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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083068
(43)【公開日】2022-06-03
(54)【発明の名称】遊技情報表示装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220527BHJP
【FI】
A63F7/02 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020194307
(22)【出願日】2020-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】飯田 康晴
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088DA23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】営業終了後に試打を行う場合であっても朝一で来場する遊技者に対して安心感を与え、朝一の稼動を向上させることを可能とする。
【解決手段】遊技情報表示装置は、営業終了後に表示モードを営業モードから試打モードへ切り替えられた場合は試打中のデータを表示対象のデータから除外して管理した上で、前日最終スタートを表示する場合は試打モードにおけるスタート回数を加算した補正前日最終スタートを表示する。これにより、朝一から来場してくれる遊技者に対してスタート回数を初期化していない旨をアピールするとともに、試打を行った際には試打中のデータまで含めた正確な前日最終スタートを遊技者に提供し、遊技者に安心感を与え、ひいては朝一の稼動率向上に貢献する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大当たり抽選の結果が連続して非当選となった非当選回数に基づいて遊技者に有利な有利状態を発生させるように構成された遊技機に付設され、当該遊技機に関する遊技情報を表示する遊技情報表示装置において、
当日における大当たりの発生回数を表示する大当たり回数表示手段と、
当日の営業開始時点から当日最初の大当たりが発生する時点までの前記非当選回数を表示するとともに、当日における直近の大当たりが終了した時点から現時点までの前記非当選回数を表示する当日非当選回数表示手段と、
前日最後の大当たりが終了した時点から前日営業終了時点までの前記非当選回数である前日非当選回数を表示する前日非当選回数表示手段と、
前記遊技情報の表示モードを営業モード及び試打モードの何れかに切り替える表示モード切替手段と、
営業終了後に前記表示モード切替手段が表示モードを営業モードから試打モードへ切り替えてから再度営業モードへ切り替えた場合、営業終了後の試打によって前記前日非当選回数が増加していることを把握可能な情報を表示する試打情報表示手段と、
を備えたことを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項2】
前記遊技機は、遊技場の従業員による所定の初期化操作に基づいて前記非当選回数をゼロに初期化することが可能に構成されており、
営業終了後に前記初期化操作が行われた否かを把握可能な初期化情報を表示する初期化情報表示手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技情報表示装置。
【請求項3】
前記試打モードに切り替えた時点からの前記非当選回数である試打中非当選回数を算出する試打中非当選回数算出手段と、
前記前日非当選回数に前記試打中非当選回数を加算した補正前日非当選回数を算出する補正前日非当選回数算出手段と、
前記補正前日非当選回数を表示する補正前日非当選回数表示手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技情報表示装置。
【請求項4】
前記試打モードにおいて大当たりが発生した場合、試打中の大当たりによって前記前日非当選回数が変動していることを把握可能な変動情報を表示する試打中大当たり情報表示手段を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の遊技情報表示装置。
【請求項5】
