(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082505
(43)【公開日】2022-06-02
(54)【発明の名称】パッケージの製造方法
(51)【国際特許分類】
B65B 51/10 20060101AFI20220526BHJP
B65B 17/00 20060101ALI20220526BHJP
【FI】
B65B51/10 200
B65B17/00
B65B51/10 N
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021181966
(22)【出願日】2021-11-08
(31)【優先権主張番号】20209304.3
(32)【優先日】2020-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21189693.1
(32)【優先日】2021-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】521489539
【氏名又は名称】コッホ パック‐システム ジーエムビーエイチ
【氏名又は名称原語表記】KOCH Pac‐Systeme GmbH
【住所又は居所原語表記】Dieselstr.13 72285 Pfalzgrafenweiler Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100072604
【弁理士】
【氏名又は名称】有我 軍一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140501
【弁理士】
【氏名又は名称】有我 栄一郎
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン ビッツァー
(72)【発明者】
【氏名】イェンス マイヤー
(72)【発明者】
【氏名】マルクス エプラー
(72)【発明者】
【氏名】フランク ヘルバー
【テーマコード(参考)】
3E094
【Fターム(参考)】
3E094AA01
3E094BA01
3E094BA11
3E094BA20
3E094CA03
3E094CA12
3E094DA02
3E094GA01
3E094GA12
3E094GA23
3E094HA20
(57)【要約】
【課題】しっかりと密封されているが同時に開封しやすいパッケージを製造するための簡単で低コストの方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも1つの製品キャビティ(34)を有する形成部品(32)と、少なくとも1つの製品キャビティ(34)を覆う蓋フィルム(36)とを含むパッケージ(30)を製造する方法であって、継ぎ目(40)を定義するステップ(a)と、継ぎ目(40)を複数のセクション(A1,A2,A3)に分割するステップ(b)と、少なくとも第1のセクション(A1)について、成形部品(32)から蓋フィルム(36)を引っ張るための引き抜き力(F)を決定するステップ(c)と、シーリング装置(2)を用いて、蓋フィルム(36)を成形部品(32)にシーリングするステップ(d)を含み、少なくとも1つの第1のシーリング温度が、ステップ(c)に従って決定された引き抜き力に基づいて第1のセクションに対して選択される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの製品キャビティ(34)を有する成形部品(32)と、前記少なくとも一つの製品キャビティ―(34)を覆う蓋フィルム(36)と、を含むパッケージ(30)を製造する方法であって、
(a)前記蓋フィルム(36)が、前記少なくとも一つの製品キャビティ―(34)の周囲に、それに沿って前記成形部品(32)にシールされる継ぎ目(40)であって、生成すべき継ぎ目(40)を定義するステップと、
(b)前記生成すべき継ぎ目(40)を、複数のセクション(A1、A2、A3)のうちの少なくとも第1のセクション(A1)および第2のセクション(A2)を含む前記複数のセクション(A1、A2、A3)に分割するステップと、
(c)前記複数のセクション(A1、A2、A3)のうちの少なくとも前記第1のセクション(A1)について、前記形成部品(32)から前記蓋フィルム(36)を引き抜くための第1の引き抜き力(F)を決定するステップと、
(d)前記継ぎ目(40)に沿って、シーリング装置(2)を用いて、前記第1のセクション(A1)を第1のシーリング温度にし、前記第2のセクション(A2)を第2のシーリング温度にして、前記蓋フィルム(36)を前記形成部品(32)にシーリングするステップであって、前記第1のシーリング温度と前記第2のシーリング温度とが異なり、少なくとも前記第1のセクション(A1)における前記第1のシーリング温度は、ステップ(c)に従って決定される前記第1の引き抜き力(F)に基づいて選択されることを特徴とするステップと、を含む方法。
【請求項2】
ステップ(c)が、前記複数のセクション(A1、A2、A3)の各セクションについて、前記蓋フィルム(36)を前記形成部品(32)から引き抜くための引き抜き力(F)を決定することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(d)が、前記複数のセクション(A1、A2、A3)の各セクションについて、前記シーリング装置(2)のシーリング温度を設定することを含み、少なくとも前記第1のセクション(A1)の第1のシーリング温度が、ステップ(c)に従って決定される前記第1の引き抜き力(F)に基づいて設定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記蓋フィルム(36)は、前記形成部品(32)から、引き抜き方向(X)に引き抜かれ、前記第1のセクション(A1)および前記第2のセクション(A2)は、前記引き抜き方向(X)に前後に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のセクション(A1、A2、A3)は、前記第1のセクション(A1)、前記第2のセクション(A2)および第3のセクション(A3)を含み、
前記第1のセクションは、前記パッケージ(30)を開けるに際して、前記蓋フィルム(36)が最初に前記形成部品(32)から分離される必要がある、開封セクションであり、
前記第2のセクション(A2)は、前記第1および第3のセクション(A1、A3)の間に配置され、前記パッケージ(30)を開けるに際して、前記蓋フィルム(36)が前記引き抜き方向(X)に前記第1のセクション(A1)から前記第3セクション(A3)に向かって引き抜かれる必要がある引き抜きセクションであり、
前記第3のセクション(A3)は、前記第1および第2のセクション(A1、A2)の前記引き抜き方向(X)後部に配置され、前記蓋フィルム(36)が、前記パッケージ(30)を開ける間最も長時間にわたり前記成形部品(32)に接続されたままである端部セクション(43)であり、前記第3のセクション(A3)の第3のシーリング温度が前記第1のおよび/または前記第2のシーリング温度とは異なることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のセクション(A1)の前記第1の引き抜き力(F)および/または前記第2のセクション(A2)の第2の引き抜き力(F)は、2Nと20Nの間であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第3のセクション(A3)の第3の引き抜き力(F)は、15Nより大きいことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(c)に従って少なくとも前記第1の引き抜き力(F)を決定することは、最大の第1の引き抜き力(Fmax)を定義するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(c)に従って少なくとも前記第1の引き抜き力(F)を決定することは、最小の引き抜き力(Fmin)を定義するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(c)に従って少なくとも前記第1の引き抜き力(F)を決定することは、前記第2のセクション(A2)の第2の引き抜き力(F)を決定するステップと、前記第2のセクション(A2)の最小の第2の引き抜き力(Fmin)を定義するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ステップ(b)は、
