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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083332
(43)【公開日】2022-06-03
(54)【発明の名称】電力変換装置、電力変換システム
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20220527BHJP
【FI】
H02M7/48 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020194709
(22)【出願日】2020-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】319007240
【氏名又は名称】株式会社日立インダストリアルプロダクツ
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 俊介
(72)【発明者】
【氏名】一瀬 雅哉
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 智道
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770AA29
5H770BA11
5H770DA14
5H770JA16Y
5H770JA17Y
5H770QA25
(57)【要約】
【課題】
負荷側の運用を限定したり、負荷条件を変更したりしなくても、共振を抑制して負荷側の設備の安定的な運用を行うことができる電力変換装置および電力変換システムを提供する。
【解決手段】
交流側のインピーダンスを変更することができるインピーダンス調整機構を備えることを特徴とする電力変換装置。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流側のインピーダンスを変更することができるインピーダンス調整機構を備えることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電力変換装置であって、
前記インピーダンス調整機構は、タップの切り換えにより入力する電力の周波数を変換して出力するためのタップ付トランスおよび/またはタップ付リアクトルを備えることを特徴とする電力変換装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電力変換装置であって、
前記インピーダンス調整機構が計装設備から入力される信号に基づいて制御されることを特徴とする電力変換装置。
【請求項4】
請求項1に記載の電力変換装置であって、
インピーダンスが変更された後のインピーダンスの状態を示す信号を出力することができる電力変換装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電力変換装置であって、
前記インピーダンス調整機構の制御を行う計装設備に、前記信号を出力することを特徴とする電力変換装置。
【請求項6】
請求項1に記載の電力変換装置であって、
前記インピーダンス調整機構によるインピーダンスの変更に合わせて制御ゲインが変更されることを特徴とする電力変換装置。
【請求項7】
請求項1に記載の電力変換装置であって、
自家消費電力の変換に用いられることを特徴とする電力変換装置。
【請求項8】
交流側のインピーダンスを変更することができるインピーダンス調整機構を備える電力変換装置と、前記電力変換装置を制御することができる計装装置と、を備えることを特徴とする電力変換システム。
【請求項9】
請求項8に記載の電力変換システムであって、
前記インピーダンス調整機構は、タップの切り換えにより入力する電力の周波数を変換して出力するためのタップ付トランスおよび/またはタップ付リアクトルを備えることを特徴とする電力変換システム。
【請求項10】
請求項8に記載の電力変換システムであって、
前記電力変換装置は、インピーダンスが変更された後のインピーダンスの状態を示す信号を、前記計装装置に出力することができることを特徴とする電力変換システム。
【請求項11】
請求項8に記載の電力変換システムであって、
前記電力変換装置は、前記インピーダンス調整機構によるインピーダンスの変更に合わせて制御ゲインが変更されるように構成されていることを特徴とする電力変換システム。
【請求項12】
請求項8に記載の電力変換システムであって、
