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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082403
(43)【公開日】2022-06-01
(54)【発明の名称】電線牽引具修復工具
(51)【国際特許分類】
   H02G 1/08 20060101AFI20220525BHJP
【FI】
H02G1/08
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021008135
(22)【出願日】2021-01-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】109140712
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】521031958
【氏名又は名称】呉 桂坤
【氏名又は名称原語表記】Kuei-Kun WU
【住所又は居所原語表記】18F-1, No.349 Siwei 4th road, Lin Ya District 802, Kaohsiung, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】呉 桂坤
【テーマコード(参考)】
5G352
【Fターム(参考)】
5G352DA06
5G352DA09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】構造上の欠点から生じる引張強度の低下などの問題を解決する電線牽引具修復工具を提供する。
【解決手段】電線牽引ワイヤーの押圧及び形成のための修復工具としての電線牽引具修復工具5であって、第1把持部6と、第1把持部と互いに対向する第2把持部7と、第1把持部と第2把持部が同時に互いに向かって接近するようにするための2つの位置決めボルト8とを含む。第1把持部及び第2把持部の互いに対向する一端に、第1半ねじ孔及び第2半ねじ孔73が突設され、第1把持部の第1半ねじ孔及び第2把持部の第2半ねじ孔が互いに向かって接近して、完全なねじ孔を形成する。修復工具に従って正転又は反転することで、電線牽引ワイヤーを押圧しておねじ部が形成されるとねじの面積が増え、おねじ部の表面に瞬間接着剤を塗布して、めねじを備える牽引部にねじ込むことで、電線牽引ワイヤーと牽引部がより一層密着され、引張強度が向上する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線牽引ワイヤーの押圧及び形成のための修復工具としての電線牽引具修復工具であって、
第1把持部であって、対向して前記第1把持部の両側にそれぞれ設けられる2つの穿設孔と、前記第1把持部の一端に向かって設けられる第1当接部と、前記第1当接部に突設される第1半ねじ孔とを備える第1把持部と、
前記第1把持部と互いに対向する第2把持部であって、前記第1当接部と互いに対向する第2当接部と、それぞれ前記第2当接部の両側から、前記第1把持部のこれらの穿設孔に対向するように設けられる2つのめねじ孔と、前記第1当接部の前記第1半ねじ孔と互いに対向するように前記第2当接部に突設される第2半ねじ孔とを備える第2把持部と、
それぞれ前記第1把持部のこれらの穿設孔に貫入して前記第2把持部のこれらのめねじ孔に対応して螺着される2つの位置決めボルトであって、これらの位置決めボルトによって前記第1把持部と前記第2把持部が同時に互いに向かって接近することで、前記第1把持部の前記第1半ねじ孔と前記第2把持部の前記第2半ねじ孔が完全なねじ孔を形成する2つの位置決めボルトとを含むことを特徴とする電線牽引具修復工具。
【請求項2】
