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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083579
(43)【公開日】2022-06-06
(54)【発明の名称】シート固定具
(51)【国際特許分類】
   F16B 5/12 20060101AFI20220530BHJP
   F16B 2/22 20060101ALI20220530BHJP
   E04G 21/32 20060101ALI20220530BHJP
【FI】
F16B5/12 Q
F16B2/22 E
E04G21/32 B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020194979
(22)【出願日】2020-11-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】390010478
【氏名又は名称】アラオ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085316
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 三雄
(74)【代理人】
【識別番号】100171572
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100213425
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 正憲
(74)【代理人】
【識別番号】100221707
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100221718
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 誠悟
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 挙司
【テーマコード(参考)】
3J001
3J022
【Fターム(参考)】
3J001FA18
3J001GB06
3J001GC09
3J001GC12
3J001HA04
3J001JC02
3J001JC06
3J001JC08
3J001JC12
3J001JC13
3J001KA19
3J001KB04
3J022DA11
3J022EA15
3J022EB03
3J022EB14
3J022EC04
3J022EC17
3J022EC22
3J022FA01
3J022FA05
3J022FB12
3J022HA02
3J022HA05
3J022HB02
3J022HB03
(57)【要約】
【課題】 本発明は、パイプにシートを固定するシート固定具を提供する。
【解決手段】 本発明は、一方の円弧周端6A側に押付溝7を有する円弧筒本体6、締付バネ体2、及び押付体3を備える。締付バネ体2は、円弧筒本体6の円弧外周面OFに向う方向P又は円弧外周面OFから離間する方向Qに回転自在として円弧筒本体6に取付けられる。押付体3は、締付バネ体2に固定されて、締付バネ体2の円弧外周面OPに向う回転に伴って、締付バネ体2を弾性変形しつつ円弧外周面OPを摺動して、押付溝7に挿入され、締付バネ体2を弾性変形した状態で溝底面Gに当接される。締付バネ体2は、弾性変形した状態からのバネ力によって、押付体3を溝底面Gに押付けて、円弧筒本体6の各円弧周端6A,6B側の円弧内周面IFをシートパイプSKのシートZに押当てる。
【選択図】 図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプにシートを固定するシート固定具であって、
可撓性の円弧筒本体、及び前記円弧筒本体の周方向の一方の円弧周端側に配置される押付溝を有し、前記円弧筒本体の円弧内周面を、前記パイプに前記シートを被せたシートパイプの外周面に沿って当接する外装筒体と、
前記円弧筒本体の円弧外周面に沿った円弧状に形成され、周方向の一方のバネ周端側を、前記前記円弧筒本体の前記円弧外周面に向う方向又は前記円弧外周面から離間する方向に回転自在として前記円弧筒本体の周方向の他方の円弧周端側に取付ける締付バネ体と、
前記締付バネ体の周方向の他方のバネ周端側に固定される押付体と、を備え、
前記押付溝は、
前記円弧外周面に開口し、及び前記円弧内周面側に凹んで前記円弧筒本体に形成され、
前記円弧内周面側に凹む溝底面を有し、
前記押付体は、
前記締付バネ体の前記円弧外周面に向か方向の回転に伴って、前記締付バネ体を弾性変形しつつ前記円弧外周面に沿って摺動して、前記円弧外周面から前記押付溝に挿入され、及び前記締付バネ体を弾性変形した状態で前記溝底面に当接され、
前記締付バネ体は、
前記弾性変形した状態からのバネ力によって、前記押付体を前記溝底面に押付けて、前記各円弧周端側の前記円弧内周面を前記シートパイプの前記シートに押当てる
ことを特徴とするシート固定具。
【請求項2】
前記押付溝は、
前記円弧筒本体の周方向において、前記円弧外周面に連続して、前記円弧内周面側に円弧状に凹む溝底面を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のシート固定具。
【請求項3】
前記円弧筒本体は、
一方の前記円弧周端側に配置されるバネ止め突起を有し、
前記バネ止め突起は、
前記円弧筒本体の円弧中心線の方向において、前記押付溝に並列して配置され、及び前記円弧外周面から前記円弧外周面の外方に突出され、
前記締付バネ体において、他方のバネ周端は、
前記押付体を前記溝底面に当接した状態において、他方の前記円弧周端側から前記バネ止め突起に当接される
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート固定具。
【請求項4】
前記押付体は、
前記溝底面に沿って当接される押付面と、
前記押付面に開口する取外穴溝と、を有し、
前記取外穴溝は、
