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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083586
(43)【公開日】2022-06-06
(54)【発明の名称】電源システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20220530BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220530BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20220530BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20220530BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20220530BHJP
【FI】
H02J7/02 J
H02J7/00 B
H02J7/00 X
H02J7/10 P
H01M10/48 P
H01M10/44 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020194989
(22)【出願日】2020-11-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り [公開の事実1] 1.ウェブサイト掲載日:2020年10月6日 2.ウェブサイトのアドレス:エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社ウェブサイト https://www.ntt-at.co.jp/news/2020/detail/release201006.html 3.公開者:エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社 [公開の事実2] 1.発行日:2020年11月1日 2.刊行物:「月刊ビジネスコミュニケーション」2020年11月号(2020 Vol.57 No.11)p.78 3.公開者:エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000102739
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】516171137
【氏名又は名称】株式会社カイレン・テクノ・ブリッジ
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】岸本 亨
(72)【発明者】
【氏名】井坂 文哉
(72)【発明者】
【氏名】今井 章智
(72)【発明者】
【氏名】今井 輝幸
(72)【発明者】
【氏名】宇田川 理恵
(72)【発明者】
【氏名】建部 卓也
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA04
5G503BB02
5G503CA11
5G503DA04
5G503EA05
5G503FA19
5G503GB03
5G503GB06
5H030AA03
5H030AS14
5H030BB09
5H030BB21
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
(57)【要約】
【課題】電源システムを、避難している住民にとってより利用しやすくする。
【解決手段】電源システムは、親機100と、親機100に接続される複数の子機200とを備える。親機100は、親機コネクタ105a、AC/DCコンバータ102、子機充電回路103、子機過充電保護回路104を備える。複数の子機200の各々は、子機蓄電池セル201、子機組電池202、子機BMS203、DC/DCコンバータ204、ランプ205、USBポート206、表示部207、および子機コネクタ105bを備える。
【選択図】 図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
親機と、前記親機に接続される複数の子機とを備え、
前記複数の子機の各々は、
複数の子機蓄電池セルから構成された子機組電池と、
前記子機組電池から出力される直流電源の電圧バランスをとり、前記子機組電池の電池残量を監視する子機バッテリーマネージメントシステムと、
前記子機組電池から出力される直流電源の電圧を降圧するDC/DCコンバータと、
発光ダイオードから構成されて、前記DC/DCコンバータで降圧された直流電源で動作するランプと、
前記DC/DCコンバータで降圧された直流電源を外部機器に供給するためのUSBポートと、
前記子機バッテリーマネージメントシステムで監視している前記子機組電池の残電容量値を表示する表示部と、
前記子機組電池への充電用の子機コネクタと
を備え、
前記親機は、
前記子機コネクタと接続される親機コネクタと、
AC電源に接続するAC/DCコンバータと、
