(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022008278
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】内部支持体を有するフィルタ要素及び方法
(51)【国際特許分類】
B01D 46/04 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
B01D46/04 104
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021119799
(22)【出願日】2021-07-20
(62)【分割の表示】P 2018565245の分割
【原出願日】2017-02-20
(31)【優先権主張番号】62/302,378
(32)【優先日】2016-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591163214
【氏名又は名称】ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン, フィリップ, エドワード
(72)【発明者】
【氏名】パーソンズ, ジョナサン, ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ジョン, フォーク, ケー. サード
【テーマコード(参考)】
4D058
【Fターム(参考)】
4D058JA04
4D058JA10
4D058KA01
4D058KA03
4D058KA23
4D058KB05
4D058MA15
4D058MA25
(57)【要約】 (修正有)
【課題】多孔質支持構造を有するプリーツ付メディアのフィルタ要素を有するダストコレクタを提供する。
【解決手段】ダストコレクタ10がハウジング12を含み、ハウジング12は、矢印16で示されるとおり、濾過されていない、または汚れた空気を取り込むための入口14を有し、ハウジング12は内部に汚れた空気プレナム18を画定し、汚れた空気プレナム18はまた、複数のフィルタ要素20が据え付けられる場所であり、フィルタ要素20は、汚れた空気プレナム18における空気から粒子(例えばダスト)を除去する構成とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタ要素であって、
(a)内部容積を画定するプリーツ付フィルタメディアの構造と、
(b)前記フィルタメディアの対向端部に固定された第1および第2対向端部キャップと、
(c)前記内部容積において作動可能に方向付けられた前記フィルタメディアを支持する支持構造と
を含み、
(i)前記支持構造が前記第1端部キャップと前記第2端部キャップとの間の全延長未満だけ延在する、フィルタ要素。
【請求項2】
(a)前記支持構造がプリーツ付構造を含む、請求項1に記載のフィルタ要素。
【請求項3】
(a)前記プリーツ付構造が、前記プリーツ付フィルタメディアのプリーツの方向に略平行に延在するプリーツを有する、請求項2に記載のフィルタ要素。
【請求項4】
(a)前記プリーツ付構造が半剛性のプリーツ付スクリーンを含む、請求項2または3に記載のフィルタ要素。
【請求項5】
(a)前記プリーツ付構造がその対向側部に穿孔された表面仕上げを含む、請求項2~4のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項6】
前記支持構造が非金属である、請求項1~5のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項7】
(a)前記支持構造が、複数の交差ブレースで一緒に接続された複数の間隔をあけて配された多孔質円柱を含む押出成形された構造である、請求項2に記載のフィルタ要素。
【請求項8】
前記第1端部キャップが前記内部容積と連通している開いた端部キャップである、請求項1~7のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項9】
前記第2端部キャップが、閉鎖された端部キャップである、請求項1~8のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項10】
前記支持構造が前記第2端部キャップに固定される、請求項1~9のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項11】
前記支持構造が、前記第1端部キャップに固定されておらず、前記第1端部キャップから自由である、請求項10に記載のフィルタ要素。
【請求項12】
前記支持構造が、前記第1端部キャップに固定された第1セクションと、前記第2端部キャップに固定された第2セクションとを含み、前記要素が、前記第1セクションと第2セクションとの間の領域において支持構造から自由である、請求項10に記載のフィルタ要素。
【請求項13】
前記支持構造が前記第1端部キャップに固定される、請求項1~9のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項14】
前記支持構造が、前記第2端部キャップに固定されておらず、前記第2端部キャップから自由である、請求項13に記載のフィルタ要素。
【請求項15】
前記支持構造が、前記第1端部キャップおよび第2端部キャップの両方に固定されておらず、前記第1端部キャップおよび第2端部キャップの両方から自由である、請求項1~9のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項16】
前記支持構造が、前記第1端部キャップおよび前記第2端部キャップの両方から間隔をあけて配される、請求項15に記載のフィルタ要素。
【請求項17】
(a)前記第1端部キャップに固定されるとともに前記第2端部キャップを通じて摺動可能に延在する少なくとも第1レールをさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項18】
(a)第2レールであって、前記第1端部キャップに固定されるとともに前記第2端部キャップを通じて摺動可能に延在する、前記第1レールから間隔をあけて配された第2レールをさらに含む、請求項17に記載のフィルタ要素。
【請求項19】
