(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022008352
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】流体浸漬による少なくとも半自律型の食事保存及び調理のための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A23L 3/36 20060101AFI20220105BHJP
A47J 27/16 20060101ALI20220105BHJP
A47J 27/18 20060101ALI20220105BHJP
F25D 23/12 20060101ALI20220105BHJP
F25D 16/00 20060101ALI20220105BHJP
F25D 17/02 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
A23L3/36 Z
A47J27/16 D
A47J27/18
F25D23/12 Q
F25D16/00
F25D17/02 301
F25D23/12 N
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021146475
(22)【出願日】2021-09-08
(62)【分割の表示】P 2018521215の分割
【原出願日】2016-11-11
(31)【優先権主張番号】62/253,795
(32)【優先日】2015-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FIREWIRE
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】518137357
【氏名又は名称】ホーム テック イノベーション,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】リス,ロビン
【テーマコード(参考)】
3L045
4B022
4B054
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045AA03
3L045BA00
3L045BA01
3L045CA09
3L045DA02
3L045FA02
3L045LA11
3L045MA12
3L045NA23
3L045PA01
3L045PA02
3L045PA03
3L045PA04
3L045PA05
4B022LA04
4B022LA05
4B022LF02
4B022LP04
4B022LP10
4B022LT03
4B022LT10
4B054AA06
4B054BA03
4B054CH02
4B054CH12
(57)【要約】
【課題】流体浸漬による食事の少なくとも半自律型の保存及び調理のための改良された装置及び方法を提供する。
【解決手段】第1の空間及び第2の空間を画定するサーマルコンテナを有する流体浸漬保存及び調理デバイスを使用する方法は、第1の空間内に第1の食品を配することを含む。第2の食品及び第3の食品は、第2の空間内のそれぞれ第1の位置及び第2の位置に配される。第1の温度を有するある量の流体が第1の空間内で循環されて、第1の食品に熱エネルギーを伝達する。所定時間後、ある量の流体の少なくとも一部が第2の温度まで加熱される。ある量の流体の一部が第2の空間に送られ、それにより、(1)第2の食品は、ある量の流体の一部に実質的に浸漬され、及び(2)第3の食品は、ある量の流体の一部の実質的に外に配される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体浸漬保存及び調理デバイスを使用する方法であって、前記デバイスは、第1の空間及び第2の空間を画定するサーマルコンテナを含み、前記方法は、
前記第1の空間内に第1の食品を配することと、
前記第2の空間内の第1の位置に第2の食品を配することと、
前記第2の空間内の前記第1の位置とは異なる第2の位置に第3の食品を配することと、
ある量の流体を前記第1の空間内で循環させることであって、前記ある量の流体は、第1の温度を有し、且つ前記第1の食品に熱エネルギーを伝達するように構成されている、循環させることと、
所定時間経過後、前記ある量の流体の少なくとも一部を、前記第1の温度より大きい第2の温度に加熱することと、
前記ある量の流体の少なくとも前記一部を前記第2の空間に送ることであって、前記第2の食品は、前記第2の空間に送られた前記ある量の流体の前記一部に実質的に浸漬され、前記第3の食品は、前記第2の空間に送られた前記ある量の流体の実質的に外に配される、送ることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第2の空間内の前記第1の位置は、前記第2の空間内の前記第2の位置の下である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サーマルコンテナは、熱伝導壁を含み、前記熱伝導壁は、前記第1の空間の一部及び前記第2の空間の一部を画定し、
前記第2の空間に前記ある量の流体を前記送ることは、前記第2の空間を前記壁より実質的に低い充填高さまで充填することである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記所定時間は、前記第1の食品と関連付けられた調理時間に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記所定時間は、前記第1の食品、前記第2の食品、及び前記第3の食品と関連付けられた調理時間に基づく、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記デバイスは、コントローラを含み、前記コントローラは、各食品が前記サーマルコンテナ内に配されると、各食品に関連付けられたデータを受信するように構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の食品は、前記第1の食品に関連付けられたデータを含む無線識別(RFID)タグを有する第1の食品カートリッジ内に配される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の食品は、前記第2の食品に関連付けられたデータを含むRFIDタグを有する第2の食品カートリッジ内に配され、、及び前記第3の食品は、前記第3の食品に関連付けられたデータを含むRFIDタグを有する第3の食品カートリッジ内に配される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
第1の量の熱エネルギーは、前記第1の食品に伝達され、前記第1の量よりも少ない第2の量の熱エネルギーは、前記第2の食品に伝達され、及び前記第2の量よりも少ない第3の量の熱エネルギーは、前記第3の食品に伝達される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の空間内の第3の位置に第4の食品を配することであって、前記第3の位置は、前記第1の位置及び前記第2の位置と異なる、配することと、
前記第3の量の熱エネルギーよりも少ない第4の量の熱エネルギーは、前記第4の食品に伝達されることと
を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
比較的低い熱伝導率を有する材料で形成されたサーマルコンテナであって、第1の部分及び第2の部分を有し、前記第1の部分は、第1の食品を受け入れるように構成された第1の空間を画定し、前記第2の部分は、第2の食品及び第3の食品を受け入れるように構成された第2の空間を画定し、前記サーマルコンテナは、前記第1の空間の一部及び前記第2の空間の一部を集合的に画定する壁を含み、前記壁は、比較的高い熱伝導率を有する材料で形成されている、サーマルコンテナと、
前記第1の空間及び前記第2の空間と流体連通している流体循環システムであって、第1の構成、第2の構成、及び第3の構成を有する、流体循環システムと
を含む、装置であって、
前記第1の構成において、前記流体循環システムは、第1の量の熱エネルギーを有するある量の流体を前記第1の空間内で循環させるように構成されており、
前記第2の構成において、前記流体循環システムは、第2の量の熱エネルギーを有する前記ある量の流体を前記第1の空間内で循環させるように構成されており、前記第2の量の熱エネルギーは、前記第1の量の熱エネルギーよりも大きく、
前記第3の構成において、前記流体循環システムは、(1)前記ある量の流体の前記熱エネルギーを前記第2の量の熱エネルギーから第3の量の熱エネルギーに増加させ、且つ(2)前記第3の量の熱エネルギーを有する前記ある量の流体の少なくとも一部を前記第2の空間に送るように構成されている、装置。
【請求項12】
前記第1の量の熱エネルギーは、少なくとも前記第1の食品を保存温度に維持するように動作可能であり、前記保存温度は、温度閾値未満である、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第2の量の熱エネルギーは、前記第1の食品を実質的に第1の調理温度で調理するように動作可能であり、及び前記第3の量の熱エネルギーは、前記第2の食品及び前記第3の食品を、実質的に、前記第1の調理温度を超える第2の調理温度で調理するように動作可能である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記壁は、高さを有し、前記壁の前記高さは、前記第1の部分又は前記第2の部分の少なくとも1つの高さの約2分の1である、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記流体循環システムと電子通信しているコントローラであって、前記第1の食品、前記第2の食品、及び前記第3の食品に関連付けられたデータに少なくとも部分的に基づき、前記流体循環システムを前記第1の構成と、前記第2の構成と、前記第3の構成との間で移行させるように構成されている、コントローラを更に含む、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の食品は、第1の食品カートリッジ内に配され、前記第1の食品カートリッジは、前記第1の食品に関連付けられたデータを含む無線識別(RFID)タグを有し、前記第2の食品は、第2の食品カートリッジ内に配され、前記第2の食品カートリッジは、前記第2の食品に関連付けられたデータを含むRFIDタグを有し、及び前記第3の食品は、第3の食品カートリッジ内に配され、前記第3の食品カートリッジは、前記第3の食品に関連付けられたデータを含むRFIDタグを有し、
前記サーマルコンテナの前記第1の部分は、前記第1の空間内に配されると、前記第1の食品カートリッジの前記RFIDタグからデータを受信するように構成されたRFIDリーダを有し、及び前記サーマルコンテナの前記第2の部分は、前記第2の食品カートリッジ又は前記第3の食品カートリッジがそれぞれ前記第2の空間内に配されると、前記第2の食品カートリッジ又は前記第3の食品カートリッジの少なくとも1つからデータを受信するように構成された少なくとも1つのRFIDリーダを有する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記コントローラは、1つ又は複数のRFIDタグの存在を検知することに基づき、前記サーマルコンテナ内に配された1つ又は複数の食品カートリッジの存在を検知するように構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記流体循環システムは、チラーアセンブリ及びヒータアセンブリを含み、前記流体循環システムは、前記第1の構成にあるとき、(1)前記チラーアセンブリと前記第1の空間との間に画定される第1の流体流路を画定し、且つ(2)前記第2の空間を前記第1の流体流路から流体的に隔離するように構成されている、請求項11に記載の装置。
【請求項19】
前記流体循環システムは、前記第2の構成にあるとき、(1)前記ヒータアセンブリと前記第1の空間との間に画定される第2の流体流路を画定し、且つ(2)前記第1の空間を前記第1の流体流路から流体的に隔離し、且つ(3)前記第2の空間を前記第2の流体流路から流体的に隔離するように構成されている、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記流体循環システムは、前記第3の構成にあるとき、(1)前記第1の空間と、前記第2の空間と、前記ヒータアセンブリとの間に画定される第3の流体流路を画定し、且つ(2)前記ある量の流体の少なくとも一部を前記第2の空間に送るように構成されている、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
流体浸漬保存及び調理デバイスを使用する方法であって、前記デバイスは、第1の空間及び第2の空間を画定するサーマルコンテナを含み、前記方法は、
前記第1の空間内に第1の食品を配することと、
前記第2の空間内に第2の食品を配することと、
ある量の流体を前記第1の空間内で循環させることであって、前記ある量の流体は、温度閾値未満の温度を有し、前記第1の空間内の前記食品は、前記食品の温度を前記温度閾値未満に少なくとも一時的に維持するために、前記ある量の流体中に少なくとも部分的に配される、循環させることと、
前記第1の空間の一部と前記第2の空間の一部との間に配された熱伝導壁を介して前記第2の空間から前記第1の空間に熱エネルギーを伝達することであって、前記熱エネルギーの一部は、前記第1の空間内で循環している前記ある量の流体によって吸収される、伝達することと、
前記ある量の流体から熱エネルギーを除去することと
を含む、方法。
【請求項22】
前記第1の空間内に配される前記食品は、タンパク質食品である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第2の空間内に配される前記食品は、デンプン食品又は野菜の少なくとも1つである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記温度閾値は、華氏約40度である、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記サーマルコンテナは、比較的低い熱伝導率を有する材料で形成される、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記熱伝導壁は、比較的高い熱伝導率を有する材料で形成され、前記熱伝導壁の前記熱伝導率は、前記サーマルコンテナの前記熱伝導率よりも高い、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記熱伝導壁は、高さを有し、前記熱伝導壁の前記高さは、前記第1の空間又は前記第2の空間の少なくとも1つの高さの約2分の1である、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記デバイスは、流体循環システムを含み、前記流体循環システムは、前記第1の空間及び前記第2の空間と流体連通しており、前記デバイスは、前記流体循環システムが前記第1の空間とチラーアセンブリとの間に第1の流体流路を含む第1の構成を有し、
前記流体循環システムは、前記デバイスが前記第1の構成にあるとき、前記ある量の流体を前記第1の流体流路内で循環させるように構成されており、それにより、前記チラーアセンブリは、前記ある量の流体の前記温度を前記温度閾値未満に維持するために、前記チラーアセンブリ内を流れる前記ある量の流体から熱エネルギーを除去する、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記温度閾値は、第1の温度閾値であり、前記デバイスは、前記流体循環システムが前記第1の空間とヒータアセンブリとの間に第2の流体流路を含む第2の構成を有し、
前記流体循環システムは、前記デバイスが前記第2の構成にあるとき、前記ある量の流体を前記第2の流体流路内で循環させるように構成されており、それにより、前記ヒータアセンブリは、前記ある量の流体の前記温度を、実質的に、前記第1の温度閾値を超える第2の温度閾値に上昇させるために、前記ヒータアセンブリ内を流れる前記ある量の流体に熱エネルギーを付加する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記デバイスは、前記流体循環システムが、前記第1の空間と、前記第2の空間と、前記ヒータアセンブリとの間に第3の流体流路を含む第3の構成を有し、
前記流体循環システムは、前記デバイスが前記第3の構成にあるとき、前記ある量の流体を前記第3の流体流路内で循環させるように構成されており、それにより、(1)前記ヒータアセンブリは、前記ある量の流体の前記温度を、実質的に、前記第2の温度閾値を超える第3の温度閾値に上昇させるために、前記ヒータアセンブリ内を流れる前記ある量の流体に熱エネルギーを付加し、及び(2)前記流体循環システムは、実質的に前記第3の温度閾値である前記ある量の流体の少なくとも一部を前記第2の空間に送る、請求項29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年11月11日に出願された「Apparatus and Methods for at Least Semi-Autonomous Meal Storage and Cooking Via Fluid Immersion」という名称の米国仮特許出願第62/253,795号(この開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる)の優先権及び利益を主張する。
【0002】
背景
本明細書中に記載される実施形態は、食事の冷蔵及び/又は調理のための装置及び方法に関し、より具体的には、流体浸漬による食事の少なくとも半自律型の保存、冷蔵及び調理のための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
真空調理は、食品を比較的低温で長時間加熱することによって食品の品質を維持することを目的とした調理方法である。場合により、機械は、ある量の水を含むことができ、このある量の水に熱エネルギーを伝達して、その所望の温度に到達及び/又は維持することができる。真空調理法において、食品は真空気密パッケージ及び/又はバッグ内に配置され、真空気密パッケージ及び/又はバッグを機械に挿入し、食品を水に浸漬させることができる。食品を挿入する前又は直後に、水を典型的には水の沸点未満の温度(例えば、摂氏約63度(℃)又は華氏約145度(°F))まで加熱する。食品の温度と湯の温度とが実質的に熱平衡の状態になるまで、浸漬された食品を湯によって放出される熱エネルギーにより加熱する。したがって、食品は、食品が配置されている水の温度を制御することにより所望の温度に調理され得る。
【0004】
一部の既知の真空調理法は食事の準備にかなりの時間量を伴う場合があり、場合により、真空調理法を日常的に使用することに課題を呈する可能性がある。これらの課題を解消するために、食品を予め準備し、例えば、冷蔵庫に保存することができる。その後、食品を真空調理デバイス内に配置し、調理することができる。しかしながら、このような方法は人の介入を伴い、時間のかかるものとなり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、流体浸漬による食事の少なくとも半自律型の保存及び調理のための改良された装置及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
流体浸漬による少なくとも半自律型の食事準備のための装置及び方法が本明細書中に記載される。いくつかの実施形態では、第1の空間及び第2の空間を画定するサーマルコンテナを有する流体浸漬保存及び調理デバイスを使用する方法は、第1の空間内に第1の食品を配置することを含む。第2の食品は、第2の空間内の第1の位置に配置される。第3の食品は、第1の位置と異なる第2の空間内の第2の位置に配置される。ある量の流体が第1の空間内で循環される。ある量の流体は、第1の温度を有し、且つ第1の食品に熱エネルギーを伝達するように構成されている。所定時間後、ある量の流体の少なくとも一部が、第1の温度を超える第2の温度まで加熱される。ある量の流体の少なくとも一部が第2の空間に送られ、それにより、(1)第2の食品は、第2の空間に送られたある量の流体の一部に実質的に浸漬され、及び(2)第3の食品は、第2の空間に送られたある量の流体の実質的に外に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態による半自律型流体浸漬調理デバイスの概略図である。
【
図2】
図1の半自律型流体浸漬調理デバイスに含まれるコントローラ及び電子デバイスの概略図であり、コントローラ及び電子デバイスは、それぞれネットワークと通信している。
【
図3】一実施形態による半自律型流体浸漬調理デバイスの正面図である。
【
図4】第1の構成にある、ハウジングの一部がない状態で示される
図3の半自律型流体浸漬調理デバイスの前部斜視図である。
【
図5】第2の構成にある、ハウジングの一部がない状態で示される
図3の半自律型流体浸漬調理デバイスの前部斜視図である。
【
図6】
図3の半自律型流体浸漬調理デバイスに含まれるサーマルコンテナの斜視図である。
【
図8】第1の構成にある、
図3の半自律型流体浸漬調理デバイスの後部斜視図である。
【
図9】
図4の線9-9に沿って取った
図3の半自律型流体浸漬調理デバイスの断面図である。
【
図10】
図3の半自律型流体浸漬調理デバイスに含まれる流体循環システムの一部の分解図である。
【
図11】一実施形態による半自律型流体浸漬調理デバイスの斜視図である。
【
図12】ハウジングの一部がない状態で示される、
図11の半自律型流体浸漬調理デバイスの斜視図である。
【
図13】ハウジングの一部、コントローラ及び/又は支持構造体のない状態で示される、
図11の半自律型流体浸漬調理デバイスの前部斜視図である。
【
図14】
図11の半自律型流体浸漬調理デバイスに含まれるサーマルコンテナ、蓋、及び絶縁材の部分分解図である。
【
図15】
図11の半自律型流体浸漬調理デバイスの一部の後部斜視図である。
【
図16】
図11の半自律型流体浸漬調理デバイスの一部の前部斜視図である。
【
図17A】流体循環システムの少なくとも一部を示す、
図11の半自律型流体浸漬調理デバイスの一部の底面図である。
【
図17B】流体循環システムの少なくとも一部を示す、
図11の半自律型流体浸漬調理デバイスの一部の背面図である。
【
図18】流体浸漬により食事を少なくとも半自律的に保存及び調理する方法を示すフローチャートである。
【
図19】流体浸漬により食事を少なくとも半自律的に保存及び調理する方法を示すフローチャートである。
【
図20】流体浸漬により食事を少なくとも半自律的に保存及び調理する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
流体浸漬による少なくとも半自律型の食事準備のための装置及び方法が本明細書中に記載される。いくつかの実施形態では、第1の空間及び第2の空間を画定するサーマルコンテナを有する流体浸漬保存及び調理デバイスを使用する方法は、第1の空間内に第1の食品を配置することを含む。第2の食品は、第2の空間内の第1の位置に配置される。第3の食品は、第1の位置と異なる第2の空間内の第2の位置に配置される。ある量の流体が第1の空間内で循環させる。ある量の流体は、第1の温度を有し、且つ第1の食品に熱エネルギーを伝達するように構成されている。所定時間後、ある量の流体の少なくとも一部が、第1の温度を超える第2の温度まで加熱される。ある量の流体の少なくとも一部が第2の空間に送られ、それにより、(1)第2の食品は、第2の空間に送られたある量の流体の一部に実質的に浸漬され、及び(2)第3の食品は、第2の空間に送られたある量の流体の実質的に外に配置される。
【0009】
いくつかの実施形態では、装置は、サーマルコンテナ及び流体循環システムを含む。サーマルコンテナは、比較的低い熱伝導率を有する材料で形成されている。サーマルコンテナは、第1の食品を受け入れるように構成された第1の空間を画定する第1の部分と、第2の食品及び第3の食品を受け入れるように構成された第2の空間を画定する第2の部分とを有する。サーマルコンテナは、比較的高い熱伝導率を有する材料で形成されており、第1の空間の一部及び第2の空間の一部を集合的に画定する壁又は壁の少なくとも一部を含む。流体循環システムは、第1の空間及び第2の空間と流体連通している。流体循環システムは、第1の構成、第2の構成、及び第3の構成を有する。流体循環システムは、第1の構成にあるとき、第1の量の熱エネルギーを有するある量の流体を第1の空間内で循環させるように構成されている。流体循環システムは、第2の構成にあるとき、第1の量の熱エネルギーよりも大きい第2の量の熱エネルギーを有するある量の流体を第1の空間内で循環させるように構成されている。流体循環システムは、流体循環システムが第3の構成にあるとき、(1)ある量の流体の熱エネルギーを第2の量の熱エネルギーから第3の量の熱エネルギーに増加させ、且つ(2)第3の量の熱エネルギーを有するある量の流体の少なくとも一部を第2の空間に送るように構成されている。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1の空間及び第2の空間を画定するサーマルコンテナを有する流体浸漬保存及び調理デバイスを使用する方法は、第1の空間内に食品を配置することと、第2の空間内に食品を配置することとを含む。ある量の流体が、その後、第1の空間内で循環される。ある量の流体は、温度閾値未満の温度を有する。第1の空間内の食品は、ある量の流体中に少なくとも部分的に配置され、温度閾値未満の温度に維持される。熱エネルギーが、第1の空間と第2の空間との間に配置された熱伝導壁を介して第2の空間から第1の空間に伝達され、及び熱エネルギーの少なくとも一部は、第1の空間内で循環しているある量の流体によって吸収される。この方法は、ある量の流体から熱エネルギーを除去することを更に含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、方法は、流体浸漬調理デバイスのサーマルコンテナ内に食品を保存することを含む。サーマルコンテナは、第1の所定温度のある量の流体を含む。食品が密封パッケージ内に配置され、密封パッケージは、ある量の流体内に浸漬される。流体浸漬調理デバイスのコントローラは、所定時間と関連付けられた指示を受信する。コントローラは、所定時間後、サーマルコンテナに動作可能に結合された加熱要素に信号を送信する。加熱要素は、熱エネルギーにより、サーマルコンテナ内のある量の流体を第1の所定温度から第2の所定温度まで加熱する。熱エネルギーの一部は、食品と関連付けられた温度が第2の所定温度に実質的に等しくなるまで、ある量の流体内に浸漬された食品に伝達される。
【0012】
本明細書で使用する場合、別段の明確な指示のない限り、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、複数形指示物を含む。したがって、例えば、用語「部材」は、単一部材又は部材の組み合わせを意味するものであり、「材料」は、1つ以上の材料又はその組み合わせを意味するものである。
【0013】
本明細書で使用する場合、用語「モジュール」は、例えば、メモリ、プロセッサ、電気トレース、光コネクタ、ソフトウェア(ハードウェア内で実行する)等を含み得る、動作可能に結合された電気部品の任意のアセンブリ及び/又はセットを意味する。例えば、プロセッサ内で実行されるモジュールは、そのモジュールと関連付けられた1つ以上の特定の機能を実施することが可能である、ハードウェアベースモジュール(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP))及び/又はソフトウェアベースモジュール(例えば、メモリに記憶された及び/又はプロセッサで実行されるコンピュータコードのモジュール)の任意の組み合わせであり得る。
【0014】
本明細書で使用する場合、用語「フィードバック」、「フィードバックシステム」及び/又は「フィードバックループ」は、過去又は現在の特性が現行又は将来の動作に影響を及ぼすシステムに関する。例えば、流体循環システムは、流体循環システムの状態(例えば、所望の媒体の測定可能な温度)が、流体循環システムにフィードバックされる現行又は過去の状態に依存するフィードバックシステムであると言える。場合により、フィードバックシステムは、センサから受信した信号、電気の流れ又は電気の流れの方向等に基づき電気回路を開く又は閉じることができるいくつかのリレー、スイッチ等を含む電気機械式システムであり得る。場合により、フィードバックシステムは、システムコンポーネントによる入力、電気回路の状態及び/又は電力の流れに基づき、制御ロジックを使用して1つ以上の動作を実施することができるプログラマブルロジックコントローラ(PLC)で制御及び/又は実施され得る。場合により、PLCは、例えば、比例積分微分(PID)コントローラなどの制御スキームを含み得る。したがって、一部のフィードバックシステムの出力は、比例項と、積分項と、微分項との和により数学的に説明され得る。PIDコントローラは、多くの場合、1つ以上の電子デバイスに実装されている。このようなコントローラでは、比例項、積分項及び/又は微分項は、フィードバックシステムの特性を変更するために能動的に「調整」され得る。
【0015】
電子デバイスは、電気機械式システム及び/又は流体システムを能動的に制御して所望のシステム状態を達成及び/又は維持するためにフィードバックシステムを実装していることが多い。例えば、フィードバックシステムは、1つ以上のバルブを開放又は閉鎖すること、1つ以上のポンプを操作すること、水の温度を上昇又は低下させる等により、流体システム(例えば、閉鎖システム内のある量の水)を制御するために実装され得る。更に詳述すると、フィードバックシステムは、ある量の水の少なくとも一部の現行の状態及び/又は過去の状態(例えば、温度、流量、量等)を判断し、過去及び/又は現行の状態の値を例えばPID制御方式に戻すことができる。場合により、電子デバイス(例えば、コントローラ)は、任意の適切な数値方法又はその任意の組み合わせ(例えば、ニュートン法、ガウス消去法、オイラー法、LU分解等)を実施することができる。したがって、流体システムは、ある量の水の少なくとも一部の過去及び/又は現行の状態に基づき、所望のシステム状態を達成するように能動的に変更され得る。
【0016】
図1は、一実施形態による流体浸漬調理デバイス100の概略図である。流体浸漬調理デバイス100(本明細書では「デバイス」とも称される)は、任意の適切な調理デバイス、機械及び/又はシステムであり得る。本明細書中に更に詳細に記載されるように、例えば、デバイス100は、調理前、食品を密封パッケージ内に保存し、デバイス100内に第1の温度で配置するように構成されており、デバイス100内に配置された食品を、食品と水などの循環する流体との間の熱伝達によって第1の温度を超える第2の温度で調理するように構成されている真空調理デバイスであり得る。デバイス100は、少なくとも1つのサーマルコンテナ120と、流体循環システム140と、コントローラ170と、電源173とを含む。
図1に図示しないが、デバイス100は、少なくとも1つのサーマルコンテナ120、流体循環システム140、コントローラ170及び/又は電源173を収容し且つ/又は少なくとも部分的に覆い囲むように構成されたハウジングを含むことができる。更に、ハウジングは、ハウジング内に配置された構成要素の少なくとも一部へのアクセスを可能にするように構成された蓋等を含むことができる。本明細書中に更に詳細に記載されるように、デバイス100(例えば、ハウジング)は、また、デバイス100に関連付けられた情報を提示するように構成された、例えば、ディスプレイ又はタッチスクリーンディスプレイなどの1つ以上のユーザインタフェース部を含むことができる。
【0017】
サーマルコンテナ120は、任意の適切な形状、大きさ及び/又は構成であり得る。いくつかの実施形態では、デバイス100は、単一のサーマルコンテナ120を含むことができる。他の実施形態では、デバイス100は、複数のサーマルコンテナ120(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、又はこれより多いサーマルコンテナ120)を含むことができる。より具体的には、いくつかの実施形態では、デバイス100は、1週間の各日(即ち7つ)又は1週間の労働日の各日(即ち5つ)のためのサーマルコンテナ120を含むことができる。いくつかの実施形態では、デバイス100のハウジングは、デバイス100内に含まれる各サーマルコンテナ120と関連付けられたディスプレイ及び/又は印を含むことができる。
【0018】
サーマルコンテナ120は、任意の適切な材料若しくはそれらの組み合わせで形成され得、及び/又は任意の適切な材料若しくはそれらの組み合わせを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ120は、比較的高い熱伝導率を有する材料で形成され得る。換言すると、サーマルコンテナ120は、例えば、その中に配置されたある量の水に熱エネルギーを伝導及び/又は伝達するように構成された材料で形成され得、且つ且つ/又はこうした材料を含み得る。より具体的には、サーマルコンテナ120及び/又はその任意の適切な部分は、例えば、約10ワット/メートル*ケルビン(W/mk)~約250W/mkの熱伝導率を有する金属で形成され得る。例えば、サーマルコンテナ120及び/又はその任意の適切な部分は、約200W/mk~約250W/mkの熱伝導率を有するアルミニウムで形成され得る。他の実施形態では、サーマルコンテナ120及び/又はその任意の適切な部分は、約12W/mk~約45W/mkの熱伝導率を有するステンレス鋼で形成され得る。更に他の実施形態では、サーマルコンテナ120及び/又はその任意の適切な部分は、比較的高い熱伝導率を有する任意の他の好適な材料又は材料の組み合わせで形成され得る。
【0019】
サーマルコンテナ120は、比較的高い熱伝導率を有する材料から形成され得るが、比較的低い熱伝導率を有する材料又は材料の組み合わせ(例えば、発泡熱絶縁材等)を各サーマルコンテナ120の周りに配置し、サーマルコンテナ120の一部をデバイス100の他の部分(例えば、他のサーマルコンテナ120、コントローラ170、流体循環システム140の一部等)から絶縁し、及び/又は少なくとも一部熱的に隔離することができる。換言すると、各サーマルコンテナ120は、絶縁材料(
図1には示さず)を含み得、及び/又は絶縁材料(
図1には示さず)によって少なくとも部分的に囲まれ得る。例えば、いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ120は、約0.2W/mk~約1.8W/mkの熱伝導率を有する絶縁材料を含み得、及び/又は約0.2W/mk~約1.8W/mkの熱伝導率を有する絶縁材料によって少なくとも部分的に囲まれ得る。いくつかの実施形態では、このような絶縁材料は、例えば、注ぎ可能(pourable)独立気泡発泡絶縁体(例えば、約0.24W/mk)、ポリイソシアヌレート発泡体(例えば、約0.26W/mk)、ミネラルウール(例えば、約1.73W/mk)等であり得る。他の実施形態では、デバイス100及び/又はサーマルコンテナ120のいずれかの部分は、例えば、ポリプロピレン(例えば、約0.1W/mk~約0.22W/mk)、ナイロン6、ガラス30%入り(例えば、約0.23W/mk)などのガラス入りナイロン、エポキシ(例えば、約0.17W/mk)等などのプラスチックから形成され得る。いくつかの実施形態では、デバイス100を、例えば、比較的低い調理温度を使用する真空調理デバイスとして配置することにより、絶縁材料は、他の調理形態に関連付けられた動作温度の範囲よりも低い動作温度の範囲にわたる熱絶縁を提供し、他の調理法に不適当な種々の絶縁材料(例えば、ポリウレタン等)の使用を可能にすることができる。
【0020】
複数のサーマルコンテナ120を含む実施形態では、各サーマルコンテナ120を熱的に絶縁することで各サーマルコンテナ120の独立温度制御を可能にすることができる。例えば、一部のこうした実施形態では、サーマルコンテナは相対的に低温構成(例えば、保存又は冷蔵構成)にあり得る一方、隣接するサーマルコンテナは相対的に高温構成(例えば、調理構成)にあり得る。したがって、各サーマルコンテナ及び/又はその少なくとも一部を絶縁することにより、相対的に高温構成にあるサーマルコンテナに関連付けられた熱エネルギーを、相対的に低温構成にあるサーマルコンテナから実質的に隔離することができる。他の例では、サーマルコンテナ間の熱エネルギーの伝達は、任意の適切な手法で制御することができる。
【0021】
サーマルコンテナ120は、ある量の流体及び1つ以上の食品パッケージを受け入れるように構成された1つ以上の空間を画定する。例えば、いくつかの実施形態では、各サーマルコンテナ120は、壁又は仕切りによって互いに流体的に隔離された2つの空間(例えば、第1の空間及び第2の空間)を画定することができる。こうした実施形態では、本明細書中に更に詳細に記載されるように、壁又は仕切りは、壁又は仕切りを介して第1の空間と第2の空間との間で熱エネルギーを伝達することができるように比較的高い熱伝導率を有することができる。いくつかの実施形態では、第1の空間は、第1の種類の食品(例えば、肉類及び/又は他のタンパク質食品類)を受け入れるように構成することができ、第2の空間は、第2の種類の食品(例えば、野菜類、デンプン食品類、炭水化物食品類、ソース類等)を受け入れるように構成することができる。より具体的には、場合により、1つ以上の食品を予めパッケージ化することができ(例えば、流体密パッケージ内等)、これを更にカートリッジに結合させ、及び/又はそうでなければカートリッジ内に含める。いくつかの実施形態では、カートリッジ及びサーマルコンテナ120は、第1の種類の食品及び第2の種類の食品を含むカートリッジがサーマルコンテナ120内に所定の向きでのみ配置され得るように(例えば、形状又は大きさ、レール及び/又はグルーブなどの特徴等により)集合的に配置又は構成されている。したがって、カートリッジは、第1の種類の食品が第1の空間内に配置され、第2の種類の食品が第2の空間内に配置されるように、サーマルコンテナ120内に所定の向きで挿入されるように構成されている。本明細書中に更に詳細に記載されるように、調理前、サーマルコンテナ120は、その中に収容された食品を第1の所望の温度で保存するように構成することができ、コントローラ170により1つ以上の命令が実行されたことに応じて、加熱された流体の流れを受け入れることができ、及び/又はそうでなければ食品を第1の所望の温度よりも高い第2の所望の温度に加熱する(例えば、調理する)ために、サーマルコンテナ120内に収容された流体を加熱することができる。
【0022】
デバイス100の流体循環システム140は、任意の適切な形状、大きさ及び/又は構成であり得る。流体循環システム140は、例えば、デバイス100内に収容されるか又はデバイス100内を流れる水などの作動流体の温度を調整するように構成されている。例えば、流体循環システム140は、デバイス100内の任意の適切な数の流体流路を集合的に画定し得る任意の数の流体導管、チューブ、管、バルブ、ソレノイド、ポンプ、流体リザーバ等を含み得る。更に、流体循環システム140は、任意の数の熱交換器及び/又は熱交換器アセンブリ、ヒートシンク、加熱要素、スチーマ、熱拡散器、冷却要素、チラー等を含み得る。したがって、流体循環システム140は、デバイス内に収容されたある量の流体の温度を制御、変更、維持、及び/又はそうでなければ調整するように動作可能なコントローラ170及び/又は電源173から、それぞれ信号及び/又は電力を受信することができる。
【0023】
例として、いくつかの実施形態では、流体循環システム140は、例えば、水などのある量の流体を含むように構成された流体リザーバを含むことができ、流体リザーバは、したがって、任意の適切な数及び/又は配置の流体導管、バルブ、ポンプ、ソレノイド等を介して少なくとも1つのサーマルコンテナ120と選択的に流体連通する。同様に、流体循環システム140は、少なくとも1つのサーマルコンテナ120を1つ以上の熱交換器、冷却器及び/又は熱源と選択的に流体連通させるように構成された任意の適切な数及び/又は配置の流体導管、バルブ、ポンプ、ソレノイド等を含み得る。例えば、ユーザ入力(例えば、ローカル入力又はネットワークを介した入力のいずれか)、既定のスケジュール及び/又はイベント等に関連付けられた入力などの入力に応じて、コントローラ170は、流体循環システム140に信号を送信して、デバイス100内の水の流れ及び/又は温度を調整することができる。例えば、場合により、流体循環システム140は、1つ以上のバルブ又はソレノイドを開放し、サーマルコンテナ120からチラーアセンブリ(例えば、1つ以上の冷却器等)への流体流路、及びサーマルコンテナ120からインライン熱源などの1つ以上の熱源等への第2の流体流路を画定することができる。このようにして、本明細書中に更に詳細に記載されるように、チラーアセンブリ及び/若しくは冷却器内の第1の流体流路内又は1つ以上の熱源内の第2の流体流路内で流体(例えば、水)を循環させて、サーマルコンテナ120内に収容された流体の温度を制御することができる。
【0024】
コントローラ170は、デバイス100の少なくとも一部を少なくとも半自律的に制御するように構成された任意の適切な電子及び/又は電気機械式デバイスであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラ170は、デバイス100の少なくとも一部を制御するように構成された任意の適切な電子及び/又は電気機械式デバイスを含み得る。コントローラ170は、デバイス100内に配置された食品を保存及び調理するために任意の数の処理を実施することができ、及び/又は(例えば、フィードバック制御系、PLC、PID等を介した)デバイス100の一部の制御に関連付けられた任意の適切な命令若しくはコードを実行することができる。
【0025】
より具体的には、コントローラ170は、例えば、少なくとも電源173と、メモリと、プロセッサと、入力/出力(I/O)インターフェースとを含み得る。メモリは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、メモリバッファ、ハードドライブ、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)等であり得る。いくつかの実施形態では、上述のように、メモリは、デバイス100の1つ以上の部分の制御に関連付けられたモジュール、処理及び/又は機能をプロセッサに実行させるための命令を記憶する。コントローラ170のプロセッサは、汎用プロセッサ(GPP)、中央処理ユニット(CPU)、加速処理ユニット(APU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)等などの任意の適切な処理デバイスであり得る。プロセッサは、メモリに記憶された、デバイス100の1つ以上の部分の動作に関連付けられた命令セット又はコードを走らせるか又は実行するように構成され得る。I/Oインターフェースは、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)1394インターフェース(FireWire)、Thunderbolt(商標)インターフェース、Serial ATA(SATA)インターフェース又は外部Serial ATA(eSATA)インターフェース、ネットワークインターフェースカード(1つ以上のイーサネット(登録商標)ポート及び/又はワイヤレスフィデリティ(WiFi(登録商標))無線機、Bluetooth(登録商標)無線機、近接場通信(NFC)無線機、ZigBeeプロトコル無線機、Threadプロトコル無線機、無線識別(RFID)無線機等などの無線通信機を含む)であり得る。I/Oインターフェースは、プロセッサに信号を送信し、及び/又はプロセッサから信号を受信するように構成されている。同様に、I/Oインターフェースは、デバイスに含まれる、例えば、1つ以上のセンサ(例えば、流体レベルセンサ、流量センサ、温度計、サーミスタ等)、熱電冷却器(例えば、ペルチェ冷却器等)、圧縮器、液体熱交換器、ヒータ、ボイラ、蒸気発生器、ポンプ、光学式スキャナ、バーコードスキャナ、クイックレスポンス(QR)コードスキャナ、RFID送信機、インターインテグレーテッドサーキット(I2C)、ユニバーサル非同期受信/送信(UART)デバイス、シリアルペリフェラルインターフェース(SPI)デバイス等など、任意の適切な電気デバイス及び/又は電子デバイスから信号を受信し、且つ/又はこれらに信号(例えば、データ、電力等)を送信するように構成され得る。
【0026】
場合により、コントローラ170は、サーマルコンテナ120内に配置された食品の調理に関連付けられた1つ以上の処理を実施及び/又は実行することができる。こうした例では、コントローラ170は、例えば、任意の数のポンプ、バルブ、ソレノイド、熱交換器又は熱交換器アセンブリ、加熱要素、センサ(例えば、流体レベルセンサ、温度センサ等)等に、サーマルコンテナ120によって画定される空間の少なくとも一部内のある量の流体を実質的に所定の温度に維持することに関連付けられた信号を送信し、及び/又はこれらから信号を受信するように構成され得る。例えば、コントローラ170は、電源173に、サーマルコンテナ120に動作可能に結合された、及び/又はそうでなければサーマルコンテナ120内で循環しているある量の流体(例えば、水)の少なくとも一部と連通する1つ以上の加熱要素に電気エネルギーを送信させるための1つ以上の処理を実施することができる。したがって、加熱要素は、サーマルコンテナ120内に収容された及び/又はサーマルコンテナ120内で循環しているある量の流体に熱エネルギーを伝達することができ、これにより、したがって流体の温度を上昇させる。コントローラ170は、加熱要素から放出される熱エネルギーの量を調整し、例えば、加熱要素と、ある量の流体とを(実質的に)熱平衡の状態に維持するように構成され得る。更に、パッケージ(及び/又はカートリッジ)内に収容され、且つサーマルコンテナ120内に配置された食品は、ある量の流体中に浸漬されているため、デバイス100は、食品を真空調理状態で調理することができる(例えば、流体浸漬調理によって)。場合により、加熱要素と、サーマルコンテナ120内の又はサーマルコンテナ120内で循環しているある量の流体とを熱平衡(実質的に)に維持することにより、例えば、ある量の流体と食品とが(実質的に)熱平衡の状態に達するまで、ある量の流体は、その中に浸漬されている食品に熱エネルギーの一部を伝達する。このように、コントローラ170は、サーマルコンテナ120内に収容された食品を調理するためのデバイス100の少なくとも一部を所望の温度に、温度の変動がほとんどない状態で制御するように構成され得る。
