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特開2022-83528充電装置および該装置を構成する充電モジュール
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  • 特開-充電装置および該装置を構成する充電モジュール 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083528
(43)【公開日】2022-06-06
(54)【発明の名称】充電装置および該装置を構成する充電モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6551 20140101AFI20220530BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20220530BHJP
   H01M 10/6563 20140101ALI20220530BHJP
   H01M 10/667 20140101ALI20220530BHJP
   H01M 50/20 20210101ALI20220530BHJP
【FI】
H01M10/6551
H01M10/613
H01M10/6563
H01M10/667
H01M2/10 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020194881
(22)【出願日】2020-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004606
【氏名又は名称】ニチコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松長 友行
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK01
5H031KK08
5H040AA28
5H040AS25
5H040AY10
5H040CC20
5H040CC59
5H040DD08
5H040DD10
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】従来よりも筐体の小型化が可能な充電装置、および該装置を構成する充電モジュールを提供する。
【解決手段】本発明に係る充電モジュール10は、底板20から上方に向かって延びたひと続きの側壁23およびその上端に接続された天板24を有する外気通流部と、相対向するように側壁23の外面に固定された部品実装基板30,32と、部品実装基板30,32のそれぞれの両主面のうち側壁23に向けられた主面に挿入実装された複数の半導体部品34と、半導体部品34を押さえ付けて天板24に接触させる押圧部材40とを備えている。部品実装基板30,32のそれぞれは、側壁23の上端よりも上方に向かって延びた延長部を有し、半導体部品34は、部品実装基板30,32の延長部に挿入実装されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに分離した2つの開口部が形成された底板、前記2つの開口部を取り囲むように前記底板から上方に向かって延びたひと続きの側壁、前記側壁の上端に接続された天板、および前記天板の内面に設けられた放熱フィン群を有する外気通流部と、
相対向するように前記側壁の外面に固定された2枚の部品実装基板と、
前記2枚の部品実装基板のそれぞれの両主面のうち、前記側壁に向けられた主面に挿入実装された少なくとも1つの半導体部品と、
前記半導体部品を押さえ付けて前記天板の外面に接触させる押圧部材と、
を備えており、
前記2枚の部品実装基板のそれぞれは、前記側壁の前記上端よりも上方に向かって延びた延長部を有し、
前記半導体部品は、前記部品実装基板の前記延長部に挿入実装されている
ことを特徴とする充電モジュール。
【請求項2】
前記2枚の部品実装基板のそれぞれの両主面のうち、前記側壁に向けられていない主面に実装された少なくとも1つの第1回路部品をさらに備えており、
前記第1回路部品は、前記半導体部品よりも発熱が小さい
ことを特徴とする請求項1に記載の充電モジュール。
【請求項3】
前記部品実装基板の前記延長部と前記天板とで囲まれた空間に配置された部品実装体をさらに備えている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の充電モジュール。
【請求項4】
前記部品実装体は、前記天板と平行になるように前記空間に配置されている
ことを特徴とする請求項3に記載の充電モジュール。
【請求項5】
前記部品実装体の両主面のうち、前記天板に向けられていない主面に実装された少なくとも1つの第2回路部品をさらに備えている
ことを特徴とする請求項4に記載の充電モジュール。
【請求項6】
前記空間に向けられたファンをさらに備えている
