(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082499
(43)【公開日】2022-06-02
(54)【発明の名称】ロープ掛け式商品保護装置
(51)【国際特許分類】
E05B 73/00 20060101AFI20220526BHJP
G08B 13/06 20060101ALI20220526BHJP
G08B 13/12 20060101ALI20220526BHJP
【FI】
E05B73/00 A
G08B13/06
G08B13/12
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021151248
(22)【出願日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】202011322323.4
(32)【優先日】2020-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521409445
【氏名又は名称】思創医惠科技股▲ふん▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】000108649
【氏名又は名称】タカヤ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】劉 弋興
(72)【発明者】
【氏名】朱 立徳
(72)【発明者】
【氏名】趙 子磊
【テーマコード(参考)】
5C084
【Fターム(参考)】
5C084AA03
5C084AA09
5C084CC06
5C084DD07
5C084DD13
5C084DD23
5C084EE07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高価な商品、ボックス及び包装を保護し、包装内の内容物が店員の許可なしに取られたり展示中に破壊されたりすることを防止する商品保護装置を提供する。
【解決手段】ロープ掛け式商品保護装置は、ハウジング1の開口が回転カバー2で覆われ、回転カバー2に第1のストッパが設けられ、リールがハウジングの内部空洞に設けられ、リールに第2のストッパが設けられ、回転カバー2とリールが一緒に組み立てられた後に一定の角度で相対的に回動することで、第1のストッパと第2のストッパが可変長の空間を形成するようになり、この空間に第2の弾性素子が設けられ、弾性素子によりエネルギーを蓄える形態を採用し、商品が不正に剥離された後にリールを回転カバー2に対して回動させるように押すことにより、接点がセンシング素子に接触しなくなり、制御ユニットにより信号生成装置が警報を発するように制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(1)を含み、ハウジング(1)の開口が回転カバー(2)で覆われ、回転カバー(2)に第1のストッパ(2-1)が設けられ、リール(3)がハウジング(1)の内部空洞(1-1)に設けられ、リール(3)に第2のストッパ(3-1)が設けられているロープ掛け式商品保護装置において、前記回転カバー(2)とリール(3)が一緒に組み立てられた後に一定の角度で相対的に回動することで、第1のストッパ(2-1)と第2のストッパ(3-1)が可変長の空間を形成するようになり、この空間に第2の弾性素子(8)が設けられていることを特徴とするロープ掛け式商品保護装置。
【請求項2】
ロック部材(4)を更に含み、前記ハウジング(1)の開口の内周縁にラチェット歯(1-2)が設けられ、前記ロック部材(4)に可動溝(4-1)が設けられ、可動溝(4-1)内にラチェット歯部材(6)が設けられ、ロックした場合、ラチェット歯(1-2)はラチェット歯部材(6)に噛み合い、回転カバー(2)はワイヤロープ(10)の巻取方向の周りを一方向回動するしかできないことを特徴とする請求項1に記載のロープ掛け式商品保護装置。
【請求項3】
可動溝(4-1)に取り付けられ、一端がロック部材(4)に接触し、他端がラチェット歯部材(6)に接触する第1の弾性素子(7)を更に含むことを特徴とする請求項2に記載のロープ掛け式商品保護装置。
