(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082717
(43)【公開日】2022-06-02
(54)【発明の名称】ゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/525 20140101AFI20220526BHJP
A63F 13/86 20140101ALI20220526BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20220526BHJP
A63F 13/833 20140101ALI20220526BHJP
【FI】
A63F13/525
A63F13/86
A63F13/79
A63F13/833
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063405
(22)【出願日】2022-04-06
(62)【分割の表示】P 2019234030の分割
【原出願日】2018-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 賢作
(72)【発明者】
【氏名】鐘田 徳寧
(72)【発明者】
【氏名】上保 健
(72)【発明者】
【氏名】山田 健司
(57)【要約】
【課題】広告効果を高めることができるゲームシステムを提供する。
【解決手段】ゲームシステムは、複数のコンピュータと、記憶部を有し、複数のコンピュータと通信するサーバシステムと、を備えるゲームシステムであって、記憶部には、複数のユーザのそれぞれを識別する識別情報が記憶されており、仮想空間を生成する仮想空間生成手段と、広告を識別する広告情報を、複数のユーザのいずれかの識別情報と関連付けて記憶部に記憶する関連付け手段と、広告情報に関連付けられた識別情報に対応する広告付きユーザが対戦を行う場合に、仮想空間内に広告情報に対応した広告を表示する広告表示手段と、を備え、関連付け手段は、対戦における広告付きユーザの対戦相手ユーザが広告付きユーザに勝った場合に、対戦相手ユーザの識別情報に、広告情報を関連付ける。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対戦ゲームにおいて対戦を行う複数のユーザによりそれぞれ操作入力される複数の対戦用のコンピュータと、記憶部を有し、前記複数のコンピュータと通信するサーバシステムと、を備えるゲームシステムであって、
前記記憶部には、前記複数のユーザのそれぞれを識別する識別情報が記憶されており、
仮想空間を生成する仮想空間生成手段と、
広告を識別する広告情報を、前記複数のユーザのいずれかの識別情報と関連付けて前記記憶部に記憶する関連付け手段と、
前記広告情報に関連付けられた識別情報に対応するユーザ(以下、広告付きユーザ)が前記対戦を行う場合に、前記仮想空間内に前記広告情報に対応した広告を表示する広告表示手段と、を備え、
前記関連付け手段は、前記対戦における前記広告付きユーザの対戦相手(以下、対戦相手ユーザ)が前記広告付きユーザに勝った場合に、前記対戦相手ユーザの前記識別情報に、前記広告情報を関連付ける、ゲームシステム。
【請求項2】
前記関連付け手段は、前記対戦相手ユーザが前記広告付きユーザに勝った場合に、前記広告付きユーザの前記識別情報に対する前記広告情報の関連付けを解除する、ゲームシステム。
【請求項3】
前記広告表示手段は、前記仮想空間内に配置されたオブジェクトに前記広告情報に対応したテクスチャを貼り付ける、または、前記仮想空間内に前記広告情報に対応したオブジェクトを配置する、請求項1または2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記対戦ゲームにおける前記複数のユーザの対戦動画を前記記憶部に記憶する対戦動画保存手段と、
前記広告付きユーザの対戦動画を検索するための検索条件を受け付けることにより、前記複数のユーザの対戦動画の中から、前記広告付きユーザの対戦動画を検索する動画検索手段と、を備える、請求項1~3のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記コンピュータは、前記ユーザにより行われる対戦を表示する表示部を有し、
前記対戦ゲームにおける前記複数のユーザの対戦動画を前記記憶部に記憶する対戦動画保存手段と、
前記複数のコンピュータから送信された対戦要求を受け付けるとともに、所定の条件に基づき対戦相手を決定して、対戦を組む対戦相手決定手段と、
前記対戦相手決定手段が前記対戦要求を受け付けてから前記対戦相手を決定するまでの間、前記記憶部に記憶された前記広告付きユーザの対戦動画を待機画面として前記表示部に表示する待機画面表示手段と、を備える、請求項1~4のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記ゲームシステムは、前記サーバシステムと通信し、前記対戦ゲームにおける前記対戦を観戦する観戦用のコンピュータを備え、
前記仮想空間生成手段が生成する仮想空間は、前記対戦を行うユーザにより操作されるキャラクタが動作する対戦用空間を仮想カメラで撮影した対戦映像を表示する表示オブジェクトが配置された観戦用空間を含み、
前記広告表示手段は、前記広告を前記観戦用空間内に表示し、
前記広告が表示された前記観戦用空間を前記仮想カメラで撮影した観戦用映像を、前記観戦用のコンピュータのディスプレイに表示する観戦用映像表示手段を備える、請求項1~5のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間内に広告を表示する対戦ゲームを実現するゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、対戦ゲームにおいて、対戦が行われる仮想空間内に広告を表示するゲームシステムが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ユーザが操作するキャラクタとしての自動車に、ユーザの選択により広告データを付すことが可能なカーレースゲームを実行するゲームシステムが開示されている。このゲームシステムでは、ゲーム機のプレイ画面に、ユーザが操作する広告データを付したキャラクタを所定の時間表示させたことを条件として、ゲーム機が広告課金データとユーザ識別データを広告サーバに送信する。広告サーバは、その広告課金データを受信することで、広告主に対して課金する。また、広告サーバは、受信したユーザ識別データによって特定されるユーザに特典を付与する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のゲームシステムでは、キャラクタに広告を付した対価としてユーザに付与される特典に魅力がなければ、ユーザがキャラクタに広告を付すことを選択しなくなり、結果的に広告効果が薄れてしまう。
【0006】
そこで本発明は、広告効果を高めることができるゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、対戦ゲームにおいて対戦を行う複数のユーザによりそれぞれ操作入力される複数の対戦用のコンピュータと、記憶部を有し、前記複数のコンピュータと通信するサーバシステムと、を備えるゲームシステムであって、前記記憶部には、前記複数のユーザのそれぞれを識別する識別情報が記憶されており、仮想空間を生成する仮想空間生成手段と、広告を識別する広告情報を、前記複数のユーザのいずれかの識別情報と関連付けて前記記憶部に記憶する関連付け手段と、前記広告情報に関連付けられた識別情報に対応するユーザ(以下、広告付きユーザ)が前記対戦を行う場合に、前記仮想空間内に前記広告情報に対応した広告を表示する広告表示手段と、を備え、前記関連付け手段は、前記対戦における前記広告付きユーザの対戦相手(以下、対戦相手ユーザ)が前記広告付きユーザに勝った場合に、前記対戦相手ユーザの前記識別情報に、前記広告情報を関連付ける、ゲームシステムである。
