(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082432
(43)【公開日】2022-06-01
(54)【発明の名称】相互情報取得支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20120101AFI20220525BHJP
【FI】
G06Q10/10 322
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021160694
(22)【出願日】2021-09-30
(62)【分割の表示】P 2020193085の分割
【原出願日】2020-11-20
(71)【出願人】
【識別番号】515217845
【氏名又は名称】株式会社中小企業サポートセンター
(74)【代理人】
【識別番号】100097548
【弁理士】
【氏名又は名称】保立 浩一
(72)【発明者】
【氏名】宮本 宗浩
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA08
(57)【要約】
【課題】 求人企業及び求職者が相互に非自発的情報を取得することを可能にする有意義な技術構成を提供する。
【解決手段】 求職者は求職者端末31に相互承諾ページを表示し、自ら提供した以外の自身の情報を求人企業が取得することを承諾する旨の求職者承諾を入力してインターネット9を介して支援サーバ1に送信する。相互承諾ページは、求職者承諾が入力される場合には求人企業における就労状況について従業員から求職者が情報を取得することを承諾する旨の意思を表示した求人企業承諾表示部を含んでいる。支援サーバ1は、承諾をした求職者を特定可能な状態で求職者承諾を求職者情報ファイル22に記録する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
従業員の採用を検討している求人企業と、当該求人企業への就職を希望している求職者とが相互に情報を取得する際に使用される相互情報取得支援システムであって、
求職者が操作する端末である求職者端末に対してネットワークを介して接続されているサーバと、記憶部とを備えており、
記憶部には、求職者情報ファイルが記憶されており、
サーバは、相互承諾ページを求職者端末に送信して表示させることが可能な相互承諾サーバであり、
相互承諾ページは、求職者が求人企業に対して自ら提供した以外の当該求職者についての情報(但し、当該求職者の身辺調査としての前職についての情報及び情報処理装置から取得される前職での勤務時間の情報を除く)を取得することを当該求職者が承諾する旨の意思である求職者承諾を入力させる求職者承諾入力部を含んでいて、入力された求職者承諾を相互承諾サーバに送信することが可能なページであり、
相互承諾サーバには、送信された求職者承諾を、承諾をした求職者を特定可能な状態で求職者情報ファイルに記録する求職者承諾記録プログラムが実装されており、
相互承諾ページには、求職者承諾が入力される場合には求人企業における就労状況について当該求人企業の従業員から求職者が情報を非自発的情報として取得することを承諾する旨の意思の表記がされていることを特徴とする相互情報取得支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願の発明は、求人企業と求職者との間で相互に情報を取得する際に使用される支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
企業にとって、優秀な人材を継続的に確保することは企業の成長にとって欠かせない要素である。このため、従業員の採用に際しては面接試験その他の方法により求職者の能力や適応力等を慎重に見極めることが行われている。しかしながら、履歴書や適正検査等により得られた情報及び面接試験により得られた情報では十分ではないと考えられる場合が多い。このため、興信所等を使用して応募者の身辺調査をする場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-220531号公報
【特許文献2】特開2005-38318号公報
【特許文献3】特開2013-120583号公報
【特許文献4】特開2019-139478号公報
【特許文献5】特開2019-121046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、求職者の身辺調査は直接的には違法といえないものの、求職者のプライバシー権を侵害する可能性があり、求人企業にとってはより慎重を要する行為である。とはいえ、前職調査のような求職者の評価に特に関連性のある調査についてはできれば実施したいという要望がある。
現状、前職調査については、求職者に前職についての退職証明書を提出してもらい、そこに「会社都合」と記載されているか「自己都合」と記載されているかの情報を得るのにとどまっている。興信所等に依頼して求職者の前職の状況を調査する場合もあるが、過剰に情報を収集すれば、求職者のプライバシー権の侵害になる可能性もあり、求人企業としては躊躇する面もあり得る。このため、応募してきた求職者に前職調査等の身辺調査についての承諾を得るようにし、承諾を得た後に調査を行う場合もある。
【0005】
この場合、求職者の側に立ってみると、承諾によって自己の情報については非自発的に求人企業に取得される一方、自分は求人企業の非自発的な情報は何ら取得できないという不公平感がある。求人企業側は、自社のホームページ等で自社の職場環境が良いことなどを広告宣伝し、求人に際してもそのようなことをパンフレットや募集要項に謳うが、それらの情報は求人企業側が自発的に提供した情報であり、悪く言えば、自らに都合の良い情報である。つまり、求人企業は、自らに都合の悪い情報は隠しつつ求職者に対して一方的に身辺調査の承諾を要請することになりかねない。
【0006】
