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特開2022-82219MaaSシステム、プログラム、及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082219
(43)【公開日】2022-06-01
(54)【発明の名称】MaaSシステム、プログラム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220525BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020193656
(22)【出願日】2020-11-20
(71)【出願人】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 謙介
(72)【発明者】
【氏名】奥野 眞
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC17
(57)【要約】
【課題】利用者に対する利便性を向上させることができるMaaSシステム等を提供する。
【解決手段】利用者が旅行を行う際に用いる移動手段に関する情報を出力するMaaSシステムは、前記利用者の情報端末と通信可能に接続される情報処理装置を備え、前記情報処理装置は、前記情報端末から出力される利用者の出発地及び旅行許容時間を取得し、取得した前記出発地及び前記旅行許容時間に基づき、一つ以上の立ち寄りスポットと、該立ち寄りスポットまでの移動手段と、該立ち寄りスポットに関する情報を含むタイムスケジュールとを、含む複数の旅行プランを生成し、生成した前記旅行プランを前記情報端末に出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が旅行を行う際に用いる移動手段に関する情報を出力するMaaSシステムであって、
前記利用者の情報端末と通信可能に接続される情報処理装置を備え、
前記情報処理装置は、前記情報端末から出力される利用者の出発地及び旅行許容時間を取得し、
取得した前記出発地及び前記旅行許容時間に基づき、一つ以上の立ち寄りスポットと、該立ち寄りスポットまでの移動手段と、該立ち寄りスポットに関する情報を含むタイムスケジュールとを、含む複数の旅行プランを生成し、
生成した前記旅行プランを前記情報端末に出力する
MaaSシステム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、
取得した前記出発地及び前記旅行許容時間に基づき、複数の旅行プランを生成し、
生成した前記複数の旅行プランをリスト形式で出力する
請求項1に記載のMaaSシステム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、
出力した前記複数の旅行プランのうちから、前記利用者によって選択されたいずれかの旅行プランに関する選択情報を取得し、
取得した前記選択情報に基づき、前記利用者によって選択された旅行プランの詳細情報を出力する
請求項1又は請求項2に記載のMaaSシステム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、
出力した前記複数の旅行プランのうちから、前記利用者によって最終決定されたいずれかの旅行プランに関する最終決定情報を取得し、
取得した前記最終決定情報に基づき、前記利用者によって最終決定された旅行プランに含まれる立ち寄りスポットの人気度を示す値を更新する
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のMaaSシステム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、
前記利用者の終着地を更に取得し、
取得した前記出発地、前記旅行許容時間及び前記終着地に基づき、一つ以上の立ち寄りスポット、該立ち寄りスポットまでの移動手段、及び、該立ち寄りスポットに関する情報を含むタイムスケジュールを含む旅行プランを生成し、
前記立ち寄りスポットは、前記出発地から前記終着地までの移動経路に含まれる
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のMaaSシステム。
【請求項6】
前記移動手段は、異なる種類の交通機関による複数の移動手段を含み、
前記情報処理装置は、前記交通機関に応じた旅行プランを生成する
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のMaaSシステム。
【請求項7】
前記情報処理装置は、
前記利用者が前記旅行プランに基づき旅行を開始した際、継続的に前記利用者の現在地を取得し、
取得した利用者の現在地に基づき、該旅行プランに含まれるタイムスケジュールに対し所定時間以上の遅れが発生したか否かを判定し、
前記判定結果に基づき、該旅行プランを修正した修正旅行プランを出力する
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のMaaSシステム。
【請求項8】
前記立ち寄りスポットは、宿泊施設に関する情報を含み、
前記タイムスケジュールは、前記宿泊施設における滞在時間を含む
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のMaaSシステム。
【請求項9】
前記複数の旅行プランは、前記旅行許容時間以内となる旅行プランと、前記旅行許容時間を超える旅行プランとを含み、
前記情報処理装置は、前記旅行許容時間以内となる旅行プランと、前記旅行許容時間を超える旅行プランとの表示形態を異ならせて、前記複数の旅行プランを出力する
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のMaaSシステム。
【請求項10】
コンピュータに、
旅行を行う際に用いる移動手段に関する情報を出力するMaaSシステムの利用者の情報端末から出力される、前記利用者の出発地及び旅行許容時間を取得し、
取得した前記出発地及び前記旅行許容時間に基づき、一つ以上の立ち寄りスポットと、該立ち寄りスポットまでの移動手段と、該立ち寄りスポットに関する情報を含むタイムスケジュールとを、含む複数の旅行プランを生成し、
生成した前記旅行プランを前記情報端末に出力する
処理を実行させるプログラム。
【請求項11】
コンピュータに、
旅行を行う際に用いる移動手段に関する情報を出力するMaaSシステムの利用者の情報端末から出力される、前記利用者の出発地及び旅行許容時間を取得し、
取得した前記出発地及び前記旅行許容時間に基づき、一つ以上の立ち寄りスポットと、該立ち寄りスポットまでの移動手段と、該立ち寄りスポットに関する情報を含むタイムスケジュールとを、含む複数の旅行プランを生成し、
生成した前記旅行プランを前記情報端末に出力する
処理を実行させる情報処理方法。
【請求項12】
利用者が旅行を行う際に用いる移動手段に関する情報を出力するMaaSシステムの情報処理装置と通信可能に接続される情報端末を介して、移動手段に関する情報を利用者に提供する情報処理方法であって、
前記情報端末は、
前記利用者の出発地、前記利用者の旅行許容時間、及び終着地に関する情報を受け付け、
前記終着地に関する情報は、前記終着地を設定することを示す要情報、又は前記終着地を設定しないことを示す否情報を含み、
受け付けた前記出発地、前記旅行許容時間、及び前記終着地に関する情報を前記情報処理装置に出力し、
出力した前記出発地、前記旅行許容時間、及び前記終着地に関する情報に基づき前記情報処理装置から出力された旅行プランを、取得し
前記旅行プランには、一つ以上の立ち寄りスポット、該立ち寄りスポットまでの移動手段、及び、該立ち寄りスポットに関する情報を含むタイムスケジュールが含まれており、
取得した前記旅行プランを自端末の表示部にて表示する
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、MaaSシステム、プログラム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザにより指定された出発地および目的地を少なくとも示す検索条件に対応する1以上の移動経路を検索し、検索された1以上の移動経路のうちの少なくとも一つの移動経路のそれぞれについて、ユーザおよび該移動経路の組合せと、該組合せに対応する移動IDとが関連付けられた移動データを生成する情報共有システムが知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1の情報共有システムは、MaaS、すなわち“サービスとしての移動”(Mobility as a Service)のために用いられ得るものとしてあり、当該情報共有システムの検索部は複数の交通事業者を横断するかたちで複数の移動経路を一括して検索する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6666507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の情報共有システム(MaaSシステム)は、ユーザが旅行を行うにあたり移動経路を検索する際、目的地(立ち寄りスポット)を指定する必要があるため、ユーザに対する利便性に欠くことが懸念される。
【0005】
本発明の目的は、利用者に対する利便性を向上させることができるMaaSシステム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るMaaSシステムは、利用者が旅行を行う際に用いる移動手段に関する情報を出力するMaaSシステムであって、前記利用者の情報端末と通信可能に接続される情報処理装置を備え、前記情報処理装置は、前記情報端末から出力される利用者の出発地及び旅行許容時間を取得し、取得した前記出発地及び前記旅行許容時間に基づき、一つ以上の立ち寄りスポットと、該立ち寄りスポットまでの移動手段と、該立ち寄りスポットに関する情報を含むタイムスケジュールとを、含む複数の旅行プランを生成し、生成した前記旅行プランを前記情報端末に出力する。本発明における旅行とは、宿泊を伴う旅行、宿泊を伴わない旅行、及び数時間程度の外出や移動についても含む。すなわち、MaaSシステムは、取得した前記出発地及び前記旅行許容時間に基づき、一つ以上の立ち寄りスポットと、該立ち寄りスポットまでの移動手段と、該立ち寄りスポットに関する情報を含むタイムスケジュールとを、含む複数の旅行プランを、利用者の目的地(終着地)の入力を受け付けることなく生成可能である。これにより、出発地及び目的地(終着地)が入力されることにより、当該出発地から目的地(終着地)までの経路又は交通手段を単に出力するシステムと異なり、MaaSシステムは、出発地及び旅行許容時間のみに基づき、一つ以上の立ち寄りスポットと、該立ち寄りスポットまでの移動手段と、該立ち寄りスポットに関する情報を含むタイムスケジュールとを、含む複数の旅行プランを生成することができる。このように、MaaSシステムは、当該旅行プランを、利用者の目的地(終着地)に基づかず、生成することができ、所謂空き時間(旅行許容時間)に応じて自身の趣向にあった旅行を要望する利用者に対し、適切な旅行プランを提供することができ、当該利用者の利便性及び満足度(CS)を向上させることができる。