【0027】
別の例として、場合により、コントローラ170は、食品の調理前、サーマルコンテナ120内に収容された食品を所定の温度に維持すること(例えば、冷蔵)に関連付けられた1つ以上の処理を実施及び/又は実行することができる。こうした例では、ユーザは、1つ以上のサーマルコンテナ120によって画定される空間にある量の流体(例えば、水)を注ぐことができる。加えて、ユーザは、例えば、所望の食品を含む1つ以上のパッケージ及び/又はカートリッジを、1つ以上のサーマルコンテナ120によって画定された空間に挿入することができる(例えば、1つのサーマルコンテナにつき少なくとも1つのパッケージ及び/又はカートリッジ)。上述のように、パッケージ及び/又はカートリッジ並びにパッケージ及び/又はカートリッジが挿入されるサーマルコンテナ120の配置は、パッケージ及び/又はカートリッジが所定の向き及び/又は構成で挿入されるような配置である。
【0028】
食品及び流体がサーマルコンテナ120内に配置された状態で、コントローラ170は、例えば、任意の数のポンプ、バルブ、ソレノイド、熱交換器又は熱交換器アセンブリ、センサ等に、サーマルコンテナ120によって画定される空間の少なくとも一部内の(及び/又はサーマルコンテナ120内で循環している)ある量の流体を実質的に所定の温度に維持することに関連付けられた信号を送信することができ、及び/又はこれらから信号を受信することができる。場合により、例えば、コントローラ170は、サーマルコンテナ120と、チラー、チラーアセンブリ、熱交換器、冷却器等との間に流体流路が画定されるように、流体循環システム140に1つ以上の信号を送信することができる。こうした例では、チラーアセンブリ(例えば、熱交換器)は、流体流路内を流れる流体から熱エネルギーを吸収し、熱エネルギーが、例えば、チラーアセンブリの外部環境に出るのを阻止することができるように構成され得る。換言すると、チラーアセンブリは、熱交換器及び/又はそうでなければ熱交換器に動作可能に結合されたチラー若しくはコールドシンクを流体が流れる際、流体を冷却することができる。したがって、冷却された流体は、サーマルコンテナ120によって画定される空間へと流れることができ、ある量の加温された流体は、チラーアセンブリに戻るように循環され得る(即ち、流体はサーマルコンテナ120内で循環する)。このようにして、流体は、サーマルコンテナ120によって画定される空間を実質的に所定の温度に維持することができ、これにより、したがってサーマルコンテナ120内に配置された食品から熱エネルギーを除去し、食品を実質的に所定の温度に維持することができる。場合により、所定の温度は、例えば、約40°Fであり得る。換言すると、コントローラ170は、食品の調理前にサーマルコンテナ120内の食品を冷蔵することに関連付けられた1つ以上の処理を実施するように構成され得る。
【0029】
上述のように、コントローラ170は、デバイス100内に収容された食品を第1の所定温度で少なくとも半自律的に保存する(例えば、冷却又は冷蔵)ことに関連付けられた任意の適切な処理を実施するように構成され得るとともに、デバイス100内に収容された食品を調理することに関連付けられた任意の適切な処理を実施することができる(例えば、食品の温度を、第1の所定温度よりも高い第2の所定温度に上昇させる)。例えば、コントローラ170は、1つ以上のプロセッサによって実行される命令を受信及び/又は記憶するように構成されたメモリを含む。コントローラ170は、任意の適切なソースからデータ及び/又は命令を受信することができる。例えば、上述のように、いくつかの実施形態では、デバイス100は、1つ以上のユーザインタフェースを有するハウジングを含むことができる。こうしたユーザインタフェースは、例えば、ディスプレイ又はタッチスクリーンディスプレイ、1つ以上のボタン、トグル、スイッチ、タイマ等を含み得る。したがって、ユーザは、ユーザインタフェースを介して、コントローラ170に任意の数の信号が送信されることになり得る任意の適切な動作を実施することができる。このような信号は、例えば、メモリに記憶され、プロセッサによって実行され得る命令を示すものであり得る。これに応じて、コントローラ170は、上述のものなど、デバイス100の制御に関連付けられた任意の適切な処理を実施することができる。
【0030】
図2に示すように、いくつかの実施形態では、デバイス100のコントローラ170は、コントローラ170をネットワーク171と通信させるように構成されたネットワークインターフェースカードなどのI/Oインターフェース(例えば、イーサネットポート及び無線通信機の少なくとも1つを含む)を含むことができる。ネットワーク171は、例えば、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、バーチャルローカルエリアネットワーク(VLAN)、インターネット、ロングタームエボリューションLTEなどのセルラーデータネットワーク等などの任意の適切なネットワークであり得る。ネットワークは有線又は無線ネットワークとして実施され得る。このようにして、ユーザは、ネットワーク171、及びハンドヘルド型コントローラ、モバイルデバイス、スマートフォン、タブレット、ノート型パソコン、パーソナルコンピュータ(PC)等などのリモート電子デバイス172を介してコントローラ170に信号をリモートで送信することができる。例えば、リモート電子デバイス172は、少なくともプロセッサ、メモリ、及びディスプレイを含むことができるとともに、例えば、パーソナルコンピュータアプリケーション、モバイルアプリケーション、ウェブページ等を走らせることができる。このように、ユーザは、デバイス100に関連付けられたデータが(例えば、アプリケーション、即ち「アプリ」を介して)リモート電子デバイス172のディスプレイ上にグラフィックで示されるようにリモート電子デバイス172を操作することができる。したがって、ユーザは、アプリと対話し、ネットワーク171を介してデバイス100のコントローラ170に信号を送信することができ、及び/又はデバイス100のコントローラ170から信号を受信することができる。こうした例では、ユーザは、リモート電子デバイス172を使用して、例えば、食品が完全に調理され、食す準備が整うべき目標時間を設定することができ、予めプログラムされた処理をオーバーライドすることができ、デバイス100をオン若しくはオフにすることができる(例えば、それぞれ「電源をオンにした」状態若しくは「電源をオフにした」状態にする)、且つ/又はコントローラ170及び/若しくはデバイス100の任意の他の適切な機能を制御することができる。
【0031】
上述のように、コントローラ170及び/又はデバイス100は、デバイス100の一部の動作又は動作の欠如に関連付けられたデータを収集し、このデータをコントローラ170に送信することができるように構成された任意の適切なセンサ、エンコーダ、スキャナ等を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス100は、デバイス100内に配置された食品に関連付けられたデータを走査、検知及び/又はそうでなければ受信するように構成された、バーコードスキャナ、QRコード(登録商標)スキャナ、NFCデバイス又は無線機、RFIDデバイス又は無線機等のスキャナを含むことができる。より具体的には、いくつかの実施形態では、食品は1つ以上のパッケージ内に配置され、パッケージのそれぞれは、その中に収容された食品を識別するように構成された少なくとも1つのバーコード、QRコード及び/又はRFIDタグを含み得る。デバイス100は、食品がデバイス100に挿入されたときにパッケージ上のコードを走査し、及び/又はそうでなければパッケージから信号を受信し、走査されたコード又は信号に関連付けられたデータに基づき、パッケージ内に収容された食品に関連付けられた情報を特定することができるように構成されたバーコード、QRコードスキャナ及び/又はRFIDトランシーバを含むことができる。このような情報又はデータは、例えば、コントローラ170のメモリ及び/又はコントローラ170のメモリに動作可能に結合されたデータベースに記憶され得る。本明細書中に更に詳細に記載されるように、情報及び/又はデータは、例えば、保存及び/又は調理手順、時間、温度、消費期限及び/又は任意の他の適切な情報を含み得る。
【0032】
図3~
図10は、一実施形態による半自律型流体浸漬調理デバイス200を示す。流体浸漬調理デバイス200(本明細書では「デバイス」とも称される)は、任意の適切な調理デバイス、機械及び/又はシステムであり得る。本明細書中に更に詳細に記載されるように、例えば、デバイス200は、調理前、食品を密封パッケージ内に保存し、デバイス200内に第1の温度で配置するように構成されており、デバイス200内に配置された食品を、食品と水などの循環する流体との間の熱伝達によって第1の温度を超える第2の温度で調理するように構成されている真空調理デバイスであり得る。デバイス200は、ハウジング210と、サーマルコンテナ220一式と、流体循環システム240と、コントローラ(
図3~
図10には示さず)とを含む。いくつかの実施形態では、デバイス200は、
図1及び
図2を参照して上述したデバイス100に実質的に類似し得る。したがって、デバイス200のいくつかの態様について、本明細書中において更に詳細には記載しない。例えば、
図3~
図10には示されていないが、デバイス200のコントローラは、デバイス100を参照して上述したコントローラ170に実質的に類似し得るか又は同じであり得る。したがって、デバイス200のコントローラは、デバイス200の少なくとも一部を制御するように構成された任意の適切な電子及び/又は電気機械式デバイスを含み得、及び/又はこれらと通信することができる。更に、コントローラは、例えば、電気コンセント、電池等などの任意の適切な電源に電気的に接続され得る。
【0033】
デバイス200のハウジング210は、サーマルコンテナ220一式、流体循環システム240及びコントローラ270を収容し、及び/又は少なくとも部分的に覆い囲むように構成されている。ハウジングは、任意の適切な形状、大きさ及び/又は構成であり得る。例えば、
図3に示すように、ハウジング210は実質的に矩形であり、例えば、台所の調理台、キャビネット等の上又はその中に配置するのに好適な大きさを有し得る。ハウジング210は、本体部分211及び蓋212を含む。蓋212は本体部分211に可動的に結合されており、閉鎖構成から開放構成に移行し、ハウジング210内に収容された構成要素にユーザがアクセスすることを可能にすることができる。
図3において、デバイス200は、デバイス200を開放構成と閉鎖構成との間で移行させるように構成された蓋212を含むものとして示されるが、他の実施形態では、デバイス200から蓋212をなくすことができる。例えば、いくつかの実施形態では、各サーマルコンテナ220は独自の蓋を含み得る。
【0034】
ハウジング210の本体部分211は、1つ以上のユーザインタフェース部213を含む。例えば、
図3に示される実施形態では、ハウジング210の本体部分211は5つのユーザインタフェース部213を含み、本明細書中に更に詳細に記載されるように、そのそれぞれは、例えば、ハウジング210内に配置された異なるサーマルコンテナ220と関連付けられている。ユーザインタフェース部213は、例えば、その関連付けられたサーマルコンテナ220及び/又はその中に収容された内容物(例えば、食品)に関する情報を提示するように構成されたディスプレイを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、ユーザインタフェース部213のディスプレイは、デバイス200が関連付けられたサーマルコンテナ220内に配置された食品を用いて調理する、計画された食事に関連付けられた情報をグラフィックで示すように構成され得る。例えば、場合により、ディスプレイは、「月曜日の夕食」若しくは「水曜日の昼食」などの文字及び/又は任意の他の適切な情報をグラフィックで表示することができる。一部の例では、ユーザインタフェース部213のディスプレイは、例えば、カロリー含有量、脂肪含有量、タンパク質含有量等など、その関連付けられたサーマルコンテナ220内に収容された食品に関する栄養成分表示をグラフィックで示すことができる。他の例では、ユーザインタフェース部213のディスプレイは、調理経過、又は関連付けられたサーマルコンテナ220の1つ以上の状況のステータス(例えば、調理完了までの推定時間、現在温度等)をグラフィックで示すことができる。情報の特定の例がユーザインタフェース部213のディスプレイによりグラフィックで示されているものの、本明細書中に記載される実施形態は、記載した特定の例に限定されるものではない。換言すると、ユーザインタフェース部213のディスプレイによってグラフィックで示される情報の特定の例は、このようなディスプレイがグラフィックで示すことができる情報の排他的又は網羅的一覧を意図するものではない。
【0035】
上述のように、サーマルコンテナ220一式の少なくとも一部、流体循環システム240の少なくとも一部、及びコントローラの少なくとも一部は、ハウジング210内に配置されるように構成されている。したがって、
図4~
図10は、ハウジング210のない状態のデバイス200の一部を示す。デバイス200のサーマルコンテナ220は、任意の適切な形状、大きさ及び/又は構成であり得るとともに、(例えば、メカニカルファスナー、接着剤、溶接、超音波溶接等により)取付プレート215に結合されるように構成され得る。
図5に示すように、取付プレート215は、サーマルコンテナ220へのアクセスを提供するように構成された開口部216一式を画定する。
図4及び
図5に示すように、サーマルコンテナ220一式は5つのサーマルコンテナ220を含む。他の実施形態では、デバイス200は任意の適切な数のサーマルコンテナ220を含み得る。各サーマルコンテナ220は、蓋228を含み且つ/又は蓋228に結合されており、蓋228は、第1の構成(例えば、
図4に示すような閉鎖構成)と第2の構成(例えば、
図5に示すような開放構成)との間で移行することができる。蓋228はそれぞれ、第1の構成(例えば、閉鎖構成)にあるとき、その関連付けられたサーマルコンテナ220によって画定される空間を流体的に隔離するように構成されている。例えば、蓋228は、第1の構成にあるとき、取付プレート215の表面との実質的に流体密封を形成することができるシール等を含み得る。
図3~
図10には示されていないが、デバイス200は、デバイス200の一部へのアクセスを選択的に可能にするように構成された任意の他の適切な蓋等を含み得る。例えば、デバイス200は、流体循環システム240に含まれる、例えば、蒸気リザーバ242等(例えば、
図4及び
図5を参照)などの1つ以上の流体リザーバにユーザがアクセスすることを可能にするように構成された1つ以上の蓋を含み得る。
【0036】
サーマルコンテナ220は、任意の適切な材料及び/又はそれらの組み合わせで形成され得、且つ/又はそれらを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ220は、アルミニウム、ステンレス鋼などの金属等で形成され得る。こうした実施形態では、サーマルコンテナ220の構成材料は、比較的高い熱伝導率を有することができる(上述のように、例えば、約10W/mk~約250W/mk)。換言すると、サーマルコンテナ220は、金属(例えば、アルミニウム、ステンレス鋼等)及び/又はセラミックスなどの熱を伝導する材料で形成され得、及び/又はそのような材料を含み得る。サーマルコンテナ220は、比較的高い熱伝導率を有する材料から形成されるが、比較的低い熱伝導率を有する材料又は材料の組み合わせ(上述のように、例えば、約0.1W/mk~約1.8W/mk)を各サーマルコンテナ220の周りに配置し、サーマルコンテナ220の一部をデバイス200の他の部分(例えば、他のサーマルコンテナ220、ハウジング210、流体循環システム240の一部等)から絶縁し、及び/又は少なくとも一部熱的に隔離することができる。換言すると、各サーマルコンテナ220は、例えば、ポリウレタンフォーム又は箔、シリコーン等(
図3~
図10には示さず)などの絶縁材料を含み得、及び/又はこのような絶縁材料によって少なくとも部分的に囲まれ得る。したがって、サーマルコンテナ120を参照して上述したように、各サーマルコンテナ220に関連付けられた温度を、例えば、隣接するサーマルコンテナ220又はデバイス200の他の部分に実質的に熱エネルギーを伝達することなく独立制御することができるように、絶縁材料は各サーマルコンテナ220を熱的に隔離することができる。更に、いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ220は、サーマルコンテナ220の熱伝導率を増加又は低下させることができる表面仕上げ及び/又はコーティングを含み得る。他の実施形態では、サーマルコンテナ220の少なくとも内部表面は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE又はテフロン(登録商標)としても知られる)などの付着防止仕上げ又はコーティングを含み得る。
【0037】
図3~
図10に示される実施形態では、サーマルコンテナ220は実質的に類似しており、取付プレート215に沿って均等に分配されている(
図5)。他の実施形態では、デバイスは、不均等なサーマルコンテナ一式を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスに含まれる第1のサーマルコンテナの大きさ及び/又は容量は、デバイスに含まれる第2のサーマルコンテナの大きさ及び/又は容量より大きくすることができる。こうした実施形態では、例えば、より大きいサーマルコンテナは、複数回分の食品を保存及び/又は調理するように構成され得る一方、より小さいサーマルコンテナは、1回分を保存及び/又は調理するように構成され得る。いくつかの実施形態では、肉及び/又はタンパク質食品を保存及び/又は調理するように構成されているサーマルコンテナの一部は、デンプン食品、野菜等を保存及び/又は調理するように構成されているサーマルコンテナの一部よりも小さくすることができる。こうした実施形態では、サーマルコンテナの一部を異なる大きさで形成することにより、デバイス200の全体的な大きさを低減することができる。更に、いくつかの実施形態では、サーマルコンテナの一部を異なる大きさで形成することで、食品パッケージ及び/又はコンテナがサーマルコンテナ内に所定の向きで配置されること等を確実にすることができる。
【0038】
図6及び
図7に示すように、各サーマルコンテナ220は、第1の部分221と、第2の部分222と、取付フランジ223と、底板224とを含む。取付フランジ223は、サーマルコンテナ220を取付プレート215に取り付けるように構成され得る(例えば、
図10を参照)。底板224は、開口部225一式を画定し、開口部225一式は、流体の流れが開口部225一式を通ることを可能にするように構成されている。より具体的には、底板224は、第1の部分221と位置合わせされた及び/又はそうでなければ流体連通する第1の開口部225と、第2の部分222と位置合わせされた及び/又はそうでなければ流体連通する第2の開口部225とを画定する。したがって、第1及び第2の開口部225は、第1の部分221及び第2の部分222をそれぞれ流体循環アセンブリ240の一部と流体連通させることができる。いくつかの実施形態では、開口部225はまた、サーマルコンテナ220の第1の部分221と第2の部分222との間に流体連通を設けることができる。
図6及び
図7には示されていないが、本明細書中に更に詳細に記載されるように、サーマルコンテナ220の第1の部分221及び/又は第2の部分222は、任意の他の適切な開口部等を画定することができ、任意の他の適切な開口部等は、それを通る流体の流れを受け入れるように構成されている。
【0039】
図7に示すように、各サーマルコンテナ220は、また、サーマルコンテナ220の一部に熱エネルギーを伝達するように構成された加熱要素260一式を含み、及び/又はこれに少なくとも動作可能に結合されている。加熱要素260は、例えば、放射加熱要素、誘導加熱要素、蒸気発生器要素などの任意の適切な構成等であり得る。
図7に示すように、加熱要素260一式は、例えば、2つの加熱要素260を含む。2つの加熱要素260は、実質的に類似し得るか又は2つの異なる種類の加熱要素であり得る。他の実施形態では、サーマルコンテナ220は、より多数若しくはより少数の加熱要素260を含み得、及び/又はより多数若しくはより少数の加熱要素260に少なくとも動作可能に結合され得る。1つのサーマルコンテナ220に含まれた及び/又は動作可能に結合された加熱要素260は、他のサーマルコンテナ220に含まれた及び/又は動作可能に結合された加熱要素260から独立して動作することができる。いくつかの実施形態では、デバイス200は、各ゾーンを独立制御することができるマルチゾーン式加熱要素等を含み得る。したがって、本明細書中に更に詳細に記載されるように、デバイス200は、例えば、加熱要素260及び流体循環システム240の動作状態を制御することにより、各サーマルコンテナ220内に収容された異なる量の流体の温度を独立して制御するように構成され得る。
【0040】
加熱要素260は、サーマルコンテナ220に含まれるか、又は少なくともサーマルコンテナ220に動作可能に結合されるものとして
図7を参照して上述したが、他の実施形態では、デバイス200は、デバイス200内の任意の適切な位置に配置された任意の適切な熱源及び/又は要素を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、加熱要素260は、(例えば、流体循環システム240によって画定される)流体流路に沿った任意の適切な位置に配置された、例えば、「インライン」及び/又は「フロースルー」加熱要素であり得る。他の実施形態では、加熱要素260は熱交換器であり得、及び/又はそうでなければ熱交換器アセンブリに含まれ得る。いくつかの実施形態では、加熱要素260は、例えば、デバイス200の後部部分若しくはその近傍に配置され得、及び/又はそうでなければサーマルコンテナ220から分離され得る。こうした実施形態では、サーマルコンテナ220から離れたデバイス200の後部又はその近傍の適所に加熱要素260を配置することで、各サーマルコンテナ220を残りのサーマルコンテナ220及び/又はデバイス200の他の部分から絶縁するために使用される熱絶縁体(図示せず)の量を低減することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ220の第1の部分221とサーマルコンテナ220の第2の部分222とは、(例えば、独立した製造工程によって)独立して形成することができ、溶接、超音波溶接、接着剤等により結合することができる。同様に、取付フランジ223及び底板224は、第1の部分221及び/又は第2の部分222から独立して形成することができ、溶接、超音波溶接、接着剤等により第1の部分221及び/又は第2の部分222に結合することができる。他の実施形態では、各サーマルコンテナ220は、例えば、鋳造、射出成形、スタンピング(例えば、深絞りスタンピング)等により形成された、一体的に作製されたコンテナであり得る。更に他の実施形態では、サーマルコンテナ220一式は、一体的に構築されたコンテナ一式であり得る。
【0042】
示されているように、サーマルコンテナ220の第1の部分221は第1の空間226を画定し、サーマルコンテナ220の第2の部分222は第2の空間227を画定する。サーマルコンテナ220の配置は、第1の空間226が第2の空間227から流体的に隔離されるような配置である。より具体的には、サーマルコンテナ220は、壁229の第1の側に第1の空間226の一部、及び壁229の第2の側に第2の空間227の一部を画定するように構成された内壁229を含む。いくつかの実施形態では、壁229は、第1の空間226と第2の空間227との間で熱エネルギーを伝達するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、壁229は、サーマルコンテナ220の一部で及び/又はサーマルコンテナ220の一部によって形成され得るため、サーマルコンテナ220と実質的に同じ構成材料(上述のように、例えば、比較的高い熱伝導率を有する)で形成され得、及び/又はそのような材料を含み得る。したがって、例えば、第1の空間226内の温度が第2の空間227に対して上昇するにつれて、第1の空間226と第2の空間227との間の温度差によって熱エネルギーが壁229の相対的に高温側から壁229の相対的に低温側へと伝達されることとなり、それにより、第1の空間226から第2の空間227へ(又はこの反対に)熱エネルギーを伝達する。他の実施形態では、壁229は、壁229における熱エネルギーの伝達を選択的に制御するように構成された任意の適切な材料若しくは材料の組み合わせで、及び/又は任意の適切な材料若しくは材料の組み合わせから形成され得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ220の第1の空間226及びサーマルコンテナ220の第2の空間227は、異なる種類の食品を保存及び/又は調理するように構成され得る。例えば、第1の空間226は、例えば、肉類及び/又は他のタンパク質食品類などの第1の種類の食品を受け入れるように構成することができ、第2の空間227は、例えば、野菜類、デンプン食品類、炭水化物食品類等などの第2の種類の食品を受け入れるように構成することができる。したがって、いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ220は食品を所定の配置及び/又は向きで受け入れるように構成することができる。例えば、サーマルコンテナ220内に配置されるように構成された食品は、所定の大きさ、形状及び/又は構成を有する流体密パッケージ及び/又はカートリッジ内に収容され得る。
図6及び
図7に示すように、壁229は、壁229の縁端部に沿った所定の位置に位置合わせノッチ230を画定し、位置合わせノッチ230は、パッケージ及び/又はカートリッジの一部を受け入れ且つ/又は係合し、それにより、サーマルコンテナ220内のパッケージ及び/又はカートリッジを位置合わせするように構成されている。いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ220の内部表面は、パッケージ又はカートリッジの少なくとも一部がサーマルコンテナ220に挿入されたときにパッケージ又はカートリッジの少なくとも一部を係合し、及び/又はそうでなければ案内するように構成された1つ以上のレール、ガイド、突起、グルーブ、軌道、チャネル等(図示せず)を含み得る。こうした実施形態では、パッケージ及び/又はカートリッジがサーマルコンテナ220内に所定の向きで(例えば、1つの向き及び/又は構成のみで)配置されるように、位置合わせノッチ230及びレール、ガイド、グルーブ等がパッケージ及び/又はカートリッジの一部に集合的に係合し得る。したがって、第1の部分221及び第2の部分222の配置は、それぞれ第1の種類の食品及び第2の種類の食品に関連付けられた望ましい保存条件及び/又は調理条件に少なくとも部分的に基づき得る。
【0044】
例えば、いくつかの実施形態では、第1の部分221及び第2の部分222は、それぞれ異なる加熱要素260と関連付けられ得る。いくつかの実施形態では、例えば、サーマルコンテナ220の第1の部分221に関連付けられた及び/又は少なくとも動作可能に結合された加熱要素260は、放射加熱要素であり得る一方、サーマルコンテナ220の第2の部分222に関連付けられた及び/又は少なくとも動作可能に結合された加熱要素260は、蒸気発生加熱要素であり得る。したがって、本明細書中に更に詳細に記載されるように、第1の部分221と関連付けられた加熱要素260は、第1の空間226内に配置されたある量の流体を加熱して、例えば、肉及び/又は他のタンパク質食品類を調理するように構成することができ、第2の部分222と関連付けられた加熱要素260は、第2の空間227内にある量の蒸気を発生させ、例えば、野菜類、デンプン食品類、炭水化物食品類等を調理するように構成することができる。
【0045】
例えば、調理前、デバイス200がサーマルコンテナ220内に食品を保存している場合、第1の部分221及び第2の部分222の配置は、冷却されたある量の流体が少なくとも第1の空間226内で循環するような配置とすることができ、これにより、したがって第1の空間226を温度閾値未満に維持することができる。逆に、例えば、野菜を受け入れるように構成された第2の空間227では、野菜を相対的に低温のある量の流体に曝露させること及び/又は相対的に低温のある量の流体中に野菜を浸漬することは望ましくない場合がある。したがって、壁229の配置は、第2の空間227からの熱エネルギーが壁229を通じて運ばれ、相対的に低温の流体の流れが壁229に対して流れる際に熱エネルギーの少なくとも一部が壁229の表面から除去されるような配置とされ得る。換言すると、調理前にデバイス200が食品を保存している場合、壁229又はその少なくとも一部は、第2の空間227から第1の空間226へと熱エネルギーを伝達するように構成された熱交換器を形成することができ、及び/又はそうでなければ第2の空間227から第1の空間226へと熱エネルギーを伝達するように構成された熱交換器として機能することができる。したがって、サーマルコンテナ220の第1の空間226及びサーマルコンテナ220の第2の空間227は、調理前、その中に収容された食品を保存する(例えば、冷蔵する)ために、十分に低温の所定の温度に維持され得る。
【0046】
デバイス200の流体循環システム240は、任意の適切な形状、大きさ及び/又は構成であり得る。流体循環システム240は、デバイス200の一部で流体(例えば、水)を循環させ、流体がデバイス200の一部を流れる際に流体の温度を調整するように構成されている。例えば、
図8~
図10に示されているように、流体循環システム240は、ドレンリザーバ241と、蒸気リザーバ242と、チラーアセンブリ243(第1の熱交換器244と、第2の熱交換器250と、熱交換器ポンプ255とを有する)と、循環ポンプ256一式(例えば、1つのサーマルコンテナ220につき1つ以上)、バルブ257一式と、流体導管258一式とを含む。
図3~
図10には示されていないが、コントローラ及び/又はコントローラに含まれる1つ以上のプロセッサは、流体循環システム240の制御に関連付けられた命令セット又はコードを実行するように構成され得る。例えば、コントローラは、1つ以上のバルブ257を開放構成から閉鎖構成へと(又はこの反対に)移行させることに関連付けられた処理を実施及び/又は実行することができ、熱交換器ポンプ255及び/又は循環ポンプ256一式等内の流量を増加又は減少させる。コントローラ170を参照して上述したように、場合により、コントローラは、任意の数のセンサ、エンコーダ、温度計、サーミスタ、充填インジケータ等からの信号(及び/又は信号内に含まれるデータ)に基づき、流体循環システム240の少なくとも一部を制御することができる。他の例では、本明細書中に更に詳細に記載されるように、コントローラは、ローカル又はリモートユーザ入力に関連付けられたデータに基づき、流体循環システム240の少なくとも一部を制御することができる。
【0047】
流体循環システム240は、ドレンリザーバ241と、蒸気リザーバ242と、チラーアセンブリ243と、各サーマルコンテナ220との間の流体流路を画定するように構成されている。いくつかの実施形態では、流体循環システム240はまた、各サーマルコンテナ220とインラインヒータなどの熱源等との間の流体流路を画定する。
図3~
図10に示される実施形態では、流体循環システム240は、各サーマルコンテナ220と関連付けられた独立流体流路を画定する。換言すると、各サーマルコンテナ220の流体流路は、同じドレンリザーバ241及び/又は同じ蒸気リザーバ242と流体連通する一方、流体循環システム240によって画定される残りの流体流路から流体的に隔離される。したがって、デバイス200は、各サーマルコンテナ220に関連付けられた温度を独立制御することができる。
【0048】
1つのサーマルコンテナ220の1つ以上の流体流路の一例を、以下で
図9を参照して記載する。特定のサーマルコンテナ220について記載しているが、デバイス200に含まれる各サーマルコンテナ220に対して類似の流体流路を画定することができ、したがって、各サーマルコンテナ220に関連付けられた温度を独立制御し得ることは理解すべきである。示されているように、第1の流体導管258Aは、底板224によって画定される開口部225を通じて、サーマルコンテナ220によって画定される第1の空間226と流体連通している。第1の流体導管258Aは、第1の空間226を循環ポンプ256と流体連通させる。
図9に示されていないが、いくつかの実施形態では、流体循環システム240は、底板224によって画定される開口部225を選択的に閉じる及び/又は閉鎖することで第1の空間226を循環ポンプ256から流体的に隔離するように構成されたバルブ、ソレノイド等を含み得る。
【0049】
循環ポンプ256は、第2の流体導管258Bを介して第1のバルブ257Aと流体連通している。第1のバルブ257Aは、したがって、第3の流体導管258Cを介して第2のバルブ257Bと流体連通しており、第4の流体導管258Dを介して第3のバルブ257Cと流体連通している。このように、第1のバルブ257Aは、循環ポンプ256と、第2のバルブ257B(例えば、第1のバルブ257A、第2の流体導管258B、及び第3の流体導管258Cを介して)又は第3のバルブ257C(例えば、第1のバルブ257A、第2の流体導管258B、及び第4の流体導管258Dを介して)との間に流体連通を選択的に設けるように構成されている。第2のバルブ257Bは、第5の流体導管258Eを介してチラーアセンブリ243と、及び第6の流体導管258Fを介してドレンリザーバ241と流体連通している。第3のバルブ257Cは、第4の流体導管258Dを介して第1のバルブ257Aと(上述のように)、第7の流体導管258Gを介してチラーアセンブリ243と、及び第8の流体導管258Hを介してサーマルコンテナ220の第1の空間226と流体連通している。
図9には示されていないが、いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ220は、第8の流体導管258Hを第1の空間226と選択的に流体連通させるように構成されたバルブ、ソレノイド等を有し得る入口ポート等を含み得る。他の実施形態では、第8の流体導管258Hは逆止弁等を含み得、及び/又は逆止弁等を形成し得る。
【0050】
流体が流体流路内を流れ、例えば、サーマルコンテナ220の第1の空間226内で循環することができる流体流路を画定するものとして上記したが、流体循環システム240は、サーマルコンテナ220の第2の空間227内で流体を循環させるように構成された1つ以上の流体流路を画定する。例えば、
図9に示すように、第9の流体導管258Jは、底板224によって画定される開口部225を通じて、サーマルコンテナ220によって画定される第2の空間227と流体連通している。第9の流体導管258Jは第2の空間227を第4のバルブ258Dと流体連通させる。
図9に示されていないが、いくつかの実施形態では、流体循環システム240は、底板224によって画定される開口部225を選択的に閉じる及び/又は閉鎖することで第2の空間227を第4のバルブ258Dから流体的に隔離するように構成されたバルブ、ソレノイド等を含み得る。第4のバルブ257Dは、第10の流体導管258Kを介して蒸気リザーバ242と流体連通しており、第11の流体導管258Lを介して第5のバルブ257Eと流体連通している。第5のバルブ257Eは、第12の流体導管258Mを介してドレンリザーバ241と流体連通している。本明細書中に更に詳細に記載されるように、ドレンリザーバ241と、蒸気リザーバ242と、チラーアセンブリ243と、サーマルコンテナ220との間の流体流路のこの配置構成は、サーマルコンテナ220の第1の部分221及びサーマルコンテナ220の第2の部分222と関連付けられた流体の流れ及び/又は温度を、デバイス200が選択的に及び/又は独立的に制御することを可能にする。
【0051】
上述のように、チラーアセンブリ243は、サーマルコンテナ220の第1の空間226へと流れ、及び/又はサーマルコンテナ220の第1の空間226内を流れる流体を冷却するように構成されている。チラーアセンブリ243は、任意の適切な配置及び/又は構成であり得る。例えば、
図10に示すように、チラーアセンブリ243の第1の熱交換器244は、マニホールド245と、冷却プレート246と、取付ブロック247一式と、熱電チラー248一式(例えば、ペルチェ冷却器及び/又は任意の他の適切な熱電冷却器)と、コールドシンク249一式とを有するシェルアンドチューブ型熱交換器等であり得る。取付ブロック247は、第2の熱電チラー248が取付ブロック247とコールドシンク249との間に配置されるように、コールドシンク249に結合されるように構成されている。取付ブロック247は、また、冷却プレート246に結合されており、冷却プレート246は、したがって第1の熱交換器244に結合されている。このように、コントローラは、例えば、電流の流れを送ることができ、及び/又は電流の流れを熱電チラー248に送らせることができ、コールドシンク249に接触している熱電チラー248の第1の側(例えば、低温側)から、取付ブロック247に接触している熱電チラー248の第2の側(例えば、高温側)への熱エネルギーの伝達を生じさせることができる。加えて、第1の熱交換器244は、例えば、冷却プレート246から熱エネルギーを除去することができる冷却された作動流体の流れを受け入れることができる。したがって、本明細書中に更に詳細に記載されるように、冷却プレートが第1の熱交換器244及び取付ブロック247と接触している状態で、熱エネルギーをコールドシンク249から第1の熱交換器244の作動流体へと伝達することができる。
【0052】
第2の熱交換器250はシェルアンドチューブ型熱交換器等であり、入口251及び出口252を有し、1つ以上のファン253に結合されている。
図10には示されていないが、熱交換器244及び熱交換器250は、それぞれ流体導管等を介して熱交換器ポンプ255に流体的に結合されている。例えば、第1の流体導管は、第2の熱交換器250の出口252を第1の熱交換器244のマニホールド245の入口に流体的に結合することができ、第2の流体導管は、第1の熱交換器244のマニホールド245の出口を熱交換器ポンプ255に流体的に結合することができ、第3の流体導管は、熱交換器ポンプ255を第2の熱交換器250の入口251に流体的に結合することができる。このように、熱交換器ポンプ255は、第1の熱交換器244及び第2の熱交換器250内で作動流体(例えば、R-134a等のハロアルカン冷却剤、水性グリコール混合物、ベタイン等などの冷却剤)を循環させ、デバイス200内で循環している流体を冷却し、及び/又はそうでなければデバイス200内で循環している流体から熱を除去するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第1の熱交換器244の出口と第2の熱交換器250の入口251との間のポンプを流体的に結合することによることは、作動流体の流れが第1の熱交換器244を出た後、ポンプによって行われる仕事から生じる熱が作動流体に伝達されるようなものである。例えば、
図8~
図10では、ポンプ255について特に上記し、示したが、他の実施形態では、ポンプ255は任意の適切な構成であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、ポンプは内蔵リザーバ等を含み得る。
【0053】
更に詳述すると、低温作動流体は第2の熱交換器250の出口252を出て、第1の熱交換器244のマニホールド245に流れることができる。第1の熱交換器244内を作動流体が流れる際、作動流体は冷却プレート246から熱を除去する。したがって、冷却プレート246は冷却され、冷やされ、及び/又はそうでなければ低い熱エネルギーを伴う。冷却プレート246が作動流体によって冷却されることで、冷却プレート246は、取付プレート247及び熱電チラー248の高温側(上述のような)の熱エネルギーよりも小さい熱エネルギーを有することができる。同様に、サーマルコンテナ220からチラーアセンブリ243のコールドシンク249を通って流れる流体は、熱電チラー248の低温側の熱エネルギーよりも高い温度及び/又は熱エネルギー量を有する。したがって、第1の熱交換器244内を流れる作動流体(例えば、冷却剤)は、コールドシンク249内を流れる流体(例えば、水)から熱エネルギーを除去し、その後、例えば、第1の流体導管258Aを介して第1の空間226から循環ポンプ256へと流れる流体の温度よりも低い温度を有して、第1の熱交換器244から、サーマルコンテナ220の第1の部分221によって画定される内空間226へと流れることができる。
【0054】
加熱された作動流体(例えば、冷却剤)は、第1の熱交換器244から熱交換器ポンプ255へと流れることができ、熱交換器ポンプ255は、したがって、作動流体を第2の熱交換器250の入口251へと圧送する。第2の熱交換器250内を流れる作動流体は熱を拒絶し得、及び/又はそうでなければ1つ以上のファン253により第2の熱交換器250の一部(例えば、外部表面)に沿って発生した空気の流れによって冷却され得る。したがって、作動流体は、「再充填」(即ち、冷却)することができ、出口252を通って第2の熱交換器250を出ることができ、第1の熱交換器244の入口へと流れることができる。このようにして、デバイス200及び/又はデバイス200の少なくとも一部が保存構成にあるとき、流体は流体リザーバ241から、流体が冷却されるコールドシンク249を通ってサーマルコンテナ220の第1の空間226へと流れることができる。
【0055】
例えば、コントローラは、デバイス200の少なくとも一部を保存構成(例えば、
図9に示されるサーマルコンテナ220に関連付けられた保存構成)にするための1つ以上の処理を実施することができる。特に、コントローラは、循環ポンプ256が流体を第1の流体導管258Aを介して内空間226から引き、第2の流体導管258を介して第1のバルブ257Aへと送るという結果をもたらす信号を循環ポンプ256に送信することができる。コントローラは、また、第1のバルブ257A、第2のバルブ257B、及び第3のバルブ257Cに、バルブ257A、バルブ257B、及びバルブ257Cのそれぞれを第1の構成にする信号を送信することができ、第1のバルブ257Aが第3の流体導管258Cを第2の流体導管258Bと流体連通させ、第2のバルブ257Bが第5の流体導管258E(したがって、コールドシンク249)を第3の流体導管258Cと流体連通させ、第3のバルブ257Cが第8の流体導管258H(したがって、サーマルコンテナ220の第1の空間226)を第7の流体導管258G(したがって、コールドシンク249)と流体連通させる。したがって、コントローラが、例えば、
図9に示されるサーマルコンテナ220に関連付けられたデバイス200を保存構成にする場合、流体循環システム240の関連部分は、冷却された又は低温流体をサーマルコンテナ220の第1の部分221内で循環させ、それにより、第1の部分221に収容された食品を所望の保存温度に維持することができる。例えば、いくつかの実施形態では、流体は、サーマルコンテナ220の第1の空間226内の温度を40°Fに又は約40°Fに維持するように構成され得る。更に、コントローラは、任意の適切なセンサ、サーミスタ等から1つ以上の信号を受信することができ、1つ以上の信号内に含まれるデータに基づき、流体循環システム240の少なくとも一部を能動的に制御し、ある量の流体と関連付けられた温度を上昇又は低下させることができる。
【0056】
加えて、デバイス200がこのような保存構成にある状態で、コントローラは、第1の構成にある第4のバルブ257D及び/又は第5のバルブ257Eにより、サーマルコンテナ220の第2の空間227を蒸気リザーバ242から流体的に隔離させることができる。例えば、場合により、第2の空間227は流体が実質的にない状態であり得る。上述のように、しかしながら、サーマルコンテナ220の壁229は、サーマルコンテナ220の第1の部分221と第2の部分222との間で熱エネルギーを伝達するように構成されている。したがって、第1の部分221の内空間226内で循環している冷却及び/又は低温流体は、壁229から熱エネルギーの一部を除去する(例えば、壁229を冷却する)ことができる。その結果、サーマルコンテナ220の第2の空間227内の温度は、所与の温度に又は所与の温度未満に制御及び/又はそうでなければ維持される。場合により、第1の空間226の温度は、例えば、肉及び/又はタンパク質食品を保存するための所望の温度と関連付けられ得る一方、第2の空間227の温度は、例えば、野菜類、デンプン食品類、炭水化物食品類等を保存するための所望の温度(第1の部分221と関連付けられた温度に実質的に等しいか、又は第1の部分221と関連付けられた温度よりも高い)と関連付けられ得る。更に、場合により、第4のバルブ257D及び/又は第5のバルブ257Eを第1の構成にすることで、サーマルコンテナ220の第2の空間227とドレンリザーバ241との間に流体連通を設けることができ、凝縮した流体等を第2の空間227からドレンリザーバ241へと排出することができる。他の実施形態では、第4のバルブ257Dは、第2の空間227を第5のバルブ257E、したがってドレン空間241から流体的に隔離することができる。
【0057】
コントローラはサーマルコンテナ220を保存構成(例えば、冷蔵構成)にするものとして上述したが、コントローラは、デバイス200の少なくとも一部を調理構成及び/又は調理モード(例えば、