前記引き抜き方向(X)における分離長さ(L)に対する参照パッケージ(30)の参照引き抜き力(F)の変化を表す参照曲線を決定するステップ(b1)と、
前記参照曲線に基づいて、前記複数のセクション(A1,A2,A3)を決定し、前記継ぎ目(40)を前記複数のセクション(A1,A2,A3)に応じて分割するステップ(b2)と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(c)は、
前記参照引き抜き力(F)が前記許容範囲外にある前記参照曲線の領域を定義するステップ(c1)と、
前記継ぎ目(40)の前記複数のセクション(A1,A2,A3)のうちの前記第1のセクションであって前記参照引き抜き力(F)が許容範囲外にある領域に対応する前記第1のセクションを決定するステップ(c2)と、
前記第1のセクションの前記第1の引き抜き力(F)が前記許容範囲内にあるように、ステップ(c2)に従って決定された前記継ぎ目(40)の前記第1のセクションの前記第1の引き抜き力(F)を決定するステップ(c3)と、を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの製品キャビティー(34)の周囲の前記継ぎ目(40)は、25mmと600mmの間の長さを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記シーリング装置(2)がシーリング輪郭(4)を含み、当該シーリング輪郭(4)は、複数のセグメント(28)に分割され、当該複数のセグメント(28)の少なくとも第1のセグメント(28a)が前記継ぎ目(40)の前記第1のセクション(A1)に割り当てられ、当該複数のセグメント(28)の少なくとも第2のセグメント(28b)が前記継ぎ目(40)の前記第2のセクション(A2)に割り当てられ、ステップ(d)は、 前記第1および第2のシーリング温度に従って前記複数のセグメント(28)を加熱するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記シーリング輪郭(4)の前記複数のセグメント(28)は、少なくとも4つのセグメント(28)を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記シーリング装置(2)は、複数の加熱素子(22)を含み、前記複数の加熱素子(22)のうちの1つの加熱素子(22)が、前記複数のセグメント(28)の各セグメント(28a-28h)に割り当てられ、前記複数のセグメント(28)を加熱するステップは、前記複数の加熱素子(22)によって実行される請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記継ぎ目(40)の前記複数のセクション(A1,A2,A3)のセクションは、互いに隣接して前記継ぎ目(40)に沿って連続的に配置され、ステップ(d)に従った前記シーリングは、前記少なくとも1つの製品キャビティ(34)の周りの継ぎ目(40)全体に沿って行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージ、特にコンタクトレンズ用のパッケージなどのヒートシールされたプラスチックパッケージを製造するための方法に関する。
【0002】
製品の包装には、成形部品に製品キャビティを含むパッケージがよく使用され、この製品キャビティは蓋材料でシールされる。製品キャビティが製品で満たされた後、蓋材料は、製品キャビティを取り囲む継ぎ目に沿って成形部品にシールされる。US 2021/027655 A1は、例えば、継ぎ目を生成するためのシールツールを開示し、このシールツールは、異なる方法で作動可能な加熱素子のサブセクションを加熱するための少なくとも2つの加熱導体を含む。その結果、局所的なシーリング温度を正確に設定するために、成形部品の表面全体に温度プロファイルを生成することができる。
【0003】
このようなパッケージの品質上の特徴は、継ぎ目のサイズと形状である。これにより、成形部品と蓋材料の間の強力な結合と、製造直後だけでなく一定以上の製品のライフサイクルまたは貯蔵寿命にわたり、シールされた製品キャビティの気密性が保証される。同時に、パッケージはユーザーフレンドリーな方法で開封されることが望まれる。しっかりとした接着を実現するために、蓋の材料が成形部品に強くシールされていると、特に開封プロセスの開始時に継ぎ目が壊れないか、過度の力がかかる可能性がある。最初にシールを開き、成形部品から蓋フィルムを剥がす必要がある。これはまた、必要な力が加えられるとすぐに蓋フィルムが痙攣されたり、突然はがれたりするという結果をもたらす可能性があり、パッケージの内容物が失われる可能性がある。
【0004】
したがって、シールの強度を変化させるための様々な可能性が、当技術分野から知られている。たとえば、DE 203 09 243 U1は、厚紙の蓋材が接着剤シール媒体によってブリスターにシールされているブリスターパックについて説明している。接着強度を低下させるための手段が密封媒体に適用されて、定義された数の弱く密封されたゾーンまたは継ぎ目に沿って全く密封されていないゾーンを形成する。接着強度を低下させるための手段は、コーティングまたは被覆材料の形態であり得る。US 2007/0059464 A1によれば、シールの強度を低下させるためのコーティングがシール表面に適用されている。どちらの場合も、シール面は事前に追加の材料で処理する必要がある。
【0005】
別のアプローチがUS 2005/0077297 A1号に開示されており、それによれば、それを開く領域で継ぎ目が狭くなり、その結果、それを開くためにより少ない力で済む。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、しっかりと密封されているが同時に開封しやすいパッケージを製造するための簡単で低コストの方法を提供することである。
【0007】
本発明の一態様によれば、パッケージ、特に、少なくとも1つの製品キャビティを有する成形部品と、少なくとも1つの製品キャビティを覆う蓋フィルムとを含む、ヒートシールされたプラスチックパッケージを製造する方法は、以下の手順を含む。
(a)生成される継ぎ目を定義し、それに沿って、少なくとも1つの製品キャビティの周りの成形部品に蓋フィルムをシールする。
(b)生成される継ぎ目を、少なくとも第1のセクションおよび第2のセクションを含む複数のセクションに分割する。
(c)少なくとも当該複数のセクションのうちの第1のセクションについて、成形部品から蓋フィルムを引っ張るための第1の引き抜き力を決定する。
(d)第1のセクションの第1のシーリング温度および第2のセクションの第2のシーリング温度を有するシーリング装置によって、継ぎ目に沿って成形部品に蓋フィルムをシールする。ここで、第1のシーリング温度および第2のシーリング温度は異なり、少なくとも第1のセクションの第1のシーリング温度は、ステップ(c)に従って定義された第1の引き抜き力に基づいて選択される。
【0008】
このように、パッケージの引き抜き力、したがって開封挙動は、特に追加の手段やパッケージ設計の変更なしに、定義されたセクションで異なるシーリング温度でシールすることにより、効果的かつ特に簡単に調整できる。継ぎ目に多大な労力をかけなくても、第一に、継ぎ目、したがってパッケージが十分に漏れ防止されており、第二に、パッケージが容易に開封できることを保証することができる。
【0009】
