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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083446
(43)【公開日】2022-06-03
(54)【発明の名称】光通信装置及びその波長設定方法
(51)【国際特許分類】
   H04J 14/02 20060101AFI20220527BHJP
   H04B 10/272 20130101ALI20220527BHJP
【FI】
H04J14/02
H04B10/272
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021190473
(22)【出願日】2021-11-24
(31)【優先権主張番号】10-2020-0158988
(32)【優先日】2020-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0161334
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】517223668
【氏名又は名称】ソリッド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウンソン
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA34
5K102AB13
5K102AD01
5K102AH30
5K102AL08
5K102AM02
5K102AM08
5K102PB01
5K102PH31
5K102PH47
5K102PH48
5K102PH49
5K102RD28
(57)【要約】      (修正有)
【課題】光通信装置の間の通信チャンネル連結のために、自動で波長を設定することができる光通信装置及びその波長設定方法を提供する
【解決手段】光波長設定装置390は、第1送信ポートP11及び第2送信ポートP21を備える第1マルチプレクサ240と、第1送信光を分析して第1送信光に相応する第1送信波長を認知し、第2送信光を分析して第2送信光に相応する第2送信波長を認知する送信波長分析器と、第1送信ポートをして第1送信波長に相応する光を通過させるようにし、第2送信ポートをして第2送信波長に相応する光を通過させるようにするための制1制御信号を生成し、かつ、第1制御信号を第1マルチプレクサに出力するコントローラと、を備える。第1マルチプレクサは、第1制御信号によって第1送信ポートを、第1送信波長に相応するように制御し、第2送信ポートを、第2送信波長に相応するように制御する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1送信ポート及び第2送信ポートを備える第1マルチプレクサと、
第1送信光を分析して前記第1送信光に相応する第1送信波長を認知し、第2送信光を分析して前記第2送信光に相応する第2送信波長を認知する送信波長分析器と、
前記第1送信ポートをして前記第1送信波長に相応する光を通過させるようにし、前記第2送信ポートをして前記第2送信波長に相応する光を通過させるようにするための制1制御信号を生成し、かつ前記第1制御信号を前記第1マルチプレクサに出力するコントローラと、を備えるが、
前記第1マルチプレクサは、前記第1制御信号によって前記第1送信ポートを、前記第1送信波長に相応するように制御し、前記第2送信ポートを、前記第2送信波長に相応するように制御する、光通信装置。
【請求項2】
前記送信波長分析器は、
前記第1送信光の一部がカップリングされて入力された第1部分送信光、及び前記第2送信光の一部がカップリングされて入力された第2部分送信光を受信し、
受信された第1部分送信光及び第2部分送信光を分析して、前記第1送信波長及び前記第2送信波長を認知する、請求項1に記載の光通信装置。
【請求項3】
前記第1送信光は第1送信波長情報を含み、
前記第2送信光は第2送信波長情報を含み、
前記送信波長分析器は、
入力された前記第1部分送信光に含まれている前記第1送信波長情報の少なくとも一部を分析して前記第1送信波長を認知し、
入力された前記第2部分送信光に含まれている第2送信波長情報の少なくとも一部を分析して前記第2送信波長を認知する、請求項2に記載の光通信装置。
【請求項4】
前記第1送信波長情報及び前記第2送信波長情報は、AMCC(Auxiliary Management and Control Channel)に相応する、請求項3に記載の光通信装置。
【請求項5】
前記第1マルチプレクサは、WSS(Wavelength Selective Switches)を備え、前記第1制御信号に相応するように前記WSSを制御する、請求項1に記載の光通信装置。
【請求項6】
第1返信光に相応する第1返信波長を認知し、第2返信光に相応する第2返信波長を認知する返信波長分析器、をさらに備えるが、
前記コントローラは、第1受信ポートをして前記第1返信波長に相応する光を通過させるようにし、かつ第2受信ポートをして前記第2返信波長に相応する光を通過させるようにするための制2制御信号を生成し、生成された第2制御信号を前記第1マルチプレクサに出力し、
前記第1マルチプレクサは、前記第1受信ポート及び前記第2受信ポートを備え、前記第2制御信号によって前記第1受信ポートを、前記第1返信波長に相応するように制御し、前記第2受信ポートを、前記第2返信波長に相応するように制御する、請求項1に記載の光通信装置。
【請求項7】
前記返信波長分析器は、
前記第1返信光の一部がカップリングされて入力された第1部分返信光を分析して前記第1返信波長を認知し、
前記第2返信光の一部がカップリングされて入力された第2部分返信光を分析して前記第2返信波長を認知する、請求項6に記載の光通信装置。
【請求項8】
前記第1返信光は第1返信波長情報を含み、
前記第2返信光は第2返信波長情報を含み、
前記第1返信波長情報は、前記第1返信波長に関する情報及び前記第1送信波長に関する情報を含み、
前記第2返信波長情報は、前記第2返信波長に関する情報及び前記第2送信波長に関する情報を含み、
前記返信波長分析器は、
前記第1部分返信光を通じて前記第1返信波長情報を分析して前記第1返信波長を認知し、
前記第2部分返信光を通じて前記第2返信波長情報を分析して前記第2返信波長を認知する、請求項7に記載の光通信装置。
【請求項9】
前記第1返信波長情報及び前記第2返信波長情報それぞれは、AMCC(Auxiliary Management and Control Channel)に相応する、請求項8に記載の光通信装置。
【請求項10】
入力された返信光の一部を第1部分返信光と第2部分返信光とに分離して、前記返信波長分析器に出力する第2マルチプレクサ、をさらに備えるが、