【0007】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、旅行を行う際に用いる移動手段に関する情報を出力するMaaSシステムの利用者の情報端末から出力される、前記利用者の出発地及び旅行許容時間を取得し、取得した前記出発地及び前記旅行許容時間に基づき、一つ以上の立ち寄りスポットと、該立ち寄りスポットまでの移動手段と、該立ち寄りスポットに関する情報を含むタイムスケジュールとを、含む複数の旅行プランを生成し、生成した前記旅行プランを前記情報端末に出力する処理を実行させる。
【0008】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータに、旅行を行う際に用いる移動手段に関する情報を出力するMaaSシステムの利用者の情報端末から出力される、前記利用者の出発地及び旅行許容時間を取得し、取得した前記出発地及び前記旅行許容時間に基づき、一つ以上の立ち寄りスポットと、該立ち寄りスポットまでの移動手段と、該立ち寄りスポットに関する情報を含むタイムスケジュールとを、含む複数の旅行プランを生成し、生成した前記旅行プランを前記情報端末に出力する処理を実行させる。
【0009】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、利用者が旅行を行う際に用いる移動手段に関する情報を出力するMaaSシステムの情報処理装置と通信可能に接続される情報端末を介して、移動手段に関する情報を利用者に提供する情報処理方法であって、前記情報端末は、前記利用者の出発地、前記利用者の旅行許容時間、及び終着地に関する情報を受け付け、前記終着地に関する情報は、前記終着地を設定することを示す要情報、又は前記終着地を設定しないことを示す否情報を含み、受け付けた前記出発地、前記旅行許容時間、及び前記終着地に関する情報を前記情報処理装置に出力し、出力した前記出発地、前記旅行許容時間、及び前記終着地に関する情報に基づき前記情報処理装置から出力された旅行プランを、取得し前記旅行プランには、一つ以上の立ち寄りスポット、該立ち寄りスポットまでの移動手段、及び、該立ち寄りスポットに関する情報を含むタイムスケジュールが含まれており、取得した前記旅行プランを自端末の表示部にて表示する。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一態様によれば、利用者に対する利便性を向上させるMaaSシステム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態1に係るMaaSシステムの構成例を示す模式図である。
図2】情報処理装置等の構成例を示すブロック図である。
図3】ユーザマスタテーブルのデータレイアウトを例示する説明図である。
図4】エリアテーブルのデータレイアウトを例示する説明図である。
図5】立ち寄りスポットマスタテーブルのデータレイアウトを例示する説明図である。
図6】立ち寄りスポット移動時間テーブルのデータレイアウトを例示する説明図である。
図7】利用履歴テーブルのデータレイアウトを例示する説明図である。
図8】情報処理装置の制御部に含まれる機能部を例示する機能ブロック図である。
図9】検索条件を受け付けるための検索画面の一例である。
図10】検索結果(提案された複数の旅行プラン)をリスト形式にて表示する検索結果画面の一例である。
図11】候補として選択された旅行プランの詳細を表示するルート表示画面の一例である。
図12】最終決定(確定)された旅行プランによる案内情報を表示するリアルタイム画面の一例である。
図13】情報処理装置の制御部による処理手順の一例を示すフローチャートである。
図14】実施形態2(修正旅行プラン)に係る情報処理装置の制御部に含まれる機能部を例示する機能ブロック図である。
図15】修正された旅行プラン(修正旅行プラン)による表示画面(リアルタイム画面)である。
図16】情報処理装置の制御部による処理手順の一例を示すフローチャートである。
図17】実施形態3(旅行許容時間を超える旅行プラン)に係る検索結果(提案された複数の旅行プラン)のリスト表示画面である。
図18】情報処理装置の制御部による処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。本開示の実施形態に係るMaaSシステムS等を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0013】
(実施形態1)
以下、本開示に関し、実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。図1は、実施形態1に係るMaaSシステムSの構成例を示す模式図である。図2は、情報処理装置1等の構成例を示すブロック図である。MaaSシステムSは、利用者の情報端末3と外部ネットワークNを介して通信可能に接続される情報処理装置1を含む。
【0014】
情報処理装置1は、利用者の情報端末3から出力(送信)される検索条件等を取得(受信)し、取得した検索条件等に基づき、候補となる複数の旅行プランを生成し、当該利用者の情報端末3に出力(送信)する。利用者により情報端末3を介して入力された検索条件等は、例えば、当該利用者が旅行を行うにあたっての出発地と、旅行に用いることができる旅行許容時間(空き時間)とを含む。当該出発地は、例えば、現時点における利用者の所在地であり、利用者が保持する情報端末3に含まれるGPS部36により取得された位置情報(GPSデータ)に基づくものである。又は、出発地は、予め登録されている自宅等の住所を用いるものであってもよい。旅行プランには、利用者によって入力された検索条件等に応じて抽出された、一つ以上の立ち寄りスポット、当該立ち寄りスポットに行くための移動手段、及び旅行許容時間に適合するよう生成されたタイムスケジュールを含む。
【0015】
情報処理装置1は、当該旅行プランを生成するにあたり、立ち寄りスポットに行くための移動手段に関する情報を、外部DBサーバ2から取得するものであってもよい。情報処理装置1と外部DBサーバ2とは外部ネットワークNを介して通信可能に接続されており、当該外部DBサーバ2には、立ち寄りスポットに行くための移動手段に関する情報として、当該立ち寄りスポットの場所の詳細等を含む地図データベース(地図DB)、及び立ち寄りスポットに行くための交通手段を含む乗換データベース(乗換DB)が、保存されている。情報処理装置1は、これら地図DB及び乗換DBを保存している外部DBサーバ2と、例えばAPI(Application Program Interface)を用いて通信し、出発地から抽出した立ち寄りスポットまでの移動手段、又は最初の立ち寄りスポットから次の立ち寄りスポットまでの移動手段を取得するものであってもよい。
【0016】
このような処理を行う情報処理装置1を含むMaaSシステムSを用いることにより、利用者は、自身の空き時間(旅行許容時間)に適合する立ち寄りスポットを含む旅行プランの提案を、当該MaaSシステムSから受けることができる。すなわち、利用者は、旅行先となる立ち寄りスポット(目的地)そのものを入力することなく、自身の旅行嗜好及び空き時間等の希望に応じた立ち寄りスポットを含む旅行プランを、MaaSシステムSを用いることにより入手することができる。利用者は、MaaSシステムSによって提案された複数の旅行プランのうち、いずれかの旅行プランを確定(決定)することにより、確定された旅行プランに基づく案内情報が、利用者の端末装置にて表示される。MaaSシステムSによって提案される旅行プランは、宿泊を伴う旅行、宿泊を伴わない旅行、及び数時間程度の外出や移動等についても対象としたプランである。
【0017】
詳細は後述するが、MaaSシステムSの情報処理装置1は、利用者の旅行嗜好等に加え、公共交通機関の積極的な利用を喚起する観点も含め、例えば、当該利用者が既に保有している乗り放題チケット又は定期券等、交通費の減額が見込まれる移動手段に関する情報についても加味して、候補となる立ち寄りスポットを抽出し旅行プランを生成するものであってもよい。このような処理を行う情報処理装置1を備えるMaaSシステムSにより、利用者に対し旅行情報を提供するサービスを効率的に行い、当該利用者の利便性及び満足度(CS)を向上させることができる。
【0018】
情報処理装置1は、種々の情報処理、情報の送受信が可能なコンピュータであり、例えばサーバ装置、パーソナルコンピュータ等である。サーバ装置は、単体のサーバ装置のみならず、複数台のコンピュータによって構成されるクラウドサーバ装置、又は仮想サーバ装置を含む。情報処理装置1は、制御部13、通信部12及び記憶部11を含む。
【0019】
制御部13は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の計時機能を備えた演算処理装置を有し、記憶部11に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、情報処理装置1に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。
【0020】
記憶部11は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の揮発性記憶領域及び、EEPROM又はハードディスク等の不揮発性記憶領域を含む。記憶部11には、プログラム及び処理時に参照するデータが予め記憶してある。記憶部11に記憶されたプログラムは、情報処理装置1が読み取り可能な記録媒体(図示せず)から読み出されたプログラムを記憶したものであってもよい。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部コンピュータからプログラムをダウンロードし、記憶部11に記憶させたものであってもよい。更に記憶部11には、MaaSシステムSが提供するサービスに加入(サブスクライブ)した利用者に関するデータ、MaaSシステムSによって提供(提案)される立ち寄りスポットに関するデータ、当該利用者によるMaaSシステムSの利用履歴に関するデータを保存及び管理するデータベース(MaaSデータベース110)が、記憶されている。
【0021】
