(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082394
(43)【公開日】2022-06-01
(54)【発明の名称】アスファルト混合物の配合
(51)【国際特許分類】
C08L 95/00 20060101AFI20220525BHJP
C08K 3/34 20060101ALI20220525BHJP
C08K 3/013 20180101ALI20220525BHJP
E01C 7/18 20060101ALI20220525BHJP
【FI】
C08L95/00
C08K3/34
C08K3/013
E01C7/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020204581
(22)【出願日】2020-11-20
(71)【出願人】
【識別番号】500528912
【氏名又は名称】小林 恒己
(72)【発明者】
【氏名】小林 恒己
【テーマコード(参考)】
2D051
4J002
【Fターム(参考)】
2D051AB03
2D051AC01
2D051AF01
2D051AG01
4J002AJ001
4J002DJ006
4J002DM007
4J002FD017
4J002GL00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】走行距離が短かく、短時間でタイヤの損耗状態の計測が可能な舗装路面を造成することができる、アスファルト混合物を提供する。
【解決手段】タイヤの摩耗を促進する目的で、アスファルト混合物の細粒部分には硬質の鉱物を用い、この鉱物の損耗を少なくする目的で、骨材粒径の大きい部分には単価の安い自然石鉱物を用いる舗装である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
(本発明の目的)
本発明はアスファルト舗装路面を走行する車両に装着したタイヤの摩耗を促進する目的でアスファルト混合物を用いた舗装に関する発明であり、アスファルト混合物の構成内容に含まれる材料に関するものである。
【請求項1】
アスファルト混合物の骨材の構成成分の粒径が5000ミクロン以下の炭化ケイ素、(化学記号SiC)を重量割合で3%~45%を含む混合物である。
【請求項2】
アスファルト混合物の骨材の構成成分の粒径が5000ミクロン以下の炭化ケイ素、(化学記号SiC)を重量割合で3%~45%を含み、別途に粒径が5000ミクロン以下の鉱物粒で、鉱物の見掛比重が2.8(gr/cm3)以上の自然鉱物を含有するアスファルト混合物である。
【請求項3】
アスファルト混合物の構成骨材として粒径が0.3mm~6mmの範囲で自然石の等軸晶系の鉱物で、化学式はR2R/
3.Si3O12であり、(代表的な成分はR=Mg、Fe2+、Ca。R,=Fe、Al)を3%~45%を含む混合物である。
【請求項4】
前記の[特許請求の範囲1]および[特許請求の範囲2]および[特許請求範囲3]の発明によるアスファルト混合物を製造するときにアスファルトと骨材の化学的親和性を増大させる目的で化学的親和促進剤として消石灰およびカップリング剤を混合することを特徴とするアスファルト混合物の製造。
【発明の詳細な説明】
車両に装着したタイヤは車両の走行時に路面と接触することにより接触面が摩耗する。摩耗によって発生する微細なゴム小片はマイクロプラスチックとして空中や、路面や、道路側溝や、河川や、湖沼や、海に流れ込み、多くの生物に悪影響を与える。
このマイクロプラスチックの発生を減少させる対策として、車両の走行時においてタイヤ表面の摩耗量を減少させることは現代の自動車利用社会における重大な課題である。
実路で走行車両に装着したタイヤの摩耗量を測定するためには、走行前後の車両に装着したタイヤの摩耗や損傷状態の記録を得なければならない。このタイヤの摩耗を計測することは計測者にとって極めて時間的にも経済的にも大きな負担となる。
本発明の目的は、タイヤの摩耗の計測を効率的に短時間で正確に取得することにある。
アスファルト舗装の摩耗促進路面とは、車両に装着されたタイヤ表面が通常の車道を走行するときの損傷と同様な現象を短い走行距離で発生させる自動車テストコースの舗装路面である。このことは計測時間の減少と本計測に必要な経済的な負担を著しく短縮する。
本発明は実路の路面を走行することにより得られるタイヤの摩耗現象から得られるデータと同様な摩耗現象が短時間で、かつ経済的に、正確に得られる画期的な舗装路面の造成に関するものである。
(具体的な説明)
(特許請求の範囲1の説明)