前記返信光は、送信光の伝送に対応して外部から受信された光信号であって、前記返信光の一部は前記第1マルチプレクサに入力され、前記返信光の他の一部は前記第2マルチプレクサに入力され、
前記送信光は、前記第1送信ポート及び前記第2送信ポートの光信号が結合されて、第1マルチプレクサから外部に伝送された光信号である、請求項7に記載の光通信装置。
【請求項11】
第1送信光を分析して前記第1送信光に相応する第1送信波長を認知し、第2送信光を分析して前記第2送信光に相応する第2送信波長を認知するステップと、
第1送信ポートをして前記第1送信波長に相応する光を通過させるようにし、かつ第2送信ポートをして前記第2送信波長に相応する光を通過させるようにするための制1制御信号を生成するステップと、
生成された第1制御信号を、前記第1送信ポート及び前記第2送信ポートを備える第1マルチプレクサに出力するステップと、
前記第1制御信号によって前記第1送信ポートを、前記第1送信波長に相応するように制御し、前記第2送信ポートを、前記第2送信波長に相応するように制御するステップと、を含む、光通信装置の波長設定方法。
【請求項12】
前記第1送信光は第1送信波長情報を含み、前記第2送信光は第2送信波長情報を含み、
第1の送信波長および第2の送信波長を認識するステップは、
前記第1送信光の一部がカップリングされて入力された第1部分送信光、及び前記第2送信光の一部がカップリングされて入力された第2部分送信光を受信するステップと、
受信された第1部分送信光に含まれている第1送信波長情報の少なくとも一部、および第2部分送信光に含まれている第2送信波長情報の少なくとも一部を分析して、第1送信波長および第2送信波長を認識するステップと、を含む、請求項11に記載の光通信装置の波長設定方法。
【請求項13】
前記第1送信波長情報及び前記第2送信波長情報は、AMCC(Auxiliary Management and Control Channel)に相応する、請求項12に記載の光通信装置の波長設定方法。
【請求項14】
前記第1送信光の伝送に対応して外部から提供される第1返信光に相応する第1返信波長を認知するステップと、
前記第1マルチプレクサに含まれている第1受信ポートをして前記第1返信波長に相応する光を通過させるようにするために、前記第1受信ポートを、前記第1返信波長に相応するように制御するステップと、をさらに含む、請求項11に記載の光通信装置の波長設定方法。
【請求項15】
前記第1返信光は第1返信波長情報を含み、
前記第1返信波長を認知するステップは、
前記第1返信光の一部がカップリングされて入力された第1部分返信光に含まれている前記第1返信波長情報の少なくとも一部を分析して、前記第1返信波長を認知するステップを含む、請求項14に記載の光通信装置の波長設定方法。
【請求項16】
前記第2送信光の伝送に対応して外部から提供される第2返信光に相応する第2返信波長を認知するステップと、
前記第1マルチプレクサに含まれている第2受信ポートをして前記第2返信波長に相応する光を通過させるようにするために、前記第2受信ポートを、前記第2返信波長に相応するように制御するステップと、をさらに含む、請求項15に記載の光通信装置の波長設定方法。
【請求項17】
前記第2返信光は第2返信波長情報を含み、
前記第2返信波長を認知するステップは、
前記第2返信光の一部がカップリングされて入力された第2部分返信光に含まれている前記第2返信波長情報の少なくとも一部を分析して、前記第2返信波長を認知するステップを含む、請求項16に記載の光通信装置の波長設定方法。
【請求項18】
前記第1返信波長情報及び前記第2返信波長情報それぞれはAMCCに相応する、請求項17に記載の光通信装置の波長設定方法。
【請求項19】
第1光通信装置から出力される第1送信光及び第2送信光を分析して、前記第1送信光に相応する第1送信波長、及び前記第2送信光に相応する第2送信波長を認知する送信波長分析器と、
第1マルチプレクサの第1送信ポートをして前記第1送信波長に相応する光を通過させるようにし、かつ前記第1マルチプレクサの第2送信ポートをして前記第2送信波長に相応する光を通過させるようにするための制1制御信号を生成し、生成された第1制御信号を前記第1マルチプレクサに出力するコントローラと、を備える光波長設定装置。
【請求項20】
前記第1送信光の受信に応答して第2光通信装置から伝送される第1返信光と、前記第2送信光の受信に応答して第3光通信装置から伝送される第2返信光と、を受信し、受信された第1返信光に相応する第1返信波長を認知し、受信された第2返信光に相応する第2返信波長を認知する返信波長分析器をさらに備え、
前記コントローラは、
前記第1マルチプレクサの第1受信ポートをして前記第1返信波長に相応する光を通過させるようにし、前記第1マルチプレクサの第2受信ポートをして前記第2返信波長に相応する光を通過させるようにするための制2制御信号を生成し、生成された第2制御信号を前記第1マルチプレクサに出力する、請求項19に記載の光波長設定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信装置及びその波長設定方法に係り、さらに詳細には、光通信装置の間の通信チャンネル連結のために、自動で波長を設定することができる光通信装置及びその波長設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
受動型光通信網(Passive Optical Network、以下「PON」と称する)は、FTTH環境の具現及びギガビットイーサネットの具現の核心となっている。PONは、中央局側の光線路縦断装置(Optical Line Terminal、OLT)、一つのフィーダ光ケーブルを複数の加入者に共有させるための遠隔ノード(Remote Node、RN)、加入者側の光ネットワーク縦断装置(Optical Network Terminal、ONT)、または光ネットワークユニット(Optical Network Unit、ONU)を備える。光ケーブルは、OLTの光トランシーバ及びONT/ONUの光トランシーバにそれぞれ連結されて、OLTとONT/ONUとを連結させる。ここで、光トランシーバは、それに連結されている光ケーブルを通じて光信号を送受信するためのものであり、GBIC(Gigabit Interface Converter)、SFP(Small Form-factor Pluggable)などの光送受信モジュールである。
【0003】
