(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082600
(43)【公開日】2022-06-02
(54)【発明の名称】履き物用のソール構造
(51)【国際特許分類】
A43B 13/20 20060101AFI20220526BHJP
【FI】
A43B13/20 A
【審査請求】有
【請求項の数】29
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022041345
(22)【出願日】2022-03-16
(62)【分割の表示】P 2020532635の分割
【原出願日】2018-12-12
(31)【優先権主張番号】62/598,782
(32)【優先日】2017-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フィデンシオ・カンポス・ザ・セカンド
(72)【発明者】
【氏名】ウェズリー・ケー・チャン
(72)【発明者】
【氏名】ザカリー・エム・エルダー
(72)【発明者】
【氏名】エリザベス・ラングヴィン
(72)【発明者】
【氏名】リー・ディー・ペイトン
(57)【要約】
【課題】ブラダーは、加荷重の下でブラダーが弾性的に圧縮するときの応答性に関係する足に対する支持と緩衝特性とのバランスをとることに重点を置いて設計される。
【解決手段】アッパーを有する履き物用のソール構造は、踵領域、前足領域、および踵領域と前足領域との間に配設される中足領域を備える。ソール構造は、第2のバリア層と連携して、前足領域内でソール構造の内側とソール構造の外側との間に延在する第1のセグメントと、前足領域内のソール構造の内側とソール構造の外側との間に延在する第2のセグメントと、第1のセグメントと第2のセグメントとの間に配設され、それらを接続するウェブエリアとを画成する第1のバリア層を備え、第1のバリア層はウェブエリア内の第2のバリア層に取り付けられている、流体充填チャンバーも具備する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッパーを有する履き物用のソール構造であって、
踵領域と、
前足領域と、
前記踵領域と前記前足領域との間に配置されている中足領域と、
第2のブラダー層と連携してチャンバーを画定する第1のブラダー層を含むブラダーであって、前記チャンバーが、当該ソール構造の内側および当該ソール構造の外側のうちの一方に沿って延在する第1のセグメントと、当該ソール構造の内側および当該ソール構造の外側のうちの他方へと延在する第2のセグメントとを画定し、前記第1のセグメントおよび前記第2のセグメントは、前記中足領域に配置された接合部に向かって延在し、互いに結合されている、ブラダーと、
を具備していることを特徴とする、ソール構造。
【請求項2】
前記第1のセグメントは第1の遠位端を含み、前記第2のセグメントは第2の遠位端を含み、前記第1の遠位端は前記接合部で前記第2の遠位端に結合されている、請求項1に記載のソール構造。
【請求項3】
前記第1のセグメントは、弧状であり、当該ソール構造の内側および当該ソール構造の外側のうちの一方から前記第1の遠位端まで延在する、請求項2に記載のソール構造。
【請求項4】
前記第1のセグメントは、前記踵領域から当該ソール構造の内側および当該ソール構造の外側のうちの他方に向かう方向に前記第1の遠位端まで延在する、請求項3に記載のソール構造。
【請求項5】
前記第1のセグメントが前記踵領域から前記第1の遠位端まで延在し、前記第2のセグメントが前記踵領域から前記第2の遠位端まで延在する、請求項2に記載のソール構造。
【請求項6】
前記チャンバーは、前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとの間に延在し、それらを流体結合する第3のセグメントを含んでいる、請求項1に記載のソール構造。
【請求項7】
前記第3のセグメントが弧状である、請求項6に記載のソール構造。
【請求項8】
前記第3のセグメントは、前記踵領域内で当該ソール構造の後端に沿って延在する、請求項6に記載のソール構造。
【請求項9】
前記第1のセグメントと前記第2のセグメントと前記第3のセグメントとが連携し、前記踵領域で閉ループを画定している、請求項6に記載のソール構造。
【請求項10】
請求項1に記載のソール構造が組み込まれた履き物。
【請求項11】
アッパーを有する履き物用のソール構造であって、
踵領域と、
前足領域と、
前記踵領域と前記前足領域との間に配置されている中足領域と、
第2のブラダー層と連携してチャンバーを画定する第1のブラダー層を備えるブラダーであって、前記チャンバーが、当該ソール構造の内側および当該ソール構造の外側のうちの一方に沿って延在する第1のセグメントと、当該ソール構造の内側および当該ソール構造の外側のうちの他方へと延在する第2のセグメントとを画定し、前記第1のセグメントは、当該ソール構造の内側および当該ソール構造の外側のうちの一方から、当該ソール構造の内側および当該ソール構造の外側のうちの他方へ向かう方向に延在し、接合部において、当該ソール構造の内側および当該ソール構造の外側のうちの他方で前記第2のセグメントに結合されている、ブラダーと、
を具備していることを特徴とする、ソール構造。
【請求項12】
前記接合部が前記中足領域に配置されている、請求項11に記載のソール構造。
【請求項13】
前記第1のセグメントが第1の遠位端を含み、前記第2のセグメントが第2の遠位端を含み、前記第1の遠位端は前記接合部で前記第2の遠位端に結合されている、請求項11に記載のソール構造。
【請求項14】
前記第1のセグメントは、弧状であり、当該ソール構造の内側および当該ソール構造の外側のうちの一方から前記第1の遠位端まで延在する、請求項13に記載のソール構造。
【請求項15】
前記第1のセグメントが前記踵領域から前記第1の遠位端まで延在し、前記第2のセグメントが前記踵領域から前記第2の遠位端まで延在する、請求項13に記載のソール構造。
【請求項16】
前記チャンバーは、前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとの間に延在し、それらを流体結合する第3のセグメントを含んでいる、請求項11に記載のソール構造。
【請求項17】
前記第3のセグメントが弧状である、請求項16に記載のソール構造。
【請求項18】
前記第3のセグメントは、前記踵領域内で当該ソール構造の後端に沿って延在する、請求項16に記載のソール構造。
【請求項19】
前記第1のセグメントと前記第2のセグメントと前記第3のセグメントとが連携し、前記踵領域で閉ループを画定している、請求項16に記載のソール構造。
【請求項20】
請求項11に記載のソール構造が組み込まれた履き物。
【請求項21】
アッパーを有する履き物用のソール構造であって、
踵領域と、
前足領域と、
前記踵領域と前記前足領域との間に配置されている中足領域と、
第2のブラダー層と連携してチャンバーを画定する第1のブラダー層を含むブラダーであって、前記チャンバーは、(i)当該ソール構造の内側および当該ソール構造の外側のうちの一方から当該ソール構造の前端に沿って延在する第1のセグメントであって、当該ソール構造の内側および当該ソール構造の外側のうちの他方における第1の遠位端で終端する第1のセグメントと、(ii)前記第1のセグメントに流体結合された第2のセグメントであって、当該ソール構造の内側および当該ソール構造の外側のうちの一方で前記第1のセグメントから、当該ソール構造の内側および当該ソール構造の外側のうちの他方へ向かう方向に延在する第2のセグメントと、を有する、ブラダーと、
を具備していることを特徴とする、ソール構造。
【請求項22】
前記第2のセグメントは、当該ソール構造の内側および当該ソール構造の外側のうちの他方で前記第1のセグメントに対向する第2の遠位端を含む、請求項21に記載のソール構造。
【請求項23】
前記第2の遠位端が、前記第1のセグメントから離間されている、請求項22に記載のソール構造。
【請求項24】
前記第2のセグメントは、当該ソール構造の内側および当該ソール構造の外側のうちの他方で前記第1の遠位端と位置合わせされた第2の遠位端を含む、請求項21に記載のソール構造。
【請求項25】
前記第2の遠位端が前記第1の遠位端から離間されている、請求項24に記載のソール構造。
【請求項26】
前記第1のセグメントが弧状である、請求項21に記載のソール構造。
【請求項27】
前記第2のセグメントがほぼまっすぐである、請求項26に記載のソール構造。
【請求項28】
