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特開2022-83228情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083228
(43)【公開日】2022-06-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20220527BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020194549
(22)【出願日】2020-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池上 謙一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】リモートワークにおける新入社員への能動的なサポートを、効率的に実施することができる。
【解決手段】情報処理装置10は、ユーザの行動履歴を取得する取得部13aと、取得部13aによって取得された行動履歴を用いて、ユーザの特定の状態を検知する検知部13bと、ユーザの状態に応じて、他のユーザが投稿した投稿情報をユーザの端末に通知する通知部13cとを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの行動履歴を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記行動履歴を用いて、前記ユーザの特定の状態を検知する検知部と、
前記ユーザの状態に応じて、他のユーザが投稿した投稿情報を前記ユーザの端末に通知する通知部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記検知部は、前記ユーザの状態の種類を特定し、
前記通知部は、前記検知部によって特定された前記状態の種類に対応する投稿情報を選択し、該投稿情報を前記ユーザの端末に通知することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記通知部は、前記検知部が前記ユーザの特定の状態を検知した場合には、該状態を所定のユーザの端末に通知することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
ユーザの行動履歴を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された前記行動履歴を用いて、前記ユーザの特定の状態を検知する検知工程と、
前記ユーザの状態に応じて、他のユーザが投稿した投稿情報を前記ユーザの端末に通知する通知工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
ユーザの行動履歴を取得する取得ステップと、
前記取得ステップによって取得された前記行動履歴を用いて、前記ユーザの特定の状態を検知する検知ステップと、
前記ユーザの状態に応じて、他のユーザが投稿した投稿情報を前記ユーザの端末に通知する通知ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスで集まって仕事をしない勤務形態(以下、適宜「リモートワーク」と呼ぶ)が急速に広まっている。また、一部の企業においては、新入社員は入社式も含む全ての勤務がリモートワークとなるケースも発生している。このような状況において、新入社員は周りの先輩社員の様子を見ることができないため、先輩社員に比べて自分は仕事ができないように過度に感じてしまうことがある。その結果、新入社員は、その感じている仕事の遅れを取り戻すために適度な休息すら取らず、かえって作業効率を低下させ、リモートワークにおいて働きすぎてしまう可能性がある。
【0003】
従来、PC(Personal Computer)等の作業に関わる働きすぎを抑制するために、PCログ等から情報を検知することにより、管理者等へオーバーワークの可能性を通知する技術も存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-182450号公開
【特許文献2】特開2016-152859号公開
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術では、リモートワークにおける新入社員への能動的なサポートを、効率的に実施することができない。例えば、リモートワークでは、新入社員から先輩社員が見えないため、新入社員は、作業に行き詰まった際に先輩社員を頼るのに手間がかかってしまったり、そもそも行き詰っていることに気づかず作業効率が悪いまま作業を継続してしまったりする。