(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082481
(43)【公開日】2022-06-02
(54)【発明の名称】サイン用取付具及びサインシステム
(51)【国際特許分類】
G09F 7/18 20060101AFI20220526BHJP
【FI】
G09F7/18 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020193927
(22)【出願日】2020-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】316016830
【氏名又は名称】株式会社オガワ
(74)【代理人】
【識別番号】100194478
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 文彦
(74)【代理人】
【識別番号】100187838
【弁理士】
【氏名又は名称】黒住 智彦
(72)【発明者】
【氏名】島崎 正
(57)【要約】
【課題】サインの破損を抑制することのできるサインシステム及びサイン用取付具を提供する。
【解決手段】
サイン用取付具10は、取付用アンカー2bを介して樹脂サイン2を壁Wに取付け可能である。サイン用取付具10は、取付用アンカー2bを保持する引掛金具11を備えており、引掛金具11は取付用アンカー2bを、取付用アンカー2bの軸交差方向(X,Z)に移動可能に支持する可動支持部15b2を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンカー部材を介して樹脂サインを設置対象物に取付け可能なサイン用取付具において、
前記アンカー部材を保持する引掛け具を備え、
前記引掛け具は、前記アンカー部材をその軸交差方向に移動可能に支持する可動受け部を有することを特徴とするサイン用取付具。
【請求項2】
前記引掛け具は、前記アンカー部材の軸部が挿通され、前記アンカー部材の頭部と当接して前記アンカー部材を抜け止めする係止板を有しており、
前記可動受け部は、前記係止板に設けられ、前記アンカー部材の軸部の移動を支持する溝状の可動支持部である請求項1記載のサイン用取付具。
【請求項3】
前記可動支持部は、高さ方向で傾斜して伸長する誘導傾斜部と、前記誘導傾斜部の下端に位置する位置決め部とを有する請求項2記載のサイン用取付具。
【請求項4】
さらに、前記引掛け具を前記設置対象物に取付けるピン状取付部材を備え、
前記可動受け部は、前記ピン状取付部材を挿通するとともに前記ピン状取付部材との間に前記引掛け具を移動可能な可動間隙を有する長孔を設けたベース板を有し、
前記引掛け具は、前記ピン状取付部材を介して前記設置対象物に取付けた状態で側方移動可能に構成されている請求項1~3何れか1項に記載のサイン用取付具。
【請求項5】
サインと、請求項1~4何れか1項に記載の1又は複数のサイン用取付具と、を備えるサインシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サインを建物の外壁等に設置するサイン用取付具及びサインシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
大型の樹脂製サイン(以下、本明細書及び特許請求の範囲において「樹脂サイン」という。)が広告宣伝のために利用されている。
【0003】
大型の樹脂サインは、看板形状のもの、ボックス形状のもの、文字、数字又は図形を模した形状のものがあり、その大きさと重量は様々である。
【0004】
そのような大型の樹脂サインを建物の外壁等の「設置対象物」に設置する従来の方法として、樹脂サインを外壁にボルト止めする方法がある。
【0005】
しかしながら樹脂サインは、環境温度の変化によって伸縮して変形するため、その設置方法では樹脂サインの変形を吸収することができず、樹脂サインが破損するおそれがある。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、設置環境の変化により変形したサインが破損するのを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載のサイン用取付具(10)は、
アンカー部材(2b)を介して樹脂サイン(2)を設置対象物(W)に取付け可能なサイン用取付具(10)において、
前記アンカー部材(2b)を保持する引掛け具(11)を備え、
