(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083508
(43)【公開日】2022-06-06
(54)【発明の名称】測定方法、情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G01B 11/00 20060101AFI20220530BHJP
G06T 7/70 20170101ALI20220530BHJP
【FI】
G01B11/00 A
G06T7/70 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020194850
(22)【出願日】2020-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】特許業務法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今野 淳
【テーマコード(参考)】
2F065
5L096
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065AA09
2F065AA17
2F065BB02
2F065BB22
2F065DD03
2F065EE08
2F065FF04
2F065JJ03
2F065JJ09
2F065MM16
2F065QQ03
2F065QQ17
2F065QQ24
2F065QQ25
2F065QQ28
2F065QQ31
2F065QQ41
2F065UU05
5L096FA09
5L096FA60
5L096FA66
(57)【要約】
【課題】印字位置の補正量を適切に測定可能にする。
【解決手段】通信部13は、台座21の上面21aに設置された媒体30であって、第1の屈折率を有しており光を透過する部材40により上面21aの上側から押さえられた媒体30を部材40の上側から撮像した画像60を撮像装置20から受信する。処理部12は、通信部13が受信した画像60の重心C1から画像上の複数の点それぞれまでの距離rと第1の屈折率とに応じた当該点の位置の誤差E(r)を算出し、算出した誤差E(r)に基づいて、媒体30に対する印字位置の補正量を測定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に対する印字位置の補正量を、前記媒体を撮像した画像を用いて測定する測定方法において、
撮像装置が、第1の面に設置された前記媒体であって、第1の屈折率を有しており光を透過する部材により前記第1の面の上側から押さえられた前記媒体を前記部材の上側から撮像し、
情報処理装置が、前記撮像装置により撮像された前記媒体の画像を取得し、前記画像の重心から前記画像上の複数の点それぞれまでの距離と前記第1の屈折率とに応じた当該点の位置の誤差を算出し、算出した前記誤差に基づいて、前記補正量を測定する、
測定方法。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記複数の点のうちの第1の点に対応する第1の誤差を用いて前記第1の点の座標を補正し、前記複数の点のうちの第2の点に対応する第2の誤差を用いて前記第2の点の座標を補正し、補正後の前記第1の点に対する補正後の前記第2の点の座標の差分を前記補正量とする、
請求項1記載の測定方法。
【請求項3】
前記情報処理装置は、前記第1の屈折率、前記部材の上側の面から前記撮像装置が備えるカメラまでの長さおよび前記部材の前記媒体側の面から前記部材の上側の面までの厚さを定数に含む、前記距離と前記誤差との関係式に基づいて、前記誤差を算出する、
請求項1記載の測定方法。
【請求項4】
前記部材は、ガラス板またはアクリル板である、
請求項1記載の測定方法。
【請求項5】
媒体に対する印字位置の補正量を、前記媒体を撮像した画像を用いて測定する情報処理装置において、
第1の面に設置された前記媒体であって、第1の屈折率を有しており光を透過する部材により前記第1の面の上側から押さえられた前記媒体を前記部材の上側から撮像した画像を撮像装置から受信する通信部と、
前記通信部が受信した前記画像の重心から前記画像上の複数の点それぞれまでの距離と前記第1の屈折率とに応じた当該点の位置の誤差を算出し、算出した前記誤差に基づいて、前記補正量を測定する処理部と、
を有する情報処理装置。
【請求項6】
媒体に対する印字位置の補正量を、前記媒体を撮像した画像を用いて測定するプログラムにおいて、コンピュータに、
第1の面に設置された前記媒体であって、第1の屈折率を有しており光を透過する部材により前記第1の面の上側から押さえられた前記媒体を前記部材の上側から撮像した画像を撮像装置から取得し、
前記画像の重心から前記画像上の複数の点それぞれまでの距離と前記第1の屈折率とに応じた当該点の位置の誤差を算出し、算出した前記誤差に基づいて、前記補正量を測定する、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は測定方法、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、通帳や帳票などの媒体に印字するプリンタが利用されている。プリンタによる印字では、印字ずれが発生することがある。そこで、プリンタの印字ずれを補正する技術が考えられている。
