(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083675
(43)【公開日】2022-06-06
(54)【発明の名称】電子装置及びそのオブジェクト共有方法
(51)【国際特許分類】
G06F 9/445 20180101AFI20220530BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20220530BHJP
【FI】
G06F9/445
G06F13/00 530B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020195137
(22)【出願日】2020-11-25
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】518427524
【氏名又は名称】未來市股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】▲ホアン▼ 繼養
【テーマコード(参考)】
5B084
5B376
【Fターム(参考)】
5B084AA01
5B084AA02
5B084AA05
5B084AB16
5B084BA09
5B084BB11
5B084BB12
5B084CD10
5B376EA01
5B376EA11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ソフトウェアオブジェクトのためのメモリ使用量とアクセス効率を改善する電子装置及びそのオブジェクト共有方法を提供する。
【解決手段】方法において、オペレーティングシステム(OS)が2以上のアプリケーションにより用いられる共通オブジェクトを判定する。アプリケーションのオブジェクトは、それぞれ、アプリケーションのインストールに応じて、ライブラリにダウンロードされる。共通オブジェクトは、アプリケーションのオブジェクトの1つである。OSは、共通オブジェクトをライブラリから共有メモリに格納する。OSは、アプリケーションの第1のアプリケーションのアクセス先を、第1のアプリケーションのアクセス先に基づき第1のアプリケーションにより共有メモリから共通オブジェクトにアクセスするため、ライブラリから共有メモリに変更する。このためオブジェクトにアクセスする効率と、メモリ使用量とが改善される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトを管理するために適合された、オブジェクト共有方法であって、
オペレーティングシステム(OS)により、少なくとも2つのアプリケーションにより用いられる共通オブジェクトを判定することであって、前記少なくとも2つのアプリケーションのオブジェクトが、それぞれ、前記少なくとも2つのアプリケーションのインストールに応じてライブラリにダウンロードされ、前記共通オブジェクトが前記少なくとも2つのアプリケーションのオブジェクトの1つであることと、
前記OSにより、前記共通オブジェクトを前記ライブラリから共有メモリに格納することと、
前記OSにより、前記少なくとも2つのアプリケーションの第1のアプリケーションのアクセス先を、前記第1のアプリケーションの前記アクセス先に基づき前記第1のアプリケーションにより前記共有メモリから前記共通オブジェクトにアクセスするため、前記ライブラリから前記共有メモリに変更することと
を含む、オブジェクト共有方法。
【請求項2】
オブジェクトを管理するために適合された、電子装置であって、
プログラムコードを格納し、ライブラリと共有メモリとを含む、メモリであって、少なくとも2つのアプリケーションのオブジェクトが、それぞれ、前記少なくとも2つのアプリケーションのインストールに応じて、前記ライブラリにダウンロードされる、メモリと、
前記メモリに連接され、
オペレーティングシステム(OS)により、前記少なくとも2つのアプリケーションにより用いられる共通オブジェクトを判定することであって、前記共通オブジェクトが前記少なくとも2つのアプリケーションのオブジェクトの1つであることと、
前記OSにより、前記共通オブジェクトを前記ライブラリから前記共有メモリに格納することと、
前記OSにより、前記少なくとも2つのアプリケーションの第1のアプリケーションのアクセス先を、前記第1のアプリケーションの前記アクセス先に基づき前記第1のアプリケーションにより前記共有メモリから前記共通オブジェクトにアクセスするため、前記ライブラリから前記共有メモリに変更することと
を実行するため前記プログラムコードを読み込む、プロセッサと、
を含む、
電子装置。
【請求項3】
前記少なくとも2つのアプリケーションにより用いられる前記共通オブジェクトを判定するステップが、
前記OSにより、グローバルオブジェクトリストを作成することであって、前記少なくとも2つのアプリケーションの前記オブジェクトの全てが前記グローバルオブジェクトリストに列挙されることと、