図9に示されるサーマルコンテナ220に関連付けられた調理構成)にするために1つ以上の処理を実施することができる。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラは、第1のバルブ257A、第2のバルブ257B、及び第3のバルブ257Cを第2の構成にし、流体循環システム240を、サーマルコンテナ220に関連付けられた冷蔵構成からサーマルコンテナ220に関連付けられた調理構成へと移行させることができる。したがって、第1のバルブ257Aは第3の流体導管258Cを第2の流体導管258Bから流体的に隔離し、代わりに第4の流体導管258Dを第2の流体導管258Bと流体連通させる。第2のバルブ257Bは、第2の構成にあるとき、少なくとも第5の流体導管258E(したがって、コールドシンク249)が第3の流体導管258Cから流体的に隔離されるように、例えば、閉鎖などされ得る。第3のバルブ257Cは、例えば、第7の流体導管258G(したがって、コールドシンク249)を第4の流体導管258D及び第8の流体導管258Hから流体的に隔離し、代わりに第4の流体導管258Dを第8の流体導管258H(したがって、サーマルコンテナ220の第1の空間226)と流体連通させる。したがって、コントローラは、流体循環システム240を、循環ポンプ256、第1のバルブ257A及び第3のバルブ257C、並びに第1の流体導管258A、第2の流体導管258B、第4の流体導管258D及び第8の流体導管258H内を流体が流れる構成にすることができる。換言すると、流体は、チラーアセンブリ243から流体的に隔離された実質的に閉じた流路内を流れることができる。
【0058】
他の実施形態では、コントローラは循環ポンプ256を、循環ポンプ256が流体を圧送しない、例えば「電源をオフにした」状態にすることができる。こうした実施形態では、サーマルコンテナ220の第1の空間226内の流体は、流体循環システム240の一部内を流体が実質的に流れないように平衡状態であり得る。
【0059】
サーマルコンテナ220の第1の空間226がチラーアセンブリ243(例えば、冷却源)から流体的に隔離された状態で、コントローラは、加熱要素260を「電源をオンにした」状態にすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラは、電源等に信号を送信することができ、電源は、したがって加熱要素260に電流を供給することができる。加熱要素260に供給される電流は、加熱要素260に関連付けられた熱エネルギーの増加をもたらす。換言すると、加熱要素260は電源をオンにされ、熱を生成、発生、放射及び/又はそうでなければ出力する。したがって、加熱要素260がサーマルコンテナ220(例えば、
図7及び
図9を参照)に少なくとも動作可能に又は熱的に結合されている状態で、加熱要素260によって生成された熱エネルギーの少なくとも一部がサーマルコンテナ220の第1の空間226内のある量の流体を加熱する。したがって、食品がある量の流体中に浸漬されるように食品がパッケージ及び/又はカートリッジ内に収容され、サーマルコンテナ220内に配置された状態で、デバイス200は、食品を真空調理状態で調理することができる(例えば、流体浸漬調理によって)。場合により、加熱要素260とサーマルコンテナ220内のある量の流体とを(実質的に)熱平衡に維持することにより、例えば、ある量の流体と食品とが(実質的に)熱平衡の状態に達するまで、ある量の流体は、その中に浸漬されている食品に熱エネルギーの一部を伝達する。上述のように、加熱要素260は、例えば、サーマルコンテナ220に結合されたものとして示されているが、他の実施形態では、デバイス200は、例えば、「インライン式」の及び/又はそうでなければサーマルコンテナ220から分離された加熱要素を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス200は、第4の流体導管258D内にインライン熱源を含み得、及び/又はそうでなければ第1のバルブ257Aと第3のバルブ257Cとの間に流体的に結合されている。したがって、インライン熱源は、流体が第1のバルブ257Aから第3のバルブ257Cへと流れるにつれて、流体の流れを加熱することができる。
【0060】
加えて、コントローラは、第4のバルブ257Dを第2の構成にすることができる。したがって、第4のバルブ257Dは、第4のバルブ257D並びに第9の流体導管258J及び第10の流体導管258Kを介して蒸気リザーバ242と第2の空間227との間に流体連通を設けることができる。更に、第4のバルブ257Dは、第11の流体導管258Lを第9の流体導管258J及び第10の流体導管258Kから流体的に隔離することができる。したがって、サーマルコンテナ220の第2の部分222(例えば、蒸気発生器等)と関連付けられた加熱要素260が電源オン状態にあるとき、蒸気は蒸気リザーバ242から第2の空間227へと流れることができる。したがって、コントローラは、それぞれ第1の空間226及び第2の空間227内の流体の温度及び/又は蒸気を制御するように構成され得る。場合により、第1の空間226内の流体の温度は、例えば、第1の空間226内に配置された肉及び/又はタンパク質食品を調理するための所望の温度と関連付けられ得る一方、第2の空間227内の蒸気の温度は、例えば、野菜類、デンプン食品類、炭水化物食品類等の調理及び/又はスチーミングのための所望の温度と関連付けられ得る。更に、例えば
図9に示されているサーマルコンテナ220に関連付けられた流体流路がチラーアセンブリ243から流体的に隔離されている状態で、及びサーマルコンテナ220が、例えば、他のサーマルコンテナ220(例えば、
図4、
図5及び
図8を参照)から熱的に隔離されている状態で、
図9を参照して記載したサーマルコンテナ220内の食品を調理することができる一方、他のサーマルコンテナ220内の食品を例えば冷蔵温度などのより低い温度で例えば保存することができる。他の実施形態では、サーマルコンテナ220の任意の適切な組み合わせは、保存構成又は調理構成にあり得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、デバイス200がその中に収容された食品を調理した後、コントローラは、デバイス200を例えば保持構成にするように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス200が1つ以上のサーマルコンテナ220内の所望の量の食品を調理した後、コントローラは、加熱要素260から流体の流れへと伝達される熱エネルギー量を低減するように構成され得る。したがって、1つ以上のサーマルコンテナ220の少なくとも第1の部分221内を流れる流体の温度を所望の「保持」温度等に低下させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス200は、1つ以上のサーマルコンテナ220内の食品を約170°F及び/又は任意の他の適切な調理温度で調理するように構成することができ、完了すると、流体の温度を(即ち、加熱要素260から放出される熱エネルギーの量を低減することによって)約140°F及び/又は任意の他の適切な保持温度に低下させることができる。したがって、食品が調理された後、ユーザが調理済みの食品を食す準備ができるまで食品を安全な温度に維持することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、デバイス200がその中に収容された食品を調理した後、コントローラは、デバイス200を例えばドレン構成にするように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラは、第3の流体導管258Cが第2の流体導管258Bと流体連通する一方、第4の流体導管258Dが第4の流体導管258Dを流体的に隔離するように、第1のバルブ257Aを第1の構成にすることができる。コントローラは、第6の流体導管258Fが第3の流体導管258Cと流体連通する一方、第5の流体導管258Eを流体的に隔離するように、第2のバルブ257Bを第3の構成にすることができる。したがって、流体は、第1の空間226からドレンリザーバ241へと流れることができる。同様に、コントローラは、第4のバルブ257Dを、第11の流体導管257Lが第9の流体導管257Jと流体連通する一方、第10の流体導管258Kが流体的に隔離される第3の構成にすることができ、第5のバルブ257Eを、第12の流体導管258Mが第11の流体導管258Lと流体連通する第2の構成にすることができる。したがって、流体は、第2の空間227からドレンリザーバ241へと流れることができる。このようにして、調理済みの食品はサーマルコンテナ220内に配置され得るが、もはや流体には浸漬されていない。
【0063】
図1及び
図2のデバイス100を参照して記載したように、コントローラは、デバイス200を少なくとも半自律的に制御して、デバイス200内に収容された食品を保存及び/又は調理することができる。例えば、場合により、パッケージ又はカートリッジ(
図3~
図10には示さず)内に配置された食品は、食事の肉及び/又はタンパク質食品部分が第1の空間226内に配置され、食事の野菜及びデンプン食品部分が第2の空間227内に配置されるように、サーマルコンテナ220内に配置され得る。場合により、デバイス200は、パッケージ又はカートリッジ内に収容された食事に関連付けられたデータを受信するように構成された光学式スキャナ、RFID無線機、及びNFC無線機等を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、パッケージは、食事に関連付けられた識別情報を含むバーコード又はRFIDタグを含み得る。したがって、コントローラは識別情報を受信することができ、例えば、データベースを照会し、及び/又はネットワークを介してデバイスと通信し、識別情報を例えば保存調理手順及び/又は情報と関連付けることができる。このようにして、コントローラは、デバイス200の任意の適切な部分を制御し、上述のように、サーマルコンテナ220のいずれかを、その中に収容された食品に関連付けられた情報に基づく保存温度を有する保存構成に、又はその中に収容された食品に関連付けられた情報に基づく調理温度を有する調理構成にすることができる。
【0064】
場合により、コントローラは、1つ以上のローカル又はリモートユーザ入力、好み、設定等、(実質的に)熱平衡の状態におけるある量の流体に基づき、サーマルコンテナ220内に配置された食品の調理に関連付けられた1つ以上の処理を実施及び/又は実行することができる。例えば、コントローラ170を参照して上述したように、この実施形態のコントローラは、情報及び/又は1つ以上のプロセッサによって実行される命令を受信及び/又は記憶するように構成されたメモリを含む。コントローラは、例えば、ハウジング210(
図3)内に含まれるユーザインタフェース213、リモートコントローラ、モバイルデバイス、スマートフォン、タブレット、ノート型パソコン、パーソナルコンピュータ(PC)等などの任意の適切なソースからデータ、情報及び/又は命令を受信することができる。例えば、ユーザはモバイルアプリケーション及び/又はPCアプリケーションを使用して、例えば、食品が完全に調理され、食す準備が整うべき目標時間を設定するために、予めプログラムされた処理をオーバーライドするために、デバイス200をオン又はオフにする(例えば、それぞれ「電源をオンにした」状態若しくは「電源をオフにした」状態にする)ために、且つ/又はコントローラ及び/若しくはデバイス200の任意の他の適切な機能を制御するためにデバイス200をリモート制御することができる。したがって、このようなユーザ入力、データ、情報及び/又は命令に基づき、デバイス200は、その中に収容された食品を少なくとも半自律的に保存及び調理するように構成され得る。
【0065】
図11~
図17Bは、一実施形態による半自律型流体浸漬調理デバイス300を示す。流体浸漬調理デバイス300(本明細書では「デバイス」とも称される)は、任意の適切な調理デバイス、機械及び/又はシステムであり得る。本明細書中に更に詳細に記載されるように、例えば、デバイス300は、調理前、食品を密封パッケージ内に保存し、デバイス300内に第1の温度で配置するように構成されており、その中に配置された食品を、食品と水などの循環する流体との間の熱伝達によって第1の温度を超える第2の温度で調理するように構成されている真空調理デバイスであり得る。デバイス300は、ハウジング310と、1つ以上のサーマルコンテナ320と、流体循環システム340と、コントローラ370とを含む。いくつかの実施形態では、デバイス300は、
図1及び
図2を参照して上述したデバイス100並びに/又は
図3~
図10を参照して上述したデバイス200に実質的に類似し得る。したがって、デバイス300のいくつかの態様について、本明細書において更に詳細には記載しない。例えば、デバイス300のコントローラ370は、デバイス100を参照して上述したコントローラ170に実質的に類似し得るか又は同じであり得る。したがって、デバイス100及び/又はデバイス200を参照して上述したように、デバイス300のコントローラ370は、デバイス300の少なくとも一部を制御するように構成された任意の適切な電子及び/又は電気機械式デバイスを含み得、及び/又はこれらと通信することができる。更に、コントローラ370は、任意の適切な電源375(
図15)に電気的に接続され得る。いくつかの実施形態では、デバイス300は、電気コンセント等に電気的に接続され得る。
【0066】
デバイス300のハウジング310は、サーマルコンテナ320一式、流体循環システム340、及びコントローラ370を収容し、及び/又は少なくとも部分的に覆い囲むように構成されている。ハウジング310は任意の適切な形状、大きさ及び/又は構成であり得る。例えば、
図11に示すように、ハウジング310は実質的に矩形であり、例えば、台所の調理台等に配置するのに好適な大きさを有し得る。ハウジング310は、本体部分311及び蓋312を含む。蓋312は本体部分311に結合されており、ハウジング310内に収容された構成要素にユーザがアクセスすることを可能にするために取り外すことができる。ハウジング310の本体部分311は、1つ以上のユーザインタフェース部313を含む。例えば、インターフェース部313は、デバイス300に関連付けられた情報を提示し、及び/又はそうでなければユーザがデバイス300の少なくとも一部を制御するために対話することができるインターフェースをユーザに提示するように構成された1つ以上のディスプレイ及び/又は制御部を含み得る。
図11及び
図12に示される実施形態では、インターフェース部313は、各サーマルコンテナ320又はサーマルコンテナ320一式と関連付けられたディスプレイ314を含む。したがって、
図3に示されるインターフェース部213を参照して上述したように、各ディスプレイ314は、その対応するサーマルコンテナ320に関連付けられたデータをグラフィックで示すように構成され得る。更に、インターフェース部313は、デバイス300の入力を提供するためにユーザにより操作され得る制御部317一式を含む。即ち、ユーザは制御部317を操作することができ、及び/又はそうでなければ制御部317を設定することができ、これにより、例えば、ユーザ入力をコントローラ370に提供することができる。いくつかの実施形態では、インターフェース部313(例えば、ディスプレイ314及び制御部317)の配置は、他の台所器具(例えば、コンロ等)内又はその上に見られる既知の又はよく知られた配置に類似し得る。いくつかの実施形態では、制御部317は、外部電子デバイス(例えば、スマートフォン又はパーソナルコンピュータ)などの任意の他の適切な制御部とともに機能し得、及び/又は使用され得る。
【0067】
デバイス300のサーマルコンテナ320は、任意の適切な形状、大きさ及び/又は構成であり得るとともに、ハウジング310内に配置された1つ以上の支持構造体318に(例えば、取付フランジ323、及び1つ以上のメカニカルファスナー、接着剤、溶接、超音波溶接等を介して)結合されるように構成され得る。
図13~
図15に示すように、サーマルコンテナ320は、例えば、2つの側及び/又は2組のサーマルコンテナ320を含む。他の実施形態では、デバイス300は、任意の適切な数のサーマルコンテナ320(例えば、1つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、又はそれを超える)を含み得る。この実施形態では、サーマルコンテナ320は、一体的に及び/又は単一に形成される。他の実施形態では、サーマルコンテナ320を2つ以上の構成要素から形成し、例えば、製造時に結合することができる。複数のサーマルコンテナを含む単一構成要素として上述したが、他の実施形態では、デバイス300は、ハウジング310内に配置された複数の独立サーマルコンテナを含み得る(例えば、デバイス200を参照して上述したように)。
【0068】
上述のように、サーマルコンテナ320は、2つの側、即ち、第1の側320A及び第2の側320B(及び/又は2組の独立サーマルコンテナ)を含む。
図13~
図16に示すように、サーマルコンテナ320の第1の側320Aは、第1の空間326を形成する第1の部分321と、第2の空間327を形成する第2の部分322とを含む。第1の側320Aの第1の部分321は、入口ポート337と、出口ポート331と、オーバーフローポート338とを含む。本明細書中に更に詳細に記載されるように、第1の部分321によって画定される第1の空間326へと及び/又は第1の部分321によって画定される第1の空間326内に流体が選択的に流れることができるように、入口ポート337と、出口ポート331と、オーバーフローポート338とは、それぞれ流体循環システム340の一部に物理的及び流体的に結合されている。加えて、第1の部分321は、例えば、温度センサ等(例えば、温度計、熱電対等)の一部を受け入れるように構成されたセンサポート332を含む。本明細書中に更に詳細に記載されるように、第1の側320Aの第2の部分322はポート333を含み、ポート333は、流体循環システム340の一部に物理的及び流体的に結合されており、ポート333を通る流体の入口流及び/又は出口流を受け入れるように構成されている。
【0069】
図11~
図17Bに示される実施形態では、サーマルコンテナ320の第2の側320Bは、サーマルコンテナ320の第1の側320Aと類似しており、及び/又は実質的に同じである。したがって、サーマルコンテナ320の第2の側320Bは、第1の空間326を形成する第1の部分321と、第2の空間327を形成する第2の部分322とを含む。サーマルコンテナ320の第1の側320Aを参照して上述したように、第2の側320Bの第1の部分321は、入口ポート337と、出口ポート331と、オーバーフローポート338と、センサポート332とを含む一方、第2の側320Bの第2の部分322は、ポート333を含む。
【0070】
第1の側320Aと第2の側320Bは類似しており、及び/又は実質的に同じものとして上述されているが、他の実施形態では、デバイスは、サーマルコンテナ及び/又は類似していない(例えば、均一でない)複数のサーマルコンテナを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスに含まれるサーマルコンテナの第1の側の大きさ及び/又は容量は、デバイスに含まれるサーマルコンテナの第2の側の大きさ及び/又は容量よりも大きくすることができる。こうした実施形態では、例えば、より大きいサーマルコンテナ及び/又はより大きいサーマルコンテナの側は、複数回分の食品を保存及び/又は調理するように構成され得る一方、より小さいサーマルコンテナ及び/又はより小さいサーマルコンテナの側は、1回分を保存及び/又は調理するように構成され得る。
【0071】
サーマルコンテナ320の各側320A及び側320Bは、蓋328を含み且つ/又は蓋328に結合されており、蓋328は、第1の構成(例えば、
図11及び
図12に示すような閉鎖構成)と第2の構成(例えば、
図13~
図16に示すような開放構成)との間で移行され得る。例えば、
図14に示すように、サーマルコンテナ320の取付フランジ323は、第1の構成(例えば、閉鎖された)にあるとき、1つの蓋328がサーマルコンテナ320の第1の側320Aの第1の空間326及び第2の空間327を流体的に隔離する一方、他の蓋328がサーマルコンテナ320の第2の側320Bの第1の空間326及び第2の空間327を流体的に隔離するように、蓋328をサーマルコンテナ320に枢動自在に結合するように構成されたカプラ336一式を含む。例えば、蓋328は、第1の構成にあるとき、取付フランジ323の表面との実質的に流体密封を形成することができるシール等を含み得る。本明細書中に更に詳細に記載されるように、サーマルコンテナ320の配置は、サーマルコンテナ320の側320A及び/又は側320Bの第1の空間326及び/又は第2の空間327が1つ以上の食品を受け入れることができ、1つ以上の食品を実質的に所定の及び/若しくは所望の保存温度で保存することができ、及び/又は1つ以上の食品を実質的に所定の且つ/若しくは所望の調理温度に、及び/又は実質的に所定の且つ/若しくは所望の調理温度で調理することができるような配置である。
【0072】
サーマルコンテナ320(即ち、一体的に形成されたサーマルコンテナ320)は、任意の適切な材料及び/若しくはそれらの組み合わせで形成され得、及び/又はそれらを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ320は、プラスチック又はポリマー材料で形成された、射出成形された構成要素であり得る。いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ320をプラスチック又はポリマーから形成することは、サーマルコンテナ320が比較的低い熱伝導率(上述のように、例えば、約0.1W/mk~約0.25W/mk)を有するようなものであり得る。このようにして、サーマルコンテナ320は、例えば、サーマルコンテナ320の第1の側320A内の又はサーマルコンテナ320の第1の側320Aの熱エネルギーを絶縁及び/又は保持する一方、サーマルコンテナ320の第2の側320Bを熱エネルギーから遮蔽し、及び/又は少なくとも部分的に隔離するように構成され得る。したがって、本明細書中に更に詳細に記載されるように、サーマルコンテナ320の側320Aと側320Bとの間の熱伝達を低減することができ、これにより、したがってサーマルコンテナ320の第1の側320A及び第2の側320Bの独立温度制御を可能にすることができる。
【0073】
更に、サーマルコンテナ320の1つ以上の部分をデバイス300の他の部分(例えば、サーマルコンテナ320の他の部分、ハウジング310、流体循環システム340の一部等)から絶縁し、及び/又は少なくとも一部熱的に隔離するために、比較的低い熱伝導率を有する材料又は材料の組み合わせを少なくともサーマルコンテナ320の一部の周りに配置することができる。例えば、
図13~
図15に示すように、絶縁材料368は、サーマルコンテナ320の第1の側320Aの少なくとも一部を受け入れるように構成された開口部369と、サーマルコンテナ320の第2の側320Bの少なくとも一部を受け入れるように構成された開口部369とを画定することができる。いくつかの実施形態では、絶縁材料368は、例えば、ポリウレタンフォーム又は箔、シリコーン等であり得る。したがって、サーマルコンテナ120及びサーマルコンテナ220を参照して上述したように、絶縁材料368は、サーマルコンテナ320の第1の側320Aをサーマルコンテナ320の第2の側320Bから熱的に隔離することができるように各側320A及び/又は側320Bと関連付けられた温度を、側320Aと側320Bとの間で及び/又はデバイス300の他の部分に実質的に熱エネルギーを伝達することなく独立制御することができる。
【0074】
サーマルコンテナ320は、比較的低い熱伝導率を有する材料から形成され、及び/又は比較的低い熱伝導率を有する材料で形成されるものとして上述したが、いくつかの実施形態では、少なくともサーマルコンテナ320の一部は、比較的高い熱伝導率を有する材料(例えば、上述のように、約10W/mk~約250W/mkの熱伝導率を有するアルミニウム、ステンレス鋼などの金属等)で形成され得る。例えば、
図13~
図15に示すように、サーマルコンテナ320の第1の側320A及び第2の側320Bの両方は、壁329を受け入れるように構成されたスロット335を画定し、これにより、したがって第1の部分321を第2の部分322から少なくとも部分的に分離する。いくつかの実施形態では、壁329は、金属等などの比較的高い熱伝導率を有する材料で形成され得る。本明細書中に更に詳細に記載されるように、サーマルコンテナ320の第1の側320Aに結合された壁329の配置は、第1の側320Aの第1の部分321と第2の部分322との間で熱エネルギーが伝達されることを選択的に可能にすることができる。同様に、デバイス200に含まれる壁229を参照して上述したように、サーマルコンテナ320の第2の側320Bに結合された壁329の配置は、第2の側320Bの第1の部分321と第2の部分322との間で熱エネルギーが伝達されることを選択的に可能にすることができる。したがって、本明細書中に更に詳細に記載されるように、例えば、第1の空間326内の温度が第2の空間327に対して上昇するにつれて、第1の空間326と第2の空間327との間の温度差によって熱エネルギーが壁329の相対的に高温側から壁329の相対的に低温側へと伝達されることとなり、それにより、第1の空間326から第2の空間327へ(又はこの反対に)熱エネルギーを伝達する。
【0075】
いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ320の第1の側320Aの第1の空間326と第2の空間327とは、異なる種類の食品を保存及び/又は調理するように構成され得る。例えば、第1の側320Aの第1の空間326は、例えば、肉類及び/又は他のタンパク質食品類などの第1の種類の食品を受け入れるように構成することができ、第1の側320Aの第2の空間327は、例えば、野菜類、デンプン食品類、炭水化物食品類等などの第2の種類の食品(又は第2の種類の食品、第3の種類の食品、第4の種類の食品等)を受け入れるように構成することができる。したがって、いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ320の第1の側320Aは、食品を所定の配置及び/又は向きで受け入れるように構成することができる。
【0076】
例えば、サーマルコンテナ320内に配置されるように構成された食品は、所定の大きさ、形状及び/又は構成を有する1つ以上の流体密パッケージ、カートリッジ及び/又はカートリッジアセンブリ内に収容され得る。より具体的には、サーマルコンテナ320の第1の側320Aの第1の部分321は、所定の及び/又は所与の配置を有する食品カートリッジの一部を受け入れるように構成された位置合わせノッチ334一式(例えば、
図14を参照)を含み且つ/又は画定する。いくつかの実施形態では、例えば、肉及び/又は他のタンパク質食品を含む食品カートリッジ及び/又はパッケージは、食品カートリッジ及び/又はパッケージの一部がノッチ324内に配置されるように、第1の側320Aの第1の部分321によって画定される第1の空間326内に少なくとも部分的に配置され得る。いくつかの実施形態では、ノッチ334並びに食品カートリッジ及び/又はパッケージの配置は、食品カートリッジ及び/又はパッケージが第1の部分321内に所定の向きで(例えば、1つの向き及び/又は構成のみにおいて)配置されるようなものである。
図11~
図17Bには示されていないが、いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ320の第1の側320Aの第2の部分322は、第2の空間327内に配置された少なくとも食品カートリッジの一部を位置合わせするように構成された任意の適切な位置合わせノッチ及び/又は特徴を同様に含み得る。サーマルコンテナ320の第2の側320Bが第1の側320Aと類似しており、及び/又は実質的に同じであることにより、第2の側320Bの第1の部分321と第2の部分322とは、サーマルコンテナ320の第2の側320Bの第1の空間326及び第2の空間327内において食品カートリッジ、食品カートリッジアセンブリ、食品カートリッジキャディー又はホルダ等を少なくとも部分的に位置合わせするように構成されたノッチ334一式及び/又は任意の他の適切な特徴を同様に含み得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ320の第1の部分321及び第2の部分322はそれぞれ、その中に収容された食品カートリッジの一部に配置された対応するRFIDタグ等の存在を検知及び/又は読み取るように構成されたRFIDセンサ又はリーダなどの少なくとも1つのセンサを含み得る。例えば、場合により、このようなRFIDセンサ及び/又はリーダは、対応する第1の部分321及び/又は第2の部分322内に配置された食品カートリッジの存在を検知し、及び/又は検出するように構成され得る。場合により、RFIDセンサ及び/又はリーダは、その中の食品カートリッジの一部に配置されたRFIDタグ等からデータを読み取り且つ/又は受信するように構成され得る(例えば、食品カートリッジの存在の検知に加えて及び/又はその代わりに)。例えば、デバイス100及び/又はデバイス200を参照して上述したように、食品カートリッジの一部に配置されたRFIDタグ等は、食品カートリッジ内に収容された食品の種類、保存及び/若しくは調理手順一式に関連付けられたデータ、及び/又は任意の他の適切なデータを含み得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ320の第1の部分321及び第2の部分322のこのような配置は、第1の部分321が第1の種類(例えば、肉又はタンパク質食品)を有する食品を受け入れること、及び第2の部分322が第2の種類(例えば、デンプン食品、野菜等)を有する食品を受け入れることを確実にすることができる。したがって、デバイス300は、食品の種類特有の及び/又は食品の種類に少なくとも部分的に基づく手法で食品を保存及び/又は調理するように構成され得る。例えば、場合により、第1の部分321に収容された食品(例えば、肉)を第1の温度に、及び第2の部分322に収容された食品(例えば、デンプン食品、野菜及び/又は他の非肉食品)を第1の温度と異なる第2の温度に調理することが望ましい場合がある。
【0079】
別の例として、調理前、デバイス300がサーマルコンテナ320内(例えば、第1の側320A及び/又は第2の側320Bに)に食品を保存している場合、デバイス300は、冷却されたある量の流体が、第1の部分321によって画定される第1の空間326内で循環するように構成することができ、これにより、したがって第1の空間326を温度閾値未満に維持することができる。逆に、例えば、デンプン食品及び/又は野菜を受け入れるように構成された第2の空間327では、調理前にこれらの食品をある量の流体に曝露させること及び/又はこれらの食品をある量の流体中に浸漬することは望ましくない場合がある。したがって、壁329の配置は、第2の空間327からの熱エネルギーが壁329を通じて運ばれ、より低温の流体が壁329に対して流れる際に熱エネルギーの少なくとも一部が壁329の表面から除去されるようなものとされ得る。換言すると、調理前にデバイス300が食品を保存している場合、第2の空間327に配置された食品を、循環している流体に食品を曝露すること及び/又は浸漬することことなく温度閾値未満に維持できるように、壁329又はその少なくとも一部は、第2の空間327から第1の空間326へと熱エネルギーを伝達するように構成された熱交換器を形成することができ、及び/又はそうでなければ第2の空間327から第1の空間326へと熱エネルギーを伝達するように構成された熱交換器として機能することができる。
【0080】
デバイス300の流体循環システム340は、任意の適切な形状、大きさ及び/又は構成であり得る。流体循環システム340は、デバイス300の一部で流体(例えば、水)を循環させ、流体がデバイス300の一部を流れる際に流体の温度を調整するように構成されている。例えば、
図15~
図17Bに示されているように、流体循環システム340は、ドレンリザーバ341と、チラーアセンブリ343と、循環ポンプ356一式(例えば、サーマルコンテナ320の1つの側につき1つ以上)と、ソレノイド(バルブ)357一式と、流体導管358一式と、取付部品359一式と、一方向弁365一式と、ヒータアセンブリ360とを含む。コントローラ370及び/又はコントローラ370に含まれる1つ以上のプロセッサは、流体循環システム340の少なくとも一部と電気通信及び/又は電子通信することができ、流体循環システム340の制御に関連付けられた命令セット又はコードを実行するように構成され得る。例えば、コントローラ370は、1つ以上のソレノイド357を開放構成から閉鎖構成へと(又はこの反対に)移行させることに関連付けられた処理を実施及び/又は実行することができ、1つ以上の循環ポンプ356等内の流量を増加又は減少させる。コントローラ170を参照して上述したように、場合により、コントローラ370は、任意の数のセンサ、エンコーダ、温度計、サーミスタ、充填インジケータ等からの信号(及び/又は信号内に含まれるデータ)に基づき、流体循環システム340の少なくとも一部を制御することができる。他の例では、本明細書中に更に詳細に記載されるように、コントローラ370は、ローカル又はリモートユーザ入力に関連付けられたデータ、RFIDタグから及び/又は近接場通信(NFC)を介して受信されたデータ等に基づき、流体循環システム340の少なくとも一部を制御することができる。
【0081】
流体循環システム340は、ドレンリザーバ341と、チラーアセンブリ343と、ヒータアセンブリ360と、サーマルコンテナ320(例えば、第1の側320A及び/又は第2の側320B)との間の流体流路を画定するように構成されている。
図11~
図17Bに示される実施形態では、流体循環システム340は、サーマルコンテナ320の各側320A及び側320Bと関連付けられた独立流体流路を画定する。換言すると、同じドレンリザーバ341、同じチラーアセンブリ343及び/又は同じヒータアセンブリ360と流体連通する一方、サーマルコンテナ320の第1の側320Aの流体流路は、サーマルコンテナ320の第2の側320Bの流体流路から流体的に隔離される。したがって、デバイス300は、サーマルコンテナ320の各側320A及び側320Bと関連付けられた温度を独立制御することができる。
【0082】
図15に示すように、チラーアセンブリ343は、熱交換器344と、凝縮器351と、圧縮器354とを含む。チラーアセンブリ343は、その中で循環しているある量の流体を冷やし、冷却し、及び/又はそうでなければその中で循環しているある量の流体から熱エネルギーを除去するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、チラーアセンブリ343は、既知の冷蔵ユニット及び/又はアセンブリに実質的に類似し得る。より具体的には、チラーアセンブリ343は、作動流体(例えば、R-134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン)、R-600a(イソブテン)、水性グリコール混合物、ベタイン等などの冷却剤)を例えば蒸気圧縮サイクルによって循環させるように構成され得る。こうした例では、圧縮器354は、作動流体(冷却剤)の流れを蒸気状態で受け入れ、作動流体の圧力及び温度が上昇するように、この作動流体を圧縮する。圧縮される作動流体は、例えば、過熱蒸気状態まで圧縮され、圧縮器354を出て、その後、過熱蒸気は凝縮器351へと流れる。凝縮器351を通過しているとき、過熱蒸気は熱を拒絶し、飽和液体状態に凝縮される。飽和液体作動流体は、その後、膨張弁(
図11~
図17Bに示されず)内を流れ、これにより作動流体に関連付けられた圧力を低下させ、したがって、例えば、断熱フラッシュ蒸発により、飽和液体の、液体と蒸気との混合物への移行をもたらす。膨張の結果、作動流体(液体-蒸気混合物)と関連付けられた温度は低下し、「低温」作動流体が熱交換器344に流れ、熱交換器344において、低温作動流体は、熱交換器344内で循環している保存/調理流体(例えば、水)から拒絶された熱エネルギーを吸収する。作動流体は、その後、圧縮器354へと流れ、蒸気圧縮サイクルが繰り返される。
【0083】
したがって、チラーアセンブリ343は、流体循環システム340及び/又はサーマルコンテナ320内を流れる流体から熱エネルギーを吸収(即ち、冷却)するために使用され得る。場合により、コントローラ370がデバイス300を、サーマルコンテナ320の第1の側320A及び/又は第2の側320Bと関連付けられた保存構成にするとき、流体循環システム340の関連部分は、冷却された又は低温流体をサーマルコンテナ320の第1の部分321内で循環させることができ、それにより、第1の部分321に収容された食品を所望の保存温度に維持する。例えば、いくつかの実施形態では、流体は、サーマルコンテナ320の第1の空間326内の温度を40°Fに又は約40°Fに維持するように構成され得る。更に、コントローラ370は、任意の適切なセンサ、温度計、熱電対、サーミスタ等から1つ以上の信号を受信することができ、1つ以上の信号に含まれるデータに基づき、流体循環システム340の少なくとも一部を能動的に制御し、ある量の流体と関連付けられた温度を上昇又は低下させることができる。
【0084】
流体循環システム340のヒータアセンブリ360は、ヒータアセンブリ360を通過する流体の空間を加熱するように構成された任意の適切なデバイス及び/又はアセンブリであり得る。いくつかの実施形態では、例えば、ヒータアセンブリ360は、コーヒーメーカ等(例えば、厚膜ヒータ等)に使用されているものなど既知の加熱要素を含み得る。いくつかの実施形態では、このような加熱要素は、例えば、750ワット~1,200ワットの加熱要素であり得、この加熱要素は、加熱要素を流れるある量の流体(例えば、水)に伝達される熱エネルギーの割合及び/又は量を制御するように、所望の及び/又は所定の手法でデューティサイクルが設定され得る。いくつかの実施形態では、ヒータアセンブリ360は、例えば、400ワット構成、800ワット構成及び/又は1,200ワット構成を有し得る1つ以上の加熱要素を含み得る。更に、場合により、加熱要素は、例えば、加熱要素の出力を約40ワット刻みで増加するようなデューティサイクルが設定され得、及び/又は位相で動作し得る(例えば、コントローラ370又はその一部によって)。例えば、いくつかの実施形態では、ヒータアセンブリ360は、ヒータアセンブリ360内で循環しているある量の流体(例えば、水)と関連付けられた温度を華氏約20度(F)だけ上昇させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、ヒータアセンブリ360は、ある量の流体(例えば、水)の温度を毎分約4°F以上(例えば、毎分5°F、毎分6°F、毎分7°F、毎分8°F、毎分9°F、毎分10°F、毎分15°F、毎分20°F、毎分25°F以上)だけ上昇させるように構成され得る。更に、コントローラ370は、ヒータアセンブリ360に含まれる加熱要素を、ヒータアセンブリ360からある量の流体へと伝達される熱の量及び/又は割合を制御するようにデューティサイクル設定するように構成され得る。
【0085】
サーマルコンテナ320の第1の側320Aの1つ以上の流体流路の一例を以下で
図17A及び
図17Bを参照して記載する。サーマルコンテナ320の第1の側320Aについて記載するが、類似の流体流路がサーマルコンテナ320の第2の側320Bに対して画定されるか又は画定され得るため、サーマルコンテナ320の各側320A及び側320Bと関連付けられた温度を独立制御し得ることは理解すべきである。したがって、第2の側320Bと関連付けられた流体流路は本明細書において更に詳細には記載されず、特に指示のない限り、第1の側320Aを参照して記載したものと実質的に類似しているとみなされるべきである。
【0086】
図17Aに示すように、第1の流体導管358Aは、出口ポート331を介して(第1の側320Aの)サーマルコンテナ320の第1の部分321によって画定される第1の空間326と流体連通している。第1の流体導管358Aは、第1の空間326を循環ポンプ356と流体連通させる。循環ポンプ356は任意の適切な構成であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、循環ポンプ356は、流体の流れを一方向に供給するように構成されたポンプ又は流体の流れを二方向に供給するように構成された可逆ポンプであり得る。
【0087】
循環ポンプ356は、第2の流体導管358Bを介して第1のソレノイド357Aと流体連通している。したがって、流体は「ポンプ流体路」内を出口ポート331から第1のソレノイド357Aまで流れることができる。第1のソレノイド357Aは、したがって、第3の流体導管358Cを介してチラーアセンブリ343の熱交換器344と、第4の流体導管358Dを介してヒータアセンブリ360と流体連通している。
図17Bに示すように、熱交換器344は、第5の流体導管358Eを介して第1の一方向弁365Aと流体連通しており、第1の一方向弁365Aは、したがって第6の流体導管358Fを介して第1の取付具359Aの第1の入口と流体連通している。ヒータアセンブリ360は、第7の流体導管358Gを介して第2のソレノイド357Bと流体連通している。第2のソレノイド357Bは、第8の流体導管358Hを介して第2の一方向弁365Bと流体連通しており、第2の一方向弁365Bは、したがって第9の流体導管358Iを介して第1の取付具359Aの第2の入口と流体連通している。第1の取付具359Aの出口は、第10の流体導管358Jを介してサーマルコンテナ320の第1の部分321の入口ポート337と流体連通している。
【0088】
したがって、コントローラ370がデバイス300を保存構成にすると、出口ポート331は、第1の空間326と循環ポンプ356との間に流体連通を設け、第1のソレノイド357Aは、循環ポンプ356と熱交換器344との間に流体連通を設け、第1の一方向弁365Aは、(第1の取付具359Aを介して)熱交換器344と第1の部分321の入口ポート337との間に流体連通を設ける。したがって、流体は「低温流体路」又は「低温ループ」内を流れ、第1の空間326内の流体を所望の保存温度(例えば、約40°F)又は所望の保存温度未満に維持することができる。コントローラ370がデバイス300を調理構成にすると、出口ポート331は、第1の空間326と循環ポンプ356との間に流体連通を設け、第1のソレノイド357Aは、循環ポンプ356とヒータアセンブリ360との間に流体連通を設け、第2のソレノイド357Bは、第2の一方向弁365B及び第1の取付具359Aを介してヒータアセンブリ360と第1の部分の入口ポート337との間に流体連通を設ける。したがって、流体は「高温流体路」又は「高温ループ」内で循環し、第1の空間326内の流体をほぼ所望の調理温度(例えば、約140°F)に維持することができる。
【0089】
流体が流体流路内を流れて、例えば、サーマルコンテナ320の第1の空間326内で循環することができる流体流路(例えば、「低温ループ」及び「高温ループ」)を画定するものとして上述したが、流体循環システム340は、サーマルコンテナ320の第2の空間327内で流体を循環させるように構成された1つ以上の流体流路を画定する(例えば、「伝達流体路」又は「伝達ループ」)。例えば、
図17A及び
図17Bに示すように、第11の流体導管358Kが第2の取付具359Bと流体連通しており、第2の取付具359Bは、したがって第12の流体導管358Lを介して第2の部分322のポート333と流体連通している。したがって、コントローラ370は、第2のソレノイド357Bがヒータアセンブリ360と第2の部分322のポート333との間に流体連通を設ける(例えば、「伝達ループ」を設ける)ことになる信号を第2のソレノイド357Bに送信することができる。更に、このような配置は、ある量の流体が部分321及び部分322のそれぞれに配置されるように、コントローラ370が流体の流れを第1の部分321と第2の部分322との間で分割することを可能にすることができる。換言すると、コントローラ370は、第2のソレノイド357Bを、第1の量の流体が第2のソレノイド357Bを通って第8の流体導管358Hへと流れることができ、第2の量の流体が第2のソレノイド357Bを通って第11の流体導管358Kへと流れることができる構成にする信号を、第2のソレノイド357Bに送信することができる。いくつかの実施形態では、この配置は、サーマルコンテナ320の第1の部分321及び第2の部分322内での同時調理を可能にすることができ、且つ/又は第1の空間326及び/若しくは第2の空間327内の流体の量、温度、流量等をコントローラ370が制御することができる手段を提供することができる。
【0090】
上述のように、第13の流体導管358Mは、第2の取付具359Bと第3のソレノイド357Cとの間に流体連通を設ける。
図17Bに示すように、第3のソレノイド357Cは、2つの取付部品(即ち、第3の取付具359C及び第4の取付具359D)及び3つの流体導管(即ち、第14の流体導管358N、第15の流体導管358O、及び第16の流体導管358P)を介してドレンリザーバ341と流体連通している。このように、コントローラ370は、第3のソレノイド357Cを、第1の部分321及び/又は第2の部分322とドレンリザーバ341(例えば、「ドレン流体路」又は「ドレンループ」)との間に流体連通が設けられるような構成にする信号を第3のソレノイド357Cに送信することができる。したがって、いくつかの実施形態では、デバイス300は、調理操作後及び/又は食品がデバイス300から取り出された後、ある量の流体を排出するように構成され得る。他の実施形態では、コントローラ370は、使用中、ある量の流体を排出する(例えば、オーバーフローを防ぐため、流体量、流量及び/又は温度等を管理及び/又は制御するため)ことを可能にするように動作可能な第3の信号を第3のソレノイド357Cに送信することができる。
【0091】
図17A及び