【0003】
例えば、媒体処理装置により、通帳などの媒体に正方向および逆方向の印字を行う通帳プリンタの正方向および逆方向の印字ずれを補正する通帳プリンタの印字ずれ補正方法の提案がある。
【0004】
また、予め印字された印字媒体の印字位置をイメージ読取装置で読み取って、データ処理装置で補正値を求めることにより、印字媒体上の印字位置の測定および補正値の演算を自動的に行う印字位置の補正値設定方法の提案もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3-146378号公報
【特許文献2】特開平7-125314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
媒体には、反りや折り目があるものがある。媒体に反りや折り目があると、媒体を載置する面から媒体の一部が浮いてしまい、媒体の印字面が平面でなくなる。このため、当該面上の媒体をイメージ読取装置で読み取っても、情報処理装置により、読み取った画像から印字位置を適切に得ることができず、印字ずれに対する印字位置の補正量を測定することが難しい。
【0007】
1つの側面では、本発明は、印字位置の補正量を適切に測定可能にする測定方法、情報処理装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの態様では、媒体に対する印字位置の補正量を、媒体を撮像した画像を用いて測定する測定方法が提供される。この測定方法は、撮像装置が、第1の面に設置された媒体であって、第1の屈折率を有しており光を透過する部材により第1の面の上側から押さえられた媒体を部材の上側から撮像し、情報処理装置が、撮像装置により撮像された媒体の画像を取得し、画像の重心から画像上の複数の点それぞれまでの距離と第1の屈折率とに応じた当該点の位置の誤差を算出し、算出した誤差に基づいて、補正量を測定する。
【0009】
また、1つの態様では、情報処理装置が提供される。
また、1つの態様では、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
1つの側面では、印字位置の補正量を適切に測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施の形態の情報処理装置を説明する図である。
【
図2】第2の実施の形態の情報処理装置のハードウェア例を示す図である。
【
図4】撮像装置に対する媒体の設置の比較例を示す図である。
【
図9】カメラ中心からの距離と誤差との関係の例を示す図である。
【
図10】2点間のY軸方向の距離の補正例を説明する図である。
【
図11】印字位置の補正量の測定例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は、第1の実施の形態の情報処理装置を説明する図である。
情報処理装置10は、撮像装置20と接続される。撮像装置20は、媒体30を撮像し、媒体30の画像60を生成する。媒体30の表面には、プリンタにより、文字が印字されている。画像60は、媒体30に印字された文字を含む。しかし、プリンタによる印字位置には、媒体30の基準位置に対して、印字ずれが生じることがある。このため、プリンタに対して印字ずれを調整するための補正量を設定する作業が行われる。
【0014】
情報処理装置10は、撮像装置20から画像60を取得し、媒体30に対する印字位置の補正量を、媒体30を撮像した画像60を用いて測定する。
情報処理装置10は、記憶部11、処理部12および通信部13を有する。
【0015】
記憶部11は、RAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶装置でもよいし、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置でもよい。
処理部12は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを含み得る。処理部12はプログラムを実行するプロセッサでもよい。「プロセッサ」は複数のプロセッサの集合(マルチプロセッサ)を含み得る。
【0016】
通信部13は、撮像装置20と接続される接続インタフェースである。通信部13は、撮像装置20と通信し、撮像装置20から画像60を受信する。
撮像装置20は、台座21、支柱22およびカメラ23を有する。
【0017】
台座21は、支柱22が取り付けられる。台座21の上側の面である上面21aには、媒体30の印刷面が上側を向くように媒体30が設置される。
支柱22は、カメラ23を支持する。
【0018】
カメラ23は、上面21aの上側から上面21aに設置された媒体30を撮像する。カメラ23は、上面21aから第1の距離だけ離した位置に配置される。カメラ23による一度の撮像範囲には、媒体30の印刷面の全体を含めることができる。
【0019】
ここで、媒体30には、反りや折れ目があるものがある。媒体30に反りや折れ目による変形がある場合、媒体30を上面21aに設置した際に、媒体30の一部が上面21aから浮いてしまい、媒体30の印刷面が曲面になったり、媒体30の一部が上面21aから立ち上がったりした状態でカメラ23により撮像される。このような状態で撮像された画像からは印字位置を適切に得ることができず、印字ずれに対する印字位置の補正量を測定することが難しい。
