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特開2022-82582符号化方法及びその装置、復号方法及びその装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082582
(43)【公開日】2022-06-02
(54)【発明の名称】符号化方法及びその装置、復号方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/52 20140101AFI20220526BHJP
   H04N 19/105 20140101ALI20220526BHJP
   H04N 19/176 20140101ALI20220526BHJP
   H04N 19/463 20140101ALI20220526BHJP
【FI】
H04N19/52
H04N19/105
H04N19/176
H04N19/463
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037060
(22)【出願日】2022-03-10
(62)【分割の表示】P 2020543270の分割
【原出願日】2018-07-13
(31)【優先権主張番号】62/636,459
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,スンス
(72)【発明者】
【氏名】パク,ミンウ
(57)【要約】
【課題】ビデオ復号方法を提供する。
【解決手段】ビデオ復号方法は、現在ブロックが含まれた上位データ単位に、UMVEモードが許容されるか否かということを決定する段階、上位データ単位にUMVEモードが許容される場合、現在ブロックにUMVEモードが適用されるか否かということを決定する段階、現在ブロックにUMVEモードが適用される場合、現在ブロックの基本動きベクトルを決定する段階、基本動きベクトルの補正のための補正サイズ及び補正方向を決定する段階、補正サイズ及び補正方向により、基本動きベクトルを補正し、現在ブロックの動きベクトルを決定する段階、現在ブロックの動きベクトルに基づいて、現在ブロックを復元する段階を含む。
【選択図】図28
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の補正サイズ候補セットのうち、1つを示す補正サイズ範囲情報をビットストリームから獲得する段階と、
補正サイズ情報及び補正方向情報を、前記ビットストリームから獲得する段階と、
前記補正サイズ範囲情報及び前記補正サイズ情報を利用し、基本動きベクトルの補正サイズを決定する段階と、
前記補正サイズ及び前記補正方向情報によって前記基本動きベクトルを補正し、現在ブロックの動きベクトルを決定する段階と、を含み、
前記複数の補正サイズ候補セットのうち1つのセットは、複数の候補を含み、
前記複数の補正サイズ候補セットのうち、前記補正サイズ範囲情報によって1つの補正サイズ候補セットが選択され、
前記補正サイズは、前記選択された補正サイズ候補セットに含まれた補正サイズ候補のうち、前記補正サイズ情報が示すと決定されることを特徴とするビデオ復号方法。
【請求項2】
複数の補正サイズ候補セットのうち、1つを示す補正サイズ範囲情報をビットストリームから獲得し、
補正サイズ情報及び補正方向情報を、前記ビットストリームから獲得し、
前記補正サイズ範囲情報及び前記補正サイズ情報を利用して補正サイズ決定し、
前記補正サイズ及び前記補正方向情報によって基本動きベクトルを補正し、現在のブロックの動きベクトルを決定するための動作を行うプロセッサを含み、
前記複数の補正サイズ候補セットのうち1つのセットは、複数の候補を含み、
前記複数の補正サイズ候補セットのうち、前記補正サイズ範囲情報によって1つの補正サイズ候補セットが選択され、
前記補正サイズは、前記選択された補正サイズ候補セットに含まれた補正サイズ候補のうち、前記補正サイズ情報が示すと決定されることを特徴とするビデオ復号装置。
【請求項3】
複数の補正サイズ候補セットのうち、1つを示す補正サイズ範囲情報を生成する段階と、
現在ブロックの動きベクトルと基本動きベクトルとの差に基づき、補正サイズ及び補正方向を決定する段階と、
前記補正サイズ範囲内で選択された前記補正サイズを示すための補正サイズ情報を生成する段階と、
前記補正方向を示すための補正方向情報を生成する段階と、
前記補正サイズ範囲情報、前記補正サイズ情報、及び前記補正方向情報を含むビットストリームを出力する段階と、を含み、
前記複数の補正サイズ候補セットのうち、1つのセットは、複数の候補を含み、
前記補正サイズ範囲情報は、前記複数の補正サイズ候補セットのうち、1つの補正サイズ候補セットを示し、
前記補正サイズ情報は、前記補正サイズ候補セットに含まれた補正サイズ候補のうち、前記補正サイズを示すことを特徴とするビデオ符号化方法。
【請求項4】
複数の補正サイズ候補セットのうち、1つを示す補正サイズ範囲情報を生成し、
現在のブロックの動きベクトルと基本動きベクトルとの差に基づいて補正サイズ及び補正方向を決定し、
前記補正サイズ範囲内で選択された前記補正サイズを示すための補正サイズ情報を生成し、
前記補正方向を示すための補正方向情報を生成し、
前記補正サイズ範囲情報、前記補正サイズ情報、及び前記補正方向情報を含むビットストリームを出力するための動作を行うプロセッサを含み、
前記複数の補正サイズ候補セットのうち、1つのセットは、複数の候補を含み、
前記補正サイズ範囲情報は、前記複数の補正サイズ候補セットのうち、1つの補正サイズ候補セットを示し、
前記補正サイズ情報は、前記補正サイズ候補セットに含まれた補正サイズ候補のうち、前記補正サイズを示すことを特徴とするビデオ符号化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオの符号化方法及び復号方法に係り、さらに具体的には、効率的に動きベクトルに係わる情報を符号化及び復号する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高画質のビデオは、符号化時、多量のデータが要求される。しかし、ビデオデータを伝達するために許容される帯域幅は、限定されており、ビデオデータ伝送時に適用されるデータレートが制限されてしまう。従って、効率的なビデオデータの伝送のために、画質の劣化を最小化させながら、圧縮率を上昇させたビデオデータの符号化方法及び復号方法が必要である。
【0003】
ビデオデータは、ピクセル間の空間的重複性及び時間的重複性を除去することによっても圧縮される。隣接したピクセル間に共通した特徴を有するのが一般的であるために、隣接したピクセル間の重複性を除去するために、ピクセルからなるデータ単位で符号化情報が伝送される。
【0004】
データ単位に含まれたピクセルのピクセル値は、直接伝送されず、ピクセル値を獲得するために必要な方法が伝送される。ピクセル値を、原本値と類似して予測する予測方法がデータ単位ごとに決定され、予測方法に係わる符号化情報が、符号化器から復号器に伝送される。また、予測値が原本値と完全に同じではないので、原本値と予測値との差に係わるレジデュアルデータが符号化器から復号器に伝送される。
【0005】
予測が正確になるほど、予測方法の特定に必要な符号化情報が増加するが、レジデュアルデータの大きさが低減される。従って、符号化情報とレジデュアルデータとの大きさを考慮して予測方法が決定される。特に、ピクチャで分割されたデータ単位は、多様な大きさを有するが、データ単位が大きいほど、予測の正確度が低下する可能性が高い代わりに、符号化情報が低減される。従って、ピクチャ特性に合うように、ブロックの大きさが決定される。
【0006】
また、予測方法には、イントラ予測とインター予測とがある。イントラ予測は、ブロックの周辺ピクセルから、ブロックのピクセルを予測する方法である。インター予測は、ブロックが含まれたピクチャが参照する他のピクチャのピクセルを参照し、ピクセルを予測する方法である。従って、イントラ予測により、空間的重複性が除去され、インター予測により、時間的重複性が除去される。
【0007】
予測方法の数が増加するほど、予測方法を示すための符号化情報の量は、増加する。従って、ブロックに適用される符号化情報も、他のブロックから予測し、符号化情報の大きさを低減させることができる。
【0008】
人間の視覚が認知することができない限度において、ビデオデータの損失が許容されるが、レジデュアルデータを、変換過程及び量子化過程により、損失圧縮(Lossy compression)し、レジデュアルデータの量を減少させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
UMVE(ultimate motion vector expression)モードによるインター予測を行うビデオ符号化方法及びビデオ符号化装置が開示される。また、UMVEモードによるインター予測を行うビデオ復号方法及びビデオ復号装置が開示される。併せて、本開示の一実施形態によるビデオ符号化方法及びビデオ復号方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体が開示される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示において、現在ブロックが含まれた上位データ単位にUMVEモードが許容されるか否かということを決定する段階、前記上位データ単位にUMVEモードが許容される場合、前記現在ブロックにUMVEモードが適用されるか否かということを決定する段階、前記現在ブロックにUMVEモードが適用される場合、前記現在ブロックの基本動きベクトルを決定する段階、前記基本動きベクトルの補正のための補正サイズ及び補正方向を決定する段階、前記補正サイズ及び前記補正方向により、前記基本動きベクトルを補正し、前記現在ブロックの動きベクトルを決定する段階、前記現在ブロックの動きベクトルに基づいて、前記現在ブロックを復元する段階を含むビデオ復号方法が提供される。
【0011】
本開示において、現在ブロックが含まれた上位データ単位にUMVEモードが許容されるか否かということを決定し、前記上位データ単位にUMVEモードが許容される場合、前記現在ブロックにUMVEモードが適用されるか否かということを決定し、前記現在ブロックにUMVEモードが適用される場合、前記現在ブロックの基本動きベクトルを決定し、前記基本動きベクトルの補正のための補正サイズ及び補正方向を決定し、前記補正サイズ及び前記補正方向により、前記基本動きベクトルを補正し、前記現在ブロックの動きベクトルを決定し、前記現在ブロックの動きベクトルに基づいて、前記現在ブロックを復元するプロセッサを含むビデオ復号装置が提供される。
【0012】
現在ブロックが含まれた上位データ単位にUMVEモードが許容されるか否かということを決定する段階、前記現在ブロックに係わる動きベクトルを決定する段階、前記上位データ単位にUMVEモードが許容される場合、前記動きベクトルにより、前記現在ブロックにUMVEモードが適用されるか否かということを決定する段階、前記動きベクトルにより、前記現在ブロックの基本動きベクトルと、前記基本動きベクトルの補正のための補正サイズ及び補正方向と、を決定する段階、及び前記現在ブロックのUMVEモードに係わる情報を含むビットストリームを出力する段階を含むビデオ符号化方法が提供される。
【0013】
現在ブロックが含まれた上位データ単位にUMVEモードが許容されるか否かということを決定し、前記現在ブロックに係わる動きベクトルを決定し、前記上位データ単位にUMVEモードが許容される場合、前記動きベクトルにより、前記現在ブロックにUMVEモードが適用されるか否かということを決定し、前記動きベクトルにより、前記現在ブロックの基本動きベクトルと、前記基本動きベクトルの補正のための補正サイズ及び補正方向と、を決定し、前記現在ブロックのUMVEモードによる符号化情報を含むビットストリームを出力するプロセッサを含むビデオ符号化装置が提供される。
【0014】
前記ビデオ符号化方法及び前記ビデオ復号方法を遂行するプログラムが記録されたコンピュータに記録可能な記録媒体が提供される。
【0015】
本実施例がなすべき技術的課題は、前述のような技術的課題に限定されるものではなく、以下の実施形態から、他の技術的課題が類推されるのである。
【発明の効果】
【0016】
UMVEモードによって映像に含まれたブロックをインター予測することにより、映像の符号化率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】本開示の一実施形態により、ツリー構造による符号化単位に基づいた映像符号化装置のブロック図である。
図1B】一実施形態により、ツリー構造による符号化単位に基づいた映像復号装置のブロック図である。
図2】一実施形態により、現在符号化単位が分割され、少なくとも1つの符号化単位が決定される過程を図示する図である。
図3】一実施形態により、非正方形状である符号化単位が分割され、少なくとも1つの符号化単位が決定される過程を図示する図である。
図4】一実施形態により、ブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つに基づいて、符号化単位が分割される過程を図示する図である。
図5】一実施形態により、奇数個の符号化単位において、所定符号化単位が決定される方法を図示する図である。
図6】一実施形態により、現在符号化単位が分割され、複数個の符号化単位が決定される場合、複数個の符号化単位が処理される順序を図示する図である。
図7】一実施形態により、所定順序で符号化単位が処理されえない場合、現在符号化単位が奇数個の符号化単位に分割されると決定される過程を図示する図である。
図8】一実施形態により、第1符号化単位が分割され、少なくとも1つの符号化単位が決定される過程を図示する図である。
図9】一実施形態により、第1符号化単位が分割されて決定された非正方形状の第2符号化単位が所定条件を満足する場合、第2符号化単位が分割されうる形態が制限されることを図示する図である。
図10】一実施形態により、分割形態情報が、4個の正方形状の符号化単位に分割することを示すことができない場合、正方形状の符号化単位が分割される過程を図示する図である。
図11】一実施形態により、複数個の符号化単位間の処理順序が、符号化単位の分割過程によって異なりうることを図示した図である。
図12】一実施形態により、符号化単位が再帰的に分割されて複数個の符号化単位が決定される場合、符号化単位の形態及び大きさが変わることにより、符号化単位の深度が決定される過程を図示する図である。
図13】一実施形態により、符号化単位の形態及び大きさによっても決定される深度、及び符号化単位区分のためのインデックス(PID:part index)を図示する図である。
図14】一実施形態により、ピクチャに含まれる複数個の所定データ単位により、複数個の符号化単位が決定されたところを図示する図である。
図15】一実施形態により、ピクチャに含まれる基準符号化単位の決定順序を決定する基準になるプロセッシングブロックを図示する図である。
図16】UMVEモードによるインター予測方法について説明する図である。
図17】UMVEモードによって復号を行うビデオ復号装置のブロック図である。
図18】基本動きベクトルを基準に、菱形状の分布を有するUMVEモードの動きベクトル候補を図示する図である。
図19】基本動きベクトルを基準に、長方形状の分布を有するUMVEモードの動きベクトル候補を図示する図である。
図20】各グループごとに異なる個数の動きベクトル候補を有するUMVEモードの一実施例を図示する図である。
図21】各グループごとに動きベクトル候補の分布形態が異なるUMVEモードの一実施例を図示する図である。
図22】双予測による2個の基本動きベクトルの補正方法の一実施形態を示す図である。
図23】スキップモードにおいて、現在ブロックのインターモードツールを選択する方法を図示する図である。
図24】現在ブロックが含まれた現在スライスのスライスタイプがPタイプであるとき、ダイレクトモードにおいて、現在ブロックのインターモードツールを選択する方法が開示する。
図25】現在ブロックが含まれた現在スライスのスライスタイプがBタイプであるとき、ダイレクトモードにおいて、現在ブロックのインターモードツールを選択する方法が開示する。
図26】UMVEモードの一実施形態による復号方法のフローチャートである。
図27】UMVEモードの一実施形態により、インター予測を行うビデオ符号化装置のブロック図である。
図28】UMVEモードの一実施形態による符号化方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
現在ブロックが含まれた上位データ単位にUMVE(ultimate motion vector expression)モードが許容されるか否かということを決定する段階、前記上位データ単位にUMVEモードが許容される場合、前記現在ブロックにUMVEモードが適用されるか否かということを決定する段階、前記現在ブロックにUMVEモードが適用される場合、前記現在ブロックの基本動きベクトルを決定する段階、前記基本動きベクトルの補正のための補正サイズ及び補正方向を決定する段階、前記補正サイズ及び前記補正方向により、前記基本動きベクトルを補正し、前記現在ブロックの動きベクトルを決定する段階、前記現在ブロックの動きベクトルに基づいて、前記現在ブロックを復元する段階を含むビデオ復号方法が提供される。
【0019】
開示された実施形態の特徴、及びそれらを達成する方法は、添付される図面と共に、後述されている実施形態を参照すれば、明確になるであろう。しかし、本開示は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態にも具現され、ただ、本実施形態は本開示の開示を完全なものにし、本開示が属する技術分野において当業者に、発明の範疇を完全に知らせるために提供されるのみである。
【0020】
本明細書で使用される用語について簡略に説明し、開示された実施形態について具体的に説明する。
【0021】
本明細書で使用される用語は、本開示での機能を考慮しながら、可能な限り現在汎用される一般的な用語を選択したが、それは、関連分野に携わる技術者の意図、判例、または新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本開示で使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、本開示の全般にわたる内容とを基に定義されなければならない。
【0022】
本明細書での単数の表現は、文脈上明白に単数であると特定しない限り、複数の表現を含む。
【0023】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」するとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書で使用される「部」という用語は、ソフトウェア、FPGAまたはASICのようなハードウェア構成要素を意味し、「部」は、ある役割を行う。しかしながら、「部」は、ソフトウェアまたはハードウェアに限定される意味ではない。「部」は、アドレッシングすることができる記録媒体にあるようにも構成され、1またはそれ以上のプロセッサを再生させるようにも構成される。従って、一例として、「部」は、ソフトウェア構成要素、客体志向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素及びタスク構成要素のような構成要素;並びにプロセス、関数、属性、プロシージャ、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバ、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ及び変数を含む。構成要素と、「部」において提供される機能は、さらに少数の構成要素、及び「部」に結合されるか、あるいはさらなる構成要素と「部」とにさらに分離されるのである。
【0024】
「現在ブロック」は、現在、符号化または復号される符号化単位、予測単位及び変換単位のうち一つを意味する。もし説明の便宜のために、予測単位、変換単位のようなその他種類のブロックを区分する必要があるときは、「現在符号化ブロック」、「現在予測ブロック」、「現在変換ブロック」が使用されもする。また、「下位ブロック」は、「現在ブロック」から分割されたデータ単位を意味する。そして、「上位ブロック」は、「現在ブロック」を含むデータ単位を意味する。
【0025】
以下、「サンプル」は、映像のサンプリング位置に割り当てられたデータとして、プロセッシング対象になるデータを意味する。例えば、空間領域の映像において、ピクセル値、変換領域上の変換係数がサンプルでもある。そのような少なくとも1つのサンプルを含む単位をブロックと定義することができる。
【0026】
以下では、添付した図面を参照し、実施形態について、本開示が属する技術分野において当業者が容易に実施することができるように詳細に説明する。そして、図面において、本開示を明確に説明するために説明と関係ない部分は、省略する。
【0027】
図1Aは、本開示の一実施形態により、ツリー構造による符号化単位に基づいた映像符号化装置100のブロック図を図示する。
【0028】
映像符号化装置100は、符号化部110、ビットストリーム生成部120を含む。
【0029】
符号化部110は、最大符号化単位の大きさにより、ピクチャ、またはピクチャに含まれたスライスを、複数の最大符号化単位に分割する。最大符号化単位は、サイズ32x32,64x64,128x128,256x256のようなデータ単位であり、縦横サイズが2の自乗である正方形のデータ単位でもある。符号化部110は、最大符号化単位の大きさを示す最大符号化単位サイズ情報を、ビットストリーム生成部120に提供することができる。そして、ビットストリーム生成部120は、最大符号化単位サイズ情報をビットストリームに含めることができる。
【0030】
符号化部110は、最大符号化単位を分割し、符号化単位を決定する。符号化単位の分割いかんは、率・歪曲最適化(rate-distortion optimization)により、符号化単位の分割が効率的であるか否かということによって決定される。そして、符号化単位が分割されたか否かということを示す分割情報が生成されるのである。該分割情報は、フラグ形態によっても表現される。
【0031】
符号化単位は、多様な方法によっても分割される。例えば、正方形の符号化単位は、幅と高さとが半分である4個の正方形の符号化単位にも分割される。正方形の符号化単位は、幅が半分である2個の長方形の符号化単位にも分割される。正方形の符号化単位は、高さが半分である2個の長方形の符号化単位にも分割される。正方形の符号化単位は、幅または高さを1:2:1に分割することにより、3つの符号化単位にも分割される。
【0032】
幅が高さの2倍である長方形の符号化単位は、2個の正方形の符号化単位にも分割される。幅が高さの2倍である長方形の符号化単位は、2個の幅が高さの4倍である長方形の符号化単位にも分割される。幅が高さの2倍である長方形の符号化単位は、幅を1:2:1に分割することにより、2個の長方形の符号化単位、及び1つの正方形の符号化単位にも分割される。
【0033】
同様に、高さが幅の2倍である長方形の符号化単位は、2個の正方形の符号化単位にも分割される。また、高さが幅の2倍である長方形の符号化単位は、2個の高さが幅の4倍である長方形の符号化単位にも分割される。同様に、高さが幅の2倍である長方形の符号化単位は、高さを1:2:1に分割することにより、2個の長方形の符号化単位、及び1つの正方形の符号化単位にも分割される。
【0034】