通信部12は、有線又は無線により、情報端末3と通信するための通信モジュール又は通信インターフェイスであり、例えばWi-Fi(登録商標)、 Bluetooth(登録商標)等の狭域無線通信モジュール、又は4G、5G等の広域無線通信モジュールである。制御部13は、通信部12を介し、例えばインターネット等の外部ネットワークNを通じて、利用者の情報端末3と通信する。
【0022】
このように構成された情報処理装置1は、利用者の情報端末3から送信される要求内容に基づき、立ち寄りスポット等を含む旅行プラン等の旅行情報を生成し、当該利用者の情報端末3に送信(出力)するアプリケーションサーバとして機能する。更に、情報処理装置1は、情報端末3から送信(出力)される利用者の利用履歴(GPSデータを含む)に関する情報を保存及び管理するデータベースサーバとして機能を有する。
【0023】
情報端末3は、例えばスマートホン、透過式メガネ型端末(スマートグラス)、タブレットPC又はパーソナルコンピュータ等の携帯端末装置によって構成される。情報端末3は、記憶部31、通信部32、入力部33、表示部34、制御部35及びGPS部36を備える。情報端末3の制御部35、記憶部31及び通信部32は、情報処理装置1と同様の構成のものであってもよい。情報端末3の入力部33は、例えばキーボード、タッチパネル、又はマイク等の入力装置であり、情報端末3の表示部34は、液晶ディスプレイ等の表示装置又は、スピーカ等の音声出力装置であってもよい。情報端末3のGPS部36は、GPS衛星からの信号を受信する受信機能を備え、GPS衛星(図示せず)から周期的に取得する信号に基づき、緯度及び経度を含む位置情報(GPSデータ)を算出する。情報端末3は、情報処理装置1と通信可能に接続され、情報端末3に内蔵されるGPS部36から取得した位置情報(緯度及び経度)に関するデータ(GPSデータ)を情報処理装置1に定常的、周期的又は、所定のイベント発生時に送信する。情報処理装置1は、情報端末3から送信されるGPSデータを記憶部11に記憶する。
【0024】
図3は、ユーザマスタテーブル111のデータレイアウトを例示する説明図である。図4は、エリアテーブル112のデータレイアウトを例示する説明図である。図5は、立ち寄りスポットマスタテーブル113のデータレイアウトを例示する説明図である。図6は、立ち寄りスポット移動時間テーブル114のデータレイアウトを例示する説明図である。図7は、利用履歴テーブル115のデータレイアウトを例示する説明図である。情報処理装置1の記憶部11に記憶されているMaaSデータベース110は、例えば、ユーザマスタテーブル111、エリアテーブル112、立ち寄りスポットマスタテーブル113、立ち寄りスポット移動時間テーブル114、及び利用履歴テーブル115を含む。当該MaaSデータベース110は、例えば、情報処理装置1に実装されるRDBMS(Relational DataBase Management System)等のデータベース管理ソフトウェアにより構成される。
【0025】
ユーザマスタテーブル111にて管理される項目の種類(メタデータ)は、例えば、ユーザID、氏名、生年月日、住所、旅行嗜好、及び定期券区間を含む。ユーザIDの項目(フィールド)には、利用者を識別するための識別番号が、格納される。氏名の項目(フィールド)には、利用者の氏名が、格納される。
【0026】
生年月日の項目(フィールド)には、利用者の生年月日が、格納される。情報処理装置1の制御部13は、当該生年月日に基づき利用者の現時点における年齢を算出し、情報端末3を用いて利用者が入力した検索条件に加え、当該年齢を加味して、候補となる立ち寄りスポットを抽出するものであってもよい。
【0027】
住所の項目(フィールド)には、利用者の自宅の住所が、格納される。情報処理装置1の制御部13は、立ち寄りスポットを抽出するにあたり、当該住所(利用者の自宅)を出発地として用いるものであってもよい。
【0028】
旅行嗜好の項目(フィールド)には、旅行に対し利用者が重視又は希望する情報が格納される。当該情報は、例えば、観光、食べ歩き及びゴルフ等のアトラクションの種類を示す用語、和食、洋食及びスイーツ等の食事の種類を示す用語など、種々の用語を含むものであってもよい。情報処理装置1の制御部13は、情報端末3を用いて利用者が入力した検索条件に加え、当該旅行嗜好に関する情報を加味して、候補となる立ち寄りスポットを抽出するものであってもよい。
【0029】
定期券区間の項目(フィールド)には、利用者が既に保有している通勤定期又は通学定期の乗車区間に関する情報が、格納される。情報処理装置1の制御部13は、情報端末3を用いて利用者が入力した検索条件に加え、当該定期券区間に関する情報を加味して、候補となる立ち寄りスポットを抽出するものであってもよい。立ち寄りスポットに訪問するにあたり、定期券区間に含まれる電車又はバス等の公共交通機関(移動手段)を用いることにより、旅行プランの費用を削減し、利用者に対する利便性及び満足度を向上させることができる。候補となる立ち寄りスポットを抽出するにあたり、情報端末3を用いて利用者が入力した検索条件に加え、ユーザマスタテーブル111にて保存されている当該利用者の属性情報を加味して用いることにより、当該立ち寄りスポットの抽出精度を向上させることが期待される。
【0030】
エリアテーブル112にて管理される項目の種類(メタデータ)は、例えば、エリア名、緯度範囲、及び経度範囲を含むエリア名の項目(フィールド)には、例えば都道府県ごとに、所定の範囲で区分化した領域(エリア)の名称(エリア名)が格納される。
【0031】
緯度範囲及び経度範囲の項目(フィールド)には、当該エリア名の領域(エリア)を区分化するにあたり、緯度範囲及び経度範囲の範囲が格納される。例えば、出発地をGPSデータに基づき確定する場合、当該出発地は緯度及び経度で示すことができ、同様に立ち寄りスポットについても、緯度及び経度で示すことができる。これに対し、出発地から、いずれかの立ち寄りスポットまでの移動のための所要時間、又は、いずれかの立ち寄りスポットから次の立ち寄りスポットまでの移動のための所要時間の概算値を導出するには、個々の緯度及び経度を用いるよりも、所定の範囲で区分化した領域(エリア)に基づき導出するほうが、計算負荷を低減して処理時間を短縮することができる。情報処理装置1の制御部13は、利用者が保持する情報端末3から取得した位置情報(GPSデータ:緯度及び経度)に基づき、当該利用者が位置するエリアを特定することができる。
【0032】
立ち寄りスポットマスタテーブル113にて管理される項目の種類(メタデータ)は、例えば、スポット名、属性、エリア、移動手段(沿線)、推奨滞在時間、乗り放題チケット、優先度、及び人気度を含む。スポット名の項目(フィールド)には、例えば、大阪城等の立ち寄りスポットの名称が格納される。当該スポットは、例えば観光ホテル等の宿泊施設であってもよい。立ち寄りスポット(スポット名)として、宿泊施設を含むことにより、宿泊を要する利用者に対しても、有益な旅行ブランを生成及び出力することができる。
【0033】
属性の項目(フィールド)には、例えば、観光、遊び、飲食、体験・学習等、立ち寄りスポットの旅行嗜好を示す情報が格納される。当該属性に格納された情報は、立ち寄りスポットを抽出するにあたり、利用者が入力した検索条件とのマッチングに用いられる。
【0034】
エリアの項目(フィールド)には、エリアテーブル112にて定義(格納)されているエリア名が格納される。すなわち、対応するスポット名(立ち寄りスポット)が位置するエリア名が格納されている。
【0035】
移動手段(沿線)の項目(フィールド)には、対応するスポット名(立ち寄りスポット)に訪問する際に利用可能な移動手段が格納される。当該移動手段は、電車又はバス等の公共交通機関のみならず、タクシー(taxi)又はレンタカー(car)等の車両による移動手段を含むものであってもよい。情報処理装置1の制御部13は、候補となる立ち寄りスポットを抽出するにあたり、利用可能な移動手段に応じた優先付けをするものであってもよい。すなわち、情報処理装置1の制御部13は、例えば、地下鉄等の所定の公共交通機関が移動手段として利用可能な立ち寄りスポットを優先的に抽出するものであってもよい。
【0036】
推奨滞在時間の項目(フィールド)には、対応するスポット名(立ち寄りスポット)に訪問した際、当該立ち寄りスポットを満喫するにあたり推奨される滞在時間が格納される。情報処理装置1の制御部13は、抽出した立ち寄りスポットに応じたタイムスケジュールを導出するにあたり、当該立ち寄りスポットの推奨滞在時間を加味するものであってもよい。
【0037】
乗り放題チケットの項目(フィールド)には、対応するスポット名(立ち寄りスポット)に訪問する際に利用可能な乗り放題チケットの有無及び種類が格納される。すなわち、当該立ち寄りスポットの最寄りの駅を乗車区間内に含む乗り放題チケットに関する名称、種類等の情報が、乗り放題チケットの項目(フィールド)に格納される。情報処理装置1の制御部13は、利用者が入力した検索条件に、乗り放題チケットに関する情報が含まれる場合、当該検索条件に含まれる乗り放題チケットと、乗り放題チケットの項目(フィールド)に格納されている乗り放題チケットとのマッチングを行い、利用者が入力した乗り放題チケットに適合する立ち寄りスポットを優先的に抽出するものであってもよい。利用者が既に保有している乗り放題チケットの区間に含まれる電車又はバス等の公共交通機関(移動手段)を用いることにより、旅行プランの費用を削減し、利用者に対する利便性及び満足度を向上させることができる。
【0038】
優先度の項目(フィールド)には、対応するスポット名(立ち寄りスポット)の優先度を示す値が格納される。本実施形態における図示においては、優先度の値が高いスポット名は、優先的に候補となる立ち寄りスポットとして抽出される。すなわち、情報処理装置1の制御部13は、当該優先度を、候補となる立ち寄りスポットとして抽出する際の重みづけ係数として用いることができる。優先度は、例えば、立ち寄りスポット(同じレコードに格納されるスポット名)にて開催されているイベント等に応じて、設定される値が格納されるものであってもよい。又は、MaaSシステムSにてサービスを提供するサービス業者側の思惑等により決定される優先度が、格納されるものであってもよい。当該優先度が高い(優先度の値が大きい)立ち寄りスポットが含まれる旅行プランを優先的に出力することにより、立ち寄りスポットに対するプロモーションを推進することができる。
【0039】