シーリング作業は、好ましくは、熱シール、すなわちヒートシールによって実施される。この場合、継ぎ目はヒートシールされたジョイントに対応する。この目的のために、シーリング装置は、好ましくは蓋フィルムまたは成形部品に接触し、継ぎ目を生成するために必要な熱を導入するシーリング輪郭を含み得る。シーリング装置は、シーリング輪郭を加熱するためのヒーター、特に電気抵抗ヒーターを含み得る。
【0010】
ステップ(d)によるシールプロセスは、主に、シーリング圧力、シーリング期間、およびシーリング温度を含むプロセスパラメータによって決定される。これらのプロセスパラメータの場合、適切な公称値は通常、成形部品の材料と蓋フィルムの材料のペアリングの関数として、および継ぎ目の要件の関数として事前設定される。
【0011】
シーリング圧力は、好ましくは0.1から1N/mm2の間、より好ましくは0.3から0.6N/mm2の間である。シーリング時間は、好ましくは0.4から1.5秒の間、より好ましくは0.8から1.2秒の間である。シーリング温度は、好ましくは150―250℃、より好ましくは180―230℃である。
【0012】
成形部品は、正確に1つの製品キャビティ、または類似の方法で複数の製品キャビティを含むことができる。しかしながら、各製品キャビティを適切に密封するために、各製品キャビティの周りに1つの継ぎ目が提供されることが好ましい。言い換えれば、1つの継ぎ目が1つの製品キャビティのみを囲むことが好ましい。一般に、いくつかの成形部品は、シーリングのために互いに隣接して配置することができ、各成形部品は、少なくとも1つの製品キャビティを有し、この場合も、継ぎ目が好ましくは各製品キャビティを取り囲む。シーリング装置は、製品のキャビティの数に対応し、その結果、生成される継ぎ目の数に対応する複数のシーリング輪郭を含むことができる。したがって、本発明による方法は、これらの実施形態にも直接適用可能である。以下において、それが継ぎ目および対応する製品キャビティと呼ばれる場合、それに関連して記載された特徴は、複数の製品キャビティを含む実施形態に対しても適用可能である。
【0013】
一般に、成形部品は、フィルムウェブなどのウェブの形態、好ましくは熱可塑性フィルムの形態であり得る。この方法は、好ましくは、ステップ(d)の前に、特に熱成形において、フィルムウェブ内に少なくとも1つの製品キャビティを形成するステップ、および各製品キャビティを製品で充填するステップを含む。(熱)成形のステップは、フィルムウェブを提供し、加熱装置によってフィルムウェブを加熱し、成形装置によって少なくとも1つの製品キャビティをフィルムウェブに形成するステップを含み得る。ステップ(d)において、好ましくはシートまたはウェブの形態でも存在する蓋フィルムが、形成されたフィルムウェブに密封される。たとえば、医薬品や医薬品のブリスターパックは、この方法で製造されることがよくある。
【0014】
あるいは、成形部品は、1つまたは複数の製品キャビティを有する別個に作製された個々の部品として、ステップ(d)に従ってシーリング操作に提供され得る。例えば、成形部品は、形成されたフィルムウェブなどのより大きなユニットから打ち抜かれるか、または切り取られてもよく、またはコンタクトレンズパッケージの場合のように、成形部品は、射出成形によって形成され得る。この場合、この方法は、好ましくは、ステップ(d)の前に、射出成形によって成形部品を成形し、成形部品の少なくとも1つの製品キャビティに製品を充填するステップを含む。
【0015】
成形部品は、プラスチック、特にポリプロピレンでできていることが好ましい。蓋フィルムは、好ましくは、プラスチックフィルムまたは金属箔でできており、多層構成を有することもできる。
【0016】
当該少なくとも1つの製品キャビティは、好ましくは、成形部品の(ブリスター)ポケットとして構成される。パッケージは、例えば、1つのブリスターポケットまたは医薬品または医薬品を受け入れる複数のブリスターポケットを備えたブリスターパックであり得る。パッケージはまた、ポケットまたは複数のポケットを有し、それぞれがコンタクトレンズおよび流体を受け入れるコンタクトレンズパッケージであり得る。
【0017】
各製品キャビティは、医薬品または化粧品の場合のように、好ましくは1つの製品および/または流体を含む。パッケージがコンタクトレンズパッケージである場合、例えば、少なくとも1つの製品キャビティは、コンタクトレンズと、コンタクトレンズを取り囲む溶液を含む。当該少なくとも1つの製品キャビティが液体溶液などの流体を含む場合、継ぎ目によって密封された製品キャビティの漏れ防止特性に関する要件は厳しい。同時に、開封しにくいと液体がこぼれる恐れがある。本明細書で説明するように、継ぎ目の強度は、これらの要件を考慮して、セクションごとに最適化することができる。
【0018】
一般に、成形部品は、少なくとも1つの製品キャビティを取り囲むフランジを含み得る。フランジは、その上で蓋フィルムが成形部品にシールされるシール面を提供することができる。したがって、少なくとも1つの製品キャビティを取り囲む継ぎ目は、好ましくは、フランジ上に形成される。
【0019】
ステップ(a)に従って継ぎ目を定義することは、特に、継ぎ目のサイズおよび形状、より具体的には、製品キャビティの周りの継ぎ目のコース、継ぎ目の長さ、および継ぎ目の幅を定義することを含む。継ぎ目を定義するステップは、通常、パッケージの特定のタイプおよび構成に対して、たとえばパッケージの設計およびレイアウト中に一度実行され、その後、同様に製造されるすべてのパッケージに採用される。
【0020】
製品キャビティの周りの各継ぎ目は、好ましくは10から1200mmの間、より好ましくは25から600mmの間、さらにより好ましくは50から150mmの間の長さを含む。シーリング輪郭は、好ましくは、対応する長さを含む。各継ぎ目の幅は、好ましくは実質的に一定である。
【0021】
シーリング装置のシーリング輪郭は、好ましくは、特に製品キャビティの周りの継ぎ目のコースに関して、継ぎ目の形状に対応する形状を含む。結果として、ステップ(d)に従ってシールするためのシーリング装置によって提供される入熱は、形成される継ぎ目の領域に効果的に向けられる。
【0022】
好ましい実施形態では、継ぎ目およびシーリング輪郭は実質的にリング状である。したがって、継ぎ目は閉じた形状を形成し、製品の空洞の周りに広がる。好ましくは、シーリング輪郭は閉じた形状を形成し、シーリング装置がシーリング輪郭を持たない中央領域の周りに延びるように構成される。したがって、実質的にリング状のシーリング輪郭は、蓋フィルムと接触すると、成形部品の製品キャビティを完全に取り囲むように構成される。シーリング輪郭および継ぎ目の実質的にリング形状の形態は、円形リングに限定されず、楕円、多角形、および製品キャビティを取り囲むことができる他の好ましくは湾曲した形状などの任意の所望の円周形状も含む。リング状の構成の場合、継ぎ目またはシーリング輪郭の長さは、継ぎ目またはシーリング輪郭の円周に対応し、好ましくは、継ぎ目またはシーリング輪郭の中心線に沿っている。
【0023】
ステップ(b)に従って継ぎ目を複数のセクションに分割することは、好ましくは、継ぎ目の異なる要件が主な関心事であるセクションに継ぎ目を分割するのに役立つ。したがって、次のステップ(c)において、少なくとも第1のセクションに対する適切な引き抜き力を、所与の要件に対応して決定することができる。
【0024】
当該複数のセクションのセクションは、継ぎ目全体がセクションに分割されるように、互いに直接隣接して配置されることが好ましい。継ぎ目を複数のセクションに分割することは、当該複数のセクションのセクションを物理的/構造的に分割または分離する必要があることを意味するものではない。複数のセクションへの継ぎ目の分割はまた、それぞれのセクションの継ぎ目の要件および機能に従って「想像上の」ものでもあり得る。
【0025】
蓋フィルムは、成形部品から引き抜き方向に引き抜かれることを意図している。引き抜き方向は、好ましくは、継ぎ目との1つの平面で定義される。引き抜き方向はさらに、パッケージが開封されているときに蓋フィルムが最初に成形部品から分離される第1の点から始まり、蓋フィルムが成形部品に接続される第2の点までと定義される。引き抜き方向は、パッケージの形状とレイアウトによって事前に決定できる。例えば、蓋フィルムは、好ましくは、パッケージを開くために引き抜かれ、したがって第1の点を定義する開封タブを含む。さらに、引き抜き方向は、継ぎ目の形状とその強度の影響を受ける可能性がある。