【0020】
そこで、媒体30の上に光を透過する部材40を置いて、媒体30の反りや折れ目による変形を矯正する。すなわち、部材40により、媒体30の印刷面が上面21aに沿う状態にする。媒体30を矯正する為には部材40の重みを用いてもよいし部材40自体をクランプ等で媒体30へ押し付けてもよい。部材40の素材には、アクリルやガラスなどを用いることができる。部材40は、素材に応じた第1の屈折率を有する。また、部材40は、所定の厚みを有する。部材40の形状は、角柱や円柱などとすることができる。部材40の上面21aと接する底面および底面と対向する上側の面は、上面21aとほぼ平行であり、カメラ23側から見て媒体30の印刷面の全体を覆う。部材40の上側の面とカメラ23との間は第2の距離だけ離れている。なお、撮像装置20は、空気中で使用される。
【0021】
媒体30の印刷面からカメラ23へ向かう光は、部材40を透過することになる。このため、部材40と部材40の外側の空気とでは屈折率が異なり、部材40と空気との境界で、光の進行方向が変化する。部材40として用いられるアクリルやガラスの屈折率(第1の屈折率)は、空気の屈折率よりも通常は大きい。このため、部材40と空気との境界では、部材40側から空気側へ進む光に関して、入射角<屈折角の関係となる。また、空気側から部材40側へ進む光に関しては、空気と部材40との境界において、入射角>屈折角の関係となる。光路51,52は、媒体30からカメラ23へ、部材40を透過して進む光の進行方向の例を示す。
【0022】
撮像装置20は、上面21aに設置され、部材40により上面21aの上側から押さえられた媒体30を部材40の上側から撮像し、媒体30の画像60を生成する。画像60の全体領域の形状は例えば長方形であり、当該全体領域の中に媒体30のイメージが含まれる。画像60では、媒体30のイメージは、部材40の屈折率の影響により、画像60の重心からの距離が離れるほど歪む。
【0023】
処理部12は、撮像装置20により撮像された画像60を、通信部13を介して取得する。処理部12は、取得した画像60を記憶部11に格納する。
処理部12は、画像60の重心C1から画像上の複数の点それぞれまでの距離と部材40の第1の屈折率とに応じた当該点の位置の誤差を算出する。画像60の重心C1は、カメラ23の画素の中心に対応する点である。重心C1は、幾何中心とも呼ばれる。ここで、画像60の左側から右側へ向かう方向をx軸の正方向とし、下側から上側へ向かう方向をy軸の正方向とする。
【0024】
例えば、処理部12は、重心C1と画像60上の点P1との距離rに対し、誤差E(r)を算出する。処理部12は、スネルの法則に基づいて、部材40の第1の屈折率、カメラ23と部材40の上側の面との間の第2の距離、および、底面から上側の面に向かう方向の部材40の厚さを用いて、誤差E(r)を計算することができる。誤差E(r)は、重心C1から点P1へ向かう方向に対する誤差となる。処理部12は、誤差E(r)に基づいて、誤差E(r)のx軸成分の誤差Exおよび誤差E(r)のy軸成分の誤差Eyを算出してもよい。
図1に例示した点P1の場合、誤差Exは、x軸の負方向の誤差である。また、誤差Eyはy軸の負方向の誤差である。誤差Ex,Eyは、正方向または負方向を示す符号を含む。正方向の場合は正(+)の符号であり、負方向の場合は負(-)の符号である。
【0025】
処理部12は、算出した誤差に基づいて、印字位置の補正量を測定する。例えば、画像60は、媒体30に予め印刷されている基準線61、および、調整対象のプリンタにより印字された文字列62,63を含むとする。基準線61は、文字列62,63の先頭位置となるべきx座標を示す。点P1は、基準線61に含まれる。文字列63の印字位置は基準線61からx軸の正方向にずれている。
【0026】
この場合、例えば、処理部12は、画像60に基づいて、文字列63の先頭位置と基準線61とのx軸方向の距離Xaを求める。そして、処理部12は、点P1における誤差Exと、文字列63の先頭位置に相当する点P2におけるx軸方向の誤差Ex’との差の絶対値Δ=|Ex-Ex’|を、距離Xaに加算した値(Xa+Δ)を補正量として求める。y方向に関してもx方向と同様に補正量を求めることができる。例えば、処理部12は、画像60上の2点間のピクセル数を、画像60の解像度に応じた物理的な長さ(例えば、mmなどの単位の長さ)に換算して補正量を求める。
【0027】
なお、上記の補正量の算出方法は一例であり、他の算出方法も考えられる。例えば、処理部12は、画像60上の各点に対して求めた誤差に基づいて画像60を補正することで、補正後の画像を生成し、当該補正後の画像に基づいて、印字位置の補正量を求めてもよい。
【0028】
例えば、情報処理装置10は、測定した補正量を記憶部11に格納してもよいし、情報処理装置10に接続された表示装置に表示させることで、ユーザに提示してもよい。あるいは、情報処理装置10は、ネットワークを介して測定した補正量を他のコンピュータに送信してもよいし、プリンタに補正量を出力して、当該プリンタに対する補正量の設定を行ってもよい。
