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<図1>
  • 特開-情報処理装置 図1
  • 特開-情報処理装置 図2A
  • 特開-情報処理装置 図2B
  • 特開-情報処理装置 図2C
  • 特開-情報処理装置 図3A
  • 特開-情報処理装置 図3B
  • 特開-情報処理装置 図4
  • 特開-情報処理装置 図5
  • 特開-情報処理装置 図6
  • 特開-情報処理装置 図7
  • 特開-情報処理装置 図8
  • 特開-情報処理装置 図9
  • 特開-情報処理装置 図10
  • 特開-情報処理装置 図11
  • 特開-情報処理装置 図12
  • 特開-情報処理装置 図13A
  • 特開-情報処理装置 図13B
  • 特開-情報処理装置 図13C
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082636
(43)【公開日】2022-06-02
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20120101AFI20220526BHJP
   A01G 7/00 20060101ALI20220526BHJP
【FI】
G06Q50/02
A01G7/00 603
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022048790
(22)【出願日】2022-03-24
(62)【分割の表示】P 2021509229の分割
【原出願日】2020-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】521068013
【氏名又は名称】サグリ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】坪井 俊輔
(57)【要約】
【課題】農地の評価を適正に行えるようにすることで、農家が金融機関から低金利で迅速に小口融資(マイクロファイナンス)を受けることができるようにすることを課題とする。
【解決手段】圃場情報取得部103は、土壌に関する情報を少なくとも含む、農家Fの圃場に関する圃場情報を取得する。提示情報生成部105は、圃場情報に基づいて、圃場の収穫性に関する営農情報と、農家の信用に関する信用情報とを生成する。これにより上記課題を解決する。上空から撮像された地表を示す地表画像Rを、圃場を示す単位毎に区分するポリゴン生成部101と、ポリゴンP毎に営農情報又は信用情報を視覚化させて表示させる制御を実行する表示制御部106とをさらに備えることが好ましい。これにより上記課題を解決する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌に関する情報を少なくとも含む、農家の圃場に関する第1情報を取得する取得手段と、
前記第1情報に基づいて、前記圃場の収穫性に関する第2情報と、前記農家の信用に関する第3情報とを生成する生成手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
上空から撮像された地表を示す撮像画像を、前記圃場を示す単位毎に区分する区分手段をさらに備え、
前記取得手段は、前記単位毎に前記第1情報を取得し、
前記生成手段は、前記第1情報に基づいて、前記単位毎に前記第2情報及び前記第3情報を生成し、
前記撮像画像における前記単位毎に、前記第2情報又は前記第3情報を視覚化させて表示させる制御を実行する表示制御手段をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1情報に基づいて、前記単位毎に前記圃場の評価を行う評価手段をさらに備え、
前記生成手段は、前記評価の結果に基づいて、前記第2情報と第3を生成する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記第1情報として、前記圃場に設置されたセンサ群から得られる情報と、前記圃場を撮像可能とする人工衛星から得られる情報との夫々を取得する、
請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記センサ群から得られる情報には、気温、地温、降雨量、風速、風向き、土壌水分、又は日射量のうち少なくとも1つに関する情報が含まれ、
前記人工衛星から得られる情報には、前記気温、日射量、地表面温度、土壌水分量、降雨量、植物活性度、タンパク質含有量、土壌腐植含有量、土壌窒素含有量のうち少なくとも1つに関する情報が含まれる、
請求項4に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、農業を効率化させることを目的とした技術は存在する(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-166851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術を含め従来の技術のみでは、農地が持つ潜在的な収穫力を容易に把握できるようにすることはできなかった。このため、例えば金融機関は、コスト面を理由に農家が保有する農地の将来性を見積ることができず、農家からの小口融資(マイクロファイナンス)の依頼に対して消極的にならざるを得なかった。その結果、農家は積極的な農業経営を行うことができなかった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、農地の潜在的な収穫力を容易に把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
