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特開2022-82911情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082911
(43)【公開日】2022-06-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220527BHJP
   G06Q 50/12 20120101ALI20220527BHJP
【FI】
G06Q30/02 312
G06Q50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020194080
(22)【出願日】2020-11-24
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.THUNDERBOLT
(71)【出願人】
【識別番号】520460339
【氏名又は名称】株式会社BELLOWL
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】特許業務法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】山本 聖司
(72)【発明者】
【氏名】中村 祥眼
(72)【発明者】
【氏名】松本 良磨
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB02
5L049CC24
(57)【要約】
【課題】顧客の味覚傾向を適正に把握し、味覚傾向に合った飲食物を顧客に提示することができる技術を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、受付部と、判定部と、生成部とを備える。受付部は、ユーザが所定の飲食物のうち少なくとも1品を飲食した後に行ったアンケートの回答をユーザから受け付けるように構成される。アンケートの回答は、飲食した感想を含む。判定部は、アンケートの回答と予め記憶された参照情報とに基づいて、ユーザの所定の飲食物に対する味覚傾向を判定するように構成される。生成部は、味覚傾向に基づいて、参照情報から、所定の飲食物に含まれるまたは関連する商品を抽出して、ユーザに提示する視覚情報を生成するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
受付部と、判定部と、生成部とを備え、
前記受付部は、ユーザが所定の飲食物のうち少なくとも1品を飲食した後に行ったアンケートの回答を前記ユーザから受け付けるように構成され、ここで、前記アンケートの回答は、飲食した感想を含み、
前記判定部は、前記アンケートの回答と予め記憶された参照情報とに基づいて、前記ユーザの前記所定の飲食物に対する味覚傾向を判定するように構成され、
前記生成部は、前記味覚傾向に基づいて、前記参照情報から、前記所定の飲食物に含まれるまたは関連する商品を抽出して、前記ユーザに提示する視覚情報を生成するように構成される、
もの。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記参照情報は、前記所定の飲食物に含まれるまたは関連する複数の商品に対して、味に関する属性情報が付与されているデータベースである、
もの。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記参照情報は、前記所定の飲食物に含まれるまたは関連する複数の商品に対して、香りに関する属性情報がさらに付与されているデータベースである、
もの。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の情報処理装置において、
前記参照情報は、前記所定の飲食物に含まれるまたは関連する複数の商品に対して、味を表すタグが付与されている、
もの。
【請求項5】
請求項2~請求項4の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記参照情報は、前記所定の飲食物に含まれるまたは関連する複数の商品に対して、香りを表すタグが付与されている、
もの。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の情報処理装置において、
前記生成部は、抽出された前記商品を、前記タグとともに、前記ユーザに提示する視覚情報を生成するように構成される、
もの。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記生成部は、前記ユーザの前記味覚傾向を前記ユーザに提示する視覚情報をさらに生成するように構成される、
もの。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理装置において、
前記ユーザの前記味覚傾向を前記ユーザに提示する視覚情報は、グラフを含み、ここで、前記グラフにおいて、縦軸は味の強度を示す軸であり、横軸は時間軸である、
もの。
【請求項9】
請求項1~請求項8の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記生成部は、抽出された前記商品を、推薦順位がユーザに把握可能な態様で前記ユーザに提示する視覚情報を生成するように構成される、
もの。
【請求項10】
請求項1~請求項9の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記視覚情報は、押下することで抽出された前記商品の注文を可能にするオブジェクトを含む、
もの。
【請求項11】
請求項1~請求項10の何れか1つに記載の情報処理装置において、
管理部をさらに備え、
前記管理部は、前記生成部が前記商品を抽出して前記ユーザに提示した後にも前記ユーザの前記味覚傾向を記憶領域に記憶させて管理するように構成され、
前記生成部は、前記ユーザの前記味覚傾向がすでに前記記憶領域に記憶されている場合、記憶されている前記味覚傾向に基づいて、前記参照情報から、前記所定の飲食物に含まれるまたは関連する商品を抽出して、前記ユーザに提示する視覚情報を生成するように構成される、
もの。
【請求項12】