【0029】
上記の測定方法によれば、撮像装置20により、第1の面(上面21a)に設置された媒体30であって、第1の屈折率を有しており光を透過する部材40により第1の面の上側から押さえられた媒体30が部材40の上側から撮像される。情報処理装置10により、撮像装置20が撮像した媒体30の画像60が取得される。情報処理装置10により、画像60の重心C1から画像60上の複数の点それぞれまでの距離と第1の屈折率とに応じた当該点の位置の誤差が算出され、算出された誤差に基づいて、補正量が測定される。
【0030】
これにより、印字位置の補正量を適切に測定できる。
具体的には、媒体30に反りや折り目がある場合でも部材40により媒体30の変形が矯正される。また、部材40を用いることで、部材40の屈折率(第1の屈折率)と空気の屈折率とが異なることから、カメラ23により撮像された画像60の位置には、第1の屈折率に応じた誤差が含まれることとなる。このため、情報処理装置10は、当該誤差を求めることで、当該誤差に基づいて印字位置の補正量を適切に測定することができる。
【0031】
以下では、更に具体的な例を示して、情報処理装置10および撮像装置20による印字位置の補正量の測定方法を詳細に説明する。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態を説明する。
【0032】
図2は、第2の実施の形態の情報処理装置のハードウェア例を示す図である。
情報処理装置100は、CPU101、RAM102、HDD103、接続IF(InterFace)104、画像信号処理部105、入力信号処理部106、媒体リーダ107およびNIC(Network Interface Card)108を有する。なお、CPU101は、第1の実施の形態の処理部12の一例である。RAM102またはHDD103は、第1の実施の形態の記憶部11の一例である。
【0033】
CPU101は、プログラムの命令を実行するプロセッサである。CPU101は、HDD103に記憶されたプログラムやデータの少なくとも一部をRAM102にロードし、プログラムを実行する。なお、CPU101は複数のプロセッサコアを含んでもよい。また、情報処理装置100は複数のプロセッサを有してもよい。以下で説明する処理は複数のプロセッサまたはプロセッサコアを用いて並列に実行されてもよい。また、複数のプロセッサの集合を「マルチプロセッサ」または単に「プロセッサ」と言うことがある。
【0034】
RAM102は、CPU101が実行するプログラムやCPU101が演算に用いるデータを一時的に記憶する揮発性の半導体メモリである。なお、情報処理装置100は、RAM以外の種類のメモリを備えてもよく、複数個のメモリを備えてもよい。
【0035】
HDD103は、OS(Operating System)やミドルウェアやアプリケーションソフトウェアなどのソフトウェアのプログラム、および、データを記憶する不揮発性の記憶装置である。なお、情報処理装置100は、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)などの他の種類の記憶装置を備えてもよく、複数の不揮発性の記憶装置を備えてもよい。
【0036】
接続IF104は、撮像装置200と接続するためのインタフェースである。接続IF104には、例えば、USB(Universal Serial Bus)などを用いることができる。接続IF104は、Bluetooth(登録商標)などの無線のインタフェースでもよい。撮像装置200は、通帳や帳票などの媒体の画像を読み取るスタンド型のイメージスキャナである。撮像装置200は、OHR(Over Head Reader)と呼ばれるものでもよい。
【0037】
画像信号処理部105は、CPU101からの命令に従って、情報処理装置100に接続されたディスプレイ111に画像を出力する。ディスプレイ111としては、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイ、有機EL(OEL:Organic Electro-Luminescence)ディスプレイなど、任意の種類のディスプレイを用いることができる。
【0038】
入力信号処理部106は、情報処理装置100に接続された入力デバイス112から入力信号を取得し、CPU101に出力する。入力デバイス112としては、マウス・タッチパネル・タッチパッド・トラックボールなどのポインティングデバイス、キーボード、リモートコントローラ、ボタンスイッチなどを用いることができる。また、情報処理装置100に、複数の種類の入力デバイスが接続されていてもよい。
【0039】
媒体リーダ107は、記録媒体113に記録されたプログラムやデータを読み取る読み取り装置である。記録媒体113として、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク(MO:Magneto-Optical disk)、半導体メモリなどを使用できる。磁気ディスクには、フレキシブルディスク(FD:Flexible Disk)やHDDが含まれる。光ディスクには、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)が含まれる。