また、先輩社員からも新入社員の様子が見えないため、先輩社員は、新入社員が作業に行き詰っているかの確認ができなかったり、新入社員に対して小休止のタイミング等のアドバイスを能動的に行いづらかったりする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、ユーザの行動履歴を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記行動履歴を用いて、前記ユーザの特定の状態を検知する検知部と、前記ユーザの状態に応じて、他のユーザが投稿した投稿情報を前記ユーザの端末に通知する通知部とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る情報処理方法は、情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、ユーザの行動履歴を取得する取得工程と、前記取得工程によって取得された前記行動履歴を用いて、前記ユーザの特定の状態を検知する検知工程と、前記ユーザの状態に応じて、他のユーザが投稿した投稿情報を前記ユーザの端末に通知する通知工程とを含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る情報処理プログラムは、ユーザの行動履歴を取得する取得ステップと、前記取得ステップによって取得された前記行動履歴を用いて、前記ユーザの特定の状態を検知する検知ステップと、前記ユーザの状態に応じて、他のユーザが投稿した投稿情報を前記ユーザの端末に通知する通知ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、リモートワークにおける新入社員への能動的なサポートを、効率的に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る情報処理の流れの一例を示す図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る情報処理の流れの一例を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る情報処理システムにおける処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図6図6は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態により限定されるものではない。
【0012】
〔第1の実施形態〕
以下に、本実施形態に係る情報処理システムの構成、情報処理装置の構成、ユーザの状態の種類の概要、ユーザの状態の判定処理、情報処理の流れを順に説明し、最後に本実施形態の効果を説明する。
【0013】
[情報処理システムの構成]
図1を用いて、本実施形態に係る情報処理システム100の構成を詳細に説明する。図1は、第1の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。情報処理システム100は、情報処理装置10としてサーバ、ユーザの端末20(適宜、ユーザ20)として新入社員PC、および他のユーザの端末30(適宜、他のユーザ30)として先輩社員PCを有する。ここで、サーバ10、新入社員PC20および先輩社員PC30は、それぞれ通信ネットワークを介して接続されている。
【0014】
まず、先輩社員は、新入社員への小休止時のアドバイス等の投稿情報を作成し、その投稿情報を先輩社員PC30からサーバ10に投稿する(図1の(1)参照)。ここで、投稿情報とは、新入社員に対する業務全般における助言、激励、警告等のアドバイスや、具体的な業務へのヒント、マニュアル、ヘルプメッセージ等である。また、投稿情報は、文章データ以外にも画像データ、音声データ、動画データ等であってもよく、特に限定されない。
【0015】
一方、新入社員PC20は、新入社員のPCの操作や画面等の行動履歴を取得し、その行動履歴をサーバ10に送信する(図1の(2)参照)。ここで、新入社員PC20が取得する行動履歴は、PCの操作時間、ログイン時刻、ログアウト時刻、入力内容、ウィンドウ情報等のPCの操作に関わる情報の他、カメラ、センサー、スマートフォン等から取得されるユーザの表情、体温、脳波等の生体情報であってもよく、特に限定されない。
【0016】
サーバ10は、新入社員PC20から取得した行動履歴を基に、新入社員の状態を分析する(図1の(3)参照)。例えば、サーバ10は、PCの操作時間が一定時間を超過した場合、当該PCのユーザは「働きすぎ」の状態と判定する。
【0017】
次に、サーバ10は、事前に定めておいた「働きすぎ」等の特定の状態を検知した場合、その状態に対応付けておいたメッセージや投稿情報を、新入社員PC20に送信する(図1の(4)参照)。例えば、サーバ10は、新入社員の「働きすぎ」の状態を検知した場合、小休止リコメンドと併せて、「働きすぎ」の状態に対応付けられた先輩社員の投稿した小休止時のアドバイスを送信する。
【0018】
また、サーバ10は、新入社員の「働きすぎ」等の状態を検知した場合、「働きすぎ」の状態が検知された旨の通知を、先輩社員PC30に送信する(図1の(5)参照)。ここで、上記の通知を受け取る端末は、投稿情報を送信した端末でもよいし、異なる端末であってもよい。また、送信される通知は、文章による通知の他、音声、振動や光学的な通知等であってもよく、特に限定されない。
【0019】
本実施形態に係る情報処理システムでは、サーバ10が、業務用PCでのキーボードやマウスの操作、ディスプレイの表示内容等の情報を定期的に取得し、例えば、一定時間以上作業を続けていると思われる場合や行き詰っていると思われる場合は新入社員に小休止等を促し、併せて先輩社員が事前に登録したアドバイス等も送る。このため、本システムでは、リモートワークにおいて、新入社員のオーバーワークを減らすことができる。
【0020】