請求項1~請求項11の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記受付部は、前記ユーザが前記生成部により提示された前記商品を飲食した後に行ったアンケートの回答を前記ユーザからさらに受け付けるように構成される、
もの。
【請求項13】
請求項1~請求項12の何れか1つに記載の情報処理装置において、
取得部をさらに備え、
前記取得部は、前記ユーザの健康状態を含むヘルスケア情報を取得するように構成され、
前記生成部は、前記味覚傾向と前記ヘルスケア情報とに基づいて、前記参照情報から、前記所定の飲食物に含まれるまたは関連する商品を抽出して、前記ユーザに提示する視覚情報を生成するように構成される、
もの。
【請求項14】
請求項1~請求項13の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記飲食物は、飲料である、
もの。
【請求項15】
請求項14に記載の情報処理装置において、
前記飲料は、酒である、
もの。
【請求項16】
請求項1~請求項13の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記所定の飲食物は、日本酒である、
もの。
【請求項17】
請求項14~請求項16の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記関連する商品は、料理である、
もの。
【請求項18】
請求項15または請求項16に記載の情報処理装置において、
前記関連する商品は、過剰な飲酒を防ぐための飲食物である、
もの。
【請求項19】
請求項1~請求項18の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記生成部は、抽出された前記商品のうち、外部装置に記憶されている商品在庫情報に基づき推薦される商品を、前記ユーザに提示する視覚情報を生成するように構成される、
もの。
【請求項20】
請求項1~請求項19の何れか1つに記載の情報処理装置において、
売上管理部をさらに備え、
前記売上管理部は、前記ユーザの合計人数データ、各味覚傾向に属するユーザの人数データ、前記視覚情報を介して注文された各商品の数量データまたは各ユーザが前記視覚情報を介して注文した各商品の数量データを収集するように構成され、
前記生成部は、前記売上管理部が収集したデータを管理者に提示する視覚情報をさらに生成するように構成される、
もの。
【請求項21】
請求項20に記載の情報処理装置において、
仕入管理部をさらに備え、
前記仕入管理部は、前記参照情報と、前記売上管理部が収集したデータと、外部装置に記憶されている商品在庫情報とに基づいて、仕入が推薦される商品を抽出するように構成され、
前記生成部は、前記仕入が推薦される商品を前記管理者に提示する視覚情報をさらに生成するように構成される、
もの。
【請求項22】
プログラムであって、
コンピュータを請求項1~請求項21の何れか1つに記載の情報処理装置として機能させる、
もの。
【請求項23】
情報処理方法であって、
受付ステップと、判定ステップと、生成ステップとを備え、
前記受付ステップでは、ユーザが所定の飲食物のうち少なくとも1品を飲食した後に行ったアンケートの回答を前記ユーザから受け付け、ここで、前記アンケートの回答は、飲食した感想を含み、
前記判定ステップでは、前記アンケートの回答と予め記憶された参照情報とに基づいて、前記ユーザの前記所定の飲食物に対する味覚傾向を判定し、
前記生成ステップでは、前記味覚傾向に基づいて、前記参照情報から、前記所定の飲食物に含まれるまたは関連する商品を抽出して、前記ユーザに提示する視覚情報を生成する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
顧客のニーズや嗜好に合わせて最適な商品やサービスの提案を行うことは、商品やサービスを提供する企業や店舗にとって重要な課題となっている。近年、顧客の嗜好と料理にあった飲料を注文することができる注文受付支援システムを提供する技術が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-197162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、顧客の嗜好を、好みを問う単純な質問によって把握するだけに過ぎないため、顧客の真の嗜好を捉えた上での最適な商品やサービスの提案ができていなかった。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、顧客の味覚傾向を適正に把握し、味覚傾向に合った飲食物を顧客に提示することができる技術を提供することとした。
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、受付部と、判定部と、生成部とを備える。受付部は、ユーザが所定の飲食物のうち少なくとも1品を飲食した後に行ったアンケートの回答をユーザから受け付けるように構成される。アンケートの回答は、飲食した感想を含む。判定部は、アンケートの回答と予め記憶された参照情報とに基づいて、ユーザの所定の飲食物に対する味覚傾向を判定するように構成される。生成部は、味覚傾向に基づいて、参照情報から、所定の飲食物に含まれるまたは関連する商品を抽出して、ユーザに提示する視覚情報を生成するように構成される。
【0007】
このような態様によれば、顧客の味覚傾向を適正に把握し、味覚傾向に合った飲食物を顧客に提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る情報処理システム1を表す構成図である。
図2】情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態に係る情報処理装置3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。
図4】ユーザ端末21に表示される画面であって、アンケートフォーム5の一例である。
図5】記憶部32に予め記憶された第1の参照情報6の一例である。
図6】記憶部32に予め記憶された第2の参照情報7の一例である。
図7】記憶部32に予め記憶された第3の参照情報8の一例である。