【0040】
媒体リーダ107は、例えば、記録媒体113から読み取ったプログラムやデータを、RAM102やHDD103などの他の記録媒体にコピーする。読み取られたプログラムは、例えば、CPU101によって実行される。なお、記録媒体113は可搬型記録媒体であってもよく、プログラムやデータの配布に用いられることがある。また、記録媒体113やHDD103を、コンピュータ読み取り可能な記録媒体と言うことがある。
【0041】
NIC108は、ネットワーク70に接続され、ネットワーク70を介して他のコンピュータと通信を行うインタフェースである。NIC108は、例えば、スイッチやルータなどの通信装置とケーブルで接続される。NIC108は、ネットワーク70に属する無線アクセスポイントと無線で通信する無線通信インタフェースでもよい。
【0042】
図3は、撮像装置の例を示す図である。
撮像装置200は、媒体300を撮像する。媒体300は、通帳や帳票などである。媒体300には、プリンタにより文字列が印字される。しかし、プリンタによる印字位置は、媒体300に予め設けられる基準位置に対して、ずれていることがある。情報処理装置100は、撮像装置200により撮像された画像に基づいて、プリンタの印字ずれを補正するための補正量を測定する。なお、撮像装置200は、空気中で使用される。空気の屈折率をη
1とする。例えば、0℃、1気圧では、η
1=1.000292である。
【0043】
撮像装置200は、台座210、支柱220、アーム230およびカメラ240を有する。
台座210は、媒体300が設置される。また、台座210には、支柱220が取り付けられている。
【0044】
支柱220は、アーム230およびカメラ240を支持する。支柱220は、アーム230の高さを可変としてもよい。
アーム230は、カメラ240を支持する。
【0045】
カメラ240は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子を有し、媒体300の画像を生成する。カメラ240は、支柱220およびアーム230により台座210の上側に配置されるように支持される。カメラ240は、一度に撮像可能な範囲に、媒体300の全体を収めることができる。
【0046】
媒体300は、光を透過する素材で形成されたカバー400により上側から押さえられる。カバー400の素材には、例えば、アクリルやガラスなどを用いることができる。カバー400の形状は、例えば、直方体である。カバー400の形状は、カメラ240から見て、媒体300の表面を全て覆うものであれば、直方体以外の角柱や円柱などでもよい。カバー400は、第1の実施の形態の部材40の一例である。カバー400は、屈折率η2を有する。η2≠η1である。
【0047】
なお、
図3では、カバー400の下側や背後に存在する媒体300や撮像装置200の一部が透かして見える様子を図示しているが、カバー400の屈折率の影響を無視している。
【0048】
図4は、撮像装置に対する媒体の設置の比較例を示す図である。
図4(A)は、媒体300に反りがある場合を例示する。媒体300に反りがあると、台座210に媒体300を設置した場合に、媒体300が台座210の上面から浮いてしまい、媒体300が平面にならないため、カメラ240で媒体300を撮像した画像からは、印字位置を適切に特定することはできない。
【0049】
図4(B)は、媒体300の上に、カバー400を載せる例を示す。媒体300の反りは、カバー400によって矯正される。媒体300の表面は、台座210の上面に沿った平面になる。
【0050】
カバー400を媒体300の上に載せることで、媒体300の反りや折り目による変形を矯正できるが、カバー400の屈折率により、カメラ240により撮像される画像上の各点の位置には誤差が生じる。情報処理装置100は、当該誤差を算出し、撮像された媒体300の画像から、印字位置の補正量を適切に測定する機能を提供する。
【0051】
図5は、情報処理装置の機能例を示す図である。
情報処理装置100は、記憶部120、誤差算出部130および補正量測定部140を有する。記憶部120には、RAM102やHDD103の記憶領域が用いられる。誤差算出部130および補正量測定部140は、RAM102に記憶されたプログラムをCPU101が実行することで実現される。
【0052】
記憶部120は、撮像装置200から取得された画像や、誤差算出部130および補正量測定部140による計算に用いられるパラメータなどの情報を記憶する。
誤差算出部130は、カバー400の屈折率により生じた画像上の各点の位置の誤差を算出する。誤差は、画像の重心、すなわち、カメラ240の撮像素子の中心に対応する位置から、該当の点までの距離の関数で表される。当該関数の導出には、スネルの法則が用いられる。誤差算出部130による誤差の算出方法の詳細は後述される。
【0053】
補正量測定部140は、誤差算出部130により算出された画像上の各点の誤差に基づいて、印字位置の補正量を測定する。例えば、補正量測定部140は、画像上の2点間の距離を、当該2点の各々に対して算出された誤差に基づいて補正することで、印字位置の補正量を求める。補正量測定部140は、測定した補正量を記憶部120に格納してもよいし、ディスプレイ111に表示させることで、ユーザに提示してもよい。あるいは、情報処理装置100は、ネットワーク70を介して、測定した補正量を他のコンピュータに送信してもよいし、プリンタに補正量を出力して、当該プリンタに対する補正量の設定を行ってもよい。