自家消費電力の変換に用いられることを特徴とする電力変換システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置、および、電力変換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電力変換装置は、一例として、半導体電力変換ユニットと、フィルタリアクトルと、フィルタコンデンサと、を備え、電気エネルギーを変換する装置として知られている。
【0003】
現在、電力変換装置の用途は多岐に渡る。例えば、太陽光発電システムによる電力を工場負荷で消費するような場合、工場の設備の運転状態等によって負荷条件(消費電力)が変化するので、負荷条件に対応するために電力変換装置が用いられる。
【0004】
一方、電力変換装置の需要は、自家消費システムでも高まっている。自家消費用途の場合、一般的に、既設の負荷設備に対して、新しく発電用の電力変換装置が導入される場合が多い。例えば、自家消費用途の場合、太陽光パネルにより発電した直流電力を交流電力に変換することに、電力変換装置が用いられる。
【0005】
ここで、消費電力の変化に対して、例えば、力率改善用のコンデンサを用いて対応する場合、電力変換装置の出力高調波と共振して正常に運転できなくなることが考えられる。例えば工場では、一般的に生産状況によって負荷投入状況(消費電力)が変わることが考えられる。このとき、力率改善コンデンサが都度投入されることで、たとえ初期状態で運転可能だとしても、生産条件によって共振周波数が変わり、運転できなくなる可能性がある。従って、負荷側の設備がどのような運用条件であっても、負荷側の設備を安定的に運用させることが望ましいと言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013-162671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、負荷側の運用条件を限定したり、負荷条件(負荷側の消費電力)を変更したりすることなく(すなわち、共振の発生を原因とする負荷側の運用条件の限定、および、共振の発生を原因とする負荷側の消費電力の変更がなく)、共振の発生を抑制して負荷側の設備の安定的な運用を行うことができる電力変換装置および電力変換システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、以下の電力変換装置が提供される。すなわち、電力変換装置は、交流側のインピーダンスを変更することができるインピーダンス調整機構を備える。
【0009】
本発明の第2の態様によれば、以下の電力変換システムが提供される。すなわち、電力変換システムは、交流側のインピーダンスを変更することができるインピーダンス調整機構を備える電力変換装置と、前記電力変換装置を制御することができる計装装置と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、負荷側の運用条件を限定したり、負荷条件を変更したりすることなく、共振を抑制して負荷側の設備の安定的な運用を行うことができる電力変換装置および電力変換システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】従来の半導体電力変換装置を示す図である。
図2】半導体電力変換装置の一例を示す図である。
図3】半導体電力変換装置の一例を示す図である。
図4】半導体電力変換装置の一例を示す図である。
図5】半導体電力変換装置の使用の一例を示す図である。
図6】半導体電力変換装置の一例の補足図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施形態について図面に従い説明する。まず、図1を参照しながら、従来の半導体電力変換装置102について説明する。図1は従来の半導体電力変換装置の一例を示す図である。半導体電力変換装置102は、負荷及び系統103に接続されており、半導体電力変換装置102には、直流電力101が入力する。半導体電力変換装置102は、直流電力101を交流電力に変換して、交流電力を負荷及び系統103に供給する。
【0013】
次に、提案する半導体電力変換装置(電力変換装置)について説明する。提案する半導体電力変換装置は、交流側のインピーダンスを任意に変更することができるインピーダンス調整機構を備える。以下、図を用いて、具体的な構成について説明する。
【0014】
図2は、提案する半導体電力変換装置202の一例の概要である。半導体電力変換装置202は、漏れインピーダンスを調整可能なタップ付トランス201をインピーダンス調整機構として備える。図3も、提案する半導体電力変換装置302の一例の概要である。半導体電力変換装置302は、タップ付リアクトル301をインピーダンス調整機構として備える。図4も、提案する半導体電力変換装置401の一例の概要である。半導体電力変換装置401は、タップ付トランス201と、タップ付リアクトル301と、をインピーダンス調整機構として備えており、半導体電力変換装置401では、タップ付トランス201及びタップ付リアクトル301が共用されている。
