IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友重機械エンバイロメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-破砕装置及び破砕装置の製造方法 図1
  • 特開-破砕装置及び破砕装置の製造方法 図2
  • 特開-破砕装置及び破砕装置の製造方法 図3
  • 特開-破砕装置及び破砕装置の製造方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082313
(43)【公開日】2022-06-01
(54)【発明の名称】破砕装置及び破砕装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B02C 18/14 20060101AFI20220525BHJP
【FI】
B02C18/14 B ZAB
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020193801
(22)【出願日】2020-11-20
(71)【出願人】
【識別番号】507036050
【氏名又は名称】住友重機械エンバイロメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002826
【氏名又は名称】弁理士法人雄渾
(72)【発明者】
【氏名】田中 浩太郎
(72)【発明者】
【氏名】牧 和久
【テーマコード(参考)】
4D065
【Fターム(参考)】
4D065CA12
4D065CB02
4D065CC01
4D065CC08
4D065DD08
4D065EB20
4D065EC07
4D065EE07
4D065EE12
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、カッター部の厚みまたはスペーサー部の厚みを容易に変更可能な破砕装置及び破砕装置の製造方法を提供することにある。
【解決手段】上記課題を解決するために、カッター部とスペーサー部からなる破砕刃が積層され、カッター部またはスペーサー部は、2以上のカッター部材または2以上のスペーサー部材が隣接して設けられてなる破砕装置及び破砕装置の製造方法を提供する。これにより、カッター部材またはスペーサー部材の隣接する数を変更することで、カッター部の厚みまたはスペーサー部の厚みを容易に変更することができる。
【選択図】図2


【特許請求の範囲】
【請求項1】
カッター部とスペーサー部からなる破砕刃が積層された破砕装置において、
前記カッター部または前記スペーサー部は、2以上のカッター部材または2以上のスペーサー部材が隣接して設けられたことを特徴とする、破砕装置。
【請求項2】
前記カッター部材と前記スペーサー部材とが一体に設けられた部材を用いることを特徴とする、請求項1に記載の破砕装置。
【請求項3】
カッター部とスペーサー部からなる破砕刃が積層された破砕装置の製造方法において、
前記カッター部または前記スペーサー部は、2以上のカッター部材または2以上のスペーサー部材を隣接して配置する工程を含むことを特徴とする、破砕装置の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理対象物を破砕する破砕装置及び破砕装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、家庭や工場などから排出される廃棄物等の処理対象物を処理する手段の一つとして、処理対象物を一定の大きさに破砕する破砕装置が知られている。
【0003】
このような破砕装置としては、回転軸に取り付けたカッター部を回転させて処理対象物を破砕処理するものが知られている。また、このような破砕装置では、カッター部を回転軸に取り付ける際、カッター部同士の間隔を規定するためにスペーサー部が設けられている。
例えば、特許文献1には、カッター部とスペーサー部とが回転軸に対して交互に配置され、カッター部及びスペーサー部が分割可能な構造を有する破砕装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-244179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような破砕装置の場合、カッター部及びスペーサー部の取り外しは容易となるが、スペーサー部により形成されるカッター部同士の間隔は一定である。
一方、破砕装置による処理対象物の破砕処理においては、処理対象物が大きいと、カッター部の上に処理対象物が留まり、破砕処理が効率よくできない場合がある。かかる場合、カッター部の直径を大きくするか、カッター部の厚みを厚くすることで、処理対象物の破砕処理効率を改善することができる。