ことを特徴とする請求項3~5のいずれか一項に記載の充電モジュール。
【請求項7】
前記側壁は、前記部品実装基板が各1枚固定された2枚の第1側壁パネルと、前記2枚の第1側壁パネルを連結する2枚の第2側壁パネルとを有し、
前記2枚の第1側壁パネルは、直角をなすように前記底板に固定され、
前記2枚の第2側壁パネルは、前記上端に向かうにつれて互いに接近するように前記底板に固定されている
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の充電モジュール。
【請求項8】
吸気口および排気口を有する中空箱型の筐体と、
前記筐体に収容された請求項1~7のいずれか一項に記載の充電モジュールと、
を備え、
前記充電モジュールは、2つの開口部のうちの一方が前記吸気口に重なるとともに他方が前記排気口に重なるように前記筐体に収容されている
ことを特徴とする充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車に搭載された大容量バッテリを充電するための充電装置および該装置を構成する充電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電動車に搭載された大容量バッテリを充電するための種々のタイプの充電装置が知られている。その一例として、特許文献1には、箱型の筐体に収容された9基の充電モジュールを備えた、計35kWの直流電力を出力可能な充電装置が開示されている。各充電モジュールは、ベースプレートと、ベースプレートの表面に接合された発熱部品と、ベースプレートの裏面から突出した放熱フィンとを含んでいる。そして、各充電モジュールの放熱フィンは、複数の充電モジュールで共用されるダクト内に配置され、ダクト内を流れる外気によって冷却される。
【0003】
出力する直流電力が6kW程度でよい場合は、図10に示す2基1組の充電モジュール100だけで充電装置を構成することも考えられる。この充電モジュール100も、ベースプレート101と、ベースプレート101の表面に接合された多数の部品102と、ベースプレート101の裏面から突出した放熱フィン103とを含み、放熱フィン103が筐体内に形成されたダクト内に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6696869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記1組の充電モジュール100のために筐体内にダクトを形成すると、筐体内のスペース効率が悪くなり、筐体が大型化してしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、従来よりも筐体の小型化が可能な充電装置、および該装置を構成する充電モジュールを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る充電モジュールは、互いに分離した2つの開口部が形成された底板、2つの開口部を取り囲むように底板から上方に向かって延びたひと続きの側壁、側壁の上端に接続された天板、および天板の内面に設けられた放熱フィン群を有する外気通流部と、相対向するように側壁の外面に固定された2枚の部品実装基板と、2枚の部品実装基板のそれぞれの両主面のうち、側壁に向けられた主面に挿入実装された少なくとも1つの半導体部品と、半導体部品を押さえ付けて天板の外面に接触させる押圧部材とを備えており、2枚の部品実装基板のそれぞれは、側壁の上端よりも上方に向かって延びた延長部を有し、半導体部品は、部品実装基板の延長部に挿入実装されていることを特徴としている。
【0008】
この構成では、放熱フィン群を外気にさらすための外気通流部が一体化されているので、筐体内に別途ダクトを形成する必要がない。しかも、この構成では、外気通流部を構成する側壁に部品実装基板が固定され、部品実装基板の両主面のうち、外気通流部の側壁に向けられた主面に放熱を要する半導体部品が挿入実装されている。すなわち、この構成では、外気通流部のまわりに部品および基板が効率よく配置されている。したがって、この構成によれば、筐体の小型化を可能とする充電モジュールを得ることができる。
【0009】
上記充電モジュールは、2枚の部品実装基板のそれぞれの両主面のうち、側壁に向けられていない主面に実装された少なくとも1つの第1回路部品をさらに備えていてもよい。第1回路部品は、半導体部品よりも発熱が小さいことが好ましい。
【0010】
上記充電モジュールは、部品実装基板の延長部と天板とで囲まれた空間に配置された部品実装体をさらに備えていてもよい。
【0011】
この場合、この部品実装体は、上記空間を無駄なく活用するために、天板と平行になるように配置されていることが好ましい。
【0012】
また、この場合、上記充電モジュールは、部品実装体の両主面のうち、天板に向けられていない主面に実装された少なくとも1つの第2回路部品をさらに備えていてもよい。
