(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082428
(43)【公開日】2022-06-01
(54)【発明の名称】筋力補助装置
(51)【国際特許分類】
B25J 11/00 20060101AFI20220525BHJP
A61H 3/00 20060101ALI20220525BHJP
A61F 2/60 20060101ALI20220525BHJP
A61F 2/68 20060101ALI20220525BHJP
【FI】
B25J11/00 Z
A61H3/00 B
A61F2/60
A61F2/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148736
(22)【出願日】2021-09-13
(31)【優先権主張番号】10-2020-0156982
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100210790
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大策
(72)【発明者】
【氏名】ベ、キヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イム、ヒョンソプ
(72)【発明者】
【氏名】パク、サンイン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ボムス
(72)【発明者】
【氏名】ユン、ジュヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ギュジュン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン、ドンジン
【テーマコード(参考)】
3C707
4C046
4C097
【Fターム(参考)】
3C707AS38
3C707HT04
3C707XK02
3C707XK06
3C707XK16
3C707XK24
3C707XK42
3C707XK85
4C046AA09
4C046AA25
4C046AA27
4C046BB08
4C046CC01
4C046DD02
4C046DD12
4C046DD13
4C046DD22
4C046DD38
4C046EE02
4C046FF02
4C046FF11
4C046FF25
4C046FF33
4C097AA02
4C097AA10
4C097BB02
4C097CC17
4C097TB01
4C097TB12
4C097TB14
(57)【要約】 (修正有)
【課題】使用者の体形を考慮して大きさを調節できながらも、歩行過程などで発生し得る異質感を顕著に減少させた構造を有する筋力補助装置を提供する。
【解決手段】ベースフレーム300、ベースフレームの一側に備えられ、ベースフレームに対して回転可能に結合される複数の回転体200、複数の回転体の一側に対して回転可能に結合され、複数の回転体に対する回転角度に応じて復元トルクを形成する複数のアクチュエータ100、及び複数の回転体を連結するケーブル400、を含み、ベースフレームに対する複数の回転体の回転運動は、ケーブルの張力により互いに拘束される筋力補助装置が開示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースフレーム;
前記ベースフレームの左側に備えられ、前記ベースフレームに対して回転可能に結合される第1回転体;
前記ベースフレームの右側に備えられ、前記ベースフレームに対して回転可能に結合される第2回転体;
前記第1回転体の一側に対して回転可能に結合され、前記第1回転体に対する回転角度に応じて第1復元トルクを形成する第1アクチュエータ;
前記第2回転体の一側に対して回転可能に結合され、前記第2回転体に対する回転角度に応じて第2復元トルクを形成する第2アクチュエータ;及び
前記第1回転体と前記第2回転体とを連結するケーブル;を含み、
前記ベースフレームに対する前記第1回転体の回転運動と前記ベースフレームに対する前記第2回転体の回転運動は、前記ケーブルの張力により互いに拘束される筋力補助装置。
【請求項2】
前記ベースフレームは、
前記第1回転体が回転可能に結合される第1フレーム;及び
前記第2回転体が回転可能に結合される第2フレーム;を含み、
前記第1フレームと前記第2フレームは、互いに対して相対的な移動が可能に備えられる、請求項1に記載の筋力補助装置。
【請求項3】
前記ケーブルは、
前記第1回転体の外側周縁の少なくとも一部と前記第2回転体の外側周縁の少なくとも一部を覆うように備えられる、請求項1に記載の筋力補助装置。