【0008】
上記のゲームシステムによれば、広告付きユーザの対戦相手が広告付きユーザに勝った場合に、対戦相手ユーザの識別情報に広告情報が関連付けられる。このため、対戦ゲームにおける技量が高い、すなわち注目度の高いユーザの対戦に広告が表示されるので、広告効果を高めることができる。
【0009】
第2の発明は、上記発明における前記関連付け手段が、前記対戦相手ユーザが前記広告付きユーザに勝った場合に、前記広告付きユーザの前記識別情報に対する前記広告情報の関連付けを解除する、ゲームシステムである。このゲームシステムによれば、対戦ゲームの勝者に広告情報が引き継がれるため、広告付きユーザであることの希少価値が上がり、広告表示されることをユーザに促すことができる。また、より技量の高いユーザが広告付きユーザとなるため、広告付きユーザの対戦に一層注目を集めることができ、広告効果をより高めることができる。
【0010】
第3の発明は、上記発明における前記広告表示手段が、前記仮想空間内に配置されたオブジェクトに前記広告情報に対応したテクスチャを貼り付ける、または、前記仮想空間内に前記広告情報に対応したオブジェクトを配置する、ゲームシステムである。
【0011】
第4の発明は、上記発明において、前記対戦ゲームにおける前記複数のユーザの対戦動画を前記記憶部に記憶する対戦動画保存手段と、前記広告付きユーザの対戦動画を検索するための検索条件を受け付けることにより、前記複数のユーザの対戦動画の中から、前記広告付きユーザの対戦動画を検索する動画検索手段と、を備える、ゲームシステムである。このゲームシステムによれば、対戦動画を見て楽しみたいユーザに、広告付きユーザが対戦した対戦動画を見つけやすくすることができる。このため、広告効果をより高めることができる。
【0012】
第5の発明は、上記発明における前記コンピュータが、前記ユーザにより行われる対戦を表示する表示部を有し、前記対戦ゲームにおける前記複数のユーザの対戦動画を前記記憶部に記憶する対戦動画保存手段と、前記複数のコンピュータから送信された対戦要求を受け付けるとともに、所定の条件に基づき対戦相手を決定して、対戦を組む対戦相手決定手段と、前記対戦相手決定手段が前記対戦要求を受け付けてから前記対戦相手を決定するまでの間、前記記憶部に記憶された前記広告付きユーザの対戦動画を待機画面として前記表示部に表示する待機画面表示手段と、を備える、ゲームシステムである。このゲームシステムによれば、対戦相手が決まるまでのユーザの退屈を軽減するとともに、広告効果をより高めることができる。
【0013】
第6の発明は、前記ゲームシステムは、前記サーバシステムと通信し、前記対戦ゲームにおける前記対戦を観戦する観戦用のコンピュータを備え、前記仮想空間生成手段が生成する仮想空間は、前記対戦を行うユーザにより操作されるキャラクタが動作する対戦用空間を仮想カメラで撮影した対戦映像を表示する表示オブジェクトが配置された観戦用空間を含み、前記広告表示手段は、前記広告を前記観戦用空間内に表示し、前記広告が表示された前記観戦用空間を前記仮想カメラで撮影した観戦用映像を、前記観戦用のコンピュータのディスプレイに表示する観戦用映像表示手段を備えてもよい。
【0014】
上記のゲームシステムによれば、広告付きユーザの対戦相手が広告付きユーザに勝った場合に、対戦相手ユーザの識別情報に広告情報が関連付けられる。このため、対戦ゲームにおける技量が高い、すなわち注目度の高いユーザの対戦を観戦するための観戦用空間に広告が表示されるので、広告効果を高めることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、広告効果を高めることができるゲームシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1実施形態に係るゲームシステムの概要を説明するための模式図である。
【
図2】第1実施形態に係るゲームシステムにより行われる対戦ゲームの対戦画面の一例を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係るゲームシステムの構成を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態に係るゲームシステムの動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】第2実施形態に係るゲームシステムの概要を説明するための模式図である。
【
図6】第2実施形態に係るゲームシステムにより行われる対戦ゲームの観戦画面の一例を示す図である。
【
図7】第2実施形態に係るゲームシステムの構成を示すブロック図である。
【
図8】第2実施形態に係るゲームシステムの動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態に係るゲームシステムについて、図面を参照しつつ説明する。
【0018】
[システムの概要]
図1は、本発明の第1実施形態に係るゲームシステム1Aの概要を説明するための模式図である。
図1の左側に示すように、ゲームシステム1Aは、サーバ装置2と、インターネットなどの通信ネットワークNWを介してサーバ装置2と通信する複数の対戦者用端末3とを備える。ゲームシステム1Aは、通信ネットワークNWを介して、対戦者用端末3からサーバ装置2にアクセスするユーザ同士を対戦可能にする対戦ゲームを実現する。
【0019】
本実施形態で説明される対戦ゲームは、一のユーザが複数のキャラクタの中から選択した一のキャラクタを操作して、対戦相手となる他のユーザが操作するキャラクタと仮想空間内で1対1の格闘を行わせる格闘ゲームである。
【0020】
この対戦ゲームでは、通信ネットワークNWを介して他のユーザと対戦する対戦モードとして、ユーザは、ラウンジ対戦モードとマッチング対戦モードのいずれかを選択することができる。ラウンジ対戦モードとマッチング対戦モードは、対戦相手の決定方法が互いに異なる。
【0021】
ラウンジ対戦モードは、特定の対戦相手と対戦することを可能にするモードである。ラウンジ対戦モードでは、ユーザは、ラウンジと称した他のユーザが参加可能なセッションを作成することができる。セッションを作成したユーザは、例えば、作成したセッションに友人を招待したり、作成したセッションに対し参加するためのパスワードを設定したりすることができる。また、ラウンジ対戦モードでは、ユーザは、他のユーザが作成した複数のセッションの中から、1つのセッションを選択して参加することができる。このように、あるユーザが作成したセッションに他のユーザが参加することで、同じセッション内のユーザ同士の対戦が組まれる。一のユーザが作成したセッションに複数の他のユーザが参加することもできる。この場合、同じセッション内にいるユーザが取り決めて、対戦を組むことができ、対戦しないユーザは、対戦が組まれたユーザの対戦を観戦できる。
【0022】
マッチング対戦モードは、対戦者用端末3からサーバ装置2にアクセスする複数のユーザを所定の条件に基づきマッチングして、対戦を組むモードである。この対戦ゲームでは、各ユーザに対し、対戦ゲームにおけるおおよその強さ(すなわち、操作能力、技量)の指標を示すポイント(以下、「対戦ポイント」と称する)が付与されている。例えば、対戦ポイントは、ユーザが対戦で勝利するたびに値が増加し、敗退するたびに値が減少する勝率に対応した値である。マッチング対戦モードでは、サーバ装置2にアクセスしたユーザのうち、対戦ポイントが近いユーザ同士をマッチングすることにより、対戦するユーザ同士の強さを同程度にする。