前記押付面を前記溝底面に当接した状態において、前記押付体を、前記円弧筒本体の円弧中心線及び前記円弧外周面の周方向の円弧外周中心線と直交方向に貫通して形成される
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のシート固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプにシートを固定するシート固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
パイプにシートを固定する技術として、特許文献1は、シート固定具を開示する。シート固定具は、断面円弧状の筒状本体、及び締付バネを備える。筒状本体は、周方向の一方の周端側に一対の膨出部を有する。各膨出部は、筒状本体の外周面の外方に突出して形成れる。締付バネは、筒状本体に沿った円弧状に形成される。締付バネは、周方向の一方のバネ周端側を筒状本体の周方向の他方の周端側に回転自在として取付られる。
【0003】
シート固定具は、筒状本体の各周端の間からシートを被せたパイプを挿入して、筒状本体内に装着する。シートを被せたパイプを筒状本体内に装着すると、締付バネを筒状本体に向けて回転して、筒状本体の外周面に当接する。締付バネは、回転しつつバネ力に抗して、筒状本体の外周面から各膨出部を乗り越えて、筒状本体の一方の周端側に移動される。シート固定具は、各膨出部を乗り越えて一方の周端に移動した締付バネのバネ力によって、筒状本体の各周端側を近接して、シートをパイプに固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-120134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、締付バネが各膨出部を乗り越えるために、締付バネに大きな力を作用して弾性変形させる必要がある。
【0006】
本発明は、締付バネ体を大きな力(強い力)で弾性変形することなく、シートをパイプに固定できるシート固定具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る請求項1は、パイプにシートを固定するシート固定具であって、可撓性の円弧筒本体、及び前記円弧筒本体の周方向の一方の円弧周端側に配置される押付溝を有し、前記円弧筒本体の円弧内周面を、前記パイプに前記シートを被せたシートパイプの外周面に沿って当接する外装筒体と、前記円弧筒本体の円弧外周面に沿った円弧状に形成され、周方向の一方のバネ周端側を、前記円弧筒本体の円弧外周面に向う方向又は前記円弧外周面から離間する方向に回転自在として前記円弧筒本体の周方向の他方の円弧周端側に取付けられる締付バネ体と、前記締付バネ体の周方向の他方のバネ周端側に固定される押付体と、を備え、前記押付溝は、前記円弧外周面に開口し、及び前記円弧内周面側に凹んで前記円弧筒本体に形成され、前記円弧内周面側に凹む溝底面を有し、前記押付体は、前記締付バネ体の前記円弧外周面に向う回転に伴って、前記締付バネ体を弾性変形しつつ前記円弧外周面に沿って摺動して、前記円弧外周面から前記押付溝に挿入され、及び前記締付バネ体を弾性変形した状態で前記溝底面に当接され、前記締付バネ体は、前記弾性変形した状態からのバネ力によって、前記押付体を前記溝底面に押付けて、前記各円弧周端側の前記円弧内周面を前記シートパイプの前記シートに押当てることを特徴とするシート固定具である。
【0008】
本発明に係る請求項1によれば、押付体は、締付バネ体の円弧外周面に向う方向の回転に伴って、円弧外周面に沿って摺動して、円弧外周面から押付溝に挿入される。これにより、締付バネ体を大きな力(強い力)で弾性変形することなく、押付体を円弧筒本体の一方の円弧周端側の押付溝に挿入できる。
締付バネ体は、弾性変形した状態からのバネ力によって、押付体を溝底面に押付けて、円弧筒本体の各円弧周端側をシートパイプのシートに押当てる。これにより、円弧筒本体の各円弧周端側をシートパイプのシートに押付けることで、シートをパイプに固定できる。
押付体は、締付バネ体のバネ力によって、押付溝の溝底面に押付けられるので、押付溝から容易に抜け出ない。
請求項1では、締付バネ体のバネ力に抗して、押付体を他方の円弧周端側に向けて押上げて、締付バネ体を円弧外周面から離間する方向に回転することで、押付体を押付溝から抜き出す。これにより、押付体を円弧筒本体から離間する位置に配置でき、シートパイプを円弧筒本体から取り外すことが可能となる。
【0009】
本発明に係る請求項2は、前記押付溝は、前記円弧筒本体の周方向において、前記円弧外周面に連続して、前記円弧内周面側に円弧状に凹む溝底面を有することを特徴とする請求項1にシート固定具である。
【0010】
本発明に係る請求項2によれば、押付溝の溝底面を円弧外周面に連続する円弧状に形成することで、押付体を円弧状の溝底面に沿って摺動して円弧外周面に当接できるので、お押付体を押付溝から容易に抜き出すことが可能となる。
【0011】
本発明に係る請求項3は、前記円弧筒本体は、一方の前記円弧周端側に配置されるバネ止め突起を有し、前記バネ止め突起は、前記円弧筒本体の円弧中心線の方向において、前記押付溝に並列して配置され、及び前記円弧外周面から前記円弧外周面の外方に突出され、前記締付バネ体において、他方のバネ周端は、前記押付体を前記溝底面に当接した状態において、他方の前記円弧周端側から前記バネ止め突起に当接されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート固定具である。
【0012】
本発明に係る請求項3によれば、締付バネ体の他方のバネ周端を各バネ止め突起に当接することで、締付バネ体の円弧外周面に向う方向の回転を止めることができる。
【0013】
本発明に係る請求項4は、前記押付体は、前記溝底面に沿って当接される押付面と、前記押付面に開口する取外穴溝と、を有し、前記取外穴溝は、前記押付面を前記溝底面に当接した状態において、前記押付体を、前記円弧筒本体の円弧中心線及び前記円弧外周面の周方向の円弧外周中心線と直交方向に貫通して形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のシート固定具である。