前記試打モードにおいて大当たりが発生した場合、その大当たりが終了した時点からの前記非当選回数を表示する試打大当たり後非当選回数表示手段を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の遊技情報表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技情報表示装置においては、例えば特許文献1に記載されているように、営業開始時に前日の営業が終了した時点における大当たり後のスタート回数(非当選回数)を表示するのが一般的となっており、遊技者はそのスタート回数を参考にして朝一で遊技する遊技機を選択するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4440671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、遊技場においては営業終了後に遊技機の動作チェックのために試打をすることがあり、その場合には遊技情報表示装置を試打モードに切り替えて試打中のデータが営業データに含まれないようにしていた。
【0005】
しかしながら、遊技機が大当たり後のスタート回数に基づいて遊技者に有利な有利状態を与えるように構成されている場合には、試打中のスタートをカウントしており、遊技機においては実際に発生したスタート回数に試打中のスタート回数も含まれてしまう。このため、遊技情報表示装置に表示されるスタート回数と実際の遊技機のスタート回数とが一致しない事態となることから、それが遊技者との間でトラブルの原因になったり、遊技者の不信感を煽る原因になったりしていた。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、営業終了後に試打を行う場合であっても朝一で来場する遊技者に対して安心感を与え、朝一の稼動を向上させることが可能な遊技情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明によれば、営業終了後に動作チェックのため試打を行った場合には、その試打により遊技機における実際の大当たり非当選回数が増加している旨を遊技者に対して表示するようにしたので、朝一で遊技を行う遊技者に対して安心感を与え、ひいては朝一の稼動率を高める効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る全体構成を概略的に示す図
図2】遊技機の正面図
図3】遊技機の機能ブロック図
図4】遊技情報表示装置の正面図
図5】遊技情報表示装置の機能ブロック図
図6】通常状態で示す遊技機の液晶表示部の正面図
図7】時短状態で示す遊技機の液晶表示部の正面図
図8】営業開始時で示す遊技情報表示装置の液晶表示部の正面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は全体構成を概略的に示している。遊技場内には複数の遊技機島が設けられており、各遊技機島には、パチンコ機やスロットマシンといった多数の遊技機1と、各遊技機1に対応する貸出装置2及び遊技情報表示装置3が設置されている。2台毎の遊技機1、貸出装置2及び遊技情報表示装置3に1台の中継装置4に接続されている。中継装置4はLAN5を介して管理装置6に接続されており、遊技機1、貸出装置2及び遊技情報表示装置3と管理装置6との間の通信を中継する。
尚、遊技場内には景品交換処理を行う図示しないPOS等の機器が設置されており、それらの機器についてもLAN5を介して管理装置6と通信可能に接続されている。
【0010】
管理装置6は、例えば管理室に設置されており、モニタ7及びキーボード8や図示しないプリンタが接続されている。管理装置6は、遊技機1、貸出装置2、遊技情報表示装置3等の稼動状況を管理する。尚、図1では省略しているが、数百台にわたる複数種類の遊技機1が管理装置6の管理対象となる。また、遊技機1がパチンコ機の場合の遊技価値(遊技媒体)は玉(パチンコ玉)であり、遊技機1がスロットマシンの場合はメダルである。
【0011】
遊技機1としてパチンコ機について説明する。図2に示すように遊技機1は、発射ハンドル9、スピーカ10、一対の装飾ランプ部11を有すると共に、遊技盤面12に、液晶表示部13、スルー式の普図(普通図柄)始動口14、特図1始動口15、特図2始動口16、特図1表示部17、特図2表示部18、普図表示部19、大入賞口20、アウト口21、上部受皿22、下部受皿23を有する。尚、遊技盤面12には多数の釘が植設されているが、図2では省略している。
【0012】