前記親機コネクタに接続される前記子機コネクタを介して、AC/DCコンバータから出力される直流電源で前記子機組電池を充電する子機充電回路と、
前記子機充電回路で充電される前記子機組電池の過充電を保護する子機過充電保護回路と
を備えることを特徴とする電源システム。
【請求項2】
請求項1記載の電源システムにおいて、
前記子機蓄電池セルは、リチウムイオン電池から構成されていることを特徴とする電源システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の電源システムにおいて、
前記複数の子機の各々は、
前記子機組電池から出力される直流電源を交流電源に変換するインバータと、
前記インバータで変換された交流電源を外部機器に供給するための電源ポートと
をさらに備えることを特徴とする電源システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の電源システムにおいて、
前記親機は、
複数の親機蓄電池セルから構成され、出力先が前記子機充電回路とされた親機組電池と、
前記親機組電池から出力される直流電源の電圧バランスをとり、前記親機組電池の電池残量を監視する親機バッテリーマネージメントシステムと、
前記AC/DCコンバータから出力される直流電源で前記親機組電池を充電する親機充電回路と、
前記親機充電回路で充電される前記親機組電池の過充電を保護する親機過充電保護回路と
をさらに備えることを特徴とする電源システム。
【請求項5】
請求項4記載の電源システムにおいて、
前記親機バッテリーマネージメントシステムから出力される前記親機組電池の残容量を含む情報を、ネットワークを介して送信する通信回路と、
前記ネットワークに接続し、前記通信回路が送信した情報を受信し、前記親機組電池の残容量が、設定されている閾値以下になると警報を通知する電源監視クラウドと
をさらに備えることを特徴とする電源システム。
【請求項6】
請求項5記載の電源システムにおいて、
前記電源監視クラウドは、前記警報を、電子メールシステムまたはソーシャルネットワークサービスにより通知することを特徴とする電源システム。
【請求項7】
請求項4記載の電源システムにおいて、
前記親機組電池を充電する太陽電池と、
前記親機組電池の前記子機充電回路への出力と、前記太陽電池の前記子機充電回路への出力とを切り替える充放電制御回路と
をさらに備えることを特徴とする電源システム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の電源システムにおいて、
前記AC電源は、発動発電機または燃料電池であることを特徴とする電源システム。
【請求項9】
請求項4記載の電源システムにおいて、
前記親機組電池および前記親機バッテリーマネージメントシステムは、持ち運び可能な電池ユニットに収容され、
前記電池ユニットは、充電用コネクタを用いて前記親機充電回路、前記子機充電回路に接続可能とされている
ことを特徴とする電源システム。
【請求項10】
請求項1~3のいずれか1項に記載の電源システムにおいて、
前記子機充電回路は、充電用コネクタを介して、プラグインハイブリッドカーの蓄電池に接続可能とされていることを特徴とする電源システム。
【請求項11】
請求項9記載の電源システムにおいて、
前記親機は、
前記AC/DCコンバータ、前記子機充電回路、前記子機過充電保護回路を収容する筐体を有し、
前記筐体は、前記電池ユニットが挿入される挿入部と、
前記挿入部に設けられた第1充電用コネクタと
を備え、
前記電池ユニットは、前記第1充電用コネクタに挿抜可能な第2充電用コネクタを備える
ことを特徴とする電源システム。
【請求項12】
請求項11記載の電源システムにおいて、
前記複数の子機の各々と前記親機との間、および前記親機と前記電池ユニットとの間は、ワイヤレス給電により接続されることを特徴とする電源システム。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の電源システムにおいて、
前記親機は、
前記複数の子機の各々を収容する複数の子機収容部を備える収納ラックを備え、
前記収納ラックは、積み重ね可能とされている
ことを特徴とする電源システム。
【請求項14】
請求項13記載の電源システムにおいて、
前記親機と別体とされ、前記収納ラックが積載されるラックベースと、
前記親機と前記ラックベースとを接続する増設用充電ケーブルと
をさらに備えることを特徴とする電源システム。
【請求項15】
請求項13記載の電源システムにおいて、
前記複数の子機収容部の各々は、収容方向に垂直な面の断面形状が、点対称とならない形状とされ、
前記複数の子機の各々の収容方向に垂直な面の断面形状は、前記複数の子機収容部の収容方向に垂直な面の断面形状に略一致していることを特徴とする電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器への充電を行う電源システムに関し、複数の利用者が蓄電池を利用・共有できる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