前記第2のセグメントがほぼまっすぐである、請求項21に記載のソール構造。
【請求項29】
請求項21に記載のソール構造が組み込まれた履き物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2017年12月14日に出願された米国仮出願第62/598,782号に対する優先権を主張するPCT国際出願である。
【0002】
本開示は、一般的に履き物用のソール構造(sole structure)に関するものであり、より具体的には、複数のセグメントを有する流体充填チャンバーを組み込んだソール構造に関するものである。
【背景技術】
【0003】
この項では、必ずしも従来技術ではない本開示に関係する背景情報を提示する。
【0004】
履き物は、伝統的に、アッパーとソール構造とを備えている。アッパーは、足を受け入れ、ソール構造上に固定し、支持するのに適した材料から形成され得る。アッパーは、紐、ストラップ、または他のファスナーと連携して、足の周りのフィット具合を調整し得る。足の底面の近くの、アッパーの底部分は、ソール構造に付着する。
【0005】
ソール構造は、一般的に、地面とアッパーとの間に延在する層状配置構成を備える。ソール構造の1つの層は、耐摩耗性および地面とのトラクションをもたらすアウトソールを備える。アウトソールは、耐久性および耐摩耗性を付与するとともに、地面とのトラクションを強化するゴムまたは他の材料から形成され得る。ソール構造の別の層は、アウトソールとアッパーとの間に配設されたミッドソールを備える。ミッドソールは、足に対する衝撃緩衝性をもたらし、地面反力を減衰させることによって足への衝撃を緩衝するために加荷重の下で弾性的に圧縮するポリマー発泡材料から部分的に形成され得る。それに加えて、または代替的に、ミッドソールは、流体充填ブラダーを組み込んでソール構造の耐久性を高め、さらには地面反力を減衰させるために加荷重の下で弾性的に圧縮することによって足に対する緩衝作用をもたらすものとしてよい。ソール構造は、また、アッパーの底部の近くの空隙内に配置されたコンフォート強化インソールまたはソックライナー、および、アッパーに取り付けられミッドソールとインソールまたはソックライナーとの間に配設されたストローベルも備え得る。
【0006】
流体充填ブラダーを採用するミッドソールは、典型的には、一緒に封止または接着されるポリマー材料の2つのバリア層から形成されるブラダーを備える。流体充填ブラダーは、空気などの流体により加圧され、また、ブラダー内に引張部材を組み込んで、競技運動中など、加荷重の下で弾性的に圧縮されたときにブラダーの形状を保持するものとしてよい。一般的に、ブラダーは、加荷重の下でブラダーが弾性的に圧縮するときの応答性に関係する足に対する支持と緩衝特性とのバランスをとることに重点を置いて設計される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書で説明されている図面は、選択された構成を例示することのみを目的とし、本開示の範囲を制限することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の原理による履き物の側面斜視図である。
【
図2】ミッドソール、流体充填チャンバー、および層状構成で配置構成されているアウトソールを有するソール構造を示す、
図1の履き物の分解図である。
【
図3】ソール構造の流体充填ブラダーに関連付けられている複数のチャンバーの幾何学的形状および構成を示す、
図1の履き物の底面斜視図である。
【
図4】ソール構造の前足領域にあり、ソール構造の外側とソール構造の内側との間に延在し、遠位端で終端するセグメントを示す、
図3の直線4-4に沿って取られた断面図である。
【
図5】ソール構造の前足領域にあり、ソール構造の外側とソール構造の内側との間に延在し、遠位端で終端するセグメントを示す、
図3の直線5-5に沿って取られた断面図である。
【
図6】ソール構造の踵領域内に配設され、互いからウェブエリアによって分離されているセグメントを示す、
図3の直線6-6に沿って取られた断面図である。
【
図7】ソール構造に沿って離間され、前足領域、中足領域、および踵領域内に配設され、互いからウェブエリアによって分離されているセグメントを示す、
図3の直線7-7に沿って取られた断面図である。
【
図8】アウトソールセグメントが取り付けられているセグメントの斜視図である。
【
図9】ソール構造の流体充填ブラダーによって定められる緩衝支持ベクトルを示す、
図1の履き物の底面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
対応する参照番号は、図面全体を通して対応部分を指示している。
【0010】
次に、例示的な構成が、添付図面を参照しつつ、より完全に説明される。例示的な構成は、本開示が完全なものとなるように、また本開示の範囲が当業者に完全に伝わるように提示される。本開示の構成を完全に理解できるように特定の構成要素、デバイス、および方法の例などの特定の詳細が述べられる。当業者には、特定の詳細が使用される必要がないこと、例示的な構成が多くの異なる形態で具現化され得ること、および特定の詳細および例示的な構成が本開示の範囲を制限すると解釈されるべきでないことは明らかであろう。
【0011】
本明細書で使用される用語は、特定の例示的な構成のみを説明することを目的としており、本発明の範囲を制限することを意図していない。本明細書で使用される場合、単数形の冠詞「a」、「an」および「the」は、文脈上明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図され得る。「備える」、「備えている」、「含んでいる」、および「有している」という語は、特徴、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定し、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらからなる群の存在もしくは追加を除外しない。本明細書に記載される方法、ステップ、プロセス、および動作は、特に実行の順序として識別されていない限り、説明されるかまたは例示される特定の順序でそれを実行することを必ず必要とすると解釈されるべきでない。追加の、または代替的なステップが使用されてよい。
【0012】
要素もしくは層が、別の要素もしくは層に「載っている」、「係合されている」、「接続されている」、「取り付けられている」、または「結合されている」と言うとき、これは、直接他の要素もしくは層に直接載る、係合される、接続される、取り付けられる、もしくは結合され得るか、または介在する要素もしくは層が存在し得る。対照的に、要素が、別の要素もしくは層に「直接載る」、「直接係合される」、「直接接続される」、「直接取り付けられる」、または「直接結合される」と言うときには、介在する要素もしくは層は存在し得ない。要素間の関係を説明するために使用される他の単語も同じように解釈されるべきである(たとえば、「間にある」と「直接的に間にある」、「隣接する」と「直接的に隣接する」など)。本明細書で使用される場合、「および/または」という語は、関連する列挙されている項目のありとあらゆる組合せを含む。
【0013】
第1の、第2の、第3の、などの語は、様々な要素、構成要素、領域、層、および/またはセクションを説明するために使用され得る。これらの要素、構成要素、領域、層、および/またはセクションは、これらの語によって限定されるべきでない。これらの語は、1つの要素、構成要素、領域、層、またはセクションを、別の領域、層、またはセクションから区別するためにのみ使用され得る。「第1の」、「第2の」、および数を表す他の語などの語は、文脈によって明確に示されていない限り順序または順番を意味しない。したがって、以下で説明されている第1の要素、構成要素、領域、層、またはセクションは、例示的な構成の教示から逸脱することなく第2の要素、構成要素、領域、層、またはセクションと称されることも可能である。
【0014】
本開示の一態様は、履き物用のソール構造を提供する。この構造は、踵領域、前足領域、および踵領域と前足領域との間に配設される中足領域を備える。この構造は、また、第2のバリア層と連携して第1のチャンバーを画成する第1のバリア層を備えるブラダーを具備し、第1のチャンバーは、ソール構造の内側およびソール構造の外側のうちの一方に沿って延在する第1のセグメントと、第1のセグメントの第1の端部から内側および外側のうちの他方へと延在する第2のセグメントと、第1のセグメントの第2の端部から内側および外側のうちの他方へと延在し、第2のセグメントから分岐する第3のセグメントと、内側および外側のうちの他方に沿って第2のセグメントおよび第3のセグメントのうちの一方から踵領域に向かって延在する第4のセグメントと、第4のセグメントから内側および外側のうちの一方に向かって延在し、内側と外側との間の遠位端で終端する第5のセグメントとを有する。
