(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083022
(43)【公開日】2022-06-03
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム装置およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/58 20140101AFI20220527BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20220527BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20220527BHJP
A63F 13/812 20140101ALN20220527BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/69 510
A63F13/53
A63F13/812 B
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020194244
(22)【出願日】2020-11-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和元年12月12日 ウェブサイトのダウンロードサービスにより提供されるアプリケーション(ウイニングイレブンカードコレクション)内において本願発明の内容を含むサービスを開始した。令和元年12月12日 ウェブサイトのダウンロードサービスにより提供されるアプリケーション(ウイニングイレブンカードコレクション)内のインフォメーションにおいて本願発明に関連する告知情報を公開した。令和元年12月12日 ウェブサイトのダウンロードサービスにより提供されるアプリケーション(ウイニングイレブンカードコレクション)内のヘルプにおいて本願発明に関連する告知情報を公開した。令和2年4月10日 ウェブサイトのダウンロードサービスにより提供されるアプリケーション(ウイニングイレブンカードコレクション)内のインフォメーションにおいて本願発明に関連する告知情報を公開した。令和2年4月13日 ウェブサイトのダウンロードサービスにより提供されるアプリケーション(ウイニングイレブンカードコレクション)内のヘルプにおいて本願発明に関連する告知情報を公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】特許業務法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 啓
(72)【発明者】
【氏名】秋元 望
(72)【発明者】
【氏名】藤川 義弘
(72)【発明者】
【氏名】田中 諒
(72)【発明者】
【氏名】城坂 美名
(72)【発明者】
【氏名】滑 慶祐
(72)【発明者】
【氏名】清水 依子
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ゲームに関する能力をゲーム要素が習得する過程をユーザが十分に楽しむことができるようにする。
【解決手段】能力習得部202は、ゲームに関する能力の習得条件を満たしたゲーム要素に対し、当該能力を習得する機会を与える。能力制御部204は、ゲームに係る1回のプレイ期間において、能力習得部204の処理を制限する。具体的には、能力制御部204は、ゲームに関する能力の習得実績が上限に到達した時点以降、能力習得部202の処理を制限する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ゲームに関する能力の習得条件を満たしたゲーム要素に対し、当該能力を習得する機会を与える能力習得部と、
前記ゲームに係る1回のプレイ期間において、前記能力習得部の処理を制限する能力制御部として機能させるプログラム。
【請求項2】
複数のゲーム要素からなるグループが前記ゲームを進行させ、
前記能力制御部は、前記グループ内の複数のゲーム要素について前記能力習得部の処理を制限する請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記能力制御部は、
前記1回のプレイ期間中、前記グループ内の複数のゲーム要素のゲームに関する能力の習得実績が上限に達した時点以降、前記能力習得部の処理を制限する請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記能力制御部は、前記1回のプレイ期間中、前記グループ内の任意の1のゲーム要素のゲームに関する能力の習得実績が第1の上限に達した時点以降、前記能力習得部の処理を制限する請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記能力制御部は、前記1回のプレイ期間中、前記グループ内の複数のゲーム要素のうち前記ゲームに関する能力を習得したゲーム要素の数が第2の上限に達した時点以降、前記能力習得部の処理を制限する請求項3または4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記能力習得部は、前記1回のプレイ期間中、前記グループ内の複数のゲーム要素について、前記習得条件に関する判定を複数回実行し、前記複数のゲーム要素の前記ゲームに関する能力の習得実績が上限に達する前に前記習得条件を満たしたゲーム要素に対し、前記ゲームに関する能力を習得する機会を与える請求項3に記載のプログラム。
【請求項7】
前記能力習得部は、前記1回のプレイ期間中、前記グループ内の複数のゲーム要素について、習得済みおよび未習得の能力の中から発動条件を満たす能力を認定する認定処理を実行し、前記認定処理において前記発動条件を満たす能力として未習得の能力を認定した場合に、当該能力を前記習得条件に関する判定の対象にする請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記能力習得部は、前記認定処理において前記発動条件を満たす能力として未習得の能力を認定した場合に、当該能力の発動の確率に基づいて当該能力の発動を許可する第1の演算を実行し、当該第1の演算により当該発動が許可されることにより当該能力を前記習得条件に関する判定の対象にする請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記能力習得部は、前記習得条件に関する判定において、前記習得条件を満たした能力の習得の確率に基づいて当該能力の習得を許可する第2の演算を実行し、当該第2の演算により当該習得が許可された場合に、当該能力を当該ゲーム要素に習得させ、かつ、発動させる請求項7または8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記能力習得部は、前記1回のプレイ期間中、前記ゲームに関する能力を習得したゲーム要素と当該能力をユーザに報知する請求項2~9のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記能力習得部は、1のゲーム要素がゲームに関する能力を習得した時点で当該ゲーム要素および当該能力を報知する請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
ゲームに関する能力の習得条件を満たしたゲーム要素に対し、当該能力を習得する機会を与える能力習得過程と、
前記ゲームに係る1回のプレイ期間において、前記能力習得過程の処理を制限する能力制御過程と、を含むゲーム装置の制御方法。
【請求項13】
ゲームに関する能力の習得条件を満たしたゲーム要素に対し、当該能力を習得する機会を与える能力習得部と、
前記ゲームに係る1回のプレイ期間において、前記能力習得部の処理を制限する能力制御部と、を含むゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲーム装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームに関する能力をゲーム要素に習得させるゲームが知られている。例えば、サッカーの選手をカードに見立てた対戦ゲームの中には、試合より前に強化アイテムを消費し、複数のカードを合成してカードのパラメータを上昇させることによりスキルを習得させるゲームがある。また、ユーザのパーティに含まれる複数のキャラクタと敵キャラクタが戦闘するロールプレイングゲームなどの中には、戦闘中に複数のキャラクタの各々が所定の確率でスキルを習得するゲームがある。なお、ゲームの進行過程において、スキルなど、ゲームに関する能力をゲーム要素に習得させるゲームに関する技術文献として例えば特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
強化アイテムの消費やカードの合成によりスキルを習得させるゲームでは、強化アイテムや合成させるカードを多く所有していると、試合に関わりなく直ぐにスキルを習得するため、選手がスキルを習得する過程をユーザが充分に楽しめない。また、戦闘中に複数のキャラクタの各々が所定の確率でスキルを習得するゲームでは、所定の確率が低く設定されているとスキルを習得する機会に恵まれ難くユーザがスキルを習得する意欲を失う。その一方で、所定の確率が高く設定されていると1回の戦闘中に複数のキャラクタの全てがスキルを獲得し、各キャラクタがスキルを習得する過程をユーザが充分に楽しめない。
