(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082478
(43)【公開日】2022-06-02
(54)【発明の名称】プログラム、方法、情報処理装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20220526BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20220526BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06N20/00
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020193923
(22)【出願日】2020-11-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-17
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2020年10月26日 OPTiM INNOVATION 2020 (https://www.optim.co.jp/innovation2020/)にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB23
(57)【要約】
【課題】学習済みモデルの購入希望者が、任意の開発者により生成された学習済みモデルを購入可能な場を提供する。
【解決手段】プロセッサを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムであって、前記プロセッサに、第1者により生成された第1学習済みモデルを販売可能に公開する第1ステップと、前記第1学習済みモデルが第2者によって再学習されて生成された第2学習済みモデルを販売可能に公開する第2ステップと、前記第2学習済みモデルが購入されたことに応じて、第1者及び第2者へ報酬を付与する第3ステップと、を実行させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムであって、前記プロセッサに、
第1者により生成された第1学習済みモデルを販売可能に公開する第1ステップと、
前記第1学習済みモデルが第2者によって再学習されて生成された第2学習済みモデルを販売可能に公開する第2ステップと、
前記第2学習済みモデルが購入されたことに応じて、第1者及び第2者へ報酬を付与する第3ステップと、を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記第1ステップにおいて、前記第1学習済みモデルにバージョン情報が付され、
前記バージョン情報は、第2学習済みモデルに引き継がれる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第2ステップにおいて、前記第2学習済みモデルが複数あり、
前記複数の第2学習済みモデルのバージョン情報はそれぞれ異なる、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第2ステップにおいて、前記第2学習済みモデルが複数あり、
前記複数の第2学習済みモデルのバージョン情報の異同を判定し、
前記バージョン情報が同じである場合、一方のバージョン情報を他方のバージョン情報と異ならせる、請求項2又は3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2ステップにおいて、前記第2者が前記第2学習済みモデルを販売可能に公開する指示に応じて、前記第2学習済みモデルを販売可能に公開する、請求項1から4のいずれかに記載のプログラム。
【請求項6】
前記第1者に関する情報と関連付けて、前記第1学習済みモデルを販売可能に公開し、
前記第1者及び第2者に関する情報と関連付けて、前記第2学習済みモデルを販売可能に公開する、請求項1から5のいずれかに記載のプログラム。
【請求項7】
前記第3ステップにおいて、
前記第1者へ付与する報酬の金額は、前記第1者により設定され、
前記第2者へ付与する報酬の金額は、前記第2者により設定される、請求項1から6のいずれかに記載のプログラム。
【請求項8】
検証用データセットを用いて、前記第1学習済みモデル及び前記第2学習済みモデルの精度を検証するステップをさらに実行させる、請求項1から7のいずれかに記載のプログラム。
【請求項9】
前記第2ステップにおいて、
前記第2者から再学習用データセットを受け付けて、
前記再学習用データセットを用いて前記第1学習済みモデルを再学習し、前記第2学習済みモデルを生成する、を含む、請求項1から8のいずれかに記載のプログラム。
【請求項10】
前記再学習用データセットを販売可能に公開し、
前記再学習用データセットが購入されたことに応じて、前記第2者へ報酬を付与する、請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記第2者へ付与する報酬の金額は、前記第2者により設定される、請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにより実行される方法であって、
前記方法は、前記プロセッサが、前記メモリに記憶されるプログラムを読み込んで実行することにより、
第1者により生成された第1学習済みモデルを販売可能に公開する第1ステップと、
前記第1学習済みモデルが第2者によって再学習されて生成された第2学習済みモデルを販売可能に公開する第2ステップと、
前記第2学習済みモデルが購入されたことに応じて、第1者及び第2者へ報酬を付与する第3ステップと、を実行する方法。
【請求項13】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、
前記制御部が、前記記憶部に記憶されるプログラムに基づいて動作することにより、
第1者により生成された第1学習済みモデルを販売可能に公開する第1ステップと、
前記第1学習済みモデルが第2者によって再学習されて生成された第2学習済みモデルを販売可能に公開する第2ステップと、
前記第2学習済みモデルが購入されたことに応じて、第1者及び第2者へ報酬を付与する第3ステップと、実行する情報処理装置。
【請求項14】
一つまたは複数のコンピュータによって構成されるシステムであって、
第1者により生成された第1学習済みモデルを販売可能に公開する第1ステップと、
前記第1学習済みモデルが第2者によって再学習されて生成された第2学習済みモデルを販売可能に公開する第2ステップと、
前記第2学習済みモデルが購入されたことに応じて、第1者及び第2者へ報酬を付与する第3ステップと、実行するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、情報処理装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人工知能の技術水準が向上し、人工知能は様々なサービスに組み込まれて利用されている。そのため、人工知能を使用することへの抵抗は薄れつつあり、学習済みモデルを導入したいという要望が増えている。
【0003】
特許文献1では、深層学習等による学習済みモデルを用いて判定・分類等の処理を行う産業上の装置に対して、低コストで学習済みモデルの導入及び最適化を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、環境、条件にあった学習済みモデルを生成することは開示されているが、任意の開発者が生成した学習済みモデルを販売することについては記載されていない。
【0006】
そこで、本開示の目的は、学習済みモデルの購入希望者が、任意の開発者により生成された学習済みモデルを購入可能な場を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態によると、プロセッサを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムが提供される。前記プロセッサに、第1者により生成された第1学習済みモデルを販売可能に公開する第1ステップと、前記第1学習済みモデルが第2者によって再学習されて生成された第2学習済みモデルを販売可能に公開する第2ステップと、前記第2学習済みモデルが購入されたことに応じて、第1者及び第2者へ報酬を付与する第3ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、学習済みモデルの購入希望者に、任意の開発者により生成された学習済みモデルを購入可能な場を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態のシステム1の全体の構成を示す図である。