【請求項4】
前記ベースフレームに対して前記第1アクチュエータが回転する方向と前記第2アクチュエータが回転する方向が互いに同一である場合、
前記第1アクチュエータは、前記第1回転体に対して回転することにより前記第1復元トルクが形成され、前記第2アクチュエータは、前記第2回転体に対して回転することにより前記第2復元トルクが形成される、請求項3に記載の筋力補助装置。
【請求項5】
前記ベースフレームに対して前記第1アクチュエータが回転する方向と前記第2アクチュエータが回転する方向が互いに反対である場合、
前記第1アクチュエータは、前記第1回転体に対して固定されることにより前記第1復元トルクが形成されず、前記第2アクチュエータは、前記第2回転体に対して回転することにより前記第2復元トルクが形成されない、請求項3に記載の筋力補助装置。
【請求項6】
前記アクチュエータは、
前記アクチュエータの胴体を形成するアクチュエータ胴体部;及び
前記アクチュエータ胴体部に回転可能に結合され、前記回転体に固定結合されるプレート;を含む、請求項1に記載の筋力補助装置。
【請求項7】
前記回転体は、
前記回転体の胴体を形成する回転体胴体部;及び
前記回転体胴体部から一方向に突出されるように備えられる係止部;を含む、請求項6に記載の筋力補助装置。
【請求項8】
前記プレートは、
前記プレートの周縁に形成され、内側に湾入された形状を有する湾入部;を含み、
前記係止部は前記湾入部に結合可能に備えられる、請求項7に記載の筋力補助装置。
【請求項9】
前記回転体は、
一側が前記係止部に結合されるラッチ部;をさらに含み、
前記ラッチ部は、
前記係止部を移動させることにより、前記係止部を前記湾入部に結合させるか、前記湾入部から離隔させる、請求項8に記載の筋力補助装置。
【請求項10】
前記係止部が前記湾入部に結合されると、前記プレートは前記回転体に固定結合される、請求項9に記載の筋力補助装置。
【請求項11】
前記プレートが前記回転体に固定結合された状態で、前記アクチュエータ胴体部が前記回転体及び前記プレートに対して回転する場合、前記復元トルクが形成される、請求項10に記載の筋力補助装置。
【請求項12】
前記アクチュエータは、
前記アクチュエータ胴体部の内部に備えられ、複数のリンク及び弾性体を含むリンケージ構造;をさらに含み、
前記復元トルクは、
前記アクチュエータ胴体部が前記プレートに対して回転することによりなされる前記複数のリンク間の位置変化に応じて形成される、請求項11に記載の筋力補助装置。
【請求項13】
前記係止部が前記湾入部から離隔されると、
前記プレートは前記回転体に対して回転可能に備えられ、前記プレートは前記アクチュエータ胴体部に対して固定されて備えられる、請求項9に記載の筋力補助装置。
【請求項14】
前記ベースフレームは、
前記第1フレーム及び前記第2フレームの間に備えられる第3フレーム;をさらに含み、
前記第1フレーム及び前記第2フレームはそれぞれ、
前記第1フレーム及び前記第2フレームを貫通するように備えられ、水平方向に沿って延びた形状を有する水平ガイドホール;を含み、
前記第3フレームは、
前記水平ガイドホール内に挿入されている固定部;を含み、
前記固定部は、
前記水平ガイドホールに沿って水平方向に移動可能に備えられることにより、前記第1フレームと前記第2フレームとの間の間隔が調節される、請求項2に記載の筋力補助装置。
【請求項15】
前記ケーブルは、ボーデンケーブル(bowden cable)である、請求項1に記載の筋力補助装置。
【請求項16】
前記第1フレームは第1プーリ;を含み、
前記第2フレームは第2プーリ;を含み、
前記第3フレームは第3プーリ;を含み、
前記第3プーリは、前記第1プーリ及び前記第2プーリに対して上下方向に移動可能に備えられる、請求項14に記載の筋力補助装置。
【請求項17】
前記第3フレームは、
前記第3フレームを貫通するように備えられ、垂直方向に沿って延びた形状を有する垂直ガイドホール;をさらに含み、
前記第3プーリは、前記垂直ガイドホール内に挿入されている、請求項16に記載の筋力補助装置。
【請求項18】
前記第1プーリ及び前記第3プーリの間に前記ケーブルが備えられ、
前記第2プーリ及び前記第3プーリの間に前記ケーブルが備えられる、請求項17に記載の筋力補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筋力補助装置に関し、より詳しくは、歩行者または作業者の作業時に役立つことができる筋力補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人の作業時に人に筋力を補助することができる筋力補助装置は、股関節など身体で回転可能な関節近所で弾性によるトルクを発生させて、腰などにおいて、作業過程で人に加えられる負荷を軽減させる。