【0026】
当該複数の継ぎ目のセクション、特に第1および第2のセクションは、好ましくは、引き抜き方向に前後に配置される。第1のセクションは、引き抜き方向に対して、第2のセクションの前に配置することができる。この場合、パッケージを開封すると、最初に継ぎ目の最初のセクションで、次に2番目のセクションで、蓋フィルムが成形部品から分離される。したがって、継ぎ目の構成に関するさまざまな要件、すなわち、最初のセクションでパッケージを開くこと、および2番目のセクションで蓋付きフィルムを引き抜くことに関連する要件を考慮に入れることができる。
【0027】
当該複数のセクションは、第1および第2のセクションより多くを含み得る。当該複数のセクションの各セクションは、個別の温度でシールすることができ、これは、以下でより詳細に説明するように、少なくともいくつかまたは他のすべてのセクションのシーリング温度とは異なる可能性がある。
【0028】
好ましい実施形態では、ステップ(c)は、当該複数のセクションの各セクションについて、成形部品から蓋フィルムを引っ張るための引き抜き力を決定すること、すなわち定義することを含む。すなわち、第1のセクションの第1の引き抜き力を決定することに加えて、ステップ(c)による方法は、第2のセクションの第2の引き抜き力および任意のさらなるセクションのさらなる引き抜き力を決定することを含む。もちろん、引き抜き力はまた、特に関心のある複数のセクションのいくつかについてのみ決定され得る。
【0029】
一実施形態では、当該複数のセクションは、少なくとも第1、第2、および第3のセクションを含む。ここで、第1のセクションは、開封セクションであり、パッケージが開封されるときに、蓋フィルムが最初に成形部品から分離されるべきである。蓋フィルムは、第1のセクションに割り当てられた蓋フィルムの領域に開封タブを含み得る。したがって、開封タブは、継ぎ目の第1のセクションに近接して、好ましくは接触して配置することができる。第2のセクションは、第1のセクションと第3のセクションとの間に配置され、パッケージを開封するために、蓋フィルムが第1のセクションから第3のセクションに向かって引き抜き方向に引き離される引き抜きセクションであり得る。第3のセクションは、引き抜き方向に対して第1および第2のセクションの後ろに配置され、パッケージが開封されている間、蓋フィルムが成形部品に最も長い期間接続される端部セクションであり得る。好ましくは、第3のセクションの第3のシーリング温度は、第1および/または第2のシーリング温度とは異なる。少なくともこれらのセクションでは、ほとんどの場合、パッケージの継ぎ目の要件が異なり、そのため、これらのセクションで必要な引き抜き力をそれに応じて調整することが特に有利である。継ぎ目の任意のより粗い分割またはより細かい分割が可能である。
【0030】
特に、引き抜き力は、本明細書では、成形部品から蓋フィルムを分離するのに必要な力として定義される。当業者は、剥離システムを分離するために必要な平均力を示す剥離力に精通している。剥離システムは、2つのコンポーネント、特にプラスチックフィルムまたは金属箔で構成され、これらは互いに分離して接着されている。この場合、継ぎ目によって互いに接続されている蓋フィルムと成形部品は、剥離システムを形成し得る。
【0031】
剥離システムの剥離挙動は、例えば、提案された標準ESIS TC4、「フレキシブルラミネートの剥離試験」またはASTN F88/F88M「フレキシブルバリア材料のシール強度の標準試験方法」によって特徴付けることができる。コンタクトレンズパッケージなどの医薬品を含むパッケージの場合、要件は、例えばDIN 868-5:2019-03に規定されている。
【0032】
剥離試験においては、引張強さ試験機(引張機)により成形部品から蓋フィルムを引き抜き、剥離力-変位図を記録し、変位は蓋フィルムと成形部品の分離長さ(分離長とも呼ばれる)に対応している。通常、このタイプの図の剥離力曲線には、最初のピークと最後に別のピークがあり、その間に特徴的なプラトーが形成される。剥離力の測定変数には、通常、分離長さの10%または20%と80%または90%の間のこの特徴的なプラトーのみが使用される。このタイプの剥離力曲線は、本明細書に記載のタイプのパッケージの場合、特にシールパラメータ(温度、圧力、時間)が継ぎ目に沿って一定であり、継ぎ目に沿ったシール強度も一定である場合に得られ得る。
【0033】
本明細書に記載の引き抜き力は、実質的に剥離力に対応する。ただし、パッケージの開口特性に影響を与えるため、力曲線全体を考慮し、所望のとおりに適合させる必要がある。本明細書に記載の引き抜き力の値は、パッケージの成形部品が適切なホルダーに挿入され、蓋フィルムが引き抜かれる固定アーム剥離試験における前述の基準に基づいて決定されるべきである。パッケージに対して135°の角度(剥離角度)で、テンションマシンの引張速度は254mm/分(10インチ/分)に設定されている。
【0034】
ステップ(c)に従って継ぎ目の第1のセクションの少なくとも第1の引き抜き力を決定し、少なくとも第1の引き抜き力に基づいて選択される第1のシーリング温度で成形部品に蓋フィルムをシールすることによって、ステップ(d)に応じて、シーリング装置の設定を適宜選択することにより、必要に応じて引き抜き力のコースを定義することが可能になる。
【0035】
例えば、生成される継ぎ目をステップ(b)に従って複数のセクションに分割することは、以下のステップを含み得る。
(b1)長さ、特に引き抜き方向の分離長さに対する参照パッケージの参照引き抜き力の変化を表す参照曲線を決定する。
(b2)該参照曲線に基づいて複数のセクションを決定し、それに応じて継ぎ目を複数のセクションに分割する。
【0036】
参照曲線は、上記の剥離力-変位図に対応し、したがって、参照パッケージの(参照)引き抜き力の力曲線に対応する。参照曲線は、パッケージのレイアウト・設計段階における実験、またはシミュレーションから取得できる。
【0037】
参照パッケージは、好ましくは、製造されるパッケージと同じ方法で、特に継ぎ目のコースおよび構成、ならびに蓋フィルムおよび成形部品の材料の組み合わせに関して同様に構成される。参照パッケージは、好ましくは、初期プロセスパラメータ、特に初期シーリング温度で製造されている可能性がある。ただし、参照パッケージは、特に適合されたシーリング温度またはシーリング温度分布を使用して、すでに適合されたプロセスパラメータを使用して作成することもできる。
【0038】
ステップ(b2)による参照曲線に基づく複数のセクションの決定、すなわち定義は、参照曲線の図から取られた分離長さに基づいてセクション間の境界を定義するステップを含み得、これに基づいて、継ぎ目は複数のセクションに分割される。特に、ステップ(b2)は、参照曲線の臨界領域を検出し、参照曲線の臨界領域に対応する複数のセクションを決定するステップを含むことができる。
【0039】
ステップ(c)に従って引き抜き力を決定することは、所定の引き抜き力、特に、引き抜き力の公称値、最小値、または最大値を定義または決定することとして理解することができる。継ぎ目に沿った引き抜き力は、継ぎ目のセクション内で変化する可能性があり、通常は一定ではないため、例えば、最小値、最大値、または公称値の周りの許容範囲を定義することが望ましい。すでに述べたように、ステップ(c)に従って、複数のセクションの各セクションに対して引き抜き力が決定されることが特に好ましい。
【0040】
ステップ(c)に従って引き抜き力を決定することは、最大引き抜き力を定義するステップ、特に第1のセクションの最大第1引き抜き力を定義するステップを含み得る。上記のように、最初のセクションがパッケージが最初に開かれる引き抜き方向のいくつかのセクションの最初である場合、最初のセクションの最初の引き抜き力は、誰でも簡単にパッケージを開けることができることを確実にするために、最大引き抜き力を超えてはならない。これは、引き抜き力の力曲線が継ぎ目の最初のセクションに対応する領域の最初のピークを含む場合にさらに関連性があり、パッケージを開くのがより困難になり、開封時にパッケージが痙攣するリスクがある。もちろん、第1の引き抜き力は、所定の最小の第1の引き抜き力を下回ってはならず、これにより、製造および輸送中にパッケージの一体性が確保され、十分な気密性が保証される。最大引き抜き力が複数のセクションのそれぞれに対しても定義されてもよいのは当然のことである。
