(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082746
(43)【公開日】2022-06-02
(54)【発明の名称】文章処理装置および文章処理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 16/35 20190101AFI20220526BHJP
【FI】
G06F16/35
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063803
(22)【出願日】2022-04-07
(62)【分割の表示】P 2018049146の分割
【原出願日】2018-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(71)【出願人】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】坂入 整
(72)【発明者】
【氏名】菅澤 学
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 尚宏
(72)【発明者】
【氏名】山根 一樹
(72)【発明者】
【氏名】親松 昌幸
(72)【発明者】
【氏名】若山 敬之
(72)【発明者】
【氏名】大野 尚平
(57)【要約】
【課題】膨大な対象文章に対して、ニュースや流行に対処したキーワードによる分類を行うことができ、文章構造に即した文章の要約を行い、要約した文章より特定の視点から適切に情報を取得する、文章処理装置及び文章処理方法を提供する。
【解決手段】文章処理装置は、文章とともに、分類のための分類タグ名とキーワードからなる指定分類タグを入力し、指定分類タグをその文章の分類タグとしたときの妥当性を示す指標である当てはまり度を算出し、入力された指定分類タグとの文章の当てはまり度が規定の閾値以上のときに、文章に指定分類タグを付与するPhaseI。文章の要約では、文章の構造・意味を解析して、その情報にPhaseIでの分類の情報を加えて要約文を作成するPhaseII。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
文章の要約を行って、その文章の要約文を出力する文章処理装置であって、
分類タグを付与された文章と要約文の対である要約実績データを保持し、
入力された文章の単文に対して構造解析を行い、構造解析に関係する意味を抽出し、
前記要約実績データの分類タグごとに、前記構造解析に関係する意味のある単文を抽出し、入力された文章の前記単文と、要約実績データの文章との類似度が規定の閾値以上のときに、前記要約実績データの前記要約文を前記入力された文章の要約文とすることを特徴とする文章処理装置。
【請求項2】
文章の要約を行って、その文章の要約文を出力する文章処理方法であって、
分類タグを付与された文章と要約文の対である要約実績データを保持し、
入力された文章の単文に対して構造解析を行い、構造解析に関係する意味を抽出し、
前記要約実績データの分類タグごとに、前記構造解析に関係する意味のある単文を抽出し、入力された文章の前記単文と、要約実績データの文章との類似度が規定の閾値以上のときに、前記要約実績データの前記要約文を前記入力された文章の要約文とすることを特徴とする文章処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文章処理装置および文章処理方法に係り、特に、膨大な文章を、目的に沿って、即座に分類し、要約を効率的に取得するのに好適な文章処理に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの爆発的な普及に伴って、各企業は、Webシステムをどのように利用して顧客と対応するか、が最重要な課題となりつつある。そのような状況下において、企業は、Webシステムを利用した情報発信のみならず、コールセンタやSNS(Social Networking Service)と連動して、顧客の要望や商品・サービスに対する書き込みなどから情報収集して、改善点を洗い出したり、そのような要望に即座に対応することが企業活動における大切なポイントとなっている。
【0003】