【0003】
このような筋力補助装置は、一般にトルクを発生させる構造物が左右両側に形成される場合が多い。この場合、筋力補助装置は、大きくi)前記二つの構造物が互いに連結されて二つの構造物の動きが互いに連動される場合と、ii)前記二つの構造物が互いに独立に備えられ、二つの構造物の動きが互いに独立に行われる場合に分けられる。
【0004】
しかし、従来の技術によれば、前記i)の場合、筋力補助装置の大きさを調節できないので、使用者の体形を考慮した筋力補助装置の着用が難しいという問題があり、前記ii)の場合、筋力補助装置でトルクを形成する前記二つの構造物が独立に作動するので、人が筋力補助装置を着用した状態で歩行する際に異質感が大きく発生するという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、使用者の体形を考慮して大きさを調節できながらも、歩行過程などで発生し得る異質感を顕著に減少させた構造を有する筋力補助装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための本発明の一側面によれば、ベースフレーム;前記ベースフレームの左側に備えられ、前記ベースフレームに対して回転可能に結合される第1回転体;前記ベースフレームの右側に備えられ、前記ベースフレームに対して回転可能に結合される第2回転体;前記第1回転体の一側に対して回転可能に結合され、前記第1回転体に対する回転角度に応じて第1復元トルクを形成する第1アクチュエータ;前記第2回転体の一側に対して回転可能に結合され、前記第2回転体に対する回転角度に応じて第2復元トルクを形成する第2アクチュエータ;及び前記第1回転体と前記第2回転体を連結するケーブル;を含み、前記ベースフレームに対する前記第1回転体の回転運動と、前記ベースフレームに対する前記第2回転体の回転運動は、前記ケーブルの張力により互いに拘束される筋力補助装置が提供される。
【0007】
前記ベースフレームは、前記第1回転体が回転可能に結合される第1フレーム;及び前記第2回転体が回転可能に結合される第2フレーム;を含み、前記第1フレームと前記第2フレームは、互いに対して相対的な移動が可能に備えられてよい。
【0008】
前記ケーブルは、前記第1回転体の外側周縁の少なくとも一部と、前記第2回転体の外側周縁の少なくとも一部とを覆うように備えられてよい。
【0009】
前記ベースフレームに対して、前記第1アクチュエータが回転する方向と、前記第2アクチュエータが回転する方向が互いに同一である場合、前記第1アクチュエータは、前記第1回転体に対して回転することにより前記第1復元トルクが形成され、前記第2アクチュエータは、前記第2回転体に対して回転することにより前記第2復元トルクが形成されてよい。
【0010】
前記ベースフレームに対して、前記第1アクチュエータが回転する方向と、前記第2アクチュエータが回転する方向が互いに反対である場合、前記第1アクチュエータは、前記第1回転体に対して固定されることにより前記第1復元トルクが形成されず、前記第2アクチュエータは、前記第2回転体に対して回転することにより前記第2復元トルクが形成されないことがある。
【0011】
前記アクチュエータは、前記アクチュエータの胴体を形成するアクチュエータ胴体部;及び前記アクチュエータ胴体部に回転可能に結合され、前記回転体に固定結合されるプレート;を含んでよい。
【0012】
前記回転体は、前記回転体の胴体を形成する回転体胴体部;及び前記回転体胴体部から一方向に突出されるように備えられる係止部;を含んでよい。
【0013】
前記プレートは、前記プレートの周縁に形成され、内側に湾入された形状を有する湾入部;を含み、前記係止部は、前記湾入部に結合可能に備えられてよい。
【0014】
前記回転体は、一側が前記係止部に結合されるラッチ部;をさらに含み、前記ラッチ部は、前記係止部を移動させることにより前記係止部を前記湾入部に結合させるか、前記湾入部から離隔させ得る。
【0015】
前記係止部が前記湾入部に結合されると、前記プレートは前記回転体に固定結合され得る。
【0016】
前記プレートが前記回転体に固定結合された状態で、前記アクチュエータ胴体部が前記回転体及び前記プレートに対して回転する場合、前記復元トルクが形成され得る。
【0017】