【0005】
この発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ゲームに関する能力をゲーム要素が習得する過程をユーザが十分に楽しめるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様であるゲームプログラムは、コンピュータを、ゲームに関する能力の習得条件を満たしたゲーム要素に対し、当該能力を習得する機会を与える能力習得部と、前記ゲームに係る1回のプレイ期間において、前記能力習得部の処理を制限する能力制御部として機能させる。
【0007】
本発明の一態様であるゲーム装置の制御方法は、ゲームに関する能力の習得条件を満たしたゲーム要素に対し、当該能力を習得する機会を与える能力習得過程と、前記ゲームに係る1回のプレイ期間において、前記能力習得過程の処理を制限する能力制御過程と、を含む。
【0008】
本発明の一態様であるゲーム装置は、ゲームに関する能力の習得条件を満たしたゲーム要素に対し、当該能力を習得する機会を与える能力習得部と、前記ゲームに係る1回のプレイ期間において、前記能力習得部の処理を制限する能力制御部と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態であるゲーム装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】同ゲーム装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】同ゲーム装置において行われるスキルの習得を説明する図である。
【
図4】同ゲーム装置における能力習得部の処理の概略を示すフローチャートである。
【
図5】同ゲーム装置における能力習得部の処理の概略を示すフローチャートである。
【
図6】同ゲーム装置においてプロセッサが実行するゲーム制御処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】同プロセッサが実行する対戦状況情報の更新処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】同プロセッサが実行するスキル発動・習得処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】同プロセッサが実行するスキル発動・習得処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】同スキル発動・習得処理において参照されるスキルテーブルを示す図である。
【
図11】同スキル発動・習得処理におけるスキルテーブルの処理例を示す図である。
【
図13】本発明の第2実施形態であるゲーム装置のプロセッサが実行するスキル発動・習得処理の流れを示すフローチャートである。
【
図14】本発明の第3実施形態であるゲーム装置のプロセッサが実行するスキル発動・習得処理の流れを示すフローチャートである。
【
図15】同スキル発動・習得処理の流れを示すフローチャートである。
【
図16】同スキル発動・習得処理において参照されるスキルテーブルを示す図である。
【
図17】同スキル発動・習得処理におけるスキルテーブルの処理例を示す図である。
【
図18】本発明の第4実施形態であるゲーム装置のプロセッサが実行するスキル発動・習得処理の流れを示すフローチャートである。
【
図19】同スキル発動・習得処理において参照されるスキルテーブルを示す図である。
【
図20】同スキル発動・習得処理におけるスキルテーブルの処理例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0011】
[A.第1実施形態]
[A1.ゲーム装置のハードウェア構成]
図1は、本発明の第1実施形態であるゲーム装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。ゲーム装置10は、例えばタブレット端末または携帯用のゲーム装置等の可搬型の情報処理装置であってもよいし、スマートフォンであってもよいし、あるいはデスクトップ型のパーソナルコンピュータ等の据置型の情報処理装置であってもよい。あるいはゲーム装置10は、ゲームセンタ等に配置されるアーケード型ゲーム装置であってもよい。
【0012】
図1に示すように、ゲーム装置10は、ゲーム装置10の各部を制御するコンピュータであるプロセッサ110と、各種情報を記憶する記憶部120と、ゲーム装置10の外部に存在する外部装置との通信を行うための通信部130と、ゲーム装置10のユーザの操作を受け付けるための操作部140と、各種画像を表示する表示部150とを備える。
【0013】
プロセッサ110は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ110は、CPUに加え、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、または、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含むものであってもよい。
【0014】
記憶部120は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリと、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性メモリとを含む。揮発性メモリは、プロセッサ110の作業領域として機能する。不揮発性メモリには、ユーザにゲームを提供するアプリケーションプログラムであるゲームプログラムPRG等の各種の情報が記憶される。このゲームプログラムPRGは、ネットワークに接続されたゲームサーバ(図示略)等から通信部130を介してダウンロードすることが可能である。
【0015】
[A2.ゲーム装置の機能構成]
図2はゲーム装置10のプロセッサ110がゲームプログラムPRGを実行することにより実現される諸機能を示すブロック図である。本実施形態において、ゲームプログラムPRGは、プロセッサ110をゲーム制御部200として機能させる。ゲーム制御部200は、サッカーのゲームを進行させる手段である。本実施形態において、ゲーム制御部200は、サッカーのゲームを自動的に進行させ、ゲームの状況を表示部150に表示させる。なお、この発明の適用対象は、このようなゲーム装置に限定されるものではなく、操作部140の操作に応じてゲームを進行させるゲーム装置にも適用され得る。
【0016】
図2に示すように、ゲーム制御部200は、能力習得部202を含む。この能力習得部202は、ゲームに関する能力の習得条件を満たしたゲーム要素に対し、当該能力を習得する機会を与える手段である。
【0017】
本実施形態において、ゲームに関する能力は、サッカーゲームに関するスキルである。また、ゲーム要素は、サッカーゲームを進行させる選手である。本実施形態における能力習得部202は、サッカーゲームに関するスキルの習得条件を満たした選手に対し、当該スキルを習得する機会を与える。
【0018】
図3は、本実施形態において行われるスキルの習得を説明する図である。
図3に示すように、本実施形態において習得可能な各スキルには、各スキルを発動した場合の効果と、各スキルの発動関連情報と、各スキルの習得関連情報とが対応付けられている。
【0019】
ここで、発動関連情報は、スキルの発動条件と、スキルの発動確率とを含む。発動条件は、スキルを発動可能なゲームの状況に関する条件であり、サッカーゲームの場合、例えば試合中における選手の位置等の選手の状況に関する条件である。本実施形態では、習得済みのスキルが発動条件を満たす場合と、未習得のスキルが発動条件を満たす場合とがある。発動確率は、発動条件を満たしたスキルの発動を許可するか否かについて、擬似乱数を利用して行う発動抽選の当選確率である。この発動抽選は、能力の発動の確率に基づいて当該能力の発動を許可する第1の演算である。
【0020】
また、習得関連情報は、習得条件と、習得確率とからなる。習得条件は、ある選手にとって未習得スキルが発動条件を満たし、発動抽選に当選した場合に、当該選手が当該スキルを習得するための必要条件であり、例えば進行中の試合中における当該選手の実績に関する条件である。習得確率は、ある未習得スキルの習得条件を満たした選手について、当該スキルの習得を許可するか否かについて、擬似乱数を利用して行う習得抽選の当選確率である。この習得抽選は、習得条件を満たした能力の習得の確率に基づいて当該能力の習得を許可する第2の演算である。
【0021】
図4および
図5は、各々ゲーム制御部200の処理、特に能力習得部202の処理の概略を示している。ここで、
図4は、習得済みのスキルの発動条件が満たされた場合に行われる処理の概略を示している。また、
図5は、未習得のスキルの発動条件が満たされた場合に行われる処理の概略を示している。
【0022】
ゲームの進行過程において、能力習得部202は、本実施形態において習得可能な各スキルのうちのいずれかのスキルの発動条件が満たされるか否かを常時監視する(ステップS10)。そして、ある選手のあるスキルがその発動条件を満たした場合、そのスキルについての発動抽選を実施する(ステップS12)。そして、発動抽選に当選した場合において、その当選したスキルが当該選手にとって習得済みのスキルであった場合、能力習得部202は、
