(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022082987
(43)【公開日】2022-06-03
(54)【発明の名称】殺菌装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20220527BHJP
【FI】
A61L2/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020194194
(22)【出願日】2020-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000208765
【氏名又は名称】株式会社エンプラス
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲田 亜稀
(72)【発明者】
【氏名】山田 恭平
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA01
4C058BB06
4C058EE26
4C058KK02
4C058KK23
(57)【要約】
【課題】殺菌対象物に合わせて紫外線の照射領域を調整できる紫外線殺菌装置を提供すること。
【解決手段】殺菌装置は、殺菌対象物を収容するための容器と、前記容器の内面に着脱可能に固定され、前記殺菌対象物に紫外線を照射する紫外線照射部と、を有する。前記容器の内面は、紫外線の反射率が80%以上である紫外線反射面を含む。前記紫外線照射部は、紫外線を出射する光源と、前記光源から出射された紫外線の配光を制御する光束制御部材とを含む紫外線発光部と、前記内面に着脱可能に固定される固定部と、前記固定部および前記紫外線発光部に接続され、前記固定部に対する前記紫外線発光部の位置または向きを変えることが可能な可動接続部と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺菌対象物を収容するための容器と、
前記容器の内面に着脱可能に固定され、前記殺菌対象物に紫外線を照射する紫外線照射部と、
を有し、
前記容器の内面は、紫外線の反射率が80%以上である紫外線反射面を含み、
前記紫外線照射部は、
紫外線を出射する光源と、前記光源から出射された紫外線の配光を制御する光束制御部材とを含む紫外線発光部と、
前記内面に着脱可能に固定される固定部と、
前記固定部および前記紫外線発光部に接続され、前記固定部に対する前記紫外線発光部の位置または向きを変えることが可能な可動接続部と、
を有する、
殺菌装置。
【請求項2】
前記固定部は、前記内面に磁力により固定される、請求項1に記載の殺菌装置。
【請求項3】
前記容器を構成する壁は、強磁性体を含む、請求項2に記載の殺菌装置。
【請求項4】
前記強磁性体は、鉄、ニッケルまたはコバルトを含む、請求項3に記載の殺菌装置。
【請求項5】
前記固定部は、磁石を含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の殺菌装置。
【請求項6】
前記紫外線反射面は、アルミニウム材の表面である、請求項1~5のいずれか一項に記載の殺菌装置。
【請求項7】
前記可動接続部は、ボールジョイントを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の殺菌装置。
【請求項8】
前記光束制御部材は、拡散レンズまたは集光レンズである、請求項1~7のいずれか一項に記載の殺菌装置。
【請求項9】
前記拡散レンズを含む前記紫外線照射部と、前記集光レンズを含む前記紫外線照射部とを有する、請求項8に記載の殺菌装置。
【請求項10】
前記容器は、紫外線を実質的に透過させず可視光を透過させる窓を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の殺菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺菌対象物に紫外線を照射する殺菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療現場や介護現場などに限らず様々な現場において、様々な器具を殺菌することが好ましいことがある。このため、液体を用いずに簡便に様々な器具を殺菌できる殺菌装置が求められている。
【0003】