したがって、身辺調査の承諾によって求人企業側は前職等に問題のない良い人材を確保できるようになるが、求職者にとっては求人企業の情報を良く把握せずに入社したために入社後に問題が生じてしまうことがあり得る。例えば、ブラック企業的な職場であることが入社後にわかって幻滅し、早期に退職してしまうという残念な結果となることもあり得る。
本願の発明は、上記のような従業員の採用・就職を巡る双方の情報取得(非自発的情報の取得)における課題を考慮して為されたものであり、非自発的情報を相互に取得することを可能にする有意義な技術構成を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、この明細書において、相互情報取得支援システムの発明が開示される。開示された発明に係る相互情報取得支援システムは、従業員の採用を検討している求人企業と、当該求人企業への就職を希望している求職者とが相互に情報を取得する際に使用される相互情報取得支援システムである。このシステムは、求職者が操作する端末である求職者端末に対してネットワークを介して接続されているサーバと、記憶部とを備えている。
記憶部には、求職者情報ファイルが記憶されている。
サーバは、相互承諾ページを求職者端末に送信して表示させることが可能な相互承諾サーバであり、相互承諾ページは、求職者が求人企業に対して自ら提供した以外の当該求職者についての情報(但し、当該求職者の身辺調査としての前職についての情報及び情報処理装置から取得される前職での勤務時間の情報を除く)を取得することを当該求職者が承諾する旨の意思である求職者承諾を入力させる求職者承諾入力部を含んでいて、入力された求職者承諾を相互承諾サーバに送信することが可能なページである。
相互承諾サーバには、送信された求職者承諾を、承諾をした求職者を特定可能な状態で求職者情報ファイルに記録する求職者承諾記録プログラムが実装されている。
相互承諾ページには、求職者承諾が入力される場合には求人企業における就労状況について当該求人企業の従業員から求職者が情報を非自発的情報として取得することを承諾する旨の意思の表記がされている。
【発明の効果】
【0008】
以下に説明する通り、開示された発明に係る相互情報取得支援システムによれば、相互承諾ページにおいて求職者が自己の非自発的情報を求人企業が取得することを承諾する意思を示すことができるので、求人企業は、安心して調査を行うことができる。この際、求職者の側でも、求人企業の非自発的情報の取得の承諾の意思が確認できるので、不公平感を持つことなく承諾をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る相互情報取得支援システムの概略図である。
【
図2】求人企業情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
【
図3】相互承諾ページ誘導メールの一例を示した概略図である。
【
図4】求職者情報ファイルの構造の一例について示した概略図である。
【
図5】相互承諾ページの一例について示した概略図である。
【
図6】承諾種別通知モジュールにより求職者に送られた承諾種別通知メールの一例を示した概略図である。
【
図7】部署質問選択ページの一例を示した概略図である。
【
図8】部署質問情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
【
図9】従業員情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
【
図10】Q&Aページ誘導メールの一例を示した概略図である。
【
図11】誘導メール送信プログラムの概略を示したフローチャートである。
【
図12】Q&Aページの一例を示した概略図である。
【
図13】回答情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
【
図14】回答レポートファイルにより表示される回答レポートの一例を示した概略図である。
【
図15】実施形態に係る従業員意識調査レポート作成システムの概略図である。
【
図16】従業員意識調査レポートの一例を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この出願の発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
図1は、実施形態に係る相互情報取得支援システムの概略図である。実施形態の相互情報取得支援システムは、従業員の採用を検討している求人企業と、当該求人企業への就職を希望している求職者との間で相互に情報を取得する際に使用されるシステムである。
図1に示すように、このシステムは、支援サーバ1と、記憶部2とを備えている。
【0011】
実施形態の支援システムは、まず、求人企業と求職者との間で情報の取得について相互に承諾させるための機能を有している。即ち、支援サーバ1は、相互承諾サーバとして機能する。この相互承諾は、求人企業からの依頼に基づいてされるものとなっている。即ち、実施形態の支援システムは、求人企業とは別の事業者によって運営されるシステムとなっている。特に、この実施形態では、求人企業に支配されていない事業者によって運営されるシステムとなっている。「支配されていない」とは、株式会社の場合に株式の過半数が取得されていない等、経営権や意志決定が支配されていないという意味である。この別の事業者は事業会社であるので、以下、運営会社と呼ぶ。運営会社は、求人企業に対し、求職者との相互承諾サービスを提供する会社となっており、このサービス提供の一環として、実施形態の支援システムが使用される。
【0012】
支援サーバ1は、求人企業への就職を希望している求職者が操作する端末(以下、求職者端末)31に対してネットワークを介して接続されている。ネットワークは、この実施形態ではインターネット9である。したがって、支援サーバ1は、各種ウェブページをホストするウェブサーバである。
また、運営会社内には、管理用端末32が設けられている。管理用端末32は、支援システムの管理用であり、運営会社における担当者(以下、運営側担当者)が操作することが予定されている。管理用端末32は、支援サーバ1に対して特別のアクセス権が与えられている。