【0054】
図6は、パラメータ例を示す図である。
tは、カバー400の高さ方向(
図6の下から上へ向かう方向)の厚さである。
hは、カメラ240とカバー400との間の距離である。
【0055】
Dは、カメラ240の中心に対応する、カバー400の上面の点から、当該上面の他の点までの距離である。
θ1は、カメラ240の中心から光が直進した場合におけるカバー400への入射角である。
【0056】
θ2は、カバー400の外側(空気側)から入射した光の、カバー400での屈折角である。
L1は、カメラ240の中心から直進した光が屈折の影響を受けずにカバー400を直進した場合に、カバー400の上面から底面に達するまでに進む距離である。
【0057】
L2は、カバー400に入射することで屈折した光がカバー400の上面から底面に達するまでに進む距離である。
e1は、カメラ240の中心から直進した光がカバー400に入射した点と、当該光がカバー400における屈折の影響を受けずにカバー400を直進して、カバー400の底面に達した点との、高さ方向と垂直な方向の距離である。
【0058】
e2は、カメラ240の中心から直進した光がカバー400に入射した点と、当該光がカバー400に入射することで屈折した光がカバー400の底面に達した点との、高さ方向と垂直な方向の距離である。
【0059】
e=e(D)は、カバー400における屈折の影響による誤差であり、e=e1-e2である。
この場合、スネルの法則により、式(1)が成り立つ。
【0060】
【0061】
L1,L2は、式(2)、(3)で表される。
【0062】
【0063】
【0064】
また、e1,e2は、式(4)、(5)で表される。
【0065】
【0066】
【0067】
式(4)、(5)より、eは、式(6)で表される。
【0068】
【0069】
更に、θ1,θ2は、式(7)、(8)で表される。
【0070】
【0071】
【0072】
上記の各式を用いて、式(6)を整理することで、式(9)を得る。
【0073】
【0074】
式(9)で示されるように、誤差eは、距離Dの関数として表される。当該関数は、t,hおよびη
2を定数として含む。
図7は、パラメータ情報の例を示す図である。
【0075】
パラメータ情報121は、記憶部120に予め格納される。
例えば、カバー400の素材はアクリルであるとする。
パラメータ情報121は、屈折率η2が「1.492」であり、距離hが「192」であり、厚さtが「8」という情報を含む。なお、距離や厚さなどの長さの単位は、何れもmmである。
【0076】
図8は、誤差計算結果データの例を示す図である。
誤差計算結果データ122は、誤差算出部130により、式(9)およびパラメータ情報121に基づいて生成され、記憶部120に格納される。
【0077】
誤差計算結果データ122には、例えば、D,θ
1,θ
2,L
1,L
2の値に対して計算された誤差e
2,eが登録される。
図9は、カメラ中心からの距離と誤差との関係の例を示す図である。
【0078】
グラフ123は、誤差計算結果データ122におけるDとeとの式(9)で表される関係を示す。誤差算出部130は、例えば、グラフ123を2次関数などで近似した近似曲線を求めることもできる。
【0079】
図10は、2点間のY軸方向の距離の補正例を説明する図である。
画像500は、撮像装置200によりカバー400を介して撮像された媒体300の画像である。例えば、画像500上の2点間のピクセル数が、画像500の解像度に応じて物理的な長さに換算される。ただし、画像500はカバー400の屈折率の影響による誤差を含む像となる。前述のように、カメラ中心、すなわち、カメラ240の撮像素子の中心位置に対応する、画像500上の点からの距離が大きくなるほど、誤差の影響は大きい。
【0080】
ここで、画像500の左下を原点とし、右側へ向かう方向をX軸方向、上側へ向かう方向をY軸方向とする。また、
図10の下側を画像500の下端とし、
図10の上側を画像500の上端とする。
【0081】
画像500上の点A,Bの間のY軸方向の距離Lyを求めることを考える。点Cは、画像500の重心である。すなわち、点Cは、カメラ240の撮像素子の中心位置に対応する点である。
【0082】
Cyは、原点と点CとのY軸方向の距離である。
Ayは、原点と点AとのY軸方向の距離である。
Byは、原点と点BとのY軸方向の距離である。
【0083】
Acyは、点Cと点AとのY軸方向の距離である。
Bcyは、点Cと点BとのY軸方向の距離である。
Kayを点Aに関する誤差補正値とする。Kayは、点Cと点Aとの間の距離Daに対する誤差e(Da)のY軸方向の成分である。また、Kayの符号は正であるとする。
【0084】
Kbyを点Bに関する誤差補正値とする。Kbyは、点Cと点Bとの間の距離Dbに対する誤差e(Db)のY軸方向の成分である。また、Kbyの符号は正であるとする。
この場合、Acyは、次の式により求められる。