【請求項4】
前記回転カバー(2)にシュート(2-3)が設けられ、ロック部材(4)は、シュート(2-3)に設けられ、且つシュート(2-3)に対してスライド可能であり、前記ロック部材(4)にロック穴(4-2)が設けられ、ロックした場合、ロックピン(5)は、回転カバー(2)の可動チャンバ(2-4)からロック穴(4-2)に滑り込む請求項2に記載のロープ掛け式商品保護装置。
【請求項5】
前記第2の弾性素子(8)の両端は、それぞれ第1のストッパ(2-1)及び第2のストッパ(3-1)に接触し、ロックするプロセスにおいて、回転カバー(2)を回動させることで、第1のストッパ(2-1)が第2の弾性素子(8)を押し、弾性力の作用によって第2の弾性素子(8)が第2のストッパ(3-1)を押し、リール(3)を回動させるように押すことを特徴とする請求項1に記載のロープ掛け式商品保護装置。
【請求項6】
露出したワイヤロープ(10)が、保護される商品上に引き締められるように短くなった場合、第2のストッパ(3-1)はこれ以上移動しなくなり、回転カバー(2)を回動させ続けることで第2の弾性素子(8)を圧縮し、第2の弾性素子(8)が弾性位置エネルギーを蓄えることを特徴とする請求項5に記載のロープ掛け式商品保護装置。
【請求項7】
前記回転カバー(2)に接点(2-2)が設けられ、前記リール(3)にセンシング素子(9-1)が設けられ、接点(2-2)がセンシング素子(9-1)をトリガーするまで回転カバー(2)を回動させた場合、制御ユニット(9)は、タグがロック状態に達したと判定することを特徴とする請求項6に記載のロープ掛け式商品保護装置。
【請求項8】
商品が不正に剥離された後、第2の弾性素子(8)に蓄えられた弾性位置エネルギーによって第2のストッパ(3-1)を押すことで、回転カバー(2)とリール(3)を相対的に回動させ、接点(2-2)がセンシング素子(9-1)に接触しなくなるまで回動させた場合、制御ユニット(9)は、不正剥離が発生したと判定することを特徴とする請求項7に記載のロープ掛け式商品保護装置。
【請求項9】
ロックを解除する時、ロックピン(5)をロック穴(4-2)から外し、ロック部材(4)が押下前の位置に復帰し、ラチェット歯部材(6)とラチェット歯(1-2)とが噛み合わなくなり、第2の弾性素子(8)の作用により、回転カバー(2)とリール(3)がロック解除状態時の相対位置に復帰することを特徴とする請求項4に記載のロープ掛け式商品保護装置。
【請求項10】
両端がリール(3)に固定されているワイヤロープ(10)を更に含むことを特徴とする請求項4に記載のロープ掛け式商品保護装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EAS(Electronic Article Surveillance)タグに属し、EAS商品盗難防止分野に関し、具体的には、ロープ掛け式商品保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロープ掛け式商品保護装置は、高価な商品、ボックス及び他の類似する構造の包装を保護するか、又は、これらの包装が開封されないように保護し、且つこれらの包装内の内容物が店員の許可なしに取られたり展示中に破壊されたりすることを防止するために用いられる。
【0003】
CN210618996Uには、ロープ掛け式商品防盗装置が開示され、この解決策は、第2の弾性体の直前のハウジングを数回打撃することで、ロープが緩くなる虞があり、商品の安全性に深刻な脅威をもたらし、シャーシのロープ貫通穴の寸法がロープの直径より大きいため、不正者がロープを押して隣接するロープの間の距離を調整することができ、ロープをせん断することなく、又はロックを解除することなく、商品を取り出すことができるという問題を解決するために用いられ、ハウジングを打撃することでラチェット爪とラチェットが一時的に噛み外れるという現象を防止することができ、装置の盗難防止性能を向上させ、増設されたロープチャックブロックにより、締め付けられたロープがシャーシで移動する空間がなくなり、装置の盗難防止安全係数を向上させる。
【0004】