記憶部2は、支援サーバ1が備えるハードディスクのような記憶装置である場合が多いが、ストレージサーバのように支援サーバ1とは別のサーバ上の記憶装置である場合もある。
尚、
図1では、支援サーバ1は、運営会社内に設置されたサーバであるように描かれているが、ホスティングサービスを使用している場合等、支援サーバ1が外部のサーバである場合もある。外部のサーバの場合、管理用端末32は、インターネット9を介して支援サーバ1にアクセスする場合もある。
【0013】
記憶部2には、管理用のファイルとして、まず求人企業情報ファイル21が記憶されている。
図2は、求人企業情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
図2に示すように、求人企業情報ファイルは、「求人企業ID」、「求人企業名」、「担当者名」、「メールアドレス」等のフィールドから成るレコードを記録したデータベースファイルである。
「担当者名」は、情報取得の相互承諾等について求人企業において担当している者の名前が記録されるフィールドである。「メールアドレス」はこの担当者が電子メールを受け取ることができるアドレスであり、通常は求人企業のメールサーバーのアドレスである。これらの情報は、求人企業側から提供され、運営側担当者が管理用端末32を操作して求人企業情報ファイルに記録する。
【0014】
支援サーバ1が提供するウェブページの一つは、相互承諾のために求職者端末31に送信されて表示されるページとなっている。以下、このページを相互承諾ページと呼ぶ。
運営会社は、求人会社からの依頼に基づき、求職者を相互承諾ページに誘導する。このための構成については幾つか考えられるが、この実施形態では、求職者に対して電子メールを送信して誘導する構成となっている。以下、この電子メールを相互承諾ページ誘導メールと呼ぶ。
図3は、相互承諾ページ誘導メールの一例を示した概略図である。
【0015】
図3に示すように、相互承諾ページ誘導メールは、応募した求人先からの依頼により電子メールを送信していること、情報の取得に際して相互承諾の形も可能であるのでウェブサイトにアクセスをして欲しいこと等がテキストで記載されている。
そして、相互承諾ページへのハイパーリンク(以下、相互承諾ページリンク)41が組み込まれている。相互承諾ページリンク41には、予め付与されている求職者IDが組み込まれている。求職者IDは、記憶部2に記憶された求職者情報ファイル22に記録されている。
【0016】
図4は、求職者情報ファイルの構造の一例について示した概略図である。
図4に示すように、求職者情報ファイルは、「求人企業ID」、「求職者ID」、「求職者氏名」、「求職者住所」、「メールアドレス」、「承諾種別」等から成るレコードを記録したデータベースファイルである。「メールアドレス」は、求職者が電子メールを受け取ることができるメールアドレスが記録されるフィールドである。運営会社は、求人企業からこれらの情報を提供してもらい、運営側担当者が管理用端末32において入力し、求職者情報ファイル22に記録する。尚、「承諾種別」は、後述する選択肢の値が記録されるフィールドである。
【0017】
図5は、相互承諾ページの一例について示した概略図である。
支援サーバ1には、相互承諾ページ表示プログラム11が実装されている。相互承諾ページ表示プログラム11は、相互承諾ページリンク41に埋め込まれている求職者IDを引数にして実行される。相互承諾ページ表示プログラム11は、求職者IDで求職者情報ファイル22を検索し、相互承諾ページに組み込んで
図5に示すような相互承諾ページを求職者端末31に表示するようプログラミングされている。
【0018】
図5に示すように、相互承諾ページには、求職者の氏名や住所が確認的に表示される。それとともに、非自発的な情報について求人企業が取得することを承諾することを入力する入力部が設けられている。非自発的な情報とは、求職者が求人企業に提供した情報以外の情報を指している。
この実施形態では、非自発的情報は、求職者の前職情報(以前に勤めていた会社における就労状況についての情報)と、履歴書記載の情報を確認するための情報となっている。これらの情報について求人企業が取得することを求職者が承諾することが、この実施形態における求職者承諾である。
【0019】
そして、求職者承諾を入力するに際して、求人企業側も求職者による非自発的な情報取得を承諾している。求人企業における非自発的な情報とは、求人企業が求人に際して自発的に公表している以外の情報であり、求職者による取得とはそのような情報を求職者の求めに応じて提供することである。
求職者による求人企業の非自発的情報の取得の承諾は、求人企業による求職者の非自発的情報の取得の承諾の見返りである。いわば、交換条件的に求人企業の非自発的情報の取得を求人企業が承諾する。この点は、求職者にとっても同様である。求人企業の非自発的情報が取得できるということで、自らの非自発的情報の取得を承諾するのである。
【0020】
ただ、求職者によっては、そのような交換条件は特に無くても自分の非自発的情報の取得を承諾する者があり得る。その一方、交換条件的な求人企業の非自発的情報の取得が可能であっても自身の非自発的情報の取得は承諾できない者もあり得る。これらを考慮し、求職承諾に際しての意思を確認する欄が相互承諾ページに設けられている。即ち、
図5に示すように、相互承諾ページには、条件無しで承諾か、交換条件を前提に承諾か、条件に関わらず否承諾かを選択する選択欄51が設けられている。選択欄51において、条件無しで承諾の選択肢と交換条件を前提に承諾の選択肢が、求職者承諾入力部に相当している。
【0021】
図5に示すように、相互承諾ページには、OKボタン52が設けられている。OKボタン52には、選択欄51で選択された選択肢を確認的に表示する確認ページがリンクしている。そして、支援サーバ1には、選択肢記録プログラム12が実装されており、確認ページには送信ボタンが設けられている。送信ボタンは、選択肢記録プログラム12の実行ボタンとなっている。
【0022】
