に、成形体の欠陥の発生を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは断熱材等として、低い熱伝導率を有すると共に成形体の欠陥の発生を低減すべく、原料配合の構成等について試験及び検討を重ねた結果、本発明を想到するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の一観点によれば、次のエアロゲル複合成形体が提供される。
エアロゲル粉末と、当該エアロゲル粉末を除くシリカ超微粉とを含む原料配合を加圧成形してなるエアロゲル複合成形体であって、
前記エアロゲル粉末は、メジアン径が1μm以上45μm以下であり、
前記原料配合は、前記エアロゲル粉末を1質量%以上55質量%以下含有する、エアロゲル複合成形体。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、エアロゲル複合成形体において、低い熱伝導率を有すると共に、成形体の欠陥の発生を低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のエアロゲル複合成形体は、エアロゲル粉末と、当該エアロゲル粉末を除くシリカ超微粉(以下、単に「シリカ超微粉」という。)とを含む原料配合を加圧成形してなる。このように、原料配合にエアロゲル粉末とシリカ超微粉とを含むことで、低熱伝導率を実現できると共に、成形体の欠陥の発生を低減することができる。
【0010】
本発明に用いるエアロゲル粉末は、メジアン径(d50)が1μm以上45μm以下である。このようなエアロゲル粉末は、エアロゲル原料(例えばシリカゲル)の超臨界乾燥又は常圧乾燥等の公知の方法で得られたエアロゲルを適宜粉砕することで得ることができる。すなわち、公知の乾燥方法で得られたエアロゲルを、メジアン径が1μm以上45μm以下となるように粉砕することで得られる。エアロゲルとしては、シリカエアロゲル、アルミナエアロゲル、ジルコニアエアロゲル、ポリマーエアロゲル、カーボンエアロゲル等が知られており、本発明においてエアロゲル粉末としては、これらのエアロゲルを粉砕した、シリカエアロゲル粉末、アルミナエアロゲル粉末、ジルコニアエアロゲル粉末、ポリマーエアロゲル粉末、カーボンエアロゲル粉末等から選択される1種又は2種以上を用いることができる。ただし、より低い熱伝導率を実現するには、シリカエアロゲル粉末を用いることが好ましい。
【0011】
エアロゲル粉末のメジアン径が1μm未満ではエアロゲルの微細気孔構造が損なわれ、熱伝導率の十分な低減効果が得られない。一方、エアロゲル粉末のメジアン径が45μm超では、成形後のスプリングバック量が大きくなり、成形体に欠陥が多数発生してしまう。
エアロゲル粉末のメジアン径は、15μm以上25μm以下であることが好ましい。また、エアロゲル粉末の最大粒子径は600μm以下であることが好ましい。
【0012】
本発明においてエアロゲル粉末は、原料配合中に1質量%以上55質量%以下の範囲で含有させる。エアロゲル粉末の含有量が1質量%未満では、低熱伝導率を実現することができない。一方、エアロゲル粉末の含有量が55質量%超では、成形後のスプリングバック量が大きくなり、成形体に欠陥が多数発生してしまう。
原料配合中のエアロゲル粉末の含有量は、2質量%以上30質量%以下であることが好ましく、4質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。
【0013】
本発明においてエアロゲル粉末は中空粒子を含むことが好ましい。中空粒子がエアロゲルに残存する微細な連通孔(空孔)を塞ぎ、空気分子を介する熱伝導を抑えることにより、熱伝導率がさらに低下する。
また、中空粒子内に空気よりも熱伝導率の低い気体(例えば二酸化炭素)を封入することにより、さらに熱伝導率を低減することができる
【0014】
中空粒子は、特に限定されないが、ナノ中空粒子、マイクロ中空粒子、又はその両方とすることができる。ナノ中空粒子は、好ましくは、外径が30nm以上360nm以下、球殻の厚さが7.5nm以上65nm以下の範囲に調製される。外径については常温常圧の空気の平均自由行程の約1/2~約5倍の範囲に相当する。このように、ナノ中空粒子は、中空の大きさが空気の平均自由行程と同じオーダーに調製されているため、エアロゲルに添加された場合には、熱伝導率低下効果への寄与が大きい。マイクロ中空粒子は、好ましくは、外径が1μm以上23μm以下、球殻の厚さが0.35μm以上3μm以下の範囲に調製される。外径については常温常圧の空気の平均自由行程の15倍よりも大きく、熱伝導率低下効果への寄与に加えて、エアロゲルの網目の構造的強度を高める効果がある。エアロゲルには、上述したような微細な連通孔が残存しているが、添加された中空粒子はこの連通孔を塞ぎ、連通孔によって生じていた対流などの気体を介した熱伝導を抑えるため、断熱効果を高める。