映像符号化装置100において、2個以上の分割方法が使用可能である場合、映像符号化装置100で使用可能な分割方法のうち、符号化単位に使用されうる分割方法に係わる情報がピクチャごとにも決定される。従って、ピクチャごとに、特定の分割方法だけが使用されるようにも決定される。もし映像符号化装置100が1つの分割方法のみを使用する場合、符号化単位に使用されうる分割方法に係わる情報が別途に決定されない。
【0035】
特定サイズの符号化単位については、特定の分割方法によっても分割される。例えば、符号化単位サイズが256x265である場合、符号化単位は、幅と高さとが半分である4個の正方形の符号化単位にだけ分割されるようにも設定される。
【0036】
符号化単位の分割情報が、符号化単位が分割されることを示すとき、符号化単位の分割方法を示す分割形態情報が生成されもする。もし符号化単位が属したピクチャで使用されうる分割方法が一つである場合、分割形態情報は、生成されない。もし分割方法が符号化単位周辺の符号化情報に適応的に決定される場合、分割形態情報は、生成されない。
【0037】
前述のように、符号化単位の最大サイズにより、現在ピクチャの映像データは、最大符号化単位に分割される。そして、最大符号化単位は、最大符号化単位から階層的に分割された符号化単位を含んでもよい。上位符号化単位の分割形態により、下位符号化単位の形態と位置が決定されうる。そして、符号化単位の分割を制限する符号化単位の最小サイズがあらかじめ設定されてもいる。
【0038】
符号化部110は、符号化単位を階層的に分割したときの符号化効率と、符号化単位を分割していないときの符号化効率とを比較する。そして、符号化部110は、比較結果により、符号化単位を分割するか否かということを決定する。もし符号化単位の分割がさらに効率的であると決定された場合、符号化部110は、符号化単位を階層的に分割する。もし比較結果により、符号化単位を分割しない方が効率的であると決定された場合、符号化単位を分割しない。符号化単位の分割いかんは、隣接した他の符号化単位の分割いかんに独立しても決定される。
【0039】
最終的に分割された符号化単位は、イントラ予測またはインター予測によっても予測される。該イントラ予測は、予測単位周辺の参照サンプルを利用し、予測単位のサンプルを予測する方法である。該インター予測は、現在ピクチャが参照する参照ピクチャから参照サンプルを獲得し、予測単位のサンプルを予測する方法である。
【0040】
符号化部110は、イントラ予測のために、複数のイントラ予測方法を予測単位に適用し、最も効率的なイントラ予測方法を選択することができる。該イントラ予測方法には、DCモード、プラナ(planar)モード、垂直モード及び水平モードのような方向性(directional)モードなどが含まれる。
【0041】
該イントラ予測は、符号化単位周辺の復元サンプルを参照サンプルとして使用する場合、予測単位ごとにも行われる。しかし、符号化単位内部の復元サンプルが参照サンプルとして使用される場合、符号化単位内部の参照サンプルの復元が、予測より優先されなければならないので、変換単位の変換順序に、予測単位の予測順序が属する。従って、符号化単位内部の復元サンプルが、参照サンプルとして使用される場合、予測単位について、予測単位に対応する変換単位に対するイントラ予測方法だけが決定され、実質的なイントラ予測は、変換単位ごとにも行われるのである。
【0042】
符号化部110は、最適の動きベクトル及び参照ピクチャを決定することにより、最も効率的なインター予測方法を選択することができる。符号化単位決定部120は、インター予測のために、現在符号化単位から、空間的、時間的に隣接する符号化単位から複数の動きベクトル候補を決定し、そのうち、最も効率的な動きベクトルを動きベクトルとして決定することができる。同様に、現在符号化単位から、空間的、時間的に隣接する符号化単位から複数の参照ピクチャ候補を決定し、そのうち、最も効率的な参照ピクチャを決定することができる。実施形態により、参照ピクチャは、現在ピクチャについて事前に決定された参照ピクチャリストのうちからも決定される。実施形態により、予測の正確性のために、複数の動きベクトル候補のうち最も効率的な動きベクトルを、予測動きベクトルとして決定し、予測動きベクトルを補正し、動きベクトルを決定することができる。インター予測は、符号化単位内部の予測単位別ごとに並列的にも行われる。
【0043】
符号化部110は、スキップモードにより、動きベクトル及び参照ピクチャを示す情報のみを獲得し、符号化単位を復元することができる。該スキップモードによれば、動きベクトル及び参照ピクチャを示す情報を除き、残差信号を含んだ全ての符号化情報が省略される。該残差信号が省略されるので、予測の正確性が非常に高い場合、スキップモードが使用されうる。
【0044】
予測単位に対する予測方法によって使用されるパーティションモードが制限されもする。例えば、イントラ予測には、2Nx2N,NxNサイズの予測単位に係わるパーティションモードだけが適用される一方、インター予測には、2Nx2N,2NxN,Nx2N,NxNサイズの予測単位に係わるパーティションモードが適用されもする。また、インター予測のスキップモードには、2Nx2Nサイズの予測単位に係わるパーティションモードだけが適用されもする。映像符号化装置100において、各予測方法について許容されるパーティションモードは、符号化効率によっても変更される。
【0045】
映像符号化装置100は、符号化単位を基準に、変換を行うことができる。映像符号化装置100は、符号化単位に含まれたピクセルに係わる原本値と予測値との差値であるレジデュアルデータを、所定過程を経て変換させることができる。例えば、映像符号化装置100は、レジデュアルデータを、量子化及びDCT/DST変換を介して、損失圧縮を行うことができる。または、映像符号化装置100は、レジデュアルデータに対し、量子化なしに無損失圧縮を行うことができる。
【0046】
結論として、符号化部110は、複数のイントラ予測方法及びインター予測方法のうち、現在符号化単位に最も効率的な予測方法を決定する。そして、符号化部110は、予測結果による符号化効率により、現在符号化単位の予測方法を判断する。同様に、符号化部110は、変換結果による符号化効率により、変換方法を決定することができる。最も効率的な符号化単位の予測方法及び変換方法の決定方式により、最終的に符号化単位の符号化効率が決定される。符号化部110は、最終的に分割された符号化単位の符号化効率により、最大符号化単位の階層構造を確定する。
【0047】
符号化部110は、符号化単位の符号化効率性、予測方法の予測効率性などを、ラグランジュの乗法(Lagrangian multiplier)基盤の率・歪曲最適化技法を利用して測定することができる。
【0048】
符号化部110は、決定された最大符号化単位の階層構造により、符号化単位の分割いかんを示す分割情報を生成することができる。そして、符号化部110は、分割が完了した符号化単位について、予測単位の決定のためのパーティションモード情報及び変換単位の決定のための変換単位分割情報を生成することができる。また、符号化部110は、符号化単位の分割方法が2個以上である場合、分割方法を示す分割形態情報を、分割情報と共に生成することができる。そして、符号化部110は、予測単位及び変換単位に使用された予測方法及び変換方法に係わる情報を生成することができる。
【0049】
ビットストリーム生成部120は、最大符号化単位の階層構造により、符号化部110が生成した情報を、ビットストリームの形態に出力することができる。
【0050】
一実施形態による最大符号化単位のツリー構造による符号化単位、予測単位及び変換単位の決定方式については、図3ないし図12を参照して詳細に後述する。
【0051】
図1Bは、一実施形態により、ツリー構造による符号化単位に基づいた映像復号装置150のブロック図を図示する。
【0052】
映像復号装置150は、受信部160及び復号部170を含む。
【0053】
一実施形態による映像復号装置150の復号動作のための符号化単位、予測単位、変換単位、各種分割情報というような各種用語の定義は、図1及び映像符号化装置100を参照して説明したところと同一である。また、映像復号装置150の目的が、映像データの復元であるが、映像符号化装置100で使用された多様な符号化方法が映像復号装置150にも適用される。
【0054】
受信部160は、符号化されたビデオに係わるビットストリームを受信してパージングする。復号部170は、パージングされたビットストリームから、最大符号化単位別に、復号に必要な情報を抽出し、復号部170に提供する。復号部170は、現在ピクチャに係わるヘッダ、シーケンスパラメータセットまたはピクチャパラメータセットから、現在ピクチャの符号化単位の最大サイズに係わる情報を抽出することができる。
【0055】
また、復号部170は、パージングされたビットストリームから、最大符号化単位別に、ツリー構造による符号化単位に係わる分割情報を抽出する。抽出された分割情報は、復号部170に出力される。復号部170は、最大符号化単位を、抽出された分割情報によって分割し、最大符号化単位のツリー構造を決定することができる。
【0056】
復号部170が抽出した分割情報は、映像符号化装置100により、最小符号化誤差を発生させると決定されたツリー構造に係わる分割情報である。従って、映像復号装置150は、最小符号化誤差を発生させる符号化方式によってデータを復号し、映像を復元することができる。
【0057】
復号部170は、符号化単位に含まれた予測単位及び変換単位のようなデータ単位に係わる分割情報を抽出することができる。例えば、復号部170は、予測単位に係わる最も効率的なパーティションモードに係わる情報を抽出することができる。そして、復号部170は、変換単位において、最も効率的なツリー構造に係わる変換分割情報を抽出することができる。
【0058】
また、復号部170は、符号化単位から分割された予測単位について、最も効率的な予測方法に係わる情報を獲得することができる。そして、復号部170は、符号化単位から分割された変換単位について、最も効率的な変換方法に係わる情報を獲得することができる。
【0059】
復号部170は、映像符号化装置100のビットストリーム生成部120において、ビットストリームを構成する方式により、ビットストリームから情報を抽出する。
【0060】
復号部170は、分割情報に基づいて、最大符号化単位を、最も効率的なツリー構造を有する符号化単位に分割することができる。そして、復号部170は、パーティションモードに係わる情報により、符号化単位を予測単位に分割することができる。復号部170は、変換分割情報により、符号化単位を変換単位に分割することができる。
【0061】
復号部170は、予測単位を予測方法に係わる情報によって予測することができる。そして、復号部170は、変換単位を変換方法に係わる情報により、ピクセルの原本値と予測値との差に該当するレジデュアルデータを、逆量子化及び逆変換することができる。また、復号部170は、予測単位の予測結果と、変換単位の変換結果とにより、符号化単位のピクセルを復元することができる。
【0062】
図2は、一実施形態により、映像復号装置150が現在符号化単位を分割し、少なくとも1つの符号化単位を決定する過程を図示する。
【0063】
一実施形態により、映像復号装置150は、ブロック形態情報を利用し、符号化単位の形態を決定することができ、分割形態情報を利用し、符号化単位がいかなる形態に分割されるかということを決定することができる。すなわち、映像復号装置150が利用するブロック形態情報が、いかなるブロック形態を示すかということにより、分割形態情報が示す符号化単位の分割方法が決定されうる。
【0064】
一実施形態により、映像復号装置150は、現在符号化単位が、正方形状であることを示すブロック形態情報を利用することができる。例えば、映像復号装置150は、分割形態情報により、正方形の符号化単位を分割しないか、垂直に分割するか、水平に分割するか、あるいは4個の符号化単位に分割するかということなどを決定することができる。図2を参照すれば、現在符号化単位200のブロック形態情報が正方形状を示す場合、復号部180は、分割されないことを示す分割形態情報により、現在符号化単位200と同一サイズを有する符号化単位210aを分割しないか、あるいは所定分割方法を示す分割形態情報に基づいて分割された符号化単位210b,210c,210dなどを決定することができる。
【0065】
図2を参照すれば、映像復号装置150は、一実施形態により、垂直方向に分割されることを示す分割形態情報に基づき、現在符号化単位200を垂直方向に分割した2つの符号化単位210bを決定することができる。映像復号装置150は、水平方向に分割されることを示す分割形態情報に基づき、現在符号化単位200を水平方向に分割した2つの符号化単位210cを決定することができる。映像復号装置150は、垂直方向及び水平方向に分割されることを示す分割形態情報に基づき、現在符号化単位200を、垂直方向及び水平方向に分割した4つの符号化単位210dを決定することができる。ただし、正方形の符号化単位が分割されうる分割形態は、前述の形態に限定して解釈されるものではなく、分割形態情報が示すことができる多様な形態が含まれてもよい。正方形の符号化単位が分割される所定分割形態は、以下、多様な実施形態を介して具体的に説明することにする。
【0066】
図3は、一実施形態により、映像復号装置150が非正方形状である符号化単位を分割し、少なくとも1つの符号化単位を決定する過程を図示する。
【0067】
一実施形態により、映像復号装置150は、現在符号化単位が非正方形状であることを示すブロック形態情報を利用することができる。映像復号装置150は、分割形態情報により、非正方形の現在符号化単位を分割しないか、あるいは所定方法で分割するかということを決定することができる。図3を参照すれば、現在符号化単位300または350のブロック形態情報が非正方形状を示す場合、映像復号装置150は、分割されないことを示す分割形態情報により、現在符号化単位300または350と同一サイズを有する符号化単位310または360を分割しないか、あるいは所定分割方法を示す分割形態情報に基づいて分割された符号化単位320a,320b,330a,330b,330c,370a,370b,380a,380b,380cを決定することができる。非正方形の符号化単位が分割される所定分割方法は、以下において、多様な実施形態を介して具体的に説明することにする。
【0068】
一実施形態により、映像復号装置150は、分割形態情報を利用し、符号化単位が分割される形態を決定することができ、その場合、該分割形態情報は、符号化単位が分割されて生成される少なくとも1つの符号化単位の個数を示すことができる。図3を参照すれば、分割形態情報が2つの符号化単位に、現在符号化単位300または350が分割されることを示す場合、映像復号装置150は、分割形態情報に基づき、現在符号化単位300または350を分割し、現在符号化単位に含まれる2つの符号化単位320a,320b,または370a,370bを決定することができる。
【0069】
一実施形態により、映像復号装置150が分割形態情報に基づき、非正方形状の現在符号化単位300または350を分割する場合、非正方形の現在符号化単位300または350の長辺の位置を考慮し、現在符号化単位を分割することができる。例えば、映像復号装置150は、現在符号化単位300または350の形態を考慮し、現在符号化単位300または350の長辺を分割する方向に、現在符号化単位300または350を分割し、複数個の符号化単位を決定することができる。
【0070】
一実施形態により、分割形態情報が、奇数個のブロックに、符号化単位を分割することを示す場合、映像復号装置150は、現在符号化単位300または350に含まれる奇数個の符号化単位を決定することができる。例えば、分割形態情報が、3個の符号化単位に、現在符号化単位300または350を分割することを示す場合、映像復号装置150は、現在符号化単位300または350を、3個の符号化単位330a,330b,330c、380a,380b,380cに分割することができる。一実施形態により、映像復号装置150は、現在符号化単位300または350に含まれる奇数個の符号化単位を決定することができ、決定された符号化単位の大きさいずれもが同一であるわけではない。例えば、決定された奇数個の符号化単位330a,330b,330c、380a,380b,380cにおいて、所定符号化単位330bまたは380bの大きさは、他の符号化単位330a,330c、380a,380cとは異なる大きさを有することもできる。すなわち、現在符号化単位300または350が分割されて決定されうる符号化単位は、複数種類の大きさを有することができる。
【0071】
一実施形態により、分割形態情報が、奇数個のブロックに、符号化単位が分割されることを示す場合、映像復号装置150は、現在符号化単位300または350に含まれる奇数個の符号化単位を決定することができ、さらには、映像復号装置150は、分割して生成される奇数個の符号化単位のうち少なくとも1つの符号化単位に対して所定制限を置くことができる。図3を参照すれば、映像復号装置150は、現在符号化単位300または350が分割されて生成された3個の符号化単位330a,330b,330c、380a,380b,380cのうち中央に位置する符号化単位330b,380bに対する復号過程を、他の符号化単位330a,330c、380a,380cと異ならせることができる。例えば、映像復号装置150は、中央に位置する符号化単位330b,380bについては、他の符号化単位330a,330c,380a,380cと異なり、それ以上分割されないように制限したり、所定回数ほど分割されるように制限したりすることができる。
【0072】
図4は、一実施形態により、映像復号装置150がブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つに基づいて、符号化単位を分割する過程を図示する。
【0073】
一実施形態により、映像復号装置150は、ブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つに基づいて、正方形状の第1符号化単位400を符号化単位に分割するか、あるいは分割しないと決定することができる。一実施形態により、分割形態情報が、水平方向に第1符号化単位400を分割することを示す場合、映像復号装置150は、第1符号化単位400を水平方向に分割し、第2符号化単位410を決定することができる。一実施形態により、利用される第1符号化単位、第2符号化単位、第3符号化単位は、符号化単位間の分割前後関係を理解するために利用された用語である。例えば、第1符号化単位を分割すれば、第2符号化単位が決定され、第2符号化単位が分割されれば、第3符号化単位が決定されうる。以下においては、利用される第1符号化単位、第2符号化単位及び第3符号化単位の関係は、前述の特徴によるとも理解される。
【0074】
一実施形態により、映像復号装置150は、決定された第2符号化単位410をブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つに基づいて、符号化単位に分割するか、あるいは分割しないと決定することができる。図4を参照すれば、映像復号装置150は、ブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つに基づいて、第1符号化単位400を分割し、決定された非正方形状の第2符号化単位410を、少なくとも1つの第3符号化単位420a,420b,420c,420dなどに分割するか、あるいは第2符号化単位410を分割しない。映像復号装置150は、ブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つを獲得することができ、映像復号装置150は、獲得したブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つに基づいて、第1符号化単位400を分割し、例えば、多様な形態の複数個の第2符号化単位410に分割することができ、第2符号化単位410は、ブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つに基づいて、第1符号化単位400が分割された方式によっても分割される。一実施形態により、第1符号化単位400が、第1符号化単位400に係わるブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つに基づいて、第2符号化単位410に分割された場合、第2符号化単位410も、第2符号化単位410に係わるブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つに基づいて、例えば、第3符号化単位420a,420b,420c,420dなどにも分割される。すなわち、符号化単位は、符号化単位それぞれに係わる分割形態情報及びブロック形態情報のうち少なくとも一つに基づいて、再帰的にも分割される。符号化単位の再帰的分割に利用されうる方法については、多様な実施形態を介して、後述することにする。
【0075】
一実施形態により、映像復号装置150は、ブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つに基づいて、第3符号化単位420a,420b,420c,420dなどそれぞれを符号化単位に分割するか、あるいは第2符号化単位410を分割しないと決定することができる。映像復号装置150は、一実施形態により、非正方形状の第2符号化単位410を、奇数個の第3符号化単位420b,420c,420dに分割することができる。映像復号装置150は、奇数個の第3符号化単位420b,420c,420dにおいて、所定第3符号化単位に対して所定制限を置くことができる。例えば、映像復号装置150は、奇数個の第3符号化単位420b,420c,420dのうち、真ん中に位置する符号化単位420cについては、それ以上分割されないように制限するか、あるいは設定可能な回数に分割されなければならないと制限することができる。図4を参照すれば、映像復号装置150は、非正方形状の第2符号化単位410に含まれる奇数個の第3符号化単位420b,420c,420dのうち、真ん中に位置する符号化単位420cは、それ以上分割されないか、あるいは所定分割形態に分割(例えば、4個の符号化単位だけに分割するか、あるいは第2符号化単位410が分割された形態に対応する形態に分割する)されると制限するか、あるいは所定回数だけ分割(例えば、n回だけ分割される;n>0)すると制限することができる。ただし、真ん中に位置した符号化単位420cに対する前記制限は、単なる実施形態に過ぎないので、前述の実施形態に制限されて解釈されるものではなく、真ん中に位置した符号化単位420cが、他の符号化単位420b,420dと異なるように復号されうる多様な制限を含むと解釈されなければならない。
【0076】
一実施形態により、映像復号装置150は、現在符号化単位を分割するために利用されるブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つを、現在符号化単位内の所定位置で獲得することができる。
【0077】
一実施形態により、映像復号装置150は、現在符号化単位が、所定個数の符号化単位に分割された場合、そのうち1つの符号化単位を選択することができる。複数個の符号化単位のうち一つを選択するための方法は、多様でもあり、そのような方法に係わる説明は、以下の多様な実施形態を介して後述することにする。
【0078】
一実施形態により、映像復号装置150は、現在符号化単位を、複数個の符号化単位に分割し、所定位置の符号化単位を決定することができる。
【0079】
図5は、一実施形態により、映像復号装置150が、奇数個の符号化単位のうち、所定位置の符号化単位を決定するための方法を図示する。