選択肢記録プログラム12は、選択欄51で選択された選択肢の値を求職者情報ファイル22の「承諾種別」のフィールドに記録するプログラムである。「承諾種別」は例えば数値型とされ、条件無しで承諾は0、交換条件を前提に承諾は1、条件に関わらず否承諾は2として値が記録される。
尚、相互承諾ページの選択欄51において、「交換条件を前提に承諾」の欄を設けていることは、求職者による求人企業の非自発的情報の取得を求人企業が承諾していることの意思表示であるといえる。
【0023】
上記選択肢記録プログラム12は、サブルーチンとして、承諾種別を運営会社及び求人企業に通知する承諾種別通知モジュールを含んでいる。承諾種別通知モジュールは、この実施形態では、電子メール(以下、承諾種別通知メール)にて通知するモジュールとなっている。
図6は、承諾種別通知モジュールにより求職者に送られた承諾種別通知メールの一例を示した概略図である。
図6に示すように、承諾種別通知メールでは、求職者ID、求職者氏名、承諾種別が通知される。承諾種別通知モジュールは、求人企業IDで求人企業情報ファイルを検索し、該当するレコードの「メールアドレス」の値を取得する。そして、求職者IDや求職者氏名、承諾種別を組み込んでこのアドレスに送信するようプログラミングされている。
【0024】
運営会社に対して送信する承諾種別通知メールについては、図示を省略するが、求人企業ID及び求人企業名が追加されている点を除き、
図6と同様である。運営側担当者のメールアドレスが定数として承諾種別通知モジュールに与えられるようになっており、このアドレスに承諾種別通知メールが送信される。
【0025】
また、実施形態の支援システムは、上記のように交換条件を前提に非自発的情報の取得を承諾した求職者に対して、求人企業の非自発的情報の取得を支援するための機能を有している。以下、この点について説明する。
実施形態の支援システムは、求職者による求人企業の非自発的情報の取得を支援する取得支援サーバを備えている。取得支援サーバは、この実施形態では、相互承諾を支援する支援サーバ(相互承諾サーバ)1が兼用されている。但し、別のサーバとして取得支援サーバを備えていても良い。
【0026】
支援サーバ1には、求職者端末31に対して部署質問選択ページを提供するサーバとなっている。
図7は、部署質問選択ページの一例を示した概略図である。
図7に示すように、部署質問選択ページには、部署選択欄53が設けられている。部署選択欄53は、求職者が非自発的情報を得たいと望む従業員の部署を選択する欄である。この実施形態では、非自発的情報は、求人企業における従業員の就労状況に関する情報であり、部署選択欄53は、どの部署における就労状況であるかを選択する欄である。
【0027】
例えば、営業職を志望する求職者であれば、営業部門で働いている従業員から情報を取得したいと思うであろうし、管理部門を志望する求職者であれば、管理部門で働いている従業員から情報を取得したいと思うであろう。このような要望を考慮して、実施形態の支援システムは、部署選択欄53を設けている。この例では、部署選択欄はチェックボックスとなっている。部署選択欄53は、任意の一つのみを選択することも可能であり、任意の複数を選択することも可能であり、全てを選択することも可能となっている。
【0028】
また、部署質問選択ページには、質問選択欄54が設けられている。質問選択欄54は、従業員に対してする質問を選択する欄である。即ち、この実施形態では、求人企業の非自発的情報は、従業員への質問に対する回答の形で取得されるようになっている。
質問選択欄54には、多数の質問が設けられている。質問は、質問文(テキスト)の形式である。この例では、質問選択欄54もチェックボックスである。質問選択欄についても、任意の一つのみを選択することも可能であり、任意の複数を選択することも可能であり、全てを選択することも可能となっている。
【0029】
このような部署質問選択ページは、交換条件を前提に非自発的情報の取得を承諾した求職者(以下、条件付き承諾者という。)が操作する求職者端末31からのアクセスにより求職者端末31に表示される。このための技術構成として、支援サーバ1は、条件付き承諾者に送信する承諾種別通知メールに、誘導用のハイパーリンクを設けている。即ち、
図6に示すように、条件付き承諾者宛の承諾種別通知メールには、部署質問選択ページにアクセスするためのハイパーリンク(以下、選択ページリンク)42が組み込まれている。選択ページリンク42には、求職者IDが組み込まれており、選択ページリンク42を実行すると、求職者IDがセッション変数に格納された状態で部署質問選択ページが求職者端末31に表示されるようになっている。
【0030】
支援サーバ1には、部署質問記録プログラム13が実装されている。記憶部2には、部署質問情報ファイル23が記憶されている。部署質問記録プログラム13は、部署質問選択ページで選択された情報を部署質問情報ファイル23に記録するプログラムである。
図8は、部署質問情報ファイル23の構造の一例を示した概略図である。
図8に示すように、部署質問情報ファイル23は、「求職者ID」、「総務部」、「経理部」、「営業部」・・・、「質問1」、「質問2」、・・・のフィールドが設けられたデータベースファイルである。
【0031】
求職者IDは、求職者情報ファイル22におけるものと同じであり、部署質問情報ファイル23は求職者IDによって求職者情報ファイル22と紐づけられている。「総務部」、「経理部」、・・・は、部署質問選択ページにおける部署選択欄53の選択肢(各部署)に対応したフィールドである。これらのフィールドは、例えばBoolean型(YesNo型)とされ、選択された場合には真値、選択されなかった場合には偽値が記録される。「質問1」、「質問2」、・・・のフィールドは、部署質問選択ページにおける質問選択欄54の選択肢(各質問)に対応したフィールドである。これらのフィールドについてもBoolean型とされ、選択された場合には真値、選択されなかった場合には偽値が記録される。
【0032】