前記第1レールおよび第2レールが、プリーツ付メディアの構造の外部に位置する、請求項18に記載のフィルタ要素。
【請求項20】
前記第1レールおよび第2レールが前記フィルタ要素の対向部分上にある、請求項18または19に記載のフィルタ要素。
【請求項21】
前記第1レールおよび第2レールが各々円形断面を有する、請求項18~20のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項22】
前記第1レールおよび第2レールが各々長方形断面を有する、請求項18~20のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項23】
前記第1レールおよび第2レールが各々湾曲した断面を有する、請求項18~20のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項24】
前記支持構造が、前記第1端部キャップに固定された第1セクションと、前記第2端部キャップに固定された第2セクションとを含み、前記要素が、前記第1セクションと第2セクションとの間の領域において支持構造から自由である、請求項18~20のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項25】
前記プリーツ付フィルタメディアが非円形である、請求項1~24のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項26】
前記プリーツ付フィルタメディアが、円形端部の対により接合された平行な側部の対を有するレーストラック形である、請求項1~25のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項27】
前記プリーツ付フィルタメディアが、形状が円形断面を有する円筒形である、請求項1~24のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項28】
前記プリーツ付メディアが前記支持構造に対して取付け無しである、請求項1~27のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項29】
前記プリーツ付メディアが外側部分に沿って制限が無く、それにより、前記プリーツ付メディアがパルス洗浄中に外向きに撓むことを可能にする、請求項1~28のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項30】
前記フィルタ要素が金属無しである、請求項1~29のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項31】
前記フィルタ要素は、内側および外側ライナが無い、請求項1~30のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項32】
前記支持構造が金属構造を含む、請求項1~29のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項33】
前記支持構造が押出成形された構造を含む、請求項1~31のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項34】
前記支持構造がプラスチック構造を含む、請求項1~31および33のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項35】
前記支持構造が押出成形されたプラスチック内側ライナである、請求項1~31、33、および34のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項36】
前記支持構造がエキスパンデッドメタル構造を含む、請求項1~29のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項37】
前記支持構造が内側ライナである、請求項1~29および36のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項38】
前記第1端部キャップと前記第2端部キャップとの間の前記フィルタ要素の長さが少なくとも2インチである、請求項1~37のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項39】
前記第1端部キャップと前記第2端部キャップとの間の前記フィルタ要素の長さが、少なくとも20インチおよび100インチ以下である、請求項1~38のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項40】
ダストコレクタであって、
(a)ハウジングであって、汚れた空気入口と、汚れた空気プレナムと、清浄空気出口と、清浄空気プレナムと、前記汚れた空気プレナムを前記清浄空気プレナムから分離する管板とを有するハウジングと、
(b)前記管板において着脱可能に据え付けられた請求項1~39のいずれか一項に記載の複数のフィルタ要素と
を含むダストコレクタ。
【請求項41】
(a)前記フィルタ要素を洗浄するために、前記フィルタ要素の下流側から上流側へ、前記フィルタ要素内へガスのパルスを放出するために据え付けられた洗浄システムをさらに含む、請求項40に記載のダストコレクタ。
【請求項42】
濾過の方法であって、
(a)請求項40または41に記載のダストコレクタを提供することと、
(b)流体を、プリーツ付フィルタメディアを通って内部容積内へ流れるように導くことと、
(c)前記流体が前記プリーツ付フィルタメディアを通って流れている一方で、前記支持構造を使用することにより前記フィルタメディアが共に崩壊することを防ぐために、前記フィルタメディアを支持することと、
(d)ガスのパルスをフィルタ要素の内部容積内へ定期的に放出することと、前記プリーツ付フィルタメディアが拡張することを可能にするとともに前記フィルタ要素が軸方向に収縮することを可能にすることと
を含む方法。
【請求項43】
明細書において説明されたか図に示された任意の単一の特徴または特徴の組合せを含む、請求項1~39のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項44】
明細書において説明されたか図に示された任意の単一の特徴または特徴の組合せを含む、請求項40または41に記載のダストコレクタおよび請求項43に記載のフィルタ要素。
