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  • 特開-医薬品追跡管理システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083384
(43)【公開日】2022-06-03
(54)【発明の名称】医薬品追跡管理システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20220527BHJP
【FI】
G16H20/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093722
(22)【出願日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】109141152
(32)【優先日】2020-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】520308433
【氏名又は名称】エーアイ バイオマテリアル ヘルステック リミテッド
【氏名又は名称原語表記】AI Biomaterial Healthtech Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】イェン-ワイ ホ
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】医薬品追跡管理システムを提供する。
【解決手段】データベースと、情報送受信モジュールと、管理モジュールと、を備えている。情報送受信モジュールは医薬品のタグ情報、医薬品の製造プロセス、物流プロセス、及び使用プロセスを受信し、且つ製造プロセス、物流プロセス、及び使用プロセスをブロックチェーンネットワーク及びデータベースに伝送するために用いている。管理モジュールは情報送受信モジュールに信号が接続され、管理モジュールはタグ情報に基づいてデータベースから識別ラベルに対応する医薬品の製造プロセス、物流プロセス、及び使用プロセスを取得するための履歴クエリモジュールを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第三者機構から伝送された医薬品の製造プロセス、物流プロセス、及び使用プロセスを受信すると共にユーザーが前記製造プロセス、前記物流プロセス、及び前記使用プロセスを追跡するために用い、前記医薬品はタグ情報を含む識別ラベルを備えている医薬品追跡管理システムであって、
データベースと、
前記医薬品の前記タグ情報、前記製造プロセス、前記物流プロセス、及び前記使用プロセスを受信すると共に前記製造プロセス、前記物流プロセス、及び前記使用プロセスをブロックチェーンネットワーク及び前記データベースに伝送するための情報送受信モジュールと、
前記情報送受信モジュールに信号が接続されている管理モジュールであって、前記管理モジュールは前記タグ情報に基づいて前記データベースから前記識別ラベルに対応する前記医薬品の前記製造プロセス、前記物流プロセス、及び前記使用プロセスを取得するための履歴クエリモジュールを備え、前記タグ情報は前記製造プロセス、前記物流プロセス、及び前記使用プロセスを保存するために用い、前記製造プロセスは前記医薬品の全米医薬品コード(NDC:National Drug Code)、シリアル番号、パッチ番号、有効期限、成分、及びサプライチェーンに記録された製品取引明細を含み、前記物流プロセスは前記医薬品の全輸送過程温度制御記録、全過程測位記録、輸送車両番号情報、及び輸送人員情報を含み、前記使用プロセスは前記医薬品を使用する医療機関、前記医薬品を販売する薬局の名称、前記医薬品を注射する医師、前記医薬品を投与する時間、前記医薬品を注射する患者の情報、前記医薬品を注射する患者の生年月日、前記医薬品を注射する患者の注射時のバイタルサイン、前記医薬品を注射する患者の過去のアレルギー反応、前記医薬品を注射する患者の過去の注射記録、前記医薬品を注射する患者の家族の病歴、前記医薬品を注射する患者の現病歴、及び前記医薬品を注射する患者の遺伝子配列を含み、前記バイタルサインは血圧、心拍数、呼吸、体温、及び体重を含む管理モジュールと、を備えていることを特徴とする医薬品追跡管理システム。
【請求項2】
前記複数の第三者機構として前記医薬品の製造メーカー、物流業者、及び医療機関を含むことを特徴とする請求項1に記載の医薬品追跡管理システム。
【請求項3】