災害時に開設される避難所において、情報入手や家族間の安否確認のためスマートフォンは、避難住民にとって欠かせない電子機器となっている。このため、災害により停電になった場合、避難所にはスマートフォンへの充電ができる電源システムの配備が望まれている。このような背景により、近年、大容量の蓄電池を内蔵した機器充電用の電源システムが避難所などに配備され、威力を発揮しているところである。また、避難所のみならず、大規模災害が発生した際には、企業の帰宅困難者対策としても同様のニーズがあり、企業にも、上述したような電源システムが配備され威力を発揮している。
【0003】
例えば、図13に示すように、避難設備に設置された、充電用の大容量の蓄電池401を用い、避難住民は、所用するスマートフォン端末402を充電し、充電したスマートフォン端末403を持って住民避難施設内の各避難住民の避難スペース404に移動し、例えば、段ボール製の組み立てベッド405の設置箇所で使用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した電源システムでは、避難している住民は、蓄電池の設置場所に、自らの機器を持ち寄って充電することが必要となり、コロナ禍の中で密の状態を避けるためには適さないという問題がある。また、電源を内蔵していない機器は、避難スペースでは利用することができない。例えば、電源を内蔵していない照明機器は、電源が供給されない避難スペースでは利用することができない。上述したように、従来の電源システムは、避難している住民にとって利用しにくいという問題があった。
【0005】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、電源システムを、避難している住民にとってより利用しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電源システムは、親機と、親機に接続される複数の子機とを備え、複数の子機の各々は、複数の子機蓄電池セルから構成された子機組電池と、子機組電池から出力される直流電源の電圧バランスをとり、子機組電池の電池残量を監視する子機バッテリーマネージメントシステムと、子機組電池から出力される直流電源の電圧を降圧するDC/DCコンバータと、発光ダイオードから構成されて、DC/DCコンバータで降圧された直流電源で動作するランプと、DC/DCコンバータで降圧された直流電源を外部機器に供給するためのUSBポートと、子機バッテリーマネージメントシステムで監視している子機組電池の残電容量値を表示する表示部と、子機組電池への充電用の子機コネクタとを備え、親機は、子機コネクタと接続される親機コネクタと、AC電源に接続するAC/DCコンバータと、親機コネクタに接続される子機コネクタを介して、AC/DCコンバータから出力される直流電源で子機組電池を充電する子機充電回路と、子機充電回路で充電される子機組電池の過充電を保護する子機過充電保護回路とを備える。
【0007】
上記電源システムの一構成例において、子機蓄電池セルは、リチウムイオン電池から構成されている。
【0008】
上記電源システムの一構成例において、複数の子機の各々は、子機組電池から出力される直流電源を交流電源に変換するインバータと、インバータで変換された交流電源を外部機器に供給するための電源ポートとをさらに備える。
【0009】
上記電源システムの一構成例において、親機は、複数の親機蓄電池セルから構成され、出力先が子機充電回路とされた親機組電池と、親機組電池から出力される直流電源の電圧バランスをとり、親機組電池の電池残量を監視する親機バッテリーマネージメントシステムと、AC/DCコンバータから出力される直流電源で親機組電池を充電する親機充電回路と、親機充電回路で充電される親機組電池の過充電を保護する親機過充電保護回路とをさらに備える。
【0010】
上記電源システムの一構成例において、親機バッテリーマネージメントシステムから出力される親機組電池の残容量を含む情報を、ネットワークを介して送信する通信回路と、ネットワークに接続し、通信回路が送信した情報を受信し、親機組電池の残容量が、設定されている閾値以下になると警報を通知する電源監視クラウドとをさらに備える。
【0011】
上記電源システムの一構成例において、電源監視クラウドは、警報を、電子メールシステムまたはソーシャルネットワークサービスにより通知する。
【0012】
上記電源システムの一構成例において、親機組電池を充電する太陽電池と、親機組電池の子機充電回路への出力と、太陽電池の子機充電回路への出力とを切り替える充放電制御回路とをさらに備える。
【0013】
上記電源システムの一構成例において、AC電源は、発動発電機または燃料電池である。
【0014】
上記電源システムの一構成例において、親機組電池および親機バッテリーマネージメントシステムは、持ち運び可能な電池ユニットに収容され、電池ユニットは、充電用コネクタを用いて親機充電回路、子機充電回路に接続可能とされている。