アスファルト成分が15%以下で、骨材成分として粒径が5000ミクロン以下の炭化ケイ素、(化学記号SiC)を重量割合で3%~45%を含むアスファルト混合物である。骨材成分の炭化ケイ素は新モース硬度13の硬い鉱物である。地球上ではダイヤモンド、炭化ホウ素に次ぐ固い鉱物である。工業的には炭素と酸化ケイ素の高温反応により製造する。そのため単価は自然石鉱物骨材に比べて非常に高価である。他の高硬度の結晶に比べ靭性が小さい。これをカバーするためにはアスファルト混合部の骨材として使用する時には炭化ケイ素より直径が大きな骨材を用いて炭化ケイ素の靭性破壊現象を保護しなければならない。そのためには路面からのタイヤの摩耗性への影響は大きいが、炭化ケイ素自体の靭性破壊現象を小さくして折損しやすい炭化ケイ素の折損減少をを防ぐことは経済的に大切なことである。そのためには使用する炭化ケイ素はアスファルト混合物の細粒度部分に使用することが最も経済的である。
アスファルト混合物の粒度配合試験の結果、炭化ケイ素は重量割合で3%~45%を含む混合物であることが最適であることが判明した。
(特許請求の範囲2の説明)
アスファルト成分が15%以下で、骨材成分として粒径が5000ミクロン以下の比重が2.8(gr/cm3)以上の骨材を重量割合で3%~45%を含む混合物であり、アスファルト混合物中の炭化ケイ素より折損抵抗強度の大きい靭性の大きい骨材を使用することである。
(特許請求範囲3の説明)
アスファルト成分が15%以下で、骨材として直径が0.3mm~5mmまで自然石の等軸晶系の鉱物で、化学式はR3R’2Si3O12である骨材である。代表的な成分はR=Mg、Fe2+、Ca。R,=Fe、Alである。本鉱物粒をアスファルト混合物の重量割合において3%~45%を含む混合物である。
本鉱物のすり減り減り試験のJISA 1121・2007 ロスアンゼルス試験機による本鉱物のすり減り試験のJISA 1121・2007 ロスアンゼルス試験機による粗骨材のすり減量が12%以下であるのであることが炭化ケイ素骨材を保護する能力を保持する。
(特許請求範囲4の説明)
炭化ケイ素および骨材として直径が0.3mm~5mmまで自然石の等軸晶系の鉱物で化学式はR2R3
/Si3O12であり、(代表的な成分はR=Mg、Fe2+、Ca。R,=Fe、Al)を3%~45%含む鉱物で、本鉱物は単価が通常のアスファルト舗装用砕石に比べて高単価である。
このような経済的に高単価の鉱物を有効に使用するためには、このような鉱物がアスファルト混合物と走行タイヤとの接触時に飛散しないようにアスファルト混合物に使用するアスファルトビチュウメンと骨材との強固な接着が必要である。
強固な接着を生じさせるためアスファルト混合物において骨材とアスファルトの接着強度を増加する目的で化学的親和力のある消石灰およびカップリング剤を混合してアスファルト複合混合物を使用する。本件は筆者が執筆した舗装専門誌(骨材とセメントあるいはアスファルトの付着について・舗装.Vol14,No4,pp8-12,1979および舗装専門誌(骨材の表面電位の測定とアスファルトの剥離を考える・舗装.Vol15,No6,pp22-26,1980)に掲載してある事項を参照。
【図面の簡単な説明】
【
図1】 本発明のアスファルト混合物を用いたアスファルト舗装の摩耗促進舗装の断面モデル図である。(数1)はアスファルト舗装の表層部である。(数2)は基層部である。(数3)は路盤部である。(数4)は路床部である。(数5)はアスファルトと石粉からなるビチューメン部である。(数6)は炭化ケイ素である。(数7)はカサ比重が2.8(gr/cm
3)以上の細骨材である。(数8)はJISA 1121・2007 ロスアンゼルス試験機による骨材のすり減量が12%以下の粗骨材であり、炭化ケイ素や細骨材を保護し、アスファルト混合物の耐流動性を保持するための粗骨材である。
【手続補正書】
【提出日】2021-01-18
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスファルト混合物の骨材の構成成分の粒径が5000ミクロン以下の炭化ケイ素(化学記号SiC)を重量割合で3~45%を混合する混合物である。
【請求項2】
骨材の構成成分の粒径が5000ミクロン以下の炭化ケイ素(化学記号SiC)を重量割合で3~45%を含み、別途に粒形が5000ミクロン以下の鉱物粒で、鉱物の見掛比重が2.8(gr/cm3)以上の自然鉱物を含有するアスファルト混合物である。
【請求項3】
アスファルト混合物の構成骨材として粒径が0.3mm~6mmの範囲で自然石の等軸晶系の鉱物で、代表的な化学式はR2R3。Si3 O12で(代表的な成分はR=Mg、Fe++、Ca、R=Fe,Al)を3~45%を含む混合物。
【請求項4】
請求項1、請求項2、請求項3のアスファルト混合物を製造するときに骨材とアスファルトの親和性を増大させるためにカップリング剤を混合するアスファルト混合物。