【0015】
本開示の実装形態は、次の任意選択の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。いくつかの実装形態において、第4のセグメントは第2のセグメントから延在し、第5のセグメントは第2のセグメントと第3のセグメントとの間に延在する。ここで、第5のセグメントは、第3のセグメントに平行に延在するものとしてよく、内側および外側のうちの他方から内側および外側のうちの一方に向かう方向に沿って第2のセグメントに収斂するものとしてよい。
【0016】
いくつかの構成において、第4のセグメントは第3のセグメントから延在し、第3のセグメントは第2のセグメントと第5のセグメントとの間に延在する。ここで、第5のセグメントは、内側および外側のうちの他方から内側および外側のうちの一方に向かう方向で第2のセグメントおよび第3のセグメントに収斂するものとしてよい。任意選択で、第5のセグメントの遠位端は、アッパーに向かう方向に先細りになるものとしてよい。
【0017】
いくつかの例において、第1のチャンバーは、第2のセグメントおよび第3のセグメントのうちの他方から踵領域に向かって延在する第6のセグメントを備える。第1のチャンバーは、第6のセグメントから内側および外側のうちの一方に向かって延在し、内側と外側との間の遠位端で終端する第7のセグメントも備え得る。この例では、第5のセグメントは第2のセグメントと第3のセグメントとの間に延在するものとしてよく、第2のセグメントは第5のセグメントと第7のセグメントとの間に配設される。任意選択で、ソール構造のブラダーは、ソール構造の踵領域を囲む第2のチャンバーを備え得る。
【0018】
本開示の別の態様は、履き物用のソール構造を提供する。ソール構造は、踵領域と、つま先部分を含む前足領域と、踵領域と前足領域との間に配設される中足領域とを備える。ソール構造は、また、第2のバリア層と連携して、前足領域内のソール構造の内側からソール構造の外側へと延在する蛇行形状を有する第1のチャンバーと、踵領域の周を囲む第2のチャンバーと、前足領域のつま先部分内に形成された第3のチャンバーと、第1のチャンバー、第2のチャンバー、および第3のチャンバーの間に配設され、それらを接続するウェブエリアとを画成する第1のバリア層を備えるブラダーを具備する。第1のバリア層は、ウェブエリア内の第2のバリア層に取り付けられる。
【0019】
本開示の実装形態は、次の任意選択の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。いくつかの構成において、第1のチャンバーは内側に沿って第1の導管によって第2のチャンバーに流体的に接続され、第3のチャンバーは内側に沿って第2の導管によって第2のチャンバーに流体的に接続される。
【0020】
いくつかの例において、第1のチャンバーは、内側および外側のうちの一方に沿って延在する第1のセグメントと、第1のセグメントの第1の端部から内側および外側のうちの他方へと延在する第2のセグメントと、第1のセグメントの第2の端部から内側および外側のうちの他方へと延在し、第2のセグメントから分岐する第3のセグメントと、内側および外側のうちの他方に沿って第2のセグメントおよび第3のセグメントのうちの一方から踵領域に向かって延在する第4のセグメントと、第4のセグメントから内側および外側のうちの一方に向かって延在し、内側と外側との間の遠位端で終端する第5のセグメントとを備える。ここで、第3のチャンバーは、内側および外側のうちの一方から内側および外側のうちの他方までつま先部分の周りに延在する第5のセグメントと、内側および外側のうちの他方の第5のセグメントから内側および外側のうちの一方に向かって延在する第6のセグメントとを備えるものとしてよい。第6のセグメントは、内側と外側との間の遠位端で終端し得る。それに加えて、または代替的に、第6のセグメントは第2のセグメントに平行であってよい。第2のチャンバーは、また、中足領域から内側および外側のうちの一方に沿って踵領域を貫通して延在する第5のセグメントと、中足領域内の第1のセグメントから踵領域内の内側および外側のうちの他方へと延在する第6のセグメントと、踵領域の周りに延在し、第5のセグメントを第6のセグメントに流体的に結合する第7のセグメントとを備え得る。ここで、第7のセグメントは第3の導管によって第5のセグメントに流体的に結合されるものとしてよく、第7のセグメントは第4の導管によって第6のセグメントに流体的に結合されるものとしてよい。
【0021】
いくつかの実装形態において、ソール構造は、また、第1のチャンバー、第2のチャンバー、および第3のチャンバーのうちの少なくとも1つに取り付けられ、地面係合表面を画成するアウトソールを備える。この例では、ウェブエリアは、地面係合表面から陥凹しているものとしてよい。
【0022】
図1および
図2を参照すると、履き物10は、アッパー100、アッパー100に取り付けられているミッドソール200、およびミッドソール200と地面との間に延在するアウトソール300を備える。履き物10は、1つまたは複数の領域に分割され得る。これらの領域は、前足領域12と、中足領域14と、踵領域16とを備え得る。前足領域12は、つま先と、中足骨を足の趾節骨と接続する関節とに対応するものとしてよい。中足領域14は、足の土踏まずに対応するものとしてよく、踵領域16は、踵骨を含む、足の後側部分に対応するものとしてよい。履き物10は、それぞれ履き物10の対向する側に対応し、領域12、14、16を貫通して延在する外側18および内側20を備え得る。
【0023】
アッパー100は、足を受け入れ、固定してミッドソール200上に支持するように構成されている内部空隙102を画成する内面を備える。アッパー100は、縫い合わせるか、または接着剤で接着されて内部空隙102を形成する1つまたは複数の材料から形成され得る。アッパーの好適な材料は、限定はしないが、メッシュ、織物、発泡体、皮革、および合成皮革を含み得る。材料は、耐久性、通気性、耐摩耗性、柔軟性、および快適性をもたらすように選択され、配置され得る。
【0024】
いくつかの例において、アッパー100は、ミッドソール200に対向する底面106と、内部空隙102のフットベッド108を画成する対向する頂面とを有するストローベル104を備える。縫い付けまたは接着剤で、ストローベル104をアッパー100に固定し得る。
図4に示されているように、フットベッド108は、足の底面(たとえば、足底)の輪郭に形状適合するように起伏を付けられ得る。任意選択で、アッパー100は、また、ストローベル104上に配設され、足の足底面を受け入れる履き物10の快適さを高めるようにアッパー100の内部空隙102内に置かれ得るインソール110またはソックライナーなどの追加の層も組み込むものとしてよい。踵領域16内の踝開口部112は、内部空隙102へのアクセスを可能にし得る。たとえば、踝開口部112は足を受け入れて足を空隙102内に固定し、内部空隙102からの、および内部空隙102への足の進入および取り出しを円滑にし得る。
【0025】
いくつかの例において、1つまたは複数のファスナー114がアッパー100に沿って延在し、足の周りで内部空隙102のフィットを調整し、そこからの足の進入および取り出しに対処する。アッパー100は、小穴などの開口116および/またはファスナー114を受け入れる布またはメッシュループなどの他の係合特徴部を備え得る。ファスナー114は、紐、ストラップ、コード、フック&ループ、または他の好適な種類のファスナーを含み得る。アッパー100は、内部空隙102とファスナー114との間に延在するベロ部118を備え得る。
【0026】
図4~
図7に示されているように、ミッドソール200は、上側バリア層204(これ以降「上側層204」)と下側バリア層206(これ以降「下側層206」)によって画成されるブラダー202を備える。上側層204および下側層206は、ブラダー202に対するバリア層を、成形または熱成形プロセスにおいて複数の離散位置で連結し接着して、ミッドソール200の周上に延在するフランジ208およびミッドソール200の外側18と内側20との間に延在するウェブエリア210を形成することによって画成する。フランジ208およびウェブエリア210は、アッパー100の近くに配設され、したがって、アウトソール300の地面接触表面304に相対的に陥凹している。