前記第1把持部において前記第1半ねじ孔と同軸に第1固定孔が設けられ、前記第1当接部において前記第1半ねじ孔の位置から、第1開口を備える第1チャンバーが設けられ、第1ねじ部は前記第1開口から前記第1チャンバーに嵌まり、ここで、前記第1ねじ部において前記第1把持部の前記第1固定孔に対応する第1めねじ孔が設けられ、第1固定部品が前記第1把持部の前記第1固定孔及び前記第1ねじ部の前記第1めねじ孔に貫入することにより、前記第1固定部品は前記第1ねじ部の前記第1めねじ孔に対応して螺着され、前記第1ねじ部において前記第1当接部の一端から前記第1半ねじ孔が突設され、ここで、前記第2把持部において前記第2半ねじ孔と同軸に第2固定孔が設けられ、前記第2当接部において前記第2半ねじ孔の位置から、第2開口を備える第2チャンバーが設けられ、第2ねじ部は前記第2開口から前記第2チャンバーに嵌まり、ここで、前記第2ねじ部において前記第2把持部の前記第2固定孔に対応する第2めねじ孔が設けられ、第2固定部品が前記第2把持部の前記第2固定孔及び前記第2ねじ部の前記第2めねじ孔に貫入することにより、前記第2固定部品は前記第2ねじ部の前記第2めねじ孔に対応して螺着され、前記第2ねじ部において前記第2当接部の一端から前記第2半ねじ孔が突設されることを特徴とする請求項1に記載の電線牽引具修復工具。
【請求項3】
前記第1ねじ部及び前記第2ねじ部の形状は長方形、又は矩形であり、ここで、前記第1当接部の前記第1チャンバー及び前記第2当接部の前記第2チャンバーの形状は前記第1ねじ部及び前記第2ねじ部の形状に対応して長方形、又は矩形であることを特徴とする請求項2に記載の電線牽引具修復工具。
【請求項4】
前記第1把持部のこれらの穿設孔はザグリ穴であり、ここで、前記第2把持部のこれらのめねじ孔はナットのめねじであり、これらの位置決めボルトの一端には前記第1把持部のこれらの穿設孔に貫入する先端と、これらの先端の一端から外側に延伸し且つ前記第2把持部のこれらのめねじ孔に対応して、螺着して固定されるスクリューとがそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1に記載の電線牽引具修復工具。
【請求項5】
前記第1当接部及び前記第2当接部において互いに対向して設けられる前記第1半ねじ孔及び前記第2半ねじ孔の孔径の大きさは前記電線牽引ワイヤーの線径の大きさにマッチすることを特徴とする請求項1に記載の電線牽引具修復工具。
【請求項6】
前記第1把持部と前記第2把持部は互いに向かって接近した後、十字形、又は多角形をなすことを特徴とする請求項1に記載の電線牽引具修復工具。
【請求項7】
前記第1把持部及び前記第2把持部は、前記第1把持部及び前記第2把持部の外周において間隔を開けて設けられる複数の凸部及び凹弧部をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の電線牽引具修復工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、修復工具に関し、特に、電線牽引具修復工具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部屋の内部に電線を設置する際には、露出する線路をパイプラインに入れて、図1に示すような電線牽引具を用いてパイプライン内で電線を牽引するのが一般的である。電線牽引器具1では使用する素材によって、牽引部12と電線牽引ワイヤー11の接合で一般にプレス加工、接着、プラスチック注入、折り畳み等いくつかの方式がある。作業現場で電線牽引器具1を使用する際には、電線牽引ワイヤー11の破断(111)や電線牽引ワイヤー11の先端の牽引部12の脱落がよくある。そのため、その場で電線牽引器具1を修復する必要が時々あり、作業現場ですぐに修復できない場合に、工場に戻す必要がある。作業現場での修復が可能であれば、電気技師にとって手間隙が節約できるので好ましい。
【0003】
図2A及び図2Bに示すように、従来、電気技師が作業現場で電線牽引ワイヤー20と同じ太さの鉄製コネクタ2の分離(破断)(200)を発見すると、すぐに修復工具を使用して修復する。従来の修復工具を使用する場合に、電線牽引ワイヤー20が分離(破断)(200)した位置に対して、手動端子圧着ペンチを用いて鉄製コネクタ2の対向する凹穴21を備える部位を圧着するように修復する(図2Bの矢印参照)。この場合に、電線牽引ワイヤー20が螺旋型PET線である場合に、圧着後に螺旋型PET線の引張力が、螺旋型PET線で中空の部分の存在により不十分であり、手動端子圧着ペンチの使用者の操作力の大きさによって、圧着効果に差が出る。しかも手動端子圧着ペンチの価格の高さが、電気技師にとって懸念要素の1つである。当該手動端子圧着ペンチは鉄製コネクタ2にしか使用できず、非導電性のプラスチック製コネクタには利用できないため、使用上好ましくない。
