(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082752
(43)【公開日】2022-06-02
(54)【発明の名称】ゲームシステム、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/60 20140101AFI20220526BHJP
A63F 13/814 20140101ALI20220526BHJP
【FI】
A63F13/60
A63F13/814
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063906
(22)【出願日】2022-04-07
(62)【分割の表示】P 2020091468の分割
【原出願日】2020-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(72)【発明者】
【氏名】清野 秀行
(72)【発明者】
【氏名】藤松 信也
(57)【要約】
【課題】新しいダンス用のダンスデータを用意するための手間暇を低減することができるゲームシステムを提供する。
【解決手段】ゲームシステム1は、ダンスデータDDが用意されているダンス有り楽曲群MG1とダンスデータDDが用意されていないダンスなし楽曲M2とを楽曲群MGが含んでいる場合に、各楽曲を識別するための楽曲IDと各楽曲の特性に関する特性情報とが関連づけられるように記述された楽曲データMDの特性情報に基づいてダンスなし楽曲M2と類似(関連)する類似楽曲群MG2を判別する。そして、ゲームシステム1は、類似楽曲群MG2を形成する三つのダンス有り楽曲M1にそれぞれ対応する三つのダンスデータDDの各ダンスデータDDを、所定時間毎のダンスをそれぞれ実現する複数の区間に分割し、それらの各区間を組み合わせることによりダンスなし楽曲M2用のダンスを実現するダンスデータDDを生成する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の楽曲のうちユーザによって選択された楽曲のリズムに合わせて当該楽曲に応じたダンスを実行するキャラクタを含むゲーム画面を表示する表示装置の前記ゲーム画面を通じて前記ユーザにゲームを提供するゲームシステムであって、
前記ダンスを実現するためのダンスデータが用意されている複数のダンス有り楽曲を前記複数の楽曲が含んでいる場合に、各楽曲を識別するための楽曲識別情報と各楽曲の特性に関する特性情報とが関連づけられるように記述された楽曲データの前記特性情報に基づいて前記複数の楽曲のうちの一つの楽曲と関連する二以上のダンス有り楽曲を判別する楽曲判別手段と、
前記二以上のダンス有り楽曲にそれぞれ対応する二以上のダンスデータの各ダンスデータを、各ダンスデータの前記ダンスが所定時間毎に複数に分割されるように前記所定時間毎の前記ダンスをそれぞれ実現する複数の区間に分割するダンス分割手段と、
前記一つの楽曲に対応する前記ダンスとして機能する新ダンスが形成されるように前記二以上のダンスデータの各区間を組み合わせることにより、前記新ダンスを実現する前記ダンスデータとしての新ダンスデータを生成するダンス生成手段と、
を備える、ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の楽曲のうちユーザによって選択された楽曲のリズムに合わせてその楽曲に応じたダンスを実行するキャラクタを含むゲーム画面を表示する表示装置のそのゲーム画面を通じてユーザにゲームを提供するゲームシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の楽曲のうちユーザによって選択された楽曲のリズムに合わせてその楽曲に応じたダンスを実行するキャラクタを含むゲーム画面を表示する表示装置のそのゲーム画面を通じてユーザにゲームを提供するゲームシステムが存在する。例えば、このようなゲームとして、楽曲のリズムに合わせてタッチ操作が実行されるべき位置を案内する音楽ゲームを提供するゲームシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の音楽ゲームでは、楽曲が興趣性に影響を与える傾向にあり、結果的に新しい楽曲の追加等、定期的に選択対象の楽曲が変更される場合が多い。一方、新しい楽曲が追加される場合、その楽曲用にキャラクタが実行すべきダンス、換言すればそのダンスを実現するためのデータを用意する必要があるが、新しいダンス用のデータの用意にはコスト、及び手間暇がかかってしまう。例えば、演者(人)に実際にダンスを踊ってもらい、その演者の動き(ダンス)をキャプチャしたデータ(いわゆるモーションキャプチャデータ)を利用してキャラクタのダンスが実現される場合、演者の確保等が必要となる。このため、この場合、新しいダンス用のデータを用意するためのコスト、及びそのための手間暇は増加してしまう傾向にある。また、既存の楽曲、つまりダンスが既に用意されている楽曲であっても、その楽曲に対応するダンスが固定されてしまうとユーザの飽きを招いてしまう可能性がある。一方、既にダンスが用意されている楽曲に新しく別のダンスが用意されれば、このような飽きの抑制を図ることができるかもしれないが、この場合、やはりその別のダンス(新しいダンス)用のデータを用意するためのコスト等が必要となってしまう。
【0005】
そこで、本発明は、楽曲に対する飽きを抑制したり、或いは新しいダンス用のダンスデータを用意するための手間暇を低減したりすることができるゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステムは、複数の楽曲のうちユーザによって選択された楽曲のリズムに合わせて当該楽曲に応じたダンスを実行するキャラクタを含むゲーム画面を表示する表示装置の前記ゲーム画面を通じて前記ユーザにゲームを提供するゲームシステムであって、前記ダンスを実現するためのダンスデータが用意されている複数のダンス有り楽曲を前記複数の楽曲が含んでいる場合に、各楽曲を識別するための楽曲識別情報と各楽曲の特性に関する特性情報とが関連づけられるように記述された楽曲データの前記特性情報に基づいて前記複数の楽曲のうちの一つの楽曲と関連する二以上のダンス有り楽曲を判別する楽曲判別手段と、前記二以上のダンス有り楽曲にそれぞれ対応する二以上のダンスデータの各ダンスデータを、各ダンスデータの前記ダンスが所定時間毎に複数に分割されるように前記所定時間毎の前記ダンスをそれぞれ実現する複数の区間に分割するダンス分割手段と、前記一つの楽曲に対応する前記ダンスとして機能する新ダンスが形成されるように前記二以上のダンスデータの各区間を組み合わせることにより、前記新ダンスを実現する前記ダンスデータとしての新ダンスデータを生成するダンス生成手段と、を備えるものである。
【0007】
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記表示装置に接続されるコンピュータを、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0008】
また、本発明の制御方法は、複数の楽曲のうちユーザによって選択された楽曲のリズムに合わせて当該楽曲に応じたダンスを実行するキャラクタを含むゲーム画面を表示する表示装置の前記ゲーム画面を通じて前記ユーザにゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、前記ダンスを実現するためのダンスデータが用意されている複数のダンス有り楽曲を前記複数の楽曲が含んでいる場合に、各楽曲を識別するための楽曲識別情報と各楽曲の特性に関する特性情報とが関連づけられるように記述された楽曲データの前記特性情報に基づいて前記複数の楽曲のうちの一つの楽曲と関連する二以上のダンス有り楽曲を判別する楽曲判別手順と、前記二以上のダンス有り楽曲にそれぞれ対応する二以上のダンスデータの各ダンスデータを、各ダンスデータの前記ダンスが所定時間毎に複数に分割されるように前記所定時間毎の前記ダンスをそれぞれ実現する複数の区間に分割するダンス分割手順と、前記一つの楽曲に対応する前記ダンスとして機能する新ダンスが形成されるように前記二以上のダンスデータの各区間を組み合わせることにより、前記新ダンスを実現する前記ダンスデータとしての新ダンスデータを生成するダンス生成手順と、を実行させるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの概略構成を示す図。
【
図2】ゲーム機の制御系の要部を示す機能ブロック図。
【
図8】ダンスデータの生成の流れを説明するための説明図。
【
図9】三つのダンスデータに基づく新しいダンスデータの生成の詳細を説明するための説明図。
【
図10】ダンス生成処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの一例を説明する。まず、
図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、センターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワークNTを介して接続可能なクライアント装置としての複数のゲーム機3とを含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0011】
ネットワークNTは、センターサーバ2に対してゲーム機3をそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワークNTは、WANとしてのインターネットと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれをインターネットに接続するLAN、あるいはアクセスポイントAPといった各種の接続設備又は機器等を含んでよい。
【0012】
図1の例では、ゲーム機3としてゲーム機3A、3B、3Cが示されている。ゲーム機3はいずれもゲームを提供するゲーム装置の一例である。ゲーム機3Aはアミューズメント店舗等の施設に設置され、所定の対価の支払いと引き換えにそのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる業務用ゲーム機として構成されている。この種のゲーム機はアーケードゲーム機と呼ばれることもある。この種のゲーム機3A(以下、アーケードゲーム機3Aと呼ぶ場合がある)は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗等の所定の施設に設置される場合が多い。一方、ゲーム機3B、3Cは、ユーザの個人的な使用に供される家庭用の据置型ゲーム機、或いは携帯型のゲーム機である。このようなゲーム機3B、3C(以下、据え置き型ゲーム機3B、或いは携帯型ゲーム機3Cとそれぞれ呼ぶ場合があり、これらを区別しない場合にはユーザ端末装置型のゲーム機3と呼ぶ場合がある)として、スマートフォン等の携帯電話機又は携帯情報端末(タブレット端末、及びパーソナルコンピュータを含む)が機能してよい。なお、
図1の例では、複数種類のゲーム機3がセンターサーバ2に接続されているが、センターサーバ2に接続されるゲーム機3は一種類であってもよい。
【0013】
ゲーム機3は、キャラクタ育成ゲームを提供する。キャラクタ育成ゲームは、ゲーム中のキャラクタを育成するタイプのゲームである。このようなキャラクタとして、モンスタ、スポーツ選手、或いは戦士等の各種のジョブ(職業)を持つ人物、並びに車や動物等の各種の物が利用されてよい。また、育成対象のキャラクタは、一体でもよいし、複数体でもよい。以下では、一例として、ゲーム機3がダンスユニット(複数のキャラクタによるチーム)を育成するタイプのキャラクタ育成ゲームを提供する場合について説明する。
【0014】
