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特開2022-83391電車のエネルギー架線供給制御方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083391
(43)【公開日】2022-06-03
(54)【発明の名称】電車のエネルギー架線供給制御方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B60L 58/18 20190101AFI20220527BHJP
   B60L 50/53 20190101ALI20220527BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220527BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20220527BHJP
【FI】
B60L58/18
B60L50/53
H02J7/00 P
H02J7/34 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021127650
(22)【出願日】2021-08-03
(31)【優先権主張番号】10-2020-0158705
(32)【優先日】2020-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】521342739
【氏名又は名称】ブイシーテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アン ウォン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジン ヨン シン
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA07
5G503BA04
5G503BA07
5G503BB01
5G503BB03
5G503BB05
5G503BB06
5G503DA07
5G503DA08
5G503FA06
5G503GB03
5G503GB06
5H125AA06
5H125AC02
5H125AC12
5H125AC14
5H125AC23
5H125BC24
5H125BC30
5H125BE02
5H125CA08
5H125CB02
5H125EE23
(57)【要約】
【課題】バッテリ効率を上げ、最適なエネルギー管理が可能な電車のエネルギー架線供給制御方法及び装置を提供する。
【解決手段】電車のエネルギー架線供給制御方法は、電車の運転モードを判断する運転モード判断ステップと、電車が逆行モードと判断されれば、電車内のスーパーキャパシタを放電モードとして作動して、スーパーキャパシタの充電エネルギーを架線に供給する架線供給ステップと、電車が制動モードと判断されれば、スーパーキャパシタを充電モードとして作動させて、電動機から発生される回生電力でスーパーキャパシタを充電するスーパーキャパシタ充電ステップとを含む。したがって、本発明は、電車に搭載配置されたバッテリの効率を上げ、最適なエネルギー管理が可能である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電車の運転モードを判断する運転モード判断ステップと、
前記電車が逆行モードと判断されれば、前記電車内のスーパーキャパシタを放電モードとして作動して、前記スーパーキャパシタの充電エネルギーを架線に供給する架線供給ステップと、
前記電車が制動モードと判断されれば、前記スーパーキャパシタを充電モードとして作動させて、電動機から発生される回生電力で前記スーパーキャパシタを充電するスーパーキャパシタ充電ステップと、を含むことを特徴とする電車のエネルギー架線供給制御方法。
【請求項2】
前記架線供給ステップは、
前記スーパーキャパシタの充電エネルギーが設定された基準電圧まで放電されれば、バッテリを放電モードとして作動して、前記バッテリの充電エネルギーを架線に供給することを特徴とする請求項1に記載の電車のエネルギー架線供給制御方法。
【請求項3】
前記架線供給ステップは、
前記電車が前記逆行モードと判断されれば、前記スーパーキャパシタとバッテリとを放電モードとして作動して、前記スーパーキャパシタの充電エネルギーと前記バッテリの充電エネルギーとを共に均等に架線に供給することを特徴とする請求項1に記載の電車のエネルギー架線供給制御方法。
【請求項4】
前記架線供給ステップは、
前記スーパーキャパシタの充電エネルギーが設定された基準電圧まで放電されれば、前記バッテリの充電エネルギーのみを架線に供給することを特徴とする請求項3に記載の電車のエネルギー架線供給制御方法。