前記OSにより、重複したオブジェクトを前記共通オブジェクトとして前記グローバルオブジェクトリストから共有リストに選択することであって、前記共通オブジェクトが前記共有リストに列挙されることと、
を含む、
請求項1に記載のオブジェクト共有方法、
又は、
前記プロセッサが、
前記OSにより、グローバルオブジェクトリストを作成することであって、前記少なくとも2つのアプリケーションの前記オブジェクトの全てが前記グローバルオブジェクトリストに列挙されることと、
前記OSにより、重複したオブジェクトを前記共通オブジェクトとして前記グローバルオブジェクトリストから共有リストに選択することであって、前記共通オブジェクトが前記共有リストに列挙されることと、
を実行するよう更に構成された、
請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記少なくとも2つのアプリケーションにより用いられる前記共通オブジェクトを判定するステップが、
前記OSにより、前記少なくとも2つのアプリケーションの第2のアプリケーションのオブジェクトを前記グローバルオブジェクトリストの全オブジェクトと比較すること
を含む、
請求項3に記載のオブジェクト共有方法、
又は、
前記プロセッサが、
前記OSにより、前記少なくとも2つのアプリケーションの第2のアプリケーションのオブジェクトを前記グローバルオブジェクトリストの全オブジェクトと比較すること
を実行するよう更に構成された、
請求項3に記載の電子装置。
【請求項5】
前記OSにより、対応する優先度を使用して、前記共通オブジェクトを構成することと、
前記OSにより、前記共有リストに列挙されたオブジェクトの数量が数量閾値を超過したことに応じて、前記対応する優先度に基づき、前記共有リストから前記共通オブジェクトを取り除くことと
を更に含む、
請求項3に記載のオブジェクト共有方法、
又は、
前記プロセッサが、
前記OSにより、対応する優先度を使用して、前記共通オブジェクトを構成することと、
前記OSにより、前記共有リストに列挙されたオブジェクトの数量が数量閾値を超過したことに応じて、前記対応する優先度に基づき、前記共有リストから前記共通オブジェクトを取り除くことと
を実行するよう更に構成された、
請求項3に記載の電子装置。
【請求項6】
前記少なくとも2つのアプリケーションにより用いられる前記共通オブジェクトを判定するステップが、
前記OSにより、前記オブジェクトのための前記第1のアプリケーションの前記ライブラリへの前記インストールを検出することと、
前記OSにより、前記オブジェクトのための前記第1のアプリケーションの前記インストールに応じて、前記共通オブジェクトを判定することと
を含む、
請求項1に記載のオブジェクト共有方法、
又は、
前記プロセッサが、
前記OSにより、前記オブジェクトのための前記第1のアプリケーションの前記ライブラリへの前記インストールを検出することと、
前記OSにより、前記オブジェクトのための前記第1のアプリケーションの前記インストールに応じて、前記共通オブジェクトを判定することと
を実行するよう更に構成された、
請求項2に記載の電子装置。
【請求項7】
前記共通オブジェクトがXR(extended reality)において用いられる2次元又は3次元マテリアルである、
請求項1に記載のオブジェクト共有方法、
又は、
請求項2に記載の電子装置。
【請求項8】
外部装置から、前記第1のアプリケーションの前記オブジェクトを前記ライブラリにダウンロードすることを更に含む、
請求項1に記載のオブジェクト共有方法、
又は、
前記プロセッサと前記メモリとに連接された、通信トランシーバを更に含み、
前記プロセッサが、外部装置から、前記通信トランシーバを介し、前記第1のアプリケーションの前記オブジェクトを前記ライブラリにダウンロードするよう更に構成された、
請求項2に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オブジェクト管理に関するものであり、特に、電子装置とそのオブジェクト共有方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子装置(例えば、スマートフォン又はヘッドマウントディスプレイ)の操作者は、通常、電子装置と互換性のあるアプリケーションを作成するため、開発者のためのシステム開発キット(SDK)を起動する。これらアプリケーションにおいて、いくつかのソフトウェア資産は類似又は実質的に同一である。
【0003】
ソフトウェア資産の管理には2つの既知の方法がある。第1の既知の方法は、同一のソフトウェア資産を個別のアプリケーションに、これらアプリケーションがダウンロードされるか更新される前に、組み上げることである。詳細には、アプリケーション又はアプリケーションの更新バージョンがリリースされたとき、全ての関連するソフトウェア資産は既にアプリケーション又はアプリケーションの更新バージョンに組み込まれている。次いで、アプリケーションは、ユーザがダウンロード又は更新するため、アプリケーションストアプラットフォームにおいて発売されることができる。ただし、同一のソフトウェア資産を用いる異なるアプリケーションは同一のソフトウェア資産を有し(例えば、仮想樹木、車両等)、各アプリケーションのサイズが大きくなる。