このようなキャラクタ育成ゲームでは、ゲーム中の各種の要素を通じてダンスユニットを形成する各キャラクタが育成される。このような育成用の要素には、ミニゲームが含まれる。つまり、各キャラクタは、このようなミニゲームのプレイを通じて育成される。このようなミニゲームは、各種のゲームを含んでよいが、一例として音楽ゲームを含んでいる。音楽ゲームは、タイミングゲームの一種である。タイミングゲームは、適切なプレイ行為の実行時期を評価するタイプのゲームである。音楽ゲームの場合、その適切なプレイ行為を実行すべき実行時期が楽曲とともに提供される。また、音楽ゲームでは、楽曲のリズムと一致する時期が実行時期として利用される。つまり、音楽ゲームは、適切なプレイ行為を実行すべき時期を楽曲のリズムに合わせてユーザに案内し、実際にプレイ行為が実行された時期を評価するタイプのゲームである。また、例えば、音楽ゲームにはプレイ用に複数の楽曲が用意され、そこから選択された楽曲が実際のプレイに使用される。例えば、そのような音楽ゲームは、表示装置に表示されるゲーム画面を通じて提供される。具体的には、このようなゲーム画面は、各実行時期に対応する指示標識及び現在時刻の基準として機能する基準標識を含み、それらの指示標識及び基準標識を利用し、各実行時期において指示標識及び基準標識の位置が一致するように指示標識と基準標識との間に相対的変位を生じさせることにより各実行時期を案内する。キャラクタ育成ゲームの詳細は後述する。
【0015】
ゲームシステム1には、ネットワークNTを介してユーザ端末装置4が接続される場合もある。ユーザ端末装置4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。例えば、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ4A、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4Bがユーザ端末装置4として利用される。その他にも、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。ユーザ端末装置4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。なお、このようなユーザ端末装置4がコンピュータソフトウエアを通じてゲーム機3として機能してもよい。
【0016】
センターサーバ2は、ゲーム機3又はそのユーザに対して各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスは、ネットワークNTを介してゲーム機3のプログラム或いはデータを配信し、更新する配信サービスを含んでいる。センターサーバ2は、このような配信サービスを通じて各ゲーム機3にキャラクタ育成ゲームの提供に必要な各種のプログラム或いはデータを適宜に配信等する。また、ゲーム機用サービスは、ネットワークNTを介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングするマッチングサービスを含んでいる。ゲームシステム1は、このようなマッチングサービスを通じてキャラクタ育成ゲーム(音楽ゲーム等のキャラクタ育成ゲームの一部の場合を含む)を、複数のユーザ間において進行を共通させる複数プレイ型のゲームとして提供する場合がある。
【0017】
なお、ゲーム機用サービスは、その他にもゲーム機3からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービスを含んでいてよい。また、認証したユーザのプレイデータをゲーム機3から受け取って保存し、或いは保存するプレイデータをゲーム機3に提供するサービスを含んでいてもよい。さらに、ユーザから料金を徴収する課金サービス等を含んでいてもよい。同様に、センターサーバ2は、ネットワークNTを介してユーザ端末装置4のユーザに各種のWebサービスを提供してよい。Webサービスは、ゲーム機3が提供するゲームに関する各種の情報を提供するゲーム用情報サービス、各ユーザ端末装置4に各種データ或いはソフトウエアを配信(データ等のアップデートを含む)する配信サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等のサービスを含んでよい。
【0018】
次に、
図2を参照してゲームシステム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部22が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0019】
記憶部22は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22は、一の記憶ユニット内に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部22には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG1が記録される。また、記憶部22には、各種のサービスの提供に必要なサーバ用データSDが記憶される。そのようなサーバ用データSDはキャラクタ育成ゲーム用の各種のデータを含んでいるが、
図2の例ではそのような各種のデータの一種として、楽曲データMD、及びダンスデータDDが示されている。
【0020】
楽曲データMDは、楽曲を再生するためのデータである。楽曲データMDは、例えばキャラクタ育成ゲームに含まれる音楽ゲームにおいて楽曲の再生に使用される。ダンスデータDDは、ゲーム画面に表示される各キャラクタに楽曲のリズムに合わせてダンスを実行させるためのデータである。各キャラクタは、適宜に表示されてよいが、仮想三次元空間を仮想カメラで撮影した撮影結果に対応する三次元的なキャラクタとして表示される。ダンスデータDDは、このようなキャラクタにダンス(キャラクタの動作)を実行させる適宜のデータとして構成されてよく、例えば各キャラクタによるダンスアニメーション(ダンス動画)を表示するための動画データとして構成されてもよいが、一例としてモーションデータとして構成される。モーションデータは、モーションセンサを付けた人(キャラクタが人の場合)が動いた軌跡を収録(キャプチャ)し、その検出結果に基づく軌跡を再現するためのデータである。楽曲データMD、及びダンスデータDDの詳細は後述する。
【0021】
なお、サーバ用データは、例えばその他にも各種のサービスを実現するための各種のデータを含んでよい。例えば、そのようなデータには、プレイデータ、シーケンスデータ、動画データ、或いはID管理データ等が含まれてよい。プレイデータは、各ユーザの過去のプレイ実績に関する情報が記述されたデータである。プレイデータは、例えば、前回までのプレイ結果(過去の実績)を次回以降に引き継ぐため、或いは各ユーザに固有の設定内容を引き継ぐために使用される。シーケンスデータは、音楽ゲームにおいてユーザによってプレイ行為が実行されるべき各実行時期が記述されたデータである。シーケンスデータは、各実行時期の案内及びその評価に使用される。このため、シーケンスデータには、各実行時期、及びその実行時期に実行されるべき適切なプレイ行為の情報が互いに関連付けられるように記述される。ID管理データは、ユーザID等の各種IDを管理するためのデータである。しかし、それらの図示は省略した。
【0022】
制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG1との組合せによって実現される論理的装置として、ゲーム機サービス管理部24が設けられる。ゲーム機サービス管理部24は、ゲーム機3に対して上述のゲーム機用サービスを実現するための各種処理を実行する。なお、制御ユニット21には、その他にも各種の論理的装置が設けられ得る。例えば、そのような論理的装置には、ユーザ端末装置4が接続される場合にそのユーザ端末装置4に上述のWebサービスを実現するための各種の処理を実行するWebサービス管理部が含まれる。同様に、制御ユニット21には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
【0023】
一方、ゲーム機3には、コンピュータとしての制御ユニット31と、記憶手段としての記憶部32とが設けられる。制御ユニット31は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0024】
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット31に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG2が記録される。また、記憶部32には、キャラクタ育成ゲームの提供に必要なゲームデータGDが記録される。そのようなゲームデータGDには、音楽ゲーム用のデータを含む各種のデータが含まれるが、
図2の例ではその一種として楽曲データMD、及びダンスデータDDが示されている。楽曲データMD、及びダンスデータDDは、配信サービスを通じてセンターサーバ2から提供される。なお、ゲームデータには、楽曲データMD等と同様に配信サービスを通じて提供されるプレイデータ、シーケンスデータ、或いはID管理データ等が適宜に含まれ得る。また、ゲームデータには、例えば、その他にもゲーム用の各種の画像を表示するための画像データ、及び楽曲とは別の音声が存在する場合にそのような各種の音声を再生するための音声データ等が含まれ得る。しかし、これらの図示は省略した。
【0025】
制御ユニット31には、制御ユニット31のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG2との組合せによって各種の論理的装置が構成される。そして、それらの論理的装置を通じてキャラクタ育成ゲームの提供に必要な各種の処理(センターサーバ2のゲーム機サービス管理部24が提供するゲーム機用サービスを享受するために必要な処理を含む)が実行されるが、
図2の例では、キャラクタ育成ゲームに関連する論理的装置として、進行制御部33、及びデータ管理部34が示されている。
【0026】
進行制御部33は、ゲームの進行を制御するための各種の処理を行う論理的装置である。そのような処理には、指示標識及び基準標識を通じた各実行時期の案内を行う処理、或いはそのような各実行時期に基づいてプレイ行為を評価するための処理等も含まれる。あるいは、ダンスユニットによるダンスを表示するための処理も含まれる。つまり、音楽ゲームのプレイを実現するための各種の処理が含まれる。一方、データ管理部34は、記憶部32に記録される各種データの管理に関する各種の処理を行う論理的装置である。このような処理には、ゲームの進行に関連して変化するデータを更新する(新しいデータ、或いはレコードの生成を含む)処理が含まれる。例えば、このようなデータには、ダンスデータDDが含まれる。具体的には、データ管理部34は、ダンスデータDDを更新する処理として、例えば、ダンス生成処理を実行する。ダンス生成処理の手順は後述する。
【0027】
また、ゲーム機3にはアーケードゲーム機3A、或いはユーザ端末装置型のゲーム機3等の種類に応じて適宜に各種の出力装置、及び入力装置が設けられてよいが、
図2の例ではモニタ37、及びスピーカSPがゲーム機3に設けられる出力装置として示されている。モニタ37、及びスピーカSPは、それぞれゲーム画面等を表示するための周知の表示装置、及び音声を再生するための周知の音声再生装置である。同様に、
図2の例では、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置36が示されている。入力装置36は、ゲーム機3の種類に応じて適宜に構成されてよい。例えば、アーケードゲーム機3Aの場合、入力装置36として音楽ゲーム用に足で踏むように押す押しボタン付きのステージが利用されてもよい。そして、このステージの上でユーザは音楽ゲームをプレイしてよい。あるいは、複数の押ボタンが設けられたコントロールパネルが用意されてもよい。このような場合、足或いは手で押しボタンを押す操作がプレイ行為として利用される。また、タッチパッドやタッチパネルディスプレイが入力装置36として利用されてもよい。この場合、これらを手や足、あるいはタッチ用のペン(いわゆるスタイラスペン)でタッチする行為がプレイ行為として利用される。
【0028】