前記情報送受信モジュールは前記製造メーカーが伝送した前記製造プロセス、前記物流業者が伝送した前記物流プロセス、及び前記医療機関が伝送した前記使用プロセスをそれぞれ受信することを特徴とする請求項2に記載の医薬品追跡管理システム。
【請求項4】
前記ユーザー端はタグリーダーを備え、前記ユーザーは前記タグリーダーにより前記タグ情報を取得することを特徴とする請求項3に記載の医薬品追跡管理システム。
【請求項5】
前記識別ラベルはRFIDラベル或いはNFCラベルであり、前記タグリーダーはRFID(Radio Frequency Identification:RFID)リーダーまたはNFCタグリーダーであることを特徴とする請求項4に記載の医薬品追跡管理システム。
【請求項6】
前記医薬品は注射薬を含むことを特徴とする請求項5に記載の医薬品追跡管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品追跡管理システム(A medical supply tracking management system)に関し、より詳しくは、ユーザーがブロックチェーンネットワークを介して医療情報をチェック可能にする医薬品追跡管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
疾病の治療やワクチンの投与過程では、各種医薬品を使用する必要がある。一般的な医薬品は製薬会社が製薬した後、物流機構により病院に輸送され、病院の医療従事者により患者に投与される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、現在医薬品の製造元、輸送物流、及び使用プロセス(製造端から医療従事者までの使用履歴)を遡及可能なシステムがなく、医薬品追跡管理システムを提供する必要に迫られている。医薬品の製造端、物流端、及びユーザー端のうちの何れかのユーザーが医薬品の製造元、輸送物流、及び使用プロセスを遡及可能にし、因製造元、輸送物流、及び使用プロセスでのミスを監視及び管理して薬物やワクチンの成分が変質しないようにし、患者にアレルギーや他の副反応が現れた場合に責任が製造メーカー、物流輸送業者、或いは病院の注射の保管のうちのどこにあるのかを明らかにする必要があった。また、完全に遡及可能な全体的な輸送情報、注射情報、及び患者情報を提供し、従来技術に存在する問題を解決する必要もあった。
【0004】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0005】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものである。上記課題解決のため、本発明は、ユーザーがブロックチェーンネットワークを介して医療情報をチェック可能にする医薬品追跡管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る医薬品追跡管理システムは、複数の第三者機構が伝送する医薬品の製造プロセス、物流プロセス、及び使用プロセスを受信すると共にユーザーが前記製造プロセス、前記物流プロセス、及び前記使用プロセスを追跡するために用いられている。医薬品はタグ情報を含む識別ラベルを備え、医薬品追跡管理システムはデータベースと、情報送受信モジュールと、管理モジュールと、を備えている。情報送受信モジュールは医薬品のタグ情報、前記製造プロセス、前記物流プロセス、及び前記使用プロセスを受信すると共に前記製造プロセス、前記物流プロセス、及び前記使用プロセスをブロックチェーンネットワーク及びデータベースに伝送する。管理モジュールは情報送受信モジュールに信号が接続され、管理モジュールはタグ情報に基づいてデータベースから識別ラベルに対応する医薬品の前記製造プロセス、前記物流プロセス、及び前記使用プロセスを取得するための履歴クエリモジュールを備えている。
【0007】
本発明の一態様によれば、複数の第三者機構として医薬品の製造メーカー、物流業者、及び医療機関を含む。
【0008】
本発明の一態様によれば、情報送受信モジュールは製造メーカー、物流業者、及びユーザー端が伝送した製造プロセス、物流プロセス、及び使用プロセスをそれぞれ受信する。
【0009】
本発明の一態様によれば、ユーザー端はタグリーダーを備え、ユーザーはタグリーダーによりタグ情報を取得する。
【0010】
本発明の一態様によれば、識別ラベルはRFIDラベルまたはNFCラベルであり、タグリーダーはRFID(Radio Frequency Identification;RFID)リーダーまたはNFCタグリーダーである。