【0085】
Ay<Cyの場合、Acy=Ay-Cy-Kyである。
Ay≧Cyの場合、Acy=Ay-Cy+Kyである。
また、Bcyは、次の式により求められる。
【0086】
By<Cyの場合、Bcy=By-Cy-Kyである。
By≧Cyの場合、Bcy=By-Cy+Kyである。
上記のように、点Aや点Bが点Cの下側にあるか上側にあるかに応じて、Kyに付する符号が変わる。
【0087】
Lyは、Ly=|Bcy-Acy|で求めることができる。
補正量測定部140は、上記の2点間の距離Lyと同様にして、例えば画像500における基準位置と、画像500に印字された文字の印字位置との間の距離を、基準位置からの印字ずれの補正量として測定する。なお、補正量測定部140は、X軸方向に関しても同様にして、2点間の距離を測定できる。X軸方向の場合、着目する点が点Cよりも右側のときは誤差のX成分に付する符号は+であり、着目する点が点Cよりも左側のときは誤差のX成分に付する符号は-である。
【0088】
次に、情報処理装置100の処理手順を説明する。
図11は、印字位置の補正量の測定例を示すフローチャートである。
(S10)誤差算出部130は、撮像装置200により撮像された画像500を取得し、記憶部120に格納する。
【0089】
(S11)誤差算出部130は、画像500内の各点の位置の誤差eを算出する。例えば、誤差算出部130は、記憶部120に記憶されたパラメータ情報121および式(9)に基づいて、誤差eを算出し、誤差計算結果データ122を生成する。誤差算出部130は、画像500内の各点の位置の誤差eを予め算出して、誤差計算結果データ122を生成しておき、誤差計算結果データ122を記憶部120に保存しておいてもよい。すなわち、誤差計算結果データ122は、画像500を取得する前に生成されてもよい。
【0090】
(S12)補正量測定部140は、誤差算出部130により算出された誤差eを基に、印字位置の補正量を測定する。例えば、補正量測定部140は、画像500を解析して、画像500の特定の基準位置から、閾値以上ずれている印字位置を抽出し、当該基準位置と印字位置との距離を、各位置の誤差eを基に、補正量として計算する。補正量測定部140は、
図10で例示したように、該当位置の誤差eを、画像500における所定の軸方向の成分に分解して、当該軸方向の補正量を計算してもよい。
【0091】
(S13)補正量測定部140は、測定した補正量を出力する。そして、印字位置の補正量の測定が終了する。ステップS13では、補正量測定部140は、測定した補正量を記憶部120に格納してもよいし、ディスプレイ111に表示させることで、ユーザに提示してもよい。あるいは、情報処理装置100は、ネットワーク70を介して、測定した補正量を他のコンピュータに送信してもよいし、プリンタに補正量を出力して、当該プリンタに対する補正量の設定を行ってもよい。
【0092】
このように、情報処理装置100によれば、印字位置の補正量を適切に測定できる。
例えば、媒体300に反りや折り目がある場合でもカバー400により媒体300の変形が矯正される。また、カバー400を用いることで、カバー400の屈折率(第1の屈折率)と空気の屈折率とが異なることから、カメラ240により撮像された画像500の位置には、第1の屈折率に応じた誤差eが含まれることとなる。このため、情報処理装置100は、当該誤差eを求めることで、当該誤差eに基づいて印字位置の補正量を適切に測定することができる。
【0093】
具体的には、撮像装置200のように固定したカメラ240から測定対象物である媒体300を撮像する場合、ガラス板やアクリル板などのカバー400の屈折の影響により、カメラ中心から離れるほど得られる像が歪むという問題が生じ寸法測定に影響を与える。
【0094】
撮像装置200により撮像された画像はカメラ240の撮像素子を通じ四角形のピクセル単位で取り扱われる。測定対象物との距離とカメラのレンズの画角により1つのピクセル当たりの寸法が求まるので、測定したい2点間のピクセル数をカウントすることで距離を求めることができる。例えば、種々の誤差を取り除くため、基準となる測定対象物を測定し、その長さを基準に1ピクセル当たりの寸法を補正する手法が用いられる場合がある。
【0095】
一方、測定対象物とカメラ240の間にガラス板などの物質が存在する場合、カメラ240の中心位置から離れるほど光の屈折により影響を受け相対的に測定対象物の大きさが異なって見えてしまう。同じ位置に基準と同じ寸法の測定対象物を配置した場合は影響を受けないが、異なる寸法や異なる位置の測定対象物は屈折の誤差を受けてしまい測定精度に悪影響を及ぼす。
【0096】
そこで、情報処理装置100は、カメラ中心に対応する画像上の位置からの距離に応じて、屈折の影響により生じる誤差を、画像から計測される2点間の距離に加えることで、当該屈折の影響を補正する。
【0097】
測定対象物とカメラ240の距離および測定対象物に密着したカバー400の厚みおよび屈折率が既知である場合、屈折量はカメラ中心に対応する画像上の位置からの距離に応じて非線形に変化する。
【0098】
カメラ中心に対応する画像上の位置(重心)から測定点の距離は中心からのX方向およびY方向を直交する2辺とした直角三角形の斜辺の長さとして導出される。