【0004】
後に、図3から図5に示す修復工具3が開発され、主に螺旋型3部構成PET線の牽引ワイヤー4に対して使用され、牽引部31にめねじ311が設けられ、一端に切削孔321を備える鉛筆削り32が配置され、牽引ワイヤー4の分離(破断)した部位を略円錐状41に修復した後、間隔を開けて設けられた複数の切り欠き331及び切りくず穴332を備えるねじ立て盤33を使用し、切り欠き331及び切りくず穴332の数は牽引ワイヤー4の線径の大きさにマッチする。使用時は、牽引ワイヤー4の略円錐状41の側からねじ立て盤33をねじ込み、これらの切り欠き331の内周のめねじ333が牽引ワイヤー4の外周を削り落としておねじ42を形成させた後、ねじ立て盤33を取り外し、牽引ワイヤー4の略円錐状41の部分を折る。最後に、牽引ワイヤー4のおねじ42の表面に瞬間接着剤34を塗布して牽引ワイヤー4を牽引部31にねじ込み、牽引ワイヤー4のおねじ42と牽引部31のめねじ311を合わせて螺着させる(図6を参照)。また、図4Cに示すように、ねじ立て盤33を用いて螺旋型3部構成PET線の牽引ワイヤー4を削り落としておねじ42を形成させ、又は図7A及び図7Bに示すように、螺旋型PET単線の四角形牽引ワイヤー40を削り落としておねじ401を形成させ、四角形牽引ワイヤー40のおねじ401の表面に瞬間接着剤34を塗布する場合に、螺旋型3部構成PET線が線径の細い単繊維糸に撚りをかけて作られたもので、ねじ立て盤33の切り欠き331で螺旋型3部構成PET線の牽引ワイヤー4の線体又は四角形牽引ワイヤー40の各コーナーの線体を削り落としておねじ42、401を形成させる場合に、主に螺旋型3部構成PET線の牽引ワイヤー4の線体又は四角形牽引ワイヤー40の各コーナーの線体を直接削除することでねじの面積を減らす。しかしながら、単繊維糸が繊細であるために線径が削られると、牽引ワイヤー4又は四角形牽引ワイヤー40と牽引部31との間の引張強度に大きな影響が与えられる。このように、修復工具3には上記の欠点があるため、改良が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、構造上の欠点から生じる従来の修復工具の問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の目的を達成するために、電線牽引ワイヤーの押圧及び形成のための修復工具として、電線牽引具修復工具を提供し、当該修復工具は、第1把持部であって、対向して当該第1把持部の両側にそれぞれ設けられる2つの穿設孔と、当該第1把持部の一端に向かって設けられる第1当接部と、当該第1当接部に突設される第1半ねじ孔とを備える第1把持部と、当該第1把持部と互いに対向する第2把持部であって、当該第1当接部と互いに対向する第2当接部と、それぞれ当該第2当接部の両側から、当該第1把持部のこれらの穿設孔に対向するように設けられる2つのめねじ孔と、当該第1当接部の当該第1半ねじ孔と互いに対向するように当該第2当接部に突設される第2半ねじ孔とを備える第2把持部と、それぞれ当該第1把持部のこれらの穿設孔に貫入して当該第2把持部のこれらのめねじ孔に対応して螺着される2つの位置決めボルトであって、これらの位置決めボルトによって当該第1把持部と当該第2把持部が同時に互いに向かって接近することで、当該第1把持部の当該第1半ねじ孔と当該第2把持部の当該第2半ねじ孔が完全なねじ孔を形成する2つの位置決めボルトとを含む。
【0007】