ナノ中空粒子は、例えば、ソフトテンプレート法によって製造することができる。すなわち、エタノール中で高分子電解質の表面をアンモニアで修飾し、シリカ(SiO)でコーティングすることにより、中核と球殻からなる粒子が生成される。これを洗浄又は焼成することによって中核に封じ込められていた媒質を取り除き、中空粒子が生成される。
マイクロ中空粒子の製造には、例えば二重エマルジョン法が好適である。界面活性剤を含む油相と前駆体及び界面活性剤からなる水相のような非混和性液体からなる分散多相システムから、乳化によって油相を連続相とし、水相を中心とする液滴を含むエマルジョンが生成され、これに水相を加えることによって水相の連続相にゲルを中心とする液滴を含むエマルジョンに変わる。これを洗浄/濾過又は焼成することによって、マイクロ中空粒子が製造される。
【0015】
このような中空粒子を含むエアロゲル粉末は、例えば以下の方法により得ることができる。
シリカエアロゲルを例に説明すると、中空粒子を含むシリカエアロゲルは、主に以下の2ステップにより製作される。ゾルゲル法による湿潤ゲルを形成するステップと、その湿潤ゲルを乾燥するステップである。湿潤ゲルはナノ構造の固体シリカの網目と液体の溶媒からなり、シリカ前駆体分子を加水分解、縮合して製作される。このシリカ前駆体は、TEOS(Tetraethyl orthosilicate)とメタノールを混合することによって製作される。さらにこの混合液に、中空粒子を添加すると共に、合計6.3gのシュウ酸(0.01M)を添加し、最後に1.5gの水酸化アンモニウム(NHOH 0.5M)が加えられ、アルコゾルとなる。このアルコゾルは室温で放置されるとゲル化する。この湿潤ゲルを乾燥すると中空粒子を含むシリカエアロゲルとなり、このシリカエアロゲルを粉砕すると中空粒子を含むシリカエアロゲル粉末となる。
【0016】
エアロゲル粉末中の中空粒子の含有量は0.01質量%以上30質量%以下であることは好ましく、0.1質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上10質量%以下であることが最も好ましい。
【0017】
本発明において原料配合中のシリカ超微粉の含有量は、40質量%以上95質量%以下であることが好ましい。これにより、成形体において欠陥の発生をさらに低減することができる。
シリカ超微粉としては、フュームドシリカのほか、沈降法で得られるシリカ超微粉やゲル法で得られるシリカ超微粉などを用いることができる。
ここで、「超微粉」とは、沈降法など比較的球形の一次粒子が得られる粉体については一次粒子径が5nm以上200nm以下のものをいい、フュームドシリカなど形状が複雑で粒子径が特定しにくい粉体については比表面積が50m/g以上500m/g以下のものをいう。
シリカ超微粉としてフュームドシリカを含む場合、そのフュームドシリカの比表面積は100m/g以上400m/g以下であることが好ましい。これにより、成形体において欠陥の発生をさらに低減できる。すなわち、フュームドシリカは上述の通り複雑な形状を有するところ、比表面積が小さいということはフュームドシリカが短いということであり、原料粒子の絡み合いが弱くなる結果、成形体の強度が低くなる。一方、比表面積が大きいということはフュームドシリカが長いということであり、原料粒子の絡み合いが強くなる結果、成形体の強度が高くなる。これらを勘案して、フュームドシリカの比表面積は100m/g以上400m/g以下であることが好ましい。
【0018】
本発明において原料配合は、繊維を0.5質量%以上10質量%以下含有することが好ましい。これにより成形体の圧縮強度を向上させることができると共に、成形体の欠陥の発生を低減することもできる。
繊維としては、無機繊維、有機繊維のいずれでもよく、無機繊維としてはシリカ繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維等が挙げられ、有機繊維としては綿、麻、絹などの天然繊維、アラミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、アクリル、レーヨン、セルロースナノファイバーなどの合成繊維等が挙げられる。
【0019】
本発明において原料配合は、上述のエアロゲル粉末、シリカ超微粉及び繊維のほかに、フュームドアルミナ、炭化珪素、二酸化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、ケイ酸ジルコニウム、酸化亜鉛、雲母、金属アルミニウム等の粉末を適宜含み得る。
そして、このような原料配合を必要に応じて混和処理した後、加圧成形することで、本発明のエアロゲル複合成形体が得られる。
