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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083154
(43)【公開日】2022-06-03
(54)【発明の名称】車両の側部車体構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 37/02 20060101AFI20220527BHJP
   B62D 25/20 20060101ALI20220527BHJP
   B62D 25/16 20060101ALI20220527BHJP
   B62D 25/18 20060101ALI20220527BHJP
   B60R 13/04 20060101ALI20220527BHJP
   B60J 10/84 20160101ALI20220527BHJP
【FI】
B62D37/02 Z
B62D25/20 F
B62D25/16 E
B62D25/18 B
B62D25/18 G
B60R13/04 A
B60R13/04 B
B60J10/84
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020194443
(22)【出願日】2020-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100059959
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】福島 嘉男
【テーマコード(参考)】
3D023
3D201
3D203
【Fターム(参考)】
3D023AA01
3D023AB01
3D023AC02
3D023AC05
3D023AC22
3D201AA01
3D201AA08
3D201BA01
3D201CA03
3D203AA02
3D203BB12
3D203BB57
3D203BC04
3D203BC22
3D203BC24
3D203CB08
3D203CB26
3D203CB27
3D203DA15
3D203DA32
3D203DA69
3D203DA70
3D203DB04
(57)【要約】
【課題】ドアの開口面積を確保しつつ車両のデザイン性を向上させ、かつ、ディフレクタの支持剛性を確保して空力性能を向上させることができる車両の側部車体構造を提供する。
【解決手段】本発明による車両の側部車体構造は、タイヤ22が収容されるホイールハウス24と、開口12を開閉するドア16と、ドア16の下方を車両前後方向に延びるサイドシル8とを備え、ドア16には、ホイールハウス24に沿って延びるアーチ部分を覆う加飾部材32が設けられ、車体2のサイドシル8には、その少なくとも側面を覆うカバー部材38が固定され、車体の側部には、車両車幅方向におけるドア16の加飾部材32と車体2との間に、カバー部材38と一体的に形成された後方延出部38bが設けられ、この後方延出部38bにディフレクタ34が固定されるようになっている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の側部に形成され、タイヤが収容されるホイールハウスと、
上記車体の側部に形成された開口を開閉するドアと、
上記車体の側部に形成され、上記ドアの下方を車両前後方向に延びるサイドシルと、を備える車両の側部車体構造であって、
上記ドアには、上記ホイールハウスに沿って延びるアーチ部分を覆う加飾部材が設けられ、
上記車体の上記サイドシルには、その少なくとも側面を覆うカバー部材が固定され、
上記車体の側部には、車両車幅方向における上記ドアの加飾部材と上記車体との間に、上記カバー部材と一体的に形成された後方延出部が設けられ、この後方延出部にディフレクタが固定されるようになっている、ことを特徴とする車両の側部車体構造。
【請求項2】
上記カバー部材の後方延出部は、車体のサイドパネルに固定されている、請求項1に記載の車両の側部車体構造。
【請求項3】
上記カバー部材の側面には、上記ドアとの隙間を塞ぐためのシール部材が設けられ、このシール部材は、上記カバー部材の後方延出部および上記ホイールハウスの上記ドア側の側部にわたって一体的に延びるよう設けられている、請求項1または請求項2に記載の車両の側部車体構造。
【請求項4】
上記カバー部材の後方延出部は、車体のサイドパネルとの間で閉断面を形成するよう構成されている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両の側部車体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の側部車体構造に係り、特に、車体の側部に形成されたホイールハウスと、車体の側部に形成された開口を開閉するドアと、車体の側部に形成されたサイドシルと、を備える車両の側部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両前方からタイヤ前方に向かって流れる空気を整流するために、ホイールハウス前方/車輪前方にタイヤディフレクタを設ける技術が知られている(例えば特許文献1、2)。