【0023】
ラウンジ対戦モードまたはマッチング対戦モードにおいて対戦相手が決定すると、互いに対戦するユーザの対戦者用端末3同士で相互通信し、対戦が開始される。対戦中、各ユーザは、対戦画面を見ながら仮想空間内のキャラクタを操作して対戦相手のキャラクタと格闘し、どちらかのキャラクタの体力値がゼロになることで対戦が終了する。
【0024】
本実施形態では、対戦を行うユーザが所定の条件を満たす場合に、対戦が行われる仮想空間(以下、「対戦用空間」と称する)内に広告が表示される。
【0025】
具体的には、サーバ装置2には、複数のユーザのそれぞれを識別するユーザ識別情報(以下、単に「識別情報」と称する)とともに、広告を識別する広告情報が記憶されている。
図1の右側には、複数のユーザ(図例では、ユーザA~F)のそれぞれを識別する識別情報22aと広告情報22bとの関係が模式的に示されている。広告情報22bは、
図1の右側模式図において矢印で示すように、複数のユーザのいずれか(図例では、ユーザB)の識別情報22aに関連付けてサーバ装置2に記憶されている。
【0026】
以下の説明では、識別情報22aが広告情報22bに関連付けられたユーザを、「広告付きユーザ」と称し、識別情報22aが広告情報22bに関連付けられていないユーザを、「広告なしユーザ」と称する。
【0027】
図2は、ゲームシステム1Aにより行われる対戦ゲームの対戦画面Dの一例を示す図である。
図2の左側に示されたキャラクタPAは、広告なしユーザであるユーザAが操作するキャラクタであり、
図2の右側に示されたキャラクタPBは、広告付きユーザであるユーザBが操作するキャラクタである。この対戦ゲームでは、広告付きユーザが対戦を行う場合に、広告情報22bに対応した広告が対戦用空間S内に表示される。対戦用空間S内に広告を表示する態様は様々であるが、
図2の例では、広告付きユーザに対応するキャラクタPBのコスチュームに、広告情報22bに対応した広告であるロゴLが描画されている。
【0028】
本実施形態では、広告なしユーザが広告付きユーザに対戦ゲームにおいて勝利した場合、勝利したユーザにロゴLが引き継がれる。すなわち、広告情報22bを関連付ける識別情報22aは、対戦に敗北した広告付きユーザの識別情報22aから、対戦に勝利した対戦相手の識別情報22aに変更される。図例では、対戦に勝利したユーザBは、広告なしユーザから広告付きユーザとなり、一方、対戦に敗北したユーザAは、広告付きユーザから広告なしユーザとなる。
【0029】
[サーバ装置の構成]
(サーバ装置の全体構成)
図3は、ゲームシステム1Aの構成を示すブロック図である。まず、ゲームシステム1Aにおけるサーバ装置2の構成について、
図3を参照して説明する。
【0030】
サーバ装置2は、上述した対戦ゲームを管理するサーバ装置である。サーバ装置2は、制御部21を備える。制御部21は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、サーバ装置2の動作を制御する。制御部21には、記憶部22および通信I/F部23が、それぞれ有線または無線で電気的に接続されている。
【0031】
記憶部22は、例えば、大容量記録媒体であるHDD(Hard Disk Drive)、マスクROMまたはPROMなどの半導体メモリであるROM(Read Only Memory)、および、DRAMまたはSRAMなどから成るRAM(Random Access Memory)で構成される。記憶部22は、制御部21の制御に必要な各種プログラムおよびデータを記憶する。また、記憶部22は、上述した識別情報22aおよび広告情報22bを記憶する。また、記憶部22は、サーバ装置2に対戦者用端末3からアクセスして対戦を行なった複数のユーザの対戦動画データ22cを記憶する。また、記憶部22は、各対戦者用端末3から送信されるアカウントを認証するためのデータや、各ユーザの対戦ポイントも記憶する。
【0032】
通信I/F部23は、インターネットまたはLANなどの通信ネットワークNWに対してサーバ装置2を接続するインタフェースである。サーバ装置2は、通信I/F部23を介して、対戦者用端末3との間で、データの送受信を行う。
【0033】
なお、各対戦者用端末3およびその各ユーザには、それぞれ異なるアカウント情報が付与されている。そして、対戦者用端末3とサーバ装置2とが通信ネットワークNWを介して通信を行う場合には、ユーザは、対戦者用端末3から自己のアカウントをサーバ装置2に送信する。サーバ装置2が受信したアカウントに対し所定の認証を行うと、サーバ装置2と対戦者用端末3との通信(対戦者用端末3からサーバ装置2へのアクセス)が可能となる。
【0034】
(サーバ装置の制御部の機能的構成)
また、
図3には、サーバ装置2の制御部21の機能的構成が示される。サーバ装置2は、記憶部22に記憶された各種プログラムを実行することにより、識別情報管理手段41、対戦相手決定手段42、広告情報送信手段43、関連付け手段44、対戦動画保存手段45、動画検索手段46、および待機動画送信手段47として機能する。
【0035】
識別情報管理手段41は、記憶部22に記憶された識別情報22aを管理する。例えば識別情報22aは、各ユーザに付与された、サーバ装置3にアクセスするためのアカウント情報である。
【0036】
対戦相手決定手段42は、対戦者用端末3から送られる対戦ゲームにおける対戦を要求する信号(以下、「対戦要求」と称する)を受け付けて、所定の条件に基づき対戦相手を決定して、対戦を組む。対戦相手を決定したあと、対戦相手決定手段42は、例えばサーバ装置2を介した、対戦者の対戦者用端末3a,3b同士の相互通信接続を確立する。
【0037】
広告情報送信手段43は、広告付きユーザの対戦者用端末3に広告情報22bを送信する。本実施形態では、広告情報送信手段43は、広告付きユーザの対戦者用端末3から対戦要求を受け付けた際に、その対戦者用端末に3に広告情報22bを送信する。また、広告情報送信手段43は、広告付きユーザの対戦が組まれた場合に、広告付きユーザの対戦相手の対戦者用端末3にも広告情報22bを送信する。
【0038】
関連付け手段44は、広告を識別する広告情報22bを、複数のユーザのいずれかの識別情報22aと関連付けて記憶部22に記憶する。
【0039】
また、関連付け手段44は、対戦において広告付きユーザが対戦相手に負けた場合に、広告付きユーザの識別情報22aに対する広告情報22bの関連付けを解除するとともに、勝利した対戦相手ユーザの識別情報22aに、広告情報22bを関連付ける。言い換えれば、関連付け手段44は、対戦における広告付きユーザが負けた場合に、広告情報22bを関連付ける識別情報22aを、広告付きユーザの識別情報22aから、その対戦相手の識別情報22aに変更する。
【0040】
対戦動画保存手段45は、対戦ゲームにおける複数のユーザが対戦した対戦画面の動画(対戦動画)を、対戦動画データ22cとして記憶部22に記憶する。
【0041】
なお、本明細書および特許請求の範囲において、「対戦動画」または「対戦動画データ」を「記憶する」、「保存する」、「検索する」、または「送信する」などという表現は、対戦画面の画像を動画形式のデータとして記憶、保存、検索、または送信することなどに限定されず、対戦画面の画像を動画形式で再現(生成)するための情報(例えば後述する操作部32に対する対戦者の操作情報)を記憶、保存、検索、または送信することなども包含するものとする。
【0042】
動画検索手段46は、対戦者用端末3から送られる検索条件(情報)を受けて、記憶部22に記憶された対戦動画データ22cの中から、その検索条件を満たす対戦動画データを検索する。なお、後述するように、対戦者用端末3から受け付ける検索条件には、広告付きユーザの対戦動画(データ)を検索するための検索条件が含まれる。