一方、例えば、据え置き型ゲーム機3Bの場合、入力装置36として複数の押しボタンを含むキーボード、或いは専用のコントローラ(主として足で操作するために床等に敷いて用いるマットコントローラを含む)が使用されてよい。この場合、それらの押しボタンを押す操作がプレイ行為として利用される。同様に、例えば、携帯型ゲーム機3Cの場合、入力装置36として、例えば、ユーザのタッチ操作(指で触れる操作)に対応した信号を出力するタッチパネルが利用されてよい。この場合、タッチ操作及びその位置がプレイ行為として利用される。また、携帯型ゲーム機3Cに、有線または無線で専用のコントローラ(上述のマットコントローラを含む)が接続され、使用されてもよい。
【0029】
なお、その他にも、例えばアーケードゲーム機3Aには、現金、代替硬貨、メダル、電子通貨(ポイントを含む)、クレジットカード機能等を利用してユーザからゲームに必要な所定の対価を徴収するための対価徴収装置が入力装置として設けられてもよい。そして、そのような装置によって、例えば電子通貨の残量を記録するカードを介して電子通貨等の各種の対価が徴収されてよい。また、例えばユーザ端末装置型のゲーム機3の場合、ユーザ端末装置型のゲーム機3はゲームを有償(追加的範囲のプレイ等のためにゲームの一部が有償の場合を含む)で提供しても、無償(事前にソフトウエアを購入している場合を含む)で提供してもよい。ゲームが有償で提供される場合、ユーザ端末装置型のゲーム機3においてその対価は各種の周知の決済処理を通じて徴収されてよい。
【0030】
次に、キャラクタ育成ゲームの詳細について説明する。以下では、入力装置36としてタッチパネルを利用する携帯型ゲーム機3Cを例に、このような携帯型ゲーム機3Cのモニタ37に表示されるゲーム画面の一例を参照しつつ、キャラクタ育成ゲームの詳細について説明する。
図3は、ホーム画面の一例を模式的に示す図である。ホーム画面40は、キャラクタ育成ゲームのためにモニタ37に表示される各種のゲーム画面のうち、主として他のゲーム画面への起点として機能するゲーム画面である。このため、ホーム画面40には、各画面に遷移するためのタッチ位置(タッチ操作がされるべき位置)として機能するアイコン(以下、遷移用アイコンと呼ぶ場合がある)が表示される。また、ホーム画面40には、その他にも管理用の機能や情報が設けられる場合がある。具体的には、
図3に示すように、ホーム画面40は、“STORY”アイコン41、“DANCER”アイコン42、“TEAM”アイコン43、“抽選”アイコン44、“おつかい”アイコン45、“DANCE BATTLE”アイコン46、“MISSION”アイコン47、情報領域48、及びキャラクタ画像CAを含んでいる。
【0031】
“STORY”アイコン41は、ストーリ画面(不図示)に遷移するための遷移用アイコンである。ストーリ画面は、ゲーム中の各キャラクタが持つ個々のヒストリ、或いは複数人の会話シーンなど、各キャラクタに設定されている物語(ストーリ)アニメーション(動画)を選択、視聴するためのゲーム画面である。このようなストーリは、ゲームで獲得した報酬や各キャラクのレベル等、プレイ状況に応じて新しく解禁される(視聴可能になる)ものを含む場合がある。
【0032】
“DANCER”アイコン42は、キャラクタ画面(不図示)に遷移するための遷移用アイコンである。キャラクタ画面は、各キャラクタの詳細を提示するためのゲーム画面である。キャラクタ育成ゲームには多くのキャラクタが用意されており、キャラクタ画面には各キャラクタの詳細が表示される。例えば、キャラク画面では、各キャラクタの詳細として、各キャラクタのパラメータの情報がキャラクタ毎に表示される。
【0033】
“TEAM”アイコン43は、チーム(ユニット)編成画面(不図示)に遷移するための遷移用アイコンである。チーム編成画面は、ダンスユニットを形成する各キャラクタを選択するためのゲーム画面である。一つのダンスユニットは、適宜の数のキャラクタによって形成されてよいが、以下では、一つのダンスユニットが3名のキャラクタによって形成される場合について説明する。
【0034】
“抽選”アイコン44は、抽選結果画面(不図示)に遷移するための遷移用アイコンである。抽選結果画面は、キャラクタ育成ゲームに関連する各種の要素を抽選で付与するための抽選ゲームを提供するためのゲーム画面である。例えば、このような抽選ゲームでは、キャラクタ育成ゲームに関連する要素として各キャラクタに対応するカードが抽選で付与される。抽選ゲームで付与されたカードは、キャラクタ育成ゲームにおいてプレイの進行に使用されてもよいし、単にコレクション或いは鑑賞用のカードとして機能してもよい。
【0035】
“おつかい”アイコン45は、おつかい画面(不図示)に遷移するための遷移用アイコンである。おつかい画面は、おつかいイベントを提供するためのゲーム画面である。おつかいイベントは、各種のアイテムを獲得するためのイベントである。おつかいイベントは、ゲームに設定された所定の価値の消費に伴い提供される。
【0036】
“DANCE BATTLE”アイコン46は、音楽ゲーム画面に遷移するための遷移用アイコンである。音楽ゲーム画面は、上述のような指示標識等の表示を通じて実際に音楽ゲームをユーザにプレイさせるためのゲーム画面である。また、そのような音楽ゲーム画面には、ダンスユニット(三人のキャラクタ)によるダンスも表示される。“DANCE BATTLE”アイコン46へのタッチ操作に伴い、ゲーム画面はホーム画面40から音楽ゲーム画面にダイレクトに遷移してもよいが、一例として後述の楽曲選択画面等の適宜の中間画面を経て音楽ゲーム画面に遷移する。
【0037】
“MISSION”アイコン47は、ミッション画面(不図示)に遷移するための遷移用アイコンである。ミッション画面は、ゲーム中に用意されたミッションのリスト、達成条件、達成に伴う報酬、或いは達成履歴等のミッションに関する情報を提供するためのゲーム画面である。ミッションは、達成条件を満たす(達成する)ことにより所定の報酬をユーザに付与するためのイベントの一種である。ゲーム中には、このようなミッションとして、プレイ毎に達成の可否の判別が可能なものから、今回(1回)のプレイだけでは達成できない比較的長期のプレイを対象にするものまで用意されていてよい。
【0038】
情報領域48は、ゲームに関連する各種の情報を提示するための領域である。情報領域48は、例えば、名称領域48A、ランク領域48B、体力値領域48C、及び通貨領域48Dを含んでいる。名称領域48Aは、ユーザのゲーム中における名称(“ゴゴ”)、及びゲーム中に用意されたユーザ用の各種の称号(プレイ状況が各種の付与条件を満たした場合にその満たされた条件に応じて与えられ、後述のランクのうちの一部のランクに対応するように設けられる場合が多く、ユーザのランクを示す情報の一種として機能する場合も多いが、ランクとは独立して付与されてもよい)のうちプレイ中のユーザに与えられた称号(“紅鶴学園ゴールド生”)を表示するため領域である。
【0039】
ランク領域48Bは、ユーザのランクを示すランク値を表示するための領域である。ランクは、位、段階等の程度を示す概念であり、いわゆるレベルに相当する意味をもつ。このため、ランク値は、ユーザのゲームにおける成長度を示すレベル値として機能し、この値が大きいほど多くゲームをプレイしたことを示す場合が多い。ランク値として、数値、アルファベット等の文字、或いは記号等の適宜の要素(互いに区別され、程度を特定可能なもの)が利用されてよいが、
図3の例では数値(“75”)が利用されている。また、ランク値は、各種のパラメータを規定するための値である。つまり、ランク値に応じて、後述の体力値等の各種のパラメータが規定される。ランク値は、キャラクタ育成ゲームのプレイ状況(例えば、育成用の音楽ゲームの獲得得点等のプレイ結果)に基づいて付与される経験値に応じて上昇する。このため、ランク領域48Bには経験値の獲得量の情報も表示される。具体的には、ランク領域48Bは、経験値ゲージEGを含んでいる。経験値ゲージEGは、ホーム画面40において経験値の獲得量を示すゲージとして機能する画像である。経験値ゲージEGには、現在までの経験値の獲得量(右斜線)、及び次回のランク値アップ(上昇)までの残量(白抜き)の情報が提示される。
【0040】
通貨領域48Dは、ゲーム内において通貨として機能する通貨価値(以下、ゲーム内通貨と呼ぶ場合がある)に関する情報を表示する領域である。ゲーム内通貨は、アイテムの購入、或いは各種の抽選機会の付与(上述の抽選ゲームのプレイ)等の所定の機能を利用するために消費される価値である。ゲーム内通貨は、例えば、現実の通貨の消費(プレイ用の対価と同様に徴収されてよい)に伴い購入される。通貨領域48Dには、例えば、通貨残高領域48D1と、通貨購入用アイコン48D2とが設けられる。通貨残高領域48D1は、現在ユーザが所有するゲーム内通貨の残高(“0”)を提示するための領域である。通貨購入用アイコン48D2は、ゲーム内通貨を購入する(残高を増やす)ためのタッチ位置として機能するアイコンである。具体的には、通貨購入用アイコン48D2は、ゲーム内通貨の購入を要求するためにタッチ操作される位置として機能する。通貨購入用アイコン48D2へのタッチ操作に伴い、例えば、購入額の選択、或いは購入実行の可否確認を行うための追加領域(いわゆるポップアップ)が更に提示されてもよい。
【0041】
体力値領域48Cは、体力値に関する情報を表示する領域である。体力値は、イベントの利用等の各種の進行をキャラクタ育成ゲームに付与するために消費される価値である。体力値は、ユーザの体力値としてユーザ毎に設定される。このような体力値は、各種の進行の付与のために使用されてよいが、例えば上述のおつかいイベントの提供(利用)、或いは音楽ゲームのプレイのために消費される。体力値は、時間経過に従って徐々に最大値(レベル等に応じて変化する場合がある)まで回復する。また、キャラクタ育成ゲームには、体力値を所定量回復させるためのアイテム(以下、回復アイテムと呼ぶ場合がある)も用意される。このような回復アイテムによる体力値の回復には制限(例えば、期間、回数、或いは最大値まで等の量)が設定されてもよいし、無制限に使用が許容されてもよい。
【0042】
体力値領域48Cには、例えば、体力値提示領域48C1と、回復用アイコン48C2とが設けられる。体力値提示領域48C1は、各ユーザの体力値の現在値(残量)及び最大値を提示するための領域である。
図3の例では、このユーザの現在の体力値(“30/30”の分子)、及び最大値(“30/30”の分母)として、いずれも“30”が提示されている。回復用アイコン48C2は、体力値を回復するためのタッチ位置として機能するアイコンである。より具体的には、回復用アイコン48C2は、体力値の回復を要求するためにタッチ操作される位置として機能する。回復用アイコン48C2へのタッチ操作に伴い、例えば、体力値を回復させるための回復アイテムの選択、或いはそのような回復アイテムの使用の可否を確認するための追加的領域(いわゆるポップアップ)がさらに提示されてもよい。そして、そのようなタッチ操作によって回復アイテムが実際に使用(消費)された場合に、体力値が所定量回復する。
【0043】
キャラクタ画像CAは、各キャラクタに対応する画像である。ホーム画面40には、育成対象のダンスユニットを構成する各キャラクタに対応するキャラクタ画像CAが適宜に表示される。
図3の例では、ホーム画面40には、ダンスユニットを構成する3名(全員)のキャラクタに対応する3つのキャラクタ画像CAがそれぞれ表示されている。
【0044】
なお、体力値提示領域48C1には、このようなユーザの体力値に限定されず、例えばカーソル等の所定の指定手段によって指定されたキャラクタ等、適宜の条件に該当するキャラクタに関する体力値の情報が提示されてよい。あるいは、体力値提示領域48C1には、全キャラクタの体力値が提示されてもよい。同様に、ホーム画面40における各キャラクタ画像CAの配置は適宜でよい。例えば、事前の指定、或いはプレイ状況等の条件に応じてユーザが最も推奨するキャラクタ(いわゆる推しメンバ)が決定され、そのようなキャラクタのキャラクタ画像CAがホーム画面40において最も手前に配置されてもよい。あるいは、各キャラクタ画像CAの配置は、ユーザの指定に基づいて決定されてもよい。さらに、各キャラクタには、キャラクタ毎、或いはチーム(ユニット)毎に適宜にレベル値(ランク値)が設定されてよい。そして、そのようなレベル値に応じて各キャラクタ、或いはチームを定義する各種のパラメータの上限値等が適宜に規定されてよい。あるいは、ユーザのランク値、及び各キャラクタ(若しくはチーム)のランク値のいずれか一方は省略されてもよい。同様に、経験値の獲得量は、ランク領域48Bの経験値ゲージEGに限定されず、適宜の場所に適宜の手法で提示されてよい。