OLTとONT/ONUとの離隔距離は、数kmないし数十kmである場合が一般的である。よって、OLTとONT/ONUとの間の通信可能な光信号の波長を、管理者がいちいち現場に訪問してセットすることは、非常に煩わしくて時間が過度にかかる恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、管理者の訪問なしに光通信装置の間の光信号波長を自動でセットすることができる方法、及び前記方法が具現された光通信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面によれば、第1送信ポート及び第2送信ポートを備える第1マルチプレクサ、第1送信光を分析して前記第1送信光に相応する第1送信波長を認知し、第2送信光を分析して前記第2送信光に相応する第2送信波長を認知する送信波長分析器と、前記第1送信ポートをして前記第1送信波長に相応する光を通過させるようにし、前記第2送信ポートをして前記第2送信波長に相応する光を通過させるようにするための制1制御信号を生成し、かつ前記第1制御信号を前記第1マルチプレクサに出力するコントローラと、を備えるが、前記第1マルチプレクサは、前記第1制御信号によって前記第1送信ポートを、前記第1送信波長に相応するように制御し、前記第2送信ポートを、前記第2送信波長に相応するように制御する光通信装置が開示される。
【0006】
例示的な実施形態によれば、前記送信波長分析器は、前記第1送信光の一部がカップリングされて入力された第1部分送信光、及び前記第2送信光の一部がカップリングされて入力された第2部分送信光を受信し、受信された第1部分送信光及び第2部分送信光を分析して、前記第1送信波長及び前記第2送信波長を認知する。
【0007】
例示的な実施形態によれば、前記第1送信光は第1送信波長情報を含み、前記第2送信光は第2送信波長情報を含み、前記送信波長分析器は、入力された前記第1部分送信光に含まれている前記第1送信波長情報の少なくとも一部を分析して前記第1送信波長を認知し、入力された前記第2部分送信光に含まれている第2送信波長情報の少なくとも一部を分析して前記第2送信波長を認知する。
【0008】
例示的な実施形態によれば、前記第1送信波長情報及び前記第2送信波長情報は、AMCC(Auxiliary Management and Control Channel)に相応する。
【0009】
例示的な実施形態によれば、前記第1マルチプレクサは、WSS(Wavelength Selective Switches)を備え、前記第1制御信号に相応するように前記WSSを制御する。
【0010】
例示的な実施形態によれば、前記光通信装置は、第1返信光に相応する第1返信波長を認知し、第2返信光に相応する第2返信波長を認知する返信波長分析器をさらに備えるが、前記コントローラは、第1受信ポートをして前記第1返信波長に相応する光を通過させるようにし、かつ第2受信ポートをして前記第2返信波長に相応する光を通過させるようにするための制2制御信号を生成し、生成された第2制御信号を前記第1マルチプレクサに出力し、前記第1マルチプレクサは、前記第1受信ポート及び前記第2受信ポートを備え、前記第2制御信号によって前記第1受信ポートを、前記第1送信波長に相応するように制御し、前記第2受信ポートを、前記第2返信波長に相応するように制御する。
【0011】
例示的な実施形態によれば、前記返信波長分析器は、前記第1返信光の一部がカップリングされて入力された第1部分返信光を分析して前記第1返信波長を認知し、前記第2返信光の一部がカップリングされて入力された第2部分返信光を分析して前記第2返信波長を認知する。
【0012】
例示的な実施形態によれば、前記第1返信光は第1返信波長情報を含み、前記第2返信光は第2返信波長情報を含み、前記第1返信波長情報は、前記第1返信波長に関する情報及び前記第1送信波長に関する情報を含み、前記第2返信波長情報は、前記第2返信波長に関する情報及び前記第2送信波長に関する情報を含み、前記返信波長分析器は、前記第1部分返信光を通じて前記第1返信波長情報を分析して前記第1返信波長を認知し、前記第2部分返信光を通じて前記第2返信波長情報を分析して前記第2返信波長を認知する。
【0013】
例示的な実施形態によれば、前記第1返信波長情報及び前記第2返信波長情報それぞれは、AMCC(Auxiliary Management and Control Channel)に相応する。
【0014】
例示的な実施形態によれば、前記光通信装置は、入力された返信光の一部を第1部分返信光と第2部分返信光とに分離して、前記返信波長分析器に出力する第2マルチプレクサをさらに備えるが、前記返信光は、送信光の伝送に対応して外部から受信された光信号であって、前記返信光の一部は前記第1マルチプレクサに入力され、前記返信光の他の一部は前記第2マルチプレクサに入力され、前記送信光は、前記第1送信ポート及び前記第2送信ポートの光信号が結合されて、第1マルチプレクサから外部に伝送された光信号である。
【0015】
本発明の一側面によれば、第1送信光を分析して前記第1送信光に相応する第1送信波長を認知し、第2送信光を分析して前記第2送信光に相応する第2送信波長を認知するステップと、第1送信ポートをして前記第1送信波長に相応する光を通過させるようにし、かつ第2送信ポートをして前記第2送信波長に相応する光を通過させるようにするための制1制御信号を生成するステップと、生成された第1制御信号を、前記第1送信ポート及び前記第2送信ポートを備える第1マルチプレクサに出力するステップと、前記第1制御信号によって前記第1送信ポートを、前記第1送信波長に相応するように制御し、前記第2送信ポートを、前記第2送信波長に相応するように制御するステップと、を含む光通信装置の波長設定方法が開示される。
【0016】
本発明の一側面によれば、第1光通信装置から出力される第1送信光及び第2送信光を分析して、前記第1送信光に相応する第1送信波長、及び前記第2送信光に相応する第2送信波長を認知する送信波長分析器と、第1マルチプレクサの第1送信ポートをして前記第1送信波長に相応する光を通過させるようにし、かつ前記第1マルチプレクサの第2送信ポートをして前記第2送信波長に相応する光を通過させるようにするための制1制御信号を生成し、生成された第1制御信号を前記第1マルチプレクサに出力するコントローラと、を備える光波長設定装置が開示される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の実施形態による光通信装置は、管理者の訪問なしに、通信可能な光信号に関する波長を自動でセットすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態による光通信システムの構成図である。
図2】本発明の一実施形態による光通信装置のブロック構成図である。
図3】本発明の一実施形態による光モジュール及び光波長設定装置の構成図である。