【請求項5】
前記電車が駅停車の際、バッテリを急速充電モードとして作動させて、急速充電装置の貯蔵電力で前記バッテリを急速充電するバッテリ充電ステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電車のエネルギー架線供給制御方法。
【請求項6】
電車に搭載配置されたバッテリと、
前記電車に搭載配置されたスーパーキャパシタと、
前記バッテリ及び前記スーパーキャパシタのうち、少なくとも1つから架線に供給されるエネルギーを電動機に出力し、前記電動機の回生電力を前記スーパーキャパシタ側にフィードバックするDC-DCコンバータと、
前記電車の逆行モードの際、前記スーパーキャパシタに充電されたエネルギーが前記バッテリより先に架線に供給されるように制御し、前記スーパーキャパシタのエネルギーが設定された基準電圧まで放電されれば、前記バッテリに充電されたエネルギーが架線に供給されるように制御するエネルギー供給制御部と、を備えることを特徴とする電車のエネルギー架線供給制御装置。
【請求項7】
前記エネルギー供給制御部は、
前記電車の逆行モードの際、前記スーパーキャパシタと前記バッテリとに各々充電されたエネルギーが均等に架線に供給されるように制御することを特徴とする請求項6に記載の電車のエネルギー架線供給制御装置。
【請求項8】
前記エネルギー供給制御部は、
前記電車の制動モードの際、前記電動機から発生する前記回生電力で前記スーパーキャパシタを充電するように制御することを特徴とする請求項6に記載の電車のエネルギー架線供給制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電車のエネルギー架線供給制御技術に係り、より詳細には、電車の逆行モードにおいてスーパーキャパシタに充電されたエネルギーを架線に供給し、スーパーキャパシタ放電の際、バッテリのエネルギーを架線に供給してバッテリ効率を上げ、最適なエネルギー管理が可能な電車のエネルギー架線供給制御方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電車の需要と環境にやさしいエネルギーに対する要求が高まりつつあり、エネルギー貯蔵装置(ESS:Energy Storage System)の需要も急激に増えている。これにより、電車に電気エネルギーを充電し、貯蔵する技術に関心が集まっている。
【0003】
レールに沿って走行する電車は、走行と停車とを繰り返しながら運行をするようになるが、走行時よりは、停車時と出発時にエネルギーが大きく使用される。
【0004】
バッテリ充電を利用して運行する電車の場合、車両に搭載されたバッテリを先に充電し、バッテリのエネルギーが全て消滅されるまで一定区間を運行するか、バッテリを補助するための別の架線を同時に設置する有/無架線ハイブリッド形態の電車システムが開発されている。
【0005】
一方、電車用バッテリは、バッテリ容量制限のためにバッテリの再充電が必要であり、このために、駅ごとにバッテリを急速充電する技術が開発されている。
【0006】
しかしながら、バッテリの頻繁な充放電のため、バッテリの寿命が短くなる恐れがあり、バッテリだけを使用する場合には、電車の加速時のように短時間の間、大電力が必要であるとき、対応できないという問題を引き起こすことがある。短時間の間に、大電力を供給するために、バッテリ容量を運行に必要な電力量に合わせて設計すれば、運行に必要なエネルギーよりずっと大きなバッテリが必要であり、重さが非常に大きくなるという問題点がある。
【0007】
下記引用文献1は、急速充電を介しての停留所間の電車運行システムに関するものであって、電車、複数の給電部、及び中央制御部を備え、電車は、複数の駅舎の各々に停車して乗客の乗車及び下車時間の間、充電されたエネルギーと制動時に発生する全ての回生エネルギーを貯蔵する急速充電貯蔵装置を備え、複数の給電部は、駅舎の各々に設置され、電車が駅舎に停車する間、急速充電貯蔵装置にエネルギーを急速充電し、中央制御部は、電車の停車時間、駅舎間の距離、及び急速充電貯蔵装置の充電量に基づいて急速充電貯蔵装置へのエネルギー充電を制御する技術を開示する。
【0008】
下記引用文献2は、電動車両用バッテリの急速充電方法に関するものであって、充電されるバッテリに充電器を接続させて急速充電を準備するステップ、バッテリを0.3C~0.5Cで一定時間の間急速充電させるステップ、及びバッテリの充電時間が既設定時間を経過する場合、充電を終了するステップを含んでバッテリを急速充電させ得るようにし、バッテリの交換なしに長時間、電動車両を運行できるようにする技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10-1776008号公報