【
図2】第1の実施形態のシステム1を構成する、第1者が操作する端末装置10Aのブロック図である。
【
図3】第1の実施形態のシステム1を構成する、第2者が操作する端末装置10Bのブロック図である。
【
図4】第1の実施形態のシステム1を構成する、購入者が操作する端末装置10Cのブロック図である。
【
図5】第1の実施形態のシステム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
【
図6】サーバ20が記憶する学習済みモデルデータベース281のデータ構造を示す図である。
【
図7】第2学習済みモデルを生成する流れの一例を説明する図である。
【
図8】学習済みモデルを販売する流れの一例を説明する図である。
【
図9】第1者が操作する端末装置10Aの画面例の図である。
【
図10】第1者が操作する端末装置10Aの画面例の図である。
【
図11】第1者が操作する端末装置10Aの画面例の図である。
【
図12】第1者が操作する端末装置10Aの画面例の図である。
【
図13】第2者が操作する端末装置10Bの画面例の図である。
【
図14】第2者が操作する端末装置10Bの画面例の図である。
【
図15】第2者が操作する端末装置10Bの画面例の図である。
【
図16】第2者が操作する端末装置10Bの画面例の図である。
【
図17】購入者が操作する端末装置10Cの画面例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0011】
<第1の実施形態>
<1 システム1の全体構成>
システム1は、学習済みモデルの提供を管理するシステムである。本実施形態において、学習済みモデルとは、モデル学習プログラムに従って機械学習モデルに機械学習を行わせることで生成されるモデルを表す。また、システム1は、学習済みモデルを再学習して得られる学習済みモデルの提供も管理する。本実施形態において、再学習は、学習済みモデルの層全体の重みを調整すること、一部の層をフリーズさせておきそれ以外の層の重みを調整すること、新たな層を追加すること等を含む。
【0012】
図1は、第1の実施形態のシステム1の全体の構成を示す図である。
図1に示すように、システム1は、第1者が操作する端末装置10Aと、第2者が操作する端末装置10Bと、購入者が操作する端末装置10Cと、サーバ20とを含む。第1者は、例えば、所定の学習用データを用いてトレーニングすることで学習済みモデル(以下、第1学習済みモデルと呼ぶ)を生成した者を表す。第2者は、例えば、第1者が生成した学習済みモデルを再学習して、新たな学習済みモデル(以下、第2学習済みモデルと呼ぶ)を生成した者を表す。購入者は、例えば、学習済みモデルの購入を検討している者を表す。端末装置10Aと、端末装置10Bと、端末装置10Cと、サーバ20とは、有線又は無線の通信規格を用いて、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。
【0013】
端末装置10A、端末装置10B及び端末装置10Cは、例えば、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCなどにより実現される。この他に、端末装置10A、端末装置10B及び端末装置10Cは、例えば、移動体通信システムに対応したスマートフォン、タブレット等の携帯端末であるとしてもよい。
【0014】
図1に端末装置10Aとして示すように、端末装置10A及び端末装置10Bは、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、ストレージ16と、プロセッサ19とを備える。
【0015】
通信IF12は、端末装置10A及び端末装置10Bが外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0016】
サーバ20は、第1者が生成した第1学習済みモデル、第2者が生成した第2学習済みモデルなどの提供を管理する装置である。サーバ20は、例えば、学習済みモデルの生成者と、学習済みモデルの購入者とを結びつけるプラットフォームを提供すると換言してもよい。サーバ20は、例えば、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。
【0017】
図1に示すように、サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0018】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDDである。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0019】
<1.1 端末装置10Aの構成>
図2は、第1の実施形態のシステム1を構成する、第1者が操作する端末装置10Aのブロック図である。
図2に示すように、端末装置10Aは、通信部121と、操作受付部130(タッチ・センシティブ・デバイス131およびディスプレイ132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、位置情報センサ150と、カメラ160と、記憶部170Aと、制御部180Aと、を含む。端末装置10Aは、
図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路など)も有している。
図2に示すように、端末装置10Aに含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0020】
通信部121は、有線又は無線の通信規格を用いて、端末装置10Aが外部の装置と通信するための処理を行う。
【0021】
操作受付部130は、操作者の入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、タッチスクリーンとして構成され、タッチ・センシティブ・デバイス131と、ディスプレイ132とを含む。また、操作受付部130は、マウス、キーボード等を含むこととしてもよい。
【0022】
タッチ・センシティブ・デバイス131は、端末装置10Aの操作者の入力操作を受け付ける。タッチ・センシティブ・デバイス131は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対する操作者の接触位置を検出する。タッチ・センシティブ・デバイス131は、タッチパネルにより検出した操作者の接触位置を示す信号を入力操作として制御部180Aへ出力する。
【0023】
ディスプレイ132は、制御部180Aの制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0024】
音声処理部140は、例えば、音声信号のデジタル-アナログ変換を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号をデジタル信号に変換して、変換後の信号を制御部180Aへ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10Aの外部へ出力する。
【0025】
位置情報センサ150は、端末装置10Aの位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される端末装置10Aの現在位置を検出する。
【0026】
カメラ160は、受光素子により光を受光して、撮影画像として出力するためのデバイスである。カメラ160は、例えば、カメラ160から撮影対象までの距離を検出できる深度カメラである。
【0027】
記憶部170Aは、例えばストレージ16などにより実現され、端末装置10Aが使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部170Aは、学習用データセット171を記憶する。
【0028】
学習用データセット171は、第1学習済みモデルを生成するために用いるデータセットである。具体的に、学習用データセット171は、学習を行うために必要な、ラベル付きのデータの集合である。第1者は、学習用データセット171をサーバ20に送付し、サーバ20において学習用データセット171を用いて機械学習モデルに機械学習を行わせることで、第1学習済みモデルを生成する。