【0011】
本発明の一態様によれば、医薬品は注射薬を含む。
【0012】
本発明の一態様によれば、使用プロセスは病院の患者の注射端の情報である。
【0013】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施例に係る医薬品追跡管理システムとブロックチェーンネットワークと外部コンピューターと製薬工場のコンピューターとロジスティクスコンピューターと医療用コンピューターを示すシステム構成図である。
図2】本発明の一実施例に係る医薬品の分解図である。
図3】本発明の一実施例に係る医薬品と注射器を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。
【0016】
まず、本発明の具体的な実施形態について図1乃至図3に基づき説明する。図1は本発明の一実施例に係る医薬品追跡管理システムとブロックチェーンネットワークと外部コンピューターと製薬工場のコンピューターとロジスティクスコンピューターと医療用コンピューターを示すシステム構成図である。図2は本発明の一実施例に係る医薬品の分解図である。図3は本発明の一実施例に係る医薬品と注射器を示す概略図である。
【0017】
本発明の一実施例では、図1を参照すれば、医薬品追跡管理システム900は複数の第三者機構のうちの何れか1人のユーザーが医薬品1の製造プロセス211、物流プロセス212、及び使用プロセス213を追跡するために用いられている。第三者機構として製造メーカー、物流業者、及びユーザー端を含む。製造メーカーは医薬品1を製造する製薬工場機構であり、製薬工場機構はブロックチェーンネットワーク300に信号が接続されている製薬工場のコンピューターブロックチェーンモジュール610を含む製薬工場のコンピューター600を有している。物流業者は物流機構であり、医薬品1を製薬工場機構から前記医薬品1を必要としている病院や薬局に輸送する。物流機構はブロックチェーンネットワーク300に信号が接続されているロジスティクスコンピュータブロックチェーンモジュール710を含むロジスティクスコンピューター700を有している。ユーザー端は医療機関のような医療端でもよく、即ち、医薬品1を受け取る病院や薬局である。医療機構は医療用コンピューターブロックチェーンモジュール810及びタグリーダー400を備えている医療用コンピューター800を有している。医療用コンピューターブロックチェーンモジュール810はブロックチェーンネットワーク300に信号を接続するために用いられている。但し、ユーザー端は上述のものに限られず、医薬品1を使用する患者のような治療端(例えば、患者)、支払い端(例えば、保険会社)、第三者認証局端(例えば、支援機構)でもよい。
【0018】
本発明の一実施例では、図2図3を参照すれば、医薬品1は患者が服用する或いは注射器200により患者の体内に注射するための薬液やワクチンを収容するために用いられている。医薬品1はボトル本体10と、チップセット20と、カバー30と、シールストリップ40と、バッテリー50と、を備えている。ボトル本体10は薬液やワクチンを収容するために用いられている。カバー30はボトル本体10の開口部に冠着し、シールストリップ40はカバー30によりボトル本体10を密封し、ユーザーがカバー30が開かれていないかどうか確認するために用いられている。バッテリー50はボトル本体10に設置されていると共にチップセット20に電力を供給する。
【0019】
本発明の一実施例では、図1図2に示すように、チップセット20はフレキシブルチップであり、ボトル本体10に設置されている。チップセット20は識別ラベル21と、医療用品ブロックチェーンモジュール22と、位置決めモジュール23と、偽造防止モジュール24と、温度制御モジュール25と、を備えている。識別ラベル21はRFIDラベル(Radio Frequency Identification;RFID)またはNFCラベルである。識別ラベル21は医薬品1の製造プロセス211、物流プロセス212、及び使用プロセス213を保存するためのタグ情報を含む。製造プロセス211は製薬工場のコンピューター600により提供され、製造プロセス211は医薬品1の全米医薬品コード(NDC;National Drug Code)、シリアル番号、パッチ番号、有効期限、成分、サプライチェーンに記録された製品取引明細等の医薬品1の生産及び製造情報を含む。