さらに、当該第1把持部において当該第1半ねじ孔と同軸に第1固定孔が設けられ、当該第1当接部において当該第1半ねじ孔の位置から、第1開口を備える第1チャンバーが設けられ、第1ねじ部は当該第1開口から当該第1チャンバーに嵌まり、ここで、当該第1ねじ部において当該第1把持部の当該第1固定孔に対応する第1めねじ孔が設けられ、第1固定部品が当該第1把持部の当該第1固定孔及び当該第1ねじ部の当該第1めねじ孔に貫入することにより、当該第1固定部品は当該第1ねじ部の当該第1めねじ孔に対応して螺着され、当該第1ねじ部において当該第1当接部の一端から当該第1半ねじ孔が突設され、ここで、当該第2把持部において当該第2半ねじ孔と同軸に第2固定孔が設けられ、当該第2当接部において当該第2半ねじ孔の位置から、第2開口を備える第2チャンバーが設けられ、第2ねじ部は当該第2開口から当該第2チャンバーに嵌まり、ここで、当該第2ねじ部において当該第2把持部の当該第2固定孔に対応する第2めねじ孔が設けられ、第2固定部品が当該第2把持部の当該第2固定孔及び当該第2ねじ部の当該第2めねじ孔に貫入することにより、当該第2固定部品は当該第2ねじ部の当該第2めねじ孔に対応して螺着され、当該第2ねじ部において当該第2当接部の一端から当該第2半ねじ孔が突設される。
【0008】
さらに、当該第1ねじ部及び当該第2ねじ部の形状は長方形、又は矩形であり、ここで、当該第1当接部の当該第1チャンバー及び当該第2当接部の当該第2チャンバーの形状は当該第1ねじ部及び当該第2ねじ部の形状に対応して長方形、又は矩形である。
【0009】
さらに、当該第1把持部のこれらの穿設孔はザグリ穴であり、ここで、当該第2把持部のこれらのめねじ孔はナットのめねじであり、これらの位置決めボルトの一端には当該第1把持部のこれらの穿設孔に貫入する先端と、これらの先端の一端から外側に延伸し且つ当該第2把持部のこれらのめねじ孔に対応して、螺着して固定されるスクリューとがそれぞれ設けられる。
【0010】
さらに、当該第1当接部及び当該第2当接部において互いに対向して設けられる当該第1半ねじ孔及び当該第2半ねじ孔の孔径の大きさは当該電線牽引ワイヤーの線径の大きさにマッチする。
【0011】
さらに、当該第1把持部と当該第2把持部は互いに向かって接近した後、十字形、又は多角形をなす。
【0012】
さらに、当該第1把持部及び当該第2把持部は、当該第1把持部及び当該第2把持部の外周において間隔を開けて設けられる複数の凸部及び凹弧部をさらに含む。
【発明の効果】
【0013】
上述した内容から分かるように、従来技術と比べて本発明が次の利点を有する。本発明の電線牽引具修復工具は、複数の位置決めボルトによって第1把持部と第2把持部が同時に互いに向かって接近することにより、第1把持部及び第2把持部で互いに対向する一端に突設される第1半ねじ孔及び第2半ねじ孔が互いに向かって接近して、完全なねじ孔を形成し、修復工具に従って正転又は反転することで、電線牽引ワイヤーが修復工具のねじ孔に押圧されて電線牽引ワイヤー線体が噛まれ、おねじ部が形成されるとねじの面積が増え、おねじ部の表面に瞬間接着剤を塗布して牽引部のめねじにねじ込むことで、電線牽引ワイヤーと牽引部がより一層密着され、電線牽引ワイヤーと牽引部の接着後の引張強度が向上し、電気技師が作業現場ですぐに電線牽引ワイヤーの破断した部位を修復することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】従来の電線牽引器具の電線牽引ワイヤーの破断の立体的な模式図の一例である。
図2A】従来の市販の修復工具の電線牽引ワイヤー、鉄製コネクタの破断の立体的な模式図の一例である。
図2B図2Aで手動端子圧着ペンチを用いて鉄製コネクタを圧着することの立体的な模式図の一例である。
図3】従来の別の修復工具を用いて螺旋型3部構成線の牽引ワイヤーの破断した位置を略円錐状に修復することの立体的な模式図の一例である。
図4A図3でねじ立て盤に牽引ワイヤーをねじ込むことの立体的な模式図の一例である。
図4B図4Aで牽引ワイヤーを削り落としておねじを形成させた後、ねじ立て盤を取り外すことの立体的な模式図の一例である。
図4C図4Bの牽引ワイヤーのおねじの側面拡大図の一例である。
図5図4Cで牽引ワイヤーのおねじの表面に瞬間接着剤を塗布することの立体的な模式図の一例である。
図6図5の牽引ワイヤーと牽引部の組み合わせの立体的な模式図の一例である。
図7A】従来の別の修復工具で螺旋型単線の四角形牽引ワイヤーを削り落としておねじを形成させ、四角形牽引ワイヤーのおねじの表面に瞬間接着剤を塗布することの立体的な模式図の一例である。