【0014】
本発明に係る請求項4によれば、工具のシムの先端部を取外穴溝に挿入することで、押付体を押付溝から容易に抜き出すことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、締付バネ体を強い力で弾性変形することなく、押付体を押付溝に挿入でき、締付バネ体のバネ力によってシートをパイプに固定できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】シート固定具であって、押付体を押付溝に挿入した斜視図である。
図2】シート固定具であって、押付体を押付溝に挿入した正面図である。
図3】シート固定具であって、押付体を押付溝に挿入した左側面図である。
図4】シート固定具であって、押付体を押付溝に挿入した右側面図である。
図5図3のA-A断面図である。
図6】シート固定具であって、押付体を押付溝から抜き出した斜視図である。
図7】シート固定具であって、押付体を押付溝から抜き出した左側面図である。
図8図7のB-B断面図である。
図9】シート固定具の締付バネ体、及び押付体を示す斜視図である。
図10】シート固定具の締付バネ体、及び押付体を示す底面図である。
図11】シート固定具の締付バネ体、及び締付体を示す右側面図である。
図12】シート固定具の締付バネ体及び押付体を離間位置に配置して、パイプ(パイプの外周面の一部)にシートを被せたシートパイプを、円弧筒本体内に装着(挿入)した正面図である。
図13】シートパイプを円弧筒本体内に装着(挿入)したシート固定具であって、締付バネ体を回転して、押付体を円弧筒本体の円弧外周面に当接した左側面図である。
図14図13のC-C断面図である。
図15】シートパイプを円弧筒本体内に装着(挿入)したシート固定具であって、押付体を押付溝に挿入(押付面を溝底に当接)した左側面図である。
図16図15のD-D断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係るシート固定具について、図1乃至図16を参照して説明する。
【0018】
図15及び図16において、シート固定具Xは、パイプY(単管パイプ)にシートZを固定する。
【0019】
シート固定具Xは、図1乃至図11に示すように、外装筒体1と、締付バネ体2と、押付体3と、を備える。
【0020】
外装筒体1は、図1乃至図8に示すように、可撓性の円弧筒本体6、及び押付溝7を有する。
【0021】
円弧筒本体6は、図1乃至図8に示すように、可撓性を有する断面円弧状の筒体に形成される。円弧筒本体6は、例えば、合成樹脂(ナイロン系、ポリエチレン系、及びポリプロピン系の合成樹脂)で形成される。円弧筒本体6は、円弧中心線aの方向FR(前後方向FR)に円弧筒長さLを有して形成される。
【0022】
円弧筒本体6は、図1乃至図8に示すように、円弧筒部10、複数(一対)のパイプ押え部11,12を有する。
【0023】
円弧筒部10は、図2に示すように、円弧中心角θ(中心角θ):θ=180度を超える角度の断面円弧状の筒体に形成される(θ>180度)。円弧筒部10の円弧中心角θは、例えば、円弧中心角θ=220度である。円弧筒部10は、図3に示すように、円弧中心線aの方向FRに円弧筒長さLを有する。
【0024】
各パイプ押え部11,12は、図1乃至図8に示すように、円弧筒本体6(円弧筒部10)の周方向Aにおいて、各円弧筒部10の各弧周端10A,10Bに連続して配置される。各パイプ押え部11,12は、円弧筒本体6(円弧筒部10)の円弧中心線aの方向FRにおいて、円弧筒部10の各弧周端10A,10Bに沿って延在される。各パイプ押え部11,12は、図1図2図5図6及び図8に示すように、円弧筒部10の各弧周端10A,10Bから円弧筒本体6(円弧筒部10)の円弧中心線a側に向けて傾斜しつつ突出される。各パイプ押え部11,12は、円弧筒部10と一体に形成されて、円弧筒本体6を形成する。
各パイプ押え部11,12において、円弧筒部10の各弧周端10A,10Bから突出する側の先端は、円弧筒本体6の周方向Aの各円弧周端6A,6Bとなる。
【0025】
各パイプ押え部11,12は、図1図2図5図6及び図8に示すように、装着穴溝15、及び滑止め材16を有する。
【0026】
装着穴溝15は、図1図2図5図6及び図8示すように、各パイプ押え部11,12の内側面11A,12A(円弧筒本体6内)に開口して、各パイプ押え部11,12に形成される。装着穴溝15は、円弧筒本体6(円弧筒部10)の円弧中心線aの方向FRに延在されて、円弧筒本体6(円弧筒部10)の各円弧筒端6C,6Dに開口する。
【0027】
滑止め材16は、図1図2図5図6及び図8に示すように、各パイプ押え部11,12の装着穴溝15に挿入(装入)されて、各パイプ押え部11,12(円弧筒本体6)に装着される。滑止め材16は、図1図2及び図5に示すように、各パイプ押え部11,12の装着穴溝15に沿って、円弧筒本体6(円弧筒部10)の各円弧筒端6C,6Dの間に配置される。滑止め材16は、各パイプ押え部11,12の内側面11A,12Aから円弧筒本体6内に突出して、装着穴溝15内に装着される。
滑止め材16は、例えば、ゴム等の弾性素材で形成される。
【0028】
押付溝7は、図1図3及び図5乃至図8に示すように、円弧筒本体6の周方向Aの一方の円弧周端6A側に配置される。押付溝7は、円弧筒本体6の円弧外周面OFに開口し、及び円弧筒本体6の円弧内周面IF側に凹んで円弧筒本体6に形成される。押付溝7は、円弧筒本体6の周方向Aにおいて、円弧外周面OFに連続して、円弧外周面OPから円弧内周面IF側に凹む溝底面Gを有する。溝底面Gは、例えば、円弧筒本体6の周方向Aにおいて、円弧外周面OFに連続して、円弧内周面IF側に円弧状に凹んで形成される。
【0029】
押付溝7は、図1図3及び図5乃至図8に示すように、例えば、円弧筒部10の周方向Aの一方の弧周端10A側に配置される。押付溝7は、円弧外周面OFの周方向Aの円弧外周中心線bから円弧筒部10の一方の弧周端10A側(一方の円弧周端6A側)に角度θ1=90度を隔てる溝位置Bに配置される。