【0029】
制御部180Aは、記憶部170Aに記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10Aの動作を制御する。制御部180Aは、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部181と、送受信部182Aと、表示制御部183としての機能を発揮する。
【0030】
入力操作受付部181は、タッチ・センシティブ・デバイス131等の入力装置に対する操作者の入力操作を受け付ける処理を行う。
【0031】
送受信部182Aは、端末装置10Aが、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。例えば、送受信部182Aは、第1者から学習用データセット171のアップロード指示を受け付けると、通信部121を介して、学習用データセット171をサーバ20へ送信する。
【0032】
また、例えば、送受信部182Aは、学習済みモデル又は学習用データセットの販売に関する情報をサーバ20へ送信する。具体的には、例えば、第1者は、学習用データセット171を用いて生成した第1学習済みモデル、第1学習済みモデルから派生する学習済みモデル、学習用データセット171を販売可能に公開するか否かを設定する。送受信部182Aは、第1者から設定された販売の権利に関する情報をサーバ20へ送信する。
【0033】
また、第1者は、例えば、第1学習済みモデルの販売価格、第1学習済みモデルから派生する学習済みモデルの販売価格、又は学習用データセット171の販売価格を設定する。送受信部182Aは、第1者から設定された価格に関する情報をサーバ20へ送信する。
【0034】
表示制御部183は、提供されている学習済みモデル、学習用データセットについての情報を提示するため、ディスプレイ132を制御する。
【0035】
<1.2 端末装置10Bの構成>
図3は、第1の実施形態に係るシステム1を構成する、第2者が操作する端末装置10Bのブロック図である。端末装置10Bは、記憶部170Bに記憶されている再学習用データセット172、及び、制御部180Bを構成する送受信部182A以外、
図2に示す端末装置10Aと同じように構成されているので、その説明を省略する。以下、再学習用データセット172、送受信部182Aについて説明する。
【0036】
再学習用データセット172は、第1学習済みモデルを再学習して第2学習済みモデルを生成するために用いるデータセットである。具体的に、再学習用データセット172は、再学習を行うために必要な、ラベル付きのデータの集合である。第2者は、再学習用データセット172をサーバ20に送付し、サーバ20で第1学習済みモデルを再学習させることで、第2学習済みモデルを生成する。
【0037】
送受信部182Bは、端末装置10Bが、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。送受信部182Bは、第2者から再学習用データセット172のアップロード指示を受け付けると、通信部121を介して、再学習用データセット172をサーバ20へ送信する。
【0038】
また、例えば、送受信部182Bは、学習済みモデル又は学習用データセットの販売に関する情報をサーバ20へ送信する。具体的には、例えば、第2者は、再学習用データセット172を用いた再学習により生成した第2学習済みモデル、又は再学習用データセット172を販売可能に公開するか否かを設定する。送受信部182Bは、第2者から設定された販売の権利に関する情報をサーバ20へ送信する。
【0039】
<1.3 端末装置10Cの構成>
図3は、第1の実施形態に係るシステム1を構成する、購入者が操作する端末装置10Cのブロック図である。端末装置10Cは、記憶部170Cに記憶されている学習済みモデル173、及び、制御部180Cを構成する送受信部182C以外、
図2に示す端末装置10Aと同じように構成されているので、その説明を省略する。以下、学習済みモデル173、送受信部182Cについて説明する。
【0040】
学習済みモデル173は、サーバ20が提供するプラットフォームを利用して購入者が購入した学習済みモデルである。学習済みモデルは、第1学習済みモデルであってもよいし、第2学習済みモデルであってもよい。なお、
図4では記載されていないが、記憶部170Cには、購入者により購入された学習用データセット、又は再学習用データセットが記憶されていてもよい。
【0041】
送受信部182Cは、端末装置10Cが、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。具体的には、例えば、購入者は、サーバ20が提供するプラットフォームで販売されている学習済みモデル、又は学習用データセットを選択し、購入に必要な情報を入力するとともに、購入指示を入力する。送受信部182Cは、購入指示を受け付けると、入力された情報をサーバ20へ送信する。また、送受信部182Cは、サーバ20から送信される学習済みモデル、又は学習用データセットを受信する。
【0042】
<1.4 サーバ20の機能的な構成>
図4は、第1の実施形態のシステム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
図4に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0043】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0044】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、学習済みモデルデータベース281を記憶する。
【0045】
学習済みモデルデータベース281は、サーバ20で生成された学習済みモデルを保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0046】
制御部203は、サーバ20のプロセッサがプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして示す機能を発揮する。具体的に、制御部203は、プログラムに従って処理を行うことにより、受信制御部2031、送信制御部2032、学習部2033、再学習部2034、公開部2035、バージョン情報管理部2036、販売部2037、付与部2038、精度検証部2039として示す機能を発揮する。
【0047】
受信制御部2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
送信制御部2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0048】
学習部2033は、機械学習モデルに機械学習を行わせることで第1学習済みモデルを生成する。具体的に、学習部2033は、第1者により入力された学習用データセット171に基づき、モデル学習プログラムに従って機械学習モデルに機械学習を行わせることで、第1学習済みモデルを生成する。機械学習のアルゴリズムとしては、汎用のアルゴリズムを使用してよく、例えば、判別分析、サポートベクターマシン(support vector machine)、線形回帰、ランダムフォレスト、ディープラーニング、及びエイダブースト(AdaBoost)などが挙げられる。学習部2033により生成された第1学習済みモデルは、記憶部202に格納される。
【0049】
本実施形態に係る機械学習モデルは、例えば、複数の関数が合成されたパラメータ付き合成関数である。パラメータ付き合成関数は、複数の調整可能な関数、及びパラメータの組合せにより定義される。本実施形態に係る機械学習モデルは、上記の要請を満たす如何なるパラメータ付き合成関数であってもよいが、多層のネットワークモデル(以下、多層化ネットワークと呼ぶ)であるとする。多層化ネットワークを用いる第1学習済みモデルは、入力層と、出力層と、入力層と出力層との間に設けられる少なくとも1層の中間層あるいは隠れ層とを有する。
【0050】
本実施形態に係る多層化ネットワークとしては、例えば、深層学習(Deep Learning)の対象となる多層ニューラルネットワークである深層ニューラルネットワーク(Deep Neural Network:DNN)が用いられ得る。DNNとしては、例えば、画像を対象とする畳み込みニューラルネットワーク(Convolution Neural Network:CNN)を用いてもよい。