【0004】
第2の既知の方法は、異なるアプリケーションのため、電子装置のメモリにソフトウェア資産を繰り返し読み込むことである。例えば、2つの異なるアプリケーションが電子装置において同一のソフトウェア資産を要する場合、同一のソフトウェア資産をメモリに2回読み込む。即ち、電子装置のメモリは、N個の異なるアプリケーションのために、実質的に同一の、N個のソフトウェア資産を格納してよく、ここでNは整数である。
【0005】
第1と第2の既知の方法はどちらも、大きなデータ伝送及びメモリの空間使用量を引き起こす。このため、電子装置はデータ伝送のために多くの時間を費やし、過多のデータアクセスのためオペレーティングシステム(OS)パフォーマンスが低下しうる。更に、ネットワークプロバイダのネットワーク帯域幅がソフトウェア資産の伝送により常に占有されうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ソフトウェア資産にアクセスすることは効率的でない。従って、本発明は、ソフトウェアオブジェクトのためのメモリ使用量とアクセス効率を改善する、電子装置及びそのオブジェクト共有方法を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例示的な実施形態の1つにおいて、オブジェクト共有方法は、オブジェクト管理に適合され、以下のステップを含むが、これに限定されない。オペレーティングシステム(OS)が、2以上のアプリケーションにより用いられる共通オブジェクトを判定する。アプリケーションのオブジェクトは、それぞれ、アプリケーションのインストールに応じて、ライブラリにダウンロードされる。共通オブジェクトは、アプリケーションのオブジェクトの1つである。OSは、共通オブジェクトをライブラリから共有メモリに格納する。OSは、アプリケーションの第1のアプリケーションのアクセス先を、第1のアプリケーションのアクセス先に基づき第1のアプリケーションにより共有メモリから共通オブジェクトにアクセスするため、ライブラリから共有メモリへと変更する。
【0008】
例示的な実施形態の1つにおいて、電子装置は、メモリとプロセッサとを含むが、これに限定されない。メモリはプログラムコードを格納し、ライブラリと共有メモリとを含む。2つのアプリケーションのオブジェクトが、それぞれ、アプリケーションのインストールに応じて、ライブラリにダウンロードされる。プロセッサはメモリに連接される。プロセッサは次のステップを実行するためプログラムコードを読み込む。OSが、2以上のアプリケーションにより用いられる共通オブジェクトを判定する。共通オブジェクトは、アプリケーションのオブジェクトの1つである。OSが、共通オブジェクトをライブラリから共有メモリに格納する。OSが、アプリケーションのうちの第1のアプリケーションのアクセス先を、第1のアプリケーションのアクセス先に基づき第1のアプリケーションにより共有メモリから共通オブジェクトにアクセスするため、ライブラリから共有メモリへと変更する。
【発明の効果】
【0009】
上記を鑑み、電子装置及びそのオブジェクト共有方法によれば、OSが複数のアプリケーションにより用いられるオブジェクトを比較し、同一のオブジェクトを共通オブジェクトとして選択する。共通オブジェクトは共有メモリにプリロードされる。次いで、アプリケーションが、ライブラリからではなく、共有メモリから共通オブジェクトにアクセスしてよい。オブジェクトにアクセスするためのパフォーマンスが改善できる。
【0010】
ただし、この概要は本発明の全ての様態と実施形態を含むものではなく、如何なる方法でも限定又は制限を意図するものではないことを理解されたい。そして、ここで開示される発明は、その明らかな改善と改変を含むと当業者により理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の更なる理解のため添付図面が含まれ、本明細書に包含され、本明細書の一部を構成する。図面は本発明の実施形態を表し、明細書と共に、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の例示的な実施形態の1つによるシステムを表すブロック図である。
【0013】
【
図2】
図2は、本発明の例示的な実施形態の1つによる、電子装置のオブジェクト共有方法を表すフロー図である。
【0014】
【
図3】
図3は、本発明の例示的な実施形態の1つによる、電子装置のオブジェクトインストールを表すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の好ましい実施形態の詳細を述べる。実施例は添付の図面に表される。可能な限り、図面と明細書において同一の符号が同一又は類似の部材に対し用いられる。
【0016】
図1は、本発明の例示的な実施形態の1つによるシステム1を表すブロック図である。