【0013】
また、この場合、上記充電モジュールは、第2回路部品を熱的に安全に作動させるために、空間に向けられたファンをさらに備えていることが好ましい。
【0014】
上記充電モジュールの側壁は、部品実装基板が各1枚固定された2枚の第1側壁パネルと、2枚の第1側壁パネルを連結する2枚の第2側壁パネルとを有し、2枚の第1側壁パネルが、直角をなすように底板に固定され、2枚の第2側壁パネルが、上端に向かうにつれて互いに接近するように底板に固定されていてもよい。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る充電装置は、吸気口および排気口を有する中空箱型の筐体と、上記充電モジュールとを備え、充電モジュールは、2つの開口部のうちの一方が吸気口に重なるとともに他方が排気口に重なるように筐体に収容されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、従来よりも筐体の小型化が可能な充電装置、および該装置を構成する充電モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る充電装置を示す図であって、(A)は斜視図、(B)は背面図、(C)は右側面図である。
図2】本発明に係る充電装置の回路構成を示すブロック図である。
図3】本発明に係る充電モジュールの斜視図である。
図4図3に対応した、本発明に係る充電モジュールの分解斜視図である。
図5】本発明に係る充電モジュールの別の斜視図である。
図6図5に対応した、本発明に係る充電モジュールの分解斜視図である。
図7】本発明に係る充電モジュールの上面図である。
図8図7に示した線A-Aにおける、本発明に係る充電モジュールの部分断面図である。
図9図7に示した線B-Bにおける、本発明に係る充電モジュールの部分断面図である。
図10】従来の充電モジュールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る充電装置および充電モジュールの実施例について説明する。
【0019】
図1に、本発明の実施例に係る充電装置1を示す。充電装置1は、電動車に搭載された大容量バッテリを充電するためのものであり、同図に示すように、4枚のパネル(前面パネル2a、右側面パネル2b、背面パネル2cおよび左側面パネル2d)を含む箱型の筐体2と、筐体2を支持する脚部3と、右側面パネル2bから引き出された充電ケーブル4と、充電ケーブル4の先端に設けられた充電コネクタ5と、背面パネル2cに形成された吸気口6および排気口7とを備えている。吸気口6および排気口7は、上下方向に離間している。なお、図1(C)では、充電ケーブル4および充電コネクタ5の図示を省略している。
【0020】
充電装置1は、筐体2に収容された充電モジュール10をさらに備えている(図1(C)参照)。後で詳細に説明するが、充電モジュール10は、互いに分離した2つの開口部を有し、そのうちの一方が吸気口6に重なり、かつ他方が排気口7に重なるように筐体2内に配置されている。
【0021】
図2に、充電装置1のブロック図を示す。同図に示すように、充電装置1は、充電モジュール10の入力側に設けられた漏電遮断器8をさらに備えている。また、充電モジュール10は、PFC(Power Factor Correction)回路11と、インバータ回路12と、絶縁回路13と、整流回路14と、各部を制御する制御回路15とを有している。充電モジュール10は、漏電遮断器8を介して供給された商用電源Gの交流電力を適当な直流電力に変換し、これを充電コネクタ5を介して電動車のバッテリBに供給する。
【0022】
なお、PFC回路11、インバータ回路12および整流回路14は、複数のFET(Field Effect Transistor)およびダイオードを含んでいる。これらは、他の構成部品に比べて発熱が大きい。
【0023】
図3図9に、本実施例に係る充電モジュール10の詳細な構成を示す。図3は充電モジュール10の斜視図であり、図4図3に対応する分解斜視図であり、図5は充電モジュール10の別の斜視図であり、図6図5に対応する分解斜視図である。また、図7は充電モジュール10の上面図であり、図8図7に示した線A-Aにおける充電モジュール10の部分断面図であり、図9図7に示した線B-Bにおける充電モジュール10の部分断面図である。なお、本明細書では、便宜上、図3図5図8および図9中に矢印で示した方向を充電モジュール10の上下方向とする。この上下方向は、充電装置1(図1参照)の上下方向とは一致しない。
【0024】
充電モジュール10は、互いに分離した第1開口部21および第2開口部22が形成された底板20と、開口部21,22を取り囲むように底板20から上方に向かって延びたひと続きの側壁23と、側壁23の上端に接続された天板24と、放熱フィン群25とを備えている。これらは、外気通流部27を構成している。