図4に示すように、当該スキルを発動する(ステップS18)。「発動する」とは、ゲームにおいて、そのスキルの効果を発生させることを意味する。例えば
図3において、発動抽選に当選したスキルが「無回転シュート」である場合、そのスキルを発動した場合の効果は、「通常のシュートよりも相手チームのゴールキーパーの反応が40%遅れる。」となっている。従って、能力習得部202は、この効果が示す通りにゲームを進行させる。すなわち、能力習得部202は、進行中のゲームにおいて、通常のシュートよりも相手チームのゴールキーパーの反応を40%遅らせる。
【0023】
一方、ある選手のスキルの発動条件が満たされ、発動抽選に当選した場合において、その当選したスキルが当該選手にとって未習得のスキルである場合も起こり得る。その場合、能力習得部202は、
図5に示すように、当該選手について当該スキルの習得条件を満たすか否かを判断する(ステップS14)。例えば発動抽選に当選したスキルが「無回転シュート」である場合、習得条件は、「当該スキルを習得可能な選手が1試合中に10000EP(エクスペリエンスポイント)以上獲得する。」となっている。ここで、エクスペリエンスポイントとは、観客を熱狂させるプレイをした選手に与えられるポイントである。そこで、能力習得部202は、「無回転シュート」のスキルが発動抽選に当選した場合に、そのスキルを習得可能な選手がこの習得条件を満たすか否かを判断する。そして、能力習得部202は、処理対象の選手が習得条件を満たした場合、習得確率に基づく習得抽選を実施する(ステップS16)。そして、習得抽選に当選した場合に、当該選手に当該スキルを習得させ、当該スキルを発動する(ステップS18)。
【0024】
このように、本実施形態では、ある選手の習得済みスキルについては、発動条件が満たされ、発動抽選に当選することにより、発動する。また、ある選手の未習得スキルについては、発動条件が満たされ、発動抽選に当選し、習得条件が満たされ、習得抽選に当選することにより、当該選手に習得させ、発動する。ある選手の未習得スキルについて、発動抽選に当選しても、習得条件が満たされない場合、あるいは習得条件が満たされても習得抽選に当選しない場合には、その未習得スキルは当該選手に習得させず、また、発動もしない。
【0025】
本実施形態におけるゲーム制御部200は、
図2に示すように、能力制御部204を含む。この能力制御部204は、ゲームに係る1回のプレイ期間において、能力習得部202の処理を制限する手段である。
【0026】
「1回のプレイ期間」とは、有限の継続時間を持ったゲームの期間であり、固定長である場合と可変長である場合がある。本実施形態では、1試合の期間が1回のプレイ期間である。
【0027】
「制限する」とは、能力習得部202の処理のうち少なくとも一部を実行させないことをいう。本実施形態において、「制限する」は、習得条件に関する判定および習得抽選を能力習得部202に実行させないことを意味する。
【0028】
また、本実施形態では、複数のゲーム要素、すなわち、複数の選手からなるグループがゲームを進行させる。能力制御部204は、グループ内の複数の選手について能力習得部202の処理を制限する。本実施形態のように複数チームが対戦するチーム戦ゲームの場合、「グループ」は、ユーザのチームである。しかし、ユーザのチームと対戦する他のチームとを含むものを「グループ」としてもよい。
【0029】
また、本実施形態において、能力制御部204は、1回のプレイ期間中、グループ内の複数の選手のゲームに関するスキルの習得実績が上限に達した時点以降、能力習得部202の処理を制限する。「能力の習得実績」とは、習得した能力の価値の総和であり、本実施形態では、習得したスキルの数である。具体的には、本実施形態において、1プレイ期間中に習得可能なスキルの数の上限は1である。能力制御部204は、グループ内の複数の選手のいずれかが未習得のスキルを1つ習得した時点以降、能力習得部202の処理を制限する。
【0030】
[A3.ゲーム装置の動作]
図6は本実施形態におけるプロセッサ110が記憶部120内のゲームプログラムPRGに従って実行するゲーム制御処理OP100aの流れを示すフローチャートである。本実施形態において、操作部140の操作によりゲーム実行の開始が指示されると、プロセッサ110はゲームプログラムPRGを実行することにより
図6に示すゲーム制御処理OP100aを実行する。このゲーム制御処理OP100aにおいて、プロセッサ110は、試合が終了してステップS104の判断結果が「YES」となるまでの間、ステップS100~S104の処理を繰り返す。すなわち、ゲーム制御処理OP100aの実行を開始してから終了するまでが1回のプレイ期間に該当する。
【0031】
まず、ステップS100において、プロセッサ110は、対戦状況情報の更新処理を実行する。対戦状況情報は、ステップS100において更新の対象となる情報であり、ゲームの進行に関わる種々の情報のことである。この更新処理については後述する。次にステップS102に進み、プロセッサ110は、表示部150のフレームレートの1フレーム(例えば、1/60sec)毎にステップS100が実行されるように時間調整(必要な時間の待機)を行う。
【0032】
次にステップS104に進むと、プロセッサ110は、試合が終了する時間に到達したかを判定する。この判断結果が「YES」である場合、プロセッサ110は、ゲーム制御処理OP100aを終了する。一方、この判断結果が「NO」である場合、プロセッサ110は処理をステップS100に戻す。
【0033】
図7は、対戦状況情報の更新処理OP101a(
図1のステップS100)の詳細を示すフローチャートである。
【0034】
まず、ステップS200において、プロセッサ110は、試合時間の管理や、ボールの移動の管理等、選手の管理以外に関わる処理を実行する。次にステップS202に進み、プロセッサ110は、ユーザのチームの選手及び対戦相手のチームの選手の中から処理対象とする選手を特定する。そして、対戦状況情報の更新処理OP101aでは、試合に参加している全選手を対象として、ステップS202からステップS208までの処理を実行する。
【0035】
具体的には、Aチーム(ユーザのチーム)内の選手A01~選手A11までの11名の選手について1名ずつを処理対象の選手として特定し、その後にBチーム(対戦相手のチーム)内の選手B01~選手B11までの11名の選手について1名ずつを処理対象の選手として特定する。すなわち、試合に出場している全選手22名を処理対象とすることで、ステップS202からステップS206までの処理を1回ずつ処理対象とする選手を変えながら22回繰り返し実行する。なお、フィールドでプレイする22名の選手だけでなく、ベンチの控え選手を処理対象に加えても良い。
【0036】
次にステップS204に進むと、プロセッサ110は、処理対象である選手のパラメータに関する処理を行う。具体的には、選手の体力や他選手との連携に関するパラメータを更新する。
【0037】
次にステップS206に進むと、プロセッサ110は、処理対象である選手の習得済みスキルの発動または未習得スキルの習得および発動に関するスキル発動・習得処理を実行する。なお、このスキル発動・習得処理の詳細については後述する。
【0038】
次にステップS208に進むと、プロセッサ110は、試合に出場している全選手(Aチームの選手11名とBチームの選手11名の計22名)を対象としてステップS202~S206の処理を実行したか否かを判断する。この判断結果が「NO」である場合、プロセッサ110はステップS202に処理を戻す。一方、この判断結果が「YES」である場合、プロセッサ110は、対戦状況情報の更新処理OP101aを終了し、
図6のステップS102に処理を進める。
【0039】
図8および
図9は、
図7のステップS206において実行されるスキル発動・習得処理OP102aの詳細を示すフローチャートである。このスキル発動・習得処理OP102aにおいて、ステップS400以外の各ステップの処理は、能力習得部202としての処理、ステップS400の処理は能力制御部204としての処理である。本実施形態において、能力制御部204は、グループ内の複数の選手のスキルの習得実績が上限に達した時点以降、具体的には選手が未習得のスキルを1つ習得した時点以降、能力習得部202の処理を制限する。以下、
図8および
図9に示すスキル発動・習得処理OP102aについて説明する。
【0040】
まず、
図8のステップS300において、プロセッサ110は、処理対象の選手の習得済みスキルおよび未習得スキルの中に発動条件を満たすスキルがあるか否かを判断する。ここで、習得済みスキルとは、試合開始前にユーザにより設定された習得済みのスキルである。ステップ300の判断対象には、このような習得済みのスキルの他、未習得のスキルも含まれる。処理対象の選手に発動条件を満たすスキルがある場合、ステップS300の判断結果は「YES」となり、処理はステップS302へ進む。一方、処理対象の選手に発動条件を満たすスキルがない場合、ステップS300の判断結果は「NO」となり、プロセッサ110は、スキル発動・習得処理OP102aを終了し、処理を
図7のステップS208に進める。
【0041】
次にステップステップS302に進むと、プロセッサ110は、発動条件を満たしたスキルに対応付けられた発動確率(