図1を参照し、システム1は、1以上の電子装置100と、1以上の外部装置200とを含むが、これに限定されない。
【0017】
電子装置100は、スマートフォン、タブレット、ヘッドマウントディスプレイ、スマートテレビ、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、又は他の演算装置でありうる。電子装置100は、メモリ110と、通信トランシーバ130と、プロセッサ150とを含むが、これに限定されない。
【0018】
メモリ110は、固定又は取り外し可能なランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、類似のデバイス、又は上記デバイスの組合せの、何らかの種類であってよい。メモリ110は、ライブラリ111と、共有メモリ113とを含むが、これに限定されない。
【0019】
1つの実施形態において、ライブラリ111は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリに格納されることができる。例えば、不揮発性メモリは、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、ディスク、又はテープであることができる。もう1つの実施形態において、共有メモリ113が揮発性メモリ、例えば、RAMであり、RAMは動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)又は静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)であることができる。不揮発性メモリに対し、揮発性メモリは格納された情報を維持するため電力を要するコンピュータメモリである。即ち、揮発性メモリは電力供給されている間はその内容を保持するが、電力が遮断されるとその格納されたデータを迅速に失う。
【0020】
いくつかの実施形態において、メモリ110は、プログラムコード、(アプリケーション151と153といった)ソフトウェアモジュール、オペレーティングシステム155、デバイス設定、バッファデータ、又は、(オブジェクト、優先度、又はリストといった)永続的データを記録し、これらデータについては後に紹介する。
【0021】
通信トランシーバ130は、例えば、Bluetooth、Wi-Fi、移動通信、赤外線無線通信、USB、Ethernet、ファイバーネットワーク等をサポートする通信インターフェイス又は無線トランシーバでありうる。いくつかの実施形態において、通信トランシーバ130は、外部装置200からデータを受信する、又は、外部装置200へデータを送信するため、外部装置200と通信するために用いられる。
【0022】
プロセッサ150は、メモリ110と通信トランシーバ130とに連接される。プロセッサ150は、本発明の例示的な実施形態の手順を実行するため、メモリ110に格納されたプログラムデータを読み込むよう構成される。
【0023】
いくつかの実施形態において、プロセッサ150は、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号処理(DSP)チップ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)であってよい。プロセッサ150の機能は、独立した電子デバイス又は集積回路(IC)により実装されてもよく、プロセッサ150の動作はソフトウェアにより実装されてもよい。
【0024】
外部装置200は、スマートフォン、タブレット、サーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、ユニバーサルシリアルバス(USB)ハードディスク、USBフラッシュ等であることができる。
【0025】
本発明の1以上の実施形態において提供される動作処理をより理解し易くするよう、システム1の動作処理を詳述するため、いくつかの実施形態を以下に例示する。システム1内のデバイスとモジュールは、ここで提供される電子装置100のオブジェクト共有方法を説明するための、下記の実施形態において適用される。方法の各ステップは実際の実装状況に応じて調整でき、ここで説明されるものに限定されるべきではない。
【0026】
図2は、本発明の例示的な実施形態の1つによる電子装置100のオブジェクト共有方法を表すフロー図である。
図2を参照し、プロセッサ150は、OS155を介し、2以上のアプリケーション151と153により用いられる共通オブジェクトを判定してよい(ステップS210)。具体的には、電子装置100にインストールされた2以上のアプリケーション151と153が存在する。1つの実施形態において、アプリケーション151と153は、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)といった、XR(extended reality)に関連する。いくつかの実施形態において、アプリケーション151と153は2次元(2D)又は3次元(3D)環境シミュレーションに関連する。2D又は3D環境、又は、2D又は3D仮想オブジェクトを確立するには、金属、アバター、布、建物、道路、又は樹木といった2D又は3Dマテリアルが必要となることに注意されたい。1つの実施形態において、オブジェクト115は2D又は3Dマテリアルでありうる。いくつかの実施形態において、オブジェクト115はアプリケーション151と153により用いられる何らかのソフトウェア資産でありうる。