土壌に関する情報を少なくとも含む、農家の圃場に関する第1情報を取得する取得手段と、
前記第1情報に基づいて、前記圃場の収穫性に関する第2情報と、前記農家の信用に関する第3情報とを生成する生成手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、農地の潜在的な収穫力を容易に把握できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムの適用対象となる本サービスの概要を示す図である。
図2A】AIモデルの具体例を示す図である。
図2B】AIモデルの具体例を示す図である。
図2C】AIモデルの具体例を示す図である。
図3A】機械学習の結果を示すグラフである。
図3B】機械学習の結果を示すグラフである。
図4】本サービスで生成されるポリゴンの一例を示す図である。
図5】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図6図5に示す情報処理システムのうち、サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図7図6のサーバを含む情報処理システムの機能的構成のうち、スコアリング処理を実行するための機能的構成の一例を示すブロック図である。
図8図5の情報処理システムのうち、農家端末に表示されるUIの一例を示す図である。
図9】圃場情報に基づいて営農情報が生成される際に用いられるアルゴリズムの概要を示すイメージ図である。
図10】圃場情報として取得されるデータの連携の概要を示すイメージ図である。
図11】圃場の検索画面の具体例を示す図である。
図12】機械学習を活用したポリゴン生成の具体例を示す図である。
図13A】機械学習を活用したポリゴン生成の具体例を示す図である。
図13B】機械学習を活用したポリゴン生成の具体例を示す図である。
図13C】機械学習を活用したポリゴン生成の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
まず、図1乃至図4を参照して、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバ1が適用される情報処理システム(後述する図5参照)の適用対象となるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要について説明する。
【0011】
図1は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムの適用対象となる本サービスの概要を示す図である。
【0012】
図1には、本サービスを提供するサービス提供者Gと、農作物を栽培するための農地を構成する1以上の圃場を利用して農業を営む農家Fと、農家Fの信用に関する情報(以下、「信用情報」と呼ぶ)に基づいて農家Fに対する小口融資(マイクロファイナンス)を行う金融機関Bとが描画されている。また、図1には、サービス提供者Gにより管理されるサーバ1と、農家Fにより操作される農家端末2と、金融機関Bにより操作される金融機関端末5とが描画されている。
【0013】
農家端末2及び金融機関端末5の夫々には、本サービスの利用者向けの専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「専用アプリ」と呼ぶ)がインストールされている。農家F及び金融機関Bの夫々は、専用アプリを利用することで本サービスの提供を受けることができる。また、農家F及び金融機関Bの夫々は、農家端末2及び金融機関端末5の夫々のブラウザ機能により表示される、本サービスの利用者向けの専用のWebサイト(以下、「専用サイト」と呼ぶ)にアクセスすることで本サービスの提供を受けることもできる。
【0014】
なお、以下、断りのない限り、「農家Fが農家端末2を操作する」と表現している場合、それは、次のいずれかを意味している。即ち、農家Fが、農家端末2にインストールされた専用アプリを起動して各種操作を行うこと、又は農家端末2のブラウザ機能により表示される専用サイトにアクセスして本サービスを利用することを意味している。また、「金融機関Bが金融機関端末5を操作する」と表現している場合、それは、次のいずれかを意味している。即ち、金融機関Bが、金融機関端末5にインストールされた専用アプリを起動して各種操作を行うこと、又は金融機関端末5のブラウザ機能により表示される専用サイトにアクセスして本サービスを利用することを意味している。
【0015】
また、図1には、地上センサ3と、人工衛星4とが描画されている。地上センサ3は、地上に設置されたセンサ群である。地上センサ3は農家Fの圃場の土壌、気象、及び地形に関する情報(以下、「圃場情報」と呼ぶ)を検知する。人工衛星4は、地球の軌道上から圃場毎の圃場情報を検知する。
【0016】
本サービスは、サービス提供者Gから、本サービスの利用者としての農家F及び金融機関Bの夫々に対して提供されるサービスの一例である。本サービスでは、地上センサ3により検知された圃場情報を「地上データ」として取り扱い、人工衛星4により検知された、過去から現在に至る圃場情報を「衛星データ」として取り扱う。換言すると、地上データは土壌の状態の診断にも利用可能なミクロデータ(真値としての点データ)としての性質を有するのに対し、衛星データはマクロデータ(誤差を含む面データ)としての性質を有する。なお、衛星データは、所定の機関(例えば国家機関)により提供された衛星データを利用した所定の衛星データプラットフォームにより提供されるものであってもよい。
【0017】