【請求項45】
明細書において説明されたか図に示された任意の単一の特徴または特徴の組合せを含む、請求項42に記載の濾過の方法および請求項40に記載のダストコレクタおよび請求項43に記載のフィルタ要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、PCT国際特許出願として2017年2月20日に出願され、開示全体が全体として参照により組み込まれる2016年3月2日に出願された米国仮特許出願第62/302,378号明細書の優先権の利益を主張する。
【0002】
この開示は、多孔質支持構造を有するプリーツ付メディアのフィルタ要素に関する。この開示はまた、これらのフィルタ要素を用いるダストコレクタと、フィルタ要素をパルス洗浄する方法とに関する。
【背景技術】
【0003】
プリーツ付メディアのフィルタ要素は管状構造で配置されることが多い。「管状」という用語により、円形、非円形、長円形、楕円形、レーストラック形などであり得る閉鎖ループを意味する。フィルタ要素は、コンプレッサの空気取入口の洗浄又はダストコレクタにおける空気の濾過など様々な用途において使用され得る。多くの場合において、濾過されることになる流体は、外部から、プリーツを通って、管状構造の開いた内部容積に流入する。多くの状況において、内部容積においてプリーツがそれら自体に接触して崩壊することを防ぐために、フィルタ要素の内部容積内からプリーツ付メディアを支持することが望ましい。管状構造が長円形、楕円形、又はレーストラック形である場合、プリーツがそれら自体に接触して崩壊することに伴う問題は、メディア構造の断面形状の形を原因とする問題よりもいっそう大きい。
【0004】
フィルタの内部においてフィルタメディアを支持するための1つの典型的なアプローチは、内部フィルタライナを使用することを含む。内部フィルタライナは金属でできていることが多く、流体が通過することを可能にするように多孔質である。先行技術においては、非金属性内側ライナの使用もあった。
【0005】
ダストコレクタにおいて使用される場合、フィルタ要素は、加圧ガス又は空気のパルスの使用を通じて当該要素をバックフラッシュすることにより定期的に洗浄され得る。フィルタ要素の耐久性は、長いフィルタ寿命にとって重要である。端部キャップ間の長さ全体に延在する内側ライナを有する先行技術の要素において、パルス洗浄プロセスは、フィルタメディアが外向きに撓もうとする際にストレスを引き起こし得る。これは、フィルタメディアが端部キャップに接続されているところでメディアを引裂くこと、または内側ライナにより端部キャップに損傷をもたらすことにより、破壊点をもたらすことがあり、時期尚早の故障、漏出経路、又は他の問題の原因となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
フィルタ要素およびメディア支持体の改良が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この開示の原理によると、フィルタ要素が提供される。フィルタ要素は、内部容積を画定するプリーツ付フィルタメディアの構造を含む。第1および第2対向端部キャップがフィルタメディアの対向端部に固定される。支持構造がフィルタメディアに架かるとともに内部容積において作動可能に方向付けられる。支持構造は第1対向内面から第2対向内面へ延在する。支持構造は、第1端部キャップと第2端部キャップとの間の全延長未満だけ延在するように提供される。
【0008】
支持構造であって、少なくとも1つの端部が自由に浮揚するとともにフィルタ要素の他のどの部分にも取り付けられていないかフィルタ要素の他のどの部分からも分離された支持構造を有する利点の1つは、フィルタ要素が拡張し軸方向に収縮することを可能にするということである。フィルタ要素のパルス洗浄中、当該要素は、メディアを外向きに撓ませ(拡張させ)、次いで元の形状に戻すことを可能にされる。これは、動的で、素早く、打つような動きであり得る。これは、メディアからダストを振り落とすことによりフィルタ要素を洗浄するのに役立つ。
【0009】
支持構造は、プリーツ付または押出成形された構造のうちの1つを含み得る。
【0010】
プリーツ付構造の支持構造の各々のプリーツは、フィルタメディアのプリーツの方向に略平行に延在し得る。
【0011】
プリーツ付構造は半剛性のプリーツ付スクリーンを含み得る。
【0012】
支持構造は非金属であってもよい。
【0013】
第1端部キャップは、内部容積と連通している開いた端部キャップであり得る。
【0014】
第2端部キャップは閉鎖された端部キャップであり得る。
【0015】
1つまたは複数の実施形態において、支持構造は第2端部キャップに固定される。
【0016】
いくつかの配置構成において、支持構造は、第1端部キャップに固定されておらず、第1端部キャップから自由である。
【0017】
いくつかの配置構成において、支持構造は、第1端部キャップに固定された第1セクションと、第2端部キャップに固定された第2セクションと、第1セクションと第2セクションとの間の領域における支持構造が無い要素とを含み得る。
【0018】
支持構造が、第2端部キャップに固定されておらず第2端部キャップから自由である一方で、支持構造は第1端部キャップに固定されてもよい。
【0019】
プリーツ付メディアは非円形であってもよい。
【0020】
プリーツ付フィルタメディアは、円形端部の対により接合された平行な側部の対を有するレーストラック形であってもよい。
【0021】
1つまたは複数の実施形態において、フィルタ要素は無金属である。
【0022】
いくつかの配置構成において、フィルタ要素は内側および外側ライナが無い。
【0023】
いくつかの配置構成において、支持構造は金属構造を含む。
【0024】
いくつかの実施形態において、支持構造は押出成形された構造を含む。
【0025】
1つまたは複数の配置構成において、支持構造は押出成形されたプラスチック内側ライナである。
【0026】
支持構造はエキスパンデッドメタル構造を含み得る。
【0027】
支持構造は内側ライナとして実現され得る。
【0028】
第1端部キャップと第2端部キャップとの間のフィルタ要素の長さは少なくとも2インチであり得る。
【0029】
第1端部キャップと第2端部キャップとの間のフィルタ要素の長さは少なくとも20インチおよび100インチ以下であり得る。