【0080】
一実施形態により、映像復号装置150は、奇数個の符号化単位のうち、真ん中に位置する符号化単位を決定するために、奇数個の符号化単位それぞれの位置を示す情報を利用することができる。図5を参照すれば、映像復号装置150は、現在符号化単位500を分割し、奇数個の符号化単位520a,520b,520cを決定することができる。映像復号装置150は、奇数個の符号化単位520a,520b,520cの位置に係わる情報を利用し、真ん中符号化単位520bを決定することができる。例えば、映像復号装置150は、符号化単位520a,520b,520cに含まれる所定サンプルの位置を示す情報に基づき、符号化単位520a,520b,520cの位置を決定することにより、真ん中に位置する符号化単位520bを決定することができる。具体的には、映像復号装置150は、符号化単位520a,520b,520cの左側上端のサンプル530a,530b,530cの位置を示す情報に基づき、符号化単位520a,520b,520cの位置を決定することにより、真ん中に位置する符号化単位520bを決定することができる。
【0081】
一実施形態により、符号化単位520a,520b,520cにそれぞれ含まれる左側上端のサンプル530a,530b,530cの位置を示す情報は、符号化単位520a,520b,520cのピクチャ内での位置または座標に係わる情報を含んでもよい。一実施形態により、符号化単位520a,520b,520cにそれぞれ含まれる左側上端のサンプル530a,530b,530cの位置を示す情報は、現在符号化単位500に含まれる符号化単位520a,520b,520cの幅または高さを示す情報を含んでもよく、そのような幅または高さは、符号化単位520a,520b,520cのピクチャ内での座標間の差を示す情報にも該当する。すなわち、映像復号装置150は、符号化単位520a,520b,520cのピクチャ内での位置または座標に係わる情報を直接利用するか、あるいは座標間の差値に対応する符号化単位の幅または高さに係わる情報を利用することにより、真ん中に位置する符号化単位520bを決定することができる。
【0082】
一実施形態により、上端符号化単位520aの左側上端のサンプル530aの位置を示す情報は、(xa,ya)座標を示すことができ、真ん中符号化単位520bの左側上端のサンプル530bの位置を示す情報は、(xb,yb)座標を示すことができ、下端符号化単位520cの左側上端のサンプル530cの位置を示す情報は、(xc,yc)座標を示すことができる。映像復号装置150は、符号化単位520a,520b,520cにそれぞれ含まれる左側上端のサンプル530a,530b,530cの座標を利用し、真ん中符号化単位520bを決定することができる。例えば、左側上端のサンプル530a,530b,530cの座標を、昇順または降順で整列したとき、真ん中に位置するサンプル530bの座標である(xb,yb)を含む符号化単位520bを、現在符号化単位500が分割されて決定された符号化単位520a,520b,520cのうち、真ん中に位置する符号化単位と決定することができる。ただし、左側上端のサンプル530a,530b,530cの位置を示す座標は、ピクチャ内での絶対的な位置を示す座標を示すことができ、さらには、上端符号化単位520aの左側上端のサンプル530aの位置を基準に、真ん中符号化単位520bの左側上端のサンプル530bの相対的位置を示す情報である(dxb,dyb)座標、下端符号化単位520cの左側上端のサンプル530cの相対的位置を示す情報である(dxc,dyc)座標を利用することもできる。また、符号化単位に含まれるサンプルの位置を示す情報として、当該サンプルの座標を利用することにより、所定位置の符号化単位を決定する方法は、前述の方法に限定して解釈されるものではなく、サンプルの座標を利用することができる多様な算術的方法と解釈されなければならない。
【0083】
一実施形態により、映像復号装置150は、現在符号化単位500を複数個の符号化単位520a,520b,520cに分割することができ、符号化単位520a,520b,520cにおいて、所定基準により、符号化単位を選択することができる。例えば、映像復号装置150は、符号化単位520a,520b,520cにおいて、大きさが異なる符号化単位520bを選択することができる。
【0084】
一実施形態により、映像復号装置150は、上端符号化単位520aの左側上端のサンプル530aの位置を示す情報である(xa,ya)座標、真ん中符号化単位520bの左側上端のサンプル530bの位置を示す情報である(xb,yb)座標、下端符号化単位520cの左側上端のサンプル530cの位置を示す情報である(xc,yc)座標を利用し、符号化単位520a,520b,520cそれぞれの幅または高さを決定することができる。映像復号装置150は、符号化単位520a,520b,520cの位置を示す座標である(xa,ya)、(xb,yb)、(xc,yc)を利用し、符号化単位520a,520b,520cそれぞれの大きさを決定することができる。
【0085】
一実施形態により、映像復号装置150は、上端符号化単位520aの幅をxb-xaと決定することができ、高さをyb-yaと決定することができる。一実施形態により、映像復号装置150は、真ん中符号化単位520bの幅をxc-xbと決定することができ、高さをyc-ybと決定することができる。一実施形態により、映像復号装置150は、下端符号化単位の幅または高さは、現在符号化単位の幅または高さと、上端符号化単位520a及び真ん中符号化単位520bの幅及び高さを利用して決定することができる。映像復号装置150は、決定された符号化単位520a,520b,520cの幅及び高さに基づいて、他の符号化単位と異なる大きさを有する符号化単位を決定することができる。図5を参照すれば、映像復号装置150は、上端符号化単位520a及び下端符号化単位520cの大きさと異なる大きさを有する真ん中符号化単位520bを、所定位置の符号化単位に決定することができる。ただし、前述の映像復号装置150が、異なる符号化単位と、異なる大きさとを有する符号化単位を決定する過程は、サンプル座標に基づいて決定される符号化単位の大きさを利用し、所定位置の符号化単位を決定する一実施形態に過ぎないので、所定サンプル座標によって決定される符号化単位の大きさを比較し、所定位置の符号化単位を決定する多様な過程が利用されもする。
【0086】
ただし、符号化単位の位置を決定するために考慮するサンプルの位置は、前述の左側上端に限定して解釈されるものではなく、符号化単位に含まれる任意のサンプルの位置に係わる情報が利用されうるとも解釈される。
【0087】
一実施形態により、映像復号装置150は、現在符号化単位の形態を考慮し、現在符号化単位が分割されて決定される奇数個の符号化単位のうち、所定位置の符号化単位を選択することができる。例えば、現在符号化単位が幅が高さより大きい非正方形状であるならば、映像復号装置150は、水平方向に沿って、所定位置の符号化単位を決定することができる。すなわち、映像復号装置150は、水平方向に、位置を異にする符号化単位のうち一つを決定し、当該符号化単位に係わる制限を置くことができる。現在符号化単位が高さが幅より大きい非正方形状であるならば、映像復号装置150は、垂直方向に沿って、所定位置の符号化単位を決定することができる。すなわち、映像復号装置150は、垂直方向に、位置を異にする符号化単位のうち一つを決定し、当該符号化単位に係わる制限を置くことができる。
【0088】
一実施形態により、映像復号装置150は、偶数個の符号化単位のうち、所定位置の符号化単位を決定するために、偶数個の符号化単位それぞれの位置を示す情報を利用することができる。映像復号装置150は、現在符号化単位を分割し、偶数個の符号化単位を決定することができ、偶数個の符号化単位の位置に係わる情報を利用し、所定位置の符号化単位を決定することができる。それに係わる具体的な過程は、図5で説明した奇数個の符号化単位のうち、所定位置(例えば、真ん中位置)の符号化単位を決定する過程に対応する過程でもあるので、省略することにする。
【0089】
一実施形態により、非正方形状の現在符号化単位を複数個の符号化単位に分割した場合、複数個の符号化単位のうち、所定位置の符号化単位を決定するために、分割過程において、所定位置の符号化単位に係わる所定情報を利用することができる。例えば、映像復号装置150は、現在符号化単位が複数個に分割された符号化単位のうち、真ん中に位置する符号化単位を決定するために、分割過程において、真ん中符号化単位に含まれたサンプルに保存されたブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つを利用することができる。
【0090】
図5を参照すれば、映像復号装置150は、ブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つに基づいて、現在符号化単位500を複数個の符号化単位520a,520b,520cに分割することができ、複数個の符号化単位520a,520b,520cのうち、真ん中に位置する符号化単位520bを決定することができる。さらには、映像復号装置150は、ブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つが獲得される位置を考慮し、真ん中に位置する符号化単位520bを決定することができる。すなわち、現在符号化単位500のブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つは、現在符号化単位500の真ん中に位置するサンプル540においても獲得され、前記ブロック形態情報及び前記分割形態情報のうち少なくとも一つに基づいて、現在符号化単位500が、複数個の符号化単位520a,520b,520cに分割された場合、前記サンプル540を含む符号化単位520bを、真ん中に位置する符号化単位と決定することができる。ただし、真ん中に位置する符号化単位と決定するために利用される情報が、ブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つに限定して解釈されるものではなく、多種の情報が、真ん中に位置する符号化単位を決定する過程においても利用される。
【0091】
一実施形態により、所定位置の符号化単位を識別するための所定情報は、決定する符号化単位に含まれる所定サンプルにおいても獲得される。図5を参照すれば、映像復号装置150は、現在符号化単位500が分割されて決定された複数個の符号化単位520a,520b,520cのうち、所定位置の符号化単位(例えば、複数個に分割された符号化単位のうち、真ん中に位置する符号化単位)を決定するために、現在符号化単位500内の所定位置のサンプル(例えば、現在符号化単位500の真ん中に位置するサンプル)で獲得されるブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つを利用することができる。すなわち、映像復号装置150は、現在符号化単位500のブロック形態を考慮し、前記所定位置のサンプルを決定することができ、映像復号装置150は、現在符号化単位500が分割されて決定される複数個の符号化単位520a,520b,520cのうち、所定情報(例えば、ブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つ)が獲得されうるサンプルが含まれた符号化単位520bを決定し、所定制限を置くことができる。図5を参照すれば、一実施形態により、映像復号装置150は、所定情報が獲得されうるサンプルとして、現在符号化単位500の真ん中に位置するサンプル540を決定することができ、映像復号装置150は、そのようなサンプル540が含まれる符号化単位520bを、復号過程における所定制限を置くことができる。ただし、所定情報が獲得されうるサンプルの位置は、前述の位置に限定して解釈されるものではなく、制限を置くために決定する符号化単位520bに含まれる任意の位置のサンプルとも解釈される。
【0092】
一実施形態により、所定情報が獲得されうるサンプルの位置は、現在符号化単位500の形態によっても決定される。一実施形態により、ブロック形態情報は、現在符号化単位の形態が正方形であるか、または非正方形であるかということを決定することができ、形態によって所定情報が獲得されうるサンプルの位置を決定することができる。例えば、映像復号装置150は、現在符号化単位の幅に係わる情報、及び高さに係わる情報のうち少なくとも一つを利用し、現在符号化単位の幅及び高さのうち少なくとも一つを半分に分割する境界上に位置するサンプルを、所定情報が獲得されうるサンプルと決定することができる。他の例を挙げれば、映像復号装置150は、現在符号化単位に係わるブロック形態情報が非正方形状であることを示す場合、現在符号化単位の長辺を半分に分割する境界に隣接するサンプルのうち一つを、所定情報が獲得されうるサンプルと決定することができる。
【0093】
一実施形態により、映像復号装置150は、現在符号化単位を複数個の符号化単位に分割した場合、複数個の符号化単位のうち、所定位置の符号化単位を決定するために、ブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つを利用することができる。一実施形態により、映像復号装置150は、ブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つを、符号化単位に含まれた所定位置のサンプルにおいて獲得することができ、映像復号装置150は、現在符号化単位が分割されて生成された複数個の符号化単位を、複数個の符号化単位それぞれに含まれた所定位置のサンプルから獲得される分割形態情報及びブロック形態情報のうち少なくとも一つを利用し、分割することができる。すなわち、符号化単位は、符号化単位それぞれに含まれた所定位置のサンプルにおいて獲得されるブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つを利用し、再帰的にも分割される。符号化単位の再帰的分割過程については、図4を介して説明したので、詳細な説明は、省略することにする。
【0094】
一実施形態により、映像復号装置150は、現在符号化単位を分割し、少なくとも1つの符号化単位を決定することができ、そのような少なくとも1つの符号化単位が復号される順序を、所定ブロック(例えば、現在符号化単位)によって決定することができる。
【0095】
図6は、一実施形態により、映像復号装置150が現在符号化単位を分割し、複数個の符号化単位を決定する場合、複数個の符号化単位が処理される順序を図示する。
【0096】
一実施形態により、映像復号装置150は、ブロック形態情報及び分割形態情報により、第1符号化単位600を垂直方向に分割し、第2符号化単位610a,610bを決定するか、第1符号化単位600を水平方向に分割し、第2符号化単位630a,630bを決定するか、あるいは第1符号化単位600を垂直方向及び水平方向に分割し、第2符号化単位650a,650b,650c,650dを決定することができる。
【0097】
図6を参照すれば、映像復号装置150は、第1符号化単位600を垂直方向に分割して決定された第2符号化単位610a,610bを、水平方向610cに処理されるように順序を決定することができる。映像復号装置150は、第1符号化単位600を水平方向に分割して決定された第2符号化単位630a,630bの処理順序を、垂直方向630cと決定することができる。映像復号装置150は、第1符号化単位600を垂直方向及び水平方向に分割して決定された第2符号化単位650a,650b,650c,650dを、1行に位置する符号化単位が処理された後、次の行に位置する符号化単位が処理される所定順序(650e)(例えば、ラスタースキャン順序(raster scan order)またはzスキャン順序(z scan order))などによって決定することができる。
【0098】
一実施形態により、映像復号装置150は、符号化単位を再帰的に分割することができる。図6を参照すれば、映像復号装置150は、第1符号化単位600を分割し、複数個の符号化単位610a,610b,630a,630b,650a,650b,650c,650dを決定することができ、決定された複数個の符号化単位610a,610b,630a,630b,650a,650b,650c,650dそれぞれを再帰的に分割することができる。複数個の符号化単位610a,610b,630a,630b,650a,650b,650c,650dを分割する方法は、第1符号化単位600を分割する方法に対応する方法にもなる。それにより、複数個の符号化単位610a,610b,630a,630b,650a,650b,650c,650dは、それぞれ独立して複数個の符号化単位にも分割される。図6を参照すれば、映像復号装置150は、第1符号化単位600を垂直方向に分割し、第2符号化単位610a,610bを決定することができ、さらには、第2符号化単位610a,610bそれぞれを独立して分割するか、あるいは分割しないと決定することができる。
【0099】
一実施形態により、映像復号装置150は、左側の第2符号化単位610aを水平方向に分割し、第3符号化単位620a,620bに分割することができ、右側の第2符号化単位610bは、分割しない。
【0100】
一実施形態により、符号化単位の処理順序は、符号化単位の分割過程に基づいても決定される。言い換えれば、分割された符号化単位の処理順序は、分割される直前の符号化単位の処理順序に基づいても決定される。映像復号装置150は、左側の第2符号化単位610aが分割されて決定された第3符号化単位620a,620bが処理される順序を、右側の第2符号化単位610bと独立して決定することができる。左側の第2符号化単位610aが水平方向に分割され、第3符号化単位620a,620bが決定されたので、第3符号化単位620a,620bは、垂直方向620cにも処理される。また、左側の第2符号化単位610a及び右側の第2符号化単位610bが処理される順序は、水平方向610cに該当するので、左側の第2符号化単位610aに含まれる第3符号化単位620a,620bが、垂直方向620cに処理された後、右側符号化単位610bが処理されうる。前述の内容は、符号化単位が、それぞれ分割前の符号化単位により、処理順序が決定される過程について説明するためのものであるので、前述の実施形態に限定して解釈されるものではなく、多様な形態に分割されて決定される符号化単位が、所定順序によって独立して処理されうる多様な方法によって利用されると解釈されなければならない。
【0101】
図7は、一実施形態により、映像復号装置150が、所定順序符号化単位が処理されえない場合、現在符号化単位が、奇数個の符号化単位に分割されると決定する過程を図示する。
【0102】
一実施形態により、映像復号装置150は、獲得されたブロック形態情報及び分割形態情報に基づき、現在符号化単位が、奇数個の符号化単位に分割されると決定することができる。図7を参照すれば、正方形状の第1符号化単位700が非正方形状の第2符号化単位710a,710bに分割され、第2符号化単位710a,710bは、それぞれ独立して、第3符号化単位720a,720b,720c,720d、720eにも分割される。一実施形態により、映像復号装置150は、第2符号化単位のうち左側符号化単位710aは、水平方向に分割し、複数個の第3符号化単位720a,720bを決定することができ、右側符号化単位710bは、奇数個の第3符号化単位720c,720d、720eに分割することができる。
【0103】
一実施形態により、映像復号装置150は、第3符号化単位720a,720b,720c,720d、720eが所定順序で処理されるか否かということを判断し、奇数個に分割された符号化単位が存在するか否かということを決定することができる。図7を参照すれば、映像復号装置150は、第1符号化単位700を再帰的に分割し、第3符号化単位720a,720b,720c,720d、720eを決定することができる。映像復号装置150は、ブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つに基づいて、第1符号化単位700、第2符号化単位710a,710bまたは第3符号化単位720a,720b,720c,720d、720eが分割される形態のうち、奇数個の符号化単位に分割されるか否かということを決定することができる。例えば、第2符号化単位710a,710bにおいて、右側に位置する符号化単位が、奇数個の第3符号化単位720c,720d、720eにも分割される。第1符号化単位700に含まれる複数個の符号化単位が処理される順序は、所定順序(730)(例えば、zスキャン順序(z scan order))にもなり、映像復号装置150は、右側第2符号化単位710bが奇数個に分割されて決定された第3符号化単位720c,720d、720eが、前記所定順序によって処理されうる条件を満足するか否かということを判断することができる。
【0104】
一実施形態により、映像復号装置150は、第1符号化単位700に含まれる第3符号化単位720a,720b,720c,720d、720eが、所定順序によって処理されうる条件を満足するか否かということを決定することができ、前記条件は、第3符号化単位720a,720b,720c,720d、720eの境界により、第2符号化単位710a,710bの幅及び高さのうち少なくとも一つが半分に分割されるか否かということと係わる。例えば、非正方形状の左側第2符号化単位710aの高さを半分に分割して決定される第3符号化単位720a,720bは、条件を満足するが、右側第2符号化単位710bを、3個の符号化単位に分割して決定される第3符号化単位720c,720d、720eの境界が、右側第2符号化単位710bの幅または高さを半分に分割することができないので、第3符号化単位720c,720d,720eは、条件を満足することができないと決定され、映像復号装置150は、そのような条件不満足の場合、スキャン順序の断絶(disconnection)と判断し、判断結果に基づいて、右側第2符号化単位710bは、奇数個の符号化単位に分割されると決定することができる。一実施形態により、映像復号装置150は、奇数個の符号化単位に分割される場合、分割された符号化単位のうち、所定位置の符号化単位に対して、所定制限を置くことができ、そのような制限内容または所定位置などについては、多様な実施形態を介して説明したので、詳細な説明は、省略することにする。
【0105】
図8は、一実施形態により、映像復号装置150が第1符号化単位800を分割し、少なくとも1つの符号化単位を決定する過程を図示する。一実施形態により、映像復号装置150は、受信部160を介して獲得したブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つに基づいて、第1符号化単位800を分割することができる。正方形状の第1符号化単位800は、4個の正方形状を有する符号化単位に分割されるか、または非正方形状の複数個の符号化単位に分割することができる。例えば、図8を参照すれば、ブロック形態情報が第1符号化単位800は、正方形であることを示し、分割形態情報が非正方形の符号化単位に分割されることを示す場合、映像復号装置150は、第1符号化単位800を複数個の非正方形の符号化単位に分割することができる。具体的には、分割形態情報が、第1符号化単位800を、水平方向または垂直方向に分割し、奇数個の符号化単位を決定することを示す場合、映像復号装置150は、正方形状の第1符号化単位800を、奇数個の符号化単位として垂直方向に分割して決定された第2符号化単位810a,810b,810c、または水平方向に分割して決定された第2符号化単位820a,820b,820cに分割することができる。