図4】本発明の一実施形態による光波長の自動設定動作のフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の技術的思想は、多様な変更を加えられ、かつ多様な実施形態を持つことができるところ、特定の実施形態を図面に例示し、これを詳細に説明する。しかし、これは、本発明の技術的思想を特定の実施形態によって限定しようとするものではなく、本発明の技術的思想の範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むと理解されねばならない。
【0020】
本発明の技術的思想を説明するに当って、係る公知技術についての具体的な説明が本発明の趣旨を不要に不明にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、本明細書の説明過程で用いられる数字(例えば、第1、第2など)は、一つの構成要素を他の構成要素から区分するための識別記号に過ぎない。
【0021】
また、本明細書において、一構成要素が他の構成要素と“連結される”か、または“接続する”などと言及された時には、前記一構成要素が前記他の構成要素と直接連結されるか、または直接接続することもあるが、特に逆の記載が存在しない以上、中間にさらに他の構成要素を介して連結されるか、または接続することもあると理解されねばならない。
【0022】
また、本明細書に記載の“~部”、“~器”、“~子”などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerate Processor Unit)、DSP(Drive Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアやソフトウェア、またはハードウェア及びソフトウェアの結合で具現される。
【0023】
そして、本明細書における構成部の区分は、各構成部が担当する主機能別に区分したことに過ぎないということを明らかにする。すなわち、以下で説明する二つ以上の構成部が一つの構成部に合わせられるか、または一つの構成部がさらに細分化した機能別に二つ以上に分化して備えられてもよい。そして、以下で説明する構成部それぞれは、自分の担当する主機能以外にも他の構成部が担当する機能のうち一部または全部の機能をさらに行ってもよく、構成部それぞれが担当する主機能のうち一部の機能が他の構成部によって専担されて行われてもよいということは言うまでもない。
【0024】
本発明の実施形態による光通信システムは、互いに遠隔地に位置して、対応する光通信モジュール(光トランシーバ)を通じて光信号を送受信する光通信装置で構成されるWDM-PON基盤の多様な光通信ネットワークに応用される。
【0025】
例えば、前記光通信システムは、無線アクセスネットワーク・アキテクチャのフロントホール(fronthaul)セグメントを構成するサブネットワークである、光伝送ネットワークを構成する。しかし、これに限定されるものではなく、本発明の技術的思想は、前記無線アクセスネットワーク・アキテクチャのミッドホール(Midhaul)及びバックホール(Backhaul)セグメントなどにも応用される。他の例を挙げれば、前記光通信システムは、光加入者網に応用されてもよい。さらに他の例を挙げれば、前記光通信システムは、基地局の陰影地域を解消するための分散アンテナシステム(Distributed Antenna System、DAS)に応用されてもよい。
【0026】
以下では、説明の便宜のために、前記光通信システムが前述した無線アクセスネットワーク・アキテクチャのフロントホールセグメントを構成する場合であって、中央局(Central Office)側でデジタルユニットあるいはベースバンドユニットと連結される光通信装置(例えば、COT)と、遠隔地でリモートユニットあるいはリモートラジオヘッドと連結される光通信装置(例えば、RT)と、を備えるシステムである実施形態を中心として説明する。
【0027】
以下、本発明の技術的思想による多様な実施形態を順次に詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態による光通信システムの構成図である。
【0029】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態による光通信システム100は、第1光通信装置120及び第2光通信装置130を備える。図1では、説明の便宜のために、一つの第2光通信装置130のみを示したが、本発明の技術的思想がこれに限定されるものではない。
【0030】
第1光通信装置120は、第1サイト側に位置し、少なくとも一つの光トランシーバ1200を備える。第2光通信装置130は、前記第1サイトから所定の距離ほど離隔している第2サイトに位置し、少なくとも一つの光トランシーバ1300を備える。第1光通信装置120と第2光通信装置130とは、それぞれの光トランシーバ1200及び1300と、これらを連結する光ケーブルなどを通じて、通信的に連結される。
【0031】
一部の実施形態で、光通信システム100は、光加入者網に応用される。この場合、第1光通信装置120は、中央局側の光線路縦断装置(Optical Line Terminal、OLT)である。そして、第2光通信装置130は、遠隔装置(Remote Terminal、RT)、加入者側の光ネットワーク縦断装置(Optical Network Terminal、ONT)、光ネットワークユニット(Optical Network Unit)のうちいずれか一つである。
【0032】
他の実施形態で、光通信システム100は、分散型基地局のフロントホール伝送網に応用される。この場合、第1光通信装置120は、中央局側のデジタルユニット(Digital Unit、DU)あるいはベースバンドユニット(BaseBand Unit、BBU)側の縦断装置である。そして、第2光通信装置130は、リモートユニット(Remote Unit、RU)あるいはRRH(Remote Radio Head)である。
【0033】
さらに他の実施形態で、光通信システム100は、基地局の陰影地域を解消するための分散アンテナシステム(Distributed Antenna System、DAS)に応用されることもある。この場合、第1光通信装置120は、ヘッドエンドユニットであり、第2光通信装置130は、拡張ユニットまたはリモートユニットである。
【0034】
このように、本発明の技術的思想による光通信システム100は、互いに遠隔地に位置して、対応する光トランシーバを通じて光信号を送受信する光通信装置で具現される、多様な光通信ネットワークに応用される。
【0035】
以下、図2ないし図4を参照して、本発明の一実施形態による光通信システム100において、第1光通信装置120と第2光通信装置130との間の「光波長の自動設定動作」について具体的に説明する。