図3参照)を用いて発動抽選(第1の演算)を実行する。なお、ステップS300の判断において、発動条件を満たしたスキルが同時に複数発生する場合も考えられる。このように発動条件を満たすスキルが複数ある場合は、その中のいずれか1つのスキルについて発動抽選を実行してもよい。また、発動条件を満たす複数のスキルの中に習得済みスキルと未習得スキルの両方が含まれる場合には、いずれか一方を優先して発動抽選を実行してもよい。
【0042】
次にステップS304に進むと、プロセッサ110は、ステップS302の発動抽選において当選したか否かを判断する。この判断結果が「YES」である場合、処理はステップS306へ進み、「NO」である場合、プロセッサ110は、スキル発動・習得処理OP102aを終了し、処理を
図7のステップS208に進める。
【0043】
次にステップS306に進むと、プロセッサ110は、発動抽選に当選したスキルが、処理対象の選手にとって未習得のスキルか否かを判断する。この判断は次のようにして行われる。
【0044】
本実施形態では、試合に参加する全ての選手について、
図10に示すスキルテーブルSTaが記憶部120に格納される。
図10には選手IDがA01である選手についてのスキルテーブルSTaが例示されている。このスキルテーブルSTaは、選手IDと、選手名と、1または複数の候補スキルと、各候補スキルについての習得有無フラグ、試合前設定フラグおよび試合中習得フラグの各情報を含む。
【0045】
ここで、候補スキルは、当該選手が習得する可能性のあるスキルであり、習得済みのスキルと未習得のスキルのどちらも含まれる。習得有無フラグは、当該候補スキルが習得済みのスキル(“1”:習得済み)であるか、未習得のスキル(“0”:未習得)であるかを示すフラグである。試合前設定フラグは、当該候補スキルが試合開始前に設定された習得済みのスキル(“1”:設定)であるか、試合開始前に設定されていない習得済みのスキルもしくは未習得のスキルのいずれか(“0”:未設定)であるかを示すフラグである。また、試合前設定フラグは、当該選手の全ての候補スキルのうち1つのスキルしか“1”に設定できないように制限されている。試合中習得フラグは、進行中の1試合の中で習得したスキルであるか否かを区別するフラグ(“1”:当該試合中習得、“0”:当該試合中習得でない。)であり、試合が終了するとクリアされる(“0”にされる)。
【0046】
ステップS306において、プロセッサ110は、処理対象である選手に対応したスキルテーブルSTaを参照し、発動抽選に当選したスキルに対応付けられた習得有無フラグが“0”か否かを判断する。
【0047】
発動抽選に当選したスキルが習得済みスキルである場合、ステップS306の判断結果は「NO」となり、プロセッサ110は、処理をステップS308に進める。一方、発動抽選に当選したスキルが未習得スキルである場合、ステップS306の判断結果は「YES」となり、プロセッサ110は、処理を
図9のステップS400に進める。
【0048】
次にステップS308に進むと、プロセッサ110は、ステップS302の発動抽選に当選したスキルが習得済みのスキルであるか否かを判断する。具体的には、処理対象の選手に対応付けられたスキルテーブルSTaを参照し、そのスキルテーブルSTaにおいて発動抽選に当選した候補スキルに対応付けられた習得有無フラグが“1”であるか否かを判断する。この判断結果が「NO」である場合、プロセッサ110は、スキル発動・習得処理OP102aを終了し、処理を
図7のステップS208に進める。一方、ステップS308の判断結果が「YES」である場合、プロセッサ110は、処理をステップ310に進める。
【0049】
ステップS306の判断結果が「NO」、ステップS308の判断結果が「YES」となってステップS310に進むと、プロセッサ110は、発動抽選(ステップS302)に当選した習得済みのスキルを発動する。例えば
図10において習得済みの候補スキルである「スルーパス」が発動抽選において当選した場合、プロセッサ110は、パスカットされないスルーパスを処理対象である選手に出させる(
図3参照)。ステップS310の処理が終了すると、プロセッサ110は、スキル発動・習得処理OP102aを終了し、処理を
図7のステップS208に進める。
【0050】
一方、発動抽選に当選したスキルが未習得スキルであることにより、ステップS306の判断結果が「YES」となり、
図9のステップS400に進むと、プロセッサ110は、処理対象の選手が属するグループ内の他選手が未習得のスキルを習得済みか否かを判断する。具体的には、プロセッサ110は、処理対象の選手が属するグループ内の全ての他選手についてのスキルテーブルSTa(
図10参照)を参照し、その中に試合中習得フラグが“1”であるものがあるか否かを判断する。この判断結果が「NO」の場合、プロセッサ110は、処理をステップS402に進める。
【0051】
次にステップS402に進むと、プロセッサ110は、ステップS302の発動抽選に当選した未習得のスキル(ステップS306=YES)について、処理対象の選手が習得条件を満たすか否かを判断する。
【0052】
当該選手が当該未習得スキルについての習得条件を満たしている場合、ステップS402の判断結果は「YES」となり、プロセッサ110は、処理をステップS404へ進める。一方、当該選手が当該未習得スキルについての習得条件を満たしていない場合、ステップS402の判断結果は「NO」となり、プロセッサ110は、処理を
図8のステップS308へ進める。
【0053】
次にステップS404に進むと、プロセッサ404は、発動抽選に当選した未習得のスキルに対応付けられた習得確率(
図3参照)を用いて習得抽選(第2の演算)を実行する。次にステップS406に進むと、プロセッサ110は、ステップS404の習得抽選に当選したか否かを判断する。この判断結果が「YES」の場合、プロセッサ110は、処理をステップS408に進める。一方、この判断結果が「NO」の場合、プロセッサ110は、処理を
図8のステップS308に進める。
【0054】
次にステップS408に進むと、プロセッサ110は、習得条件を満たし(ステップS402=YES)、かつ、習得抽選に当選(ステップS406=YES)したスキルを試合中習得のスキルに設定する。具体的には、プロセッサ110は、処理対象の選手に対応付けられたスキルテーブルSTaにおいて、習得条件を満たし、かつ、習得抽選に当選したスキルに対応した試合中習得フラグおよび習得有無フラグを1に設定する。
図11に示す例では、候補スキル「無回転シュート」が習得抽選に当選したため、「無回転シュート」に対応付けられた習得有無フラグおよび試合中習得フラグを“1”としている。
【0055】
ステップS408の処理が終了すると、処理は
図8のステップS308に進む。この場合、ステップS408において、発動抽選に当選したスキルの習得有無フラグが“1”に設定されているので、ステップS308の判断結果が「YES」となり、ステップS310において当該スキルが発動される。このとき、能力習得部202は、
図12に例示するように、スキルを習得した選手の画像151および選手名152と、習得したスキル名153とを表示部150に表示する。すなわち、本実施形態において能力習得部202は、1のゲーム要素がゲームに関する能力を習得した時点で当該ゲーム要素および当該能力をユーザに報知する。
【0056】
このように本実施形態では、ある選手の未習得のスキルが発動抽選に当選した場合、当該選手は、当該スキルの習得条件を満たし、かつ、習得抽選に当選することを条件に、当該スキルを習得し、かつ、発動することとなる。
【0057】
また、本実施形態では、試合前設定フラグを1に設定できるスキルは1つのみに制限されている。しかし、未習得のスキルのうち進行中の1試合の中で習得済みのスキルになったスキルは、試合前設定フラグに1が設定された1つのスキルに加えて習得済みスキルとして進行中の1試合の中で再び発動する可能性が生まれる。
【0058】
一方、処理対象の選手が属するグループ内の他の選手が未習得のスキルを習得しており、ステップS400の判断結果が「YES」となる場合には、能力習得部202の処理が制限される(すなわち、ステップS402以降の処理が回避されてステップS308へ進む)ため、処理対象である選手が発動抽選に当選した未習得のスキルを習得することがない。このため、ステップS308の判断結果は「NO」となる。
【0059】
従って、本実施形態において、1つのグループ内のいずれかの選手が未習得のスキルを1つ習得した時点以降は、同グループ内の選手が未習得のスキルを習得することはなく、かつ、発動することもない。
【0060】
また、ステップS402の判断結果が「NO」またはステップS406の判断結果が「NO」となって
図8のステップS308に進んだ場合にも、処理対象である選手が未習得のスキルを習得することがない。このため、ステップS308の判断結果は「NO」となる。
【0061】
従って、本実施形態において、処理対象である選手の未習得のスキルが発動条件を満たし、かつ、当該スキルが発動抽選に当選したとしても、当該選手が当該スキルについての習得条件を満たし、かつ、習得抽選に当選しない限り、当該未習得スキルを習得することはなく、かつ、発動もしない。
【0062】
[A4.第1実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態において、能力習得部202は、ゲームに関する能力(スキル)の習得条件を満たしたゲーム要素(選手)に対し、当該能力を習得する機会を与え(
図9のステップ404以降)、能力制限部204は、ゲームに係る1回のプレイ期間において、能力習得部202の処理を制限する(
