(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083417
(43)【公開日】2022-06-03
(54)【発明の名称】水中油型乳化組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/81 20060101AFI20220527BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20220527BHJP
A61K 8/55 20060101ALI20220527BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20220527BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20220527BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20220527BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20220527BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20220527BHJP
【FI】
A61K8/81
A61K8/49
A61K8/55
A61K8/73
A61K8/34
A61K8/44
A61Q19/00
A61K8/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186941
(22)【出願日】2021-11-17
(31)【優先権主張番号】P 2020194147
(32)【優先日】2020-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000166959
【氏名又は名称】御木本製薬株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山邉 幸久
(72)【発明者】
【氏名】泉 智子
(72)【発明者】
【氏名】服部 文弘
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AC022
4C083AC111
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC851
4C083AC852
4C083AC901
4C083AC902
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD212
4C083AD351
4C083AD352
4C083AD491
4C083AD492
4C083BB13
4C083BB36
4C083CC02
4C083DD33
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE11
(57)【要約】
【課題】
ニコチン酸アミドを含有し、かつ、肌のハリ・弾力付与効果に優れ、べたつきの少ない優れた使用感を有し、乳化安定性に優れた水中油型乳化組成物を提供する。
【解決手段】
水中油型乳化組成物は、以下の成分を含有する。
(A)ニコチン酸アミド 1~10質量%
(B)水素添加リン脂質 0.1~1.5質量%
(C)オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム 0.1~1.0質量%
(D)水溶性高分子 0.02~1.0質量%
(E)25℃で液状である油性成分
(F)多価アルコール 5~25質量%
(G)水
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分を含有することを特徴とする水中油型乳化組成物。
(A)ニコチン酸アミド 1~10質量%
(B)水素添加リン脂質 0.1~1.5質量%
(C)オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム 0.1~1.0質量%
(D)水溶性高分子 0.02~1.0質量%
(E)25℃で液状である油性成分
(F)多価アルコール 5~25質量%
(G)水
【請求項2】
前記成分(D)が、キサンタンガムと、カルボキシビニルポリマーとを含有することを特徴とする請求項1記載の水中油型乳化組成物。
【請求項3】
前記成分(F)の含有量が5~20質量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の水中油型乳化組成物。
【請求項4】
前記成分(E)がラウロイルグルタミン酸ジエステルを含有し、該ラウロイルグルタミン酸ジエステルの含有量が0.01~1.0質量%であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項記載の水中油型乳化組成物。
【請求項5】
乳化滴の平均粒子径が800nm以下であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項記載の水中油型乳化組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水中油型乳化組成物に関し、特に、ニコチン酸アミドを含有する水中油型乳化組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の美的外観を大きく左右する要素として、シワ、たるみ、しみ、色素沈着などが挙げられる。これらシワやたるみを予防・改善する薬剤として多くが提案されているが、その中でビタミン類であるニコチン酸アミドは安全性が高く、皮膚老化防止効果を有することが知られている(特許文献1、2)。しかしながらニコチン酸アミドを多量に含有するとべたつきなど、望ましくない使用感触があることが知られている(特許文献3)。
