(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083362
(43)【公開日】2022-06-03
(54)【発明の名称】イヤーピース
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20220527BHJP
H04R 25/00 20060101ALI20220527BHJP
H04R 25/02 20060101ALI20220527BHJP
A61F 11/12 20060101ALI20220527BHJP
【FI】
H04R1/10 104A
H04R1/10 104B
H04R1/10 104Z
H04R25/00 G
H04R25/02 C
A61F11/12 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020204575
(22)【出願日】2020-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】520486753
【氏名又は名称】金子 文彦
(72)【発明者】
【氏名】金子 文彦
【テーマコード(参考)】
5D005
【Fターム(参考)】
5D005BA00
5D005BA16
5D005BE03
(57)【要約】
【課題】本発明は耳道を安定して密閉するイヤーピースを提供する。
【解決手段】耳道33内にイヤーピースを挿入した際の傘部2の座屈変形の形状を補剛部材4から補剛部材8それぞれにより制御することで、耳道33を安定して密閉する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部材芯の直交方向への傘部材の変形を、傘部材の外側から抑制する補剛部材を有したイヤーピース。
【請求項2】
軸部材芯の直交方向への傘部材の変形を、傘部材の内側から抑制する補剛部材を有したイヤーピース。
【請求項3】
軸部材芯の直交方向への傘部材の変形を抑制する補剛部材を、傘部材縁部に有したイヤーピース。
【請求項4】
軸部材にスリットを有したイヤーピース。
【請求項5】
請求項2、請求項3のイヤーピースの傘部材の胴体部を、くびれた形状としたイヤーピース。
【請求項6】
請求項1、請求項2の補剛部材に、音声出力装置もしくは音声入力装置を有したイヤーピース。
【請求項7】
音声出力装置もしくは音声入力装置を請求項2の補剛部材としたイヤーピース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イヤーピースに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、耳道を密閉できるイヤーピースが開示されている。
【0003】
耳道の孔断面形状は真円からずれた形状であることから、特許文献1のイヤーピースと同等のイヤーピースを耳道33へ挿入した場合、耳道の内壁34と傘部材2との間に生じる不均等な圧力21により、傘部材2に座屈変形22が発生する。
【0004】
耳道33内で傘部材2に座屈変形22が発生した場合、耳道の内壁34と傘部材2との間に隙間23が生じることで耳道33内の密閉性が失われ、イヤホンのサウンド効果や品質が発揮できなくなる。
【0005】
特許文献1のイヤーピースと同等のイヤーピースを耳道33へ完全に挿入した場合、傘部材縁部の鋭利な部位による耳道の内壁34への集中した圧力が、イヤーピース装着時の快適性低下の原因となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は耳道33内の安定した密閉性と装着時の快適性を向上させたイヤーピースの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るイヤーピースを耳道33へ挿入した場合、補剛部材4から補剛部材8それぞれによる、軸部材芯31の直交方向32への傘部材2の変形を抑制する効果により、傘部材2の変形は座屈変形の形状24となる。
【0009】
傘部材2の変形が、軸部材芯31の直交方向32への変形を抑制された座屈変形の形状24となることで、補剛部材4から補剛部材8の何れもが無い場合に比べて、耳道の内壁34と傘部材2とが密着する部分25の面積を増加することができる。
【発明の効果】
【0010】
耳道の内壁34と傘部材2とが密着する部分25の面積を増加することができることにより、耳道33内を安定して密閉するイヤーピースの提供ができる。
【0011】
傘部材2と軸部材1とが接続する側の軸部材1の端部にスリット9を有することで、傘部材2の先端部を柔らかくする。
【0012】
イヤ-ピース挿入時の傘部材縁部3の軸部材芯31方向への変形を抑制しないことにより、傘部材2全体の柔らかさを確保する。
【0013】
傘部材2の柔らかさを確保することで、装着時の快適性を向上したイヤーピースが提供できる。