【0015】
上記電源システムの一構成例において、子機充電回路は、充電用コネクタを介して、プラグインハイブリッドカーの蓄電池に接続可能とされている。
【0016】
上記電源システムの一構成例において、親機は、AC/DCコンバータ、子機充電回路、子機過充電保護回路を収容する筐体を有し、筐体は、電池ユニットが挿入される挿入部と、挿入部に設けられた第1充電用コネクタとを備え、電池ユニットは、第1充電用コネクタに挿抜可能な第2充電用コネクタを備える。
【0017】
上記電源システムの一構成例において、複数の子機の各々と親機との間、および親機と電池ユニットとの間は、ワイヤレス給電により接続される。
【0018】
上記電源システムの一構成例において、親機は、複数の子機の各々を収容する複数の子機収容部を備える収納ラックを備え、収納ラックは、積み重ね可能とされている。
【0019】
上記電源システムの一構成例において、親機と別体とされ、収納ラックが積載されるラックベースと、親機とラックベースとを接続する増設用充電ケーブルとをさらに備える。
【0020】
上記電源システムの一構成例において、複数の子機収容部の各々は、収容方向に垂直な面の断面形状が、点対称とならない形状とされ、複数の子機の各々の収容方向に垂直な面の断面形状は、複数の子機収容部の収容方向に垂直な面の断面形状に略一致している。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、子機組電池を備える持ち運び可能な子機と、子機の充電を実施する親機とを備えるようにしたので、電源システムが、避難している住民にとってより利用しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A図1Aは、本発明の実施の形態1に係る電源システムの構成を示す構成図である。
図1B図1Bは、本発明の実施の形態1に係る電源システムの構成を示す構成図である。
図2図2は、本発明の実施の形態2に係る電源システムの構成を示す構成図である。
図3図3は、本発明の実施の形態3に係る電源システムの構成を示す構成図である。
図4図4は、本発明の実施の形態4に係る電源システムの構成を示す構成図である。
図5図5は、本発明の実施の形態5に係る電源システムの構成を示す構成図である。
図6図6は、本発明の実施の形態6に係る電源システムの構成を示す構成図である。
図7図7は、本発明の実施の形態7に係る電源システムの構成を示す構成図である。
図8図8は、本発明の実施の形態8に係る電源システムの構成を示す構成図である。
図9図9は、本発明の実施の形態9に係る電源システムの構成を示す構成図である。
図10図10は、本発明の実施の形態9に係る他の電源システムの構成を示す構成図である。
図11図11は、本発明の実施の形態10に係る電源システムの構成を示す構成図である。
図12図12は、本発明の実施の形態11に係る電源システムの構成を示す構成図である。
図13図13は、一般的な電源システムの構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態に係る電源システムについて説明する。
【0024】
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1に係る電源システムについて、図1A図1Bを参照して説明する。この電源システムは、親機100と、親機100に接続される複数の子機200とを備える。親機100は、親機コネクタ105a、AC/DCコンバータ102、子機充電回路103、子機過充電保護回路104を備える。複数の子機200の各々は、子機蓄電池セル201、子機組電池202、子機バッテリーマネージメントシステム(BMS)203、DC/DCコンバータ204、ランプ205、USBポート206、表示部207、および子機コネクタ105bを備える。
【0025】
親機コネクタ105aは、子機コネクタ105bと接続される。AC/DCコンバータ102は、商用AC電源101に接続する。子機充電回路103は、親機コネクタ105aに接続される子機コネクタ105bを介して、AC/DCコンバータ102から出力される直流電源で子機組電池202を充電する。子機過充電保護回路104は、子機充電回路103で充電される子機組電池202の過充電を保護する。
【0026】
子機組電池202は、複数の子機蓄電池セル201から構成されている。子機蓄電池セル201は、例えば、比較的小容量のリチウムイオン電池から構成されている。子機BMS203は、子機組電池202から出力される直流電源の電圧バランスをとり、子機組電池202の電池残量を監視する。DC/DCコンバータ204は、子機組電池202から出力される直流電源の電圧を降圧する。
【0027】
ランプ205は、発光ダイオードから構成されて、DC/DCコンバータ204で降圧された直流電源で動作(点灯)する。USBポート206は、DC/DCコンバータ204で降圧された直流電源を外部機器に供給する。表示部207は、子機BMS203で監視している子機組電池202の残電容量値を表示する。子機コネクタ105bは、子機組電池202への充電用に用いられる。