図9のステップS400の判断結果が「YES」となる場合の動作)。本実施形態によれば、1回のプレイ期間中におけるゲームに関する能力の習得が過剰になることが回避される。このため、ユーザは、ゲームに関する能力をゲーム要素に習得させるために、プレイを繰り返す。従って、本実施形態によれば、ゲーム要素がゲームに関する能力を習得する過程をユーザが十分に楽しむことができる。
【0063】
また、本実施形態では、複数のゲーム要素(選手)からなるグループがゲーム(サッカーゲーム)を進行させ、能力制御部204は、グループ内の複数のゲーム要素について能力習得部202の処理を制限する。さらに詳述すると、本実施形態において、能力制御部204は、1回のプレイ期間中、グループ内の複数のゲーム要素のゲームに関する能力の習得実績が上限に達した時点以降、具体的には、1回のプレイ期間中、いずれか1名の選手がスキルを習得(ステップS400=YES)した時点以降、能力習得部202の処理を制限する。本実施形態によれば、グループ全体として1回のプレイ期間中におけるゲームに関する能力の習得実績が過剰になることが回避されるため、グループ内のゲーム要素がゲームに関する能力を習得する過程をユーザが十分に楽しむことができる。
【0064】
また、本実施形態において、能力習得部202は、1回のプレイ期間中、グループ内の複数のゲーム要素(選手)について、習得条件に関する判定(ステップS402)を複数回実行し、複数のゲーム要素のゲームに関する能力(スキル)の習得実績が上限に達する前(ステップS400の判断結果が「YES」となる前)に習得条件を満たしたゲーム要素に対し、ゲームに関する能力を習得する機会(ステップS404以降の処理)を与える。本実施形態によれば、先に習得条件を満たしたゲーム要素程、複数のゲーム要素のゲームに関する能力の習得実績が上限に達する前に能力を習得する可能性が高い。従って、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0065】
また、本実施形態において、能力習得部202は、1回のプレイ期間中、グループ内の複数のゲーム要素(選手)について、習得済みおよび未習得の能力(スキル)の中から発動条件を満たす能力を認定する認定処理(ステップS300~S304)を実行し、認定処理において発動条件を満たす能力として未習得の能力を認定した場合(ステップS306=「YES」)に、当該能力を習得条件に関する判定(ステップS402)の対象にする。本実施形態によれば、ゲームにおいて発動可能な能力について習得条件に関する判定を行うので、当該能力を発動可能な局面において当該能力をゲーム要素にタイムリーに習得させることができる。すなわち、ゲームの進行する中でゲーム要素に能力を習得させることができ、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0066】
また、本実施形態において、能力習得部202は、認定処理(ステップS300~S304)において発動条件を満たす能力として未習得の能力を認定した場合に、当該能力の発動の確率に基づいて当該能力の発動を許可する第1の演算(ステップS302の発動抽選)を実行し、当該第1の演算により当該発動が許可されることにより当該能力を習得条件に関する判定(ステップS402)の対象にする。本実施形態によれば、能力の発動の許可が確率に従って行われるので、ゲーム性を高めることができる。
【0067】
また、本実施形態において、能力習得部202は、習得条件に関する判定(ステップS402)において、習得条件を満たした能力の習得の確率に基づいて当該能力の習得を許可する第2の演算(ステップS404の習得抽選)を実行し、当該第2の演算により当該習得が許可された場合に、当該能力を当該ゲーム要素に習得させ(ステップS408)、かつ、発動させる(ステップS310)。本実施形態によれば、能力の習得の許可が確率に従って行われるので、ゲーム性を高めることができる。
【0068】
また、本実施形態において、能力習得部202は、1回のプレイ期間中、ゲームに関する能力を習得したゲーム要素と当該能力をユーザに報知する(ステップS310)。本実施形態によれば、ユーザは、1回のプレイ期間中に能力を習得したゲーム要素およびその能力を知ることができるので、次のプレイに対する意欲が湧く。
【0069】
また、本実施形態において、能力習得部202は、1のゲーム要素がゲームに関する能力を習得した時点で当該ゲーム要素および当該能力を報知する(ステップS310)。本実施形態によれば、1回のプレイ期間が終わるまで、能力を習得したゲーム要素およびその能力が分からないという状況を避けることができる。また、能力の習得実績が上限に到達した時点が分かるので、その時点以降、ユーザは1回のプレイ期間中に能力を習得できるか否かの緊張から解放される。
【0070】
[B.第2実施形態]
上記第1実施形態における能力制御部204は、進行中の1試合に参加している1つのグループ内の全選手のうち1名の選手が未習得のスキルを1つ習得した時点以降、同グループについての能力習得部202の処理を制限した。これに対し、本実施形態における能力制御部204は、進行中の1試合の中で、1つのグループにおいて未習得のスキルを3名以上の選手が習得した時点以降、あるいは進行中の1試合の中で、1つのグループにおいて、いずれか1名の選手が未習得のスキルを2つ習得した時点以降、同グループについての能力習得部202の処理を制限する。すなわち、本実施形態において、能力制御部202は、1回のプレイ期間中、グループ内の複数のゲーム要素のうちゲームに関する能力を習得したゲーム要素の数が上限に達した時点以降、あるいはグループ内の任意の1のゲーム要素のゲームに関する能力の習得実績が上限に達した時点以降、能力習得部202の処理を制限する。
【0071】
図13は本発明の第2実施形態であるゲーム装置10においてプロセッサ110が実行するスキル発動・習得処理OP102bの一部の流れを示すフローチャートである。本実施形態は、上記第1実施形態のスキル発動・習得処理OP102aの一部であるステップS400、S402、S404、S406およびS408の処理(
図9参照)を
図13に示すステップS500、S502、S504、S506、S508およびS510の処理に置き換えたものである。本実施形態において、ゲーム制御処理OP100a(
図6参照)、対戦状況情報の更新処理OP101a(
図7参照)、スキル発動・習得処理OP102aのうち
図8に示された部分は、上記第1実施形態と同様である。
【0072】
本実施形態では、上記第1実施形態と同様、発動条件を満たすスキルがある場合(
図8のステップS300=YES)、そのスキルが発動抽選に当選し(
図8のステップS304=YES)、この当選したスキルが未習得のスキルである場合(
図8のステップS306=YES)に、
図13のステップS500に処理が進む。
【0073】
ステップS500に進むと、能力制御部204としてのプロセッサ110は、進行中の1試合の中で、処理対象の選手が属するグループにおいて、未習得のスキルを3名以上の選手が習得したか否かを判断する。この判断は次のようにして行われる。すなわち、能力制御部204は、進行中の試合において、処理対象の選手が属するグループ内の全ての選手のスキルテーブルSTaを参照し、試合中習得フラグが“1”である選手が3名以上いるか否かを判断する。未習得のスキルを習得した選手が2名以下である場合はステップS500の判断結果は「NO」となってステップS502へ進む。一方、未習得のスキルを習得した選手が3名以上である場合は、処理は
図8のステップS308へ進む。
【0074】
次にステップS502へ進むと、能力制御部204としてのプロセッサ110は、進行中の1試合の中で、処理対象の選手が属するグループ内のいずれか1名の選手が未習得のスキルを2つ習得したか否かを判断する。この判断は次のようにして行われる。
【0075】
能力制御部204は、処理対象の選手が属するグループ内の全ての選手のスキルテーブルSTaを参照し、試合中習得フラグが“1”である候補スキルが2つある選手がいるか否かを判断する。未習得のスキルを2つ習得した選手が1人もいない場合、ステップS502の判断結果は「NO」となり、処理はステップS504へ進む。一方、未習得のスキルを2つ習得した選手がいる場合は、ステップS502の判断結果が「YES」となり、処理は
図8のステップS308へ進む。
【0076】
図13において、ステップS504、S506、S508およびS510の処理は、上記第1実施形態のステップS402、S404、S406およびS408の処理(
図9参照)と同じである。
【0077】
以上のように、本実施形態では、1回のプレイ期間中、グループ内の複数のゲーム要素のうちゲームに関する能力を習得したゲーム要素の数が上限に達したという条件(ステップS500)、あるいは1回のプレイ期間中、グループ内の任意の1のゲーム要素のゲームに関する能力の習得実績が上限に達したという条件(S502)のいずれかが満たされた時点以降、能力習得部202による能力の習得が行われなくなる。
【0078】
従って、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様な効果が得られる。また、本実施形態では、上記第1実施形態よりも緩めの制限で能力習得部202によるスキルの習得を行わせることができる。
【0079】