【0041】
加えて、または代替的に、ステップ(c)に従って引き抜き力を決定することは、最小引き抜き力を定義するステップ、特に第2のセクションの最小第2の引き抜き力を定義するステップを含み得る。第2のセクションが引き抜き方向に対して最初のセクションの後ろに配置されている場合、第2のセクションの引き抜き力の力曲線は特徴的なプラトーの領域にある可能性がある。したがって、通常、第2の引き抜き力は第1の引き抜き力よりも低くなる。ただし、第2のセクションの第2の引き抜き力は、最小引き抜き力を下回らないようにする必要がある。これにより、製造および輸送中のパッケージの完全性が確保され、適切な気密性が保証される。もちろん、パッケージを簡単に開けられるように、第2の引き抜き力も最大の第2の引き抜き力を超えてはならない。最小引き抜き力が複数のセクションのそれぞれに対しても定義されてもよいのは当然のことである。
【0042】
当該複数のセクションが第3のセクションも端部セクションとして含む上記の例では、ステップ(c)に従って引き抜き力を決定することは、第3のセクションの最小および/または最大の第3の引き抜き力を定義することを含み得る。蓋フィルムを成形部品から完全に除去する場合、特に第3のセクションの引き抜き力の力曲線が最終のピークを含むときは、ステップ(c)が最大の第3の引き抜き力を定義するステップを含むことが好ましい。その結果、第3の引き抜き力が所定の最大値を超えないので、蓋フィルムは成形部品からより容易に除去可能になる。しかしながら、成形部品から蓋フィルムを完全に除去することが不可能であることが望ましい場合も考えられる。この場合、ステップ(c)は、最小の第3の引き抜き力を定義するステップを含み得る。次に、最小の第3の引き抜き力を、蓋フィルムを手動で除去できないほど高いレベルに設定することができる。
【0043】
好ましい実施形態においては、第1の引き抜き力および/または第2の引き抜き力は、2Nと15Nの間、より好ましくは5Nと10Nの間である。端部セクション、例えば第3のセクションの場合、第3の引き抜き力は、好ましくは10Nより大きく、より好ましくは15Nより大きく、さらにより好ましくは20Nより大きい。
【0044】
ステップ(c)に従って、少なくとも第1のセクションの第1の引き抜き力、好ましくは複数のセクションのそれぞれの引き抜き力を決定することは、継ぎ目の形状の関数として実行され得る。例えば、最初のセクションの継ぎ目は、2番目のセクションよりも引き抜き方向に対して横方向にさらに伸びている。3番目のセクションでは、継ぎ目は2番目のセクションよりも引き抜き方向に対して横方向にさらに延びることができる。したがって、これらのセクションでは、所望の引き抜き力を実現するために、異なるシーリング強度と異なるシーリング温度が必要になる場合がある。
【0045】
ステップ(c)に従って、複数のセクションのうちの少なくとも1つのセクションの引き抜き力を決定することは、参照パッケージの前述の参照曲線に基づいて実行することもできる。この実施形態では、ステップ(c)は、以下のステップをさらに含み得る。
(c1)参照引き抜き力が許容範囲外にある参照曲線の領域を定義する。
(c2)継ぎ目の複数のセクションのうち、参照引き抜き力が許容範囲外にある領域に対応するセクションを決定する。
(c3)ステップ(c2)に従って決定された継ぎ目のセクションについて、このセクションの引き抜き力が許容範囲内にあるように、引き抜き力を決定する。
【0046】
一般に、ステップ(c2)に従って決定され、次にステップ(c3)に従って引き抜き力が決定されるセクションは、継ぎ目に沿ったその位置に関係なく、第1のセクションと指定され得る。もちろん、参照引き抜き力が曲線の複数の部分で許容範囲外にある場合、ステップ(a)に従って複数の領域を定義することができる。
【0047】
ここで、上記の特徴的な力-変位曲線を参照すると、例えば、ステップ(c1)において、参照曲線の最初のピークが所定の最大値より上にあることが見出され得る。ステップ(c2)に従って、最初のピークが発生する継ぎ目のセクションを決定できる。次に、このセクションの引き抜き力は、所定の最大値を下回るように定義される(ステップ(c3))。
【0048】
ステップ(d)は、好ましくは、継ぎ目を生成するためのシーリング装置のシーリング温度を設定するステップを含む。したがって、シーリング装置は、好ましくは、シーリング装置に関して以下で詳細に説明するように、継ぎ目に沿って異なる温度を生成するように構成される。
【0049】
ステップ(c)によって第1引き抜き力が決定された少なくとも第1のセクションについては、当該ステップ(c)に従って決定された第1の引き抜き力に基づいて、シーリング装置の第1のシーリング温度が設定される。
【0050】
シーリング装置のシーリング温度を設定することは、(i)複数のセクションの各セクションについて、他のセクションとは独立して、シーリング温度を設定すること、(ii)複数のセクションのうちの1つのセクションと他の1つ以上のセクションとの間の温度差を設定すること、または(iii)2つのシーリング温度の間の温度比、特に第1および第2のシーリング温度の間の温度比を設定すること、を含みうる。
【0051】
例えば、ステップ(c)は、当該複数のセクションのうちの1つのセクションにおける引き抜き力の必要な変更を定義するステップを含んでもよく、ステップ(d)は、当該引き抜き力の必要な変更に相関するシーリング温度の変更によるシーリング装置のシーリング温度を設定するステップを含んでもよい。
【0052】
この方法は、さらに、複数のセクションの少なくとも第1のセクションについてステップ(c)に従って決定された引き抜き力の関数として必要なシーリング強度を決定し、決定されたシーリング強度の関数として各シーリング温度を決定し、決定されたシーリング温度に従ってシーリング装置を設定するステップを含んでいてもよい。例えば、シーリング強度およびシーリング温度は、第1および第3のセクションよりも第2のセクションの方が大きい。
【0053】
この方法のステップ、特にステップ(b)および(c)、ならびにステップ(d)によるシーリング装置の設定、ならびにそれらのそれぞれのサブステップ(もしあれば)はコンピュータなどのデータ処理装置により相互に接続され、独立して実行することができる。データ処理装置は、シーリング装置の制御ユニット、またはシーリング装置から実質的に独立したコンピュータであり得、このコンピュータは、制御ユニットから分離されているか、またはそれに通信可能に接続されている。
【0054】
以下に、成形部品に蓋フィルムをシールするためのシーリング装置について説明する。
【0055】
シーリング装置は、継ぎ目を生成するためのシーリング輪郭を含み得る。シーリング輪郭は、好ましくは、複数のセグメントに分割され、複数のセグメントの少なくとも第1のセグメントは、継ぎ目の第1のセクションに割り当てられ、複数のセグメントの少なくとも第2のセグメントは、継ぎ目の第2のセクションに割り当てられる。好ましくは、シーリング輪郭の複数のセグメントの少なくとも1つのセグメントが、継ぎ目の複数のセクションの各セクションに割り当てられる。次に、ステップ(d)は、シーリング温度、特に第1および第2のシーリング温度に従って、複数のセグメントを加熱するステップをさらに含み得る。シーリング輪郭の複数のセグメントのいくつかのセグメントを継ぎ目の1つのセクションに割り当てることも可能である。この場合、シーリング装置のシーリング温度を設定することは、複数のセグメントのそれぞれの温度を設定することを含むことができる。
【0056】