図8】ユーザ端末21に表示される画面であって、ユーザの味覚傾向GSをユーザに提示する第1の視覚情報9の一例である。
図9】ユーザ端末21に表示される画面であって、所定の飲食物に含まれるまたは関連する商品をユーザに提示する第2の視覚情報10の一例である。
図10】情報処理システム1によって実行される情報処理の流れの一例を示すタイミングチャートである。
図11】第2の実施形態に係る情報処理装置3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現され得るソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含み得る。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行され得る。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、第1の実施形態(以下、本実施形態と称する)のハードウェア構成について説明する。
【0014】
1.1 情報処理システム1
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1を表す構成図である。情報処理システム1は、ユーザ端末21と、管理者端末22と、情報処理装置3と、外部サーバ4とを備え、これらがネットワークを通じて接続されている。これらの構成要素について、さらに説明する。ここで、情報処理システム1に例示されるシステムとは、1つまたはそれ以上の装置または構成要素からなるものである。したがって、情報処理装置3単体であっても、システムの一例となる。
【0015】
1.2 ユーザ端末21
ユーザ端末21は、通信部と、記憶部と、制御部と、表示部と、入力部とを有し、これらの構成要素がユーザ端末21の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。通信部、記憶部および制御部の説明は、情報処理装置3における通信部31、記憶部32および制御部33と略同様のため、省略する。
【0016】
表示部は、例えば、ユーザ端末21の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。このような表示部は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイおよびプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、ユーザ端末21の種類に応じて使い分けて実施されることが好ましい。ここでは、表示部は、ユーザ端末21の筐体に含まれるものとして説明する。
【0017】
入力部は、ユーザ端末21の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部は、表示部と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部が、ユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が、命令信号として、通信バスを介して制御部に転送され、制御部が、必要に応じて、所定の制御や演算を実行し得る。
【0018】
1.3 管理者端末22
管理者端末22の説明は、上記のユーザ端末21と略同様のため、省略する。
【0019】
1.4 情報処理装置3
図2は、情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを備え、これらの構成要素が、情報処理装置3の内部において、通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素について、さらに説明する。
【0020】
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、通信部31は、これら複数の通信手段の集合として実施されることがより好ましい。すなわち、情報処理装置3は、通信部31を介して、ユーザ端末21および外部サーバ4とネットワークを介して、種々の情報を通信する。
【0021】
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。記憶部32は、例えば、制御部33によって実行される情報処理装置3に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施され得る。また、記憶部32は、これらの組み合わせであってもよい。特に、記憶部32は、アンケートフォーム5、第1の参照情報6、第2の参照情報7、第3の参照情報8、味覚傾向GSまたは、これらを生成するためのプログラム等を記憶する。記憶部32は、これ以外にも、制御部33によって実行される情報処理装置3に係る種々のプログラム等を記憶している。
【0022】
制御部33は、情報処理装置3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば、不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、情報処理装置3に係る種々の機能は、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行され得る。各機能部については、次節において、更に詳述する。なお、制御部33は、単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施されてもよい。また、制御部33は、複数の制御部の組み合わせであってもよい。
【0023】
1.5 外部サーバ4
外部サーバ4は、外部装置の一例であり、不図示の通信部と、記憶部と、制御部とを備え、ネットワークを介して情報処理装置3と通信可能に構成されている。情報処理装置3と、外部サーバ4とは、必要に応じて様々な情報のやりとりをするように実施してもよい。
【0024】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、情報処理装置3に係る種々の機能は、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行され得る。