CN102365413Aには、物体に取り付けられるように構成され、ハウジングと、ハウジング内に支持され、且つ軸線の周りを回転するように配置されるリールと、軸線に沿ってロック位置とロック解除位置との間で移動可能なロック機構と、を含み、ロック機構がロック位置とロック解除位置との間で移動する時、ロック機構とリールとの間の軸線に沿って相対運動が生じる安全装置が開示されている。
【0005】
上記した装置を使用することにより、ロープ掛け式商品保護装置が商品を結束した後、不正者が力を入れて両側へロープを剥離し、ロープが外力を受けて両側へ分離するため、商品をロープ掛け式商品保護装置から取り出すために十分な余裕があるが、既存の上記したロープ掛け式商品保護装置は、通常、ロープが破断した場合にのみ警報を発するが、上記した場合に警報を発することはない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
従来技術に存在する上記技術的問題を解決するために、本発明は、ロープ掛け式商品保護装置を提供し、前記ロープ掛け式商品保護装置は、ハウジングを含み、ハウジングの開口に回転カバーが覆われ、回転カバーに第1のストッパが設けられ、リールがハウジングの内部空洞に設けられ、リールに第2のストッパが設けられ、前記回転カバーとリールが一緒に組み立てられた後に一定の角度で相対的に回動することで、第1のストッパと第2のストッパが可変長の空間を形成するようになり、この空間に第2の弾性素子が設けられている。
【0007】
更に、ロック部材を更に含み、前記ハウジングの開口の内周縁にラチェット歯が設けられ、前記ロック部材に可動溝が設けられ、可動溝内にラチェット歯部材が設けられ、ロックした場合、ラチェット歯がラチェット歯部材に噛み合い、回転カバーがワイヤロープの巻取方向の周りを一方向回動するしかできない。
【0008】
更に、可動溝に取り付けられ、一端がロック部材に接触し、他端がラチェット歯部材に接触する第1の弾性素子を更に含む。
【0009】
更に、前記回転カバーにシュートが設けられ、ロック部材は、シュートに設けられ、且つシュートに対してスライド可能であり、前記ロック部材にロック穴が設けられ、ロックした場合、ロックピンは、回転カバーの可動チャンバからロック穴に滑り込む。
【0010】
更に、前記第2の弾性素子の両端は、それぞれ第1のストッパ及び第2のストッパに接触し、ロックするプロセスにおいて、回転カバーを回動させることで、第1のストッパが第2の弾性素子を押し、弾性力の作用によって第2の弾性素子が第2のストッパを押し、リールを回動させるように押す。
【0011】
更に、露出したワイヤロープが、保護される商品上に引き締められるように短くなった場合、第2のストッパはこれ以上移動しなくなり、回転カバーを回動させ続けることで第2の弾性素子を圧縮し、第2の弾性素子が弾性位置エネルギーを蓄える。
【0012】
更に、前記回転カバーに接点が設けられ、前記リールにセンシング素子が設けられ、接点がセンシング素子をトリガーするまで回転カバーを回動させた場合、制御ユニットは、タグがロック状態に達したと判定する。
【0013】
更に、商品が不正に剥離された後、第2の弾性素子に蓄えられた弾性位置エネルギーによって第2のストッパを押すことで、回転カバーとリールを相対的に回動させ、接点がセンシング素子に接触しなくなるまで回動させた場合、制御ユニットは、不正剥離が発生したと判定する。
【0014】
更に、ロックを解除する時、ロックピンをロック穴から外し、ロック部材が押下前の位置に復帰し、ラチェット歯部材とラチェット歯とが噛み合わなくなり、第2の弾性素子の作用により、回転カバーとリールがロック解除状態時の相対位置に復帰する。
【0015】
更に、両端がリールに固定されているワイヤロープを更に含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明のロープ掛け式商品保護装置は、弾性素子によりエネルギーを蓄える形態を採用し、商品が不正に剥離された後にリールを回転カバーに対して回動させるように押すことにより、接点がセンシング素子に接触しなくなり、制御ユニットにより信号生成装置が警報を発するように制御する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明のロック解除状態を示す模式