【0045】
図4は、楽曲選択画面の一例を模式的に示す図である。楽曲選択画面50Eは、音楽ゲームにおけるプレイ対象の楽曲(実行時期を案内するためのリズム)を選択するためのゲーム画面である。つまり、楽曲選択画面50Eによって、プレイ対象の楽曲を選択するための選択機会が実現される。楽曲選択画面50Eは、“DANCE BATTLE”アイコン46へのタッチ操作の後に、音楽ゲーム画面への遷移前に表示される。図に示すように、楽曲選択画面50Eは、楽曲選択領域55、及び関連設定領域56を含んでいる。
【0046】
楽曲選択領域55は、今回のプレイに使用する楽曲(プレイ対象の楽曲)の候補を表示するための領域である。楽曲選択領域55には、適宜に楽曲の候補が提示されてよいが、
図4の例では複数の楽曲の候補にそれぞれ対応する複数の楽曲候補アイコン55Aが表示されている。各楽曲候補アイコン55Aには、各候補の楽曲に関する情報が適宜に表示されてよいが、
図4の例では“楽曲A”等の楽曲の名称、及び“体”、“技”、“心”の三つの属性に関する各楽曲の特性の情報が表示されている。各キャラクタには、適宜の特性が設定されてよいが、一例としてそのような特性には“体”、“技”、“心”に関する属性が含まれ、各楽曲にも同様の属性が設定される。そして、各楽曲には、それらの属性に応じて各キャラクタとの相性(有利、或いは不利)が生じる。つまり、“体”、“技”、“心”は各キャラクタとの相性に関する指標として機能するが、このような相性が把握されるように各楽曲選択領域55には“体”、“技”、“心”の値をそれぞれ示す三つのバーが表示される。
【0047】
楽曲選択領域55では、各楽曲候補アイコン55Aを介して適宜にプレイ対象の楽曲が選択されてよいが、一例として各楽曲候補アイコン55Aへのタッチ操作を通じてプレイ対象の楽曲が選択される。具体的には、各楽曲候補アイコン55Aは、タッチ操作がされるべき位置として使用されるタッチ用アイコンとして構成され、選択肢として機能する。つまり、各楽曲候補アイコン55Aへのタッチ操作に伴い、その楽曲候補アイコン55Aに対応する楽曲候補が今回のプレイ対象として選択される。複数の楽曲候補アイコン55Aのうち選択された楽曲候補アイコン55A(例えば“楽曲B”)は、適宜の手法で他の楽曲候補アイコン55A(例えば“楽曲A”或いは“楽曲C”)と区別されてよいが、
図4の例では他の楽曲候補アイコン55Aよりも拡大され、楽曲選択領域55の中央付近において他の楽曲候補アイコン55Aと配色(右斜線)が異なるように表示されている。
【0048】
関連設定領域56は、音楽ゲームの設定に関連する各種の情報等を表示するための領域である。関連設定領域56には、このような情報として設定自体を行うための各種のアイコン等が適宜に表示されてよいが、
図6の例では難易度切替アイコン56A、及びミッションの情報が表示される。難易度切替アイコン56Aは、プレイ対象の楽曲の難易度を設定するためのアイコンである。難易度切替アイコン56Aは、各種の手法で難易度を切り替えるように構成されてよいが、一例としてタッチ用アイコンとして構成され、難易度切替アイコン56Aへのタッチ操作に伴い楽曲の難易度が順に切り替えられるように構成される。また、このような各楽曲の難易度は、適宜に設定されてよいが、一例として“HARD”、“NORMAL”、及び“EASY”の三つの難易度を含んでいる。そして、これらの三つが難易度切替アイコン56Aへのタッチ操作毎に順に切り替えられ、選択中の難易度(
図4の例の“NORMAL”)が難易度切替アイコン56Aに表示される。
【0049】
ミッションの情報は、報酬対象のミッション(条件)を示す情報である。キャラクタ育成ゲームには音楽ゲームに限らず適宜のミッションが用意されてよく、そのようなミッションが適宜に関連設定領域56に表示されてよいが、
図4の例では音楽ゲームに関連する三つのミッションが難易度の順に表示されている。具体的には、関連設定領域56には、ミッションの情報として“はじめて勝利”等のミッションの内容及びそれを達成した場合の報酬(ゲーム内通貨を示すアイコン及び“×1”等のその数量)が表示されている。
【0050】
図5は、音楽ゲーム画面の一例を模式的に示す図である。音楽ゲーム画面50Bは、音楽ゲームを実際にユーザにプレイさせるためのゲーム画面の一種であり、各ユーザが実行すべきプレイ行為の実行時期を実際に案内するためのゲーム画面である。音楽ゲーム画面50Bは、“DANCE BATTLE”アイコン46へのタッチ操作の後に上述の楽曲選択画面50E、或いはチーム(キャラクタ)選択画面(不図示)等の適宜の中間画面を経て表示される。
図5に示すように、音楽ゲーム画面50Bは、オブジェクト51、判定ライン52、及びキャラクタ画像CAを含んでいる。キャラクタ画像CAは、上述のとおり各キャラクタに対応する画像である。音楽ゲーム画面50Bには、育成対象のダンスユニットに対応する各キャラクタのキャラクタ画像CAが表示される。また、各キャラクタ画像CAは、楽曲のリズムに合わせてダンスを実行する。つまり、音楽ゲーム画面50Bには、ダンスを行うキャラクタ画像CA(動画)が表示される。オブジェクト51は、指示標識として機能する画像であり、適宜の時期に音楽ゲーム画面50Bの奥側に出現し、手前側に向かって移動する。また、オブジェクト51は、奥側から手前側に移動するに従って徐々に大きくなるように大きさも変化する。この例において、各キャラクタ画像CAが本発明のキャラクタとして機能する。また、音楽ゲーム画面50Bが本発明のゲーム画面として機能する。
【0051】
一方、判定ライン52は、基準標識として機能する画像であり、音楽ゲーム画面50Bの手前側の固定的な位置に配置される。判定ライン52には、複数の到達位置指標52Aが設けられる。各到達位置指標52Aは、各オブジェクト51の到達位置を示す指標として機能する画像であり、各オブジェクト51と同様の形態、つまりその位置における各オブジェクト51と同様の大きさ及び形状に形成される。換言すれば、各到達位置指標52Aは音楽ゲーム画面50Bの奥側から手前側に向かって伸びる各オブジェクト51用の経路(不図示)の経由位置として機能し、各オブジェクト51はそのような経路に沿って各実行時期において各到達位置指標52Aの位置と一致するように移動する。そして、各ユーザには、各オブジェクト51と各到達位置指標52Aとの一致に合わせて各オブジェクト51と位置の一致した各到達位置指標52Aの位置に対するタッチ操作が要求される。また、このようなタッチ操作は、各オブジェクト51の各到達位置指標52Aへの到達時期(シーケンスデータの実行時期)と実際のタッチ操作の時期とのずれ時間が小さければ小さいほど高く評価される。つまり、ずれ時間が小さいほど高い得点がユーザに付与される。
【0052】
図5の例では、判定ライン52は音楽ゲーム画面50Bの手前側に円弧状に形成され、4つの到達位置指標52Aを有している。また、これらの4つの到達位置指標52Aは、ダンスユニットの各キャラクタと関連付けられている。例えば、左から一つ目の到達位置指標52Aは左端のキャラクタ画像CAのキャラクタ、及びその隣の中央のキャラクタ画像CAのキャラクタに、それぞれ7割、及び3割の割合で関連付けられる。同様に、例えば、右端の到達位置指標52Aは右端のキャラクタ画像CAのキャラクタに7割、中央のキャラクタ画像CAのキャラクタに3割で関連付けられる。このように適宜の傾斜付きで各到達位置指標52Aは各キャラクタに関連付けられる。そして、そのような関連付けは、各キャラクタの成長に関連付けられる。具体的には、各到達位置指標52Aに対するタッチ操作の評価結果は、そのような関連付けに応じて各キャラクタの成長に割り当てられる。なお、各到達位置指標52Aと各キャラクタとの関連付けは適宜に設定されてよい。このように適宜の傾斜を付けて到達位置指標とキャラクタとを関連付けることで、特定の到達位置指標に一定程度偏って操作すべきオブジェクト51が配置されている楽曲をプレイした場合であっても、関連付けられたキャラクタの成長の偏りを抑えることができる。
【0053】
次に、楽曲データMD、及びダンスデータDDの詳細について説明する。
図6は、楽曲データMDの構成の一例を示す図である。
図6に示すように、楽曲データMDは、各楽曲を管理するための楽曲レコードMDRを含んでいる。また、楽曲レコードMDRは、このような管理を実現するために、楽曲部MDR1、及び楽曲管理部MDR2を含んでいる。楽曲部MDR1は、楽曲毎に各楽曲を再生するためのデータを管理するための部分である。楽曲部MDR1は、適宜の情報を含んでいてよいが、
図6の例では“楽曲ID”、及び“再生データ”の情報を含んでいる。“楽曲ID”は、各楽曲を識別するために楽曲毎にユニークな楽曲IDを示す情報である。“再生データ”は、各楽曲を再生するための再生データである。このようなデータとして、例えばMIDIデータ等の周知の各種のデータが適宜に使用されてよい。
【0054】
一方、楽曲管理部MDR2は、各楽曲の特徴(特性)を管理するための部分である。楽曲管理部MDR2は、各楽曲の特徴に関する各種の情報を適宜に含んでいてよいが、
図6の例では“楽曲ID”、“BPM”、“音源”、“曲調”、“曲長”、及び“属性”の情報を含んでいる。“楽曲ID”は、上述の楽曲IDを示す情報である。“楽曲ID”を介して楽曲部MDR1、及び楽曲管理部MDR2は互いに関連付けられる。“BPM”は、各楽曲のBPM(Beat Par Minute)の値を示す情報である。BPMの値は、一分毎の拍数(いわゆるテンポ)を示す情報である。“音源”は、各楽曲(あるいは再生データ)の音源を示す情報である。“曲調”は、短調、或いは長調といった各楽曲の曲調を示す情報である。“曲長”は、各楽曲の長さ(時間)を意味する曲長を示す情報である。“属性”は、各楽曲に設定される属性を示す情報である。このような属性には各種の要素が含まれてよいが、例えば上述の“体”、“心”、“技”の要素が含まれる。つまり、“属性”には、一例として楽曲選択画面50Eにおいて各楽曲候補アイコン55Aに表示されるべき“体”、“心”、“技”の値を示す情報が記述される。楽曲レコードMDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。この例において、楽曲管理部MDR2の情報が本発明の特性情報として機能する。また、楽曲IDの情報が本発明の楽曲識別情報として機能する。なお、楽曲データMDは、これらの情報に限定されず、各楽曲の特徴等に応じて各種の情報を適宜に含んでいてよい。あるいは、これらの情報の一部等が適宜に省略されてもよい。
【0055】
図7は、ダンスデータDDの構成の一例を示す図である。上述のように各キャラクタのダンスは適宜のデータに基づいて実現されてよいが、
図7の例は、各キャラクタのダンスがモーションデータに基づいて実現される場合のダンスデータDDの構成を示している。この場合、
図7に示すように、ダンスデータDDは、各楽曲において各キャラクタが実行するダンスを管理するためのダンスレコードDDRを含んでいる。また、ダンスレコードDDRは、このような管理を実現するために、ダンス部DDR1、及びダンス管理部DDR2を含んでいる。ダンス部DDR1は、楽曲毎の各ダンスを再現するためのデータを管理するための部分である。ダンス部DDR1は、適宜の情報を含んでいてよいが、
図7の例では“ダンスID”、“楽曲ID”、及び“モーションデータ”の情報を含んでいる。“ダンスID”は、各ダンスを識別するためにダンス毎にユニークなダンスIDを示す情報である。“楽曲ID”は、上述の楽曲IDを示す情報である。“モーションデータ”は、各ダンスを再現するためのモーションデータ(モーションキャプチャデータ)である。