【0027】
ブラダー202の上側層204は、アッパー100のストローベル104の底面106に対向し、それに付着する(たとえば、連結し、接着する)。それに加えて、ブラダー202の上側層204は、足の底面の輪郭に形状適合し足に緩衝作用および支持をもたらすように起伏を付けられ得る。上側層204は、成形プロセスまたは熱成形プロセスにおいて1つまたは複数のポリマー材料から形成されるものとしてよく、アッパー100の外周上で上方に延在する外周縁を備え得る。ブラダー202の下側層206は、ブラダー202の、上側層204に対向する側に配設される。下側層206は、アッパー100に向かって上向きに延在し、上側層204の外周縁と接着してフランジ208を形成する外周縁を備え得る。上側層204と同様に、下側層206は、成形または熱成形プロセスにおいて同じまたは異なるポリマー材料から形成され得る。
【0028】
いくつかの実装形態において、上側層204および下側層206は、それぞれの金型部分によって形成され、各金型部分は下側層206および上側層204が連結し接着するときにフランジ208および/またはウェブエリア210が形成される場所に対応する陥凹部および挟持面を形成するための様々な表面を画成する。いくつかの実装形態において、接着剤による接着で、上側層204および下側層206を連結してフランジ208およびウェブエリア210を形成する。他の実装形態では、上側層204および下側層206は、熱接着によって連結されて、フランジ208およびウェブエリア210を形成する。いくつかの例において、上側層204および下側層206のうちの一方または両方が、整形および成形を円滑にする温度に加熱される。いくつかの例において、層204、206は、それぞれの金型の間に配置される前に加熱される。他の例では、金型を加熱して層204、206の温度を上昇させ得る。いくつかの実装形態において、ブラダー202を形成するために使用される成形プロセスでは、金型部分内に真空ポートを組み込み、上側層204および下側層206が引かれてそれぞれの金型部分と接触するように空気を抜く。他の実装形態では、圧力増大によって層204、206をそれぞれの金型部分の表面と係合させるように、空気などの流体が、上側層204と下側層206との間のエリア内に注入され得る。
【0029】
ミッドソール200は、ブラダー202の上側層204とアッパー100との間に配設されるポリマー発泡体層(図示せず)を備え得る。したがって、ミッドソール200の任意選択の発泡体層は、ブラダー202の上側層204をアッパー100におよび/またはストローベル104の底面106に連結し、それによってミッドソール200およびアウトソール300をアッパー100に固定することによってブラダー202の上側層204をアッパー100に間接的に取り付ける中間層である。さらに、履き物10の発泡体層は、また、上側層204がアッパー100の周表面上に延在する程度を小さくするものとしてよく、したがって、履き物を長時間使用したときに上側層204がアッパー100から脱離する可能性を減じることによって履き物10の耐久性を高める。
【0030】
図3を参照すると、ブラダー202は、1つまたは複数のチャンバー212、214、216を備える。図示されている例において、第1のチャンバー212は中足領域14から前足領域12のつま先部分へと延在し、第2のチャンバー214は踵領域16を貫通し、第3のチャンバー216が前足領域12のつま先部分内に形成される。第2のチャンバー214は第1の導管220aによって第1のチャンバー212に流体的に結合され、第3のチャンバー216は第2の導管220bによって第1のチャンバー212に流体的に結合され、これについては以下でより詳しく説明される。
【0031】
チャンバー212、214、216は、各々、導管220a~220dのうちの1つまたは複数によって互いに流体的に結合された複数のセグメント218a~218lによって画成される。いくつかの実装形態において、下側層206は、複数のセグメント218a~218lおよび導管220a~220dの幾何学的形状(たとえば、厚さ、幅、および長さ)を画成する。下側層206および上側層204は、ブラダー202の外側18と内側20との間の複数の離散的エリア内で連結して接着し、各セグメント218a~218lおよび導管220a~220dを囲み、分離するウェブエリア210の一部を形成するものとしてよい。したがって、各セグメント218a~218lおよび導管220a~220dは、上側層204と下側層206とが連結されず、したがって互いに分離してそれぞれの空隙を形成するブラダー202のエリアと関連付けられる。
【0032】
フランジ208およびウェブエリア210は、セグメント218aから218lの各々を囲み周りに延在して、流体(たとえば、空気)をセグメント218a~218l内に封止するように連携し得る。いくつかの例において、ウェブエリア210の領域は、セグメント218a~218lおよび/または導管220a~220cによって完全に囲まれるが、ウェブエリア210の他の領域は、外側18および内側20のうちの一方に沿ったセグメント218a~218lおよび/または導管220a~220cと外側18および内側20のうちの他方に沿ったフランジ208との組合せによって囲まれる。いくつかの構成において、ウェブエリア210の領域は、ミッドソール200が地面に沿ってロールするときに履き物10の屈曲を円滑にするように屈曲ゾーンを画成する。
図3に示されているように、外側18と内側20との間で連続的に延在しているウェブエリア210の部分はない。
【0033】
図4~
図7に示されているように、各セグメント218a~218lは、実質的にチューブ状の断面形状、および上側層204と下側層206との間のミッドソール200の縦軸Lに実質的に垂直に延在する厚さを画成し得る。そのため、各セグメント218a~218lの厚さは、下側層206がアッパー100から遠ざかる方向に上側層204から突き出て離れる距離によって定められる。セグメント218a~218lのうちの少なくとも2つは、異なる厚さを定め得る。たとえば、踵領域16内に配設されている1つまたは複数のセグメント218h~218jは、前足領域12または中足領域14内に配設されている1つまたは複数のセグメント218a~218gに関連付けられている厚さより大きい厚さに関連付けられ得る。
図7に示されているように、ミッドソール200の厚さは、踵領域16から前足領域12までの間に徐々に減少し、これにより、踵領域16内で最初に生じ、ミッドソール200の前足領域12がロールして地面と係合するにつれ弱まるより大きな地面反力を吸収するための緩衝作用を高める。
【0034】
セグメント218a~218lおよび導管220a~220dの各々には、加圧流体(すなわち、ガス、液体)が充填され、これにより履き物10を使用しているときの足に対する緩衝作用および安定性をもたらすものとしてよい。いくつかの実装形態において、加荷重の下でのチャンバー212、214、216の複数のセグメント218a~218lの第1の部分の圧縮性は応答タイプの緩衝作用をもたらすが、チャンバー212、214、216のセグメント218a~218lの第2の部分は加荷重の下でソフトタイプの緩衝作用をもたらすように構成され得る。したがって、ブラダー202のセグメント218a~218lは連携して、加荷重が変化するとともに変化する履き物10に勾配緩衝作用をもたらすものとしてよい(すなわち、荷重が大きいほど、セグメント218a~218lがより多く圧縮され、したがって、履き物10の応答性能が高まる)。
【0035】
他の実装形態において、ポリマー発泡体および/または粒子状物質などの1つまたは複数の緩衝材が、足に対して緩衝作用をもたらすために、加圧流体の代わりに、またはそれに加えてセグメント218a~218lのうちの1つまたは複数によって封じ込められる。これらの実装形態において、緩衝材は、加圧流体を充填されたセグメント218a~218lと異なる緩衝特性をセグメント218a~218lのうちの1つまたは複数に付与し得る。たとえば、緩衝材は、加圧流体に比べて、応答性が高い場合も、低い場合も、または衝撃吸収力が大きい場合もある。
【0036】