図7に示すように、部署質問選択ページにはOKボタン55が設けられている。OKボタン55には、選択された内容を確認的に表示する確認ページがリンクしており、確認ページには送信ボタンが設けられている。送信ボタンは、部署質問記録プログラム13の実行ボタンとなっている。部署質問記録プログラム13は、部署質問情報ファイル23に新規レコードを追加し、部署質問選択ページでの選択内容を各フィールドに記録するようプログラミングされている。求職者IDについては、セッション変数から取得して記録する。
【0033】
一方、記憶部2には従業員情報ファイル24が記憶されており、支援サーバ1には求人企業の従業員に対して非自発的情報取得用の質問の送信をする質問送信プログラム14が実装されている。
図9は、従業員情報ファイル24の構造の一例を示した概略図である。
従業員情報ファイル24は、求人企業IDを使用したファイル名で作成されており、求人企業IDによって識別が可能である。
図7に示すように、従業員情報ファイル24は、「従業員ID」、「従業員氏名」、「部署」、「メールアドレス」、「性別」、「在社年数」等のフィールドから成るデータベースファイルである。「部署」は、テキストにて部署名が記録されるフィールドである。これらの情報は、求人企業から提供してもらい、運営側担当者が管理用端末32を使用して従業員情報ファイル24に記録する。尚、「メールアドレス」は、求人会社におけるメールアドレスであるが、私的なメールアドレスであっても良い。この場合には、各従業員から運営会社に提供してもらう。
【0034】
質問送信プログラム14は、この実施形態ではウェブページ内に質問を組み込んで送信するプログラムである。以下、このウェブページは、質問を表示するとともに回答を入力して返信することが可能なページであり、以下、Q&Aページと呼ぶ。また、質問送信プログラム14をQ&Aページ表示プログラムと言い換える。
この実施形態では、質問ページに従業員を誘導する電子メール(以下、Q&Aページ誘導メール)が従業員に送られるようになっている。
図10は、Q&Aページ誘導メールの一例を示した概略図である。
【0035】
図10に示すように、Q&Aページ誘導メールは、求人企業における就労状況についての質問が求職から寄せられているので回答して欲しい旨のテキストに加え、Q&Aページへのハイパーリング(以下、表示ページリンク)43が組み込まれている。表示ページリンク43は、求職者ID及び従業員IDを引数にしてQ&Aページ表示プログラム14を実行するコードを含んでおり、実行されると、求職者ID及び従業員IDがセッション変数に格納された状態で質問ページが従業員端末33に送信されて表示される。求職者IDは、条件付き承諾者の求職者IDであり、部署質問情報ファイル23に記録されている求職者IDである。
【0036】
このようなQ&Aページ誘導メールは、支援サーバ1に実装された誘導メール送信プログラム15により実行される。
図11は、誘導メール送信プログラム15の概略を示したフローチャートである。誘導メール送信プログラム15は、管理用端末32からの要求により実行される。
前述した部署質問記録プログラム13は、部署や質問の記録が終了した後、管理用端末32に対して記録完了通知メールを送信するようになっている。記録完了通知メールは、条件付き承諾者が部署や質問を選択して記録がされたので、従業員に対する質問の送信をして欲しい旨を要請したメールである。記録完了通知メールには、求職者IDが含まれている。
【0037】
誘導メール送信プログラム15は、求職者IDを引数にして実行されるプログラムであり、運営側担当者は、求職者IDを引数にして誘導メール送信プログラム15を実行する。誘導メール送信プログラム15は、
図11に示すように、求職者IDを引数に求職者情報ファイル22を検索し、「質問1」、「質問2」、・・・の各フィールドの値を取得する。そして、それらの値に従って、Q&Aページ用ファイルを作成する。Q&Aページ用ファイルは、求職者が選択した各質問の表示欄と、その横の回答欄(Yes/Noラジオボタン)とを含むウェブページファイルである。そして、求職者情報ファイル22の当該レコードの「総務部」、「経理部」・・・の各値(真値又は偽値)を読み込み、それらの値を一時的に変数に格納する。
【0038】
次に、誘導メール送信プログラム15は、従業員情報ファイル24を開き、最初のレコードの「部署」の値即ち部署名を取得する。そして、メモリに格納しておいた各部署の値のうち一致する部署名の変数の値が真値であるかどうか判断し、真値であれば、従業員情報ファイル24の当該レコードの「メールアドレス」を取得して誘導メールを送信する。この際、求職者IDとこのレコードの従業員IDとを埋め込んで表示ページリンク43が生成され、誘導メールに組み込まれる。
このようにして、従業員情報ファイル24の全てのレコードについて同様に処理すると、誘導メール送信プログラム15は終了である。
【0039】
図10に示すQ&Aページ誘導メールに組み込まれた表示ページリンク43が従業員端末33において実行されると、Q&Aページが従業員端末33に表示される。
図12は、Q&Aページの一例を示した概略図である。
図12に示すように、Q&Aページでは、部署名が確認的に表示されるとともに、各質問が列記されている。各質問の横には回答欄56が設けられている。各質問は、Yes・Noで回答するものであり、したがって回答欄56はこの例ではYes/No型のラジオボタンとなっている。
【0040】
このようなQ&Aページで入力された回答を記録するためのファイルとして、回答情報ファイル25が記憶部2に記憶されている。
図13は、回答情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
図13に示すように、回答情報ファイルは、「回答ID」、「従業員ID」、「部署」、「回答1」、「回答2」、「回答3」・・・のフィールドから成るレコードを記録したデータベースファイルである。回答IDは、各回答を識別するためのIDで、例えば求職者IDに枝番を追加した形で生成する。「回答1」、「回答2」、「回答3」・・・の各フィールドは、従業員が選択した回答内容(Yes又はNo)が記録されるフィールドである。尚、この条件付き承諾者が選択していなかった質問については、Q&Aページに質問自体が表示されないので、表示された質問に対応したフィールドは、Null値となる。