これに前述の屈折量を考慮することで、画像上の重心と測定点との屈折による誤差を補正することが可能である。例えば、ピクセルの配列方向に対して加える誤差補正値を求める場合、当該誤差補正値は、式(9)で求めた誤差eを、三角関数を用いてX方向およびY方向に分解すればよい。任意の2点間の距離を求める場合はそれぞれの点の位置に対して、重心からの距離に応じた誤差による補正を加えた後に、補正後の2点間の距離を求めることで、屈折による誤差を除去した距離を得ることが可能となる。
【0099】
例えば、金融機関で広く用いられている2000号通帳に印刷された文字の位置を測定する場合を考える。2000号通帳は、媒体300の一例である。
通常、通帳はドットインパクト式印字が行われるが、予め印刷されている罫線などに対して位置決めの精度を必要とされておりプリンタの調整のため、文字の位置の測定が不可欠である。
【0100】
ここで、印刷面に対し200mm離れた位置にカメラを配置し、ページを押さえるため8mm厚のガラス板を通じて通帳を撮影する場合を考える。ガラス板は、カバー400の一例である。
【0101】
ガラス板の屈折率を1.5と仮定すると、通帳の縦方向をカメラ240の中心と併せた場合、画像上の重心位置から縦方向に100mm離れた位置は約1.6mm短く見える。これに対し、画像上の重心位置から縦方向に50mm離れた位置の縦方向は約0.7mm短く見える。
【0102】
例えば、画像上の距離計測の補正として基準(定規等)を撮影しその長さで画像のピクセル毎の距離を算出する方法が用いられた場合、前述の100mmを誤差を含めたままピクセル毎の距離を算出した場合、画像上の重心位置から50mm離れた位置では屈折の影響の補正の有無で約0.1mmの誤差が生じるので、200DPI(Dots Per Inch)程度の解像度で印刷するプリンタに対して無視できない誤差を補正することが可能となる。
【0103】
以上で説明したように、第2の実施の形態の情報処理装置100は、媒体に対する印字位置の補正量を媒体を撮像した画像を用いて測定する。情報処理装置100および撮像装置200を用いた測定方法は、例えば、次の手順を含む。
【0104】
撮像装置200が、台座210の第1の面(上面)に設置された媒体300であって、第1の屈折率を有しており光を透過する部材により第1の面の上側から押さえられた媒体300を当該部材の上側から撮像する。カバー400は、部材の一例である。
【0105】
情報処理装置100が、撮像装置200により撮像された媒体300の画像を取得し、画像の重心から画像上の複数の点それぞれまでの距離と第1の屈折率とに応じた当該点の位置の誤差を算出し、算出した誤差に基づいて、印字位置の補正量を測定する。
【0106】
これにより、印字位置の補正量を適切に測定できる。
情報処理装置100は、複数の点のうちの第1の点に対応する第1の誤差を用いて第1の点の座標を補正し、複数の点のうちの第2の点に対応する第2の誤差を用いて第2の点の座標を補正する。情報処理装置100は、補正後の第1の点に対する補正後の第2の点の座標の差分を補正量とする。
【0107】
これにより、補正量の精度を高められる。
情報処理装置100は、第1の屈折率、部材の上側の面から撮像装置200が備えるカメラ240までの長さおよび部材の媒体側の面から部材の上側の面までの厚さを定数に含む、画像の重心から画像上の点までの距離と誤差との関係式に基づいて、誤差を算出する。
【0108】
これにより、画像の重心から画像上の点までの距離により、当該点における誤差を容易に算出できる。関係式は式(9)で表される。算出される誤差は、例えば、媒体の画像におけるX軸方向およびY軸方向など、特定の方向に関する成分に分解されてもよい。
【0109】
部材は、ガラス板またはアクリル板である。
このように、実質的に透明な、比較的透明度の高い物質を部材として用いることで、媒体の画像における印字位置の検出を適切に行うことができ、補正量を適切に測定できる。ここで、ガラスは、珪酸(SiO2)を主成分に含む物質である。アクリルは、アクリル樹脂を主成分に含む物質である。
【0110】
なお、第1の実施の形態の情報処理は、処理部12にプログラムを実行させることで実現できる。また、第2の実施の形態の情報処理は、CPU101にプログラムを実行させることで実現できる。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体113に記録できる。
【0111】
例えば、プログラムを記録した記録媒体113を配布することで、プログラムを流通させることができる。また、プログラムを他のコンピュータに格納しておき、ネットワーク経由でプログラムを配布してもよい。コンピュータは、例えば、記録媒体113に記録されたプログラムまたは他のコンピュータから受信したプログラムを、RAM102やHDD103などの記憶装置に格納し(インストールし)、当該記憶装置からプログラムを読み込んで実行してもよい。
【符号の説明】
【0112】
10 情報処理装置
11 記憶部
12 処理部
13 通信部
20 撮像装置
21 台座
21a 上面
22 支柱
23 カメラ
30 媒体
40 部材
51,52 光路
60 画像
61 基準線
62,63 文字列
C1 重心
P1,P2 点