本サービスでは、圃場情報に基づいて、登録された1以上の圃場の夫々が持つ、農作物の潜在的な収穫力についての評価が行われる。当該評価には、圃場情報から得られる腐植含有量や窒素含有量等の情報が指標として用いられる。
「腐植含有量」とは、圃場の土壌に含まれる腐植の量のことをいう。「腐植」とは、土壌中に集積された動植物の遺骸が腐敗分解することで生じる黒色の物質(高分子化合物)のことをいう。腐植は土壌の性質や生産力に重要な影響を与える。本サービスによれば、圃場毎の腐植含有量を瞬時かつ広域で取得して表示することができる。
「窒素含有量」とは、圃場の土壌に含まれる窒素の量のことをいい、植生指標に基づいて算出される。「植生」とは、所定の地域に集まって生育している植物の集団のことをいう。「植生指標」とは、植生の状況(植物の量や活力)を把握するための指標のことをいう。植生指標は、植物が持つ光の反射の特徴を利用して、衛星データから算出される。植生指標としては、例えばNDVI(Normalized Difference Vegetation Index:正規化植生指標)を採用することができる。本サービスによれば、圃場毎の窒素含有量を瞬時かつ広域で取得して表示することができるので、例えば土壌の施肥量を調整する可変施肥に利用することもできる。
【0018】
本サービスでは、圃場が持つ、農作物の潜在的な収穫力についての評価は、所定の指標(例えば腐植含有量や窒素含有量)に基づいて行われる。評価の結果は、正規化された数値(以下、「潜在的収穫力スコア」と呼ぶ)として算出される。そして、算出された潜在的収穫力スコアに基づいて、農業の経営に関する情報(以下、「営農情報」と呼ぶ)と、農家Fの信用情報とが生成される。生成された営農情報及び信用情報のうち、営農情報は主に農家Fの利用に供され、信用情報は主に金融機関Bの利用に供される。農家Fは、営農情報の提供を受けることで、効率的な農業を実現させることができる。金融機関Bは、信用情報の提供を受けることで、これまでコスト面を理由に実現できなかった、農家Fに対する小口融資(マイクロファイナンス)を積極的に行うことが可能になる。
【0019】
農家F及び金融機関Bの夫々の利用に供される営農情報及び信用情報の夫々がどのような態様で提供されるかは特に限定されない。農家F及び金融機関Bの夫々の利用に供し易いあらゆる態様で営農情報及び信用情報の夫々を提供することができる。
本サービスでは、営農情報や信用情報が視覚化されて農家F及び金融機関Bの夫々に提供される。なお、営農情報や信用情報を視覚化させる手法は特に限定されず、表やグラフ等によって視覚化させてもよい。なお、本サービスでは、営農情報や信用情報を視覚化させる手法として、上空から地表を撮像した撮像画像のデータ(以下、「地表画像」と呼ぶ)又は地図に含まれる圃場を示す単位としてのポリゴンが生成される。
【0020】
また、本サービスによれば、圃場情報としての衛星データと、既存のデータとに基づいて、耕作放棄地を容易に識別することができる。耕作放棄地の識別は、ポリゴンの色彩や模様に変化をつけることで行われてもよい。「耕作放棄地」とは、農作物の作付けが1年以上行われておらず、かつ、農家Fが数年の内に作付けする予定が無いと回答した圃場のことをいう。
具体的には、衛星データと、土地被覆分類(既存のデータ)と、NDVIとの時系列変化における特徴の違いを利用して、個々の圃場の変化を経時的に読み解く作業が行われる。「土地被覆」とは、地表の物理的な状態を示す情報のことをいう。例えばコンクリート、森林、草地、水面、土壌等が土地被覆の一例として挙げられる。
本サービスによれば、衛星データ(圃場情報)に基づいて土地被覆を広域に把握することができる。これにより、農家Fは、耕作放棄地の潜在的収穫力スコアに基づいて、将来性が見込まれる耕作放棄地で農作物の作付けの再開することができる。その結果、耕作放棄地が縮減されることを期待することができる。
【0021】
圃場が水田である場合には、衛星データ(圃場情報)から得られる地表の色と、既存のデータとに基づいて、稲作において重要な要素となる収穫時期、稲のタンパク質含有量、及び水田の肥沃度の推定が行われる。
具体的には例えば、稲は緑色から金色になるタイミングが収穫に適した時期となる。このため、本サービスでは、衛星データ(圃場情報)のうち稲穂が出てくる8月から9月にかけて撮像された地表画像が収穫時期の推定に用いられる。地表画像の解析には、赤色の可視光線の波長と、近赤外の波長とが用いられる。
【0022】
また、平均気温の積算値が900℃に達すると適正な収穫時期となるので、既存のデータのうち気象情報やアメダスの気温データが、収穫時期の推定に用いられて、稲穂が出てからの毎日の平均気温の積算が行われる。即ち、本サービスでは、衛星データ(圃場情報)としての気象情報や地上アメダスと、地上データとを相関させることで地上データの補正(統合)が行われる。さらに、面データ(衛星データ)上の点データ(地上データ)の統合が行われる。
【0023】
また例えば、稲のタンパク質含有量は、米の味を左右する重要な要素となる。また、タンパク質含有量は、適切な量の肥料が使用されているかどうかを判断するための指標にもなる。このため、本サービスでは、衛星データ(圃場情報)のうち地表画像がタンパク質含有量の推定に用いられる。地表画像の解析には、緑色の可視光線の波長と、近赤外の波長とが用いられる。
【0024】
また例えば、有機物の含有量で示される水田(圃場)の肥沃度は、稲作を行うための水田(圃場)を選ぶ際の重要な要素となる。具体的には、有機物の含有率が8%程度であると良質の米が育つとされている。このため、本サービスでは、衛星データ(圃場情報)のうち地表画像が水田(圃場)の肥沃度の推定に用いられる。地表画像に含まれる水田(圃場)の色は、有機物の含有率が高い程と黒色に近くなり、有機物の含有率が低いと薄茶色になる。