【0030】
別の態様において、ダストコレクタが提供される。ダストコレクタは、ハウジングであって、汚れた空気入口と、汚れた空気プレナムと、清浄空気出口と、清浄空気プレナムと、汚れた空気プレナムを清浄空気プレナムから分離する管板とを有するハウジングを含む。上記で様々に特徴付けられたとおり、複数のフィルタ要素は管板において着脱可能に据え付けられる。
【0031】
ダストコレクタは、フィルタ要素を洗浄するために、フィルタ要素の下流側から上流側へ、フィルタ要素内へガスのパルスを放出するために据え付けられた洗浄システムをさらに含み得る。
【0032】
別の態様において、濾過の方法は、上で特徴付けられたダストコレクタを提供することを含む。流体を、フィルタメディアを通って内部容積内へ流れるように導くステップがある。流体はプリーツ付フィルタメディアを通って流れているが、支持構造を使用することによりフィルタメディアが共に崩壊することを防ぐために、フィルタメディアを支持するステップがある。本方法は、ガスのパルスをフィルタ要素の内部容積内へ定期的に放出することおよびフィルタメディアが拡張し軸方向に収縮することを可能にすることを含む。
【0033】
本明細書において説明された特定の特徴の全てが、配置構成において、当該配置構成が本開示によるいくつかの選択された利点を有するために、組み込まれなければならないわけではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】この開示の態様によるフィルタ要素を用いる例示的ダストコレクタの概略図である。
【
図2】この開示の態様によるフィルタ要素の正面図である。
【
図5】
図2~4のフィルタ要素に組み込まれ得るフィルタメディアおよび支持構造の斜視図である。
【
図6】
図2のフィルタ要素の断面図であり、断面は
図2の線6-6に沿ったものである。
【
図9】
図1のダストコレクタにおいてパルス洗浄されている間の
図2のフィルタ要素の概略側面図である。
【
図10】
図2のフィルタ要素の代替実施形態の断面図であり、断面は
図2の線6-6に沿ったものである。
【
図11】
図2のフィルタ要素の別の代替実施形態の断面図であり、断面は
図2の線6-6に沿ったものである。
【
図12】
図5のフィルタメディアおよび
図2~4のフィルタ要素と共に使用可能な支持構造の代替実施形態の斜視図である。
【
図13】
図1のダストコレクタにおいて使用可能なフィルタ要素の別の実施形態の分解斜視図である。
【
図15】
図1のダストコレクタにおいて使用可能なフィルタ要素の別の実施形態の分解斜視図である。
【
図17】この開示の態様によるフィルタ要素の別の実施形態の正面図である。
【
図20】
図17のフィルタ要素の断面図であり、断面は
図17の線20-20に沿ったものである。
【
図21】
図20の断面の上セクションの拡大図であり、断面は
図20においてはAで示されている。
【
図22】
図20のフィルタ要素の底部セクションの拡大図であり、断面は
図20においてはBで示されている。
【
図23】この開示の態様によるフィルタ要素の別の実施形態の正面図である。
【
図27】
図23~26のフィルタ要素において使用されるレールのうちの1つの正面図である。
【
図29】この開示の態様によるフィルタ要素の別の実施形態の正面図である。
【
図33】
図29~32のフィルタ要素において使用されるレールのうちの1つの正面図である。
【
図35】この開示の態様による別のフィルタ要素の側面図である。
【
図36】
図35のフィルタ要素の正面、断面図であり、断面は
図35の線36-36に沿ったものである。
【
図37】
図36に示されたフィルタ要素の部分Aの拡大図である。
【
図38】この開示の態様による別のフィルタ要素の正面図である。
【
図42】
図38~41のフィルタ要素において用いられるレールのうちの1つの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
A.例示的ダストコレクタ。
図1は、この開示の原理により構築されたフィルタ要素が用いられ得る1つの例示的適用形態を示す。ダストコレクタ10がハウジング12を含む。ハウジング12は、矢印16で示されるとおり、濾過されていない、または汚れた空気を取り込むための入口14を有する。ハウジング12は内部に汚れた空気プレナム18を画定する。汚れた空気プレナム18はまた、この開示の原理により構築された複数のフィルタ要素20が据え付けられる場所である。フィルタ要素20は、汚れた空気プレナム18における空気から粒子(例えばダスト)を除去する。
【0036】
フィルタ要素20を通過後、清浄な、または濾過された空気は清浄空気プレナム22に流入する。清浄空気プレナム22もハウジング12の内部にある。清浄な空気は、矢印24で清浄空気出口26を通って流れる。
【0037】
管板28が、ハウジングの内部を汚れた空気プレナム18と清浄空気プレナム22との間で分割する。管板28は典型的には板金でできており、フィルタ要素20が管板28内に着脱可能に据え付けられるように、要素20を保持するための複数の穴または開口を有する。汚れた空気がフィルタ要素を迂回して、フィルタ要素20により濾過されずに清浄空気プレナム22に流入することを防ぐために、フィルタ要素20は管板28に着脱可能に密封される。
【0038】
空気から除去された粒子およびダストが重力により落下するとともに傾斜した壁30に沿って落下するように、ハウジング12は汚れた空気プレナム18において傾斜した壁30を有し得る。ベース32には、汚れた空気プレナム18から汚れを除去するために、ドラムまたは他のタイプのコレクタがあり得る。
【0039】
フィルタ要素20は、要素20の下流側から上流側へ加圧空気などガスのパルスを放出することにより、定期的に洗浄される。これは、フィルタ要素20をバックフラッシュするとともにフィルタ要素20の上流側に蓄積したいずれのダストまたは汚れも除去する一方法である。この実施形態において、洗浄システムは34で示される。洗浄システム34は、複数のノズル38を有する吹管36を含む。この実施形態において、各フィルタ要素20につき1つのノズル38が示されている。しかしながら、他の実施形態において、要素毎に1つのノズルは必ずしも必要ではない。吹管36は加圧空気供給器40と連通しており、加圧空気供給器40はヘッダーパイプ42およびパルスバルブ44と連通している。他の実施形態も可能であり、これは一例に過ぎない。