押付溝7は、図8に示すように、円弧筒部10(円弧筒本体6)の円弧中心線線a、及び円弧外周中心線bと直交する基準直線La(直線)に対して、円弧筒部10の一方の弧周端10A側(一方の円弧周端6A側)に角度θ1=90度を隔てる溝位置Bに配置される。
【0030】
押付溝7は、図3に示すように、円弧筒部10(円弧筒本体6)の円弧中心線aの方向FR(前後方向FR)において、円弧筒部10(円弧筒本体6)の円弧筒長さLの中心(円弧筒長さLの半分の位置)に配置される。
【0031】
押付溝7は、図7に示すように、例えば、矩形状の溝に形成される。押付溝7は、円弧筒部10(円弧筒本体6)の円弧中心線aの方向FRに溝長さGLを有し、及び円弧筒部10(円弧筒本体6)の周方向Aに溝幅GHを有する矩形状に形成される。
押付溝7は、図8に示すように、円弧筒部10(円弧筒本体6)の周方向Aにおいて、溝位置Bから一方の弧周端10A側(一方の円弧周端6A側)及び円弧外周中心線b側に連続して配置される。
【0032】
押付溝7は、図8に示すように、円弧筒部10の円弧外周面OFに開口し、及び円弧筒部10の円弧外周面OFから円弧内周面IF側に凹んで円弧筒部10に形成される。
押付溝7は、円弧筒部10の周方向Aにおいて、円弧筒部10の円弧外周面OFに連続して、円弧筒部10の円弧内周面IF側に凹む溝底面Gを有する。溝底面Gは、例えば、円弧筒部10の周方向Aにおいて、円弧外周面OFに連続して、円弧内周面IF側に円弧状に凹んで円弧状の溝底面(円弧溝底面G)に形成される。
押付溝7は、図8に示すように、溝深さGD(円弧外周面OP及び円弧状の溝底面Gの間の最大深さ)を有して、円弧筒部10の円弧外周面OFから円弧内周面IF側に凹んで形成される。
【0033】
円弧筒本体6は、図1乃至図3、及び図5乃至図8に示すように、複数(一対)のバネ止め突起21,22、及び複数(一対)のバネ支持突起23,24を有する。
【0034】
各バネ止め突起21,22は、図1乃至図3、及び図5乃至図8に示すように、円弧筒本体6の周方向Aの一方の円弧周端6A側に配置されて、円弧筒本体6と一体に形成される。各バネ止め突起21,22は、例えば、円弧筒部10の周方向Aの一方の弧周端10A側に配置されて、円弧筒部10と一体に形成される。
【0035】
各バネ止め突起21,22は、図3図6及び図7に示すように、円弧筒部10(円弧筒本体6)の筒中心線aの方向FRにおいて、円弧筒部10の各円弧筒端6C,6D及び押付溝7の間に並列して配置される。
バネ止め突起21は、図3に示すように、円弧筒部10の円弧中心線aの方向FRにおいて、一方の円弧筒端6Cから突起間隔δ1(第1突起間隔δ1)を隔てて、押付溝7に並列して配置される。バネ止め突起22は、図3に示すように、円弧筒本体6の円弧中心線aの方向FRにおいて、他方の円弧筒端6Dに突起間隔δ1を隔てて、押付溝7に並列して配置される。
各バネ止め突起21,22は、図3及び図6に示すように、円弧筒本体6(円弧筒部10)の周方向Aの円弧外周中心線bから一方の弧周端10A側(一方の円弧周端6A側)の同一位置(同一位置の円弧筒部10)に配置される。
各バネ止め突起21,22は、円弧筒本体6(円弧筒部10)の円弧中心線aの方向FRにおいて、各突起21,22の間に押付溝7を位置して、押付溝7に隣接して並列される。
【0036】
各バネ止め突起21,22は、図2図5図6及び図8に示すように、円弧筒本体6の円弧中心線aと直交し、及び押付溝7の溝底面Gに交差する方向LR(左右方向LR)において、円弧筒部10(円弧筒本体6)の円弧外周面OFから突出して形成される。各バネ止め突起21,22は、円弧外周面OFから、円弧外周面OFの外方(円弧筒本体6の径外方)に突出する。
なお、左右方向LRは、前後方向FRと直交する方向である。
【0037】
各バネ支持突起23,24は、図2図4図5及び図8に示すように、円弧筒本体6の周方向Aの他方の円弧周端6B側に配置される。各バネ支持突起23,24は、例えば、他方の円弧周端6B側であって、パイプ押え部12に配置されて、円弧筒本体6(バネ押え部12)と一体に形成される。
【0038】
各バネ支持突起23,24は、図4に示すように、円弧筒本体6の筒中心線aの方向FRにおいて、円弧筒本体6の各円弧筒端6C,6Dの間に並列して配置される。各バネ支持突起23,23は、円弧筒本体6の円弧中心線aの方向FRにおいて、相互の間(各突起23,24の間)に間隔を隔てて並列される。
バネ支持突起23は、図4に示すように、円弧筒本体6の円弧中心線aの方向FRにおいて、一方の円弧筒端6Cから突起間隔δ1より大きい突起間隔δ2(第2突起間隔δ2)を隔てて配置される。バネ支持突起24は、図4に示すように、円弧筒本体6の円弧中心線aの方向FRにおいて、他方の円弧筒端6Dに突起間隔δ2(第2突起間隔δ2)を隔てて配置される。
各バネ支持突起23,24は、円弧筒本体6の円弧中心線aの方向FRにおいて、各バネ止め突起21,22の内側に配置される。
各バネ支持突起23,24は、円弧外周中心線bから他方の円弧周端6B側の同一位置(同一位置のパイプ押え部12)に配置される。
【0039】
各バネ支持突起23,24は、図2図5及び図8に示すように、円弧筒本体6の左右方向LRにおいて、パイプ押え部12から突出して形成される。各バネ支持突起23,24は、パイプ押え部12からパイプ押え部12の外方に突出する。
【0040】
各バネ支持突起23,24は、図2図4図5及び図8に示すように、バネ軸穴25を有する。バネ軸穴25は、円弧筒本体6(円弧筒部10)の円弧中心線aに平行する穴中心線cを有し、穴中心線cを円弧中心線aの方向FRに向けて各バネ支持突起23,24に形成される。バネ軸穴25は、円弧中心線aの方向FRに延在される。バネ支持突起23において、バネ軸穴25は、バネ支持突起23の一方の円弧筒端6C側の突起端23A(一方の突起端23A)に開口する。バネ支持突起24において、バネ軸穴25は、バネ支持突起24の他方の円弧筒端側の突起端24A(一方の突起端24A)に開口する。
【0041】
締付バネ体2は、図1乃至図11に示すように、円弧筒本体6(円弧筒部10)の円弧外周面OFに沿った円弧状に形成される。