いくつかの実装形態において、オーバーモールド部分がブラダー202の一部の上に延在し、加荷重の下にあるときにチャンバー212、214、216に対して高い耐久性および弾力性をもたらす。オーバーモールド部分は、下側層206に付着して下側層206と上側層204との間の分離距離がより大きいブラダー202に対する耐久性および弾力性を高めるか、または踵領域16などのブラダー202の特定の領域内の厚さを増やすことによって前足領域12、中足領域14、および/または踵領域16上に延在し得る。いくつかの例において、オーバーモールド部分は下側層206に接着され、下側層206と異なる厚さ、異なる硬さ、および異なる材質のうちの少なくとも1つを備える。オーバーモールド部分は、前足領域12、中足領域14、および踵領域16内に置かれているセグメントを部分的に画成する下側層206のエリアにのみ付着することに限定されるものとしてよく、したがって、オーバーモールド部分は、フランジ208およびウェブエリア210には存在しなくてもよい。したがって、オーバーモールド部分は、複数のセグメント218a~218lを部分的に画成し得る。
【0037】
アウトソール300は、ミッドソール200に付着し、その形状に適合する。アウトソール300は、履き物10の地面接触表面304を画成するための複数の地面接触パッド302を備え得る。いくつかの例において、接触パッド302は、ブラダー202の下側層206から、アッパー100から遠ざかる方向に延在し、地面とのトラクションを高める。接触パッド302は、また、足の底面が地面より高い位置に来るようにし得る。
【0038】
いくつかの例において、アウトソール300は地面係合表面304と、セグメント218a~218lを画成する下側層206の領域に付着する対向する内面306とを備える。したがって、アウトソール300は複数のセグメントを備え、各々それぞれのセグメント218a~218lの形状に適合する形状を画成するものとしてよく、これにより、アウトソール300はセグメント218a~218lの間の領域内になく、それによって、ブラダー202のフランジ208およびウェブエリア210を露出させる。アウトソール300は、一般的に、耐摩耗性および地面とのトラクションをもたらし、耐久性および耐摩耗性を付与し、さらには地面とのトラクションを強化する1つまたは複数の材料から形成され得る。たとえば、ゴムは、アウトソール300の少なくとも一部を形成し得る。
【0039】
図示されている例において、アウトソール300は、上で説明されているように、オーバーモールド部分として形成される。したがって、アウトソール300は、オーバーモールドプロセスを使用してブラダー202の下側層206と一体形成され得る。他の例では、アウトソール300は、ブラダー202の下側層206とは別に形成されてよく、下側層206に接着剤で接着され得る。
【0040】
図3を参照すると、セグメント218a~218lの幾何学的形状および構成が、履き物10の底面斜視図を参照しつつ示されている。セグメント218a~218lのうちの少なくとも1つは、他のセグメント218a~218lと異なる長さを有するものとしてよい。上で説明されているように、セグメント218a~218lは、ミッドソール200のエリア内に形成され、そこで上側層204および下側層206は互いに分離され離間されて加圧流体または緩衝材を封じ込めるためのそれぞれの空隙を画成する。そのため、フランジ208およびウェブエリア210はブラダー202のエリアに対応し、そのエリアでは上側層204および下側層206は連結されて接着され、各セグメント218a~218lの周を囲んで画成するように連携し、それによって加圧流体を中に封止する。したがって、セグメント218a~218lは、ミッドソール200の領域12、14、16のうちの対応するものの中に配設されてよく、ウェブエリア210によって互いにから離間され得る。言い換えると、1つまたは複数のセグメント218a~218lは、ウェブエリア210の対応する領域を囲むように連携し得る。
【0041】
いくつかの実装形態において、セグメント218a~218lのうちの少なくとも2つはミッドソール200の外側18に沿って延在し、少なくとも2つの他のセグメント218a~218lはミッドソール200の内側20に沿って延在する。さらに、セグメント218a~218lのうちのいくつかは、ミッドソール200の外側18とミッドソール200の内側20との間に延在する。たとえば、少なくとも1つのセグメント218a~218lは、外側18および内側20のうちの一方から外側18および内側20のうちの他方へと連続的に延在し得る。それに加えて、または代替的に、セグメント218a~218lのうちの少なくとも1つは、外側18および内側20のうちの一方から内側20と外側18との間の場所で終端する遠位端222へと延在する。ここで、遠位端222は、アッパー100に向かう方向に先細りになるものとしてよい、すなわち、下側層206はブラダー202の上側層204に向かって先細りになり、したがって、セグメント218a~218lの厚さは遠位端222に向かう方向に沿って減少する。
【0042】
いくつかの実装形態において、セグメント218a~218lは、互いに流体的に連通して、ブラダー202に対する単一圧力システムを形成する。単一圧力システムは、加荷重の下にあるときに流体をセグメント218a~218l内に導いて通し、特に履き物10の前進ランニング動作中にセグメント218a~218lが圧縮または膨張して地面反力を減衰させることによって緩衝作用、安定性、および支持をもたらす。任意選択で、セグメント218a~218lのうちの1つまたは複数は、セグメント218a~218lのうちの少なくとも1つが異なる圧力で加圧され得るように他のセグメント218a~218lから流体的に隔離され得る。
【0043】
いくつかの構成において、少なくとも2つの隣接するセグメント218a~218lは曲がり224または曲がり角で互いに接続され、それによって、対応する曲がり224によって接続されるセグメントの各々は互いに異なる方向に延在する。各曲がり224は、ミッドソール200の周に向かって延在する内半径と関連付けられる。いくつかの例において、各曲がり224の半径は少なくとも3mmである。さらに、各曲がり224は、それぞれのセグメント218a~218lの、フランジ208とは反対の側でミッドソール200の周の近くに配設される。曲がり224をセグメントの、フランジ208と反対の側に位置決めすることによって、セグメント218a~218lによる押しつぶしは、ミッドソール200に印加される荷重の間の方向性のシフトにおいて制限される。
【0044】
図3に示されているように、第1のチャンバー212のセグメント218a~218gは、前足領域12内に配設されているセグメント218eの遠位端222eと中足領域14内に配設されているセグメント218gの遠位端222gとの間に延在する第1のチャンバー212について単一蛇行形状を画成するように連携し得る。より具体的には、第1のチャンバー212の単一蛇行形状は、ミッドソール200の縦軸Lに沿って延在し、外側18に沿って延在する1つまたは複数のセグメント218d、218fと、内側20に沿って延在する1つまたは複数のセグメント218cと、外側18と内側20との間に連続的に延在するセグメント218a、218bと、外側18と内側20との間のそれぞれの遠位端222e、222gで終端する遠位端222に対して内側20に向かって延在するセグメント218e、218gとを備える。
【0045】
いくつかの例において、第1のチャンバー212は、前足領域12から中足領域14を通って延在する複数のセグメント218a~218gを備える。第1および第2のセグメント218a、218bは、前足領域12内に配設され、外側18からミッドソール200の内側20に連続的に延在する。第2のセグメント218bは、ミッドソール200の縦軸Lに関して第1のセグメント218aの前方に配設される。第1のセグメント218aおよび第2のセグメント218bは、外側18から内側に向かう方向に互いに収斂する。第3のセグメント218cは、前足領域12内で内側20に沿って延在し、第1のチャンバー212のそれぞれの曲がり224のところで第1のセグメント218aに流体的に結合されている第1の端部と、第2のセグメント218bに流体的に結合されている第2の端部とを備える。第1のチャンバー212は、ミッドソール200の外側18に沿って第2のセグメント218bから第1のセグメント218aに向かって延在する第4のセグメント218dをさらに備える。第5のセグメント218eは、第1のセグメント218aと第2のセグメント218bとの間に配設され、第4のセグメント218dから延在する。第5のセグメント218eは、第4のセグメント218dから内側20に向かって延在し、外側18と内側20との間の遠位端222eで終端する。いくつかのシナリオにおいて、第5のセグメント218eは第1のセグメント218aに実質的に平行であり、外側18から内側20に向かう方向で第2のセグメント218bに収斂する。第6のセグメント218fは、外側18に沿って第2のセグメント218bから遠ざかる方向に(すなわち、踵領域に向かって)第1のセグメント218から延在する。いくつかの例において、第6のセグメント218fは中足領域14の中まで延在する。第1のチャンバー212の第7のセグメント218gは、第6のセグメント218fから内側18に向かって延在し、外側18と内側20との間の遠位端222gで終端する。第7のセグメント218gは、外側18から内側20に向かう方向で第1のセグメント218aに収斂する。