【0040】
作動中、汚れた空気が汚れた空気入口14を通って、汚れた空気プレナム18へ流入し、次いで、フィルタ要素20の少なくとも1つを通って流れる。フィルタ要素20は汚れおよび粒子を空気から濾過または除去することになる。清浄な濾過された空気は、清浄空気出口26を通ってダストコレクタ10を出る前に、要素20の下流側を通って清浄空気プレナム22に流入する。フィルタ要素20は、加圧ガスまたは空気のパルスを、要素20の下流側から要素20の上流側内へ流すことにより、ノズル38からフィルタ要素20内へ放出することにより、定期的に洗浄される。これが済むと、下流側から上流側へ各要素20上に圧力差がある。先行技術システムにおいて、この圧力差は、一方または両方の端部キャップで引裂くことによりフィルタ要素が機能しなくなることを招き得る。本フィルタ要素20は、フィルタ要素20が、端部キャップのうちの1つに沿った故障無しに、フィルタメディアが外向きに拡張するか撓むとともにその長さに沿って軸方向に収縮することを可能にするように構成される点で先行技術に勝る改良形態である。フィルタ要素20に対する有利な構造物が以下でさらに説明される。
【0041】
B.改良されたフィルタ要素20
図2~11は、ダストコレクタ10において使用可能なフィルタ要素20の例示的実施形態の図である。フィルタ要素20はプリーツ付メディア50の構造を含む。プリーツ付メディア50は内部容積54を画定する管状形状52であり得る。管状形状52は、円形、非円形、楕円、卵形、長方形、楕円形、またはレーストラック形など閉鎖ループを形成する任意の形状であり得る。
図2~4に示される実施形態において、フィルタ要素20は、それが湾曲した端部58、59により接合された対向する平行な側部56、57の対を有するという点でレーストラック形である。
図13~16の実施形態において、フィルタ要素20は円筒形であり、プリーツ付メディア50が略円形の断面を有する円筒形である。
【0042】
プリーツ付メディア50は複数のプリーツ60を有する。
図2において、明瞭さを目的としてプリーツ50のうちのいくつかのみが示されている。プリーツ60は、図示の実施形態において、外側プリーツ先端61と内側プリーツ先端62とを有する。外側プリーツ先端61はプリーツ付メディア50の外部に沿っている。内側プリーツ先端62は内部容積54に沿っている。プリーツ付メディア50は、管状形状であるとき、内側プリーツ先端62に略対応する第1および第2対向面64、66を有する。
【0043】
フィルタ要素20は第1端部キャップ72を含む。要素20の反対側端部には、第2端部キャップ74がある。第1端部キャップ72および第2端部キャップ74は、フィルタメディア50の対向端部に固定される。
【0044】
図示の例において、第1端部キャップ72は、内部容積54と連通している開口73を有する開いた端部キャップである。第2端部キャップ74は開かれることも閉鎖されることもでき、図示の実施形態において、これは閉鎖された端部キャップである。
【0045】
プリーツ付メディア50は、例えば端部キャップ72、74内にプリーツ付メディア50の端部を成形することにより第1および第2端部キャップ72、74に固定され得る。いくつかの例において、第1端部キャップ72および第2端部キャップ74は非金属の成形材料でできている。いくつかの例において、第1および第2端部キャップ72、74は他のタイプの材料でできていることができ、例えばメディア50を注封材料の使用を通じて固定させ得る。端部キャップ72、74は典型的にはウレタン材料でできている。
【0046】
フィルタ要素20は、要素20と要素20が設置された任意の構造との間に気密シールを提供するために、典型的には密封構造またはガスケットを有する。例えば、ダストコレクタ10において使用される場合、開いた端部キャップ72と管板28との間に、それらの間に密封を形成するために、通常はシールまたはガスケットがある。
【0047】
フィルタ要素20は支持構造80をさらに含む。支持構造80はプリーツ付フィルタメディア50を支持する。「支持」という用語により、一般に、対向する力に抵抗するための構造的機構を意味する。支持構造80は、プリーツの崩壊およびフィルタ要素20の内部を通じた破砕を防ぐ。「プリーツの崩壊」により、支持構造80が、個々のプリーツが要素20の内部容積54に向かって内部へ崩壊すること、および要素20が内部を通じて一緒に破砕することを防ぐことを意味する。
【0048】
支持構造80はプリーツ付メディア50の内部容積54において作動可能に方向付けられる。多くの例において、支持構造80はプリーツ付メディア50を支持する。これは第1対向内面64から第2対向内面66へ延在し得るか、第1対向内面64と第2対向内面66との間に架かり得る。例えば、支持構造80は、プリーツ付メディア50を構造的に支持するために第1対向内面64から第2対向内面66へ延在する。
【0049】
支持構造80は、内部容積54において作動可能に方向付けられていると同時に、プリーツ付メディア50を構造的に支持するか補強するように機能する。
図2~12の実施形態において、支持構造80はプリーツ付メディア50のための内側ライナではない。
図2~12の例において、支持構造80は、内側ライナが無い場合プリーツ付メディア50を構造的に支持することができるか、それらは支持剛性内側ライナを含み得る。いくつかの実施形態において、フィルタ要素20全体は内側ライナ無しであり得る。さらなる例示的実施形態において、フィルタ要素20は外側ライナも内側ライナも無い。しかしながら、他の実施形態において、
図13~16の実施形態に関連して分かり得るとおり、これらの実施形態における支持構造80は内側ライナ200である。
【0050】