前記アクチュエータは、前記アクチュエータ胴体部の内部に備えられ、複数のリンク及び弾性体を含むリンケージ構造;をさらに含み、前記復元トルクは、前記アクチュエータ胴体部が前記プレートに対して回転することによりなされる前記複数のリンク間の位置変化に応じて形成され得る。
【0018】
前記係止部が前記湾入部から離隔されると、前記プレートは前記回転体に対して回転可能に備えられ、前記プレートは前記アクチュエータ胴体部に対して固定されて備えられてよい。
【0019】
前記ベースフレームは、前記第1フレーム及び前記第2フレームの間に備えられる第3フレーム;をさらに含み、前記第1フレーム及び前記第2フレームは、それぞれ前記第1フレーム及び前記第2フレームを貫通するように備えられ、水平方向に沿って延びた形状を有する水平ガイドホール;を含み、前記第3フレームは、前記水平ガイドホール内に挿入されている固定部;を含み、前記固定部は、前記水平ガイドホールに沿って水平方向に移動可能に備えられることで、前記第1フレームと前記第2フレームとの間の間隔が調節され得る。
【0020】
前記ケーブルは、ボーデンケーブル(bowden cable)であってよい。
【0021】
前記第1フレームは第1プーリ;を含み、前記第2フレームは第2プーリ;を含み、前記第3フレームは第3プーリ;を含み、前記第3プーリは、前記第1プーリ及び前記第2プーリに対して上下方向に移動可能に備えられてよい。
【0022】
前記第3フレームは、前記第3フレームを貫通するように備えられ、垂直方向に沿って延びた形状を有する垂直ガイドホール;をさらに含み、前記第3プーリは、前記垂直ガイドホール内に挿入されていてよい。
【0023】
前記第1プーリ及び前記第3プーリの間に前記ケーブルが備えられ、前記第2プーリ及び前記第3プーリの間に前記ケーブルが備えられてよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、使用者の体形を考慮して大きさを調節できながらも、歩行過程などで発生し得る異質感を顕著に減少させた構造を有する筋力補助装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態による筋力補助装置及びその筋力補助装置を着用した使用者の姿を示した斜視図である。
【
図2】
図1の筋力補助装置を拡大した透明斜視図である。
【
図3】本発明に係る筋力補助装置のアクチュエータ及び回転体の構造を拡大して示した斜視図である。
【
図4】本発明に係る筋力補助装置において、回転体に対してアクチュエータが回転する姿を多様に示した側面図である。
【
図5】本発明に係る筋力補助装置において、アクチュエータのプレートと回転体が互いに結合された姿を示した図である。
【
図6】本発明に係る筋力補助装置において、アクチュエータのプレートと回転体との間の結合が解除された姿を示した図である。
【
図7】本発明の一実施形態による筋力補助装置の左右方向幅が伸びた状態で使用者が着用した姿を示した図である。
【
図8】本発明の一実施形態による筋力補助装置の左右方向幅が縮んだ状態で使用者が着用した姿を示した図である。
【
図9】本発明の他の実施形態による筋力補助装置の左右方向幅が伸びた状態で使用者が着用した姿を示した図である。
【
図10】本発明の他の実施形態による筋力補助装置の左右方向の幅が縮んだ状態で使用者が着用した姿を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図を参考にしつつ、本発明に係る筋力補助装置の構造及び作動原理を説明する。
【0027】
筋力補助装置
図1は、本発明の一実施形態による筋力補助装置及びその筋力補助装置を着用した使用者の姿を示した斜視図であり、
図2は、
図1の筋力補助装置を拡大した透明斜視図である。また、
図3は、本発明に係る筋力補助装置のアクチュエータ及び回転体の構造を拡大して示した斜視図である。
【0028】
図1に示すように、本発明に係る筋力補助装置10は、ベースフレーム300を含んでよい。ベースフレーム300は、筋力補助装置10の胴体をなす構成であって、筋力補助装置10が使用者に着用され得るように使用者の身体の一部を覆う構成であってよい。
図1及び
図2に示すように、ベースフレーム300は、使用者の腰を覆う構成であってよい。また、筋力補助装置10は、使用者の腰に加えられる荷重を減少させるための構成であってよい。
【0029】
ベースフレーム300は、複数の構成が組み立てられた形態の構成であってよい。例えば、
図1及び