締付バネ体2は、締付バネ体2の周方向Aの一方のバネ周端2A側を、円弧筒本体6(円弧筒部10)の円弧外周面OFに向う方向P又は円弧外周面OFから離間する方向Qに回転自在として、一方のバネ周端2A側を円弧筒本体6(円弧筒部10)の他方の円弧周端6B側に取付ける。
【0042】
締付バネ体2は、図9乃至図11に示すように、例えば、ステンレス鋼等の金属線材(バネ線材)で形成される。締付バネ体2は、図9乃至図11に示すように、第1金属線材27(第1金属線材部)、第2金属線材28(第2金属線材部)、及び第3金属線材29(第3金属線材部)を有する。締付バネ体2は、例えば、金属線材(ステンレス鋼線材/バネ線材)を曲げ加工して、第1金属線材27、第2金属線材28及び第3金属線材29を一体に形成する。
【0043】
第1及び第2金属線材27,28は、図9乃至図11に示すように、円弧筒本体6(円弧筒部10)の円弧外周面OFに沿った円弧状に形成される。第1及び第2金属線材27,28は、図11に示すように、バネ円弧半径R1(円弧内側半径)の円弧状に形成される。バネ円弧半径R1は、図5及び図11に示すように、円弧筒本体6(円弧筒部10)の円弧外周面OFの円弧半径Rより大きい円弧半径を有する。
第1及び第2金属線材27,28は、バネ円弧中心角θ2(中心角θ2):θ2=180度を超える角度の円弧状に形成される。バネ円弧中心角θ2は、例えば、バネ円弧中心角θ2=220度である。
【0044】
第1及び第2金属線材27,28は、図9乃至図11に示すように、周方向A(バネ周方向A)のバネ円弧外周中心dを同一方向に向けて配置される。第1及び第2金属線材27,28は、バネ円弧中心線eの方向FR(前後方向FR)に線材間隔σを隔てて並列される。第1及び第2金属線材27,28は、バネ円弧中心線eを一致して同心に配置される。
第1及び第2金属線材27,28は、周方向Aの他方のバネ軸端27B,28Bから一方のバネ軸端27A,28Aに向けて段々(徐々)に線材間隔σを狭めつつ並列される。
【0045】
第1及び第2金属線材27,28は、図9及び図10に示すように、周方向Aの一方のバネ軸端27A,28A側に回転線軸部35,36(回転軸部)を有する。各回転線軸部35,36は、一方のバネ軸端27A,28Aから第1及び第2金属線材27,28のバネ円弧中心線eの方向FRに突出して、第1及び第2金属線材27,28の間に配置される。各回転線軸部35,36は、一方のバネ軸端27A,28A側において、第1及び第2金属線材27,28に一体に形成される。
【0046】
第3金属線材29は、図9乃至図11に示すように、第1及び第2金属線材27,28の他方のバネ軸端27B,28B側に配置される。第3金属線材29は、第1及び第2金属線材27,28のバネ円弧中心線eと平行して、第1及び第2金属線材27,28間に延在される。
第3金属線材29は、他方の各バネ軸端27B,28B側において、第1及び第2金属線材27,28に連続して一体に形成される。
【0047】
第3金属線材29は、線材中心線fの方向FR(前後方向FR)の中央部に三角状の線材突出部37を有する。線材突出部37は、第3金属線材29の線材中心線f(円弧中心線e)と直交して一方のバネ軸端27A,27Aに向かう方向LR(左右方向LR)において、各バネ軸端27A,28A,27B,28Bから離間しつつ三角状に突出して形成される。
【0048】
第1及び第2金属線材27,28の一方のバネ軸端27A,28Aは、締付バネ体2の周方向A(バネ周方向A)の一方のバネ周端2Aとなる。第1及び第2金属線材27,28の他方のバネ軸端27B,28Bは、締付バネ体2の周方向A(バネ周方向A)の他方のバネ周端2Bとなる。第3金属線材29は、締付バネ体2の周方向Aの他方のバネ周端2B及び他方のバネ周端2B側となる。
【0049】
締付バネ体2は、図1乃至図8に示すように、第3金属線材29(他方のバネ周端2B側)を一方の円弧周端6A側(一方の弧周端10A側)に向け、及び各回転線軸部35,36(一方のバネ周端2A)を他方の円弧周端6B側に向けて、円弧筒本体6(円弧筒部10)の円弧外周面OFの外方(径外方)に配置される。
締付バネ体2は、第1金属線材27を一方の円弧筒端6C及び押付溝7の間に位置し、及び第2金属線材28を他方の円弧筒端6D及び押付溝7の間に位置して、円弧外周面OFの外方に配置される。
締付バネ体2は、第1及び第2金属線材27,28を円弧外周面OFに沿うように配置される。
【0050】
締付バネ体2は、図2図4図5及び図8に示すように、回転線軸部35をバネ支持突起23のバネ軸穴25に回転自在に挿入し、及び回転線軸部36をバネ支持突起24のバネ軸穴25に回転自在に挿入して、円弧筒本体6の周方向Aの他方の円弧周端6B側(パイプ押え部12)に取付けられる。
これにより、締付バネ体2(第1乃至第3金属線材27~29)は、円弧中心線aと平行する回転中心線g(各回転線軸部35,36を中心として、円弧筒本体6(円弧筒部10)の円弧外周面OFに向かう方向P、又は円弧外周面OPから離間する方向Qに回転自在として他方の円弧周端6B側(パイプ押え部12)に取付けられる。
【0051】
押付体3は、図1乃至図3、及び図5乃至図11に示すように、締付バネ体2の周方向Aの他方のバネ周端2B側に固定される。押付体3は、第3金属線材29の線材中心線fの方向FR(前後方向FR)において、締付バネ体2の第3金属線材29(他方のバネ周端2B側)の中央部に固定される。
【0052】
押付体3は、図9乃至図11に示すように、例えば、合成樹脂にて直方体に形成される。押付体3は、第3金属線材29の線材中心線fの方向(前後方向FR)に長さLX、第3金属線材29の線材中心線fに直交して各バネ軸端27A,27B,28A,28Bに向かう方向LR(左右方向LR)に幅HX、及び第3金属線材29の線材中心線fに直交して第1及び第2金属線材27,28に向かう方向UD(上下方向UD)に厚さTX(高さTX)を有する直方体に形成され、第3金属線材29(一方のバネ周端側)に固定される。押付体3の長さLXは、押付溝7の溝長さGLより短い長さを有する(LX<GL)。
【0053】