【0025】
また、本発明によれば、上述のサービスの他、例えば以下のサービスの提供を実現させることができる。
【0026】
例えば、継続的に生成される時系列データ(ストリームデータ)を含む圃場情報(地上データ、衛星データ)を、ブロックチェーン技術(分散型台帳技術又は分散型ネットワーク)を用いて紐付けて管理することもできる。
これにより、農作物の生産から流通に至るまでの農作物に関するあらゆる情報をデータ化して、改竄されるリスクの少ない環境で管理することができる。データ化される情報には、圃場情報、栽培記録、施肥記録、農薬散布記録、収量記録、土壌診断記録、衛星モニタリング記録、生体モニタリング記録、土壌モニタリング記録、気象モニタリング記録等が含まれる。
【0027】
また例えば、地上データを価値化させて、トークンとして取り扱えるようにすることもできる。即ち、ICO(Initial Coin Offering)型のクラウドファンディングプラットフォームを提供することができる。これにより、地上データをシェアリングできる環境を整えることができる。
【0028】
また例えば、農家Fにより生産された農作物の販路となるマーケットプラットフォームを提供することができる。これにより、農作物の生産から流通に至る、農家Fの農業経営をトータルで支援することが可能となる。
【0029】
また例えば、AI(人工知能)モデルを提供することができる。つまり、集積された圃場情報を利用してディープラーニング等の機械学習を行わせた結果をモデルとしてアウトプットすることができる。
図2A乃至Cは、AIモデルの具体例を示す図である。図3A及びBは、機械学習の結果を示すグラフである。
【0030】
本サービスでは、上述したポリゴンP生成やスコアリング処理を含む各種処理が行われる。具体的には例えば、土壌内水分浸透分布予測、土壌地質特性カテゴライズ、深度毎土壌水分予測、耕運機制御最適化、収量分析、施肥・農薬散布分析、収量及び収量時期の予測等の処理が行われる。
このような処理では、ディープラーニング等の機械学習が行われる。例えば図2A乃至Cに示すような衛星データに含まれる地表画像Rの画像解析において機械学習が行われる。また、図3A及びBには、機械学習の結果がグラフによって示されている。即ち、図3Aは、横軸を学習回数(EPOCH)、縦軸を正答率(ACCURACY)とした場合の学習データ(TRAIN DATA)と、検証用のテストデータ(TEST DATA)との関係を示すグラフである。また、図3Bは、横軸を学習回数(EPOCH)、縦軸を損失関数(LOSS)とした場合の学習データ(TRAIN DATA)と、検証用のテストデータ(TEST DATA)との関係を示すグラフである。
【0031】
図4は、本サービスで生成されるポリゴンの一例を示す図である。
【0032】
図4に示すように、本サービスでは、圃場の単位としてのポリゴンPが生成される。ポリゴンPは、地表画像Rに含まれる1以上の圃場の夫々に重畳されて表示される。個々のポリゴンPの形状は、対応する圃場の領域の外縁に沿った形状になる。これにより、農家Fは、ポリゴンPを一見するだけで個々の圃場の形状や相対的な位置や大きさを容易に把握することができる。
なお、ポリゴンPを生成する手法は特に限定されない。所定の機関(例えば国家機関)により提供される圃場の区画情報を利用してポリゴンPを生成してもよい。また、衛星データに含まれる地表の撮像画像のデータや、一般的に利用されている航空写真を画像解析することでポリゴンPを生成してもよい。
【0033】
地表画像Rに表示されたポリゴンPには、潜在的収穫力スコアを表示させることができる。ポリゴンPに表示される潜在的収穫力スコアの具体的態様は特に限定されず、例えば図4に示すように、ポリゴンP毎に付させる吹き出し等に数値等が表示されてもよい。また、地表画像Rの外に潜在的収穫力スコアが表示されるようにしてもよい。さらに、図示はしないが、潜在的収穫力スコアを識別可能な色彩や模様がポリゴンPに付されてもよい。
【0034】
次に、図5を参照して、上述した本サービスの提供を実現化させる情報処理システム、即ち本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバ1を含む、情報処理システムの構成について説明する。
図5は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0035】
図5に示す情報処理システムは、サーバ1と、農家端末2と、地上センサ3と、人工衛星4と、金融機関端末5とを含むように構成されている。
サーバ1、農家端末2、地上センサ3、人工衛星4、及び金融機関端末5の夫々は、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されている。
【0036】
サーバ1は、サービス提供者Gにより管理される情報処理装置である。サーバ1は、農家端末2、地上センサ3、人工衛星4、及び金融機関端末5の夫々と適宜通信をしながら、本サービスを実現するための各種処理を実行する。
【0037】
農家端末2は、農家Fにより操作される情報処理装置である。農家端末2は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等で構成される。
【0038】
地上センサ3は、圃場に設置されるセンサ群である。地上センサ3は、地上で圃場に関する各種情報を検知して、その結果を圃場情報としてサーバ1に送信する。地上センサ3を構成するセンサには、例えば温度(気温及び地温)センサ、降雨量測定センサ(雨量計葉濡れセンサ)、風速・風向き・風量センサ、土壌水分センサ、日射センサ(風力陽光センサ)等が含まれる。