1つまたは複数の実施形態において、フィルタ要素20は、内部容積54を裏張りする内側スクリーン83を含む。内側スクリーン83は、要素20の構造的補強を提供するための支持的および剛性内側ライナ、または要素20を構造的に補強しない非支持ライナの形の何れかを含む多くの形において実現され得る。いくつかの実施形態において、内側スクリーン83は非金属、例えばプラスチックであり得、空気流が通るのを可能にするために開いた格子を形成する多孔質であり得る。スクリーン83は、第1端部キャップ72および第2端部キャップ74の各々の間に延在し得るとともに、第1端部キャップ72および第2端部キャップ74の各々に固定され得る。代替的に、内側スクリーン83は、第1端部キャップ72と第2キャップ74との間に部分的にのみ延在し得る。いくつかの実施形態において、内側スクリーン83は第2端部キャップ74に固定されるとともに、内側プリーツ先端62に沿って第1端部キャップ72までの長さの一部に延在する。他の実施形態において、内側スクリーン83は第1端部キャップ72に固定され得るとともに、第2端部キャップ74までの長さの一部に延在し得る。内側スクリーン83は穿孔された表面仕上げを含み得る。
【0051】
この開示の原理によると、支持構造80は、第1端部キャップ72と第2端部キャップ74との間の全延長未満だけ延在する。好ましくは、支持構造80は、フィルタ要素20の残りの部分に固定されていないか取り付けられていない少なくとも1つの自由浮揚性端部を有する。
【0052】
好ましい配置構成において、支持構造80は内側プリーツ先端62に接合されない。すなわち、支持構造80は、内側プリーツ先端62に対して取付け無しまたは接合無しである。外側プリーツ先端61は、パルス洗浄中に自由に外向きに撓む。
【0053】
図6~8に示された実施形態において、支持構造80は第2端部キャップ74に固定される。この実施形態において、支持構造80は第1端部キャップ72に固定されておらず、第1端部キャップ72から自由である。
図6~8に見られ得るとおり、支持構造80は第2端部キャップ74内で封入および固定され、第1端部キャップ72までのフィルタ要素20の長さ(端部キャップ72、74間)の全延長未満だけ延在する。
図7において見られ得るとおり、この実施形態において、支持構造80の自由端部81と第1端部キャップ72との間に空間または間隙78がある。空間または間隙78は支持構造の無い開いた容積である。支持構造80は、第1端部キャップ72と第2端部キャップ74との間の全延長の第1端部キャップ72から50%未満、典型的には25%未満、およびしばしば10%未満の距離だけ間をあけて配される。
【0054】
多くの配置構成が可能である。例えば、
図10の配置構成において、支持構造80は第1端部キャップ72に固定され、第2端部キャップ74には固定されておらず、第2端部キャップ74から自由である。
図10において、支持構造80は、第1端部キャップ72と第2端部キャップ74との間の全長の50%超および99%未満だけ延在する。例えば、支持構造80は端部キャップ72と端部キャップ74との間の全長の80%~98%だけ延在し得る。
【0055】
図11の実施形態において、支持構造80は、第1端部キャップ72に固定された第1セクション82と第2端部キャップ74に固定された第2セクション84とを含む。フィルタ要素20は、軸方向に第1セクション82と第2セクション84との間に位置する支持構造の無い領域86において支持構造から自由である。
図11において示された例において、領域86は第1端部キャップ72と第2端部キャップ74との間の略中心である。支持体無し領域86は第1端部キャップ72と第2端部キャップ74との間の長さに沿ったいずれの場所にも位置し得ることが理解される。領域86は、端部キャップ72と端部キャップ74との間の全長の30%未満、典型的には20%未満、しばしば10%未満の長さを有する。
【0056】
支持構造80は、様々な方法で端部キャップ72、74の1つまたは複数へ取り付けられ得る。例えば、支持構造80は、端部キャップ72、74がそれと接合された状態で成形され得る。支持構造80はまた、注封材料で端部キャップ72、74へ注封され得る。接着剤、接合剤、または他の接合技術を使用することを含む他の方法も使用され得る。
【0057】
支持構造80について可能である多くの実施形態がある。
図5に示された例において、支持構造80はプリーツ付構造90を含む。プリーツ付構造90は、複数のプリーツ92を備えた少なくとも部分セクションを有する。プリーツ付構造90における複数のプリーツ92は、プリーツ付フィルタメディア50におけるプリーツ60の方向に対して平行または非平行な方向に延在し得る。好ましくは、プリーツ92は、プリーツ付フィルタメディア50のプリーツ60の方向に対して平行な方向に延在する。内側スクリーン83を含む実施形態において、内側スクリーン83は、プリーツ付フィルタメディア80が支持構造80のプリーツ92と相互係止するのを防ぐ。穿孔された表面仕上げまたは内側スクリーン83を含む実施形態において、プリーツ付構造90は、その対向側部に穿孔された表面仕上げ83を含み得る。
【0058】
他の実施形態において、プリーツ92の方向は、プリーツ付フィルタメディア50のプリーツ60の方向に対して非ゼロの角度の角度が付いていてもよい。1つまたは複数の実施形態において、角度は、少なくとも45度、しばしば少なくとも70度、例えば角度80~100度であり得る。
【0059】
プリーツ92は典型的には、プリーツ付フィルタメディア50の内部容積54の第1対向内面64から第2対向内面66へ延在する。
【0060】
プリーツ付構造90は多くのタイプの材料から作られ得る。好ましい構造物において、プリーツ付構造90は半剛性のプリーツ付スクリーン94を含む。プリーツ付スクリーン94はプラスチックまたは強化されたセルロースから作られ得る。プリーツ付スクリーン94は、開いたスクリーンまたはメッシュを有し、流体がそれを通じて流れることを可能にする。好ましくは、プリーツ付構造90は60%以下の空所容積を有する。
【0061】
第1端部キャップ72と第2端部キャップ74との間のフィルタ要素20の全長は少なくとも2インチであることが多い。いくつかの実施形態において、長さは50インチを超え得る。多くの実施形態において、第1端部キャップ72と第2端部キャップ74との間のフィルタ要素の長さは少なくとも20インチおよび100インチ以下である。フィルタ要素20は、それが無金属であるように、非金属材料から作られ得る。
【0062】
プリーツ付構造90は、第1端部キャップ72と第2端部キャップ74との間の全延長未満だけ延在する。上で説明されたとおり、これは、プリーツ付構造90の反対側端部98が浮くこと、および反対側の端部キャップまたはフィルタ要素20の他の任意の部分への接続が無いことを可能にする一方で、プリーツ付構造90の一端96を端部キャップ72、74のうちの1つに固定することにより実装され得る。