図17Bに示すように、第1の空間321は、ドレンリザーバ341と流体連通しているオーバーフローポート338を含む。より具体的には、流体循環システム340は、第5の取付具359Eと流体連通している第17の流体導管358Qを含む。第5の取付具359Eは、したがって、第18の流体導管358Rを介して第4の取付具359Dと流体連通している。したがって、第1の空間326内のある量の流体が所定の閾値を超えた場合、流体の一部は、オーバーフローポート338からドレンリザーバ341へと(例えば、「オーバーフロー流体路」又は「オーバーフローループ」を介して)流れることができる。更に、
図17A及び
図17Bに示す実施形態では、「オーバーフローループ」にソレノイド及び/又はバルブがないという点で「オーバーフローループ」は受動配置にある。したがって、第1の空間326内のある量の流体が量の閾値を超えた場合、ある量の流体の一部はバルブ及び/又はソレノイドの動作に依存することなく「オーバーフローループ」内を流れることができる。
【0092】
図11~
図17Bには示されていないが、いくつかの実施形態では、デバイス300及び/又はコントローラ370は、ドレンリザーバ341の存在を検出及び/又は検知するように構成されたスイッチ、センサ、検知器(例えば、超音波流体検知器)等を含み得る。こうした実施形態では、コントローラ370は、ドレンリザーバ341の存在が検知されない場合、流体循環システム340の一部を通る流体の流れを制限するように構成され得る(例えば、第3のソレノイド357を通る流体の流れを制限し、及び/又は実質的に妨げる)。更に、ある量の流体で例えば第1の空間326が溢れ、ドレンリザーバ341の存在が検知されない場合、場合により、コントローラ370は、第1の空間326と第2の空間327との間である量の流体を釣り合わせ且つ/又は移動させて、第1の空間326及び/又は第2の空間327から流体が溢れる及び/又は漏れるオーバーフロー状態を回避するように構成され得る。
【0093】
デバイス300内に配置された1つ以上の食品を半自律的に保存及び/又は調理するためのデバイス300の使用例を以下に記載する。サーマルコンテナ320の第1の側320Aの使用について特に記載するが、サーマルコンテナ320の第1の側320Aの使用のみを説明することは簡略化のためであり、限定のためではないと理解すべきである。デバイス300は、例えば、サーマルコンテナ320の第2の側320Bを本明細書中に記載される手法で使用するなど、任意の他の適切な手法で使用され得る。他の例では、第1の側320A及び第2の側320Bの両方は、本明細書中に記載されるものに類似する手法で使用され得る。
【0094】
使用時、ユーザは、食品カートリッジ及び/又は食品カートリッジの一部を、サーマルコンテナ320の第1の部分321によって画定される第1の空間326内に配置することができる。食品カートリッジは、食品カートリッジの一部がノッチ334に係合し、及び/又はノッチ334内に配置されるように第1の空間326内に配置され得る。したがって、ユーザは、正しい食品カートリッジが第1の空間326に挿入され、食品カートリッジが適切に位置合わせされるのを確実にすることができる。場合により、例えば、第1の空間326内に配置された食品カートリッジは、肉及び/又はタンパク質食品を収容することができる。同様に、ユーザは、1つ以上の食品カートリッジ又は食品カートリッジの1つ以上の部分を第2の空間327内に配置することができる。いくつかの実施形態では、第2の部分322及び1つ以上の食品カートリッジの配置は、食品カートリッジが第2の空間327内に所定の向きで配置されるようなものであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、食品カートリッジは、少なくとも部分的に積み重ねることができ、一方向にのみ配置され得る大きさ及び/又は形状を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、食品カートリッジは、デンプン食品又は炭水化物食品(例えば、米)がより低い位置に配置される一方、野菜がデンプン食品又は炭水化物食品の上に積み重ねられる(例えば、より高い位置にある)ように配置され得る。本明細書中に更に詳細に記載されるように、このような所定の向き及び/又は配置は、第2の空間327内に配置された各食品に対する所望の保存及び/又は調理条件に至ることができる。他の実施形態では、食品カートリッジは第2の空間327内に任意の適切な手法で配置され得る。いくつかの実施形態では、食品カートリッジは、食品カートリッジを所定の向き及び/又は配置で少なくとも一時的に保持するように構成されたホルダ又はキャディー内に配置され得る。
【0095】
上述のように、いくつかの実施形態では、食品を収容する各食品カートリッジ及び/又は食品カートリッジの各部分は、例えば、サーマルコンテナ320の第1の部分321及び第2の部分322に含まれるRFIDリーダにデータを提供するように構成されたRFIDタグを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1の部分321及び/又は第2の部分322に含まれるRFIDリーダは、それぞれ対応する食品カートリッジ又はその一部のRFIDタグから信号を受信することができる。場合により、コントローラ370は、食品カートリッジ又はその一部の存在をRFID信号に基づいて特定することができる。他の例では、コントローラ370は、食品カートリッジ内に収容された食品と関連付けられた及び/又はそうでなければ食品カートリッジ内に収容された食品に関する情報を提供するRFIDリーダからデータを受信することができる。例えば、データは、食品の種類、食品の量、食品に関する保存及び/若しくは調理手順、並びに/又は任意の他の適切なデータを含み得る。
【0096】
食品が第1の空間326及び/又は第2の空間327内に配置された状態で、コントローラ370は、ユーザ入力に基づき、1つ以上の処理を実行し、デバイス300を保存構成又は調理構成にすることができる。例えば、場合により、ユーザは調理開始時間及び/又はユーザが食品を食す準備が整った状態にすることを望む時間を入力することができる。場合により、ユーザ入力は、デバイス300に含まれる制御部317を介したものであり得る(例えば、
図11及び
図12を参照)。他の例では、ユーザ入力は、スマートフォン、タブレット、ノート型パソコン、PC及び/又は任意の他の適切な「スマートデバイス」などの外部電子デバイスを介したものであり得る。
【0097】
ユーザが食品を食す準備が整った状態にすることを望む時間が、デバイス300がその中に収容された食品をしばらくの間保存すべきであるような時間の場合、コントローラ370は、例えば、デバイス300を保存構成にすることができる。したがって、コントローラ370は、冷却された及び/又は低温流体がサーマルコンテナ320の第1の空間326へと送られ、且つ/又はサーマルコンテナ320の第1の空間326内で循環されるように、例えば、流体循環システム340の少なくとも一部を制御するように動作可能な1つ以上の処理を実施することができる。特に、サーマルコンテナ320内に食品カートリッジを配置した後、ユーザは、ある量の流体(例えば、水)をサーマルコンテナ320の第1の部分321によって画定される第1の空間326へと送ることができる。流体は任意の適切な温度であり得る。温度は、センサ部332を介して第1の空間326と流体連通しているサーマルセンサにより決定され得る。したがって、上で詳細に記載したように、コントローラ370は、ある量の流体を例えば流体循環システム340の「低温ループ」内で循環させるように動作可能な1つ以上の処理を実施することができる。即ち、ポンプ356は、ある量の流体を熱交換器344内に送ることができ、熱交換器344において、流体が冷却されるように、チラーアセンブリ343の作動流体が流体から熱エネルギーを除去する。冷却された及び/又は低温流体は、その後、熱交換器344から、第1の部分321の入口ポート337を通り、第1の空間326へと流れることができる。このようにして、流体循環システム340は、流体を循環させ、流体を所定の及び/若しくは所望の保存温度(例えば、約40°F)に、又は所定の及び/若しくは所望の保存温度(例えば、約40°F)未満に維持するように構成され得る。更に、第1の空間326内で循環している冷却された及び/又は低温流体により、第1の空間326内に収容された食品の温度(例えば、肉又はタンパク質食品)が実質的に所定の及び/若しくは所望の保存温度へと低下することとなり、且つ/又は実質的に所定の及び/若しくは所望の保存温度に維持されることとなる(例えば、食品の温度は、第1の空間326内で循環している流体の温度と実質的に平衡状態にされ、及び/又はそのような状態に維持される)。
【0098】
保存構成にあるときのデバイス300の配置は、流体が第1の空間326内のみで循環するような配置である。即ち、デバイス300が保存構成にあるとき、流体循環システム340は流体を第2の空間327に送らず、及び/又は流体を第2の空間327内で循環させない。上述のように、しかしながら、サーマルコンテナ320内に配置された壁329は、第2の空間327から、第1の空間326内で循環している流体に熱エネルギーを伝達するように構成されている。例えば、壁329は、熱伝導性材料で形成することができ、したがって、第2の空間327からの熱エネルギーは壁329を通じて送られ、第1の空間326内で循環している冷却された及び/又は低温流体によって吸収される。いくつかの実施形態では、このような配置は、第2の空間327内の食品の、実質的に所定の及び/又は所望の保存温度における比較的乾式の保存をもたらす。場合により、実質的に保存温度における比較的乾式の保存は、その中に収容された食品(例えば、デンプン食品、野菜、炭水化物食品類等)にとって好適である。更に、いくつかの実施形態では、壁329は、例えば、サーマルコンテナ320の部分321及び/又は部分322の高さのほぼ半分であり得る。したがって、第2の空間327の高さにわたる温度勾配が生じ得るとともに、例えば、デンプン食品が配置される第2の空間327の一部の温度よりも低い温度を有する第2の空間327の一部内に野菜が配置されるように、1つ以上の食品カートリッジは、第2の空間327内に所定の向きで配置され得る。場合により、このような配置は、第2の空間327を所望の温度に及び/又は所望の温度勾配で冷却する効率を高めることができる。
【0099】
所定の、計算された及び/又は所望の時間に、コントローラ370は、デバイス300を保存構成から調理構成へと移行するための1つ以上の処理を実施するように構成され得る。したがって、コントローラ370は、「低温ループ」内の流体の流れを停止し、「高温ループ」を通した流体の流れを開始するように動作可能な信号を第1のソレノイド357Aに送信することができる。したがって、ポンプ356は流体の流れをヒータアセンブリ360に送り、ヒータアセンブリ360において、流体は1つ以上の加熱要素からの熱エネルギーを吸収する。加熱された流体は、その後、ヒータアセンブリ360から第2のソレノイド357Bに、第2のソレノイド357Bからサーマルコンテナ320の第1の部分321の入口ポート337へと流れることができる。このようにして、コントローラ370は流体循環システム340の少なくとも一部を、流体の温度を所定の及び/又は所望の調理温度に上昇させるよう制御することができる。第1の空間326内で循環している加熱された及び/又は高温流体は、したがって、食品(例えば、肉又はタンパク質食品)を所定の及び/又は所望の調理温度(例えば、約140°F以上)で及び/又はこのような温度に調理する。更に、流体循環システム340は、ある量の流体を第2の空間327に(例えば、「伝達ループ」を介して)送ることなく、所定の及び/又は所望の時間にわたり第1の空間326内で流体を循環させるように構成され得る。
【0100】
第1の部分321内の食品を所定時間にわたって加熱(例えば、調理)した後、コントローラ370は、「伝達流体路」又は「伝達ループ」を介して流体の流れの少なくとも一部を第2の空間327に誘導するための命令を示す信号を第2のソレノイド357Bに送信することができる。このように、加熱されたある量の流体の少なくとも一部が第2のソレノイド357B及び第2の部分322のポート333を通り、第2の空間327に流れることができる。したがって、第2の空間327内の流体は、第2の空間327内に収容された食品(例えば、デンプン食品、野菜等)に熱エネルギーを伝達することができる。
【0101】
場合により、第2の空間327内に収容された食品の調理に好適な温度(例えば、約170°F~約212°F及び/又は水の沸点よりわずかに低い温度)に流体を更に加熱することが望ましい場合がある。こうした例では、「伝達ループ」内で流体を循環させる前に、コントローラ370は、流体をヒータアセンブリ360内で循環させることとなる1つ以上の処理を実施することができる。例えば、いくつかの実施形態では、流体は「高温ループ」内で循環し、ヒータアセンブリ360から熱エネルギーを吸収することができる。こうした実施形態では、第1の空間326内に収容された食品は、上昇する温度(例えば、食品が調理された温度を超える温度)を有する流体に曝される。したがって、コントローラ370は、上昇した温度を有する流体への第1の空間326内の食品の曝露に基づき、調理時間調整等を予想及び/又は計算するように構成され得る。換言すると、コントローラ370は、予想された及び/又は所定の流体加熱モードに基づき調理時間を決定及び/又は計算することができる(即ち、様々な温度での調理)。換言すると、流体が続いて第2の空間327内の食品を調理するのに適した温度(例えば、約170°F~約212°F)まで加熱される場合、設定温度(例えば、140°F)における食品の調理と関連付けられた調理時間を減少する。
【0102】
流体を所定の温度まで加熱すると、第2のソレノイド357Bは「開放」することができ、及び/又はそうでなければ流体が第2の空間327に流れることを可能にするよう移行することができる。場合により、1つ以上の食品の少なくとも一部がある量の流体中に配置されるように、第2の空間327に所定の量の流体が送られ得る。例えば、上述のように、第2の部分322及びその中に配置された食品カートリッジ又は食品カートリッジの一部の配置は、食品が所定の構成及び/又は向きで配置されるような配置であり得る。特に、このような一部の配置では、デンプン食品(例えば、米、ジャガイモ等)は、例えば、野菜より下の場所にあり得る。第2の空間327に送られたある量の流体は、デンプン食品がある量の流体中に配置される一方、野菜がある量の流体中に実質的に配置されないようなものであり得る。場合により、このような配置、構成及び/又はプロセスは、デンプン食品を調理するのに十分な熱エネルギーの量(例えば、比較的多い量)と、野菜を調理するのに十分な熱エネルギーの量(例えば、比較的少ない量)との差に少なくとも部分的に基づき得る。他の例では、第2の空間327内に配置された食品を全て、ある量の流体中に配置することができる。更に、場合により、コントローラ370は、食品カートリッジ及び/若しくはその一部に含まれる1つ以上のRFIDタグから受信された及び/又はこのようなRFIDタグに含まれるデータ及び/若しくは情報に少なくとも部分的に基づき、第2の空間327に送られるある量の流体を制御することができる。
【0103】
場合により、ある量の流体は第2の空間327内に所定時間にわたって配置することができ、その後、排出することができる。例えば、場合により、ある量の流体は、第2の空間327内に収容された食品に熱エネルギーを伝達することができ、これにより、したがってある量の流体の熱エネルギー量を低減する。場合により、流体の温度損失の量を予想及び/又は特定することができ、所定時間後及び/又はある量の流体の温度が温度閾値未満に低下した後、コントローラ370は、ある量の流体又はその少なくとも一部を第2の空間327から排出するように動作可能な信号を第3のソレノイド357Cに送信することができる。したがって、使用済み流体又は使用済み流体の一部が排出されると、コントローラ370は、排出工程を停止するための信号を第3のソレノイド357Cに送信することができるとともに、コントローラ370は、ある量の加熱された流体が第2のソレノイド357Bを通り、第2の空間へと流れることを可能にするための信号を第2のソレノイド357Bに送信することができる。簡潔には、コントローラ370は、第2の空間327に送られるある量の流体を新しくするように構成することができ、これにより、したがって新たなある量の加熱された流体中で循環させることにより、第2の空間327内に配置された食品の調理時間を減少することができる。
【0104】
上述のように、サーマルコンテナ320は、第1の空間326の一部と第2の空間327の一部とを隔てる壁329を含む。壁329の配置(例えば、壁329の高さ)は、保存中(上述のように)及び調理中における壁329を介した熱伝達に基づき得、及び/又はそうでなければその熱伝達に従い得る。例えば、壁329の高さを第1の部分321及び第2の部分322のそれぞれの高さの約半分にすることで、第2の空間327から第1の空間326へと戻って伝達される熱エネルギー量を低減することができ、これにより、したがって第1の空間326内に配置された食品を加熱しすぎる可能性を低下させることができる。より具体的には、第2の空間327に送られたある量の流体は、第2の空間327の充填高さが壁329より低いようなものであり得る。したがって、加熱された流体は、壁329の構成材料(例えば、比較的高い熱伝導率を有する)ではなく、むしろサーマルコンテナ320の構成材料(例えば、比較的低い熱伝導率を有する)に熱エネルギーを放射する。したがって、第2の空間327内に収容された食品の調理の結果、壁329を介して伝達される熱エネルギー量を低減することができ、これにより、したがって第1の空間326内に収容されるよりも食品を加熱しすぎる可能性を低下することができる。
【0105】
いくつかの実施形態では、デバイス300がその中に収容された食品を調理した後、コントローラ370は、デバイス300を例えば保持構成にするように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス300がサーマルコンテナ320の1つ以上の側320A及び/又は側320B内の所望の量の食品を調理した後、コントローラ370は、ヒータアセンブリ360から流体の流れへと伝達される熱エネルギー量を低減するように構成され得る。場合により、流体の温度を更に低下させるために、流体の少なくとも一部を「低温ループ」内に排出及び/又は循環させることができる。したがって、少なくともサーマルコンテナ320の第1の部分321内を流れる流体の温度を所望の「保持」温度等に低下させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス300は、1つ以上のサーマルコンテナ320内の食品を約170°F及び/又は任意の他の適切な調理温度で調理するように構成することができ、調理が完了すると、流体の温度(即ち、加熱要素360から放出される熱エネルギーの量を低減することによって)を約140°F及び/又は任意の他の適切な保持温度に低下させることができる。したがって、食品が調理された後、ユーザが調理済みの食品を食す準備ができるまで食品を安全な温度に維持することができる。
【0106】
いくつかの実施形態では、デバイス300がその中に収容された食品を調理した後、コントローラ370は、デバイス300を例えばドレン構成にするように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラ370は、第2のソレノイド357B及び第3のソレノイド357Cの両方を、第1の空間326及び第2の空間327とドレンリザーバ341との間に流体連通を設ける構成にすることができる。したがって、流体は、第1の空間326及び第2の空間327からドレンリザーバ341へと流れることができる。このようにして、調理済みの食品はサーマルコンテナ320内に配置され得るが、流体中にもはや浸漬されていない。他の実施形態では、ユーザは流体を排出する前に、サーマルコンテナ320から食品カートリッジを取り出すことができる。こうした実施形態では、ユーザは、洗浄要素(例えば、タブレット、パウチ、液体、洗浄剤等)を第1の空間326及び/又は第2の空間327に追加することができ、コントローラ370は、したがって、洗浄要素(例えば、ある量の流体に溶解させた)を含むある量の流体を流体循環システム340内で循環させるように構成され得る。したがって、デバイス300は、調理工程後に自己洗浄するように構成され得る。場合により、上述のように、洗浄工程の完了後、流体を排出するために、コントローラ370は、デバイス300をドレン構成にすることができる。
【0107】
図11~
図17に示されていないが、いくつかの実施形態では、蓋328は、サーマルコンテナ320内に収容された食品の流体浸漬調理を強化するように構成された任意の適切な加熱及び/又は調理要素を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、蓋328は、第1の空間326及び/又は第2の空間327内に収容された食品の少なくとも一部をブロイルし、焦げを付け、且つ/又はそうでなければ調理することができるブロイリング要素等を含み得る。他の実施形態では、デバイス100、デバイス200及び/若しくはデバイス300、サーマルコンテナ120、サーマルコンテナ220及び/若しくはサーマルコンテナ320並びに/又はその中に配置された食品カートリッジの任意の適切な部分は、少なくとも1つの更なるモダリティ内の食品を焼き、ローストし、ブロイルし、焦げを付け、且つ/又はそうでなければ調理するように構成され得る任意の適切な加熱要素を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、肉を収容している食品カートリッジ(又はその一部)は、食品カートリッジがサーマルコンテナ内に配置されると選択的に作動させることができる誘導加熱要素等を含み得る。例として、このような食品カートリッジは、食品カートリッジがサーマルコンテナ内に配置されたときに電気回路を完成させるように構成された電気接点を含み得る。したがって、コントローラ(例えば、コントローラ370)は、信号を送信することができ、及び/又は電気回路内に電流の流れを送ることができ、これにより、したがって食品カートリッジの誘導加熱要素を作動及び/又はそうでなければ始動することができる。他の実施形態では、任意の適切な加熱要素は、デバイスの任意の適切な部分に含まれ、コントローラによって選択的に始動及び/又は制御され得る。
【0108】
図11~
図17に示されていないが、いくつかの実施形態では、デバイス300は、流体循環システム340に流体の流れを提供することができる流体リザーバ等を含み得る。例えば、ユーザは、ある量の流体(例えば、水)を第1の空間326に注ぐものとして上述したが、他の実施形態では、ユーザは、ある量の流体を流体リザーバに注ぐことができ、これにより、したがって流体循環システム340に流体を供給することができる。場合により、流体リザーバに収容されるある量の流体は、サーマルコンテナ320内に収容された食品を保存及び/又は調理するために使用されるある量の流体より多くすることができる。こうした例では、追加された流体量は、例えば、保存工程及び/又は調理工程中、流体循環システム340のある量の流体に付加するために使用され得る「補償」量等として使用することができる。場合により、追加された流体量は、上述のように、例えば、洗浄工程中に使用され得る。いくつかの実施形態では、流体リザーバ、サーマルコンテナ、及び/又は流体循環システムは、流体源(例えば、家、事務所、建物等の水道に配管接続された)と流体連通することができる。同様に、流体リザーバ、サーマルコンテナ、及び/又は流体循環システムは、ドレン又はドレンリザーバ(例えば、シンク、手洗器及び/又はそうでなければ家、事務所、建物等の排水システムに配管接続されている)と流体連通することができる。
【0109】
ここで、
図18を参照すると、一実施形態による少なくとも半自律型の流体浸漬調理デバイス(本明細書では「デバイス」とも称される)を使用する方法10を示すフローチャートが示される。デバイスは任意の適切な構成であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、このデバイスは、本明細書中で詳細に記載したデバイス100、デバイス200及び/又はデバイス300に実質的に類似し得る。したがって、このデバイスは、少なくとも1つのサーマルコンテナ、流体循環システム、1つ以上の加熱要素、及び/又は上述のものなど、任意の他の適切な構成要素を含み得る。示されているように、方法10は、参照番号11において、密封パッケージ内に配置された食品を、密封パッケージをある量の流体内に浸漬させるように、第1の所定温度のある量の流体を含むサーマルコンテナ内に保存することを含む。例えば、食品をサーマルコンテナ内に配置する前に、ユーザは、少なくともサーマルコンテナの一部に流体を充填することができる。同様に、ユーザは、例えば、蒸気リザーバ及び/又は他の流体保存リザーバの少なくとも一部を充填することができる。いくつかの実施形態では、所望の量の流体がサーマルコンテナに添加されるように、デバイス及び/又はサーマルコンテナは充填インジケータ等を含み得る。したがって、デバイスは、デバイス200(例えば、
図9を参照)を参照して上で詳述した保存構成に実質的に類似した保存構成にあり得る。いくつかの実施形態では、第1の所定温度は、例えば、約40°F等などの冷蔵温度であり得る。更に、デバイスは、デバイス100、デバイス200及び/又はデバイス300を参照して上で詳述したように、食品の少なくとも一部が配置される流体の温度を監視及び/又は制御するように構成されたコントローラを含み得る。
【0110】
参照番号12において、コントローラは、所定時間と関連付けられた指示を受信する。いくつかの実施形態では、例えば、この指示は、ローカル及び/又はリモートユーザ入力、データ、好み、設定等に含まれ、且つ/又はそれらにより示されるデータと関連付けられ得る。所定時間は、デバイス内に収容された食品の少なくとも一部が調理され、所望の時間(例えば、例えば、ユーザ入力データ等によって定義される第2の所定時間)における消費に好適であるように、例えば、デバイス(又はその一部)が調理構成にされる概算時間と関連付けられ得る。したがって、参照番号13において、所定時間後、コントローラは、サーマルコンテナに動作可能に結合された(例えば、少なくとも熱的に結合された)1つ以上の加熱要素に信号を送信する。場合により、例えば、コントローラは、所定時間後、即座に及び/又は非常に短時間のうちに(例えば、比較的少数のプロセッサのクロックサイクル以内等)信号を送信することができる。
【0111】
参照番号14において、食品と関連付けられた温度が第2の所定温度に実質的に等しくなるまで、ある量の流体内に浸漬された食品に熱エネルギーの一部が伝達されるように、サーマルコンテナ内のある量の流体が、加熱要素によって生成された熱エネルギーにより第1の所定温度から第2の所定温度まで加熱される。例えば、デバイス100、デバイス200及び/又はデバイス300を参照して上で詳述したように、流体は、例えば、流体から熱を除去するように構成された熱交換器などの冷却源から流体的に隔離され得る。したがって、加熱要素によって生成された熱エネルギーは、流体を第2の所定温度まで加熱する。上で詳述したように、コントローラは、流体を実質的に第2の所定温度に制御、調整及び/又は維持することに関連付けられた任意の適切な電気デバイス、センサ、電気機械式デバイス等から信号を受信することができ、及び/又はこれらに信号を送信することができる。したがって、デバイス100、デバイス200及び/又はデバイス300を参照して上で詳述したように、方法10は、例えば、冷蔵温度などの所望の温度で食品を保存するために使用され得、及び/又は真空調理によって所望の温度に食品を調理するために使用され得る。
【0112】
図19は、一実施形態による流体浸漬保存及び調理デバイスを使用する方法20を示すフローチャートである。流体浸漬保存及び調理デバイス(本明細書では「デバイス」とも称される)本明細書中に記載されるデバイスのいずれかとされ得る。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスは、
図11~
図17を参照して上述したデバイス300と類似しており、及び/又は実質的に同じであり得る。したがって、デバイスは、第1の部分及び第2の部分を有する少なくとも1つのサーマルコンテナと、サーマルコンテナ内に配置された1つ以上の食品を保存及び/又は調理するために、第1の部分及び第2の部分の少なくとも1つ内である量の流体を循環させるように構成されている流体循環システムとを含み得る。
【0113】
方法20は、参照番号21において、デバイスの第1の部分によって画定される第1の空間内に食品を配置することを含む。場合により、食品は、密封パッケージ等内に配置された肉又はタンパク質食品である。より具体的には、パッケージは、その中に収容された食品を流体的に隔離することができる一方、食品とパッケージ外部の空間(例えば、第1の空間)との間で熱エネルギーを伝達することを可能にする。参照番号22において、食品が、デバイスの第2の部分によって画定される第2の空間内に配置される。場合により、第2の空間内に配置される食品は、デンプン食品、野菜及び/又は他の非肉食品である。場合により、1つより多い食品が第2の空間内に配置され得る。更に、食品は、1つ以上のパッケージ及び/又は食品カートリッジ内に配置され得る。いくつかの実施形態では、第2の空間内に配置されたパッケージ及び/又は食品カートリッジは、第1の空間内に配置されたパッケージ若しくは食品カートリッジに結合され得、及び/又はそうでなければ第1の空間内に配置されたパッケージ若しくは食品カートリッジとともに形成され得る。いくつかの実施形態では、第2の空間内に配置されたパッケージ及び/又は食品カートリッジは流体的に及び熱的に透過性であり得る。即ち、デバイス300を参照して上述したように、第2の空間内に配置されたパッケージ及び/又は食品カートリッジ内に収容された食品は、第2の空間と流体連通及び熱連通することができる。いくつかの実施形態では、食品、パッケージ及び/又は食品カートリッジの少なくともいくつかは、サーマルコンテナに挿入される前に、例えば、キャディー、ホルダ等内に配置され得る。こうした実施形態では、キャディー及び/又はホルダは、食品の挿入及び/又は取り出しを簡略化することができ、且つ/又はそうでなければ容易にし得ることはもとより、食品、パッケージ及び/又は食品カートリッジが所定の向きで配置されるのを確実にすることができる。
【0114】
参照番号23において、第1の空間内の食品がある量の流体中に少なくとも部分的に配置されるように、温度閾値未満の温度を有するある量の流体を第1の空間内で循環させる。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスは、第1の構成(例えば、「保存」構成)にあり得る。第1の構成では、食品の調理前に、デバイスは、1つ以上の食品を保存温度で維持する。こうした実施形態では、デバイスの流体循環システムは、例えば、サーマルコンテナの第1の部分と、チラーアセンブリ及び/又はチラーアセンブリに含まれる熱交換器との間に画定される「低温ループ」内である量の流体を循環させることができる。場合により、ある量の流体の温度は、例えば、約40°Fなどの所定の保存温度に及び/又は所定の保存温度未満に維持され得る。他の実施形態では、ある量の流体は、任意の適切な温度に維持され得る。更に、第1の空間内に配置される食品は、第1の空間内で循環している流体中に少なくとも一部浸漬され、したがって閾値温度に又は閾値温度未満に維持される。
【0115】
参照番号24において、第1の空間内で循環しているある量の流体が熱エネルギーの一部を吸収するように、第1の空間の一部と第2の空間の一部との間に配置された熱伝導壁を介して第2の空間から第1の空間に熱エネルギーが伝達される。デバイス300に含まれる壁329を参照して上述したように、壁は、比較的高い熱伝導率を有する材料で形成され得、及び/又は比較的高い熱伝導率を有する材料を含み得る。したがって、壁は、壁の第1の側(例えば、第2の空間の一部を画定する側)から壁の第2の側(例えば、第1の空間の一部を画定する側)に熱エネルギーを伝達することができる。更に、ある量の流体の少なくとも一部は、第1の空間の一部を画定する壁の表面に沿って流れることができ、これにより、壁から熱エネルギーを除去又は吸収する。このように、デバイス300を参照して上述したように、第2の空間は、例えば、「受動的に」冷却され得る。換言すると、第2の空間及び/又は第2の空間内に配置された食品は、第2の空間内である量の流体を循環させることなく冷却され得る。
【0116】
参照番号25において、熱エネルギーが、その後、ある量の流体から除去され得る。例えば、上述のように、デバイスの流体循環システムは、第1の空間とチラーアセンブリ(例えば、デバイス300に含まれるチラーアセンブリ343)との間である量の流体を循環させることができる。したがって、チラーアセンブリ及び/又はチラーアセンブリに含まれる熱交換器は、ある量の流体から熱エネルギーを除去することができる。熱エネルギーがある量の流体から除去された状態で、流体循環システムは、低温流体、冷やされた流体及び/又は冷却された流体を第1の空間へと再び送達及び/又は移送することができる。したがって、デバイスは、第1の空間内に配置された食品及び第2の空間内に配置された食品を温度閾値(例えば、例えば、約40°Fなどの保存温度)に又は温度閾値未満に維持することができる。
【0117】
図20は、一実施形態による流体浸漬保存及び調理デバイスを使用する方法30を示すフローチャートである。流体浸漬保存及び調理デバイス(本明細書では「デバイス」とも称される)は、本明細書中に記載されるデバイスのいずれかとされ得る。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスは、
図11~
図17を参照して上述したデバイス300と類似しており、及び/又は実質的に同じであり得る。したがって、デバイスは、第1の部分及び第2の部分を有する少なくとも1つのサーマルコンテナと、サーマルコンテナ内に配置された1つ以上の食品を保存及び/又は調理するために、第1の部分及び第2の部分の少なくとも1つ内である量の流体を循環させるように構成されている流体循環システムとを含み得る。
【0118】
参照番号31において、方法30は、デバイスの第1の部分によって画定される第1の空間内に第1の食品を配置することを含む。場合により、第1の食品は、密封パッケージ等内に配置された肉又はタンパク質食品である。より具体的には、パッケージは、その中に収容された食品を流体的に隔離することができる一方、食品とパッケージ外部の空間(例えば、第1の空間)との間で熱エネルギーを伝達することを可能にする。参照番号32において、第2の食品(例えば、デンプン食品)は、デバイスの第2の部分によって画定される第2の空間内の第1の位置に配置される。参照番号33において、第3の食品(例えば、野菜)は、第1の位置と異なる第2の空間内の第2の位置に配置される。場合により、第2の食品と第3の食品とは、個別の及び/又は別個のパッケージ及び/又は食品カートリッジ内に配置される。他の例では、第2の食品を収容しているパッケージ及び/又は食品カートリッジは、第3の食品を収容しているパッケージ及び/又は食品カートリッジに結合され得る。更に他の例では、パッケージ及び/又は食品カートリッジは、第2の食品及び第3の食品の両方を収容することができる。加えて、例えば、デバイス200を参照して上述したように、場合により、第2の空間内に配置されるように構成された1つ以上のパッケージ及び/又は食品カートリッジは、第1の空間内に配置されるように構成されたパッケージ及び/又は食品コンテナに結合され得、且つ/又は第1の空間内に配置されるように構成されたパッケージ及び/又は食品コンテナとともに形成され得る。更に他の実施形態では、更なる食品が第2の空間内に配置され得る。例えば、いくつかの実施形態では、方法30は、第2の空間内の第3の位置に第4の食品を配置することを含み得る。いくつかの実施形態では、第4の食品は、ソース、調味料、マリネ液等であり得る。
【0119】
第2の空間内に配置されるように構成された1つ以上のパッケージ及び/又は食品カートリッジの配置は、第2の食品が第1の位置に配置され、第3の食品が第2の位置に配置されるようなものであり得る。本明細書中に更に詳細に記載されるように、例えば、いくつかの実施形態では、第2の食品(例えば、デンプン食品)は、第2の空間内の、第3の食品(例えば、野菜)より下の場所に配置され得る。更に、第1の食品を収容するパッケージ及び/又は食品カートリッジは、流体的に不透過性であるが熱的に透過性であるものとして上述したが、デバイス100、デバイス200及び/又はデバイス300内に配置されるパッケージ及び/又は食品カートリッジを参照して上述したように、1つ以上のパッケージ及び/又は食品カートリッジ(又はその一部)は、流体的に及び熱的に透過性であり得る。即ち、デバイス300を参照して上述したように、第2の食品及び第3の食品は、第2の空間及び/又は第2の空間内に収容されたある量の流体と流体連通及び熱連通するように構成されている。
【0120】
参照番号34において、第1の温度を有するある量の流体を第1の空間内で循環させて第1の食品に熱エネルギーを伝達する。例えば、いくつかの実施形態では、方法20を参照して上述したように、デバイスは、1つ以上の食品をこの食品の調理前に保存温度に維持する場合、第1の構成(例えば、「保存」構成)にあり得る。いくつかの実施形態では、デバイスは、第1の構成から、デバイスがユーザ入力及び/又は命令に応じて1つ以上の食品を調理する第2の構成(例えば、「調理」構成)へと移行するように構成され得る。例えば、場合により、ユーザは、ユーザがデバイスにより調理された食品を食すことを望む時間を入力することができる。したがって、デバイス(及び/又はデバイスに含まれるコントローラ)は、食品を調理し始める時間を、ユーザ入力及び情報並びに/又は1つ以上の食品に関連付けられたデータに少なくとも部分的に基づいて決定及び/又は計算することができる。いくつかの実施形態では、デバイス及び/又はコントローラは、入力、データ及び/又は情報を例えばウェブページ又はウェブブラウザアプリケーションプログラミングインターフェース(API)から受信することができる。
【0121】
いくつかの実施形態では、第1の食品、第2の食品及び第3の食品を収容するパッケージ及び/又は食品カートリッジはそれぞれ、例えば、その中に収容された1つ以上の食品に関連付けられたデータを含むことができ、及び/又は送信することができる電気又は電子通信デバイス(例えば、RFIDタグ、バーコード、QRコード、NFC無線機等)を含み得る。したがって、デバイス100、デバイス200及び/又はデバイス300を参照して上述したように、デバイスは、デバイス内に収容された食品の調理手順等を受信及び/又は決定することができ、デバイスを、例えば、保存構成から調理構成にいつ移行するかを決定することができる。更に、デバイス及び/又はデバイスに含まれるコントローラは、第1の空間内で循環している流体を第1の温度に加熱するために(例えば、ある量の流体を「高温ループ」内で循環させるために)、流体循環システム及び/又は1つ以上のヒータアセンブリを制御するように構成され得る。場合により、第1の温度は、例えば、パッケージ及び/又は食品カートリッジの電気又は電子通信デバイスから受信されたデータに少なくとも部分的に基づく所定の調理温度等であり得る。例えば、場合により、第1の温度は約140°F~約170°Fであり得る。他の例では、第1の温度は140°F未満又は170°F超であり得る。
【0122】
所定時間後、参照番号35において、ある量の流体の少なくとも一部を、第1の温度を超える第2の温度まで加熱する。例えば、上述のように、デバイス及び/又はデバイスに含まれるコントローラは、第1の食品、第2の食品及び/又は第3の食品に関連付けられたデータに少なくとも部分的に基づき、調理方法又はモダリティを画定することができる。場合により、第1の食品(例えば、肉又はタンパク質食品)を第1の温度で、第2の食品及び第3の食品(例えば、それぞれデンプン食品及び野菜)を第2の温度で加熱及び/又は調理することが望ましい場合がある。したがって、デバイス300を参照して上で詳述したように、デバイス及び/又はコントローラは、第1の空間内(例えば、「高温ループ」内)で循環しているある量の流体の温度の少なくとも一部をいつ上昇させるかを決定することができる。より具体的には、デバイス及び/又はコントローラは、ある量の流体の少なくとも一部の温度を第2の温度に上昇させるために、ある量の流体の少なくとも一部をヒータアセンブリ内で循環させることができる。デバイス300を参照して上述したように、場合により、所定時間は、ある量の流体が第1の空間内をなお循環している状態で、第1の食品を熱エネルギーの増加に曝露させる原因となり得る。
【0123】
参照番号36において、流体の温度を第2の温度に上昇させた後、第2の食品がある量の流体の一部に実質的に浸漬され、第3の食品が流体の一部の実質的に外に配置されるように、ある量の流体の少なくとも一部は第2の空間に送られる。例えば、いくつかの実施形態では、第2の温度は約170°F~約212°Fであり得る。換言すると、流体(例えば、水)の第2の温度は、第1の温度を超えるが、例えば、水の沸点(例えば、約212°F)より低い温度に上昇され得る。他の例では、第2の温度は、水の沸点及び/又はデバイス内で循環している流体の沸点より高くされ得る。
【0124】
上述のように、いくつかの実施形態では、第2の空間内の第2の食品及び第3の食品の配置は、第2の食品が第3の食品より下の場所にあるようなものであり得る。したがって、サーマルコンテナの第2の空間に移動されるある量の流体の一部は、第3の食品を実質的に浸漬させないが、第2の食品を実質的に浸漬させるのに十分であり得る。例として、場合により、第2の食品は、米を沸騰又は非沸騰水に所定時間浸漬させるという既知の調理方法によって調理され得る米であり得る。第3の食品は、所定時間蒸す等の既知の調理方法によって調理され得る、例えば、ブロッコリー、緑豆等などの野菜であり得る。したがって、ある量の流体の一部が第2の空間に送られると、第2の食品及び第3の食品が既知の調理方法によって調理されるように、第2の食品及び第3の食品は第2の空間内に配置され得る。場合により、この方法は、第1の食品、第2の食品及び第3の食品の調理後、ユーザが調理済みの食品を取り出すまで、食品を第1の温度より低い第3の温度に維持することを含み得る。デバイス100、デバイス200及び/又はデバイス300を参照して上述したように、食品をデバイスから取り出すと食す準備ができているように、第3の温度は、例えば加温温度等であり得る。
【0125】
食品を収容するパッケージ及び/又はカートリッジは本明細書中で特に図示及び/又は記載されていないが、このようなパッケージ及び/又はカートリッジは、任意の適切な配置及び/又は構成を有し得ることは理解すべきである。いくつかの実施形態では、例えば、パッケージは、第1の流体的に密封された部分に肉及び/又は他のタンパク質製品を収容することができ、第2の流体的に密封された部分(又は酸素低減包装等などの流体的に多孔質の(fluidically porous)部分)に野菜類、デンプン食品類、炭水化物食品類等を収容することができる。いくつかの実施形態では、パッケージ及び/又はカートリッジは、食品の調理から生じる余分な流体を吸収するように構成された吸収材等を含み得る。
【0126】
いくつかの実施形態では、ユーザは、例えば、ユーザが、自身が食すことを望む食品を選択する(例えば、PCアプリケーション、モバイルアプリケーション、ウェブブラウザ、及びインターネット、電話サービス等により)食事配達サービスを申し込むことができ、配達によって食品を受け取る。こうした実施形態では、食品及び/又は食事は、配達前に予めパッケージ化することができる。このようにして、ユーザは、食品を受け取ることができ、食品を例えば冷凍保存等にする必要なく、食品をデバイス100、デバイス200及び/又はデバイス300内に配置することができる。このような定期配達サービスは、例えば、1週間当たりの所望の食事の数及び/又は任意の他の適切な基準に基づくものであり得る。他の例では、ユーザは1つ以上の食事を「要求に応じて」購入することができる。例えば、ユーザは、インターネット及びウェブブラウザ、PC又はモバイルアプリケーション等によって注文することができる。
【0127】
本明細書中に記載される一部の実施形態は、コンピュータにより実施される種々の操作を実施するための命令又はコンピュータコードを有する非一時的コンピュータ可読媒体(非一時的プロセッサ可読媒体とも呼ばれ得る)を備えるコンピュータストレージ製品に関する。コンピュータ可読媒体(又はプロセッサ可読媒体)は、一時的な伝播信号(例えば、スペース又はケーブルなどの伝送媒体で情報を運ぶ伝播電磁波)を含まないという意味で非一時的である。媒体及びコンピュータコード(本明細書ではコードとも称される)は、1つ又は複数の特定の目的のために設計及び構成されたものであってもよい。非一時的コンピュータ可読媒体の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ハードディスクなどの磁気記憶媒体;コンパクトディスク/デジタルビデオディスク(CD/DVD)、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)などの光記憶媒体;光ディスクなどの磁気光学記憶媒体;搬送波信号処理モジュール、及びプログラムコードを記憶し、実行するように特別に構成されたハードウェアデバイス、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、読み出し専用メモリ(ROM)、及びランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス。本明細書中に記載される他の実施形態は、例えば、本明細書中に記載される命令及び/又はコンピュータコードを含み得るコンピュータプログラム製品に関する。
【0128】
コンピュータコードの例としては、例えばコンパイラによって生成されるマイクロコード又はマイクロ命令、機械命令、ウェブサービスを作成するために使用されるコード、及びインタープリタを使用してコンピュータにより実行されるより高レベルの命令を含むファイルが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、実施形態は、命令型プログラミング言語(例えば、C、FORTRAN等)、関数型プログラミング言語(Haskell、Erlang等)、論理型プログラミング言語(例えば、Prolog)、オブジェクト指向プログラミング言語(例えば、Java(登録商標)、C++等)、若しくは他のプログラミング言語及び/又は他の開発ツールを使用して実施されてもよい。コンピュータコードの更なる例としては、制御信号、暗号化コード、及び圧縮コードが挙げられるが、これらに限定されない。