【0056】
一方、ダンス管理部DDR2は、各ダンスの特徴を管理するための部分である。ダンス管理部DDR2は、各ダンスの特徴に関する各種の情報を適宜に含んでいてよいが、
図7の例では“ダンスID”、“種類”、“カメラ”、及び“切替”の情報を含んでいる。“ダンスID”は上述のダンスIDを示す情報である。“ダンスID”を介してダンス部DDR1、及びダンス管理部DDR2は互いに関連付けられる。“種類”は、各ダンスの種類を示す情報である。各ダンスは各種の基準に基づいて適宜の種類に分類されてよく、“種類”にはそのような分類に基づく種類の情報が記述される。例えば、二人用のダンス、三人用のダンスといった具合に各ダンスが人数、及びそれらの人の配置位置を基準に分類される場合、“種類”にはそのような人数、及びそれらの人の配置位置を示す情報が記述される。また、手、頭、或いは足等の体の部位の特徴的な動きを基準に各ダンスが分類される場合、“種類”にはそのような特徴的な動きの種類(各部位の状態、或いは姿勢)を示す情報が記述される。
【0057】
“カメラ”は、各キャラクタがダンスを実行する仮想三次元空間においてそのダンスを撮影する仮想カメラのカメラワークを示す情報である。音楽ゲーム画面50B等には、この仮想カメラの撮影結果を二次元に描画した二次元画像として各キャラクタのダンスが表示される。また、カメラワークには、例えば、撮影位置、撮影方向、或いは画角といった仮想カメラの各種撮影条件、及びその撮影条件が変化する場合(例えば仮想カメラの動きを示すように位置が変化する場合等)における変化の速度が含まれる。“カメラ”には、このようなカメラワークの情報が時系列に記述される。
【0058】
“切替”は、音楽ゲームが対戦型のゲーム(対戦相手がコンピュータの場合を含む)として提供される場合において、自己のキャラクタのダンスを撮影する仮想カメラから対戦相手のダンスを撮影する仮想カメラに切り替える切り替え時期を示す情報である。ダンスレコードDDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。この例において、ダンス管理部DDR2の情報が本発明のダンス情報として機能する。なお、ダンスデータDDは、これらの情報に限定されず、各ダンスの特徴等に応じて各種の情報を適宜に含んでいてよい。あるいは、これらの情報の一部等が適宜に省略されてもよい。
【0059】
次に、
図8及び
図9を参照して、ダンスデータDDの生成について説明する。上述のように各キャラクタのダンスはモーションデータに基づいて実現されるが、モーションデータは現実のダンス(演者によるダンス)のキャプチャにより生成されるため、時間及び費用がかかる場合が多い。このため、新しい楽曲が追加された場合等、対応するダンス(ダンスデータDD)が用意されてない楽曲(以下、ダンスなし楽曲と呼ぶ場合がある)が存在する場合が生じ得る。このような場合、既存のダンス(ダンスデータDD)からそのダンスなし楽曲に対応する新しいダンス(ダンスデータDD)が生成される。
【0060】
図8は、ダンスデータDDの生成の流れを説明するための説明図である。
図8に示すように、楽曲データMDに基づいて再生可能な楽曲群MGが、ダンス(ダンスデータDD)が用意されている楽曲群MG1(以下、ダンス有り楽曲群MG1と呼ぶ場合がある)と、ダンスなし楽曲M2とを含んでいる場合に、ダンス有り楽曲群MG1からダンスなし楽曲M2に類似する類似楽曲群MG2が抽出され、その類似楽曲群MG2にそれぞれ対応する複数のダンスデータDDからダンスなし楽曲M2に対応するダンスデータDDが新しく生成される。そして、ダンスなし楽曲M2がプレイ用に選択された場合には、その新しく生成されたダンスデータDDに対応するダンスが音楽ゲーム画面50B等のゲーム画面に適宜に表示される。
【0061】
具体的には、楽曲群MGは複数の楽曲Mによって形成されるが、それらはダンス有り楽曲M1と、ダンスなし楽曲M2とに分類される。ダンス有り楽曲M1は、ダンスデータDDの存在する楽曲M、つまりダンスが予め用意されている楽曲Mである。ダンスデータDDは多くの楽曲Mに用意されるため、楽曲群MG1は複数のダンス有り楽曲M1を含み、それらはダンス有り楽曲群MG1を形成する。そして、このダンス有り楽曲群MG1から所定のアルゴリズム(規則、或いは条件でもよい)に従って類似楽曲群MG2が形成される。この例において楽曲群MG、ダンス有り楽曲群MG1、及び類似楽曲群MG2が、本発明の複数の楽曲、複数のダンス有り楽曲、及び二以上のダンス有り楽曲としてそれぞれ機能する。
【0062】
所定のアルゴリズムは適宜に構成されてよいが、一例として楽曲データMDで管理される各ダンス有り楽曲M1の特徴(楽曲データMDの楽曲管理部MDR2の情報)に基づいてダンス有り楽曲群MG1から類似楽曲群MG2を抽出するように構成される。例えば、所定のアルゴリズムは人工知能(いわゆるAI)によって実現されてもよい。具体的には、所定のアルゴリズムは、例えば楽曲管理部MDR2で管理されるBPM、音源、曲調、或いは曲長を適宜に重み付けして、ダンスなし楽曲M2と類似する各ダンス有り楽曲M1を抽出するように構成されてもよい。あるいは、所定のアルゴリズムは、BPM、音源、曲調、或いは曲長等のいずれか一つ、或いは複数の特徴が一致する(BPMの値等、数値化可能なものは所定範囲内でもよい)ダンス有り楽曲M1を類似楽曲群MG2として抽出するように構成されてもよい。このように所定のアルゴリズムは適宜に構成されてよいが、一例としてBPMの値が類似する楽曲Mのうち、曲調が一致するダンス有り楽曲M1を類似楽曲群MG2として抽出するように構成される。
【0063】
また、所定のアルゴリズムにおいてBPMの値の類似は適宜に判別されてよいが、一例としてBPMの値が複数の区分に分けられ、同じ区分に属する楽曲Mが、BPMの値が類似すると判別される。具体的には、このような複数の区分は適宜に設定されてよいが、一例として80以下、81~100、101~120といった具合に20毎にBPMの値を区切ることにより設定される。そして、例えば、ダンスなし楽曲M2のBPMの値が80以下であれば、同様の80以下に属する各ダンス有り楽曲M2が、BPMの値が類似するダンス有り楽曲M1として判別される。そして、BPMの値が類似する各ダンス有り楽曲M2のうちから、ダンスなし楽曲M2と曲調が一致する各ダンス有り楽曲M2が類似楽曲群MG2として抽出される。その他の区分の場合も同様である。また、ダンス有り楽曲群MG1から適宜の数のダンス有り楽曲M2が類似楽曲群MG2として抽出されてよいが、
図8の例では三つのダンス有り楽曲M2が類似楽曲群MG2として抽出されている。この例において、類似楽曲群MG2の三つのダンス有り楽曲M1にそれぞれ対応する三つのダンスデータDDが、本発明の二以上のダンスデータとして機能する。
【0064】
類似楽曲群MG2の各ダンス有り楽曲M1に対応するダンスデータDDは、ダンスなし楽曲M2に対応するダンスデータDDの生成に使用される。具体的には、まず類似楽曲群MG2の三つのダンス有り楽曲M2にそれぞれ対応する三つのダンスデータDDが特定される。続いて、それらの三つのダンスデータDDから適宜のアルゴリズムに基づいてダンスなし楽曲M2に対応するダンスデータDD、つまり新しいダンスデータDDが生成される。三つのダンスデータDDに基づいて新しいダンスデータDD(ダンスなし楽曲M2用のもの)を生成するためのアルゴリズムも適宜に構成されてよいが、一例として三つのダンスデータDDにおける各ダンスデータDD(主としてダンス部DDR1の“モーションデータ”)の組み合わせにより新しいダンスデータDD(主としてダンス部DDR1の“モーションデータ”)を生成するように構成される。そして、ダンスなし楽曲M2がプレイ用に選択された場合に、その生成されたダンスデータDDに対応するダンスが音楽ゲーム画面50B(適宜のゲーム画面においてダンスの表示に使用されてよい)に表示される。この例において、新しいダンスデータDDが本発明の新ダンスデータとして機能する。
【0065】
図9は、三つのダンスデータDDに基づく新しいダンスデータDD(ダンスなし楽曲M2用のもの)の生成の詳細を説明するための説明図である。
図9の例は、楽曲A”、“楽曲B”、及び“楽曲C”の三つのダンス有り楽曲M1が類似楽曲群MG2として抽出され、これらに対応するダンスとして“ダンスA”、“ダンスB”、及び“ダンスC”の三つのダンスが用意されている場合を示している。また、
図9の例では、これらの三つのダンスに基づいて、ダンスなし楽曲M2である“楽曲E”用の“ダンスE”が新しく生成される場合を示している。この場合、
図9に示すように、これらの“ダンスA”、“ダンスB”、及び“ダンスC”の三つのダンスは、いずれも適宜に複数の区間に分割される。そして、それらの各区間が“ダンスE”(ダンスなし楽曲M2)の曲長に相当するように組み合わされて、“楽曲E”用のダンスとして新しい“ダンスE”が生成される。
【0066】
具体的には、例えば“ダンスA”の長さ(時間)は、“楽曲A”の曲長に原則として対応(各ダンスは、楽曲開始前に実行される事前動作や余韻等のために楽曲後終了後に実行される事後動作等を含んでいてもよく、これらを含む場合は楽曲Mの長さと相違する場合がある)する。“ダンスB”等のその他のダンスに関しても同様である。これらの“ダンスA”~“ダンスC”は、例えば“ダンスA”は手の動き、“ダンスB”は脚の動き等の部位を基準にする条件、或いは異なる時間条件といった具合にダンス毎に異なる条件で分割されてもよい。これらの“ダンスA”~“ダンスC”は、このように適宜に分割されてよいが、一例としていずれも同じ条件の所定時間毎に複数の区間に分割される。また、所定時間として適宜の時間が採用されてよいが、一例として18秒が採用される。つまり、“ダンスA”~“ダンスC”は、いずれも18秒毎の各区間に分割される。結果として、各ダンスには、適宜の数の区間が形成され得るが、
図9の例では説明の便宜のために、いずれのダンスも“区間S”、“区間1”~“区間5”、及び“区間E”の七つの区間に分割されている。この例において、“ダンスA”~“ダンスC”の三つのダンスが本発明の二以上のダンスとして機能する。また、“区間S”、“区間1”~“区間5”、及び“区間E”らの七つの区間が本発明の複数の区間として機能する。
【0067】
“区間S”は各ダンスの開始(開始動作)を含む開始区間であり、“区間E”は各ダンスの終了(終了動作)を含む終了区間である。“区間S”及び“区間E”は、適宜に判別されてよいが、一例として最初の区間(最初の18秒)が“区間S”(開始区間)と、最後の区間(最後の18秒)が“区間E”(終了区間)と、それぞれ判別される。具体的には、
図9の例では“区間S”及び“区間E”に対応する区間として、“ダンスA”には“AS”区間及び“AE”区間が、“ダンスB”には“BS”区間及び“BE”区間が、“ダンスC”には“CS”区間及び“CE”区間が、それぞれ最初及び最後に形成されている。この例において、“AS”、“BS”、及び“CS”が本発明の二以上の開始区間として機能する。同様に、“AE”、“BE”、及び“CE”が本発明の二以上の終了区間として機能する。
【0068】
一方、“区間1”~“区間5”は、“区間S”と“区間E”との間に形成される区間であるが、各ダンスの“区間S”と“区間E”とを除く部分を所定時間毎に分割することにより順に形成される。このため、ダンスが18秒で割り切れない長さ(時間)を持つ場合、“区間5”(“区間E”を除く最後の区間)に他よりも短い区間が形成される。具体的には、
図9の例では、“区間1”~“区間5”に対応する区間として、“ダンスA”には“A1”~“A5”区間が、“ダンスB”には“B1”~“B5”区間が、“ダンスC”には“C1”~“C5”区間が、それぞれ形成されている。また、“ダンスB”、及び“ダンスC”の“区間5”に対応する区間、つまり“B5”及び“C5”の区間は、他の区間よりも短く形成されている。
【0069】