図7B図7Aの螺旋型単線の四角形牽引ワイヤーのおねじの側面拡大図の一例である。
図8】本発明の一実施例による電線牽引具修復工具の立体的な分解図の一例である。
図9図8の電線牽引具修復工具の別の角度から見た立体的な分解図の一例である。
図10図8の修復工具と電線牽引ワイヤーの立体的な分解図の一例である。
図11A図10の修復工具のねじ孔が電線牽引ワイヤーを押圧することの側面模式図の一例である。
図11B図10の電線牽引ワイヤーの押圧前の側面拡大図の一例である。
図11C図11Bの電線牽引ワイヤーの押圧後の側面拡大図の一例である。
図12図11Cの電線牽引ワイヤーの押圧後とプラスチック製牽引部の立体的な分解図の一例である。
図13図11Cの電線牽引ワイヤー押圧後と鉄製牽引部の立体的な分解図の一例である。
図14】本発明の一実施例による電線牽引具修復工具においてねじ孔が小さい第1ねじ部及び第2ねじ部に置き換える場合の組み立ての立体的な模式図の例である。
図15A】本発明の一実施例による単線牽引ワイヤーの押圧後と鉄製牽引部の立体的な分解図の一例である。
図15B図15Aの単線牽引ワイヤーの押圧後の側面拡大図の一例である。
図16図15Aの単線牽引ワイヤーの押圧後の鉄製牽引部との組み合わせの立体的な模式図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、図面を参照して本発明の技術内容を詳しく説明する。
図8から図10図11Aから図12図15Aが参照されるとおり、本発明の一実施例は、電線牽引ワイヤー9、9aの押圧及び形成のための修復工具5として、電線牽引具修復工具を提供し、修復工具5は第1把持部6と、第2把持部7と、2つの位置決めボルト8とを含む。
【0016】
第1把持部6は対向して第1把持部6の両側にそれぞれ設けられる2つの穿設孔61と、第1把持部6の一端に向かって設けられる第1当接部62と、第1当接部62に突設される第1半ねじ孔63とを含む。本実施例では、第1把持部6において第1半ねじ孔63と同軸に第1固定孔64が設けられ、第1当接部62において第1半ねじ孔63の位置から、第1開口651を備える第1チャンバー65が設けられ、第1ねじ部66は第1開口651から第1チャンバー65に嵌まる。第1ねじ部66において第1把持部6の第1固定孔64に対応する第1めねじ孔661が設けられ、第1固定部品67のねじが第1把持部6の第1固定孔64及び第1ねじ部66の第1めねじ孔661に貫入することにより、第1固定部品67は第1ねじ部66の第1めねじ孔661に対応して螺着され、第1ねじ部66において第1当接部62の一端から第1半ねじ孔63が突設される。第1把持部6のこれらの穿設孔61はザグリ穴である。
【0017】
第2把持部7は第1把持部6と互いに対向し、第2把持部7は第1当接部62と互いに対向する第2当接部71と、それぞれ第2当接部71の両側から、第1把持部6のこれらの穿設孔61に対向するように設けられる2つのめねじ孔72と、第1当接部62の第1半ねじ孔63と互いに対向するように第2当接部71に突設される第2半ねじ孔73とを含む。本実施例では、第2把持部7において第2半ねじ孔73と同軸に第2固定孔74が設けられ、第2当接部71において第2半ねじ孔73の位置から、第2開口751を備える第2チャンバー75が設けられ、第2ねじ部76は第2開口751から第2チャンバー75に嵌まる。第2ねじ部76において第2把持部7の第2固定孔74に対応する第2めねじ孔761が設けられ、第2固定部品77のねじが第2把持部7の第2固定孔74及び第2ねじ部76の第2めねじ孔761に貫入することにより、第2固定部品77は第2ねじ部76の第2めねじ孔761に対応して螺着され、第2ねじ部76において第2当接部71の一端から第2半ねじ孔73が突設される。第2把持部7のこれらのめねじ孔72はナットのめねじである。第1把持部6と第2把持部7は互いに向かって接近した後、十字形、又は多角形をなす。第1把持部6及び第2把持部7は、電気技師が手で修復工具5を把持できるように、第1把持部6及び第2把持部7の外周において間隔を開けて設けられる複数の凸部60、70及び凹弧部601、701をさらに含む。第1ねじ部66及び第2ねじ部76の形状は長方形、又は矩形である。