特許文献1では、上記要求に応える殺菌装置として、紫外線を吸収する材料で構成された箱体と、箱体内に配置された紫外線LEDとを有する殺菌装置が提案されている。この殺菌装置では、箱体の内壁の一部は、紫外線を反射しうる材料で構成されていてもよいとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、LEDは指向性が強いため、特許文献1に記載の殺菌装置では、紫外線を殺菌対象物に均一に照射することができない。また、特許文献1に記載の殺菌装置では、紫外線LEDが固定されているため、殺菌対象物に合わせて紫外線の照射領域を調整することもできない。
【0006】
本発明の目的は、殺菌対象物に合わせて紫外線の照射領域を調整できる殺菌装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施の形態に係る殺菌装置は、殺菌対象物を収容するための容器と、前記容器の内面に着脱可能に固定され、前記殺菌対象物に紫外線を照射する紫外線照射部と、を有し、前記容器の内面は、紫外線の反射率が80%以上である紫外線反射面を含み、前記紫外線照射部は、紫外線を出射する光源と、前記光源から出射された紫外線の配光を制御する光束制御部材とを含む紫外線発光部と、前記内面に着脱可能に固定される固定部と、前記固定部および前記紫外線発光部に接続され、前記固定部に対する前記紫外線発光部の位置または向きを変えることが可能な可動接続部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、殺菌対象物に合わせて紫外線の照射領域を調整できる殺菌装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る殺菌装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る殺菌装置の断面図である。
【
図3】
図3A~Dは、拡散レンズを含む紫外線発光部の構成を示す図である。
【
図4】
図4A~Dは、集光レンズを含む紫外線発光部の構成を示す図である。
【
図5】
図5A~Dは、拡散レンズの構成を示す図である。
【
図6】
図6A~Dは、集光レンズの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態に係る殺菌装置について説明する。本実施の形態に係る殺菌装置は、紫外線を照射することでマスクやモバイル端末などを殺菌するための装置である。ただし、殺菌対象物は、これらの物に限定されない。また、本明細書において、「殺菌」とは、菌やウイルスなど(以下まとめて「菌」ともいう)を不活化することを意味する。
【0011】
(殺菌装置の構成)
図1は、本発明の一実施の形態に係る殺菌装置100の斜視図である。
図2は、殺菌装置100の断面図である。なお、
図2では、紫外線照射部120は断面を示さずに側面を示しており、また紫外線照射部120の配線を省略している。
【0012】
図1および
図2に示されるように、殺菌装置100は、殺菌対象物を収容するための容器110と、容器110の内面に着脱可能に固定される紫外線照射部120とを有する。
【0013】
容器110は、殺菌対象物(図示省略)および紫外線照射部120を収容する。容器110の構成は、殺菌対象物および紫外線照射部120を適切に収容することができれば特に限定されない。ユーザーを紫外線から守る観点からは、容器110は、紫外線を外部に漏れださないように構成されていることが好ましい。本実施の形態では、容器110は、収容部111、蓋112および取手113を有する。
【0014】
収容部111は、殺菌対象物および紫外線照射部120を収容する容器110の本体である。収容部111の形状および大きさは、特に限定されず、殺菌対象物に応じて適宜設定されうる。本実施の形態では、収容部111は、水平断面が正六角形の角筒の一方の端部(下側の端部)を平板で閉塞した形状を有している。また、本実施の形態では、収容部111の水平方向の最大長さは150~250mm程度で、垂直方向の高さも150~250mm程度である。収容部111の材料は、紫外線を透過させなければ特に限定されない。収容部111の材料の例には、鉄やアルミニウムなどの金属、樹脂、木材などが含まれる。本実施の形態では、収容部111の材料は、鉄である。収容部111は、塗装されていてもよい。
【0015】