【0039】
人工衛星4は、所定の目的を持って地球の軌道上に存在する人工衛星である。人工衛星4は、上空から圃場に関する各種情報を検知して、その結果を圃場情報としてサーバ1に送信する。人工衛星4により検知される情報には、例えば気温、湿度、日射量、地表面温度、土壌水分量、降雨量、植物活性度、タンパク質含有量、土壌腐植含有量、土壌含有窒素量等が含まれる。
【0040】
金融機関端末5は、金融機関Bにより操作される情報処理装置である。金融機関端末5は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等で構成される。
【0041】
農家端末2及び金融機関端末5は、いずれも本サービスを利用するための専用機である必要はない。例えば農家Fが所持するスマートフォンや、金融機関Bに設置された事務作業用のパーソナルコンピュータに専用アプリをインストールすることで本サービスを利用することができる。また例えば、農家Fが所持するスマートフォンや、金融機関Bに設置された事務作業用のパーソナルコンピュータの夫々のブラウザ機能を利用することで本サービスを利用することができる。
【0042】
図6は、図5に示す情報処理システムのうち、サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0043】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0044】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0045】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0046】
入力部16は、例えばキーボード等により構成され、各種情報を入力する。
出力部17は、液晶等のディスプレイやスピーカ等により構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(例えば図5の農家端末2及び金融機関端末5等)との間で通信を行う。
【0047】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア40が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア40から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア40は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0048】
なお、図示はしないが、図5の農家端末2及び金融機関端末5も、図6に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有することができる。従って、農家端末2及び金融機関端末5のハードウェア構成の説明については省略する。
【0049】
このような図6のサーバ1の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、サーバ1におけるスコアリング処理を含む各種処理の実行が可能になる。その結果、サービス提供者(図示せず)は、農家F及び金融機関Bに対して本サービスを提供することができる。
「スコアリング処理」とは、本サービスを提供するためにサーバ1で実行される処理のことをいう。
以下、図7を参照して、本実施形態に係るサーバ1において実行される、スコアリング処理を実行するための機能的構成について説明する。
【0050】
図7は、図6のサーバを含む情報処理システムの機能的構成のうち、スコアリング処理を実行するための機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0051】
図7に示すように、サーバ1のCPU11においては、スコアリング処理の実行が制御される場合、ポリゴン生成部101と、登録受付部102と、圃場情報取得部103と、評価解析部104と、提示情報生成部105と、表示制御部106とが機能する。
また、サーバ1の記憶部18の一領域には地表画像DB181と、圃場DB182とが設けられている。地表画像DB181には、地表画像Rが記憶されて管理されている。圃場DB182には、n個(nは1以上の整数値)の圃場の夫々の圃場情報が、n個の圃場の夫々を一意に特定可能な情報(例えばID)に対応付けられて管理されている。
【0052】
ポリゴン生成部101は、地表画像RをポリゴンP毎に区分する。具体的には例えば、図4に示すように、ポリゴン生成部101は、地表画像Rを複数のポリゴンPに区分する。
【0053】
登録受付部102は、圃場の登録を受付ける。具体的には例えば、後述する図8に示すUI(User Interface)に設けられたボタンb2が押下されて、登録の対象となる圃場が指定されると、登録受付部102は、指定された圃場の登録を受付ける。
【0054】
圃場情報取得部103は、土壌に関する情報を少なくとも含む、農家Fの圃場の圃場情報を取得する。
具体的には、圃場情報取得部103では、地上データ取得部131と、衛星データ取得部132とが機能する。地上データ取得部131は、地上センサ3から得られた地上データを、圃場の圃場情報として取得する。衛星データ取得部132は、人工衛星4から得られた衛星データを、圃場の圃場情報として取得する。
【0055】
また、圃場情報取得部103は、土壌に関する情報を少なくとも含む、農家Fの圃場の圃場情報を、ポリゴンP毎に取得する。この場合、地上データ取得部131は、地上センサ3から得られた地上データを、圃場の圃場情報としてポリゴンP毎に取得する。衛星データ取得部132は、人工衛星4から得られた衛星データを、圃場の圃場情報としてポリゴンP毎に取得する。