【0043】
待機動画送信手段47は、ユーザによりマッチング対戦モードが選択されて、対戦者用端末3から対戦要求が送られた場合に、対戦相手が決まるまで広告付きユーザの対戦動画を対戦者用端末3に送信する。
【0044】
[対戦者用端末の構成]
(対戦者用端末の全体構成)
次に、対戦者用端末3の構成について説明する。
【0045】
対戦者用端末3は、ユーザにより操作入力され、上述した対戦ゲームが実行されるゲーム装置である。対戦者用端末3は、制御部31を備える。制御部31は、例えばCPUであり、対戦者用端末3の動作を制御する。制御部31には、操作部32、表示部33、記憶部34、音響出力部35、通信I/F部36、およびメディアI/F部37が、それぞれ有線または無線で電気的に接続されている。
【0046】
操作部32は、ユーザによる対戦ゲームを行うための操作(キャラクタの動作を制御するための操作など)を受け付けて、その操作に対応した操作情報を制御部31に入力する装置である。操作部32は、例えばボタン等の操作子が設けられたゲームコントローラである。
【0047】
表示部33は、対戦ゲームにおけるゲーム画像を表示する装置であり、例えば液晶ディスプレイである。ゲーム画像について、より詳しくは、対戦者用端末3が含むグラフィック処理部(図示略)が、制御部31の指示に従って仮想空間および各キャラクタなどを含むゲーム画像を動画形式で描画する。動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面として表示部33に表示される。
【0048】
記憶部34は、例えば、大容量記録媒体であるHDD、マスクROMまたはPROMなどの半導体メモリであるROM、および、DRAMまたはSRAMなどから成るRAMで構成される。記憶部34には、後述するゲームメディア38から読み込んだゲームの実行に必要なゲームプログラム38aおよびゲームデータ38bが記憶される。また、記憶部34には、対戦者用端末3を起動する起動プログラムや、ゲームメディア38が装填されたときの動作を制御するプログラムなども記憶される。
【0049】
音響出力部35は、対戦ゲームにおけるゲーム音声を出力する装置であり、例えば、スピーカまたはヘッドホンである。ゲーム音声について、より詳しくは、対戦者用端末3が含むオーディオ処理部(図示略)が、制御部31の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成したあと、そのゲーム音声をアナログ形式にデコードして、音響出力部35から外部へと出力する。
【0050】
通信I/F部36は、インターネットまたはLANなどの通信ネットワークNWに対して対戦者用端末3を接続するインタフェースである。対戦者用端末3は、通信I/F部36を介して、他の対戦者用端末3との間で、およびサーバ装置2との間で、データの送受信を行う。
【0051】
メディアI/F部37は、対戦ゲームを実行するためのゲームメディア38を装填可能なインタフェースである。ゲームメディア38は、例えばDVD-ROM等のディスク型記録媒体であり、その中にゲームプログラム38aおよびゲームデータ38bが記録されている。このゲームデータ38bには、対戦ゲームを実行するために必要な各種データが含まれる。
【0052】
(対戦者用端末の制御部の機能的構成)
また、
図3には、対戦者用端末3の制御部31の機能的構成が示される。対戦者用端末3は、ゲームプログラム38aを実行することにより、対戦要求手段51、ゲーム進行手段52、対戦動画送信手段53、検索条件送信手段54、および待機画面表示手段55として機能する。
【0053】
対戦要求手段51は、ラウンジ対戦モードとマッチング対戦モードのうち、操作部32に対するユーザの操作により選択されたモードでの対戦要求をサーバ装置2に送信する。
【0054】
ユーザにより上述したラウンジ対戦モードが選択された場合には、対戦要求手段51は、対戦要求として、ラウンジを作成するための信号または他のユーザが作成したセッションへ参加するための信号をサーバ装置2に送る。また、ユーザにより上述したマッチング対戦モードが選択された場合には、対戦要求手段51は、対戦要求として、対戦相手決定手段42によるマッチングの実行を要求する信号をサーバ装置2に送る。
【0055】
ゲーム進行手段52は、対戦相手決定手段42により対戦相手の対戦者用端末3との通信が可能となったあとに、その対戦者用端末3との間で同期して対戦ゲームを進行させる。ゲーム進行手段52は、対戦用空間生成手段52a、広告表示手段52b、キャラクタ制御手段52c、および対戦結果送信手段52dを含む。
【0056】
対戦用空間生成手段52aは、ゲームデータ38bに含まれるオブジェクトおよびテクスチャなどのデータを読み出し、
図2に示すようなキャラクタPA,PB等のキャラクタやオブジェクトが配置された、対戦ゲームにおける対戦が行われる三次元または二次元の対戦用空間Sを生成する。ゲーム進行手段52は、
図2に示すように、生成した対戦用空間Sまたは対戦用空間Sの一部を対戦画面Dとして表示部33に表示させる。
【0057】
広告表示手段52bは、広告付きユーザが対戦を行う場合に、広告情報22bに対応した広告を対戦用空間S内に表示する。言い換えれば、広告表示手段52bは、対戦者用端末3に対し操作入力するユーザ自身が広告付きユーザである場合と、対戦相手であるユーザが広告付きユーザである場合のいずれかの場合において、その対戦の対戦用空間S内に広告を表示する。本実施形態では、広告表示手段52bは、広告付きユーザに対応するキャラクタのコスチュームに、広告情報22bに対応した広告のテクスチャを貼り付ける。
【0058】
キャラクタ制御手段52cは、ユーザの操作部32に対する操作に対応した操作情報に基づいて、対戦用空間Sに配置されたプレイヤキャラクタの動作を制御する。また、キャラクタ制御手段52cは、対戦相手である他のユーザの対戦者用端末3から送られた操作情報に基づき、対戦相手に対応するキャラクタの動作を制御する。
【0059】
さらに、ゲーム進行手段52は、ユーザの操作部32への操作やゲームの進行状況に応じて、対戦用空間Sにおけるプレイヤキャラクタおよび対戦相手のキャラクタ以外の他のキャラクタ(背景キャラクタなど)の動作やオブジェクトの動作なども制御する。
【0060】
対戦結果送信手段52dは、対戦ゲームにおける対戦が終了したあとに、対戦結果をサーバ装置2に送信する。
【0061】
対戦動画送信手段53は、対戦した動画を記憶部34に記憶するとともに、サーバ装置2に対戦動画のデータを送る。なお、サーバ装置2に送られた対戦動画データは、上述した対戦動画保存手段45により記憶部22に記憶される。
【0062】
検索条件送信手段54は、上述した動画検索手段46により検索を行うための検索条件(情報)、すなわち、サーバ装置2に記憶された複数の対戦動画データ22cの中から特定の対戦動画を検索するための検索条件を、サーバ装置2に送信する。具体的には、検索条件送信手段54は、表示部33に検索画面を表示し、ユーザの操作部32への操作により入力または選択された検索条件を受け付ける。そして、検索条件送信手段54は、ユーザの操作部32への操作により、受け付けた検索条件をサーバ装置2に送信する。
【0063】
本実施形態では、検索条件送信手段54は、広告付きユーザの対戦動画を検索するための検索条件、より詳しくは、広告情報22bに対応した広告が対戦用空間S内に表示された対戦動画であるという検索条件をサーバ装置2に送信することが可能である。
【0064】