インターネットから収集した文書を企業が有効活用するためには、情報処理装置により、トピックごとに、文書を分類し、要約する技術が求められる。例えば、特許文献1には、抽出された人物属性およびトピックに基づいた質問カテゴリを候補として選択し、それに対するユーザ発話をその質問カテゴリに属する質問の回答して分類する方法が開示されている。また、特許文献2には、入力されたテキストから複数の要約文を出力し、複数の評価尺度からその要約文を評価して、最も適切な要約文を抽出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-206894号公報
【特許文献2】特開2016-161967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、鉄道事業者のような多角的な経営をおこなっている大企業では、そのようなインターネットから収集された文書は、年に何十万件というレベルになる。そのような文書情報を、適切にかつタイムリーに処理して企業活動に活かすのがよい。
【0006】
また、特に、インターネットでトレンド入りするようなキーワードに関する文章を抜き出して、タイムリーに処理し、見解や対応情報が必要になることがある。例えば、鉄道事業者では、特定の路線の事故に関するキーワードに関する文章から情報を取得して、適切な対応をとることが必要になる。
【0007】
特許文献1に記載の技術では、そのような特定のキーワードを指定して分類するような技術については考慮されておらず、ニュースや流行に対処した文章の分類をおこなうことはできない。また、特許文献2には、ユーザの要望など特定の視点に関して、要約を作成する技術について開示されていない。例えば、ユーザより要望に関する視点に基づいた要約文を抽出することによって、ユーザの要望により、改善点を洗い出し、それに対処することにより、顧客満足度を向上することについては、考慮されていない。
【0008】
本発明の目的は、膨大な対象文章に対して、ニュースや流行に対処したキーワードによる分類を行うことができ、文章構造に即した文章の要約を行い、要約した文章より特定の視点から適切に情報を取得できる文章処理装置および文章処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の文章処理装置は、好ましくは、文章の要約を行って、その文章の要約文を出力する文章処理装置であって、分類タグを付与された文章と要約文の対である要約実績データを保持し、入力された文章の単文に対して構造解析を行い、構造解析に関係する意味を抽出し、要約実績データの分類タグごとに、構造解析に関係する意味のある単文を抽出し、入力された文章の単文と、要約実績データの文章との類似度が規定の閾値以上のときに、要約実績データの要約文を入力された文章の要約文とするようにしたものである。
本発明はまた、上記文章処理装置における文章処理方法として構成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、膨大な対象文章に対して、ニュースや流行に対処したキーワードによる分類を行うことができ、文章構造に即した文章の要約を行い、要約した文章より特定の視点から適切に情報を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】文章処理装置のハードウェア・ソフトウェア構成を示す図である。
【
図3】本発明の文章処理の特徴の概要を示す図である。
【
図8】レポート作成開始画面の一例を示す図である。
【
図9】文章分類・要約結果画面の一例を示す図である。
【
図10】文章分類・要約詳細一覧画面の一例を示す図である。
【
図14】文章情報蓄積処理を示すフローチャートである。
【
図15】文章解析処理を示すフローチャートである。
【
図16】文章分類処理を示すフローチャートである。
【
図17】文章要約処理を示すフローチャートである。
【
図18】分類学習処理を示すフローチャートである。
【
図19】要約学習処理を示すフローチャートである。
【
図20】レポート作成処理を示すフローチャートである。
【
図21】半自動分類処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る一実施形態を、
図1ないし
図21を用いて説明する。
先ず、
図1および
図2を用いて一施形態に係る文章処理装置の構成について説明する。
【0013】
本実施形態に係る文章処理装置10は、
図1にその機能構成が示されるように、文章解析部110、文章分類部120、分類変更部130、文章要約部140、要約変更部150、レポート作成部160から構成される。
【0014】