押付体3は、図5図10及び図11に示すように、第3金属線材29の線材中心線fに直交して各バネ軸端27A,27B,28A,28Bに向かう方向において、第3金属線材29から他方のバネ軸端27B,28B側に突出幅εを有して突出される。押付体3の突出幅εは、押付溝7の溝深さGDより大きい幅(僅かに大きい幅)を有する(ε>GD)。
押付体3は、図1図2及び図5乃至図11に示すように、第3金属線材29の線材中心線fに直交して各バネ軸端27A,27B,28A,28Bに向かう方向において、第3金属線材29から各バネ軸端27A,27B,27B,28Bに離間しつつ突出される。
【0054】
押付体3は、図1図5図6及び図8乃至図11に示すように、押付面38及び取外穴溝39を有する。
【0055】
押付面38は、図1図5及び図9乃至図11に示すように、第3金属線材29の線材中心線fに直交して各バネ軸端27A,27B,28A,28Bに向かう方向において、第3金属線材29から他方の各バネ軸端27B,28B側に突出する幅端に形成される。押付面38は、溝底面Gに沿って当接する形状に形成される。
押付面38は、例えば、溝底面G(円弧溝底面)に沿った形状であって、左右方向LRにおいて、他方の各バネ軸端27B,28B側に突出する円弧状に形成れる。
【0056】
取外穴溝39は、図8図9乃至図11に示すように、押付面38に開口して、押付体3に形成される。取外穴溝39は、第3金属線材29の線材中心線fに直交して各バネ軸端27A,27B,28A,28Bに向かう方向において、押付面38から各バネ軸端27A,28A,27B,28Bに離間しつつ三角状に凹んで押付体3に形成される。
取外穴溝39は、第3金属線材29の線材中心線fに直交して第1及び第2金属線材27,28に向かう方向において、押付体3を貫通する。
取外穴溝39の三角状に凹む溝深さGVは、押付溝7の溝深さGDより深くされる。
【0057】
締付バネ体2において、第3金属線材29は、図5図8及び図10に示すように、線材突出部37を押付体3内に配置して、押付体3を貫通する。第3金属線材29は、線材突出部37を取外穴溝39に沿って延在して、押付体3を貫通して配置される。
【0058】
押付体3は、図2図5及び図8に示すように、締付バネ体2の回転に伴って、円弧外周面OFに向う方向Pに回転(旋回)、又は円弧外周面OFから離間する方向Qに回転(旋回)される。
【0059】
次に、シート固定具Xによって、パイプYにシートZを固定する手順(方法)について説明する。
【0060】
作業者は、シートZをパイプYの外周面Y1の一部に被せてシートパイプSK(シートパイプ体)とする。
作業者は、図12に示すように、締付バネ体2を円弧外周面OFから離間する方向Qに回転して、締付バネ体2及び押付体3を円弧筒本体6(円弧外周面OF)から離間する位置K1(以下、「離間位置K1」という)に配置する。
【0061】
作業者は、締付バネ体2及び押付体3を離間位置K1にすると、円弧筒本体6の各シート押え部11,12の間からシートパイプSKを挿入して、円弧筒本体6内に装着する。
各パイプ押え部11,12は、シートパイプSKによって、弾性変形しつつ広げられ、シートパイプSKは、広げられた各シート押え部11,12の間から円弧筒本体6内に挿入される。
これにより、外装筒体1は、図12に示すように、シートパイプSKに外嵌されて、円弧筒本体6(円弧筒部10)の円弧内周面IFをシートパイプSKの外周面SOに沿って当接する。円弧筒本体6(円弧筒部10)の円弧内周面IFは、シートパイプSKのシートZに当接され、パイプYの外周面Y1の間にシートZを配置する。
円弧筒本体6は、各パイプ押え部11,12(滑止め材16)をシートパイプSKの外周面SO(シートZ)に当接する。
【0062】
作業者は、外装筒体1をシートパイプSKに外嵌して、円弧筒本体6内にシートパイプSKを装着すると、図12に示すように、押付体3を把持して、締付バネ体2を離間位置K1から円弧外周面OFに向う方向Pに回転する。
押付体3は、図13及び図14に示すように、締付バネ体2の円弧外周面OFに向う方向Pの回転に伴って、円弧外周面OFに当接される。
【0063】
作業者は、図13及び図14に示すように、押付体3を円弧外周面OFに当接すると、押付体3を一方の円弧周端6A側(一方の弧周端10A側)に向けて押下げて、更に、締付バネ体2を円弧外周面OFに向う方向Pに回転する。
これにより、押付体3は、図13乃至図16に示すように、締付バネ体2の円弧外周面OFに向う方向Pの回転に伴って、締付バネ体2(第1及び第2金属線材27,28)を弾性変形しつつ円弧外周面OFを摺動して、円弧外周面OFから押付溝7に挿入される。
このとき、押付体3の押付面38は、円弧外周面OFに当接し押付けられ、円弧外周面OFに沿って摺動して、円弧外周面OFから溝底面Gに沿って押付溝7に挿入される。
【0064】
押付体3は、押付溝7に挿入されると、締付バネ体2(第1及び第2金属線材27,28)を弾性変形した状態で溝底面Gに当接される。押付体3の押付面38は、押付溝7に挿入されると、円弧外周面OFから溝底面Gに沿って摺動して、溝底面Gに当接される。
このとき、第3金属線材29及び押付面38の間の突出幅ε>溝深さGDの関係によって、押付体3は、押付面38を溝底面Gに沿って当接すると、締付バネ体2の第1及び第2金属線材27,28を広げて弾性変形した状態にする。
【0065】
締付バネ体2(第1及び第2金属線材27,28)は、図15及び図16に示すように、押付面38を溝底面Gに沿って当接すると、弾性変形した状態からのバネ力によって、押付体3(押付面38)を溝底面Gに押付ける。
これにより、押付体3は、締付バネ体2(第1及び第2金属線材27,28)のバネ力によって、溝底面Gに押付けられるので、押付溝7から容易に抜け出ない。
【0066】
締付バネ体2(第1及び第2金属線材27,28)は、図16に示すように、弾性変形した状態からのバネ力によって、押付体3(押付面38)を溝底面Gに押付けると、第1及び第2金属線材27,28の各バネ軸端27A,28A,27B,28B側(各バネ周端2A,2B側)によって、円弧筒本体6の各円弧周端6A,6B側の円弧内周面IFをシートパイプSKのシートZに押当てる。