【0003】
特に、化粧品においては医薬品と異なり、官能面や安定性が重要な因子である。このため、従来では種々検討がなされているが、ニコチン酸アミドを含有し、安定性がよく、官能面でも十分なエマルションが得られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-130135号公報
【特許文献2】特開平10-001414号公報
【特許文献3】特表2003-502435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ニコチン酸アミドを含有し、かつ、肌のハリ・弾力付与効果に優れ、べたつきの少ない優れた使用感を有し、乳化安定性に優れた水中油型乳化組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の水中油型乳化組成物は、以下の成分を含有することを特徴とする。
(A)ニコチン酸アミド 1~10質量%
(B)水素添加リン脂質 0.1~1.5質量%
(C)オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム 0.1~1.0質量%
(D)水溶性高分子 0.02~1.0質量%
(E)25℃で液状である油性成分
(F)多価アルコール 5~25質量%
(G)水
【0007】
上記成分(D)が、キサンタンガムと、カルボキシビニルポリマーとを含有することを特徴とする。
【0008】
上記成分(F)の含有量が5~20質量%であることを特徴とする。
【0009】
上記成分(E)がラウロイルグルタミン酸ジエステルを含有し、該ラウロイルグルタミン酸ジエステルの含有量が0.01~1.0質量%であることを特徴とする。
【0010】
本発明の水中油型乳化組成物は、乳化滴の平均粒径が800nm以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の水中油型乳化組成物は、上記成分(A)~(G)を含有するので、肌のハリ・弾力付与効果に優れ、べたつきの少ない優れた使用感を有し、乳化安定性に優れている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において、「~」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
【0013】
<1>成分(A):ニコチン酸アミド
本発明における成分(A)は、ニコチン酸(ビタミンB3/ナイアシン)のアミド化合物であり、水溶性ビタミンである。ニコチン酸アミドは、天然物(米ぬかなど)からの抽出物由来のものでもよく、公知の方法によって合成したものでもよい。具体的には、日本薬局方に収載されているものを用いることができる。ニコチン酸アミドは、肌荒れ改善作用や、メラニン生成抑制作用、美白効果などが知られている。
【0014】
本発明において成分(A)の含有量は、水中油型乳化組成物全量に対して1~10質量%である。これにより、肌のハリ・弾力を向上させるとともに、べたつきを抑えることができる。本発明では、ニコチン酸アミドを高濃度含有しても、優れた乳化安定性を発揮することから、成分(A)の含有量は3~10質量%が好ましく、4~7質量%がより好ましい。
【0015】
<2>成分(B):水素添加リン脂質
本発明における成分(B)は、リン脂質の不飽和炭素鎖を水素添加により飽和させたものである。水素添加リン脂質として、例えば、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、ホスファチジルイノシトールなどの水素添加物や、天然の大豆や卵黄から抽出した大豆レシチン、卵黄レシチンなどの水素添加レシチンが挙げられる。また、本発明における成分(B)には、リン脂質から脂肪酸基が一つ外れたリゾリン脂質の水素添加物も含まれる。成分(B)として、上記の水素添加物の中から1種又は2種以上を用いることができる。
【0016】
乳化安定性の点から、成分(B)は水素添加レシチンを含有することが好ましい。水素添加レシチンのPC含量は、例えば50~90質量%である。市販品として、例えば、日光ケミカルズ社のレシノールS-10M(水素添加大豆リン脂質:PC含量55~65質量%)を使用することができる。
【0017】
本発明において、成分(B)の含有量は、水中油型乳化組成物全量に対して0.1~1.5質量%である。さらにべたつき改善、乳化安定性の向上の点から、成分(B)の含有量は0.2~1.0質量%が好ましく、0.3~0.8質量%がより好ましい。
【0018】
<3>成分(C):オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム
本発明における成分(C)は、デンプンをオクテニルコハク酸でエステル化し、アルミニウム塩を付加したデンプン誘導体である。オクテニルコハク酸デンプンアルミニウムを構成するデンプンとしてはトウモロコシデンプン等が挙げられる。成分(C)としては、オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンアルミニウムが挙げられる。市販品として、例えば、NOURYON社のDRY-FLO PUREが挙げられる。
【0019】