文章解析部110は、外部から受信した文章の構造解析をして、文章解析結果データ(詳細は後述)を出力する部分である。文章分類部120は、文章の出現単語に基づいて、文章を分類(カテゴリ分け)して、分類タグを付与する部分である。分類変更部130は、文章分類部120で分類した分類を変更して、分類タグを付け直す部分である。文章要約部140は、文章を要約して、その要約文を作成する部分である。要約変更部150は、文章要約部140により作成された要約文を変更する部分である。レポート作成部160は、文章を分類した情報と要約した情報に基づいて、ユーザに結果を出力する部分である。
【0015】
文章解析部110は、単語解析部111、構造解析部112、文章解析結果処理部113からなる。単語解析部111は、文章を単語レベルで解析し、文章を単語に分割する部分である。構造解析部112は、文章を構造レベルで解析し、その意味を抽出する部分である。文章解析結果処理部113は、単語解析部111、構造解析部112の結果を処理する部分である。
【0016】
文章分類部120は、分類処理部121、半自動分類部122、分類学習部123からなる。分類処理部121は、文章の分類に関する計算や判断をおこなう部分である。半自動分類部122は、分類のためのキーワードを入力して、分類させる半自動分類をおこなう部分である。分類学習部123は、文章と分類タグを関連付けた情報を、学習データとして保存する部分である。
【0017】
文章要約部140は、要約処理部141、要約学習部142からなる。要約処理部141は、文章から要約を作成する部分である。要約学習部142は、文章と要約文を関連付けた情報を保存する部分である。
【0018】
文章処理装置のハードウェア構成としては、例えば、
図2に示されるパーソナルコンピュータのような一般的な情報処理装置で実現される。
【0019】
文章処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)202、主記憶装置204、ネットワークI/F206、表示I/F208、入出力I/F210、補助記憶I/F212が、バスにより結合された形態になっている。また、文章処理装置10は、ネットワーク60を介して、文章サーバ400と接続されている。文章サーバ400は、文章を格納しており、文章処理装置10に文章を配布するサーバである。
【0020】
CPU202は、文章処理装置10の各部を制御し、主記憶装置204に必要なプログラムをロードして実行する。主記憶装置204は、通常、RAMなどの揮発メモリで構成され、CPU202が実行するプログラム、参照するデータが記憶される。ネットワークI/F206は、ネットワーク60と接続するためのインタフェースである。表示I/F208は、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置220を接続するためのインタフェースである。入出力I/F210は、入出力装置を接続するためのインタフェースである。
図2の例では、入出力装置としてキーボード230とポインティングデバイスのマウス232が接続されている。
【0021】
補助記憶I/F212は、HDD(Hard Disk Drive)250やSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置を接続するためのインタフェースである。
【0022】
HDD250は、大容量の記憶容量を有しており、本実施形態を実行するためのプログラムが格納されている。文章処理装置10には、文章解析プログラム310、文章分類プログラム320、分類変更プログラム330、文章要約プログラム340、要約変更プログラム350、レポート作成プログラム360がインストールされている。
【0023】
文章解析プログラム310、文章分類プログラム320、分類変更プログラム330、文章要約プログラム340、要約変更プログラム350、レポート作成プログラム360は、それぞれ、文章解析部110、文章分類部120、分類変更部130、文章要約部140、要約変更部150、レポート作成部160の各機能を実現するためのプログラムである。
【0024】
また、HDD250は、分類実績データ510、要約実績データ520、分類・要約済データ530、文章解析結果データ540を格納する。なお、各データの意義と構造については、後に詳説する。
【0025】
次に、
図3を用いて、本発明の文章処理の特徴の概要を説明する。