前記引掛け具(11)は、前記アンカー部材(2b)をその軸交差方向(X,Z)に移動可能に支持する可動受け部(15b2、13)を有することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載のサイン用取付具(10)は、
前記引掛け具(11)は、前記アンカー部材(2b)の軸部(2b2)が挿通され、前記アンカー部材(2b)の頭部(2b1)と当接して前記アンカー部材(2b)を抜け止めする係止板(15)を有しており、
前記可動受け部(15b2、13)が、前記係止板(15)に設けられ、前記アンカー部材(2b)の軸部(2b2)の移動を支持する溝状の可動支持部(15b2)であることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載のサイン用取付具(10)は、
前記可動支持部(15b2)は、高さ方向(Z)で傾斜して伸長する誘導傾斜部(15b4)と、前記誘導傾斜部(15b4)の下端に位置する位置決め部(15b5)とを有することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載のサイン用取付具(10)は、
さらに、前記引掛け具(11)を前記設置対象物(W)に取付けるピン状取付部材(12)を備え、
前記可動受け部(14b2、15b2、13)は、前記ピン状取付部材(12)を挿通するとともに前記ピン状取付部材(12)との間に前記引掛け具(11)を移動可能な可動間隙(13d)を有する長孔(13c)を設けたベース板(13)を有し、
前記引掛け具(11)は、前記ピン状取付部材(12)を介して前記設置対象物(W)に取付けた状態で側方移動可能に構成されていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5のサインシステムは、
サイン(2)と前記何れかのサイン用取付具(10)とを備えることを特徴とする。
【0012】
ここで、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、サインが破損することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態によるサイン取付具及びサインシステムを示す外観斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態によるサイン取付具の正面図である。
【
図3】本発明の実施形態によるサイン取付具の正面、平面、右側面を含む分解斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態によるサイン取付具とサインの取付方法を示す説明図である。
【
図5】本発明の実施形態によるサイン取付具の可動量を示す説明図である。
【
図6】本発明の実施形態によるサイン取付具の機能を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1~
図6を参照して、本発明の実施形態に係るサインシステム1及びサイン用取付具10を説明する。
【0016】
ここで、本明細書及び特許請求の範囲において、「第1」及び「第2」と記載する場合、それらは異なる構成要素を区別するために用いるものであり、特定の順序や優劣等を示すために用いるものではない。
【0017】
また、本明細書及び特許請求の範囲では、便宜上、
図1等に示されるように、サイン用取付具10の幅方向(左右方向)をX方向、奥行き方向(前後方向)をY方向、高さ方向(上下方向)をZ方向として記載する。
【0018】
サインシステム1の説明
【0019】
サインシステム1は、「サイン」としての樹脂サイン2とサイン用取付具10とを備える。サインシステム1は、
図1、
図4で示すように「設置対象物」としての壁Wに取付けたサイン用取付具10に樹脂サイン2を取付けることで、容易に壁Wに設置することができる。
【0020】
樹脂サイン2の説明
【0021】
樹脂サイン2は、複数枚の樹脂パネルを組み合わせて形成した樹脂製の立体表示物として構成されている。樹脂パネルとしては、一例として、成形自由度が高く、耐候性、耐久性の高いアクリル樹脂の成形体を用いることができる。これによればサインシステム1として様々な形状及び用途の大型の樹脂サイン2を備えることができる。その立体表示物は、本実施形態では英文字「A」を象った形状のものを例示している。樹脂サイン2は、中空のボックス形状として形成されている。樹脂サイン2は、内部に照光源を有する内照式サインとして構成することもできる。なお、樹脂サインの素材は前述したアクリル樹脂に限定するものではなく、FRP(Fiber Reinforced Plastics)、ABS樹脂等、その他の素材のものとしてもよい。
