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▶ 藤本 恵介の特許一覧

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  • 特開-カバン 図1
  • 特開-カバン 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082859
(43)【公開日】2022-06-03
(54)【発明の名称】カバン
(51)【国際特許分類】
   A45C 11/00 20060101AFI20220527BHJP
【FI】
A45C11/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020193996
(22)【出願日】2020-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】719004359
【氏名又は名称】藤本 恵介
(72)【発明者】
【氏名】藤本 恵介
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA51
(57)【要約】      (修正有)
【課題】カバンに似せて、指先の鍛錬を行えるようにすることで、公共の場での使用が可能になり、カバンに大型のボタンと同サイズのボタンホールを設けることで、ボタンを掴む・握る・通す一連の動作に、指先を使い・力を掛けるなど、自然と指先を鍛えるようにする。
【解決手段】6面体のカバン10であって、接地面の対となる面(上部)に開口部を設け、カバンの正面開口部付近と背面開口部付近にそれぞれ対称となる持ち手部3と前記背面に帯状の一端を固定するベルト部4と前記正面に設けられ、前記カバンの正面と背面の間の開口部に封をするために前記ベルトの他端を固定するボタン部材2を有することを特徴とするカバン。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
6面体のカバンであって、接地面の対となる面(上部)に開口部を設け、カバンの正面開口部付近と背面開口部付近にそれぞれ対称となる持ち手部と前記背面に帯状の一端を固定するベルト部と前記正面に設けられ、前記カバンの正面と背面の間の開口部に封をするために前記ベルトの他端を固定するボタンを有することを特徴とするカバン。
【請求項2】
前記ベルト部は、伸縮性を有さない布・ポリエチレン等の材料からなることを特徴とする、請求項1に記載のカバン。
【請求項3】
前記ボタン部は、円盤状(楕円形を除く円形)からなることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のカバン。
【請求項4】
前記ベルト部のボタンサイズとボタンホールのサイズは同一のサイズであることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか一項に記載のカバン。
【請求項5】
前記ボタン部は、容易に掴むことができることができる円盤状のボタンの中心を通る直径30mm以上の大型のボタンを特徴とする、請求項1乃至4の何れか一項に記載のカバン。
【請求項6】
前記ベルト部は、上記ボタンの直径サイズより10%以下1%以上の余長を持つ幅広であることを特徴とする、請求項1乃至5の何れか一項に記載のカバン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手提げカバンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から外出などの際に使用されるカバンは、機能性やデザイン性を重視して製作されているものであって、誰でも容易に扱うことができた。(特許文献1参照)本発明で、問題とする「指先の鍛錬(知育・リハビリ・痴呆症予防及び進行低下)」を目的とする場合は、一般に販売されているカバンを用いると、ファスナーや面テープなどで開口部を閉鎖するタイプが主流で容易に取り扱うことが出来てしまうことから、目的を達することが困難であった。
また、数は少ないが一般に販売されているカバンで、開口部をベルトで止めるものもあるが、固定の方式がマグネット式または、バックルタイプが主流で、こちらも先の固定方法と同様に目的を達することが困難であった。
【0003】
外出時に使用するカバンには、リュックタイプなどもあるが、カバンの開口部を紐やバックルで締めるものが主であり、紐式は、指先の機能に問題等がある場合に紐が指や手首などに絡まり、最悪の場合には血流を留める恐れがあり、危険であった。またバックル式は容易に開閉できる機構であるため、同様に目的を達することが困難であった。さらに、リュックタイプは背負うことを目的として制作されたもので、リュック(カバン)の一面と背中が密着することで夏季などでは、背中が汗で濡れてしまい最悪の場合、被れ(湿疹・汗疹など)が発生することがあった。(特許文献2参照)
【0004】