【0106】
一実施形態により、映像復号装置150は、第1符号化単位800に含まれる第2符号化単位810a,810b,810c,820a,820b,820cが、所定順序によって処理されうる条件を満足するか否かということを決定することができ、前記条件は、第2符号化単位810a,810b,810c,820a,820b,820cの境界により、第1符号化単位800の幅及び高さのうち少なくとも一つが半分に分割されるか否かということと係わる。図8を参照すれば、正方形状の第1符号化単位800を垂直方向に分割して決定される第2符号化単位810a,810b,810cの境界が、第1符号化単位800の幅を半分に分割することができないので、第1符号化単位800は、所定順序によって処理されうる条件を満足することができないとも決定される。また、正方形状の第1符号化単位800を水平方向に分割して決定される第2符号化単位820a,820b,820cの境界が、第1符号化単位800の幅を半分に分割することができないので、第1符号化単位800は、所定順序によって処理されうる条件を満足することができないとも決定される。映像復号装置150は、そのような条件不満足の場合、スキャン順序の断絶と判断し、判断結果に基づいて、第1符号化単位800は、奇数個の符号化単位に分割されると決定することができる。一実施形態により、映像復号装置150は、奇数個の符号化単位に分割される場合、分割された符号化単位のうち、所定位置の符号化単位に対して所定制限を置くことができ、そのような制限内容または所定位置などについては、多様な実施形態を介して説明したので、詳細な説明は、省略することにする。
【0107】
一実施形態により、映像復号装置150は、第1符号化単位を分割し、多様な形態の符号化単位を決定することができる。
【0108】
図8を参照すれば、映像復号装置150は、正方形状の第1符号化単位800、非正方形状の第1符号化単位830または850を多様な形態の符号化単位に分割することができる。
【0109】
図9は、一実施形態により、映像復号装置150が、第1符号化単位(900)が分割されて決定された非正方形状の第2符号化単位が所定条件を満足する場合第2符号化単位が分割されうる形態が制限されることを図示する。
【0110】
一実施形態により、映像復号装置150は、受信部160を介して獲得したブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つに基づいて、正方形状の第1符号化単位900を非正方形状の第2符号化単位910a,910b,920a,920bに分割すると決定することができる。第2符号化単位910a,910b,920a,920bは、独立しても分割される。それにより、映像復号装置150は、第2符号化単位910a,910b,920a,920bそれぞれに係わるブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つに基づいて、複数個の符号化単位に分割するか、あるいは分割しないと決定することができる。一実施形態により、映像復号装置150は、垂直方向に第1符号化単位900が分割されて決定された非正方形状の左側第2符号化単位910aを、水平方向に分割し、第3符号化単位912a,912bを決定することができる。ただし、映像復号装置150は、左側第2符号化単位910aを水平方向に分割した場合、右側第2符号化単位910bは、左側第2符号化単位910aが分割された方向と同一に、水平方向に分割されることがないように制限することができる。もし右側第2符号化単位910bが同一方向に分割され、第3符号化単位914a,914bが決定された場合、左側第2符号化単位910a及び右側第2符号化単位910bが水平方向にそれぞれ独立して分割されることにより、第3符号化単位912a,912b,914a,914bが決定されうる。しかし、それは、映像復号装置150が、ブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つに基づいて、第1符号化単位900を4個の正方形状の第2符号化単位930a,930b,930c,930dに分割したところと同一結果であり、それは、映像復号側面で非効率的なものである。
【0111】
一実施形態により、映像復号装置150は、水平方向に第1符号化単位330が分割されて決定された非正方形状の第2符号化単位920aまたは920bを垂直方向に分割し、第3符号化単位922a,922b,924a,924bを決定することができる。ただし、映像復号装置150は、第2符号化単位のうち一つ(例えば、上端第2符号化単位920a)を垂直方向に分割した場合、前述の理由により、他の第2符号化単位(例えば、下端符号化単位920b)は、上端第2符号化単位920aが分割された方向と同一に、垂直方向に分割されることがないように制限することができる。
【0112】
図10は、一実施形態により、分割形態情報が、4個の正方形状の符号化単位に分割することを示すことができない場合、映像復号装置150が正方形状の符号化単位を分割する過程を図示する。
【0113】
一実施形態により、映像復号装置150は、ブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つに基づいて、第1符号化単位1000を分割し、第2符号化単位1010a,1010b,1020a,1020bなどを決定することができる。分割形態情報には、符号化単位が分割されうる多様な形態に係わる情報が含まれてもよいが、多様な形態に係わる情報には、正方形状の4個の符号化単位に分割するための情報が含まれえない場合がある。そのような分割形態情報によれば、映像復号装置150は、正方形状の第1符号化単位1000を、4個の正方形状の第2符号化単位1030a,1030b,1030c,1030dに分割することができない。分割形態情報に基づき、映像復号装置150は、非正方形状の第2符号化単位1010a,1010b,1020a,1020bなどを決定することができる。
【0114】
一実施形態により、映像復号装置150は、非正方形状の第2符号化単位1010a,1010b,1020a,1020bなどをそれぞれ独立して分割することができる。再帰的な方法を介して、第2符号化単位1010a,1010b,1020a,1020bなどそれぞれが所定順に分割され、それは、ブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つに基づいて、第1符号化単位1000が分割される方法に対応する分割方法でもある。
【0115】
例えば、映像復号装置150は、左側第2符号化単位1010aが水平方向に分割され、正方形状の第3符号化単位1012a,1012bを決定することができ、右側第2符号化単位1010bが水平方向に分割され、正方形状の第3符号化単位1014a,1014bを決定することができる。さらには、映像復号装置150は、左側第2符号化単位1010a及び右側第2符号化単位1010bがいずれも水平方向に分割され、正方形状の第3符号化単位1016a,1016b,1016c,1016dを決定することもできる。そのような場合、第1符号化単位1000が4個の正方形状の第2符号化単位1030a,1030b,1030c,1030dに分割されたところと同一形態に符号化単位が決定されうる。
【0116】
他の例を挙げれば、映像復号装置150は、上端第2符号化単位1020aが垂直方向に分割され、正方形状の第3符号化単位1022a,1022bを決定することができ、下端第2符号化単位1020bが垂直方向に分割され、正方形状の第3符号化単位1024a,1024bを決定することができる。さらには、映像復号装置150は、上端第2符号化単位1020a及び下端第2符号化単位1020bいずれもが垂直方向に分割され、正方形状の第3符号化単位1022a,1022b,1024a,1024bを決定することもできる。そのような場合、第1符号化単位1000が4個の正方形状の第2符号化単位1030a,1030b,1030c,1030dに分割されたところと同一形態に符号化単位が決定されうる。
【0117】
図11は、一実施形態により、複数個の符号化単位間の処理順序が、符号化単位の分割過程によって異なりうることを図示したものである。
【0118】
一実施形態により、映像復号装置150は、ブロック形態情報及び分割形態情報に基づき、第1符号化単位1100を分割することができる。ブロック形態情報が正方形状を示し、分割形態情報が、第1符号化単位1100が水平方向及び垂直方向のうち少なくとも1つの方向に分割されることを示す場合、映像復号装置150は、第1符号化単位1100を分割し、例えば、第2符号化単位1110a,1110b,1120a,1120b,1130a,1130b,1130c,1130dなどを決定することができる。図11を参照すれば、第1符号化単位1100が水平方向または垂直方向だけに分割されて決定された非正方形状の第2符号化単位1110a,1110b,1120a,1120bは、それぞれに係わるブロック形態情報及び分割形態情報に基づき、独立しても分割される。例えば、映像復号装置150は、第1符号化単位1100が垂直方向に分割されて生成された第2符号化単位1110a,1110bを、水平方向にそれぞれ分割し、第3符号化単位1116a,1116b,1116c,1116dを決定することができ、第1符号化単位1100が水平方向に分割されて生成された第2符号化単位1120a,1120bを、水平方向にそれぞれ分割し、第3符号化単位1126a,1126b,1126c,1126dを決定することができる。そのような第2符号化単位1110a,1110b,1120a,1120bの分割過程は、図9と係わって説明したので、詳細な説明は、省略することにする。
【0119】
一実施形態により、映像復号装置150は、所定順序により、符号化単位を処理することができる。所定順序による符号化単位の処理に係わる特徴は、図6と係わって説明したので、詳細な説明は、省略することにする。図11を参照すれば、映像復号装置150は、正方形状の第1符号化単位1100を分割し、4個の正方形状の第3符号化単位1116a,1116b,1116c,1116d,1126a,1126b,1126c,1126dを決定することができる。一実施形態により、映像復号装置150は、第1符号化単位1100が分割される形態により、第3符号化単位1116a,1116b,1116c,1116d,1126a,1126b,1126c,1126dの処理順序を決定することができる。
【0120】
一実施形態により、映像復号装置150は、垂直方向に分割されて生成された第2符号化単位1110a,1110bを水平方向にそれぞれ分割し、第3符号化単位1116a,1116b,1116c,1116dを決定することができ、映像復号装置150は、左側第2符号化単位1110aに含まれる第3符号化単位1116a,1116bを垂直方向にまず処理した後、右側第2符号化単位1110bに含まれる第3符号化単位1116c,1116dを垂直方向に処理する順序(1117)により、第3符号化単位1116a,1116b,1116c,1116dを処理することができる。
【0121】
一実施形態により、映像復号装置150は、水平方向に分割されて生成された第2符号化単位1120a,1120bを垂直方向にそれぞれ分割し、第3符号化単位1126a,1126b,1126c,1126dを決定することができ、映像復号装置150は、上端第2符号化単位1120aに含まれる第3符号化単位1126a,1126bを水平方向にまず処理した後、下端第2符号化単位1120bに含まれる第3符号化単位1126c,1126dを水平方向に処理する順序(1127)により、第3符号化単位1126a,1126b,1126c,1126dを処理することができる。
【0122】
図11を参照すれば、第2符号化単位1110a,1110b,1120a,1120bがそれぞれ分割され、正方形状の第3符号化単位1116a,1116b,1116c,1116d,1126a,1126b,1126c,1126dが決定されうる。垂直方向に分割されて決定された第2符号化単位1110a,1110b、及び水平方向に分割されて決定された第2符号化単位1120a,1120bは、互いに異なる形態に分割されたものであるが、その後に決定される第3符号化単位1116a,1116b,1116c,1116d,1126a,1126b,1126c,1126dによれば、結局、同一形態の符号化単位に、第1符号化単位1100が分割された結果になる。それにより、映像復号装置150は、ブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つに基づいて、異なる過程を介して再帰的に符号化単位を分割するところと、結果として同一形態の符号化単位を決定し、また、同一形態に決定された複数個の符号化単位を、互いに異なる順序で処理することができる。
【0123】
図12は、一実施形態により、符号化単位が再帰的に分割され、複数個の符号化単位が決定される場合、符号化単位の形態及び大きさが変わることにより、符号化単位深度が決定される過程を図示する。
【0124】
一実施形態により、映像復号装置150は、符号化単位の深度を、所定基準によって決定することができる。例えば、該所定基準は、符号化単位の長辺長にもなる。映像復号装置150は、現在符号化単位の長辺長が、分割される前の符号化単位の長辺長の2(n>0)倍に分割された場合、現在符号化単位の深度は、分割される前の符号化単位の深度よりnほど深度が増大されたと決定することができる。以下においては、深度が増大された符号化単位を、下位深度の符号化単位と表現することにする。
【0125】
図12を参照すれば、一実施形態により、正方形状であることを示すブロック形態情報(例えば、ブロック形態情報は、「0:SQUARE」を示すことができる)に基づいて、映像復号装置150は、正方形状である第1符号化単位1200を分割し、下位深度の第2符号化単位1202、第3符号化単位1204などを決定することができる。正方形状の第1符号化単位1200の大きさを2Nx2Nとするなら、第1符号化単位1200の幅及び高さを1/2倍に分割して決定された第2符号化単位1202は、NxNサイズを有することができる。さらには、第2符号化単位1202の幅及び高さを1/2サイズに分割して決定された第3符号化単位1204は、N/2xN/2サイズを有することができる。その場合、第3符号化単位1204の幅及び高さは、第1符号化単位1200の1/2倍に該当する。第1符号化単位1200の深度がDである場合、第1符号化単位1200の幅及び高さの1/2倍である第2符号化単位1202の深度は、D+1でもあり、第1符号化単位1200の幅及び高さの1/2倍である第3符号化単位1204の深度は、D+2でもある。
【0126】
一実施形態により、非正方形状を示すブロック形態情報(例えば、ブロック形態情報は、高さが幅より大きい非正方形であることを示す「1:NS_VER」、または幅が高さより大きい非正方形であることを示す「2:NS_HOR」を示すことができる)に基づいて、映像復号装置150は、非正方形状である第1符号化単位1210または1220を分割し、下位深度の第2符号化単位1212または1222、第3符号化単位1214または1224などを決定することができる。
【0127】
映像復号装置150は、Nx2Nサイズの第1符号化単位1210の幅及び高さのうち少なくとも一つを分割し、例えば、第2符号化単位1202,1212,1222などを決定することができる。すなわち、映像復号装置150は、第1符号化単位1210を水平方向に分割し、NxNサイズの第2符号化単位1202、またはNxN/2サイズの第2符号化単位1222を決定することができ、水平方向及び垂直方向に分割し、N/2xNサイズの第2符号化単位1212を決定することもできる。
【0128】
一実施形態により、映像復号装置150は、2NxNサイズの第1符号化単位1220の幅及び高さのうち少なくとも一つを分割し、例えば、第2符号化単位1202,1212,1222などを決定することもできる。すなわち、映像復号装置150は、第1符号化単位1220を垂直方向に分割し、NxNサイズの第2符号化単位1202、またはN/2xNサイズの第2符号化単位1212を決定することができ、水平方向及び垂直方向に分割し、NxN/2サイズの第2符号化単位1222を決定することもできる。
【0129】
一実施形態により、映像復号装置150は、NxNサイズの第2符号化単位1202の幅及び高さのうち少なくとも一つを分割し、例えば、第3符号化単位1204,1214,1224などを決定することもできる。すなわち、映像復号装置150は、第2符号化単位1202を、垂直方向及び水平方向に分割し、N/2xN/2サイズの第3符号化単位1204を決定するか、N/2xN/2サイズの第3符号化単位1214を決定するか、あるいはN/2xN/2サイズの第3符号化単位1224を決定することができる。
【0130】
一実施形態により、映像復号装置150は、N/2xNサイズの第2符号化単位1212の幅及び高さのうち少なくとも一つを分割し、例えば、第3符号化単位1204,1214,1224などを決定することもできる。すなわち、映像復号装置150は、第2符号化単位1212を水平方向に分割し、N/2xN/2サイズの第3符号化単位1204、またはN/2xN/2サイズの第3符号化単位1224を決定するか、あるいは垂直方向及び水平方向に分割し、N/2xN/2サイズの第3符号化単位1214を決定することができる。
【0131】
一実施形態により、映像復号装置150は、NxN/2サイズの第2符号化単位1214の幅及び高さのうち少なくとも一つを分割し、例えば、第3符号化単位1204,1214,1224などを決定することもできる。すなわち、映像復号装置150は、第2符号化単位1212を垂直方向に分割し、N/2xN/2サイズの第3符号化単位1204、またはN/2xN/2サイズの第3符号化単位1214を決定するか、あるいは垂直方向及び水平方向に分割し、N/2xN/2サイズの第3符号化単位1224を決定することができる。
【0132】
一実施形態により、映像復号装置150は、例えば、正方形状の符号化単位1200,1202,1204を、水平方向または垂直方向に分割することができる。例えば、2Nx2Nサイズの第1符号化単位1200を垂直方向に分割し、Nx2Nサイズの第1符号化単位1210を決定するか、あるいは水平方向に分割し、2NxNサイズの第1符号化単位1220を決定することができる。一実施形態により、深度が、符号化単位の最長辺長に基づいて決定される場合、2Nx2Nサイズの第1符号化単位1200,1202または1204が水平方向または垂直方向に分割されて決定される符号化単位の深度は、第1符号化単位1200,1202または1204の深度と同一でもある。
【0133】
一実施形態により、第3符号化単位1214または1224の幅及び高さは、第1符号化単位1210または1220の1/2倍にも該当する。第1符号化単位1210または1220の深度がDである場合、第1符号化単位1210または1220の幅及び高さの1/2倍である第2符号化単位1212または1214の深度は、D+1でもあり、第1符号化単位1210または1220の幅及び高さの1/2倍である第3符号化単位1214または1224の深度は、D+2でもある。
【0134】
図13は、一実施形態により、符号化単位の形態及び大きさによっても決定される深度、及び符号化単位区分のためのインデックス(PID:part index)を図示する。
【0135】
一実施形態により、映像復号装置150は、正方形状の第1符号化単位1300を分割し、多様な形態の第2符号化単位を決定することができる。図13を参照すれば、映像復号装置150は、分割形態情報により、第1符号化単位1300を垂直方向及び水平方向のうち少なくとも1つの方向に分割し、第2符号化単位1302a,1302b,1304a,1304b,1306a,1306b,1306c,1306dを決定することができる。すなわち、映像復号装置150は、第1符号化単位1300に係わる分割形態情報に基づき、第2符号化単位1302a,1302b,1304a,1304b,1306a,1306b,1306c,1306dを決定することができる。
【0136】
一実施形態により、正方形状の第1符号化単位1300に係わる分割形態情報によって決定される第2符号化単位1302a,1302b,1304a,1304b,1306a,1306b,1306c,1306dは、長辺長に基づいても深度が決定される。例えば、正方形状の第1符号化単位1300の一辺長と、非正方形状の第2符号化単位1302a,1302b,1304a,1304bの長辺長とが同一であるので、第1符号化単位1300と、非正方形状の第2符号化単位1302a,1302b,1304a,1304bとの深度は、Dとして同一であると見ることができる。それに反し、映像復号装置150が分割形態情報に基づき、第1符号化単位1300を4個の正方形状の第2符号化単位1306a,1306b,1306c,1306dに分割した場合、正方形状の第2符号化単位1306a,1306b,1306c,1306dの一辺長は、第1符号化単位1300の一辺長の1/2倍であるので、第2符号化単位1306a,1306b,1306c,1306dの深度は、第1符号化単位1300の深度であるDより1深度下位であるD+1の深度でもある。
【0137】
一実施形態により、映像復号装置150は、高さが幅より大きい形態の第1符号化単位1310を、分割形態情報によって水平方向に分割し、複数個の第2符号化単位1312a,1312b,1314a,1314b,1314cに分割することができる。一実施形態により、映像復号装置150は、幅が高さより大きい形態の第1符号化単位1320を、分割形態情報によって垂直方向に分割し、複数個の第2符号化単位1322a,1322b,1324a,1324b,1324cに分割することができる。
【0138】
一実施形態により、非正方形状の第1符号化単位1310または1320に係わる分割形態情報によって決定される第2符号化単位1312a,1312b,1314a,1314b,1316a,1316b,1316c,1316dは、長辺長に基づいても深度が決定される。例えば、正方形状の第2符号化単位1312a,1312bの一辺長は、高さが幅より大きい非正方形状の第1符号化単位1310の一辺長の1/2倍であるので、正方形状の第2符号化単位1302a,1302b,1304a,1304bの深度は、非正方形状の第1符号化単位1310の深度Dより1深度下位の深度であるD+1である。
【0139】
さらには、映像復号装置150が分割形態情報に基づき、非正方形状の第1符号化単位1310を、奇数個の第2符号化単位1314a,1314b,1314cに分割することができる。奇数個の第2符号化単位1314a,1314b,1314cは、非正方形状の第2符号化単位1314a,1314c、及び正方形状の第2符号化単位1314bを含んでもよい。その場合、非正方形状の第2符号化単位1314a,1314cの長辺長、及び正方形状の第2符号化単位1314bの一辺長は、第1符号化単位1310の一辺長の1/2倍であるので、第2符号化単位1314a,1314b,1314cの深度は、第1符号化単位1310の深度であるDより1深度下位であるD+1の深度でもある。映像復号装置150は、第1符号化単位1310と係わる符号化単位の深度を決定する前記方式に対応する方式で、幅が高さより大きい非正方形状の第1符号化単位1320と係わる符号化単位の深度を決定することができる。
【0140】