【0046】
図3を引き続き参照すると、第2のチャンバー214は、中足領域14から内側20に沿って延在する第8のセグメント218hを備える。第9のセグメント218iは、内側20上の第8のセグメント218hからミッドソールを横切って外側18まで延在する第1の部分と、外側に沿って踵領域16を貫通して延在する第2の部分とを備える。第2のチャンバー214の第10のセグメント218jは、踵領域16の周りで内側20上の第8のセグメント218hから外側18上の第9のセグメント218iへと延在する。第10のセグメント218jは、第3の導管220cおよび第4の導管220dによってそれぞれ第8のセグメント218hおよび第9のセグメント218iの各々に流体的に結合され得る。上で提示されているように、セグメント218h~218jおよび第2のチャンバー214の導管220c、220dの各々は、緩衝作用および応答性の望ましい特性を付与するように加圧流体を充填され得る。それに加えて、または代替的に、踵領域16を囲む第10のセグメント218jは、第8のセグメント218hおよび第9のセグメント218iの加圧流体から異なる緩衝特性をもたらす緩衝材を含み得る。
【0047】
第3のチャンバー216は、前足領域12のつま先部分の周りで内側20から外側18へと延在する第11のセグメント218kを備える。第12のセグメント218lは、外側18のところの第11のセグメント218kから内側20に向かって延在し、外側18と内側との間の遠位端222lで終端する。第12のセグメント218lは、第2のセグメント218bに実質的に平行である。
【0048】
図3、
図5、および
図8に示されているように、第5のセグメント218e、第7のセグメント218g、および第12のセグメント218lの遠位端222e、222g、222lは複合先細り部を含み、これらのセグメントの厚さTおよび幅は両方とも、遠位端222e、222g、222lに向かう方向に沿って減少する。先細りの遠位端222e、222g、222lは、剪断力などの荷重が加えられたときにその形状を保つために、それぞれのセグメント218e、218g、218lに対するアンカー点として、さらには全体としてブラダー202に対するアンカー点として動作する。
【0049】
いくつかの例において、セグメント218a、218b、218e、218g、218k、218lは各々、一般的に外側18から内側20に向かう方向に沿って延在し、足に緩衝作用をもたらすために履き物10がランニング動作を行っている間にアウトソール300がロールして地面と係合するときに連続的に圧縮するように構成される。ウェブエリア210は、セグメント218a、218b、218e、218g、218k、218lを互いに分離して、ウェブエリア210が前足領域12から中足領域14を貫通して延在する屈曲ゾーンを画成するようにしてもよい。さらに、上で説明されているように、セグメント218a、218b、218e、218g、218k、218lの各々は、外側18から内側20に向かう方向で他のセグメント218a、218b、218e、218g、218k、218lのうちの各々に平行であるか、またはそれに収斂するかのいずれかである。セグメント218a、218b、218e、218g、218k、218lさらにはセグメント218a、218b、218e、218g、218k、218lを分離するウェブエリア210の平行なおよび/または収斂する配置構成は、セグメント218a、218b、218e、218g、218k、218lが加荷重の下で圧縮し、セグメント218a、218b、218e、218g、218k、218lが圧縮下にある間に足による振動を同時に減衰させながら、ランニング動作時に地面反力を減衰させることによって前足に対する緩衝作用をもたらすことを可能にする。
【0050】
図4は、
図1および
図2を参照しつつ上で説明されているように、インソール110、アッパー100のストローベル104、および層状構成で配置構成されているブラダー202の上側層204とともに前足領域12内のミッドソール200を示す
図3の直線4-4に沿って取られた断面図を提示している。上で提示されているように、下側層206の周縁はアッパー100に向かって上向きに延在し、上側層204の周縁と連結して内側20および外側18に沿ってフランジ208を形成するものとしてよい。ブラダー202の下側層206は、また、アッパー100に向かって延在し、上側層204と連結して、セグメント218k、218lの間に延在し、これらを分離するウェブエリア210の一領域を形成するものとしてよい。たとえば、ミッドソール200の内側20に沿って延在するセグメント218kは、ウェブエリア210、および内側20に形成されたフランジ208によって囲まれ、外側18のところのセグメント218kから内側20に向かって延在するセグメント218lは、ウェブエリア210、および外側18のところに形成されたフランジ208によって囲まれる。セグメント218lの遠位端222lは、アッパー100に向かう方向に先細りになり、外側18と内側20との間の場所に形成されるウェブエリア210で終端する。
【0051】
アウトソール300は、セグメント218k、218lの各々に付着し、形状適合する。いくつかの例において、接触パッド302は、アウトソール300から、アッパー100から遠ざかる方向に、セグメント218k、218lのそれぞれの長さに沿って延在し、地面とのトラクションを高める。
【0052】
図5は、
図1および
図2を参照しつつ上で説明されているように、インソール110、アッパー100のストローベル104、および層状構成で配置構成されているブラダー202の上側層204とともに前足領域12内のミッドソール200を示す
図3の直線5-5に沿って取られた断面図を提示している。下側層206の周縁はアッパー100に向かって上向きに延在し、上側層204の周縁と連結して内側20および外側18に沿ってフランジ208を形成するものとしてよい。ブラダー202の下側層206は、また、アッパー100に向かって延在し、上側層204と連結して、セグメント218c、218eの間に延在し、これらを分離するウェブエリア210の一領域を形成するものとしてよい。たとえば、ミッドソール200の内側20に沿って延在するセグメント218cは、ウェブエリア210、および内側20に形成されたフランジ208によって囲まれ、外側18のところのセグメント218dから内側20に向かって延在するセグメント218eは、ウェブエリア210、および外側18のところに形成されたフランジ208によって囲まれる。セグメント218eの遠位端222eは、アッパー100に向かう方向に先細りになり、外側18と内側20との間の場所に形成されるウェブエリア210で終端する。
【0053】
アウトソール300は、セグメント218c、218d、218eの各々に付着し、形状適合する。いくつかの例において、接触パッド302は、アウトソール300から、アッパー100から遠ざかる方向に、セグメント218c、218d、218eのそれぞれの長さに沿って延在し、地面とのトラクションを高める。
【0054】
図6は、
図1および
図2を参照しつつ上で説明されているように、インソール110、ストローベル104、および層状構成で配置構成されているブラダー202の上側層204とともに踵領域14内のミッドソール200を示す
図3の直線6-6に沿って取られた断面図を提示している。下側層206の周縁はアッパー100に向かって上向きに延在し、上側層204の周縁と連結して内側20および外側18に沿ってフランジ208を形成するものとしてよい。
図6の図に関して、下側層206は、上側層204から遠ざかるように、アッパー100から遠ざかる方向に突き出て、それぞれ踵領域16の内側20および外側18に沿って延在する第8のセグメント218hおよび導管220dを画成する。図示されているように、下側層206は、外側18より大きい内側20の距離だけ上側層204から遠ざかるように突き出る。したがって、外側18に沿って形成される導管220dの厚さは、第8のセグメント218hの厚さより小さく、下側層206は、接触パッド302の地面接触表面304から陥凹している。