【0051】
再学習部2034は、再学習用データセットを用いて、学習済みモデルを再学習する。具体的に、例えば、再学習部2034は、第1学習済みモデルに対して、第2者により入力された再学習用データセット172を用いて、第1学習済みモデルを生成したのと同じアルゴリズムによって第1学習済みモデルを再学習する。本実施形態において、再学習は、学習済みモデルの層全体の重みを調整すること、一部の層をフリーズさせておきそれ以外の層の重みを調整すること、新たな層を追加すること等を含む。再学習部2034により生成された第2学習済みモデルは、記憶部202に格納される。なお、第1学習済みモデルの再学習は、サーバ20以外の装置で実施されてもよい。例えば、第2者は、サーバ20以外の装置で、第1学習済みモデルを生成したのと同じアルゴリズムを用い、第1学習済みモデルを再学習する。
【0052】
公開部2035は、販売対象の学習済みモデル、又は学習用データセットを購入者が選択可能に公開する。具体的には、公開部2035は、第1者から公開の許可があった場合、第1者が生成した第1学習済みモデルを販売可能に公開する。また、公開部2035は、第1者から公開の許可があった場合、第1学習済みモデルを生成するのに用いた学習用データセット171を、販売可能に公開する。また、公開部2035は、第1者からの許可があった場合、第1学習済みモデル、又は学習用データセットの公開と共に、第1者に関する情報を公開する。
【0053】
また、公開部2035は、第1者及び第2者から公開の許可があった場合、再学習により生成された第2学習済みモデルを販売可能に公開する。また、公開部2035は、第2者から公開の許可があった場合、第1学習済みモデルの再学習に用いた再学習用データセット172を、販売可能に公開する。また、公開部2035は、第2者からの許可があった場合、第2学習済みモデル、又は再学習用データセットの公開と共に、第2者に関する情報を公開する。また、公開部2035は、第1者からの許可があった場合、第2学習済みモデルの公開と共に、第1者に関する情報を公開する。
【0054】
バージョン情報管理部2036は、学習部2033により生成された第1学習済みモデルに、再学習の回数を判断するためのバージョン情報を付す。バージョン情報は、例えば、学習済みモデルが再学習されると、バージョンを表す情報が進行するように設計されている。具体的に、バージョン情報管理部2036は、例えば、学習部2033により第1学習済みモデルが生成されると、生成された第1学習済みモデルにバージョン情報を付す。そして、再学習部2034により、第1学習済みモデルが再学習されて第2学習済みモデルが生成されると、第1学習済みモデルに付されていたバージョン情報が第2学習済みモデルに引き継がれると共に、バージョン情報の値が進められる。なお、バージョン情報管理部2036は、再学習部2034により、第1学習済みモデルが再学習されて第2学習済みモデルが生成されると、生成された第2学習済みモデルに、再学習の回数を増やしたバージョン情報を付すようにしてもよい。バージョン情報は、バージョンを識別できればどのような形式であってもよく、例えば、番号であってよい。バージョン情報管理部2036は、例えば、第1学習済みモデルにバージョン情報として、ver1.0を付し、第1学習済みモデルが再学習されて第2学習済みモデルが生成されると、ver2.0にバージョン情報を進める。
【0055】
また、第1学習済みモデルに基づいて複数の第2学習済みモデルが生成された場合、バージョン情報管理部2036は、複数の第2学習済みモデルのバージョン情報をそれぞれ異なるようにする。バージョン情報管理部2036は、例えば、複数の第2学習済みモデルが生成された時刻の前後関係によって、それぞれの第2学習済みモデルに付すバージョン情報を決定してよい。例えば、バージョン情報:Ver1.0が付されている第1学習済みモデルが再学習されて2つの第2学習済みバージョンが生成された場合、バージョン情報管理部2036は、生成された時刻が早い第2学習済みモデルに、ver2.1のバージョン情報を付し、生成された時刻が遅い第2学習済みモデルに、ver2.2のバージョン情報を付す。
【0056】
また、第1学習済みモデルに基づいて複数の第2学習済みモデルが生成された場合、バージョン情報管理部2036は、複数の第2学習済みモデルのバージョン情報の異同を判定し、バージョン情報が同じである場合、一方のバージョン情報を他方のバージョン情報と異ならせる。例えば、第2者が二人存在し、第2者のそれぞれがサーバ20以外の装置で第1学習済みモデルを再学習して、第2学習済みモデルを生成したとする。この場合、例えば、第2学習済みモデルに付されているバージョン情報はそれぞれVer2.1となっている。これらの第2学習済みモデルがプラットフォームでの販売のためにサーバ20にアップロードされた場合、バージョン情報管理部2036は、2つの第2学習済みモデルのバージョン情報の異同を判定する。バージョン情報管理部2036は、第2学習済みモデルのバージョン情報が同じ場合、一方のバージョン情報をそのままにし、他方のバージョン情報を異なる内容に更新する。例えば、バージョン情報管理部2036は、他方の第2学習済みモデルのバージョン情報をver2.2にする。
【0057】
販売部2037は、学習済みモデルを購入者に販売する処理を制御する。具体的に、販売部2037は、購入者から、購入したい学習済みモデルの選択を受け付けて、選択された学習済みモデルの販売価格の支払いを完了させることで、販売を完了させる。また、第2者が学習用データセット、又は再学習用データセットを販売可能に公開する場合、販売部2037は、学習用データセット、又は再学習用データセットを購入者に販売する。
【0058】
学習済みモデルの販売価格は、学習済みモデルの作成者により設定されてもよいし、サーバ20によって設定されてもよい。例えば、販売部2037は、第1学習済みモデルの販売価格を、第1者が設定した販売価格に設定する。販売部2037は、学習用データセットの販売価格を、第1者が設定した販売価格に設定する。販売部2037は、第2学習済みモデルの販売価格を、第1者が設定した販売価格と、第2の者が設定した販売価格との合計額に設定する。販売部2037は、再学習用データセットの販売価格を、第2者が設定した販売価格に設定する。
【0059】
なお、販売部2037は、第1学習済みモデルの販売価格を、第1者が設定した販売価格と異なる金額(例えば、高い金額、又は低い金額)にしてもよい。販売部2037は、学習用データセットの販売価格を、第1者が設定した販売価格と異なる金額にしてもよい。販売部2037は、第2学習済みモデルの販売価格を、第1者が設定した販売価格と、第2の者が設定した販売価格との合計額と異なる金額にしてもよい。販売部2037は、再学習用データセットの販売価格を、第2者が設定した販売価格と異なる金額にしてもよい。サーバ20は、第1者又は第2者により設定された販売価格よりも高い金額で売れた場合、差額の少なくも一部を、学習済みモデルの作成に貢献した者に報酬として付与してもよい。
【0060】
付与部2038は、学習済みモデルが購入されたことに応じて発生した金額の少なくとも一部を学習済みモデル、学習用データセット、又は再学習用データセットの生成者に付与する。具体的に、付与部2038は、第1学習済みモデル、第2学習済みモデル、学習用データセットが購入されたことに応じて発生する金額から所定の手数料を引いた金額を、第1者に付与する。また、付与部2038は、第2学習済みモデル、再学習用データセットが購入されたことに応じて発生する金額から所定の手数料を引いた金額を、第2者に付与する。なお、付与されるものは、金銭的な価値を有するものであれば、何でも構わない。例えば、お金、ポイント、仮想通貨、所定の特典等の何れであってもよい。
【0061】
精度検証部2039は、生成された学習済みモデルの精度を検証する。具体的に、例えば、精度検証部2039は、検証用データセットを用いて、第1学習済みモデル、又は第2学習済みモデルの推論の精度を検証する。検証用のデータセットは、学習済みモデルの精度を検証できるデータセットであってよく、例えば、第1学習済みモデルの生成時のテストデータ、第2学習済みモデルの生成時のテストデータ、購入検討者のテストデータ、又は汎用のデータセットなどが挙げられる。また、学習済みモデルの精度の検証方法としては、機械学習の性能評価指標を用いる方法であってよく、例えば、再現率(recall)、適合率(precision)、正解率(accuracy)、F値(F-measure)、平均適合率(Average Precision)、mAP(mean Average Precision)、IoU(Intersection Over Union)などの評価指標を用いる方法が挙げられる。