【特許文献2】大韓民国公開特許第10-2012-0051263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の一実施形態は、電車の逆行モードにおいてスーパーキャパシタに充電されたエネルギーを架線に供給し、スーパーキャパシタ放電の際、バッテリのエネルギーを架線に供給してバッテリ効率を上げ、最適なエネルギー管理が可能な電車のエネルギー架線供給制御方法及び装置を提供する。
【0011】
本発明の一実施形態は、電車にバッテリとスーパーキャパシタとを共に装着し、電車の運行モードによって適宜電力を供給できる電車のエネルギー架線供給制御方法及び装置を提供する。
【0012】
本発明の一実施形態は、電車制動の際、電動機の回生電力でスーパーキャパシタを充電してエネルギーを低減できる電車のエネルギー架線供給制御方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
実施形態のうち、電車のエネルギー架線供給制御方法は、電車の運転モードを判断する運転モード判断ステップ、前記電車が逆行モードと判断されれば、前記電車内のスーパーキャパシタを放電モードとして作動して、前記スーパーキャパシタの充電エネルギーを架線に供給する架線供給ステップ、及び前記電車が制動モードと判断されれば、前記スーパーキャパシタを充電モードとして作動させて、電動機から発生される回生電力で前記スーパーキャパシタを充電するスーパーキャパシタ充電ステップを含む。
【0014】
前記架線供給ステップは、前記スーパーキャパシタの充電エネルギーが設定された基準電圧まで放電されれば、バッテリを放電モードとして作動して、前記バッテリの充電エネルギーを架線に供給することができる。
【0015】
前記架線供給ステップは、前記電車が逆行モードと判断されれば、前記スーパーキャパシタとバッテリとを放電モードとして作動して、前記スーパーキャパシタの充電エネルギーと前記バッテリの充電エネルギーとを共に均等に架線に供給することができる。
【0016】
前記架線供給ステップは、前記スーパーキャパシタの充電エネルギーが設定された基準電圧まで放電されれば、前記バッテリの充電エネルギーのみを架線に供給することができる。
【0017】
実施形態のうち、電車のエネルギー架線供給制御方法は、前記電車が駅停車の際、前記バッテリを急速充電モードとして作動させて、急速充電装置の貯蔵電力で前記バッテリを急速充電するバッテリ充電ステップをさらに含むことができる。
【0018】
実施形態のうち、電車のエネルギー架線供給制御装置は、電車に搭載配置されたバッテリ、前記電車に搭載配置されたスーパーキャパシタ、前記バッテリ及び前記スーパーキャパシタのうち、少なくとも1つから架線に供給されるエネルギーを電動機に出力し、前記電動機の回生電力を前記スーパーキャパシタ側にフィードバックするDC-DCコンバータ、及び前記電車の逆行モードの際、前記スーパーキャパシタに充電されたエネルギーが前記バッテリより先に架線に供給されるように制御し、前記スーパーキャパシタのエネルギーが設定された基準電圧まで放電されれば、前記バッテリに充電されたエネルギーが架線に供給されるように制御するエネルギー供給制御部を備える。
【0019】
前記エネルギー供給制御部は、前記電車の逆行モードの際、前記スーパーキャパシタと前記バッテリとに各々充電されたエネルギーが均等に架線に供給されるように制御することができる。
【0020】
前記エネルギー供給制御部は、前記電車の制動モードの際、前記電動機から発生する前記回生電力で前記スーパーキャパシタを充電するように制御することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一実施形態に係る電車のエネルギー架線供給制御方法及び装置は、電車の逆行モードにおいてスーパーキャパシタに充電されたエネルギーを架線に供給し、スーパーキャパシタ放電の際、バッテリのエネルギーを架線に供給してバッテリ効率を上げ、最適なエネルギー管理が可能である。
【0022】
本発明の一実施形態に係る電車のエネルギー架線供給制御方法及び装置は、電車にバッテリとスーパーキャパシタを共に装着し、電車の運行モードによって適宜電力を供給できる。
【0023】
本発明の一実施形態に係る電車のエネルギー架線供給制御方法及び装置は、電車制動の際、電動機の回生電力でスーパーキャパシタを充電してエネルギーを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態に係る電動機のエネルギー架線供給制御装置を説明する図である。