物流プロセス212はロジスティクスコンピューター700により提供される。物流プロセス212は医薬品1の全輸送過程温度制御記録、全過程測位記録、輸送車両番号情報、輸送人員情報等の情報を含む。使用プロセス213は医療用コンピューター800により提供される。使用プロセス213は医薬品1を使用する医療機関や医薬品1を販売する薬局の名称、医薬品1を注射する医師、医薬品1を投与する時間、医薬品1を注射する患者の情報、医薬品1を注射する患者の生年月日、医薬品1を注射する患者の注射時のバイタルサイン(例えば、血圧、心拍数、呼吸、体温、体重)、医薬品1を注射する患者の過去のアレルギー反応、医薬品1を注射する患者の過去の注射記録、医薬品1を注射する患者の家族の病歴、医薬品1を注射する患者の現病歴及び遺伝子配列、及び医療サービス端の医療従事者に提供する情報のような病院の患者の注射端情報を含む。
【0020】
医療用品ブロックチェーンモジュール22は演算チップ及びブロックチェーンネットワーク300と信号が接続されているワイヤレス通信チップまたは通信アンテナを備えている。これにより、医薬品1の製造プロセス211、物流プロセス212、及び使用プロセス213がブロックチェーンネットワーク300に記録され、ブロックチェーンネットワーク300により遡及可能となると共に記録が改竄されにくいという特性により、医薬品1の製造プロセス211、物流プロセス212、及び使用プロセス213を記録すると共に追跡可能にする。位置決めモジュール23は全地球測位システム(Global Positioning System)チップであり、位置決めモジュール23は医薬品1を測位し、医薬品1の現在位置を確定すると共に輸送過程と時間点との関係を全過程を記録し、輸送時間の地点を確認し、輸送経路を記録する。本実施例では、偽造防止モジュール24はユーザーが医薬品1の信頼性及び安全性を確認するための偽造防止ラベルである。温度制御モジュール25は温度感知機能を有しているチップであり、温度制御モジュール25は医薬品1の温度を測定すると共に管理する。これにより、医薬品1が適切な温度にあるかどうか管理し、熱すぎる環境が医薬品1の薬物活性に影響を与えないようにしている。
【0021】
また、医療用品ブロックチェーンモジュール22によりブロックチェーンネットワーク300に接続して情報を記録する以外に、製薬工場のコンピューター600の製薬工場のコンピューターブロックチェーンモジュール610はブロックチェーンネットワーク300に接続して製造プロセス211を記録する。ロジスティクスコンピューター700のロジスティクスコンピュータブロックチェーンモジュール710はブロックチェーンネットワーク300に接続して物流プロセス212を記録する。医療用コンピューター800の医療用コンピューターブロックチェーンモジュール810はブロックチェーンネットワーク300に接続して使用プロセス213を記録する。
【0022】
本発明の一実施例では、図1に示すように、医薬品追跡管理システム900はサーバー100を備えている。医薬品追跡管理システム900のサーバー100はブロックチェーンネットワーク300、外部コンピューター500、製薬工場のコンピューター600、ロジスティクスコンピューター700、及び医療用コンピューター800に接続されている。サーバー100はブロックチェーンモジュール110と、情報送受信モジュール120と、管理モジュール130と、データベース140と、を備えている。ブロックチェーンモジュール110は演算チップと、ブロックチェーンネットワーク300に信号が接続され、ブロックチェーンネットワーク300に記録された医薬品1の製造プロセス211、物流プロセス212、及び使用プロセス213を取得するためのワイヤレス通信チップまたは通信アンテナと、を含む。情報送受信モジュール120は例えばネットワークカードであり、外部コンピューター500、製薬工場のコンピューター600、ロジスティクスコンピューター700、及び医療用コンピューター800に接続して情報を相互に伝送し、医薬品1のタグ情報及び製造プロセス、物流プロセス、及び使用プロセスを受信するために用いられている。即ち、情報送受信モジュール120は製造メーカー、物流業者、及ユーザー端が伝送した医薬品1の製造プロセス211、物流プロセス212、及び使用プロセス213をそれぞれ受信し、受信した製造プロセス、物流プロセス、及び使用プロセスをブロックチェーンネットワーク300及びデータベース140に伝送する。