待機画面表示手段55は、ユーザがマッチング対戦モードを選択して、対戦者用端末3から対戦要求が送信された場合に、対戦相手が決まるまで広告付きユーザの対戦動画を待機画面として表示部33に表示する。
【0065】
より詳しく説明すると、マッチング対戦モードでは、対戦者用端末3から対戦要求が送信されたときに、対戦相手決定手段42が条件に合う対戦相手(対戦ポイントが近い他のユーザ)を見つけることができない場合、ユーザは対戦相手が見つかるまで待機することになる。対戦相手が見つかるまでの間、サーバ装置2の待機動画送信手段47は、サーバ装置2の記憶部22に記憶された対戦動画の中から、広告付きユーザの対戦動画を、例えばランダムでまたは所定のルールに基づいて選択し、対戦者用端末3に送信する。待機画面表示手段55は、待機動画送信手段47から送信された動画データに基づき、広告付きユーザの対戦動画を表示する。
【0066】
[ゲームシステムの処理フロー]
次に、上述したゲームシステム1Aにおいて実行される各動作の流れの一例を、
図4を参照して説明する。
図4は、広告なしユーザであるユーザAと広告付きユーザであるユーザBの対戦が組まれた場合のゲームシステム1Aの動作の流れを示すフローチャートである。なお、以下の説明では、便宜上、広告なしユーザであるユーザAにより操作入力される対戦者用端末3を「対戦者用端末3a」と称し、広告付きユーザであるユーザBにより操作入力される対戦者用端末3を「対戦者用端末3b」と称する。
【0067】
図4に示すように、ユーザAの操作入力により、対戦者用端末3aの対戦相手決定手段42は、対戦者用端末3aからサーバ装置2に対戦要求を送信する(ステップS1)。また、ユーザBの操作入力により、対戦者用端末3bの対戦相手決定手段42は、対戦者用端末3bからサーバ装置2に対戦要求を送信する(ステップS2)。サーバ装置2では、広告情報送信手段43が、広告付きユーザであるユーザBの対戦者用端末3bから対戦要求を受け付けた際に、その対戦者用端末に3bに広告情報22bを送信する(ステップS3)。
【0068】
また、サーバ装置2において、対戦相手決定手段42は、ユーザAとユーザBの対戦を組み、対戦者用端末3a,3b同士の通信接続を確立する(ステップS4)。ユーザAとユーザBの対戦が組まれたあと、広告情報送信手段43は、組まれた対戦が広告付きユーザであるユーザBの対戦であるため、その対戦相手の対戦者用端末3、すなわちユーザAの対戦者用端末3aに広告情報22bを送信する(ステップS5)。
【0069】
こうして、互いの対戦者用端末3a,3bの記憶部34に広告情報22bが記憶された状態となり、ゲーム進行手段52が、その広告情報22bに基づき対戦用空間S内に広告を表示して、対戦ゲームを進行させる(ステップS6,S7)。
【0070】
すなわち、各対戦者用端末3a,3bでは、対戦用空間生成手段52aが、対戦ゲームにおける対戦が行われる対戦用空間Sを生成するとともに、対戦用空間SにユーザAに対応するキャラクタと、ユーザBに対応するキャラクタとを配置する。そして、広告表示手段52bは、広告付きユーザであるユーザBに対応するキャラクタのコスチュームに、広告情報22bに対応した広告であるロゴLを貼り付けている。
【0071】
また、各対戦者用端末3a,3bのキャラクタ制御手段52cは、各ユーザA,Bの操作に応じて、自己のキャラクタと対戦相手のキャラクタの動作を制御する。ゲーム進行手段52は、各キャラクタの体力値の増減を管理して、一方のキャラクタの体力値がゼロになった場合に対戦を終了させる。
【0072】
対戦ゲームにおける対戦が終了したあと、各対戦者用端末3a,3bの対戦結果送信手段52dは、対戦結果をサーバ装置2に送信する(ステップS8,S9)。
【0073】
サーバ装置2が対戦結果を受信すると、関連付け手段44は、対戦における広告付きユーザが負けたか否かを判定する(ステップS10)。
【0074】
関連付け手段44は、広告付きユーザであるユーザBが負けた場合には(ステップS10:YES)、ユーザBの識別情報に対する広告情報22bの関連付けを解除するとともに、対戦相手であるユーザAの識別情報22aに、広告情報22bを関連付ける(ステップS11)。すなわち、ユーザAは、広告付きユーザとなり、ユーザBは、広告なしユーザとなる。
【0075】
関連付け手段44は、広告付きユーザが勝った場合には(ステップS10:NO)、ユーザBの識別情報22aに対する広告情報22bの関連付けを維持し、ユーザAの識別情報22aには広告情報22bを関連付けない。
【0076】
こうして、対戦用空間S内に表示される広告としてのロゴLが、対戦の勝利者に引き継がれる。
【0077】
以上をまとめると、本発明の第1実施形態に係るゲームシステム1Aは、対戦ゲームにおいて対戦を行う複数のユーザによりそれぞれ操作入力される複数の対戦者用端末3と、記憶部22を有し、前記複数の対戦者用端末3と通信するサーバ装置2と、を備えるゲームシステム1Aであって、前記記憶部22には、前記複数のユーザのそれぞれを識別する識別情報22aが記憶されており、対戦用空間Sを生成する対戦用空間生成手段52aと、広告を識別する広告情報22bを、前記複数のユーザのいずれかの識別情報22aと関連付けて前記記憶部22に記憶する関連付け手段44と、前記広告情報22bに関連付けられた識別情報22aに対応する広告付きユーザが前記対戦を行う場合に、前記対戦用空間S内に前記広告情報22bに対応した広告を表示する広告表示手段52bと、を備え、前記関連付け手段44は、前記対戦における前記広告付きユーザの対戦相手が前記広告付きユーザに勝った場合に、前記対戦相手ユーザの前記識別情報22aに、前記広告情報22bを関連付ける。
【0078】
本実施形態に係るゲームシステム1Aによれば、広告付きユーザの対戦相手が広告付きユーザに勝った場合に、対戦相手ユーザの識別情報22aに広告情報22bが関連付けられる。このため、対戦ゲームにおける技量が高い、すなわち注目度の高いユーザの対戦に広告が表示されるので、広告効果を高めることができる。また、対戦用空間S内に広告が表示されることが広告付きユーザに勝った証となるため、自己顕示欲を満たしたいユーザに広告表示されることを促すことができ、広告効果を高めることができる。
【0079】
また、本実施形態に係るゲームシステム1Aによれば、対戦ゲームの勝者に広告情報が引き継がれるため、広告付きユーザであることの希少価値が上がり、広告表示されることをユーザに促すことができる。また、より技量の高いユーザが広告付きユーザとなるため、広告付きユーザの対戦に一層注目を集めることができ、広告効果をより高めることができる。
【0080】
また、本実施形態に係るゲームシステム1Aによれば、検索条件送信手段54および動画検索手段46により、対戦動画を見て楽しみたいユーザに、広告付きユーザが対戦した対戦動画を見つけやすくすることができる。このため、広告効果をより高めることができる。
【0081】
また、本実施形態に係るゲームシステム1Aによれば、待機画面表示手段55が、対戦者用端末3から対戦要求が送信されてから対戦が組まれるまでの間、記憶部34に記憶された広告付きユーザの対戦動画を待機画面として表示部33に表示するため、ユーザの退屈を軽減するとともに、広告効果をより高めることができる。
【0082】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係るゲームシステムについて、
図5~
図8を参照しつつ説明する。なお、以下の第2実施形態の説明では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、同じ構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0083】
[システムの概要]