従来では、文章の分類をおこなう場合には、文章から過去の分類実績データを元に、分類に当てはまる尤度/確信度を算出して、分類をおこなっていた。
【0026】
本発明では、文章とともに、ユーザにより指定分類を入力させて、半自動分類を実施する(
図3のphaseI)。ここで、指定分類とは、ユーザが新たに入力する分類のための分類タグ名とキーワードをいう。また、そのように分類のためのキーワードを入力して、情報処理装置に分類させることを半自動分類という。これにより、ユーザが抽出したい分類結果を半自動的に抽出可能になる。
【0027】
また、従来では、文章からパラメータを元に要約結果を生成していた。また、その評価結果を元にパラメータ更新していた。ここで、パラメータとは、例えば、特許文献2に記載されているように、文あるいは文の集合の特徴を重みとして表現した量である。
【0028】
本発明では、文章の要約をするときには、文章の構造・意味を解析して、その情報に、
図3のphaseIでの分類の情報を加えて、要約文を作成する(
図3のphaseII)。これにより、分類にあった要約文が作成可能になる。
【0029】
次に、
図4ないし
図7を用いて本実施形態の文章処理装置で用いられるデータ構造について説明する。
分類実績データ510は、文章を分類するための規範とするデータであり、
図4に示されるように、分類タグ511、文章512の欄からなるデータ形式を有する。これは、文章512に格納されているテキストのパターンに対して、分類タグ511で示されるタグの分類をおこなうことを示している。この分類実績データ510は、分類学習処理(後述)によって学習されることにより生成される。
【0030】
要約実績データ520は、文章の要約文を作成するための規範とするデータであり、
図5に示されるように、分類タグ521、文章522、文章構造523、要約文524の欄からなるデータ形式を有する。これは、分類タグ521により分類され、文章構造523に記載された文章構造を有する文章522のテキストパターンに対して、要約文524に記載された要約文を生成することを示している。この分類実績データ510は、要約学習処理(後述)によって学習されることにより生成される。
【0031】
分類・要約済データ530は、本実施形態の文章処理装置により、文章を分類し、要約を作成し終わった結果として保存されるデータであり、
図6に示されるように、登録日531、文章532、分類タグ1(533)、分類タグ2(534)、要約文535の欄からなるデータ形式を有する。
【0032】
文章532に格納された文章に対して、登録日531に記載された登録日に、分類ためのタグとして、分類タグ1(533)、分類タグ2(534)に記載されたタグが付与され、要約文535に記載された要約文が生成されたことを示している。なお、本実施形態の説明では、分類タグは、二つとしているが、一つでもよいし、さらに、三以上の分類タグを有するようにしてもよい。
【0033】
文章解析結果データ540は、文章処理の対象となる文章に含まれる文章の解析結果を保持するデータであり、
図7に示されるように、単文541、単語542、品詞543、文章構造544、意味545の欄からなるデータ形式を有する。
【0034】
これは、単文541に記載された文が、各単語542に記載され、品詞543に記載された品詞に分解され、文章構造544に記載された文章構造を有し、その文は、単語、文章構造から意味545に記載された意味を有することを示している。例えば、
図7の例では、「~してほしい」という文章構造から「速やかに放送をしてほしい」という単文は、(顧客の)要望という意味を有することを示している。
【0035】
次に、
図8ないし
図12を用いて本実施形態の文章処理装置のユーザインタフェースについて説明する。
レポート作成開始画面700は、文章処理装置10により、文章分類と要約処理のレポートを生成し、表示するために最初に表示される画面であり、指定された期間における分類のための分類タグ名(以下、単に「分類タグ」ということもある)と分類キーワードを入力する画面である。レポート作成開始画面700は、
図8に示されるように、文章対象範囲欄701、指定分類入力欄702、レポート作成開始ボタン705の表示要素を有する。
【0036】
文章対象範囲欄701は、取り扱う文章の期間を入力する欄である。例えば、文章の登録日時としては、文章を作成した時あるいは文章を文章サーバ400に格納した時とすることができる。指定分類入力欄702は、指定分類のための情報を入力する欄であり、分類タグ名入力欄703、分類キーワード入力欄704からなる。分類タグ名入力欄703は、分類のために使用される分類タグ名を入力する欄である。分類キーワード入力欄704は、分類に使用されるキーワードを入力する欄である。