また、本実施形態に係る情報処理システムでは、先輩社員は、例えば、自分が実施している小休止のタイミングや内容などを事前に登録しておけば、新入社員に自動でアドバイスを送ることができる。さらに、新入社員に小休止が促されたタイミングで通知を受け取るようにすることで、必要な時に直接連絡を取ることができる。このため、本システムでは、リモートワークにおいて、効果的に新入社員のサポートができる。
【0021】
[情報処理装置の構成]
図2を用いて、本実施形態に係る情報処理装置10の構成を詳細に説明する。図2は、第1の実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。情報処理装置10は、通信部11、記憶部12および制御部13を有する。
【0022】
通信部11は、他の装置との間でのデータ通信を司る。例えば、通信部11は、各通信装置との間でデータ通信を行う。また、通信部11は、図示しないオペレータの端末との間でデータ通信を行うことができる。
【0023】
記憶部12は、制御部13が動作する際に参照する各種情報や、制御部13が動作した際に取得した各種情報を記憶する。例えば、記憶部12は、先輩社員PC30から取得した投稿情報や新入社員PC20から取得した行動履歴を記憶する。ここで、記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置等である。なお、図2の例では、記憶部12は情報処理装置10の内部に設置されているが、情報処理装置10の外部に設置されてもよいし、複数の記憶部が設置されていてもよい。
【0024】
制御部13は、情報処理装置10全体の制御を司る。制御部13は、取得部13a、検知部13bおよび通知部13cを有する。ここで、制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路である。
【0025】
取得部13aは、ユーザ20の行動履歴を取得する。例えば、取得部13aは、行動履歴として、ユーザ20の端末の操作に関する情報を取得する。また、取得部13aは、他のユーザ30が投稿した投稿情報を取得する。取得部13aは、取得したユーザ20の行動履歴や投稿情報を記憶部12に格納する。
【0026】
検知部13bは、取得部13aによって取得されたユーザ20の行動履歴を用いて、ユーザ20の特定の状態を検知する。また、検知部13bは、ユーザ20の状態の種類を特定する。
【0027】
例えば、検知部13bは、取得部13aによって格納された記憶部12の新入社員20の行動履歴を分析し、新入社員20が長時間作業による「働きすぎ」の状態であることを検知する。なお、ユーザの状態の種類とその処理の詳細の説明については後述する。
【0028】
通知部13cは、検知部13bが検知したユーザ20の状態に応じて、他のユーザ30が投稿した投稿情報をユーザ20の端末に通知する。また、通知部13cは、検知部13bによって特定されたユーザ20の状態の種類に対応する投稿情報を選択し、選択した投稿情報をユーザ20の端末に通知する。さらに、通知部13cは、検知部13bがユーザ20の特定の状態を検知した場合には、ユーザ20の特定の状態を所定のユーザの端末に通知する。
【0029】
例えば、通知部13cは、検知部13bによって新入社員20の長時間作業による「働きすぎ」の状態を検知した場合には、「働きすぎ」の状態やその種類に対応する投稿情報を記憶部12から選択し、その投稿情報を新入社員PC20に送信し、その旨を先輩社員PC30に通知する。
【0030】
[ユーザの状態の種類の概要]
続いて、図3および図4を用いて、本実施形態に係る情報処理システム100が検知するユーザ20の特定の状態の種類の概要を説明する。図3および図4は、第1の実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。まず、本実施形態に係る情報処理システム100が検知するユーザ20の特定の状態は、例えば、「働きすぎ」、「行き詰まり」、「サボっている」等の状態に分類されるが、特に限定されない。また、「働きすぎ」かつ「行き詰まり」の状態であることもあり、ユーザ20の状態は、特に1つの状態に限定されない。
【0031】
まず、「働きすぎ」の状態とは、長時間労働、休日等に業務を行う時間外労働、休憩をとらない連続時間労働等に該当する状態であるが、特に限定されない。例えば、サーバ10は、「働きすぎ」の状態であって、時間外労働に該当する場合は、新入社員PC20には警告メッセージを送信し、上司のPC等には時間外労働にあたる「働きすぎ」を検知した旨の通知を送信する。このとき、サーバ10は、新入社員PC20に、先輩社員のPCログ、先輩社員の息抜きの仕方、先輩社員の新入社員のときの行動等の情報を送信し、効率的な業務を促してもよい。
【0032】
また、「行き詰まり」の状態とは、肉体的や精神的に疲れている、業務内容が難しくどのようにすればよいかわからない、モチベーションが上がらない、PCの操作やパスワードがわからない等に該当する状態であるが、特に限定されない。
【0033】
例えば、サーバ10は、新入社員20の「行き詰まり」の状態であって、「疲れている」状態を検知した場合(図3の(1)参照)は、「業務時間が○時間経過しましたので、休憩をとりましょう。」等の小休止リコメンドを新入社員20のPCに送信する(図3の(2)参照)。サーバ10は、同時に、事前に登録しておいた先輩社員PC30等に、「Aさんの「疲れている」状態を検知しましたので、Aさんに休憩を促す通知をしました。必要に応じて、Aさんのサポートをしてください。」等の通知を送信する(図3の(3)参照)。