【0036】
図2は、本発明の一実施形態による光通信装置のブロック構成図である。図2は、図1の光通信システム100がWDM-PONに応用された実施形態を前提として、光通信装置に含まれている光トランシーバの要部をさらに具体的に示したと知らせる。また、図2に示された実線の矢印は、ペイ・ロードデータの移動経路を意味し、点線の矢印は、補助管理データ(例えば、AMCCデータ)の移動経路を意味する。
【0037】
図2を参照すれば、本発明の一実施形態による光通信システム100を構成する複数の光通信装置のうち、第1光通信装置120は、第1メインコントローラ(MCU)210、第1メモリ215、n個の第1光トランシーバ1200-1ないし1200-nを備える(ここで、nは、2以上の自然数)。
【0038】
n個の第1光トランシーバ1200-1ないし1200-nは、それぞれ第1補助コントローラ(Sub Control Unit、SCU)220、第1送信器230、及び第1受信器250を備える。n個の第1光トランシーバ1200ないし1200-nは、第1マルチプレクサ(MUX)240に連結されて、第1MUX 240に光信号を伝送するか、または第1MUX 240から対応する波長帯域の光信号を受信する。
【0039】
また、本発明の一実施形態による光通信システム100を構成する複数の光通信装置のうち、n個の第2光通信装置130-1ないし130-nは、それぞれ第2光トランシーバ1300、第2メインコントローラ(MCU)290、及び第2メモリ295を備える。
【0040】
n個の第2光トランシーバ1300は、それぞれ第2補助コントローラ(Sub Control Unit、SCU)280、第2受信器270、及び第2送信器275を備える。n個の第2光トランシーバ1300は、第2MUX 260に連結されて、第2MUX 260に光信号を伝送するか、または第2MUX 260から光信号を受信する。
【0041】
実施形態によって、第1光通信装置120側の第1MUX 240は、第1光通信装置120と区分される別途の装置であるか、または第1光通信装置120の内部に備えられている構成である。そして、第2MUX 260も、n個の第2光通信装置130-1ないし130-nと別途の装置であるが、複数で構成されて、n個の第2光通信装置130-1ないし130-nそれぞれの内部に備えられてもよい。この場合、n個の第2光通信装置130-1ないし130-nが、複数の光トランシーバをそれぞれ備える。
【0042】
実施形態によって、第1光通信装置120と、第1MUX 240と、第2MUX 260とは、リングトポロジーで連結される。また、実施形態によって、第2MUX 260に複数のサブMUXが連結され、第2光通信装置130-1ないし130-nがサブMUXに連結される形で、ツリートポロジーを形成してもよい。
【0043】
先ず、第1MCU 210は、第1光通信装置120の動作を全般的に制御する構成である。第1MCU 210は、サーバ、NMS(Network Monitoring System)などの外部装置と連結されて、第1光通信装置120の動作に必要な情報及びデータを送受信する。
【0044】
第1メモリ215は、第1光通信装置120の動作に必要なプログラム命令語、いろいろな情報が保存される空間であって、磁気ディスク、SSD(Solid State Drive)などのデータ保存媒体を含む。
【0045】
第1補助コントローラ220は、第1MCU 210と有線または無線で連結された構成であって、第1光トランシーバ1200-1を管理して制御する。第1補助コントローラ220は、第1光トランシーバ1200-1と第2光トランシーバ1300-1との間のペイ・ロードデータの送受信及び制御管理(波長の設定/制御、通信状態のモニタリングなど)を処理する。ここで、第1補助コントローラ220は、第1光トランシーバ1200-1の能動構成であって、高速のペイ・ロードデータと共に、補助管理制御チャンネルを通じる低速の第1補助管理データの伝送のために、多様な制御及び処理を行うプロセッサ、ファームウエアなどが保存されるメモリなどを通称する用語でもある。
【0046】
第1補助コントローラ220は、第1補助管理データを、多様な方法によって第2光トランシーバ1300-1に伝送する。
【0047】
例えば、第1補助コントローラ220は、基底帯域強度変調方式を用いて、第1補助管理データとペイ・ロードデータとを、同時に第2光トランシーバ1300-1に伝送する。他の例を挙げれば、第1補助コントローラ220は、RFパイロット・トン(Radio Frequency Pilot tone)方式を用いて、第1補助管理データとペイ・ロードデータとを重ねて、第2光トランシーバ1300-1に伝送する。
【0048】
基底帯域強度変調方式は、第1補助管理データをペイ・ロードデータの上端に積んで上げる技術であり、RFパイロット・トン方式は、ASKまたはFSK変調された第1補助管理データを、ペイ・ロードデータと重ねる技術である。第1補助管理データの伝送速度は、ペイ・ロードデータの伝送速度と異なる。例えば、第1補助管理データの周波数は、数kHzであり、ペイ・ロードデータの周波数は、数十ないし数百MHzである。基底帯域強度変調方式及びRFパイロット・トン方式などの第1補助管理データ送受信方法は、既に公開されている技術であるため、これについての具体的な内容は省略する。
【0049】
特に、第1補助コントローラ220は、第1テスト光信号が伝送される時、第1送信波長情報を生成する。ここで、第1テスト光信号は、既定の「テスト情報」が第1送信波長の光信号として生成されたものであり、第1送信波長情報は、第1補助コントローラ220が生成した補助管理データであって、第1送信波長の長さに関する情報を含む。すなわち、第1補助コントローラ220は、第1テスト光信号の波長に関する情報を第1補助管理データとして生成することができる(以下、第1テスト光信号の波長に相応する第1補助管理データを「第1送信波長情報」と称する)。第1送信波長情報は、第1補助コントローラ220によってAMCCに相応するように生成された情報であってもよい。また、第1補助コントローラ220は、生成した第1送信波長情報を第1送信器230に出力する。
【0050】
第1送信器230は、入力されたペイ・ロードデータ及び/または第1補助管理データを、光信号に変換する構成である。第1送信器230は、レーザーダイオードからなるTOSA(Transmitter Optical Sub-Assemblies)、レーザーダイオード駆動回路(Laser Diode Driving circuitry、LDD)、バイアシング回路などを備える。第1送信器230に入力されるペイ・ロードデータは、LDDを経て入力される。特に、第1送信器230は、第1送信光を生成する。第1送信光は、第1テスト光信号及び第1送信波長光信号を含む。第1テスト光信号は、第1送信器230がテスト情報を光信号に変換したものでもある。第1送信波長光信号は、第1送信器230が第1送信波長情報を光信号に変換したものでもある。第1テスト光信号と第1送信波長光信号とは、第1送信光で結合されてもよいが、互いに異なるチャンネル及び波長で外部に伝送される。第1送信波長光信号は、AMCCに相応する光信号であるからである。
