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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083083
(43)【公開日】2022-06-03
(54)【発明の名称】収納ラック
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/18 20060101AFI20220527BHJP
   G01B 5/00 20060101ALI20220527BHJP
【FI】
H05K7/18 L
G01B5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020194336
(22)【出願日】2020-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】394025094
【氏名又は名称】三菱電機特機システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】溝井国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】梅本 諭史
(72)【発明者】
【氏名】大西 雄一
【テーマコード(参考)】
2F062
【Fターム(参考)】
2F062AA01
2F062CC27
2F062GG01
2F062LL03
(57)【要約】
【課題】簡便に、指定された高さに収納物を取り付けできるようにする。
【解決手段】収納ラック10は、電子機器20といった収納物を収納する。収納ラック10は、底面部を構成する底面フレーム111と、上面部を構成する上面フレーム121と、底面フレーム111と上面フレーム121とを繋ぐ複数の柱13であって、任意の位置に取り付けられる取付部材によって収納物が取り付けられる複数の柱13とを備える。複数の柱13のうち少なくともいずれかの柱13には、底面部又は上面部からの距離を示す目盛りが設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納物を収納するための収納ラックであり、
底面部を構成する底面フレームと、
上面部を構成する上面フレームと、
前記底面フレームと前記上面フレームとを繋ぐ複数の柱であって、任意の位置に取り付けられる取付部材によって前記収納物が取り付けられる複数の柱と
を備え、
前記複数の柱のうち少なくともいずれかの柱には、前記底面部又は前記上面部からの距離を示す目盛りが設けられた収納ラック。
【請求項2】
前記底面部及び前記上面部は矩形であり、
前記複数の柱は、少なくとも前記底面部及び前記上面部の四隅において前記底面フレームと前記上面フレームとを繋ぐ4本の主柱を含み、
前記4本の主柱には、前記目盛りが設けられた
請求項1に記載の収納ラック。
【請求項3】
前記複数の柱は、前記4本の主柱のうち前面側における一方の側面側の主柱と背面側における前記一方の側面側の主柱との間において前記底面フレーム及び前記上面フレームを繋ぐ副柱と、前記4本の主柱のうち前面側における他方の側面側の主柱と背面側における前記他方の側面側の主柱との間において前記底面フレーム及び前記上面フレームを繋ぐ副柱との2本の副柱を含み、
前記2本の副柱には、前記目盛りが設けられた
請求項2に記載の収納ラック。
【請求項4】
前記4本の主柱のうち前記前面側における2本の主柱と、前記2本の副柱とに前記取付部材であるスライドレールが取り付けられるとともに、前記4本の主柱のうち前記背面側における2本の主柱の少なくとも一方に前記スライドレールとは異なる種類の前記取付部材が取り付けられる
請求項3に記載の収納ラック。
【請求項5】
前記目盛りは、前記柱における前記取付部材が取り付けられる面に設けられた
請求項1から4までのいずれか1項に記載の収納ラック。
【請求項6】
前記目盛りは、前記底面部又は前記上面部からの距離を示す数値が示された
請求項1から5までのいずれか1項に記載の収納ラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器といった収納物を収納するための収納ラックに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ等の電子機器を、安全にかつ埃等を避けて収納する収納ラックがある。
【0003】
収納ラックには、JIS(Japanese Industrial Standards)規格と、EIA(Electronic Industries Alliance)規格といった規格が定められている。これらの規格では、収納ラックに収納されるユニットシャーシのサイズ等が定められている。
【0004】
電子機器といった収納物の配置に関しては規格で定められるものではなく、ユーザ等の指定に従い配置される。例えば、複数の収納物を収納ラックに収納する場合には、各収納物をどの高さに配置するかがユーザから指定され、指定された高さに各収納物が配置される。
【0005】