【0003】
また、従来、主に車両全体のデザイン性を高めるために、車体側部のホイールハウス周りやドアなどに、いわゆるアーチモールやサイドモールなどのガーニッシュ(加飾部材)を設けることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-166983号公報
【特許文献2】特開2008-280015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、SUV等の車両において大型/大径のタイヤを装着した場合に、車両全体のデザインを考慮して、ホイールハウス周辺に設ける加飾部材の幅寸法を大きくとることがある。ところが、ホイールハウスにドアが隣接している場合(いわゆる4ドアの場合はリアドア)、ホイールハウスの外縁に沿って車体に幅広の加飾部材を取り付けると、ドアの開口面積が小さくなってしまう。そこで、ドアの開口面積を確保するためには、そのような加飾部材の一部をドアに取付ける必要がある。
【0006】
また、リアタイヤ用のディフレクタは、リアタイヤの車両前方側に設ける必要があるので、ドア(リアドア)の下方に設けることになり、大型のリアタイヤを装着した場合には、その整流性能を発揮させるために、ディフレクタも大型にする必要がある。
【0007】
しかしながら、このような場合、ドアの加飾部材にディフレクタを取り付けると、ドアの開閉時に、ディフレクタが路面の縁石などに接触してしまう可能性がある。一方、ディフレクタをサイドシル下面に固定する手法もあるが、この場合、ディフレクタを大型化しようとすると、支持剛性を十分に確保することができず、小型のディフレクタを設けることしかできない、という問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、車両のデザイン性を向上させつつドアの開口面積を確保し、かつ、ディフレクタの支持剛性を確保して空力性能を向上させることができる車両の側部車体構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明は、車体の側部に形成され、タイヤが収容されるホイールハウスと、車体の側部に形成された開口を開閉するドアと、車体の側部に形成され、ドアの下方を車両前後方向に延びるサイドシルと、を備える車両の側部車体構造であって、ドアには、ホイールハウスに沿って延びるアーチ部分を覆う加飾部材が設けられ、車体のサイドシルには、その少なくとも側面を覆うカバー部材が固定され、車体の側部には、車両車幅方向におけるドアの加飾部材と車体との間に、カバー部材と一体的に形成された後方延出部が設けられ、この後方延出部にディフレクタが固定されるようになっている、ことを特徴としている。
【0010】
このように構成された本発明によれば、ドアには、ホイールハウスに沿って延びるアーチ部分を覆う加飾部材(いわゆるアーチモールやガーニッシュなど)が設けられ、車体のサイドシルには、その少なくとも側面を覆うカバー部材(いわゆるサイドステップモールなど)が固定され、車体の側部には、車両車幅方向におけるドアの加飾部材と車体との間に、カバー部材と一体的に形成された後方延出部が設けられ、この後方延出部にディフレクタが固定されるようになっている。したがって、加飾部材をドアに設けることにより、ドアの開口面積を確保しつつ車両のデザイン性を向上させ、かつ、サイドシルに高い取付剛性で固定されるカバー部材と一体的に形成された後方延出部にディフレクタを固定することにより、ディフレクタの支持剛性を確保して空力性能を向上させることができる。
【0011】
また、本発明において、好ましくは、カバー部材の後方延出部は、車体のサイドパネルに固定されている。
このように構成された本発明によれば、より確実に、ディフレクタの支持剛性を確保することができる。
【0012】
また、本発明において、好ましくは、カバー部材の側面には、ドアとの隙間を塞ぐためのシール部材が設けられ、このシール部材は、カバー部材の後方延出部およびホイールハウスのドア側の側部にわたって一体的に延びるよう設けられている。
このように構成された本発明によれば、ドアとの隙間を塞ぐためのシール部材(いわゆるウェザーストリップ)が、カバー部材(たとえばサイドステップモール)の後方延出部およびホイールハウスのドア側の側部にわたって一体的に延びるよう設けられているので、効果的に、車外からの水の侵入を防止することができる。
【0013】
また、本発明において、好ましくは、カバー部材の後方延出部は、車体のサイドパネルとの間で閉断面を形成するよう構成されている。
このように構成された本発明によれば、後方延出部が車体のサイドパネルとの間で閉断面を形成するので、後方延出部の剛性を高めることができ、これにより、ドア開放時の乗員の車室への乗り込み時に乗員が後方延出部に接触したとき、後方延出部の変形を防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の車両の側部車体構造によれば、ドアの開口面積を確保しつつ車両のデザイン性を向上させ、かつ、ディフレクタの支持剛性を確保して空力性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態による車両の側部車体構造が適用された車両の側面図である。