このとき、各弧周端10A,10B側の円弧内周面IF、及び各パイプ押え部11,12(滑止め材16)は、第1及び第2金属線材27,28のバネ力によって、弾性変形してシートパイプSKのシートZに押当てられる。
これにより、円弧筒本体6は、円弧筒部10の各弧周端10A,10B側(各円弧周端6A,6B側)及び各パイプ押え部11,12によって、シートZをパイプYに押付けて、シートZをパイプYに固定する。
各パイプ押え部11,12は、滑止め材16をシートパイプSKに押当てることで、シートZがパイプYを滑って、円弧筒本体6内から滑り出し難くする。
【0067】
締付バネ体2において、第3金属線材29(他方のバネ周端2B)は、図15に示すように、押付体3(押付面38)を溝底面Gに当接した状態において、他方の円弧周端6B側から各バネ止め突起21,22に当接される。
これにより、締付バネ体2は、円弧外周面POに向う方向Pの回転が止められて、押付体3(押付面38)の溝底面Gの当接を維持する。
【0068】
押付体3の取外穴溝39は、図16に示すように、押付体3(押付面38)を溝底面Gに当接した状態において、押付体3を、円弧筒本体6の円弧中心線a及び円弧外周面OFの周方向Aの円弧外周中心線bと直交する方向UD(上下方向UD)に貫通して形成される。
これにより、取外穴溝39は、押付面38を溝底面Gに当接した状態において、上下方向UDに押付体3を貫通して、押付溝7に開口される。取外穴溝39は、押付面38を溝底面Gに当接した状態において、押付面38から円弧外周面OF(押付溝7)の外方(径外方)に延在して配置される。
【0069】
シートZをパイプYから取外す際には、作業者は、図15及び図16に示すように、押付体3を把持して、締付バネ体2(第1及び第2金属線材27,28)のバネ力に抗して、押付体3を他方の円弧周端6B側に押上げる。
締付バネ体2は、押付体3を押し上げると、図14及び図16に示すように、円弧外周面OFから離間する方向Qに回転される。
これにより、押付体3は、図13及び図14に示すように、締付バネ体2の円弧外周面OFから離間する方向Qの回転に伴って、押付溝7から抜き出される。
このとき、押付体3の押付面38は、溝底面Gを摺動して、溝底面Gから円弧外周面OFに当接する。
溝底面Gを円弧外周面OFに連続して円弧状に形成し、及び押付面38を溝底面Gに沿った円弧状に形成すると、押付面38は、円弧状の溝底面Gに案内されつつ円弧外周面PFに当接され、押付体3を容易に押付溝7から抜き出せる。
【0070】
押付体3は、図13及び図14に示すように、締付バネ体2の円弧外周面OFから離間する方向Qの回転に伴って、締付バネ体2(第1及び第2金属線材27,28)を弾性変形しつつ溝底面Gから円弧外周面OFを摺動して、円弧筒本体6から離間される。
これにより、押付体3は、円弧筒本体6(円弧筒部10)から取外される。
【0071】
作業者は、図12に示すように、押付体3を円弧筒本体6から取外すと、シートパイプSKを外装筒体1(円弧筒本体6)に対して、各パイプ押え部11,12側に引張って、各パイプ押え部11,12を通して円弧筒本体6からシートパイプSKを円弧筒本体6から取出す。
このとき、シートパイプSKは、各パイプ押え部11,12側の引張りによって、各パイプ押え部11,12を弾性変形して広げつつ、各パイプ押え部11,12の間から取出される。
【0072】
作業者は、図16に示すように、シム等の工具(図示しない)を使用して押付体3を押付溝7から抜き出す。
作業者は、一方の円弧周端6A側(一方の弧周端10A側)からシムの先端部を取外穴溝39に挿入する。
作業者は、図16に示すように、シムの先端部を取外穴溝39に挿入すると、シムを締付バネ体2(第1及び第2金属線材27,28)のバネ力に抗して他方の円弧周端6B側に押上げて、締付バネ体2を円弧外周面OFから離間する方向Qに回転する。
押付体3は、締付バネ体2の円弧外周面OFから離間する方向Qの回転に伴って、押付溝7から抜き出される。
シムの先端部を取外穴溝39に挿入して、他方の円弧周端6B側に押上げることで、押付体3を容易に押付溝7から抜き出すことができ、シートパイプSKを外装筒体1(円弧筒本体6)から取り出すことが可能となる。
【0073】
シート固定具Xにおいて、締付バネ体2は、図1乃至図3、及び図15に示すように、押付体3(押付面38)を溝底面Gに沿って当接すると、弾性変形した状態からのバネ力によって、押付体3(押付面38)を溝底面Gに押付けるとともに、他方のバネ周端2B側(第1及び第2金属線材27,28の他方のバネ軸端27B,28B側)を一方の円弧周端6A側(一方の弧周端10A側)の円弧外周面OFに押付ける構成も採用できる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、パイプにシートを固定するのに最適である。
【符号の説明】
【0075】
X シート固定具
a 円弧中心線(円弧筒本体)
FR 円弧中心線の方向(前後方向)
A 周方向
1 外装筒体
2 締付バネ体
3 押付体
6 円弧筒本体
6A 一方の円弧周端
6B 他方の円弧周端
7 押付溝
10 円弧筒部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2021-11-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
パイプにシートを固定するシート固定具であって、
可撓性の円弧筒本体、及び前記円弧筒本体の周方向の一方の円弧周端側に配置される押付溝を有し、前記円弧筒本体の円弧内周面を、前記パイプに前記シートを被せたシートパイプの外周面に沿って当接する外装筒体と、
前記円弧筒本体の円弧外周面に沿った円弧状に形成され、周方向の一方のバネ周端側を、前記円弧筒本体の前記円弧外周面に向かう方向又は前記円弧外周面から離間する方向に回転自在として前記円弧筒本体の周方向の他方の円弧周端側に取付ける締付バネ体と、
前記締付バネ体の周方向の他方のバネ周端側に固定される押付体と、を備え、
前記押付溝は、
前記円弧外周面に開口し、及び前記円弧内周面側に凹んで前記円弧筒本体に形成され、前記円弧内周面側に凹む溝底面を有し、