図3に示すように遊技機1は、電気的な構成として、主制御部24、特図1表示部17、特図2表示部18、普図表示部19、演出制御部25、AMP26、表示制御部27、払出制御部28、払出機構部29、電源回路部30、特図1入賞センサ31、特図2入賞センサ32、普図入賞センサ33、大入賞センサ34、特図2始動口SLD(ソレノイド)35、大入賞口SLD36を有する。尚、図3では貸出装置2や管理装置6との間で各種信号や各種情報を送受信するI/F部の図示を省略している。
【0013】
主制御部24は、CPU24a、ROM24b、RAM24c、I/O24dを有するマイクロコンピュータにより構成されており、ROM24bに記憶している制御プログラムを実行することにより、玉の打ち込みや入賞等に関する動作を制御する。また、主制御部24は、所定範囲の乱数を発生する乱数発生部37、乱数発生部37により発生した乱数の一つを抽出して抽選する乱数抽出部38を有する。
【0014】
図1入賞センサ31、特図2入賞センサ32、普図入賞センサ33及び大入賞センサ34は、それぞれ特図1始動口15、特図2始動口16、普図始動口14及び大入賞口20への入賞を検知すると、対応した入賞検知信号を主制御部24に出力する。特図2始動口SLD35は、主制御部24から開放指令信号を入力すると、特図2始動口16の電動役物を開放する。特図2始動口16は、電動役物が開放したときに限り入賞可能な構造となっている。大入賞口SLD36は、主制御部24から開放指令信号を入力すると、大入賞口20を開放する。
図1表示部17、特図2表示部18、及び普図表示部19は、主制御部24から表示指令信号を入力すると、特図1、特図2、及び普図の図柄変動をそれぞれ行う。
【0015】
演出制御部25は、主制御部24から演出指令信号を入力すると、AMP26を介してスピーカ10から演出音を出力させたり、装飾ランプ部11を演出表示させたり、表示制御部27を介して液晶表示部13を演出表示させたりする。液晶表示部13は、主制御部24から表示指令信号を入力すると、例えば特図1対応図柄及び特図2対応図柄を表示する。払出制御部28は、主制御部24から払出指令信号を入力すると、払出機構部29による払出しを行う。電源回路部30は、主制御部24を含めた遊技機1全体に動作電源を供給する。
【0016】
遊技機1は次のように動作する。
(1)特図1始動口15へ入賞すると、乱数発生部37により発生した乱数の一つを乱数抽出部38で抽出する特図1抽選を実行するとともに、特図1の図柄変動を開始する。
(2)普図始動口14へ入賞すると乱数発生部37により発生した乱数の一つを乱数抽出部38で抽出する普図抽選を実行するとともに、普図の図柄変動を開始する。普図抽選に当選すると、普図表示部19に当選図柄を表示するともに、特図2始動口16の電動役物を開放して特図2始動口16への入賞を可能とする。特図2始動口16へ入賞すると、乱数発生部37により発生した乱数の一つを乱数抽出部38で抽出する特図2抽選を実行するとともに、特図2の図柄変動を開始する。
【0017】
(3)特図1及び特図2の抽選結果は、上限4個まで記憶し、順次図柄変動を実行する。保留玉数は、液晶表示部13の右下隅部の保留表示部13a(図2参照)に2桁の数字として表示される。保留表示部12aの2桁の数字のうち左側の数字が特図1、右側の数字が特図2に対応する。特図1抽選及び特図2抽選では、16R大当たり・8R大当たりの2種類を抽選する。
【0018】
(4)遊技機1の遊技状態として、通常状態、確変時短状態、時短状態、大当たり状態(16R・8R)がある。通常状態では、大当たり状態の抽選を実行する。大当たり抽選の当選確率(大当たり確率)は1/300であり、大当たりが発生すると振分けられたラウンド(R)分だけ大入賞口20を開放する。16Rと8Rは大当たり当選時に各1/2で振り分けられる。16R大当たり状態では、大入賞口20を16回開放し、8R大当たり状態では大入賞口20を8回開放する。1回の開放は最大30秒で10個入賞すると閉鎖する。
図2始動口16の電動役物の開放時間は、確変時短状態及び時短状態で3秒、通常状態で0.2秒である。1Rの上限入賞数は10個、上限開放時間は30秒であり、上限入賞又は上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0019】
(5)16R大当たり状態の終了後は確変時短状態へ移行し、100回分の図柄変動が行われるまで当該確変時短状態が継続する。確変時短状態では大当たり確率が1/30に向上し、100回転の図柄変動までに大当たりが発生しなければ通常状態となる。8R大当たり終了後は通常状態へ移行する。
【0020】
