(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083361
(43)【公開日】2022-06-03
(54)【発明の名称】液晶調光フィルム
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13 20060101AFI20220527BHJP
G02F 1/1345 20060101ALI20220527BHJP
【FI】
G02F1/13 505
G02F1/1345
G02F1/13 101
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020204574
(22)【出願日】2020-11-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】517120116
【氏名又は名称】みらいみる株式会社
(72)【発明者】
【氏名】江原 泰蔵
【テーマコード(参考)】
2H088
2H092
【Fターム(参考)】
2H088EA33
2H088FA18
2H088FA29
2H088HA02
2H092GA42
2H092GA44
2H092GA46
2H092GA54
2H092HA03
2H092PA01
(57)【要約】
【課題】ハンダ付けに代って、圧着端子を用いることにより、リード線を接続した信頼性の高い電極端子を有する液晶調光フィルムが提供できる。
【解決手段】内側に透明電極面を備えた2枚の透明基板フィルムの間に、液晶調光層が挟まれた3層からなる液晶調光フィルムの透明基板フィルムにおいて、ハトメを用いて圧着端子が透明電極膜に接合された一対の電極端子は、リード線との接続が容易であり、極めて信頼性が高い。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の透明基板フィルムと、他方の透明基板フィルムと、これら透明基板フィルムのそれぞれの透明電極膜に挟まれた液晶調光層とからなる液晶調光フィルムにおいて、前記一方の透明基板フィルム用の電極端子として、その透明基板フィルムの透明電極膜に圧着端子を配置して、プラスチック製ハトメで導電接合し、前記他方の透明基板フィルムの電極端子として、その透明電極面に圧着端子を配置して、プラスチック製ハトメで導電接合していることを特徴とする液晶調光フィルム。
【請求項2】
一方の透明基板フィルムと、他方の透明基板フィルムと、これら透明基板フィルムのそれぞれの透明電極膜に挟まれた液晶調光層とからなる液晶調光フィルムにおいて、前記一方の透明基板フィルム用の電極端子として、その透明基板フィルムの上に圧着端子を配置して、その下側の透明電極面に金属ハトメの座金を配置して、金属ハトメで導電接合し、前記他方の透明基板フィルムの電極端子として、その透明基板フィルムの上に圧着端子を配置して、その下側の透明電極面に金属ハトメの座金を配置して、金属ハトメで導電接合していることを特徴とする液晶調光フィルム。
【請求項3】
金属ハトメの円筒体の中空部分を利用してプラスチックホックが嵌めれた請求項2の液晶調光フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶調光フィルムに電圧を印加して光透過率を制御するための、改良された電極端子の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶調光フィルムは、偏光板やバックライトを必要としないので、表示が明るく、製造工程上も簡便で、電圧印加により、光の散乱(不透明状態)と光透過(透明状態)の制御が可能であり、いろいろな用途で使用されている。
【0003】
図1に示すように、液晶調光フィルムの製造方法において、ロールツーロール(RTR)のプロセス方式が一般的である。上側に透明電極膜1aを有するロール状の透明基板フィルム1を引き出し、露出した透明電極面に高分子モノマーと液晶及びUV開始剤とからなる液体状態の液晶調光液を均一膜になるように塗布しながら、下側に透明電極膜2aを有するロール状の透明基板フィルム2を引き出して貼り合わせ、透明基板フィルム1と液晶調光液と透明基板2フィルムとからなる3層のフィルムにUVを照射することにより、液晶調光液中の高分子モノマーが光重合して、ネットワーク化した高分子相の中に液晶相が分散した状態の液晶調光層3が形成される。
【0004】