【0015】
次に、図5を参照しながら、提案する半導体電力変換装置の具体的な利用例について説明する。この例では、半導体電力変換装置401の利用例について説明する。
【0016】
半導体電力変換装置401は、自家消費電力に用いられる(つまり、自家消費電力の変換に用いられる)ことを想定して、負荷及び系統に接続される。この例において、系統には、遮断器501とトランス502が設けられ、半導体電力変換装置401は、系統の遮断器501とトランス502を介して、負荷に接続される。ここで、負荷は、一例として、コンデンサ503、R負荷504、L負荷505、L負荷に直列に接続されたコンデンサ506等とすることができる。そして、これらの負荷は、計装設備507による開閉器508の制御により、入り切り可能とされている。
【0017】
計装設備507は、一般的に、入力信号や出力信号を利用して、システムにおいて監視や制御を行うことに用いられる。図5に示すように、計装設備507は、例えば、入力信号に基づいて、半導体電力変換装置401や開閉器508(上記した、各負荷の入り切りを行うための開閉器508)の状態を監視することに用いられる。また、計装設備507は、出力信号に基づいて、半導体電力変換装置401や開閉器508を制御することに用いられる。
【0018】
計装設備507を用いた半導体電力変換装置401の使用の一例について説明する。この例では、計装設備507は、半導体電力変換装置401のリアクトル601を制御することに用いられる。図6に示すように、リアクトル601は、複数のタップ602と、複数の開閉器603と、を備え、開閉器603の切り換えによって、接続するタップ602が切り換えられる構成である。このリアクトル601は、インピーダンス調整機構として構成されている。
【0019】
半導体電力変換装置401の使用にあたり、負荷側の設備の共振周波数を事前に確認して、半導体電力変換装置401のリアクトル601やトランスは、干渉しない値を導入できるように設定される。また、負荷側の設備の運転条件と共振周波数の関係が事前に計装設備507に登録される。そして、計装設備507は、開閉器508の投入に合わせて、登録された設備の運転条件と共振周波数の関係に基づいて、リアクトル601のタップ602を変更する。計装設備507は、開閉器603を開閉して接続するタップ602を状況に応じて適宜に変更することで(つまり、開閉器508の開閉状態に応じてタップ602を適宜に変更することで)、負荷側の設備の運転中に、任意に周波数を変化させる(つまり、半導体電力変換401の出力の周波数を変化させる)ことができる。これにより、力率改善コンデンサ容量が変更されても、タップ602を切り換えることで半導体電力変換装置401の出力する高調波と共振することを抑制することができ、負荷側の設備の安定的な運用を行うことができる。
【0020】
ここで、半導体電力変換装置401の出力側(交流側)のインピーダンスは、接続するタップ602の変化に基づいて変化する。インピーダンスが大きく変化する場合では、タップ602の変更に合わせて半導体電力変換装置401の内部にある制御ゲイン(つまり、制御系の電圧、電流、電力の入力に対する出力の比)が変更されることで、適切な運転状態とすることができる。従って、半導体電力変換装置401は、インピーダンスの変更に合わせて制御ゲインが変更されるように構成されていることが望ましい。ここで、制御値は、事前にパターン登録されることが望ましい(つまり、接続するタップ602に対応する制御ゲインとなるように登録されることが望ましい)。これにより、タップ602の切り換えによりインピーダンスが大きく変化する場合でも、安定的な運用を行うことができる。
【0021】
また、半導体電力変換装置401は、交流側のインピーダンスの状態(言い換えれば、タップ602の接続状態)を示す信号(状態信号と呼ぶことがある)を出力するように構成されていることが望ましい。すなわち、半導体電力変換装置401は、あるタップ602との接続状態におけるインピーダンスを第1インピーダンスとして、現在の状態が第1インピーダンスであることを示す状態信号や、このタップ602と異なる別のタップ602との接続状態におけるインピーダンスを第2インピーダンスとして、現在の状態が第2インピーダンスであることを示す状態信号を出力することができるように構成されていることが好ましい。これにより、出力される状態信号に基づいて現在のインピーダンスを把握することができる。なお、第1インピーダンス、および、第2インピーダンスを例にして説明したが、インピーダンスの状態は2種類に限定されない。