管理モジュール130はブロックチェーンモジュール110及び情報送受信モジュール120に信号が接続されている中央処理装置であり、管理モジュール130はタグ情報に基づいてデータベース140から識別ラベルに対応する医薬品1の製造プロセス、物流プロセス、及び使用プロセスを取得すると共に製造プロセス、物流プロセス、及び使用プロセスを情報送受信モジュール120に伝送する履歴クエリモジュール131を備え、情報送受信モジュール120は製造プロセス、物流プロセス、及び使用プロセスを外部コンピューター500、製薬工場のコンピューター600、ロジスティクスコンピューター700、及び医療用コンピューター800に伝送する。データベース140はブロックチェーンモジュール110、情報送受信モジュール120、及び管理モジュール130に信号が接続され、データベース140は識別ラベル、製造プロセス、物流プロセス、及び使用プロセスの保存に用いられている。
【0023】
本発明の一実施例では、タグリーダー400はRFID(Radio Frequency Identification;RFID)リーダーまたはNFCタグリーダーである。タグリーダー400はサーバー100に信号が接続され、識別ラベル21内の製造プロセス211、物流プロセス212、及び使用プロセス213のうちの少なくとも1つを読み取るために用いられている。或いは、タグリーダー400は製造プロセス211、物流プロセス212、及び使用プロセス213を識別ラベル21に入力し、且つ医療用品ブロックチェーンモジュール22により製造プロセス211、物流プロセス212、及び使用プロセス213がブロックチェーンネットワーク300に記録される。若しくは、タグリーダー400は医療用品ブロックチェーンモジュール22によりブロックチェーンネットワーク300に記録されている製造プロセス211、物流プロセス212、及び使用プロセス213を取得すると共に識別ラベル21に入力するために用いられている。本発明の具体的な一実施例によると、タグリーダー400は医薬品1を製造する製薬会社、医薬品1を輸送する物流機構、または医薬品1を使用或いは販売する医療機構、及びtrace-link(登録商標)社が提供するサプライチェーンプラットフォーム管理サーバーに直接設置されて世界規模で薬品のサプライチェーンを追跡するための情報としている。ユーザーはタグリーダー400により識別ラベル21をスキャンしてタグ情報を取得し、医療従事者が医薬品1の製造、流通、及び使用プロセスを知って医薬品を服用する患者の安全を確保している。
【0024】
製薬工場機構が医薬品1を製造する際に、製薬工場機構の作業員は薬液またはワクチンをボトル本体10に充填し、カバー30によりボトル本体10に蓋をしてシールストリップ40を被装し、カバー30によりボトル本体10を密封する。次いで、製薬工場機構の作業員は製薬工場のコンピューター600を運用してタグリーダー400に信号を接続させ、医薬品1の製造プロセス211を識別ラベル21に入力し、医療用品ブロックチェーンモジュール22により製造プロセス211をブロックチェーンネットワーク300に記録し、ネットワークを通して製造プロセス211を医薬品追跡管理システム900に伝送する。医薬品1の製造が完了した後、物流機構の作業員は医薬品1を製薬工場機構から医療機構に輸送し、且つ物流機構の作業員が医薬品1を輸送する過程では、物流機構の作業員がロジスティクスコンピューター700を運用してタグリーダー400に信号を接続させ、医薬品1の物流プロセス212を識別ラベル21に入力し、医療用品ブロックチェーンモジュール22により物流プロセス212をブロックチェーンネットワーク300に記録し、ネットワークを通して物流プロセス212を医薬品追跡管理システム900に伝送する。医薬品1が医療機構に輸送された後、医療機構の作業員は医療用コンピューター800を運用してタグリーダー400に信号を接続させ、医薬品1の使用プロセス213を識別ラベル21に入力し、医療用品ブロックチェーンモジュール22により使用プロセス213をブロックチェーンネットワーク300に記録し、ネットワークを通して使用プロセス213を医薬品追跡管理システム900に伝送する。これにより、ブロックチェーンネットワーク300及び識別ラベル21が共に医薬品1の製造プロセス211、物流プロセス212、及び使用プロセス213を完全に記録する。また、医薬品追跡管理システム900の情報送受信モジュール120が製造プロセス211、物流プロセス212、及び使用プロセス213を受信した後、製造プロセス211、物流プロセス212、及び使用プロセス213をデータベース140に伝送することにより、医薬品追跡管理システム900が医薬品1の製造プロセス211、物流プロセス212、及び使用プロセス213を完全に記録する。