シーリング輪郭の複数のセグメントは、好ましくは、少なくとも4つ、より好ましくは少なくとも6つ、さらにより好ましくは少なくとも12のセグメントを含む。シーリング装置の複雑さに関して適切な妥協点に到達するために、複数のセグメントの数は、好ましくは28以下、より好ましくは22以下、さらにより好ましくは16セグメント以下である。必要に応じて、好ましくは所与の範囲から、任意の所望の数のセグメントを選択できることは言うまでもない。
【0057】
複数のセグメントの各セグメントは、当該複数のセグメントの他のセグメントとは実質的に独立して、ステップ(d)に従ってシーリング目的で蓋フィルムを加熱することができる。したがって、この場合、複数のセグメントの各セグメントは個別に作動可能である。シーリング装置は、好ましくは、複数の加熱素子および複数のセンサー素子を含み、1つの加熱素子および1つのセンサー素子が、複数のセグメントの各セグメントに割り当てられる。
【0058】
好ましくは、複数の加熱素子の各加熱素子は、ステップ(d)によるシーリングプロセスのために、シーリング輪郭の複数のセグメントのうちの1つのセグメントを加熱するように構成される。複数のセンサー素子の各センサー素子は、例えば、各セグメントの温度を検出することができる。複数の加熱素子の加熱素子と複数のセンサー素子のセンサー素子を組み合わせて、一体型ユニットを形成することができる。これは、たとえば、成形部品がワイヤまたはストリップ導体として構成され、したがって電気抵抗ヒーターを形成する場合に可能である。温度とともに変化するこのタイプの成形部品の電気抵抗を介して、成形部品の温度を同時に決定することが可能である。したがって、成形部品は、例えば抵抗、温度、またはワット数のセンサー素子と見なすこともできる。
【0059】
シーリング輪郭を複数のセグメントに分割することは、複数のセグメントの各セグメントが、蓋フィルムに面する側で互いに物理的/構造的に分割または分離されなければならないことを意味するものではない。シーリング輪郭の複数のセグメントへの分割も「仮想的」であり得、例えば、シーリング装置の機能によって、および/または、特に、加熱素子の数などの他の構成要素によって決定され得る。
【0060】
シーリング輪郭の形状に対応して、シーリング輪郭の複数のセグメントは、好ましくは、継ぎ目の形状に従って配置され、その結果、蓋用フィルムおよび成形部品は、生成される継ぎ目の領域の中で効果的に加熱される。好ましくは、シーリング輪郭の片側、すなわち、蓋フィルムに面する側のみが、ステップ(d)の間に蓋フィルムと接触する。シーリング輪郭の複数のセグメントの各セグメントは、好ましくは、互いに直接隣接して配置される。さらに、複数のセグメントのセグメントは、好ましくは、シーリング輪郭に沿って連続的に配置される。したがって、複数のセグメントは、シーリング輪郭または継ぎ目に沿って一貫して配置することができる。
【0061】
シーリング装置はまた、制御ユニットを含み得る。制御ユニットは、ステップ(c)を実行し、ステップ(d)に従ってシーリング装置を制御するように構成することができる。
【0062】
好ましい実施形態では、シーリング装置は、特にセラミック材料でできているキャリア基板をさらに含む。複数の加熱素子および複数のセンサー素子は、蓋フィルムに面するキャリア基板の側に配置することができる。複数の加熱素子および/またはセンサー素子は、キャリア基板に適用されるワイヤまたはストリップ導体によって形成することができる。ストリップ導体は、蒸着するか、キャリア基板に直接印刷することができる。
【0063】
複数の加熱素子および複数のセンサー素子を保護するために、保護層を提供することができ、これは、加熱素子および蓋フィルムに面する側のセンサー素子を覆う。保護層は、加熱素子とセンサー素子を覆う薄いプレートにすることができる。ただし、保護層は、加熱素子とセンサー素子が埋め込まれているキャリア基板上のカバー層にすることもできる。好ましくは、少なくとも保護層がシーリング輪郭を形成する。あるいは、加熱素子およびセンサー素子を備えたキャリア基板、またはキャリア基板上または保護層上に配置された別個のシーリング部品も、シーリング輪郭を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【
図1】
図1は、パッケージを製造するためのシーリング装置の実施形態の斜視図を示す。
【0065】
【
図2】
図2は、
図1によるシーリング装置の一部の概略断面図を示す。
【0066】
【
図3】
図3は、
図1によるシーリング装置の概略上面図を示す。
【0067】
【
図4a】
図4aは、蓋フィルムがない場合のパッケージの例示的な実施形態の斜視図を示す。
【
図4b】
図4bは、蓋フィルムがある場合のパッケージの例示的な実施形態の斜視図を示す。
【0068】
【
図5】
図5は、
図4によるパッケージの成形部品の上面図を示す。
【0069】
【
図6】
図6は、引き抜き力の参照曲線を概略的に示している。
【0070】
【
図7】
図7は、
図4に従ってパッケージの成形部品の上面図を示している。
【0071】
【
図8a】
図8aは、パッケージの製造方法のフローチャートを示している。
【
図8b】
図8bは、パッケージの製造方法のフローチャートを示している。
【発明を実施するための形態】
【0072】
図1は、シーリング装置2の実施形態の斜視図を示す。シーリング装置2は、シールされるパッケージの蓋フィルムと接触するように構成されたシーリング輪郭4を備える(
図4を参照)。シールされるパッケージの成形部品に蓋フィルムをヒートシールするために、シーリング装置2は、シーリング輪郭4を加熱し、したがってシーリング輪郭4と熱伝導性接触するヒーター6を備える。シーリング装置2の絶縁体8によって、シーリング装置2のハウジング10に接続される。絶縁体8は、ハウジング10、そこに収容される構成要素、およびシーリング装置2の残りの部分を熱的に絶縁する。ヒーター6は、それが生成する熱がシーリング輪郭4に効果的に伝導されるようにする。
【0073】
シーリング装置2の開ループおよび/または閉ループ制御のための制御ユニット12は、例えば、ハウジング10内に収容することができる。制御ユニット12は、ヒーター6に接続されている。制御ユニット12およびヒーター6は、端子13を介して電力および場合によっては他の制御信号を供給することができる。制御ユニット12は、ハウジング10の外側に提供され得、制御信号は、端子13に接続された適切なラインを介して、または無線でヒーター6に送信され得ることも考えられる。
【0074】
図1に示すように、シーリング輪郭4は、実質的にリング形状であり、シーリング装置2がシーリング輪郭4を有さない中央領域14を取り囲む。シーリング輪郭4は、好ましくは、以下の形状に実質的に生成される継ぎ目(
図3-5を参照)に対応する形状を有する。その結果、シーリング装置2からの入熱を効果的に方向付けて、所望の継ぎ目の領域に集中させることができる。シーリング輪郭4は、他の構成要素および領域を超えて、特に中央領域14を超えて突出することができる。示される実施形態では、シーリング輪郭4が、ヒーター6を保護し熱伝導率の良い素材でできている保護層16を含むことによって達成されている。しかしながら、シーリング輪郭4は、ヒーター6の一体部分として構成することもでき、ヒーター6は、対応するプロファイルを有する。
【0075】
シーリング装置2は、蓋フィルムを引き上げるための少なくとも1つの吸引開口部18をさらに備えてもよく、それにより、シーリング装置2は、シールする前に、成形部品に蓋フィルムを配置することができる。ここで、シーリング装置2は、ハウジング10上の適切なコネクタ20を介して真空ポンプなどの負圧源に接続され、シーリング装置2の中央領域14のシーリング輪郭4内に配置された、複数の吸引開口部18を備える。
【0076】
一実施形態では、シーリング装置2は、複数のパッケージ、または複数の製品キャビティおよび継ぎ目を同時に有する1つのパッケージをシールするように構成され得る。この場合、シーリング装置2は、
図1に例として破線で示されるハウジング10′および10"によって示されるように、製品キャビティの数に対応する複数のシーリング輪郭4を含む。それぞれ、前述のシーリング装置2のものと同様に構成されたシーリング輪郭およびヒーターが提供される。