[C.第3実施形態]
本実施形態における能力習得部202は、ゲーム要素である選手に対し、未習得のスキルを習得する機会を与えることに加え、習得済みのスキルレベルをアップする機会を与える。そして、本実施形態における能力制御部204は、進行中の1試合の中で、いずれか1名の選手が習得済みのスキルレベルを1つアップした時点以降、能力習得部202の処理を制限する。
【0080】
本実施形態において、習得済みスキルのレベルアップ条件は、当該スキルの習得条件と同一である。さらに、習得済みスキルのレベルアップ確率は、当該スキルの習得確率と同一である。スキルのレベルアップに関しては、各種の態様があり得るが、例えばスキルがレベルアップすることにより、スキルの発動の効果を増加させてもよい。例えば「無回転シュート」というスキルの発動の効果は、「通常のシュートよりも相手チームのゴールキーパーの反応が40%遅れる。」であるが(
図3参照)、このスキルがレベルアップされた場合、発動の効果を「通常のシュートよりも相手チームのゴールキーパーの反応が50%遅れる。」にする、といった具合である。
【0081】
図14および
図15は、本実施形態においてプロセッサ110が実行するスキル発動・習得処理OP102cの一部の流れを示すフローチャートである。本実施形態では、上記第1実施形態のスキル発動・習得処理OP102aの一部(
図8参照)が
図14および
図15に示すスキル発動・習得処理OP102cに置き換えられている。本実施形態において、スキル発動・習得処理OP102cでは、
図14および
図15に示す処理の他、上記第1実施形態のステップS400~S408の処理(
図9参照)を実行する。本実施形態において、ゲーム制御処理OP100aの全般の流れ(
図6参照)、対戦状況情報の更新処理OP101aの全般の流れ(
図7参照)は、上記第1実施形態と同様である。
【0082】
図7のステップS206から
図14のステップS600に進むと、プロセッサ110は、処理対象の選手の習得済みスキルおよび未習得スキルの中に発動条件を満たすスキルがあるか否かを判断する。この判断結果が「YES」である場合、処理はステップS602へ進み、「NO」である場合は、スキル発動・習得処理OP102cを終了し、
図7のステップS208へ進む。
【0083】
このように、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様、試合開始前にユーザにより設定された習得済みのスキルの他、未習得のスキルも発動条件を満たしたか否かが判断される。そして、本実施形態では、試合開始前にユーザにより設定された習得済みのスキルのうち、レベルアップ条件を満たしているスキルの他、レベルアップ条件を満たしていないスキルも発動条件を満たしたか否かが判断される。
【0084】
次にステップS602に進むと、プロセッサ110は、発動条件を満たしたスキルについて、当該スキルに対応する発動確率(
図3参照)に従って発動抽選(第1の演算)を実行する。
【0085】
ここで、同時に複数のスキルが発動条件を満たす場合もあり得る。そのような場合、ステップS602においてプロセッサ110は、発動条件を満たした複数のスキルのうちいずれか1つを抽選で決定し、そのスキルについて発動抽選を実行してもよい。また、発動条件を満たした複数のスキルの中に習得済みスキルと未習得スキルとの両方が含まれる場合には、いずれか一方を優先して決定してもよい。
【0086】
次にステップS604に進むと、プロセッサ110は、ステップS602の発動抽選において当選したか否かを判断する。この判断結果が「YES」である場合、処理はステップS606に進み、「NO」である場合には、スキル発動・習得処理OP102cを終了し、
図7のステップS208へ進む。
【0087】
次にステップS606に進むと、プロセッサ110は、発動抽選に当選したスキルが未習得のスキルであるか否かを判断する。ここで、ステップS606の判断結果が「NO」となってステップS608に進んだ場合には、発動抽選に当選したスキルが習得済みのスキルであるので、ステップS608の判断結果は「YES」となり、ステップS610に進む。
【0088】
また、ステップS606の判断結果が「YES」となって
図9のステップS400に進んだ場合の処理は次のようになる。まず、処理対象の選手が属するグループ内の他選手が未習得のスキルを試合中に習得しておらず(ステップS400=NO)、発動抽選に当選したスキルについて処理対象の選手が習得条件を満たした場合(ステップS402=YES)、スキル習得抽選を実行する(ステップS404)。そして、スキル習得抽選に当選し(ステップS406=YES)、処理対象の選手が発動抽選に当選したスキルを習得した場合(ステップS408)には、発動抽選に当選したスキルが習得済みのスキルとなって
図14のステップS612へ進む。従って、この場合、ステップS612において当該スキルが発動される。
【0089】
また、ステップS606の判断結果が「YES」となって
図9のステップS400に進んだが、ステップS408に進まない場合には、発動抽選に当選したスキルは未習得のスキルのままである。従って、この場合にステップS608の判断結果は「NO」となり、スキル発動・習得処理を終了し、
図7のステップS208へ進む。
【0090】
次にステップS610に進むと、プロセッサ110は、発動抽選で当選したスキルについて、処理対象の選手がレベルアップ条件を満たしているか否かを判断する。この判断結果が「YES」である場合、処理は
図15のステップS700へ進み、「NO」である場合はステップS612へ進む。
【0091】
次にステップS612へ進むと、プロセッサ110は、ステップS602の発動抽選において当選したスキルを発動する(
図3参照)。
【0092】
次に、発動抽選で当選したスキルについて、処理対象の選手がレベルアップ条件を満たしている場合に実行される
図15の処理について説明する。ステップ700に進むと、プロセッサ110は、処理対象の選手が属するグループ内のいずれかの選手の習得済みスキルが試合中にレベルアップしたか否かを判断する。この判断は次のようにして行われる。
【0093】
本実施形態では、試合に参加する全ての選手について、
図16に示すスキルテーブルSTcが記憶部120に格納される。
図16には選手IDがA01である選手についてのスキルテーブルSTcが例示されている。このスキルテーブルSTcは、選手IDと、選手名と、1または複数の候補スキルと、各候補スキルについての習得レベル、試合前設定フラグ、試合中習得フラグおよび試合中レベルアップフラグの各情報を含む。
【0094】
ここで、候補スキルは、当該選手が習得する可能性のあるスキルであり、習得済みのスキルと未習得のスキルのどちらも含まれる。習得レベルは、候補スキルのレベルであり、習得レベル=「0」は未習得を、習得レベル=「1」は習得済みのスキルの最低レベルを、習得レベル=「2」は最低レベルの次のレベルを、習得レベル=「3」は最高レベルを示す。試合前設定フラグは、当該候補スキルが試合開始前に設定された習得済みのスキル(“1”:設定)であるか、試合開始前に設定されていない習得済みのスキルもしくは未習得のスキルのいずれか(“0”:未設定)であるかを示すフラグである。また、試合前設定フラグは、当該選手の全ての候補スキルのうち1つのスキルしか“1”に設定できないように制限されている。試合中習得フラグは、進行中の1試合の中で習得したスキルであるか否かを区別するフラグ(“1”:試合中習得、“0”:試合中習得でない。)であり、試合が終了するとクリアされる(“0”にされる)。試合中レベルアップフラグは、進行中の1試合の中でレベルアップしたスキルであるかを区別するフラグ(“1”:試合中レベルアップ、“0”:試合中レベルアップでない。)であり、試合が終了するとクリアされる(“0”にされる)。
【0095】
ステップS700において、プロセッサ110は、処理対象の選手が属するグループ内の全ての選手のスキルテーブルSTcを参照し、試合中レベルアップフラグが“1”である選手がいるか否かを判断する。この判断結果が「YES」である場合、
図14のステップS612に進み、「NO」である場合はステップS702へ進む。
【0096】
次にステップS702に進むと、プロセッサ110は、処理対象の選手について、スキルのレベルアップ抽選を実行する。具体的には、発動抽選に当選したスキルのレベルをアップさせるか否かをレベルアップ確率に従って抽選で決定する。
【0097】
次にステップS704に進むと、プロセッサ110は、ステップS702のスキルのレベルアップ抽選に当選したか否かを判断する。この判断結果が「YES」である場合はステップS706に進み、「NO」である場合には
図14のステップS612に進む。
【0098】
次にステップS706に進むと、プロセッサ110は、処理対象の選手について、レベルアップ抽選に当選したスキルのレベルをアップする。具体的には、候補スキルのうちの「スルーパス」がレベルアップ抽選に当選した場合、
図17に示すスキルテーブルSTcにおいて、「スルーパス」に対応付けられた習得レベルを「1」から「2」にレベルアップさせ、試合中レベルアップフラグを“1”にする。
【0099】
このステップS706の処理が終了すると、処理は
図14のステップS612に進む。この場合、プロセッサ110は、ステップS706においてレベルアップされたスキルを発動する。
【0100】