【0018】
これらの位置決めボルト8はそれぞれ第1把持部6のこれらの穿設孔61に貫入し、且つ第2把持部7のこれらのめねじ孔72に対応して螺着され、これらの位置決めボルト8によって第1把持部6と第2把持部7が同時に互いに向かって接近することにより、第1把持部6及び第2把持部7で互いに対向する一端に突設される第1半ねじ孔63及び第2半ねじ孔73が互いに向かって接近して、完全なねじ孔50を形成する。ここで、これらの位置決めボルト8の一端には第1把持部6のこれらの穿設孔61に貫入する先端81と、これらの先端81の一端から外側に延伸し且つ第2把持部7のこれらのめねじ孔72に対応して、螺着して固定されるスクリュー82とがそれぞれ設けられる。
【0019】
一実施例では、第1当接部62の第1チャンバー65及び第2当接部71の第2チャンバー75の形状は第1ねじ部66及び第2ねじ部76の形状に対応して長方形、又は矩形である。図10から図11C図14図15Aが参照されるとおり、第1当接部62及び第2当接部71において互いに対向して設けられる第1半ねじ孔63及び第2半ねじ孔73の孔径の大きさは電線牽引ワイヤー9、9aの線径の大きさにマッチする。電気技師が作業現場で電線牽引ワイヤー9、9aの線径の大きさにマッチするように、小サイズのねじ孔又は大サイズのねじ孔を備える第1ねじ部66及び第2ねじ部76に置き換える場合に、第1固定部品67及び第2固定部品77を緩め、置換前の第1ねじ部66及び第2ねじ部76を取り出し、小サイズのねじ孔又は大サイズのねじ孔を備える別の第1ねじ部66に置き換えて第1当接部62の第1チャンバー65に入れ、別の第2ねじ部76を第2当接部71の第2チャンバー75に入れた後、第1固定部品67を第1把持部6の第1固定孔64にねじ込み、第2固定部品77を第2把持部7の第2固定孔74にねじ込むと、第1固定部品67は第1ねじ部66の第1めねじ孔661に対応して螺着され、第2固定部品77は第2ねじ部76の第2めねじ孔761に対応して螺着される。
【0020】
周知のように、電線牽引ワイヤーは一般に鋼線、ナイロン線、ガラス繊維線、PET線など様々な素材を使用する。本実施例の修復工具5はPET線だけでなく、塑性プラスチック線にも適用される。本実施例で電線牽引ワイヤー9がPET線であることを例として説明したが、図10から図12に示すように、本実施例でPET線は3本の繊維に撚りをかけてロープ状とされてもよいし、図15Aから図16に示すように、1本の繊維に撚りをかけてロープ状とされてもよく、電線牽引ワイヤー9aは1本の繊維に撚りをかけてなされたロープ状のものが四角状である。出荷時にPET線と牽引部の接合で油圧プレス加工、プラスチック注入の2種があり、いずれも電気技師が作業現場ですぐに修復を行うことができない。ここで、図12図13に示すように、当該牽引部とはめねじ921とを備えるプラスチック製牽引部92、又は軟質コードが付随されためねじ921aを備える鉄製牽引部92aである。
【0021】
図10から図12図15Aが参照されるとおり、電気技師が作業現場で電線牽引ワイヤー9、9aが破断し、あるいは電線牽引ワイヤー9、9aの先端の牽引部が脱落したことを発見した時、いずれの場合も作業現場ですぐに修復が可能である。電気技師が修復工具5を操作し、これらの位置決めボルト8によって第1把持部6と第2把持部7が同時に互いに向かって接近することにより、第1把持部6及び第2把持部7で互いに対向する一端に突設される第1半ねじ孔63及び第2半ねじ孔73が互いに向かって接近して、完全なねじ孔50を形成し、修復工具5に従って正転又は反転することで、電線牽引ワイヤー9、9aの破断した部位が、修復工具5のねじ孔50に押圧されて電線牽引ワイヤー9、9a線体が噛まれ、おねじ部91、91aが形成されると、おねじ部91、91aのねじの面積が増える。図12が参照されるとおり、電線牽引ワイヤー9のおねじ部91とプラスチック製牽引部92を組み立てる時は、おねじ部91の表面に瞬間接着剤を塗布し(図示せず)、プラスチック製牽引部92のめねじ921に、又は図13に示すように鉄製牽引部92aのめねじ921aにねじ込むことで、電線牽引ワイヤー9とプラスチック製牽引部92又は鉄製牽引部92aがより一層密着され、しかも電線牽引ワイヤー9とプラスチック製牽引部92又は鉄製牽引部92aの接着後の引張強度が向上し、電気技師が電線牽引ワイヤー9の破断した部位ですぐにねじを作り変えることができ、引張強度が高く、直ちに修復が可能である。