【0077】
図2および
図3は、シーリング装置2、特にヒーター6の詳細を示す。シーリング装置2、すなわちシーリング装置のヒーター6は、好ましくは、シーリング輪郭を加熱するための複数の加熱素子22を含む。シーリング装置2は、複数のセンサー素子24をさらに備えてもよく、これらは、好ましくは、加熱素子22および/またはシーリング輪郭4の温度を検出するように構成される。センサー素子24は、それぞれストリップ導体として構成することができるが、ワイヤによって形成することもできる。複数の加熱素子22および複数のセンサー素子24は、キャリア基板26に適用され得る。例えば、ストリップ導体は、キャリア基板26の蓋フィルムに面する側、すなわち、キャリア基板26の絶縁体8から離れて面している側に印刷され得る。キャリア基板26は、好ましくは、セラミック材料でできている。その結果、効果的な局所制御を備えた非常に動的なヒーター6が提供される。保護層16は、
図2に示すように、複数の加熱素子22および複数のセンサー素子24を覆って、それらを摩耗から保護することができる。
図3による上面図では、シーリング輪郭4および保護層16は、加熱素子22がより明確に見えるように、部分的にのみ破線で示されている。
【0078】
図2による実施形態では、複数の加熱素子22の各加熱素子22は、例えば、別個のワイヤ、ストリップ導体、またはセンサーによって、複数のセンサー素子24の各センサー素子24とは別個に形成される。
【0079】
図3による実施形態では、1つの加熱素子22および1つのセンサー素子24は、一体型ユニットとして、ここでは、例えば、単一のストリップ導体として構成されている。すなわち、複数の加熱素子22のそれぞれは、一体型要素内の複数のセンサー素子24のうちの1つと組み合わされる。これは、例えば、複数の加熱素子22が電気抵抗ヒーターであるという点で達成することができる。結果として、それらの抵抗は、温度の関数として変化し、したがって、温度は、加熱素子22の抵抗に基づいて検出可能である。別段の記載がない限り、2つの実施形態のいずれかを必要に応じて使用し、2つの実施形態のいずれかを必要に応じて使用し、本明細書に記載のシーリング装置2の他の特徴のいずれかと組み合わせることができる。
【0080】
図1および
図3を一緒に検討することから分かるように、シーリング輪郭4は、複数のセグメント28に分割される。
図3に示される例示的な実施形態では、複数のセグメント28は、8つのセグメント28a、28b、28c、28d、28e、28f、28g、28hを含む。シーリング輪郭4は、構造的にセグメント28a-28hに分割する必要はない。例えば、シーリング輪郭4は、示されるように、複数の加熱素子22の配置に対応してセグメント28a-28hに「仮想的に」分割することができる。そのため、複数のセグメント28のうちの各セグメント28a-28hは、複数の加熱素子22のうちの1つの加熱素子22および好ましくは、複数のセンサー素子24のうちの1つのセンサー素子24を含む。セグメント28a-28hは、好ましくは、互いに直接隣接して、シーリング輪郭4に沿って連続的に配置される。各加熱素子22は、それに割り当てられたシーリング輪郭4の対応するセグメント28a-28hを加熱し、各センサー素子24は、それに割り当てられたシーリング輪郭4の対応するセグメント28a-28h、特にその温度を監視する。結果として、複数のセグメント28の各セグメント28a-28hは、個別に作動および監視することができる。
【0081】
図4aおよび
図4bは、本明細書に記載のシーリング装置2および本明細書に記載の方法によって製造することができるパッケージ30の斜視図を示す。パッケージ30は、製品キャビティ34が形成された成形部品32と、成形部品32にシールされた蓋フィルム36とを含む。説明と明確さのために、蓋フィルム36は、
図4bにのみ示されており、
図4aでは、その下部の構造を明確にするために、蓋フィルム36は、省略されている。成形部品32は、例えば、コンタクトレンズの包装に使用されるような射出成形部品であり得るか、または、例えば、医薬品の包装に使用されるようなブリスターパックであり得る。製品キャビティ34は、好ましくは、成形部品32内のポケットとして構成され、好ましくは、製品および/または流体(図示せず)を受け入れる。成形部品32は、好ましくは、製品キャビティ34を取り囲み、蓋フィルム36と接触するフランジ38を含む。
【0082】
蓋フィルム36は、製品キャビティ34を取り囲む継ぎ目40に沿って成型部品32にシールされる。この目的のために、フランジ38は、継ぎ目40が形成されるシール面を提供し得る。
【0083】
蓋フィルム36は、成形部品32に接続されておらず、開封タブ41とも呼ばれる第1の自由領域41を備える。開封タブ41は、ユーザが蓋フィルム36を成形部品32から引き抜くために把持することができる。蓋フィルム36を引き抜いてパッケージ30を開く引き抜き方向は、
図4bに矢印Xで示されている。引き抜き方向Xは、蓋フィルム36開封タブ41から端部セクション43に向かって延在している。端部セクション43は、パッケージ30が開封されている間、成形部品32に最も長い時間接続されたままであるか、成形部品32に恒久的に接続されているセクションである。
【0084】
図5は、パッケージ30の成形部品32の上面図を示し、ここで、製品キャビティ34を取り囲む継ぎ目40を説明するために、継ぎ目40に沿って成型部品32にシールされる蓋フィルム36は表示されていない。継ぎ目40は、製品キャビティ34を完全に取り囲み、漏れ防止の方法で製品キャビティ34を密閉する。
図3および
図5の組み合わせから導き出すことができるように、シーリング装置2の継ぎ目40およびシーリング輪郭4は、好ましくは、対応する形状を有する。
【0085】
理解を深めるために、継ぎ目40を形成するために蓋フィルム36と接触するシーリング輪郭4の複数のセグメント28の分割も
図5に示されている。継ぎ目40は、複数のセクションA1、A2、A3(
図7を参照)に分割され、それぞれに、シーリング輪郭4の1つまたは複数のセグメント28a-28hを割り当てることができる。
【0086】
図6は、例として、成形部品32から蓋フィルム36を引き抜くのに必要な引き抜き力Fの力-変位図を示し、変位は、
図7にも示される分離長さLに対応する。引き抜き力または引き抜き力曲線は、上記のように、最初のピーク44、プラトー46、および最後のピーク48を有する。
図7に示されるように、分離長さLは、好ましくは、引き抜き方向に平行であるように定義される。
【0087】
図6による引き抜き力曲線は、参照パッケージの参照曲線と見なすことができる。参照パッケージは、
図4のパッケージに対応することができ、ここで、蓋フィルム36は、初期シーリングパラメータを使用することによって、特に均一なシーリング温度を使用することによって、シーリング輪郭4に沿って成形部品32にシールされている。
【0088】
図6は、最小力F
minと最大力F
maxも示している。最小力F
minは、特に十分に漏れのない継ぎ目40を提供するために、成形部品32への蓋フィルム36の十分に強い結合に必要な所定の引き抜き力に対応する。最大力F
maxは、成形部品32から蓋フィルム36を容易に除去することが可能な最大力である所定の引き抜き力に対応する。図から、最初のピーク44および最後のピーク48が最大力F
maxを超えることが導き出され得る。
【0089】
本明細書に記載の方法を用いて、引き抜き力が所望の許容範囲外にある領域、例えば、最初のピーク44および最後のピーク48の領域において、プラトー46の領域などの他の領域の引き抜き力を最小力Fmin未満に下げる効果を同時に持つことなしに、引き抜き力を効果的に低減することが可能になった。
【0090】
本発明の一実施形態による方法を、
図6-
図8を参照して以下に説明する。
【0091】
最初に、生成される継ぎ目40、特に製品キャビティ34の周りのそのコースおよびその幾何学的構成は、例えば、
図4、
図5、および