【0056】
評価解析部104は、圃場の圃場情報に基づいて、ポリゴンP毎に圃場の評価(スコアリング)を行う。具体的には、評価解析部104は、圃場情報として、地上センサ3から得られる地上データ、人工衛星4から得られる衛星データ、及び既存のデータ等に基づいて、圃場の評価(スコアリング)を行う。
【0057】
提示情報生成部105は、圃場情報に基づいて、圃場の収穫性を示す指標(例えば上述の腐植含有量や窒素含有量)に関する営農情報と、農家Fの信用に関する信用情報とを生成する。
【0058】
表示制御部106は、地表画像RにおけるポリゴンP毎に、営農情報又は信用情報を視覚化させて表示させる制御を実行する。
具体的には例えば、図6に示すように、表示制御部106は、地表画像RにおけるポリゴンP毎に色や模様を施すことで、営農情報又は信用情報を視覚化させて表示させる制御を実行する。
これにより、農家F及び金融機関Bは、地表画像Rに表示されたポリゴンPを一見するだけで、営農情報や信用情報を圃場毎に容易に把握することができる。
【0059】
次に、図8乃至図13Cを参照して、本サービスの具体例について説明する。
図8は、図5の情報処理システムのうち、農家端末に表示されるUIの一例を示す図である。
【0060】
図8に示すUIは、表示領域A1とA2とで構成されている。
表示領域A1には、農家Fに関する情報(名前とメールアドレス)と、「圃場の一覧」と表記されたボタンb1と、「圃場の登録」と表記されたボタンb2とが表示されている。ボタンb1は、農家Fが本サービスに登録されている圃場を表示領域A2に表示させるためのボタンである。ボタンb2は、農家Fが自身の圃場を登録する際に押下するボタンである。
【0061】
農家Fは、自身が保有する圃場を本サービスに登録する場合、ボタンb2を押下する。ボタンb2が押下されると、登録の対象となる圃場を特定するための地表画像Rが表示領域A2に表示される。図示はしないが、表示領域A2に表示された地表画像Rには、1以上の圃場の夫々を示すポリゴンPの夫々が表示される。
農家Fは、登録の対象となる圃場(例えば図4の破線内に存在するポリゴンP)を地表画像Rに表示させるために、地表画像Rをスライド表示させる操作、拡大縮小表示させる操作、又は住所検索する操作等行う。登録の対象となる圃場(ポリゴンP)が地表画像Rに表示されると、農家Fは、当該圃場(ポリゴンP)を指定して登録する操作を行う。これにより、本サービスに圃場が登録される。
【0062】
農家Fは、本サービスに登録されている自身の圃場を確認する場合、ボタンb1を押下する。ボタンb1が押下されると、表示領域A2に、1以上のポリゴンPを含む地表画像Rが表示される。ポリゴンPは、圃場を示す単位として、圃場毎に重畳的に表示される。なお、図8に示す例では、破線で示される複数の領域の夫々に複数のポリゴンPが表示されている。これにより、農家Fは、自身が保有する圃場の位置関係、形状、大きさ等を、他の圃場と比較しながら容易に把握することができる。
また、図8の例では、地表画像Rとしての航空写真が表示されているが、「地図」と表記されたボタンb3が押下されると、表示領域A2に表示された航空写真が地図に切替わる。また、表示領域A2に地図が表示された状態で「航空写真」と表記されたボタンb4が押下されると、再び航空写真に切替わる。これにより、農家Fは、地表画像Rとしての航空写真に含まれる自身の圃場の特定と、地表画像Rとしての地図に含まれる自身の圃場の特定とを容易に行うことができる。
【0063】
農家Fは、地表画像Rに表示された1以上のポリゴンPのうち、任意のポリゴンPを選択したうえで、「衛星から全ての土地を診断する」と表記されたボタンb5を押下する。すると、選択されたポリゴンPに対応する圃場について、衛星データ(圃場情報)に基づいた評価、又は地上データ(圃場情報)及び衛星データ(圃場情報)に基づいた評価が行われる。
また、選択されたポリゴンPに対応する圃場の評価だけではなく、地表画像Rに表示されている全てのポリゴンPに夫々対応する圃場の夫々について評価が行われてもよい。
【0064】
図9は、圃場情報に基づいて営農情報が生成される際に用いられるアルゴリズムの概要を示すイメージ図である。
【0065】
図9に示すように、本サービスでは、まず圃場のポリゴン化(ポリゴンPの生成)が行われる。具体的には、中心計算によってポリゴンPの中心の緯度経度座標が算出される。これにより、圃場の位置が特定される(STEP1)。次に、衛星データとして、人工衛星4の波長データが取得される(STEP2)。次に、地上データとして、地上の土壌が採取され、採取した土壌の分析が行われる(STEP3)。その後、「圃場1枚毎」の「波長データと腐植含有量の相関関係」が調査される。調査の結果は、圃場情報として収集された各種データの生情報、腐植の状態を示す散布図や決定係数として出力される。
【0066】
図10は、圃場情報として取得されるデータの連携の概要を示すイメージ図である。
【0067】
図10に示すように、本サービスでは、まず、ポリゴンPが生成される(STEP11)。具体的には例えば、既存のデータとして、国家機関により提供される、日本全国の農地の平面直角座標と、日本全国の農地の緯度経度座標を利用することができる。
【0068】
次に、圃場情報としての土壌データが取得される(STEP12)。これにより、植生が「いつ・どのくらい」あったのかが検出される。具体的には、衛星データ又は既存のデータから、耕作放棄地の判定に用いられる土壌被覆分類を示す情報と、図9のアルゴリズムによる腐植含有量を示す情報とが取得される。また、土壌のサンプリングによる地上データから、参考情報としての腐植含有量を示す情報が取得される。