【0051】
第1送信器230は、第1送信光を第1MUX 240に出力する。
【0052】
第1MUX 240は、第1送信器230から入力された光信号を多重化して光ケーブルに伝送し、光ケーブルから受信された信号を逆多重化する構成である。また、第1MUX 240は、波長選択スイッチ、すなわち、WSS(Wavelength Selective Switches)を備える。よって、第1MUX 240は、制御信号が受信されれば、これによって、WSSのそれぞれのスイッチの波長を、制御信号に相応するように制御する(これについては、図3を参照して後述する)。
【0053】
第1受信器250は、第1MUX 240で逆多重化されて入力された光信号を、ペイ・ロードデータと、第2補助管理データ(第2補助管理データの定義については後述する)とに分離して、それぞれ相応する構成に出力する。特に、第1受信器250は、第2補助管理データを第1補助コントローラ220に出力する。第1受信器250は、フォトダイオード、TIA(Trans-Impedance Amplifier)からなるROSA(Receiver Optical Sub-Assemblies)、後置増幅器などを備える。
【0054】
以上では、n個の第1光トランシーバ1200-1ないし1200-nのうち、第1光トランシーバ1200-1の構成について説明した。残りの第1光トランシーバ1200-2ないし1200-nの構成は、第1光トランシーバ1200-1の構成と類似しているため、これについての説明は省略する。
【0055】
第2光トランシーバ1300-1の第2補助コントローラ280は、第2光トランシーバ1300-1の動作を全般的に制御する構成である。
【0056】
第2補助コントローラ280は、第1光トランシーバ1200-1と第2光トランシーバ1300-1との間のペイ・ロードデータ送受信及び制御管理(波長設定、通信状態モニタリングなど)などのための情報(以下、第2補助管理データと称する)の送受信を管理する。第2補助コントローラ280は、ペイ・ロードデータ及び第2補助管理データを、多様な方法によって第1光トランシーバ1200-1に伝送する。第2補助コントローラ280は、第1補助コントローラ220と同様に、多様な方式を通じて、第2補助管理データを、ペイ・ロードデータに影響を及ぼさずに第1光トランシーバ1200-1に伝送する。第2補助コントローラ280は、第2光トランシーバ1300-1の能動構成であって、補助制御管理チャンネルを通じて送受信される情報を処理及び制御するプロセッサ、ファームウェアなどが保存されるメモリなどを総称する用語である。
【0057】
第2受信器270は、第1受信器250に相応する構成であり、第2送信器275は、第1送信器230に相応する構成である。
【0058】
第2送信器275及び第2MUX 260を通じて、第1光トランシーバ1200-1に伝送されるペイ・ロードデータ及び第2補助管理データが、光信号に変換及び多重化される。第2MUX 260及び第2受信器270を通じて、第1光トランシーバ1200-1から受信される光信号が、逆多重化されて電気的信号に変換される。
【0059】
第2MCU 290及び第2メモリ295それぞれは、第1MCU 210及び第1メモリ215と類似した構成であって、これについての重なる説明は省略する。
【0060】
以上、第1及び第2光トランシーバ1200-1及び1300-1それぞれの構成要素の全般的な機能について説明した。以下では、図3及び図4を参照して、n個の第1光トランシーバ1200-1ないし1200-nとn個の第2光トランシーバ1300との間の通信チャンネルの設定のための自動波長の設定動作について具体的に説明する。
【0061】
図3は、本発明の一実施形態による光モジュール及び光波長設定装置の構成図である。図3に示された実線の矢印は、ペイ・ロードデータの移動経路を意味し、点線の矢印は、補助管理データ(例えば、AMCCデータ)の移動経路を意味する。
【0062】
図3を参照すれば、n個の第1光トランシーバ、すなわち、第1-1光トランシーバ310-1ないし第1-n光トランシーバ310-nそれぞれは、第1MUX 240に連結される。
【0063】
第1-1光トランシーバ310-1の第1-1送信器230-1は、第1MUX 240の第1送信ポートP11に連結され、第1-1受信器250-1は、第1MUX 240の第1受信ポートP12に連結される。第1-2光トランシーバ310-2の第1-2送信器230-2は、第1MUX 240の第2送信ポートP21に連結され、第1-2受信器250-2は、第1MUX 240の第2受信ポートP22に連結される。同様に、第1-n光トランシーバ310-nの第1-n送信器230-nは、第1MUX 240の第n送信ポートPn1に連結され、第1-n受信器250-nは、第1MUX 240の第n受信ポートPn2に連結される。
【0064】
第1-1送信器230-1と第1MUX 240の第1送信ポートP11とは有線(例えば、光ケーブル)で連結され、該光ケーブルには第1送信カプラ330-1が形成される。第1送信カプラ330-1は、第1送信器230-1から出力される第1送信光をカップリングして送信波長分析器(Downstream Wavelength Analyzer)340に出力する。すなわち、第1部分送信光は、第1送信カプラ330-1によって第1送信光から分離された光信号であって、送信波長分析器340に入力される。
【0065】
第1-2送信器230-2と第1MUX 240の第2送信ポートP21とは有線(例えば、光ケーブル)で連結され、該光ケーブルには第2送信カプラ330-2が形成される。第2送信カプラ330-2は、第2送信器230-2から出力される第2送信光をカップリングして送信波長分析器340に出力する。すなわち、第2部分送信光は、第2送信カプラ330-2によって第2送信光から分離された光信号であって、送信波長分析器340に入力される。
【0066】
同様に、第1-n送信器230-nと第1MUX 240の第n送信ポートPn1とは有線(例えば、光ケーブル)で連結され、該光ケーブルには第n送信カプラ330-nが形成される。第n送信カプラ330-nは、第n送信器230-nから出力される第n送信光をカップリングして、第n部分送信光を送信波長分析器340に出力する。すなわち、第n部分送信光は、第n送信カプラ330-nによって第n送信光から分離された光信号であって、送信波長分析器340に入力される。