【0022】
状態信号は、例えば、計装設備507に出力されてもよい。そして、後述するように、計装設備507は、状態信号に基づくインピーダンスを表すための構成を適宜に設けることができる。
【0023】
計装設備507の構成は、適切な監視や制御を行うことができれば、特に限定されない。計装設備507は、ユーザの操作に基づく制御を行うことができるように構成されてもよく、計装設備507は、例えば、開閉器508や開閉器603の開閉操作を行うためのスイッチを設けてもよい。また、計装設備507は、例えば、状態信号に基づくインピーダンスを表すためのランプを設けてもよい。計装設備507は、例えば、ランプを複数設けてもよく、点灯するランプに応じて現在のインピーダンスをユーザが把握することができるようにしてもよい。また、計装設備507は、例えば、状態信号に基づくインピーダンスを示すメータを設けてもよい。
【0024】
また、計装設備507は、演算装置と、記憶装置と、入力部と、ディスプレイと、を備え、コンピュータによる制御を行うことができる構成であってもよい。ここで、入力部は、ユーザ操作を入力するインタフェースであり、ディスプレイは、適宜の情報を表示する構成である。そして、記憶装置には、計装設備507を適宜に動作させるためのプログラムが配置され、当該プログラムは演算装置によって実行される。ここで、記憶装置に配置されるプログラムとしては、例えば、入力信号(状態信号も含む)に基づく情報をディスプレイに表示させるためのプログラムが挙げられる。また、例えば、ユーザの入力部への操作内容を出力信号として出力して制御を行うためのプログラムが挙げられる。
【0025】
上記で説明されたリアクトル601の構造は一例であり、リアクトル601は、適宜に変更してもよく、例えば、タップ602や開閉器603の数が変更されてもよい。
【0026】
上記で説明したタップ付リアクトル601の場合と同様に、計装設備507は、タップ付トランス201を制御して、交流側のインピーダンスを変更してもよい。また、計装設備507は、タップ付リアクトル601とタップ付トランス201の両方を制御して、交流側のインピーダンスを変更してもよい。
【0027】
計装設備507からの指令に代えて、半導体電力変換装置401側で開閉器603の開閉が行われてもよい。この場合、例えば、開閉器603の切り換えを行うためのスイッチが半導体電力変換装置401に設けられることにより、開閉器603の切り換えをユーザが行うことができる。半導体電力変換装置401側で開閉器603を切り換える場合においても、上記で説明したように、半導体電力変換装置401は、タップ602の変更に合わせて、制御ゲインが変更されるように構成されていることが望ましい。
【0028】
また、半導体電力変換装置401に代えて、上記で説明した他の半導体電力変換装置(202、302)が用いられてもよい。タップ付トランス201やタップ付リアクトル301のタップの切り換えが行われることにより、交流側のインピーダンスが適切に変更される。また、半導体電力変換装置(202、302、401)は、適宜の上位装置によって監視されてもよいし、半導体電力変換装置(202、302、401)のインピーダンス調整機構は、適宜の上位装置によって制御されてもよい。上位装置としては、例えば、計装に用いられる計装装置が考えられる。
【0029】
また、リアクトル601やタップ付トランス201は、半導体電力変換装置401の内部に設けられていてもよいし、半導体電力変換装置401の外部に設けられていてもよい。半導体電力変換装置(202、302)の場合も同様に、タップ付トランス201やタップ付リアクトル301は、内部に設けられてもよいし、外部に設けられてもよい。
【0030】
例えば、状態信号は、計装設備507とは異なる適宜のディスプレイに表示されてもよい。この場合、演算装置と、記憶装置と、を備える適宜のコンピュータが用いられる。そして、記憶装置には、状態信号に基づくインピーダンスを示す情報を当該ディスプレイに表示させるためのプログラムが配置され、当該プログラムは演算装置によって実行される。
【0031】
上記で説明した演算装置は、一例としてはCPUやGPUが考えられるが、所定の処理を実行する主体であれば他の半導体デバイスでもよい。
【0032】
以上の説明により、交流側のインピーダンスを変更することができるインピーダンス調整機構を備える半導体電力変換装置(202、302、401)が提供される。
【0033】