【0062】
また、精度検証部2039は、例えば、第1学習済みモデルの精度と、第2学習済みモデルの精度とを比較し、第2学習済みモデルを公開するかどうかを決定してもよい。例えば、精度検証部2039は、第2学習済みモデルの精度が第1学習済みモデルより低いと判定した場合、第2学習済みモデルの販売を認めないようにしてもよい。なお、第2学習済みモデルの一部の精度評価指標が第1学習済みモデルより低くても、その他の精度評価指標が著しく高い場合、 精度検証部2039は、第2学習済みモデルの販売を許可してもよい。
【0063】
なお、精度検証部2039は、例えば、第2学習済みモデルの精度が予め設定されている値より低い場合、第2学習済みモデルの販売を認めないようにしてもよい。また、精度検証部2039は、上記精度評価指標の評価値を購入者に提示してもよいし、上記精度評価指標の評価値に基づき、学習済みモデルの精度を示すパラメータを算出し、当該パラメータを購入者に提示してもよい。
【0064】
<2 データ構造>
図6は、サーバ20が記憶する学習済みモデルデータベース281のデータ構造を示す図である。学習済みモデルデータベース281は、第1学習済みモデルと、当該第1学習済みモデルを再学習して生成した第2学習済みモデルとを記憶している。なお、学習済みモデルデータベース281は、第2学習済みモデルを再学習して生成した第3学習済みモデルなどを記憶してよい。
【0065】
図6に示すように、学習済みモデルデータベース281のレコードのそれぞれは、項目「モデルID」、項目「名称」、項目「再学習履歴」、項目「バージョン情報」、項目「公開可否」、項目「精度」、項目「報酬」を含む。なお、ここに示す項目はすべてではなく、他の項目があっても構わない。例えば、学習済みモデルが利用されるドメイン、モデル作成に利用されたフレームワーク、又は利用されるアプリケーションの種類等があってもよい。
【0066】
項目「モデルID」は、それぞれの学習済みモデルを識別する情報である。
【0067】
項目「名称」は、それぞれの学習済みモデルの名前を示す情報である。
【0068】
項目「再学習履歴」は、それぞれの学習済みモデルを生成するために再学習を実施した履歴を示す情報である。具体的に、記憶部202は、第1学習済みモデルについて、再学習履歴なしと記憶しながら、第1学習済みモデルを生成するために用いた学習用データセットと、当該学習用データセットを提供した第1者に関する情報を記憶する。また、第2学習済みモデルについては、第1学習済みモデルを再学習して第2学習済みモデルを生成するために用いたの再学習用データセットと、当該再学習用データセットを提供した第2者に関する情報を記憶する。
【0069】
項目「バージョン情報」は、それぞれの学習済みモデルのバージョン情報を示す情報である。
図6に示しているように、第1学習済みモデルのバージョン情報は第2学習済みモデルに引き継がれ、複数の第2学習済みモデルのバージョン情報はそれぞれ異なる。
【0070】
項目「公開可否」は、それぞれの学習済みモデルの作成者が、当該学習済みモデルを販売可能に公開するか否かを示す情報である。
【0071】
項目「精度」は、それぞれの学習済みモデルの推論の精度を示す情報である。
【0072】
項目「販売価格」は、それぞれの学習済みモデルの販売価格を示す情報、及び、販売した後、それぞれの学習済みモデルの作成に貢献した者に報酬を付与する方法に関する情報である。
図6に示しているように、第1学習済みモデル(モデルA)を販売する場合、サーバ20は、第1者が設定した販売価格を、第1学習済みモデルの販売価格と設定し、販売した後、第1者が設定した販売価格を第1者に報酬として付与する。また、第2学習済みモデル(モデルAB)を販売する場合、サーバ20は、第1者が設定した販売価格と、第2の者が設定した販売価格との合計額を、第2学習済みモデルの販売価格と設定し、販売した後、サーバ20は、第1者が設定した販売価格を第1者に報酬として付与しつつ、第2者が設定した販売価格を第2者に報酬として付与する。
【0073】
<3 動作>
<3.1 第2学習済みモデルを販売可能に公開する処理>
以下、
図7を参照しながら、第2学習済みモデルを販売可能に公開する処理について説明する。
【0074】
ステップS721において、サーバ20の再学習部2034は、第2者から、第1学習済みモデルを再学習するための再学習用データセットを受け付ける。
【0075】
ステップS722において、再学習部2034は、再学習用データセットを用いて、第1学習済みモデルを再学習し、第2学習済みモデルを生成する。バージョン情報管理部2036は、第2学習済みモデルのバージョン情報を更新する。
【0076】
ステップS723において、サーバ20のバージョン情報管理部2036は、第2学習済みモデルのバージョン情報を決める。具体的に、第1学習済みモデルに付されていたバージョン情報は第2学習済みモデルに引き継がれると共に、バージョン情報の値が進められる。なお、バージョン情報管理部2036は、再学習部2034により、第1学習済みモデルが再学習されて第2学習済みモデルが生成されると、生成された第2学習済みモデルに、再学習の回数を増やしたバージョン情報を付すようにしてもよい。
【0077】
ステップS724において、サーバ20の精度検証部2039は、生成した第2学習済みモデルの精度を算出する。例えば、精度検証部2039は、検証用データセットを用いて、第2学習済みモデルの推論の精度を検証する。
【0078】
ステップS725において、精度検証部2039は、第2学習済みモデルの精度が、第1学習済みモデルの精度よりも高いか否かを判定する。第2学習済みモデルの精度が、第1学習済みモデルの精度よりも高い場合(ステップS725のYes)、精度検証部2039は、処理をステップS726に移行させる。第2学習済みモデルの精度が、第1学習済みモデルの精度以下である場合(ステップS725のNo)、精度検証部2039は、処理を終了させる。つまり、精度検証部2039は、第2学習済みモデルの販売を認めない。
【0079】
ステップS726において、サーバ20の公開部2035は、第2者及び第1者から、第2学習済みモデルを販売可能に公開することについての承諾を受け付ける。なお、第1者が第1学習済みモデルの販売を許可している場合は第1者からの承諾は省略してもよい。また、公開部2035は、第1者から、第1者に関する情報を公開することについての承諾を受け付ける。また、公開部2035は、第2者から、第2者に関する情報を公開することについての承諾を受け付ける。
【0080】
ステップS727において、サーバ20の販売部2037は第2学習済みモデルの販売価格を設定する。具体的に、販売部2037は、第1者が設定した販売価格と、第2の者が設定した販売価格との合計額を、第2学習済みモデルの販売価格と設定する。
【0081】
ステップS728において、公開部2035は、第1者及び第2者からの承諾がある場合、第2学習済みモデルを販売可能に公開する。また、公開部2035は、第1者及び第2者からの承諾がある場合、第1者及び第2者に関する情報を公開する。
【0082】
これにより、第1学習済みモデルと共に、第2学習済みモデルが販売可能に公開されることになる。そのため、既存の学習済みモデルと、当該既存の学習済みモデルを再学習して生成した新たな学習済みモデルを公開する場を提供し、精度検証を経た 精度の高い学習済みモデルが広く利用されることが期待できる。
【0083】
また、新たな学習済みモデルを販売可能に公開するとき、新たな学習済みモデルの生成に貢献した者に関する情報も公開されるので、新たな学習済みモデルの購入を検討しているユーザに有益な情報を提供することができる。
【0084】
また、学習済みモデルの作成者の承諾を得て、学習済みモデルを公開するので、作成者の意に反して公開してしまうことを防止して、作成者の満足度を向上させることができる。
【0085】
また、既存の学習済みモデルと、当該既存の学習済みモデルを再学習して生成した新たな学習済みモデルとのバージョン情報を管理することで、バージョン情報によって、学習済みモデル間の関連性を把握して、再学習の履歴を把握することができる。
【0086】