人気度の項目(フィールド)には、対応するスポット名(立ち寄りスポット)の人気度を示す値が格納される。本実施形態における図示においては、人気度の値が高いスポット名は、優先的に候補となる立ち寄りスポットとして抽出される。すなわち、情報処理装置1の制御部13は、当該人気度を候補となる立ち寄りスポットとして抽出する際の重みづけ係数として用いることができる。立ち寄りスポットの人気度は、例えば、利用者により、当該立ち寄りスポットを含む旅行プランに対する最終決定(確定)された回数に応じて、当該人気度の値が上昇するものであってもよい。立ち寄りスポットの人気度は利用者の属性ごとに更新してもよい。このように利用者の属性に応じて立ち寄りスポットの人気度を更新することにより、例えば、国籍ごとに人気度が異なる立ち寄りスポット、利用者が近隣者か遠方者かによって人気度が異なる立ち寄りスポットなど、個々の立ち寄りスポットに対し、利用者の属性に応じた人気度を設定することができる。これにより、情報処理装置1の制御部13は、立ち寄りスポットの人気度を、利用者の利用実績を立ち寄りスポットに対する評価情報として利用することができる。なお、利用者の利用実績は、利用者別に管理されるものであってもよい。例えば、利用実績のある立ち寄りスポットは、同じ利用者に対し、次回以降の旅行プランに含めないようにしてもよい。また、利用した実績のある立ち寄りスポットであっても、リニューアルされたとき(あるいは、新しいイベントが追加されたとき)はその旨を表示して、旅行のプランに含めるものであってもよい。
【0040】
立ち寄りスポット移動時間テーブル114にて管理される項目の種類(メタデータ)は、例えば、スポット名、起点エリア、最短所要時間、平均所要時間、及び最長所要時間を含む。スポット名の項目(フィールド)には、立ち寄りスポットマスタテーブル113にて定義(格納)されている立ち寄りスポットのスポット名が格納される。起点エリアの項目(フィールド)には、エリアテーブル112にて定義(格納)されているエリア名が格納される。
【0041】
最短所要時間、平均所要時間、及び最長所要時間のそれぞれの項目(フィールド)には、同じレコードに格納されている起点エリアのエリア名から、スポット名の立ち寄りスポットに移動する際に要する所要時間(移動時間)が、格納される。すなわち、起点エリアの項目(フィールド)に格納されているエリア名が出発地に相当し、スポット名の項目(フィールド)に格納されている立ち寄りスポットが、目的地に相当する。所要時間は、上述のとおり、最短所要時間、平均所要時間、及び最長所要時間による3種類の所要時間が格納される。情報処理装置1の制御部13は、例えば、GPSデータにて取得した利用者の現在地を起点エリアとし、検索条件に含まれる旅行許容時間(利用者の空き時間)以内となる所要時間の立ち寄りスポットを候補として抽出するものであってもよい。利用者によって入力された検索条件において、当該利用者が2つ以上となる複数の立ち寄りスポットに訪問することを希望する場合も想定される。この場合、情報処理装置1の制御部13は、利用者の現在地を起点エリアして最初の立ち寄りスポットまでの所要時間と、当該最初の立ち寄りスポットが位置するエリアを起点エリアとし、次の立ち寄りスポットまで所要時間とを合算した時間(合計所要時間)を算出する。そして、情報処理装置1の制御部13は、当該合算した時間(合計所要時間)が、旅行許容時間(利用者の空き時間)以内なるように、これら立ち寄りスポットの候補を抽出するものであってもよい。情報処理装置1の制御部13は、検索条件に含まれる旅行許容時間(利用者の空き時間)に基づき、立ち寄りスポットの候補を抽出する際、例えば、通常は平均所要時間を用いた抽出するものとし、行動がゆっくりな高齢者に対しては最長所要時間を用い、アクティブな若年者には最短所要時間を用いた抽出するなど、利用者の属性に応じて、いずれかの所要時間を用いるものであってもよい。
【0042】
利用履歴テーブル115にて管理される項目の種類(メタデータ)は、例えば、ユーザID、処理区分、確定旅行プラン、GPSデータ、及び遅れ情報を含む。ユーザIDの項目(フィールド)には、ユーザマスタテーブル111にて定義(格納)されているユーザIDが格納される。
【0043】
処理区分の項目(フィールド)には、対応するユーザID(同じレコードに格納されるユーザID)の利用者が最後に行った操作に関する処理の区分が格納される。当該処理の区分(処理区分)は、例えば、利用者が旅行プランを検索したことを示す「検索」、候補として提示された複数の旅行プランにていずれかの旅行プランを最終決定(確定)したことを示す「最終決定」、及び、最終決定(確定)された旅行プランを修正したことを示す「修正」等を含む。これら処理区分の内容はこれに限定されず、利用者によるMaaSシステムSに対する操作履歴等のログ情報(操作ログ)を、処理区分に格納するものであってもよい。
【0044】
確定旅行プランの項目(フィールド)には、利用者により最終決定(確定)された旅行プランの内容、すなわち当該旅行プランに含まれる立ち寄りスポット、当該立ち寄りスポットまでの移動手段と移動時間(所要時間)、及び立ち寄りスポットにおける滞在時間を含めたタイムスケジュールが格納されている。当該滞在時間は、30分又は1時間等の具体的な時間である場合に限定されず、当該立ち寄りスポットに到着する時刻(到着予定時刻)及び当該立ち寄りスポットから出発する時刻(出発予定時刻)であってもよい。これら情報を含む旅行プランは、例えばXML形式のオブジェクトデータとして格納されるものであってもよい。
【0045】
GPSデータの項目(フィールド)には、対応するユーザIDの利用者が現時点にて位置する現在値を示すGPSデータ(緯度、経度)が、格納される。
【0046】
遅れ情報の項目(フィールド)には、最終決定(確定)された旅行プラン、又は以降に修正された修正旅行プランにおいて、これら旅行プランに含まれるタイムスケジュールに対する遅延時間が、格納される。情報処理装置1の制御部13は、利用者の情報端末3から周期的に送信されるGPSデータと、自部にて有する時計機能により、現時点における利用者の所在地(現在地)と、タイムスケジュールとを比較し、遅延の有無及び遅延時間を導出し、導出した遅延時間を遅れ情報の項目(フィールド)に格納する。
【0047】
図8は、情報処理装置1の制御部13に含まれる機能部を例示する機能ブロック図である。情報処理装置1の制御部13は、記憶部11に記憶されているプログラムを実行することにより、取得部131、エリア特定部132、立ち寄りスポット抽出部133、旅行プラン生成部134、DB登録部135、及び出力部136として機能する。
【0048】
取得部131は、情報処理装置1の通信部12を介して、利用者の情報端末3から出力(送信)される検索条件等を取得(受信)する。検索条件には、利用者を特定するユーザID及び、当該利用者の現在地を示すGPSデータが、含まれる、又は関連付けられている。検索条件は、例えば、最終目的地(終着地)、空き時間(旅行許容時間)、希望スポットの属性情報、及び希望スポット数を含む。最終目的地(終着地)に関しては、当該最終目的地(終着地)の有無(なし/あり)を含むものであってもよい。最終目的地(終着地)をありとする場合、検索条件は、当該最終目的地(終着地)に関する情報を含む。空き時間(旅行許容時間)は、利用者が旅行に用いる許容時間を示すものであり、例えば6時間として日帰りの旅行とすることもでき、又は36時間などとして宿泊を伴う旅行とするものであってもよい。希望スポットの属性情報は、利用者が希望する立ち寄りスポットの属性に関する情報が含まれる。希望スポット数は、旅行許容時間以内において、利用者が訪問を希望する立ち寄りスポットの個数が含まれる。検索条件は、更に、当該利用者が既に保有している乗り放題チケットに関する情報を含むものであってもよい。検索条件は、更に、利用者が旅行を行うにあたり許容できる費用の上限値(予算)に関する情報を含むものであってもよい。本実施形態においては、利用者の情報端末3から出力されるGPSデータにて特定される地点を、旅行を開始するにあたっての出発地とし、現在時刻を出発時間としているが、これに限定されず、検索条件は、更に、旅行を開始するにあたっての出発地及び出発時間を含むものであってもよい。
【0049】
取得部131は、利用者の情報端末3から取得したユーザID、GPSデータ及び検索条件を、エリア特定部132、立ち寄りスポット抽出部133及びDB登録部135などの関連する他の機能部に出力する。
【0050】
エリア特定部132は、取得部131から出力されるGPSデータに基づき、利用者が現時点にて位置するエリアを特定する。エリア特定部132は、例えば、情報処理装置1の記憶部11に記憶されているエリアテーブル112を参照し、当該GPSデータに対応するエリア名(例えば、大阪A)を特定するものであってもよい。
【0051】
立ち寄りスポット抽出部133は、エリア特定部132から出力されるエリア名(利用者が現時点にて位置するエリア)と、取得部131から出力されるユーザID、及び検索条件に基づき、候補となる複数の立ち寄りスポットを抽出する。立ち寄りスポット抽出部133は、例えば、検索条件に含まれている希望スポット数の個数に応じて、当該個数と同数以上の立ち寄りスポットを抽出する。立ち寄りスポット抽出部133は、例えば、立ち寄りスポット移動時間テーブル114を参照し、検索条件に含まれる旅行許容時間(空き時間)以内となる立ち寄りスポットを抽出することにより、候補と成り得る複数の立ち寄りスポットに対する一次抽出(一次振り落とし)を行うものであってもよい。立ち寄りスポットの抽出処理において、旅行許容時間(空き時間)は、当該抽出に対する支配因子となる位置づけにあるため、まずは、旅行許容時間(空き時間)に基づく一次抽出(一次振り落とし)を行うことにより、以降の処理における計算負荷を低減させ、抽出処理におけるレスポンスを向上させることができる。
【0052】
検索条件には上述のとおり、出発地及び、最終目的地(終着地)に関する情報が含まれる。出発地は、利用者の現在地を示すGPSデータを用いるものであってもよく、ユーザマスタテーブル111に格納されている当該利用者の住所(自宅)であってもよく、又は、検索条件を設定する検索画面(情報端末3にて表示)にて利用者が入力した場所であってもよい。最終目的地(終着地)に関しては、検索条件は、当該終着地の有無に関する情報を含む。検索条件において終着地が無しとされる場合は、出発地から最後に訪問する立ち寄りスポットまでの所要時間が旅行許容時間(空き時間)以内となる立ち寄りスポットが、候補として抽出される。
【0053】
検索条件において終着地が有りとされる場合、出発地から最後に訪問する立ち寄りスポットまでの所要時間に加え、当該最後に訪問する立ち寄りスポットから終着地までの所要時間が合算された時間が旅行許容時間(空き時間)以内となる立ち寄りスポットが、候補として抽出される。検索条件において終着地が有り形態は、当該終着地が出発地と同じ場所となる形態と、当該終着地が出発地と異なる場所となる形態とを含む。終着地が出発地と同じ場所となる形態とは、利用者が旅行を行った際、最終的には、例えば自宅等の出発地に戻る形態の旅行となる。終着地が出発地と異なる場所となる形態とは、例えば、利用者が旅行を行うにあたり、当該旅行の主たる目的は最終目的地(終着地)に訪問することであるが、現在地から最終目的地(終着地)への移動に要する時間に加え、利用者が、更に時間的余裕を有している場合(空き時間を持て余している際)に有効な旅行形態である。