【0025】
図3は、第1の実施形態に係る情報処理装置3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。具体的には、情報処理システム1の一例である情報処理装置3は、受付部331と、判定部332と、生成部333と、管理部334とを備える。
【0026】
受付部331は、種々の情報を受け付けるように構成される。例えば、受付部331は、アンケートフォーム5の質問の一例である質問51、質問52および質問53に対する、ユーザ端末21から送信された回答の一例である回答51a、回答52aおよび回答53a(図4参照)を受け付けてもよい。詳細については、後述する。
【0027】
判定部332は、アンケートフォーム5の質問、例えば質問51、質問52および質問53に対する回答、例えば回答51a、回答52aおよび回答53aと予め記憶された参照情報、例えば第1の参照情報6(図5参照)、第2の参照情報7(図6参照)および第3の参照情報8(図7参照)とに基づいて、ユーザの所定の飲食物に対する味覚傾向GSを判定するように構成される。詳細については、後述する。
【0028】
生成部333は、ユーザ端末21の表示部または管理者端末22の表示部に表示させるための種々の視覚情報を生成するように構成される。視覚情報とは、画面、画像、アイコン、メッセージ等といった、ユーザが視認可能な態様で生成された情報そのものでもよいし、例えば、ユーザ端末21の表示部または管理者端末22の表示部に画面、画像、アイコン、メッセージ等を表示させるためのレンダリング情報であってもよい。詳細については、後述する。
【0029】
管理部334は、生成部333が商品、例えば商品101、商品102、商品103および商品104を抽出してユーザに提示した後にもユーザの味覚傾向GSを記憶領域の一例である記憶部32に記憶させて管理するように構成される。詳細については、後述する。
【0030】
3.情報処理方法
本節では、前述した情報処理システム1の情報処理方法について説明する。この情報処理方法は、受付ステップと、判定ステップと、生成ステップとを備える。受付ステップでは、ユーザが所定の飲食物のうち少なくとも1品を飲食した後に行ったアンケートの回答の一例である回答51a、回答52aおよび回答53aをユーザから受け付ける。アンケートの回答51a、回答52aおよび回答53aは、飲食した感想の一例である回答52aを含む。判定ステップでは、アンケートの回答51a、回答52aおよび回答53aと予め記憶された参照情報の一例である第3の参照情報8とに基づいて、ユーザの所定の飲食物に対する味覚傾向GSを判定する。生成ステップでは、味覚傾向GSに基づいて、参照情報の一例である第1の参照情報6および第2の参照情報7から、所定の飲食物に含まれるまたは関連する商品、例えば商品101、商品102、商品103および商品104を抽出して、ユーザに提示する視覚情報、例えば第2の視覚情報10を生成する。
【0031】
また、本節で参照する各図は、以下の通りである。図4は、ユーザ端末21に表示される画面であって、アンケートフォーム5の一例である。図5は、記憶部32に予め記憶された第1の参照情報6の一例である。図6は、記憶部32に予め記憶された第2の参照情報7の一例である。図7は、記憶部32に予め記憶された第3の参照情報8の一例である。図8は、ユーザ端末21に表示される画面であって、ユーザの味覚傾向GSをユーザに提示する第1の視覚情報9の一例である。図9は、ユーザ端末21に表示される画面であって、所定の飲食物に含まれるまたは関連する商品をユーザに提示する第2の視覚情報10の一例である。図10は、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れの一例を示すタイミングチャートである。
【0032】
以下では、図10のタイミングチャートに沿って、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れを説明するものとする。ここで、ユーザは、飲食物の提供を受ける顧客である。また、ユーザが使用するユーザ端末21は、例えば、飲食物を提供する店舗に設置された専用タブレットでもよいし、ユーザ自身が保有するスマートフォンやタブレット端末でもよい。
【0033】
ユーザは、ユーザ端末21を用いて、所定の飲食物のうち少なくとも1品を注文し、当該商品を飲食した後、情報処理システム1によって提案されるサービスのURLにブラウザを用いてアクセスする。ここで、飲食物は、コメ、パン、肉、魚、野菜等の食品や、オリーブオイル、醤油、塩等の調味料でもよいが、特に飲食物は、飲料であることが好ましい。飲料は、個別の嗜好性が強い傾向があるため、このような態様によれば、顧客の飲料に対する味覚傾向を適正に把握し、味覚傾向に合った商品を顧客に提示することができる。さらに、飲料は、酒であることが好ましい。このような態様によれば、顧客の酒に対する味覚傾向を適正に把握し、味覚傾向に合った商品を顧客に提示することができる。ここで、酒は、ワイン、ビール、ウィスキー、焼酎等でもよいが、さらにより好ましくは、所定の飲食物は、日本酒である。日本酒は、お酒の中でも特に個別の嗜好性が強い傾向があるため、このような態様によれば、顧客の日本酒に対する味覚傾向を適正に把握し、味覚傾向に合った商品を顧客に提示することができる。
【0034】
その後、情報処理装置3における制御部33は、図4に示されるアンケートフォーム5を、通信部31およびネットワークを介してユーザ端末21に送信する(ステップS001)。ここで、アンケートフォーム5は、ワープロソフト等で生成された形式でもよいし、pdfファイルでもよいが、好ましくは、アンケートフォーム5を視認可能な態様でブラウザ上に表示させた画面である。ここでは、アンケートフォーム5が画面であるものとしてさらに説明する。
【0035】
図4に示されるアンケートフォーム5には、例えば、1品目を選んだ理由に関する質問である質問51と、1品目を飲食した感想に関する質問である質問52と、飲食物に関するその他の質問53とが記載されており、これらの質問に対応する回答の選択肢がラジオボタンとともに表示されている。ユーザは、アンケートに答える意思がある場合には、各質問に対し、適当な選択肢のラジオボタンを押下すればよい。例えば、ユーザが、質問51、質問52および質問53に対応する回答51a、回答52aおよび回答53aを選択し、それぞれに対応するラジオボタンが押下されると、回答51a、回答52aおよび回答53aは、ネットワークを介して情報処理装置3に送信される(ステップS002)。