図8に示される例では、分類タグ名として、「装置故障」、分類キーワードとして、「信号」、「障害」が入力されている。レポート作成開始ボタン705は、指定分類を入力して、レポートを作成して表示するときに、選択するボタンである。
【0037】
文章分類・要約結果画面710は、文章分類・要約処理の結果を表示する画面であり、
図9に示されるように、分類タグ表示欄711、件数表示欄712、詳細一覧表示ボタン713がセットとして繰り返される表示要素を有する。
【0038】
分類タグ表示欄711は、指定分類の入力されたタグ名を表示する欄である。件数表示欄712は、その指定分類に属する文章の件数を表示する欄である。詳細一覧表示ボタン713は、その指定分類に属する文章分類・要約詳細一覧画面720(後述)を表示するために選択するボダンである。
【0039】
文章分類・要約詳細一覧画面720は、文章分類・要約処理をおこなった文章の詳細情報を表示し、変更の指定をおこなうための画面であり、
図10に示されるように、原文表示欄721、要約文表示欄722、分類変更ボタン723、要約変更ボタン724の表示要素からなる。
【0040】
原文表示欄721は、元の文章を表示する欄である。要約文表示欄722は、元の文章の要約文を表示する欄である。分類変更ボタン723、要約変更ボタン724は、それぞれ分類変更画面730(後述)、要約変更画面740(後述)を表示するために選択するボタンである。
【0041】
分類変更画面730は、文章の指定分類を変更するための画面であり、
図11に示されるように、原文表示欄731、要約文表示欄732、分類指定コンボボックス733、変更反映ボタン734の表示要素を有する。
【0042】
原文表示欄731は、その文章の原文を表示する欄である。要約文表示欄732は、その文章の要約文を表示する欄である。分類指定コンボボックス733は、その文章の分類タグを付け替えるため入力表示要素である。変更反映ボタン734は、選択した分類タグを指定した文章に付与するために選択するボタンである。
【0043】
なお、本実施形態では、分類のタグを三種類まで、指定できるようにしているが、それより少ない一種類、二種類を指定できるようにしてもよいし、それより多い四種類以上指定できるようにしてもよい。
【0044】
要約変更画面740は、その文章要約文を編集して変更するための画面であり、
図12に示されるように、原文表示欄741、分類表示欄742、要約文編集エリア743、変更反映ボタン744の表示要素を有する。
【0045】
原文表示欄741は、その文章の原文を表示する欄である。分類表示欄742は、その文章の分類タグを表示する欄である。要約文編集エリア743は、その文章の要約文を表示する欄である。要約文編集エリア743には、現在の要約文の内容が表示され、ユーザは、キーボードなどの入力デバイスを用いて、その要約文を変更することができる。変更反映ボタン744は、要約文編集エリア743で編集した要約文を反映するために選択する表示要素である。
【0046】
レポート表示画面750は、指定分類入力後に作成されるレポートを表示する画面であり、
図13に示されるように、文章対象範囲表示欄751、指定分類表示欄752、要約文表示欄753、印刷ボタン754、閉じるボタン755の表示要素を有する。
【0047】
文章対象範囲表示欄751は、レポート作成開始画面700から入力された対象文章の期間を表示する欄である。指定分類表示欄752は、レポート作成開始画面700から入力された指定分類の分類タグ名、キーワードを表示する欄である。要約文表示欄753は、取り出された要約文を表示する欄である。印刷ボタン754は、レポート表示画面750に表示される情報を印刷するときに選択するボタンである。閉じるボタン755は、レポート表示画面750を閉じるときに選択するボタンである。
【0048】
次に、
図14ないし
図21を用いて文章処理装置のおこなう処理について説明する。
図14のフローチャートに示される文章情報蓄積処理は、文章とその文章の分類・要約の結果を文章処理装置に蓄積する処理である。
【0049】
文章情報蓄積処理では、先ず、文章解析処理をおこなう(S101)。この文章解析処理は、後に詳述する。
次に、文章分類処理をおこなう(S102)。この文章分類処理は、後に詳述する。