この様に、液晶調光フィルムは、内側に透明電極膜1a,2aを備えた2枚の透明基板フィルム1,2の間に液晶調光層3が挟まれた3層の構成からなり、透明電極膜1a,2a間に電圧を印加すれば、液晶調光層3のネットワーク高分子の中の液晶が応答して、入射光の透過率が変化する仕組みになる。
【0005】
図2に示すように、一対の帯状の電極端子面1d、2dが表裏で重なり合わない様に、左右に配置されるので、液晶調光フィルムの電極端子4は、予め設置の位置が決められる。
【0006】
図3に示すように、
図3右の透明電極膜1aの電極端子面1dの電極端子4の製作は、例えば、特許文献1に記載があるが、電極端子面1dに相当する透明基板フィルム2と液晶調光層3の部分が切り取られ、露出した電極端子面1dに銅箔テープなどの導電片が導電接着剤を用いて貼り付けられ、その上にリード線がハンダ付けされ、電極保護としてUV硬化樹脂(図示せず)などで、電極端子面1dが絶縁封止される。
図3左の透明電極膜2aの電極端子面2dの電極端子4も、電極端子面2dに相当する透明基板フィルム1と液晶調光層3の部分が切り取られ、露出した電極端子面2dに銅箔テープなどの導電片が導電接着剤を用いて貼り付けられ、その上にリード線がハンダ付けされ、電極保護としてUV硬化樹脂(図示せず)などで、電極端子面2dが絶縁封止される。
【0007】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この様に製作される液晶調光フィルムの一対の電極端子4において、リード線がハンダ付けされた電極端子面1d,2dをUV硬化樹脂などで覆い封止する作業は、手間とコスト時間もかかり、できれば、安全かつ簡便な封止方法が望まれる。また電極端子4の設置が、一辺上の両端部分の各一か所に決められており、面積の大きな液晶調光フィルムになれば、電極端子4から離れた位置では、透明電極の電気抵抗により、液晶調光層3に印加される電圧が低下する問題も発生する。従って、取り付けが容易な電極端子4が望まれる。
【0010】
リード線のハンダ付けは、接続される金属間に良好な導電性をもたらし、電子部品等に広く用いられているが、透明基板フィルム1,2は、主に熱可塑性のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなり、ハンダ付けの約200℃以上の温度の数秒間において、透明基板フィルム1,2が何らかのダメージを受ける可能性がある。さらに、振動や熱変化また機械的強度が求められる環境では、ハンダ付け部分のハンダが取れるなどの劣化が予想されるので、ハンダ付けに代わる信頼性の高いリード線の接続法が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、一方の透明基板フィルム1と、他方の透明基板フィルム2と、これら透明基板フィルム1、2のそれぞれの透明電極膜1a,2aに挟まれた液晶調光層3とからなる液晶調光フィルムにおいて、一方の透明基板フィルム1用の電極端子4として、その透明基板フィルムの1の透明電極膜1aに圧着端子5を配置して、プラスチック製ハトメ6で導電接合し、他方の透明基板フィルム2の電極端子4として、その透明電極膜2aに圧着端子5を配置して、プラスチック製ハトメ6で導電接合したことを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、一方の透明基板フィルム1と、他方の透明基板フィルム2と、これら透明基板フィルム1、2のそれぞれの透明電極膜1a,2aに挟まれた液晶調光層3とからなる液晶調光フィルムにおいて、一方の透明基板フィルム1用の電極端子4として、その透明基板フィルム1の上に圧着端子5を配置して、その下側の透明電極膜1aに金属ハトメの座金10を配置して、金属ハトメ9で導電接合し、他方の透明基板フィルム2の電極端子4として、その透明基板フィルム1の上に圧着端子5を配置して、その下側の透明電極膜2aに金属ハトメの座金10を配置して、金属ハトメ9で導電接合したことを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、金属ハトメ9の円筒体9aの中空部分9cを利用して、その上下にプラスチックホック12が嵌められたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明において、電極端子4は容易に短時間でコスト安く複数取り付けられるので、面積の大きな液晶調光フィルムにおいても、印加電圧を高めることがなく、電極端子数を増やすことで対応できる。またプラスチック製ハトメ6を用いた場合、電極端子4の金属部分が液晶調光フィルム上に露出しないので安全であり、裏面から見ても、きれいな仕上りになり、金属ハトメ9を用いた場合でも、プラスチックホック11を嵌めれば、液晶調光フィルム上に金属が露出しない。