従来からある指先の鍛錬(知育・リハビリ・痴呆症予防及び進行低下)を行うものには複数のものが知られているが、外出時に公共の場(車内・公園のベンチ・ショッピングセンターのベンチ等)などで使用するには人目に付くものが多く(特許文献3参照)、利用する側の羞恥心から屋外(公共の場)での使用を躊躇うことが見受けられたことから、常に使用することが難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】意匠登録第1454797号
【特許文献2】実用新案登録第3060911号広報
【特許文献3】特許第6736115号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、特許文献3のように屋外(公共の場)などで使用することで周囲からの好奇の目で見られることのない、外出時にも一般のカバンの様に使用できる「指先の鍛錬機能」を有するカバンに関するもので、特許文献1ではボタンのサイズが小さく、ボタンホールもボタンのサイズより大きいため、指に何らかの支障をきたしている、または未発達の場合にもボタンを認識が出来できれば、容易に扱う(掴む・摘まむ・ホール穴に通すなど)ことが可能であり、指先の鍛錬などに使うことが出来なかったことを解決するものである。また、特許文献2では、背中に背負うことで汗などによる被れ(湿疹・汗疹など)の問題や荷物を背負うことで、物の重さを指先などで感じることが出来ず、理解しにくくなっていることを解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
6面体のカバンであって、接地面の対となる面(上部)に開口部を設け、カバンの正面開口部付近と背面開口部付近にそれぞれ対称となる持ち手部と前記背面に帯状の一端を固定するベルト部と前記正面に設けられ、前記カバンの正面と背面の間の開口部に封をするために前記ベルトの他端を固定するボタンを有することを特徴とするカバン。
【0008】
前記ベルト部は、伸縮性を有さない布・ポリエチレン等の材料からなることを特徴とする、請求項1に記載のカバン。
【0009】
前記ボタン部は、円盤状(楕円形を除く円形)からなることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のカバン。
【0010】
前記ベルト部のボタンサイズとボタンホールのサイズは同一のサイズであることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか一項に記載のカバン。
【0011】
前記ボタン部は、容易に掴むことができることができる円盤状のボタンの中心を通る直径30mm以上の大型のボタンを特徴とする、請求項1乃至4の何れか一項に記載のカバン。
【0012】
前記ベルト部は、上記ボタンの直径サイズより10%以下1%以上の余長を持つ幅広であることを特徴とする、請求項1乃至5の何れか一項に記載のカバン。
【発明の効果】
【0013】
本発明のカバンを使用することで、大きなボタンがボタンホールのサイズと同一の為、ボタンを握る・摘まむは容易であるが、留める・外す動作を行う場合、ボタンホールに沿って真っすぐに正確に入れないと通らない為、使用者はボタンが大きく簡単に掴めているが、なぜ上手くボタンがボタンホールを通らないのかと何度もチャレンジすることで、考える力、ボタンを掴む力、ボタンをホールに通そうとする指先の押す力が自然と鍛えられる効果がある。ボタンとベルト部に適度の余長を持たすことで、片手でボタンを掴みもう一方の手でベルトを支えることが容易になり、上記の作業へのチャレンジ心をそがないように工夫を施したことで、使用頻度が増える効果が期待できる。
【0014】
本発明のカバンに取り付けたベルトが、収縮性を有さないことでカバン上部の開口部の開口幅が必然的に決まることで、カバンに収納する荷物を工夫して入れる必要性が発生することで、荷物の出し入れを行う回数が増える。その際に指を使い荷物を掴み離す動作を行うことで、指先の使用頻度が増える効果が期待できる。
【0015】
本発明のカバンは小型のサイズにしたことで、電車・乗用車・椅子などに座った状態でも足の上に本発明のカバンをのせて扱うことが容易にできるようになっていることで、無意識に足をそろえることが出来、姿勢などを整える効果も生まれる。また、従来からの指先の鍛錬に用いた道具などとは違い、見た目が一般的な小さなカバンであることで、他者から見ても違和感がなく鍛錬を行うことが何時・何処でも行うことが出来る効果が期待できる。
【0016】
本発明のカバンは、立方体型の形とすることでカバン内に入れることが出来る荷物の限定や前記の電車・乗用車などの揺れる車内においても、カバン自体の直立が維持されることで、指先の機能等に問題がある方や小さい子供でも、床や地面に落下させるリスクを最小限にとどめることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明のカバンの外観を示す斜視図である。
図2】本発明におけるカバンの正面を示す投影図である。
図3】本発明におけるカバンの側面を示す投影図である。