【0028】
また、親機100は、AC/DCコンバータ102、子機充電回路103、子機過充電保護回路104などを収容する筐体151と、複数の子機200の各々を収容する複数の子機収容部153を備える収納ラック152とを備える。収納ラック152は、積み重ね可能とされている。各々の収納ラック152と筐体151との間は、電気ケーブル154により接続されている。子機収容部153に子機200を収容することで、親機コネクタ105aと子機コネクタ105bとが接続され、子機組電池202に対する充電が可能となる。
【0029】
実施の形態1に係る電源システムによれば、親機100により、複数の子機200の子機組電池202に、充電が可能とされている。各々の子機200が充電されていれば、まず、図1Bの(a)に示すように、いずれかの子機収容部153より、充電済みの子機200を抜き取り、避難スペース404に運ぶ。避難スペース404において、図1Bの(b)に示すように、子機200のUSBポート206を利用することで、スマートフォン端末403の充電を行う。スマートフォン端末403に限らず、様々な電気機器に充電が可能である。また、避難スペース404において、子機200のランプ205を照明として利用する。子機200の充電容量が低下したら、親機100の設置箇所に移動し、図1Bの(c)に示すように、子機収容部153に子機200を収容することで、子機200における子機組電池202の充電を実施する。
【0030】
上述したように、実施の形態1によれば、子機200を用いて充電などが実施できるので、避難している住民は、蓄電池の設置場所に、自らの機器を持ち寄って充電する必要が無い。また、電源を内蔵していない機器であっても、避難スペース404で利用可能となる。このように、実施の形態1に係る電源システムは、避難している住民にとって利用しやすいものとなる。
【0031】
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2に係る電源システムについて、図2を参照して説明する。この電源システムは、親機100と、親機100に接続される複数の子機200aとを備える。親機100は、前述した実施の形態1と同様であり、説明を省略する。複数の子機200aの各々は、子機組電池202から出力される直流電源を交流電源に変換するDC/ACインバータ208と、DC/ACインバータ208で変換された交流電源を外部機器に供給するための電源ポート209とを備える。他の構成は、前述した実施の形態1の子機200と同様である。
【0032】
実施の形態2によれば、DC/ACインバータ208により、交流電源を電源ポート209から供給することができるため、避難スペースにおいてAC駆動する電子機器も利用することができる。
【0033】
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3に係る電源システムについて、図3を参照して説明する。この電源システムは、親機100aと、親機100aに接続される複数の子機200とを備える。子機200は、前述した実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
【0034】
実施の形態3において、親機100aは、親機組電池109、親機BMS110、親機充電回路106、親機過充電保護回路107を備える。他の構成は、前述した実施の形態1の親機100と同様である。
【0035】
親機組電池109は、複数の親機蓄電池セル108から構成され、出力先が子機充電回路103とされている。親機蓄電池セル108は、比較的大容量のリチウムイオン電池から構成されている。親機BMS110は、親機組電池109から出力される直流電源の電圧バランスをとり、親機組電池109の電池残量を監視する。親機充電回路106は、AC/DCコンバータ102から出力される直流電源で親機組電池109を充電する。親機過充電保護回路107は、親機充電回路106で充電される親機組電池109の過充電を保護する。
【0036】
実施の形態3によれば、親機100aにおいても、複数台接続する子機200に対し充電可能な容量を有する大容量な親機蓄電池セル108による親機組電池109を搭載している。親機100aによれば、子機200を避難スペースに持ち運んで利用している間に、親機組電池109を充電することができ、安価な夜間電力を利用した充電を行うことができる。
【0037】
[実施の形態4]
次に、本発明の実施の形態4に係る電源システムについて、図4を参照して説明する。この電源システムは、親機100bと、親機100bに接続される複数の子機200とを備える。子機200は、前述した実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
【0038】