図2図1に示す車両の左後輪周りの側部車体構造を示す側面図である。
図3図1に示す車両の左後輪周りの側部車体構造を示す、車両左前方側から見た斜視図である。
図4図1に示す車両の側部車体構造の車両下部に設けられたサイドシルのカバー部材およびその後方延出部を示す側面図である。
図5】本実施形態による車両の左後輪周りのシール部材と、カバー部材と、ディフレクタと、ドアおよびホイールハウスの加飾部材とを、車体から分離して示す分解図である。
図6】本実施形態によるカバー部材およびその後方延出部をその車体への取付側から見た斜視図である。
図7】本実施形態によるカバー部材の後方延出部へのディフレクタの取り付け例を示す、車両左後方側から見た斜視図である。
図8図2に示す車両の左後輪周りの側部車体構造において、リアドアの下方部分のサイドモールを外した状態の側面図である。
図9】カバー部材の後方延出部の車体のサイドパネルへの取付構造を主に示す、図8のIX-IX線に沿って見た断面図である。
図10】カバー部材のサイドシルへの取付構造を示す、図8のX-X線に沿って見た断面図である。
図11】本実施形態による車両の左後輪周りの車体構造を示す側面図である。
図12】カバー部材の後方延出部の車体のサイドパネルへの取付構造を主に示す、図11のXII-XII線に沿って見た断面図である。
図13】後方延出部へのディフレクタの取付構造を主に示す、図11のXIII-XIII線に沿って見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による車両の側部車体構造を説明する。
【0017】
まず、図1により、本発明の実施形態による車両の側部車体構造の概略構成を説明する。図1は、本発明の実施形態による車両の側部車体構造が適用された車両の側面図である。
【0018】
まず、図1に示すように、本発明の実施形態による車両の側部車体構造が適用された車両1は、その車体2の側部に、フロントフェンダパネル4と、リアフェンダパネル6と、車両前後方向に延びるサイドシル8と、を備える。
なお、本発明の実施形態において、車両1の側部車体構造は、基本的に、車両の車幅方向に左右対称に形成されており、本明細書では、主に、車両の車幅方向の左側部の構成を説明する。
【0019】
車体2には、車両前方側にフロントドア開口部10、車両後方側にリアドア開口部12が形成され、車両1は、各ドア開口部10、12を開閉可能に設けられたフロントドア14およびリアドア16を備える。
【0020】
車両1は、前輪(タイヤおよびホイール)18を備え、フロントフェンダパネル4には、前輪18を収容するフロントホイールハウス20が形成されている。
また、車両1は、後輪(タイヤおよびホイール)22を備え、リアフェンダパネル6には、後輪22を収容するリアホイールハウス24が形成されている。ここで、リアフェンダパネル6には、その車両前方部分に、上述したリアドア開口部12の一部が形成されている。また、リアフェンダパネル6、リアドア開口部12の一部、および、リアホイールハウス24は、後述するサイドパネル7をプレス成形して一体的に形成されている。
【0021】
また、車体2の側部には、加飾部材(ガーニッシュ)として、フロントホイールハウス20の外形に沿って円弧状に延びるフロントアーチモール26と、フロントドア14の下方部分で車両前後方向に延びるフロントサイドモール28と、リアドア16の下方部分で車両前後方向に延びるリアサイドモール30と、リアホイールハウス24の外形に沿って円弧状に延びるリアアーチモール32とが、それぞれ、取り付けられている。
本実施形態においては、車両1はいわゆるSUV車両であり、大型/大径のタイヤ18、22を備えており、各モール(加飾部材)26、28、30、32は、外観上のデザインの観点から、それらの延びる方向に対して幅が比較的広いモールとなっている(図2参照)。
【0022】
次に、図2により、車両の側部におけるリアホイールハウス周りの概略構成を説明する。図2は、図1に示す車両の左後輪周りの側部車体構造を示す側面図である。
図2に示すように、本実施形態では、上述したリアサイドモール30と、リアアーチモール32の一部32aとが一体的に形成されて、リアドア16に取り付けられている。リアホイールハウス24の前方側には、車両前方からリアタイヤ22に向かって流れる空気の流れを整流するためのリアタイヤディフレクタ(ディフレクタ)34が車体2に取り付けられている。
【0023】
次に、図3乃至図7により、本実施形態によるディフレクタ34の車体への取付構造を説明する。図3は、図1に示す車両の左後輪周りの側部車体構造を示す、車両左前方側から見た斜視図であり、図4は、図1に示す車両の側部車体構造の車両下部に設けられたサイドシルのカバー部材およびその後方延出部を示す側面図であり、図5は、本実施形態による車両の左後輪周りのシール部材と、カバー部材と、ディフレクタと、ドアおよびホイールハウスの加飾部材とを、車体から分離して示す分解図であり、図6は、本実施形態によるカバー部材およびその後方延出部をその車体への取付側から見た斜視図であり、図7は、本実施形態によるカバー部材の後方延出部へのディフレクタの取り付け例を示す、車両左後方側から見た斜視図である。