一方、ステップS700の判断結果が「YES」である場合またはステップS704の判断結果が「NO」の場合は、スキルのレベルアップ(ステップS706)が実行されることなく、
図14のステップS612に進む。この場合、プロセッサ110は、レベルアップされていない習得済みスキルを発動することとなる。
【0101】
本実施形態においても上記第1実施形態と同様な効果が得られる。また、本実施形態によれば、習得済みスキルのレベルアップに関しても、過剰にレベルアップが行われないように制限することができる。従って、選手がスキルをレベルアップする過程をユーザが十分に楽しむことができる。
【0102】
[D.第4実施形態]
本実施形態は、上述した第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせた実施形態である。本実施形態では、試合中に選手3名のスキルがレベルアップするか、試合中に1名の選手のスキルのレベルが2つアップするか(同一スキルのレベルが2つアップすることと、異なる複数のスキルのレベルが1つずつアップすることの両方を含む)、少なくともいずれかの条件が満たされると、その時点以降、スキルのレベルアップを行わない。
【0103】
本実施形態において、習得済みスキルのレベルアップ条件は、当該スキルの習得条件と同一である。さらに、習得済みスキルのレベルアップ確率は、当該スキルの習得確率と同一である。
【0104】
本実施形態において、ゲーム制御処理OP100aの全般の流れ(
図6参照)、対戦状況情報の更新処理OP101aの全般の流れ(
図7参照)は、上記第1実施形態と同様である。
【0105】
本実施形態では、対戦状況情報の更新処理OP101aのスキル発動・習得処理(
図7のステップ206)として上記第3実施形態のスキル発動・習得処理OP102c(
図14参照)を実行する。また、本実施形態では、このスキル発動・習得処理OP102cのうち
図15に示された処理の代わりに、
図18に示された処理OP102dを実行する。すなわち、本実施形態におけるプロセッサ110の処理は、上記第3実施形態において、
図15に示された処理を
図18に示された処理OP102dに置き換えたものである。
【0106】
図14のステップS610から
図18のステップS800に進むと、プロセッサ110は、進行中の1試合の中で、処理対象の選手が属するグループにおいて、習得済みのスキルのレベルをアップさせた選手が3名以上か否かを判断する。この判断は次のようにして行われる。
【0107】
本実施形態では、試合に参加する全ての選手について、
図19に示すスキルテーブルSTdが記憶部120に格納される。このスキルテーブルSTdでは、上記第3実施形態のスキルテーブルSTc(
図16参照)における試合中レベルアップフラグが試合中レベルアップ数に置き換えられている。試合中レベルアップ数は、進行中の試合中に当該選手の1つのスキルがレベルアップした回数を示している。
【0108】
ステップS800において、プロセッサ110は、処理対象の選手が属するグループ内の全ての選手のスキルテーブルSTdを参照し、3名以上の選手の試合中レベルアップ数が1以上になっているか否かを判断する。この判断結果が「NO」である場合はステップS802へ進み、「YES」である場合は、
図14のステップS612へ進む。
【0109】
次にステップS802に進むと、進行中の1試合の中で、処理対象の選手が属するグループ内のいずれか1名の選手の同一スキルのレベルを2つアップさせたこと、あるいは、いずれか1名の選手の異なる複数のスキルのレベルを1つずつアップさせたこと、のうち少なくとも一方の条件が満たされたか否かを判断する。具体的には、処理対象の選手が属するグループ内の全ての選手のスキルテーブルSTdを参照し、選手1名の全ての候補スキルの試合中レベルアップ数を合計すると2以上になっている選手がいるか否かを判断する。この判断結果が「NO」である場合はステップS804へ進み、「YES」である場合は
図14のステップS612へ進む。
【0110】
ステップS804、S806およびS808の処理は、上記第3実施形態のステップS702、S704およびS706の処理と同じである。
【0111】
ステップS808の具体的な処理は、次のようになる。候補スキルのうち「スルーパス」がスキルレベルアップ抽選に当選した場合、スルーパスの習得レベルを「1」から「2」にレベルアップさせ、さらに、スルーパスの試合中レベルアップ数に「1」を加算する。
【0112】
本実施形態においても、上記第3実施形態と同様な効果が得られる。また、本実施形態では、上記第3実施形態よりも緩めの制限で能力制御部202によるスキルのレベルアップを行わせることができる。
【0113】
[E.変形例]
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0114】
[第1変形例]
上記各実施形態では、1名の選手について複数のスキルが発動条件を満たした場合、そのうちの1つのスキルを発動抽選の対象にした。ここで、発動条件を満たす複数のスキルが未習得のスキルを含む場合には、未習得のスキルを選択して発動抽選の対象にしてもよい。また、発動条件を満たす複数のスキルが未習得のスキルを複数含む場合には、それらの全ての未習得のスキルを発動抽選の対象にしてもよい。また、発動抽選において、複数の未習得のスキルが当選した場合には、当選した複数の未習得のスキルを習得条件に関する判定の対象にしてもよい。
【0115】
[第2変形例]
上記各実施形態では、発動条件が満たされた場合に発動抽選を実行し、習得条件が満たされた場合に習得抽選を実行した。しかし、抽選の態様はこれに限定されるものではなく、発動抽選または習得抽選の一方を省略してもよい。
【0116】
[第3変形例]
上記各実施形態において、発動条件を満たすか否かの判定は、全ての選手について総当り的に実行してもよいが、一部の選手に限定して実行してもよい。ゲーム制御部200が自動的にゲームを進行させる態様において、ゲーム制御部200は、スキルの発動条件を満たす局面の発生と、その局面を迎える選手とを認知することが可能である。従って、ゲーム制御部200の能力習得部202は、そのようなスキルの発動条件を満たす局面を迎える選手に限定して、スキルの発動条件に関する判定を行ってもよい。
【0117】
[第4変形例]
上記第2実施形態において、能力制御部204は、1回のプレイ期間中、グループ内の複数のゲーム要素のうちゲームに関する能力を習得したゲーム要素の数が上限に達したという条件、あるいは1回のプレイ期間中、グループ内の任意の1のゲーム要素のゲームに関する能力の習得実績が上限に達したという条件の少なくとも一方が満たされた場合に能力習得部202の処理を制限した。しかし、そのようにする代わりに、グループ内の複数のゲーム要素によるゲームに関する能力の習得数の総和が上限に達したという条件が満たされた場合に能力習得部202の処理を制限してもよい。
【0118】
[第5変形例]
上記各実施形態では、チーム戦において対戦する各チームをグループとしたが、各チームをグループとするか、対戦する両チームの全体をグループとするかをユーザが選択できるようにしてもよい。
【0119】
[第6変形例]
上記各実施形態では、選手の位置等、ゲームの状況に関する条件をスキルの発動条件として採用し、このスキルの発動条件が満たされたときに、そのスキルを習得可能な選手にスキルの習得の機会を与えた。しかし、このような発動条件とは無関係に、選手にスキルの習得の機会を与えてもよい。例えば1試合中に擬似乱数を用いた抽選を複数回行い、この抽選により選手にスキルの習得の機会を与えてもよい。この場合において、グループ内の選手のスキルの習得実績が上限に到達した時点以降、選手にスキルを習得させないようにしてもよい。
【0120】
[F.付記]
以上の記載から、本発明は例えば以下のように把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の参照符号を便宜的に括弧書きで付記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0121】
[付記1]
この発明の一態様であるゲームプログラム(PRG)は、プロセッサ(110)を、ゲームに関する能力の習得条件を満たしたゲーム要素に対し、当該能力を習得する機会を与える能力習得部(202)と、前記ゲームに係る1回のプレイ期間において、前記能力習得部の処理を制限する能力制御部(204)として機能させる。
【0122】
このゲームプログラムによれば、1回のプレイ期間中におけるゲームに関する能力の習得が過剰になることが回避される。このため、ユーザは、ゲームに関する能力をゲーム要素に習得させるために、プレイを繰り返す。従って、ゲーム要素がゲームに関する能力を習得する過程をユーザが十分に楽しむことができる。
【0123】
「ゲーム」は、上記各実施形態ではチーム戦であるが、格闘技等の個人戦でもよい。また、「ゲーム」は、対戦ゲーム以外のゲーム、例えば一人用のゲームであってもよい。「ゲームに関する能力」とは、ゲームの進行に関連する効果を発生させる能力、例えばゲームの進行を有利に進める効果を発生させる能力である。実施形態において、「ゲームに関する能力」は、才能のある選手のみが習得可能な個別スキルである。しかし、「ゲームに関する能力」には、このような個別スキルの他、選手の能力の有無に拘わらず当該選手が習得可能な共通スキルも含まれる。また、上記各実施形態において、「能力」はサッカーに関するスキルであるが、ゲームによっては、様々なものが「能力」となり得る。「能力」は、特殊能力、技、魔法等であってもよい。また、「能力の習得」によって、能力を習得したゲーム要素の攻撃力や防御力などのパラメータを恒久的に変化(上昇や下降)させてもよい。「能力の習得条件」とは、当該能力を習得するための必要条件である。