図2に示すように、ベースフレーム300は、左側に備えられる第1フレーム310及び右側に備えられる第2フレーム320を含んでよい。このとき、第1フレーム310及び第2フレーム320は互いに対して相対的な移動が可能に備えられてよい。より好ましくは、使用者が筋力補助装置10を着用したとき、第1フレーム310及び第2フレーム320は互いに対して水平方向に移動が可能になるように備えられてよい。したがって、本発明によれば、使用者の体形によって第1フレーム310及び第2フレーム320を移動させることにより、筋力補助装置10の左右方向幅を調節することができる。
【0030】
一方、本発明に係る筋力補助装置10は、ベースフレーム300の一側に備えられ、ベースフレーム300に対して回転可能に結合される回転体200をさらに含んでよい。より詳しくは、回転体200は、ベースフレーム300の左側に備えられ、ベースフレーム300に対して回転可能に結合される第1回転体210、及びベースフレーム300の右側に備えられ、ベースフレーム300に対して回転可能に結合される第2回転体220を含んでよい。より好ましくは、第1回転体210は、第1フレーム310の左側に結合され、第1フレーム310に対して回転可能に結合されてもよく、第2回転体220は、第2フレーム320の右側に結合され、第2フレーム320に対して回転可能に結合されてもよい。
【0031】
また、本発明に係る筋力補助装置10は、回転体200の一側に対して回転可能に結合されるアクチュエータ100をさらに含んでよい。アクチュエータ100は、回転体200に対する回転角度に応じて復元トルクを形成する構成であってよい。したがって、本発明によれば、アクチュエータ100で形成された復元トルクによって使用者に加えられる荷重が軽減され得る。
【0032】
図4は、本発明に係る筋力補助装置において、回転体に対してアクチュエータが回転する姿を多様に示した側面図である。
【0033】
図4を参考にすれば、最右側は、アクチュエータ100が回転体200に対して回転しないことにより復元トルクが形成されない姿を示すものであり、左側に行くほど、アクチュエータ100が回転体200に対して回転することにより復元トルクが形成される姿を示すものである。特に、左側に行くほど、アクチュエータ100が回転体200に対して回転した回転角が大きく示されているが、このような回転角が大きいほど、復元トルクは大きく形成され得る。また、
図4を基準に、アクチュエータ100が回転体200に対して時計方向に回転する場合、アクチュエータ100によって発生する復元トルクは反時計方向に形成され得る。
【0034】
引き続き
図1及び
図2を参考にすれば、アクチュエータ100は、第1回転体210の一側に対して回転可能に結合され、第1回転体210に対する回転角度に応じて第1復元トルクを形成する第1アクチュエータ110、及び第2回転体220の一側に対して回転可能に結合され、第2回転体220に対する回転角度に応じて第2復元トルクを形成する第2アクチュエータ120を含んでよい。
図1及び
図2には、第1回転体210の左側面と第2回転体220の右側面に、それぞれ第1アクチュエータ110と第2アクチュエータ120が備えられた姿が示されている。
【0035】
引き続き
図1及び
図2を参考にすれば、本発明に係る筋力補助装置10は、第1回転体210と第2回転体220を連結するケーブル400をさらに含んでよい。
図2に示すように、ケーブル400は、第1回転体210の外側周縁の少なくとも一部と第2回転体220の外側周縁の少なくとも一部を覆うように備えられてよい。
【0036】
ケーブル400は、ベースフレーム300に対する第1回転体210の回転運動とベースフレーム300に対する第2回転体220の回転運動を拘束する構成であってよい。より詳しくは、ベースフレーム300に対する第1回転体210の回転運動とベースフレーム300に対する第2回転体220の回転運動は、ケーブル400の張力により互いに拘束され得る。したがって、本発明によれば、第1回転体210がベースフレーム300に対して一方向に回転運動をするようになれば、ケーブル400の張力により第2回転体220は、ベースフレーム300に対して前記一方向とは反対方向に回転運動をすることができる。例えば、
図2に示された矢印を参考にしてみれば、ベースフレーム300に対して第1回転体210が時計方向に回転すると、ケーブル400は第1回転体210を巻き方向に移動することになる。この場合、ケーブル400の張力によりケーブル400は第2回転体220から巻き戻し方向に移動することになり、それによって第2回転体220は反時計方向に回転することになる。したがって、ケーブル400の張力により第1回転体210と第2回転体220の回転方向が互いに反対になる。
【0037】