また、学習済みモデルの生成に貢献した者は、貢献に応じた報酬の金額を設定することが可能である。
【0087】
また、既存の学習済みモデルと、当該既存の学習済みモデルを再学習して生成した新たな学習済みモデルとの精度を検証するため、再学習前後の精度の変化を把握し、再学習時の性能低下を防止して、再学習により精度の高い学習済みモデルを確実に生成することができる。
【0088】
なお、
図7では、第2学習済みモデルの販売について記載しているが、再学習用データセットが販売されてもよい。また、新たな学習済みモデルだけではなく、再学習用データセットを販売可能に公開することも可能であるので、自ら再学習を実施したいユーザに再学習用データセットを簡単に提供することができる。
【0089】
<3.2 学習済みモデルを販売する処理>
以下、
図8を参照しながら、システム1により、学習済みモデルを販売する処理について説明する。
【0090】
ステップS821において、サーバ20の販売部2037は、購入者から、購入したい学習済みモデルの選択を受け付ける。例えば、サーバ20は、購入可能な学習済みモデルを購入者に複数提示し、購入者から、購入したい学習済みモデルを選択する操作を受け付ける。
【0091】
ステップS822において、販売部2037は、学習済みモデルの販売を完了させ、購入者に学習済みモデルを送付する。具体的には、サーバ20は、購入者が選択した学習済みモデルの販売価格の支払いを完了させ、当該学習済みモデルを、購入者が利用可能な方式で購入者に送付する。
【0092】
ステップS823において、販売部2037は、販売した学習済みモデルが第2学習済みモデルであるか否かを判断する。具体的に、サーバ20は、販売した学習済みモデルのバージョン情報又は再学習履歴に基づき、当該学習済みモデルが、再学習により生成した第2学習済みモデルであるかを判断する。なお、ステップS823において、これに限らず、販売した学習済みモデルが、第2学習済みモデルを再学習して生成した第3学習済みモデルであるかなどを判断してもよい。
【0093】
販売した学習済みモデルが第2学習済みモデルである場合(ステップS823のYes)、ステップS824において、サーバ20の販売部2037は、第1者及び第2者へ付与する金額を計算して、第1者及び第2者へ計算した金額を付与する。このとき、第1者へ付与する金額は、第1者により設定された販売価格に基づき、第2者へ付与する金額は、第2者により設定された販売価格に基づく。
【0094】
販売した学習済みモデルが第1学習済みモデルである場合(ステップS823のNo)、ステップS825において、サーバ20の販売部2037は、第1者へ付与する金額を計算して、第1者へ計算した金額を付与する。このとき、第1者へ付与する金額は、第1者により設定された販売価格に基づく。
【0095】
これにより、学習済みモデルの購入希望者が、任意の開発者により生成された学習済みモデルを購入可能な場を提供し、ユーザが購入したい学習済みモデルを入手して利用することができる。そのため、ゼロから学習済みモデルを生成したり、学習済みモデルを再学習したりするための手間を省くことができる。
【0096】
また、生成した学習済みモデルを販売することが可能な場が設けられるため、学習済みモデルを生成すること、既存の学習済みモデルを再学習して新たな学習済みモデルを生成すること、及び、学習用データを生成することへのインセンティブを付与することが可能となり、学習済みモデルを生成すること、既存の学習済みモデルを再学習して新たな学習済みモデルを生成すること、及び、学習用データを生成することを促すことができる。
【0097】
<4 画面例>
図9~
図12は、第1者が操作する端末装置10Aの画面例の図である。
図13~
図16は、第2者が操作する端末装置10Bの画面例の図である。
図17は、購入者が操作する端末装置10Cの画面例の図である。
【0098】
図9は、第1者が学習用データセットを入力して、第1学習済みモデルを生成する局面を示す図である。
図9に示すように、第1者の端末装置10Aのディスプレイ132において、学習データセットを入力して、サーバ20で学習を実施するための領域132Aが表示されている。
【0099】
これにより、第1者は学習用データセットを入力し、第1学習済みモデルを簡単に生成することができる。
【0100】
図10は、第1者が第1学習済みモデルを公開する局面を示す図である。
図10に示すように、第1者の端末装置10Aのディスプレイ132において、第1学習済みモデルを販売可能に公開するための領域132Bは表示されている。
【0101】
これにより、第1者から公開の承諾を得て、第1学習済みモデルを販売可能に公開するすることができる。
【0102】
図11は、第1者が、第1者に関する情報を公開するか否かを指示する局面を示す図である。
図11に示すように、第1者の端末装置10Aのディスプレイ132において、第1学習済みモデルを生成した第1者に関する情報を公開するための領域132Cは表示されている。第1者から、第1者に関する情報を公開するための承諾を得た場合、サーバ20は、第1者に関する情報と関連付けて、第1学習済みモデル及び第1学習済みモデルから派生する学習済みモデルを公開する。なお、第1者から、第1者に関する情報を公開するための承諾が得られなかった場合、サーバ20は、第1者に関する情報を公開せず、第1学習済みモデル及び第1学習済みモデルから派生する学習済みモデルを公開してよい。
【0103】
これにより、第1者から公開の承諾を得て、第1者に関する情報を公開するすることができる。
【0104】
図12は、第1者が、第1学習済みモデルの販売価格を設定する局面を示す図である。
図12に示すように、第1者の端末装置10Aのディスプレイ132において、販売価格を設定するための領域132Dは表示されている。
【0105】
これにより、第1者は、第1学習済みモデル及びそれから派生する学習済みモデルの販売によって得られる金額を設定することができる。
【0106】
図13は、第2者が再学習用データセットを入力して、第1学習済みモデルを再学習して第2学習済みモデルを生成する局面を示す図である。
図13に示すように、第2者の端末装置10Bのディスプレイ132において、再学習データセットを入力して、サーバ20で再学習を実施するための領域132Eが表示されている。
【0107】
これにより、第2者は再学習用データセットを入力し、第1学習済みモデルを再学習して第2学習済みモデルを簡単に生成することができる。
【0108】
図14は、第2者が第2学習済みモデルを公開する局面を示す図である。
図14に示すように、第2者の端末装置10Bのディスプレイ132において、第2学習済みモデルを販売可能に公開するための領域132Fは表示されている。
【0109】
これにより、第2者から公開の承諾を得て、第2学習済みモデルを販売可能に公開するすることができる。
【0110】
図15は、第2者が、第2者に関する情報を公開するか否かを指示する局面を示す図である。
図15に示すように、第2者の端末装置10Bのディスプレイ132において、第2学習済みモデルを生成した第2者に関する情報を公開するための領域132Gは表示されている。第2者から、第2者に関する情報を公開するための承諾を得て、かつ、第1者から、第1者に関する情報を公開するための承諾を得た場合、サーバ20は、第1者及び第2者に関する情報と関連付けて、第2学習済みモデルを販売可能に公開する。なお、第2者から、第2者に関する情報を公開するための承諾が得られなかった場合、サーバ20は、第2者に関する情報を公開せず、第2学習済みモデルを公開してよい。
【0111】
これにより、第2者から公開の承諾を得て、第2者に関する情報を公開するすることができる。
【0112】
図16は、第2者が、第2学習済みモデルの販売価格を設定する局面を示す図である。
図16に示すように、第2者の端末装置10Bのディスプレイ132において、販売価格を設定するための領域132Hは表示されている。なお、このとき、第1者へも公開設定画面が表示されている。
【0113】
これにより、第2者は、第2学習済みモデルの販売によって得られる報酬を設定することができる。
【0114】
図17は、販売可能な学習済みモデル及びデータセットを購入者に提示する局面を示す図である。