図2図1の電車のエネルギー架線供給制御装置で行われる電動機のエネルギー架線供給制御過程の一実施形態を説明する順序図である。
図3】一実施形態に係る電車のエネルギー架線供給制御装置のエネルギー供給系統を示す図である。
図4】一実施形態に係る電車の架線に供給されるエネルギー状態を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明に関する説明は、構造的ないし機能的説明のための実施形態にすぎないので、本発明の権利範囲は、本文に説明する実施形態によって制限されると解釈されてはならない。すなわち、実施形態は、様々な変更が可能であり、種々の形態を有することができるので、本発明の権利範囲は、技術的思想を実現できる均等物を含むと理解されなければならない。また、本発明で提示した目的または効果は、特定の実施形態がそれを全部含まなければならないか、そのような効果のみを含まなければならないという意味ではないので、本発明の権利範囲は、これにより制限されるものと理解されてはならない。
【0026】
一方、本願で叙述される用語の意味は、次のように理解しなければならない。
【0027】
「第1」、「第2」などの用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別するためのものであって、これら用語によって権利範囲が限定されてはならない。例えば、第1構成要素は、第2構成要素と名付けられ、同様に第2構成要素も、第1構成要素と名付けられうる。
【0028】
ある構成要素が、他の構成要素に「連結されて」いると言及された場合には、その他の構成要素に直接連結されることもあるが、中間に他の構成要素が存在することもあると理解しなければならない。一方、ある構成要素が、他の構成要素に「直接連結されて」いると言及された場合には、中間に他の構成要素が存在しないものと理解しなければならない。一方、構成要素間の関係を説明する他の表現、すなわち、「~の間に」と「直ぐ~の間に」または「~に隣合う」と「~に直接隣合う」なども同様に解析しなければならない。
【0029】
単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味を有しない限り、複数の表現を含むものと理解されなければならず、「含む」または「有する」などの用語は、実施された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものが存在するということを指定しようとするものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものの存在、または付加可能性をあらかじめ排除しないものと理解しなければならない。
【0030】
各段階において、識別符号(例えば、a、b、cなど)は、説明の便宜のために使われるものであって、識別符号は、各段階の順序を説明するものではなく、各段階は、文脈上、明白に特定の順序を記載しない限り、明記された順序と異なるように起こりうる。すなわち、各段階は、明記された順序と同様に起こることもあり、実質的に同時に行われることもあり、反対の順序どおりに行われることもある。
【0031】
本発明は、コンピュータが読み出すことのできる記録媒体にコンピュータが読み出すことのできるコードにより実現されることができ、コンピュータが読み出すことのできる記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取られることのできるデータが格納されるすべての種類の記録装置を含む。コンピュータが読み出すことのできる記録媒体の例としては、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ格納装置などがあり、また、キャリアウェーブ(例えばインターネットを介した送信)の形態により実現されることも含む。また、コンピュータが読み出すことのできる記録媒体は、ネットワークにより接続したコンピュータシステムに分散されて、分散方式でコンピュータが読み出すことのできるコードが格納され実行されることができる。
【0032】
本明細書で使用する用語は、ただ特定の実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定する意図ではない。ここで使用するすべての用語は、異なる意味として定義されない限り、本発明が属する分野における通常の知識を有した者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般に使用される辞書に定義されている用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致するものと解析されなければならず、本出願において明白に定義しない限り、理想的であるか、または過度に形式的な意味を有するものと解釈してはいけない。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態に係る電車のエネルギー架線供給制御装置を説明する図である。