【0025】
底板20は、筐体2の背面パネル2cに取り付けられる。より詳しくは、底板20は、第1開口部21が背面パネル2cの吸気口6に重なり、かつ第2開口部22が背面パネル2cの排気口7に重なるように、背面パネル2cに取り付けられる。これにより、筐体2の外部の空気を外気通流部27の内部(以下、「外気流路」という)に取り込んだり、外気流路の空気を筐体2の外部に排気したりすることが可能となっている。
【0026】
側壁23は、間隔をあけて相対向した2枚の台形状の第1側壁パネル23a,23aと、間隔をあけて相対向した2枚の矩形状の第2側壁パネル23b,23bとからなっている。第2側壁パネル23b,23bは、第1側壁パネル23a,23aを連結しているとも言える。
【0027】
第1側壁パネル23a,23aは、図8から理解されるように、直角をなすように底板20に固定されている。すなわち、第1側壁パネル23a,23aは、互いに平行である。一方、第2側壁パネル23b,23bは、図9から理解されるように、上端に向かうにつれて互いに接近するように底板20に固定されている。このため、側壁23(23a,23a,23b,23b)の上端側の開口は、下端側の開口よりも面積が小さい。
【0028】
天板24は、側壁23等よりも厚みのある、熱伝導性に優れた材料からなっている。天板24は、外面24aおよび内面24bを有し、内面24bには、下方に向かって突出した複数枚の放熱フィンからなる放熱フィン群25が設けられている(図8参照)。放熱フィン群25は、天板24と一体成型されたものであることが好ましい。
【0029】
充電モジュール10は、一方の第1側壁パネル23aの外面に適当なスペーサを介して固定された矩形状の第1部品実装基板30と、他方の第1側壁パネル23aの外面に適当なスペーサを介して固定された矩形状の第2部品実装基板32とをさらに備えている。
【0030】
第1部品実装基板30は、第1側壁パネル23aに向けられた主面30aと、その裏面である主面30bとを有している。同様に、第2部品実装基板32は、第1側壁パネル23aに向けられた主面32aと、その裏面である主面32bとを有している。
【0031】
第1部品実装基板30は、第1側壁パネル23aの上端よりも上方に向かって延びた延長部31を有している(図8参照)。同様に、第2部品実装基板32も、第1側壁パネル23aの上端よりも上方に向かって延びた延長部33を有している(図8参照)。本実施例では、延長部31の上下方向寸法が第1部品実装基板30の他の部分の上下方向寸法にほぼ等しく、延長部33の上下方向寸法が第2部品実装基板32の他の部分の上下方向寸法にほぼ等しい。
【0032】
充電モジュール10は、第1部品実装基板30の延長部31の主面30aおよび第2部品実装基板32の延長部33の主面32aに一列に並んで挿入実装された複数の半導体部品34をさらに備えている(図4および図8参照)。
【0033】
本実施例では、主面30aおよび主面32aのそれぞれに、13個の半導体部品34が挿入実装されている。より詳しくは、本実施例では、主面30aおよび主面32aのそれぞれに、素子本体34aおよび3本のリード34bを有する10個のFETと、素子本体34aおよび2本のリード34bを有する2個のダイオードと、素子本体34aおよび4本のリード34bを有する1個のダイオードが挿入実装されている。半導体部品34は、PFC回路11、インバータ回路12および整流回路14の一部を構成している。
【0034】
充電モジュール10は、半導体部品34の素子本体34aを上から押さえ付けて絶縁シート41ごしに天板24の外面24aに接触させる複数の押圧部材40をさらに備えている(図8参照)。押圧部材40は、一端が天板24にネジ留めされた板バネである。また、絶縁シート41は、半導体部品34と天板24との間を絶縁しつつ素子本体34aの熱を面内方向に素早く拡散させるためのもので、絶縁性および熱伝導性に優れた材料からなっている。
【0035】
充電モジュール10は、第1部品実装基板30の主面30bおよび第2部品実装基板32の主面32bに実装された複数の第1回路部品35をさらに備えている。第1回路部品35には、PFC回路11、インバータ回路12および整流回路14を構成する残りの部品が含まれている。ただし、図3図8では、そのほとんどの図示を省略している。第1回路部品35は、半導体部品34よりも発熱が小さい。
【0036】
充電モジュール10は、第1部品実装基板30の主面30bおよび第2部品実装基板32の主面32bに適当なスペーサを介して各1枚取り付けられたサブ実装基板36をさらに備えている。サブ実装基板36には、制御回路15を構成する部品が実装されている。ただし、図3図7では、そのほとんどの図示を省略している。第1回路部品35と同様、制御回路15を構成する部品は、半導体部品34よりも発熱が小さい。
【0037】