“ダンスA”等と同様に、“ダンスE”の長さは“楽曲E”の長さに対応するが、この生成対象の“ダンスE”も18秒(所定時間)毎に“区間S”、“区間1”~“区間5”、及び“区間E”の七つの区間に分割される。そして、これらの各区間に“ダンスA”~“ダンスC”を構成する各区間が割り当てられて、“ダンスE”の各区間が形成される。また、これらの“ダンスA”~“ダンスE”はダンスデータDDのモーションデータによって実現されるため、これらの分割、及び組み合わせ(割り当て)もダンスデータDDのモーションデータに対して実行される(以下における割り当てや調整等も同様)。つまり、“ダンスA”~“ダンスE”を実現するモーションデータが各区間に対応するダンスを実現するように同様の複数の区間に分割され、組み合わされる。結果として、“ダンスA”~“ダンスC”のモーションデータに基づいて、“ダンスE”を実現するモーションデータが生成される。この例において、“ダンスE”が本発明の未用意ダンスとして機能する。
【0070】
また、“ダンスA”~“ダンスC”の各区間の割り当ては、適宜に実現されてよいが、一例として各区間はいずれもランダムに割り当てられる。ただし、“ダンスE”の“区間S”には他のダンスの“区間S”に対応する区間が、“ダンスE”の“区間E”には他のダンスの“区間E”に対応する区間が、それぞれ割り当てられる。このため、まず“区間S”に対応する区間、及び“区間E”に対応する区間が、“ダンスA”~“ダンスC”の全区間のうちから特定される。具体的には、
図9の例では、“区間S”に対応する区間として“AS”、“BS”、及び“CS”の三つの区間が、“区間E”に対応する区間として“AE”、“BE”、及び“CE”の三つの区間が、それぞれ特定される。そして、“AS”、“BS”、及び“CS”から“ダンスE”の“区間S”が、“AE”、“BE”、及び“CE”から“ダンスE”の“区間E”が、それぞれランダムに決定される。
【0071】
一方、“ダンスE”の“区間1”~“区間5”は、“ダンスA”~“ダンスC”の“区間1”~“区間5”からランダムに決定される。“区間1”~“区間5”への割り当ては、適宜に実現されてよい。例えば、このような割り当てには適宜の制限が設けられていてもいなくてもよい。具体的には、“ダンスE”の“区間1”等は、例えば“区間S”等と同様に、他のダンスの“区間1”等から決定されてもよい。あるいは、“区間1”~“区間4”は他のダンスの“区間1”~“区間4”から割り当てられ、“区間5”には他のダンスの“区間5”から割り当てられるといった具合にあまり時間を基準に割り当てが制限されてもよいが、一例としてこのような制限なく、例えば“区間1”には他のダンスの“区間1”~“区間5”の区間がランダムに割り当てられる。
【0072】
同様に、元のダンスを基準に適宜に割り当て(組み合わせ)が制限されてもよい。具体的には、例えば“A1”及び“A3”等の同じダンスを形成する区間が連続する組み合わせが制限されてもよいし、“A1”が二度以上組み合わされる等の同じ区間の重複する組み合わせが制限されてもよい。このように同じダンスの各区間の連続、或いは同じ区間(同じダンスのもの)の重複は許容されても、許容されなくても(避けられても)よいが、一例としてこれらはいずれも避けられる。
【0073】
さらに、各ダンスの特徴は、このような制限に考慮されてもされなくてもよい。例えば各キャラクタの手及び脚の少なくともいずれか一方の状態、或いは各キャラクタの位置(例えば三人のキャラクタの場合、それらのキャラクタの位置関係)といった情報が各ダンスの特徴として機能し得るが、これらは組み合わせに考慮されてもされなくてもよい。具体的には、例えばダンスデータDDのダンス管理部DDR2の情報(例えば“種類”の情報)が参照され、各キャラクタの状態、或いは位置関係の連続性が保たれるように各区間の組み合わせが実現されてもよい。このように連続性の保てない区間の組み合わせは避けられてもよいが、一例として許容される。つまり、各ダンスの特徴は各区間の組み合わせに考慮されない。なお、各ダンスの特徴に応じて連続性の保てない区間の組み合わせが避けられる場合、手等の各キャラクタの部位の状態(あるいは姿勢)を示す情報(特徴的な動きを示す情報)、及び各キャラクタの位置を示す情報の少なくともいずれか一方がダンスデータDDの“種類”に含まれるが、これらの情報が本発明の姿勢情報、及び位置情報としてそれぞれ機能する。
【0074】
上述の次第から、例えば“ダンスE”の“区間1”には、“A1”~“A5”、“B1”~“B5”、及び“C1”~“C5”の十五の区間のいずれか一つがランダムに割り当てられるが、その割り当てにおいて同じダンスの各区間の連続、或いは同じ区間の重複は避けられる。つまり、このような連続及び重複を避けるように、十五の区間から“ダンスE”の“区間1”への割り当てが実現される。一方、この割り当てにおいて連続性の保てない区間の組み合わせ等、各ダンスの特徴は考慮されない。“ダンスE”の“区間2”等の他の区間への割り当ても同様に実現される。
【0075】
また、あまり時間に対応する“区間5”の割り当て時には各種の調整が実現される。“区間5”の割り当てには、“ダンスE”の“区間1”~“区間4”に“B5”等の所定時間よりも短い区間が割り当てられる場合(以下、第1あまり調整と呼ぶ場合がある)、及び“ダンスE”の“区間5”に“A1”等の所定時間に対応する区間が割り当てられる場合(以下、第2あまり調整と呼ぶ場合がある)の二種類が含まれる。第1あまり調整は、適宜に実現されてよいが、一例として他のダンスの“区間5”が割り当てられた“ダンスE”の区間の短縮により実現される。この短縮分は適宜に処理されてよいが、一例として“ダンスE”の“区間5”に集約される。つまり、この短縮分だけダンスE”の“区間5”が長くなる。結果として、“ダンスE”の“区間5”が所定時間を超える場合には所定時間の“区間5”と、あまり時間に対応する追加区間(六つ目の区間)とに更に分割されてもよい。この場合、所定時間に対応する“区間5”への割り当ては“区間1”等と同様に実現される。同様に、第2あまり調整も適宜に実現されてよいが、一例として“ダンスE”の“区間5”に割り当てられる他のダンスの区間がその“区間5”に対応するように短縮される。つまり、他のダンスの区間が“ダンスE”のあまり時間に調整され、調整された(短縮された)後の区間が“区間5”に割り当てられる。この例において、この調整された後の区間が本発明の調整後区間として機能する。
【0076】
また、上述のように、これらの割り当て等は各区間におけるダンスを実現するためのダンスデータDDの同様の区間に対して主として実行されるが、このような割り当て等はモーションデータ(モーションキャプチャデータ)だけに適用されてもよく、ダンス管理部DDR2は生成されてもされなくてもよいが、一例としてダンス管理部DDR2の一部にも適用され、生成される。また、ダンス管理部DDR2の生成は、モーションデータの割り当て等とは独立して実現されてもよいが、一例としてモーションデータの割り当て等に付随するように実現される。つまり、上述の割り当て等は、モーションデータ(モーションキャプチャデータ)だけに実行されてもよいが、一例としてダンス管理部DDR2で管理される各ダンスの特徴にも適用される。
【0077】
例えば、“ダンスE”には各ダンスの特徴の適宜の特徴がモーションデータの割り当てに付随して割り当てられてよいが、
図9の例では“切替”の情報、つまり仮想カメラを自己と対戦相手との間で切り替える切り替え時期を示す情報がモーションデータの割り当てに付随して割り当てられている。例えば、
図9の例では、“ダンスA”~“ダンスC”のいずれにも一律に“区間2”の後半時期及び“区間5”の後半時期に切り替え時期が設定されているが、これらの“区間2”及び“区間5”の割り当てに付随して、これらの区間に設定される切り替え時期も“ダンスE”の区間に同様に割り当てられる。
【0078】
具体的には、
図9の例では、“ダンスE”には“区間S”~“区間E”に“AS”、“B2”、“A3”、“C1”、“B1”、“C4”、及び“BE”が順に割り当てられている。このため、これらの区間の組み合わせにより“ダンスE”のモーションデータが生成される。また、これらの区間のうち“B2”は“ダンスB”の“区間2”に対応するため、その後半に切り替え時期が設定されている。このため、“ダンスE”において“B2”が割り当てられる“区間1”にも同様の切り替え時期が割り当てられ、“ダンスE”の“区間1”の後半に切り替え時期が設定される。結果として、他のダンスでは“区間2”及び“区間5”に切り替え時期が設定されているのに対し、“ダンスE”にはそれとは異なる“区間1”のみに切り替え時期が設定される。一例として、このような類似楽曲群MG2の各ダンス有り楽曲M1の分割、及び組み合わせにより“ダンスE”のダンスデータDD(モーションデータ及びダンス管理部DDR2の“切替”の情報)が生成される。
【0079】
次に、
図10を参照して、ダンス生成処理について説明する。ダンス生成処理は、既存のダンス有り楽曲群MG1の各ダンスに基づいて新しいダンスを生成するための処理である。
図10の例は、新しいダンスとしてダンスなし楽曲M2のダンスを実現するダンスデータDDが生成される場合を示している。また、ダンスなし楽曲M2のダンスデータDDは、例えばそのダンスなし楽曲M2がプレイ用に選択される前に既存のダンス有り楽曲群MG1の各ダンスに基づいて予め生成されていてもよいし、ダンスなし楽曲M2がプレイ用に初回に選択されるときに生成されてもよい。そして、その生成されたダンスがダンスなし楽曲M2がプレイ用に選択される毎に毎回使用されてもよい。つまり、ダンスなし楽曲M2のダンスは事前の生成後、或いは初回の生成後以降において、いずれも同じダンスであってもよい。このようにダンスなし楽曲M2のダンスデータDDは、適宜の時期に生成されてよいが、一例としてダンスなし楽曲M2がプレイ用に選択される毎に毎回生成される。
図10の例は、このような場合のダンス生成処理の手順を示している。
【0080】
データ管理部34は、ダンスなし楽曲M2がプレイ用に選択される毎に
図10のダンス生成処理を開始し、まず類似楽曲群MG2を判別する(ステップS101)。類似楽曲群MG2の判別は、一例として上述のようにBPMの値、及び曲調に基づいて実現される。具体的には、データ管理部34は、ダンスなし楽曲M2のBPMの値が複数の区分のいずれに属するかまず判別し、そのダンスなし楽曲M2が属する区分と同じ区分に属する各ダンス有り楽曲M1をBPMの値が類似していると判別する。そして、データ管理部34は、それらのBPMの値が類似する各ダンス有り楽曲M1のうち、ダンスなし楽曲M2と同じ曲調の三つのダンス有り楽曲M1を類似楽曲群MG2と判別する。ダンスなし楽曲M2と同じ曲調のダンス有り楽曲M1が三つ以上ある場合、データ管理部34は、適宜の条件に応じて三つのダンス有り楽曲M1を類似楽曲群MG2として判別してよいが、一例として楽曲IDの若い順(例えばIDが数値の場合は数字の少ない順)の三つのダンス有り楽曲M1を類似楽曲群MG2として判別する。
【0081】
続いてデータ管理部34は、ステップS101で判別した類似楽曲群MG2の各ダンスデータDDを所定時間毎のダンスをそれぞれ実現する複数の区間に分割する(ステップS102)。所定時間として適宜の時間が採用されてよいが、一例として上述のように18秒が採用される。このため、データ管理部34は、ステップS102において、類似楽曲群MG2の各ダンス、換言すればダンスデータDDにおけるモーションデータを18秒毎のダンスを実現する各区間に分割する。
【0082】
次にデータ管理部34は、ステップS102で分割した各区間(モーションデータ)のうち、開始区間、及び終了区間を判別する(ステップS103)。開始区間は各ダンスの開始を含む区間であり、
図9の例の“区間S”に相当する。同様に、終了区間は各ダンスの終了を含む区間であり、
図9の例の“区間E”に相当する。つまり、データ管理部34は、各ダンスのモーションデータにおける“区間S”(最初の区間)及び“区間E”(最後の区間)を判別する。
【0083】