【0069】
次に、地形データが取得される(STEP13)。具体的には、衛星データ又は既存のデータから、3D地形図を示す情報が取得される。また、気象データが取得される(STEP14)。具体的には、衛星データ又は既存のデータから、降雨量、地表面温度、土壌水分量、日射量、温度、風速、及び風量の夫々を示す情報が取得される。なお、STEP12乃至STEP14は順不同となる。
【0070】
次に、取得された土壌データ、地形データ、及び気象データの統合が行われて、現地においてヒアリング調査が実施される(STEP15)。
【0071】
次に、営農情報が生成され、また、耕作放棄地の可視化(識別)が行われる(STEP16)。具体的には例えば、農家Fに対しては、営農情報として、ワイン用ブドウ栽培適地に関する情報(A)が提供される。また、耕作放棄地を可視化した情報(B)は、例えば地方公共団体に提供される。
次に、専用アプリへのデータの反映、圃場情報の格納、圃場の状態の可視化(色分け)が行われる(STEP17)。
【0072】
図11は、圃場の検索画面の具体例を示す図である。
【0073】
本サービスを利用する際に利用される専用アプリには、例えば図11に示すようなUIが表示される。具体的には、図8の地表画像Rとともに表示される。図11に示すUIによれば、耕作放棄地の判定(識別)が完了した圃場の検索、あるいは、平均気温、降雨量、日照時間を検索条件とした圃場の検索を容易に行うことができる。検索結果は図8の地表画像Rに表示される。このため、検索者は、圃場の位置、大きさ、周囲の圃場との位置関係等を容易に把握することができる。
【0074】
図12及び図13A乃至Cは、機械学習を活用したポリゴン生成の具体例を示す図である。
【0075】
図12に示すように、本サービスでは、まず、ポリゴンPが生成に必要となるデータが取得される。例えば、国家機関が配布しているシェープファイルに基づいて、座標系を成型したポリゴンデータを生成し、これをデータベースに保存する(STEP21)。
【0076】
次に、例えば図13Aに示す画像のような、緯度経度や縮尺に対応した地上画像の元画像が取得されて、画像解析が行われる。その後、色付けが行われることで、例えば図13Bに示すような予想画像が生成される。その後、予想画像とポリゴンデータとが統合される(STEP22)。
【0077】
次に、意味付け(アノテーション)が行われる(STEP23)。具体的には、画像の各ピクセルに対するラベリングが行われる。これにより、膨大な量(例えば25000枚以上)の教師データが生成される。
【0078】
次に、学習が行われる(STEP24)。具体的には、生成された教師データに基づいたモデルが生成される。生成されたモデルのアウトプットが画像として出力され、その評価指標が正答率(ACCURACY)と損失関数(LOSS)として出力される。その後、セグメンテーションが行われる。これにより、例えば図13Cに示すようなポリゴンPが表示された画像が生成されて、図8の表示領域A2に地表画像Rとして表示される。
【0079】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものとみなす。
【0080】
例えば、上述の実施形態では、農家Fが営農情報を取得する構成となっているが、農家F以外にも例えば企業、公的な組織(国や地方公共団体等)、農家F以外の個人等が営農情報を閲覧したり管理したりできるようにしてもよい。これにより、世界中に存在する農業に関する様々な情報を蓄積させて利用に供することも可能となるので、従来のような農家Fの経験に依存していた農業からの脱却を図ることができる。その結果、集積された情報を利用することで誰でも農業を行えるようになるので、農業就業人口の減少に歯止めをかけることも期待できる。
【0081】
また例えば、上述の実施形態では、圃場情報は、地上センサ3、人工衛星4、及び既存のデータから取得される構成となっているが、これに限定されない。例えば、農家端末2から圃場情報を取得することもできる。この場合、例えば、農家Fに対して実施されたアンケートの結果や、専用アプリの利用状況、あるいはクレジットカード情報等の個人情報などを圃場情報として取得することができる。これにより、地上センサ3、人工衛星4、及び既存のデータからでは取得することができない情報を圃場譲渡して取得することができる。また、地上センサ3及び人工衛星4から得られる情報を補強する情報を農家端末2から取得することができる。その結果、圃場情報、及び圃場情報を根拠として生成される営農情報及び信用情報の精度を高めることができる。
【0082】
また例えば、図8に示すUIの態様は一例に過ぎない。図8に示す態様とは異なる態様のUIが農家端末2に表示されてもよい。
【0083】
また、図5に示すシステム構成、及び図6に示すサーバ1のハードウェア構成は、いずれも本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0084】
また、図7に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは、特に図7の例に限定されない。
【0085】
また、機能ブロックの存在場所も、図7に限定されず、任意でよい。
例えば、図7の例において、上述のスコアリング処理はサーバ1で行われる構成となっているが、これに限定されず、農家端末2又は金融機関端末5でスコアリング処理の少なくとも一部が行われてもよい。