これにより、負荷側の運用を限定したり、負荷条件を変更したりすることなく、共振を抑制して負荷側の設備の安定的な運用を行うことができる電力変換装置を提供することができる。
【0034】
また、半導体電力変換装置(202、302、401)において、インピーダンス調整機構は、タップの切り換えにより入力する電力の周波数を変換して出力するためのタップ付トランス201および/またはタップ付リアクトル(301、601)を備えることが好ましい。
【0035】
これにより、タップの接続の切り替えに対応した、インピーダンスの段階的な変更が可能となる。
【0036】
また、半導体電力変換装置(202、302、401)において、インピーダンス調整機構が計装設備507から入力される信号に基づいて制御されることが好ましい。
【0037】
これにより、計装設備による制御により、状況に応じたインピーダンスの変更が可能となる。
【0038】
また、半導体電力変換装置(202、302、401)は、インピーダンスが変更された後のインピーダンスの状態を示す信号を出力することができることが好ましい。
【0039】
これにより、当該信号に基づいて、現状のインピーダンスを把握することができる。
【0040】
また、半導体電力変換装置(202、302、401)は、インピーダンス調整機構の制御を行う計装設備507に、インピーダンスが変更された後のインピーダンスの状態を示す信号を出力することが好ましい。
【0041】
これにより、当該信号に基づいて、計装設備で現状のインピーダンスを把握することができ、計装設備を用いたインピーダンスの監視制御に役立てることができる。
【0042】
また、半導体電力変換装置(202、302、401)は、インピーダンス調整機構によるインピーダンスの変更に合わせて制御ゲインが変更されることが好ましい。
【0043】
これにより、インピーダンスが大きく変化する場合でも、安定的な運用を行うことができる。
【0044】
また、半導体電力変換装置(202、302、401)は、自家消費電力の変換に用いられることが好ましい。
【0045】
これにより、自家消費電力を変換する場合の共振を抑制することができる。
【0046】
また、交流側のインピーダンスを変更することができるインピーダンス調整機構を備える半導体電力変換装置(202、302、401)と、半導体電力変換装置(202、302、401)を制御することができる計装設備507(計装装置)と、を備える電力変換システムが提供される。
【0047】
これにより、上記で説明した半導体電力変換装置(202、302、401)を用いて、従来の稼働設備に手を加えずに、共振を避けることができるシステムが提供される。
【0048】
また、電力変換システムにおいて、インピーダンス調整機構は、タップの切り換えにより入力する電力の周波数を変換して出力するためのタップ付トランス201および/またはタップ付リアクトル(301、601)を備えることが好ましい。
【0049】
これにより、電力変換システムにおいて、インピーダンスの段階的な変更が可能となる。
【0050】
また、電力変換システムにおいて、半導体電力変換装置(202、302、401)は、インピーダンスが変更された後のインピーダンスの状態を示す信号を、計装設備507に出力することができることが好ましい。
【0051】
これにより、当該信号に基づいて、現状のインピーダンスを把握することができ、インピーダンスの監視制御を行うことができる電力変換システムが提供される。
【0052】
また、電力変換システムにおいて、半導体電力変換装置(202、302、401)は、インピーダンス調整機構によるインピーダンスの変更に合わせて制御ゲインが変更されるように構成されていることが好ましい。
【0053】
これにより、インピーダンスが大きく変化する場合でも、安定的な運用を行うことができる電力変換システムが提供される。
【0054】
また、電力変換システムは、自家消費電力の変換に用いられることが好ましい。
【0055】
これにより、自家消費電力を変換する場合の共振を抑制することができる電力変換システムが提供される。
【0056】
以上実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0057】
101 直流電力
102 半導体電力変換装置
103 系統
201 タップ付トランス
202 半導体電力変換装置
301 タップ付リアクトル
302 半導体電力変換装置
401 半導体電力変換装置
501 遮断器
502 トランス
503 コンデンサ
504 R負荷
505 L負荷
506 コンデンサ
507 計装設備
508 開閉器
601 リアクトル
602 タップ
603 開閉器
図1
図2
図3
図4
図5
図6