【0015】
ハンダ付けに代わって、圧着端子5を用いてリード線を接続するので、透明基板フィルム1,2に熱的ストレスを掛けない。さらに電気的な接続性に優れる他、引っ張りなどの機械的ストレスにも強く、極めて信頼性の高いリード線の接続法になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図4】本発明に係る液晶調光フィルムの切り取り断面図と電極端子の斜視図
【
図5】プラスチック製ハトメを使用した実施例の平面図
【
図7】金属ハトメとプラスチックホックを使用した実施例の平面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、プラスチック製ハトメ6と圧着端子5を用いた本発明の第一の実施形態を、
図4~
図6に基づいて説明する。
【0018】
図4に示す様に、本発明に用いる圧着端子5は、孔5cを設けた舌部5aとリード線接続のスリーブ端子5bからなり、プラスチック製ハトメ6は、圧着端子舌部5aの孔5cを貫通する円筒体6bと、中空部分6dを有する円筒体6bの一端に連続して形成されたフランジ体6aから構成され、プラスチック製リング7はハトメ6の円筒体6bが挿通可能な孔7aを設け、圧着端子5の舌部5aを止着するための構成となっている。
【0019】
図4は、圧着端子5とハトメ6を用いて一対の電極端子4を製作するために、透明基板フィルム1,2を部分的に切り取った状態を示す液晶調光フィルムの断面図であり、上側の透明基板フィルム2がハトメ6の円筒体6bの外径サイズに切り取られた孔2bと下側の透明基板フィルム1が圧着端子舌部5aの外径サイズより少し大きく切り取られた孔1cが設けられ、その孔1cに対応する透明電極膜2aの部分を電極端子面2dとする。同様に、
図4に図示しないが、透明基板フィルム1にハトメ6の円筒体6aの外径サイズに切り取られた孔1bと第2の透明基板フィルム2圧着端子舌部5aの外径サイズより少し大きく切り取られた孔2cが設けられ、その孔2cに対応する透明電極膜1aの部分を電極端子面1dとする。
【0020】
図4に示す、透明基板フィルム1,2の大小円板形の二段切り取りは、レザー方式やトムソンプレス方式を用いてで容易に行える。
【0021】
図5は、請求項1のプラスチック製ハトメ6を使用した実施例の平面図であり、
図5右の電極端子4において、透明基板フィルム2の上にハトメ6のフランジ体6aが露出しており、
図5左の電極端子4においても、ハトメ6の円筒体6bの先端部6cがかしめられ拡開した部分が露出している。
図6は、一対の電極端子4が製作された後の状態を示す
図5のB-B線断面図である。
【0022】
図6右の電極端子4は、
図4右の電極端子面2dにおいて、以下のように取り付けられる。
図4に示す透明基板フィルム1,2の大小円板形の二段切り取りの後、上側の透明基板フィルム2の電極端子面2dに、下から圧着端子舌部5aとプラスチック製リング7が配置され、上側の透明基板フィルム2の孔2bからハトメ6の円筒体6bが圧着端子5の孔5cとリング7の孔7aに挿通され、圧着器具(図示せず)によって、ハトメ円筒体の先端6cがかしめ拡開され、ハトメ6とリング7体が圧着端子舌部5aを挟んで止着される。
図6左の電極端子4も、透明基板フィルム1,2の大小円板形の二段切り取りの後、下側の透明基板フィルム1の電極端子面1dに、上から圧着端子舌部5aとプラスチック製リング7が配置され、下側の透明基板フィルム1の孔1bからハトメ6の円筒体6bが圧着端子5の孔5cとリング7の孔7aに挿通され、圧着器具(図示せず)によって、ハトメ円筒体の先端6cがかしめ拡開され、ハトメ6とリング7体が圧着端子舌部5aを挟んで止着される。
【0023】
さらに、
図6右の電極端子4において、圧着端子舌部5aと透明電極膜1aとの隙間にホットメルト樹脂8を注入して封止固定する。同様に
図6左の電極端子4においても、圧着端子舌部5aと透明電極膜2aとの隙間にホットメルト樹脂8を注入して封止固定して、一対の圧着端子5の取り付けが完成する。
【0024】