より詳しくは、本発明によれば、ケーブル400の張力によりベースフレーム300に対して第1アクチュエータ110が回転する方向と第2アクチュエータ120が回転する方向が互いに反対である場合、第1アクチュエータ110は、第1回転体210に対して固定されることにより前述した第1復元トルクが形成されず、第2アクチュエータ120は、第2回転体220に対して固定されることにより前述した第2復元トルクが形成されないことがある。
【0038】
より好ましくは、ベースフレーム300に対して第1アクチュエータ110が回転する方向と第2アクチュエータ120の回転する方向が互いに反対である場合、第1回転体210は、第1アクチュエータ110とともにベースフレーム300に対して回転運動をすることができ、第2回転体220は、第2アクチュエータ120とともにベースフレーム300に対して回転運動をすることができる。この場合、第1アクチュエータ110は、第1回転体210に対して回転運動をしないので第1復元トルクが形成されなくなり、第2アクチュエータ120は、第2回転体220に対して回転運動をしないので第2復元トルクが形成されないことがある。
【0039】
これは、筋力補助装置10を着用した使用者が歩行する場合に適用され得る。例えば、筋力補助装置10のベースフレーム300が使用者の腰を覆うように着用され、第1アクチュエータ110が使用者の左側足に装着されるが、第1回転体210が使用者の左側股関節に位置し、第2アクチュエータ120が使用者の右側足に装着されるが、第2回転体220が使用者の右側股関節に位置する場合を考えることができる。このとき、例えば、使用者の歩行過程で使用者の左側足が前方に位置する場合、右側足は後方に位置することになり、それによって第1アクチュエータ110もやはり前方に回転することになり、第2アクチュエータ120は後方に回転することになる。
【0040】
しかし、このように使用者が単に歩行する場合には、筋力補助装置10により発生する復元トルクによる補助を受ける必要がないので、第1アクチュエータ110と第2アクチュエータ120による第1復元トルクと第2復元トルクは必要ではない。したがって、本発明によれば、使用者の歩行過程では、ケーブル400の張力により第1回転体210と第2回転体220が互いに反対方向に回転するようにすることで、第1回転体210と第2回転体220がそれぞれ第1アクチュエータ110と第2アクチュエータ120に対して固定されるようにすることができる。それにより、使用者が単に歩行する場合には、前述した復元トルクが発生しないことができる。
【0041】
その反面、本発明によれば、ベースフレーム300に対して第1アクチュエータ110が回転する方向と第2アクチュエータ120の回転する方向が互いに同一である場合、第1アクチュエータ110は、第1回転体210に対して回転することにより第1復元トルクが形成され、第2アクチュエータ120は、第2回転体220に対して回転することにより第2復元トルクが形成され得る。
【0042】
より好ましくは、ベースフレーム300に対して第1アクチュエータ110が回転する方向と第2アクチュエータ120の回転する方向が互いに同一である場合、第1回転体210はベースフレーム300に対して固定されるとともに、第1アクチュエータ110は第1回転体210に対して回転することができ、第2回転体220はベースフレーム300に対して固定されるとともに、第2アクチュエータ120は第2回転体220に対して回転することができる。
【0043】
これは、筋力補助装置10を着用した使用者が作業する場合に適用され得る。例えば、筋力補助装置10を着用した使用者が腰を曲げて物を持ち上げる場合、使用者の足に対して使用者の腰が回転運動をすることになる。それによって、使用者の足に装着されるアクチュエータ110、120とベースフレーム300との間には相対的な回転運動が起こるようになる。
【0044】
このとき、アクチュエータ110、120と結合されている回転体210、220は、アクチュエータ110、120がベースフレーム300に対して回転する方向に共に回転しようとするが、第1回転体210及び第2回転体220が全て同一の方向に回転しようとするため、ケーブル400に形成される張力が増加することになり、それによって第1回転体210及び第2回転体220はベースフレーム300に対して回転できず、ベースフレーム300に対して固定される。したがって、第1回転体210と第1アクチュエータ110、そして、第2回転体220と第2アクチュエータ120との間には回転角度が発生することになる。それにより、第1アクチュエータ110と第2アクチュエータ120によってそれぞれ第1復元トルク及び第2復元トルクが形成され、第1から第2復元トルクにより使用者の腰に加えられる負担が顕著に減少され得る。
【0045】
一方、