【0025】
医薬品1を使用する患者にアレルギーや他の副反応が発生した場合、医療機構の作業員または患者は外部コンピューター500を運用して医薬品追跡管理システム900に接続させ、タグリーダー400により医薬品1の識別ラベル21のタグ情報を読み取ってタグ情報を医薬品追跡管理システム900に伝送し、医薬品1の製造、流通、及び使用過程にミスが生じていないか知ることができる。情報送受信モジュール120が外部コンピューター500からタグ情報を受信すると、管理モジュール130の履歴クエリモジュール131がタグ情報の内容に基づいてデータベース140から識別ラベルに対応する医薬品1の製造プロセス、物流プロセス、及び使用プロセスを取得する。情報送受信モジュール120が製造プロセス、物流プロセス、及び使用プロセスを外部コンピューター500に伝送することにより、外部コンピューター500を操作する作業員及び患者が返信された製造プロセス211、物流プロセス212、及び使用プロセス213をチェックして医薬品1の製造プロセス211、物流プロセス212、及び使用プロセス213を知ることが可能となり、責任が製薬工場機構、物流機構、或いは医療機構のどこにあるかを理解し、医事紛争や医薬品副作用被害救済の責任の所在を明らかにすることができる。
【0026】
しかしながら、各機構の作業員が製造プロセス211、物流プロセス212、及び使用プロセス213を取得する方式は上述のものに限られず、例えば、各機構の作業員が製薬工場のコンピューター600、ロジスティクスコンピューター700、または医療用コンピューター800をそれぞれ操作して医薬品追跡管理システム900に接続すると共に応答情報を獲得してもよい。或いは、作業員がタグリーダー400を使用して識別ラベル21に保存されている製造プロセス211、物流プロセス212、及び使用プロセス213を読み取ってもよい。
【0027】
本発明の医薬品追跡管理システム900により、医薬品の製造プロセス、保存及び輸送プロセス、及び使用プロセスを管理すると共に追跡し、患者及び医療機構の医薬品の使用の安全性を向上している。本発明の医薬品1及び医薬品追跡管理システム900は処方箋医薬品に標示されている最小販売パッケージを満たし、サプライチェーンの効率を高め、違法な偽造医薬品を排除し、処方箋医薬品リコール手順及び効率を改善し、医事紛争及び医薬品副作用被害救済の責任の所在を明らかにする。また、本発明の医薬品追跡管理システム900は世界中から本発明の医薬品1を使用して注射する患者の病歴情報を収集して薬物及びワクチンの注射薬のビッグデータのデータベースとし、ワクチン/薬物と遺伝子配列との関連性の比較、ブロックチェーンネットワークへのデータベースのアップロード、製薬工場機構(製造端)、物流機構(物流端)、医療機構(医師端)、及び第三者認証局遠隔バックアップデータ端による保存及び分析、患者個人の注射薬の注射、及び電子カルテの個人的保存に役立て、ブロックチェーンの電子カルテに適合させる。
【0028】
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を限縮するように解すべきではない。また、本発明の各部構成は、上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0029】
1 医薬品
10 ボトル本体
20 チップセット
21 識別ラベル
211 製造プロセス
212 物流プロセス
213 使用プロセス
22 医療用品ブロックチェーンモジュール
23 位置決めモジュール
24 偽造防止モジュール
25 温度制御モジュール
30 カバー
40 シールストリップ
50 バッテリー
100 サーバー
110 ブロックチェーンモジュール
120 情報送受信モジュール
130 管理モジュール
140 データベース
200 注射器
300 ブロックチェーンネットワーク
400 タグリーダー
500 外部コンピューター
600 製薬工場のコンピューター
610 製薬工場のコンピューターブロックチェーンモジュール
700 ロジスティクスコンピューター
710 ロジスティクスコンピュータブロックチェーンモジュール
800 医療用コンピューター
810 医療用コンピューターブロックチェーンモジュール
900 医薬品追跡管理システム
図1
図2
図3