即ち、スコアリング処理の実行に必要となる機能ブロックは、サーバ1が備える構成となっているが、これは例示に過ぎない。サーバ1に配置された機能ブロックの少なくとも一部を、農家端末2又は金融機関端末5が備える構成としてもよい。
【0086】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0087】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0088】
このようなプログラムを含む記録媒体は、広告主にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で広告主に提供される記録媒体等で構成される。
【0089】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0090】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば図7のサーバ1)は、
土壌に関する情報を少なくとも含む、農家(例えば図1の農家F)の圃場に関する第1情報(例えば上述の圃場情報)を取得する取得手段(例えば図7の圃場情報取得部103)と、
前記第1情報に基づいて、前記圃場の収穫性に関する第2情報(例えば図1の営農情報)と、前記農家の信用に関する第3情報(例えば図1の信用情報)とを生成する生成手段(例えば図9の提示情報生成部105)と、
を備える。
【0091】
これにより、農家の圃場に関する情報が取得され、その情報に基づいて圃場の収穫性に関する情報と、農家の信用に関する情報とが生成される。その結果、圃場の潜在的な収穫力を容易に把握することが可能になるので、金融機関は農家からの小口融資(マイクロファイナンス)の依頼に対して積極的に対応することができる。また、農家は金融機関から小口融資(マイクロファイナンス)を受け易くなるので、積極的な農業経営を行うことができる。
【0092】
また、上空から撮像された地表を示す画像(例えば図4の地表画像R)を、前記圃場を示す単位(例えば図4のポリゴンP)毎に区分する区分手段(例えば図7のポリゴン生成部101)をさらに備え、
前記取得手段は、前記単位毎に前記第1情報を取得し、
前記生成手段は、前記第1情報に基づいて、前記単位毎に前記第2情報及び前記第3情報を生成し、
前記撮像画像における前記単位毎に、前記第2情報又は前記第3情報を視覚化させて表示させる制御を実行する表示制御手段(例えば図7の表示制御部106)をさらに備えることができる。
【0093】
これにより、個々の圃場の潜在的な収穫力や、農家の信用に関する情報を、視覚を通じて容易に把握することが可能になるので、金融機関は農家からの小口融資(マイクロファイナンス)の依頼に対してより積極的に対応することができる。また、農家は金融機関から小口融資(マイクロファイナンス)を受け易くなるので、より積極的な農業経営を行うことができる。
【0094】
また、前記第1情報に基づいて、前記単位毎に前記圃場の評価を行う評価手段(例えば図7の評価解析部104)をさらに備え、
前記生成手段は、前記評価の結果に基づいて、前記第2情報と第3を生成することができる。
【0095】
これにより、適正な評価結果に基づいて、より信頼性の高い圃場の潜在的な収穫力や、農家の信用に関する情報が生成される。
【0096】
また、前記取得手段は、前記第1情報として、前記圃場に設置されたセンサ群から得られる情報(例えば図1の地上データ)と、前記圃場を撮像可能とする人工衛星から得られる情報(例えば図1の衛星データ)との夫々を取得することができる。
【0097】
これにより、圃場に設置されたセンサ群から得られるミクロデータと、人工衛星から得られるマクロデータとが相互に補完し合う信頼性の高いデータを取得することができる。その結果、信頼性の高いデータに基づいて営農情報や信用情報を生成することが可能となる。
【0098】
また、前記センサ群から得られる情報には、気温、地温、降雨量、風速、風向き、土壌水分、又は日射量のうち少なくとも1つに関する情報が含まれ、
前記人工衛星から得られる情報には、前記気温、日射量、地表面温度、土壌水分量、降雨量、植物活性度、タンパク質含有量、土壌腐植含有量、土壌窒素含有量のうち少なくとも1つに関する情報が含まれるようにすることができる。
【0099】
これにより、圃場に設置されたセンサ群から得られる気温、地温、降雨量等の情報と、人工衛星から得られる気温、日射量、地表面温度、土壌水分量等の情報とが相互に補完し合う信頼性の高いデータを取得することができる。その結果、信頼性の高いデータに基づいて営農情報や信用情報を生成することが可能となる。
【符号の説明】
【0100】
1・・・サーバ、2・・・農家端末、3・・・地上センサ、4・・・人工衛星、5・・・金融機関端末、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・バス、15・・・入出力インターフェース、16・・・入力部、17・・・出力部、18・・・記憶部、19・・・通信部、20・・・ドライブ、40・・・リムーバブルメディア、101・・・ポリゴン生成部、102・・・登録受付部、103・・・圃場情報取得部、104・・・評価解析部、105・・・提示情報生成部、106・・・表示制御部、131・・・地上データ取得部、132・・・衛星データ取得部、151・・・営農情報生成部、152・・・信用情報生成部、181・・・地表画像DB、182・・・圃場DB、G・・・サービス提供者、F・・・農家、B・・・金融機関、R・・・地表画像、P・・・ポリゴン、N・・・ネットワーク、A1,A2・・・表示領域、B・・・ボタン
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C