ここで、カッター部の直径を大きくする場合、カッター部の回転軸の位置の調整等、カッター部の直径に合わせて破砕装置全体を更新する必要がある。よって、カッター部の直径を維持し、カッター部の厚みを厚くする方が、破砕処理効率の改善には好ましい。しかしながら、破砕処理効率の改善のために、厚みのあるカッター部とスペーサー部を新しく作成するとなると、作成に要する時間やコストがかかるという問題がある。
【0006】
また、処理対象物によっては、処理対象物を破砕した後の破砕物を素材ごとに分類したい場合がある。かかる場合、破砕物が小さすぎたり、大きすぎたりすると分類の手間がかかることから、破砕物の大きさをコントロールすることが求められる場合がある。破砕物の大きさは、カッター部の厚み及びスペーサー部の厚みで変化するため、カッター部及びスペーサー部を破砕物の大きさに合わせて作成し直す必要があり、作成に要する時間やコストがかかるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明の課題は、カッター部の厚みまたはスペーサー部の厚みを容易に変更可能な破砕装置及び破砕装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、2以上のカッター部材または2以上のスペーサー部材を隣接して設けることにより、カッター部の厚みまたはスペーサーの厚みを容易に変更できることを見出して本発明を完成した。
【0009】
上記課題を解決するための本発明の破砕装置は、カッター部とスペーサー部からなる破砕刃が積層された破砕装置において、カッター部またはスペーサー部は、2以上のカッター部材または2以上のスペーサー部材が隣接して設けられたことを特徴とするものである。
この特徴によれば、カッター部またはスペーサー部をそれぞれ2以上のカッター部材または2以上のスペーサー部材が隣接してなる構造とすることにより、カッター部材またはスペーサー部材の隣接する数を変更することで、カッター部の厚みまたはスペーサー部の厚みを容易に変更することができる。
【0010】
さらに、本発明の破砕装置の一実施態様としては、カッター部材とスペーサー部材とが一体に設けられた部材を用いることを特徴とする。
この特徴によれば、カッター部材とスペーサー部材が一体に設けられたことにより、破砕刃の形成に係る部品点数を少なくすることが可能となる。また、カッター部材とスペーサー部材を別々に積層する必要がなくなることから、組み立てに係る作業性を高めることが可能となる。
【0011】
上記課題を解決するための本発明の破砕装置の製造方法によれば、カッター部とスペーサー部からなる破砕刃が積層された破砕装置の製造方法において、カッター部またはスペーサー部は、2以上のカッター部材または2以上のスペーサー部材を隣接して配置する工程を含むことを特徴とする。
この特徴によれば、2以上のカッター部材または2以上のスペーサー部材を隣接して配置する工程を含むことにより、カッター部材またはスペーサー部材の隣接する数を変更することで、カッター部の厚みまたはスペーサー部の厚みを容易に変更できる破砕装置を製造することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、カッター部またはスペーサー部の厚みを容易に変更可能な破砕装置及び破砕装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施態様に係る破砕装置の構造を示す概略説明図である。
図2】本発明の第1の実施態様における破砕装置のカッター部及びスペーサー部の配置例を示す概略説明図(平面図)である。
図3】本発明の第2の実施態様における破砕装置の構造を示す概略説明図(平面図)である。
図4】本発明の第3の実施態様における破砕装置の構造を示す概略説明図(平面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ、本発明にかかる破砕装置の実施態様を説明する。また、本発明に係る破砕装置の製造方法は、以下の破砕装置の構造に係る説明に置き換えるものとする。
なお、実施態様は破砕装置の一例を示すものである。本発明に係る破砕装置は、実施態様に限られるものではなく、請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、実施態様に係る破砕装置を変形してもよい。
【0015】
本発明の破砕装置により破砕される対象である処理対象物については、特に限定されない。例えば、家庭や工場などから排出される一般廃棄物や産業廃棄物、あるいは下水のし渣などが挙げられる。特に、複数の素材が混合してなる家庭用品、工業製品など、破砕後の破砕物を素材ごとに分類するために破砕物の大きさをコントロールすることが求められる処理対象物を、破砕対象物として好適に用いることが可能である。
【0016】
[第1の実施態様]
図1は、本発明の第1の実施態様に係る破砕装置1Aの構造を示す概略説明図である。図1(A)は、破砕装置1Aの側面図であり、図1(B)は、破砕装置1Aを上部から見た平面図である。なお、図1(B)は、駆動モータ及びケーシングについての図示を省略している。