充電モジュール10は、第1部品実装基板30の延長部31、第2部品実装基板32の延長部33および天板24で囲まれた空間に配置された矩形状のフレーム体50と、第1フレーム枠52と、第2フレーム枠54とをさらに備えている(図3図6参照)。
【0038】
フレーム体50は、本発明の「部品実装体」に相当するもので、上方を向いた主面50aと、その裏面である主面50bとを有している(図9参照)。主面50aは、天板24に向けられていない主面であるとも言える。反対に、主面50bは、天板24に向けられた主面であるとも言える。
【0039】
フレーム体50は、両端部がコの字状に折り曲げ加工されており、この折り曲げにより生じた、主面50bから隔てられた先端部位において天板24の外面24aに固定されている。これにより、フレーム体50の主面50a,50bは、天板24から上方に所定の距離だけ離間し、かつ天板24に平行となっている。
【0040】
第1フレーム枠52は、内部が開口した矩形状の2つの枠体からなっている。第1フレーム枠52の1つは、フレーム体50の一端部に直角をなすように固定されている。また、第1フレーム枠52の別の1つは、フレーム体50の他端部に直角をなすように固定されている。
【0041】
第2フレーム枠54は、外形がフレーム体50と同等の大きさを有する、内部が開口した枠体からなっている。第2フレーム枠54は、第1フレーム枠52,52を介してフレーム体50の両端部に固定されている。第2フレーム枠54には、第1部品実装基板30の延長部31および第2部品実装基板32の延長部33が、適当なスペーサを介して固定されている。このため、フレーム体50およびフレーム枠52,54は、2つの延長部31,33に挟み込まれているとも言える。
【0042】
充電モジュール10は、フレーム体50の主面50aに実装された複数の第2回路部品51をさらに備えている。第2回路部品51には、絶縁回路13を構成する絶縁トランスが含まれている。第2回路部品51の発熱量は、半導体部品34と同等である。第2回路部品51は、後述するファン53によって強制的に空冷される。第2回路部品51は、フレーム体50と第2フレーム枠54との間の空間に収容されているとも言える。
【0043】
充電モジュール10は、第1部品実装基板30の延長部31、第2部品実装基板32の延長部33および天板24で囲まれた空間に配置されたファン53をさらに備えている(図3および図4参照)。ファン53は、筐体2内の空気を第2回路部品51に吹き付けることができるように、第2フレーム枠54に支持されている。
【0044】
充電モジュール10は、底板20、側壁23、天板24および放熱フィン群25とともに外気通流部27を構成する整流板26をさらに備えている。図9に示すように、整流板26は、底板20の、第1開口部21および第2開口部22の間に位置する部分にステー28を介して固定されている。
【0045】
例えば、第2開口部22近傍の一点鎖線で示した位置に排気ファンを配置して、外気流路内の空気を第2開口部22(排気口7)から排気することにした場合、整流板26は、第1開口部21(吸気口6)から取り込まれた外気が最短経路で第2開口部22(排気口7)に到達するのを防ぐ役割を果たす。言い換えると、整流板26によれば、取り込んだ外気を放熱フィン群25に十分に行きわたらせることができ、これにより、天板24上の半導体部品34を効率よく冷却することができる。
【0046】
このように、充電モジュール10は、非常にコンパクトな集約された形態を有している。また、充電モジュール10は外気通流部27を備えているので、筐体2内に別途ダクトを設ける必要もない。このため、この充電モジュール10によれば、従来よりも筐体2が小型な充電装置1を実現することができる。
【0047】
以上、本発明に係る充電装置および充電モジュールの実施例について説明してきたが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0048】
1 充電装置
2 筐体
3 脚部
4 充電ケーブル
5 充電コネクタ
6 吸気口
7 排気口
8 漏電遮断器
10 充電モジュール
11 PFC回路
12 インバータ回路
13 絶縁回路
14 整流回路
15 制御回路
20 底板
21 第1開口部
22 第2開口部
23 側壁
24 天板
25 放熱フィン群
26 整流板
27 外気通流部
28 ステー
30 第1部品実装基板
31 (第1部品実装基板の)延長部
32 第2部品実装基板
33 (第2部品実装基板の)延長部
34 半導体素子
35 第1回路部品
36 サブ実装基板
40 押圧部材
41 絶縁シート
50 フレーム体(部品実装体)
51 第2回路部品
52 第1フレーム枠
53 ファン
54 第2フレーム枠
B バッテリ
G 商用電源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10