【0054】
立ち寄りスポット抽出部133は、例えば、立ち寄りスポットマスタテーブル113にて格納されている立ち寄りスポット(スポット名)それぞれの優先度、人気度、又はこれら2つの因子を用いて、立ち寄りスポットを抽出するものであってもよい。又は、立ち寄りスポット抽出部133は、例えば、地下鉄等の公共交通機関を移動手段として用いることができる立ち寄りスポットを、優先的に候補として抽出するものであってもよい。又は、立ち寄りスポット抽出部133は、例えば、検索条件に含まれている利用者の乗り放題チケットに基づき、当該乗り放題チケットを用いることができる立ち寄りスポットを、優先的に候補として抽出するものであってもよい。又は、立ち寄りスポット抽出部133は、例えば、検索条件に含まれている希望スポットの属性情報に基づき、当該属性とマッチングする立ち寄りスポットを、優先的に候補として抽出するものであってもよい。又は、立ち寄りスポット抽出部133は、利用者の情報端末3から出力(送信)される検索条件に加え、ユーザマスタテーブル111を参照し当該利用者の性別、年齢及び旅行嗜好等のユーザ属性を抽出し、当該ユーザ属性についても加味して立ち寄りスポットを抽出するものであってもよい。又は、立ち寄りスポット抽出部133は、利用者とユーザ属性の近い他の利用者が利用した立ち寄りスポットを、優先して抽出するものであってもよい。ユーザ属性には、更に国籍が含まれており、ユーザ属性が近いとは、国籍が同じであることとしてもよい。ユーザ属性として国籍を加味することにより、例えば、中国人が好む立ち寄りスポット、又は米国人が好む立ち寄りスポットなどを、利用者の国籍に応じた好適な立ち寄りスポットを効率的に抽出することができる。又は、属性が近いとは、近隣の旅行者か遠方からの旅行者の区別を含めてもよい。すなわち、利用者の住所と、当該利用者の現在地(出発地)との相対距離に基づき、当該利用者が、近隣の旅行者か、又は遠方からの旅行者かの区別を行い、当該区別に基づき、近隣者が好む立ち寄りスポット、遠方者が好む立ち寄りスポットなどを抽出するものであってもよい。又は、立ち寄りスポット抽出部133は、利用者の情報端末3から出力(送信)される検索条件に加え、ユーザマスタテーブル111を参照し、当該利用者が保有している定期券の区間(定期券区間)についても加味して立ち寄りスポットを抽出するものであってもよい。立ち寄りスポット抽出部133は、これら抽出ロジックを用いて、候補となる複数の立ち寄りスポットを抽出し、抽出したこれら立ち寄りスポットに関する情報を旅行プラン生成部134に出力する。
【0055】
旅行プラン生成部134は、立ち寄りスポット抽出部133より抽出された複数の立ち寄りスポットに基づき、複数の旅行プランを生成する。旅行プラン生成部134は、当該旅行プランを生成するにあたり、それぞれの立ち寄りスポットに関する詳細情報を、例えば、外部DBサーバ2から取得するものであってもよい。外部DBサーバ2は、例えば、立ち寄りスポットの所在地の詳細を含む地図データを保有する地図データベースサーバ、及び立ち寄りスポットに訪問するための交通機関の乗車時間及び乗り換え等の詳細情報を保有する乗換データベースサーバを含む。
【0056】
旅行プラン生成部134は、それぞれの立ち寄りスポットに対し、外部DBサーバ2から、当該立ち寄りスポットの所在地の詳細情報、及び立ち寄りスポットまでの移動手段に関する情報を取得すると共に、立ち寄りスポットマスタテーブル113に格納される推奨滞在時間を参照して、各旅行プランのタイムスケジュールを作成する。旅行プラン生成部134は、タイムスケジュールを作成するにあたり、旅行に要する所要時間が、検索情報に含まれる旅行許容時間(利用者の空き時間)以内となるように、当該タイムスケジュールを作成する。当該タイムスケジュールは、出発地から終着地(最終目的地)までの経路において、当該経路上に位置する一つ以上の立ち寄りスポット、当該立ち寄りスポットまでの移動手段、交通費及び移動時間、立ち寄りスポットの推奨滞在時間及び利用料を含む情報(立ち寄りスポットに関する情報)であり、利用者が旅行を行うにあたっての案内情報に相当する。立ち寄りスポットの推奨滞在時間は、30分又は1時間等の具体的な時間である場合に限定されず、当該立ち寄りスポットに到着する時刻(到着予定時刻)及び当該立ち寄りスポットから出発する時刻(出発予定時刻)であってもよい。このように旅行プラン生成部134によって生成された複数の旅行プランそれぞれには、立ち寄りスポット、移動手段及びタイムスケジュールが含まれるものとなり、それぞれの旅行プランには、全交通費及び立ち寄りスポットの利用料等を含む全費用額と、立ち寄りスポットへの移動時間及び推奨滞在時間を合算した所要時間(全所要時間)とが、要約情報として付随されるものであってよい。旅行プラン生成部134は生成した旅行プランを、DB登録部135及び出力部136等の他の機能部に出力する。旅行プラン生成部134が生成した複数の旅行プランに対して、いずれかの旅行プランを利用者が除外した場合、次回以降、当該除外された旅行のプランに含まれていた立ち寄りスポット、又は当該立ち寄りスポットと類似する立ち寄りスポットをも含め、これら立ち寄りスポットの優先順位を下げるものであってもよい。
【0057】
出力部136は、旅行プラン生成部134が生成した複数の旅行プランに関する情報を利用者の情報端末3に出力する。当該複数の旅行プランに関する情報は、例えば、旅行プランに含まれる立ち寄りスポットの名称(スポット名)、全交通費及び立ち寄りスポットの利用料等を含む全費用額と、立ち寄りスポットへの移動時間及び推奨滞在時間を合算した所要時間(全所要時間)とを含むものであってもよい。
【0058】
出力部136は、候補となるこれら複数の旅行プランを、例えばリスト形式の表示画面(当該表示画面を構成するための画面データ)に生成して、利用者の情報端末3に出力する。利用者の情報端末3は、情報処理装置1(出力部136)から取得した画面データに基づき、ディスプレイ等の自端末の表示部34に、これら候補となる複数の旅行プランがリスト形式の列挙される表示画面を、表示する。当該表示画面は、検索結果を表示する画面(検索結果画面)に相当する。当該検索結果画面にて、利用者により選択され、最終決定(確定)された旅行プランに関する情報は、利用者の情報端末3から、情報処理装置1に送信される。情報処理装置1の取得部131は、利用者の情報端末3から送信された、最終決定(確定)された旅行プランに関する情報をDB登録部135及び出力部136等の他の機能部に出力する。
【0059】
出力部136は、最終決定(確定)された旅行プランのタイムスケジュール等の詳細情報を、利用者の情報端末3に出力する。利用者の情報端末3は、情報処理装置1(出力部136)から取得した詳細情報(旅行プランのタイムスケジュール等)に基づき、利用者の現地地から立ち寄りスポットまでの地図、移動手段となる公共交通機関等の乗り換え情報、公共交通機関の発着時刻等を含む案内情報を表示する。出力部136は、利用者の情報端末3から周期的に送信されるGPSデータに基づき、最終決定(確定)された旅行プランのタイムスケジュールに対する遅延等を含む進捗に関する情報を生成し、利用者の情報端末3に出力するものであってもよい。
【0060】
DB登録部135は、取得部131が取得した検索条件、旅行プラン生成部134が生成した旅行プラン(確定した旅行プラン)、及び利用者による操作履歴等をMaaSデータベース110に含まれる利用履歴テーブル115等に登録する。取得部131は、利用者の情報端末3から周期的に送信されるGPSデータを取得し、DB登録部135は、取得部131が取得したGPSデータを利用履歴テーブル115等に登録する。これにより、最終決定(確定)された旅行プランに基づき、旅行を行う利用者の現在地、移動経路及び移動速度等をトレースすることができる。DB登録部135は、最終決定(確定)された旅行プランのタイムスケジュールに対する進捗に関する情報についても、利用履歴テーブル115等に登録するものであってもよい。
【0061】
本実施形態において、これら機能部は、情報処理装置1の制御部13が担うものとして記載したが、これに限定されず、これら機能部のいずれかは、情報端末3の制御部35が担い、情報処理装置1及び情報端末3が協働して一連の処理を行うものであってもよい。
【0062】
図9は、検索条件を受け付けるための検索画面の一例である。図10は、検索結果(提案された複数の旅行プラン)をリスト形式にて表示する検索結果画面の一例である。図11は、候補として選択された旅行プランの詳細を表示するルート表示画面の一例である。図12は、最終決定(確定)された旅行プランによる案内情報を表示するリアルタイム画面の一例である。
【0063】
利用者の情報端末3は、MaaSシステムSのサーバである情報処理装置1にアクセスすることにより、情報処理装置1が生成及び出力(送信)した画面データを取得(受信)し、個々の画面データに基づき、例えば、本実施形態にて図示される検索画面、検索結果画面、ルート表示画面、及びリアルタイム画面等を、表示部34に表示する。情報端末3が情報処理装置1にアクセスするあたり、情報端末3及び情報処理装置1にて、利用者のユーザID等を用いたサインイン(認証処理)が行われるものであってよい。
【0064】
検索画面は、例えば、利用者の現在地を含めた地図を表示する地図表示エリアと、検索条件の入力を受け付ける検索条件受付エリアとを、含む。地図表示エリアには、GPSデータに基づき特定される利用者(情報端末3)の現在地を中心に、所定の縮尺による地図が表示される。
【0065】
検索条件受付エリアは、例えば、最終目的地(終着地)に関する情報を受け付けるエリア、空き時間(旅行許容時間)に関する情報を受け付けるエリア、希望スポットの属性情報を受け付けるエリア、及び希望スポット数を受け付けるエリアを含む。最終目的地(終着地)に関する情報を受け付けるエリアには、例えば、最終目的地(終着地)として、「なし/あり/現在地」を、択一的に選択可能なチェックボックスが配置されるものであってもよい。
【0066】
検索条件受付エリアは、更に利用者が旅行を行うにあたり許容できる費用の上限値(予算)に関する情報を受け付けるエリア、及び利用者が用いる乗り放題チケットに関する情報を受け付けるエリアを、含むものであってもよい。
【0067】
利用者によって入力された検索条件は検索画面上にて受け付けられ、例えば検索ボタン等の所定の機能ボタンが押下されることにより、情報端末3は、検索画面上にて受け付けた検索条件を、情報処理装置1に送信する。情報処理装置1は、当該検索条件に基づき検索処理を行い候補となる複数の旅行プランを生成し、これら複数の旅行プランがリスト形式で表示される検索結果画面(当該画面を構成する画面データ)を、情報端末3に送信する。