【0017】
[破砕装置]
本発明の第1の実施態様の破砕装置1Aは、図1(A)に示すように、駆動モータ2と、駆動モータ2により駆動される駆動軸5aと、駆動軸5aの回転動力が伝達されて駆動する従動軸5bと、駆動軸5a及び従動軸5bの周囲に配設された複数枚の破砕刃6と、を備えている。
また、破砕装置1Aは、破砕刃6と駆動軸5a、及び、破砕刃6と従動軸5bの組み合わせにより形成されたカッターユニット4a及び4bを収容するケーシング3を備えている。
さらに、破砕刃6は、複数のカッター部材610aを有するカッター部61aと、複数のスペーサー部材620aを有するスペーサー部62aとを備えている。
以下、本実施態様の破砕装置1Aに係る各構成について説明する。
【0018】
[駆動モータ]
駆動モータ2は、駆動軸5aに回転動力を伝達することにより、破砕刃6を回転させるためのものである。
駆動モータ2の回転機構としては、どのようなものを使用してもよい。例えば、電動モータ、油圧モータ、水圧モータ、空気圧モータ等が挙げられる。
【0019】
[駆動軸]
駆動軸5aは、駆動モータ2の回転動力により回転する軸部材である。また、駆動軸5aの周囲には、破砕刃6が配設されており、駆動軸5aの回転とともに破砕刃6が所定の速度で回転する。
駆動軸5aの形状は、周囲に配設された破砕刃6を固定するものであればよく、例えば、駆動軸5aに凸部、破砕刃6に凹部を設けて、これらの凸部と凹部を嵌合させる構成や、駆動軸5aを断面多角形状とし、破砕刃6の中心部に駆動軸5aと略同一の多角形状の軸穴を設けて咬合する構成が挙げられる。
【0020】
[従動軸]
従動軸5bは、駆動モータ2の回転動力が駆動軸5aを介して伝達されることにより回転する軸部材である。
また、駆動軸5aと同様に、従動軸5bの周囲には、破砕刃6が配設されており、従動軸5bの回転とともに破砕刃6が所定の速度で回転する。なお、従動軸5bと破砕刃6の固定に係る形状については特に限定されない。例えば、駆動軸5aと破砕刃6の固定に係る形状と同様に構成することが挙げられる。
【0021】
駆動軸5aから従動軸5bへの回転動力の伝達手段としては、特に限定されないが、例えば、各軸の上端に設置されたプーリーをベルトで連結する手段や、歯車により連結する手段等が挙げられる。なお、本実施態様においては、破砕刃6を回転させる回転軸として、駆動軸5aと従動軸5bからなるものについて示したが、これに限定されない。例えば、それぞれの軸が独立して駆動するものを用いることが挙げられる。
また、駆動軸5aと従動軸5bの回転速度の関係は特に限定されない。例えば、駆動軸5aと従動軸5bを異なる速度で回転させることや、駆動軸5aと従動軸5bを同じ速度で回転させることが挙げられる。回転軸の回転速度の関係については、回転動力の伝達手段に係る構造設計の容易性や駆動に係る電力使用量などを鑑み、適宜設定することが可能である。
【0022】
[破砕刃]
破砕刃6は、ディスク状のカッター部61aと、カッター部61aより小さい径のスペーサー部62aが同心で重なって構成される。また、破砕刃6の中心には、回転軸(駆動軸5a及び従動軸5b)を通すための軸孔が形成されている。
【0023】
図1(B)に示すように、破砕刃6は、複数の破砕刃6が積層されるように駆動軸5a及び従動軸5bの周囲にそれぞれ配設されて、カッターユニット4a及び4bを構成している。カッターユニット4a及び4bは、一方のカッターユニットのスペーサー部62aにより形成された隙間に、他方のカッターユニットのカッター部61aが係合するようにして、ケーシング3の内部に設置される。
なお、カッターユニット4a及び4bを収容するケーシング3には、図1(A)に示すように、上部(図示上側)に処理対象物が投入される投入口31が形成され、下部(図示下側)に処理対象物(破砕物)を排出する排出口32が形成されている。
【0024】
図1(B)に示すように、カッターユニット4aは、破砕装置1Aの上部から見て、反時計回りに回転し、カッターユニット4bは、時計回りに回転する。そして、処理対象物が破砕装置1Aの上方(投入口31)から投入されると、処理対象物はカッターユニット4a及び4bの間を通過し、破砕刃6のカッター部61aにより切断される。
【0025】
以下、カッターユニット4a及び4bを形成するカッター部61a及びスペーサー部62aについて、詳細に説明する。
【0026】
[カッター部]
カッター部61aは、外周部に均等に配置された複数の切刃片を有し、処理対象物をカッターユニット4aと4bの間に誘導するという作用を有する。
切刃片は、カッター部61aにおける外周部から突き出した構造物であり、円周方向に凸状部分を有する構造物を複数設けるもののほか、円周方向に鋭角部分を有する構造物を複数設けるものなどが挙げられる。
【0027】
また、カッター部61aの大きさ(複数の切刃片の最も外側を通る円の直径)は特に限定されないが、例えば10cm以上50cm以下が好ましい。この範囲であれば、処理対象物の破砕処理を効率よく進行させることが可能となる。