加圧成形の方法としては、一軸加圧成形、二軸加圧成形、CIP成形等を用いることができる。加圧成形の条件は、求められるエアロゲル複合成形体の性状に応じて、適宜決定することができる。
なお、加圧成形の前に、原料配合にバインダーを添加してもよいし、添加しなくてもよい。
【0020】
本発明のエアロゲル複合成形体は、断熱材として好適に利用することができるが、消音材として利用することもできる。すなわち、本発明のエアロゲル複合成形体は多孔質であり、これに音波が当たると成形体中の空気が振動する際に抵抗が働き、音のエネルギーが摩擦によって熱エネルギーに変換され吸音効果が生じるため、吸音材として利用することもできる。
【実施例0021】
表1に本発明の実施例であるエアロゲル複合成形体の原料配合及び評価結果を示し、表2に比較例の原料配合及び評価結果を示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
表1及び表2に示す原料配合において「シリカエアロゲル粉末A」とは、エアロゲル原料(シリカゲル)の常圧乾燥という公知の乾燥方法で得られたシリカエアロゲルを適宜粉砕して得たシリカエアロゲル粉末であり、「シリカエアロゲル粉末B」とは、超臨界乾燥法で得た中空粒子を含むシリカエアロゲル粉末である。また、「残部」とはフュームドアルミナ及び炭化珪素粉末である。
【0025】
各例の原料配合を混和処理後、バインダーを添加することなく、成形圧力10kg/cmで一軸加圧成形することで、幅50mm×長さ50mm×厚さ20mmの成形体を得た。そして、各例の成形体について、熱伝導率、欠陥(亀裂)の本数及び圧縮強度を評価し、これらの評価結果に基づき総合評価を行った。
各評価項目の評価方法及び評価基準は以下の通りである。
<熱伝導率>
JIS A1412-1「熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法-第1部:保護熱板法(GHP法)」により室温下で測定し、一般的なシリカ断熱材である比較例1の熱伝導率(W/mK)を100として相対値を求めた。この相対値が小さいほど 熱伝導率が低い(断熱性が高い)ということである。熱伝導率の評価では、この相対値が80未満の場合を○(良)、80以上95未満の場合を△(可)、95以上の場合を×(不良)とした。
<欠陥の本数>
上述の幅50mm×長さ50mm×厚さ20mmの成形体の4側面に目視できる線状の欠陥の本数をカウントした。線状の欠陥の本数が合計で、0~10本の場合を○(良)、11~30本の場合を△(可)、31本以上の場合を×(不良)とした。なお、欠陥の本数として上記〇及び△は断熱材等として利用可能なレベルである。
<圧縮強度>
上述の幅50mm×長さ50mm×厚さ20mmの成形体から幅40mm×長さ40mm×厚さ20mmの試験片を切り出し、JIS R2206-2「耐火れんがの圧縮強さの試験方法-第2部:パッキングを用いる方法」により圧縮応力度=0.05~0.2MPa/sの条件下で測定し、一般的なシリカ断熱材である比較例1の圧縮強度(MPa)を100として相対値を求めた。この相対値が大きいほど 成形体の圧縮強度が高くかつ成形体の欠陥の本数も少なく良好であるということである。圧縮強度の評価では、この相対値が80以上の場合を○(良)、50以上80未満の場合を△(可)、50未満の場合を×(不良)とした。
<総合評価>
上述の各評価において、全て○の場合を○(良)、×がなく、いずれかに△がある場合を△(可)、いずれか一つが×の場合を×(不良)とした。
【0026】
表1に示す実施例1~15は、本発明の範囲内にあるエアロゲル複合成形体である。これらの総合評価は○(良)又は△(可)であり、熱伝導率、欠陥の本数、圧縮強度のいずれも良好な評価が得られた。なかでも実施例5~12は、エアロゲル粉末の含有量及びメジアン径、シリカ超微粉(フュームドシリカ)の含有量及び比表面積、並びに繊維の含有量が、いずれも上述の好ましい範囲内にあるエアロゲル複合成形体である。その総合評価は○(良)であり、他の実施例に比べてより良好な評価が得られた。また、実施例7は、中空粒子を含むシリカエアロゲル粉末である「シリカエアロゲル粉末B」を使用したもので、熱伝導率が顕著に低下した。
【0027】
表2に示す比較例1は、エアロゲル粉末を含有しない、一般的なシリカ断熱材である。成形体の欠陥の本数は少なく、及び圧縮強度は十分であったが、熱伝導率の評価が×(不良)となった。
比較例2は、エアロゲル粉体の含有量が多すぎるエアロゲル複合成形体であり、成形体の欠陥の本数及び圧縮強度の評価が×(不良)となった。
比較例3は、エアロゲル粉体のメジアン径が小さすぎるエアロゲル複合成形体であり、熱伝導率の評価が×(不良)となった。
比較例4は、エアロゲル粉体のメジアン径が大きすぎるエアロゲル複合成形体であり、成形体の欠陥の本数及び圧縮強度の評価が×(不良)となった。