【0024】
まず、図3乃至図5に示すように、車体2のサイドパネル7には、リアドア開口部12の一部を構成するリアホイールハウス24の外周部24aが形成されている。このリアホイールハウス外周部24aには、リアドア16の閉時に車外からの水の進入を防止するウェザーストリップ36が取り付けられている。ウェザーストリップ36は、リアホイールハウス外周部24aに沿って円弧状に延びる。また、このウェザーストリップ36は、後述するサイドステップモール38に沿って車両前方まで一体的に延びている。
【0025】
次に、サイドシル8には、サイドステップモール(カバー部材)38が取り付けられている。このサイドステップモール38は、サイドシル8の車両前後方向の前端部から後端部まで、サイドシル8の車幅方向外方の側面および下面を覆うように構成された本体部38aと、この本体部38aから車両後方側に延びると共に、リアホイールハウス外周部24aに沿って車両上方側に延びる後方延出部38bとを有している。
図3および図4に示すように、上述したウェザーストリップ36は、サイドステップモール38の本体部38aに沿ってサイドシル8の車両前端部から車両後端部まで車両前後方向に延びる第1部分(サイド部分)36aと、この第1部分36aの後端部から連続し、後方延出部38bおよびリアホイールハウス外周部24aに沿って延びる第2部分(アーチ部分)36bと、を有している。
【0026】
図5に示すように、車体2に、ウェザーストリップ36およびサイドステップモール38が取り付けられ、また、車体2の車幅方向外方のリアドア16(図5では図示せず)に、上述したサイドモール30およびアーチモール32a、32bが取付けられるようになっている。
【0027】
次に、図3および図6に示すように、サイドステップモール38の後方延出部38bは、ディフレクタ34が取り付けられる取付部38cと、車体2への取付用ファスナ/クリップ(取付部)38dとを有している。なお、図6では、サイドステップモール38の本体部38aの一部のみを示す。
図7に示すように、ディフレクタ34は、取付部材39によって取付部38cに取り付けられる。後述するように、サイドステップモール38の本体部38aは、サイドシル8に取り付けられ、サイドステップモール38の後方延出部38bは、車体2のサイドパネル7に取付けられる。
【0028】
次に、図8乃至図11により、サイドステップモールの車体への取付構造およびその変形例を説明する。図8は、図2に示す車両の左後輪周りの側部車体構造において、リアドアの下方部分のサイドモールを外した状態の側面図であり、図9は、カバー部材の後方延出部の車体のサイドパネルへの取付構造を主に示す、図8のIX-IX線に沿って見た断面図であり、図10は、カバー部材のサイドシルへの取付構造を示す、図8のX-X線に沿って見た断面図である。
【0029】
図8に示す車両側部の構成は、図1に示す車両側部のサイドモール30を設けない構成の一例である。図8に示すように、リアドア16の下方、かつ、後輪22の車両前方には、ディフレクタ34が設けられている。本実施形態では、車体2の側部には、車両車幅方向におけるリアドアの加飾部材32aと車体のサイドパネル7との間に、ディフレクタ34を固定可能なサイドステップモール38の後方延出部38bが固定されている。次に、図9および図10により、この取付構造を説明する。
【0030】
まず、図9に示すように、リアドア16は、アウタパネル16aとインナパネル16b(図9では3つの鋼板部材を示す)を有し、アーチモール(加飾部材)32aは、アウタパネル16aおよびインナパネル16bに取り付けられている。
一方、車体2側では、上述したサイドステップモール38の後方延出部38bが、その取付ファスナ38d(図9に示す断面では出現しない)によって、サイドパネル7に取り付けられている。なお、図中、符号42は、ホイールハウス24内に設けたマッドガードである。
【0031】
また、図9に示すように、ディフレクタ34は、サイドステップモール38の取付部38cの後輪22側の面に取り付けられている(図7参照)。
【0032】
また、図9に示すように、サイドステップモール38の後方延出部38bの車幅方向外方の面にウェザーストリップ36が取り付けられている。このように、図9に示す断面領域では、リアドア16のインナパネル16bがサイドステップモール38のウェザーストリップ36に当接して水の浸入を防止し、その他の領域においても、ウェザーストリップ36により水の浸入を防止するようにしている(図3図4参照)。
【0033】
次に、図9に示すように、サイドパネル7に取り付けられた後方延出部38bは、サイドパネル7との間で閉断面を形成するように構成されている。
【0034】
次に、図10に示すように、サイドステップモール38の本体部38aは、閉断面で構成されるサイドシル8の側面および下面の少なくとも一部を覆うように設けられている。本体部38aは、図10に示す断面では、取付部材41によりサイドシル8の側面に取り付けられると共に、取付部材43によりサイドシル8の下面に取り付けられる。このような取付部41、43は、車両前後方向に沿って所定の間隔で複数設けられている。