【0036】
ユーザが所定の飲食物のうち少なくとも1品を飲食した後に行ったアンケートの回答の一例である回答51a、回答52aおよび回答53aがネットワークを介して情報処理装置3に送信されると、受付部331は、回答51a、回答52aおよび回答53aをユーザから受け付ける。すなわち、アンケートの回答がネットワークおよび通信部31を介して情報処理装置3に送信され、情報処理装置3における記憶部32に一時的に記憶される。なお、上述したように、アンケートの回答51a、回答52aおよび回答53aは、飲食した感想の一例である回答52aを含む。
【0037】
受付部331が回答51a、回答52aおよび回答53aをユーザから受け付けた後、判定部332は、アンケートの回答51a、回答52aおよび回答53aと記憶部32に予め記憶された参照情報の一例である第3の参照情報8とに基づいて、ユーザの所定の飲食物に対する味覚傾向GSを判定する(ステップS003)。
【0038】
図7に示される第3の参照情報8は、例えば、質問81と、回答選択肢82と、タグ83と、適用順序84とが対応付けられた情報である。ここで、質問81は、アンケートフォーム5に記載されている質問である。同様に、回答選択肢82は、アンケートフォーム5に記載されている回答選択肢である。タグ83は、ユーザが注文し飲食した1品目の飲食物に付与されている、飲食物の味を表すタグである。なお、どの飲食物にどのようなタグが付与されているのかは、例えば、第1の参照情報6および第2の参照情報7から明らかとなる。第1の参照情報6および第2の参照情報7についての詳細は、後述することとする。適用順序84は、どの質問に対応する回答結果が味覚傾向GSの判定で優先されるのかを表す順序である。
【0039】
ここで、味覚傾向GSの判定方法の一例について、図7を参照して、具体的に説明する。例えば、ユーザが、質問81の各々「1杯目はどのように選びましたか?」、「1杯目、どう感じましたか?」、「あなたにとって辛口の日本酒となんですか?」に対して、回答選択肢82のうち、「この銘柄が気分だったから選んだ」、「さっぱり」、「味わいが軽いもの」を選んでそれぞれ回答し、ユーザが飲食した1杯目の商品に付与されているタグがeであったとする。この場合、適用順序84によれば、「1杯目、どう感じましたか?」に対する回答「さっぱり」から導き出される診断結果が最も優先されるため、ユーザの味覚傾向GSは、Aであると判定される。
【0040】
このようにして判定部332が味覚傾向GSを判定した後、情報処理装置3における制御部33は、所定の飲食物に含まれるまたは関連する商品の在庫情報の取得を外部サーバ4にリクエストする(ステップS004)。
【0041】
外部サーバ4は、情報処理装置3から送信されたリクエストを受信すると、外部サーバ4における不図示の記憶部に予め記憶されているデータベースと照合し、所定の飲食物に含まれるまたは関連する商品の在庫情報を抽出する。その後、外部サーバ4から抽出された所定の飲食物に含まれるまたは関連する商品の在庫情報は、ネットワークを介して情報処理装置3に送信される(ステップS005)。
【0042】
また、判定部332が味覚傾向GSを判定した後、生成部333は、味覚傾向GSに基づいて、参照情報の一例である第1の参照情報6および第2の参照情報7から、所定の飲食物に含まれるまたは関連する商品を抽出する(ステップS006)。
【0043】
参照情報の一例である図5に示される第1の参照情報6は、例えば、味の系統Cと、第1の味を表すタグTIと、第2の味を表すタグTTと、味に関する属性情報TPとが対応付けられた情報である。ここで、味の系統Cは、味の大分類であり、第1の味を表すタグTIおよび第2の味を表すタグTTは、味の小分類である。第1の味を表すタグTIは、記号等で簡潔に表されたタグであり、第2の味を表すタグTTは、ユーザにとって分かりやすいように語句等で表されたタグである。味に関する属性情報TPは、甘味、旨味、酸味、苦味、渋味等の味を構成する要素を数値等で表したものである。
【0044】
参照情報の一例である第2の参照情報7は、所定の飲食物に含まれるまたは関連する複数の商品に対して、味に関する属性情報TPが付与されているデータベースである。このような態様によれば、飲食物の味に関する分析結果を活かして、顧客へより適切な商品の推薦をすることができる。また、第2の参照情報7は、所定の飲食物に含まれるまたは関連する複数の商品に対して、香りに関する属性情報SIがさらに付与されているデータベースであってもよい。このような態様によれば、生理学的に香りが味覚に影響することが知られているため、飲食物の香りに関する分析結果を活かして、顧客へより適切な商品の推薦をすることができる。好ましくは、第2の参照情報7は、所定の飲食物に含まれるまたは関連する複数の商品に対して、味を表すタグの一例である第1の味を表すタグTIまたは第2の味を表すタグTTが付与されている。このような態様によれば、飲食物の味に関する情報を、簡便かつ効率的に管理することができる。さらに、第2の参照情報7は、所定の飲食物に含まれるまたは関連する複数の商品に対して、香りを表すタグSTが付与されていてもよい。このような態様によれば、飲食物の香りに関する情報を、簡便かつ効率的に管理することができる。
【0045】
図6に示される第2の参照情報7は、例えば、飲食物の基本情報LIと、味に関する属性情報TPと、第2の味を表すタグTTと、香りに関する属性情報SIと、香りを表すタグSTとが対応付けられた情報である。ここで、飲食物の基本情報LIは、飲食物である商品の製造者、販売者、商品名、ブランド名、生産地、原材料、製造方法等に関する情報である。味に関する属性情報TPおよび第2の味を表すタグTTは、上述の通りである。香りに関する属性情報SIは、香り強度等の香りに関する属性を数値等で表したものである。香りを表すタグSTは、香りを記号や語句等で簡潔に表したものである。
【0046】