図17に示すように、購入者の端末装置10Cのディスプレイ132において、第1学習済みモデル、第2学習済みモデル、及び再学習用データセットに関する情報を提示する領域132Kは表示されている。領域132Kにおいて、各学習済みモデル及びデータセットの名称、バージョン情報、生成者、精度、販売価格は提示されている。また、各学習済みモデル及びデータセットを購入するボタン132M、及び、各学習済みモデルの再学習履歴を確認するボタン132Nは表示されている。
【0115】
これにより、ユーザが好みの学習済みモデル又はデータセットを選択して入手することができる。また、バージョン情報、生成者、精度、学習履歴などを提示することで、ユーザの意思決定に有益な情報を提供することができる。
【0116】
これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0117】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0118】
(付記1)プロセッサを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムであって、前記プロセッサに、第1者により生成された第1学習済みモデルを販売可能に公開する第1ステップと、前記第1学習済みモデルが第2者によって再学習されて生成された第2学習済みモデルを販売可能に公開する第2ステップ(ステップS728)と、前記第2学習済みモデルが購入されたことに応じて、第1者及び第2者へ報酬を付与する第3ステップ(ステップS824)と、を実行させるプログラム。
【0119】
(付記2)前記第1ステップにおいて、前記第1学習済みモデルにバージョン情報が付され、前記バージョン情報は、第2学習済みモデルに引き継がれる、(付記1)に記載のプログラム。
【0120】
(付記3)前記第2ステップにおいて、前記第2学習済みモデルが複数あり、前記複数の第2学習済みモデルのバージョン情報はそれぞれ異なる、(付記2)に記載のプログラム。
【0121】
(付記4)前記第2ステップにおいて、前記第2学習済みモデルが複数あり、前記複数の第2学習済みモデルのバージョン情報の異同を判定し、前記バージョン情報が同じである場合、一方のバージョン情報を他方のバージョン情報と異ならせる、(付記2)又は(付記3)に記載のプログラム。
【0122】
(付記5)前記第2ステップにおいて、前記第2者が前記第2学習済みモデルを販売可能に公開する指示に応じて、前記第2学習済みモデルを販売可能に公開する、(付記1)から(付記4)のいずれかに記載のプログラム。
【0123】
(付記6)前記第1者に関する情報と関連付けて、前記第1学習済みモデルを販売可能に公開し、前記第1者及び第2者に関する情報と関連付けて、前記第2学習済みモデルを販売可能に公開する、(付記1)から(付記5)のいずれかに記載のプログラム。
【0124】
(付記7)前記第3ステップにおいて、前記第1者へ付与する報酬の金額は、前記第1者により設定され、前記第2者へ付与する報酬の金額は、前記第2者により設定される、(付記1)から(付記6)のいずれかに記載のプログラム。
【0125】
(付記8) 検証用データセットを用いて、前記第1学習済みモデル及び前記第2学習済みモデルの精度を検証するステップをさらに実行させる、(付記1)から(付記7)のいずれかに記載のプログラム。
【0126】
(付記9)前記第2ステップにおいて、前記第2者から再学習用データセットを受け付けて、前記再学習用データセットを用いて前記第1学習済みモデルを再学習し、前記第2学習済みモデルを生成する、を含む、(付記1)から(付記8)のいずれかに記載のプログラム。
【0127】
(付記10)前記再学習用データセットを販売可能と公開し、前記再学習用データセットが購入されたことに応じて、前記第2者へ報酬を付与する、(付記9)のいずれかに記載のプログラム。
【0128】
(付記11)前記第2者へ付与する報酬の金額は、前記第2者により設定される、(付記10)に記載のプログラム。
【符号の説明】
【0129】
10A、10B、10C 端末装置、20 サーバ、80 ネットワーク、12 通信IF、13 入力装置、14 出力装置、15 メモリ、16 記憶部、19 プロセッサ、201 通信部、202 記憶部、281 学習済みモデルデータベース、203 制御部。
【手続補正書】
【提出日】2021-04-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムであって、前記プロセッサに、
第1者により生成された第1学習済みモデルを販売可能に公開する第1ステップと、
前記第1学習済みモデルが第2者によって再学習されて生成された第2学習済みモデルを販売可能に公開する第2ステップと、
前記第2学習済みモデルが購入されたことに応じて、第1者及び第2者へ報酬を付与する第3ステップと、を実行させ、
前記第2ステップにおいて、前記第2学習済みモデルが複数あり、
前記複数の第2学習済みモデルのバージョン情報の異同を判定し、
前記バージョン情報が同じである場合、一方のバージョン情報を他方のバージョン情報と異ならせる、プログラム。
【請求項2】
プロセッサを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムであって、前記プロセッサに、
第1者により生成された第1学習済みモデルを販売可能に公開する第1ステップと、
前記第1学習済みモデルが第2者によって再学習されて生成された第2学習済みモデルを販売可能に公開する第2ステップと、
前記第1者が前記第1学習済みモデルを生成する際に用いた学習用データセットを販売可能に公開するステップと、
前記第2学習済みモデルが購入されたことに応じて、第1者及び第2者へ報酬を付与する第3ステップと、を実行させるプログラム。
【請求項3】
前記第1ステップにおいて、前記第1学習済みモデルにバージョン情報が付され、
前記バージョン情報は、第2学習済みモデルに引き継がれる、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第2ステップにおいて、前記第2学習済みモデルが複数あり、
前記複数の第2学習済みモデルのバージョン情報はそれぞれ異なる、請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2ステップにおいて、前記第2者が前記第2学習済みモデルを販売可能に公開する指示に応じて、前記第2学習済みモデルを販売可能に公開する、請求項1から4のいずれかに記載のプログラム。
【請求項6】
前記第1者に関する情報と関連付けて、前記第1学習済みモデルを販売可能に公開し、
前記第1者及び第2者に関する情報と関連付けて、前記第2学習済みモデルを販売可能に公開する、請求項1から5のいずれかに記載のプログラム。
【請求項7】
前記第3ステップにおいて、
前記第1者へ付与する報酬の金額は、前記第1者により設定され、
前記第2者へ付与する報酬の金額は、前記第2者により設定される、請求項1から6のいずれかに記載のプログラム。
【請求項8】
検証用データセットを用いて、前記第1学習済みモデル及び前記第2学習済みモデルの精度を検証するステップをさらに実行させる、請求項1から7のいずれかに記載のプログラム。
【請求項9】
前記第2ステップにおいて、
前記第2者から再学習用データセットを受け付けて、
前記再学習用データセットを用いて前記第1学習済みモデルを再学習し、前記第2学習済みモデルを生成する、請求項1から8のいずれかに記載のプログラム。
【請求項10】
前記第2者が前記第2学習済みモデルを生成する際に用いた再学習用データセットを販売可能に公開するステップと、
前記再学習用データセットが購入されたことに応じて、前記第2者へ報酬を付与するステップと、を前記プロセッサに実行させる請求項1から9のいずれかに記載のプログラム。
【請求項11】
前記第2者へ付与する報酬の金額は、前記第2者により設定される、請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにより実行される方法であって、
前記方法は、前記プロセッサが、前記メモリに記憶されるプログラムを読み込んで実行することにより、
第1者により生成された第1学習済みモデルを販売可能に公開する第1ステップと、
前記第1学習済みモデルが第2者によって再学習されて生成された第2学習済みモデルを販売可能に公開する第2ステップと、
前記第2学習済みモデルが購入されたことに応じて、第1者及び第2者へ報酬を付与する第3ステップと、を実行し、
前記第2ステップにおいて、前記第2学習済みモデルが複数あり、
前記複数の第2学習済みモデルのバージョン情報の異同を判定し、