【0022】
樹脂サイン2の背面となる設置面2aには、
図4で示すように「アンカー部材」としての取付用アンカー2bが固定されている。取付用アンカー2bは、頭部2b1と軸部2b2とを有しており、具体的には低頭ねじ等の汎用部品を用いることが可能である。したがって、専用品を使用する必要がなく、部品コストを低減することができる。取付用アンカー2bは、頭部2b1とは反対側の軸部2b2の先端が、設置面2aに対して溶接等により強固に固定されている。したがって設置面2aにおける取付用アンカー2bの固定箇所には、金属裏板が固定されている(図示略)。
【0023】
サイン用取付具10の説明
【0024】
サイン用取付具10は、「引掛け具」としての引掛金具11と、「ピン状取付部材」としての取付ねじ12とを有する。引掛金具11は、取付ねじ12によって壁Wに取付けられる。
【0025】
引掛金具11は、ベース板13と、スペーサ板14と、係止板15と、組立ねじ16とを有する。ベース板13とスペーサ板14と係止板15は、組立ねじ16により相互に位置ずれしないように固定されてから、複数箇所(後述する4つの溶接溝14d)で溶接することにより一体の構造体として形成される。このため引掛金具11は、重量物である樹脂サイン2を確実に支持することが可能である。なお、組立ねじ16は、ベース板13とスペーサ板14と係止板15を溶接した後に取り外してもよいし、残しておいてもよい。
【0026】
ベース板13は、金属平板にて形成されている。ベース板13は、本実施形態では四角形状に形成されており、その左右には側方に突出する湾曲形状の耳部13aが形成されている。また、ベース板13には、組立ねじ16と螺合する雌ねじでなる一対のねじ孔13bが形成されている。
【0027】
ベース板13には、左右の耳部13aを含む部分に板厚を貫通する一対の長孔13cが形成されている。この長孔13cを有するベース板13は、本発明の「可動受け部」の一態様を構成する。長孔13cは、水平方向(左右方向X)に伸長する横孔として形成されており、そこには前述の取付ねじ12が挿通される。
【0028】
長孔13cに挿通した取付ねじ12の外周と長孔13cの孔縁との間には、
図5で示すように可動間隙13dが形成される。取付ねじ12は、「設置対象物」としての壁Wに対して固定されており動かないが、ベース板13はその可動間隙13dの範囲(長孔13cの孔縁が取付ねじ12に当接する範囲)で取付ねじ12に対して移動可能に構成されている。したがって、引掛金具11は、取付ねじ12により壁Wに取付けた状態で左右方向Xに移動可能となっている。
【0029】
スペーサ板14は、金属平板にて形成されている。スペーサ板14には、左右の可動用凹部14aと、切欠き部14bと、一対の透孔14cと、溶接溝14dが形成されている。
【0030】
可動用凹部14aは、ベース板13の長孔13cに対応して形成されており、ベース板13が移動する際に取付ねじ12の頭部と干渉しない「逃げ部」として形成されている。
【0031】
切欠き部14bは、樹脂サイン2の取付用アンカー2bの頭部2b1と干渉しないように頭部2b1の移動空間を形成する部位である。そのためその形状は頭部2b1と干渉しなければ、どのような形状でも良い。
【0032】
透孔14cは、係止板15をスペーサ板14に固定する組立ねじ16を挿通する部位である。
【0033】
溶接溝14dは、スペーサ板14の外周の4か所に形成されておりベース板13、スペーサ板14、係止板15を一体の構造体として固定する部位である。
【0034】
係止板15は、金属平板にて形成されている。係止板15には、左右の可動用凹部15aと、ガイド溝15bと、一対の透孔15cとが形成されている。
【0035】
可動用凹部15aは、スペーサ板14の可動用凹部14aと同一の技術的意義を有しており、取付ねじ12の頭部と干渉しない「逃げ部」として形成されている。この可動用凹部15aとスペーサ板14の可動用凹部14aとを合わせて、引掛金具11における「可動用凹部」の一形態を形成している。
【0036】
ガイド溝15bは、樹脂サイン2の取付用アンカー2bの軸部2b2の移動をガイド可能とするための部位である。ガイド溝15bは、係止板15の上辺から下辺に向けて、金属平板を部分的に欠如する溝として形成されている。
【0037】