【0035】
次に、図11乃至図13により、さらに、サイドステップモールの車体のサイドパネルへの取付構造を説明する。図11は、本実施形態による車両の左後輪周りの車体構造を示す側面図であり、図12は、カバー部材の後方延出部の車体のサイドパネルへの取付構造を主に示す、図11のXII-XII線に沿って見た断面図であり、図13は、後方延出部へのディフレクタの取付構造を主に示す、図11のXIII-XIII線に沿って見た断面図である。
【0036】
図11は、サイドステップモール38を示す便宜上、図2に示す側面図からリアドア16およびモール30、32aの図示を省略したものであり、図12および図13は、リアドア16およびモール30、32aの断面を図示している。
まず、図11に示すように、サイドステップモール38は、その本体部38aがサイドシルに沿って延び、その後方延長部38bが、ホイールハウス外周部24aに沿って延びるよう設けられている。本実施形態では、後方延出部38bは、その延びる方向に沿った複数箇所でサイドパネル7に固定される。
【0037】
図12に示す断面は、後方延出部38bの車体2への取付箇所の1つにおける断面であり、後方延出部38bが、上述した取付部38d(図6参照)によって、サイドパネル7に取り付けられている。
図13に示す断面は、ディフレクタ34の後方延出部38bへの取付箇所の1つにおける断面であり、ディフレクタ34が、取付部材39によって、取付部38cの車両後方側の面に取り付けられている。
図12および図13に示すように、サイドステップモール38の車幅方向外方の面には、上述したウェザーストリップ36が取り付けられている(図4参照)。
【0038】
以上、本実施形態によれば、主に図8乃至図13に示すように、車体2のサイドシル8には、その少なくとも側面を覆うサイドステップモール(カバー部材)38が固定され、車体2の側部には、車両車幅方向におけるリアドア16の加飾部材32aと車体2のサイドパネル7との間に、サイドステップモール38と一体的に形成された車両後方に延びる後方延出部38bが設けられ、この後方延出部38bにディフレクタ34が固定されるようになっている。
【0039】
次に、本発明の実施形態による車両の側部車体構造の作用効果を説明する。
まず、本発明の実施形態によれば、ドア16には、ホイールハウス24に沿って延びるアーチ部分(アーチ部分とは、ホイールハウス24に沿って延びる部分を意味し、円弧状以外の形状も含む)を覆う加飾部材(いわゆるアーチモールやガーニッシュなど)32が設けられ、車体2のサイドシル8には、その少なくとも側面を覆うカバー部材(いわゆるサイドステップモールなど)38が固定され、車体2の側部には、車両車幅方向におけるドア16の加飾部材32aと車体2との間に、カバー部材38と一体的に形成された後方延出部38bが設けられ、この後方延出部38bにディフレクタ34が固定されるようになっている。したがって、加飾部材32aをドア16に設けることにより、ドア16の開口12の面積を確保しつつ車両1のデザイン性を向上させ、かつ、サイドシル8に高い取付剛性で固定されるカバー部材38と一体的に形成された後方延出部38bに、ディフレクタ34を固定することにより、ディフレクタ34の支持剛性を確保して空力性能を向上させることができる。
【0040】
また、本発明の実施形態によれば、カバー部材38の後方延出部38bは、車体2のサイドパネル7に固定されているので、より確実に、ディフレクタ34の支持剛性を確保することができる。
【0041】
また、本発明の実施形態によれば、ドア16との隙間を塞ぐためのシール部材(いわゆるウェザーストリップ)36が、カバー部材(サイドステップモール)38の後方延出部38bおよびホイールハウス24のドア側の側部24aにわたって一体的に延びるよう設けられているので、効果的に、車外からの水の侵入を防止することができる。
【0042】
また、本発明の実施形態によれば、カバー部材38の後方延出部38bは、車体2のサイドパネル7との間で閉断面を形成するよう構成されているので、後方延出部38bの剛性を高めることができ、これにより、ドア16の開放時の乗員の車室への乗り込み時に乗員が後方延出部38bに接触したとき、後方延出部38bの変形を防止することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 車両
2 車体
6 リアフェンダパネル
7 車体のサイドパネル
8 サイドシル
12 リアドア開口部
16 リアドア
22 後輪(タイヤ、ホイール)
24 リアホイールハウス
24a 外周部/アーチ部分
30 リアサイドモール(加飾部材)
32 リアアーチモール
32a リアドアのアーチモール
34 リアタイヤディフレクタ(ディフレクタ)
36 ウェザーストリップ(シール部材)
36a サイド部分
36b アーチ部分
38 サイドステップモール
38a 本体部
38b 後方延出部
38c ディフレクタ取付部/取付面
38d 車体への取付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13