ここで、味覚傾向GSに基づいた商品の抽出方法の一例について、具体的に説明する。例えば、ユーザの味覚傾向GSがAであり、Aに推薦される飲食物の味は、第1の味を表すタグTIで表すとaであるとする。この場合、所定の飲食物に含まれるまたは関連する複数の商品の中から、第1の味を表すタグTIとしてaが付与されている商品が抽出される。ここで、各味覚傾向GSに対して推薦される味を表すタグが何であるのかという情報は、不図示の参照情報に含まれている。
【0047】
なお、1つの商品の味は、味覚傾向GSに応じて、複数の味の分類に属する場合がある。このような場合、例えば、1つの商品に、A、B、CおよびDという味覚傾向GSに対応して、a、b、cおよびdという第1の味を表すタグTIが4つ付与されていることがある。
【0048】
生成部333は、所定の飲食物に含まれるまたは関連する商品を抽出した後、ユーザに提示する視覚情報、例えば第2の視覚情報10を生成する。生成部333は、抽出された商品のうち、上述のようにして外部装置の一例である外部サーバ4から取得した、外部サーバ4に記憶されている商品在庫情報に基づき推薦される商品、例えば商品101、商品102、商品103および商品104を、ユーザに提示する第2の視覚情報10を生成することが好ましい。このような態様によれば、在庫切れ商品が顧客に提示されなくなるため、在庫切れによる顧客からの信用を喪失するリスクを回避することができる。また、生成部333は、ユーザの味覚傾向GSをユーザに提示する視覚情報、例えば第1の視覚情報9をさらに生成することが好ましい。このような態様によれば、味覚傾向GSの判定結果を顧客に分かりやすく提示することができる。これらの視覚情報は、通信部31およびネットワークを介して、ユーザ端末21に送信される(ステップS007)。
【0049】
ユーザの味覚傾向GSをユーザに提示する第1の視覚情報9は、グラフ91を含むことが好ましい。ここで、グラフ91において、縦軸は味の強度を示す軸91yであり、横軸は時間軸91xである。このような態様によれば、味覚傾向の判定結果の視認性を高めることができる。
【0050】
図8に示される第1の視覚情報9は、味覚傾向GSが日本酒に対する味覚傾向である場合の第1の視覚情報9の一例である。図8に示される第1の視覚情報9は、例えば、味覚傾向GSと、グラフ91と、説明文92と、アドバイス93とを含む。グラフ91は、横軸として時間軸91xを、縦軸として味の強度を示す軸91yを有する。日本酒では、時間の経過に伴って、人が感じられる味に変化が見られるため、グラフ91のように、味覚傾向GSをグラフで示すことが好適である。図8のグラフ91の例では、日本酒を口に入れた瞬間に近い初期の味覚を飲み口と表現し、ある一定の時間を過ぎた後の味覚を含みと表現している。また、図8のグラフ91の例では、甘味、旨味、酸味および苦味/渋味について、味の強さの変化を曲線で表している。日本酒に対する味覚傾向GSは、このようなグラフ表現に対応して、例えば、飲み口と甘味とを重視するタイプ、含みと甘味とを重視するタイプ、飲み口と甘味と旨味とを重視するタイプおよび含みと旨味とを重視するタイプに分類される。
【0051】
図9に示される第2の視覚情報10は、好ましい第2の視覚情報10の一例である。図9に示される第2の視覚情報10では、商品101、商品102、商品103および商品104が第2の味を表すタグTTとともに提示されている。すなわち、生成部333は、抽出された商品、例えば商品101、商品102、商品103および商品104を、タグの一例である味を表すタグTTとともに、ユーザに提示する第2の視覚情報10を生成することが好ましい。このような態様によれば、顧客に推薦される味がどのような味であるのかを、顧客に分かりやすく提示することができる。また、図9に示される第2の視覚情報10では、商品101、商品102、商品103および商品104が推薦される順位で並んでいる。すなわち、生成部333は、抽出された商品、例えば商品101、商品102、商品103および商品104を、推薦順位がユーザに把握可能な態様でユーザに提示する第2の視覚情報10を生成することが好ましい。このような態様によれば、味覚傾向に合った飲食物の選択を容易化し、ユーザビリティを向上させることができる。さらに、図9に示される第2の視覚情報10は、商品101、商品102、商品103および商品104の注文を可能にするオブジェクト10a、オブジェクト10b、オブジェクト10cおよびオブジェクト10dを含む。すなわち、第2の視覚情報10は、押下することで抽出された商品の一例である商品101、商品102、商品103および商品104の注文を可能にするオブジェクト、例えばオブジェクト10a、オブジェクト10b、オブジェクト10cおよびオブジェクト10dを含むことが好ましい。このような態様によれば、推薦された商品の購入手続きをスムーズに進めることができる。なお、第2の視覚情報10は、図9に示されるように、押下することで商品を味の系統C毎に並べ替え可能にする、各味の系統Cに対応したオブジェクトを含んでもよい。
【0052】
第1の視覚情報9および第2の視覚情報10がユーザ端末21に送信された後、ユーザの味覚傾向GSは、記憶領域の一例である記憶部32に記憶される(ステップS008)。すなわち、管理部334は、生成部333が商品、例えば商品101、商品102、商品103および商品104を抽出してユーザに提示した後にもユーザの味覚傾向GSを記憶領域の一例である記憶部32に記憶させて、ユーザごとに管理することが好ましい。このような態様では、生成部333は、ユーザの味覚傾向GSがすでに記憶領域の一例である記憶部32に記憶されている場合、記憶されている味覚傾向GSに基づいて、参照情報、例えば第1の参照情報6および第2の参照情報7から、所定の飲食物に含まれるまたは関連する商品例えば商品101、商品102、商品103および商品104を抽出して、ユーザに提示する視覚情報、例えば第2の視覚情報10を生成する。このような態様によれば、同一のユーザであれば、アンケートに毎回回答する必要がないため、ユーザビリティを向上させることができる。
【0053】