図11はまた、プリーツ付構造90を端部キャップ72、74の両方に固定するが、このとき支持構造80から自由である不連続領域86を有する実施形態を示す。
【0063】
少なくとも1つの端部が自由に浮揚するとともにフィルタ要素の他のどの部分にも取り付けられていないかフィルタ要素20の他のどの部分からも分離されている支持構造80を有する利点の1つは、フィルタ要素20が拡張および軸方向に収縮することを可能にすることである。
図9を参照。ダストコレクタ10におけるフィルタ要素20のパルス洗浄中、要素20は、メディア50を外向きに撓ませて(拡張させて、
図9における破線50を参照)、その後元の形状に戻すことを可能にされ(
図9における実線50を参照)、これは矢印70により表される動的で、素早く、打つような動きであり得る。これは、メディア50からダストを振り落とすことによりフィルタ要素20を洗浄するのに役立つ。端部キャップ間の長さ全体に延在する内側ライナを有する先行技術の要素において、パルス洗浄プロセスは、フィルタメディアが外向きに撓もうとする際にストレスを引き起こし、メディアが端部キャップに接続されているところでメディアを引裂くことにより破壊点をもたらし、時期尚早の故障、漏出経路、または他の問題をもたらす。フィルタ要素20は、支持構造80が、少なくとも1つの自由端部であって、分離されており、取り付けられておらず、要素20内で自由に浮揚する少なくとも1つの自由端部を有することから、この問題を回避し、要素20が、端部キャップ72、74が互いにより近くに寄りメディア50が半径方向に外向きに撓む際に軸方向に収縮することを可能にする。支持構造80はまたプリーツの崩壊を防ぐ。
【0064】
支持構造80の別の実施形態が
図12に示される。
図12の実施形態において、支持構造80は押出加工または射出成形された構造である。
図12に示された例において、支持構造80は複数の円柱120を含む。円柱120は複数の交差ブレース122で互いに固定される。図示の例において、互いから間をあけて配された2つの円柱124、125がある。円柱124、125は多孔質であり中空円柱として示されているが、任意の形状であり得る。交差ブレース122は円柱に垂直に示されているが、円柱124、125に対して様々な角度であり得る。円柱124、125および交差ブレース122は、プラスチック押出加工から、または射出成形により作られ得る。交差ブレース122は、図示の例において、互いから間隔を空けて配された8つであるが、より多いまたは少ない数であり得る。対向レールが各柱124、125の対向側部に固定された状態で、各交差ブレース122は断面がはしご形として示される。
【0065】
図13~16の実施形態において、フィルタ要素20の代替実施形態が示される。これらの実施形態において、支持構造80は内部コアまたは内側ライナ200である。
図13~16は、円形断面を有する円筒形要素20を示す。プリーツ付メディア50はシリンダを形成するとともに開いたフィルタ内部54を画定する。内側プリーツ先端62に隣接するフィルタ内部54を裏張りするのは内部コア200である。内部コア200は典型的には自由であり、内側プリーツ先端62に取り付けられていない。
【0066】
図13~14において、内部コア200は非金属である。いくつかの例において、それはプラスチックである。
図13~14の例示的実施形態において、内部コア200は押出成形されたプラスチック内側ライナ202である。
【0067】
図15~16において、内部コア200は金属である。
図15~16のいくつかの例示的実施形態において、内部コアは、穿孔されたメタルライナ204またはエキスパンデッドメタルライナ204のいずれかである。
【0068】
図13~16におけるフィルタ要素20の対向端部には端部キャップ72、74がある。他の実施形態と同様に、内部コア200として示された支持構造80は第2端部キャップ74に固定される。これらの実施形態において、内部コア200は、第1端部キャップ72に固定されておらず、第1端部キャップ72から自由である。内部コア200は第2端部キャップ74内に封入および固定されるとともに、第1端部キャップ72までのフィルタ要素20の長さ(端部キャップ72、74の間)の全延長未満だけ延在する。この実施形態において、内部コア200の自由端部81と第1端部キャップ72との間に空間または間隙78がある。空間または間隙78は支持構造の無い開いた容積である。内部コア200は、第1端部キャップ72と第2端部キャップ74との間の全延長の第1端部キャップ72から50%未満、典型的には25%未満、およびしばしば10%未満の距離だけ間をあけて配される。
【0069】
図17~22はフィルタ要素20の別の実施形態を示す。この実施形態において、支持構造80は第1端部キャップ72および第2端部キャップ74の両方に固定されていないとともに、第1端部キャップ72および第2端部キャップ74の両方から自由である。
図20~22において見られ得るとおり、支持構造80は、支持構造80の自由端部83と第2端部キャップ74との間の空間または間隙79だけでなく、支持構造80の自由端部81と第1端部キャップ72との間の空間または間隙78により間隔をあけて配される。
【0070】
図24~44は、レールシステム300を中に包含する実施形態における相違を示す。レールシステム300は、線形支持をフィルタ要素20に提供するとともに軸方向ツイストおよびフィルタの揺れを防ぐが、要素20への損傷を防ぐためにパルス中のプリーツ付メディア50の移動を可能にする一方で、要素20のパルス洗浄を可能にするように、線形軸受と同様に作用し、より長い要素寿命をもたらす。
【0071】
図24~28の実施形態において、フィルタ要素20のレールシステム300は少なくとも第1レール302を含む。第1レール302は、第1レール302の第1端部303で、および/または、第1レール302の第1端部303に隣接して、第1端部キャップ72に固定される。第1レール302は第2端部キャップ74を通して位置付けられる。多くの有利な実施形態において、第1レール302は第2端部キャップ74を通って摺動可能に延在する。第1レール302は、第1レール302の第2自由端部305が、フィルタ要素20の残りの部分から離れるように突出する位置で第2端部キャップ74の外側にあるように、第2端部キャップ74を通って摺動可能に延在する。