図4】本発明におけるベルトを示す投影図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明におけるカバンの全体を示す斜視図である。カバンは伸縮性能を有しない素材であれば特に限定されないが、本発明においては使用頻度が多いため、丈夫な生地であるデニム系または、頒布系の生地から選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、入手のしやすさや生地の丈夫さからデニム系が特に好ましい。
【0019】
図2は、本発明におけるカバンの正面図である。図2及び図3におけるAは、カバンの深さであって、足の上に置いた際に扱いやすい深さとなり、外出時にカバンに入れる荷物(携帯電話・財布・鍵ケース・小型のPETボトルなど)を考量すると、100mmから200mmとすることが好ましく、120mmから180mmとすることがより好ましく、近年販売されている携帯電話の標準的な大きさが132mm~150mmであることから、140mm程度とすることが望ましい。
参考資料:携帯電話各社(NTTドコモ・au・Softbank)のホームページより参照
【0020】
図2におけるBは、幅方向の長さであって、カバンを持った際の幅となり、150mmから300mmとすることが好ましく、200mmから250mmとすることがより好ましく、さらに、一般的に販売されている長財布の横幅が平均195mmであることから、200mmとすることが望ましい。
参考資料:Yahoo!ショッピングサイトの販売店の商品資料より算出
【0021】
図2におけるCは、ベルトの幅であって、40mmから80mmとすることが好ましく、50mmから70mmとすることがより好ましく、さらに一般的に販売されている飲料用ペットボトル(500mlサイズ)の直径の平均が65mmであることから、60mmとすることが望ましい。
参考資料:和光理化株式会社ホームページなどを参照
【0022】
図2におけるDは、ボタンの大きさであって、日本人の男女における指の長さ(平均68.22mm)を考量し、30mmから70mmとすることが好ましく、40mmから60mmとすることがより好ましく、さらに本製品の特徴から痴呆症の方などが使用された際の、誤飲の防止などの観点から50mmとすることが望ましい。
参考資料:国立研究開発法人産業技術総合研究所(第1指長~第5指長)の男女の長さの平均を算出
【0023】
図2図3および図4におけるEは、持ち手の高さであって、Eの高さは図2及び図3におけるAの長さの20%から50%とすることが好ましく、35%から45%とすることがより好ましく、バランスよく持ちやすい大きさでは40%とする。またこの際の、持ち手の長さは図2におけるBの長さの150%を超えないようにする。
【0024】
具体的には、カバン本体と持ち手の高さCは、20mmから100mmとすることが好ましく、24mmから90mmにすることがより好ましく、70mmとする。
【0025】
図2における持ち手(図示せず)の太さは、20mmから50mmとすることが好ましく、30mmから40mmとすることがより好ましく、さらに日本人の指の長さ(平均68.22mm)から握りやすい太さでは35mmとする。
参考資料:国立研究開発法人産業技術総合研究所(第1指長~第5指長)の男女の長さの平均を算出
【0026】
図2図3及び図4におけるFは、ベルト部の正面側の長さであって、70mmから150mmとすることが好ましく、80mmから120mmとすることがより好ましく、さらに日本人の手の幅(平均81.1mm)から掴んで、引っ張りやすい100mmとする。
参考資料:国立研究開発法人産業技術総合研究所(手幅)の男女の長さの平均を算出
【0027】
図3におけるGは、カバンの幅であって、35mmから95mmとすることが好ましく、55mmから75mmとすることがより好ましく、さらに60mmにすることで、カバンに収納した荷物(携帯電話・財布・鍵ケース・小型の水筒など)が動くことが少なく容易に運ぶことができる。
【0028】
図4におけるHは、ベルト部の遊び部分で荷物を入れた際にカバンがある程度膨らむことを想定した長さで、図3のGの長さよりも2倍程度の長さとする。
【0029】
具体的には、70mmから190mmとすることが好ましく、110mmから150mmとすることがより好ましく、さらに120mmとすることで程よい荷物が収納できるものである。
実験:1歳児及び2歳児複数人に試作品を使用させた結果
【0030】
図4のおけるI及びJは、ボタンホール中央の位置を示すもので図2図3および図4のFの長に対し、40:60から65:35とするのが好ましく、45:55から60:40とすることがより好ましくなるが、バランスの関係から55:45の比率で中央部を決定するものである。
【0031】
図4におけるボタンホール(図示せず)の大きさは、段落0022に記載のボタンの大きさと同等であることが望ましいが、ボタンの大きさより数mm(1mmから5mm程度)のサイズアップまでは本発明のカバンの目的を著しく低下させるものではないと考えられるため、対応可能とする。
【符号の説明】
【0032】
1 カバン生地部材
2 ボタン部材
3 持ち手部
4 ベルト部
10 カバン
図1
図2
図3
図4