【0034】
また、サーバ10は、新入社員20の「行き詰まり」の状態であって、「業務が難しい」状態を検知した場合(図4の(1)参照)は、業務内容が特定できたときには、事前に投稿した投稿情報として、「○○業務に関するマニュアルの△ページの記載を参考にして、資料を作成してください。」等の業務に関するアドバイスを新入社員20のPCに送信する(図4の(2)参照)。サーバ10は、同時に、事前に登録しておいた上司PC30等に、「Aさんの「業務が難しい」状態を検知しましたので、Aさんに○○業務に関するアドバイスを通知しました。必要に応じて、Aさんに業務に関する指示をしてください。」等の通知を送信する(図4の(3)参照)。
【0035】
また、サーバ10は、ユーザの状態の種類が特定されない場合や具体的な業務内容が特定されない場合は、「困っていたらチャット等で連絡くださいね」、「大丈夫ですか?」等の汎用のメッセージを送信してもよい。ユーザの状態の判定処理については、後述する。
【0036】
[ユーザの状態の判定処理]
次に、ユーザの状態の判定と対応するメッセージ等の送信について詳細に説明する。ユーザの状態の判定には、例えば、勤務時間情報(A)、勤務内容情報(B)、行動履歴情報(C)等を利用する。
【0037】
勤務時間情報(A)は、主にPCから取得される勤務時間に関する情報であり、例えば、PCの利用時間(A1)、ログイン時刻(A2)、ログアウト時刻(A3)等の情報である。さらに、休憩開始時間(A4)、休憩終了時間(A5)等のユーザが入力した情報を考慮してもよく、特に限定されない。
【0038】
勤務内容情報(B)は、ユーザの勤務内容全般に関する情報であり、例えば、ユーザの勤務シフト(B1)、勤務場所(B2)、業務内容(B3)、予想される業務の難易度(B4)、予想される業務の所要時間(B5)、業務に関する報告(B6)、業務の進捗状況を判断する情報(B7)等の情報である。さらに、業務の進捗状況を判断する情報(B7)として、時間当たりのキーボードによる入力文字数(B7-1)、作成したデータファイル数(B7-2)、作成したデータ容量(B7-3)等の詳細な情報を考慮してもよく、特に限定されない。
【0039】
行動履歴情報(C)は、ユーザの生体情報(C1)、ユーザの位置情報(C2)、PC画面情報(C3)、PC操作ログ情報(C4)等である。さらに、PC操作ログ情報(C4)として、検索エンジンの利用履歴(C4-1)やヘルプ画面の閲覧履歴(C4-2)等の詳細な情報を考慮してもよく、特に限定されない。
【0040】
例えば、サーバ10は、ログイン時刻(A2)、ログアウト時刻(A3)、ユーザの勤務シフト(B1)、PC画面情報(C3)等から、新入社員が休憩をとらない連続時間労働に該当すると判断することができる。その際、サーバ10は、投稿情報として「休憩をとりましょう」等の具体的なアドバイスを送信する。
【0041】
また、サーバ10は、PCの利用時間(A1)、業務内容(B3)、予想される業務の難易度(B4)、PC操作ログ情報(C4)等から、新入社員が特定の業務において行き詰っていると判断することができる。その際、サーバ10は、行き詰まりの理由が不明なときは、投稿情報として「困っていたら相談してください」、行き詰まりの理由が明確なときは、投稿情報として「作成している書類のひな型を送りますので参考にしてください」等を送信する。
【0042】
また、サーバ10は、PCの利用時間(A1)、勤務場所(B2)、ユーザの位置情報(C2)等から、新入社員が仕事をサボっていると判断することができる。その際、サーバ10は、投稿情報として「順調に進んでいますか?」「休憩時間は終了しているので、勤務に戻りましょう」等を送信する。
【0043】
さらに、サーバ10は、業務の進捗状況を判断する情報(B7)、ユーザの生体情報(C1)等から、新入社員の体調が悪いのではないかと判断することもできる。その際、サーバ10は、投稿情報として「熱があるようですが、体調はどうですか?」等を送信する。
【0044】
上述のように、ユーザの状態の判定処理は、取得する情報が多くなるほど、また取得する情報が詳細になるほど適切な判定をすることができる。また、ユーザの状態を適切に特定できるほど、また投稿情報が多いほど適切なアドバイス等を行うことができる。なお、判定処理に利用される情報、送信される投稿情報は一例であり、特に限定されない。1つの状態に対して複数の投稿情報を送信してもよいし、複数の状態に対して1つの投稿情報を送信してもよい。
【0045】
[情報処理の手順]
図5を用いて、本実施形態に係る情報処理の手順の例を説明する。図5は、第1の実施形態に係る情報処理システムにおける処理の流れの一例を示すシーケンス図である。まず、図5に示すように、先輩社員は、先輩社員PC30において投稿情報を作成し(ステップS101)、先輩社員PC30を介して投稿情報をサーバ10に送信する(ステップS102)。なお、投稿情報の作成や送信は、先輩社員PC30以外の端末で行ってもよい。また、先輩社員PC30以外の端末で作成された投稿情報を、先輩社員PC30を介してサーバ10に送信してもよい。さらに、投稿情報の作成者は当該先輩社員以外でもよく、特に限定されない。
【0046】