【0067】
送信波長分析器340は、第1部分送信光ないし第n部分送信光を受信する。第1部分送信光は、第1送信光の一部であるため、第1テスト光信号の一部と第1送信波長光信号の一部とを含んでもよい。よって、送信波長分析器340は、第1部分送信光を第1テスト光信号の一部と第1送信波長光信号の一部とに分離した後、第1送信波長光信号を分析して第1送信波長を認知する。また、送信波長分析器340は、第2部分送信光を第2テスト光信号の一部と第2送信波長光信号の一部とに分離した後、第2送信波長光信号を分析して第2送信波長を認知する。同じ方法で、送信波長分析器340は、第n部分送信光を第nテスト光信号の一部と第n送信波長光信号の一部とに分離した後、第n送信波長光信号を分析して第n送信波長を認知する。
【0068】
第1送信波長光信号ないし第n送信波長光信号は、AMCCに相応するということは前述した通りである。よって、送信波長分析器340は、AMCC信号を分析する構成であってもよい。また、送信波長分析器340は、第1送信波長ないし第n送信波長に関する情報をWSSコントローラ350に出力する。
【0069】
WSSコントローラ350は、第1送信波長ないし第n送信波長に関する情報を用いて第1制御信号を生成する。例えば、WSSコントローラ350は、第1送信ポートP11をして第1送信波長の信号を通過させるようにし、第2送信ポートP21をして第2送信波長の信号を通過させるようにし、第n送信ポートPn1をして第n送信波長の信号を通過させるようにする第1制御信号を生成する。すなわち、第1制御信号は、第1送信光ないし第n送信光それぞれに相応する送信ポートP11ないしPn1の個別フィルタを制御するための信号でもある。
【0070】
WSSコントローラ350は、第1制御信号を第1MUX 240に出力する。
【0071】
第1MUX 240はWSSを備え、第1制御信号によってWSSを制御する。例えば、第1MUX 240のそれぞれの送信ポート及び受信ポートには波長を選択することができるスイッチが形成され、第1MUX 240は、第1制御信号によってそれぞれの送信ポート及び受信ポートに形成された個別スイッチを制御する。すなわち、第1MUX 240は、第1送信ポートP11に相応する第1-1スイッチを、第1送信波長に相応するように制御する。また、第1MUX 240は第2送信ポートP21に相応する第2-1スイッチを、第2送信波長に相応するように制御する。同様に、第1MUX 240は、第n送信ポートPn1に相応する第n-1スイッチを、第n送信波長に相応するように制御する。
【0072】
これによって、第1送信ポートP11は、第1送信波長に相応する光信号のみ出力することができ、第2送信ポートP21は、第2送信波長に相応する光信号のみ出力することができ、第n送信ポートP11は、第n送信波長に相応する光信号のみ出力することができる。
【0073】
また、第1MUX 240は、第1送信ポートP11ないし第n送信ポートPn1から出力された光信号を多重化して「多重化送信光」を生成し、多重化送信光を、光ケーブルを通じて第2MUX 260に送信する。
【0074】
第2MUX 260は、多重化送信光が受信されれば、これを逆多重化してn個の第2光トランシーバ320-1ないし320-nそれぞれに出力する。例えば、第2MUX 260は、多重化送信光に含まれている第1送信光の一部(第1送信光のうち第1部分送信光を除いた残り、以下、第2MUX 260に受信された部分を「第1送信光」と略称する)を第1送信光に相応する第2-1光トランシーバ320-1に出力する。また、第2MUX 260は、多重化送信光に含まれている第2送信光を第2送信光に相応する第2-2光トランシーバ320-2に出力する。同様に、第2MUX 260は、多重化送信光に含まれている第n送信光を、第n送信光に相応する第2-n光トランシーバ320-nに出力する。
【0075】
第2-1光トランシーバ320-1の第2-1受信器270-1は、第1送信光を受信する。第2-1受信器270-1で第1送信光の第1テスト光信号と第1送信波長光信号とは分離され、第1送信波長光信号は、第2-1補助コントローラ280に出力される(Wavelength Data Out)。
【0076】
第2-1補助コントローラ280は、第1送信波長光信号を分析して第1送信波長を認知する。また、第2-1補助コントローラ280は、第1送信光の受信に対応して第1返信光が伝送される時、第1返信波長情報を生成する。ここで、第1返信光は、第1送信光が受信されれば、伝送されるように設定された光信号であって、既定のテスト情報(これは、第1テスト光信号に相応する情報と関係ない)をペイ・ロードデータとして含むことができる。例えば、第2-1光トランシーバ320-1は、第1送信光が受信されれば、第1返信光を生成して第2MUX 260に出力する。この時、第2-1送信器275-1は、既定のテスト情報を第1返信テスト光信号として生成することができ、第2-1補助コントローラ280は、第1返信テスト光信号の波長に関する情報を第1補助管理データとして生成することができる(以下、第1返信テスト光信号の波長を「第1返信波長」と称し、第1返信波長に相応する第1補助管理データを「第1返信波長情報」と称する)。第1返信波長情報は、第2-1補助コントローラ280によってAMCCに相応するように生成された情報であってもよい。
【0077】
また、第2-1補助コントローラ280は、第1送信波長に関する情報を第1返信波長情報に含ませてもよい。よって、第1返信波長情報は、第1テスト光信号の波長及び第1返信テスト光信号の波長に関する情報をいずれも含む。また、第2-1補助コントローラ280は、生成した第1返信波長情報を第2-1送信器275-1に出力する。
【0078】
第2-1送信器275-1は、入力されたテスト情報及び第1返信波長情報を用いて第1返信光を生成する。これは、第1-1送信器230-1が第1送信光を生成する動作と類似しているため、これについての具体的な説明は省略する。また、第2-1送信器275-1は、第1返信光を第2MUX 260に出力する。
【0079】
同じ方法で、第2-2送信器275-2は、第2返信光を生成して第2MUX 260に出力し、第2-n送信器275-nは、第n返信光を生成して第2MUX 260に出力する。ここで、第1返信光ないし第n返信光それぞれは、第1ないし第nテスト光信号及び第1ないし第n返信波長光信号を含み、第1返信波長光信号ないし第n返信波長光信号は、補助管理情報であってAMCCに相応する。
【0080】
第2MUX 260は、第1返信光ないし第n返信光を多重化して多重化返信光を生成し、多重化返信光を、光ケーブルを通じて第1MUX 240に伝送する。