ユーザが第2の視覚情報10に含まれるオブジェクト10a、オブジェクト10b、オブジェクト10cまたはオブジェクト10dを押下することにより商品101、商品102、商品103または商品104を注文し、当該商品を飲食した後、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れを上記のステップS001から再度繰り返してもよい。すなわち、受付部331は、ユーザが生成部333により提示された商品を飲食した後に行ったアンケートの回答、例えば回答51a、回答52aおよび回答53aをユーザからさらに受け付けてもよい。このような態様によれば、味覚傾向の判定の精度を高めることができる。
【0054】
このように、本実施形態によれば、顧客の味覚傾向を適正に把握し、味覚傾向に合った飲食物を顧客に提示することができる。
【0055】
4.第2の実施形態
本節では、第2の実施形態(以下、本実施形態と称する)に係る情報処理システム1について説明する。ただし、第1の実施形態に係る情報処理システム1と略同様の構成や機能については、その説明を省略する。図11は、第2の実施形態に係る情報処理装置3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。具体的には、情報処理システム1の一例である情報処理装置3は、取得部335と、売上管理部336と、仕入管理部337とをさらに備える。
【0056】
取得部335は、ユーザの健康状態を含むヘルスケア情報をユーザ端末21から取得する。ヘルスケア情報を取得するためのユーザ端末21は、特に限定されず、スマートフォンやスマートウォッチが適宜使用されればよい。ヘルスケア情報は、心拍数、運動量、血圧、血中酸素濃度および血中アルコール濃度等を含んでもよい。生成部333は、味覚傾向GSとヘルスケア情報とに基づいて、参照情報、例えば第1の参照情報6および第2の参照情報7から、所定の飲食物に含まれるまたは関連する商品、例えば商品101、商品102、商品103および商品104を抽出して、ユーザに提示する視覚情報、例えば第2の視覚情報10を生成する。このような態様によれば、顧客の健康意識や健康状態も加味した、顧客のニーズをより反映した商品の推薦を可能にすることができる。
【0057】
判定部332によって判定されるユーザの味覚傾向GSが飲料に対する味覚傾向GSである場合、生成部333が抽出する飲料に関連する商品は、料理であることができる。例えば、ユーザの味覚傾向GSが酒に対する味覚傾向GSである場合に、酒に関連する商品は、おつまみであることができる。このような態様によれば、顧客の飲料に対する味覚傾向から適当と推定される料理を顧客に提示することができる。
【0058】
判定部332によって判定されるユーザの味覚傾向GSが酒に対する味覚傾向GSである場合、生成部333が抽出する飲料に関連する商品は、過剰な飲酒を防ぐための飲食物であることができる。過剰な飲酒を防ぐための飲食物は、例えば、チェイサーと呼ばれる飲料水、エタノールまたはアセトアルデヒドの分解を促進する食品や栄養ドリンク等であればよい。また、ユーザが過剰な飲酒をしている状態であることを検出して、適切なタイミングでユーザにかかる飲食物を提示することが好ましい。具体的には例えば、複数回酒が注文されたタイミングで、再度アンケートを実施すればよい。そして、その回答に一貫性が見られなくなったことを契機として、判定部332は、ユーザが過剰な飲酒をしている状態であると判断することができる。このような態様によれば、顧客の節酒ニーズを反映した商品の推薦を可能にすることができる。
【0059】
売上管理部336は、ユーザの合計人数データ、各味覚傾向GSに属するユーザの人数データ、視覚情報の一例である第2の視覚情報10を介して注文された各商品の数量データまたは各ユーザが視覚情報の一例である第2の視覚情報10を介して注文した各商品の数量データを収集する。このような態様では、生成部333は、売上管理部336が収集したデータを管理者に提示する視覚情報を生成する。売上管理部336が収集したデータから、店舗の来店者数の情報や商品の価格等の情報と組み合わせることにより、来店者数の分析、客層の分析、各商品の売上の分析、客単価の分析等が可能になる。すなわち、このような態様によれば、情報処理装置3の導入が集客力や売上に与えた影響を把握することができる。
【0060】
仕入管理部337は、参照情報、例えば第1の参照情報6および第2の参照情報7と、売上管理部336が収集したデータと、外部装置の一例である外部サーバ4に記憶されている商品在庫情報とに基づいて、仕入が推薦される商品を抽出する。このような態様では、生成部333は、仕入が推薦される商品を管理者に提示する視覚情報を生成する。例えば、売上管理部336が収集したデータから、客層がAという特定の味覚傾向GSに偏っていることが分かった場合、Aに合う商品群のうち在庫が少ない商品または在庫がない商品が、仕入が推薦される商品として提示される。このような態様によれば、市場のニーズを適正に把握し、市場のニーズに合った品揃えの実現を可能にすることができる。
【0061】
5.その他
情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0062】
本実施形態の態様は、プログラムであってもよい。このプログラムは、コンピュータを情報処理装置3として機能させる。
【0063】
外部サーバ4に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、ブロックチェーン技術等を用いて、商品在庫情報を分散して複数の外部装置に記憶させてもよい。
【0064】
本実施形態では、参照情報がルックアップテーブル等のデータベースであるものとし、それに含まれる詳細な項目を説明したが、あくまでも一例でありこの限りではない。さらに、参照情報は、そもそもルックアップテーブル等のデータベースに限定されず、複数の情報を数学的に関係づけた数理モデルでもよいし、さらに好ましくは、複数の情報の相関性を予め機械学習させた学習済みモデルであってもよい。
【0065】
本実施形態では、ユーザの味覚傾向GSを記憶部32に記憶させているが、アンケートの回答、例えば例えば回答51a、回答52aおよび回答53aだけを記憶させてもよい。また、記憶させるタイミングを適宜変更して実施してもよい。