【0022】
図11Aから図12が参照されるとおり、修復工具5は導電及び非導電の2種の状態で使用することができ、非導電性の牽引器具の先端に絶縁のプラスチック製牽引部92を配置しなければならず、又は図13図15A及び図16に示すように導電性の牽引器具の先端に、従来の1種の修復工具3の鉛筆削り32及びねじ立て盤33の代わりに鉄製牽引部92aを配置してもよい。
【0023】
図11B図11C図15Aが参照されるとおり、修復工具5では塑性変形性能を備える第1把持部6及び第2把持部7で互いに対向する一端に第1半ねじ孔63及び第2半ねじ孔73を備え、第1把持部6及び第2把持部7において第1半ねじ孔63及び第2半ねじ孔73が同時に互いに向かって接近して、完全なねじ孔50を形成し、電線牽引ワイヤー9、9aの線体がねじ孔50のねじの押圧力に押し付けられて噛まれる。ここで、電線牽引ワイヤー9、9aの線体が修復工具5の正転又は反転に従って回転して、電線牽引ワイヤー9の線体を線間の空間901に押し入れ、図15Bに示すように電線牽引ワイヤー9aは四角形であり、電線牽引ワイヤー9aの各コーナーの線体をそれぞれ電線牽引ワイヤー9aの各コーナーの両側から押圧して、おねじ部91、91aを形成させ、おねじ部91、91aの成形は削り落としではなく押圧を利用する。
【0024】
図10から図12の実施例が参照されるとおり、修復工具5のねじ孔50でねじの方向が電線牽引ワイヤー9に従ってPET線のねじる方向である場合に、正転式又は反転式の第1ねじ部66の第1半ねじ孔63及び第2ねじ部76の第2半ねじ孔73を形成させて、電線牽引ワイヤー9を押圧しておねじ部91を成形させた後、プラスチック製牽引部92のめねじ921、又は図13に示すように鉄製牽引部92aのめねじ921aに支障なくねじ込むため、ねじの方向が異なるため回転するたびに螺旋型の3本の線が緩み、プラスチック製牽引部92又は鉄製牽引部92aにねじ込む間に抵抗力が生じる代わりに、PET線の電線牽引ワイヤー9の回転前進とともに3本の線が緊密に絡み合い、電線牽引ワイヤー9がプラスチック製牽引部92又は鉄製牽引部92aの底部にねじ込まれると、3本の線が逆方向から解され、PET線の電線牽引ワイヤー9がプラスチック製牽引部92のめねじ921又は鉄製牽引部92aのめねじ921aが一層密着され、電線牽引ワイヤー9とプラスチック製牽引部92又は鉄製牽引部92aの接着後の引張強度が向上し、電気技師が作業現場ですぐに電線牽引ワイヤー9の破断した部位を修復することができる。
【符号の説明】
【0025】
1 電線牽引器具
11 電線牽引ワイヤー
111 破断
12 牽引部
2 鉄製コネクタ
20 電線牽引ワイヤー
21 凹穴
200 分離
3 修復工具
31 牽引部
311 めねじ
32 鉛筆削り
321 切削孔
33 らねじ立て盤
331 切り欠き
332 び切りくず穴
333 めねじ
34 瞬間接着剤
4 牽引ワイヤー
40 四角形牽引ワイヤー
401 おねじ
41 略円錐状
42 おねじ
5 修復工具
50 なねじ孔
6 第1把持部
60 凸部
601 凹弧部
61 穿設孔
62 第1当接部
63 第1半ねじ孔
64 第1固定孔
65 第1チャンバー
651 第1開口
66 第1ねじ部
661 第1めねじ孔
67 第1固定部品
7 第2把持部
70 凸部
701 凹弧部
71 第2当接部
72 めねじ孔
73 第2半ねじ孔
74 第2固定孔
75 第2チャンバー
751 第2開口
76 第2ねじ部
761 第2めねじ孔
77 第2固定部品
8 位置決めボルト
81 先端
82 スクリュー
9 電線牽引ワイヤー
9a 電線牽引ワイヤー
901 空間
91 おねじ部
91a おねじ部
92 プラスチック製牽引部
92a 鉄製牽引部
921 めねじ
921a めねじ
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16