この様な構成であれば、一対の圧着端子舌部5aが対応する電極端子面1d,2dと接合しているので、リード線からの電力は圧着端子5を介して直接電極端子面1d,2dに伝わる。さらにハトメ6を用いることで、液晶調光フィルム上に金属が露出しないので安全上好ましい。
【0025】
接合した圧着端子舌部5aと電極端子面1d,2dとの導通性を高めるため、圧着端子の舌部5aの上面に粘着剤を塗布し、その上に導電粒子を散布したものであれば、電極端子面1d,2dと圧着端子舌部5a面の接合において、電極端子面1d,2dに液晶調光層3の成分が付着していても、導通性を高めることができる。導電性粒子は、金属粉、カーボン粉、炭化金属粉でもよく、その粒径は0.01~0.1mmが好ましい。この方法は、導電性ペーストと異なり、硬化時間を必要としないので、作業時間の短縮に繋がる。
【0026】
圧着端子5の形状はいろいろあるが、ハトメ6で固定するためには
図4に示す孔5cを有する丸形が好ましく、圧着端子スリーブ5bは、短絡防止のため電線の圧着部(胴体部分)が合成樹脂によって覆われている絶縁被覆付が好ましい。圧着端子5の材質は、銅、真鍮、ステンレス、アルミニウムでもよい。また圧着端子と形状が同じで、リード線接続端子部分が開きになっている抱きラグ端子(図示せず)を圧着端子5の代わりに用いてもよい。
【0027】
ハトメ6の素材は、かしめの強力に適度の曲げ弾性率を有し、かつ耐衝撃性を有するプラスチックが好ましく、ポリプロピレン系樹脂が中でも具体的には、プロピレン-エチレンランダム共重合体と軟質プロピレン系重合体との混合物が好ましい。前記リング7の素材としても、曲げ弾性率が大きいプロピレン系共重合体が好ましい。
【0028】
以上、圧着端子5とプラスチック製ハトメ6を用いて本発明の第一の実施形態を述べたが、プラスチック製ハトメ6に代えて金属ハトメを用いてもよく、以下、金属製ハトメ9と圧着端子5を用いた本発明の第二の実施形態を、
図7、8に基づいて説明する。
【0029】
本発明の第二の実施形態における圧着端子5は、上記第一の実施形態と同じものであり、ハトメにおいても形状と構成が同じであり、
図4に示す様に、金属ハトメを
図4の9として、その円筒体を9b、フランジ体を9a、金属ハトメに対応する座金を10とする。
【0030】
図7は、請求項2の金属ハトメ9とプラスチックホック11を使用した実施例の平面図であり、
図7右の電極端子4において、透明基板フィルム2上に金属ハトメ9のフランジ体9aに被さったプラスチックホック雄11aが露出しており、同様に、
図7左の電極端子4において、円筒体9aの先端部がかしめられ拡開した部分に被さったプラスチックホック雌11bが露出している。そして
図8は、一対の電極端子が製作された後の状態を示す
図7のC-C線断面図である。
【0031】
本発明の第二の実施形態において、第一の実施形態と同じように、圧着端子5を直接、電極端子面1b,2bに接合してもよいし、また金属ハトメ9は圧着端子5と直接導通するので、圧着端子5を上側透明基板フィルム2の上に配置してもよい。以下、金属ハトメ9を用いて圧着端子5を透明基板フィルム2の上に配置した一対の電極端子4製作の本発明の第二の実施形態を、
図7,8に基づいて説明する。
【0032】
図7右の電極端子4は、
図8右の電極端子面2dにおいて、以下のように取り付けられる。
図4に示すように、第一の実施形態と同様、上側の透明基板フィルム2が金属ハトメ9の円筒体9bの外径サイズに切り取られ、下側の透明基板フィルム1が金属ハトメの座金10の外径サイズより少し大きく切り取られる。次に、上側の透明基板フィルム2の孔2bに、上から圧着端子舌部5bを配置、下から座金10が電極端子面2dに配置され、上から金属ハトメ9の円筒体9bが圧着端舌部の孔5cと前記座金の孔10aに挿通され、圧着器具(図示せず)によって円筒体の先端部9cがかしめ拡開して、ハトメ9本体と座金10が圧着端子舌部5bを挟んで止着される。
図8左の電極端子4も、電極端子面1dにおいて、以下のように取り付けられる。下側の透明基板フィルム1が金属ハトメ9の円筒体9bの外径サイズに切り取られ、上側の透明基板フィルム2が金属ハトメの座金10の外径サイズより少し大きく切り取られる。次に、上側の透明基板フィルム2の孔2cに、下から圧着端子舌部5aを配置して、上から座金10が電極端子面1bに配置され、下から金属ハトメ9の円筒体9bが圧着端舌部の孔5cと前記座金の孔10aに挿通され、圧着器具(図示せず)によって円筒体の先端部9cがかしめられ拡開して、ハトメ9本体と座金10が圧着端子舌部5bを挟んで止着される。
【0033】
さらに、