【0034】
図1に示すように、電車のエネルギー架線供給制御装置100は、バッテリ110、スーパーキャパシタ120、DC-DCコンバータ130、インバータ140、電動機150、及びエネルギー供給制御部160を備えることができる。
【0035】
バッテリ110とスーパーキャパシタ120とは、各々電車に搭載配置され、電動機150の駆動に必要なエネルギーを供給するエネルギー供給源である。
【0036】
DC-DCコンバータ130は、エネルギー供給制御部160の制御信号に応じてバッテリ110とスーパーキャパシタ120とが充電モードまたは放電モードとして作動されるように開閉制御する。バッテリ110とスーパーキャパシタ120とは、DC-DCコンバータ130の制御によって充電モードまたは放電モードとして動作する。
【0037】
インバータ140は、電動機150の駆動に必要なエネルギーを供給する。インバータ140は、DC-DCコンバータ130を介して投入されるエネルギーを交流(AC)に変換し、電動機150を駆動して電車を推進するようになる。
【0038】
電動機150は、電車に設置され、インバータ140を介して送信される電力により駆動されて電車推進力を発生する。
【0039】
エネルギー供給制御部160は、電車の運行モードによってバッテリ110とスーパーキャパシタ120とのうち、少なくとも1つに充電されたエネルギーを架線供給するようにDC-DCコンバータ130を制御する。一実施形態において、エネルギー供給制御部160は、電車の逆行モード区間において先にスーパーキャパシタ120が放電モードとして作動されるようにDC-DCコンバータ130を制御し、DC-DCコンバータ130を介してスーパーキャパシタ120に充電されたエネルギーが先に架線に供給されるようにする。ここで、電車の逆行モードにおいて高電力のスーパーキャパシタ120を先に使用することにより、バッテリ110の負担を減らすことができ、バッテリ110の使用効率を上げることができる。エネルギー供給制御部160は、スーパーキャパシタ120の充電状態を持続的に監視し、スーパーキャパシタ120が設定された基準電圧まで放電されれば、スーパーキャパシタ120の作動を中止させ、バッテリ110が放電モードとして作動されるようにDC-DCコンバータ130を制御し、DC-DCコンバータ130を介してバッテリ110に充電されたエネルギーが架線に供給されるようにする。
【0040】
一実施形態において、エネルギー供給制御部160は、電車の逆行モード区間においてバッテリ110とスーパーキャパシタ120とのエネルギーを均等に架線に供給し、スーパーキャパシタ120が設定された基準電圧まで放電されれば、バッテリ110を介してのみエネルギーが架線に供給されるように制御することもできる。
【0041】
エネルギー供給制御部160は、電車の制動モード区間において電動機150の制動の際に発生される回生電力をスーパーキャパシタ120に充電するように制御することができる。電動機150は、電車の制動の際に発電機として作動するようになり、このときに出てくる電気エネルギーを回生電力という。一実施形態において、エネルギー供給制御部160は、電車の制動モード区間においてDC-DCコンバータ130を制御し、スーパーキャパシタ120を充電モードとして作動させて、電動機150の回生電力でスーパーキャパシタ120を充電する。ここで、DC-DCコンバータ130は、電動機150で発生した回生電力をインバータ140を介してフィードバック入力を受けてスーパーキャパシタ120に出力する。
【0042】
エネルギー供給制御部160は、電車の停止による急速充電モード区間において急速充電装置(図示せず)から供給される充電電力をバッテリ110に充電するように制御することができる。急速充電装置は、電車の起終点基地または駅ごとに設置されることができる。一実施形態において、エネルギー供給制御部160は、電車の急速充電モード区間においてDC-DCコンバータ130を制御し、バッテリ110を充電モードとして作動させて急速充電装置(図示せず)の供給電力でバッテリ110を充電する。
【0043】