現在は、指定された高さに収納物を取り付けるために、以下のような作業が行われている。巻き尺等を用いて収納ラックにおける指定された高さの位置が特定され、その位置にペン等で印が付けられる。印が付けられた位置にブラケット等の取付部材が取り付けられる。複数の柱に対して取付部材を取り付ける場合には、各柱における指定された高さの位置が特定され、その位置にペン等で印が付けられる。そして、各柱における印が付けられた位置に取付部材が取り付けられる。その後、正しい高さに取付部材が取り付けられていることを確認するため、取付部材が取り付けられている位置が巻き尺等を用いて確認される。
【0006】
特許文献1には、EIA規格に対応して設けられる取付穴の位置を示す目盛りが刻まれた巻き尺状のスケールについて記載されている。特許文献1では、このスケールを用いることで、意図した取付穴を容易に特定できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004-28802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
指定された高さに収納物を取り付けるためには、何度も巻き尺等を用いて高さを確認する必要があり、手間と時間がかかっていた。特許文献1に記載されたスケールを用いても、指定された高さに収納物を取り付けるためには、依然として手間と時間がかかってしまう。
本開示は、簡便に、指定された高さに精度よく収納物を取り付けできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る収納ラックは、
収納物を収納するための収納ラックであり、
底面部を構成する底面フレームと、
上面部を構成する上面フレームと、
前記底面フレームと前記上面フレームとを繋ぐ複数の柱であって、任意の位置に取り付けられる取付部材によって前記収納物が取り付けられる複数の柱と
を備え、
前記複数の柱のうち少なくともいずれかの柱には、前記底面部又は前記上面部からの距離を示す目盛りが設けられた。
【発明の効果】
【0010】
本開示では、底面フレームと上面フレームとを繋ぐ複数の柱のうち少なくともいずれかの柱に底面部又は上面部からの距離を示す目盛りが設けられている。これにより、巻き尺を用いることなく、簡便に、指定された高さに収納物を取り付けることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1に係る収納ラック10の破断斜視図。
図2】実施の形態1に係る収納ラック10の側面図。
図3】実施の形態1に係る柱13の説明図。
図4】実施の形態1に係る目盛り14の説明図。
図5】実施の形態1に係る目盛り14の説明図。
図6】実施の形態1に係る収納ラック10に電子機器20を収納する手順を示すフローチャート。
図7】実施の形態1に係る電子機器20の取付状態の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1及び図2を参照して、実施の形態1に係る収納ラック10の構成を説明する。
図1では、収納ラック10の前面及び側面のパネルが外され、上面付近の一部と底面部よりも下の部分が破断された状態を示す。図2は、収納ラック10を側面から見た図(図1のX方向から見た図)であり、側面のパネルが外された状態を示す。
【0013】
収納ラック10は、コンピュータ及び排熱用のファンといった電子機器20等の収納物を収納するための箱体状のラックである。なお、収納物には、電子機器20の他に収納棚とテーブルといった物も含まれる。以下の説明では、収納物の具体例として電子機器20を用いて説明する。収納ラック10は、底面部11を構成する底面フレーム111と、上面部12を構成する上面フレーム121と、底面フレーム111と上面フレーム121とを繋ぐ複数の柱13とを備える。複数の柱13には、任意の位置に取り付けられるブラケット等の取付部材によって電子機器20が取り付けられる。
【0014】
収納ラック10は、直方体状の箱型であり、底面部11及び上面部12は略同一サイズの矩形である。
複数の柱13は、底面部11及び上面部12の四隅において底面フレーム111と上面フレーム121とを繋ぐ4本の主柱131を含む。また、複数の柱13は、奥行方向における4本の主柱131の間に2つの副柱132を含む。一方の副柱132は、4本の主柱131のうち前面側における一方の側面側の主柱131と背面側における一方の側面側の主柱131との間において底面フレーム111及び上面フレーム121を繋ぐ。他方の副柱132は、4本の主柱のうち前面側における他方の側面側の主柱131と背面側における他方の側面側の主柱131との間において底面フレーム111及び上面フレーム121を繋ぐ。
【0015】
図3に示すように、実施の形態1では、各主柱131及び各副柱132には、溝133が設けられている。溝133は、奥側で幅が広くなった断面視T字状になっている。溝133にナットが挿入され、このナットを用いて取付部材が取り付けされる。このナットは、例えばバネ状になっており、T字状の溝133に挿入されると、バネの弾性により挿入された位置で固定されるナット等が用いられる。
【0016】
複数の柱13のうち少なくともいずれかの柱13には、底面部11又は上面部12からの距離を示す目盛り14が設けられる。実施の形態1では、4本の主柱131と2本の副柱132との全てに目盛り14が設けられている。また、実施の形態1では、目盛り14は、底面部11からの距離を示す。なお、目盛り14が上面部12からの距離を示す場合には、以下の説明における底面部11からの距離を、上面部12からの距離と読み替えればよい。