次に、新入社員PC20は、当該PCのユーザの行動履歴を取得して(ステップS103)、取得した行動履歴をサーバ10に送信する(ステップS104)。なお、サーバ10は、投稿情報とユーザの行動履歴を同時に取得してもよい。また、サーバ10は、ユーザの行動履歴を取得した後に、投稿情報を取得してもよい。さらに、新入社員PC20以外の端末で取得された当該ユーザの行動履歴を、サーバ10に取り込ませてもよい。
【0047】
続いて、サーバ10は、取得したユーザの行動履歴を分析し(ステップS105)、ユーザの特定の状態を検知する(ステップS106)。例えば、サーバ10は、キーボードの入力操作が行われている時間に関する情報を取得し、事前に設定しておいた基準時間を超過した場合には、当該ユーザが「働きすぎ」の状態と判定する。なお、特定の状態と判定するための基準の設定は、静的に、または動的に変更することができる。
【0048】
次に、サーバ10は、検知した特定の状態やその種類に対応した、新入社員PC20に送信する小休止リコメンド等のメッセージと小休止時のアドバイス等の投稿情報を選択する(ステップS107)。なお、サーバ10は、新入社員PC20に送信する情報として、投稿情報のみを選択してもよいし、投稿情報を含まない警告等のメッセージのみを選択してもよい。
【0049】
また、サーバ10は、先輩社員が事前に設定した対応関係に基づいて、静的に投稿情報を選択してもよいし、ユーザの現在の作業内容やスケジュール等に基づいて、動的に投稿情報を選択してもよい。特定の状態やその種類に対応する投稿情報等を選択するための基準の設定は、静的に、または動的に変更することができる。
【0050】
そして、サーバ10は、新入社員PC20に送信する小休止リコメンド等のメッセージと小休止時のアドバイス等の投稿情報を送信する(ステップS108)。ここで、サーバ10は、投稿情報等を新入社員PC20以外の端末に送信することもできる。例えば、サーバ10は、新入社員のデスクトップ型PCから行動履歴を取得し、新入社員のスマートフォンに投稿情報を送信することもできる。さらに、ユーザの現在の作業内容やスケジュール等に基づいて、動的に投稿情報を送信する通知先の端末を変更してもよい。
【0051】
また、サーバ10は、ユーザの「働きすぎ」等の特定の状態を検知した旨の連絡を先輩社員PC30に送信する(ステップS109)。なお、図5では、ステップS108の後にステップS109が行われているが、同時であってもよく、また、ステップS109の後にステップS108が行われてもよい。さらに、ステップS108の後に「働きすぎ」等の特定の状態が解消された場合には、ステップS109は省略されてもよい。
【0052】
ここで、サーバ10は、特定の状態を検知した旨の連絡を先輩社員PC30以外の端末に送信することもできる。例えば、サーバ10は、投稿情報を登録した先輩社員PCだけではなく新入社員の上司、相談窓口、同僚、ヘルプデスク等の端末にも、特定の状態等を検知した連絡を送信することができる。また、サーバ10は、先輩社員が事前に設定した対応関係に基づいて、静的に通知先や端末を選択してもよいし、通知先である先輩社員や上司のスケジュール等に基づいて、動的に通知先や端末を選択してもよい。サーバ10は、通知先等を選択するための基準の設定を、静的に、または動的に変更することができる。
【0053】
[第1の実施形態の効果]
第1に、上述した本実施形態に係る情報処理システム100では、ユーザ20の行動履歴を取得し、取得したユーザ20の行動履歴を用いて、ユーザ20の特定の状態を検知し、ユーザ20の状態に応じて、他のユーザ30が投稿した投稿情報をユーザ20の端末に通知する。このため、リモートワークにおけるユーザ20への能動的なサポートを、効率的に実施することができる。
【0054】
第2に、本実施形態に係る情報処理システム100では、ユーザ20の状態の種類を特定し、特定したユーザ20の状態の種類に対応する投稿情報を選択し、選択した投稿情報をユーザ20の端末に通知する。このため、リモートワークにおけるユーザ20への、より効率的なサポートを実施することができる。
【0055】
第3に、本実施形態に係る情報処理システム100では、ユーザ20の特定の状態を検知した場合には、ユーザ20の特定の状態を所定のユーザの端末に通知する。このため、リモートワークにおけるユーザ20への、より能動的なサポートを実施することができる。
【0056】
〔システム構成等〕
上記実施形態に係る図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のごとく構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0057】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0058】
〔プログラム〕
また、上記実施形態において説明した情報処理装置10が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。この場合、コンピュータがプログラムを実行することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、かかるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することにより上記実施形態と同様の処理を実現してもよい。
【0059】