一実施形態により、映像復号装置150は、分割された符号化単位区分のためのインデックス(PID)決定において、奇数個に分割された符号化単位が互いに同一サイズではない場合、符号化単位間のサイズ比率に基づいて、インデックスを決定することができる。図13を参照すれば、奇数個に分割された符号化単位1314a,1314b,1314cのうち、真ん中に位置する符号化単位1314bは、他の符号化単位1314a,1314cと、幅は同一であるが、高さが異なる符号化単位1314a,1314cの高さの2倍でもある。すなわち、その場合、真ん中に位置する符号化単位1314bは、他の符号化単位1314a,1314cの二つを含んでもよい。従って、スキャン順序により、真ん中に位置する符号化単位1314bのインデックス(PID)が1であるならば、その次の順序に位置する符号化単位1314cは、インデックスが2増加した3でもある。すなわち、インデックス値の不連続性が存在してしまう。一実施形態により、映像復号装置150は、そのように分割された符号化単位間区分のためのインデックスの不連続性の存在いかんに基づき、奇数個に分割された符号化単位が互いに同一サイズではないか否かということを決定することができる。
【0141】
一実施形態により、映像復号装置150は、現在符号化単位から分割されて決定された複数個の符号化単位を区分するためのインデックス値に基づき、特定分割形態に分割されたものであるか否かということを決定することができる。図13を参照すれば、映像復号装置150は、高さが幅より大きい長方形状の第1符号化単位1310を分割し、偶数個の符号化単位1312a,1312bを決定するか、あるいは奇数個の符号化単位1314a,1314b,1314cを決定することができる。映像復号装置150は、複数個の符号化単位それぞれを区分するために、各符号化単位を示すインデックス(PID)を利用することができる。一実施形態により、該PIDは、それぞれの符号化単位の所定位置のサンプル(例えば、左側上端サンプル)においても獲得される。
【0142】
一実施形態により、映像復号装置150は、符号化単位区分のためのインデックスを利用して分割されて決定された符号化単位のうち、所定位置の符号化単位を決定することができる。一実施形態により、高さが幅より大きい長方形状の第1符号化単位1310に係わる分割形態情報が、3個の符号化単位に分割されることを示す場合、映像復号装置150は、第1符号化単位1310を、3個の符号化単位1314a,1314b,1314cに分割することができる。映像復号装置150は、3個の符号化単位1314a,1314b,1314cそれぞれに係わるインデックスを割り当てることができる。映像復号装置150は、奇数個に分割された符号化単位のうち、真ん中符号化単位を決定するために、各符号化単位に係わるインデックスを比較することができる。映像復号装置150は、符号化単位のインデックスに基づいて、インデックスのうち真ん中値に該当するインデックスを有する符号化単位1314bを、第1符号化単位1310が分割されて決定された符号化単位のうち、真ん中位置の符号化単位として決定することができる。一実施形態により、映像復号装置150は、分割された符号化単位区分のためのインデックス決定において、符号化単位が互いに同一サイズではない場合、符号化単位間のサイズ比率に基づいて、インデックスを決定することができる。図13を参照すれば、第1符号化単位1310が分割されて生成された符号化単位1314bは、他の符号化単位1314a,1314cと、幅は同一であるが、高さが異なる符号化単位1314a,1314cの高さの2倍でもある。その場合、真ん中に位置する符号化単位1314bのインデックス(PID)が1であるならば、その次の順序に位置する符号化単位1314cは、インデックスが2増加した3でもある。そのような場合のように、均一にインデックスが増加していて、増加幅が異なる場合、映像復号装置150は、他の符号化単位と異なる大きさを有する符号化単位を含む複数個の符号化単位に分割されたと決定することができる。一実施形態により、該分割形態情報が、奇数個の符号化単位に分割されることを示す場合、映像復号装置150は、奇数個の符号化単位のうち、所定位置の符号化単位(例えば、真ん中符号化単位)が、他の符号化単位と、大きさが異なる形態に現在符号化単位を分割することができる。その場合、映像復号装置150は、符号化単位に係わるインデックス(PID)を利用し、異なる大きさを有する真ん中符号化単位を決定することができる。ただし、前述のインデックス、決定する所定位置の符号化単位の大きさまたは位置は、一実施形態について説明するために特定したものであるので、それに限定して解釈されるものではなく、多様なインデックス、符号化単位の位置及び大きさが利用されうると解釈されなければならない。
【0143】
一実施形態により、映像復号装置150は、符号化単位の再帰的な分割が始まる所定データ単位を利用することができる。
【0144】
図14は、一実施形態により、ピクチャに含まれる複数個の所定データ単位により、複数個の符号化単位が決定されたところを図示する。
【0145】
一実施形態により、所定データ単位は、符号化単位が、ブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つを利用し、再帰的に分割され始めるデータ単位とも定義される。すなわち、現在ピクチャを分割する複数個の符号化単位が決定される過程において利用される最上位深度の符号化単位にも該当する。以下においては、説明上の便宜のために、そのような所定データ単位を、基準データ単位と称することにする。
【0146】
一実施形態により、該基準データ単位は、所定の大きさ及び形態を示すことができる。一実施形態により、基準符号化単位は、MxNのサンプルを含んでもよい。ここで、M及びNは、互いに同一でもあり、2の乗数とも表現される整数でもある。すなわち、基準データ単位は、正方形または非正方形状を示すことができ、その後、整数個の符号化単位にも分割される。
【0147】
一実施形態により、映像復号装置150は、現在ピクチャを複数個の基準データ単位に分割することができる。一実施形態により、映像復号装置150は、現在ピクチャを分割する複数個の基準データ単位を、それぞれの基準データ単位に係わる分割情報を利用し、分割することができる。そのような基準データ単位の分割過程は、四分木(quad-tree)構造を利用した分割過程に対応する。
【0148】
一実施形態により、映像復号装置150は、現在ピクチャに含まれる基準データ単位が有することができる最小サイズを事前に決定することができる。それにより、映像復号装置150は、最小サイズ以上の大きさを有する多様な大きさの基準データ単位を決定することができ、決定された基準データ単位を基準に、ブロック形態情報及び分割形態情報を利用し、少なくとも1つの符号化単位を決定することができる。
【0149】
図14を参照すれば、映像復号装置150は、正方形状の基準符号化単位1400を利用することができ、または非正方形状の基準符号化単位1402を利用することもできる。一実施形態により、基準符号化単位の形態及び大きさは、少なくとも1つの基準符号化単位を含む多様なデータ単位(例えば、シーケンス(sequence)、ピクチャ(picture)、スライス(slice)、スライスセグメント(slice segment)、最大符号化単位など)によっても決定される。
【0150】
一実施形態により、映像復号装置150の受信部160は、基準符号化単位の形態に係わる情報、及び基準符号化単位の大きさに係わる情報のうち少なくとも一つを、前記多様なデータ単位ごとに、ビットストリームから獲得することができる。正方形状の基準符号化単位1400に含まれる少なくとも1つの符号化単位の決定される過程は、図10の現在符号化単位300が分割される過程を介して説明し、非正方形状の基準符号化単位1400に含まれる少なくとも1つの符号化単位が決定される過程は、図11の現在符号化単位1100または1150が分割される過程を介して説明したので、詳細な説明は、省略することにする。
【0151】
一実施形態により、映像復号装置150は、所定条件に基づいて事前に決定される一部データ単位により、基準符号化単位の大きさ及び形態を決定するために、基準符号化単位の大きさ及び形態を識別するためのインデックスを利用することができる。すなわち、受信部160は、ビットストリームから、前記多様なデータ単位(例えば、シーケンス、ピクチャ、スライス、スライスセグメント、最大符号化単位など)のうち、所定条件(例えば、スライス以下の大きさを有するデータ単位)を満足するデータ単位として、スライス、スライスセグメント、最大符号化単位などごとに、基準符号化単位の大きさ及び形態の識別のためのインデックスのみを獲得することができる。映像復号装置150は、インデックスを利用することにより、前記所定条件を満足するデータ単位ごとに、基準データ単位の大きさ及び形態を決定することができる。基準符号化単位の形態に係わる情報、及び基準符号化単位の大きさに係わる情報を、相対的に小サイズのデータ単位ごとにビットストリームから獲得して利用する場合、ビットストリームの利用効率が良好でもないので、基準符号化単位の形態に係わる情報、及び基準符号化単位の大きさに係わる情報を直接獲得する代わりに、前記インデックスのみを獲得して利用することができる。その場合、基準符号化単位の大きさ及び形態を示すインデックスに対応する基準符号化単位の大きさ及び形態のうち少なくとも一つは、事前に決定されてもいる。すなわち、映像復号装置150は、事前に決定された基準符号化単位の大きさ及び形態のうち少なくとも一つをインデックスによって選択することにより、インデックス獲得の基準になるデータ単位に含まれる基準符号化単位の大きさ及び形態のうち少なくとも一つを決定することができる。
【0152】
一実施形態により、映像復号装置150は、1つの最大符号化単位に含まれる少なくとも1つの基準符号化単位を利用することができる。すなわち、映像を分割する最大符号化単位には、少なくとも1つの基準符号化単位が含まれ、それぞれの基準符号化単位の再帰的な分割過程を介して、符号化単位が決定されうる。一実施形態により、最大符号化単位の幅及び高さのうち少なくとも一つは、基準符号化単位の幅及び高さのうち少なくとも1つの整数倍にも該当する。一実施形態により、基準符号化単位の大きさは、最大符号化単位を四分木構造により、n回分割した大きさでもある。すなわち、映像復号装置150は、最大符号化単位を四分木構造によってn回分割し、基準符号化単位を決定することができ、多様な実施形態により、基準符号化単位を、ブロック形態情報及び分割形態情報のうち少なくとも一つに基づいて、分割することができる。
【0153】
図15は、一実施形態により、ピクチャ1500に含まれる基準符号化単位の決定順序を決定する基準になるプロセッシングブロックを図示する。
【0154】
一実施形態により、映像復号装置150は、ピクチャを分割する少なくとも1つのプロセッシングブロックを決定することができる。プロセッシングブロックとは、映像を分割する少なくとも1つの基準符号化単位を含むデータ単位であり、プロセッシングブロックに含まれる少なくとも1つの基準符号化単位は、特定順にも決定される。すなわち、それぞれのプロセッシングブロックで決定される少なくとも1つの基準符号化単位の決定順序は、基準符号化単位が決定されうる多様な順序の種類のうち一つにも該当し、それぞれのプロセッシングブロックで決定される基準符号化単位決定順序は、プロセッシングブロックごとにも異なる。プロセッシングブロックごとに決定される基準符号化単位の決定順序は、ラスタースキャン(raster scan)、Zスキャン(Z scan)、Nスキャン(N scan)、右上向き対角スキャン(up-right diagonal scan)、水平的スキャン(horizontal scan)、垂直的スキャン(vertical scan)のように、多様な順序のうち一つでもあるが、決定されうる順序は、前記スキャン順序に限定して解釈されるものではない。
【0155】
一実施形態により、映像復号装置150は、プロセッシングブロックの大きさに係わる情報を獲得し、映像に含まれる少なくとも1つのプロセッシングブロックの大きさを決定することができる。映像復号装置150は、プロセッシングブロックの大きさに係わる情報をビットストリームから獲得し、映像に含まれる少なくとも1つのプロセッシングブロックの大きさを決定することができる。そのようなプロセッシングブロックの大きさは、プロセッシングブロックの大きさに係わる情報が示すデータ単位の所定サイズでもある。
【0156】
一実施形態により、映像復号装置150の受信部160は、ビットストリームから、プロセッシングブロックの大きさに係わる情報を、特定のデータ単位ごとに獲得することができる。例えば、プロセッシングブロックの大きさに係わる情報は、映像、シーケンス、ピクチャ、スライス、スライスセグメントなどのデータ単位で、ビットストリームからも獲得される。すなわち、受信部160は、前記多くのデータ単位ごとに、ビットストリームから、プロセッシングブロックの大きさに係わる情報を獲得することができ、映像復号装置150は、獲得されたプロセッシングブロックの大きさに係わる情報を利用し、ピクチャを分割する少なくとも1つのプロセッシングブロックの大きさを決定することができ、そのようなプロセッシングブロックの大きさは、基準符号化単位の整数倍の大きさでもある。
【0157】
一実施形態により、映像復号装置150は、ピクチャ1500に含まれるプロセッシングブロック1502,1512の大きさを決定することができる。例えば、映像復号装置150は、ビットストリームから獲得されたプロセッシングブロックの大きさに係わる情報に基づき、プロセッシングブロックの大きさを決定することができる。図15を参照すれば、映像復号装置150は、一実施形態により、プロセッシングブロック1502,1512の横サイズを、基準符号化単位横サイズの4倍、縦サイズを基準符号化単位の縦サイズの4倍に決定することができる。映像復号装置150は、少なくとも1つのプロセッシングブロック内において、少なくとも1つの基準符号化単位が決定される順序を決定することができる。
【0158】
一実施形態により、映像復号装置150は、プロセッシングブロックの大きさに基づいて、ピクチャ1500に含まれるそれぞれのプロセッシングブロック1502,1512を決定することができ、プロセッシングブロック1502,1512に含まれる少なくとも1つの基準符号化単位の決定順序を決定することができる。一実施形態により、基準符号化単位の決定は、基準符号化単位の大きさの決定を含んでもよい。
【0159】
一実施形態により、映像復号装置150は、ビットストリームから、少なくとも1つのプロセッシングブロックに含まれる少なくとも1つの基準符号化単位の決定順序に係わる情報を獲得することができ、獲得した決定順序に係わる情報に基づき、少なくとも1つの基準符号化単位が決定される順序を決定することができる。決定順序に係わる情報は、プロセッシングブロック内において、基準符号化単位が決定される順序または方向とも定義される。すなわち、基準符号化単位が決定される順序は、それぞれのプロセッシングブロックごとに独立しても決定される。
【0160】
一実施形態により、映像復号装置150は、特定データ単位ごとに、基準符号化単位の決定順序に係わる情報を、ビットストリームから獲得することができる。例えば、受信部160は、基準符号化単位の決定順序に係わる情報を、映像、シーケンス、ピクチャ、スライス、スライスセグメント、プロセッシングブロックなどのデータ単位路ごとに、ビットストリームから獲得することができる。基準符号化単位の決定順序に係わる情報は、プロセッシングブロック内での基準符号化単位決定順序を示すので、決定順序に係わる情報は、整数個のプロセッシングブロックを含む特定データ単位ごとにも獲得される。
【0161】
映像復号装置150は、一実施形態によって決定された順序に基づいて、少なくとも1つの基準符号化単位を決定することができる。
【0162】
一実施形態により、受信部160は、ビットストリームから、プロセッシングブロック1502,1512と係わる情報として、基準符号化単位決定順序に係わる情報を獲得することができ、映像復号装置150は、前記プロセッシングブロック1502,1512に含まれた少なくとも1つの基準符号化単位を決定する順序を決定し、符号化単位の決定順序により、ピクチャ1500に含まれる少なくとも1つの基準符号化単位を決定することができる。図15を参照すれば、映像復号装置150は、それぞれのプロセッシングブロック1502,1512と係わる少なくとも1つの基準符号化単位の決定順序(1504、1514)を決定することができる。例えば、基準符号化単位の決定順序に係わる情報が、プロセッシングブロックごとに獲得される場合、それぞれのプロセッシングブロック1502,1512と係わる基準符号化単位決定順序は、プロセッシングブロックごとにも異なる。プロセッシングブロック1502と係わる基準符号化単位決定順序(1504)がラスタースキャン(raster scan)順序である場合、プロセッシングブロック1502に含まれる基準符号化単位は、ラスタースキャン順序によっても決定される。それに対し、他のプロセッシングブロック1512と係わる基準符号化単位決定順序(1514)がラスタースキャン順序の逆順である場合、プロセッシングブロック1512に含まれる基準符号化単位は、ラスタースキャン順序の逆順によっても決定される。
【0163】
図1ないし図15においては、映像を最大符号化単位に分割し、最大符号化単位を階層的ツリー構造の符号化単位に分割する方法について説明された。図16ないし図28においては、インター予測のための動きベクトルを誘導するためのUMVE(ultimate motion vector expression)モードについて説明される。
【0164】
インター予測は、現在ピクチャの参照ピクチャから獲得された現在ブロックと類似した参照ブロックから現在ブロックを予測する予測方法である。現在ブロックをインター予測するために、現在ブロックと参照ブロックとの空間的差を示す動きベクトルと、現在ピクチャが参照する参照ピクチャとが決定される。そして、動きベクトルと参照ピクチャとによって決定された参照ブロックを参照し、現在ブロックが予測される。本開示で紹介されたUMVEモードは、動きベクトルを効率的に符号化及び/または復号するためのインター予測モードである。
【0165】
UMVEモードにおいては、現在ブロックに空間的に隣接したブロック、または時間的に隣接したブロックから、UMVE候補リストが決定される。そして、UMVE候補リストから選択された現在ブロックのUMVE候補から、現在ブロックの参照ピクチャと基本動きベクトルとが決定される。現在ブロックの基本動きベクトルを、補正サイズ及び補正方向によって補正することにより、現在ブロックの動きベクトルが生成される。
【0166】
図16において、UMVEモードによるインター予測について詳細に説明される。図16によれば、現在ブロックのUMVE候補から獲得された基本動きベクトル1600は、(5,-4)である。しかし、基本動きベクトル1600が示す参照ブロックが不正確である場合、現在ブロックの符号化効率が低下してしまう。従って、UMVEモードにおいて、前記基本動きベクトル1600は、補正サイズ1602及び補正方向1604によっても補正される。
【0167】
例えば、補正サイズ1602が2であり、補正方向1604が+x方向であるとき、基本動きベクトル1600を補正するための補正動きベクトル1606は、(2,0)に決定される。そして、基本動きベクトル1600と補正動きベクトル1606との和ベクトル(7,-4)が、現在ブロックの動きベクトル1608に決定される。従って、現在ブロックは、正確な参照ブロックを示す動きベクトル1608によっても予測される。従って、UMVEモードにおいては、基本動きベクトル1600を補正することにより、予測の正確性を向上させることができる。
【0168】
UMVEモードにおいて、基本動きベクトル1600の補正に必要な情報の大きさを小さくさせるために、補正サイズ1602と補正方向1604は、制限された数の候補を有する。例えば、補正サイズ1602が8個の補正サイズ候補のうちから決定される場合、補正サイズ1602を示す補正サイズ情報は、切削単項コード(truncated unary code)によれば、最小1ビットから最大7ビットにも表現される。同様に、補正方向1604が4個の補正方向候補(+x,-x,+y,-y)のうちから決定される場合、補正方向1604を示す補正方向情報は、2ビットによっても表現される。従って、補正動きベクトル1606を決定するために、必要なビット数は、9ビットに制限される。従って、UMVEモードにおいて、補正動きベクトル1606の決定に必要なビット数が決定された大きさ以下に制限されることにより、圧縮効率が上昇するのである。
【0169】
図17は、UMVEモードによって復号を行うビデオ復号装置1700のブロック図を図示する。
【0170】
ビデオ復号装置1700は、上位パラメータ決定部1710、符号化モード決定部1720及び復号部1730を含む。図17において、上位パラメータ決定部1710、符号化モード決定部1720及び復号部1730は、別途の構成単位によって表現されているが、実施形態により、上位パラメータ決定部1710、符号化モード決定部1720及び復号部1730は、合わされ、1つの構成単位によっても具現される。
【0171】
図17において、上位パラメータ決定部1710、符号化モード決定部1720及び復号部1730は、1つの装置に位置した構成単位に表現されたが、上位パラメータ決定部1710、符号化モード決定部1720及び復号部1730の各機能を担当する装置は、必ずしも物理的に隣接する必要はない。従って、実施形態により、上位パラメータ決定部1710、符号化モード決定部1720及び復号部1730が分散していてもよい。
【0172】
上位パラメータ決定部1710、符号化モード決定部1720及び復号部1730は、実施形態により、1つのプロセッサによっても具現される。また、実施形態により、複数個のプロセッサによっても具現される。
【0173】
上位パラメータ決定部1710は、現在ブロックの上位データ単位に、UMVEモードが許容されるか否かということを決定することができる。該上位データ単位は、現在ブロックのシーケンス、ピクチャ、スライス及びスライスセグメントでもある。例えば、上位パラメータ決定部1710は、ピクチャ単位において、UMVEモードが許容されるか否かということを決定することができる。
【0174】
上位パラメータ決定部1710は、各上位データ単位ごとに、UMVEモードが許容されるか否かということを決定することができる。例えば、上位パラメータ決定部1710は、現在シーケンスについて、UMVEモードが許容されるか否かということを決定することができる。そして、上位パラメータ決定部1710は、現在シーケンスに含まれた現在ピクチャについて、UMVEモードが許容されるか否かということを決定することができる。同様に、上位パラメータ決定部1710は、現在ピクチャに含まれた現在スライスについて、UMVEモードが許容されるか否かということを決定することができる。
【0175】
もし現在シーケンスに対してUMVEモードが許容されない場合、上位パラメータ決定部1710は、現在シーケンスに含まれた全てのピクチャについて、UMVEモードが許容されないと決定することができる。同様に、もし現在ピクチャについてUMVEモードが許容されない場合、上位パラメータ決定部1710は、現在ピクチャに含まれた全てのスライスについて、UMVEモードが許容されないと決定することができる。
【0176】
上位パラメータ決定部1710は、ビットストリームから、現在ブロックの上位データ単位に、UMVEモードが許容されるか否かということを示すUMVE許容フラグ(UMVE enabled flag)を獲得する。UMVE許容フラグが、前記上位データ単位に、UMVEモードが許容されることを示す場合、符号化モード決定部1720は、前記上位データ単位に含まれた全てのブロックについて、UMVEモードが適用されるか否かということを判断する。反対に、UMVE許容フラグが、前記上位データ単位に、UMVEモードが許容されないことを示す場合、符号化モード決定部1720は、前記上位データ単位に含まれた全てのブロックについて、UMVEモードが適用されないと判断する。