(6)通常において所定回数(例えば1000回)の図柄変動を行うまで大当たりとならなかった場合、つまり1000回連続して非当選となる条件が成立した場合、天井時短状態へ移行する。天井時短状態は、最大で例えば1000回の図柄変動を行うまで継続する。つまり、天井時短状態は、図柄変動表示を1000回実行するか大当たりに当選するまで継続する。
【0021】
(7)RAM23aに記憶されたスタート回数(大当たり抽選回数)は営業終了による電源断後も維持されるが、遊技場側のリセット操作(初期化操作)によってゼロに初期化する。したがって、遊技場側によるリセット操作が無ければ翌営業日にスタート回数は持ち越されるが、リセット操作がされた場合には翌営業日の営業開始時のスタート回数は0となる。
【0022】
図1右側に示したスロットマシンは、表示窓39、スタートレバー40、ストップボタン41、メダル投入口42、BETボタン43等を有する。遊技者は、表示窓39を通じて内部に設けられたリールに描かれた図柄を視認可能となっている。遊技者によってメダル投入口42からメダルを投入、或いはBETボタン43を操作することでクレジットメダルが所定枚数ベットされ、その状態でスタートレバー40が操作されると、内部抽選を実行するとともに図柄の変動を開始させ、ストップボタン41が操作されることで所謂引込制御によりリールの変動を停止する。
【0023】
スロットマシンでは、周知のように小役、リプレイ役のほか、ボーナス役(BB役及びRB役)等が設定されている。内部抽選時に何れかの役に内部当選した状態で遊技者によりストップボタン41が操作された場合は、予め設定されている有効ライン上に内部当選役に対応する図柄を所謂滑り制御により停止表示し、停止表示が成功したときは入賞が発生し、対応する枚数のメダルの払出、或いはボーナス状態(大当たり状態)等への移行が行われる。
【0024】
遊技機1は、入賞の当選確率を規定する設定値を複数段階で調整することが可能である。例えば、「1」~「6」の6段階で当選確率(出玉率)を設定するための設定値が設けられており、遊技場側の操作によって、その何れかの設定値が割り当てられる。設定値は、その値が高いほど遊技者にとって有利な有利状態となる設定であり、その値が低いほど遊技者にとって不利な設定である。
【0025】
遊技機1からは、遊技の実行に応じて次に示す遊技信号が中継装置4を介して管理装置6へ出力される。
(1)遊技媒体消費信号:遊技で消費された遊技媒体の数を示す。
(2)遊技媒体付与信号:入賞により付与された遊技媒体の数を示す。
(3)大当たり抽選信号:遊技中に実行された大当たり抽選等の数を示す。
(4)大当たり信号:大当たり状態の発生中に出力され、大当たり状態であることを示す。
尚、遊技機1からは、これらの遊技信号に限らず、機種によって様々な信号が出力される。
【0026】
図1に示すように貸出装置2としては、パチンコ機の左側に配置されるパチンコ機用貸出装置と、スロットマシンの右側に配置されスロットマシン用貸出装置とがあり、何れも遊技機1毎に1台ずつ付設される。貸出装置2は、何れも紙幣(千円)を投入する投入口44を備えており、貨幣の投入に応じて遊技媒体を貸し出すとともに、売上情報を送信する。
【0027】
図4に示すように遊技情報表示装置3は、液晶表示部45(大当たり回数表示手段、当日非当選回数表示手段、前日非当選回数表示手段、試打情報表示手段、初期化情報表示手段、補正前日非当選回数表示手段、試打大当たり後非当選回数表示手段)、ランプ部46、呼出ボタン47、メニューボタンやマイデータボタン等を含む操作ボタン群48、リモコン受光部49を備えている。このうち、呼出ボタン47は、遊技者が従業員を呼び出すための操作ボタンであり、メニューボタンは、所定のメニューをポップアップ表示するための操作ボタンである。マイデータボタンは、遊技者が当核遊技機1における個人遊技データ(マイデータ)の記録開始を指示するための操作ボタンであり、リモコン受光部49は、従業員が携帯するリモコン50(図1参照)から送信されるリモコン信号を受光する。
【0028】
図5は、遊技情報表示装置3を中心に示す機能ブロック図である。遊技情報表示装置3の制御部51(大当たり回数表示手段、当日非当選回数表示手段、前日非当選回数表示手段、表示モード切替手段、試打情報表示手段、初期化情報表示手段、試打中非当選回数算出手段、補正前日非当選回数算出手段、補正前日非当選回数表示手段、試打大当たり後非当選回数表示手段)は、CPU51a、ROM51b、RAM51c、I/O51d等を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。制御部51には、管理装置6や遊技機1との間で各種信号や各種情報を送受信する送受信部52の他、液晶表示部45、ランプ部46、呼出ボタン47、操作ボタン群48、リモコン受光部49等が接続されている。