ここで、電車の加速区間である逆行モードの間、電車に搭載されたスーパーキャパシタ120を用い、逆行モード中間あるいは以後にバッテリ110を使用し、制動モードの間、回生されたエネルギーを搭載されたスーパーキャパシタ120に送信するエネルギー供給制御プロセスを行って最適なエネルギー管理をすることができる。例えば、電車に搭載されたスーパーキャパシタ120の使用を最大化することで、低い割合のバッテリ110放電を維持できる。
【0044】
図2は、図1の電車のエネルギー架線供給制御装置で行われる電動機のエネルギー架線供給制御過程の一実施形態を説明する順序図である。
【0045】
図2に示すように、エネルギー供給制御部160は、電車の出発による逆行モードの際、スーパーキャパシタ120を放電モードとして作動させてスーパーキャパシタ120に充電されたエネルギーを先に架線に供給する(ステップS210)。エネルギー供給制御部160は、電車の逆行モードにおいて必要電力によってバッテリ110とスーパーキャパシタ120とのエネルギーを均等に架線に供給することもできる。
【0046】
エネルギー供給制御部160は、スーパーキャパシタ120が設定された基準電圧まで放電されれば、スーパーキャパシタ120の代わりに、バッテリ110を放電モードとして作動させてバッテリ110に充電されたエネルギーを架線に供給する(ステップS230)。
【0047】
エネルギー供給制御部160は、電車の停止による制動モードの際、スーパーキャパシタ120を充電モードとして作動させて、電動機150から発生される回生電力でスーパーキャパシタ120を充電する(ステップS250)。
【0048】
エネルギー供給制御部160は、電車の停車の際、バッテリ110を急速充電モードとして作動させて、停車周辺に設置された急速充電装置の貯蔵電力でバッテリ110を急速充電する(ステップS270)。
【0049】
前記ステップは、電車の運行過程で繰り返し的に行われるようになる。
【0050】
図3は、一実施形態に係る電車のエネルギー架線供給制御装置のエネルギー供給系統を示す図である。
【0051】
図3に示すように、電車の逆行モードにおいてスーパーキャパシタ(SUPERCAPACITOR)120のエネルギーを先に架線に供給し、DC-DCコンバータ(CONVERTER)130を介して直流電圧に変換し、インバータ(INVERTER)140を介して交流に変換して電動機(TM)150を逆行運転させる((1))。
【0052】
スーパーキャパシタ120が予め設定された基準電圧まで放電される瞬間、スーパーキャパシタ120の放電を中断させ、バッテリ(BATTERY)110のエネルギーを架線に供給し、DC-DCコンバータ130を介して直流電圧に変換し、インバータ140を介して交流に変換して電動機150を逆行運転させる((2))。
【0053】
電車の制動モードにおいて電動機150の回生電力発生の際、回生電力をインバータ140及びDC-DCコンバータ130を経由してスーパーキャパシタ120に充電させる((3))。電動機150の回生電力を使用してスーパーキャパシタ120を充電させることによってエネルギーを節約することができる。
【0054】
電車が駅に停車の際、駅に設置された急速充電装置によってバッテリ110を急速充電させる((4))。
【0055】
図4は、一実施形態に係る電車の架線に供給されるエネルギー状態を示すグラフである。
【0056】
図4において、エネルギー供給制御部160は、電車の逆行モード運転の際、先にスーパーキャパシタ120側にエネルギー供給指令を出す。スーパーキャパシタ120は、エネルギー供給指令によって充電されたエネルギーの放電を開始する。例えば、スーパーキャパシタ120は、1000Vの充電されたエネルギーで基準電圧750Vまで放電してエネルギーを架線に供給する。スーパーキャパシタ120が基準電圧750Vまで放電された状態でエネルギー供給制御部160は、バッテリ110側にエネルギー供給指令を出して、バッテリ110のエネルギーを架線に供給する。
【0057】
一実施形態に係る電車のエネルギー架線供給制御方法及び装置は、電車の逆行モード区間においてスーパーキャパシタで優先的にエネルギーを架線に供給するか、バッテリと均等分担して供給させることにより、バッテリの使用を最小化でき、バッテリの寿命を増加させることができる。また、電車の制動モード区間において電動機の回生電力でスーパーキャパシタを充電させることにより、エネルギー効率を上げることができる。
【0058】
本発明を例示的な実施形態について説明したが、当業者であれば、本発明が請求の範囲の思想及び範囲から変形して実施できることを認識できるであろう。
【符号の説明】
【0059】
100 電車のエネルギー架線供給制御装置
110 バッテリ
120 スーパーキャパシタ
130 DC-DCコンバータ
140 インバータ
150 電動機
160 エネルギー供給制御部


図1
図2
図3
図4