【0177】
UMVE許容フラグが1を示すとき、UMVE許容フラグは、上位データ単位に対し、UMVEモードを許容するとも解釈される。反対に、UMVE許容フラグが0を示すとき、UMVE許容フラグは、上位データ単位に対し、UMVEモードを許容しないとも解釈される。実施形態により、UMVE許容フラグの意味は、反対にも解釈される。
【0178】
上位パラメータ決定部1710は、各上位データ単位ごとに、UMVE許容フラグを獲得することができる。もしピクチャ単位でUMVEモードの許容いかんが決定される場合、上位パラメータ決定部1710は、ピクチャ単位で、UMVE許容フラグを獲得することができる。しかし、シーケンス単位、ピクチャ単位、スライス単位の順序で、階層的にUMVEモードの許容いかんが決定される場合、上位パラメータ決定部1710は、シーケンス単位に係わるUMVE許容フラグ、ピクチャ単位に係わるUMVE許容フラグ、スライス単位に係わるUMVE許容フラグを獲得することができる。
【0179】
他の実施形態において、UMVE許容フラグは、上位データ単位に、UMVEモードに係わる基本セッティング(default setting)が適用されるか否かということを示すことができる。例えば、UMVE許容フラグが0を示すとき、UMVE許容フラグは、上位データ単位に、UMVEモードに係わる基本セッティングを適用するとも解釈される。反対に、UMVE許容フラグが1を示すとき、UMVE許容フラグは、上位データ単位に、UMVEモードに係わる基本セッティングを適用しないとも解釈される。もしUMVE許容フラグが獲得されない場合、上位パラメータ決定部1710は、上位データ単位に、UMVEモードに係わる基本セッティングを適用することができる。
【0180】
UMVEモードに係わる基本セッティングは、上位データ単位に、UMVEモードを許容しないものでもある。または、UMVEモードに係わる基本セッティングは、特定条件において、上位データ単位に、UMVEモードのみを適用するものでもある。UMVEモードに係わる基本セッティングは、シーケンス単位別、ピクチャ単位別、スライス単位別に、異なるようにも設定される。
【0181】
上位パラメータ決定部1710は、特定条件により、UMVE許容フラグなしに、上位データ単位のUMVEモード許容いかんを決定することができる。例えば、現在ピクチャが、GoP(group of picture)の最後ピクチャである場合、上位パラメータ決定部1710は、UMVE許容フラグなしに、上位データ単位に、UMVEモードに係わる基本セッティングを適用することができる。他の例として、現在ピクチャの時間的レイヤデプス(temporal layer depth)により、上位パラメータ決定部1710は、UMVE許容フラグなしに、上位データ単位に、UMVEモードに係わる基本セッティングを適用することができる。
【0182】
上位パラメータ決定部1710は、上位データ単位に、UMVEモードが許容されるか否かということにより、他のインター予測モードの許容いかんを決定することができる。例えば、UMVE許容フラグによってUMVEモードが許容される場合、所定インター予測モードが上位データ単位に許容されない。前記所定インター予測モードには、DMVD(decoder-side motion vector derivation)モード、DMVR(decoder-side motion vector refinement)モード、スキップモード、ダイレクトモード、マージ(merge)モードなどが含まれてもよい。
【0183】
例えば、UMVEモードにおいては、ビットストリームから、動きベクトルに係わる情報が獲得される一方、DMVDモードまたはDMVRモードにおいては、動きベクトルに係わる情報を、ビットストリームから獲得せず、動きベクトルが誘導される。従って、一実施形態によれば、上位パラメータ決定部1710は、上位データ単位にUMVEモードが許容される場合、上位データ単位に、DMVDモードまたはDMVRモードが許容されないように決定することができる。
【0184】
他の例として、上位データ単位にUMVEモードが許容される場合、上位パラメータ決定部1710は、動きベクトルに係わる情報を省略するスキップモード、ダイレクトモード、マージモードが許容されないように決定することができる。
【0185】
他の実施形態によれば、上位パラメータ決定部1710は、上位データ単位にUMVEモードが許容される場合、ビットストリームから、前記所定インター予測モードに係わる許容フラグが、前記上位データ単位について獲得することができる。さらに他の実施形態によれば、上位パラメータ決定部1710は、上位データ単位にUMVEモードが許容される場合、前記所定インター予測モードに係わる許容フラグを獲得せず、上位データ単位に、前記所定インター予測モードに係わる基本セッティングを適用することができる。前記所定インター予測モードには、DMVDモード、DMVRモード、スキップモード、ダイレクトモード、マージモード、OBMC(overlapped block motion compensation)モード、IC(illumination compensation)モード、アフィン(affine)モードなどが含まれてもよい。
【0186】
上位パラメータ決定部1710は、上位データ単位にUMVEモードが許容される場合、追加して上位データ単位に適用されるUMVEモードに係わる設定情報を獲得することができる。以下、上位パラメータ決定部1710が獲得するUMVEモードに係わる付加情報について説明される。
【0187】
上位パラメータ決定部1710は、ビットストリームから、上位データ単位に許容されたUMVEモードのUMVE候補の個数を示すUMVE候補個数情報を獲得することができる。そして、復号部1730は、UMVE候補個数情報が示す個数ほどのUMVE候補を決定する。
【0188】
また、上位パラメータ決定部1710は、ビットストリームから、上位データ単位に許容された補正サイズ候補の個数を示す補正サイズ候補個数情報を獲得することができる。そして、復号部1730は、補正サイズ候補個数情報が示す個数ほどの補正サイズ候補を決定する。
【0189】
また、上位パラメータ決定部1710は、ビットストリームから、上位データ単位に許容された補正方向候補の個数を示す補正方向候補個数情報を獲得することができる。そして、復号部1730は、補正方向候補個数情報が示す個数ほどの補正方向候補を決定する。
【0190】
UMVE候補個数情報は、UMVE候補個数の最小個数と、上位データ単位に使用されるUMVE候補個数との差を示すことができる。例えば、UMVE候補個数の最小個数が4であり、上位データ単位に使用されるUMVE候補個数が5である場合、UMVE候補個数情報は、1を示すことができる。補正サイズ候補個数情報及び補正方向候補個数情報も、UMVE候補個数情報と同様に、最小個数と、上位データ単位に使用される候補個数との差を示すことができる。
【0191】
上位パラメータ決定部1710は、ビットストリームから、UMVE候補リストの構成方法を示すUMVE候補リスト構成情報を獲得することができる。UMVE候補リスト構成情報は、マージモードで使用される動きベクトル候補リストに基づいて、UMVEモードのUMVE候補リストが構成されることを示すことができる。
【0192】
または、UMVE候補リスト構成情報は、UMVEモード専用の動きベクトル候補リストが構成されることを示すことができる。例えば、UMVEモード専用の動きベクトル候補リストは、現在ピクチャの復号に使用された動きベクトル情報を統計的に分析しても構成される。もし現在ブロックの左側ブロックと上側ブロックとがUMVE候補に選択される確率が高い場合、UMVE候補リストに、現在ブロックの左側ブロックと上側ブロックとが優先的に含まれてもよい。
【0193】
または、UMVE候補リスト構成情報は、マージモードで使用される動きベクトル候補リストと、UMVEモード専用の動きベクトル候補リストとを混合して生成された動きベクトル候補リストが構成されることを示すことができる。
【0194】
上位パラメータ決定部1710は、UMVE候補リスト構成情報を獲得することができないか、あるいはUMVE候補リストが内在的に決定される場合、基本セッティングによるUMVE候補リスト構成方法を選択する。
【0195】
上位パラメータ決定部1710は、ビットストリームから、上位データ単位の複数のブロックに係わる補正サイズ範囲情報を獲得することができる。そして、復号部1730は、補正サイズ範囲情報が示す補正サイズ範囲に基づいて、前記基本動きベクトルの補正サイズを決定する。
【0196】
例えば、補正サイズ範囲情報は、補正サイズ候補の最小値を示すことができる。もし補正サイズ範囲情報が示す補正サイズ候補の最小値が1であり、補正サイズ個数候補情報が示す補正サイズ候補の個数が4であるとき、補正サイズ候補は{1,2,4,8}とも決定される。
【0197】
また、補正サイズ範囲情報は、補正サイズ候補間の大きさ差を示すことができる。例えば、補正サイズ範囲情報は、補正サイズ候補の値が算術級数的に増加するか、あるいは幾何級数的に増加するかということを示すことができる。補正サイズ候補の値が算術級数的に増加する場合、補正サイズ候補は、{1,2,3,4,5,…}のように決定される。そして、補正サイズ候補の値が幾何級数的に増加する場合、補正サイズ候補は、{1,2,4,8,16,…}のように決定される。
【0198】
また、補正サイズ範囲情報は、事前に決定された複数の補正サイズ候補セットのうち一つを示すことができる。例えば、補正サイズ範囲情報は、第1補正サイズ候補セット{1,2,4,8}、第2補正サイズ候補セット{1,2,3,4}、第3補正サイズ候補セット{4,8,16,32}のうち一つを示すことができる。
【0199】
上位パラメータ決定部1710は、ビットストリームから、上位データ単位の複数のブロックに係わる補正サイズ変更情報を獲得することができる。補正サイズ変更情報は、補正サイズ候補の範囲が、現在ピクチャと参照ピクチャとの時間的距離によって変更されるか否かということを示す。従って、補正サイズ変更情報が補正サイズ候補の範囲の変更を示すとき、復号部1730は、現在ピクチャと参照ピクチャとの時間的距離により、補正サイズ候補の範囲を決定することができる。
【0200】
一般的に、現在ブロックが、現在ピクチャから時間的に遠く離れた参照ピクチャの参照ブロックを参照する場合、基本動きベクトルの誤差が大きい確率が高い。一方、現在ブロックが、現在ピクチャから時間的に近い参照ピクチャの参照ブロックを参照する場合、基本動きベクトルの誤差が小さい確率が高い。従って、補正サイズ候補セットを、現在ピクチャと参照ピクチャとの時間的距離に比例して決定する場合、動きベクトルの予測正確性を向上させることができる。
【0201】
例えば、現在ピクチャと参照ピクチャとの時間的距離が短い場合、補正サイズ候補の最小値は1/2にも決定される。そして、現在ピクチャと参照ピクチャとの時間的距離が中間である場合、補正サイズ候補の最小値は1にも決定される。そして、現在ピクチャと参照ピクチャとの時間的距離が長い場合、補正サイズ候補の最小値は、2にも決定される。
【0202】
現在ピクチャと参照ピクチャとの時間的距離の遠近は、1以上の臨界値によっても判断される。例えば、臨界値が3個である場合、現在ピクチャと参照ピクチャとの時間的距離を、3個の臨界値と比較し、補正サイズ候補の最小値が決定されうる。
【0203】
上位パラメータ決定部1710は、補正サイズ範囲情報の補正サイズ候補最小値と、現在ピクチャと参照ピクチャとの時間的距離とにより、上位データ単位の補正サイズ候補の最小値を決定することができる。具体的には、補正サイズ範囲情報の補正サイズ候補最小値は、現在ピクチャと参照ピクチャとの時間的距離によって変更されることにより、上位データ単位の補正サイズ候補の最小値が決定されうる。
【0204】
上位パラメータ決定部1710は、補正サイズ変更情報を獲得することができないか、あるいは補正サイズの変更いかんが内在的に決定される場合、基本セッティングによって補正サイズの変更いかんを決定する。
【0205】
上位パラメータ決定部1710は、ビットストリームから、前記上位データ単位の複数のブロックに係わる予測方向変更許容情報を獲得することができる。現在ブロックは、UMVE候補リストから選択されたUMVE候補から、基本動きベクトルに係わる情報と共に、参照ピクチャの予測方向に係わる情報を獲得する。もし予測方向変更許容情報により、予測方向の変更が許容されなければ、UMVE候補の予測方向が現在ブロックに適用される。しかし、反対に、予測方向変更許容情報により、予測方向の変更が許容されれば、現在ブロックに、UMVE候補と異なる予測方向が適用されもする。
【0206】
前記予測方向は、リスト0単予測(uni-prediction)、リスト1単予測、リスト0とリスト1とをいずれも使用する双予測(bi-prediction)のうち一つを示す。単予測の場合には、リスト0またはリスト1の1つの参照ブロックだけが現在ブロックの予測に利用されるが、双予測の場合には、リスト0の参照ブロックと、リスト1の参照ブロックとが共に使用される。従って、単予測より双予測の予測正確度の高い可能性が高い。従って、予測方向の変更が許容される場合、UMVE候補が単予測を示す場合にも、UMVEモードの予測方向が双予測にも決定され、UMVEモードによる符号化効率が上昇するのである。
【0207】
従って、予測方向変更許容情報により、予測方向の変更が許容される場合、復号部1730は、現在ブロックの予測方向を変更することができる。例えば、予測方向の変更が許容される場合、UMVE候補の予測方向がリスト0単予測であっても、現在ブロックの予測方向は、リスト1単予測または双予測にも決定される。
【0208】
上位パラメータ決定部1710は、ビットストリームから、上位データ単位に係わる主予測方向情報を獲得することができる。該主予測方向情報は、上位データ単位に係わる主予測方向があるか否かということを示す。また、該主予測方向情報は、上位データ単位について主予測方向がある場合、上位データ単位の主予測方向が何であるかということを示す。上位データ単位の主予測方向が設定されれば、上位データ単位に含まれたUMVEモードが適用されたブロックは、主予測方向によって予測される。例えば、主予測方向が双予測と決定される場合、UMVEモードが適用されたブロックは、双予測されうる。従って、UMVE候補の予測方向が単予測であるときも、現在ブロックの予測方向は、双予測にも決定される。
【0209】
上位パラメータ決定部1710は、予測方向変更許容情報と主予測方向情報とをいずれも獲得することができる。予測方向変更許容情報が予測方向変更の許容を示し、主予測方向情報が主予測方向が設定されることを示す場合、復号部1730で獲得される予測方向情報は、現在ブロックの予測方向が、主予測方向であるか否かということを示す。例えば、主予測方向が双予測であり、予測方向情報が、現在ブロックの予測方向が主予測方向であることを示す場合、現在ブロックの予測方向は、双予測と決定される。もし主予測方向が双予測であり、予測方向情報が、現在ブロックの予測方向が主予測方向ではないと示す場合、現在ブロックの予測方向は、予測方向情報により、予備的予測方向であるリスト0単予測またはリスト1単予測と決定される。
【0210】
上位パラメータ決定部1710は、ビットストリームから、補正された基本動きベクトルを何回補正するかいうことを示す複数補正許容情報を獲得することができる。複数補正許容情報により、基本動きベクトルを何回か補正することができる場合、復号部1730は、基本動きベクトルを何回か補正することができる。
【0211】
符号化モード決定部1720は、上位データ単位に、UMVEモードが許容される場合、現在ブロックにUMVEモードが適用されるか否かということを決定する。符号化モード決定部1720は、ビットストリームから、現在ブロックにUMVEモードが適用されるか否かということを示すUMVEフラグを獲得することができる。例えば、符号化モード決定部1720は、UMVEフラグが、現在ブロックにUMVEモードが適用されることを示すとき、現在ブロックの予測モードをUMVEモードと決定することができる。反対に、符号化モード決定部1720は、UMVEフラグが、現在ブロックにUMVEモードが適用されないことを示すとき、現在ブロックの予測モードをUMVEモードに決定しない。
【0212】
符号化モード決定部1720は、現在ブロックにUMVEモードが適用される場合、現在ブロックに他のインター予測モードが適用されないと決定することができる。例えば、UMVEフラグにより、UMVEモードが現在ブロックに適用される場合、所定インター予測モードが現在ブロックに適用されない。前記所定インター予測モードには、DMVDモード、DMVRモード、スキップモード、ダイレクトモード、マージモード、OBMCモード、ICモード、アフィンモードなどが含まれてもよい。反対に、符号化モード決定部1720は、現在ブロックにUMVEモードが適用される場合、現在ブロックに特定予測モードが適用されると決定することができる。
【0213】
また、符号化モード決定部1720は、現在ブロックにUMVEモードが適用されない場合、現在ブロックに、他のイントラ予測モードが適用されるように決定することができる。例えば、前記イントラ予測モードには、DMVDモード、DMVRモード、マージモード、OBMCモード、ICモード、アフィンモードなどが含まれてもよい。
【0214】
復号部1730は、現在ブロックにUMVEモードが適用される場合、UMVE候補から、現在ブロックの基本動きベクトルを決定することができる。復号部1730は、UMVE候補リスト構成情報によるUMVE候補リスト構成方法により、UMVE候補リストを決定することができる。UMVE候補リストに含まれるUMVE候補個数は、UMVE候補個数情報によっても決定される。
【0215】
復号部1730は、ビットストリームから、UMVE候補リストから、現在ブロックの基本動きベクトル及び参照ピクチャを含むUMVE候補を示すUMVEインデックスを獲得することができる。そして、復号部1730は、UMVEインデックスにより、現在ブロックの基本動きベクトル及び参照ピクチャを決定することができる。
【0216】
復号部1730は、基本動きベクトルの補正のための補正サイズ及び補正方向を決定することができる。UMVEモードにおいて、予測の正確性のために、基本動きベクトルが補正される。従って、基本動きベクトルの補正のための補正動きベクトルを決定するために、復号部1730は、補正動きベクトルの大きさを示す補正サイズと、補正動きベクトルの方向を示す補正方向とを決定する。
【0217】
復号部1730は、上位データ単位に係わる補正サイズ候補個数情報、補正サイズ範囲情報及び補正サイズ変更情報により、補正サイズ候補を決定することができる。復号部1730は、補正サイズ候補個数情報により、補正サイズ候補の個数を決定することができる。そして、復号部1730は、補正サイズ範囲情報により、補正サイズ候補の最小値と、補正サイズ候補との大きさ差を決定することができる。また、復号部1730は、補正サイズ変更情報が、補正サイズ候補の範囲の変更を示すとき、現在ピクチャと参照ピクチャとの距離により、補正サイズ候補の範囲を決定することができる。例えば、現在ピクチャと参照ピクチャとの距離と、所定臨界値とを比較し、補正サイズ候補の最小値が変更されもする。従って、変更された最小値により、補正サイズ候補の範囲が決定されうる。
【0218】
復号部1730は、ビットストリームから、前記基本動きベクトルの補正サイズを示す補正サイズ情報を獲得することができる。補正サイズ情報は、所定個数の補正サイズ候補のうち、基本動きベクトルの補正サイズに対応する補正サイズ候補を示す。復号部1730は、補正サイズ情報が示す補正サイズ候補により、基本動きベクトルの補正サイズを決定することができる。
【0219】
復号部1730は、上位データ単位に係わる補正サイズ方向個数情報により、補正方向候補を決定することができる。そして、復号部1730は、所定個数の補正方向候補から、補正方向を決定する。
【0220】
復号部1730は、ビットストリームから、前記基本動きベクトルの補正方向を示す補正方向情報を獲得することができる。該補正方向情報は、所定個数の補正方向候補のうち、基本動きベクトルの補正方向に対応する補正方向候補を示す。復号部1730は、補正方向情報が示す補正方向候補により、基本動きベクトルの補正方向を決定することができる。
【0221】
復号部1730は、前記決定された補正サイズ及び補正方向により、基本動きベクトルを補正し、現在ブロックの動きベクトルを決定することができる。例えば、補正サイズが2であり、補正方向が+xである場合、基本動きベクトルから、x値が2増加した動きベクトルが、現在ブロックの予測に利用される。
【0222】
図18ないし図21は、UMVEモードにおいて、現在ブロックの動きベクトルを決定する過程について説明するための図面である。図18及び図21において、基本動きベクトルが示す座標が(base_x,base_y)に設定される。そして、UMVEモードの補正サイズ及び補正方向による補正動きベクトルについて、(base_x,base_y)を基準に説明される。
【0223】
図18を参照すれば、復号部1730は、基本動きベクトルを基準に、菱形状の分布を有する動きベクトル候補を決定することができる。
【0224】
復号部1730は、基本動きベクトル(base_x,base_y)1801から、1/4画素の距離にある動きベクトル候補(((base_x+1/4,base_y)1802、(base_x-1/4,base_y)1803、(base_x,base_y+1/4)1804、(base_x,base_y-1/4)1805)を第1候補グループと決定することができる。
【0225】
復号部1730は、基本動きベクトル(base_x,base_y)1801から、1/2画素の距離にある動きベクトル候補((base_x+1/2,base_y)1806、(base_x-1/2,base_y)1807、(base_x,base_y+1/2)1808、(base_x,base_y-1/2)1809)を第2候補グループと決定することができる。
【0226】
復号部1730は、基本動きベクトル(base_x,base_y)1801から、1画素の距離にある動きベクトル候補((base_x+1,base_y)1810、(base_x-1,base_y)1811、(base_x,base_y+1)1812、(base_x,base_y-1)1813)を第3候補グループと決定することができる。
【0227】
復号部1730は、補正距離により、第1候補グループないし第3候補グループのうち一つを選択することができる。そして、復号部1730は、補正方向によって、候補グループのうち1つの動きベクトル候補を、現在ブロックの動きベクトルとして決定することができる。
【0228】
図19を参照すれば、復号部1730は、基本動きベクトルを基準に、四角形状の分布を有する予測動きベクトル候補を決定することができる。
【0229】
同様に、復号部1730は、基本動きベクトル(base_x,base_y)1901から、約1/4画素の距離にある動きベクトル候補((base_x+1/4,base_y+1/4)1902、(base_x+1/4,base_y-1/4)1903、(base_x-1/4,base_y+1/4)1904、(base_x-1/4,base_y-1/4)1905)を第1候補グループと決定することができる。
【0230】