図1である。
【
図2】本発明のロック解除状態を示す模式
図2である。
【
図3】本発明のロック解除状態を示す模式
図3である。
【
図4】本発明のロック解除状態を示すB-B断面図である。
【
図5】本発明のロック解除状態を示すA-A断面図である。
【
図6】本発明のボタン押下状態を示す模式
図1である。
【
図7】本発明のボタン押下状態を示す模式
図2である。
【
図8】本発明のボタン押下状態を示す模式
図3である。
【
図9】本発明のボタン押下状態を示すB-B断面図である。
【
図10】本発明のボタン押下状態を示すA-A断面図である。
【
図11】本発明のロック状態を示す模式
図1である。
【
図12】本発明のロック状態を示す模式
図2である。
【
図13】本発明のロック状態を示す模式
図3である。
【
図14】本発明のロック状態を示すB-B断面図である。
【
図15】本発明のロック状態を示すA-A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明を更に説明する。
【0019】
図1~15に示すように、本発明のロープ掛け式商品保護装置は、ハウジング1を含み、ハウジング1内に内部空洞1-1が設けられ、ハウジング1の上部に開口を有し、開口の内周縁にラチェット歯1-2が設けられ、開口が回転カバー2で覆われ、回転カバー2に第1のストッパ2-1、接点2-2、シュート2-3及び可動チャンバ2-4が設けられ、リール3が内部空洞1-1に設けられ、リール3に第2のストッパ3-1が設けられ、ワイヤロープ10の両端がリール3に固定され、回転カバー2とリール3とが一体に組み立てられた後に一定の角度で相対的に回動することができることで、第1のストッパ2-1と第2のストッパ3-1が可変長の空間を形成するようになり、この空間に、両端がそれぞれ第1のストッパ2-1及び第2のストッパ3-1に接触する第2の弾性素子8が設けられている。
【0020】
ロック部材4は、シュート2-3に設けられ、且つシュート2-3に対してスライド可能であり、ロック部材4に可動溝4-1及びロック穴4-2が設けられ、ラチェット歯部材6は、可動溝4-1に設けられ、且つ可動溝4-1に対して可動であり、第1の弾性素子7は、可動溝4-1に取り付けられ、一端がロック部材4に接触し、他端がラチェット歯部材6に接触し、外力が加えられた場合、第1の弾性素子7はラチェット歯部材6によって圧縮され、外力がなくなった後、ラチェット歯部材6は、第1の弾性素子7の弾性力によって元の位置に復帰することができる。
【0021】
ロックピン5は、可動チャンバ2-4に設けられ、且つ可動チャンバ2-4に対して可動である。
【0022】
制御ユニット9は、リール3に設けられ、センシング素子9-1と、センシング素子9-2と、信号生成装置とを含む。
【0023】
ワイヤロープ10としては、複数本のワイヤロープを採用してもよく、その一端が糸通し板11に固定され、他端がリール3に固定され、2本のワイヤロープを採用してもよく、前記2本のワイヤロープが同時に1つの糸通し板を通過して十字形を形成するようにし、且つ、4つの自由端をリール3に固定することにより、確実な結束効果を補強する。
【0024】
本装置のセンシング素子9-2について、1つの実現形態では、ホール素子を採用し、ロック解除装置の磁界信号を検知することによって判定する。別の形態では、2.4GHZ、8.2MHz、58KHzなどの無線通信方式によって信号を提供するか、又は赤外線信号などによって判定する。
【0025】
ロックピン5について、1つの実現形態では、弾性素子を追加することで、ロックピン5がロック穴4-2に自動的に係止する操作を実現する。
【0026】
ロックピン5をロック穴4-2から外す操作について、1つの実現形態では、磁性ロック解除装置によってロックピン5をロック穴4-2から吸い出す。別の実現形態では、ロックピン5の一部が露出し、露出部分を手動で押圧することでロックピン5をロック穴4-2から外す。