容器110は、外部から内部を観察するための窓114を有していてもよい。この場合、窓114は、紫外線を実質的に透過させず可視光を透過させるように構成されていることが好ましい。窓114の数および位置は、特に限定されない。本実施の形態では、収容部111には、紫外線を実質的に透過させず可視光を透過させる2つの窓114が設けられている。これらの窓114は、収容部111の側壁に設けられた貫通孔に紫外線を遮断する機能を有する樹脂板またはガラス板(例えばBK7)を配置することで構成されている。樹脂またはガラスそのものが紫外線を遮断する機能を有していてもよいし、紫外線を遮断する機能を有しない樹脂板またはガラス板に紫外線を遮断する機能を有する被膜を付加してもよい。樹脂の例には、ポリ塩化ビニルが含まれる。
【0016】
蓋112は、収容部111の開口部を塞ぐ。蓋112の形状および位置は、特に限定されず、収容部111の構成に応じて適宜設定されうる。本実施の形態では、蓋112は、水平断面が正六角形の角筒の一方の端部(上側の端部)を平板で閉塞した形状を有している。蓋112の内径は収容部111の外径よりわずかに長いため、蓋112は、収容部111の開口部側(上側)の端部に嵌合することができる。蓋112の材料は、紫外線を透過させなければ特に限定されない。蓋112の材料の例は、収容部111の材料の例と同じである。本実施の形態では、蓋112の材料は、鉄である。蓋112は、塗装されていてもよい。
【0017】
殺菌対象物の表面全面に紫外線を照射する観点からは、容器110の内面は、紫外線の反射率が80%以上である紫外線反射面を含むことが好ましい。容器110の内面における紫外線反射面の割合は、高いほど好ましく、例えば50%以上であり、75%以上である。本実施の形態では、窓114を除いては容器110の内面の実質的に全面が紫外線反射面である。
【0018】
紫外線反射面の構成は、特に限定されない。たとえば、紫外線反射面は、アルミニウム材の表面である。収容部111および蓋112の材料がアルミニウムである場合、収容部111の内面および蓋112の内面は、紫外線反射面として機能する。収容部111および蓋112の材料がアルミニウムではない場合は、収容部111の壁の内側および蓋112の壁の内側に例えばアルミニウム板が配置されている。この場合は、アルミニウム板の表面が紫外線反射面として機能する。本実施の形態では、収容部111の壁の内側および蓋112の壁の内側にアルミニウム板が配置されている。
【0019】
この後説明するように、紫外線照射部120の固定部122は、磁力により容器110の内面に固定されてもよい。たとえば、紫外線照射部120の固定部122が磁石を含む場合は、容器110を構成する壁は、強磁性体を含むことが好ましい。このようにすることで、紫外線照射部120の固定部122を容器110の内面に容易に固定することができる。強磁性体の例には、鉄、ニッケルおよびコバルトが含まれる。
【0020】
取手113は、蓋112に固定されている。蓋112に取手113を固定することで、収容部111から蓋112を外したり、収容部111に蓋112を嵌めたりすることを容易にすることができるようになる。取手113の形状、数および位置は、特に限定されない。取手113は、無くてもよい。
【0021】
紫外線照射部120は、容器110の内面に着脱可能に固定され、殺菌対象物に紫外線を照射する。
図2に示されるように、紫外線照射部120は、紫外線を出射する紫外線発光部121と、容器110の内面に着脱可能に固定される固定部122と、固定部122に対する紫外線発光部121の位置または向きを変える可動接続部123と、を有する。
【0022】
図3A~Dおよび
図4A~Dは、紫外線発光部121の構成を示す図である。
図3A~Dは、光束制御部材125として、広い範囲に紫外線を照射することができる拡散レンズ125aを含む紫外線発光部121の構成を示す図である。
図3Aは斜視図であり、
図3Bは平面図であり、
図3Cは正面図であり、
図3Dは断面図である。
図4A~Dは、光束制御部材125として、狭い範囲に紫外線を集中的に照射することができる集光レンズ125bを含む紫外線発光部121の構成を示す図である。
図4Aは斜視図であり、
図4Bは平面図であり、
図4Cは正面図であり、
図4Dは断面図である。なお、
図3Dおよび
図4Dの断面図では、ハッチングを省略している。
【0023】
殺菌装置100は、拡散レンズ125aを含む紫外線発光部121(
図3A~D)および集光レンズ125bを含む紫外線発光部121(
図4A~D)のいずれか一方のみを有していてもよいし、両方を有していてもよい。また、殺菌装置100は、拡散レンズ125aを含む紫外線発光部121を複数有していてもよいし、集光レンズ125bを含む紫外線発光部121を複数有していてもよい。これらの紫外線発光部121の種類、数および位置を適宜調整することで、殺菌対象物に紫外線を適切に照射することができる。