【0014】
補剛部材に音声出力装置13を有する、あるいは音声出力装置14を補剛部材と兼用することで、補剛部材によって生じた空間を有効利用したイヤーピースが提供できる。
【0015】
音声出力装置13と音声出力装置14は音声入力装置を兼ねても良い。
【0016】
本発明のイヤーピースの素材は弾性を有していれば限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】補剛部材4を有するイヤーピースの模式側断面図である。
【
図2】補剛部材4を有するイヤーピースの模式A-A断面図である。
【
図3】補剛部材5を有するイヤーピースの模式側断面図である。
【
図4】補剛部材6を有するイヤーピースの模式側断面図である。
【
図5】補剛部材7を有するイヤーピースの模式側断面図である。
【
図6】補剛部材8を有するイヤーピースの模式側断面図である。
【
図7】軸部材1の端部にスリット9を有するイヤーピースの模式側断面図である。
【
図8】補剛部材6を有するイヤーピースの傘部材2の胴体部をくびれ形状10とした模式側断面図である。
【
図9】補剛部材8を有するイヤーピースの傘部材2の胴体部をくびれ形状10とした模式側断面図である。
【
図10】イヤーピースを耳道33へ挿入した場合、傘部材2に生じた座屈変形22を示した模式側断面図である。
【
図11】座屈変形22により生じる隙間23を示した模式B-B断面図である。
【
図12】補剛部材4を有するイヤーピースを耳道33へ挿入した場合に、耳道の内壁34と傘部材2とが密着する部分25を示した模式側断面図である。
【
図13】補剛部材6を有するイヤーピースを耳道33へ挿入した場合に、耳道の内壁34と傘部材2とが密着する部分25を示した模式側断面図である。
【
図14】補剛部材8を有するイヤーピースを耳道33へ挿入した場合に、耳道の内壁34と傘部材2とが密着する部分25を示した模式側断面図である。
【
図15】補剛部材4を半球殻形状の補剛部材11としたイヤーピース例の模式側断面図である。
【
図16】補剛部材6を半球殻形状の補剛部材12としたイヤーピース例の模式側断面図である。
【
図17】補剛部材4を半球殻形状とした補剛部材11に音声信号出力装置13を有したイヤーピース例の模式側断面図である。
【
図18】補剛部材6を半球殻形状とした補剛部材12に音声信号出力装置13を有したイヤーピース例の模式側断面図である。
【
図19】音声信号出力装置14を補剛部材6と兼用したイヤーピース例の模式側断面図である。
【
図20】補剛部材4を半球殻形状の補剛部材11としたイヤーピースを耳道33へ挿入した例の模式側断面図である。
【
図21】補剛部材6を半球殻形状の補剛部材12としたイヤーピースを耳道33へ挿入した例の模式側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図15に、補剛部材4を半球殻形状の補剛部材11としたイヤーピース例を示す。
【0019】
図16に、補剛部材6を半球殻形状の補剛部材12としたイヤーピース例を示す。
【0020】
図20には、傘部材2と補剛部材11が耳道33の入口部を挟み込むことにより、密閉性を向上させている例を示す。
【0021】
図21には、傘部材2のくびれ形状10が耳道33の入口部を挟み込むことにより、密閉性を向上させている例を示す。
【0022】
以上、本発明の実施形態について説明した内容は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0023】
1 軸部材
2 傘部材
3 傘部材縁部
4 傘部材2の変形を外側から抑制するための、軸部材1に接続した補剛部材
5 傘部材2の変形を外側から抑制するための、音声信号出力装置13に接続した補剛部材
6 傘部材2の変形を内側から抑制するための、軸部材1に接続した補剛部材
7 傘部材2の変形を内側から抑制するための、音声信号出力装置13に接続した補剛部材
8 傘部材2の変形を抑制するための、傘部材縁部3に位置する補剛部材
9 軸部材1に位置するスリット
10 傘部材2のくびれ形状
11 補剛部材4を半球殻形状とした部材
12 補剛部材6を半球殻形状とした部材
13 音声信号出力装置
14 音声信号出力装置13を補剛部材とした部材
21 耳道の内壁34と傘部材2との間に生じる不均等な圧力
22 耳道の内壁34と傘部材2との間に生じる不均等な圧力21によって生じる傘部材2の座屈変形
23 耳道の内壁34と傘部材2との間に生じる不均等な圧力21によって生じる傘部材2の座屈変形22にともなう隙間
24 傘部材2の軸部材芯31の直交方向32への変形を補剛部材により抑制した座屈変形の形状
25 耳道の内壁34と傘部材2とが密着する部分
31 軸部材芯
32 軸部材芯31の直交方向
33 耳道
34 耳道の内壁
35 鼓膜