【0068】
利用者の情報端末3は、情報処理装置1から送信された画面データ(検索結果画面を構成)に基づき、検索結果画面を表示部34に表示する。検索結果画面は、例えば、情報処理装置1から出力された複数の旅行プランに関する情報が、リスト形式にて表示される検索結果表示エリアを含む。リスト形式にて、個々の旅行プランが表示されるにあたり、当該旅行プランに含まれる立ち寄りスポットの優先度に応じて、上位から優先度が高い立ち寄りスポットを含む旅行プランを表示するものであってもよい。
【0069】
検索結果表示エリアには、候補となる複数の旅行プランに含まれる一つ以上の立ち寄りスポットの名称(スポット名)と、旅行の開始から終了までの全工程に対する所要時間及び費用の総額が表示される。検索結果表示エリアには、例えば、所要時間又は費用(総額)にて昇順又は降順にてソート表示する機能ボタンが配置されているものであってもよい。個々の旅行プランに関する情報を表示するにあたり、当該旅行プランに含まれる立ち寄りスポットの人気度又は優先度に関する情報を付記して、表示するものであってもよい。
【0070】
利用者は、リスト形式にて表示されるいずれかの旅行プランを、例えばダブルタップ等することにより選択することができる。情報端末3は、選択された旅行プランに関する情報を、情報処理装置1に送信する。情報処理装置1は、選択された旅行プランに関する情報に基づき、当該旅行プランの詳細情報を含むルート表示画面を構成する画面データを情報端末3に送信する。
【0071】
利用者の情報端末3は、情報処理装置1から送信された画面データ(ルート表示画面を構成)に基づき、ルート表示画面を表示部34に表示する。ルート表示画面は、例えば、利用者の現在地を含めた地図を表示する地図表示エリアと、旅行プランの詳細情報を示す詳細情報表示エリアとを含む。
【0072】
詳細情報表示エリアには、例えば、選択された旅行プランに含まれる立ち寄りスポットの利用料等を含む詳細情報、立ち寄りスポットまでの移動手段及び交通費、移動時間及び立ち寄りスポットでの推奨滞在時間等、当該立ち寄りスポットに関する情報が反映されたタイムスケジュールが、表示される。立ち寄りスポットでの推奨滞在時間は、当該立ち寄りスポットにおける予定到着時刻及び予定出発時刻として表示されるものであってもよい。利用者は、当該詳細情報表示エリアに表示される情報に基づき、MaaSシステムSによって提案された旅行プランが、自身の希望又は趣向に沿うものであるか否かを判断することができる。利用者は、細情報表示エリアに表示されている旅行プランに満足する場合、例えば、確定ボタン等の機能ボタンの押下、又は画面をダブルタップ等することにより、当該旅行プランにて旅行を行うことを確定(最終決定)する操作を行う。情報処理装置1は、確定(最終決定)された旅行プランに関する情報に基づき、当該旅行プランのタイムスケジュール及び当該タイムスケジュールに対する遅延を表示するリアルタイム画面を構成する画面データを、情報端末3に送信する。
【0073】
利用者の情報端末3は、情報処理装置1から送信された画面データ(リアルタイム画面を構成)に基づき、リアルタイム画面を表示部34に表示する。リアルタイム画面は、例えば、利用者の現在地を含めた地図を表示する地図表示エリア、旅行プランの詳細情報を示す詳細情報表示エリア、及びタイムスケジュールに対する遅延に関する情報を含む進捗情報表示エリアを含む。
【0074】
詳細情報表示エリアには、現時点においてタイムスケジュールにて予定されている立ち寄りスポットに関する情報、又は立ち寄りスポットに訪問するための要する乗換案内等の移動手段に関する情報が、表示される。リアルタイム画面に表示される個々の情報は、利用者の移動、及び時刻の経過に伴い、更新される。利用者は、自身の情報端末3に表示されるリアルタイム画面を参照することにより、旅行プランに従った旅行を効率的に行うことができる。
【0075】
図13は、情報処理装置1の制御部13による処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理装置1の制御部13は、例えば、情報処理装置1と通信可能に接続された利用者の情報端末3から送信された要求内容に基づき、当該フローチャートの処理を開始する。
【0076】
情報処理装置1の制御部13は、利用者の情報端末3から出力される検索条件等を取得する(S101)。検索条件は、情報端末3にて利用者の入力操作等に応じて受け付けられた情報によるものであり、例えば、利用者の現在地(出発地)、利用者が旅行に用いることができる旅行許容時間(空き時間)、立ち寄りスポットの属性情報、訪問したい立ち寄りスポットの個数である。検索条件は、更に、最終目的地(終着地)に関する情報(終着地の有無、終着地の場所など)を含むものであってもよい。検索条件は、更に、利用者が既に保有している乗り放題チケットに関する情報、及び利用者が旅行を行うにあたり許容できる費用の上限値(予算)に関する情報を含むものであってもよい。利用者の現在地(出発地)については、利用者の情報端末3に含まれるGPS部36によって出力されるGPSデータ(緯度及び経度)であってもよく、又は、例えばユーザマスタテーブル111に格納されている当該利用者の住所(自宅の住所)を出発地とするものであってもよい。
【0077】
情報処理装置1の制御部13は、利用者の現在地及び旅行許容時間に基づき、候補となる立ち寄りスポットを抽出する(S102)。情報処理装置1の制御部13は、利用者の現在地、旅行許容時間(空き時間)、最終目的地(終着地)に関する情報、及び乗り放題チケットに関する情報等の検索条件に基づき、例えば、立ち寄りスポット移動時間テーブル114、及び立ち寄りスポットマスタテーブル113を参照して、候補となる複数の立ち寄りスポットを抽出する。情報処理装置1の制御部13は、更に、例えば、ユーザマスタテーブル111を参照し、当該利用者の年齢又は性別等の属性、旅行嗜好、及び定期券区間を加味して、候補となる複数の立ち寄りスポットを抽出するものであってもよい。情報処理装置1の制御部13は、検索条件に含まれる訪問したい立ち寄りスポットの個数と、同数以上となる複数の立ち寄りスポットを組み合わせ、立ち寄りスポットセットとして、抽出するものであってもよい。
【0078】
情報処理装置1の制御部13は、抽出した立ち寄りスポットに基づき、候補となる旅行プランを生成する(S103)。情報処理装置1の制御部13は、抽出した立ち寄りスポットに基づき、必要に応じて外部DBサーバ2から地図データ及び乗り換えデータを取得し、これら立ち寄りスポット及びタイムスケジュールが含まれる複数の旅行プランを生成する。情報処理装置1の制御部13は、検索条件にて最終目的地(終着地)が有りと設定されている場合、立ち寄りスポットが、出発地から当該最終目的地(終着地)までの経路に位置するように旅行プランを生成する。
【0079】
情報処理装置1の制御部13は、生成した旅行プランを利用者の情報端末3に出力する(S104)。情報処理装置1の制御部13は、候補として生成した複数の旅行プランを、自装置の通信部12を介して、利用者の情報端末3に出力する。利用者の情報端末3は、情報処理装置1から取得した複数の旅行プランを表示部34に表示する。当該複数の旅行プランは、例えば、リスト形式の検索結果画面上にて、表示されるものであってもよい。
【0080】
情報処理装置1の制御部13は、利用者の情報端末3から、いずれかの旅行プランに対する詳細表示要求を取得したか否かを判定する(S105)。利用者の情報端末3にて表示される検索結果画面(複数の旅行プランが表示)にて、利用者の操作により、いずれかの旅行プランの詳細表示要求に関する受け付けがされた場合、当該詳細表示の要求は、利用者の情報端末3から情報処理装置1に送信される。情報処理装置1の制御部13は、当該情報端末3から送信される詳細表示要求の有無に基づき、いずれかの旅行プランに対する詳細表示要求を取得したか否かを判定する。
【0081】
詳細表示要求を取得した場合(S105:YES)、情報処理装置1の制御部13は、詳細表示要求がされた旅行プランの詳細情報を利用者の情報端末3に出力する(S106)。情報処理装置1の制御部13は、情報端末3から詳細表示要求を取得した場合、当該詳細表示要求の対象となる旅行プランの詳細情報を利用者の情報端末3に出力する。利用者の情報端末3は、情報処理装置1から取得した旅行プランの詳細情報を表示部34に表示する。
【0082】
詳細表示要求を取得しなかった場合(S105:NO)、情報処理装置1の制御部13は、利用者の情報端末3から出力される旅行プランに対する確定情報を取得する(S107)。情報処理装置1の制御部13は、利用者の情報端末3にて行われた所定の操作(確定ボタン等の機能ボタンの押下、又は画面をダブルタップ等)に基づき、いずれかの旅行プランに対する確定情報を取得する。当該確定された旅行プランは、利用者により、自身が希望する旅行プランであるとして、最終決定された旅行プランである。
【0083】
情報処理装置1の制御部13は、確定(最終決定)された旅行プランにおける案内情報を利用者の情報端末3に出力する(S108)。情報処理装置1の制御部13は、確定(最終決定)された旅行プランに基づく案内情報を、例えば本実施形態において図示される案内表示画面(リアルタイム画面)を構成するための画面データの形式で生成し、当該画面データを利用者の情報端末3に出力(送信)するものであってもよい。利用者の情報端末3は、情報処理装置1から出力された案内情報(案内表示画面を構成する画面データ)に基づき、自端末のディスプレイ等の表示部34に案内表示画面を表示する。情報処理装置1の制御部13は、当該確定(最終決定)された旅行プランに基づく案内情報を利用者の情報端末3に出力した後も、利用者の情報端末3から出力されるGPSデータを継続的又は周期的に取得し、取得したGPSデータ及び時刻情報に基づき、旅行プランに含まれるタイムスケジュールの進捗情報を利用者の情報端末3に継続的又は周期的に出力するものであってもよい。
【0084】
本実施形態によれば、MaaSシステムSの情報処理装置1は、利用者の出発地及び旅行許容時間に基づき旅行プランを生成する。当該旅行プランには、一つ以上の立ち寄りスポット、立ち寄りスポットまでの移動手段、及び、立ち寄りスポットでの滞在時間を含むタイムスケジュールが含まれている。MaaSシステムSは、生成した旅行プランを出力し、例えば利用者が保持する情報端末3等を介して、当該立ち寄りスポットを含む旅行プランを利用者に提示する。従って、本実施形態によるMaaSシステムSは、利用者のニーズに応じた旅行プランを出力するにあたり、利用者自身が旅行先となる立ち寄りスポット(目的地)の入力(指定)することを不要とすることができ、当該利用者の利便性を向上させることができる。