前記押付体は、
前記締付バネ体の前記円弧外周面に向かう方向の回転に伴って、前記締付バネ体を弾性変形しつつ前記円弧外周面に沿って摺動して、前記円弧外周面から前記押付溝に挿入され、及び前記締付バネ体を弾性変形した状態で前記溝底面に当接され、
前記締付バネ体は、
前記弾性変形した状態からのバネ力によって、前記押付体を前記溝底面に押付けて、前記各円弧周端側の前記円弧内周面を前記シートパイプの前記シートに押当てる
ことを特徴とするシート固定具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明に係る請求項1は、パイプにシートを固定するシート固定具であって、可撓性の円弧筒本体、及び前記円弧筒本体の周方向の一方の円弧周端側に配置される押付溝を有し、前記円弧筒本体の円弧内周面を、前記パイプに前記シートを被せたシートパイプの外周面に沿って当接する外装筒体と、前記円弧筒本体の円弧外周面に沿った円弧状に形成され、周方向の一方のバネ周端側を、前記円弧筒本体の前記円弧外周面に向かう方向又は前記円弧外周面から離間する方向に回転自在として前記円弧筒本体の周方向の他方の円弧周端側に取付けられる締付バネ体と、前記締付バネ体の周方向の他方のバネ周端側に固定される押付体と、を備え、前記押付溝は、前記円弧外周面に開口し、及び前記円弧内周面側に凹んで前記円弧筒本体に形成され、前記円弧内周面側に凹む溝底面を有し、前記押付体は、前記締付バネ体の前記円弧外周面に向かう方向の回転に伴って、前記締付バネ体を弾性変形しつつ前記円弧外周面に沿って摺動して、前記円弧外周面から前記押付溝に挿入され、及び前記締付バネ体を弾性変形した状態で前記溝底面に当接され、前記締付バネ体は、前記弾性変形した状態からのバネ力によって、前記押付体を前記溝底面に押付けて、前記各円弧周端側の前記円弧内周面を前記シートパイプの前記シートに押当てることを特徴とするシート固定具である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明に係る請求項1によれば、押付体は、締付バネ体の円弧外周面に向かう方向の回転に伴って、円弧外周面に沿って摺動して、円弧外周面から押付溝に挿入される。これにより、締付バネ体を大きな力(強い力)で弾性変形することなく、押付体を円弧筒本体の一方の円弧周端側の押付溝に挿入できる。
締付バネ体は、弾性変形した状態からのバネ力によって、押付体を溝底面に押付けて、円弧筒本体の各円弧周端側をシートパイプのシートに押当てる。これにより、円弧筒本体の各円弧周端側をシートパイプのシートに押付けることで、シートをパイプに固定できる。
押付体は、締付バネ体のバネ力によって、押付溝の溝底面に押付けられるので、押付溝から容易に抜け出ない。
請求項1では、締付バネ体のバネ力に抗して、押付体を他方の円弧周端側に向けて押上げて、締付バネ体を円弧外周面から離間する方向に回転することで、押付体を押付溝から抜き出す。これにより、押付体を円弧筒本体から離間する位置に配置でき、シートパイプを円弧筒本体から取り外すことが可能となる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明に係る請求項2によれば、押付溝の溝底面を円弧外周面に連続する円弧状に形成することで、押付体を円弧状の溝底面に沿って摺動して円弧外周面に当接できるので、押付体を押付溝から容易に抜き出すことが可能となる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
締付バネ体2は、図1乃至図11に示すように、円弧筒本体6(円弧筒部10)の円弧外周面OFに沿った円弧状に形成される。
締付バネ体2は、締付バネ体2の周方向Aの一方のバネ周端2A側を、円弧筒本体6(円弧筒部10)の円弧外周面OFに向かう方向P又は円弧外周面OFから離間する方向Qに回転自在として、一方のバネ周端2A側を円弧筒本体6(円弧筒部10)の他方の円弧周端6B側に取付ける。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
押付体3は、図2図5及び図8に示すように、締付バネ体2の回転に伴って、円弧外周面OFに向かう方向Pに回転(旋回)、又は円弧外周面OFから離間する方向Qに回転(旋回)される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0062】
作業者は、外装筒体1をシートパイプSKに外嵌して、円弧筒本体6内にシートパイプSKを装着すると、図12に示すように、押付体3を把持して、締付バネ体2を離間位置K1から円弧外周面OFに向かう方向Pに回転する。
押付体3は、図13及び図14に示すように、締付バネ体2の円弧外周面OFに向かう方向Pの回転に伴って、円弧外周面OFに当接される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0063】
作業者は、図13及び図14に示すように、押付体3を円弧外周面OFに当接すると、押付体3を一方の円弧周端6A側(一方の弧周端10A側)に向けて押下げて、更に、締付バネ体2を円弧外周面OFに向かう方向Pに回転する。
これにより、押付体3は、図13乃至図16に示すように、締付バネ体2の円弧外周面OFに向かう方向Pの回転に伴って、締付バネ体2(第1及び第2金属線材27,28)を弾性変形しつつ円弧外周面OFを摺動して、円弧外周面OFから押付溝7に挿入される。
このとき、押付体3の押付面38は、円弧外周面OFに当接し押付けられ、円弧外周面OFに沿って摺動して、円弧外周面OFから溝底面Gに沿って押付溝7に挿入される。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
締付バネ体2において、第3金属線材29(他方のバネ周端2B)は、図15に示すように、押付体3(押付面38)を溝底面Gに当接した状態において、他方の円弧周端6B側から各バネ止め突起21,22に当接される。
これにより、締付バネ体2は、円弧外周面OF向かう方向Pの回転が止められて、押付体3(押付面38)の溝底面Gの当接を維持する。