図3を参考にすれば、アクチュエータ100は、アクチュエータ100の胴体を形成するアクチュエータ胴体部102、及びアクチュエータ胴体部102に回転可能に結合され、回転体200に固定結合が可能に備えられるプレート104を含んでよい。
【0046】
また、回転体200は、回転体200の胴体を形成する回転体胴体部202、及び回転体胴体部202から一方向に突出されるように備えられる係止部204を含んでよい。
【0047】
前述したように、プレート104は、回転体200に固定結合されてよい。しかし、本発明によれば、プレート104と回転体200との間の結合は、使用者の意思によって解除されてもよい。
【0048】
より詳しくは、
図3に示すように、プレート104は、プレート104の周縁に形成されて内側に湾入された形状を有する湾入部106を含んでよく、係止部204は湾入部106に結合可能に備えられてよい。よって、係止部204が湾入部106に結合される場合には、プレート104が回転体200に固定結合されることができ、係止部204が湾入部106から離隔される場合には、プレート104と回転体200との間の結合は解除され得る。一方、
図5及び
図6には、プレート104に湾入部106が二つ形成された姿が示されている。この場合、係止部204は、二つの湾入部106のうちいずれか一つに選択的に結合されてよい。
【0049】
図5は、本発明に係る筋力補助装置において、アクチュエータのプレートと回転体が互いに結合された姿を示した図であり、
図6は、本発明に係る筋力補助装置において、アクチュエータのプレートと回転体との間の結合が解除された姿を示した図である。
【0050】
図5及び
図6を参考にすれば、回転体200は、一側が係止部204に結合されて移動可能に備えられるラッチ部206をさらに含んでよい。よって、本発明によれば、ラッチ部206が係止部204を移動させることにより、係止部204を湾入部106に結合させるか、湾入部106から離隔させ得る。特に、本発明によれば、
図5に示すように、係止部204が湾入部106に結合されると、前述したように、プレート104は回転体200に固定結合され得る。
【0051】
特に、前述した復元トルクは、プレート104が回転体200に固定結合された状態で、アクチュエータ胴体部102が回転体200及びプレート104に対して回転することにより形成され得る。より詳しくは、アクチュエータ100は、アクチュエータ胴体部102の内部に備えられ、複数のリンク及び弾性体を含むリンケージ構造(図示せず)をさらに含んでよい。このとき、前述した復元トルクは、アクチュエータ胴体部102がプレート104に対して回転することによりなされる複数のリンクと弾性体との間の位置変化に応じて形成され得る。
【0052】
一方、
図6に示すように、ラッチ部206が係止部204を移動させることにより、係止部204が湾入部106から離隔されると、プレート104は回転体200に対しては自由に回転可能に備えられ、アクチュエータ胴体部102に対しては固定されるように備えられてよい。このように係止部204が湾入部106から離隔される場合は、筋力補助装置10を着用した使用者が休息を取るために椅子に座っている場合を例に挙げることができる。この場合には、復元トルクが必要ではないので、係止部204を湾入部106から離隔させることによりプレート104とアクチュエータ胴体部102との間の回転運動が起こらないようにする必要がある。
【0053】
図7は、本発明の一実施形態による筋力補助装置の左右方向幅が伸びた状態で使用者が着用した姿を示した図であり、
図8は、本発明の一実施形態による筋力補助装置の左右方向幅が縮んだ状態で使用者が着用した姿を示した図である。
【0054】
図7及び
図8を参考にすれば、ベースフレーム300は第1フレーム310及び第2フレーム320の間に備えられる第3フレーム330をさらに含んでよい。
【0055】
このとき、第1フレーム310及び第2フレーム320は、それぞれ前記第1フレーム310と第2フレーム320を貫通するように備えられ、水平方向に沿って延びた形状を有する水平ガイドホール340を含んでよく、第3フレーム330は、水平ガイドホール340のホール内に挿入されている固定部350を含んでよい。
【0056】
このとき、固定部350は、水平ガイドホール340に沿って水平方向に移動可能に備えられることで、第1フレーム310と第2フレーム320との間の間隔が調節され得る。したがって、本発明によれば、水平ガイドホール340内の固定部350の水平方向位置を調節することにより、筋力補助装置10の左右方向幅を調節することができる。例えば、体形の大きい使用者が筋力補助装置10を着用する場合には、