本発明において、成分(C)の含有量は、水中油型乳化組成物全量に対して0.1~1.0質量%である。さらにべたつき改善、乳化安定性の点から、成分(C)の含有量は0.1~0.8質量%であり、より好ましくは0.3~0.6質量%である。
【0020】
<4>成分(D):水溶性高分子
本発明における成分(D)は、水溶液にし、必要に応じpHを調整した際に増粘効果を得られる高分子の総称である。例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、セルロースエーテル、アルギン酸カルシウム、カルボキシビニルポリマー、エチレン/アクリル酸共重合体、ビニルピロリドン系ポリマー、ビニルアルコール/ビニルピロリドン共重合体、窒素置換アクリルアミド系ポリマー、ポリアクリルアミド、カチオン化ガーガムなどのカチオン系ポリマー、ジメチルアクリルアンモニウム系ポリマー、アクリル酸メタクリル酸アクリル共重合体、ポリオキシエチレン(POE)/ポリオキシプロピレン(POP)共重合体、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸又はその塩、コンドロイチン硫酸又はその塩、シロキクラゲ多糖体、コラーゲン、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、ガーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸塩、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン、セルロース、ポリエチレンイミン、ポリエチレングリコール、高重合度ポリエチレングリコール、カチオン化シリコーン重合体などが挙げられる。成分(D)として、これらの中から1種又は2種以上を用いることができる。
【0021】
本発明において、成分(D)の含有量は、水中油型乳化組成物全量に対して0.02~1.0質量%であり、好ましくは0.02~0.8質量%であり、より好ましくは0.1~0.6質量%である。
【0022】
特に、乳化安定性の点から、成分(D)は、キサンタンガムと、カルボキシビニルポリマーとを含有することが好ましい。キサンタンガムは、Xanthomonas campestris菌の発酵作用により得られる多糖類である。また、カルボキシビニルポリマーは、アクリル酸重合体を主とする酸性ポリマーであり、市販のものを用いることができる。キサンタンガムの含有量は、水中油型乳化組成物全量に対して0.01~0.5質量%が好ましく、0.02~0.4質量%がより好ましい。また、カルボキシビニルポリマーの含有量は0.01~0.5質量%が好ましく、0.02~0.6質量%がより好ましい。
【0023】
また、成分(D)は、キサンタンガムとカルボキシビニルポリマーに加えて、さらに他の水溶性高分子を含有してもよい。他の水溶性高分子としては、コンドロイチン硫酸又はその塩、ポリエチレングリコール、シロキクラゲ多糖体、ヒアルロン酸又はその塩から選ばれる1種以上であることが好ましい。シロキクラゲ多糖体は、シロキクラゲ科に属するキノコから得られる水溶性多糖類である。成分(D)は、他の水溶性高分子として、少なくともシロキクラゲ多糖体を含有することが好ましく、その含有量は、例えば0.0001~0.01質量%である。
【0024】
<5>成分(E):25℃で液状である油性成分
本発明における成分(E)は、25℃よりも低い融点を有し、25℃で液状の油性成分である。25℃で液状の油性成分としては、例えば、流動パラフィン、α-オレフィンオリゴマー、スクワランなどの炭化水素油や、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)などのエステル油、大豆油、ヌカ油、ホホバ油、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ油、ゴマ油、パーシック油、ヒマシ油、ヤシ油、マカデミアナッツ油などの植物油、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサンなどのシリコーン油、オレイン酸などの高級脂肪酸などが挙げられる。成分(E)として、これらの中から1種又は2種以上を用いることができる。
【0025】
本発明において、成分(E)の含有量は、水中油型乳化組成物全量に対して1.0~7.0質量%が好ましく、3.0~5.0質量%がより好ましい。
【0026】
特に、べたつき改善、乳化安定性の点から、成分(E)は、ラウロイルグルタミン酸ジエステルを含有することが好ましい。ラウロイルグルタミン酸ジエステルとしては、例えばラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)が挙げられる。また、ラウロイルグルタミン酸ジエステルは、水中油型乳化組成物全量に対して0.03~0.3質量%含まれることがより好ましい。さらに、ラウロイルグルタミン酸ジエステルの含有量と上述した成分(C)の含有量との比は(1:5)~(1:30)が好ましく、(1:5)~(1:20)がより好ましい。
【0027】
<6>成分(F):多価アルコール
本発明における成分(F)は、一般に化粧品、医薬品などの分野において使用されるものであれば特に制限なく使用できる。例えば、1,3-プロパンジオール、1,2-ペンタンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ペンチルグリコール、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリトリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、ガラクチトール、ソルビトール、ラクチトール、マルチトールなどが挙げられる。成分(F)として、これらの中から1種又は2種以上を用いることができる。