【0027】
本装置のEAS警報機能について、1つの形態では、EAS周波数素子をハウジング1内に取り付け、別の形態では、EAS周波数素子を糸通し板内に取り付ける。
【0028】
本ロープ掛け式商品保護装置の使用プロセスは、以下の通りである。
ロックプロセスについて、本ロープ掛け式商品保護装置のワイヤロープ10を保護される商品に嵌め、ハウジング1を固定し、回転カバー2を回動させ、この時、第1のストッパ2-1が第2の弾性素子8を押し、その後、弾性力の作用によって第2の弾性素子8が第2のストッパ3-1を押すことで、リール3を回動させるように押し、リール3の回動により、ワイヤロープ10がリール3に徐々に巻き付けられるようになり、露出したワイヤロープ10が徐々に短くなる。ロック部材4を押下した後、ラチェット歯部材6が第1の弾性素子7の作用によってラチェット歯1-2と互いに噛み合ってラチェット機構を形成し、同時にロックピン5がロック穴4-2を貫通し、ロック部材4と回転カバー2とを相対的に固定する。この時、回転カバー2は、ラチェット機構の作用によってワイヤロープ10の巻取方向の周りを回転するしかできない。その後、回転カバー2を回動させ続け、露出したワイヤロープ10が、保護される商品上に引き締められるまで短くなった場合、ワイヤロープをこれ以上巻き取ることができず、リール3が回動し続けることが阻止され、即ち、第2のストッパ3-1もこれ以上移動しなくなる。この時、リール3、ワイヤロープ10及びハウジング1は、相対的に固定された全体を構成する。回転カバー2を回動させ続け、第2の弾性素子8を圧縮し、第2の弾性素子8がエネルギーを蓄え、且つ回転カバー2とリール3が相対的に回動するようになる。接点2-2がセンシング素子9-1をトリガーするまで回動した場合、制御ユニット9は、タグがロック状態に達したと判定し、続いて信号生成装置によってロックが完了したと提示して保護する。
【0029】
不正剥離に対する保護について、タグがロックして保護状態に入ったと提示した後、スタッフは、回転カバー2を緩める。第2の弾性素子8に蓄えられた弾性位置エネルギーが第1のストッパ2-1及び第2のストッパ3-1に同時に作用し、回転カバー2が反対方向に回動する傾向になる。この時、リール3、ワイヤロープ10及びハウジング1が相対的に固定された全体であり、回転カバー2がラチェット機構の作用によって反対方向に回動できないため、安定した全体を形成する。
【0030】
不正者が不正剥離によってワイヤロープ10及びタグ本体を保護される商品から剥離した後、ワイヤロープ10は緊張状態でなくなる。この時、リール3は、回動することによってワイヤロープ10を巻き取ることができ、即ち、リール3は、ワイヤロープ10の巻取方向へハウジング1に対して回動することができる。回転カバー2は、ラチェット機構の作用によってハウジング1に対して反対方向に回動することができない。この時、第2の弾性素子8の弾性位置エネルギーにより第2のストッパ3-1が押され、回転カバー2とリール3が相対的に回動するようになり、接点2-2がセンシング素子9-1に接触しなくなるまで回動した場合、制御ユニット9は、不正剥離が発生したと判定し、続いて信号生成装置によって不正ロック解除警報提示を発して不正者による盗難を防止する。
【0031】
ロック解除プロセスについて、センシング素子9-2が正常なロック解除信号を受信した場合、制御ユニット9は保護状態を終了する。その後、ロックピン5をロック穴4-2から外すことにより、ロック部材4の動きを復帰させる。その後、ロック部材4が押下前の位置に復帰することができ、この時、ラチェット歯部材6とラチェット歯1-2が噛み合わなくなり、ラチェット機構を構成しなくなる。回転カバー2がハウジング1に対して反対方向に回動できるようになる。この時、第2の弾性素子8の作用により、回転カバー2及びリール3は、ロック解除状態での相対位置に復帰する。この時、ワイヤロープ10をハウジング1から引き出し、引張力作用下で、リール3に巻き付けられるワイヤロープ10は、リール3及び回転カバー2を回動させるように連動させ、この時、ワイヤロープ10は、保護される商品上に引き締められなくなり、タグを商品から取り外すことができ、ロック解除プロセスが完了する。