図6は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。図6に例示するように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU1020と、ハードディスクドライブインタフェース1030と、ディスクドライブインタフェース1040と、シリアルポートインタフェース1050と、ビデオアダプタ1060と、ネットワークインタフェース1070とを有し、これらの各部はバス1080によって接続される。
【0060】
メモリ1010は、図6に例示するように、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、図6に例示するように、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、図6に例示するように、ディスクドライブ1100に接続される。例えば、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、図6に例示するように、例えば、マウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、図6に例示するように、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0061】
ここで、図6に例示するように、ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、上記のプログラムは、コンピュータ1000によって実行される指令が記述されたプログラムモジュールとして、例えば、ハードディスクドライブ1090に記憶される。
【0062】
また、上記実施形態で説明した各種データは、プログラムデータとして、例えば、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出し、各種処理手順を実行する。
【0063】
なお、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限られず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶され、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【0064】
上記の実施形態やその変形は、本願が開示する技術に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0065】
10 サーバ(情報処理装置)
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
13a 取得部
13b 検知部
13c 通知部
20 新入社員PC
30 先輩社員PC、上司PC
100 情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-03-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの行動履歴を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記行動履歴が示す勤務時間情報、勤務内容情報および行動履歴情報のうち少なくとも1つを用いて、前記ユーザの特定の状態として、働きすぎの状態、行き詰まりの状態およびサボっている状態のうち少なくとも1つを検知する検知部と、
前記ユーザの状態に応じて、他のユーザが投稿した投稿情報を前記ユーザの端末に通知する通知部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記検知部は、前記ユーザの状態の種類を特定し、
前記通知部は、前記検知部によって特定された前記状態の種類に対応する投稿情報を選択し、該投稿情報を前記ユーザの端末に通知することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記通知部は、前記検知部が前記ユーザの特定の状態を検知した場合には、該状態を所定のユーザの端末に通知することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
ユーザの行動履歴を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された前記行動履歴が示す勤務時間情報、勤務内容情報および行動履歴情報のうち少なくとも1つを用いて、前記ユーザの特定の状態として、働きすぎの状態、行き詰まりの状態およびサボっている状態のうち少なくとも1つを検知する検知工程と、
前記ユーザの状態に応じて、他のユーザが投稿した投稿情報を前記ユーザの端末に通知する通知工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
ユーザの行動履歴を取得する取得ステップと、
前記取得ステップによって取得された前記行動履歴が示す勤務時間情報、勤務内容情報および行動履歴情報のうち少なくとも1つを用いて、前記ユーザの特定の状態として、働きすぎの状態、行き詰まりの状態およびサボっている状態のうち少なくとも1つを検知する検知ステップと、
前記ユーザの状態に応じて、他のユーザが投稿した投稿情報を前記ユーザの端末に通知する通知ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。