前記バージョン情報が同じである場合、一方のバージョン情報を他方のバージョン情報と異ならせる方法。
【請求項13】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、
前記制御部が、前記記憶部に記憶されるプログラムに基づいて動作することにより、
第1者により生成された第1学習済みモデルを販売可能に公開する第1ステップと、
前記第1学習済みモデルが第2者によって再学習されて生成された第2学習済みモデルを販売可能に公開する第2ステップと、
前記第2学習済みモデルが購入されたことに応じて、第1者及び第2者へ報酬を付与する第3ステップと、を実行し、
前記第2ステップにおいて、前記第2学習済みモデルが複数あり、
前記複数の第2学習済みモデルのバージョン情報の異同を判定し、
前記バージョン情報が同じである場合、一方のバージョン情報を他方のバージョン情報と異ならせる情報処理装置。
【請求項14】
一つまたは複数のコンピュータによって構成されるシステムであって、
第1者により生成された第1学習済みモデルを販売可能に公開する第1手段と、
前記第1学習済みモデルが第2者によって再学習されて生成された第2学習済みモデルを販売可能に公開する第2手段と、
前記第2学習済みモデルが購入されたことに応じて、第1者及び第2者へ報酬を付与する第3手段と、
を具備し、
前記第2手段は、前記第2学習済みモデルが複数ある場合、前記複数の第2学習済みモデルのバージョン情報の異同を判定し、前記バージョン情報が同じである場合、一方のバージョン情報を他方のバージョン情報と異ならせるシステム。
【請求項15】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにより実行される方法であって、
前記方法は、前記プロセッサが、前記メモリに記憶されるプログラムを読み込んで実行することにより、
第1者により生成された第1学習済みモデルを販売可能に公開する第1ステップと、
前記第1学習済みモデルが第2者によって再学習されて生成された第2学習済みモデルを販売可能に公開する第2ステップと、
前記第1者が前記第1学習済みモデルを生成する際に用いた学習用データセットを販売可能に公開するステップと、
前記第2学習済みモデルが購入されたことに応じて、第1者及び第2者へ報酬を付与する第3ステップと、を実行する方法。
【請求項16】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、
前記制御部が、前記記憶部に記憶されるプログラムに基づいて動作することにより、
第1者により生成された第1学習済みモデルを販売可能に公開する第1ステップと、
前記第1学習済みモデルが第2者によって再学習されて生成された第2学習済みモデルを販売可能に公開する第2ステップと、
前記第1者が前記第1学習済みモデルを生成する際に用いた学習用データセットを販売可能に公開するステップと、
前記第2学習済みモデルが購入されたことに応じて、第1者及び第2者へ報酬を付与する第3ステップと、を実行する情報処理装置。
【請求項17】
一つまたは複数のコンピュータによって構成されるシステムであって、
第1者により生成された第1学習済みモデルを販売可能に公開する第1手段と、
前記第1学習済みモデルが第2者によって再学習されて生成された第2学習済みモデルを販売可能に公開する第2手段と、
前記第1者が前記第1学習済みモデルを生成する際に用いた学習用データセットを販売可能に公開する手段と、
前記第2学習済みモデルが購入されたことに応じて、第1者及び第2者へ報酬を付与する第3手段と、を具備するシステム。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムであって、前記プロセッサに、
第1者により生成された第1学習済みモデルを販売可能に公開する第1ステップと、
前記第1学習済みモデルが第2者によって再学習されて生成された第2学習済みモデルを販売可能に公開する第2ステップと、
前記第2学習済みモデルが購入されたことに応じて、第1者及び第2者へ報酬を付与する第3ステップと、を実行させ、
前記第2ステップにおいて、前記第2学習済みモデルが複数あり、
前記複数の第2学習済みモデルのバージョン情報の異同を判定し、
前記バージョン情報が同じである場合、一方のバージョン情報を他方のバージョン情報と異ならせる、プログラム。
【請求項2】
前記第2ステップにおいて、前記第2者が前記第2学習済みモデルを販売可能に公開する指示に応じて、前記第2学習済みモデルを販売可能に公開する、請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記第1者に関する情報と関連付けて、前記第1学習済みモデルを販売可能に公開し、
前記第1者及び第2者に関する情報と関連付けて、前記第2学習済みモデルを販売可能に公開する、請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第3ステップにおいて、
前記第1者へ付与する報酬の金額は、前記第1者により設定され、
前記第2者へ付与する報酬の金額は、前記第2者により設定される、請求項1から3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項5】
検証用データセットを用いて、前記第1学習済みモデル及び前記第2学習済みモデルの精度を検証するステップをさらに実行させる、請求項1から4のいずれかに記載のプログラム。
【請求項6】
前記第2ステップにおいて、
前記第2者から再学習用データセットを受け付けて、
前記再学習用データセットを用いて前記第1学習済みモデルを再学習し、前記第2学習済みモデルを生成する、請求項1から5のいずれかに記載のプログラム。
【請求項7】
前記第2者が前記第2学習済みモデルを生成する際に用いた再学習用データセットを販売可能に公開するステップと、
前記再学習用データセットが購入されたことに応じて、前記第2者へ報酬を付与するステップと、を前記プロセッサに実行させる請求項1から6のいずれかに記載のプログラム。
【請求項8】
前記第2者へ付与する報酬の金額は、前記第2者により設定される、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにより実行される方法であって、
前記方法は、前記プロセッサが、前記メモリに記憶されるプログラムを読み込んで実行することにより、
第1者により生成された第1学習済みモデルを販売可能に公開する第1ステップと、
前記第1学習済みモデルが第2者によって再学習されて生成された第2学習済みモデルを販売可能に公開する第2ステップと、
前記第2学習済みモデルが購入されたことに応じて、第1者及び第2者へ報酬を付与する第3ステップと、を実行し、
前記第2ステップにおいて、前記第2学習済みモデルが複数あり、
前記複数の第2学習済みモデルのバージョン情報の異同を判定し、
前記バージョン情報が同じである場合、一方のバージョン情報を他方のバージョン情報と異ならせる方法。
【請求項10】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、
前記制御部が、前記記憶部に記憶されるプログラムに基づいて動作することにより、
第1者により生成された第1学習済みモデルを販売可能に公開する第1ステップと、
前記第1学習済みモデルが第2者によって再学習されて生成された第2学習済みモデルを販売可能に公開する第2ステップと、
前記第2学習済みモデルが購入されたことに応じて、第1者及び第2者へ報酬を付与する第3ステップと、を実行し、
前記第2ステップにおいて、前記第2学習済みモデルが複数あり、
前記複数の第2学習済みモデルのバージョン情報の異同を判定し、
前記バージョン情報が同じである場合、一方のバージョン情報を他方のバージョン情報と異ならせる情報処理装置。
【請求項11】
一つまたは複数のコンピュータによって構成されるシステムであって、
第1者により生成された第1学習済みモデルを販売可能に公開する第1手段と、
前記第1学習済みモデルが第2者によって再学習されて生成された第2学習済みモデルを販売可能に公開する第2手段と、
前記第2学習済みモデルが購入されたことに応じて、第1者及び第2者へ報酬を付与する第3手段と、
を具備し、
前記第2手段は、前記第2学習済みモデルが複数ある場合、前記複数の第2学習済みモデルのバージョン情報の異同を判定し、前記バージョン情報が同じである場合、一方のバージョン情報を他方のバージョン情報と異ならせるシステム。