【0029】
遊技情報表示装置3は、図4に示すように液晶表示部45における表示領域を複数の表示領域に区分可能で、遊技機1からの遊技信号を中継装置4経由で受信して各種の遊技データを作成して各表示領域に表示したり、管理装置6から受信した各種情報を各表示領域に表示したりする。
【0030】
管理装置6は、図1に示すインターネット53(公衆通信回線)に接続可能となっており、センターに設置されているサーバ54とインターネット53等を介して通信可能である。
サーバ54は、例えば遊技場外で情報提供会社(遊技場とは異なる第三者)により運営され、インターネット53経由で各遊技場の管理装置6から遊技機1に関する遊技情報を収集して記憶し、インターネット53を利用してマイデータの閲覧サービスを含む各種のウエブサービスを提供する。
【0031】
携帯端末55は、インターネット53を介してサーバ54へアクセスし、サーバ54は、携帯端末55からのアクセスに応じてマイデータ等を当該携帯端末55に送信することで携帯端末55にて各遊技機1のデータを閲覧可能である。即ち、サーバ54は、携帯端末55の接続ID(例えばIPアドレスや、個人URL)と、携帯IDとを対応付けて管理しており、管理装置6が出力した携帯IDに対応した接続IDにマイデータを対応付けて記憶している。
【0032】
遊技情報表示装置3は、図6に示すように通常状態では液晶表示部13に特図1及び特図2対応図柄13bを表示するとともに保留表示部13aに特図1及び特図2保留玉を表示する。保留玉の左側が特図1、右側が特図2に対応している。また、図7に示すように時短状態では、時短中である旨を示すメッセージ13c、特図1及び特図2対応図柄13b、天井残り回数13d、特図1及び特図2保留玉13aを表示する。遊技情報表示装置3は表示モードとして上述の通常状態に加えて試打モードを備えており、担当者による操作により表示モードを営業モードと試打モードとの間で切り替え可能となっている。
【0033】
さて、担当者は、営業終了後に遊技機1の動作チェックを行う際は遊技情報表示装置3の表示モードを営業モードから試打モードへ切り替える表示切替操作を行ってから試打する。この表示切替操作は管理装置6又はリモコン50からの指令に基づいて実行する。
遊技情報表示装置3は、試打モード中においては、スタート回数(試打中非当選回数)、出玉率などの各種遊技データを表示する。したがって、担当者は、試打中においては遊技情報表示装置3に表示された遊技データを確認しながら動作チェックを行う。
【0034】
ここで、遊技情報表示装置3は試打モード中の遊技データを営業モード中の遊技データと区別して管理するため、営業モード中の表示データに影響することはない。例えば、試打モード中のスタート回数は営業モード終了時の只今スタートに加算されず、大当たりが発生しても大当たり回数に加算されない。
ただし、大当たりが発生した場合は、遊技機1に記憶されたスタート回数がリセットされるので、前日の営業モード終了時の只今スタートである最終スタートをリセットして大当たり後の実際のスタート回数(非当選回数)を記憶する処理を実行する。
以上のようにして、担当者は、試打モードにおけるスタート回数や出玉率等に基づいて遊技機1の動作を確認し、その結果に基づいて設定値を適宜調整する。
【0035】
そして、次の営業開始となり電源投入すると、遊技情報表示装置3は動作開始し、RAM24cに記憶している情報に基づいて以下のデータを表示する。
(1)本日大当たり回数
(2)前日大当たり回数
(3)前々日大当たり回数
(4)前日最終スタート(前日営業終了時点の只今スタート回数(前日非当選回数))
(5)只今スタート(営業開始時点から現時点までのスタート回数。大当たり終了毎にゼロリセットし加算再開)
(6)累計スタート(営業開始時点からのスタート回数の累計)
(7)差玉推移グラフ(直近3日分の[払出玉数-投入玉数]の推移をグラフ形式で表示)
(8)各種メッセージ
【0036】
ところで、遊技機1は、天井時短状態となったかを判断するために大当たり後のスタート回数をカウントしているが、上述した試打モードにおいてもスタート回数のカウントを継続して実行している。このため、遊技情報表示装置3が営業開始時に前日最終スタートを表示した場合、試打モード中のスタート回数分だけ遊技情報表示装置3が表示する前日最終スタートが小さくなることから、表示データと遊技機1が記憶している実際のデータとが異なり、遊技者との間でトラブルとなる虞がある。