復号部1730は、基本動きベクトル(base_x,base_y)1901から、約1/2画素の距離にある動きベクトル候補((base_x+1/2,base_y+1/2)1906、(base_x+1/2,base_y-1/2)1907、(base_x-1/2,base_y+1/2)1908、(base_x-1/2,base_y-1/2)1909)を第2候補グループと決定することができる。
【0231】
復号部1730は、基本動きベクトル(base_x,base_y)1901から、約1画素の距離にある動きベクトル候補((base_x+1,base_y+1)1910、(base_x+1,base_y-1)1911、(base_x-1,base_y+1)1912、(base_x-1,base_y-1)1913)を第3候補グループと決定することができる。
【0232】
図20を参照すれば、ビデオ復号装置1730は、各グループを、異なる個数の動きベクトル候補に決定することができる。各画素間の間隔が1/4画素距離であるが、以下、ベクトル候補の成分値を、便宜上、4倍スケーリングして表示する。
【0233】
具体的には、復号部1730は、基本動きベクトルから、約1/4画素の距離にある8個の動きベクトル候補((base_x+1/4,base_y/4)2002、(base_x-1/4,base_y)2003、(base_x,base_y+1/4)2004、(base_x,base_y-1/4)2005、(base_x+1/4,base_y+1/4)2006、(base_x+1/4,base_y-1/4)2007、(base_x-1/4,base_y+1/4)2008、(base_x-1/4,base_y-1/4)2009)を第1候補グループと決定することができる。
【0234】
また、復号部1730は、基本動きベクトルから、約1/2画素の距離にある8個の動きベクトル候補((base_x+1/2,base_y)2010、(base_x-1/2,base_y)2011、(base_x,base_y+1/2)2012、(base_x,base_y-1/2)2013、(base_x+1/2,base_y+1/2)2014、(base_x+1/2,base_y-1/2)2015、(base_x-1/2,base_y+1/2)2016、(base_x-1/2,base_y-1/2)2017)を第2候補グループと決定することができる。
【0235】
復号部1730は、基本動きベクトルから、約1画素の距離にある8個の動きベクトル候補((base_x+1,base_y)2018、(base_x-1,base_y)2019、(base_x,base_y+1)2020、(base_x,base_y-1)2021、(base_x+1,base_y+1)2022、(base_x+1,base_y-1)2023、(base_x-1,base_y+1)2024、(base_x-1,base_y-1)2025)を第3候補グループと決定することができる。
【0236】
図21を参照すれば、復号部1730は、各候補グループに含まれた動きベクトル候補の分布形態を、候補グループ別に多様に決定することができる。具体的には、復号部1730は、基本動きベクトル2101を基準に、菱形状の分布を有する動きベクトル候補2102,2103,2104,2105を第1候補グループと決定することができる。また、復号部1730は、基本動きベクトル2101を基準に、四角形状の分布を有する動きベクトル候補2106,2107,2108,2109を第2候補グループと決定することができる。また、復号部1730は、基本動きベクトル2101を基準に、菱形状の分布を有する動きベクトル候補2110,2111,2112,2113を第3候補グループと決定することができる。図21に図示されているように、各候補グループの動きベクトル候補の分布は、図21に図示された分布形態以外に、多様な分布形態にも決定される。
【0237】
復号部1730は、1以上の基本動きベクトルを決定することができる。もし基本動きベクトルが二つであるならば、基本動きベクトルそれぞれを利用し、動きベクトル候補が生成されもする。
【0238】
復号部1730は、双予測を行うことができる。もし基本動きベクトルがリスト0及びリスト1にある参照ピクチャを利用して双予測として行われるならば、各予測方向の動きベクトルは、現在ピクチャと参照ピクチャとの時間的距離によっても補正される。
【0239】
例えば、リスト0の参照ピクチャと、リスト1の参照ピクチャは、現在ピクチャから同一方向に位置しているならば、リスト0に係わる基本動きベクトルと、リスト1に係わる基本動きベクトルとの補正方向は、同一に決定される。反対に、リスト0の参照ピクチャと、リスト1の参照ピクチャとが、現在ピクチャから互いに反対方向に位置しているならば、リスト0の基本動きベクトルの補正方向は、リスト1の基本動きベクトルの補正方向の反対に決定される。
【0240】
また、リスト0の基本動きベクトルの補正サイズと、リスト1の基本動きベクトルの補正サイズは、それぞれリスト0の参照ピクチャと、現在ピクチャとの時間的距離、及びリスト1の参照ピクチャと、現在ピクチャとの時間的距離に比例するように決定される。従って、リスト0の参照ピクチャと、現在ピクチャとの時間的距離が、リスト1の参照ピクチャと、現在ピクチャとの時間的距離の2倍である場合、リスト0の基本動きベクトルの補正サイズは、リスト0の基本動きベクトルの補正サイズの2倍に決定される。
【0241】
ビットストリームから獲得された補正サイズ情報及び補正方向情報が示す補正サイズ及び補正方向は、リスト0の基本動きベクトルにも適用される。
【0242】
リスト0の基本動きベクトルの補正に使用された補正サイズ及び補正方向は、リスト0の参照ピクチャと、現在ピクチャとの距離と、リスト1の参照ピクチャと、現在ピクチャとの距離を考慮しても変更される。そして、前記変更された補正サイズ及び補正方向が、リスト1の基本動きベクトルにも適用される。
【0243】
実施形態により、反対に、補正サイズ情報及び補正方向情報が示す補正サイズ及び補正方向が、リスト1の基本動きベクトルに適用され、変更された補正サイズ及び補正方向が、リスト0の基本動きベクトルにも適用される。
【0244】
図22は、双予測による2個の基本動きベクトルの補正方法の一実施形態を示す。図22において、リスト0の基本動きベクトル2202は、(0,-1)を示す。そして、リスト1の基本動きベクトル2212は、(0,2)を示す。
【0245】
UMVEモードにおいて、補正サイズ及び補正方向は、リスト0の基本動きベクトル2202と、リスト1の基本動きベクトル2212とにいずれも適用される。リスト0方向の基本動きベクトル2202に係わる補正サイズが1であり、補正方向が-yであるとき、リスト0の動きベクトル2204は、(0,-2)になる。
【0246】
リスト0の参照ピクチャと、リスト1の参照ピクチャは、現在ピクチャから互いに反対方向に位置している。従って、リスト1の基本動きベクトル2212の補正方向は、リスト0方向の基本動きベクトル2202に係わる補正方向の反対に決定される。従って、リスト1の基本動きベクトル2212の補正方向は、+yに決定される。
【0247】
リスト0の参照ピクチャと、リスト1の参照ピクチャは、現在ピクチャから同一時間的距離ほど離れている。従って、リスト1の基本動きベクトル2212の補正サイズは、リスト0方向の基本動きベクトル2202に係わる補正サイズと同一に決定される。従って、リスト1の基本動きベクトル2212の補正サイズは、1に決定される。
【0248】
従って、リスト1の動きベクトル2214は、リスト1の基本動きベクトル2212より、y成分が1ほどさらに大きい(0,3)に決定される。
【0249】
もしリスト0方向の基本動きベクトル2202に係わる補正サイズが2である場合、リスト0方向の動きベクトル2206は、(0,-3)に決定され、リスト1方向の動きベクトル2216は、(0,4)に決定される。また、リスト0方向の基本動きベクトル2202に係わる補正サイズが4である場合、リスト0方向の動きベクトル2208は、(0,-5)に決定され、リスト1方向の動きベクトル2218は、(0,6)に決定される。
【0250】
復号部1730は、予測方向変更許容情報により、予測方向の変更が許容される場合、ビットストリームから予測方向情報を獲得し、予測方向情報により、現在ブロックの予測方向を変更することができる。該予測方向情報は、予測方向を変更するか否かということを示すことができる。もし該予測方向情報が予測方向の変更を示さない場合、UMVE候補の予測方向によって、現在ブロックが予測される。しかし、該予測方向情報が予測方向の変更を示す場合、UMVE候補と異なる予測方向によって、現在ブロックが予測される。
【0251】
追加して、該予測方向情報は、変更される予測方向を示すことができる。例えば、UMVE候補の予測方向が、リスト0単予測である場合、該予測方向情報は、リスト1単予測及び双予測のうち一つを示すことができる。従って、該予測方向情報は、予測方向が変更されるか否かということと、変更された予測方向とを示すことができる。
【0252】
予測方向の変更がない場合、予測方向情報は、0にも設定される。予測方向の変更がある場合、変更された予測方向により、予測方向情報は、10または11にも設定される。例えば、UMVE候補の予測方向がリスト0単予測である場合、現在ブロックの予測方向がリスト0単予測であるとき、予測方向情報は、0にも設定される。
【0253】
もし現在ブロックの予測方向が双予測であるか、またはリスト1単予測であるとき、予測方向情報は、10または11にも設定される。実施形態により、UMVE候補の予測方向が単予測であり、現在ブロックの予測方向が双予測である場合、予測方向情報は、10にも設定される。実施形態により、UMVE候補の予測方向が単予測であり、現在ブロックの予測方向が他方向の単予測である場合、予測方向情報は、11にも設定される。
【0254】
他の例として、UMVE候補の予測方向がリスト1単予測である場合、現在ブロックの予測方向がリスト1単予測であるとき、予測方向情報は、0にも設定される。
【0255】
もし現在ブロックの予測方向が双予測であるか、またはリスト0単予測であるとき、予測方向情報は、10または11にも設定される。実施形態により、UMVE候補の予測方向が単予測であり、現在ブロックの予測方向が双予測である場合、予測方向情報は、10にも設定される。実施形態により、UMVE候補の予測方向が単予測であり、現在ブロックの予測方向が他方向の単予測である場合、予測方向情報は、11にも設定される。
【0256】
他の例として、UMVE候補の予測方向が双予測である場合、現在ブロックの予測方向が双予測であるとき、予測方向情報は、0にも設定される。
【0257】
もし現在ブロックの予測方向がリスト0単予測またはリスト1単予測であるとき、予測方向情報は、10または11にも設定される。実施形態により、UMVE候補の予測方向が双予測であり、現在ブロックの予測方向がリスト0単予測である場合、予測方向情報は、10にも設定される。実施形態により、UMVE候補の予測方向が双予測であり、現在ブロックの予測方向がリスト1単予測である場合、予測方向情報は、11にも設定される。
【0258】
もし予測方向情報が予測方向の変更を示すとき、復号部1730は、UMVE候補の動きベクトルを変更された予測方向によって、変更することができる。例えば、UMVE候補の予測方向がリスト0単予測であり、現在ブロックの予測方向がリスト1単予測である場合、リスト0の動きベクトルは、リスト1の参照ピクチャによる予測に適するように修正される。具体的には、リスト0の動きベクトルは、リスト0の参照ピクチャと、現在ピクチャとの時間的距離、及びリスト1の参照ピクチャと、現在ピクチャとの時間的距離の比によってスケーリングされるとも修正される。
【0259】
例えば、リスト0の動きベクトルが(8,6)であり、リスト0の参照ピクチャと、現在ピクチャとの時間的距離、及びリスト1の参照ピクチャと、現在ピクチャとの時間的距離の比が2:1であるとき、リスト1の動きベクトルは(4,3)にも決定される。もし前記時間的距離の比が2:-1であるとき、すなわち、リスト1の参照ピクチャと、リスト0の参照ピクチャとが現在ピクチャから異なる方向にあるとき、リスト1の動きベクトルは、(-4,-3)にも決定される。
【0260】
もしUMVE候補の予測方向がリスト0単予測であり、現在ブロックの予測方向が双予測である場合、UMVE候補のリスト0の動きベクトルに基づいて、リスト1の動きベクトルを獲得することができる。リスト1の動きベクトルは、リスト0の参照ピクチャと、現在ピクチャとの時間的距離、及びリスト1の参照ピクチャと、現在ピクチャとの時間的距離の比により、リスト0の参照ピクチャに係わる動きベクトルをスケーリングしても獲得される。そして、リスト1の参照ピクチャは、リスト1の特定順序に位置したピクチャとも決定される。そして、リスト0の参照ピクチャ及び動きベクトルと、リスト1の参照ピクチャ及び動きベクトルとがいずれも現在ブロックの予測に使用されうる。
【0261】
同様に、UMVE候補の予測方向がリスト1単予測であり、現在ブロックの予測方向が双予測である場合にも、リスト1の動きベクトルから、リスト0の動きベクトルが獲得されうる。そして、リスト0の参照ピクチャは、リスト0の特定順序に位置したピクチャにも決定される。そして、リスト0の参照ピクチャ及び動きベクトルと、リスト1の参照ピクチャ及び動きベクトルとがいずれも現在ブロックの予測に使用されうる。
【0262】
もしUMVE候補の予測方向が双予測であり、現在ブロックの予測方向がリスト0単予測である場合、リスト0の動きベクトル及び参照ピクチャと、リスト1の動きベクトル及び参照ピクチャとのうち、リスト0の動きベクトル及び参照ピクチャだけ利用し、現在ブロックが予測される。反対に、変更戦予測方向が双予測であり、変更された予測方向がリスト1単予測である場合、リスト0の動きベクトル及び参照ピクチャと、リスト1の動きベクトル及び参照ピクチャとのうち、リスト1の動きベクトル及び参照ピクチャだけ利用し、現在ブロックが予測される。
【0263】
復号部1730は、主予測方向情報が獲得された場合、主予測方向情報が示す主予測方向により、UMVE候補の動きベクトルを変更することができる。もし現在ピクチャの主予測方向と、UMVE候補の参照予測方向とが同一であるならば、現在ブロックは、UMVE候補の参照ピクチャと動きベクトルとによって予測される。しかし、現在ピクチャの主予測方向とUMVE候補の参照予測方向とが異なるのであるならば、UMVE候補の動きベクトルは、主予測方向によって変更される。主予測方向によるUMVE候補の動きベクトル及び参照ピクチャの変更は、予測方向情報によるUMVE候補の動きベクトル及び参照ピクチャの変更と同一に行われる。
【0264】
一実施形態によれば、復号部1730は、主予測方向情報が獲得され、予測方向変更許容情報により、予測方向の変更が許容される場合、予測方向情報により、現在ブロックの予測方向を変更することができる。主予測方向情報が設定された場合、予測方向情報は、主予測方向と、2個の予備的予測方向とのうち、現在ブロックの予測方向を示す。もし予測方向情報が主予測方向を示す場合、該主予測方向により、現在ブロックが予測される。しかし、予測方向情報が予備的予測方向を示す場合、2個の予備的予測方向のうち、予測方向情報が示す予測方向により、現在ブロックが予測される。主予測方向情報が設定された場合、予測方向情報において、主予測方向には、0が、第1予備的予測方向には、10が、第2予備的予測方向には、11が割り当てられもする。そして、主予測方向に係わる2個の予備的予測方向は、実施形態により、多様な方法によっても決定される。
【0265】
復号部1730は、複数補正許容情報により、基本動きベクトルを何回か補正することができる場合、補正された基本動きベクトルをさらに一度補正することができる。従って、復号部1730は、ビットストリームから、追加補正サイズ情報と追加補正方向情報とを獲得することができる。そして、復号部1730は、追加補正サイズ情報によって決定された追加補正サイズと、追加補正方向情報によって決定された追加補正方向とに基づいて、基本動きベクトルをさらに一度補正することができる。
【0266】
復号部1730は、補正サイズが臨界値以上であるとき、追加補正サイズ情報と追加補正方向情報とを獲得することができる。そして、追加補正サイズ情報と追加補正方向情報とが示す追加補正サイズと追加補正方向は、補正サイズと補正方向とによっても制限される。例えば、追加補正サイズは、補正サイズより小さいようにも決定される。または、追加補正方向は、補正方向と異なるようにも決定される。
【0267】
復号部1730は、現在ブロックの動きベクトル及び参照ピクチャに基づいて、現在ブロックを復元することができる。復号部1730は、現在ブロックの予測方向が、リスト0単予測またはリスト1単予測であるとき、1つの動きベクトル及び参照ピクチャを利用し、現在ブロックを予測することができる。復号部1730は、現在ブロックの予測方向が双予測であるとき、リスト0の動きベクトル及び参照ピクチャと、リスト1の動きベクトル及び参照ピクチャとを利用し、現在ブロックを予測することができる。
【0268】
復号部1730は、現在ブロックの予測結果により、現在ブロックを復元することができる。復号部1730は、現在ブロックの予測ブロック、と現在ブロックのレジデュアルブロックとにより、現在ブロックを復元することができる。現在ブロックのレジデュアルブロックは、現在ブロックの復元ブロックと予測ブロックとの差分値を示す。
【0269】
ビデオ復号装置1700で復号されるUMVE候補個数情報、補正サイズ候補個数情報、補正方向候補個数情報、UMVE候補リスト構成情報、補正サイズ範囲情報、主予測方向情報、UMVEインデックス、補正サイズ情報及び補正方向情報、予測方向情報、追加補正サイズ情報、並びに追加補正方向情報などは、固定長符号化(fixed length coding)または切削単項符号化(truncated unary coding)によっても二進化される。
【0270】
上位パラメータ決定部1710、符号化モード決定部1720及び復号部1730の機能は、図1Bの復号部170においても遂行される。
【0271】
図23ないし図25は、現在ブロックの参照ピクチャ及び動きベクトルのためのインターモードツールの選択方法の一実施例を示す。図23ないし図25は、共通して、符号化単位のシンタックス構造を示す。前記一実施形態によるシンタックス構造によれば、現在ブロックがスキップモードまたはダイレクトモードが適用されるとき、UMVEモードが選択されもする。図23ないし図25のae(v)は、同一行のシンタックスエレメントがエントロピー復号されることを意味する。従って、図23のcu_skip_flag[x0][y0]、cu_skip_umve[x0][y0]、図24のcu_direct[x0][y0]、affine_dir[x0][y0]、図25のcu_direct[x0][y0]、cu_direct_umve[x0][y0]は、エントロピー復号される。
【0272】
図23には、スキップモードにおいて、現在ブロックのインターモードツールを選択する方法が開示されている。スキップモードにおいては、現在ブロックの復元に必要なほとんどの符号化情報が省略され、一部の符号化情報だけにより、現在ブロックが復元される。従って、現在ブロックの復元に必要な符号化情報の省略により、符号化効率が上昇するのである。
【0273】
図23の実施形態によれば、スキップモードにおいては、インターモードツールが使用されうる。一実施形態によれば、スキップモードにおいては、UMVEモード、アフィンモード、マージモードが使用されうる。一実施形態によれば、現在ブロックにスキップモードが適用されるか否かということを示すcu_skip_flag[x0][y0]が獲得される。もし現在ブロックにスキップモードが適用されれば(if(cu_skip_flag[x0][y0]))、現在ブロックのインターモードツールがUMVEモードであるか否かということを示すcu_skip_umve[x0][y0]が獲得される。もし現在ブロックにUMVEモードが適用される場合(if(cu_skip_umve[x0][y0])、cu_mode=skip_UMVE)、現在ピクチャの基本動きベクトルと参照ピクチャとに含まれた隣接ブロックに係わる情報と、基本動きベクトルの補正に係わる補正サイズ情報及び補正方向情報とが獲得される(mvp_idx_umve(x0,y0,identical_list0_list1 flag))。もし現在ブロックにUMVEモードが適用されない場合、現在ブロックにアフィンモード(cu_mode=skip_AFFINE)またはマージモード(cu_mode=SKIP)が適用されうる。
【0274】
図23の実施形態においては、UMVEモード、アフィンモード、マージモードの順序適用いかんが判断された。しかし、当業者であるならば、容易にスキップモードで適用されるインターモードツールの種類を変更することができるであろう。また、当業者であるならば、スキップモードで適用されるインターモードツールの判断順序を変更することができるであろう。
【0275】
図24には、現在ブロックが含まれた現在スライスのスライスタイプがPタイプであるとき、ダイレクトモードにおいて、現在ブロックのインターモードツールを選択する方法が開示されている。ダイレクトモードにおいては、現在ブロックの動きベクトル決定に必要な符号化情報のうち一部が省略される。従って、現在ブロックの動きベクトル決定に必要な符号化情報の低減により、符号化効率が上昇するのである。
【0276】
図24の実施形態によれば、現在スライスのスライスタイプがPタイプであるとき、ダイレクトモードにおいては、UMVEモード及びアフィンモードが使用されうる。一実施形態によれば、現在ブロックにダイレクトモードが適用されるか否かということを示すcu_direct[x0][y0]が獲得される。もし現在ブロックにダイレクトモードが適用されれば(if(cu_direct[x0][y0]))、現在ブロックのインターモードツールがアフィンモードであるか否かということを示すaffine_dir[x0][y0]が獲得される。もし現在ブロックにアフィンモードが適用されない場合(if(affine_dir[x0][y0]))、現在ブロックにUMVEモードが適用されると決定される(cu_mode=DIR_UMVE)。そして、現在ブロックにUMVEモードが適用される場合、現在ピクチャの基本動きベクトルと参照ピクチャとが含まれた隣接ブロックに係わる情報と、基本動きベクトルの補正に係わる補正サイズ情報及び補正方向情報とが獲得される(mvp_idx_umve(x0,y0,identical_list0_list1 flag))。
【0277】
図24の実施形態においては、アフィンモード、UMVEモードの順序適用いかんが判断された。しかし、当業者であるならば、容易にダイレクトモードで適用されるインターモードツールの種類を変更することができるであろう。また、当業者であるならば、ダイレクトモードで適用されるインターモードツールの判断順序を変更することができるであろう。
【0278】
図25は、現在ブロックが含まれた現在スライスのスライスタイプがBタイプであるとき、ダイレクトモードにおいて、現在ブロックのインターモードツールを選択する方法が開示されている。
【0279】
図25の実施形態によれば、現在スライスのスライスタイプがBタイプであるとき、UMVEモード、アフィンモード、マージモードが使用されうる。一実施形態によれば、現在ブロックにダイレクトモードが適用されるか否かということを示すcu_direct[x0][y0]が獲得される。もし現在ブロックにダイレクトモードが適用されれば(if(cu_direct[x0][y0]))、現在ブロックのインターモードツールがUMVEモードであるか否かということを示すcu_direct_umve[x0][y0]が獲得される。もし現在ブロックにUMVEモードが適用される場合(if(cu_direct_umve[x0][y0]),cu_mode=DIR_UMVE)、現在ピクチャの基本動きベクトルと参照ピクチャとが含まれた隣接ブロックに係わる情報と、基本動きベクトルの補正に係わる補正サイズ情報及び補正方向情報とが獲得される(mvp_idx_umve(x0,y0、identical_list0_list1 flag))。もし現在ブロックにUMVEモードが適用されない場合、現在ブロックに、アフィンモード(cu_mode=DIR_AFFINE)またはマージモード(cu_mode=DIR)が適用されうる。