【0028】
上記の多価アルコールの中でも、1,3-ブチレングリコール、1,3-プロパンジオール、及びグリセリンから選ばれる1種以上を用いることが好ましく、1,3-ブチレングリコールとグリセリンを組み合わせて使用することがより好ましい。後者の場合、成分(F)は、1,3-ブチレングリコールを多価アルコール全量に対して40質量%以上含有することが好ましく、50質量%以上含有することがより好ましい。
【0029】
本発明において、成分(F)の含有量は、水中油型乳化組成物全量に対して5~25質量%であり、好ましくは5~20質量%であり、より好ましくは10~20質量%である。
【0030】
<7>成分(G):水
本発明における成分(G)は、一般に化粧品、医薬品などの分野において使用されるものであれば特に制限なく使用できる。水の他に、精製水、温泉水、深層水などを使用でき、これらの中から1種又は2種以上を適宜用いることができる。成分(G)の含有量は、特に限定されないが、30~70質量%が好ましい。
【0031】
また、本発明の水中油型乳化組成物には、その他に、水溶性ビタミン類や、アミノ酸誘導体、無機塩類、キレート剤、防腐剤、pH調整剤、色素、水溶性薬剤なども必要に応じて適宜配合される。また、本発明の水中油型乳化組成物には、界面活性剤として、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、及び、非イオン性界面活性剤のうちポリグリセリン脂肪酸エステルとショ糖脂肪酸エステルとを含まないことが好ましい。
【0032】
本発明の水中油型乳化組成物の製造方法は特に限定はなく、通常の乳化のほかに、多段階乳化、D相乳化、転相乳化、液晶乳化、PIT乳化、ゲル乳化、膜乳化などが選択でき、乳化装置も特に限定はなく、スターラー、インペラー攪拌、ホモミキサーなどの通常の乳化装置のほかに、マントン-ゴーリン型高圧ホモジナイザー、ジェット水流反転型高圧乳化機、マイクロフルイダイザー、ナノマイザー、スターバーストなどの高圧乳化機も使用でき、これら1つ又は2つ以上を組み合わせて必要な粒子径を得ることができる。
【0033】
本発明の水中油型乳化組成物は、乳化粒子の平均粒子径が、べたつき改善および経時でのクリーミング抑制の点で、好ましくは800nm以下、より好ましくは300nm以下である。なお、本発明において「乳化粒子の平均粒子径」とは、ミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により求められる50%径(累積中位径、メディアン径)を意味する。具体的には、レーザー回折式粒度分布測定装置により、乳化粒子の粒度分布を体積基準で作成し、その中央値を平均粒子径とすることで測定できる。測定サンプルとしては、乳化組成物を水に分散させたものを用いることができる。レーザー回折式粒度分布測定装置としては、例えば、島津製作所製レーザ回折式粒度分布測定装置「SALD2000」等を用いることができる。
【0034】
本発明の水中油型乳化組成物は、他の成分との併用により種々の剤型とすることもできる。具体的には、ゲル状、ペースト状、液状、クリーム状、固形状などの剤型にできる。
【実施例0035】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0036】
表1に実施例と比較例、その平均粒子径、乳化安定性及び使用感を記載する。
まず、配合量は重量部を示し、製法は以下の通りである。
1.pH調整剤を除くA成分を溶解攪拌し、これにpH調整剤を添加した。
2.A成分を80℃に加熱した。
3.B成分を80℃に加熱溶解し、ホモミキサー(8000rpm)で乳化した。
実施例2のみ、この乳化物をさらにマイクロフルイダイザーを用いて124MPa、1回処理した。
4.A成分とB成分を混合攪拌しつつ、C成分を加え、冷却した。
【0037】
【0038】
注1)日本精化社 Tremost-TP
注2)日光ケミカルズ社 レシノール S-10M
注3)日本精化社 Plandool LG-2
注4)NOURYON社 DRY-FLO PURE
【0039】
表1の「粒子径測定」は、以下のように測定した。
乳化粒子を精製水に分散し、粒度分布測定装置SALD-2000(島津製作所製)を用いて、その平均粒子径(体積基準粒度分布における中央値)を測定した。
【0040】
表1の「乳化安定性」は以下のように判定した。
製剤を透明なガラス瓶に充填し、40℃75%RH条件で6か月保管した。これの乳化状態を目視で確認した。
〇:分離、凝集などの状態変化は認められない。
△:分離、凝集などの状態変化がわずかに認められる。
×:分離、凝集などの状態変化が明らかに認められる。
また、比較例3及び6(※印)では作成直後において目的とする乳化状態が得られなかった。
【0041】
表1の「使用感」は以下のように判定した。
専門パネラー10名が実施例1から3及び比較例1、2、4、5を使用し、べたつきを感じるかどうかを回答した。
べたつきを感じる人数 評価
0~1 ○
2~4 △
5~ ×
また、比較例3及び6(※印)では作成直後において目的とする乳化状態が得られなかったため、使用感の評価を行わなかった。
【0042】
実施例1~3はいずれも肌のハリ・弾力付与効果に優れ、べたつきの少ない優れた使用感を有し、乳化安定性に優れた水中油型乳化組成物を提供できた。