【0085】
本実施形態によれば、利用者の情報端末3にて受け付けられる終着地に関する情報は、終着地を設定することを示す要情報、又は終着地を設定しないことを示す否情報を含むものであり、利用者は、選択的に終着地(最終目的地)の要否(あり/なし)を決定することができる。従って、終着地(最終目的地)が設定されてない場合であっても、利用者にニーズに即した旅行プランを、当該利用者の情報端末3の表示部にて表示し、利用者に対し有益な旅行プランを提示することができる。
【0086】
本実施形態によれば、MaaSシステムSの情報処理装置1は、取得した出発地及び旅行許容時間に基づき、複数の旅行プランを生成し、例えばリスト形式で出力するため、利用者に当該複数の旅行プランに対する選択肢を与えることができ、当該利用者の利便性を向上させることができる。すなわち、利用者は、出力されたこれら複数の旅行プランのうちから、自身にとって好適ないずれかの旅行プランを選択することができ、利用者の満足度(CS:customer satisfaction)を向上させることができる。
【0087】
本実施形態によれば、MaaSシステムSの情報処理装置1は、出力した複数の旅行プランのうちから、利用者によって選択されたいずれかの旅行プランに関する選択情報に基づき、当該選択された旅行プランの詳細情報を出力するため、利用者がいずれかの旅行プランを最終決定するにあたり、有益な情報を提供することができる。
【0088】
本実施形態によれば、MaaSシステムSの情報処理装置1は、利用者によって最終決定された旅行プランに含まれる立ち寄りスポットの人気度を示す値を更新するため、利用者による最終決定を、立ち寄りスポットの評価情報として利用することができる。
【0089】
本実施形態によれば、立ち寄りスポットまでの移動手段、すなわち出発地から最初の立ち寄りスポットまでの移動手段、又はこれ以降の立ち寄りスポットから次点の立ち寄りスポットまでの移動手段は、例えば、電車又はバス等の公共交通機関、タクシー、又はレンタカー等、異なる種類の交通機関による複数の移動手段を含む。MaaSシステムSは、当該交通機関に応じた旅行プランを生成するため、例えば、乗り放題チケット等が適用される公共交通機関の利用を優先した旅行プランを生成し、利用者にニーズに即した旅行プランを提示でき、当該利用者の利便性を向上させることができる。
【0090】
(実施形態2)
図14は、実施形態2(修正旅行プラン)に係る情報処理装置1の制御部13に含まれる機能部を例示する機能ブロック図である。実施形態2の情報処理装置1の制御部13は、実施形態1と同様に、記憶部11に記憶されているプログラムを実行することにより、取得部131、エリア特定部132、立ち寄りスポット抽出部133、旅行プラン生成部134、DB登録部135、及び出力部136として機能し、更に遅延対応部137として機能する。取得部131は、実施形態1と同様に利用者の情報端末3から周期的に送信されるGPSデータを取得し、当該GPSデータを遅延対応部137に出力する。
【0091】
遅延対応部137は、GPSデータ(現在地)及び現在の時刻に基づき、旅行プランのタイムスケジュールに対する遅延時間を導出し、導出した遅延時間が予め定められている所定時間(遅延閾値時間)以上であるか否かを判定する。当該所定時間(遅延閾値時間)は、例えば、15分、30分、又は1時間等の時間が設定され、情報処理装置1の記憶部11に予め記憶されている。遅延対応部137は、GPSデータ(現在地)及び現在の時刻に基づき、利用者による旅行が、旅行プランのタイムスケジュールに対し遅延閾値時間未満である場合、遅延が発生していないと判定し、当該判定結果を出力部136に出力する。出力部136は、実施形態1と同様に遅延が発生していない旨を示す進捗情報を、利用者の情報端末3に出力(送信)する。
【0092】
遅延対応部137は、GPSデータ(現在地)及び現在の時刻に基づき、利用者による旅行が、旅行プランのタイムスケジュールに対し遅延閾値時間以上である場合、遅延が発生したと判定する。遅延が発生したと判定した場合、遅延対応部137は、GPSデータ(現在地)をエリア特定部132に出力する。更に、検索条件に含まれていた旅行許容時間(空き時間)に対する残時間を算出し、当該残時間を立ち寄りスポット抽出部133に出力する。すなわち、遅延対応部137は、遅延が発生したと判定した場合、現時点における利用者の所在地(現在地)及び、当初検索条件として設定された旅行許容時間(空き時間)に対する残りの猶予時間(残時間)とに基づき、現在旅行中である旅行ブランを修正した修正旅行ブランの生成処理を行うためのトリガーを発する。
【0093】
エリア特定部132及び立ち寄りスポット抽出部133は、実施形態1と同様に利用者の現在地となるエリアを特定し、当該エリアを基点エリアとして、残時間以内となる条件を満たす立ち寄りスポットの候補を抽出する。旅行プラン生成部134は、実施形態1と同様に、立ち寄りスポット抽出部133により抽出された立ち寄りスポットに基づき、候補となる複数の旅行プランを生成する。当該生成された旅行プランは、当初確定(最終決定)された旅行プランが修正された修正旅行プランに相当する。
【0094】
出力部136は、旅行プラン生成部134によって生成された、候補となる一つ以上の修正旅行プランに関する情報を、実施形態1と同様に利用者の情報端末3に送信(出力)する。利用者の情報端末3は、情報処理装置1から送信(出力)から修正旅行プランに関する情報に基づき、リアルタイム画面を更新し、当該修正旅行プランに関する情報を表示する。利用者は、情報端末3にて表示されるリアルタイム画面にて、修正旅行プランに関する情報を参照し、自身が満足するいずれかの修正旅行プランを確定(修正確定)する。以降、旅行者は、当該確定(修正確定)された修正旅行プランに基づく案内情報を参照し、当該修正旅行プランの案内情報を用いて旅行を継続することができる。
【0095】
図15は、修正された旅行プラン(修正旅行プラン)による表示画面(リアルタイム画面)である。情報端末3は、実施形態1と同様に、情報処理装置1から送信された画面データ(リアルタイム画面を構成)に基づき、リアルタイム画面を表示部34に表示する。
【0096】
実施形態2のリアルタイム画面は、実施形態1と同様に、利用者の現在地を含めた地図を表示する地図表示エリア、及び旅行プランの詳細情報を示す詳細情報表示エリアを含む。実施形態2のリアルタイム画面は、更に、タイムスケジュールに対し所定時間以上の遅延が発生した場合、修正旅行プランを表示する修正旅行プラン表示エリアを含む。
修正旅行プラン表示エリアには、実施形態1の検索結果画面と同様に、利用者の現在位置、及び当初設定された旅行許容時間(空き時間)の残時間に基づき、生成された修正旅行プランが表示される。利用者は、修正旅行プラン表示エリアにて表示される複数の修正旅行プランに対し、実施形態1と同様に確定(修正確定)する操作を行うことにより、確定(修正確定)された修正旅行プランの詳細情報を含む案内情報が表示される。
【0097】
図16は、情報処理装置1の制御部13による処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理装置1の制御部13は、実施形態1と同様に、例えば、情報処理装置1と通信可能に接続された利用者の情報端末3から送信された要求内容に基づき、当該フローチャートの処理を開始する。情報処理装置1の制御部13は、実施形態1の処理S101からS108と同様に、S201からS208の処理を行う。
【0098】
情報処理装置1の制御部13は、利用者の情報端末3から出力されるGPSデータを取得する(S209)。情報処理装置1の制御部13は、利用者の情報端末3から出力されるGPSデータを継続的又は周期的に取得する。情報処理装置1の制御部13は、利用者の情報端末3から継続的又は周期的に取得したGPSデータに基づき、例えば、利用履歴テーブル115における当該利用者のGPSデータのフィールドに格納されているデータを継続的又は周期的に更新するものであってもよい。
【0099】
情報処理装置1の制御部13は、取得したGPSデータと、確定(最終決定)された旅行プランに含まれるタイムスケジュールに対し所定時間以上の遅れが発生したか否かを判定する(S210)。情報処理装置1の制御部13は、取得したGPSデータ及び現在の時刻と、タイムスケジュールとを比較することにより、当該タイムスケジュールに対し所定時間以上の遅れが発生したか否かを判定する。例えば、AM10:35に立ち寄りスポットAに到着する予定であるところ、AM11:00に到着した場合、25分の遅延が発生している。これに対し、所定時間を15分として設定(情報処理装置1の記憶部11に記憶)されている場合、情報処理装置1の制御部13は、遅れが発生したと判定する。
当該所定時間は、例えば、遅延閾値時間として、情報処理装置1の記憶部11に記憶されている。もし利用者が、立ち寄りスポットAにAM10:45に到着した場合、遅延時間は、予め設定されている所定時間(遅延閾値時間)である15分よりも小さい値(10分)であるため、情報処理装置1の制御部13は、遅れが発生してないと判定する。
【0100】
所定時間以上の遅れが発生した場合(S210:YES)、情報処理装置1の制御部13は、旅行プランを修正した修正旅行プランを利用者の情報端末3に出力する(S211)。所定時間以上の遅れが発生した場合、情報処理装置1の制御部13は、現時点にて取得したGPSデータ(現在地)に基づき、エリアテーブル112を参照して、利用者が位置するエリア名を再度、特定する。情報処理装置1の制御部13は、当初の検索条件に含まれていた旅行許容時間(空き時間)に対する残時間を算出する。すなわち、当初の検索条件に含まれていた旅行許容時間(空き時間)が、例えば5時間であり、旅行を開始してから既に2時間経過している場合、情報処理装置1の制御部13は、3時間(3h=5h-2h)を、残時間として算出する。情報処理装置1の制御部13は、特定したエリア名を出発地と、算出した残時間とに基づき、現在の旅行プランを修正した修正旅行プランを生成し、利用者の情報端末3に出力する。修正旅行プランを生成するにあたり、情報処理装置1の制御部13は、これら再度特定したエリア名及び残時間に加え、当初の検索条件に含まれていた乗り放題チケットに関する情報等を加味するものであってもよい。当該修正旅行プランの生成において、情報処理装置1の制御部13は、当初の旅行プランを生成した処理S202及びS203(実施形態1におけるS102及びS103)と同様の処理を行う。情報処理装置1の制御部13は、候補となる複数の修正旅行プランを生成し、利用者の情報端末3に出力するものであってもよい。
【0101】