図7に見られるように、ステップ(a)で定義される。次に、生成される継ぎ目40は、ステップ(b)において、複数のセクションA1、A2、およびA3に分割され、これらは、少なくとも第1のセクションA1、第2のセクションA2、そしてこの実施形態では、第3のセクションA3も含む(
図7を参照)。継ぎ目40のセクションA1、A2、およびA3への分割は、例えば、経験値、継ぎ目40のレイアウト、または制御ユニット12によるフィードバック制御/最適化プロセスに基づいて実行することができる。
【0092】
好ましい実施形態では、ステップ(b)に従って生成される継ぎ目40の分割は、
図6に示されるような、参照曲線に基づいて実行される。当該参照曲線は、参照パッケージの参照引き抜き力対引き抜き方向Xにおける変位距離L(すなわち、分離長さ)の特性を示すコースに対応している。この目的のために、参照パッケージの参照曲線は、最初にステップ(b1)で決定されてもよい。
【0093】
次に、参照曲線に基づいて複数のセクションA1、A2、A3が決定され、継ぎ目40が複数のセクションA1、A2、A3に分割される(ステップ(b2))。特に、セクションA1、A2、A3間の境界は、参照曲線の図に基づいて定義できる。例えば、分離長さLの第1の長さL
1は、最初のピーク44が、蓋フィルムが最初に形成された部分から分離される開始点L
0と第1の長さL
1との間にあるように決定される。第2の長さL
2は、プラトー46が第1の長さL
1と、第2の長さL
2の間にあるように選択することができる。最後に、第3の長さL
3は、最後のピーク48が第2の長さと第3の長さL
2、L
3の間にあるように決定することができる。
図7に示すように、次に、第1、第2、および第3の長さL
1、L
2、L
3をパッケージ30および継ぎ目40に移すことができる。このようにして、異なる要件が課せられる引き抜き力のそれらの領域に従って、継ぎ目40のセクションA1、A2、およびA3が定義される。
【0094】
図7に見られるように、長さL
1、L
2、およびL
3は、このようにして継ぎ目40のセクションA1、A2、およびA3を決定するために、引き抜き方向Xでパッケージ30に移すことができる。したがって、継ぎ目40のA1は、分離長さの第1の長さL
1に対応し、継ぎ目40の第2のセクションA2は、分離長さの第2の長さL
2に対応し、継ぎ目40の第3のセクションA3は、分離長さの3番目の長さL
3に対応する。第1、第2、および第3のセクションA1、A2、A3は、引き抜き方向Xで前後に配置されている。
【0095】
図4および
図7の組み合わせから、この例示的な実施形態の第1のセクションA1は蓋フィルム36が最初の成形部品32から分離されてパッケージ30を開き、その領域は、好ましくは、蓋フィルム36が開封タブ41を含む。第2のセクションA2は、蓋フィルム36が第3のセクションA3に向かって引き抜き方向Xに引き抜かれる引き抜きセクションである。ここで、第2のセクションA2は、継ぎ目40の2つのサブセクション、すなわち、左および右のセクションを含み、これらは、第1および第3のセクションA1、A3によって互いに接続されている。第3のセクションA3は、パッケージ30の開封中に最も長い期間、成形部品32に接続されたままである端部セクションであるか、または成形部品32に恒久的に接続することさえできる。
【0096】
ステップ(c)によれば、成形部品32から蓋フィルム36を引き抜くための引き抜き力Fが、複数のセクションA1、A2、A3のうちの少なくとも1つのセクションについて決定され、少なくとも第1の引き抜き力が第1のセクションに対して決定される。引き抜き力は、好ましくは、各セクションについて決定される。すなわち、セクションA2については第2の引き抜き力F、第3のセクションA3については第3の引き抜き力も決定される。
【0097】
この目的のために、ステップ(c)に従って、公称引き抜き力を事前に指定し、それをシステムに保存して、制御ユニット12で使用することができる。ただし、ステップ(c)は、最大引き抜き力F
maxを定義するステップを含むこともできる。加えて、または代替として、ステップ(c)は、最小引き抜き力F
minを定義するステップを含むことができる。
図6および
図7に示される例では、ステップ(c)は、前述のように、第1のセクションA1の最大の第1の引き抜き力および第2のセクションA2の最小の第2の引き抜き力の定義を含む。
【0098】
図8bに示すように、ステップ(c)に従って少なくとも1つのセクションの引き抜き力を決定するステップは、参照曲線(
図6)に基づいて実行することもできる。したがって、ステップ(c)は、好ましくは、参照引き抜き力が許容範囲外にある参照曲線の領域を定義するステップ(ステップ(c1))、および継ぎ目40の複数のセクションA1、A2、A3の、参照引き抜き力が許容範囲外にある領域に対応する各セクションを決定するステップ(ステップ(c2))を含む。ステップ(c2)に従って決定されたセクションについては、許容範囲内にある引き抜き力が次にステップ(c3)で決定される。
【0099】
たとえば、許容範囲は、最小引き抜き力F
minと最大引き抜き力F
maxの間で定義でき(
図6を参照)、この許容範囲外にある参照曲線の領域は、最初のピーク44になる。最初のセクションA1は、引き抜き力が最初のピーク44を構成する領域に対応するため、ステップ(c2)で適宜決定される。ステップ(c3)によれば、最初のセクションA1の最小と最大の引き抜き力F
min、F
maxの間に引き抜き力が定義される。
【0100】
ここで、蓋フィルム36は、ステップ(d)に従って、成形部品32にシールすることができる。そのために、シーリング装置2のシーリング温度を設定する。少なくとも、ステップ(c)に従って以前に引き抜き力が決定された第1のセクションA1については、ステップ(c)に従って決定された引き抜き力に基づいてシーリング温度が調整される。したがって、本例では、第1のセクションA1のシーリング温度は、より低いシーリング強度、したがってより低い引き抜き力を得るために、参照パッケージの第1のセクションのシーリング温度よりも低く設定される。第1のセクションA1は、好ましくは、所定の最大引き抜き力より下にある。少なくとも第1のセクションA1のシーリング温度が変化するため、第1のセクションA1の第1のシーリング温度と第2のセクションA2の第2のシーリング温度が異なる。この例で、第2のセクションA2の第2のシーリング温度も低下すると、第2のセクションA2の引き抜き力が最小引き抜き力Fminを下回る危険性がある。
【0101】
図7から、シーリング輪郭4の少なくとも第1のセグメント28aが第1のセクションA1に割り当てられ、シーリング輪郭4の少なくとも第2のセグメント28bが第2のセクションA2に割り当てられていることが分かる。さらに、セグメント28hはまた、第1のセクションA1に割り当てられ得、セグメント28c、f、gはまた、第2のセクションA2に割り当てられ得る。セグメント28dおよび28eは、ここで第3のセクションA3に割り当てられている。
【0102】
上記のように複数の加熱素子22(
図3参照)により各セグメント28a-28hで個別にシーリング温度を設定できるため、シーリング温度を設定することは、シーリング装置2の各セグメント28a-28hのシーリング温度を設定するステップを含む。その結果、継ぎ目40の各セクションA1、A2、A3は、必要に応じて個別のシーリング温度でシールすることができる。
【0103】
シーリング装置2の適切な設定がなされたら、ステップ(d)に従って、継ぎ目40に沿って、蓋フィルム36を成形部品32にシールすることができる。この目的のために、シーリング輪郭4の複数のセグメント28は、設定されたシーリング温度に従って加熱され、蓋フィルム36と接触して、蓋フィルム36を成形部品32にシールし、それによって継ぎ目40を形成する。その結果、パッケージ30が製造され、その蓋フィルム36は、引き抜き方向Xの所望の引き抜き力で成形部品32から分離することができ、引き抜き方向Xの引き抜き力は、十分に強い結合が得られ、同時にパッケージが容易に開封できるように、必要に応じて調整される。
【外国語明細書】