【0280】
図25の実施形態においては、UMVEモード、アフィンモード、マージモードの順序適用いかんが判断された。しかし、当業者であるならば、容易にダイレクトモードで適用されるインターモードツールの種類を変更することができるであろう。また、当業者であるならば、ダイレクトモードで適用されるインターモードツールの判断順序を変更することができるであろう。
【0281】
図26は、図17のビデオ復号装置1700のUMVEモードによる復号方法のフローチャートを図示する。
【0282】
段階2610において、現在ブロックが含まれた上位データ単位に、UMVEモードが許容されるか否かということが決定される。ビットストリームから獲得されたUMVE許容フラグにより、UMVEモードが上位データ単位に許容されるか否かということが決定されうる。
【0283】
上位データ単位にUMVEモードが許容される場合、ビットストリームから、上位データ単位に許容されたUMVEモードのUMVE候補の個数を示すUMVE候補個数情報と、上位データ単位の複数のブロックが参照する動きベクトル候補リストの構成方法を示すUMVE候補リスト構成情報とが獲得されうる。
【0284】
ビットストリームから、補正サイズ候補の個数を示す補正サイズ候補個数情報が獲得されうる。そして、上位データ単位の複数のブロックに係わる補正サイズ範囲情報が獲得されうる。また、上位データ単位の複数のブロックに係わる補正サイズ変更情報が獲得されうる。
【0285】
ビットストリームから、補正方向候補の個数を示す補正方向候補個数情報が獲得されうる。
【0286】
ビットストリームから、上位データ単位の複数のブロックに係わる予測方向変更許容情報が獲得されうる。そして、ビットストリームから、上位データ単位の主予測方向を示す主予測方向情報が獲得されうる。
【0287】
段階2620において、上位データ単位にUMVEモードが許容される場合、現在ブロックにUMVEモードが適用されるか否かということが決定される。ビットストリームから獲得されたUMVEフラグにより、UMVEモードが現在ブロックに適用されるか否かということが決定されうる。現在ブロックにUMVEモードが適用されない場合、現在ブロックに、UMVEモードではない他のインター予測モードが適用されうる。
【0288】
UMVE候補個数情報が示す現在ブロックのUMVE候補の個数が決定されうる。そして、UMVE候補リスト構成情報により、UMVE候補リストの構成方法が決定されうる。UMVE候補の個数、及びUMVE候補リストの構成方法により、現在ブロックのUMVE候補リストが構成されうる。
【0289】
また、補正サイズ候補個数情報が示す現在ブロックの補正サイズ候補の個数が決定されうる。補正サイズ範囲情報が示す補正サイズ範囲に基づいて、補正サイズ候補が決定されうる。また、補正サイズ変更情報が、現在ブロックの現在ピクチャと参照ピクチャとの距離により、基本動きベクトルの補正サイズが適応的に変更されることを示すとき、補正サイズ範囲を、現在ブロックの現在ピクチャと参照ピクチャとの距離によって変更することができる。
【0290】
また、補正方向候補個数情報が示す現在ブロックの補正方向候補の個数が決定されうる。
【0291】
現在ブロックにUMVEモードが適用され、予測方向変更許容情報が予測方向の変更が許容されることを示すとき、ビットストリームから、予測方向情報が獲得されうる。
【0292】
段階2630において、現在ブロックにUMVEモードが適用される場合、現在ブロックの基本動きベクトルが決定される。前記決定されたUMVE候補リストのうちUMVE候補が決定される。そして、UMVE候補が示す現在ブロックの隣接ブロックから、参照ピクチャ及び基本動きベクトルが抽出されうる。
【0293】
段階2640において、基本動きベクトルの補正のための補正サイズ及び補正方向が決定される。ビットストリームから、獲得された補正サイズ情報により、補正サイズ候補のうち基本動きベクトルの補正サイズが決定されうる。ビットストリームから獲得された補正方向情報により、補正方向候補において、基本動きベクトルの補正方向が決定されうる。
【0294】
補正された基本動きベクトルは、追加補正サイズ及び追加補正方向により、追加しても補正される。実施形態により、補正サイズが臨界値以上であるとき、基本動きベクトルのさらなる補正が行われもする。追加補正サイズは、補正サイズより小さいようにも決定される。
【0295】
段階2650において、補正サイズ及び前記補正方向により、基本動きベクトルを補正することにより、現在ブロックの動きベクトルが決定される。そして、予測方向情報が示す予測方向により、現在ブロックの動きベクトルと参照ピクチャとが変更されうる。上位データ単位について、主予測方向が決定された場合、予測方向情報は、主予測方向、及び2個の予備的予測方向において、現在ブロックの予測方向を示すことができる。上位データ単位について主予測方向が決定されない場合、予測方向情報は、UMVE候補の予測方向、及び残り2個の予測方向において、現在ブロックの予測方向を示すことができる。
【0296】
段階2660において、現在ブロックの動きベクトルに基づいて、前記現在ブロックが復元される。
【0297】
図17のビデオ復号装置1700で遂行されるUMVEモードによるインター予測方法は、図26のUMVEモードによる復号方法にも適用される。
【0298】
図27は、UMVEモードによってインター予測を行うビデオ符号化装置2800のブロック図を図示する。
【0299】
ビデオ符号化装置2700は、符号化パラメータ決定部2710、動きベクトル決定部2720、符号化情報決定部2730及び出力部2740を含む。図27において、符号化パラメータ決定部2710、動きベクトル決定部2720、符号化情報決定部2730及び出力部2740は、別途の構成単位に表現されているが、実施形態により、符号化パラメータ決定部2710、動きベクトル決定部2720、符号化情報決定部2730及び出力部2740は、合わされ、1つの構成単位にも具現される。
【0300】
図27において、符号化パラメータ決定部2710、動きベクトル決定部2720、符号化情報決定部2730及び出力部2740は、1つの装置に位置した構成単位に表現されたが、符号化パラメータ決定部2710、動きベクトル決定部2720、符号化情報決定部2730及び出力部2740の各機能を担当する装置は、必ずしも物理的に隣接する必要はない。従って、実施形態により、符号化パラメータ決定部2710、動きベクトル決定部2720、符号化情報決定部2730及び出力部2740が分散していてもよい。
【0301】
符号化パラメータ決定部2710、動きベクトル決定部2720、符号化情報決定部2730及び出力部2740は、実施形態により、1つのプロセッサによっても具現される。また、実施形態により、複数個のプロセッサによっても具現される。
【0302】
符号化パラメータ決定部2710は、現在ブロックが含まれた上位データ単位に、UMVEモードが許容されるか否かということを決定する。符号化パラメータ決定部2710は、上位データ単位において、UMVEモードが使用される頻度により、UMVEモードの許容いかんを決定することができる。または、符号化パラメータ決定部2710は、イメージの特性により、UMVEモードの許容いかんを決定することができる。
【0303】
動きベクトル決定部2720は、現在ブロックの動きベクトルを決定する。動きベクトル決定部2720は、現在ブロックの周辺ブロックから、複数の動きベクトルを獲得することができる。そして、動きベクトル決定部2720は、複数の動きベクトルの周辺をスキャンすることにより、現在ブロックの動きベクトルを決定することができる。動きベクトル決定部2720は、率・歪曲最適化により、最適の動きベクトルを現在ブロックの動きベクトルとして決定することができる。
【0304】
符号化情報決定部2730は、上位データ単位にUMVEモードが許容される場合、動きベクトルにより、現在ブロックにUMVEモードが適用されるか否かということを決定する。符号化情報決定部2730は、動きベクトル決定部2720が決定した現在ブロックの動きベクトルがUMVEモードによって導き出されるか否かということを判断することができる。もし現在ブロックの動きベクトルがUMVEモードによって導き出される場合、符号化情報決定部2730は、現在ブロックにUMVEモードを適用するように決定することができる。または、現在ブロックの動きベクトルと、UMVEモードによる動きベクトルとの最小誤差が臨界値以下である場合、符号化情報決定部2730は、現在ブロックに、UMVEモードを適用するように決定することができる。
【0305】
現在ブロックに、UMVEモードが適用される場合、符号化情報決定部2730は、現在ブロックの動きベクトルにより、現在ブロックの基本動きベクトルと、基本動きベクトルの補正のための補正サイズ及び補正方向とを決定する。符号化情報決定部2730は、現在ブロックの動きベクトルと、現在ブロックの基本動きベクトルとの差により、補正サイズ及び補正方向を決定することができる。
【0306】
出力部2740は、現在ブロックのUMVEモードによる符号化情報を含むビットストリームを出力する。符号化情報には、UMVE許容フラグ、UMVEフラグ、UMVE候補個数情報、補正サイズ候補個数情報、補正方向候補個数情報、UMVE候補リスト構成情報、補正サイズ範囲情報、補正サイズ変更情報、予測方向変更許容情報、主予測方向情報、複数補正許容情報などが含まれてもよい。
【0307】
符号化パラメータ決定部2710、動きベクトル決定部2720、符号化情報決定部2730の機能は、図1Aの符号化部110においても遂行される。出力部2740の機能は、図1Aのビットストリーム生成部120においても遂行される。
【0308】
図28は、図27のビデオ符号化装置2800のUMVEモードによる符号化方法のフローチャートを図示する。
【0309】
段階2810において、現在ブロックが含まれた上位データ単位に、UMVEモードが許容されるか否かということが決定される。上位データ単位において、UMVEモードが使用される頻度により、UMVEモードの許容いかんが決定されうる。または、イメージの特性により、UMVEモードの許容いかんが決定されうる。
【0310】
段階2820において、現在ブロックに係わる動きベクトルが決定される。現在ブロックの周辺ブロックから、複数の動きベクトルが獲得されうる。そして、複数の動きベクトルの周辺をスキャンすることにより、現在ブロックの動きベクトルが決定されうる。率・歪曲最適化により、最適の動きベクトルが、現在ブロックの動きベクトルとして決定されうる。
【0311】
段階2830において、上位データ単位にUMVEモードが許容される場合、動きベクトルによって現在ブロックにUMVEモードが適用されるか否かということが決定される。現在ブロックの動きベクトルがUMVEモードによって導出されることができるのか判断されることができる。もし現在ブロックの動きベクトルがUMVEモードによって導出されることができる場合、現在ブロックにUMVEモードが適用されるようにも決定される。または、現在ブロックの動きベクトルとUMVEモードによる動きベクトルの最小誤差が臨界値以下イル場合、現在ブロックにUMVEモードが適用されるようにも決定される。
【0312】
段階2840において、動きベクトルにより、現在ブロックの基本動きベクトルと、基本動きベクトルの補正のための補正サイズ及び補正方向とが、決定される。現在ブロックの動きベクトルと、現在ブロックの基本動きベクトルとの差により、補正サイズ及び補正方向が決定されうる。
【0313】
段階2850において、現在ブロックのUMVEモードに係わる情報を含むビットストリームが出力される。
【0314】
図27のビデオ符号化装置2700で遂行されるUMVEモードによるインター予測方法は、図28のUMVEモードによる符号化方法にも適用される。
【0315】
図1ないし図28を参照して説明されたツリー構造の符号化単位に基づいたビデオ符号化技法により、ツリー構造の符号化単位ごとに、空間領域の映像データが符号化され、ツリー構造の符号化単位に基づいたビデオ復号技法により、最大符号化単位ごとに復号が行われながら、空間領域の映像データが復元され、ピクチャ及びピクチャシーケンスであるビデオが復元されうる。復元されたビデオは、再生装置によって再生されるか、記録媒体に保存されるか、あるいはネットワークを介して伝送されもする。
【0316】
一方、前述の本開示の実施形態は、コンピュータで実行されうるプログラムに作成可能であり、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を利用し、前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータにおいても具現される。
【0317】
本開示は、特定の最上の実施形態と係わって説明されたが、それら以外に、本開示に、代替、変形及び修正が適用された発明は、前述の説明に照らして当業者に明白であろう。すなわち、特許請求の範囲は、そのような全ての代替、変形及び修正された発明を含むように解釈する。従って、本明細書及び図面で説明した全ての内容は、例示的であり、非制限的な意味に解釈されるものではない。
【0318】
以下、本願により教示される手段を例示的に列挙する。
【0319】
(付記1)
現在ブロックが含まれた上位データ単位に、UMVE(ultimate motion vector expression)モードが許容されるか否かということを決定する段階と、
前記上位データ単位にUMVEモードが許容される場合、前記現在ブロックにUMVEモードが適用されるか否かということを決定する段階と、
前記現在ブロックにUMVEモードが適用される場合、前記現在ブロックの基本動きベクトルを決定する段階と、
前記基本動きベクトルの補正のための補正サイズ及び補正方向を決定する段階と、
前記補正サイズ及び前記補正方向により、前記基本動きベクトルを補正し、前記現在ブロックの動きベクトルを決定する段階と、
前記現在ブロックの動きベクトルに基づいて、前記現在ブロックを復元する段階と、を含むビデオ復号方法。
(付記2)
前記上位データ単位は、シーケンス、ピクチャ及びスライスのうち一つであることを特徴とする付記1に記載のビデオ復号方法。
(付記3)
前記UMVEモードが許容されるか否かということを決定する段階は、
ビットストリームから、UMVE許容フラグを獲得する段階と、
前記UMVE許容フラグにより、前記上位データ単位に、UMVEモードが許容されるか否かということを決定する段階と、を含み、
前記現在ブロックにUMVEモードが適用されるか否かということを決定する段階は、
前記ビットストリームから、前記現在ブロックにUMVEモードが適用されるか否かということを示すUMVEフラグを獲得する段階と、
前記UMVEフラグにより、前記現在ブロックにUMVEモードが適用されるか否かということを決定する段階と、を含み、
前記現在ブロックの基本動きベクトルを決定する段階は、
前記ビットストリームから、前記現在ブロックの基本動きベクトル及び参照ピクチャを含むUMVE候補を示すUMVEインデックスを獲得する段階と、
前記UMVEインデックスにより、前記現在ブロックの基本動きベクトル及び参照ピクチャを決定する段階を含み、
前記補正サイズ及び前記補正方向を決定する段階は、
前記ビットストリームから、前記基本動きベクトルの補正サイズを示す補正サイズ情報、及び前記基本動きベクトルの補正方向を示す補正方向情報を獲得する段階と、
前記補正サイズ情報及び前記補正方向情報により、前記基本動きベクトルの補正サイズ及び補正方向を決定する段階と、を含むことを特徴とする付記1に記載のビデオ復号方法。
(付記4)
前記UMVEモードが適用されるか否かということを決定する段階は、
前記現在ブロックにUMVEモードが適用されない場合、前記現在ブロックに、前記UMVEモードではない第1インター予測モードを適用する段階を含むことを特徴とする付記1に記載のビデオ復号方法。
(付記5)
前記ビデオ復号方法は、
前記上位データ単位にUMVEモードが許容される場合、ビットストリームから、前記上位データ単位に許容されたUMVEモードのUMVE候補の個数を示すUMVE候補個数情報、補正サイズ候補の個数を示す補正サイズ候補個数情報、及び補正方向候補の個数を示す補正方向候補個数情報を獲得する段階と、
前記現在ブロックにUMVEモードが適用される場合、前記UMVE候補個数情報が示すUMVE候補の個数、前記補正サイズ候補個数情報が示す補正サイズ候補の個数、及び前記補正方向候補個数情報が示す補正方向候補の個数より、前記現在ブロックの参照ピクチャ候補、前記補正サイズ候補、前記補正方向候補を決定する段階と、をさらに含み、
前記基本動きベクトルを決定する段階は、
前記UMVE候補から選択された基本動きベクトルに基づいて、前記現在ブロックの基本動きベクトルを決定し、
前記補正サイズ及び前記補正方向を決定する段階は、
前記補正サイズ候補から補正サイズを決定し、前記補正方向候補から補正方向を決定することを特徴とする付記1に記載のビデオ復号方法。
(付記6)
前記ビデオ復号方法は、
前記上位データ単位にUMVEモードが許容される場合、ビットストリームから、前記上位データ単位の複数のブロックが参照する動きベクトル候補リストの構成方法を示すUMVE候補リスト構成情報を獲得する段階をさらに含み、
前記基本動きベクトルを決定する段階は、
前記UMVE候補リスト構成情報により、前記現在ブロックのUMVE候補リストを構成する段階と、
前記UMVE候補リストから現在ブロックの基本動きベクトル及び参照ピクチャを決定する段階と、を含むことを特徴とする付記1に記載のビデオ復号方法。
(付記7)
前記UMVE候補リスト構成情報は、
マージ動きベクトル候補リストにより、UMVE候補リストを決定する第1リスト決定方法、または現在ピクチャで多用された動きベクトルに基づいて、UMVE候補リストを決定する第2リスト決定方法を示すことを特徴とする付記6に記載のビデオ復号方法。
(付記8)
前記ビデオ復号方法は、
前記上位データ単位にUMVEモードが許容される場合、ビットストリームから、前記上位データ単位の複数のブロックに係わる補正サイズ範囲情報を獲得する段階をさらに含み、
前記補正サイズ及び前記補正方向を決定する段階は、
前記補正サイズ範囲情報が示す補正サイズ範囲に基づいて、前記基本動きベクトルの補正サイズを決定する段階を含むことを特徴とする付記1に記載のビデオ復号方法。
(付記9)
前記ビデオ復号方法は、
前記上位データ単位にUMVEモードが許容される場合、ビットストリームから、前記上位データ単位の複数のブロックに係わる補正サイズ変更情報を獲得する段階をさらに含み、
前記補正サイズ及び前記補正方向を決定する段階は、
前記補正サイズ変更情報が、前記現在ブロックの現在ピクチャと、参照ピクチャとの距離により、前記基本動きベクトルの補正サイズが適応的に変更されることを示すとき、前記基本動きベクトルの補正サイズを、前記現在ブロックの現在ピクチャと、参照ピクチャとの距離によって変更する段階を含むことを特徴とする付記1に記載のビデオ復号方法。
(付記10)
前記ビデオ復号方法は、
前記上位データ単位にUMVEモードが許容される場合、ビットストリームから、前記上位データ単位の複数のブロックに係わる予測方向変更許容情報を獲得する段階と、
前記現在ブロックにUMVEモードが適用され、前記予測方向変更許容情報が前記予測方向の変更が許容されることを示すとき、前記ビットストリームから、予測方向情報を獲得する段階と、を含み、
前記動きベクトルを決定する段階は、
前記予測方向情報が示す予測方向により、前記現在ブロックの動きベクトルを変更する段階を含むことを特徴とする付記1に記載のビデオ復号方法。
(付記11)
前記ビデオ復号方法には、
前記上位データ単位にUMVEモードが許容される場合、UMVEモードの主予測方向を決定する段階と、
前記動きベクトルを決定する段階は、
前記主予測方向に基づいて、前記動きベクトルを決定する段階と、
前記予測方向変更情報が前記予測方向が変更されることを示すとき、前記主予測方向ではない予備的予測方向により、前記基本動きベクトルを変更する段階と、を含み、
前記補正サイズ及び前記補正方向を決定する段階は、
前記主予測方向に基づいて、前記補正サイズ及び前記補正方向を決定する段階と、
前記予測方向変更情報が前記予測方向が変更されることを示すとき、前記主予測方向ではない予備的予測方向により、前記補正サイズ及び前記補正方向を変更する段階と、を含むことを特徴とする付記10に記載のビデオ復号方法。
(付記12)
前記ビデオ復号方法は、
前記補正サイズが臨界値以上であるとき、前記基本動きベクトルのさらなる補正のために、追加補正サイズ及び追加補正方向を決定する段階をさらに含み、
前記現在ブロックの動きベクトル決定段階は、
前記補正サイズ、前記補正方向、前記追加補正サイズ及び追加補正方向により、前記現在ブロックの動きベクトルを決定し、
前記追加補正サイズは、前記補正サイズより小さいことを特徴とする付記1に記載のビデオ復号方法。
(付記13)
現在ブロックが含まれた上位データ単位に、UMVE(ultimate motion vector expression)モードが許容されるか否かということを決定し、
前記上位データ単位にUMVEモードが許容される場合、前記現在ブロックにUMVEモードが適用されるか否かということを決定し、
前記現在ブロックにUMVEモードが適用される場合、前記現在ブロックの基本動きベクトルを決定し、前記基本動きベクトルの補正のための補正サイズ及び補正方向を決定し、
前記補正サイズ及び前記補正方向により、前記基本動きベクトルを補正し、前記現在ブロックの動きベクトルを決定し、
前記現在ブロックの動きベクトルに基づいて、前記現在ブロックを復元するプロセッサを含むビデオ復号装置。
(付記14)
現在ブロックが含まれた上位データ単位に、UMVE(ultimate motion vector expression)モードが許容されるか否かということを決定する段階と、
前記現在ブロックに係わる動きベクトルを決定する段階と、
前記上位データ単位にUMVEモードが許容される場合、前記動きベクトルにより、前記現在ブロックにUMVEモードが適用されるか否かということを決定する段階と、
前記動きベクトルにより、前記現在ブロックの基本動きベクトルと、前記基本動きベクトルの補正のための補正サイズ及び補正方向と、を決定する段階と、
前記現在ブロックのUMVEモードに係わる情報を含むビットストリームを出力する段階と、を含むビデオ符号化方法。
(付記15)
現在ブロックが含まれた上位データ単位に、UMVE(ultimate motion vector expression)モードが許容されるか否かということを決定し、
前記現在ブロックに係わる動きベクトルを決定し、
前記上位データ単位にUMVEモードが許容される場合、前記動きベクトルにより、前記現在ブロックにUMVEモードが適用されるか否かということを決定し、
前記動きベクトルにより、前記現在ブロックの基本動きベクトルと、前記基本動きベクトルの補正のための補正サイズ及び補正方向と、を決定し、
前記現在ブロックのUMVEモードによる符号化情報を含むビットストリームを出力するプロセッサを含むビデオ符号化装置。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28