【0032】
(付記)
(付記1)
ハウジング(1)を含み、ハウジング(1)の開口が回転カバー(2)で覆われ、回転カバー(2)に第1のストッパ(2-1)が設けられ、リール(3)がハウジング(1)の内部空洞(1-1)に設けられ、リール(3)に第2のストッパ(3-1)が設けられているロープ掛け式商品保護装置において、前記回転カバー(2)とリール(3)が一緒に組み立てられた後に一定の角度で相対的に回動することで、第1のストッパ(2-1)と第2のストッパ(3-1)が可変長の空間を形成するようになり、この空間に第2の弾性素子(8)が設けられていることを特徴とするロープ掛け式商品保護装置。
【0033】
(付記2)
ロック部材(4)を更に含み、前記ハウジング(1)の開口の内周縁にラチェット歯(1-2)が設けられ、前記ロック部材(4)に可動溝(4-1)が設けられ、可動溝(4-1)内にラチェット歯部材(6)が設けられ、ロックした場合、ラチェット歯(1-2)はラチェット歯部材(6)に噛み合い、回転カバー(2)はワイヤロープ(10)の巻取方向の周りを一方向回動するしかできないことを特徴とする付記1に記載のロープ掛け式商品保護装置。
【0034】
(付記3)
可動溝(4-1)に取り付けられ、一端がロック部材(4)に接触し、他端がラチェット歯部材(6)に接触する第1の弾性素子(7)を更に含むことを特徴とする付記2に記載のロープ掛け式商品保護装置。
【0035】
(付記4)
前記回転カバー(2)にシュート(2-3)が設けられ、ロック部材(4)は、シュート(2-3)に設けられ、且つシュート(2-3)に対してスライド可能であり、前記ロック部材(4)にロック穴(4-2)が設けられ、ロックした場合、ロックピン(5)は、回転カバー(2)の可動チャンバ(2-4)からロック穴(4-2)に滑り込む付記2に記載のロープ掛け式商品保護装置。
【0036】
(付記5)
前記第2の弾性素子(8)の両端は、それぞれ第1のストッパ(2-1)及び第2のストッパ(3-1)に接触し、ロックするプロセスにおいて、回転カバー(2)を回動させることで、第1のストッパ(2-1)が第2の弾性素子(8)を押し、弾性力の作用によって第2の弾性素子(8)が第2のストッパ(3-1)を押し、リール(3)を回動させるように押すことを特徴とする付記1に記載のロープ掛け式商品保護装置。
【0037】
(付記6)
露出したワイヤロープ(10)が、保護される商品上に引き締められるように短くなった場合、第2のストッパ(3-1)はこれ以上移動しなくなり、回転カバー(2)を回動させ続けることで第2の弾性素子(8)を圧縮し、第2の弾性素子(8)が弾性位置エネルギーを蓄えることを特徴とする付記5に記載のロープ掛け式商品保護装置。
【0038】
(付記7)
前記回転カバー(2)に接点(2-2)が設けられ、前記リール(3)にセンシング素子(9-1)が設けられ、接点(2-2)がセンシング素子(9-1)をトリガーするまで回転カバー(2)を回動させた場合、制御ユニット(9)は、タグがロック状態に達したと判定することを特徴とする付記6に記載のロープ掛け式商品保護装置。
【0039】
(付記8)
商品が不正に剥離された後、第2の弾性素子(8)に蓄えられた弾性位置エネルギーによって第2のストッパ(3-1)を押すことで、回転カバー(2)とリール(3)を相対的に回動させ、接点(2-2)がセンシング素子(9-1)に接触しなくなるまで回動させた場合、制御ユニット(9)は、不正剥離が発生したと判定することを特徴とする付記7に記載のロープ掛け式商品保護装置。
【0040】
(付記9)
ロックを解除する時、ロックピン(5)をロック穴(4-2)から外し、ロック部材(4)が押下前の位置に復帰し、ラチェット歯部材(6)とラチェット歯(1-2)とが噛み合わなくなり、第2の弾性素子(8)の作用により、回転カバー(2)とリール(3)がロック解除状態時の相対位置に復帰することを特徴とする付記4に記載のロープ掛け式商品保護装置。
【0041】
(付記10)
両端がリール(3)に固定されているワイヤロープ(10)を更に含むことを特徴とする付記4に記載のロープ掛け式商品保護装置。