図8右の電極端子4において、圧着端子舌部5aと透明電極膜1aとの隙間にホットメルト樹脂8を注入して封止固定する。同様に
図6左の電極端子4においても、圧着端子舌部5aと透明電極膜2aとの隙間にホットメルト樹脂8を注入して封止固定して、一対の圧着端子5の取り付けが完成する。
【0034】
この様な構成であれば、リード線接続された一対の圧着端子5からの電力は、金属ハトメのフランジ体9bを通って座金10そして一対の電極端子面2dまたは1dに伝わる。
【0035】
接合した座金10と電極端子面1dまたは2dとの導通性を高めるため、第一の実施形態と同じように、座金10の上面に粘着剤を塗布し、その上に導電粒子を散布したものであれば、電極端子面1dまたは2dと座金10の上面との接合において、電極端子面1dまたは2dに液晶調光層3の成分が付着していても、導通性を高めることができる。
【0036】
上記の電極端子4取り付けにおいて、座金10を用いなくても良い。この場合、電極端子面1d、2dと前記ハトメ9の接触・導通性を高めるため、前記ハトメ円筒体9aの先端に切り込みが入った菊割ハトメ(図示せず)が好ましい。また金属ハトメの材質は一般的な真鍮製、アルミニウム製、ステンレス製、鉄製でよい。
【0037】
以上、金属ハトメ9を用いて、圧着端子5を液晶調光フィルムの電極端子4とした本発明の第二の実施形態を説明した。金属製ハトメは、ハトメが剥離方向に負荷がかかるかしめの強力にすぐれ、加工性も安定しているが、金属が液晶調光フィルムの表面に露出するため安全上好ましくないので、金属ハトメ9の円筒体9bの中空部分9dを利用してプラスチックホック11を嵌めれば、
図7に示すように、上下の透明基板フィルム1,2上に金属部分が露出しない。
【符号の説明】
【0038】
1 第1の透明基板フィルム
1a 第1の透明基板フィルムの透明電極膜
1b 1の孔(小)
1c 1の孔(大)
1d 1aの電極端子面
2 第2の透明基板フィルム
2a 第2の透明基板フィルムの透明電極膜
2b 2の孔(小)
2c 2の孔(大)
2d 2aの電極端子面
3 液晶調光層
4 電極端子
5 圧着端子
5a 5の舌部
5b 5のスリーブ
5c 5aの孔
6 プラスチック製ハトメ
6a 6のフランジ体
6b 6の円筒体
6c 6bの先端
7 プラスチック製リング
7a 7の孔
8 ホットメルト樹脂
9 金属ハトメ
9a 9のフランジ体
9b 9の円筒体
9c 9aの先端
9d 9aの中空部分
10 金属ハトメの座金
10a 10の孔
11 プラスチックホック
11a 11の雄
11b 11の雌
【手続補正書】
【提出日】2021-02-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
圧着端子舌部5aと電極端子面1d,2dの導通性を高めるため、圧着端子舌部5aの下面に、電極端子面1d,2dに相当する形状の銅箔と絶縁膜の二層からなる導電フィルム(以下、導電フィルム)の銅箔面を宛がってもよい。この場合、
図4に示すような、透明基板フィルム1,2の電極端子面1d,2dにおいて、大小円板形の二段切り取りは必要なく、電極端子面1d,2dの間に、圧着端子舌部5aと圧着端子舌部5aの下面に銅箔が宛がわれた導電フィルムを重ねて収め、電極端子面1d,2dの透明基板フィルム1,2と圧着端子舌部5aの孔5c及び導電フィルムが挿通される孔を設け、ハトメ6とリグ体7を用いて、圧着端子舌部5aと導電フィルムを、透明電極膜1a,2aを内側にした透明基板フィルム1,2に挟んで止着すればよい。なお、電極端子面1d,2dの間に、圧着端子舌部5aと導電フィルムを収める場合、電極端子面1d,2dの液晶調光層3の成分を除去しないことが、電極端子面1d,2dと圧着端子舌部5aの導通性において望ましい。
【手続補正書】
【提出日】2021-05-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
接合した圧着端子舌部5aと電極端子面1d,2dとの導通性を高めるため、圧着端子の舌部5aの上面に粘着剤を塗布し、その上に導電粒子を散布したものであれば、電極端子面1d,2dと圧着端子舌部5a面の接合において、電極端子面1d,2dに液晶調光層3の成分が付着していても、導通性を高めることができる。導電性粒子は、金属粉、カーボン粉、炭化金属粉でもよく、その粒径は0.01~0.1mmが好ましい。この方法は、導電性ペーストと異なり、硬化時間を必要としないので、作業時間の短縮に繋がる。