続いてデータ管理部34は、類似楽曲群MG2の各区間を組み合わせて、ダンスなし楽曲M2のダンス、つまりダンスデータDDを生成する(ステップS104)。データ管理部34は、ダンスを表示可能な適宜の範囲でダンスデータDDを生成してよいが、一例としてダンス部DDR1の“モーションデータ”、及びダンス管理部DDR2の“切替”の部分を生成する。具体的には、データ管理部34は、まず類似楽曲群MG2の各ダンスの開始区間及び終了区間が、生成対象のダンスの開始区間及び終了区間をそれぞれ形成するように、ステップS103で特定した複数の開始区間及び複数の終了区間からそれぞれ一つずつランダムに選択し、その選択した区間を生成対象のダンスの開始区間及び終了区間にそれぞれ割り当てる。例えば、データ管理部34は、
図9の例において三つの“区間S”及び三つの“区間E”のうちから、“AS”及び“BE”をそれぞれランダムに選択し、それらを“ダンスE”の“区間S”及び“区間E”にそれぞれ割り当てる。つまり、“AS”及び“BE”にそれぞれ対応するモーションデータを、生成対象のダンスに対応するモーションデータの“区間S”及び“区間E”にそれぞれ割り当てる。
【0084】
一方、データ管理部34は、開始区間及び終了区間を除く残りの区間には、類似楽曲群MG2の各ダンスの開始区間及び終了区間を除く各区間からランダムに一つずつ割り当てを実行する。この場合において、データ管理部34は、同じダンス有り楽曲M1の区間の連続、及び同じ区間の重複を避けるように、この割り当てを実行する。例えば、このような割り当ては適宜に実現されてよいが、一例として割り当て済の区間を割り当て対象から除外する、或いは直前の区間に割り当てられたダンス有り楽曲M1の各区間を次の区間への割り当て対象から除外する、といった手法により実現される。また、データ管理部34は、この割り当てにおいて、あまり時間に対応する区間の調整も適宜に実行する。さらに、データ管理部34は、“切替”の情報の割り当て(引き継ぎ)も実行する。
【0085】
具体的には、データ管理部34は、
図9の例において残りの十五の区間から“B2”、“A3”、“C1”、“B1”、“C4”をランダムに選択し、生成対象のダンスの“区間1”~“区間5”の五つの区間にそれぞれ割り当てる。つまり、B2”、“A3”、“C1”、“B1”、“C4”にそれぞれ対応するモーションデータを、生成対象のダンスに対応するモーションデータの“区間1”~“区間5”にそれぞれ割り当てる。この場合において、データ管理部34は、“区間5”に割り当てられるべき“C4”の長さを調整し、調整後の“C4”(“区間5”の長さに相当)を“区間5”に割り当てる。また、“B2”には切り替え時期が設定されている。このため、この切り替え時期が生成対象のダンスに引き継がれるように、生成対象のダンス(“ダンスE”)の“区間1”に“切替”の情報の割り当てを実行する。つまり、ダンス管理部DDR2の“切替”の情報を生成する。データ管理部34は、一例としてこのような組み合わせにより生成対象のダンスを実現するダンスデータDDを生成した後に、今回のダンス生成処理を終了する。
【0086】
図10の手順により、楽曲群MGが、対応するダンスデータDDを有しないダンスなし楽曲M2を含む場合に、既存のダンス有り楽曲M1のダンスに基づいて、そのダンスなし楽曲M2に対応するダンスデータDDが生成される。つまり、既存のダンスに基づいて、新しいダンスが生成される。なお、ステップS102等の適宜の時期において、生成対象のダンスデータDD(ダンスなし楽曲M2用のダンスデータDD)に対応する各区間が事前(割り当て前、或いは類似楽曲群MG2の分割前)に特定されてもよい。具体的には、例えばダンスなし楽曲M2の楽曲長に基づいて生成対象のダンスデータDDの長さが特定され、その長さが所定時間毎の各区間に分割されてよい。この場合において、類似楽曲群MG2の各区間の組み合わせが考慮され、開始区間(例えば最初の18秒)、及び終了区間(例えば最後の18秒)にまず分割され、その後に残りが所定時間(例えば18秒)毎の各区分に分割されてよい。そして、その分割された各区間が生成対象のダンスデータDDの各区間として特定されてよい。
【0087】
以上に説明したように、この形態によれば、楽曲群MGにダンスなし楽曲M2が含まれる場合でも、楽曲群MGに含まれるダンス有り楽曲群MG1からダンスなし楽曲M2に類似(関連)する類似楽曲群MGが判別され、それらの類似楽曲群MG用のダンスに基づいてダンスなし楽曲M2用のダンスが生成される。具体的には、類似楽曲群MGとしてダンスなし楽曲M2に類似する三つのダンス有り楽曲M1が判別される。そして、それらの三つのダンス有り楽曲M1にそれぞれ対応する三つのダンスデータDDの各ダンスデータDDが所定時間毎のダンスを実現する複数の区間に分割され、それらの各区間の組み合わせによりダンスなし楽曲M2に対応するダンスを実現する新ダンスデータDDが生成される。つまり、既存の三つのダンスデータに基づいてダンスなし楽曲M2に対応するダンス用の新しいダンスデータDDが生成される。これにより、ダンスなし楽曲M2用のダンスを実現する新しいダンスデータDDを用意するための手間暇を、そのようなダンスデータDDをゼロから生成する(用意する)場合と比べて低減することができる。
【0088】
また、類似楽曲群MG2が選択機会(楽曲選択画面50E)においてダンスなし楽曲M2が選択される毎に判別される場合、類似楽曲群MG2は毎回同じであるとは限らない。類似楽曲群MG2に基づいて新しいダンスデータDDが生成されるが、類似楽曲群MG2を形成する三つのダンス有り楽曲M1が一つでも前回と相違していれば、今回生成されるダンスデータDDは前回と相違する可能性がある。このため、類似楽曲群MG2が選択機会においてダンスなし楽曲M2が選択される毎に判別される場合、選択機会毎にダンスなし楽曲M用のダンスを相違させる可能性を持たせることができる。
【0089】
さらに、新しいダンスへの割り当てが、開始区間が既存のダンスの開始区間に、終了区間が既存のダンスの終了区間に、それぞれ制限される場合、新しいダンスの開始区間及び終了区間を、既存のダンス(類似楽曲群MGに対応する三つのダンス)のいずれかの開始区間及び終了区間(同じダンスでなくてもよい)とすることができる。各ダンスの開始時には独特の開始動作(モーション)が、終了時には独特の終了動作が、それぞれ実行される場合が多いため、このような開始動作を含む開始区間で始まり、終了動作を含む終了区間で終了するように新しいダンスデータDDを生成することにより、新しいダンスとして比較的自然なダンスを演出することができる。
【0090】
以上の形態において、ゲーム機3のデータ管理部34が、
図10の手順を実行することにより本発明の楽曲判別手段、ダンス分割手段、ダンス生成手段、及び区間判別手段として機能する。具体的には、データ管理部34が、
図10のステップS101の処理を実行することにより楽曲判別手段として、
図10のステップS102の処理を実行することによりダンス分割手段として、
図10のステップS104の処理を実行することによりダンス生成手段として、
図10のステップS103の処理を実行することにより区間判別手段として、それぞれ機能する。
【0091】
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、BPMの値に基づいて類似楽曲群MG2が判別されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。各ダンス有り楽曲M1の各種の特性情報に基づいて適宜の視点からダンスなし楽曲M2に類似する二以上のダンス有り楽曲M1が判別されてよい。さらに、本発明は、このような類似楽曲群MG2(ダンスなし楽曲M2と類似するもの)にも限定されず、各ダンス有り楽曲M1の各種の特性情報に基づいて適宜の視点からダンスなし楽曲M2に関連する二以上のダンス有り楽曲M1が判別されてよい。
【0092】
また、上述の形態では、既存のダンスデータDDに基づいてダンスなし楽曲M2に対応するダンスデータDDが新しく生成されている。しかし、本発明は、ダンスデータDDの生成対象はダンスなし楽曲M2に限定されない。例えば、ダンス有り楽曲M1に対応するダンスデータが、他の二以上のダンス有り楽曲M1に基づいて新しく生成されてもよい。すなわち、ダンス有り楽曲M1がユーザにより選択されると、選択されたダンス有り楽曲M1に類似する複数のダンス有り楽曲M1の中から類似楽曲群MG2が判別され、上述した方法によって、選択されたダンス有り楽曲M1のダンスの一部または全部が生成(置き換えられても、別途用意されてもよい)されてもよい。ダンス有り楽曲Mをプレイするユーザにとって、同じ楽曲をプレイすると毎回同じダンスを楽しめることも魅力の一つではあるが、ときには同じ楽曲Mで異なるダンスを楽しみ、新鮮さを味わいたい場合もある。ダンス有り楽曲M1に対応するダンスデータDDが新しく生成される場合、そのような希望に応えることができる。結果として、ダンスの固定化を避けることができるので、楽曲に対するユーザの飽きを抑制することができる。また、選択されたダンス有り楽曲M1のダンスの一部が置き換えられる場合、分割された区間のどの区間のダンスを置き換えるかの選択が行われてもよい。この場合、同じ楽曲Mを複数回プレイするユーザに対して新鮮さを味わわせることができる。なお、ダンス有り楽曲M1のダンスを変更するか否か、及び変更する区間はダンスの一部か全部かは、ユーザによって任意に選択されてもよい。
【0093】
上述の形態では、ゲーム機3はキャラクタ育成ゲーム(あるいは音楽ゲーム)を提供している。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。ゲーム機3は、ダンスを実行する各種のキャラクタを含む(このようなキャラクタがゲーム画面に表示される)限り、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム等の各種のゲームを適宜に提供してよい。
【0094】
また、上述の形態のゲーム機3の役割(各種処理等)の全部或いは一部をセンターサーバ2が実行してもよい。つまり、本発明のゲームシステムは、センターサーバ2及びゲーム機3が適宜に協働して本実施形態のゲーム機3及びセンターサーバ2が有する各機能を実現するように構成されてもよい。結果として、一台のセンターサーバ2(複数のサーバ装置の組み合わせにより実現される場合を含む)が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。一方で、センターサーバ2は省略されてもよい。この場合、一台のゲーム機3が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。さらに、この場合、ゲーム機3はネットワークNTに接続される必要もない。結果として、ネットワーク接続可能なコンピュータ装置だけでなく、家庭用ゲーム機等の各種の独立型のコンピュータ装置が適宜にゲーム機3として機能してもよい。この場合、ダンスなし楽曲M2等の新しい楽曲Mは、例えば適宜の記録媒体を介してゲーム機3に提供されてもよい。
【0095】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0096】
本発明のゲームシステムは、複数の楽曲(MG)のうちユーザによって選択された楽曲のリズムに合わせて当該楽曲に応じたダンスを実行するキャラクタ(CA)を含むゲーム画面(50B)を表示する表示装置(37)の前記ゲーム画面を通じて前記ユーザにゲームを提供するゲームシステム(1)であって、前記ダンスを実現するためのダンスデータ(DD)が用意されている複数のダンス有り楽曲(MG1)を前記複数の楽曲が含んでいる場合に、各楽曲を識別するための楽曲識別情報と各楽曲の特性に関する特性情報とが関連づけられるように記述された楽曲データ(MD)の前記特性情報に基づいて前記複数の楽曲のうちの一つの楽曲(M2)と関連する楽曲として二以上のダンス有り楽曲(MG2)を判別する楽曲判別手段(34)と、前記二以上のダンス有り楽曲にそれぞれ対応する二以上のダンスデータの各ダンスデータを、各ダンスデータの前記ダンスが所定時間毎に複数に分割されるように前記所定時間毎の前記ダンスをそれぞれ実現する複数の区間に分割するダンス分割手段(34)と、前記一つの楽曲に対応する前記ダンスとして機能する新ダンスが形成されるように前記二以上のダンスデータの各区間を組み合わせることにより、前記新ダンスを実現する前記ダンスデータとしての新ダンスデータを生成するダンス生成手段(34)と、を備えるものである。