【0055】
図7は、踵領域16、中足領域14、および前足領域12を貫通して延在するミッドソール200およびアウトソール300を示す
図3の直線7-7に沿って取られた断面図を提示している。第2のチャンバー214は、踵領域16および中足領域14内のミッドソール200の内側20に沿って延在する。
図1および
図2の履き物を参照して上で説明されているように、アウトソール300は、踵領域16、中足領域14、および前足領域12におけるブラダー202に対して耐久性および弾力性を高めるために、チャンバー212、214、216がアッパー100から遠ざかるように突き出ている領域内で下側層206の一部に付着する。さらに、セグメント218a、218b、218e、218li、218j、218k、218lは、外側18と内側20との間に延在する。ウェブエリア210は、
図7の図面に関してセグメント218a、218b、218e、218li、218j、218k、218lを分離し、それらの間に延在するものとしてよい。いくつかの例において、セグメント218a~218g、218k、218lは、前足領域12の中まで延在し、踵領域16および/または中足領域14内のセグメント218h~218jより小さい厚さに関連付けられている。
【0056】
図8は、互いに流体的に接続され、ミッドソール200の前足領域12内に配設されているセグメント218b~218e、218k、218lの底面斜視図を提示している。いくつかの例において、セグメント218e、218lは、内側20に向かって、外側18と内側20との間の場所で終端する遠位端222e、222lまで延在する。遠位端222e、222lは、アッパー100に向かう方向に先細りであってよい。セグメント218e、218lの遠位端222e、222lによる先細りは、上で説明されているように、加荷重の下にあるときにセグメント218e、218lに対するアンカー点として機能し得る。
【0057】
図9は、セグメント218a~218lによって画成される複数の緩衝支持ベクトル30a~30lを示す
図1の履き物10の底面斜視図を提示している。より具体的には、セグメント218a~218lの各々の縦軸は、緩衝支持ベクトル30a~30lのうちのそれぞれのベクトルを画成する。緩衝支持ベクトルに平行な方向に関連付けられている加荷重では、1つまたは複数の対応するセグメントは、つぶれることなくその形状を実質的に保って、それらの領域内で足の支持および安定性をもたらすようになる。これに対し、緩衝支持ベクトルに対して横断する方向に関連付けられている加荷重では、1つまたは複数の対応するセグメントが圧縮してつぶれ、加荷重に関連付けられている地面反力を減衰させることによってそれらの領域内で足に対する緩衝作用をもたらすようになる。縦方向緩衝支持ベクトル30c、30d、30f、30hは、ミッドソール200の縦軸Lに沿って延在するものとしてよく、横方向緩衝支持ベクトル30a、30b、30e、30j、および30lは、ミッドソール200の縦軸Lに対して横方向に延在する。たとえば、横方向緩衝支持ベクトル30a、30b、30e、30j、30lは、ミッドソール200の縦軸Lに関して垂直方向から15度(15°)以内の角度を定め得る。第7、第9、第10、および第11のセグメント218g、218i~218kは、各々、複合緩衝支持ベクトル30g、30i
1,2、30j
1,2、30k
1,2を画成し、それによって、角度を付けられた、および/または湾曲したセグメント218g、218i~218kは、ミッドソール200の縦および横の両方向に沿って応答的な支持をもたらす。
【0058】
歩行またはランニング動作などの前進動作時に、ミッドソール200に印加される荷重は、縦方向緩衝支持ベクトル30c、30d、30f、30hに平行な方向に関連付けられ、これにより、それぞれのセグメント218c、218d、218f、218hが剪断力を受け、それによって、それぞれのセグメント218c、218d、218f、218hはその形状を保ち(たとえば、圧縮せず)、踵領域16および中足領域14を通して地面と係合するようにアウトソールがロールするときに支持および安定性をもたらす。セグメント218c、218d、218f、218hの間に延在するウェブエリア210は、セグメント218c、218d、218f、218hに作用することから生じるねじりの力を低減し、それによって勾配応答タイプの緩衝作用をもたらしながら足による振動を減衰させる。
【0059】
シフトまたは切断運動などの横方向運動時に、ミッドソール200に印加される荷重は、縦方向緩衝支持ベクトル30c、30d、30f、30hに対して横断または垂直の方向に関連付けられる。したがって、ベクトル30c、30hのうちの1つを画成するセグメント218c、218hは、加荷重がミッドソール200の内側20に向かう方向にあるときに圧縮して足の内側に対して緩衝作用をもたらし、他のベクトル30d、30fを画成するセグメント218d、218fは、加荷重がミッドソール200の外側18に向かう方向にあるときに圧縮して足の外側に対して緩衝作用をもたらす。
【0060】
いくつかの実装形態において、一連の横方向緩衝支持ベクトル30c、30d、30f、30hは、中足領域14および前足領域12内に配設され、ミッドソール200の縦軸Lに対して横断する方向で互いに実質的に平行に延在する。歩行動作またはランニング動作などの前進動作時に、ミッドソール200に印加される荷重は、横方向緩衝支持ベクトル30c、30d、30f、30hに対して横断する方向に関連付けられる。したがって、ベクトル30c、30d、30f、30hのうちのそれぞれのベクトルを画成するそれぞれのセグメント218c、218d、218f、218hは、次々に圧縮しつぶれて、地面からの押し離しを通じて足の中足領域に対する緩衝作用をもたらす。加荷重の方向に対するベクトル30c、30d、30f、30hの方向と、それぞれのセグメント218c、218d、218f、218hの長さとが、地面反力を減衰させるためにセグメントがどのように圧縮するかを決定する。
【0061】
シフトまたは切断動作などの横方向動作時に、ミッドソール200に印加される荷重は、横方向緩衝支持ベクトル30c、30d、30f、30hに対して概ね平行であるか、またはごくわずかに横断する方向に関連付けられ、これにより、それぞれのセグメント218c、218d、218f、218hが剪断力を受け、それによって、それぞれのセグメント218c、218d、218f、218hはその形状を保ち(たとえば、圧縮せず、またはわずかに圧縮して)、履き物10が横方向動作をすることに応答して足の中足領域に対して支持および安定性をもたらす。
図3を参照すると、セグメント218e、218g、218lの遠位端222は、アッパー100に向かう方向に各々先細りになり、全体としてブラダー202に対するアンカー点として働き得る。
【0062】
上で提示されているように、ミッドソール200は、縦方向の緩衝作用および応答性ならびに横方向の緩衝作用および応答性の両方を一定程度もたらすように各々構成される、一連の複合緩衝支持ベクトル30g、30j~30lをさらに画成し、それによって横方向緩衝支持ベクトル30c、30d、30f、30hおよび縦方向緩衝支持ベクトル30c、30d、30f、30hを補完する。
【0063】
チャンバー212、214、216に関連付けられているセグメント218a~218lは連携して、従来のミッドソールがもたらす機能性および緩衝特性を強化し、それと同時に、履き物10の使用時に地面反力に応答して生じる足の振動を減衰させることによって足に対する安定性および支持を高め得る。たとえば、歩行またはランニング動作などの前進動作時にミッドソール200に印加される荷重によって、セグメント218a~218lのうちのいくつかが圧縮し、地面反力を減衰させることによって足に緩衝作用をもたらすものとしてよく、その一方で、他のセグメント218a~218lはその形状を保ち、地面反力の初期衝撃に応答して履き物10に関する足の振動を減衰する安定性および支持を付与するものとしてよい。
【0064】