【0081】
この時、第1MUX 240と第2MUX 260との間には返信カプラ360が形成される。返信カプラ360は、多重化返信光の一部をカップリングして第3MUX 370に出力する。すなわち、「部分多重化返信光」は、返信カプラ360によって多重化返信光から分離された光信号であって、第3MUX 270に入力される。
【0082】
第3MUX 370は、部分多重化返信光を逆多重化して返信波長分析器(Upstream Wavelength Analyzer)380に出力する。例えば、第3MUX 370は、部分多重化返信光を逆多重化して第1部分返信光ないし第n部分返信光に分離し、第1部分返信光ないし第n部分返信光を返信波長分析器380に出力する。
【0083】
返信波長分析器380は、第1部分返信光ないし第n部分返信光を受信する。第1部分返信光は、第1返信光の一部であるため、第1返信波長光信号の一部を含んでもよい。よって、返信波長分析器380は、第1部分返信光から第1返信波長光信号の一部を分離した後、第1返信波長光信号を分析して第1返信波長を認知する。また、返信波長分析器380は、第2部分返信光から第2返信波長光信号の一部を分離した後、第2返信波長光信号を分析して第2返信波長を認知する。同じ方法で、返信波長分析器380は、第n部分返信光から第n返信波長光信号の一部を分離した後、第n返信波長光信号を分析して第n返信波長を認知する。
【0084】
第1返信波長光信号ないし第n返信波長光信号は、AMCCに相応するということは前述した通りである。よって、返信波長分析器380は、AMCC信号を分析する構成であってもよい。また、返信波長分析器380は、第1返信波長ないし第n返信波長に関する情報をWSSコントローラ350に出力する。
【0085】
WSSコントローラ350は、第1返信波長ないし第n返信波長に関する情報を用いて第2制御信号を生成する。例えば、WSSコントローラ350は、第1返信ポートP12をして第1返信波長の信号を通過させるようにし、第2返信ポートP22をして第2返信波長の信号を通過させるようにし、第n返信ポートPn2をして第n返信波長の信号を通過させるようにする第2制御信号を生成する。すなわち、第2制御信号は、第1返信光ないし第n返信光それぞれに相応する返信ポートP12ないしPn2の個別フィルタを制御するための信号でもある。
【0086】
WSSコントローラ350は、第2制御信号を第1MUX 240に出力する。
【0087】
第1MUX 240は、第2制御信号によってWSSを制御する。例えば、第1MUX 240は、第2制御信号によって各受信ポートに形成された個別スイッチを制御する。すなわち、第1MUX 240は、第1返信ポートP12に相応する第1-2スイッチを、第1返信波長に相応するように制御する。また、第1MUX 240は第2返信ポートP22に相応する第2-2スイッチを、第2返信波長に相応するように制御する。同様に、第1MUX 240は、第n返信ポートPn2に相応する第n-2スイッチを、第n返信波長に相応するように制御する。
【0088】
これによって、第1返信ポートP12は、第1返信波長に相応する光信号のみ出力することができ、第2返信ポートP22は、第2返信波長に相応する光信号のみ出力することができ、第n返信ポートP12は、第n返信波長に相応する光信号のみ出力することができる。
【0089】
また、第1MUX 240は、光ケーブルを通じて入力された多重化返信光の一部(すなわち、多重化返信光から部分多重化返信光を除いた一部)を逆多重化して、n個の第1光トランシーバ310-1ないし310-nそれぞれに出力する。
【0090】
図4は、本発明の一実施形態による光波長の自動設定動作のフローチャートである。
【0091】
図4には、図3を参照して説明した光波長設定装置390のそれぞれの構成(送信波長分析器、WSSコントローラ、返信波長分析器、及び第3MUX)の動作を経時的に再構成して示した。図4を参照すれば、光波長設定装置390の光波長の自動設定動作についてさらに容易に理解することができるであろう。
【0092】
図4を参照すれば、第1光通信装置120は、第1送信波長情報ないし第n送信波長情報のうちいずれか一つを含む第1送信光ないし第n送信光を生成し(S410)、生成された第1送信光ないし第n送信光を第2光通信装置130に伝送する(S420)。
【0093】
前述したように、第1光通信装置に備えられているn個の第1光トランシーバ1200-1ないし1200-nそれぞれは、送信波長情報を含む送信光を生成する。第1光トランシーバ1200-1ないし1200-nと連結された第1MUX 240は、第1送信光ないし第n送信光を受信して多重化し、多重化された送信光を、光ケーブルを通じて第2MUX 260に伝送する。
【0094】
第2光通信装置130は、第1光通信装置から伝送された第1送信光ないし第n送信光のうち、対応する第m送信光を受信し、受信された第m送信光に含まれている第m送信波長情報を読み出す(S450)(mは、n以下の自然数)。
【0095】
第2MUX 260は、多重化された送信光を受信して逆多重化される。第2光通信装置130は、逆多重化された第1送信光ないし第n送信光のうち対応する第m送信光を受信し、受信された第m送信光に含まれている第m送信波長情報を読み出す。
【0096】
第2光通信装置130は、読み出された第m送信波長情報及び第p返信波長情報を含む第p返信光を生成し、生成された第p返信光を、第2MUX 260を通じて第1光通信装置120に伝送する(S460)。第2MUX 260は、複数の第2光通信装置それぞれから提供される返信光を多重化して第1MUX 240に伝送する。第1MUX 240は、受信された返信光を逆多重化する。
【0097】
第1光通信装置120は、第2光通信装置から受信された返信光それぞれに含まれている送信波長情報及び返信波長情報を分析し、分析結果に基づいて生成された制御信号によってWSSを制御することで(S470)、光通信装置の間の光波長を設定することができる(S480)。
【0098】
前述したように、本発明の一実施形態による光通信システム100では、複数の波長可変型光モジュールが含まれていても、管理者の訪問なしに、これら光モジュールに相応する波長の光信号を自動で設定することができる。
【0099】
以上、本発明の望ましい実施形態を参照して説明したが、当業者であれば、下記の特許請求の範囲に記載の本発明の技術的な思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明の技術的思想を多様に修正及び変更できるということが理解できるであろう。
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】