【0027】
最初に、アプリケーション151と153の対応するオブジェクト115が、それぞれ、アプリケーション151と153のインストールに応じて、ライブラリ111にダウンロードされる。例えば、
図3は、本発明の例示的な実施形態の1つによる電子装置100のオブジェクトインストールを表すフロー図である。
図3を参照し、アプリケーション151又は153の完全なインストール又は部分的なインストールが起動されるとき、例えば、アプリケーション151又は153をインストールするとき、アプリケーション151又は153の別のバージョンに更新するとき、又は、アプリケーション151又は153のデータを更新するとき、OS155は、オブジェクト115をライブラリ111に格納するため、通信トランシーバ130を介し、アプリケーション151又は153の対応するオブジェクト115を外部装置200からライブラリ111にダウンロードしてよい(ステップS310)。例えば、マテリアル資産オンラインストアが外部装置200上で稼働され、電子装置100はインターネットを介しオンラインストアからオブジェクト115をダウンロードする。
【0028】
1つの実施形態において、外部装置200は、定期的に、ライブラリ111を新たなオブジェクト115及び更新されたオブジェクト115で更新してよい。このため、ライブラリ111における問題が解決されうる。
【0029】
もう1つの実施形態において、ライブラリ111は、電子装置100ではなく、外部装置200内に設けられることができる。
【0030】
いくつかの実施形態において、OS155は、外部装置200からライブラリ111にダウンロードされたアプリケーション151又は153のオブジェクト115においてID確認を更に実行してよい。ID確認は、パスワード、証明書、セキュア鍵、又は他のID認証に関連してよい。ID確認が成功した場合、オブジェクト115がライブラリ111に格納されることができる。ただし、ID確認が成功しなかった場合、オブジェクト115は放棄されるかメモリ110から削除される。
【0031】
次いで、OS155は、オブジェクト115のためのアプリケーション151又は153のライブラリ111へのインストールを検出してよい(ステップS330)。例えば、OS155は、メモリ110内の変化又はアプリケーション151又は153のインストール処理を監視してよい。ただし、アプリケーション151又は153が起動又は実行される前に、OS155は、アプリケーション151と153の間に1以上の共通オブジェクト117が存在するか否か比較し、オブジェクト115のためのアプリケーション151又は153のインストールに応じて共通オブジェクト117を判定してよい。即ち、オブジェクト115のインストールは、共通オブジェクト117の判定をトリガーする。
【0032】
共通オブジェクト117は、アプリケーション151と153のオブジェクト115の1つである。即ち、共通オブジェクト117は、2以上のアプリケーション151と153により用いられる重複したオブジェクトである。共通オブジェクト117の数は1以上であってよいことに注意されたい。即ち、2以上のアプリケーション151と153により用いられる2以上の重複したオブジェクトが存在する。
【0033】
1つの実施形態において、OS155はグローバルオブジェクトリストを作成してよく、アプリケーション151と153のオブジェクト115の全てがグローバルオブジェクトリストに列挙される。例えば、ライブラリ111におけるオブジェクト115のインストールに応じて、OS155は更に、どのオブジェクト115がインストールされたかを記録する。オブジェクト115の名称又はIDがグローバルオブジェクトリストに記録される。更に、OS155は、グローバルオブジェクトリスト内の1以上の重複したオブジェクトを、共通オブジェクト117としてグローバルオブジェクトリストから共有リストに選択し、これにより共通オブジェクト117は共有リストに列挙される。
【0034】
1つの実施形態において、アプリケーション151又は153のオブジェクト115の更新又は新たなダウンロードに応じて、OS155は、アプリケーション151又は153のオブジェクト115をグローバルオブジェクトリストの全てのオブジェクト115と比較してよい。新たに加えられた又は更新されたオブジェクト115がグローバルオブジェクトリストに記録されたオブジェクト115と同一である場合、OS155は、新たに加えられた又は更新されたオブジェクト115を共通オブジェクト117と見なし、共有リストに記録する。
【0035】