ガイド溝15bには、導入部15b1と、「可動受け部」としての可動支持部15b2とが形成されている。導入部15b1は、係止板15の上辺から下辺に向けて湾曲テーパー状に狭窄する円弧状板縁として形成されており、取付用アンカー2bの軸部2b2が当接可能であり、軸部2b2の移動をガイドすることができる。
【0038】
可動支持部15b2は、導入部15b1の下端の導入口15b3から連続して形成されており、具体的には導入口15b3から続く横長の楕円状板縁として形成されている。可動支持部15b2は、係止板15の板幅方向(左右方向X)に拡張して形成されており、誘導傾斜部15b4と位置決め部15b5が形成されている。これらの機能については後述する。
【0039】
透孔15cは、係止板15をスペーサ板14に固定する組立ねじ16を挿通する部位である。
【0040】
ガイド溝15bを形成する係止板15のスペーサ板14側の板縁は、取付用アンカー2bの頭部2b1が抜け方向で当接する係止受け部15dとなっており、取付用アンカー2bが係止板15から脱離しないように保持している。したがって、ガイド溝15bは、取付用アンカーの頭部2b1よりも小さい溝幅を有しており、軸部2b2が可動支持部15b2にあるときには、頭部2b1が係止受け部15dに対して必ず当接する。
【0041】
実施形態の効果
【0042】
以下、説明済みのものを除き本実施形態の効果を説明する。
【0043】
サイン用取付具10は、「アンカー部材」としての取付用アンカー2bを介して樹脂サイン2を「設置対象物」としての壁Wに取付け可能である。サイン用取付具10は、取付用アンカー2bを保持する「引掛け具」としての引掛金具11を備えており、引掛金具11は取付用アンカー2bを、取付用アンカー2bの軸交差方向(X,Z)に移動可能に支持する「可動受け部」としての可動支持部15b2を有することを特徴とする。このため、例えば樹脂サイン2が設置環境における熱膨張又は熱収縮により変形(拡大、収縮)して、各取付用アンカー2bを保持するサイン用取付具10に対する位置が変位しても、取付用アンカー2bが可動支持部15b2の内側で移動(変位)することができる。これにより樹脂サイン2の変形を吸収して、樹脂サイン2の破損を抑制することができる。
【0044】
サイン用取付具10の可動支持部15b2は、左右方向Xと上下方向Zに広がる溝状に形成されている。このため取付用アンカー2bは、左右方向Xのみならず、上下方向Z、さらにはそれらを組み合わせた上下左右方向XZに移動することができる。したがって、樹脂サイン2が左右方向Xや上下方向Zに複合的に変形する構造のものであっても、変形を吸収することができる。
【0045】
より具体的に説明すると、可動支持部15b2は、高さ方向Zで傾斜して伸長する誘導傾斜部15b4と、誘導傾斜部15b4の下端に位置する位置決め部15b5とを有する。このため、樹脂サイン2をサイン用取付具10に取付ける際に樹脂サイン2の姿勢が傾いていても、取付用アンカー2bの軸部2b2が誘導傾斜部15b4にガイドされて、それらの下端にある窪み形状の位置決め部15b5に正しく配置することができる(
図4、
図6A)。すなわち、樹脂サイン2をサイン用取付具10に取付けることで、樹脂サイン2の設置姿勢を正しい取付姿勢となるように誘導することが可能である。
【0046】
他方、取付用アンカー2bの軸部2b2が、
図6Bで示すように窪み形状の位置決め部15b5に配置されている状態から移動する場合、軸部2b2は、
図6Cで示すように誘導傾斜部15b4の左端又は右端に到達するまで側方移動することができる。したがって、吸収可能な樹脂サイン2の変形量を大きく設定することができる。すなわち、樹脂サイン2として変形量が大きな大型の樹脂サイン2にも使用することができる。
【0047】
サイン用取付具10の導入部15b1と可動支持部拡張部15b2との間には、軸部2b2が通過するための狭窄形状の移動路となる導入口15b3が形成されている。このため、樹脂サイン2をサイン用取付具10に取付ける際には、導入部15b1によって容易に樹脂サイン2を、導入口15b3を通じて可動支持部15b2に誘導することができる。他方、樹脂サイン2の設置後は、導入口15b3が狭窄形状であるため、取付用アンカー2bの軸部2b2が高さ方向Zに移動しても、容易に導入口15b3から抜けて外れることがない。
【0048】
サイン用取付具10は、可動支持部15b2が、取付用アンカー2bの軸部2b2の移動を支持することができる。このため樹脂サイン2が大型の重量物であっても、樹脂サイン2を確実に変位させることができる。
【0049】
サイン用取付具10の切欠き部14bは、係止板15とベース板13との間に配置されており、それらの間には溝状の保持部17が形成されている(