【0028】
本実施態様におけるカッター部61aは、複数のカッター部材610aの組み合わせからなるものである。これにより、積層するカッター部材610aの枚数により、カッター部61aの厚みを容易に調整することが可能となる。
【0029】
カッター部材610aは、カッター部61aにおける単位ユニットとして機能するものである。
カッター部材610aの厚みは、処理対象物を破砕できる強度を有し、かつ薄いことが好ましい。これにより、隣接させるカッター部材610aの数によって調整できるカッター部61aの厚みに係る選択肢を広げることが可能となる。
【0030】
カッター部材610aの厚みは特に限定されないが、例えば5mm以上30mm以下が好ましい。この範囲であれば、処理対象物の破砕に十分な強度を有するとともに、単位ユニットとしてカッター部61aの厚みを適切な大きさに調整しやすいという点から好適である。例えば、処理対象物の破砕物を分類する等、破砕物の大きさのコントロールに適したカッター部61aの厚みを得るにあたり、単位ユニットとして機能するカッター部材610aの厚みとして好適に用いられる。
【0031】
[スペーサー部]
スペーサー部62aは、カッターユニット4a及び4bのカッター部61a同士の回転軸(駆動軸5aまたは従動軸5b)方向における間隔を確保するためのものである。
【0032】
本実施態様におけるスペーサー部62aは、複数のスペーサー部材620aの組み合わせからなるものである。これにより、積層するスペーサー部材620aの枚数により、スペーサー部62aの厚みを容易に調整することが可能となる。
【0033】
スペーサー部材620aは、スペーサー部62aにおける単位ユニットとして機能するものである。
スペーサー部材620aの厚みは、駆動軸5a方向または従動軸5b方向に配置されたカッター部61a同士の間隔を維持できる強度を有し、かつ薄いことが望ましい。これにより、隣接させるスペーサー部材620aの数によって調整できるスペーサー部62aの厚みに係る選択肢を広げることが可能となる。
【0034】
スペーサー部材620aの厚みは、特に限定されないが、カッター部材610aと同じく5mm以上30mm以下が好ましい。この範囲であれば、カッター部61a同士の間隔を維持するために十分な強度を有するとともに、単位ユニットとしてスペーサー部62aの厚みを適切な大きさに調整しやすいという点から好適である。例えば、処理対象物の破砕物を分類する等、破砕物の大きさのコントロールに適したスペーサー部62aの厚みを得るにあたり、単位ユニットとして機能するスペーサー部材620aの厚みとして好適に用いられる。
【0035】
なお、スペーサー部材620aの厚みは、カッター部材610aの厚みよりも厚くすることが好ましい。これにより、カッターユニット4a(またはカッターユニット4b)のスペーサー部62aが確保する間隔に、カッターユニット4b(またはカッターユニット4a)のカッター部61aが係合された際に、カッターユニット4a及びカッターユニット4bのカッター部61a同士が擦れないように隙間を確保することができる。
【0036】
[カッター部とスペーサー部の配置]
図2を参照し、カッター部61aとスペーサー部62aの配置に係る組み合わせの例について説明する。なお、図2における白抜きの矢印は、カッター部61aとスペーサー部62aの配置に係る一例として、駆動軸5aに対して各部材を隣接して配置していく工程を示すものである。
図2に示すように、同じ厚みを有するカッター部材610aを2つ隣接して配置したものをカッター部61aとし、さらに同じ厚みのスペーサー部材620aを2つ隣接して配置したものをスペーサー部62aとすることにより、カッター部61aとスペーサー部62aを有する破砕刃6を形成する。この破砕刃6を駆動軸5aまたは従動軸5bに複数個積層することでカッターユニット4a及び4bとなる。
【0037】
本実施態様では、カッター部材610aの隣接する数(n)とスペーサー部材620aの隣接する数(m)をそれぞれ2としたが、隣接する数(n及びm)は、3以上にしてもよい。これにより、隣接する数(n及びm)を変更することのみで、カッターユニット4a及び4bにおけるカッター部61a同士の間隔を変更することが可能となる。
【0038】
以上のように、本実施態様の破砕装置1Aでは、2以上のカッター部材または2以上のスペーサー部材が隣接して設けられることにより、カッター部材またはスペーサー部材の隣接する数を変更することで、カッター部の厚みまたはスペーサー部の厚みを容易に変更できる。
これにより、処理対象物の大きさに合わせた破砕処理効率向上を図る場合や、処理対象物の破砕物の大きさをコントロールしたい場合において、新たなカッター部やスペーサー部を設計、作成する必要がなく、ランニングコストの低減が可能となる。
【0039】