【0041】
このような回答情報ファイル25に回答内容を記録するプログラムとして、支援サーバ1には、回答記録プログラム16が実装されている。Q&AページにはOKボタン57が設けられており、OKボタン57には、回答内容を確認的に表示するページがリンクしている。支援サーバ1には、回答記録プログラム16が実装されており、このページに設けられた送信ボタンには、回答記録プログラム16の実行ボタンとなっている。回答記録プログラム16は、求職者ID、部署名及び従業員IDを引数にして実行されるプログラムであり、実行ボタンは、回答ページから部署名を取得するとともにセッション変数から求職者ID及び従業員IDを取得して回答記録プログラム16を実行するボタンとなっている。
【0042】
回答記録プログラム16は、求職者IDに従って対応する回答情報ファイル25を開き、新規のレコードを追加して、従業員ID、部署名、各回答を記録するようプログラミングされている。回答記録プログラム16は、各従業員が従業員端末33において回答を入力してOKボタン57を押し、確認ページで送信ボタンを押すたびに実行され、回答情報ファイル25にレコードが追加される。
【0043】
支援サーバ1には、回答内容をとりまとめて条件付き承諾者に知らせるための回答レポートプログラム17が実装されている。回答内容の報告は、種々の形態を採り得るが、この実施形態では、PDFのような改変不可のファイル(以下、回答レポートファイル)の形で作成してメール添付で知らせる構成となっている。
図14は、回答レポートファイルにより表示される回答レポートの一例を示した概略図である。
【0044】
図14に示すように、回答レポートでは、求人企業名や質問対象として要望した部署名が確認的に表示される。そして、各質問に対するYes回答の数とNo回答の数とがそれぞれ表示されるようになっている。回答レポートプログラム17は、求職者IDを引数にして実行されるプログラムであり、管理用端末32からの要求により実行される。尚、図示は省略されているが、Yes回答の数、No回答の数も併せて表示されるようになっている。
回答レポートプログラム17は、求職者情報ファイル22を求職者IDで検索し、氏名や、質問を要請した部署名、及びメールアドレスを取得する。また、求職者IDに対応した回答情報ファイル25を開き、各回答についてYesの数、Noの数を集計する。そして、それらをレポートフォームに組み込んで
図11に示すように回答レポートを作成する。その上で、取得したメールアドレスに回答レポートを送信するようプログラミングされている。
【0045】
このような実施形態の相互情報取得システムの動作について、以下に説明する。
求人企業は、運営会社と契約し、求職者との相互承諾や自社内の非自発的情報の取得について依頼する。この際、求人企業の従業員の情報が提供される。運営側担当者は、運営会社端末32を操作し、求人企業情報ファイル21に新規レコードを追加して求人企業ID等を記録するとともに、従業員情報ファイル24を作成し、提供された各従業員の情報を記録して記憶部2に記憶する。
【0046】
一方、求人企業に就職を希望する求職者は、履歴書を提出したり、面接試験を受けたりする。この際、求人企業からは、非自発的情報の取得に関し、独立した第三者の運営会社から電子メールで連絡がされるので、対応して欲しい旨が伝えられる。
その後、
図3に示す相互承諾ページ誘導メールが求職者のメールアドレスに送られる。求職者は、相互承諾ページ誘導メールにある相互承諾ページリンク41を実行し、相互承諾ページを求職者端末31に表示する。選択欄51においていずれかを選択し、OKボタン52を押す。そして、確認ページで送信ボタンを押すことで、選択肢記録プログラム12が実行され、選択された選択肢に対応した値は求職者情報ファイル22に記録される。
【0047】
その後、承諾種別通知モジュールが実行され、承諾種別が求人企業と運営会社に通知される。承諾種別の値が0(無条件で承諾)か1(条件付き承諾)の場合、求人企業による求職者の非自発的情報の取得が承諾されたことになるので、求人企業は、当該求職者について前職調査等の調査を行い、非自発的情報を取得する。
【0048】
また、通知された承諾種別の値1(条件付き承諾)の場合、運営側担当者は、管理用端末32を操作し、選択要請メールを当該求職者のメールアドレスに送信する。求職者は、選択要請メールに組み込まれている選択ページリンク42を実行し、部署質問選択ページを求職者端末31に表示する。その上で、部署や質問を選択してOKボタン55を押し、確認ページで送信ボタンを押す。これにより、部署質問記録プログラム13が実行され、選択に応じた値が求職者情報ファイル22に記録される。
【0049】
部署質問記録プログラム13は、その後、管理用端末32のメールアドレスに記録完了通知メールを送信する。運営側担当者は、記録完了通知メールを受信して記録完了を確認すると、管理用端末32を操作して、誘導メール送信プログラム15を実行する。これにより、支援サーバ1から、各従業員端末33にQ&Aページ誘導メールが送信される。
【0050】
各従業員は、Q&Aページ誘導メールを従業員端末33で受信し、そこに含まれる表示ページリンク43を実行する。これにより、従業員端末33にQ&Aページが表示される。従業員は、各回答欄56においてYesかNoかを選択して入力し、OKボタン57を押す。そして、確認ページで送信ボタンを押す。これにより、回答記録プログラム16が実行され、回答情報ファイル25に回答内容が記録される。
運営側担当者は、設定されている回答期間が経過した後、管理用端末32を操作して回答レポートプログラム17を実行する。これにより、
図14に示すような回答レポートが条件付き承諾者である求職者のメールアドレスに送信される。求職者は、その内容を参照する。
【0051】