親機100bは、親機100aに加え、まず、親機BMS110から出力される親機組電池109の残容量、セル電圧、出力電流値、積算出力電流値などを含む情報を、ネットワークを介して送信する通信回路111を備える。また、親機100bは、ネットワークに接続し、通信回路111が送信した情報を受信し、親機組電池109の残容量が、設定されている閾値以下になると警報を通知する電源監視クラウドシステム113を備える。電源監視クラウドシステム113は、警報を、電子メールシステムまたはソーシャルネットワークサービスにより通知する。他の構成は、親機100aと同様である。
【0039】
実施の形態4によれば、電源システムにおける蓄電池(親機組電池109)の残容量がある閾値以下になると、これを監視している電源監視クラウドシステム113により検知され、例えば、ネットワークに接続する端末装置114に、電子メールシステムまたはソーシャルネットワークサービスなどにより通知されるので、補充電の必要性が、遠隔地で判断できるようになる。
【0040】
[実施の形態5]
次に、本発明の実施の形態5に係る電源システムについて、図5を参照して説明する。この電源システムは、親機100cと、親機100cに接続される複数の子機200とを備える。子機200は、前述した実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
【0041】
親機100cは、親機100aに加え、親機組電池109を充電する太陽光パネル(太陽電池)116と、親機組電池109の子機充電回路103への出力と、太陽光パネル116の子機充電回路103への出力とを切り替える充放電制御回路115とを備える。充放電制御回路115は、太陽光パネル116が親機組電池109を充電する電流の制御も行う。他の構成は、親機100aと同様である。
【0042】
充放電制御回路115は、親機組電池109の出力または、太陽光パネル116の出力のどちらを利用するのかを制御し、子機充電回路103に電流を流すので、例えば、昼間晴天時には親機組電池109に依存せず、太陽光パネル116の発電により、子機200の充電を行うことができる。また、子機200が接続されていない場合には、太陽光パネル116による発電で、親機組電池109の補充電を行うこともできる。
【0043】
[実施の形態6]
次に、本発明の実施の形態6に係る電源システムについて、図6を参照して説明する。この電源システムは、親機100と、親機100に接続される複数の子機200とを備え、これらの構成は、前述した実施の形態1と同様である。
【0044】
実施の形態6では、AC/DCコンバータ102が接続するAC電源を、発動発電機117としている。一般に、AC電源として商用AC電源が用いられるが、発動発電機117を用いることで、停電時などにより商用AC電源が得られない場合でも、子機200の充電を行うことができる。なお、AC電源として、燃料電池を用いることもできる。
【0045】
[実施の形態7]
次に、本発明の実施の形態7に係る電源システムについて、図7を参照して説明する。この電源システムは、親機100dと、親機100dに接続される複数の子機200とを備える。子機200は、前述した実施の形態1と同様である。
【0046】
親機100dは、複数の親機蓄電池セル118と、複数の親機蓄電池セル118による親機組電池109から出力される直流電源の電圧バランスをとり、組電池の電池残量を監視する親機BMS119と、これらを収容する電池ユニット120とを備える。電池ユニット120は、持ち運び可能な大きさとされている。電池ユニット120は、充電用コネクタ121を用いて親機充電回路106、子機充電回路103に接続可能とされている。他の構成は、親機100aと同様である。
【0047】
実施の形態7によれば、親機100dに、別途に充電した電池ユニット120を接続できるので、例えば、停電が長時間発生した場合でも、停電区域外で充電した電池ユニット120を持ちこみ、親機100dに接続して用いることで、繰り返し子機200の充電が行える。
【0048】
[実施の形態8]
次に、本発明の実施の形態8に係る電源システムについて、図8を参照して説明する。この電源システムは、親機100dと、親機100dに接続される複数の子機200とを備える。子機200は、前述した実施の形態1と同様である。親機100dは、前述した実施の形態7と同様である。
【0049】
実施の形態8では、前述した実施の形態7の電池ユニット120の代わりに、プラグインハイブリッドカー122を利用する。子機充電回路103は、充電用コネクタ123を介して、プラグインハイブリッドカー122の蓄電池に接続可能とされている。実施の形態8では、親機100dに、別途に充電されているプラグインハイブリッドカー122の蓄電池が接続できるので、例えば、停電が長時間発生した場合でも、プラグインハイブリッドカー122で充電した蓄電池を親機100dに接続して用いることで、繰り返し子機200の充電が行える。
【0050】
[実施の形態9]
次に、本発明の実施の形態9に係る電源システムについて、図9を参照して説明する。この電源システムは、親機100eと、親機100eに接続される複数の子機200とを備える。子機200は、前述した実施の形態1と同様である。