情報処理装置1の制御部13は、利用者の情報端末3にて行われたこれら複数の修正旅行プランのうちのいずれかの修正旅行プランに対する所定の操作(確定ボタン等の機能ボタンの押下、又は画面をダブルタップ等)に基づき、いずれかの修正旅行プランに対する確定情報を取得する。情報処理装置1の制御部13は、確定(修正確定)された修正旅行プランに基づく案内情報を、例えば本実施形態において図示される案内表示画面(リアルタイム画面)を構成するための画面データの形式で生成し、当該画面データを利用者の情報端末3に出力(送信)する。これら修正旅行プランに対する情報処理装置1及び情報端末3の処理は、当初の旅行プランに対する処理(S204からS205等)と、同様に行われる。
【0102】
所定時間以上の遅れが発生していない場合(S210:NO)、情報処理装置1の制御部13は、タイムスケジュールの進捗情報を利用者の情報端末3に出力する(S2101)。所定時間以上の遅れが発生していない場合、情報処理装置1の制御部13は、実施形態1と同様に、現時点におけるタイムスケジュールに対する進捗情報を、利用者の情報端末3に出力する。
【0103】
情報処理装置1の制御部13は、旅行プランに基づく利用者の旅行が終了したか否かを判定する(S212)。情報処理装置1の制御部13は、例えば、旅行プランに含まれる全ての立ち寄りスポットに、利用者が訪問したか否かに基づき、利用者の旅行が終了したか否かを判定するものであってもよい。情報処理装置1の制御部13は、利用者の情報端末3から出力されるGPSデータに基づき、旅行プランに含まれる全ての立ち寄りスポットに、利用者が訪問したか否かに基づき、利用者の旅行が終了したか否かを判定することができる。利用者が全ての立ち寄りスポットに訪問した場合、情報処理装置1の制御部13は、旅行プランに基づく利用者の旅行が終了したと判定する。又は、情報処理装置1の制御部13は、例えば、利用者が終着地(最終目的地)を有りとして検索条件を設定した場合、当該終着地(最終目的地)に利用者が到達したか否かに基づき、利用者の旅行が終了したか否かを判定するものであってもよい。情報処理装置1の制御部13は、利用者の情報端末3から出力されるGPSデータに基づき、終着地(最終目的地)に利用者が到達したか否かを判定することができる。利用者が終着地(最終目的地)に到達した場合、情報処理装置1の制御部13は、旅行プランに基づく利用者の旅行が終了したと判定する。
【0104】
旅行が終了していないと判定した場合(S212:NO)、情報処理装置1の制御部13は、再度S209からの処理を実行すべく、ループ処理を行う。当該ループ処理を行うことにより、タイムスケジュールに対する遅れの有無を判定し、所定値以上の遅延が発生した場合、更なる修正旅行プランを生成及び出力することにより、利用者に対する利便性を向上させることができる。
【0105】
旅行が終了したと判定した場合(S212:YES)、情報処理装置1の制御部13は、本フローにおける一連の処理を終了する。情報処理装置1の制御部13は、本フローにおける一連の処理を終了するにあたり、利用者が旅行を終了した時刻等を含む情報(旅行終了情報)を、記憶部11に記憶されている利用履歴テーブル115に保存するものであってもよい。このように、MaaSシステムSを利用した利用者による旅行開始から旅行終了までの行動履歴情報をMaaSデータベース110(利用履歴テーブル115等)に保存(タンキング)することにより、当該保存したデータを、候補となる立ち寄りスポット及び旅行プランを生成するための参考情報として活用することができる。
【0106】
本実施形態によれば、MaaSシステムSの情報処理装置1は、利用者が開始した旅行プラン(当初の旅行プラン)に対し、当該旅行プランに含まれるタイムスケジュールに対し所定時間以上の遅れが発生した場合、利用者の現在地と、当初の旅行プランを生成する際に用いた旅行許容時間における残時間とに基づき、当初の旅行プランを修正し、修正した修正旅行プランを出力する。従って、利用者が旅行プランに含まれるタイムスケジュールから逸脱した場合であっても、タイムリーに修正旅行プランを利用者に提示でき、利用者に対する利便性を向上させることができる。
【0107】
(実施形態3)
図17は、実施形態3(旅行許容時間を超える旅行プラン)に係る検索結果(提案された複数の旅行プラン)のリスト表示画面である。情報端末3は、実施形態1と同様に、情報処理装置1から送信された画面データ(検索結果画面を構成)に基づき、検索結果画面を表示部34に表示する。実施形態3の検索結果画面は、検索条件にて設定された旅行許容時間(空き時間)以内となる旅行プランのみならず、当該旅行許容時間(空き時間)よりも所定時間、超過する旅行プランについても、候補となる旅行プランとして検索結果に含めて、表示する。当該検索結果画面において、旅行許容時間(空き時間)以内となる旅行プランと、旅行許容時間(空き時間)を超える旅行プランは、表示形式が異ならせて、表示される。本実施形態においては、旅行許容時間(空き時間)を超える旅行プランは、例えば、反転表示されている。
【0108】
実施形態3の立ち寄りスポット抽出部133及び旅行プラン生成部134は、立ち寄りスポットの抽出、及び旅行プランを生成するにあたり、旅行許容時間(空き時間)に対し、予め定められている所定時間(超過時間)を加算した時間にて、これら処理を行うものであってもよい。当該予め定められている所定時間(超過時間)は、情報処理装置1の記憶部11に記憶されている。旅行プラン生成部134は、旅行許容時間(空き時間)を超過する旅行プランに対して、超過していることを示すフラグ又は超過直(超過している時間)を付与するものであってもよい。
【0109】
図18は、情報処理装置1の制御部13による処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理装置1の制御部13は、実施形態1と同様に、例えば、情報処理装置1と通信可能に接続された利用者の情報端末3から送信された要求内容に基づき、当該フローチャートの処理を開始する。情報処理装置1の制御部13は、実施形態1の処理S101からS102と同様に、S301からS302の処理を行う。
【0110】
情報処理装置1の制御部13は、抽出した立ち寄りスポットに基づき、候補となる旅行プランを生成する(S303)。情報処理装置1の制御部13は、抽出した立ち寄りスポットに基づき、候補となる旅行プランを生成するにあたり、検索条件に含まれる旅行許容時間(利用者の空き時間)以内となる旅行プランのみならず、検索条件に含まれる旅行許容時間(利用者の空き時間)を超える旅行プランについても、候補となる旅行プランとして生成する。すなわち、候補となる複数の旅行プランは、旅行許容時間以内となる旅行プランと、旅行許容時間を超える旅行プランとを含む。
【0111】
情報処理装置1の制御部13は、旅行許容時間を超える旅行プランを生成するにあたり、予め定められた所定の超過時間に基づき、当該旅行プランを生成するものであってもよい。所定の超過時間は、例えば、30分、1時間等の所定の時間を定めたものであってもよく、又は旅行許容時間に対する係数に基づき、決定されるものであってもよい。例えば、旅行許容時間が6時間とし、所定の超過時間を1時間とした場合、所要時間が6時間を超え、7時間以内である旅行プランが、旅行許容時間を超える旅行プランと(候補の旅行プラン)して生成される。また、旅行許容時間が6時間とし、所定の超過時間が旅行許容時間に対する係数に基づくものであり、当該係数が1.2(120%:20%が超過分)である場合、所要時間が6時間を超え、7.2時間(6×1.2)以内である旅行プランが、旅行許容時間を超える旅行プランと(候補の旅行プラン)して生成される。これら所定の超過時間に関する情報は、情報処理装置1の記憶部11に予め記憶されている。
【0112】
情報処理装置1の制御部13は、生成した候補となる旅行プランそれぞれに対し旅行許容時間に基づき区分けする(S304)。情報処理装置1の制御部13は、S303にて生成した候補となる複数の旅行プランそれぞれに対し、個々の旅行プランが旅行許容時間以内であるか、否か(旅行許容時間を超過)に基づき、当該複数の旅行プランそれぞれを区分化する。区分化するにあたり、情報処理装置1の制御部13は、例えば、旅行許容時間を超過する旅行プランに対し、超過していることを示すフラグを設定するものであってもよい。又は、情報処理装置1の制御部13は、旅行許容時間を超過する旅行プランに対し、超過した時間を付随情報として関連付けるものであってもよい。
【0113】
情報処理装置1の制御部13は、区分け結果に基づき、旅行許容時間以内の旅行プランと、旅行許容時間を超過する旅行プランとを表示形態を異ならせて、利用者の情報端末3に出力する(S305)。情報処理装置1の制御部13は、区分け結果に基づき、旅行許容時間以内の旅行プランと、旅行許容時間を超過する旅行プランとの表示形態を異ならせるにあたり、本実施形態における図示のように、旅行許容時間を超過する旅行プランを反転表示されるものであってもよい。又は、情報処理装置1の制御部13は、旅行許容時間を超過する旅行プランに対しては、超過時間を付随させて表示するものであってもよい。
【0114】
情報処理装置1の制御部13は、実施形態1の処理S105からS108と同様に、S306からS309の処理を行う。
【0115】
本実施形態によれば、複数の旅行プランは、旅行許容時間以内となる旅行プランと、旅行許容時間を超える旅行プランとを含むため、旅行許容時間を多少超過する旅行プランであっても、利用者に対し魅力的と成り得る旅行プランについても生成及び出力し、利用者に対し提示することができる。更に、MaaSシステムSの情報処理装置1は、旅行許容時間以内となる旅行プランと、旅行許容時間を超える旅行プランとの表示形態を異ならせて、複数の旅行プランを出力するため、複数の旅行プランに含まれる旅行プランそれぞれが、旅行許容時間以内でものであるか、旅行許容時間を超えるものであるかを利用者が峻別するにあたり、当該利用者による視認性を向上させることができる。
【0116】
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0117】
N 外部ネットワーク
S MaaSシステム
1 情報処理装置
11 記憶部
110 MaaSデータベース
111 ユーザマスタテーブル
112 エリアテーブル
113 立ち寄りスポットマスタテーブル
114 立ち寄りスポット移動時間テーブル
115 利用履歴テーブル
12 通信部
13 制御部
131 取得部
132 エリア特定部
133 立ち寄りスポット抽出部
134 旅行プラン生成部
135 DB登録部
136 出力部
137 遅延対応部
2 外部DBサーバ
3 情報端末
31 記憶部
32 通信部
33 入力部
34 表示部
35 制御部
36 GPS部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18