【0129】
電子機器システムのいくつかは、任意の適切なセンサ等から信号を受信し、プロセッサによる命令セットの実行に基づき、デバイスの一部が次の動作を実施するものとして本明細書中に記載されるが、他の例では、センサからの信号は、デバイスの一部に次の動作を実施させるように動作可能であり得る。例えば、場合により、センサから送信される信号は、スイッチ、ヒューズ、ブレーカ及び/又は任意の他の適切な論理デバイスを、デバイスの一部が電力の流れを受け入れる第1の状態から、デバイスの一部が電力の流れを実質的に受け入れない第2の状態に、又はこの反対に移行するように動作可能であり得る。例えば、センサは、サーマルコンテナ内に収容されたある量の流体の温度が所定の閾値を超えたことに基づき信号を送信することができ、この信号は、サーマルコンテナに入り、及び/又はサーマルコンテナから出る流体の流れを制御し、ある量の流体の温度を所定の閾値の範囲内にするように構成されたもう1つのバルブを開放又は閉鎖するように動作可能であり得る。同様に、充填センサ等は、サーマルコンテナ内に収容されたある量の流体の充填レベルが所定の充填限界を超えたことに基づき信号を送信することができ、この信号は、サーマルコンテナによって画定される空間とドレンリザーバとの間に流体連通を設けるために1つ以上のバルブを開放するように動作可能であり得る。したがって、流体の少なくとも一部は、ある量の流体が所定の充填限界の範囲内になるまでサーマルコンテナから排出され得る。
【0130】
種々の実施形態を上述してきたが、これらは限定のためではなく、単なる例として示してきたことは理解すべきである。上述の図面及び/又は実施形態は特定の向き、位置及び/又は構成で配置された特定の構成要素を示すが、構成要素の配置は変更してもよい。例えば、デバイス200及びデバイス300の流体流路を、特にそれぞれ
図9及び
図17A~
図17Bを参照して上述したが、流体流路は限定のためではなく例として示されていることは理解すべきである。他の実施形態では、デバイスは、デバイス(又はその一部)が保存構成にあるとき、デバイスの少なくとも一部内を流れる流体が実質的に冷却され、デバイス(又はその一部)が調理構成にあるとき、デバイスの一部内を流れ且つ/又はそうでなければデバイスの一部内に収容される流体が、(1)冷却源から流体的に隔離され、及び(2)流体に熱エネルギーを伝達するように構成された加熱要素に熱的に結合されるように任意の適切な構成にある、ポンプ、バルブ、ソレノイド、流体導管、マニホールド、配電ブロック等を含み得る任意の適切な流体循環システムを含み得る。
【0131】
実施形態を特に示し、記載してきたが、形態及び細部に対する種々の変更形態がなされ得ることは理解されるであろう。同様に、種々の実施形態を、構成要素の特定の特徴及び/又は組み合わせを有するものとして記載してきたが、上述した実施形態のいずれかの任意の特徴及び/又は構成要素の組み合わせを有する他の実施形態が可能である。例えば、バルブ257は、開放構成と閉鎖構成との間で移行されるものとして上述したが、デバイスは、例えば、マルチルーメンバルブを含むことができ、マルチルーメンバルブは、例えば、マルチルーメンバルブの第2の部分を流体連通状態に維持する一方、マルチルーメンバルブの第1の部分を流体的に隔離するように構成されている。本明細書中に記載されるバルブは、任意の適切なバルブ、ソレノイド等であり得る。サーマルコンテナ220の第1の空間226及び第2の空間227は、例えば、
図9に、底板224の開口部225を介して第1の流体導管258A及び第9の流体導管258Jと流体連通するものとして示されているが、他の実施形態では、流体循環システム240は、開口部225内に少なくとも部分的に及び/又は選択的に配置された、第1の空間226及び第2の空間227を流体循環システム240と流体連通させるように構成されたバルブ又はソレノイドを含み得る。
【0132】
別の例として、サーマルコンテナ220はアルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料で形成されるか又はこのような金属材料から形成されるものとして上述し、サーマルコンテナ320はプラスチック又はポリマー材料で形成されるか又はこのような材料から形成されるものとして上述したが、他の実施形態では、サーマルコンテナ220及び/又はサーマルコンテナ320は、任意の適切な材料若しくは材料の組み合わせで形成され得、又は任意の適切な材料若しくは材料の組み合わせから形成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、サーマルコンテナは、金属材料で形成された又は金属材料から形成された第1の部分と、プラスチック若しくはポリマー材料で形成された又はプラスチック若しくはポリマー材料から形成された第2の部分とを含み得る。他の実施形態では、サーマルコンテナは、第1の金属若しくは合金で形成された又は第1の金属若しくは合金から形成された第1の部分と、第1の金属若しくは合金と異なる第2の金属若しくは合金で形成された又は第2の金属若しくは合金から形成された第2の部分とを含み得る。同様に、他の実施形態では、サーマルコンテナは、第1のプラスチック若しくはポリマーで形成された又は第1のプラスチック若しくはポリマーから形成された第1の部分と、第1のプラスチック若しくはポリマー材料と異なる第2のプラスチック若しくはポリマー材料で形成された又は第2のプラスチック若しくはポリマー材料から形成された第2の部分とを含み得る。このようにして、サーマルコンテナは、その一部内における及び/又はその一部に沿った熱伝達を促進し、且つ/又はそうでなければ制御するための任意の適切な配置を有し得、及び/又は任意の適切な材料若しくは材料の組み合わせで形成され得る。
【0133】
図示しないが、いくつかの実施形態では、デバイス100、デバイス200及び/又はデバイス300のいずれも、任意の適切なディフューザ、熱シールド、バリア、及び/又は食品を収容するパッケージ及び/若しくはカートリッジが、加熱要素及び/又はそうでなければサーマルコンテナの加熱された表面と直接接触することから保護する任意の他の適切な手段を含み得る。
【0134】
上述の方法及び/又は図面は特定の順序で起こるあるイベント及び/又はフローパターンを示すが、あるイベント及び/又はフローパターンの順序は変更してもよい。加えて、あるイベントは、可能であれば並列プロセスで同時に実施されてもよいことはもとより、逐次的に実施されてもよい。本明細書中に記載される操作及び/又は使用の方法は、限定のためではなく例として提供されることは理解すべきである。例えば、方法30は
図20を参照し、工程35において、所定時間後、ある量の流体の少なくとも一部を第1の温度を超える第2の温度まで加熱することを含むものとして上述したが、他の例では、サーマルコンテナの第1の部分内の食品及びサーマルコンテナの第2の部分内の食品を調理するために使用されるある量の流体の温度は、実質的に一定であり得る。例えば、場合により、第1の部分内に配置された第1の食品(例えば、肉)を調理するためのレシピ及び/又は命令セットは、第1の食品を例えば約195°F(又は他の適切な調理温度)で調理することを必要とし得るとともに、第2の部分内に配置された少なくとも第2の食品(例えば、デンプン食品、野菜、ソース等)を調理するためのレシピ及び/又は命令セットは、少なくとも第2の食品を実質的に同じ温度(即ち、195°F)で調理することを必要とし得る。したがって、食品を冷却及び/又は加熱(調理)する特定の例が本明細書中に記載されているが、デバイスの操作(例えば、食品を保存及び/又は調理する)は、これに限定されるものではないことを理解すべきである。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体浸漬保存及び調理デバイスを使用する方法であって、前記デバイスは、第1の空間及び第2の空間を画定するサーマルコンテナを含み、前記方法は、
前記第1の空間内に第1の食品を配することと、
前記第2の空間内の第1の位置に第2の食品を配することと、
前記第2の空間内の前記第1の位置とは異なる第2の位置に第3の食品を配することと、
ある量の流体を前記第1の空間内で循環させることであって、前記ある量の流体は、第1の温度を有し、且つ前記第1の食品に熱エネルギーを伝達するように構成されている、循環させることと、
所定時間経過後、前記ある量の流体の少なくとも一部を、前記第1の温度より大きい第2の温度に加熱することと、
前記ある量の流体の少なくとも前記一部を前記第2の空間に送ることであって、前記第2の食品は、前記第2の空間に送られた前記ある量の流体の前記一部に実質的に浸漬され、前記第3の食品は、前記第2の空間に送られた前記ある量の流体の実質的に外に配される、送ることと
を含む、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年11月11日に出願された「Apparatus and Methods for at Least Semi-Autonomous Meal Storage and Cooking Via Fluid Immersion」という名称の米国仮特許出願第62/253,795号(この開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる)の優先権及び利益を主張する。
【0002】
背景
本明細書中に記載される実施形態は、食事の冷蔵及び/又は調理のための装置及び方法に関し、より具体的には、流体浸漬による食事の少なくとも半自律型の保存、冷蔵及び調理のための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
真空調理は、食品を比較的低温で長時間加熱することによって食品の品質を維持することを目的とした調理方法である。場合により、機械は、ある量の水を含むことができ、このある量の水に熱エネルギーを伝達して、その所望の温度に到達及び/又は維持することができる。真空調理法において、食品は真空気密パッケージ及び/又はバッグ内に配置され、真空気密パッケージ及び/又はバッグを機械に挿入し、食品を水に浸漬させることができる。食品を挿入する前又は直後に、水を典型的には水の沸点未満の温度(例えば、摂氏約63度(℃))まで加熱する。食品の温度と湯の温度とが実質的に熱平衡の状態になるまで、浸漬された食品を湯によって放出される熱エネルギーにより加熱する。したがって、食品は、食品が配置されている水の温度を制御することにより所望の温度に調理され得る。
【0004】
一部の既知の真空調理法は食事の準備にかなりの時間量を伴う場合があり、場合により、真空調理法を日常的に使用することに課題を呈する可能性がある。これらの課題を解消するために、食品を予め準備し、例えば、冷蔵庫に保存することができる。その後、食品を真空調理デバイス内に配置し、調理することができる。しかしながら、このような方法は人の介入を伴い、時間のかかるものとなり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、流体浸漬による食事の少なくとも半自律型の保存及び調理のための改良された装置及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
流体浸漬による少なくとも半自律型の食事準備のための装置及び方法が本明細書中に記載される。いくつかの実施形態では、第1の空間及び第2の空間を画定するサーマルコンテナを有する流体浸漬保存及び調理デバイスを使用する方法は、第1の空間内に第1の食品を配置することを含む。第2の食品は、第2の空間内の第1の位置に配置される。第3の食品は、第1の位置と異なる第2の空間内の第2の位置に配置される。ある量の流体が第1の空間内で循環される。ある量の流体は、第1の温度を有し、且つ第1の食品に熱エネルギーを伝達するように構成されている。所定時間後、ある量の流体の少なくとも一部が、第1の温度を超える第2の温度まで加熱される。ある量の流体の少なくとも一部が第2の空間に送られ、それにより、(1)第2の食品は、第2の空間に送られたある量の流体の一部に実質的に浸漬され、及び(2)第3の食品は、第2の空間に送られたある量の流体の実質的に外に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態による半自律型流体浸漬調理デバイスの概略図である。
【
図2】
図1の半自律型流体浸漬調理デバイスに含まれるコントローラ及び電子デバイスの概略図であり、コントローラ及び電子デバイスは、それぞれネットワークと通信している。
【
図3】一実施形態による半自律型流体浸漬調理デバイスの正面図である。
【
図4】第1の構成にある、ハウジングの一部がない状態で示される
図3の半自律型流体浸漬調理デバイスの前部斜視図である。
【
図5】第2の構成にある、ハウジングの一部がない状態で示される
図3の半自律型流体浸漬調理デバイスの前部斜視図である。
【
図6】
図3の半自律型流体浸漬調理デバイスに含まれるサーマルコンテナの斜視図である。
【
図8】第1の構成にある、
図3の半自律型流体浸漬調理デバイスの後部斜視図である。
【
図9】
図4の線9-9に沿って取った
図3の半自律型流体浸漬調理デバイスの断面図である。
【
図10】
図3の半自律型流体浸漬調理デバイスに含まれる流体循環システムの一部の分解図である。
【
図11】一実施形態による半自律型流体浸漬調理デバイスの斜視図である。
【
図12】ハウジングの一部がない状態で示される、
図11の半自律型流体浸漬調理デバイスの斜視図である。
【
図13】ハウジングの一部、コントローラ及び/又は支持構造体のない状態で示される、
図11の半自律型流体浸漬調理デバイスの前部斜視図である。
【
図14】
図11の半自律型流体浸漬調理デバイスに含まれるサーマルコンテナ、蓋、及び絶縁材の部分分解図である。
【
図15】
図11の半自律型流体浸漬調理デバイスの一部の後部斜視図である。
【
図16】
図11の半自律型流体浸漬調理デバイスの一部の前部斜視図である。
【
図17A】流体循環システムの少なくとも一部を示す、
図11の半自律型流体浸漬調理デバイスの一部の底面図である。
【
図17B】流体循環システムの少なくとも一部を示す、
図11の半自律型流体浸漬調理デバイスの一部の背面図である。
【
図18】流体浸漬により食事を少なくとも半自律的に保存及び調理する方法を示すフローチャートである。
【
図19】流体浸漬により食事を少なくとも半自律的に保存及び調理する方法を示すフローチャートである。
【
図20】流体浸漬により食事を少なくとも半自律的に保存及び調理する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
流体浸漬による少なくとも半自律型の食事準備のための装置及び方法が本明細書中に記載される。いくつかの実施形態では、第1の空間及び第2の空間を画定するサーマルコンテナを有する流体浸漬保存及び調理デバイスを使用する方法は、第1の空間内に第1の食品を配置することを含む。第2の食品は、第2の空間内の第1の位置に配置される。第3の食品は、第1の位置と異なる第2の空間内の第2の位置に配置される。ある量の流体が第1の空間内で循環させる。ある量の流体は、第1の温度を有し、且つ第1の食品に熱エネルギーを伝達するように構成されている。所定時間後、ある量の流体の少なくとも一部が、第1の温度を超える第2の温度まで加熱される。ある量の流体の少なくとも一部が第2の空間に送られ、それにより、(1)第2の食品は、第2の空間に送られたある量の流体の一部に実質的に浸漬され、及び(2)第3の食品は、第2の空間に送られたある量の流体の実質的に外に配置される。
【0009】
いくつかの実施形態では、装置は、サーマルコンテナ及び流体循環システムを含む。サーマルコンテナは、比較的低い熱伝導率を有する材料で形成されている。サーマルコンテナは、第1の食品を受け入れるように構成された第1の空間を画定する第1の部分と、第2の食品及び第3の食品を受け入れるように構成された第2の空間を画定する第2の部分とを有する。サーマルコンテナは、比較的高い熱伝導率を有する材料で形成されており、第1の空間の一部及び第2の空間の一部を集合的に画定する壁又は壁の少なくとも一部を含む。流体循環システムは、第1の空間及び第2の空間と流体連通している。流体循環システムは、第1の構成、第2の構成、及び第3の構成を有する。流体循環システムは、第1の構成にあるとき、第1の量の熱エネルギーを有するある量の流体を第1の空間内で循環させるように構成されている。流体循環システムは、第2の構成にあるとき、第1の量の熱エネルギーよりも大きい第2の量の熱エネルギーを有するある量の流体を第1の空間内で循環させるように構成されている。流体循環システムは、流体循環システムが第3の構成にあるとき、(1)ある量の流体の熱エネルギーを第2の量の熱エネルギーから第3の量の熱エネルギーに増加させ、且つ(2)第3の量の熱エネルギーを有するある量の流体の少なくとも一部を第2の空間に送るように構成されている。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1の空間及び第2の空間を画定するサーマルコンテナを有する流体浸漬保存及び調理デバイスを使用する方法は、第1の空間内に食品を配置することと、第2の空間内に食品を配置することとを含む。ある量の流体が、その後、第1の空間内で循環される。ある量の流体は、温度閾値未満の温度を有する。第1の空間内の食品は、ある量の流体中に少なくとも部分的に配置され、温度閾値未満の温度に維持される。熱エネルギーが、第1の空間と第2の空間との間に配置された熱伝導壁を介して第2の空間から第1の空間に伝達され、及び熱エネルギーの少なくとも一部は、第1の空間内で循環しているある量の流体によって吸収される。この方法は、ある量の流体から熱エネルギーを除去することを更に含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、方法は、流体浸漬調理デバイスのサーマルコンテナ内に食品を保存することを含む。サーマルコンテナは、第1の所定温度のある量の流体を含む。食品が密封パッケージ内に配置され、密封パッケージは、ある量の流体内に浸漬される。流体浸漬調理デバイスのコントローラは、所定時間と関連付けられた指示を受信する。コントローラは、所定時間後、サーマルコンテナに動作可能に結合された加熱要素に信号を送信する。加熱要素は、熱エネルギーにより、サーマルコンテナ内のある量の流体を第1の所定温度から第2の所定温度まで加熱する。熱エネルギーの一部は、食品と関連付けられた温度が第2の所定温度に実質的に等しくなるまで、ある量の流体内に浸漬された食品に伝達される。
【0012】
本明細書で使用する場合、別段の明確な指示のない限り、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、複数形指示物を含む。したがって、例えば、用語「部材」は、単一部材又は部材の組み合わせを意味するものであり、「材料」は、1つ以上の材料又はその組み合わせを意味するものである。
【0013】
本明細書で使用する場合、用語「モジュール」は、例えば、メモリ、プロセッサ、電気トレース、光コネクタ、ソフトウェア(ハードウェア内で実行する)等を含み得る、動作可能に結合された電気部品の任意のアセンブリ及び/又はセットを意味する。例えば、プロセッサ内で実行されるモジュールは、そのモジュールと関連付けられた1つ以上の特定の機能を実施することが可能である、ハードウェアベースモジュール(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP))及び/又はソフトウェアベースモジュール(例えば、メモリに記憶された及び/又はプロセッサで実行されるコンピュータコードのモジュール)の任意の組み合わせであり得る。
【0014】
本明細書で使用する場合、用語「フィードバック」、「フィードバックシステム」及び/又は「フィードバックループ」は、過去又は現在の特性が現行又は将来の動作に影響を及ぼすシステムに関する。例えば、流体循環システムは、流体循環システムの状態(例えば、所望の媒体の測定可能な温度)が、流体循環システムにフィードバックされる現行又は過去の状態に依存するフィードバックシステムであると言える。場合により、フィードバックシステムは、センサから受信した信号、電気の流れ又は電気の流れの方向等に基づき電気回路を開く又は閉じることができるいくつかのリレー、スイッチ等を含む電気機械式システムであり得る。場合により、フィードバックシステムは、システムコンポーネントによる入力、電気回路の状態及び/又は電力の流れに基づき、制御ロジックを使用して1つ以上の動作を実施することができるプログラマブルロジックコントローラ(PLC)で制御及び/又は実施され得る。場合により、PLCは、例えば、比例積分微分(PID)コントローラなどの制御スキームを含み得る。したがって、一部のフィードバックシステムの出力は、比例項と、積分項と、微分項との和により数学的に説明され得る。PIDコントローラは、多くの場合、1つ以上の電子デバイスに実装されている。このようなコントローラでは、比例項、積分項及び/又は微分項は、フィードバックシステムの特性を変更するために能動的に「調整」され得る。
【0015】
電子デバイスは、電気機械式システム及び/又は流体システムを能動的に制御して所望のシステム状態を達成及び/又は維持するためにフィードバックシステムを実装していることが多い。例えば、フィードバックシステムは、1つ以上のバルブを開放又は閉鎖すること、1つ以上のポンプを操作すること、水の温度を上昇又は低下させる等により、流体システム(例えば、閉鎖システム内のある量の水)を制御するために実装され得る。更に詳述すると、フィードバックシステムは、ある量の水の少なくとも一部の現行の状態及び/又は過去の状態(例えば、温度、流量、量等)を判断し、過去及び/又は現行の状態の値を例えばPID制御方式に戻すことができる。場合により、電子デバイス(例えば、コントローラ)は、任意の適切な数値方法又はその任意の組み合わせ(例えば、ニュートン法、ガウス消去法、オイラー法、LU分解等)を実施することができる。したがって、流体システムは、ある量の水の少なくとも一部の過去及び/又は現行の状態に基づき、所望のシステム状態を達成するように能動的に変更され得る。
【0016】
図1は、一実施形態による流体浸漬調理デバイス100の概略図である。流体浸漬調理デバイス100(本明細書では「デバイス」とも称される)は、任意の適切な調理デバイス、機械及び/又はシステムであり得る。本明細書中に更に詳細に記載されるように、例えば、デバイス100は、調理前、食品を密封パッケージ内に保存し、デバイス100内に第1の温度で配置するように構成されており、デバイス100内に配置された食品を、食品と水などの循環する流体との間の熱伝達によって第1の温度を超える第2の温度で調理するように構成されている真空調理デバイスであり得る。デバイス100は、少なくとも1つのサーマルコンテナ120と、流体循環システム140と、コントローラ170と、電源173とを含む。
図1に図示しないが、デバイス100は、少なくとも1つのサーマルコンテナ120、流体循環システム140、コントローラ170及び/又は電源173を収容し且つ/又は少なくとも部分的に覆い囲むように構成されたハウジングを含むことができる。更に、ハウジングは、ハウジング内に配置された構成要素の少なくとも一部へのアクセスを可能にするように構成された蓋等を含むことができる。本明細書中に更に詳細に記載されるように、デバイス100(例えば、ハウジング)は、また、デバイス100に関連付けられた情報を提示するように構成された、例えば、ディスプレイ又はタッチスクリーンディスプレイなどの1つ以上のユーザインタフェース部を含むことができる。
【0017】
サーマルコンテナ120は、任意の適切な形状、大きさ及び/又は構成であり得る。いくつかの実施形態では、デバイス100は、単一のサーマルコンテナ120を含むことができる。他の実施形態では、デバイス100は、複数のサーマルコンテナ120(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、又はこれより多いサーマルコンテナ120)を含むことができる。より具体的には、いくつかの実施形態では、デバイス100は、1週間の各日(即ち7つ)又は1週間の労働日の各日(即ち5つ)のためのサーマルコンテナ120を含むことができる。いくつかの実施形態では、デバイス100のハウジングは、デバイス100内に含まれる各サーマルコンテナ120と関連付けられたディスプレイ及び/又は印を含むことができる。
【0018】
サーマルコンテナ120は、任意の適切な材料若しくはそれらの組み合わせで形成され得、及び/又は任意の適切な材料若しくはそれらの組み合わせを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ120は、比較的高い熱伝導率を有する材料で形成され得る。換言すると、サーマルコンテナ120は、例えば、その中に配置されたある量の水に熱エネルギーを伝導及び/又は伝達するように構成された材料で形成され得、且つ且つ/又はこうした材料を含み得る。より具体的には、サーマルコンテナ120及び/又はその任意の適切な部分は、例えば、約10ワット/メートル*ケルビン(W/mk)~約250W/mkの熱伝導率を有する金属で形成され得る。例えば、サーマルコンテナ120及び/又はその任意の適切な部分は、約200W/mk~約250W/mkの熱伝導率を有するアルミニウムで形成され得る。他の実施形態では、サーマルコンテナ120及び/又はその任意の適切な部分は、約12W/mk~約45W/mkの熱伝導率を有するステンレス鋼で形成され得る。更に他の実施形態では、サーマルコンテナ120及び/又はその任意の適切な部分は、比較的高い熱伝導率を有する任意の他の好適な材料又は材料の組み合わせで形成され得る。
【0019】
サーマルコンテナ120は、比較的高い熱伝導率を有する材料から形成され得るが、比較的低い熱伝導率を有する材料又は材料の組み合わせ(例えば、発泡熱絶縁材等)を各サーマルコンテナ120の周りに配置し、サーマルコンテナ120の一部をデバイス100の他の部分(例えば、他のサーマルコンテナ120、コントローラ170、流体循環システム140の一部等)から絶縁し、及び/又は少なくとも一部熱的に隔離することができる。換言すると、各サーマルコンテナ120は、絶縁材料(
図1には示さず)を含み得、及び/又は絶縁材料(
図1には示さず)によって少なくとも部分的に囲まれ得る。例えば、いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ120は、約0.2W/mk~約1.8W/mkの熱伝導率を有する絶縁材料を含み得、及び/又は約0.2W/mk~約1.8W/mkの熱伝導率を有する絶縁材料によって少なくとも部分的に囲まれ得る。いくつかの実施形態では、このような絶縁材料は、例えば、注ぎ可能(pourable)独立気泡発泡絶縁体(例えば、約0.24W/mk)、ポリイソシアヌレート発泡体(例えば、約0.26W/mk)、ミネラルウール(例えば、約1.73W/mk)等であり得る。他の実施形態では、デバイス100及び/又はサーマルコンテナ120のいずれかの部分は、例えば、ポリプロピレン(例えば、約0.1W/mk~約0.22W/mk)、ナイロン6、ガラス30%入り(例えば、約0.23W/mk)などのガラス入りナイロン、エポキシ(例えば、約0.17W/mk)等などのプラスチックから形成され得る。いくつかの実施形態では、デバイス100を、例えば、比較的低い調理温度を使用する真空調理デバイスとして配置することにより、絶縁材料は、他の調理形態に関連付けられた動作温度の範囲よりも低い動作温度の範囲にわたる熱絶縁を提供し、他の調理法に不適当な種々の絶縁材料(例えば、ポリウレタン等)の使用を可能にすることができる。
【0020】
複数のサーマルコンテナ120を含む実施形態では、各サーマルコンテナ120を熱的に絶縁することで各サーマルコンテナ120の独立温度制御を可能にすることができる。例えば、一部のこうした実施形態では、サーマルコンテナは相対的に低温構成(例えば、保存又は冷蔵構成)にあり得る一方、隣接するサーマルコンテナは相対的に高温構成(例えば、調理構成)にあり得る。したがって、各サーマルコンテナ及び/又はその少なくとも一部を絶縁することにより、相対的に高温構成にあるサーマルコンテナに関連付けられた熱エネルギーを、相対的に低温構成にあるサーマルコンテナから実質的に隔離することができる。他の例では、サーマルコンテナ間の熱エネルギーの伝達は、任意の適切な手法で制御することができる。
【0021】
サーマルコンテナ120は、ある量の流体及び1つ以上の食品パッケージを受け入れるように構成された1つ以上の空間を画定する。例えば、いくつかの実施形態では、各サーマルコンテナ120は、壁又は仕切りによって互いに流体的に隔離された2つの空間(例えば、第1の空間及び第2の空間)を画定することができる。こうした実施形態では、本明細書中に更に詳細に記載されるように、壁又は仕切りは、壁又は仕切りを介して第1の空間と第2の空間との間で熱エネルギーを伝達することができるように比較的高い熱伝導率を有することができる。いくつかの実施形態では、第1の空間は、第1の種類の食品(例えば、肉類及び/又は他のタンパク質食品類)を受け入れるように構成することができ、第2の空間は、第2の種類の食品(例えば、野菜類、デンプン食品類、炭水化物食品類、ソース類等)を受け入れるように構成することができる。より具体的には、場合により、1つ以上の食品を予めパッケージ化することができ(例えば、流体密パッケージ内等)、これを更にカートリッジに結合させ、及び/又はそうでなければカートリッジ内に含める。いくつかの実施形態では、カートリッジ及びサーマルコンテナ120は、第1の種類の食品及び第2の種類の食品を含むカートリッジがサーマルコンテナ120内に所定の向きでのみ配置され得るように(例えば、形状又は大きさ、レール及び/又はグルーブなどの特徴等により)集合的に配置又は構成されている。したがって、カートリッジは、第1の種類の食品が第1の空間内に配置され、第2の種類の食品が第2の空間内に配置されるように、サーマルコンテナ120内に所定の向きで挿入されるように構成されている。本明細書中に更に詳細に記載されるように、調理前、サーマルコンテナ120は、その中に収容された食品を第1の所望の温度で保存するように構成することができ、コントローラ170により1つ以上の命令が実行されたことに応じて、加熱された流体の流れを受け入れることができ、及び/又はそうでなければ食品を第1の所望の温度よりも高い第2の所望の温度に加熱する(例えば、調理する)ために、サーマルコンテナ120内に収容された流体を加熱することができる。
【0022】
デバイス100の流体循環システム140は、任意の適切な形状、大きさ及び/又は構成であり得る。流体循環システム140は、例えば、デバイス100内に収容されるか又はデバイス100内を流れる水などの作動流体の温度を調整するように構成されている。例えば、流体循環システム140は、デバイス100内の任意の適切な数の流体流路を集合的に画定し得る任意の数の流体導管、チューブ、管、バルブ、ソレノイド、ポンプ、流体リザーバ等を含み得る。更に、流体循環システム140は、任意の数の熱交換器及び/又は熱交換器アセンブリ、ヒートシンク、加熱要素、スチーマ、熱拡散器、冷却要素、チラー等を含み得る。したがって、流体循環システム140は、デバイス内に収容されたある量の流体の温度を制御、変更、維持、及び/又はそうでなければ調整するように動作可能なコントローラ170及び/又は電源173から、それぞれ信号及び/又は電力を受信することができる。
【0023】
例として、いくつかの実施形態では、流体循環システム140は、例えば、水などのある量の流体を含むように構成された流体リザーバを含むことができ、流体リザーバは、したがって、任意の適切な数及び/又は配置の流体導管、バルブ、ポンプ、ソレノイド等を介して少なくとも1つのサーマルコンテナ120と選択的に流体連通する。同様に、流体循環システム140は、少なくとも1つのサーマルコンテナ120を1つ以上の熱交換器、冷却器及び/又は熱源と選択的に流体連通させるように構成された任意の適切な数及び/又は配置の流体導管、バルブ、ポンプ、ソレノイド等を含み得る。例えば、ユーザ入力(例えば、ローカル入力又はネットワークを介した入力のいずれか)、既定のスケジュール及び/又はイベント等に関連付けられた入力などの入力に応じて、コントローラ170は、流体循環システム140に信号を送信して、デバイス100内の水の流れ及び/又は温度を調整することができる。例えば、場合により、流体循環システム140は、1つ以上のバルブ又はソレノイドを開放し、サーマルコンテナ120からチラーアセンブリ(例えば、1つ以上の冷却器等)への流体流路、及びサーマルコンテナ120からインライン熱源などの1つ以上の熱源等への第2の流体流路を画定することができる。このようにして、本明細書中に更に詳細に記載されるように、チラーアセンブリ及び/若しくは冷却器内の第1の流体流路内又は1つ以上の熱源内の第2の流体流路内で流体(例えば、水)を循環させて、サーマルコンテナ120内に収容された流体の温度を制御することができる。
【0024】
コントローラ170は、デバイス100の少なくとも一部を少なくとも半自律的に制御するように構成された任意の適切な電子及び/又は電気機械式デバイスであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラ170は、デバイス100の少なくとも一部を制御するように構成された任意の適切な電子及び/又は電気機械式デバイスを含み得る。コントローラ170は、デバイス100内に配置された食品を保存及び調理するために任意の数の処理を実施することができ、及び/又は(例えば、フィードバック制御系、PLC、PID等を介した)デバイス100の一部の制御に関連付けられた任意の適切な命令若しくはコードを実行することができる。
【0025】
より具体的には、コントローラ170は、例えば、少なくとも電源173と、メモリと、プロセッサと、入力/出力(I/O)インターフェースとを含み得る。メモリは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、メモリバッファ、ハードドライブ、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)等であり得る。いくつかの実施形態では、上述のように、メモリは、デバイス100の1つ以上の部分の制御に関連付けられたモジュール、処理及び/又は機能をプロセッサに実行させるための命令を記憶する。コントローラ170のプロセッサは、汎用プロセッサ(GPP)、中央処理ユニット(CPU)、加速処理ユニット(APU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)等などの任意の適切な処理デバイスであり得る。プロセッサは、メモリに記憶された、デバイス100の1つ以上の部分の動作に関連付けられた命令セット又はコードを走らせるか又は実行するように構成され得る。I/Oインターフェースは、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)1394インターフェース(FireWire)、Thunderbolt(商標)インターフェース、Serial ATA(SATA)インターフェース又は外部Serial ATA(eSATA)インターフェース、ネットワークインターフェースカード(1つ以上のイーサネット(登録商標)ポート及び/又はワイヤレスフィデリティ(WiFi(登録商標))無線機、Bluetooth(登録商標)無線機、近接場通信(NFC)無線機、ZigBeeプロトコル無線機、Threadプロトコル無線機、無線識別(RFID)無線機等などの無線通信機を含む)であり得る。I/Oインターフェースは、プロセッサに信号を送信し、及び/又はプロセッサから信号を受信するように構成されている。同様に、I/Oインターフェースは、デバイスに含まれる、例えば、1つ以上のセンサ(例えば、流体レベルセンサ、流量センサ、温度計、サーミスタ等)、熱電冷却器(例えば、ペルチェ冷却器等)、圧縮器、液体熱交換器、ヒータ、ボイラ、蒸気発生器、ポンプ、光学式スキャナ、バーコードスキャナ、クイックレスポンス(QR)コードスキャナ、RFID送信機、インターインテグレーテッドサーキット(I2C)、ユニバーサル非同期受信/送信(UART)デバイス、シリアルペリフェラルインターフェース(SPI)デバイス等など、任意の適切な電気デバイス及び/又は電子デバイスから信号を受信し、且つ/又はこれらに信号(例えば、データ、電力等)を送信するように構成され得る。
【0026】
場合により、コントローラ170は、サーマルコンテナ120内に配置された食品の調理に関連付けられた1つ以上の処理を実施及び/又は実行することができる。こうした例では、コントローラ170は、例えば、任意の数のポンプ、バルブ、ソレノイド、熱交換器又は熱交換器アセンブリ、加熱要素、センサ(例えば、流体レベルセンサ、温度センサ等)等に、サーマルコンテナ120によって画定される空間の少なくとも一部内のある量の流体を実質的に所定の温度に維持することに関連付けられた信号を送信し、及び/又はこれらから信号を受信するように構成され得る。例えば、コントローラ170は、電源173に、サーマルコンテナ120に動作可能に結合された、及び/又はそうでなければサーマルコンテナ120内で循環しているある量の流体(例えば、水)の少なくとも一部と連通する1つ以上の加熱要素に電気エネルギーを送信させるための1つ以上の処理を実施することができる。したがって、加熱要素は、サーマルコンテナ120内に収容された及び/又はサーマルコンテナ120内で循環しているある量の流体に熱エネルギーを伝達することができ、これにより、したがって流体の温度を上昇させる。コントローラ170は、加熱要素から放出される熱エネルギーの量を調整し、例えば、加熱要素と、ある量の流体とを(実質的に)熱平衡の状態に維持するように構成され得る。更に、パッケージ(及び/又はカートリッジ)内に収容され、且つサーマルコンテナ120内に配置された食品は、ある量の流体中に浸漬されているため、デバイス100は、食品を真空調理状態で調理することができる(例えば、流体浸漬調理によって)。場合により、加熱要素と、サーマルコンテナ120内の又はサーマルコンテナ120内で循環しているある量の流体とを熱平衡(実質的に)に維持することにより、例えば、ある量の流体と食品とが(実質的に)熱平衡の状態に達するまで、ある量の流体は、その中に浸漬されている食品に熱エネルギーの一部を伝達する。このように、コントローラ170は、サーマルコンテナ120内に収容された食品を調理するためのデバイス100の少なくとも一部を所望の温度に、温度の変動がほとんどない状態で制御するように構成され得る。
【0027】
別の例として、場合により、コントローラ170は、食品の調理前、サーマルコンテナ120内に収容された食品を所定の温度に維持すること(例えば、冷蔵)に関連付けられた1つ以上の処理を実施及び/又は実行することができる。こうした例では、ユーザは、1つ以上のサーマルコンテナ120によって画定される空間にある量の流体(例えば、水)を注ぐことができる。加えて、ユーザは、例えば、所望の食品を含む1つ以上のパッケージ及び/又はカートリッジを、1つ以上のサーマルコンテナ120によって画定された空間に挿入することができる(例えば、1つのサーマルコンテナにつき少なくとも1つのパッケージ及び/又はカートリッジ)。上述のように、パッケージ及び/又はカートリッジ並びにパッケージ及び/又はカートリッジが挿入されるサーマルコンテナ120の配置は、パッケージ及び/又はカートリッジが所定の向き及び/又は構成で挿入されるような配置である。
【0028】
食品及び流体がサーマルコンテナ120内に配置された状態で、コントローラ170は、例えば、任意の数のポンプ、バルブ、ソレノイド、熱交換器又は熱交換器アセンブリ、センサ等に、サーマルコンテナ120によって画定される空間の少なくとも一部内の(及び/又はサーマルコンテナ120内で循環している)ある量の流体を実質的に所定の温度に維持することに関連付けられた信号を送信することができ、及び/又はこれらから信号を受信することができる。場合により、例えば、コントローラ170は、サーマルコンテナ120と、チラー、チラーアセンブリ、熱交換器、冷却器等との間に流体流路が画定されるように、流体循環システム140に1つ以上の信号を送信することができる。こうした例では、チラーアセンブリ(例えば、熱交換器)は、流体流路内を流れる流体から熱エネルギーを吸収し、熱エネルギーが、例えば、チラーアセンブリの外部環境に出るのを阻止することができるように構成され得る。換言すると、チラーアセンブリは、熱交換器及び/又はそうでなければ熱交換器に動作可能に結合されたチラー若しくはコールドシンクを流体が流れる際、流体を冷却することができる。したがって、冷却された流体は、サーマルコンテナ120によって画定される空間へと流れることができ、ある量の加温された流体は、チラーアセンブリに戻るように循環され得る(即ち、流体はサーマルコンテナ120内で循環する)。このようにして、流体は、サーマルコンテナ120によって画定される空間を実質的に所定の温度に維持することができ、これにより、したがってサーマルコンテナ120内に配置された食品から熱エネルギーを除去し、食品を実質的に所定の温度に維持することができる。場合により、所定の温度は、例えば、摂氏約4.4度であり得る。換言すると、コントローラ170は、食品の調理前にサーマルコンテナ120内の食品を冷蔵することに関連付けられた1つ以上の処理を実施するように構成され得る。
【0029】
上述のように、コントローラ170は、デバイス100内に収容された食品を第1の所定温度で少なくとも半自律的に保存する(例えば、冷却又は冷蔵)ことに関連付けられた任意の適切な処理を実施するように構成され得るとともに、デバイス100内に収容された食品を調理することに関連付けられた任意の適切な処理を実施することができる(例えば、食品の温度を、第1の所定温度よりも高い第2の所定温度に上昇させる)。例えば、コントローラ170は、1つ以上のプロセッサによって実行される命令を受信及び/又は記憶するように構成されたメモリを含む。コントローラ170は、任意の適切なソースからデータ及び/又は命令を受信することができる。例えば、上述のように、いくつかの実施形態では、デバイス100は、1つ以上のユーザインタフェースを有するハウジングを含むことができる。こうしたユーザインタフェースは、例えば、ディスプレイ又はタッチスクリーンディスプレイ、1つ以上のボタン、トグル、スイッチ、タイマ等を含み得る。したがって、ユーザは、ユーザインタフェースを介して、コントローラ170に任意の数の信号が送信されることになり得る任意の適切な動作を実施することができる。このような信号は、例えば、メモリに記憶され、プロセッサによって実行され得る命令を示すものであり得る。これに応じて、コントローラ170は、上述のものなど、デバイス100の制御に関連付けられた任意の適切な処理を実施することができる。
【0030】
図2に示すように、いくつかの実施形態では、デバイス100のコントローラ170は、コントローラ170をネットワーク171と通信させるように構成されたネットワークインターフェースカードなどのI/Oインターフェース(例えば、イーサネットポート及び無線通信機の少なくとも1つを含む)を含むことができる。ネットワーク171は、例えば、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、バーチャルローカルエリアネットワーク(VLAN)、インターネット、ロングタームエボリューションLTEなどのセルラーデータネットワーク等などの任意の適切なネットワークであり得る。ネットワークは有線又は無線ネットワークとして実施され得る。このようにして、ユーザは、ネットワーク171、及びハンドヘルド型コントローラ、モバイルデバイス、スマートフォン、タブレット、ノート型パソコン、パーソナルコンピュータ(PC)等などのリモート電子デバイス172を介してコントローラ170に信号をリモートで送信することができる。例えば、リモート電子デバイス172は、少なくともプロセッサ、メモリ、及びディスプレイを含むことができるとともに、例えば、パーソナルコンピュータアプリケーション、モバイルアプリケーション、ウェブページ等を走らせることができる。このように、ユーザは、デバイス100に関連付けられたデータが(例えば、アプリケーション、即ち「アプリ」を介して)リモート電子デバイス172のディスプレイ上にグラフィックで示されるようにリモート電子デバイス172を操作することができる。したがって、ユーザは、アプリと対話し、ネットワーク171を介してデバイス100のコントローラ170に信号を送信することができ、及び/又はデバイス100のコントローラ170から信号を受信することができる。こうした例では、ユーザは、リモート電子デバイス172を使用して、例えば、食品が完全に調理され、食す準備が整うべき目標時間を設定することができ、予めプログラムされた処理をオーバーライドすることができ、デバイス100をオン若しくはオフにすることができる(例えば、それぞれ「電源をオンにした」状態若しくは「電源をオフにした」状態にする)、且つ/又はコントローラ170及び/若しくはデバイス100の任意の他の適切な機能を制御することができる。
【0031】
上述のように、コントローラ170及び/又はデバイス100は、デバイス100の一部の動作又は動作の欠如に関連付けられたデータを収集し、このデータをコントローラ170に送信することができるように構成された任意の適切なセンサ、エンコーダ、スキャナ等を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス100は、デバイス100内に配置された食品に関連付けられたデータを走査、検知及び/又はそうでなければ受信するように構成された、バーコードスキャナ、QRコード(登録商標)スキャナ、NFCデバイス又は無線機、RFIDデバイス又は無線機等のスキャナを含むことができる。より具体的には、いくつかの実施形態では、食品は1つ以上のパッケージ内に配置され、パッケージのそれぞれは、その中に収容された食品を識別するように構成された少なくとも1つのバーコード、QRコード及び/又はRFIDタグを含み得る。デバイス100は、食品がデバイス100に挿入されたときにパッケージ上のコードを走査し、及び/又はそうでなければパッケージから信号を受信し、走査されたコード又は信号に関連付けられたデータに基づき、パッケージ内に収容された食品に関連付けられた情報を特定することができるように構成されたバーコード、QRコードスキャナ及び/又はRFIDトランシーバを含むことができる。このような情報又はデータは、例えば、コントローラ170のメモリ及び/又はコントローラ170のメモリに動作可能に結合されたデータベースに記憶され得る。本明細書中に更に詳細に記載されるように、情報及び/又はデータは、例えば、保存及び/又は調理手順、時間、温度、消費期限及び/又は任意の他の適切な情報を含み得る。