【0124】
「1回のプレイ期間」とは、有限の継続時間を持ったゲームの期間であり、固定長である場合と可変長である場合がある。「1回のプレイ期間」は、ゲームの進行が継続しうる期間である。例えば1回の対戦の期間、1試合の期間等が「1回のプレイ期間」となり得る。また、「1回のプレイ期間」は、ゲーム空間において1回のプレイが開始されてから終了するまでの期間である。ユーザがゲームを一時停止すると、実時間空間においてゲームの進行は中断する。しかし、ゲーム空間において、実時間空間におけるゲームの進行の中断により、ゲーム空間における「1回のプレイ期間」が2つの期間に分断されることはない。従って、実時間空間におけるログインからログアウトまでの時間等、ゲームの進行が継続する期間以外の期間をも含む期間は、「1回のプレイ期間」ではない。有料のゲームの場合、課金の単位となる期間を「1回のプレイ期間」としてもよい。例えばアーケードゲームの場合、100円硬貨を投入することによりゲームを楽しむことができる期間が「1回のプレイ期間」となり得る。
【0125】
「制限する」とは、能力習得部の処理のうち少なくとも一部を実行させないことをいう。「能力習得部の処理のうち少なくとも一部を実行させない」であるから、「制限する」は、ゲームに関する能力の習得条件を満たしたか否かを判定しないことのみに限定されない。能力習得部の処理のうち、例えばゲームに関する能力の習得条件を満たしたか否かを判定しないことや、また例えばゲームに関する能力の習得条件を満たしたゲーム要素に当該能力を習得する機会を与えないことなどが該当し得る。「制限」の程度は、完全に実行させない程度の他、例えば2回に1回の割合で処理を実行させない、といったものでもよい。
【0126】
[付記2]
付記1において、複数のゲーム要素からなるグループが前記ゲームを進行させ、前記能力制御部(204)は、前記グループ内の複数のゲーム要素について前記能力習得部(202)の処理を制限してもよい。
【0127】
この態様によれば、グループ全体として1回のプレイ期間中におけるゲームに関する能力の習得実績が過剰になることが回避されるため、グループ内のゲーム要素がゲームに関する能力を習得する過程をユーザが十分に楽しむことができる。
【0128】
複数チームが対戦するチーム戦ゲームの場合、「グループ」は、プレイヤのチームである。しかし、プレイヤのチームと対戦する他のチームとを含むものを「グループ」としてもよい。また、「グループ」には、ゲームに関する能力を習得しないゲーム要素が含まれていてもよい。
【0129】
[付記3]
付記2において、前記能力制御部(204)は、前記1回のプレイ期間中、前記グループ内の複数のゲーム要素のゲームに関する能力の習得実績が上限に達した時点以降、前記能力習得部(202)の処理を制限する。
【0130】
「能力の習得実績」とは、習得した能力の価値の総和であってもよい。能力の価値とは、例えば当該能力がゲームに対して与える効果の程度であってもよい。能力の価値を能力間で同じに扱う場合、例えば習得した能力の数を能力の習得実績としてもよい。また、ゲームによっては、ゲームの進行過程において、習得したゲームに関する能力がレベルアップする場合がある。その場合、能力のレベルアップ分が習得した能力であり、能力の習得実績に加算される。
【0131】
「前記グループ内の複数のゲーム要素のゲームに関する能力の習得実績」は、グループ内の複数のゲーム要素の習得実績の総和のみならず、複数のゲーム要素の中の任意の1のゲーム要素の習得実績、および複数のゲーム要素の任意の一部である複数のゲーム要素の習得実績をも含む広義の概念である。
【0132】
「複数のゲーム要素のゲームに関する能力の習得実績が上限に達した時点以降」であるから、複数のゲーム要素の中の1のゲーム要素は自身の能力の習得実績がない場合でも、能力の習得が制限される場合がある。また、この場合、1回のプレイ期間中の途中において、能力習得部の処理が制限されることとなる。
【0133】
[付記4]
付記3において、前記能力制御部(204)は、前記1回のプレイ期間中、前記グループ内の任意の1のゲーム要素のゲームに関する能力の習得実績が第1の上限に達した時点以降、前記能力習得部(204)の処理を制限する。
【0134】
この態様によれば、1回のプレイ期間において、1のゲーム要素の能力の習得実績が過剰になるのを回避することができる。
【0135】
[付記5]
付記3または4において、前記能力制御部(204)は、前記1回のプレイ期間中、前記グループ内の複数のゲーム要素のうち前記ゲームに関する能力を習得したゲーム要素の数が第2の上限に達した時点以降、前記能力習得部(203)の処理を制限する。
【0136】
この態様によれば、1回のプレイ期間において、能力を習得するゲーム要素の数が過剰になるのを回避することができる。
【0137】
[付記6]
付記3において、前記能力習得部(202)は、前記1回のプレイ期間中、前記グループ内の複数のゲーム要素について、前記習得条件に関する判定を複数回実行し、前記複数のゲーム要素の前記ゲームに関する能力の習得実績が上限に達する前に前記習得条件を満たしたゲーム要素に対し、前記ゲームに関する能力を習得する機会を与える。
【0138】
この態様によれば、先に習得条件を満たしたゲーム要素程、複数のゲーム要素の前記ゲームに関する能力の習得実績が上限に達する前に能力を習得する可能性が高い。従って、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0139】
[付記7]
付記6において、前記能力習得部(202)は、前記1回のプレイ期間中、前記グループ内の複数のゲーム要素について、習得済みおよび未習得の能力の中から発動条件を満たす能力を認定する認定処理を実行し、前記認定処理において前記発動条件を満たす能力として未習得の能力を認定した場合に、当該能力を前記習得条件に関する判定の対象にする。
【0140】
この態様によれば、ゲームにおいて発動可能な能力について習得条件に関する判定を行うので、当該能力を発動可能な局面において当該能力をゲーム要素にタイムリーに習得させることができる。
【0141】
「発動条件」とは、ゲーム要素がゲームに関する能力を発動可能なゲームの状況に関する条件である。サッカーゲームに関する実施形態では、各ゲーム要素(選手)の位置等が発動条件となる。
【0142】
[付記8]
付記7において、前記能力習得部(202)は、前記認定処理において前記発動条件を満たす能力として未習得の能力を認定した場合に、当該能力の発動の確率に基づいて当該能力の発動を許可する第1の演算を実行し、当該第1の演算により当該発動が許可されることにより当該能力を前記習得条件に関する判定の対象にしてもよい。
【0143】
この態様によれば、能力の発動の許可が確率に従って行われるので、ゲーム性を高めることができる。
【0144】
[付記9]
付記7または8において、前記能力習得部(202)は、前記習得条件に関する判定において、前記習得条件を満たした能力の習得の確率に基づいて当該能力の習得を許可する第2の演算を実行し、当該第2の演算により当該習得が許可された場合に、当該能力を当該ゲーム要素に習得させ、かつ、発動させてもよい。
【0145】
この態様によれば、能力の習得の許可が確率に従って行われるので、ゲーム性を高めることができる。
【0146】
[付記10]
付記2~9において、前記能力習得部(202)は、前記1回のプレイ期間中、前記ゲームに関する能力を習得したゲーム要素と当該能力をユーザに報知してもよい。
【0147】
この態様によれば、ユーザは、1回のプレイ期間中に能力を習得したゲーム要素およびその能力を知ることができるので、次のプレイに対する意欲が湧く。
【0148】
[付記11]
付記10において、前記能力習得部(202)は、1のゲーム要素がゲームに関する能力を習得した時点で当該ゲーム要素および当該能力を報知してもよい。
【0149】
この態様によれば、1回のプレイ期間が終わるまで、能力を習得したゲーム要素およびその能力が分からないという状況を避けることができる。また、能力の習得実績が上限に到達した時点が分かるので、その時点以降、1回のプレイ期間中に能力を習得できるか否かの緊張から解放される。
【0150】
[付記12]
この発明の一態様によるゲーム装置の制御方法は、ゲームに関する能力の習得条件を満たしたゲーム要素に対し、当該能力を習得する機会を与える能力習得過程(202)と、前記ゲームに係る1回のプレイ期間において、前記能力習得過程の処理を制限する能力制御過程(204)と、を含む。
【0151】
[付記13]
この発明の一態様によるゲーム装置は、ゲームに関する能力の習得条件を満たしたゲーム要素に対し、当該能力を習得する機会を与える能力習得部(202)と、前記ゲームに係る1回のプレイ期間において、前記能力習得部の処理を制限する能力制御部(204)と、を含む。
【符号の説明】
【0152】
10…ゲーム装置、110…プロセッサ、120…記憶部、PRG…ゲームプログラム、130…通信部、140…操作部、150…表示部、200…ゲーム制御部、202…能力習得部、204…能力制御部。