【0051】
親機100eは、AC/DCコンバータ102、子機充電回路103、子機過充電保護回路104などを収容する筐体151aに、電池ユニット124が挿入される挿入部125を備える。電池ユニット124は、電池ユニット120と同様であり、複数の親機蓄電池セル118による組電池、および親機BMS119を収容し、可搬性を有している。
【0052】
また、挿入部125には、第1充電用コネクタ126aが設けられ、一方、電池ユニット124には、第2充電用コネクタ126bが設けられている。第2充電用コネクタ126bは、第1充電用コネクタ126aに挿抜可能とされている。第1充電用コネクタ126aに第2充電用コネクタ126bを挿入することで、親機100fと電池ユニット124とを接続し、複数の親機蓄電池セル118による組電池と、親機充電回路106、子機充電回路103とを接続状態とすることができる。
【0053】
実施の形態9によれば、電池ユニット124を挿入部125に挿入し、第1充電用コネクタ126aに第2充電用コネクタ126bを挿入して接続状態とするので、ケーブルを用いることなくこれらの接続が可能となる。この結果、実施の形態9によれば、例えば、ケーブルはずれによる充電停止が、防止できる。
【0054】
ところで、図10に示すように、親機100fと電池ユニット124との間を、第1親機ワイヤレス給電受信機127と、第2親機ワイヤレス給電受信機128とによるワイヤレス給電により無線接続することができる。同様に、親機100と複数の子機200の各々との間を、第1子機ワイヤレス給電受信機130と、第2子機ワイヤレス給電受信機131とによるワイヤレス給電により無線接続することができる。ワイヤレス給電によれば、電気的なコネクタの露出が発生しないため、感電対策など安全性が向上する。
【0055】
[実施の形態10]
次に、本発明の実施の形態10に係る電源システムについて、図11を参照して説明する。この電源システムは、親機100と、親機100に接続される複数の子機200とを備える。親機100および子機200は、前述した実施の形態1と同様である。実施の形態10では、親機100と別体とされ、収納ラック152が積載されるラックベース155をさらに備える。各々の収納ラック152とラックベース155とは、電気ケーブル154で接続される。また、親機100とラックベース155とは、増設用電気ケーブル156で接続される。
【0056】
収納ラック152の増設において、筐体151の上のみの場合、全体が高くなり耐震性などに問題がある場合、ラックベース155を用いることで、全体の高さを高くすることなく、収納ラック152の数を増やすことができる。
【0057】
[実施の形態11]
次に、本発明の実施の形態11に係る電源システムについて、図12を参照して説明する。この電源システムは、親機100と、親機100に接続される複数の子機200とを備える。親機100および子機200は、前述した実施の形態1と同様である。
【0058】
実施の形態11では、収納ラック152aの複数の子機収容部153aの各々は、収容方向に垂直な面の断面形状が、点対称とならない形状となっている。また、複数の子機200aの各々の収容方向に垂直な面の断面形状は、複数の子機収容部153aの収容方向に垂直な面の断面形状に略一致し、点対称とならない形状となっている。例えば、各々の断面形状は、矩形に切り欠きを形成した態様の五角形とすることができる。このように構成することで、子機200aの子機収容部153aに対する誤挿入の防止が図れ、より安全性を向上させることができる。
【0059】
以上に説明したように、本発明によれば、子機組電池を備える持ち運び可能な子機と、子機の充電を実施する親機とを備えるようにしたので、例えば、子機を避難スペースに持ち運び、避難スペースで機器の充電などが実施できる。また、避難スペースで、電池を内蔵していない電気・電子機器の使用が可能となる。このように、本発明によれば、電源システムが、避難している住民にとってより利用しやすくなる。また、充電のために、避難住民が、充電場所に集まる必要がなくなるため、密になることが避けられる。
【0060】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
【符号の説明】
【0061】
100…親機、101…商用AC電源、102…AC/DCコンバータ、103…子機充電回路、104…子機過充電保護回路、105a…親機コネクタ、105b…子機コネクタ、151…筐体、152…収納ラック、153…子機収容部、154…電気ケーブル、200…子機、201…子機蓄電池セル、202…子機組電池、203…子機バッテリーマネージメントシステム(BMS)、204…DC/DCコンバータ、205…ランプ、206…USBポート、207…表示部、403…スマートフォン端末、404…避難スペース、405…組み立てベッド。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13