【0032】
図3~
図10は、一実施形態による半自律型流体浸漬調理デバイス200を示す。流体浸漬調理デバイス200(本明細書では「デバイス」とも称される)は、任意の適切な調理デバイス、機械及び/又はシステムであり得る。本明細書中に更に詳細に記載されるように、例えば、デバイス200は、調理前、食品を密封パッケージ内に保存し、デバイス200内に第1の温度で配置するように構成されており、デバイス200内に配置された食品を、食品と水などの循環する流体との間の熱伝達によって第1の温度を超える第2の温度で調理するように構成されている真空調理デバイスであり得る。デバイス200は、ハウジング210と、サーマルコンテナ220一式と、流体循環システム240と、コントローラ(
図3~
図10には示さず)とを含む。いくつかの実施形態では、デバイス200は、
図1及び
図2を参照して上述したデバイス100に実質的に類似し得る。したがって、デバイス200のいくつかの態様について、本明細書中において更に詳細には記載しない。例えば、
図3~
図10には示されていないが、デバイス200のコントローラは、デバイス100を参照して上述したコントローラ170に実質的に類似し得るか又は同じであり得る。したがって、デバイス200のコントローラは、デバイス200の少なくとも一部を制御するように構成された任意の適切な電子及び/又は電気機械式デバイスを含み得、及び/又はこれらと通信することができる。更に、コントローラは、例えば、電気コンセント、電池等などの任意の適切な電源に電気的に接続され得る。
【0033】
デバイス200のハウジング210は、サーマルコンテナ220一式、流体循環システム240及びコントローラ270を収容し、及び/又は少なくとも部分的に覆い囲むように構成されている。ハウジングは、任意の適切な形状、大きさ及び/又は構成であり得る。例えば、
図3に示すように、ハウジング210は実質的に矩形であり、例えば、台所の調理台、キャビネット等の上又はその中に配置するのに好適な大きさを有し得る。ハウジング210は、本体部分211及び蓋212を含む。蓋212は本体部分211に可動的に結合されており、閉鎖構成から開放構成に移行し、ハウジング210内に収容された構成要素にユーザがアクセスすることを可能にすることができる。
図3において、デバイス200は、デバイス200を開放構成と閉鎖構成との間で移行させるように構成された蓋212を含むものとして示されるが、他の実施形態では、デバイス200から蓋212をなくすことができる。例えば、いくつかの実施形態では、各サーマルコンテナ220は独自の蓋を含み得る。
【0034】
ハウジング210の本体部分211は、1つ以上のユーザインタフェース部213を含む。例えば、
図3に示される実施形態では、ハウジング210の本体部分211は5つのユーザインタフェース部213を含み、本明細書中に更に詳細に記載されるように、そのそれぞれは、例えば、ハウジング210内に配置された異なるサーマルコンテナ220と関連付けられている。ユーザインタフェース部213は、例えば、その関連付けられたサーマルコンテナ220及び/又はその中に収容された内容物(例えば、食品)に関する情報を提示するように構成されたディスプレイを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、ユーザインタフェース部213のディスプレイは、デバイス200が関連付けられたサーマルコンテナ220内に配置された食品を用いて調理する、計画された食事に関連付けられた情報をグラフィックで示すように構成され得る。例えば、場合により、ディスプレイは、「月曜日の夕食」若しくは「水曜日の昼食」などの文字及び/又は任意の他の適切な情報をグラフィックで表示することができる。一部の例では、ユーザインタフェース部213のディスプレイは、例えば、カロリー含有量、脂肪含有量、タンパク質含有量等など、その関連付けられたサーマルコンテナ220内に収容された食品に関する栄養成分表示をグラフィックで示すことができる。他の例では、ユーザインタフェース部213のディスプレイは、調理経過、又は関連付けられたサーマルコンテナ220の1つ以上の状況のステータス(例えば、調理完了までの推定時間、現在温度等)をグラフィックで示すことができる。情報の特定の例がユーザインタフェース部213のディスプレイによりグラフィックで示されているものの、本明細書中に記載される実施形態は、記載した特定の例に限定されるものではない。換言すると、ユーザインタフェース部213のディスプレイによってグラフィックで示される情報の特定の例は、このようなディスプレイがグラフィックで示すことができる情報の排他的又は網羅的一覧を意図するものではない。
【0035】
上述のように、サーマルコンテナ220一式の少なくとも一部、流体循環システム240の少なくとも一部、及びコントローラの少なくとも一部は、ハウジング210内に配置されるように構成されている。したがって、
図4~
図10は、ハウジング210のない状態のデバイス200の一部を示す。デバイス200のサーマルコンテナ220は、任意の適切な形状、大きさ及び/又は構成であり得るとともに、(例えば、メカニカルファスナー、接着剤、溶接、超音波溶接等により)取付プレート215に結合されるように構成され得る。
図5に示すように、取付プレート215は、サーマルコンテナ220へのアクセスを提供するように構成された開口部216一式を画定する。
図4及び
図5に示すように、サーマルコンテナ220一式は5つのサーマルコンテナ220を含む。他の実施形態では、デバイス200は任意の適切な数のサーマルコンテナ220を含み得る。各サーマルコンテナ220は、蓋228を含み且つ/又は蓋228に結合されており、蓋228は、第1の構成(例えば、
図4に示すような閉鎖構成)と第2の構成(例えば、
図5に示すような開放構成)との間で移行することができる。蓋228はそれぞれ、第1の構成(例えば、閉鎖構成)にあるとき、その関連付けられたサーマルコンテナ220によって画定される空間を流体的に隔離するように構成されている。例えば、蓋228は、第1の構成にあるとき、取付プレート215の表面との実質的に流体密封を形成することができるシール等を含み得る。
図3~
図10には示されていないが、デバイス200は、デバイス200の一部へのアクセスを選択的に可能にするように構成された任意の他の適切な蓋等を含み得る。例えば、デバイス200は、流体循環システム240に含まれる、例えば、蒸気リザーバ242等(例えば、
図4及び
図5を参照)などの1つ以上の流体リザーバにユーザがアクセスすることを可能にするように構成された1つ以上の蓋を含み得る。
【0036】
サーマルコンテナ220は、任意の適切な材料及び/又はそれらの組み合わせで形成され得、且つ/又はそれらを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ220は、アルミニウム、ステンレス鋼などの金属等で形成され得る。こうした実施形態では、サーマルコンテナ220の構成材料は、比較的高い熱伝導率を有することができる(上述のように、例えば、約10W/mk~約250W/mk)。換言すると、サーマルコンテナ220は、金属(例えば、アルミニウム、ステンレス鋼等)及び/又はセラミックスなどの熱を伝導する材料で形成され得、及び/又はそのような材料を含み得る。サーマルコンテナ220は、比較的高い熱伝導率を有する材料から形成されるが、比較的低い熱伝導率を有する材料又は材料の組み合わせ(上述のように、例えば、約0.1W/mk~約1.8W/mk)を各サーマルコンテナ220の周りに配置し、サーマルコンテナ220の一部をデバイス200の他の部分(例えば、他のサーマルコンテナ220、ハウジング210、流体循環システム240の一部等)から絶縁し、及び/又は少なくとも一部熱的に隔離することができる。換言すると、各サーマルコンテナ220は、例えば、ポリウレタンフォーム又は箔、シリコーン等(
図3~
図10には示さず)などの絶縁材料を含み得、及び/又はこのような絶縁材料によって少なくとも部分的に囲まれ得る。したがって、サーマルコンテナ120を参照して上述したように、各サーマルコンテナ220に関連付けられた温度を、例えば、隣接するサーマルコンテナ220又はデバイス200の他の部分に実質的に熱エネルギーを伝達することなく独立制御することができるように、絶縁材料は各サーマルコンテナ220を熱的に隔離することができる。更に、いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ220は、サーマルコンテナ220の熱伝導率を増加又は低下させることができる表面仕上げ及び/又はコーティングを含み得る。他の実施形態では、サーマルコンテナ220の少なくとも内部表面は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE又はテフロン(登録商標)としても知られる)などの付着防止仕上げ又はコーティングを含み得る。
【0037】
図3~
図10に示される実施形態では、サーマルコンテナ220は実質的に類似しており、取付プレート215に沿って均等に分配されている(
図5)。他の実施形態では、デバイスは、不均等なサーマルコンテナ一式を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスに含まれる第1のサーマルコンテナの大きさ及び/又は容量は、デバイスに含まれる第2のサーマルコンテナの大きさ及び/又は容量より大きくすることができる。こうした実施形態では、例えば、より大きいサーマルコンテナは、複数回分の食品を保存及び/又は調理するように構成され得る一方、より小さいサーマルコンテナは、1回分を保存及び/又は調理するように構成され得る。いくつかの実施形態では、肉及び/又はタンパク質食品を保存及び/又は調理するように構成されているサーマルコンテナの一部は、デンプン食品、野菜等を保存及び/又は調理するように構成されているサーマルコンテナの一部よりも小さくすることができる。こうした実施形態では、サーマルコンテナの一部を異なる大きさで形成することにより、デバイス200の全体的な大きさを低減することができる。更に、いくつかの実施形態では、サーマルコンテナの一部を異なる大きさで形成することで、食品パッケージ及び/又はコンテナがサーマルコンテナ内に所定の向きで配置されること等を確実にすることができる。
【0038】
図6及び
図7に示すように、各サーマルコンテナ220は、第1の部分221と、第2の部分222と、取付フランジ223と、底板224とを含む。取付フランジ223は、サーマルコンテナ220を取付プレート215に取り付けるように構成され得る(例えば、
図10を参照)。底板224は、開口部225一式を画定し、開口部225一式は、流体の流れが開口部225一式を通ることを可能にするように構成されている。より具体的には、底板224は、第1の部分221と位置合わせされた及び/又はそうでなければ流体連通する第1の開口部225と、第2の部分222と位置合わせされた及び/又はそうでなければ流体連通する第2の開口部225とを画定する。したがって、第1及び第2の開口部225は、第1の部分221及び第2の部分222をそれぞれ流体循環アセンブリ240の一部と流体連通させることができる。いくつかの実施形態では、開口部225はまた、サーマルコンテナ220の第1の部分221と第2の部分222との間に流体連通を設けることができる。
図6及び
図7には示されていないが、本明細書中に更に詳細に記載されるように、サーマルコンテナ220の第1の部分221及び/又は第2の部分222は、任意の他の適切な開口部等を画定することができ、任意の他の適切な開口部等は、それを通る流体の流れを受け入れるように構成されている。
【0039】
図7に示すように、各サーマルコンテナ220は、また、サーマルコンテナ220の一部に熱エネルギーを伝達するように構成された加熱要素260一式を含み、及び/又はこれに少なくとも動作可能に結合されている。加熱要素260は、例えば、放射加熱要素、誘導加熱要素、蒸気発生器要素などの任意の適切な構成等であり得る。
図7に示すように、加熱要素260一式は、例えば、2つの加熱要素260を含む。2つの加熱要素260は、実質的に類似し得るか又は2つの異なる種類の加熱要素であり得る。他の実施形態では、サーマルコンテナ220は、より多数若しくはより少数の加熱要素260を含み得、及び/又はより多数若しくはより少数の加熱要素260に少なくとも動作可能に結合され得る。1つのサーマルコンテナ220に含まれた及び/又は動作可能に結合された加熱要素260は、他のサーマルコンテナ220に含まれた及び/又は動作可能に結合された加熱要素260から独立して動作することができる。いくつかの実施形態では、デバイス200は、各ゾーンを独立制御することができるマルチゾーン式加熱要素等を含み得る。したがって、本明細書中に更に詳細に記載されるように、デバイス200は、例えば、加熱要素260及び流体循環システム240の動作状態を制御することにより、各サーマルコンテナ220内に収容された異なる量の流体の温度を独立して制御するように構成され得る。
【0040】
加熱要素260は、サーマルコンテナ220に含まれるか、又は少なくともサーマルコンテナ220に動作可能に結合されるものとして
図7を参照して上述したが、他の実施形態では、デバイス200は、デバイス200内の任意の適切な位置に配置された任意の適切な熱源及び/又は要素を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、加熱要素260は、(例えば、流体循環システム240によって画定される)流体流路に沿った任意の適切な位置に配置された、例えば、「インライン」及び/又は「フロースルー」加熱要素であり得る。他の実施形態では、加熱要素260は熱交換器であり得、及び/又はそうでなければ熱交換器アセンブリに含まれ得る。いくつかの実施形態では、加熱要素260は、例えば、デバイス200の後部部分若しくはその近傍に配置され得、及び/又はそうでなければサーマルコンテナ220から分離され得る。こうした実施形態では、サーマルコンテナ220から離れたデバイス200の後部又はその近傍の適所に加熱要素260を配置することで、各サーマルコンテナ220を残りのサーマルコンテナ220及び/又はデバイス200の他の部分から絶縁するために使用される熱絶縁体(図示せず)の量を低減することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ220の第1の部分221とサーマルコンテナ220の第2の部分222とは、(例えば、独立した製造工程によって)独立して形成することができ、溶接、超音波溶接、接着剤等により結合することができる。同様に、取付フランジ223及び底板224は、第1の部分221及び/又は第2の部分222から独立して形成することができ、溶接、超音波溶接、接着剤等により第1の部分221及び/又は第2の部分222に結合することができる。他の実施形態では、各サーマルコンテナ220は、例えば、鋳造、射出成形、スタンピング(例えば、深絞りスタンピング)等により形成された、一体的に作製されたコンテナであり得る。更に他の実施形態では、サーマルコンテナ220一式は、一体的に構築されたコンテナ一式であり得る。
【0042】
示されているように、サーマルコンテナ220の第1の部分221は第1の空間226を画定し、サーマルコンテナ220の第2の部分222は第2の空間227を画定する。サーマルコンテナ220の配置は、第1の空間226が第2の空間227から流体的に隔離されるような配置である。より具体的には、サーマルコンテナ220は、壁229の第1の側に第1の空間226の一部、及び壁229の第2の側に第2の空間227の一部を画定するように構成された内壁229を含む。いくつかの実施形態では、壁229は、第1の空間226と第2の空間227との間で熱エネルギーを伝達するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、壁229は、サーマルコンテナ220の一部で及び/又はサーマルコンテナ220の一部によって形成され得るため、サーマルコンテナ220と実質的に同じ構成材料(上述のように、例えば、比較的高い熱伝導率を有する)で形成され得、及び/又はそのような材料を含み得る。したがって、例えば、第1の空間226内の温度が第2の空間227に対して上昇するにつれて、第1の空間226と第2の空間227との間の温度差によって熱エネルギーが壁229の相対的に高温側から壁229の相対的に低温側へと伝達されることとなり、それにより、第1の空間226から第2の空間227へ(又はこの反対に)熱エネルギーを伝達する。他の実施形態では、壁229は、壁229における熱エネルギーの伝達を選択的に制御するように構成された任意の適切な材料若しくは材料の組み合わせで、及び/又は任意の適切な材料若しくは材料の組み合わせから形成され得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ220の第1の空間226及びサーマルコンテナ220の第2の空間227は、異なる種類の食品を保存及び/又は調理するように構成され得る。例えば、第1の空間226は、例えば、肉類及び/又は他のタンパク質食品類などの第1の種類の食品を受け入れるように構成することができ、第2の空間227は、例えば、野菜類、デンプン食品類、炭水化物食品類等などの第2の種類の食品を受け入れるように構成することができる。したがって、いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ220は食品を所定の配置及び/又は向きで受け入れるように構成することができる。例えば、サーマルコンテナ220内に配置されるように構成された食品は、所定の大きさ、形状及び/又は構成を有する流体密パッケージ及び/又はカートリッジ内に収容され得る。
図6及び
図7に示すように、壁229は、壁229の縁端部に沿った所定の位置に位置合わせノッチ230を画定し、位置合わせノッチ230は、パッケージ及び/又はカートリッジの一部を受け入れ且つ/又は係合し、それにより、サーマルコンテナ220内のパッケージ及び/又はカートリッジを位置合わせするように構成されている。いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ220の内部表面は、パッケージ又はカートリッジの少なくとも一部がサーマルコンテナ220に挿入されたときにパッケージ又はカートリッジの少なくとも一部を係合し、及び/又はそうでなければ案内するように構成された1つ以上のレール、ガイド、突起、グルーブ、軌道、チャネル等(図示せず)を含み得る。こうした実施形態では、パッケージ及び/又はカートリッジがサーマルコンテナ220内に所定の向きで(例えば、1つの向き及び/又は構成のみで)配置されるように、位置合わせノッチ230及びレール、ガイド、グルーブ等がパッケージ及び/又はカートリッジの一部に集合的に係合し得る。したがって、第1の部分221及び第2の部分222の配置は、それぞれ第1の種類の食品及び第2の種類の食品に関連付けられた望ましい保存条件及び/又は調理条件に少なくとも部分的に基づき得る。
【0044】
例えば、いくつかの実施形態では、第1の部分221及び第2の部分222は、それぞれ異なる加熱要素260と関連付けられ得る。いくつかの実施形態では、例えば、サーマルコンテナ220の第1の部分221に関連付けられた及び/又は少なくとも動作可能に結合された加熱要素260は、放射加熱要素であり得る一方、サーマルコンテナ220の第2の部分222に関連付けられた及び/又は少なくとも動作可能に結合された加熱要素260は、蒸気発生加熱要素であり得る。したがって、本明細書中に更に詳細に記載されるように、第1の部分221と関連付けられた加熱要素260は、第1の空間226内に配置されたある量の流体を加熱して、例えば、肉及び/又は他のタンパク質食品類を調理するように構成することができ、第2の部分222と関連付けられた加熱要素260は、第2の空間227内にある量の蒸気を発生させ、例えば、野菜類、デンプン食品類、炭水化物食品類等を調理するように構成することができる。
【0045】
例えば、調理前、デバイス200がサーマルコンテナ220内に食品を保存している場合、第1の部分221及び第2の部分222の配置は、冷却されたある量の流体が少なくとも第1の空間226内で循環するような配置とすることができ、これにより、したがって第1の空間226を温度閾値未満に維持することができる。逆に、例えば、野菜を受け入れるように構成された第2の空間227では、野菜を相対的に低温のある量の流体に曝露させること及び/又は相対的に低温のある量の流体中に野菜を浸漬することは望ましくない場合がある。したがって、壁229の配置は、第2の空間227からの熱エネルギーが壁229を通じて運ばれ、相対的に低温の流体の流れが壁229に対して流れる際に熱エネルギーの少なくとも一部が壁229の表面から除去されるような配置とされ得る。換言すると、調理前にデバイス200が食品を保存している場合、壁229又はその少なくとも一部は、第2の空間227から第1の空間226へと熱エネルギーを伝達するように構成された熱交換器を形成することができ、及び/又はそうでなければ第2の空間227から第1の空間226へと熱エネルギーを伝達するように構成された熱交換器として機能することができる。したがって、サーマルコンテナ220の第1の空間226及びサーマルコンテナ220の第2の空間227は、調理前、その中に収容された食品を保存する(例えば、冷蔵する)ために、十分に低温の所定の温度に維持され得る。
【0046】
デバイス200の流体循環システム240は、任意の適切な形状、大きさ及び/又は構成であり得る。流体循環システム240は、デバイス200の一部で流体(例えば、水)を循環させ、流体がデバイス200の一部を流れる際に流体の温度を調整するように構成されている。例えば、
図8~
図10に示されているように、流体循環システム240は、ドレンリザーバ241と、蒸気リザーバ242と、チラーアセンブリ243(第1の熱交換器244と、第2の熱交換器250と、熱交換器ポンプ255とを有する)と、循環ポンプ256一式(例えば、1つのサーマルコンテナ220につき1つ以上)、バルブ257一式と、流体導管258一式とを含む。
図3~
図10には示されていないが、コントローラ及び/又はコントローラに含まれる1つ以上のプロセッサは、流体循環システム240の制御に関連付けられた命令セット又はコードを実行するように構成され得る。例えば、コントローラは、1つ以上のバルブ257を開放構成から閉鎖構成へと(又はこの反対に)移行させることに関連付けられた処理を実施及び/又は実行することができ、熱交換器ポンプ255及び/又は循環ポンプ256一式等内の流量を増加又は減少させる。コントローラ170を参照して上述したように、場合により、コントローラは、任意の数のセンサ、エンコーダ、温度計、サーミスタ、充填インジケータ等からの信号(及び/又は信号内に含まれるデータ)に基づき、流体循環システム240の少なくとも一部を制御することができる。他の例では、本明細書中に更に詳細に記載されるように、コントローラは、ローカル又はリモートユーザ入力に関連付けられたデータに基づき、流体循環システム240の少なくとも一部を制御することができる。
【0047】
流体循環システム240は、ドレンリザーバ241と、蒸気リザーバ242と、チラーアセンブリ243と、各サーマルコンテナ220との間の流体流路を画定するように構成されている。いくつかの実施形態では、流体循環システム240はまた、各サーマルコンテナ220とインラインヒータなどの熱源等との間の流体流路を画定する。
図3~
図10に示される実施形態では、流体循環システム240は、各サーマルコンテナ220と関連付けられた独立流体流路を画定する。換言すると、各サーマルコンテナ220の流体流路は、同じドレンリザーバ241及び/又は同じ蒸気リザーバ242と流体連通する一方、流体循環システム240によって画定される残りの流体流路から流体的に隔離される。したがって、デバイス200は、各サーマルコンテナ220に関連付けられた温度を独立制御することができる。
【0048】
1つのサーマルコンテナ220の1つ以上の流体流路の一例を、以下で
図9を参照して記載する。特定のサーマルコンテナ220について記載しているが、デバイス200に含まれる各サーマルコンテナ220に対して類似の流体流路を画定することができ、したがって、各サーマルコンテナ220に関連付けられた温度を独立制御し得ることは理解すべきである。示されているように、第1の流体導管258Aは、底板224によって画定される開口部225を通じて、サーマルコンテナ220によって画定される第1の空間226と流体連通している。第1の流体導管258Aは、第1の空間226を循環ポンプ256と流体連通させる。
図9に示されていないが、いくつかの実施形態では、流体循環システム240は、底板224によって画定される開口部225を選択的に閉じる及び/又は閉鎖することで第1の空間226を循環ポンプ256から流体的に隔離するように構成されたバルブ、ソレノイド等を含み得る。
【0049】
循環ポンプ256は、第2の流体導管258Bを介して第1のバルブ257Aと流体連通している。第1のバルブ257Aは、したがって、第3の流体導管258Cを介して第2のバルブ257Bと流体連通しており、第4の流体導管258Dを介して第3のバルブ257Cと流体連通している。このように、第1のバルブ257Aは、循環ポンプ256と、第2のバルブ257B(例えば、第1のバルブ257A、第2の流体導管258B、及び第3の流体導管258Cを介して)又は第3のバルブ257C(例えば、第1のバルブ257A、第2の流体導管258B、及び第4の流体導管258Dを介して)との間に流体連通を選択的に設けるように構成されている。第2のバルブ257Bは、第5の流体導管258Eを介してチラーアセンブリ243と、及び第6の流体導管258Fを介してドレンリザーバ241と流体連通している。第3のバルブ257Cは、第4の流体導管258Dを介して第1のバルブ257Aと(上述のように)、第7の流体導管258Gを介してチラーアセンブリ243と、及び第8の流体導管258Hを介してサーマルコンテナ220の第1の空間226と流体連通している。
図9には示されていないが、いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ220は、第8の流体導管258Hを第1の空間226と選択的に流体連通させるように構成されたバルブ、ソレノイド等を有し得る入口ポート等を含み得る。他の実施形態では、第8の流体導管258Hは逆止弁等を含み得、及び/又は逆止弁等を形成し得る。
【0050】
流体が流体流路内を流れ、例えば、サーマルコンテナ220の第1の空間226内で循環することができる流体流路を画定するものとして上記したが、流体循環システム240は、サーマルコンテナ220の第2の空間227内で流体を循環させるように構成された1つ以上の流体流路を画定する。例えば、
図9に示すように、第9の流体導管258Jは、底板224によって画定される開口部225を通じて、サーマルコンテナ220によって画定される第2の空間227と流体連通している。第9の流体導管258Jは第2の空間227を第4のバルブ258Dと流体連通させる。
図9に示されていないが、いくつかの実施形態では、流体循環システム240は、底板224によって画定される開口部225を選択的に閉じる及び/又は閉鎖することで第2の空間227を第4のバルブ258Dから流体的に隔離するように構成されたバルブ、ソレノイド等を含み得る。第4のバルブ257Dは、第10の流体導管258Kを介して蒸気リザーバ242と流体連通しており、第11の流体導管258Lを介して第5のバルブ257Eと流体連通している。第5のバルブ257Eは、第12の流体導管258Mを介してドレンリザーバ241と流体連通している。本明細書中に更に詳細に記載されるように、ドレンリザーバ241と、蒸気リザーバ242と、チラーアセンブリ243と、サーマルコンテナ220との間の流体流路のこの配置構成は、サーマルコンテナ220の第1の部分221及びサーマルコンテナ220の第2の部分222と関連付けられた流体の流れ及び/又は温度を、デバイス200が選択的に及び/又は独立的に制御することを可能にする。
【0051】
上述のように、チラーアセンブリ243は、サーマルコンテナ220の第1の空間226へと流れ、及び/又はサーマルコンテナ220の第1の空間226内を流れる流体を冷却するように構成されている。チラーアセンブリ243は、任意の適切な配置及び/又は構成であり得る。例えば、
図10に示すように、チラーアセンブリ243の第1の熱交換器244は、マニホールド245と、冷却プレート246と、取付ブロック247一式と、熱電チラー248一式(例えば、ペルチェ冷却器及び/又は任意の他の適切な熱電冷却器)と、コールドシンク249一式とを有するシェルアンドチューブ型熱交換器等であり得る。取付ブロック247は、第2の熱電チラー248が取付ブロック247とコールドシンク249との間に配置されるように、コールドシンク249に結合されるように構成されている。取付ブロック247は、また、冷却プレート246に結合されており、冷却プレート246は、したがって第1の熱交換器244に結合されている。このように、コントローラは、例えば、電流の流れを送ることができ、及び/又は電流の流れを熱電チラー248に送らせることができ、コールドシンク249に接触している熱電チラー248の第1の側(例えば、低温側)から、取付ブロック247に接触している熱電チラー248の第2の側(例えば、高温側)への熱エネルギーの伝達を生じさせることができる。加えて、第1の熱交換器244は、例えば、冷却プレート246から熱エネルギーを除去することができる冷却された作動流体の流れを受け入れることができる。したがって、本明細書中に更に詳細に記載されるように、冷却プレートが第1の熱交換器244及び取付ブロック247と接触している状態で、熱エネルギーをコールドシンク249から第1の熱交換器244の作動流体へと伝達することができる。
【0052】
第2の熱交換器250はシェルアンドチューブ型熱交換器等であり、入口251及び出口252を有し、1つ以上のファン253に結合されている。
図10には示されていないが、熱交換器244及び熱交換器250は、それぞれ流体導管等を介して熱交換器ポンプ255に流体的に結合されている。例えば、第1の流体導管は、第2の熱交換器250の出口252を第1の熱交換器244のマニホールド245の入口に流体的に結合することができ、第2の流体導管は、第1の熱交換器244のマニホールド245の出口を熱交換器ポンプ255に流体的に結合することができ、第3の流体導管は、熱交換器ポンプ255を第2の熱交換器250の入口251に流体的に結合することができる。このように、熱交換器ポンプ255は、第1の熱交換器244及び第2の熱交換器250内で作動流体(例えば、R-134a等のハロアルカン冷却剤、水性グリコール混合物、ベタイン等などの冷却剤)を循環させ、デバイス200内で循環している流体を冷却し、及び/又はそうでなければデバイス200内で循環している流体から熱を除去するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第1の熱交換器244の出口と第2の熱交換器250の入口251との間のポンプを流体的に結合することによることは、作動流体の流れが第1の熱交換器244を出た後、ポンプによって行われる仕事から生じる熱が作動流体に伝達されるようなものである。例えば、
図8~
図10では、ポンプ255について特に上記し、示したが、他の実施形態では、ポンプ255は任意の適切な構成であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、ポンプは内蔵リザーバ等を含み得る。
【0053】
更に詳述すると、低温作動流体は第2の熱交換器250の出口252を出て、第1の熱交換器244のマニホールド245に流れることができる。第1の熱交換器244内を作動流体が流れる際、作動流体は冷却プレート246から熱を除去する。したがって、冷却プレート246は冷却され、冷やされ、及び/又はそうでなければ低い熱エネルギーを伴う。冷却プレート246が作動流体によって冷却されることで、冷却プレート246は、取付プレート247及び熱電チラー248の高温側(上述のような)の熱エネルギーよりも小さい熱エネルギーを有することができる。同様に、サーマルコンテナ220からチラーアセンブリ243のコールドシンク249を通って流れる流体は、熱電チラー248の低温側の熱エネルギーよりも高い温度及び/又は熱エネルギー量を有する。したがって、第1の熱交換器244内を流れる作動流体(例えば、冷却剤)は、コールドシンク249内を流れる流体(例えば、水)から熱エネルギーを除去し、その後、例えば、第1の流体導管258Aを介して第1の空間226から循環ポンプ256へと流れる流体の温度よりも低い温度を有して、第1の熱交換器244から、サーマルコンテナ220の第1の部分221によって画定される内空間226へと流れることができる。
【0054】
加熱された作動流体(例えば、冷却剤)は、第1の熱交換器244から熱交換器ポンプ255へと流れることができ、熱交換器ポンプ255は、したがって、作動流体を第2の熱交換器250の入口251へと圧送する。第2の熱交換器250内を流れる作動流体は熱を拒絶し得、及び/又はそうでなければ1つ以上のファン253により第2の熱交換器250の一部(例えば、外部表面)に沿って発生した空気の流れによって冷却され得る。したがって、作動流体は、「再充填」(即ち、冷却)することができ、出口252を通って第2の熱交換器250を出ることができ、第1の熱交換器244の入口へと流れることができる。このようにして、デバイス200及び/又はデバイス200の少なくとも一部が保存構成にあるとき、流体は流体リザーバ241から、流体が冷却されるコールドシンク249を通ってサーマルコンテナ220の第1の空間226へと流れることができる。
【0055】
例えば、コントローラは、デバイス200の少なくとも一部を保存構成(例えば、
図9に示されるサーマルコンテナ220に関連付けられた保存構成)にするための1つ以上の処理を実施することができる。特に、コントローラは、循環ポンプ256が流体を第1の流体導管258Aを介して内空間226から引き、第2の流体導管258を介して第1のバルブ257Aへと送るという結果をもたらす信号を循環ポンプ256に送信することができる。コントローラは、また、第1のバルブ257A、第2のバルブ257B、及び第3のバルブ257Cに、バルブ257A、バルブ257B、及びバルブ257Cのそれぞれを第1の構成にする信号を送信することができ、第1のバルブ257Aが第3の流体導管258Cを第2の流体導管258Bと流体連通させ、第2のバルブ257Bが第5の流体導管258E(したがって、コールドシンク249)を第3の流体導管258Cと流体連通させ、第3のバルブ257Cが第8の流体導管258H(したがって、サーマルコンテナ220の第1の空間226)を第7の流体導管258G(したがって、コールドシンク249)と流体連通させる。したがって、コントローラが、例えば、
図9に示されるサーマルコンテナ220に関連付けられたデバイス200を保存構成にする場合、流体循環システム240の関連部分は、冷却された又は低温流体をサーマルコンテナ220の第1の部分221内で循環させ、それにより、第1の部分221に収容された食品を所望の保存温度に維持することができる。例えば、いくつかの実施形態では、流体は、サーマルコンテナ220の第1の空間226内の温度を
摂氏約4.4度に維持するように構成され得る。更に、コントローラは、任意の適切なセンサ、サーミスタ等から1つ以上の信号を受信することができ、1つ以上の信号内に含まれるデータに基づき、流体循環システム240の少なくとも一部を能動的に制御し、ある量の流体と関連付けられた温度を上昇又は低下させることができる。
【0056】
加えて、デバイス200がこのような保存構成にある状態で、コントローラは、第1の構成にある第4のバルブ257D及び/又は第5のバルブ257Eにより、サーマルコンテナ220の第2の空間227を蒸気リザーバ242から流体的に隔離させることができる。例えば、場合により、第2の空間227は流体が実質的にない状態であり得る。上述のように、しかしながら、サーマルコンテナ220の壁229は、サーマルコンテナ220の第1の部分221と第2の部分222との間で熱エネルギーを伝達するように構成されている。したがって、第1の部分221の内空間226内で循環している冷却及び/又は低温流体は、壁229から熱エネルギーの一部を除去する(例えば、壁229を冷却する)ことができる。その結果、サーマルコンテナ220の第2の空間227内の温度は、所与の温度に又は所与の温度未満に制御及び/又はそうでなければ維持される。場合により、第1の空間226の温度は、例えば、肉及び/又はタンパク質食品を保存するための所望の温度と関連付けられ得る一方、第2の空間227の温度は、例えば、野菜類、デンプン食品類、炭水化物食品類等を保存するための所望の温度(第1の部分221と関連付けられた温度に実質的に等しいか、又は第1の部分221と関連付けられた温度よりも高い)と関連付けられ得る。更に、場合により、第4のバルブ257D及び/又は第5のバルブ257Eを第1の構成にすることで、サーマルコンテナ220の第2の空間227とドレンリザーバ241との間に流体連通を設けることができ、凝縮した流体等を第2の空間227からドレンリザーバ241へと排出することができる。他の実施形態では、第4のバルブ257Dは、第2の空間227を第5のバルブ257E、したがってドレン空間241から流体的に隔離することができる。
【0057】
コントローラはサーマルコンテナ220を保存構成(例えば、冷蔵構成)にするものとして上述したが、コントローラは、デバイス200の少なくとも一部を調理構成及び/又は調理モード(例えば、
図9に示されるサーマルコンテナ220に関連付けられた調理構成)にするために1つ以上の処理を実施することができる。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラは、第1のバルブ257A、第2のバルブ257B、及び第3のバルブ257Cを第2の構成にし、流体循環システム240を、サーマルコンテナ220に関連付けられた冷蔵構成からサーマルコンテナ220に関連付けられた調理構成へと移行させることができる。したがって、第1のバルブ257Aは第3の流体導管258Cを第2の流体導管258Bから流体的に隔離し、代わりに第4の流体導管258Dを第2の流体導管258Bと流体連通させる。第2のバルブ257Bは、第2の構成にあるとき、少なくとも第5の流体導管258E(したがって、コールドシンク249)が第3の流体導管258Cから流体的に隔離されるように、例えば、閉鎖などされ得る。第3のバルブ257Cは、例えば、第7の流体導管258G(したがって、コールドシンク249)を第4の流体導管258D及び第8の流体導管258Hから流体的に隔離し、代わりに第4の流体導管258Dを第8の流体導管258H(したがって、サーマルコンテナ220の第1の空間226)と流体連通させる。したがって、コントローラは、流体循環システム240を、循環ポンプ256、第1のバルブ257A及び第3のバルブ257C、並びに第1の流体導管258A、第2の流体導管258B、第4の流体導管258D及び第8の流体導管258H内を流体が流れる構成にすることができる。換言すると、流体は、チラーアセンブリ243から流体的に隔離された実質的に閉じた流路内を流れることができる。
【0058】
他の実施形態では、コントローラは循環ポンプ256を、循環ポンプ256が流体を圧送しない、例えば「電源をオフにした」状態にすることができる。こうした実施形態では、サーマルコンテナ220の第1の空間226内の流体は、流体循環システム240の一部内を流体が実質的に流れないように平衡状態であり得る。
【0059】
サーマルコンテナ220の第1の空間226がチラーアセンブリ243(例えば、冷却源)から流体的に隔離された状態で、コントローラは、加熱要素260を「電源をオンにした」状態にすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラは、電源等に信号を送信することができ、電源は、したがって加熱要素260に電流を供給することができる。加熱要素260に供給される電流は、加熱要素260に関連付けられた熱エネルギーの増加をもたらす。換言すると、加熱要素260は電源をオンにされ、熱を生成、発生、放射及び/又はそうでなければ出力する。したがって、加熱要素260がサーマルコンテナ220(例えば、
図7及び
図9を参照)に少なくとも動作可能に又は熱的に結合されている状態で、加熱要素260によって生成された熱エネルギーの少なくとも一部がサーマルコンテナ220の第1の空間226内のある量の流体を加熱する。したがって、食品がある量の流体中に浸漬されるように食品がパッケージ及び/又はカートリッジ内に収容され、サーマルコンテナ220内に配置された状態で、デバイス200は、食品を真空調理状態で調理することができる(例えば、流体浸漬調理によって)。場合により、加熱要素260とサーマルコンテナ220内のある量の流体とを(実質的に)熱平衡に維持することにより、例えば、ある量の流体と食品とが(実質的に)熱平衡の状態に達するまで、ある量の流体は、その中に浸漬されている食品に熱エネルギーの一部を伝達する。上述のように、加熱要素260は、例えば、サーマルコンテナ220に結合されたものとして示されているが、他の実施形態では、デバイス200は、例えば、「インライン式」の及び/又はそうでなければサーマルコンテナ220から分離された加熱要素を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス200は、第4の流体導管258D内にインライン熱源を含み得、及び/又はそうでなければ第1のバルブ257Aと第3のバルブ257Cとの間に流体的に結合されている。したがって、インライン熱源は、流体が第1のバルブ257Aから第3のバルブ257Cへと流れるにつれて、流体の流れを加熱することができる。
【0060】
加えて、コントローラは、第4のバルブ257Dを第2の構成にすることができる。したがって、第4のバルブ257Dは、第4のバルブ257D並びに第9の流体導管258J及び第10の流体導管258Kを介して蒸気リザーバ242と第2の空間227との間に流体連通を設けることができる。更に、第4のバルブ257Dは、第11の流体導管258Lを第9の流体導管258J及び第10の流体導管258Kから流体的に隔離することができる。したがって、サーマルコンテナ220の第2の部分222(例えば、蒸気発生器等)と関連付けられた加熱要素260が電源オン状態にあるとき、蒸気は蒸気リザーバ242から第2の空間227へと流れることができる。したがって、コントローラは、それぞれ第1の空間226及び第2の空間227内の流体の温度及び/又は蒸気を制御するように構成され得る。場合により、第1の空間226内の流体の温度は、例えば、第1の空間226内に配置された肉及び/又はタンパク質食品を調理するための所望の温度と関連付けられ得る一方、第2の空間227内の蒸気の温度は、例えば、野菜類、デンプン食品類、炭水化物食品類等の調理及び/又はスチーミングのための所望の温度と関連付けられ得る。更に、例えば
図9に示されているサーマルコンテナ220に関連付けられた流体流路がチラーアセンブリ243から流体的に隔離されている状態で、及びサーマルコンテナ220が、例えば、他のサーマルコンテナ220(例えば、
図4、
図5及び
図8を参照)から熱的に隔離されている状態で、
図9を参照して記載したサーマルコンテナ220内の食品を調理することができる一方、他のサーマルコンテナ220内の食品を例えば冷蔵温度などのより低い温度で例えば保存することができる。他の実施形態では、サーマルコンテナ220の任意の適切な組み合わせは、保存構成又は調理構成にあり得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、デバイス200がその中に収容された食品を調理した後、コントローラは、デバイス200を例えば保持構成にするように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス200が1つ以上のサーマルコンテナ220内の所望の量の食品を調理した後、コントローラは、加熱要素260から流体の流れへと伝達される熱エネルギー量を低減するように構成され得る。したがって、1つ以上のサーマルコンテナ220の少なくとも第1の部分221内を流れる流体の温度を所望の「保持」温度等に低下させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス200は、1つ以上のサーマルコンテナ220内の食品を摂氏約76.6度及び/又は任意の他の適切な調理温度で調理するように構成することができ、完了すると、流体の温度を(即ち、加熱要素260から放出される熱エネルギーの量を低減することによって)摂氏約60度及び/又は任意の他の適切な保持温度に低下させることができる。したがって、食品が調理された後、ユーザが調理済みの食品を食す準備ができるまで食品を安全な温度に維持することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、デバイス200がその中に収容された食品を調理した後、コントローラは、デバイス200を例えばドレン構成にするように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラは、第3の流体導管258Cが第2の流体導管258Bと流体連通する一方、第4の流体導管258Dが第4の流体導管258Dを流体的に隔離するように、第1のバルブ257Aを第1の構成にすることができる。コントローラは、第6の流体導管258Fが第3の流体導管258Cと流体連通する一方、第5の流体導管258Eを流体的に隔離するように、第2のバルブ257Bを第3の構成にすることができる。したがって、流体は、第1の空間226からドレンリザーバ241へと流れることができる。同様に、コントローラは、第4のバルブ257Dを、第11の流体導管257Lが第9の流体導管257Jと流体連通する一方、第10の流体導管258Kが流体的に隔離される第3の構成にすることができ、第5のバルブ257Eを、第12の流体導管258Mが第11の流体導管258Lと流体連通する第2の構成にすることができる。したがって、流体は、第2の空間227からドレンリザーバ241へと流れることができる。このようにして、調理済みの食品はサーマルコンテナ220内に配置され得るが、もはや流体には浸漬されていない。