次に、文章要約処理をおこなう(S103)。この文章要約処理は、後に詳述する。
次に、S102とS103の文章分類・文章要約の結果を、
図6に示した分類・要約済データ530に蓄積する(S104)。
【0050】
次に、
図15を用いて文章解析処理について説明する。
図15に示される文章解析処理は、文章を単語レベル・構造レベルで解析して、その結
果を保存する処理であり、
図14のS101に該当する処理である。
文章解析処理では、文章処理装置10は、ネットワーク60を経由して、文章サーバ400から、文章を受信する(S201)。
【0051】
次に、
図1に示される文章解析部110の単語解析部111が、受信した文章を解析し、
図7に示した文章解析結果データ540に保存する(S202)。
次に、構造解析部112が分割した単語の関連構造を解析し、その意味を抽出し、文章解析結果データ540に保存する(S203)。
【0052】
図16に示される文章分類処理は、文章に分類のための分類タグを付加する処理であり、
図14のS102の処理に該当する処理である。
文章分類処理では、先ず、
図7に示される文章解析結果データ540に格納されている出現単語や文章構造の情報を、文章分類部120に入力する(S301)。
次に、文章処理装置が保持する分類タグ(図示せず)ごとに、S303~S305の処理をおこなう(S302~S306)。
【0053】
分類処理部121が出現単語を用いて、文章と各分類タグとの類似度を算出する(S303)。文章と各分類タグとの類似度は、例えば、分類タグのキーワードが、その文章に出てくる回数の総和をとることにより算出することができる。例えば、「装置故障」という分類タグには、{装置故障、装置不具合、装置出力}という単語群をキーワードとして関連付けて置き、文章のその単語群のいずれが出現する回数をカウントとして、文章の総語数で除したものを類似度とする。
【0054】
そして、その類似度が所定の閾値以上のときには(S304:YES)、S305に行き、その類似度が所定の閾値未満のときには(S304:NO)、次の分類タグとの評価に行く(S302)。
【0055】
その類似度が所定の閾値以上のときには(S304:YES)、その文章に対し、対象となる分類タグを付与する(S305)。
【0056】
図17に示される文章要約処理は、対象の文章から要約文を作成する処理であり、
図14のS103の処理に該当する処理である。
文章要約処理では、先ず、
図7に示される文章解析結果データ540に格納されている出現単語や文章構造の情報、分類結果(文章分類処理で付加された分類タグ)を、文章要約部140に入力する(S401)。
【0057】
次に、要約処理部141が、対象文章に付加された分類タグを取得し(S402)、全ての分類タグについて、S404~S410の処理を繰り返す(S403~S411)。
【0058】
先ず、要約処理部141が、文章解析結果データ540から意味のある単文を抽出する(S404)。意味のある単文とは、文章解析結果データ540の意味545の欄が空欄でないレコードに対応する単文541に格納されている単文である。例えば、
図7に示される例では、意味545の「要望」に格納されているレコードの単文541に「速やかに放送してほしい。」という単文が格納されている。
【0059】
次に、要約処理部141が、対象分類タグを有する要約実績データ520を取得する(S405)。
次に、取得した対象分類タグを有する要約実績データ520ごとに、S407~S409を繰り返す(S406~S410)。
【0060】
先ず、要約処理部141が、対象文章の単文と要約実績データ520の文章との類似度を算出する(S407)。対象文章の単文と要約実績データ520の文章との類似度は、例えば、対象文章の単文の単語が要約実績データ520の文章の単語に出てくる回数を、要約実績データ520の文章の総語数で除した値を類似度として評価することができる。
【0061】
そして、その類似度が閾値以上のときには(S408:YES)、S409に行き、その類似度が閾値未満のときには(S408:NO)、次の要約実績データ520に行く。
【0062】
その類似度が閾値以上のときには(S408:YES)、要約実績データ520の要約文524を、対象文章の要約文として算出する(S409)。
ここで、対象文章に対して、要約文を複数抽出することにしてもよいし、S407の類似度が高いときのものを、その対象文章の要約文としてもよい。
【0063】