【0024】
図3A~Dおよび
図4A~Dに示されるように、紫外線発光部121は、紫外線を出射する光源124と、光源124から出射された紫外線の配光を制御する光束制御部材125とを含む。本実施の形態では、紫外線発光部121は、さらにヒートシンク126も含む。紫外線発光部121の大きさは、特に限定されず、容器110の大きさなどに応じて適宜設定されうる。本実施の形態では、紫外線発光部121の幅(
図3Aおよび
図4Aにおいて横方向の長さ)は20~30mm程度、高さ(
図3Aおよび
図4Aにおいて縦方向の長さ)は20~40mm程度である。
【0025】
光源124は、殺菌対象物に向けて紫外線を出射する。光源124の種類は、紫外線を出射できれば特に限定されない。光源124の例には、発光ダイオード(LED)、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、レーザーダイオード(LD)が含まれる。本実施の形態では、光源124は、発光ダイオード(LED)である。光源124は、回路部(図示省略)と電気的に接続されている。回路部は、容器110に設けられた貫通孔などを介して外部電源に接続されている。
【0026】
光源124が出射する紫外線の波長は、特に限定されない。光源124が出射する紫外線の波長は、殺菌対象物を効果的に殺菌する観点から、200nm以上350nm以下が好ましく、200nm以上280nm以下がより好ましい。すなわち、光源124から出射される紫外線は、紫外線C波(UVC)が好ましい。殺菌対象物の表面における光源124から出射される紫外線の放射照度は、例えば0.23mW/cm2程度である。たとえば、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因となるSARSコロナウイルス2(SARS-CoV-2)を99.9%以上不活化させるためには、0.23mW/cm2の紫外線C波を8分間程度照射すればよい。また、大腸菌を99.9%以上不活化させるためには、0.23mW/cm2の紫外線C波を1分間程度照射すればよい。本実施の形態に係る殺菌装置100では、殺菌対象物に合わせて紫外線照射部120の種類、数および位置を変えられるため、殺菌を要する領域に効率的に紫外線を照射でき、殺菌対象物を短時間で十分に殺菌できる。このため、光源124の寿命を延ばすことができる。
【0027】
紫外線の照射時間を短くしたい場合には、光源124(紫外線照射部120)の数を多くすればよいし、光源124(紫外線照射部120)の数を少なくする場合には、紫外線の照射時間を長くすればよい。他にも、光源124と殺菌対象物との距離を調整することでも、殺菌に必要なエネルギー量を調整することができる。それらの条件に応じて、最適なエネルギー量が殺菌対象物に照射できるように設計された光束制御部材125を用いることが好ましい。
【0028】
市販されている光源124の例には、ピーク波長が280nmの紫外線発光ダイオードであるNCSU334A(日亜化学工業株式会社)が含まれる。また、ピーク波長が280nmの紫外線発光ダイオードの他の例には、KLARAN(旭化成株式会社)、ZEU110BEAE(スタンレー電気株式会社)が含まれる。
【0029】
光束制御部材125は、光源124から出射された紫外線の配光を制御する。光束制御部材125は、一体成形により形成されている。光束制御部材125の材料は、所望の波長の光を通過させ得る材料であれば特に限定されない。たとえば、光束制御部材125の材料は、シリコーン、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)やポリカーボネート(PC)、エポキシ樹脂(EP)などの光透過性樹脂、またはガラスである。光源124から出射される紫外線が紫外線C波の場合、光束制御部材125の材料は、シリコーンが好ましい。
【0030】
図5A~Dは、広い範囲に紫外線を照射することができる光束制御部材125(拡散レンズ125a)の構成を示す図である。
図5Aは上からの斜視図であり、
図5Bは下からの斜視図であり、
図5Cは平面図であり、
図5Dは正面図である。
図5A~Dに示されるように、拡散レンズ125aは、裏側(光源124側)に配置された入射面127と、表側(殺菌対象物側)に配置された出射面128とを有する(