【0017】
図4を参照して、実施の形態1に係る目盛り14について説明する。
図4は、図2の拡大領域Yを拡大した図である。
目盛り14は、底面部11からの距離を1ミリメートル単位で示している。目盛り14には、1センチメートル毎に底面部11からの距離を示す数値が示されている。目盛り14は、柱13に印刷されていてもよいし、塗装されていてもよいし、刻印されていてもよい。つまり、目盛り14を設ける方法はどのような方法であっても構わない。
目盛り14は、各柱13における溝133が設けられた面に設けられる。言い換えると、目盛り14は、各柱13における取付部材が取り付けられる面に設けられる。なお、目盛り14は、取付部材が取り付けられる面だけでなく、他の面にも設けられてもよい。
図4では、溝133の両側に目盛り14が設けられており、溝133の一方側にだけ数値が示されている。しかし、図5に示すように、柱13の位置によっては、溝133の一方側にだけ目盛り14が設けられていてもよい。
【0018】
***電子機器20の収納手順***
図6を参照して、実施の形態1に係る収納ラック10に電子機器20を収納する手順を説明する。
図6に示す処理は、作業者によって実行される。
【0019】
(ステップS1:取付部材設置処理)
ユーザ等から指定された取付位置に対して、取付部材が取り付けされる。
具体的には、取付位置が示された設計書が参照され、取付位置が特定される。取付位置としては、取り付ける柱13と、底面部11からの距離(以下、高さと呼ぶ)とが指定されている。取付位置として指定された柱13に設けられた目盛り14に基づき、その柱13における取付位置として指定された高さの位置が特定される。そして、特定された位置に取付部材が取り付けされる。
例えば、特定された位置の溝133にナットが挿入され、そのナットを用いて取付部材が取り付けされる。バネの弾性等により挿入された位置で固定されるナットを用いれば、特定された位置に容易にナットを保持しておくことが可能である。
【0020】
(ステップS2:電子機器設置処理)
ステップS1で取り付けされた取付部材に対して、電子機器20が取り付けされる。これによって電子機器20が収納ラック10に収納される。
【0021】
(ステップS3:位置確認処理)
ステップS2で電子機器20が取り付けされた位置が、指定された取付位置であるかが確認される。具体的には、取付位置として指定された各柱13について、その柱13に設けられた目盛り14を参照して、指定された高さに取り付けられていることが確認される。
なお、位置確認処理は、ステップS1の後に行われ、取付部材が取り付けされた位置が、指定された取付位置であるかが確認されてもよい。
【0022】
例えば、図7に示すように、電子機器20としてコンピュータが設置されるとする。この場合には、ステップS1で取付部材としてスライドレール15が取り付けられる。そして、ステップS2で、電子機器20がブラケット16に取り付けられ、ブラケット16がスライドレール15にはめ込まれる。これによって、電子機器20が収納ラック10に収納される。そして、ステップS3で電子機器20又は取付部材の位置が指定された取付位置であるかが確認される。
複数のコンピュータが設置される場合には、ステップS1からステップS3までの処理がコンピュータの台数分繰り返される。
【0023】
図7では、4本の主柱131のうち前面側における2本の主柱131と、2本の副柱132とに取付部材であるスライドレール15が取り付けられている。また、4本の主柱のうち背面側における2本の主柱131の少なくとも一方にスライドレール15とは異なる種類の取付部材が取り付けられ、その取付部材には排熱用のファン(特に図示せず)と、配線をまとめるためのクランプ(特に図示せず)といった機器が取り付けられている。
排熱用のファンとクランプといった機器に関しても、取付位置が指定されており、コンピュータと同様の手順によって収納ラック10に取り付けされる。
なお前記実施の形態1では、収納ラック10に電子機器20としてコンピュータが取り付けられる例を示したが、引き出し式のテーブルと、ケーブル類と等を収納する棚であってもよく、同様の効果を奏する。
【0024】
***実施の形態1の効果***
以上のように、実施の形態1に係る収納ラック10は、底面フレーム111と上面フレーム121とを繋ぐ柱13に底面部11又は上面部12からの距離を示す目盛りが設けられている。これにより、巻き尺を用いることなく、簡便に、指定された高さに精度よく電子機器20等の収納物を取り付けることが可能である。
【0025】
巻き尺を用いて高さを図る場合には、巻き尺のずれ等によって一部の収納ラック10において一部の収納物の取付位置がずれてしまう可能性がある。しかし、実施の形態1に係る収納ラック10では、柱13に目盛り14が設けられているため、取付位置のずれが発生しにくい。
【符号の説明】
【0026】
10 収納ラック、11 底面部、111 底面フレーム、12 上面部、121 上面フレーム、13 柱、131 主柱、132 副柱、133 溝、14 目盛り、15 スライドレール、16 ブラケット、17 取付部材、20 電子機器。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7