図7に示すように、固定部350が水平ガイドホール340の内側端部またはそれに隣接するように位置することにより、筋力補助装置10の左右方向幅を伸ばすことができ、体形の小さい使用者が筋力補助装置10を着用する場合には、
図8に示すように、固定部350が水平ガイドホール340の外側端部またはそれに隣接するように位置することで、筋力補助装置10の左右方向幅を縮めることができる。
【0057】
一方、本発明の一実施形態によれば、ケーブル400は、ボーデンケーブル(bowden cable)であってよい。ボーデンケーブルは、力またはエネルギーを伝達するために使用するフレキシブルタイプのケーブルであって、ケーブルハウジング及びケーブルハウジングの内部に備えられるインナーケーブルを含むものの、ケーブルハウジングに対するインナーケーブルの相対的な運動により力またはエネルギーを伝達する構成であってよい。ボーデンケーブルに対するさらに詳しい内容に対しては、従来に公知されていた内容をもって代え、ケーブル400もやはり従来に公知されている多様な種類のボーデンケーブル構造が適用され得る。
【0058】
図9は、本発明の他の実施形態による筋力補助装置の左右方向幅が伸びた状態で使用者が着用した姿を示した図であり、
図10は、本発明の他の実施形態による筋力補助装置の左右方向幅が縮んだ状態で使用者が着用した姿を示した図である。以下では、本発明の一実施形態と比較して異なる点を中心に本発明の他の実施形態を説明する。したがって、別の言及がない限り、本発明の一実施形態に対して前述した内容は本発明の他の実施形態の場合にも同様に適用され得る。
【0059】
本発明の他の実施形態によれば、第1フレーム310は第1プーリ(pulley)360を含んでよく、第2フレーム320は第2プーリ370を含んでよく、第3フレーム330は第3プーリ332を含んでよい。このとき、第3プーリ332は、第1プーリ360及び第2プーリ370に対して上下方向に移動可能に備えられてよい。
【0060】
より詳しくは、第3フレーム330は、第3フレーム330を貫通するように備えられ、垂直方向に沿って延びた形状を有する垂直ガイドホール334をさらに含んでよく、このとき、第3プーリ332は垂直ガイドホール334内に挿入されていてよい。したがって、第3プーリ332は、垂直ガイドホール334に沿って上下方向に移動することができる。
【0061】
一方、
図9及び
図10に示すように、ケーブル400は第1プーリ360及び第3プーリ332の間に備えられながら、第2プーリ370及び第3プーリ332の間に備えられてよい。
【0062】
本発明の他の実施形態によれば、体形の小さい使用者が筋力補助装置10を着用する場合には、
図10に示すように、筋力補助装置10の左右方向幅を縮める必要がある。しかし、この場合、ケーブル400の張力が減少することになるので、ケーブル400による第1回転体210と第2回転体220との間の拘束がきちんと行われなくなる。
【0063】
したがって、本発明の他の実施形態によれば、筋力補助装置10の左右方向幅が減少してもケーブル400の張力がそのまま維持され得るように、第3プーリ332が上方に移動することができる。この場合、ケーブル400のうち第1プーリ360と第3プーリ332との間にあった領域と、第2プーリ370と第3プーリ332との間にあった領域とが第3プーリ332によって上方に移動するようになり得る。その後、再び体形の大きい人が筋力補助装置10を着用する場合には、
図9に示すように第3プーリ332が再び下方に移動することにより、ケーブル400の張力を維持させることができる。
【0064】
以上で本発明は、たとえ限定された実施形態と図面によって説明されたとしても、本発明はこれによって限定されず、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と下記に記載される特許請求範囲の均等範囲内で多様な実施が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0065】
10:筋力補助装置
100:アクチュエータ
102:アクチュエータ胴体部
104:プレート
106:湾入部
110:第1アクチュエータ
120:第2アクチュエータ
200:回転体
202:回転体胴体部
204:係止部
206:ラッチ部
210:第1回転体
220:第2回転体
300:ベースフレーム
310:第1フレーム
320:第2フレーム
330:第3フレーム
332:第3プーリ
334:垂直ガイドホール
340:水平ガイドホール
350:固定部
360:第1プーリ
370:第2プーリ
400:ケーブル