【0037】
このような事情から、本実施形態では、前日の営業終了後に遊技機1の動作チェックを行うため試打を行った場合には、その旨を表示可能となっているとともに、試打モード中におけるスタート回数と、そのスタート回数を前日最終スタートに加算した補正前日最終スタート(補正前日非当選回数)とを表示可能となっている。
図8に示す例では、前日最終スタートは345回であるが、試打モード中に51回スタートしており、試打終了時には遊技機1はスタート回数として396回を記憶しているので、補正前日最終スタートが396回であることを示すメッセージを表示する。
【0038】
また、試打モード中に大当たりが発生した場合には管理装置6又はリモコン50による操作に応じて以下の処理を実行する。
(1)前日最終スタートを実際の数値に変更する。
(2)メッセージ表示エリアに「試打中に大当たりが発生したため、前日最終スタートが営業終了時点の数値と異なっています。」というメッセージを表示する。
【0039】
一方、前日の営業終了後に遊技機1が記憶している大当たり当選後のスタート回数をゼロに初期化した場合にも表示データと実際のスタート回数が異なることから、管理装置6又はリモコン50でのメッセージ入力操作により、前日の営業終了後に遊技機1が記憶しているスタート回数を初期化したか否かを示す初期化情報を表示可能となっている。
【0040】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
遊技情報表示装置3は、営業終了後に表示モードを営業モードから試打モードへ切り替えられた場合は試打中のデータを表示対象のデータから除外して管理した上で、前日最終スタートを表示する場合は試打モードにおけるスタート回数を加算した補正前日最終スタートを表示するので、朝一から来場してくれる遊技者に対してスタート回数を初期化していない旨をアピールするとともに、試打を行った際には試打中のデータまで含めた正確な前日最終スタートを遊技者に提供し、遊技者に安心感を与え、ひいては朝一の稼動率向上に貢献する。
また、スタート回数を営業終了後に初期化(ゼロリセット)していない旨を一緒に表示可能であるので、遊技者に安心感を与えることができる。
【0041】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張したり、各変形例を上記実施形態と組み合せたり、各変形例を組み合わせるようにしても良い。
補正前日スタート回数をメッセージ表示エリアに表示したが、前日最終スタートの表示エリアに差し替えて表示してもよい。この場合、試打を行ったことにより前日最終スタートを実際の数値に差し替えた旨をメッセージ表示エリアに表示するのが望ましい。
【0042】
試打モード中に大当たりが発生した場合には、前日最終スタートを実際の数値に差し替えるようにしたが、大当たりが発生しない場合と同様に差し替えることなくメッセージ表示エリアに補正前日最終スタートを表示するようにしてもよい(試打中大当たり情報表示手段)。この場合、例えば、「試打中に大当たりが発生しましたので、実際の前日最終スタートは30回です。」のようなメッセージ(変動情報)を表示するとよい。
【0043】
補正前日最終スタートとして正確な数値を表示したが、正確な数値を表示しないで前日最終スタートが増加している旨のみを表示するようにしてもよい。この場合、遊技者は正確な数値を把握することはできないが、表示されている前日最終スタートよりも大きいことは把握できるため、実際にどの程度大きい数値となっているのかを期待しながら遊技を行うこととなる。
【符号の説明】
【0044】
図面中、1は遊技機、3は遊技情報表示装置、45は液晶表示部(大当たり回数表示手段、当日非当選回数表示手段、前日非当選回数表示手段、試打情報表示手段、初期化情報表示手段、補正前日非当選回数表示手段、試打大当たり後非当選回数表示手段)、51は制御部(大当たり回数表示手段、当日非当選回数表示手段、前日非当選回数表示手段、表示モード切替手段、試打情報表示手段、初期化情報表示手段、試打中非当選回数算出手段、補正前日非当選回数算出手段、補正前日非当選回数表示手段、試打大当たり後非当選回数表示手段)、である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8