図18に示される分類学習処理は、文章と分類タグの関連付けの学習データである分類実績データ510に、新たな情報を付け加える処理である。
分類学習処理では、先ず、
図11に示した分類変更画面730より、対象文章に対する新分類タグを指定する(S501)。
次に、分類変更部130に、対象文章と新分類タグの情報を入力する(S502)。
次に、対象文章と新分類タグの情報を分類実績データ510に蓄積する(S503)。
【0064】
図19に示される要約学習処理は、文章と要約文の関連付けの学習データである要約実績データ520に、新たな情報を付け加える処理である。
要約学習処理では、先ず、
図12に示した要約変更画面740より、対象文章に対する要約文を記載する(S601)。
次に、要約変更部150に、対象文章と新要約文の情報を入力する(S602)。
次に、対象文章と新要約文の情報を要約実績データ520に蓄積する(S603)。
【0065】
図20に示されるレポート作成処理は、指定分類入力後に、レポートを作成して、表示する処理である。
レポート作成処理では、先ず、
図8に示されるレポート作成開始画面700より、対象文章範囲(期間)、分類タグ名、分類キーワードを記載する(S701)。
次に、レポート作成部160が、分類・要約済データ530から入力された対象文章範囲(期間)内の登録日を有するデータを取得する(S702)。
【0066】
次に、レポート作成部160が、分類・要約済データ530を分類カラムの情報で集計し、件数を算出する(S703)。
次に、入力された指定分類タグごとに、S705の処理を繰り返す(S704~S706)。
【0067】
ループ内では、半自動分類・要約処理をおこなう(S705)。半自動分類・要約処理の詳細は、後述する。
最後に、レポート作成部160が、結果を
図13に示したレポート表示画面750に表示する(S707)。
【0068】
図21に示した半自動分類・要約処理は、指定分類入力後に、指定分類に基づく分類と要約処理をおこなうものであり、
図20のS705に該当する処理である。
半自動分類・要約処理では、先ず、レポート作成部160が、指定分類情報に記載されたキーワードを有する分類・要約済データ530を検索する(S801)。
次に、分類学習部123が、検索された分類・要約済データ530を、指定分類タグ名の分類タグ名で、分類実績データ510に蓄積する(S802)。
【0069】
次に、分類処理部121に、文章対象範囲(期間)の登録日を有する分類・要約済データ530を入力する(S803)。
そして、文章対象範囲(期間)の登録日を有する分類・要約済データ530ごとに、S805~S808の処理を繰り返す(S804~S809)。
【0070】
先ず、分類処理部121が、対象文章と指定分類タグの当てはまり度を算出する(S805)。対象文章と指定分類タグの当てはまり度は、指定分類タグをその文章の分類タグとしたときの妥当性を示す指標であり、例えば、指定分類タグのタグ名に関連付けられるキーワードを定義しておき、そのキーワードが対象文章に出現する回数を、対象文章の総語数で除した値により定義することができる。
【0071】
対象文章データと指定分類タグの当てはまり度が、規定の閾値以上のときには(S805:YES)、S807に行き、対象文章データと指定分類タグの当てはまり度が、規定の閾値未満のときには(S805:NO)、S804に行き、次の分類・要約済データ530の処理をおこなう。
【0072】
対象文章データと指定分類タグの当てはまり度が、規定の閾値以上のときには(S805:YES)、分類処理部121が、分類・要約済データ530の文章に対して、指定分類の分類タグを付与する(S807)。
次に、要約処理部141が、該当する分類・要約済データ530の要約文を取得する(S808)。
【0073】
以上説明したように、本実施形態による文章処理装置では、分類と要約をしたデータに対して、指定分類を入力することによって、再分類することにより、アップトゥデートなトピックの文章を選出し、かつ、文章構造に基づく要約処理をおこなうため、ユーザの要望を反映するなど、企業体にとって、価値のある要約文のレポートを得ることができる。
【符号の説明】
【0074】
10…文章処理装置
110…文章解析部
111…単語解析部
112…構造解析部
113…文章解析結果処理部
120…文章分類部
121…分類処理部
122…半自動分類部
123…分類学習部
130…分類変更部
140…文章要約部
141…要約処理部
142…要約学習部
150…要約変更部
160…レポート作成部