図5は、第2実施形態に係るゲームシステム1Bの概要を説明するための模式図である。本実施形態では、第1実施形態とは異なり、ゲームシステム1Bは、サーバ装置2および複数の対戦者用端末3以外に、通信ネットワークNWを介してサーバ装置2と通信する複数の観戦者用端末6を備える。ゲームシステム1Bは、第1実施形態のようにユーザ同士の対戦ゲームにおける対戦を可能にするとともに、サーバ装置2に観戦者用端末6からアクセスする第三者がその対戦をリアルタイムで観戦するシステムを実現する。
【0084】
図6は、ゲームシステム1Bにより行われる対戦ゲームの観戦画面D2の一例を示す図である。
図6に示すように、本実施形態では、観戦者用端末6にて対戦を観戦する観戦者が、スタジアムなどで多数の者と観戦する体験が得られるよう、観戦者用端末6の表示部66a,66b(
図7参照)に、観戦用の仮想空間(以下、「観戦用空間」と称する)Tを撮影した画像が表示される。
【0085】
例えば、観戦用空間Tは、コンピュータゲームが競技として催される大会、いわゆるEスポーツ(Electronic Sports)の大会の会場を表した空間であり、観戦用空間Tには、対戦ゲームにおける対戦画面Dを表示する表示オブジェクトとしての巨大スクリーンB1と、ステージB2と、観客席B3とが生成されている。ステージB2上には、対戦画面Dのキャラクタを操作する対戦者を模したキャラクタQが配置され、観客席B3には、他の観戦者用端末6のユーザに操作される、あるいはCPUにより制御される観客キャラクタRが配置される。観戦画面D2は、観客席B3に配置されたキャラクタの視点で表示されている。
【0086】
また、本実施形態では、対戦ゲームにおいて広告付きユーザの対戦を観戦する場合に、観戦用空間T内に、広告付きユーザの広告情報22bに対応した広告が表示される。具体的には、
図6に示すように、巨大スクリーンB1の左右両側には、対戦画面Dを映し出す表示オブジェクトB1とは別の表示オブジェクトB4,B5が生成されており、これら表示オブジェクトB4,B5に、広告付きユーザの広告情報22bに対応したロゴなどの広告Lが表示される。
【0087】
[サーバ装置の構成]
図7は、ゲームシステム1Bの構成を示すブロック図である。本実施形態では、対戦者用端末3の構成は、第1実施形態と概ね同じであるため、説明を省略する。また、本実施形態では、サーバ装置2についても、第1実施形態と重複した説明は省略し、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
【0088】
本実施形態では、広告情報送信手段43は、広告付きユーザおよびその対戦相手の対戦者用端末3に広告情報22bを送信するだけでなく、広告付きユーザの対戦を観戦する観戦者用端末6にも広告情報22bを送信する。
【0089】
また、本実施形態では、サーバ装置2が、記憶部22に記憶された各種プログラムを実行することにより、対戦映像送信手段48としても機能する。対戦映像送信手段48は、観戦者が観戦するための対戦映像を観戦者用端末6に送信する。
【0090】
具体的には、対戦者の操作部32に対する操作に対応した操作情報が、対戦者の各対戦者用端末3からサーバ装置2に送られる。対戦映像送信手段48は、各対戦者用端末3から送られる操作情報に基づき、各対戦者用端末3にて描画されるゲーム画像と同じゲーム画像を描画し、各対戦者用端末3にて生成されるデジタルのゲーム音声と同じ音声のデータを生成する。こうして、対戦映像送信手段48は、観戦対象となる対戦ゲームの映像データおよび音声データを、通信ネットワークNWを介して観戦者用端末6にストリーミング配信する。
【0091】
[観戦者用端末の構成]
(観戦者用端末の全体構成)
次に、観戦者用端末6の構成について、
図7を参照して説明する。
【0092】
観戦者用端末6は、ユーザにより操作入力され、上述した対戦ゲームにおける対戦を観戦するためのコンピュータ装置である。観戦者用端末6は、制御部61を備える。制御部61は、例えばCPUであり、観戦者用端末6の動作を制御する。制御部61には、操作部62、記憶部63、音響出力部64、および通信I/F部65が、それぞれ有線または無線で電気的に接続されている。
【0093】
操作部62は、ユーザによる対戦ゲームを観戦にするための操作を受け付けて、その操作に対応した操作情報を制御部61に入力する装置である。操作部62は、例えばボタン等の操作子が設けられたコントローラである。
【0094】
記憶部63は、例えば、大容量記録媒体であるHDD、マスクROMまたはPROMなどの半導体メモリであるROM、および、DRAMまたはSRAMなどから成るRAMで構成される。記憶部63には、観戦用空間やそこに配置されたキャラクタなどを生成するための各種プログラムおよびデータが記憶される。
【0095】
音響出力部64は、対戦ゲームにおけるゲーム音声や観戦用空間の観客の歓声などの音声を出力する装置であり、例えば、スピーカまたはヘッドホンである。より詳しくは、観戦者用端末6が含むオーディオ処理部(図示略)が、制御部61の指示に従ってデジタルの音声を再生および合成したあと、その音声をアナログ形式にデコードして、音響出力部64から外部へと出力する。
【0096】
通信I/F部65は、インターネットまたはLANなどの通信ネットワークNWに対して観戦者用端末6を接続するインタフェースである。観戦者用端末6は、通信I/F部65を介して、サーバ装置2との間で、データの送受信を行う。
【0097】
また、観戦者用端末6は、ユーザの頭部に装着可能なヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)66を備える。HMD66は、制御部61に電気的に接続されており、一対の表示部66a,66b、加速度センサ66c、およびジャイロセンサ66dを有する。
【0098】
HMD66がユーザの頭部に装着されることにより、そのユーザの左目と右目の前方に、左目用の表示部66aと右目用の表示部66bとが夫々配置される。観戦者用端末6が含むグラフィック処理部(図示略)が、観戦用の仮想三次元空間に配置された一対の仮想カメラの夫々で撮影した互いに視差を有する左目用および右目用の仮想二次元画像を生成し、動画形式で描画する。動画形式に描画された画像は、観戦用画面D2として一対の表示部66a,66bに夫々表示される。
【0099】
加速度センサ66cおよびジャイロセンサ66dは、ユーザの頭部のモーションを検出するモーション検出システムを構成する。加速度センサ66cは、例えば重力方向に対するHMD66の向き、即ちユーザの頭部の傾きを検出する。ジャイロセンサ66dは、例えばHMD66の角速度、即ちユーザが頭部を傾けたり回転したりする速さを検出する。加速度センサ66cおよびジャイロセンサ66dから得られたモーション情報に応じて、観戦用空間Tを撮影する一対の仮想カメラの向きを変更する。
【0100】
(観戦者用端末の制御部の機能的構成)
また、
図7には、観戦者用端末6の制御部61の機能的構成が示される。観戦者用端末6は、記憶部63に記憶された各種プログラムを実行することにより、観戦要求手段71、観戦用空間生成手段72、および広告表示手段73として機能する。
【0101】
観戦要求手段71は、サーバ装置2の対戦相手決定手段42により組まれた対戦の中から、一の対戦の観戦を要求する信号(以下、「観戦要求」と称する)をサーバ装置2に送る。より詳しくは、観戦用端末6のユーザの所定の操作入力により、サーバ装置2から観戦対象として選択可能な対戦リストが観戦用端末6に送られ、表示部66a,66bに表示される。観戦用端末6のユーザが、対戦リストの中から一の対戦を選択すると、その対戦に対する観戦要求がサーバ装置2に送られる。
【0102】