【0063】
図1及び
図2のデバイス100を参照して記載したように、コントローラは、デバイス200を少なくとも半自律的に制御して、デバイス200内に収容された食品を保存及び/又は調理することができる。例えば、場合により、パッケージ又はカートリッジ(
図3~
図10には示さず)内に配置された食品は、食事の肉及び/又はタンパク質食品部分が第1の空間226内に配置され、食事の野菜及びデンプン食品部分が第2の空間227内に配置されるように、サーマルコンテナ220内に配置され得る。場合により、デバイス200は、パッケージ又はカートリッジ内に収容された食事に関連付けられたデータを受信するように構成された光学式スキャナ、RFID無線機、及びNFC無線機等を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、パッケージは、食事に関連付けられた識別情報を含むバーコード又はRFIDタグを含み得る。したがって、コントローラは識別情報を受信することができ、例えば、データベースを照会し、及び/又はネットワークを介してデバイスと通信し、識別情報を例えば保存調理手順及び/又は情報と関連付けることができる。このようにして、コントローラは、デバイス200の任意の適切な部分を制御し、上述のように、サーマルコンテナ220のいずれかを、その中に収容された食品に関連付けられた情報に基づく保存温度を有する保存構成に、又はその中に収容された食品に関連付けられた情報に基づく調理温度を有する調理構成にすることができる。
【0064】
場合により、コントローラは、1つ以上のローカル又はリモートユーザ入力、好み、設定等、(実質的に)熱平衡の状態におけるある量の流体に基づき、サーマルコンテナ220内に配置された食品の調理に関連付けられた1つ以上の処理を実施及び/又は実行することができる。例えば、コントローラ170を参照して上述したように、この実施形態のコントローラは、情報及び/又は1つ以上のプロセッサによって実行される命令を受信及び/又は記憶するように構成されたメモリを含む。コントローラは、例えば、ハウジング210(
図3)内に含まれるユーザインタフェース213、リモートコントローラ、モバイルデバイス、スマートフォン、タブレット、ノート型パソコン、パーソナルコンピュータ(PC)等などの任意の適切なソースからデータ、情報及び/又は命令を受信することができる。例えば、ユーザはモバイルアプリケーション及び/又はPCアプリケーションを使用して、例えば、食品が完全に調理され、食す準備が整うべき目標時間を設定するために、予めプログラムされた処理をオーバーライドするために、デバイス200をオン又はオフにする(例えば、それぞれ「電源をオンにした」状態若しくは「電源をオフにした」状態にする)ために、且つ/又はコントローラ及び/若しくはデバイス200の任意の他の適切な機能を制御するためにデバイス200をリモート制御することができる。したがって、このようなユーザ入力、データ、情報及び/又は命令に基づき、デバイス200は、その中に収容された食品を少なくとも半自律的に保存及び調理するように構成され得る。
【0065】
図11~
図17Bは、一実施形態による半自律型流体浸漬調理デバイス300を示す。流体浸漬調理デバイス300(本明細書では「デバイス」とも称される)は、任意の適切な調理デバイス、機械及び/又はシステムであり得る。本明細書中に更に詳細に記載されるように、例えば、デバイス300は、調理前、食品を密封パッケージ内に保存し、デバイス300内に第1の温度で配置するように構成されており、その中に配置された食品を、食品と水などの循環する流体との間の熱伝達によって第1の温度を超える第2の温度で調理するように構成されている真空調理デバイスであり得る。デバイス300は、ハウジング310と、1つ以上のサーマルコンテナ320と、流体循環システム340と、コントローラ370とを含む。いくつかの実施形態では、デバイス300は、
図1及び
図2を参照して上述したデバイス100並びに/又は
図3~
図10を参照して上述したデバイス200に実質的に類似し得る。したがって、デバイス300のいくつかの態様について、本明細書において更に詳細には記載しない。例えば、デバイス300のコントローラ370は、デバイス100を参照して上述したコントローラ170に実質的に類似し得るか又は同じであり得る。したがって、デバイス100及び/又はデバイス200を参照して上述したように、デバイス300のコントローラ370は、デバイス300の少なくとも一部を制御するように構成された任意の適切な電子及び/又は電気機械式デバイスを含み得、及び/又はこれらと通信することができる。更に、コントローラ370は、任意の適切な電源375(
図15)に電気的に接続され得る。いくつかの実施形態では、デバイス300は、電気コンセント等に電気的に接続され得る。
【0066】
デバイス300のハウジング310は、サーマルコンテナ320一式、流体循環システム340、及びコントローラ370を収容し、及び/又は少なくとも部分的に覆い囲むように構成されている。ハウジング310は任意の適切な形状、大きさ及び/又は構成であり得る。例えば、
図11に示すように、ハウジング310は実質的に矩形であり、例えば、台所の調理台等に配置するのに好適な大きさを有し得る。ハウジング310は、本体部分311及び蓋312を含む。蓋312は本体部分311に結合されており、ハウジング310内に収容された構成要素にユーザがアクセスすることを可能にするために取り外すことができる。ハウジング310の本体部分311は、1つ以上のユーザインタフェース部313を含む。例えば、インターフェース部313は、デバイス300に関連付けられた情報を提示し、及び/又はそうでなければユーザがデバイス300の少なくとも一部を制御するために対話することができるインターフェースをユーザに提示するように構成された1つ以上のディスプレイ及び/又は制御部を含み得る。
図11及び
図12に示される実施形態では、インターフェース部313は、各サーマルコンテナ320又はサーマルコンテナ320一式と関連付けられたディスプレイ314を含む。したがって、
図3に示されるインターフェース部213を参照して上述したように、各ディスプレイ314は、その対応するサーマルコンテナ320に関連付けられたデータをグラフィックで示すように構成され得る。更に、インターフェース部313は、デバイス300の入力を提供するためにユーザにより操作され得る制御部317一式を含む。即ち、ユーザは制御部317を操作することができ、及び/又はそうでなければ制御部317を設定することができ、これにより、例えば、ユーザ入力をコントローラ370に提供することができる。いくつかの実施形態では、インターフェース部313(例えば、ディスプレイ314及び制御部317)の配置は、他の台所器具(例えば、コンロ等)内又はその上に見られる既知の又はよく知られた配置に類似し得る。いくつかの実施形態では、制御部317は、外部電子デバイス(例えば、スマートフォン又はパーソナルコンピュータ)などの任意の他の適切な制御部とともに機能し得、及び/又は使用され得る。
【0067】
デバイス300のサーマルコンテナ320は、任意の適切な形状、大きさ及び/又は構成であり得るとともに、ハウジング310内に配置された1つ以上の支持構造体318に(例えば、取付フランジ323、及び1つ以上のメカニカルファスナー、接着剤、溶接、超音波溶接等を介して)結合されるように構成され得る。
図13~
図15に示すように、サーマルコンテナ320は、例えば、2つの側及び/又は2組のサーマルコンテナ320を含む。他の実施形態では、デバイス300は、任意の適切な数のサーマルコンテナ320(例えば、1つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、又はそれを超える)を含み得る。この実施形態では、サーマルコンテナ320は、一体的に及び/又は単一に形成される。他の実施形態では、サーマルコンテナ320を2つ以上の構成要素から形成し、例えば、製造時に結合することができる。複数のサーマルコンテナを含む単一構成要素として上述したが、他の実施形態では、デバイス300は、ハウジング310内に配置された複数の独立サーマルコンテナを含み得る(例えば、デバイス200を参照して上述したように)。
【0068】
上述のように、サーマルコンテナ320は、2つの側、即ち、第1の側320A及び第2の側320B(及び/又は2組の独立サーマルコンテナ)を含む。
図13~
図16に示すように、サーマルコンテナ320の第1の側320Aは、第1の空間326を形成する第1の部分321と、第2の空間327を形成する第2の部分322とを含む。第1の側320Aの第1の部分321は、入口ポート337と、出口ポート331と、オーバーフローポート338とを含む。本明細書中に更に詳細に記載されるように、第1の部分321によって画定される第1の空間326へと及び/又は第1の部分321によって画定される第1の空間326内に流体が選択的に流れることができるように、入口ポート337と、出口ポート331と、オーバーフローポート338とは、それぞれ流体循環システム340の一部に物理的及び流体的に結合されている。加えて、第1の部分321は、例えば、温度センサ等(例えば、温度計、熱電対等)の一部を受け入れるように構成されたセンサポート332を含む。本明細書中に更に詳細に記載されるように、第1の側320Aの第2の部分322はポート333を含み、ポート333は、流体循環システム340の一部に物理的及び流体的に結合されており、ポート333を通る流体の入口流及び/又は出口流を受け入れるように構成されている。
【0069】
図11~
図17Bに示される実施形態では、サーマルコンテナ320の第2の側320Bは、サーマルコンテナ320の第1の側320Aと類似しており、及び/又は実質的に同じである。したがって、サーマルコンテナ320の第2の側320Bは、第1の空間326を形成する第1の部分321と、第2の空間327を形成する第2の部分322とを含む。サーマルコンテナ320の第1の側320Aを参照して上述したように、第2の側320Bの第1の部分321は、入口ポート337と、出口ポート331と、オーバーフローポート338と、センサポート332とを含む一方、第2の側320Bの第2の部分322は、ポート333を含む。
【0070】
第1の側320Aと第2の側320Bは類似しており、及び/又は実質的に同じものとして上述されているが、他の実施形態では、デバイスは、サーマルコンテナ及び/又は類似していない(例えば、均一でない)複数のサーマルコンテナを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスに含まれるサーマルコンテナの第1の側の大きさ及び/又は容量は、デバイスに含まれるサーマルコンテナの第2の側の大きさ及び/又は容量よりも大きくすることができる。こうした実施形態では、例えば、より大きいサーマルコンテナ及び/又はより大きいサーマルコンテナの側は、複数回分の食品を保存及び/又は調理するように構成され得る一方、より小さいサーマルコンテナ及び/又はより小さいサーマルコンテナの側は、1回分を保存及び/又は調理するように構成され得る。
【0071】
サーマルコンテナ320の各側320A及び側320Bは、蓋328を含み且つ/又は蓋328に結合されており、蓋328は、第1の構成(例えば、
図11及び
図12に示すような閉鎖構成)と第2の構成(例えば、
図13~
図16に示すような開放構成)との間で移行され得る。例えば、
図14に示すように、サーマルコンテナ320の取付フランジ323は、第1の構成(例えば、閉鎖された)にあるとき、1つの蓋328がサーマルコンテナ320の第1の側320Aの第1の空間326及び第2の空間327を流体的に隔離する一方、他の蓋328がサーマルコンテナ320の第2の側320Bの第1の空間326及び第2の空間327を流体的に隔離するように、蓋328をサーマルコンテナ320に枢動自在に結合するように構成されたカプラ336一式を含む。例えば、蓋328は、第1の構成にあるとき、取付フランジ323の表面との実質的に流体密封を形成することができるシール等を含み得る。本明細書中に更に詳細に記載されるように、サーマルコンテナ320の配置は、サーマルコンテナ320の側320A及び/又は側320Bの第1の空間326及び/又は第2の空間327が1つ以上の食品を受け入れることができ、1つ以上の食品を実質的に所定の及び/若しくは所望の保存温度で保存することができ、及び/又は1つ以上の食品を実質的に所定の且つ/若しくは所望の調理温度に、及び/又は実質的に所定の且つ/若しくは所望の調理温度で調理することができるような配置である。
【0072】
サーマルコンテナ320(即ち、一体的に形成されたサーマルコンテナ320)は、任意の適切な材料及び/若しくはそれらの組み合わせで形成され得、及び/又はそれらを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ320は、プラスチック又はポリマー材料で形成された、射出成形された構成要素であり得る。いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ320をプラスチック又はポリマーから形成することは、サーマルコンテナ320が比較的低い熱伝導率(上述のように、例えば、約0.1W/mk~約0.25W/mk)を有するようなものであり得る。このようにして、サーマルコンテナ320は、例えば、サーマルコンテナ320の第1の側320A内の又はサーマルコンテナ320の第1の側320Aの熱エネルギーを絶縁及び/又は保持する一方、サーマルコンテナ320の第2の側320Bを熱エネルギーから遮蔽し、及び/又は少なくとも部分的に隔離するように構成され得る。したがって、本明細書中に更に詳細に記載されるように、サーマルコンテナ320の側320Aと側320Bとの間の熱伝達を低減することができ、これにより、したがってサーマルコンテナ320の第1の側320A及び第2の側320Bの独立温度制御を可能にすることができる。
【0073】
更に、サーマルコンテナ320の1つ以上の部分をデバイス300の他の部分(例えば、サーマルコンテナ320の他の部分、ハウジング310、流体循環システム340の一部等)から絶縁し、及び/又は少なくとも一部熱的に隔離するために、比較的低い熱伝導率を有する材料又は材料の組み合わせを少なくともサーマルコンテナ320の一部の周りに配置することができる。例えば、
図13~
図15に示すように、絶縁材料368は、サーマルコンテナ320の第1の側320Aの少なくとも一部を受け入れるように構成された開口部369と、サーマルコンテナ320の第2の側320Bの少なくとも一部を受け入れるように構成された開口部369とを画定することができる。いくつかの実施形態では、絶縁材料368は、例えば、ポリウレタンフォーム又は箔、シリコーン等であり得る。したがって、サーマルコンテナ120及びサーマルコンテナ220を参照して上述したように、絶縁材料368は、サーマルコンテナ320の第1の側320Aをサーマルコンテナ320の第2の側320Bから熱的に隔離することができるように各側320A及び/又は側320Bと関連付けられた温度を、側320Aと側320Bとの間で及び/又はデバイス300の他の部分に実質的に熱エネルギーを伝達することなく独立制御することができる。
【0074】
サーマルコンテナ320は、比較的低い熱伝導率を有する材料から形成され、及び/又は比較的低い熱伝導率を有する材料で形成されるものとして上述したが、いくつかの実施形態では、少なくともサーマルコンテナ320の一部は、比較的高い熱伝導率を有する材料(例えば、上述のように、約10W/mk~約250W/mkの熱伝導率を有するアルミニウム、ステンレス鋼などの金属等)で形成され得る。例えば、
図13~
図15に示すように、サーマルコンテナ320の第1の側320A及び第2の側320Bの両方は、壁329を受け入れるように構成されたスロット335を画定し、これにより、したがって第1の部分321を第2の部分322から少なくとも部分的に分離する。いくつかの実施形態では、壁329は、金属等などの比較的高い熱伝導率を有する材料で形成され得る。本明細書中に更に詳細に記載されるように、サーマルコンテナ320の第1の側320Aに結合された壁329の配置は、第1の側320Aの第1の部分321と第2の部分322との間で熱エネルギーが伝達されることを選択的に可能にすることができる。同様に、デバイス200に含まれる壁229を参照して上述したように、サーマルコンテナ320の第2の側320Bに結合された壁329の配置は、第2の側320Bの第1の部分321と第2の部分322との間で熱エネルギーが伝達されることを選択的に可能にすることができる。したがって、本明細書中に更に詳細に記載されるように、例えば、第1の空間326内の温度が第2の空間327に対して上昇するにつれて、第1の空間326と第2の空間327との間の温度差によって熱エネルギーが壁329の相対的に高温側から壁329の相対的に低温側へと伝達されることとなり、それにより、第1の空間326から第2の空間327へ(又はこの反対に)熱エネルギーを伝達する。
【0075】
いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ320の第1の側320Aの第1の空間326と第2の空間327とは、異なる種類の食品を保存及び/又は調理するように構成され得る。例えば、第1の側320Aの第1の空間326は、例えば、肉類及び/又は他のタンパク質食品類などの第1の種類の食品を受け入れるように構成することができ、第1の側320Aの第2の空間327は、例えば、野菜類、デンプン食品類、炭水化物食品類等などの第2の種類の食品(又は第2の種類の食品、第3の種類の食品、第4の種類の食品等)を受け入れるように構成することができる。したがって、いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ320の第1の側320Aは、食品を所定の配置及び/又は向きで受け入れるように構成することができる。
【0076】
例えば、サーマルコンテナ320内に配置されるように構成された食品は、所定の大きさ、形状及び/又は構成を有する1つ以上の流体密パッケージ、カートリッジ及び/又はカートリッジアセンブリ内に収容され得る。より具体的には、サーマルコンテナ320の第1の側320Aの第1の部分321は、所定の及び/又は所与の配置を有する食品カートリッジの一部を受け入れるように構成された位置合わせノッチ334一式(例えば、
図14を参照)を含み且つ/又は画定する。いくつかの実施形態では、例えば、肉及び/又は他のタンパク質食品を含む食品カートリッジ及び/又はパッケージは、食品カートリッジ及び/又はパッケージの一部がノッチ324内に配置されるように、第1の側320Aの第1の部分321によって画定される第1の空間326内に少なくとも部分的に配置され得る。いくつかの実施形態では、ノッチ334並びに食品カートリッジ及び/又はパッケージの配置は、食品カートリッジ及び/又はパッケージが第1の部分321内に所定の向きで(例えば、1つの向き及び/又は構成のみにおいて)配置されるようなものである。
図11~
図17Bには示されていないが、いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ320の第1の側320Aの第2の部分322は、第2の空間327内に配置された少なくとも食品カートリッジの一部を位置合わせするように構成された任意の適切な位置合わせノッチ及び/又は特徴を同様に含み得る。サーマルコンテナ320の第2の側320Bが第1の側320Aと類似しており、及び/又は実質的に同じであることにより、第2の側320Bの第1の部分321と第2の部分322とは、サーマルコンテナ320の第2の側320Bの第1の空間326及び第2の空間327内において食品カートリッジ、食品カートリッジアセンブリ、食品カートリッジキャディー又はホルダ等を少なくとも部分的に位置合わせするように構成されたノッチ334一式及び/又は任意の他の適切な特徴を同様に含み得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ320の第1の部分321及び第2の部分322はそれぞれ、その中に収容された食品カートリッジの一部に配置された対応するRFIDタグ等の存在を検知及び/又は読み取るように構成されたRFIDセンサ又はリーダなどの少なくとも1つのセンサを含み得る。例えば、場合により、このようなRFIDセンサ及び/又はリーダは、対応する第1の部分321及び/又は第2の部分322内に配置された食品カートリッジの存在を検知し、及び/又は検出するように構成され得る。場合により、RFIDセンサ及び/又はリーダは、その中の食品カートリッジの一部に配置されたRFIDタグ等からデータを読み取り且つ/又は受信するように構成され得る(例えば、食品カートリッジの存在の検知に加えて及び/又はその代わりに)。例えば、デバイス100及び/又はデバイス200を参照して上述したように、食品カートリッジの一部に配置されたRFIDタグ等は、食品カートリッジ内に収容された食品の種類、保存及び/若しくは調理手順一式に関連付けられたデータ、及び/又は任意の他の適切なデータを含み得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、サーマルコンテナ320の第1の部分321及び第2の部分322のこのような配置は、第1の部分321が第1の種類(例えば、肉又はタンパク質食品)を有する食品を受け入れること、及び第2の部分322が第2の種類(例えば、デンプン食品、野菜等)を有する食品を受け入れることを確実にすることができる。したがって、デバイス300は、食品の種類特有の及び/又は食品の種類に少なくとも部分的に基づく手法で食品を保存及び/又は調理するように構成され得る。例えば、場合により、第1の部分321に収容された食品(例えば、肉)を第1の温度に、及び第2の部分322に収容された食品(例えば、デンプン食品、野菜及び/又は他の非肉食品)を第1の温度と異なる第2の温度に調理することが望ましい場合がある。
【0079】
別の例として、調理前、デバイス300がサーマルコンテナ320内(例えば、第1の側320A及び/又は第2の側320Bに)に食品を保存している場合、デバイス300は、冷却されたある量の流体が、第1の部分321によって画定される第1の空間326内で循環するように構成することができ、これにより、したがって第1の空間326を温度閾値未満に維持することができる。逆に、例えば、デンプン食品及び/又は野菜を受け入れるように構成された第2の空間327では、調理前にこれらの食品をある量の流体に曝露させること及び/又はこれらの食品をある量の流体中に浸漬することは望ましくない場合がある。したがって、壁329の配置は、第2の空間327からの熱エネルギーが壁329を通じて運ばれ、より低温の流体が壁329に対して流れる際に熱エネルギーの少なくとも一部が壁329の表面から除去されるようなものとされ得る。換言すると、調理前にデバイス300が食品を保存している場合、第2の空間327に配置された食品を、循環している流体に食品を曝露すること及び/又は浸漬することことなく温度閾値未満に維持できるように、壁329又はその少なくとも一部は、第2の空間327から第1の空間326へと熱エネルギーを伝達するように構成された熱交換器を形成することができ、及び/又はそうでなければ第2の空間327から第1の空間326へと熱エネルギーを伝達するように構成された熱交換器として機能することができる。
【0080】
デバイス300の流体循環システム340は、任意の適切な形状、大きさ及び/又は構成であり得る。流体循環システム340は、デバイス300の一部で流体(例えば、水)を循環させ、流体がデバイス300の一部を流れる際に流体の温度を調整するように構成されている。例えば、
図15~
図17Bに示されているように、流体循環システム340は、ドレンリザーバ341と、チラーアセンブリ343と、循環ポンプ356一式(例えば、サーマルコンテナ320の1つの側につき1つ以上)と、ソレノイド(バルブ)357一式と、流体導管358一式と、取付部品359一式と、一方向弁365一式と、ヒータアセンブリ360とを含む。コントローラ370及び/又はコントローラ370に含まれる1つ以上のプロセッサは、流体循環システム340の少なくとも一部と電気通信及び/又は電子通信することができ、流体循環システム340の制御に関連付けられた命令セット又はコードを実行するように構成され得る。例えば、コントローラ370は、1つ以上のソレノイド357を開放構成から閉鎖構成へと(又はこの反対に)移行させることに関連付けられた処理を実施及び/又は実行することができ、1つ以上の循環ポンプ356等内の流量を増加又は減少させる。コントローラ170を参照して上述したように、場合により、コントローラ370は、任意の数のセンサ、エンコーダ、温度計、サーミスタ、充填インジケータ等からの信号(及び/又は信号内に含まれるデータ)に基づき、流体循環システム340の少なくとも一部を制御することができる。他の例では、本明細書中に更に詳細に記載されるように、コントローラ370は、ローカル又はリモートユーザ入力に関連付けられたデータ、RFIDタグから及び/又は近接場通信(NFC)を介して受信されたデータ等に基づき、流体循環システム340の少なくとも一部を制御することができる。
【0081】
流体循環システム340は、ドレンリザーバ341と、チラーアセンブリ343と、ヒータアセンブリ360と、サーマルコンテナ320(例えば、第1の側320A及び/又は第2の側320B)との間の流体流路を画定するように構成されている。
図11~
図17Bに示される実施形態では、流体循環システム340は、サーマルコンテナ320の各側320A及び側320Bと関連付けられた独立流体流路を画定する。換言すると、同じドレンリザーバ341、同じチラーアセンブリ343及び/又は同じヒータアセンブリ360と流体連通する一方、サーマルコンテナ320の第1の側320Aの流体流路は、サーマルコンテナ320の第2の側320Bの流体流路から流体的に隔離される。したがって、デバイス300は、サーマルコンテナ320の各側320A及び側320Bと関連付けられた温度を独立制御することができる。
【0082】
図15に示すように、チラーアセンブリ343は、熱交換器344と、凝縮器351と、圧縮器354とを含む。チラーアセンブリ343は、その中で循環しているある量の流体を冷やし、冷却し、及び/又はそうでなければその中で循環しているある量の流体から熱エネルギーを除去するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、チラーアセンブリ343は、既知の冷蔵ユニット及び/又はアセンブリに実質的に類似し得る。より具体的には、チラーアセンブリ343は、作動流体(例えば、R-134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン)、R-600a(イソブテン)、水性グリコール混合物、ベタイン等などの冷却剤)を例えば蒸気圧縮サイクルによって循環させるように構成され得る。こうした例では、圧縮器354は、作動流体(冷却剤)の流れを蒸気状態で受け入れ、作動流体の圧力及び温度が上昇するように、この作動流体を圧縮する。圧縮される作動流体は、例えば、過熱蒸気状態まで圧縮され、圧縮器354を出て、その後、過熱蒸気は凝縮器351へと流れる。凝縮器351を通過しているとき、過熱蒸気は熱を拒絶し、飽和液体状態に凝縮される。飽和液体作動流体は、その後、膨張弁(
図11~
図17Bに示されず)内を流れ、これにより作動流体に関連付けられた圧力を低下させ、したがって、例えば、断熱フラッシュ蒸発により、飽和液体の、液体と蒸気との混合物への移行をもたらす。膨張の結果、作動流体(液体-蒸気混合物)と関連付けられた温度は低下し、「低温」作動流体が熱交換器344に流れ、熱交換器344において、低温作動流体は、熱交換器344内で循環している保存/調理流体(例えば、水)から拒絶された熱エネルギーを吸収する。作動流体は、その後、圧縮器354へと流れ、蒸気圧縮サイクルが繰り返される。
【0083】
したがって、チラーアセンブリ343は、流体循環システム340及び/又はサーマルコンテナ320内を流れる流体から熱エネルギーを吸収(即ち、冷却)するために使用され得る。場合により、コントローラ370がデバイス300を、サーマルコンテナ320の第1の側320A及び/又は第2の側320Bと関連付けられた保存構成にするとき、流体循環システム340の関連部分は、冷却された又は低温流体をサーマルコンテナ320の第1の部分321内で循環させることができ、それにより、第1の部分321に収容された食品を所望の保存温度に維持する。例えば、いくつかの実施形態では、流体は、サーマルコンテナ320の第1の空間326内の温度を摂氏約4.4度に維持するように構成され得る。更に、コントローラ370は、任意の適切なセンサ、温度計、熱電対、サーミスタ等から1つ以上の信号を受信することができ、1つ以上の信号に含まれるデータに基づき、流体循環システム340の少なくとも一部を能動的に制御し、ある量の流体と関連付けられた温度を上昇又は低下させることができる。
【0084】
流体循環システム340のヒータアセンブリ360は、ヒータアセンブリ360を通過する流体の空間を加熱するように構成された任意の適切なデバイス及び/又はアセンブリであり得る。いくつかの実施形態では、例えば、ヒータアセンブリ360は、コーヒーメーカ等(例えば、厚膜ヒータ等)に使用されているものなど既知の加熱要素を含み得る。いくつかの実施形態では、このような加熱要素は、例えば、750ワット~1,200ワットの加熱要素であり得、この加熱要素は、加熱要素を流れるある量の流体(例えば、水)に伝達される熱エネルギーの割合及び/又は量を制御するように、所望の及び/又は所定の手法でデューティサイクルが設定され得る。いくつかの実施形態では、ヒータアセンブリ360は、例えば、400ワット構成、800ワット構成及び/又は1,200ワット構成を有し得る1つ以上の加熱要素を含み得る。更に、場合により、加熱要素は、例えば、加熱要素の出力を約40ワット刻みで増加するようなデューティサイクルが設定され得、及び/又は位相で動作し得る(例えば、コントローラ370又はその一部によって)。例えば、いくつかの実施形態では、ヒータアセンブリ360は、ヒータアセンブリ360内で循環しているある量の流体(例えば、水)と関連付けられた温度を摂氏約6.6度だけ上昇させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、ヒータアセンブリ360は、ある量の流体(例えば、水)の温度を毎分摂氏約2.2度以上(例えば、毎分摂氏約2.8度、毎分摂氏約3.3度、毎分摂氏約3.9度、毎分摂氏約4.4度、毎分摂氏約5度、毎分摂氏約5.6度、毎分摂氏約8.3度、毎分摂氏約11.1度、毎分摂氏約13.9度以上)だけ上昇させるように構成され得る。更に、コントローラ370は、ヒータアセンブリ360に含まれる加熱要素を、ヒータアセンブリ360からある量の流体へと伝達される熱の量及び/又は割合を制御するようにデューティサイクル設定するように構成され得る。
【0085】
サーマルコンテナ320の第1の側320Aの1つ以上の流体流路の一例を以下で
図17A及び
図17Bを参照して記載する。サーマルコンテナ320の第1の側320Aについて記載するが、類似の流体流路がサーマルコンテナ320の第2の側320Bに対して画定されるか又は画定され得るため、サーマルコンテナ320の各側320A及び側320Bと関連付けられた温度を独立制御し得ることは理解すべきである。したがって、第2の側320Bと関連付けられた流体流路は本明細書において更に詳細には記載されず、特に指示のない限り、第1の側320Aを参照して記載したものと実質的に類似しているとみなされるべきである。
【0086】
図17Aに示すように、第1の流体導管358Aは、出口ポート331を介して(第1の側320Aの)サーマルコンテナ320の第1の部分321によって画定される第1の空間326と流体連通している。第1の流体導管358Aは、第1の空間326を循環ポンプ356と流体連通させる。循環ポンプ356は任意の適切な構成であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、循環ポンプ356は、流体の流れを一方向に供給するように構成されたポンプ又は流体の流れを二方向に供給するように構成された可逆ポンプであり得る。
【0087】
循環ポンプ356は、第2の流体導管358Bを介して第1のソレノイド357Aと流体連通している。したがって、流体は「ポンプ流体路」内を出口ポート331から第1のソレノイド357Aまで流れることができる。第1のソレノイド357Aは、したがって、第3の流体導管358Cを介してチラーアセンブリ343の熱交換器344と、第4の流体導管358Dを介してヒータアセンブリ360と流体連通している。
図17Bに示すように、熱交換器344は、第5の流体導管358Eを介して第1の一方向弁365Aと流体連通しており、第1の一方向弁365Aは、したがって第6の流体導管358Fを介して第1の取付具359Aの第1の入口と流体連通している。ヒータアセンブリ360は、第7の流体導管358Gを介して第2のソレノイド357Bと流体連通している。第2のソレノイド357Bは、第8の流体導管358Hを介して第2の一方向弁365Bと流体連通しており、第2の一方向弁365Bは、したがって第9の流体導管358Iを介して第1の取付具359Aの第2の入口と流体連通している。第1の取付具359Aの出口は、第10の流体導管358Jを介してサーマルコンテナ320の第1の部分321の入口ポート337と流体連通している。
【0088】
したがって、コントローラ370がデバイス300を保存構成にすると、出口ポート331は、第1の空間326と循環ポンプ356との間に流体連通を設け、第1のソレノイド357Aは、循環ポンプ356と熱交換器344との間に流体連通を設け、第1の一方向弁365Aは、(第1の取付具359Aを介して)熱交換器344と第1の部分321の入口ポート337との間に流体連通を設ける。したがって、流体は「低温流体路」又は「低温ループ」内を流れ、第1の空間326内の流体を所望の保存温度(例えば、摂氏約4.4度)又は所望の保存温度未満に維持することができる。コントローラ370がデバイス300を調理構成にすると、出口ポート331は、第1の空間326と循環ポンプ356との間に流体連通を設け、第1のソレノイド357Aは、循環ポンプ356とヒータアセンブリ360との間に流体連通を設け、第2のソレノイド357Bは、第2の一方向弁365B及び第1の取付具359Aを介してヒータアセンブリ360と第1の部分の入口ポート337との間に流体連通を設ける。したがって、流体は「高温流体路」又は「高温ループ」内で循環し、第1の空間326内の流体をほぼ所望の調理温度(例えば、摂氏約60度)に維持することができる。
【0089】
流体が流体流路内を流れて、例えば、サーマルコンテナ320の第1の空間326内で循環することができる流体流路(例えば、「低温ループ」及び「高温ループ」)を画定するものとして上述したが、流体循環システム340は、サーマルコンテナ320の第2の空間327内で流体を循環させるように構成された1つ以上の流体流路を画定する(例えば、「伝達流体路」又は「伝達ループ」)。例えば、
図17A及び
図17Bに示すように、第11の流体導管358Kが第2の取付具359Bと流体連通しており、第2の取付具359Bは、したがって第12の流体導管358Lを介して第2の部分322のポート333と流体連通している。したがって、コントローラ370は、第2のソレノイド357Bがヒータアセンブリ360と第2の部分322のポート333との間に流体連通を設ける(例えば、「伝達ループ」を設ける)ことになる信号を第2のソレノイド357Bに送信することができる。更に、このような配置は、ある量の流体が部分321及び部分322のそれぞれに配置されるように、コントローラ370が流体の流れを第1の部分321と第2の部分322との間で分割することを可能にすることができる。換言すると、コントローラ370は、第2のソレノイド357Bを、第1の量の流体が第2のソレノイド357Bを通って第8の流体導管358Hへと流れることができ、第2の量の流体が第2のソレノイド357Bを通って第11の流体導管358Kへと流れることができる構成にする信号を、第2のソレノイド357Bに送信することができる。いくつかの実施形態では、この配置は、サーマルコンテナ320の第1の部分321及び第2の部分322内での同時調理を可能にすることができ、且つ/又は第1の空間326及び/若しくは第2の空間327内の流体の量、温度、流量等をコントローラ370が制御することができる手段を提供することができる。
【0090】
上述のように、第13の流体導管358Mは、第2の取付具359Bと第3のソレノイド357Cとの間に流体連通を設ける。
図17Bに示すように、第3のソレノイド357Cは、2つの取付部品(即ち、第3の取付具359C及び第4の取付具359D)及び3つの流体導管(即ち、第14の流体導管358N、第15の流体導管358O、及び第16の流体導管358P)を介してドレンリザーバ341と流体連通している。このように、コントローラ370は、第3のソレノイド357Cを、第1の部分321及び/又は第2の部分322とドレンリザーバ341(例えば、「ドレン流体路」又は「ドレンループ」)との間に流体連通が設けられるような構成にする信号を第3のソレノイド357Cに送信することができる。したがって、いくつかの実施形態では、デバイス300は、調理操作後及び/又は食品がデバイス300から取り出された後、ある量の流体を排出するように構成され得る。他の実施形態では、コントローラ370は、使用中、ある量の流体を排出する(例えば、オーバーフローを防ぐため、流体量、流量及び/又は温度等を管理及び/又は制御するため)ことを可能にするように動作可能な第3の信号を第3のソレノイド357Cに送信することができる。
【0091】
図17A及び
図17Bに示すように、第1の空間321は、ドレンリザーバ341と流体連通しているオーバーフローポート338を含む。より具体的には、流体循環システム340は、第5の取付具359Eと流体連通している第17の流体導管358Qを含む。第5の取付具359Eは、したがって、第18の流体導管358Rを介して第4の取付具359Dと流体連通している。したがって、第1の空間326内のある量の流体が所定の閾値を超えた場合、流体の一部は、オーバーフローポート338からドレンリザーバ341へと(例えば、「オーバーフロー流体路」又は「オーバーフローループ」を介して)流れることができる。更に、
図17A及び
図17Bに示す実施形態では、「オーバーフローループ」にソレノイド及び/又はバルブがないという点で「オーバーフローループ」は受動配置にある。したがって、第1の空間326内のある量の流体が量の閾値を超えた場合、ある量の流体の一部はバルブ及び/又はソレノイドの動作に依存することなく「オーバーフローループ」内を流れることができる。
【0092】
図11~
図17Bには示されていないが、いくつかの実施形態では、デバイス300及び/又はコントローラ370は、ドレンリザーバ341の存在を検出及び/又は検知するように構成されたスイッチ、センサ、検知器(例えば、超音波流体検知器)等を含み得る。こうした実施形態では、コントローラ370は、ドレンリザーバ341の存在が検知されない場合、流体循環システム340の一部を通る流体の流れを制限するように構成され得る(例えば、第3のソレノイド357を通る流体の流れを制限し、及び/又は実質的に妨げる)。更に、ある量の流体で例えば第1の空間326が溢れ、ドレンリザーバ341の存在が検知されない場合、場合により、コントローラ370は、第1の空間326と第2の空間327との間である量の流体を釣り合わせ且つ/又は移動させて、第1の空間326及び/又は第2の空間327から流体が溢れる及び/又は漏れるオーバーフロー状態を回避するように構成され得る。
【0093】
デバイス300内に配置された1つ以上の食品を半自律的に保存及び/又は調理するためのデバイス300の使用例を以下に記載する。サーマルコンテナ320の第1の側320Aの使用について特に記載するが、サーマルコンテナ320の第1の側320Aの使用のみを説明することは簡略化のためであり、限定のためではないと理解すべきである。デバイス300は、例えば、サーマルコンテナ320の第2の側320Bを本明細書中に記載される手法で使用するなど、任意の他の適切な手法で使用され得る。他の例では、第1の側320A及び第2の側320Bの両方は、本明細書中に記載されるものに類似する手法で使用され得る。
【0094】
使用時、ユーザは、食品カートリッジ及び/又は食品カートリッジの一部を、サーマルコンテナ320の第1の部分321によって画定される第1の空間326内に配置することができる。食品カートリッジは、食品カートリッジの一部がノッチ334に係合し、及び/又はノッチ334内に配置されるように第1の空間326内に配置され得る。したがって、ユーザは、正しい食品カートリッジが第1の空間326に挿入され、食品カートリッジが適切に位置合わせされるのを確実にすることができる。場合により、例えば、第1の空間326内に配置された食品カートリッジは、肉及び/又はタンパク質食品を収容することができる。同様に、ユーザは、1つ以上の食品カートリッジ又は食品カートリッジの1つ以上の部分を第2の空間327内に配置することができる。いくつかの実施形態では、第2の部分322及び1つ以上の食品カートリッジの配置は、食品カートリッジが第2の空間327内に所定の向きで配置されるようなものであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、食品カートリッジは、少なくとも部分的に積み重ねることができ、一方向にのみ配置され得る大きさ及び/又は形状を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、食品カートリッジは、デンプン食品又は炭水化物食品(例えば、米)がより低い位置に配置される一方、野菜がデンプン食品又は炭水化物食品の上に積み重ねられる(例えば、より高い位置にある)ように配置され得る。本明細書中に更に詳細に記載されるように、このような所定の向き及び/又は配置は、第2の空間327内に配置された各食品に対する所望の保存及び/又は調理条件に至ることができる。他の実施形態では、食品カートリッジは第2の空間327内に任意の適切な手法で配置され得る。いくつかの実施形態では、食品カートリッジは、食品カートリッジを所定の向き及び/又は配置で少なくとも一時的に保持するように構成されたホルダ又はキャディー内に配置され得る。
【0095】
上述のように、いくつかの実施形態では、食品を収容する各食品カートリッジ及び/又は食品カートリッジの各部分は、例えば、サーマルコンテナ320の第1の部分321及び第2の部分322に含まれるRFIDリーダにデータを提供するように構成されたRFIDタグを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1の部分321及び/又は第2の部分322に含まれるRFIDリーダは、それぞれ対応する食品カートリッジ又はその一部のRFIDタグから信号を受信することができる。場合により、コントローラ370は、食品カートリッジ又はその一部の存在をRFID信号に基づいて特定することができる。他の例では、コントローラ370は、食品カートリッジ内に収容された食品と関連付けられた及び/又はそうでなければ食品カートリッジ内に収容された食品に関する情報を提供するRFIDリーダからデータを受信することができる。例えば、データは、食品の種類、食品の量、食品に関する保存及び/若しくは調理手順、並びに/又は任意の他の適切なデータを含み得る。
【0096】
食品が第1の空間326及び/又は第2の空間327内に配置された状態で、コントローラ370は、ユーザ入力に基づき、1つ以上の処理を実行し、デバイス300を保存構成又は調理構成にすることができる。例えば、場合により、ユーザは調理開始時間及び/又はユーザが食品を食す準備が整った状態にすることを望む時間を入力することができる。場合により、ユーザ入力は、デバイス300に含まれる制御部317を介したものであり得る(例えば、
図11及び
図12を参照)。他の例では、ユーザ入力は、スマートフォン、タブレット、ノート型パソコン、PC及び/又は任意の他の適切な「スマートデバイス」などの外部電子デバイスを介したものであり得る。
【0097】
ユーザが食品を食す準備が整った状態にすることを望む時間が、デバイス300がその中に収容された食品をしばらくの間保存すべきであるような時間の場合、コントローラ370は、例えば、デバイス300を保存構成にすることができる。したがって、コントローラ370は、冷却された及び/又は低温流体がサーマルコンテナ320の第1の空間326へと送られ、且つ/又はサーマルコンテナ320の第1の空間326内で循環されるように、例えば、流体循環システム340の少なくとも一部を制御するように動作可能な1つ以上の処理を実施することができる。特に、サーマルコンテナ320内に食品カートリッジを配置した後、ユーザは、ある量の流体(例えば、水)をサーマルコンテナ320の第1の部分321によって画定される第1の空間326へと送ることができる。流体は任意の適切な温度であり得る。温度は、センサ部332を介して第1の空間326と流体連通しているサーマルセンサにより決定され得る。したがって、上で詳細に記載したように、コントローラ370は、ある量の流体を例えば流体循環システム340の「低温ループ」内で循環させるように動作可能な1つ以上の処理を実施することができる。即ち、ポンプ356は、ある量の流体を熱交換器344内に送ることができ、熱交換器344において、流体が冷却されるように、チラーアセンブリ343の作動流体が流体から熱エネルギーを除去する。冷却された及び/又は低温流体は、その後、熱交換器344から、第1の部分321の入口ポート337を通り、第1の空間326へと流れることができる。このようにして、流体循環システム340は、流体を循環させ、流体を所定の及び/若しくは所望の保存温度(例えば、摂氏約4.4度)に、又は所定の及び/若しくは所望の保存温度(例えば、摂氏約4.4度)未満に維持するように構成され得る。更に、第1の空間326内で循環している冷却された及び/又は低温流体により、第1の空間326内に収容された食品の温度(例えば、肉又はタンパク質食品)が実質的に所定の及び/若しくは所望の保存温度へと低下することとなり、且つ/又は実質的に所定の及び/若しくは所望の保存温度に維持されることとなる(例えば、食品の温度は、第1の空間326内で循環している流体の温度と実質的に平衡状態にされ、及び/又はそのような状態に維持される)。