図4、
図6A)。保持部17には取付用アンカー2bの頭部2b1を挿入して保持することができる。したがって、保持部17に挿入した頭部2b1は係止板15の係止受け部15dに対して軸部2b2の軸方向で当接することで、取付用アンカー2bを確実に抜け止めすることができる。
【0050】
可動支持部15b2は、位置決め部15b5を中央とする両側に誘導傾斜部15b4を有する。このため取付用アンカー2bは、
図6B、6Cで示すように、位置決め部15b5に保持されている状態から、その両側に向けて、軸部2b2が可動支持部15b2と当接する距離L1まで移動することができる。例えば、左右に配置した2つのサイン用取付具10が近づく方向と離れる方向のどちらに樹脂サイン2が変形した場合でも、その変形による変位を吸収することができる。
【0051】
サイン用取付具10は、引掛金具11を壁Wに取付ける「ピン状取付部材」としての取付ねじ12を備える。ベース板13には、取付ねじ12を挿通するとともに取付ねじ12との間に引掛金具11を移動可能な可動間隙13dを有する長孔13cが形成されている。そして引掛金具11は、
図5で示すように、取付ねじ12を介して壁W1に取付けた状態で、可動間隙13dが形成されている距離L2だけ側方移動可能に構成されている。このため樹脂サイン2の変形量を可動支持部15b2によって吸収しきれない場合には、引掛金具11自体を移動させることで、変形量を吸収することができる。この場合には、サインシステム1は、複数のサイン用取付具10どうしの相対位置が変化することで、樹脂サイン2の変形量を吸収することができる。したがって、樹脂サイン2が大型であって変形量が大きくても、サイン用取付具10が変位することによって、樹脂サイン2の破損を抑制することができる。
【0052】
サインシステム1は、樹脂サイン2とサイン用取付具10とを備えている。このためサイン用取付具10の効果を発揮するサインシステム1として構成することができる。
【0053】
以上のようなサインシステム1及びサイン用取付具10によれば、樹脂サイン2として大型のものを利用することができる。大型の樹脂サインとしては、例えば屋内向け樹脂サイン2であれば、長辺2m、短辺1m程度、屋外向け樹脂サインであれば1m角程度のものを使用することができる。また、サイン用取付具10の1個あたりの耐加重は70kgとすることができる。また樹脂サイン2を壁Wから引っ張る方向には30kgの強度を有することができる。
【0054】
実施形態の変形例
【0055】
前記実施形態では、サイン用取付具10を3つ用いる例を示したが、その2つ以下でも4つ以上でもよい。また、サイン用取付具10と従来の直接ボルト止めとを併用してもよい。
【0056】
前記実施形態では、「サイン」として樹脂サイン2を例示したが、金属製や木製等の様々なサインについて使用できる。サインシステム1及びサイン用取付具10は、設置環境の温度変化等によって樹脂サイン2が変形する場合に有効なだけでなく、設置対象物(前記実施形態の例では壁W)が変形する場合であっても有効だからである。
【0057】
前記実施形態では「サイン」として英文字「A」を象った形状の樹脂サイン2を例示したが、どのような「サイン」でもよい。例えば「サイン」の形状は、特定の有意な立体表示物だけでなく看板のような板状のものでもよい。また「サイン」の用途は、広告物のほか広告を意図しないデザイン用途のものでもよい。さらに「サイン」の設置場所は、屋外のみならず屋内でもよい。
【0058】
前記実施形態では、スペーサ板14に溝状の切欠き部14bを設けて、取付用アンカー2bの頭部2b1と干渉しない構成を例示したが、切欠き部14bを係止板15のガイド溝15bと同様に頭部2b1の移動を支持する構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0059】
1 サインシステム
2 樹脂サイン
2a 設置面
2b 取付用アンカー(アンカー部材)
2b1 頭部
2b2 軸部
10 サイン用取付具
11 引掛金具
12 固定ねじ
13 ベース板(ベース部材)
13a 耳部
13b ねじ孔
13c 長孔(可動受け部)
13d 可動間隙
14 スペーサ板
14a 可動用凹部
14b 切欠き部
14c 透孔
14d 溶接溝
15 係止板
15a 可動用凹部
15b ガイド溝
15b1 導入部
15b2 可動支持部(可動受け部)
15b3 導入口
15b4 誘導傾斜部
15b5 位置決め部
15c 透孔
15d 係止受け部
16 組立ねじ
17 保持部