なお、カッター部とスペーサー部の構造及び配置については、本実施態様で示したものに限定されるものではない。以下、破砕刃を形成するカッター部とスペーサー部の構造及び配置に係る他の例について、第2~第3の実施態様として説明する。
【0040】
[第2の実施態様]
図3は、本発明の第2の実施態様における破砕装置の構造を示す概略説明図(平面図)である。なお、図3では、駆動モータ及びケーシングについての図示を省略している。
本実施態様における破砕装置1Bは、第1の実施態様における破砕装置1Aに対し、一つのカッター部材610bと一つのスペーサー部材620bとが一体に設けられた部材である破砕刃材60aを有する点で異なる。なお、本実施態様における破砕装置1Bの構成のうち、第1の実施態様の破砕装置1Aの構成と同じものについては、説明を省略する。
【0041】
本実施態様では、一つのカッター部材610bと一つのスペーサー部材620bとが一体に設けられて破砕刃材60aを形成し、さらに、破砕刃材60aのカッター部材610bと隣接してカッター部材610aが配置され、破砕刃材60aのスペーサー部材620bと隣接してスペーサー610aが配置されることで破砕刃6が形成される。
【0042】
ここで、カッター部材610bとカッター部材610aは同じ厚みであり、隣接したカッター部材610aとカッター部材610bとでカッター部61a(n=2に相当)が形成される。
また、スペーサー部材620bとスペーサー部材620aは同じ厚みであり、隣接したスペーサー部材620aとスペーサー部材620bとでスペーサー部62a(m=2に相当)が形成される。
【0043】
図3に示すように、本実施態様における破砕装置1Bでは、カッター部材610bとスペーサー部材620bとを一つの部材として一体とし、破砕刃材60aを形成していることから、単位ユニットが隣接する数としてn=2、m=2を満たす構造(第1の実施態様における破砕刃6と同じ構造)を得るために必要な破砕刃6を形成する部品点数を少なくすることができる。
【0044】
[第3の実施態様]
図4は、本発明の第3の実施態様における破砕装置の構造を示す概略説明図(平面図)である。なお、図4では、駆動モータ及びケーシングについての図示を省略している。
本実施態様における破砕装置1Cは、第2の実施態様における破砕装置1Bに対し、破砕刃材60aを隣接して配置し、破砕刃6を形成するという点で異なる。
なお、本実施態様における破砕装置1Cの構成のうち、第2の実施態様の破砕装置1Bの構成と同じものについては、説明を省略する。
【0045】
本実施態様では、一つの破砕刃材60aのカッター部材610bと、他方の破砕刃材60aのカッター部材610bとが隣接するように配置することで、破砕刃6を形成する。
本実施態様における破砕装置1Cでは、破砕刃材60aの向きを変えて配置することで、単位ユニットが隣接する数としてn=2、m=2を満たす構造(第1の実施態様における破砕刃6と同じ構造)を得ることができる。このため、破砕刃6を形成する部品点数を少なくし、かつ組み立てに係る作業性を高めることができる。
【0046】
なお、本実施態様の変形例としては、一つの破砕刃材60aのスペーサー部材620bと、他方の破砕刃材60aのスペーサー部材620bとが隣接するように配置することで、破砕刃6を形成することが挙げられる。
また、本実施態様における破砕装置1Cでは、破砕刃6の軸方向におけるカッター部同士の間隔を調整するために、図4に示すように、駆動軸5a及び従動軸5b端部においてカッター部材610a及びスペーサー部材620aを設けるものとしてもよい。
【0047】
第2の実施態様における破砕装置1Bから第3の実施態様における破砕装置1Cについて、同じ厚みのカッター部材610aが隣接する数(n)と、同じ厚みのスペーサー部620aが隣接する数(m)がそれぞれ2となる場合を説明したが、n及びmは3以上となるようにしてもよい。
【0048】
なお、上述した実施態様は破砕装置の一例を示すものである。本発明に係る破砕装置は、上述した実施態様に限られるものではなく、請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、上述した実施態様に係る破砕装置を変形してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の破砕装置及び破砕装置の製造方法は、処理対象物の破砕処理に適用される。例えば、家庭や工場などから排出される廃棄物の破砕処理に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0050】
1A,1B,1C破砕装置、2 駆動モータ、3 ケーシング、31 投入口、32 排出口、4a,4b カッターユニット、5a 駆動軸、5b 従動軸、6 破砕刃、60a 破砕刃材、61a,61b カッター部、62a,62b スペーサー部、610a,610b カッター部材、620a,620b スペーサー部材

図1
図2
図3
図4