【0066】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理装置において、前記参照情報は、前記所定の飲食物に含まれるまたは関連する複数の商品に対して、味に関する属性情報が付与されているデータベースである、もの。
前記情報処理装置において、前記参照情報は、前記所定の飲食物に含まれるまたは関連する複数の商品に対して、香りに関する属性情報がさらに付与されているデータベースである、もの。
前記情報処理装置において、前記参照情報は、前記所定の飲食物に含まれるまたは関連する複数の商品に対して、味を表すタグが付与されている、もの。
前記情報処理装置において、前記参照情報は、前記所定の飲食物に含まれるまたは関連する複数の商品に対して、香りを表すタグが付与されている、もの。
前記情報処理装置において、前記生成部は、抽出された前記商品を、前記タグとともに、前記ユーザに提示する視覚情報を生成するように構成される、もの。
前記情報処理装置において、前記生成部は、前記ユーザの前記味覚傾向を前記ユーザに提示する視覚情報をさらに生成するように構成される、もの。
前記情報処理装置において、前記ユーザの前記味覚傾向を前記ユーザに提示する視覚情報は、グラフを含み、ここで、前記グラフにおいて、縦軸は味の強度を示す軸であり、横軸は時間軸である、もの。
前記情報処理装置において、前記生成部は、抽出された前記商品を、推薦順位がユーザに把握可能な態様で前記ユーザに提示する視覚情報を生成するように構成される、もの。
前記情報処理装置において、前記視覚情報は、押下することで抽出された前記商品の注文を可能にするオブジェクトを含む、もの。
前記情報処理装置において、管理部をさらに備え、前記管理部は、前記生成部が前記商品を抽出して前記ユーザに提示した後にも前記ユーザの前記味覚傾向を記憶領域に記憶させて管理するように構成され、前記生成部は、前記ユーザの前記味覚傾向がすでに前記記憶領域に記憶されている場合、記憶されている前記味覚傾向に基づいて、前記参照情報から、前記所定の飲食物に含まれるまたは関連する商品を抽出して、前記ユーザに提示する視覚情報を生成するように構成される、もの。
前記情報処理装置において、前記受付部は、前記ユーザが前記生成部により提示された前記商品を飲食した後に行ったアンケートの回答を前記ユーザからさらに受け付けるように構成される、もの。
前記情報処理装置において、取得部をさらに備え、前記取得部は、前記ユーザの健康状態を含むヘルスケア情報を取得するように構成され、前記生成部は、前記味覚傾向と前記ヘルスケア情報とに基づいて、前記参照情報から、前記所定の飲食物に含まれるまたは関連する商品を抽出して、前記ユーザに提示する視覚情報を生成するように構成される、もの。
前記情報処理装置において、前記飲食物は、飲料である、もの。
前記情報処理装置において、前記飲料は、酒である、もの。
前記情報処理装置において、前記所定の飲食物は、日本酒である、もの。
前記情報処理装置において、前記関連する商品は、料理である、もの。
前記情報処理装置において、前記関連する商品は、過剰な飲酒を防ぐための飲食物である、もの。
前記情報処理装置において、前記生成部は、抽出された前記商品のうち、外部装置に記憶されている商品在庫情報に基づき推薦される商品を、前記ユーザに提示する視覚情報を生成するように構成される、もの。
前記情報処理装置において、売上管理部をさらに備え、前記売上管理部は、前記ユーザの合計人数データ、各味覚傾向に属するユーザの人数データ、前記視覚情報を介して注文された各商品の数量データまたは各ユーザが前記視覚情報を介して注文した各商品の数量データを収集するように構成され、前記生成部は、前記売上管理部が収集したデータを管理者に提示する視覚情報をさらに生成するように構成される、もの。
前記情報処理装置において、仕入管理部をさらに備え、前記仕入管理部は、前記参照情報と、前記売上管理部が収集したデータと、外部装置に記憶されている商品在庫情報とに基づいて、仕入が推薦される商品を抽出するように構成され、前記生成部は、前記仕入が推薦される商品を前記管理者に提示する視覚情報をさらに生成するように構成される、もの。
プログラムであって、コンピュータを前記情報処理装置として機能させる、もの。
情報処理方法であって、受付ステップと、判定ステップと、生成ステップとを備え、前記受付ステップでは、ユーザが所定の飲食物のうち少なくとも1品を飲食した後に行ったアンケートの回答を前記ユーザから受け付け、ここで、前記アンケートの回答は、飲食した感想を含み、前記判定ステップでは、前記アンケートの回答と予め記憶された参照情報とに基づいて、前記ユーザの前記所定の飲食物に対する味覚傾向を判定し、前記生成ステップでは、前記味覚傾向に基づいて、前記参照情報から、前記所定の飲食物に含まれるまたは関連する商品を抽出して、前記ユーザに提示する視覚情報を生成する、方法。
もちろん、この限りではない。
【0067】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0068】
1 :情報処理システム
21 :ユーザ端末
22 :管理者端末
3 :情報処理装置
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
331 :受付部
332 :判定部
333 :生成部
334 :管理部
335 :取得部
336 :売上管理部
337 :仕入管理部
4 :外部サーバ
5 :アンケートフォーム
51 :質問
51a :回答
52 :質問
52a :回答
53 :質問
53a :回答
6 :第1の参照情報
7 :第2の参照情報
8 :第3の参照情報
81 :質問
82 :回答選択肢
83 :タグ
84 :適用順序
9 :第1の視覚情報
91 :グラフ
91x :時間軸
91y :味の強度を示す軸
92 :説明文
93 :アドバイス
10 :第2の視覚情報
10a :オブジェクト
10b :オブジェクト
10c :オブジェクト
10d :オブジェクト
101 :商品
102 :商品
103 :商品
104 :商品
C :系統
GS :味覚傾向
LI :飲食物の基本情報
SI :香りに関する属性情報
ST :香りを表すタグ
TI :第1の味を表すタグ
TP :味に関する属性情報
TT :第2の味を表すタグ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11