【0097】
本発明によれば、複数のダンス有り楽曲から一つの楽曲に関連する二以上のダンス有り楽曲が判別される。そして、それらの関連するダンス有り楽曲にそれぞれ対応する二以上のダンスデータの各ダンスデータが所定時間毎のダンスを実現する複数の区間に分割され、それらの各区間の組み合わせにより一つの楽曲に対応する新ダンスを実現する新ダンスデータが生成される。つまり、既存の二以上のダンスデータに基づいて、一つの楽曲に対応するダンス用の新しいダンスデータが生成される。これにより、一つの楽曲用のダンスを実現する新しいダンスデータを用意するための手間暇を、そのようなダンスデータをゼロから生成する(用意する)場合と比べて低減することができる。また、一つの楽曲は、例えばすでにダンスが用意されているダンス有り楽曲であっても、そのようなダンスが用意されないダンスなし楽曲であってもよいが、ダンス有り楽曲が一つの楽曲として機能する場合、そのダンス有り楽曲に対応するダンスとして既存のダンスとは別のダンスを用意することができ、ダンスの固定化を避けることができる。結果として、一つの楽曲がダンス有り楽曲に対する場合、楽曲に対するユーザの飽きを抑制することもできる。
【0098】
新ダンスデータは、適宜の時期に生成されてよい。例えば、複数の楽曲からプレイ用の楽曲を選択するための選択機会が提供される場合において、新ダンスデータは、その選択機会よりも前(一つの楽曲がプレイ用に選択される以前)に生成されてもよいし、初回の選択機会(一つの楽曲が選択される初回の選択機会でもよいし、一つの楽曲がダンスなし楽曲の場合にはそのダンスなし楽曲が追加された後の初回の選択機会でもよい)において生成されてもよい。これらの場合、以降には一つの楽曲がプレイ用に選択される毎にキャラクタは毎回同じ新ダンスを実行してもよい(初回の選択機会において新ダンスデータとして生成された毎回同じダンスデータが利用されてもよい)し、定期的に新ダンス(新ダンスデータ)の再生成が実行され、定期的にキャラクタが実行する新ダンスは変化してもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記楽曲判別手段は、前記複数の楽曲から前記楽曲を選択するための選択機会において前記楽曲として前記一つの楽曲が選択される毎に前記二以上のダンス有り楽曲を判別してもよい。この場合、選択機会において一つの楽曲が選択される毎に一つの楽曲に関連する二以上のダンス有り楽曲が判別されるが、それらは毎回同じとは限らない。また、それらの二以上のダンス有り楽曲に基づいて一つの楽曲が選択される毎に新ダンスデータが生成されるが、二以上のダンス有り楽曲が前回と相違していれば、今回生成される新ダンスデータは前回と相違する可能性がある。このため、この場合、一つの楽曲が選択される毎に新ダンスデータ、換言すれば新ダンスを相違させる可能性を持たせることができる。
【0099】
新ダンスデータは、二以上のダンス有り楽曲にそれぞれ対応する二以上のダンスデータに基づいて適宜に生成されてよい。例えば、二以上のダンスデータを形成する複数の区間の任意の区間が、新ダンスデータを形成すべき各区間の任意の区間に適用されることにより、新ダンスデータが生成されてもよい。つまり、二以上のダンスデータを形成する各区間は、制限なく新ダンスデータを形成すべき各区間に組み合わされてもよい。あるいは、二以上のダンスデータを形成する各区間の組み合わせは適宜の制限付きで実現されてもよい。例えば、新ダンスデータの開始区間(ダンスの開始を含む区間)には二以上のダンスデータにそれぞれ対応する二以上の開始区間のいずれか一つが適用され、その次の区間には二以上のダンスデータにそれぞれ対応する同様の次の区間のいずれか一つが適用されるといった具合に新ダンスデータの各区間に適用される区間は二以上のダンスデータの同様の各区間に制限されるように組み合わせが実現されてもよい。あるいは、同じダンスデータの区間の連続が制限されたり、同じ区間の重複が制限されたりしてもよい。また、このような組み合わせの制限は、区間に限定されず、ダンスの特徴に関連していてもよい。例えば、キャラクタが人物に対応する場合、手や脚の動きに特徴を持つダンスも多いが、このような手や脚の位置に応じて、それらの連続性の維持等を基準に組み合わせが制限されてもよい。同様に、複数のキャラクタによるダンスが実行される場合には、そのような数、或いは各キャラクタの配置位置等に応じて、それらの一致或いは連続性の維持等を基準に組み合わせが制限されてもよい。
【0100】
具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記ダンスの開始をそれぞれ含む二以上の開始区間、及び前記ダンスの終了をそれぞれ含む二以上の終了区間を前記複数の区間から判別する区間判別手段(34)を備え、前記ダンス生成手段は、前記二以上の開始区間のいずれか一つ、及び前記二以上の終了期間のいずれか一つが前記新ダンスデータの開始区間及び終了区間をそれぞれ形成し、前記複数の区間の前記二以上の開始区間、及び前記二以上の終了期間を除く各区間が前記新ダンスデータの前記開始区間及び前記終了区間を除く各区間を形成するように各区間を組み合わせることにより前記新ダンスデータを生成してもよい。この場合、新ダンスデータの開始区間及び終了区間を、二以上のダンスデータのいずれかの開始区間及び終了区間(同じダンスデータでなくてもよい)とすることができる。開始区間および終了区間は各ダンスの開始時及び終了時を実現する区間としてそれぞれ機能するが、各ダンスの開始時には独特の開始動作(モーション)が、終了時には独特の終了動作が、それぞれ実行される場合が多い。このため、このような開始動作を含む開始区間で始まり、終了動作を含む終了区間で終了するように新ダンスデータを生成することにより、新ダンスを比較的自然なダンスとして演出することができる。
【0101】
同様に、本発明のゲームシステムの一態様において、前記ダンス生成手段は、前記複数の区間に含まれる各区間の重複、及び前記二以上のダンスデータの同じダンスデータに対応する各区間の連続の少なくともいずれか一方を避けるように、各区間を組み合わせることにより前記新ダンスデータを生成してもよい。あるいは、本発明のゲームシステムの一態様において、前記ダンスデータは、各ダンス有り楽曲に対応する前記楽曲識別情報と各ダンス有り楽曲に対応する前記ダンスの特徴を示すダンス情報とが関連付けられるように記述されたダンス管理部(DDR2)を含み、前記ダンス生成手段は、前記ダンス情報に基づいて各区間における前記ダンスの特徴を判別し、当該ダンスの特徴に応じて各区間を組み合わせることにより前記新ダンスデータを生成してもよい。また、この態様において、前記ダンス情報は、前記キャラクタが人物に対応するように表示される場合における前記人物の手及び脚の少なくともいずれか一方の状態を示す姿勢情報、及び前記キャラクタとして複数のキャラクタが使用される場合における各キャラクタの位置を示す位置情報の少なくともいずれか一方を含み、前記ダンス生成手段は、前記姿勢情報に基づく前記状態、及び前記位置情報に基づく各キャラクタの位置の少なくともいずれか一つを各区間における前記ダンスの特徴として判別し、前記状態、或いは各キャラクタの位置の連続性が保たれるように各区間を組み合わせることにより前記新ダンスデータを生成してもよい。
【0102】
二以上のダンスデータ、或いは新ダンスデータに所定時間に満たない区間が生じる場合、そのような区間は適宜に調整されてよい。例えば、二以上のダンスデータにおける該当の区間は、新ダンスデータの所定時間に対応する区間への組み合わせが制限されるように調整されてもよい。あるいは、新ダンスデータの該当の区間に組み合われる二以上のダンスデータの各区間は、該当の区間の長さに調整(短縮)されて組み合わされてもよい。このため、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記新ダンスデータに前記所定時間に満たない区間が生じる場合に当該区間に対応する時間に前記複数の区間のいずれか一つの区間の時間を調整した調整後区間を組み合わせることにより前記新ダンスデータを生成してもよい。
【0103】
特性情報は、各楽曲の特性に関する各種の情報を適宜に含んでいてよい。例えば、特性情報は、BPM(各楽曲の一分毎の拍数)、曲調(長調或いは短調)、曲の長さを示す曲長、或いは音源といった情報を適宜に含んでいてよい。そして、これらの情報に基づいて一つの楽曲に関連する二以上のダンス有り楽曲(例えば、これらの情報に基づいて一つの楽曲に類似すると判断される二以上のダンス有り楽曲)が適宜に判別されてよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記楽曲判別手段は、各楽曲の一分毎の拍数を示すBPMの値の情報を前記特性情報が含む場合に前記BPMの値の情報を前記二以上のダンス有り楽曲の判別に使用してよい。また、この態様において、BPMの値は適宜に二以上のダンス有り楽曲の判別に使用されてよい。例えば、BPMの値が一致するダンス有り楽曲が一つの楽曲に関連(類似)すると判別されてもよい。あるいは、一つの楽曲のBPMの値を基準に所定範囲に含まれるBPMの値を持つダンス有り楽曲がその一つの楽曲に関連すると判別されてもよい。具体的には、例えば、特性情報がBPMの情報を含む態様において、前記楽曲判別手段は、前記BPMの値が一分毎の拍数に応じて複数の区分に分けられる場合に、前記一つの楽曲の前記BPMの値が属する区分から前記二以上のダンス有り楽曲を判別してもよい。
【0104】
一方、本発明のコンピュータプログラム(PG2)は、前記表示装置に接続されるコンピュータ(31)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0105】
また、本発明の制御方法は、複数の楽曲(MG)のうちユーザによって選択された楽曲のリズムに合わせて当該楽曲に応じたダンスを実行するキャラクタ(CA)を含むゲーム画面(50B)を表示する表示装置(37)の前記ゲーム画面を通じて前記ユーザにゲームを提供するゲームシステム(1)に組み込まれるコンピュータ(31)に、前記ダンスを実現するためのダンスデータが用意されている複数のダンス有り楽曲(MG1)を前記複数の楽曲が含んでいる場合に、各楽曲を識別するための楽曲識別情報と各楽曲の特性に関する特性情報とが関連づけられるように記述された楽曲データ(MD)の前記特性情報に基づいて前記複数の楽曲のうちの一つの楽曲(M2)と関連する楽曲として二以上のダンス有り楽曲(MG2)を判別する楽曲判別手順と、前記二以上のダンス有り楽曲にそれぞれ対応する二以上のダンスデータの各ダンスデータを、各ダンスデータの前記ダンスが所定時間毎に複数に分割されるように前記所定時間毎の前記ダンスをそれぞれ実現する複数の区間に分割するダンス分割手順と、前記一つの楽曲に対応する前記ダンスとして機能する新ダンスが形成されるように前記二以上のダンスデータの各区間を組み合わせることにより、前記新ダンスを実現する前記ダンスデータとしての新ダンスデータを生成するダンス生成手順と、を実行させるものである。本発明のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【符号の説明】
【0106】
1 ゲームシステム
3 ゲーム機
31 制御ユニット(コンピュータ)
34 データ管理部(楽曲判別手段、ダンス分割手段、ダンス生成手段、区間判別手段)
37 モニタ(表示装置)
50B 音楽ゲーム画面(ゲーム画面)
M 楽曲
M1 ダンス有り楽曲
M2 ダンスなし楽曲
CA キャラクタ画像(キャラクタ)
DD ダンスデータ
MD 楽曲データ
MG 楽曲群(複数の楽曲)
MG1 ダンス有り楽曲群(複数のダンス有り楽曲)
MG2 類似楽曲群(二以上のダンス有り楽曲)
PG2 プログラム(コンピュータプログラム)
DDR2 ダンス管理部