このような実施形態の相互情報取得支援システムによれば、相互承諾ページにおいて求職者が自己の非自発的情報を求人企業が取得することを承諾する意思を示すことができるので、求人企業は、安心して前職調査等を行うことができる。この際、求職者の側でも、求人企業の非自発的情報の取得の承諾の意思が確認できるので、不公平感を持つことなく承諾をすることができる。
また、この実施形態の支援システムでは、条件付き承諾をした求職者に対して部署質問選択ページが提供され、ここで部署を選択することができるので、任意の部署での就労状況について非自発的情報を得ることができる。
【0052】
さらに、部署質問選択ページでは、想定される複数の質問が選択され、条件付き承諾者はそこから自由に選択して質問をすることができるので、簡便となっている。予め複数の質問を用意しておく技術構成には、求職者が知りたい情報はある想定でき、幾つかの典型的なものに集約されるという考えがある。例えば、「職場の雰囲気は良いですか?」、「待遇に満足していますか?」、「有給休暇はきちんと取れますか?」、「残業は多いですか?」等々が典型的な質問であり、多くても10~10数個程度の質問で求職者が知りたい情報のほぼ全てが網羅されるという考えに立っている。求職者の側でも、列記された質問の中から実際に訊いてみたい質問を選択する(上記例ではチェックを入れる)だけで良いので、簡便である。
【0053】
部署質問選択ページにテキストボックスを設け、自由に質問を入力してもらって送信させる構成も考えられるが、質問内容によっては従業員が答えにくいものもあるし、求人企業にとっても訊いてもらいたくない質問というのもあり得る。したがって、列記された複数の質問から自由に選択してもらう形式は、求人企業にとって好ましくない質問がされないようにするという意義もある。
【0054】
尚、質問内容が制限されていることを求職者に予め伝えた方がフェアであるため、相互承諾ページにおいて、可能な質問を予め表示しておいても良い。例えば、「質問できる内容について見る」と表記されたコマンドボタンを設け、このコマンドボタンに、可能な質問を列記したウインドウをリンクさせる構成が考えられる。このウインドウに列記される質問は、部署質問選択ページで表示されるとの同じ内容にする。
【0055】
また、実施形態の相互情報取得支援システムでは、Q&Aページで回答が入力されて送信されるが、支援サーバ1を運営しているのは求人企業には支配されていない運営会社であり、回答を行った従業員を求人企業が特定することはできない。即ち、回答情報ファイル25には従業員IDごとに回答内容が記録されているものの、従業員IDに対応させた状態で回答情報ファイル25の内容が求人企業に提供されることはなく、各回答は求人企業に対しては匿名の状態で回答となっている。このため、各従業員は躊躇することなく正直な回答をすることができる。このことは、求職者にとっても、得られた非自発的情報の信頼性が高くなることを意味し、安心して求人企業の評価(就職すべきかどうか)を行うことができるようになる。
【0056】
上記実施形態は、一人の条件付き承諾者が部署質問記録ページで部署や質問を選択して送信を行った場合にそれに対応してQ&Aページ誘導メールが送られて回答がされる構成であった。この場合、複数の求職者が同時期に同一の求人企業に対して就職活動を行っていて、相互承諾ページで条件付き承諾を入力すると、同一の従業員に重複してQ&Aページ誘導メールが送られることになり得る。そうなると、従業員が重複して回答しなければならなくなるので、煩雑を避けるため、重複を回避するよう技術構成が追加されると好適である。
【0057】
具体的には、回答情報ファイル25として、個々の求職者IDに対応したファイルとは別の全体をとりまとめた回答情報ファイル(以下、総合回答情報ファイル)を設ける。総合回答情報ファイルは、回答ごとのレコードとしたデータベースファイルであり、回答ID、従業員ID、回答日の各フィールドと、各質問に対する各回答のフィールドが設けられる。求職者IDに対応した回答情報ファイル25への記録の際、併せて総合回答情報ファイルにも記録しておき、次回以降は、総合回答情報ファイルを参照して前回の回答日から近い(例えば半年以内)場合、Q&Aページ誘導メールの送信は行わずに総合回答情報ファイルから回答を取得して個別の回答情報ファイル25に転記するようにする。
【0058】
次に、従業員意識調査レポート作成システムの発明の実施形態について説明する。
従業員意識調査レポート作成システムの発明は、上記のような相互情報取得支援システムにおいて作成された回答情報ファイル25を利用して従業員意識調査レポートを作成できることを見出して為されたものである。具体的には、従業員意識調査レポート作成システムは、集計手段を備えている。集計手段は、回答情報ファイル25に記録されている回答におけるYesの数及びNoの数を集計する手段である。
【0059】
図15は、実施形態に係る従業員意識調査レポート作成システムの概略図であり、
図16は、作成された従業員意識調査レポートの一例を示した概略図である。
図15に示す従業員意識調査レポート作成システムは、
図1に示す相互情報取得支援システムにおいて、意識調査レポート作成プログラム18を追加した構成となっている。意識調査レポート作成プログラム18は、この例では支援サーバ1に実装されているが、管理用端末32にインストールされていても良い。
【0060】
より具体的に説明すると、意識調査レポート作成プログラム18は、例えば、回答レポートプログラム17のサブルーチンとして実装され得る。この場合、意識調査レポート作成プログラム18は、求職者IDを引数にして実行されるプログラムとされる。意識調査レポート作成プログラム18は、回答レポートプログラム17と同様、回答情報ファイル25に求職者IDに対応した回答情報ファイル25を開き、各回答についてYesの数、Noの数を集計する。そして、それらをレポートフォームに組み込んで
図16に示すような従業員意識調査レポートを作成する。
【0061】