観戦用空間生成手段72は、記憶部63に記憶されたデータに基づき、対戦ゲームにおける対戦画面Dの対戦を観戦するための仮想の観戦用空間Tを生成する。観戦用空間生成手段72は、観戦用空間Tに、観戦者が操作するプレイヤキャラクタや、表示オブジェクトB1,B4,B5、ステージB2、観客席B3、対戦者キャラクタQ、および観客キャラクタRなどを配置する。また、観戦用空間生成手段72は、サーバ装置2の対戦映像送信手段48から送られる対戦映像を、対戦画面Dとして表示オブジェクトB1に表示する。
【0103】
広告表示手段73は、広告付きユーザが対戦を行う場合に、観戦用空間T内に広告情報22bに対応した広告を表示する。本実施形態では、広告表示手段73は、観戦用空間T内の表示オブジェクトB4,B5に、広告付きユーザの広告情報22bに対応したロゴなどの広告Lを表示する。
【0104】
観戦用映像表示手段74は、広告が表示された観戦用空間Tを上述した一対の仮想カメラで撮影した観戦用映像を、観戦用端末6におけるHMD66の一対の表示部66a,66bに表示する。
【0105】
[ゲームシステムの処理フロー]
次に、上述したゲームシステム1Bにおいて実行される各動作の流れの一例を、
図8を参照して説明する。なお、本実施形態では、対戦者用端末2の動作は、対戦映像送信手段48にて対戦映像を生成するための情報をサーバ装置3に送信する以外は、第1実施形態と概ね同様である。このため、以下では、対戦者用端末3に関連する動作についての説明は省略する。
【0106】
図8は、観戦者用端末6にて対戦ゲームの対戦を観戦する際のゲームシステム1Bの動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【0107】
図8に示すように、観戦者用端末6のユーザの操作入力により、観戦要求手段71は、サーバ装置2の対戦相手決定手段42により組まれた対戦の中から、一の対戦の観戦を要求する観戦要求をサーバ装置2に送る(ステップT1)。サーバ装置2では、対戦映像送信手段48は、観戦要求を受け付けて、要求された対戦を観戦するための対戦映像をリアルタイムで観戦者用端末6に送信する(ステップT2)。
【0108】
また、サーバ装置2の制御部21は、観戦を要求された対戦の対戦者に、広告付きユーザが含まれるか判定する(ステップT3)。観戦を要求された対戦の対戦者に広告付きユーザが含まれる場合(ステップT3:YES)、サーバ装置2の広告情報送信手段43は、その広告付きユーザの識別情報22aに関連付けられた広告情報22bを、観戦者用端末6に送信する(ステップT4)。なお、対戦者に広告付きユーザが含まれない場合(ステップT3:NO)、サーバ装置2の広告情報送信手段43は、広告情報22bを観戦者用端末6に送信しない。
【0109】
観戦者用端末6では、観戦用空間生成手段72は、対戦画面Dの対戦を観戦するための仮想の観戦用空間Tを生成する(ステップT5)。また、観戦用空間生成手段72は、ステップT2で送信される対戦映像を、表示オブジェクトB1に表示する。
【0110】
さらに、観戦者用端末6では、広告表示手段73が、広告情報22bを受信したか否かを判定する(ステップT6)。広告情報22bを受信した場合、すなわち広告付きユーザの対戦を観戦する場合、広告表示手段73は、観戦用空間T内に広告情報22bに対応した広告を表示する(ステップT7)。
【0111】
本実施形態に係るゲームシステム1Bでも、第1実施形態と同様、広告付きユーザの対戦相手が広告付きユーザに勝った場合に、対戦相手ユーザの識別情報22aに広告情報22bが関連付けられる。このため、対戦ゲームにおける技量が高い、すなわち注目度の高いユーザの対戦を観戦するための観戦用空間Tに広告が表示されるので、広告効果を高めることができる。
【0112】
<その他の実施形態>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0113】
例えば、対戦ゲームを実行するためのゲームプログラム38aおよびゲームデータ38bは、ゲームメディア38を介さずに記憶部34に記憶されてもよい。例えば、ゲームプログラム38aおよびゲームデータ38bは、サーバ装置2またはそれとは異なるサーバ装置から、通信ネットワークNWを介して受信することにより、記憶部34に記憶されてもよい。
【0114】
また、ゲームシステム1A,1Bを構成する各装置2,3,6は、単独の装置である必要はなく、複数の装置により構成されたものであってもよい。例えば、対戦者用端末3の制御部31を含む装置本体に対し、操作部32、表示部33、記憶部34、音響出力部35は、有線または無線で電気的に接続する別体の装置であってもよい。
【0115】
また、上記実施形態では、ゲームシステム1A,1Bのサーバシステムが1つのサーバ装置2により構成されていたが、本発明のゲームシステムのサーバシステムは、複数のサーバ装置を備える構成であってもよい。
【0116】
また、第2実施形態における観戦者用端末6は、対戦者用端末2と同じゲーム装置であってもよい。対戦者用端末2にて、他の対戦者用端末2同士の対戦を観戦してもよいし、観戦者用端末6にて対戦ゲームにおける対戦ができてもよい。また、観戦者用端末6の記憶部63に、対戦ゲームを実行するためのゲームプログラム38aおよびゲームデータ38bが記憶されていてもよく、ゲームプログラム38aを実行することにより、観戦者用端末6からの対戦の観戦を可能にしてもよい。
【0117】
また、第2実施形態では、観戦用画面D2を表示するディスプレイとして、HMD66が採用されたが、観戦者用端末6は、観戦用画面D2を表示するディスプレイとして、HMD66の代わりに、1つの表示部を備えるディスプレイを備えてもよい。
【0118】
また、上記実施形態で説明された対戦ゲームは、P2P通信方式で進行するゲームであってもよいし、各対戦者用端末3が接続するサーバ装置2において対戦ゲームを進行するゲームであってもよい。サーバ装置2で進行する対戦ゲームの場合、サーバ装置2が対戦用空間生成手段52a等として機能してもよい。
【0119】
また、上記実施形態では、対戦ゲームとして、1対1の格闘ゲームが例示されたが、例えば、対戦ゲームは、三人以上のユーザが参加して対戦するゲームであってもよいし、チーム対チームの対戦ゲームであってもよい。また、対戦ゲームは、対戦者が操作するプレイヤキャラクタ同士が直接対戦することにより勝敗が決定されるゲームに限らず、所定のルールに従い対戦者同士で勝敗を決定できるものであればよい。例えば、対戦ゲームは、マッチングされた対戦者のそれぞれが操作するプレイヤキャラクタが、CPUが制御するノンプレイヤキャラクタ(NPC)と対戦するゲームでもよい。この場合、対戦者のうち、NPCを倒す時間が短かった方を勝者とするゲーム(いわゆるタイムアタック)でもよいし、所定時間内にNPCから受けたダメージが小さかった方を勝者とするゲームでもよい。
【0120】
また、関連付け手段44は、対戦ゲームにおいて広告付きユーザが対戦相手ユーザに敗北した場合に、広告付きユーザの識別情報22aに対する広告情報22bの関連付けを維持してもよい。この場合、広告付きユーザが負ける度に、広告情報22bに関連付けられた識別情報22aが増加し、広告付きユーザを増やすことができる。
【0121】
また、第1実施形態における広告表示手段52bの広告の表示態様は、広告付きユーザに対応するキャラクタのコスチュームに、広告情報22bに対応したテクスチャを貼り付けることに限定されない。
【0122】
例えば、広告表示手段52bは、広告付きユーザに対応するキャラクタのコスチュームの他、キャラクタの体、武器、飛び道具、必殺技に、広告情報22bに対応したテクスチャを貼り付けてもよい。あるいは、広告表示手段52bは、仮想空間S内に、広告情報22bに対応したオブジェクト(広告を示すラウンドガールや背景キャラクタなどのキャラクタオブジェクトを含む)を配置してもよい。