【0072】
図23~28の実施形態を依然として参照すると、いくつかの実施形態において、レールシステム300は第2レール304も含み得る。第2レール304は第1レール302から間隔をあけて配される。第2レール304は第1端部キャップ72に、第1端部306で/または第1端部306の近くで固定され、これは第2端部キャップ74を通って摺動可能に延在する。第2レール304は、第2端部キャップ74の外部にあるとともにフィルタ要素20の残りの部分から離れる方向に突出または延在する第2端307を有する。
【0073】
図23の実施形態において、第1レール302および第2レール305がどのようにプリーツ付メディア50の構造の外部に位置するか分かり得る。
図23に示された実施形態において、第1レール302および第2レール304はフィルタ要素20の対向部分にある。具体的には、
図23のレーストラック形実施形態において、第1レール302および第2レール304は要素20の対向半円端部上にあり得る。これは、レール302の端部305が見え得るように、第1レール302が半円端部で端部キャップ74を通って突出している状態でボトムエンドキャップ74が見えるという点で、
図25において分かり得る。第2レール304の端部307は対向半円端部で端部キャップ74を通って突出しているのが見える。
【0074】
図27はレール302、304の各1つの正面図を示し、各々は外観が同一である。レール302、304の上面図は
図28に示される。この実施形態において、レール302、304は円形断面を有する。
【0075】
図23~28の要素20がパルス洗浄されるとき、プリーツ付メディア50は
図9に示されるとおり拡張し、第2端部キャップ74は、第1および第2レール302、304に沿って直線的にスライドすることを可能にされる。
図23の要素20は、
図23において隠線に示された内部支持構造80をさらに含み、上述の支持構造80の先行する実施形態のいずれかであり得、その説明は本明細書において繰り返されない。
【0076】
図29~34の実施形態において、要素20はまた、
図23~28に示されるとおりのレールシステム300を含む。説明は本明細書において繰り返されない。この実施形態において、レール302、304は
図34に示されるとおり長方形断面を有する。
【0077】
図35~37の実施形態において、支持構造80が第1端部キャップ72に固定された第1セクション82および第2端部キャップ74に固定された第2セクション84を有する
図11のフィルタ要素はまた、上述のとおり第1および第2レール302、304を含む。
図35~37におけるフィルタ要素20は、軸方向に第1セクション82と第2セクション84との間に位置する支持構造の無い領域86において支持構造から自由である。レール302、304は、上述のとおり第1端部キャップ72に固定されるとともに第2端部キャップ74内で摺動可能となるように延在する。レール302、304は円形、長方形、または湾曲した断面を有し得る。
【0078】
図38~44の実施形態において、フィルタ要素20はまた、上述のとおり第1レール302および第2レール304を有するレールシステム300を含む。内部支持構造80を含む要素20もまた先に説明された通りである。この実施形態において、第1および第2レール302、304は、
図44において見られ得るとおり湾曲した断面を有する。
図42はレール302、304の正面図であり、
図43はこの実施形態におけるレール302、304の側面図である。
【0079】
C.方法
要素20は濾過の方法において使用可能である。ダストコレクタ、例えばコレクタ10が提供される。汚れた空気は、汚れた空気入口14を通って、汚れた空気プレナム18に入り、次いでフィルタ要素20の少なくとも1つを通って流れる。フィルタ要素20は、空気がプリーツ付メディア50の上流側から下流側へ流れるときに汚れおよび粒子を空気から濾過または除去する。清浄な濾過された空気は、清浄空気出口26を通ってダストコレクタ10を出る前に、プリーツ付メディア50の下流側を通り、開いた端部キャップ72の開口73を通り、清浄空気プレナム22内へ流れる。
【0080】
フィルタ要素20は、加圧ガスまたは空気のパルスを、開いた端部キャップ72を通ってフィルタ内部54内へ流すことにより、ノズル38からフィルタ要素20内へ放出することにより定期的に洗浄される。空気パルスは、次いで、メディア50の下流側から、メディア50を通って、メディア50の上流側へ流れる。これは、プリーツ付メディア50を、例えば半径方向に外向きに撓ませることにより、拡張させ、要素全長を軸方向に収縮させる。パルス後、要素20はその正常な、濾過形状に戻る。パルス洗浄するとともに要素が形状を変えることを可能にすることの行動は、要素20に損害を与えることなくダストをフィルタ要素から除去することおよび要素20を洗浄することに寄与する。
【0081】
上記は例示的原理を表す。多くの実施形態がこれらの原理を適用して作られ得る。
【手続補正書】
【提出日】2021-08-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダストコレクタであって、
(a)ハウジングであって、汚れた空気入口と、汚れた空気プレナムと、清浄空気出口と、清浄空気プレナムと、前記汚れた空気プレナムを前記清浄空気プレナムから分離する管板とを有するハウジングと、
(b)前記管板に着脱可能に据え付けられた複数のフィルタ要素であって、各フィルタ要素がフィルタメディアと内部容積とを有する複数のフィルタ要素と、
(c)前記内部容積において方向付けられた各フィルタ要素を支持する支持構造と
を含み、
(i)前記支持構造が前記フィルタ要素の全延長未満だけ延在する、ダストコレクタ。
【請求項2】
前記支持構造が複数の交差ブレースで一緒に接続された複数の円柱を含む、請求項1に記載のダストコレクタ。
【請求項3】
前記支持構造が非金属である、請求項1に記載のダストコレクタ。
【請求項4】
各フィルタ要素の前記フィルタメディアが前記支持構造に対して取付け無しである、請求項1に記載のダストコレクタ。
【請求項5】
各フィルタ要素の前記フィルタメディアが外側部分に沿って制限が無く、それにより、前記フィルタメディアがパルス洗浄中に外向きに撓むことを可能にする、請求項1に記載のダストコレクタ。
【外国語明細書】