いくつかの実施形態において、共有リストに列挙されたオブジェクトの数量は、20、50、又は100といった数量閾値により制限される。数量閾値は、全ての列挙されたオブジェクトの全体的サイズ、及び/又は、共有メモリ113のサイズに関連してよい。更に、OS155は、対応する優先度を使用して、各共通オブジェクト117を構成してよい。優先度は、全てのアプリケーション151と153の間の重複数、アクセス要件、又は他の条件に関連してよい。例えば、会議の場面において、アバターは比較的高い優先度を有し、仮想ボールは比較的低い優先度を有する。共有リストに列挙されたオブジェクトの数量が数量閾値を超えた場合、OS155は、対応する優先度に基づき、共有リストから共通オブジェクト117を取り除いてよい。例えば、最も低い優先度を有する共通オブジェクト117が共有リストから取り除かれ、比較的高い優先度を有する共通オブジェクト117はまだ共有リスト内にある。
【0036】
プロセッサ150は、OS155を介し、共通オブジェクト117をライブラリ111から共有メモリ113に格納してよい(ステップS230)。具体的には、OS155は、アプリケーション151又は153が何らかのオブジェクト115を要する前に、共通オブジェクト117と見なされたオブジェクト115をライブラリ111から共有メモリ113へプリロードしてよい。1つの実施形態において、OS155は、電子装置100が起動又は再起動された後に、共有リスト内に記録された共通オブジェクト117を共有メモリ113へコピーしてよい。もう1つの実施形態において、共有メモリ113は、アプリケーション151又は153が何らかのオブジェクト115を要するとき、共通オブジェクト117をプリロードしてよい。
【0037】
プロセッサ150は、OS155を介し、アプリケーション151又は153のアクセス先をライブラリ111から共有メモリ113へ変更してよい(ステップS230)。具体的には、アプリケーション151又は153が実行されたとき、ライブラリ111から共通オブジェクト117にアクセスするのではなく、アプリケーション151又は153は共有メモリ113から共通オブジェクト117にアクセスする。即ち、共通オブジェクト117のアクセス先は、共有メモリ113として改変される。1つの実施形態において、オブジェクト115のアクセス先は共有リストに従い設定される。例えば、共有リストに記録されたオブジェクト155は、アクセス先が共有メモリ113として設定される。次いで、アプリケーション151又は153は、アプリケーション151又は153のアクセス先に基づき、共有メモリ113から共通オブジェクト117にアクセスできる。
【0038】
従来のアプローチと比較し、個別のアプリケーションはライブラリ111から何らかの共通オブジェクト117にアクセスする必要がない。更に、共通オブジェクト117は、アプリケーション151と153により同時に共有メモリ113からアクセスされることができる。このため、共通オブジェクト117に完全にアクセスするためのアプリケーション151と153のアクセス時間を短縮することができる。
【0039】
まとめると、上述した例示的な実施形態は、電子装置及びそのオブジェクト共有方法を描写している。OSは複数のアプリケーションにより用いられる共通オブジェクトを判定する。共有メモリは、アプリケーションが必要とする前に、共通オブジェクトをプリロードする。次いで、共通オブジェクトが必要となったとき、共有メモリは異なるアプリケーションのために複数で同時のアクセス権限を提供する。アプリケーションは共有メモリ内にプリロードされた共通オブジェクト117に直接アクセスできる。即ち、共有メモリは再びライブラリから共通オブジェクトにアクセスする必要がない。このため、データ伝送量とメモリ空間使用量が低減できる。特に共通オブジェクトが、アバター又は仮想オブジェクトといった、基本オブジェクトであり、ほとんどのアプリケーションで使用される場合、伝送時間を節約でき、ネットワークプロバイダのネットワーク帯域幅が占有されることがない。
【0040】
当業者にとって、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、本発明の構造に様々な改変と変形を行うことができることは明らかであろう。上記を鑑み、本発明は、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内にあるという条件で、本発明の改変及び変形を網羅することを意図している。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の電子装置及びそのオブジェクト共有方法は、ソフトウェアオブジェクト管理に応用することができる。
【符号の説明】
【0042】
100:システム
110:メモリ
111:ライブラリ
113:共有メモリ
115:オブジェクト
117;共通オブジェクト
130:通信トランシーバ
150:プロセッサ
151、153:アプリケーション
155:OS
200:外部装置
S210~S250、S310~S330:ステップ
【外国語明細書】