【0123】
例えば、対戦者用端末3の記憶部34に、対戦ゲームでユーザが操作するキャラクタモデルのデータとして、通常のキャラクタモデルとは別に、広告情報22bに対応した広告が示された広告付きキャラクタモデルのデータが記憶されていてもよい。そして、広告表示手段52bは、広告付きユーザが対戦を行う場合に、広告付きユーザが操作するキャラクタを、広告付きキャラクタモデルで仮想空間Sに配置してもよい。
【0124】
また、第2実施形態における広告表示手段73の広告の表示態様は、観戦用空間T内の表示オブジェクトB4,B5に、広告付きユーザの広告情報22bに対応したロゴなどの広告Lを表示することに限定されない。例えば、広告表示手段73は、観戦用空間T内に、広告情報22bに対応したオブジェクト(広告を示す対戦者キャラクタQや観客キャラクタRなどのキャラクタオブジェクトを含む)を配置してもよい。
【0125】
また、広告表示手段52b,73による広告表示の態様を、ユーザが選択できてもよい。
【0126】
また、待機画面表示手段55は、対戦相手が決まるまでの間、広告付きユーザの対戦動画を必ず表示部33に表示する必要はない。例えば、対戦相手決定手段42が対戦相手を見つけられない場合に、対戦相手が見つかるまでの間、待機画面表示手段55により広告付きユーザの対戦動画を表示させるか、CPUにより動作が制御されるノンプレイヤキャラクタと対戦ゲームで対戦を行うかを、ユーザが選択できてもよい。
【0127】
サーバ装置2、対戦者用端末3および観戦者用端末6のそれぞれの制御部21,31,61の動作は、上記実施形態に記載された例に限られない。例えば、制御部21は、動画検索手段46、待機動画送信手段47などを含まなくてもよいし、制御部31は、検索条件手段54、待機画面手段55などを含まなくてもよい。
【0128】
また、サーバ装置2の記憶部22には、複数種類の広告情報22bが記憶されていてもよい。また、一のユーザの識別情報22aに、複数種類の広告情報22bが関連付けられてもよい。例えば、Eスポーツの大会などのトーナメント形式で対戦を行う場合に、そのトーナメントに参加する複数の対戦者の識別情報22aに、それぞれ異なる種類の広告情報22bが関連付けられていてもよい。この場合、トーナメントで勝ち上がる対戦者の識別情報22aに、対戦相手の広告情報22bが引き継がれる。その結果、トーナメントの決勝の仮想空間Sおよび/または観戦用空間Tには、トーナメントに参加した全ての対戦者の広告情報22bに対応した広告を表示される。
【0129】
また、第2実施形態において、観戦用空間Tにおける観戦者に対応するキャラクタの配置、すなわち観戦用空間Tにおける仮想カメラの位置は、ゲームへの貢献度で変化してもよい。例えば、過去に対戦ゲームにてプレイした時間、対戦回数、ログイン回数などが多いほど、その観戦者に対応したキャラクタを、観戦用空間Tにおける表示オブジェクトB1に近い席に配置してもよい。あるいは、例えば、過去に広告付きユーザの対戦を見た回数が多いほど、その観戦者に対応したキャラクタを、観戦用空間Tにおける表示オブジェクトB1に近い席に配置してもよい。
【0130】
また、第1実施形態では、対戦ゲームにおける対戦が終了したあと、対戦ゲームで対戦した全ての対戦者用端末3の対戦結果送信手段52dが、対戦結果をサーバ装置2に送信したが、対戦ゲームで対戦した対戦者用端末3のうちの一部の対戦結果送信手段52dが、対戦結果をサーバ装置2に送信してもよい。
【0131】
また、第1実施形態では、広告情報送信手段43が、広告付きユーザの対戦者用端末3から対戦要求を受け付けた際に、その対戦者用端末に3に広告情報22bを送信したが、広告情報22bを送信するタイミングはこれに限られない。例えば、広告情報送信手段43は、広告付きユーザの対戦者用端末3からアカウントを受信した際に、その対戦者用端末3に広告情報22bを送信してもよい。
【0132】
また、第2実施形態では、対戦用空間Sと観戦用空間Tの双方に広告が表示されていたが、対戦用空間Sと観戦用空間Tのいずれか一方のみに広告が表示されてもよい。
【0133】
また、第2実施形態では、観戦者が観戦するための対戦映像を送る対戦映像送信手段48は、各対戦者用端末2から送られる操作情報を、そのまま観戦者用端末6に送ってもよい。この場合、観戦者用端末6では、観戦用空間生成手段72が、対戦映像送信手段48から送られる操作情報に基づき、各対戦者用端末3にて描画されるゲーム画像と同じゲーム画像を、対戦画面Dとして表示オブジェクトB1に表示(描画)する。
【0134】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【0135】
なお、上記の第1および第2実施形態において、対戦における広告付きユーザの対戦相手である対戦相手ユーザが広告付きユーザに勝った場合に、関連付け手段44が、対戦相手ユーザの識別情報22aに広告情報22bを関連付けなくても、一定の広告効果を得ることが可能である。例えば、関連付け手段44が、例えばプロゲーマーなど、対戦ゲームにおける技量が特に高いことが知られているユーザの識別情報22aに対して、予め広告情報22bを関連付けてもよい。そして、関連付け手段44は、その技量の高いユーザが対戦相手に負けた場合でも、その対戦相手の識別情報22aに広告情報22bを関連付けなくてもよい。このように、関連付け手段44が、対戦の勝敗に応じて識別情報22aへの広告情報22bの関連付けを変更しない場合でも、プロゲーマーなどの特に技量が高いことが知られたユーザの識別情報22aに広告情報22bが関連付けておくことで、その対戦は注目されるため、広告効果を高めることが期待できる。
【符号の説明】
【0136】
1A,1B :ゲームシステム
2 :サーバ装置
3 :対戦者用端末(対戦用のコンピュータ)
6 :観戦者用端末(観戦用のコンピュータ)
22 :記憶部
22a :識別情報
22b :広告情報
33 :表示部
41 :識別情報管理手段
42 :対戦相手決定手段
43 :広告情報送信手段
44 :関連付け手段
45 :対戦動画保存手段
46 :動画検索手段
51 :対戦要求手段
52 :ゲーム進行手段
52a :対戦用空間生成手段(仮想空間生成手段)
52b :広告表示手段
55 :待機画面表示手段
72 :観戦用空間生成手段(仮想空間生成手段)
73 :観戦映像表示手段
74 :広告表示手段
NW :通信ネットワーク
S :対戦用空間(仮想空間)
T :観戦用空間(仮想空間)
【手続補正書】
【提出日】2022-04-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対戦ゲームにおける対戦を観戦する観戦者用のコンピュータを備えるゲームシステムであって、
前記対戦ゲームにおける対戦を観戦するための仮想の観戦用空間を生成する観戦用空間生成手段と、
前記観戦用空間に配置された仮想カメラで撮影した観戦用映像を、前記観戦者用のコンピュータのディスプレイに表示する観戦用映像表示手段と、を備え、
前記観戦用空間における前記仮想カメラの位置は、前記観戦者の前記対戦ゲームへの貢献度に応じて決定される、ゲームシステム。
【請求項2】
前記観戦用空間には、前記対戦ゲームにおける対戦画面を表示する表示オブジェクトが配置され、
前記仮想カメラは、前記貢献度が大きいほど前記観戦用空間における前記表示オブジェクトに近い位置に配置される、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記貢献度は、過去の前記対戦ゲームにおける前記観戦者のプレイ時間またはプレイ回数に基づいて決定される、請求項1または2に記載のゲームシステム。