さらに、セグメント218a~218lのうちの1つまたは複数は、ミッドソール200の異なる領域12、14、16内のウェブエリア210と相互作用し、応答タイプの緩衝作用の隔離エリアをもたらすものとしてよい。たとえば、踵領域16内のセグメント218h~218jは、ウェブエリア210のそれぞれの部分を囲み、セグメント218j~218jが次々に圧縮するときにトランポリン効果を発生することで踵領域16の周上のセグメント218h~218jに地面反力の初期衝撃を吸収させることによって踵領域16内に応答タイプの緩衝作用をもたらし、それによって、踵領域16内に勾配応答タイプの緩衝作用をもたらし得る。セグメント218j~218jは互いに連携して踵領域16でウェブエリア210の一部を囲み、それによってウェブエリア210のこの部分が、踵接地に関連付けられている力を吸収するために使用時にトランポリンとして働くようになる。
【0065】
それに加えて、ミッドソール200に沿ったセグメント218a~218lの幾何学的形状および位置決めは、踵領域16から前足領域12へ地面との係合のためにアウトソール300がロールするときの前進動作時に、さらには外側18および内側20のうちの一方から外側18および内側20のうちの他方へ地面との係合のためにアウトソール300がロールするときの横方向動作時に、アウトソール300と地面との間のトラクションを高め得る。
【0066】
次の項目は、上記の履き物に関する例示的な構成を提示している。
【0067】
項目1:アッパーを有する履き物用のソール構造であって、ソール構造は、踵領域と、前足領域と、踵領域と前足領域との間に配設される中足領域と、第2のバリア層と連携して第1のチャンバーを画成する第1のバリア層を備えるブラダーであって、第1のチャンバーは、ソール構造の内側およびソール構造の外側のうちの一方に沿って延在する第1のセグメントと、第1のセグメントの第1の端部から内側および外側のうちの他方へと延在する第2のセグメントと、第1のセグメントの第2の端部から内側および外側のうちの他方へと延在し、第2のセグメントから分岐する第3のセグメントと、踵領域に向かって第2のセグメントおよび第3のセグメントのうちの一方から内側および外側のうちの他方に沿って延在する第4のセグメントと、第4のセグメントから内側および外側のうちの一方に向かって延在し、内側と外側との間の遠位端で終端する第5のセグメントとを有する、ブラダーとを具備する、ソール構造。
【0068】
項目2:第4のセグメントは第2のセグメントから延在し、第5のセグメントは第2のセグメントと第3のセグメントとの間に延在する、項目1に記載のソール構造。
【0069】
項目3:第5のセグメントは、第3のセグメントに平行に延在し、内側および外側のうちの他方から内側および外側のうちの一方に向かう方向に沿って第2のセグメントに収斂する項目2に記載のソール構造。
【0070】
項目4:第4のセグメントは第3のセグメントから延在し、第3のセグメントは第2のセグメントと第5のセグメントとの間に延在する、項目1に記載のソール構造。
【0071】
項目5:第5のセグメントは、内側および外側のうちの他方から内側および外側のうちの一方への方向で第2のセグメントおよび第3のセグメントに収斂する項目4に記載のソール構造。
【0072】
項目6:第5のセグメントの遠位端は、アッパーに向かう方向に先細りになる、項目1に記載のソール構造。
【0073】
項目7:第1のチャンバーは、第2のセグメントおよび第3のセグメントのうちの他方から踵領域に向かって延在する第6のセグメントをさらに備える、項目1に記載のソール構造。
【0074】
項目8:第1のチャンバーは、第6のセグメントから内側および外側のうちの一方に向かって延在し、内側と外側との間の遠位端で終端する第7のセグメントをさらに備える、項目7に記載のソール構造。
【0075】
項目9:第5のセグメントは第2のセグメントと第3のセグメントとの間に延在し、第2のセグメントは第5のセグメントと第7のセグメントとの間に配設される、項目8に記載のソール構造。
【0076】
項目10:ブラダーは、ソール構造の踵領域を囲む第2のチャンバーをさらに備える、項目1に記載のソール構造。
【0077】
項目11:アッパーを有する履き物用のソール構造であって、ソール構造は、踵領域、つま先部分を含む前足領域、踵領域と前足領域との間に配設される中足領域、第2のバリア層と連携して、前足領域内でソール構造の内側からソール構造の外側に延在する蛇行形状を有する第1のチャンバーと、踵領域の周を囲む第2のチャンバーと、前足領域のつま先部分内に形成される第3のチャンバーと、第1のチャンバー、第2のチャンバー、および第3のチャンバーの間に配設され、それらを接続するウェブエリアとを画成する第1のバリア層を備え、第1のバリア層はウェブエリア内で第2のバリア層に取り付けられている、ブラダーを具備する、ソール構造。
【0078】
項目12:第1のチャンバーは内側に沿って第1の導管によって第2のチャンバーに流体的に接続され、第3のチャンバーは内側に沿って第2の導管によって第2のチャンバーに流体的に接続される、項目11に記載のソール構造。
【0079】
項目13:第1のチャンバーは、内側および外側のうちの一方に沿って延在する第1のセグメントと、第1のセグメントの第1の端部から内側および外側のうちの他方へと延在する第2のセグメントと、第1のセグメントの第2の端部から内側および外側のうちの他方へと延在し、第2のセグメントから分岐する第3のセグメントと、内側および外側のうちの他方に沿って第2のセグメントおよび第3のセグメントのうちの一方から踵領域に向かって延在する第4のセグメントと、第4のセグメントから内側および外側のうちの一方に向かって延在し、内側と外側との間の遠位端で終端する第5のセグメントとを備える、項目11に記載のソール構造。
【0080】
項目14:第3のチャンバーは、内側および外側のうちの一方から内側および外側のうちの他方までつま先部分の周りに延在する第5のセグメントと、内側および外側のうちの他方の第5のセグメントから内側および外側のうちの一方に向かって延在する第6のセグメントとを備える、項目13に記載のソール構造。
【0081】
項目15:第6のセグメントは、内側と外側との間の遠位端で終端する、項目14に記載のソール構造。
【0082】
項目16:第6のセグメントは第2のセグメントに平行である、項目14に記載のソール構造。
【0083】
項目17:第2のチャンバーは、中足領域から内側および外側のうちの一方に沿って踵領域を貫通して延在する第5のセグメントと、中足領域内の第1のセグメントから踵領域内の内側および外側のうちの他方へと延在する第6のセグメントと、踵領域の周りに延在し、第5のセグメントを第6のセグメントに流体的に結合する第7のセグメントとを備える、項目13に記載のソール構造。
【0084】
項目18:第7のセグメントは第3の導管によって第5のセグメントに流体的に結合され、第7のセグメントは第4の導管によって第6のセグメントに流体的に結合される、項目17に記載のソール構造。
【0085】
項目19:第1のチャンバー、第2のチャンバー、および第3のチャンバーのうちの少なくとも1つに取り付けられ、地面係合表面を画成するアウトソールをさらに備える、項目11に記載のソール構造。
【0086】
項目20:ウェブエリアは、地面係合表面から陥凹している、項目19に記載のソール構造。
【0087】
前述の説明は、例示および説明を目的として提示されている。網羅的であることも本開示を制限することも意図されていない。特定の構成の個別の要素または特徴は、一般的に、その特定の構成に限定されず、該当するときには、特に図示または説明されていないとしても、入れ替えることが可能であり、選択された構成で使用することができる。同じことが、様々な形に変更することも可能である。そのような変更形態は、本開示からの逸脱とみなされるべきでなく、そのようなすべての修正形態は、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0088】
10 履き物
12 前足領域
14 中足領域
16 踵領域
18 外側
20 内側
30a~30l 緩衝支持ベクトル
100 アッパー
102 内部空隙
104 ストローベル
106 底面
108 フットベッド
110 インソール
112 開口部
114 ファスナー
116 開口
118 ベロ部
200 ミッドソール
202 ブラダー
204 上側バリア層
206 下側バリア層
208 フランジ
210 ウェブエリア
212、214、216 チャンバー
218a~218l セグメント
220a 第1の導管
220b 第2の導管
220a~220d 導管
222 遠位端
222e、222g、222l 遠位端
224 曲がり
300 アウトソール
302 地面接触パッド
304 地面接触表面
【外国語明細書】