図3Dも参照)。入射面127は、裏側に形成された凹部の内面であり、光源124から出射された紫外線を拡げつつ拡散レンズ125a内に入射させる。出射面128は、表側に形成された凸部の外面であり、入射面127で入射した紫外線を略矩形に拡げつつ出射させる。
【0031】
図6A~Dは、狭い範囲に紫外線を集中的に照射することができる光束制御部材125(集光レンズ125b)の構成を示す図である。
図6Aは上からの斜視図であり、
図6Bは下からの斜視図であり、
図6Cは平面図であり、
図6Dは正面図である。
図6A~Dに示されるように、集光レンズ125bは、裏側(光源124側)に配置された入射面127と、表側(殺菌対象物側)に配置された出射面128と、側方に配置された全反射面129とを有する(
図4Dも参照)。入射面127は、裏側に形成された凹部の内面であり、光源124から出射された紫外線を集光レンズ125b内に入射させる。全反射面129は、入射面127で入射した紫外線のうち出射角度が大きい紫外線を出射面128に向けて反射させる。これにより、光源124から出射された紫外線が集光される。出射面128は、表側に配置された面であり、入射面127で入射して直接到達した紫外線および全反射面129で反射した紫外線を出射させる。
【0032】
ヒートシンク126は、光源124からの熱を紫外線発光部121の外部に放出する。ヒートシンク126は、紫外線発光部121のベースとしても機能しており、光源124および光束制御部材125は、直接または間接的にヒートシンク126に固定されている。この後説明する可動接続部123も、ヒートシンク126に接続されている。
【0033】
固定部122は、容器110の内面に着脱可能に固定され、可動接続部123を介して紫外線発光部121を支持する(
図2参照)。固定部122の構成は、容器110の内面に着脱可能に固定されることができれば特に限定されない。たとえば、容器110の内面に設けられた凸部または凹部に固定部122を係合させることで、固定部122を容器110の内面に着脱可能に固定してもよい。
【0034】
また、固定部122は、容器110の内面に磁力により固定されてもよい。この場合、固定部122および容器110を構成する壁のいずれか一方が磁石を含み、他方が磁石または強磁性体を含んでいてもよい。強磁性体の例には、鉄、ニッケルおよびコバルトが含まれる。また、磁石を含む固定部122と容器110の外側に配置された磁石または強磁性体とで容器110を構成する壁を挟み込むことで、固定部122を固定してもよい。本実施の形態では、容器110を構成する壁が鉄を含み、固定部122は磁石を含んでいる。
【0035】
可動接続部123は、固定部122および紫外線発光部121に接続され、固定部122に対する紫外線発光部121の位置または向きを変える(
図2参照)。可動接続部123の構成は、固定部122に対する紫外線発光部121の位置または向きを変えることが可能であれば特に限定されない。可動接続部123の例には、ボールジョイントおよびフレキシブルアームが含まれる。本実施の形態では、可動接続部123は、ボールジョイントを含んでいる。
【0036】
(殺菌装置の使用方法)
殺菌装置100の使用方法について説明する。まず、収容部111内に殺菌対象物を設置するとともに、殺菌対象物に合わせた種類および数の紫外線照射部120を収容部111内の適切な位置に固定し、蓋112を閉める。次いで、紫外線照射部120に接続された外部電源のスイッチをオンにすることで、紫外線照射部120から紫外線を出射させて、殺菌対象物を必要な時間殺菌処理する。殺菌処理を終えた後、蓋112を開けて、殺菌対象物を取り出す。
【0037】
(効果)
本実施の形態に係る殺菌装置によれば、殺菌対象物に合わせて紫外線照射部120の種類、数および位置を変えられるため、殺菌を要する領域に効率的に紫外線を照射でき、殺菌対象物を短時間で十分に殺菌できる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本実施の形態に係る殺菌装置は、医療現場や介護現場などに限らず様々な現場において様々な器具を簡便に殺菌することができる。たとえば、本実施の形態に係る殺菌装置は、市販の使い捨てマスクの殺菌やモバイル端末などの殺菌に有用である。
【符号の説明】
【0039】
100 殺菌装置
110 容器
111 収容部
112 蓋
113 取手
114 窓
120 紫外線照射部
121 紫外線発光部
122 固定部
123 可動接続部
124 光源
125 光束制御部材
125a 拡散レンズ
125b 集光レンズ
126 ヒートシンク