図16に示す例では、求職者は複数の異なる部署を選択しているので、回答情報ファイル25の各レコードも複数の異なる部署にまたがっているので、部署ごとに集計をしている。
また、この実施形態では、意識調査レポート作成プログラム18は、意識調査レポートに評価コメント(テキスト)を記載することを可能にしている。図示は省略するが、意識調査レポート作成プログラム18は、回答情報ファイル25の集計結果を表示しつつ評価コメント入力欄を組み込んだ作成画面を管理用端末32に表示するものとなっている。意識調査レポート作成の担当者は、集計結果を参照しながら評価コメントを入力すると、作成される意識調査レポートの所定の箇所に評価コメントが組み込まれるよう作成画面がプログラミングされている。例えば、「人事評価について満足しているか?」の質問に対して過半数以上がNoと回答している場合、「貴社の人事評価制度については改善が必要と思われます。」というような評価コメントが入力され、意識調査レポートに組み込まれる。
【0062】
このような従業員意識調査レポート作成システムによれば、相互情報取得支援システムにおいて求職者がした質問に対する回答を集計することで従業員意識調査レポートとするので、従業員意識調査のために従業員に対して別途アンケートを取ったりする手間が不要で、そのためのコストもかからない。このため、非常に簡便なシステムとなっている。
【0063】
運営会社としても、相互情報取得支援のサービスに付随するサービスとして従業員意識調査レポートの作成サービスを提供することができるので、全体として売り上げの増加が期待できる。例えば、相互情報取得支援サービスに無料で付帯するサービスとして従業員意識調査レポート作成サービスを提供するようにすると、相互情報取得支援サービスを利用する顧客の増加につながり、大きな売り上げ増加が期待できる。
また、求人企業としても、コストをかけずに社員の意識調査を行ってその結果に従って就労状況の改善を行うことででき、一石二鳥的なメリットがある。
【0064】
尚、上記実施形態では、一つの回答情報ファイル25、即ち1個の求職者IDに対して意識調査レポートを作成したが、これは、一つの求職者が交換条件的に取得した非自発的情報を利用するものである。これに限らず、複数の回答情報ファイル25から回答を集めて意識調査レポートを作成しても良い。即ち、あまり離れていない時期(例えば1ヶ月以内)に複数の求職者が条件付き承諾者となってそれぞれ回答情報ファイル25が作成された場合、それら回答を集めて意識調査レポートが作成される。この際、同じ従業員の回答を重複してカウントしてしまわないよう、ある回答情報ファイル25でカウントした従業員IDを記憶しておき、他の回答情報ファイル25で同じ従業員IDのレコードが出てきたら、カウントせずにオミットするようプログラミングされる。
【0065】
上記実施形態において、運営会社は、各求職者の個人情報を入手しないようにすることも可能である。この場合、運営会社は、求人会社から各求職者IDを提供してもらう。各求職者IDと各求職者(の個人情報)を紐付けるデータベースファイルは、求人会社において作成、管理してもらう。運営会社は、相互承諾ページに誘導するコード(ハイパーリンク)を求職者IDを含んだ形で作成し、求人会社に提供する。求人会社は、このコードを、前述したのと同様に自社から求職者への連絡メールに組み込んだ形で求職者に提供し、アクセスをしてもらうようにする。運営会社が管理する求職者情報ファイルには、求職者IDと承諾種別は記録されるが、個人情報は記録されない。このようにすると、運営会社は各求職者の個人情報は扱わないので、煩雑さが避けられる。
【0066】
また別の構成として、運営会社は求職者IDのみを発行し、それを求人会社に提供するだけであっても良い。この場合、通常、パスワードも発行される。求人会社が求職者ID及びパスワードを求職者に電子メール等で知らせ、求職者は求職者端末31でアクセスし、求職者ID及びパスワードを入力してログインする。そして、相互承諾ページを表示して入力を行う。このような構成であっても良い。
【0067】
尚、上記実施形態において、求人会社が承諾を得て取得する求職者の非自発的情報の例として前職情報及び履歴書記載事実確認用の情報を採り上げたが、他の場合もあり得る。例えば、求職者のインターネット上での行動(例えばSNSでの発信内容)を調べることもあり、そこで得られた情報が非自発的情報であることもあり得る。
【0068】
また、上記実施形態において、部署質問選択ページは、条件付き承諾を選択した場合に自動的に求職者端末31に送信されて表示される構成であっても良い。即ち、条件付き承諾が選択された場合、実行される選択肢記録プログラム12は、サブルーチンとして部署質問選択ページを求職者端末31に送信して表示するようプログラミングされても良い。この場合には、求職者を部署質問選択ページに誘導するメールは送信されない。このようにすると、誘導メールを送信する手間が無くなるので、運営管理が省力化される。
【0069】
また、Q&Aページ誘導メールについても、部署質問記録プログラム13がサブルーチンとして送信するようプログラミングされても良い。即ち、求職者が部署質問選択ページで各選択をして部署質問記録プログラム13が実行されると、部署質問情報ファイル23に記録される内容に従い、
図11に示すのと同様にQ&Aページ誘導メールが各従業員端末33に送信されるようにする。このようにすると、管理用端末32での作業が無くなるので、運営管理が省力化される。
【符号の説明】
【0070】
1 支援サーバ
11 相互承諾ページ表示プログラム
12 選択肢記録プログラム
13 部署質問記録プログラム
14 Q&Aページ表示プログラム(質問送信プログラム)
16 回答記録プログラム
17 回答レポートプログラム
18 意識調査レポート作成プログラム
2 記憶部
21 求人企業情報ファイル
22 求職者情報ファイル
23 部署質問情報ファイル
24 従業員情報ファイル
25 回答情報ファイル
31 求職者端末
32 管理用端末
33 従業員端末
51 選択欄
53 部署選択欄
54 質問選択欄
56 回答欄
9 インターネット