【0098】
保存構成にあるときのデバイス300の配置は、流体が第1の空間326内のみで循環するような配置である。即ち、デバイス300が保存構成にあるとき、流体循環システム340は流体を第2の空間327に送らず、及び/又は流体を第2の空間327内で循環させない。上述のように、しかしながら、サーマルコンテナ320内に配置された壁329は、第2の空間327から、第1の空間326内で循環している流体に熱エネルギーを伝達するように構成されている。例えば、壁329は、熱伝導性材料で形成することができ、したがって、第2の空間327からの熱エネルギーは壁329を通じて送られ、第1の空間326内で循環している冷却された及び/又は低温流体によって吸収される。いくつかの実施形態では、このような配置は、第2の空間327内の食品の、実質的に所定の及び/又は所望の保存温度における比較的乾式の保存をもたらす。場合により、実質的に保存温度における比較的乾式の保存は、その中に収容された食品(例えば、デンプン食品、野菜、炭水化物食品類等)にとって好適である。更に、いくつかの実施形態では、壁329は、例えば、サーマルコンテナ320の部分321及び/又は部分322の高さのほぼ半分であり得る。したがって、第2の空間327の高さにわたる温度勾配が生じ得るとともに、例えば、デンプン食品が配置される第2の空間327の一部の温度よりも低い温度を有する第2の空間327の一部内に野菜が配置されるように、1つ以上の食品カートリッジは、第2の空間327内に所定の向きで配置され得る。場合により、このような配置は、第2の空間327を所望の温度に及び/又は所望の温度勾配で冷却する効率を高めることができる。
【0099】
所定の、計算された及び/又は所望の時間に、コントローラ370は、デバイス300を保存構成から調理構成へと移行するための1つ以上の処理を実施するように構成され得る。したがって、コントローラ370は、「低温ループ」内の流体の流れを停止し、「高温ループ」を通した流体の流れを開始するように動作可能な信号を第1のソレノイド357Aに送信することができる。したがって、ポンプ356は流体の流れをヒータアセンブリ360に送り、ヒータアセンブリ360において、流体は1つ以上の加熱要素からの熱エネルギーを吸収する。加熱された流体は、その後、ヒータアセンブリ360から第2のソレノイド357Bに、第2のソレノイド357Bからサーマルコンテナ320の第1の部分321の入口ポート337へと流れることができる。このようにして、コントローラ370は流体循環システム340の少なくとも一部を、流体の温度を所定の及び/又は所望の調理温度に上昇させるよう制御することができる。第1の空間326内で循環している加熱された及び/又は高温流体は、したがって、食品(例えば、肉又はタンパク質食品)を所定の及び/又は所望の調理温度(例えば、摂氏約60度以上)で及び/又はこのような温度に調理する。更に、流体循環システム340は、ある量の流体を第2の空間327に(例えば、「伝達ループ」を介して)送ることなく、所定の及び/又は所望の時間にわたり第1の空間326内で流体を循環させるように構成され得る。
【0100】
第1の部分321内の食品を所定時間にわたって加熱(例えば、調理)した後、コントローラ370は、「伝達流体路」又は「伝達ループ」を介して流体の流れの少なくとも一部を第2の空間327に誘導するための命令を示す信号を第2のソレノイド357Bに送信することができる。このように、加熱されたある量の流体の少なくとも一部が第2のソレノイド357B及び第2の部分322のポート333を通り、第2の空間327に流れることができる。したがって、第2の空間327内の流体は、第2の空間327内に収容された食品(例えば、デンプン食品、野菜等)に熱エネルギーを伝達することができる。
【0101】
場合により、第2の空間327内に収容された食品の調理に好適な温度(例えば、摂氏約76.6度~摂氏約100度及び/又は水の沸点よりわずかに低い温度)に流体を更に加熱することが望ましい場合がある。こうした例では、「伝達ループ」内で流体を循環させる前に、コントローラ370は、流体をヒータアセンブリ360内で循環させることとなる1つ以上の処理を実施することができる。例えば、いくつかの実施形態では、流体は「高温ループ」内で循環し、ヒータアセンブリ360から熱エネルギーを吸収することができる。こうした実施形態では、第1の空間326内に収容された食品は、上昇する温度(例えば、食品が調理された温度を超える温度)を有する流体に曝される。したがって、コントローラ370は、上昇した温度を有する流体への第1の空間326内の食品の曝露に基づき、調理時間調整等を予想及び/又は計算するように構成され得る。換言すると、コントローラ370は、予想された及び/又は所定の流体加熱モードに基づき調理時間を決定及び/又は計算することができる(即ち、様々な温度での調理)。換言すると、流体が続いて第2の空間327内の食品を調理するのに適した温度(例えば、摂氏約76.6度~摂氏約100度)まで加熱される場合、設定温度(例えば、摂氏60度)における食品の調理と関連付けられた調理時間を減少する。
【0102】
流体を所定の温度まで加熱すると、第2のソレノイド357Bは「開放」することができ、及び/又はそうでなければ流体が第2の空間327に流れることを可能にするよう移行することができる。場合により、1つ以上の食品の少なくとも一部がある量の流体中に配置されるように、第2の空間327に所定の量の流体が送られ得る。例えば、上述のように、第2の部分322及びその中に配置された食品カートリッジ又は食品カートリッジの一部の配置は、食品が所定の構成及び/又は向きで配置されるような配置であり得る。特に、このような一部の配置では、デンプン食品(例えば、米、ジャガイモ等)は、例えば、野菜より下の場所にあり得る。第2の空間327に送られたある量の流体は、デンプン食品がある量の流体中に配置される一方、野菜がある量の流体中に実質的に配置されないようなものであり得る。場合により、このような配置、構成及び/又はプロセスは、デンプン食品を調理するのに十分な熱エネルギーの量(例えば、比較的多い量)と、野菜を調理するのに十分な熱エネルギーの量(例えば、比較的少ない量)との差に少なくとも部分的に基づき得る。他の例では、第2の空間327内に配置された食品を全て、ある量の流体中に配置することができる。更に、場合により、コントローラ370は、食品カートリッジ及び/若しくはその一部に含まれる1つ以上のRFIDタグから受信された及び/又はこのようなRFIDタグに含まれるデータ及び/若しくは情報に少なくとも部分的に基づき、第2の空間327に送られるある量の流体を制御することができる。
【0103】
場合により、ある量の流体は第2の空間327内に所定時間にわたって配置することができ、その後、排出することができる。例えば、場合により、ある量の流体は、第2の空間327内に収容された食品に熱エネルギーを伝達することができ、これにより、したがってある量の流体の熱エネルギー量を低減する。場合により、流体の温度損失の量を予想及び/又は特定することができ、所定時間後及び/又はある量の流体の温度が温度閾値未満に低下した後、コントローラ370は、ある量の流体又はその少なくとも一部を第2の空間327から排出するように動作可能な信号を第3のソレノイド357Cに送信することができる。したがって、使用済み流体又は使用済み流体の一部が排出されると、コントローラ370は、排出工程を停止するための信号を第3のソレノイド357Cに送信することができるとともに、コントローラ370は、ある量の加熱された流体が第2のソレノイド357Bを通り、第2の空間へと流れることを可能にするための信号を第2のソレノイド357Bに送信することができる。簡潔には、コントローラ370は、第2の空間327に送られるある量の流体を新しくするように構成することができ、これにより、したがって新たなある量の加熱された流体中で循環させることにより、第2の空間327内に配置された食品の調理時間を減少することができる。
【0104】
上述のように、サーマルコンテナ320は、第1の空間326の一部と第2の空間327の一部とを隔てる壁329を含む。壁329の配置(例えば、壁329の高さ)は、保存中(上述のように)及び調理中における壁329を介した熱伝達に基づき得、及び/又はそうでなければその熱伝達に従い得る。例えば、壁329の高さを第1の部分321及び第2の部分322のそれぞれの高さの約半分にすることで、第2の空間327から第1の空間326へと戻って伝達される熱エネルギー量を低減することができ、これにより、したがって第1の空間326内に配置された食品を加熱しすぎる可能性を低下させることができる。より具体的には、第2の空間327に送られたある量の流体は、第2の空間327の充填高さが壁329より低いようなものであり得る。したがって、加熱された流体は、壁329の構成材料(例えば、比較的高い熱伝導率を有する)ではなく、むしろサーマルコンテナ320の構成材料(例えば、比較的低い熱伝導率を有する)に熱エネルギーを放射する。したがって、第2の空間327内に収容された食品の調理の結果、壁329を介して伝達される熱エネルギー量を低減することができ、これにより、したがって第1の空間326内に収容されるよりも食品を加熱しすぎる可能性を低下することができる。
【0105】
いくつかの実施形態では、デバイス300がその中に収容された食品を調理した後、コントローラ370は、デバイス300を例えば保持構成にするように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス300がサーマルコンテナ320の1つ以上の側320A及び/又は側320B内の所望の量の食品を調理した後、コントローラ370は、ヒータアセンブリ360から流体の流れへと伝達される熱エネルギー量を低減するように構成され得る。場合により、流体の温度を更に低下させるために、流体の少なくとも一部を「低温ループ」内に排出及び/又は循環させることができる。したがって、少なくともサーマルコンテナ320の第1の部分321内を流れる流体の温度を所望の「保持」温度等に低下させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス300は、1つ以上のサーマルコンテナ320内の食品を摂氏約76.6度及び/又は任意の他の適切な調理温度で調理するように構成することができ、調理が完了すると、流体の温度(即ち、加熱要素360から放出される熱エネルギーの量を低減することによって)を摂氏約60度及び/又は任意の他の適切な保持温度に低下させることができる。したがって、食品が調理された後、ユーザが調理済みの食品を食す準備ができるまで食品を安全な温度に維持することができる。
【0106】
いくつかの実施形態では、デバイス300がその中に収容された食品を調理した後、コントローラ370は、デバイス300を例えばドレン構成にするように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラ370は、第2のソレノイド357B及び第3のソレノイド357Cの両方を、第1の空間326及び第2の空間327とドレンリザーバ341との間に流体連通を設ける構成にすることができる。したがって、流体は、第1の空間326及び第2の空間327からドレンリザーバ341へと流れることができる。このようにして、調理済みの食品はサーマルコンテナ320内に配置され得るが、流体中にもはや浸漬されていない。他の実施形態では、ユーザは流体を排出する前に、サーマルコンテナ320から食品カートリッジを取り出すことができる。こうした実施形態では、ユーザは、洗浄要素(例えば、タブレット、パウチ、液体、洗浄剤等)を第1の空間326及び/又は第2の空間327に追加することができ、コントローラ370は、したがって、洗浄要素(例えば、ある量の流体に溶解させた)を含むある量の流体を流体循環システム340内で循環させるように構成され得る。したがって、デバイス300は、調理工程後に自己洗浄するように構成され得る。場合により、上述のように、洗浄工程の完了後、流体を排出するために、コントローラ370は、デバイス300をドレン構成にすることができる。
【0107】
図11~
図17に示されていないが、いくつかの実施形態では、蓋328は、サーマルコンテナ320内に収容された食品の流体浸漬調理を強化するように構成された任意の適切な加熱及び/又は調理要素を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、蓋328は、第1の空間326及び/又は第2の空間327内に収容された食品の少なくとも一部をブロイルし、焦げを付け、且つ/又はそうでなければ調理することができるブロイリング要素等を含み得る。他の実施形態では、デバイス100、デバイス200及び/若しくはデバイス300、サーマルコンテナ120、サーマルコンテナ220及び/若しくはサーマルコンテナ320並びに/又はその中に配置された食品カートリッジの任意の適切な部分は、少なくとも1つの更なるモダリティ内の食品を焼き、ローストし、ブロイルし、焦げを付け、且つ/又はそうでなければ調理するように構成され得る任意の適切な加熱要素を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、肉を収容している食品カートリッジ(又はその一部)は、食品カートリッジがサーマルコンテナ内に配置されると選択的に作動させることができる誘導加熱要素等を含み得る。例として、このような食品カートリッジは、食品カートリッジがサーマルコンテナ内に配置されたときに電気回路を完成させるように構成された電気接点を含み得る。したがって、コントローラ(例えば、コントローラ370)は、信号を送信することができ、及び/又は電気回路内に電流の流れを送ることができ、これにより、したがって食品カートリッジの誘導加熱要素を作動及び/又はそうでなければ始動することができる。他の実施形態では、任意の適切な加熱要素は、デバイスの任意の適切な部分に含まれ、コントローラによって選択的に始動及び/又は制御され得る。
【0108】
図11~
図17に示されていないが、いくつかの実施形態では、デバイス300は、流体循環システム340に流体の流れを提供することができる流体リザーバ等を含み得る。例えば、ユーザは、ある量の流体(例えば、水)を第1の空間326に注ぐものとして上述したが、他の実施形態では、ユーザは、ある量の流体を流体リザーバに注ぐことができ、これにより、したがって流体循環システム340に流体を供給することができる。場合により、流体リザーバに収容されるある量の流体は、サーマルコンテナ320内に収容された食品を保存及び/又は調理するために使用されるある量の流体より多くすることができる。こうした例では、追加された流体量は、例えば、保存工程及び/又は調理工程中、流体循環システム340のある量の流体に付加するために使用され得る「補償」量等として使用することができる。場合により、追加された流体量は、上述のように、例えば、洗浄工程中に使用され得る。いくつかの実施形態では、流体リザーバ、サーマルコンテナ、及び/又は流体循環システムは、流体源(例えば、家、事務所、建物等の水道に配管接続された)と流体連通することができる。同様に、流体リザーバ、サーマルコンテナ、及び/又は流体循環システムは、ドレン又はドレンリザーバ(例えば、シンク、手洗器及び/又はそうでなければ家、事務所、建物等の排水システムに配管接続されている)と流体連通することができる。
【0109】
ここで、
図18を参照すると、一実施形態による少なくとも半自律型の流体浸漬調理デバイス(本明細書では「デバイス」とも称される)を使用する方法10を示すフローチャートが示される。デバイスは任意の適切な構成であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、このデバイスは、本明細書中で詳細に記載したデバイス100、デバイス200及び/又はデバイス300に実質的に類似し得る。したがって、このデバイスは、少なくとも1つのサーマルコンテナ、流体循環システム、1つ以上の加熱要素、及び/又は上述のものなど、任意の他の適切な構成要素を含み得る。示されているように、方法10は、参照番号11において、密封パッケージ内に配置された食品を、密封パッケージをある量の流体内に浸漬させるように、第1の所定温度のある量の流体を含むサーマルコンテナ内に保存することを含む。例えば、食品をサーマルコンテナ内に配置する前に、ユーザは、少なくともサーマルコンテナの一部に流体を充填することができる。同様に、ユーザは、例えば、蒸気リザーバ及び/又は他の流体保存リザーバの少なくとも一部を充填することができる。いくつかの実施形態では、所望の量の流体がサーマルコンテナに添加されるように、デバイス及び/又はサーマルコンテナは充填インジケータ等を含み得る。したがって、デバイスは、デバイス200(例えば、
図9を参照)を参照して上で詳述した保存構成に実質的に類似した保存構成にあり得る。いくつかの実施形態では、第1の所定温度は、例えば、
摂氏約4.4度等などの冷蔵温度であり得る。更に、デバイスは、デバイス100、デバイス200及び/又はデバイス300を参照して上で詳述したように、食品の少なくとも一部が配置される流体の温度を監視及び/又は制御するように構成されたコントローラを含み得る。
【0110】
参照番号12において、コントローラは、所定時間と関連付けられた指示を受信する。いくつかの実施形態では、例えば、この指示は、ローカル及び/又はリモートユーザ入力、データ、好み、設定等に含まれ、且つ/又はそれらにより示されるデータと関連付けられ得る。所定時間は、デバイス内に収容された食品の少なくとも一部が調理され、所望の時間(例えば、例えば、ユーザ入力データ等によって定義される第2の所定時間)における消費に好適であるように、例えば、デバイス(又はその一部)が調理構成にされる概算時間と関連付けられ得る。したがって、参照番号13において、所定時間後、コントローラは、サーマルコンテナに動作可能に結合された(例えば、少なくとも熱的に結合された)1つ以上の加熱要素に信号を送信する。場合により、例えば、コントローラは、所定時間後、即座に及び/又は非常に短時間のうちに(例えば、比較的少数のプロセッサのクロックサイクル以内等)信号を送信することができる。
【0111】
参照番号14において、食品と関連付けられた温度が第2の所定温度に実質的に等しくなるまで、ある量の流体内に浸漬された食品に熱エネルギーの一部が伝達されるように、サーマルコンテナ内のある量の流体が、加熱要素によって生成された熱エネルギーにより第1の所定温度から第2の所定温度まで加熱される。例えば、デバイス100、デバイス200及び/又はデバイス300を参照して上で詳述したように、流体は、例えば、流体から熱を除去するように構成された熱交換器などの冷却源から流体的に隔離され得る。したがって、加熱要素によって生成された熱エネルギーは、流体を第2の所定温度まで加熱する。上で詳述したように、コントローラは、流体を実質的に第2の所定温度に制御、調整及び/又は維持することに関連付けられた任意の適切な電気デバイス、センサ、電気機械式デバイス等から信号を受信することができ、及び/又はこれらに信号を送信することができる。したがって、デバイス100、デバイス200及び/又はデバイス300を参照して上で詳述したように、方法10は、例えば、冷蔵温度などの所望の温度で食品を保存するために使用され得、及び/又は真空調理によって所望の温度に食品を調理するために使用され得る。
【0112】
図19は、一実施形態による流体浸漬保存
・調理デバイスを使用する方法20を示すフローチャートである。流体浸漬保存
・調理デバイス(本明細書では「デバイス」とも称される)本明細書中に記載されるデバイスのいずれかとされ得る。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスは、
図11~
図17を参照して上述したデバイス300と類似しており、及び/又は実質的に同じであり得る。したがって、デバイスは、第1の部分及び第2の部分を有する少なくとも1つのサーマルコンテナと、サーマルコンテナ内に配置された1つ以上の食品を保存及び/又は調理するために、第1の部分及び第2の部分の少なくとも1つ内である量の流体を循環させるように構成されている流体循環システムとを含み得る。
【0113】
方法20は、参照番号21において、デバイスの第1の部分によって画定される第1の空間内に食品を配置することを含む。場合により、食品は、密封パッケージ等内に配置された肉又はタンパク質食品である。より具体的には、パッケージは、その中に収容された食品を流体的に隔離することができる一方、食品とパッケージ外部の空間(例えば、第1の空間)との間で熱エネルギーを伝達することを可能にする。参照番号22において、食品が、デバイスの第2の部分によって画定される第2の空間内に配置される。場合により、第2の空間内に配置される食品は、デンプン食品、野菜及び/又は他の非肉食品である。場合により、1つより多い食品が第2の空間内に配置され得る。更に、食品は、1つ以上のパッケージ及び/又は食品カートリッジ内に配置され得る。いくつかの実施形態では、第2の空間内に配置されたパッケージ及び/又は食品カートリッジは、第1の空間内に配置されたパッケージ若しくは食品カートリッジに結合され得、及び/又はそうでなければ第1の空間内に配置されたパッケージ若しくは食品カートリッジとともに形成され得る。いくつかの実施形態では、第2の空間内に配置されたパッケージ及び/又は食品カートリッジは流体的に及び熱的に透過性であり得る。即ち、デバイス300を参照して上述したように、第2の空間内に配置されたパッケージ及び/又は食品カートリッジ内に収容された食品は、第2の空間と流体連通及び熱連通することができる。いくつかの実施形態では、食品、パッケージ及び/又は食品カートリッジの少なくともいくつかは、サーマルコンテナに挿入される前に、例えば、キャディー、ホルダ等内に配置され得る。こうした実施形態では、キャディー及び/又はホルダは、食品の挿入及び/又は取り出しを簡略化することができ、且つ/又はそうでなければ容易にし得ることはもとより、食品、パッケージ及び/又は食品カートリッジが所定の向きで配置されるのを確実にすることができる。
【0114】
参照番号23において、第1の空間内の食品がある量の流体中に少なくとも部分的に配置されるように、温度閾値未満の温度を有するある量の流体を第1の空間内で循環させる。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスは、第1の構成(例えば、「保存」構成)にあり得る。第1の構成では、食品の調理前に、デバイスは、1つ以上の食品を保存温度で維持する。こうした実施形態では、デバイスの流体循環システムは、例えば、サーマルコンテナの第1の部分と、チラーアセンブリ及び/又はチラーアセンブリに含まれる熱交換器との間に画定される「低温ループ」内である量の流体を循環させることができる。場合により、ある量の流体の温度は、例えば、摂氏約4.4度などの所定の保存温度に及び/又は所定の保存温度未満に維持され得る。他の実施形態では、ある量の流体は、任意の適切な温度に維持され得る。更に、第1の空間内に配置される食品は、第1の空間内で循環している流体中に少なくとも一部浸漬され、したがって閾値温度に又は閾値温度未満に維持される。
【0115】
参照番号24において、第1の空間内で循環しているある量の流体が熱エネルギーの一部を吸収するように、第1の空間の一部と第2の空間の一部との間に配置された熱伝導壁を介して第2の空間から第1の空間に熱エネルギーが伝達される。デバイス300に含まれる壁329を参照して上述したように、壁は、比較的高い熱伝導率を有する材料で形成され得、及び/又は比較的高い熱伝導率を有する材料を含み得る。したがって、壁は、壁の第1の側(例えば、第2の空間の一部を画定する側)から壁の第2の側(例えば、第1の空間の一部を画定する側)に熱エネルギーを伝達することができる。更に、ある量の流体の少なくとも一部は、第1の空間の一部を画定する壁の表面に沿って流れることができ、これにより、壁から熱エネルギーを除去又は吸収する。このように、デバイス300を参照して上述したように、第2の空間は、例えば、「受動的に」冷却され得る。換言すると、第2の空間及び/又は第2の空間内に配置された食品は、第2の空間内である量の流体を循環させることなく冷却され得る。
【0116】
参照番号25において、熱エネルギーが、その後、ある量の流体から除去され得る。例えば、上述のように、デバイスの流体循環システムは、第1の空間とチラーアセンブリ(例えば、デバイス300に含まれるチラーアセンブリ343)との間である量の流体を循環させることができる。したがって、チラーアセンブリ及び/又はチラーアセンブリに含まれる熱交換器は、ある量の流体から熱エネルギーを除去することができる。熱エネルギーがある量の流体から除去された状態で、流体循環システムは、低温流体、冷やされた流体及び/又は冷却された流体を第1の空間へと再び送達及び/又は移送することができる。したがって、デバイスは、第1の空間内に配置された食品及び第2の空間内に配置された食品を温度閾値(例えば、例えば、摂氏約4.4度などの保存温度)に又は温度閾値未満に維持することができる。
【0117】
図20は、一実施形態による流体浸漬保存及び調理デバイスを使用する方法30を示すフローチャートである。流体浸漬保存及び調理デバイス(本明細書では「デバイス」とも称される)は、本明細書中に記載されるデバイスのいずれかとされ得る。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスは、
図11~
図17を参照して上述したデバイス300と類似しており、及び/又は実質的に同じであり得る。したがって、デバイスは、第1の部分及び第2の部分を有する少なくとも1つのサーマルコンテナと、サーマルコンテナ内に配置された1つ以上の食品を保存及び/又は調理するために、第1の部分及び第2の部分の少なくとも1つ内である量の流体を循環させるように構成されている流体循環システムとを含み得る。
【0118】
参照番号31において、方法30は、デバイスの第1の部分によって画定される第1の空間内に第1の食品を配置することを含む。場合により、第1の食品は、密封パッケージ等内に配置された肉又はタンパク質食品である。より具体的には、パッケージは、その中に収容された食品を流体的に隔離することができる一方、食品とパッケージ外部の空間(例えば、第1の空間)との間で熱エネルギーを伝達することを可能にする。参照番号32において、第2の食品(例えば、デンプン食品)は、デバイスの第2の部分によって画定される第2の空間内の第1の位置に配置される。参照番号33において、第3の食品(例えば、野菜)は、第1の位置と異なる第2の空間内の第2の位置に配置される。場合により、第2の食品と第3の食品とは、個別の及び/又は別個のパッケージ及び/又は食品カートリッジ内に配置される。他の例では、第2の食品を収容しているパッケージ及び/又は食品カートリッジは、第3の食品を収容しているパッケージ及び/又は食品カートリッジに結合され得る。更に他の例では、パッケージ及び/又は食品カートリッジは、第2の食品及び第3の食品の両方を収容することができる。加えて、例えば、デバイス200を参照して上述したように、場合により、第2の空間内に配置されるように構成された1つ以上のパッケージ及び/又は食品カートリッジは、第1の空間内に配置されるように構成されたパッケージ及び/又は食品コンテナに結合され得、且つ/又は第1の空間内に配置されるように構成されたパッケージ及び/又は食品コンテナとともに形成され得る。更に他の実施形態では、更なる食品が第2の空間内に配置され得る。例えば、いくつかの実施形態では、方法30は、第2の空間内の第3の位置に第4の食品を配置することを含み得る。いくつかの実施形態では、第4の食品は、ソース、調味料、マリネ液等であり得る。
【0119】
第2の空間内に配置されるように構成された1つ以上のパッケージ及び/又は食品カートリッジの配置は、第2の食品が第1の位置に配置され、第3の食品が第2の位置に配置されるようなものであり得る。本明細書中に更に詳細に記載されるように、例えば、いくつかの実施形態では、第2の食品(例えば、デンプン食品)は、第2の空間内の、第3の食品(例えば、野菜)より下の場所に配置され得る。更に、第1の食品を収容するパッケージ及び/又は食品カートリッジは、流体的に不透過性であるが熱的に透過性であるものとして上述したが、デバイス100、デバイス200及び/又はデバイス300内に配置されるパッケージ及び/又は食品カートリッジを参照して上述したように、1つ以上のパッケージ及び/又は食品カートリッジ(又はその一部)は、流体的に及び熱的に透過性であり得る。即ち、デバイス300を参照して上述したように、第2の食品及び第3の食品は、第2の空間及び/又は第2の空間内に収容されたある量の流体と流体連通及び熱連通するように構成されている。
【0120】
参照番号34において、第1の温度を有するある量の流体を第1の空間内で循環させて第1の食品に熱エネルギーを伝達する。例えば、いくつかの実施形態では、方法20を参照して上述したように、デバイスは、1つ以上の食品をこの食品の調理前に保存温度に維持する場合、第1の構成(例えば、「保存」構成)にあり得る。いくつかの実施形態では、デバイスは、第1の構成から、デバイスがユーザ入力及び/又は命令に応じて1つ以上の食品を調理する第2の構成(例えば、「調理」構成)へと移行するように構成され得る。例えば、場合により、ユーザは、ユーザがデバイスにより調理された食品を食すことを望む時間を入力することができる。したがって、デバイス(及び/又はデバイスに含まれるコントローラ)は、食品を調理し始める時間を、ユーザ入力及び情報並びに/又は1つ以上の食品に関連付けられたデータに少なくとも部分的に基づいて決定及び/又は計算することができる。いくつかの実施形態では、デバイス及び/又はコントローラは、入力、データ及び/又は情報を例えばウェブページ又はウェブブラウザアプリケーションプログラミングインターフェース(API)から受信することができる。
【0121】
いくつかの実施形態では、第1の食品、第2の食品及び第3の食品を収容するパッケージ及び/又は食品カートリッジはそれぞれ、例えば、その中に収容された1つ以上の食品に関連付けられたデータを含むことができ、及び/又は送信することができる電気又は電子通信デバイス(例えば、RFIDタグ、バーコード、QRコード、NFC無線機等)を含み得る。したがって、デバイス100、デバイス200及び/又はデバイス300を参照して上述したように、デバイスは、デバイス内に収容された食品の調理手順等を受信及び/又は決定することができ、デバイスを、例えば、保存構成から調理構成にいつ移行するかを決定することができる。更に、デバイス及び/又はデバイスに含まれるコントローラは、第1の空間内で循環している流体を第1の温度に加熱するために(例えば、ある量の流体を「高温ループ」内で循環させるために)、流体循環システム及び/又は1つ以上のヒータアセンブリを制御するように構成され得る。場合により、第1の温度は、例えば、パッケージ及び/又は食品カートリッジの電気又は電子通信デバイスから受信されたデータに少なくとも部分的に基づく所定の調理温度等であり得る。例えば、場合により、第1の温度は摂氏約60度~摂氏約76.6度であり得る。他の例では、第1の温度は摂氏60度未満又は摂氏76.6度超であり得る。
【0122】
所定時間後、参照番号35において、ある量の流体の少なくとも一部を、第1の温度を超える第2の温度まで加熱する。例えば、上述のように、デバイス及び/又はデバイスに含まれるコントローラは、第1の食品、第2の食品及び/又は第3の食品に関連付けられたデータに少なくとも部分的に基づき、調理方法又はモダリティを画定することができる。場合により、第1の食品(例えば、肉又はタンパク質食品)を第1の温度で、第2の食品及び第3の食品(例えば、それぞれデンプン食品及び野菜)を第2の温度で加熱及び/又は調理することが望ましい場合がある。したがって、デバイス300を参照して上で詳述したように、デバイス及び/又はコントローラは、第1の空間内(例えば、「高温ループ」内)で循環しているある量の流体の温度の少なくとも一部をいつ上昇させるかを決定することができる。より具体的には、デバイス及び/又はコントローラは、ある量の流体の少なくとも一部の温度を第2の温度に上昇させるために、ある量の流体の少なくとも一部をヒータアセンブリ内で循環させることができる。デバイス300を参照して上述したように、場合により、所定時間は、ある量の流体が第1の空間内をなお循環している状態で、第1の食品を熱エネルギーの増加に曝露させる原因となり得る。
【0123】
参照番号36において、流体の温度を第2の温度に上昇させた後、第2の食品がある量の流体の一部に実質的に浸漬され、第3の食品が流体の一部の実質的に外に配置されるように、ある量の流体の少なくとも一部は第2の空間に送られる。例えば、いくつかの実施形態では、第2の温度は摂氏約76.6度~摂氏約100度であり得る。換言すると、流体(例えば、水)の第2の温度は、第1の温度を超えるが、例えば、水の沸点(例えば、摂氏約100度)より低い温度に上昇され得る。他の例では、第2の温度は、水の沸点及び/又はデバイス内で循環している流体の沸点より高くされ得る。
【0124】
上述のように、いくつかの実施形態では、第2の空間内の第2の食品及び第3の食品の配置は、第2の食品が第3の食品より下の場所にあるようなものであり得る。したがって、サーマルコンテナの第2の空間に移動されるある量の流体の一部は、第3の食品を実質的に浸漬させないが、第2の食品を実質的に浸漬させるのに十分であり得る。例として、場合により、第2の食品は、米を沸騰又は非沸騰水に所定時間浸漬させるという既知の調理方法によって調理され得る米であり得る。第3の食品は、所定時間蒸す等の既知の調理方法によって調理され得る、例えば、ブロッコリー、緑豆等などの野菜であり得る。したがって、ある量の流体の一部が第2の空間に送られると、第2の食品及び第3の食品が既知の調理方法によって調理されるように、第2の食品及び第3の食品は第2の空間内に配置され得る。場合により、この方法は、第1の食品、第2の食品及び第3の食品の調理後、ユーザが調理済みの食品を取り出すまで、食品を第1の温度より低い第3の温度に維持することを含み得る。デバイス100、デバイス200及び/又はデバイス300を参照して上述したように、食品をデバイスから取り出すと食す準備ができているように、第3の温度は、例えば加温温度等であり得る。
【0125】
食品を収容するパッケージ及び/又はカートリッジは本明細書中で特に図示及び/又は記載されていないが、このようなパッケージ及び/又はカートリッジは、任意の適切な配置及び/又は構成を有し得ることは理解すべきである。いくつかの実施形態では、例えば、パッケージは、第1の流体的に密封された部分に肉及び/又は他のタンパク質製品を収容することができ、第2の流体的に密封された部分(又は酸素低減包装等などの流体的に多孔質の(fluidically porous)部分)に野菜類、デンプン食品類、炭水化物食品類等を収容することができる。いくつかの実施形態では、パッケージ及び/又はカートリッジは、食品の調理から生じる余分な流体を吸収するように構成された吸収材等を含み得る。
【0126】
いくつかの実施形態では、ユーザは、例えば、ユーザが、自身が食すことを望む食品を選択する(例えば、PCアプリケーション、モバイルアプリケーション、ウェブブラウザ、及びインターネット、電話サービス等により)食事配達サービスを申し込むことができ、配達によって食品を受け取る。こうした実施形態では、食品及び/又は食事は、配達前に予めパッケージ化することができる。このようにして、ユーザは、食品を受け取ることができ、食品を例えば冷凍保存等にする必要なく、食品をデバイス100、デバイス200及び/又はデバイス300内に配置することができる。このような定期配達サービスは、例えば、1週間当たりの所望の食事の数及び/又は任意の他の適切な基準に基づくものであり得る。他の例では、ユーザは1つ以上の食事を「要求に応じて」購入することができる。例えば、ユーザは、インターネット及びウェブブラウザ、PC又はモバイルアプリケーション等によって注文することができる。
【0127】
本明細書中に記載される一部の実施形態は、コンピュータにより実施される種々の操作を実施するための命令又はコンピュータコードを有する非一時的コンピュータ可読媒体(非一時的プロセッサ可読媒体とも呼ばれ得る)を備えるコンピュータストレージ製品に関する。コンピュータ可読媒体(又はプロセッサ可読媒体)は、一時的な伝播信号(例えば、スペース又はケーブルなどの伝送媒体で情報を運ぶ伝播電磁波)を含まないという意味で非一時的である。媒体及びコンピュータコード(本明細書ではコードとも称される)は、1つ又は複数の特定の目的のために設計及び構成されたものであってもよい。非一時的コンピュータ可読媒体の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ハードディスクなどの磁気記憶媒体;コンパクトディスク/デジタルビデオディスク(CD/DVD)、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)などの光記憶媒体;光ディスクなどの磁気光学記憶媒体;搬送波信号処理モジュール、及びプログラムコードを記憶し、実行するように特別に構成されたハードウェアデバイス、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、読み出し専用メモリ(ROM)、及びランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス。本明細書中に記載される他の実施形態は、例えば、本明細書中に記載される命令及び/又はコンピュータコードを含み得るコンピュータプログラム製品に関する。
【0128】
コンピュータコードの例としては、例えばコンパイラによって生成されるマイクロコード又はマイクロ命令、機械命令、ウェブサービスを作成するために使用されるコード、及びインタープリタを使用してコンピュータにより実行されるより高レベルの命令を含むファイルが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、実施形態は、命令型プログラミング言語(例えば、C、FORTRAN等)、関数型プログラミング言語(Haskell、Erlang等)、論理型プログラミング言語(例えば、Prolog)、オブジェクト指向プログラミング言語(例えば、Java(登録商標)、C++等)、若しくは他のプログラミング言語及び/又は他の開発ツールを使用して実施されてもよい。コンピュータコードの更なる例としては、制御信号、暗号化コード、及び圧縮コードが挙げられるが、これらに限定されない。
【0129】
電子機器システムのいくつかは、任意の適切なセンサ等から信号を受信し、プロセッサによる命令セットの実行に基づき、デバイスの一部が次の動作を実施するものとして本明細書中に記載されるが、他の例では、センサからの信号は、デバイスの一部に次の動作を実施させるように動作可能であり得る。例えば、場合により、センサから送信される信号は、スイッチ、ヒューズ、ブレーカ及び/又は任意の他の適切な論理デバイスを、デバイスの一部が電力の流れを受け入れる第1の状態から、デバイスの一部が電力の流れを実質的に受け入れない第2の状態に、又はこの反対に移行するように動作可能であり得る。例えば、センサは、サーマルコンテナ内に収容されたある量の流体の温度が所定の閾値を超えたことに基づき信号を送信することができ、この信号は、サーマルコンテナに入り、及び/又はサーマルコンテナから出る流体の流れを制御し、ある量の流体の温度を所定の閾値の範囲内にするように構成されたもう1つのバルブを開放又は閉鎖するように動作可能であり得る。同様に、充填センサ等は、サーマルコンテナ内に収容されたある量の流体の充填レベルが所定の充填限界を超えたことに基づき信号を送信することができ、この信号は、サーマルコンテナによって画定される空間とドレンリザーバとの間に流体連通を設けるために1つ以上のバルブを開放するように動作可能であり得る。したがって、流体の少なくとも一部は、ある量の流体が所定の充填限界の範囲内になるまでサーマルコンテナから排出され得る。
【0130】
種々の実施形態を上述してきたが、これらは限定のためではなく、単なる例として示してきたことは理解すべきである。上述の図面及び/又は実施形態は特定の向き、位置及び/又は構成で配置された特定の構成要素を示すが、構成要素の配置は変更してもよい。例えば、デバイス200及びデバイス300の流体流路を、特にそれぞれ
図9及び
図17A~
図17Bを参照して上述したが、流体流路は限定のためではなく例として示されていることは理解すべきである。他の実施形態では、デバイスは、デバイス(又はその一部)が保存構成にあるとき、デバイスの少なくとも一部内を流れる流体が実質的に冷却され、デバイス(又はその一部)が調理構成にあるとき、デバイスの一部内を流れ且つ/又はそうでなければデバイスの一部内に収容される流体が、(1)冷却源から流体的に隔離され、及び(2)流体に熱エネルギーを伝達するように構成された加熱要素に熱的に結合されるように任意の適切な構成にある、ポンプ、バルブ、ソレノイド、流体導管、マニホールド、配電ブロック等を含み得る任意の適切な流体循環システムを含み得る。
【0131】
実施形態を特に示し、記載してきたが、形態及び細部に対する種々の変更形態がなされ得ることは理解されるであろう。同様に、種々の実施形態を、構成要素の特定の特徴及び/又は組み合わせを有するものとして記載してきたが、上述した実施形態のいずれかの任意の特徴及び/又は構成要素の組み合わせを有する他の実施形態が可能である。例えば、バルブ257は、開放構成と閉鎖構成との間で移行されるものとして上述したが、デバイスは、例えば、マルチルーメンバルブを含むことができ、マルチルーメンバルブは、例えば、マルチルーメンバルブの第2の部分を流体連通状態に維持する一方、マルチルーメンバルブの第1の部分を流体的に隔離するように構成されている。本明細書中に記載されるバルブは、任意の適切なバルブ、ソレノイド等であり得る。サーマルコンテナ220の第1の空間226及び第2の空間227は、例えば、
図9に、底板224の開口部225を介して第1の流体導管258A及び第9の流体導管258Jと流体連通するものとして示されているが、他の実施形態では、流体循環システム240は、開口部225内に少なくとも部分的に及び/又は選択的に配置された、第1の空間226及び第2の空間227を流体循環システム240と流体連通させるように構成されたバルブ又はソレノイドを含み得る。
【0132】
別の例として、サーマルコンテナ220はアルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料で形成されるか又はこのような金属材料から形成されるものとして上述し、サーマルコンテナ320はプラスチック又はポリマー材料で形成されるか又はこのような材料から形成されるものとして上述したが、他の実施形態では、サーマルコンテナ220及び/又はサーマルコンテナ320は、任意の適切な材料若しくは材料の組み合わせで形成され得、又は任意の適切な材料若しくは材料の組み合わせから形成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、サーマルコンテナは、金属材料で形成された又は金属材料から形成された第1の部分と、プラスチック若しくはポリマー材料で形成された又はプラスチック若しくはポリマー材料から形成された第2の部分とを含み得る。他の実施形態では、サーマルコンテナは、第1の金属若しくは合金で形成された又は第1の金属若しくは合金から形成された第1の部分と、第1の金属若しくは合金と異なる第2の金属若しくは合金で形成された又は第2の金属若しくは合金から形成された第2の部分とを含み得る。同様に、他の実施形態では、サーマルコンテナは、第1のプラスチック若しくはポリマーで形成された又は第1のプラスチック若しくはポリマーから形成された第1の部分と、第1のプラスチック若しくはポリマー材料と異なる第2のプラスチック若しくはポリマー材料で形成された又は第2のプラスチック若しくはポリマー材料から形成された第2の部分とを含み得る。このようにして、サーマルコンテナは、その一部内における及び/又はその一部に沿った熱伝達を促進し、且つ/又はそうでなければ制御するための任意の適切な配置を有し得、及び/又は任意の適切な材料若しくは材料の組み合わせで形成され得る。
【0133】
図示しないが、いくつかの実施形態では、デバイス100、デバイス200及び/又はデバイス300のいずれも、任意の適切なディフューザ、熱シールド、バリア、及び/又は食品を収容するパッケージ及び/若しくはカートリッジが、加熱要素及び/又はそうでなければサーマルコンテナの加熱された表面と直接接触することから保護する任意の他の適切な手段を含み得る。
【0134】
上述の方法及び/又は図面は特定の順序で起こるあるイベント及び/又はフローパターンを示すが、あるイベント及び/又はフローパターンの順序は変更してもよい。加えて、あるイベントは、可能であれば並列プロセスで同時に実施されてもよいことはもとより、逐次的に実施されてもよい。本明細書中に記載される操作及び/又は使用の方法は、限定のためではなく例として提供されることは理解すべきである。例えば、方法30は
図20を参照し、工程35において、所定時間後、ある量の流体の少なくとも一部を第1の温度を超える第2の温度まで加熱することを含むものとして上述したが、他の例では、サーマルコンテナの第1の部分内の食品及びサーマルコンテナの第2の部分内の食品を調理するために使用されるある量の流体の温度は、実質的に一定であり得る。例えば、場合により、第1の部分内に配置された第1の食品(例えば、肉)を調理するためのレシピ及び/又は命令セットは、第1の食品を例えば
摂氏約90.5度(又は他の適切な調理温度)で調理することを必要とし得るとともに、第2の部分内に配置された少なくとも第2の食品(例えば、デンプン食品、野菜、ソース等)を調理するためのレシピ及び/又は命令セットは、少なくとも第2の食品を実質的に同じ温度(即ち、
摂氏約90.5度)で調理することを必要とし得る。したがって、食品を冷却及び/又は加熱(調理)する特定の例が本明細書中に記載されているが、デバイスの操作(例えば、食品を保存及び/又は調理する)は、これに限定されるものではないことを理解すべきである。
【外国語明細書】